公務員試験「自然科学」の例題10問と解き方! 専門家の解説付き

公務員経験がある専門家がこの記事を監修しました
山田 圭佑
山田 圭佑
キャリアコンサルタント
Keisuke Yamada〇数的推理・判断推理を得意とし、30倍もの競争倍率のなか沖縄県庁に現役合格。その後は沖縄県職員として18年間務めた後、キャリアコンサルタントに転身。お金や仕事に関するセミナーや個別指導などで、のべ3,000人を超える受講者や学生のキャリア支援をおこなう
主な実績
  • ファイナンシャルフィールド(コラム掲載)
  • ハピママ(マネー系コラム掲載)

公務員試験「自然科学」は、数学・物理・化学・生物・地学の5分野から構成される科目です。

この記事では、公務員としての勤務経験がある山田さんとともに公務員試験「自然科学」の解き方を解説します。自然科学を履修していない文系の人は、頻出分野に絞った効率的な対策方法を理解することから始めてみてください。

記事の後半では、練習問題10問を用意しています。自然科学でしっかり得点するために繰り返し解いて対策しましょう。

対策前に把握しよう! 公務員試験「自然科学」の解答のコツ

公務員試験「自然科学」の概要

  • 問題パターン:数学、物理、化学、生物、地学
  • 1問あたりの時間:1分以内
  • 出題頻度:テストセンター(なし)ペーパーテスト(高:マークシート形式あり)Webテスティング(なし)
公務員試験の「自然科学」を解く際のコツを教えてください!

国家資格キャリアコンサルタント/2級ファイナンシャル・プランニング技能士

山田 圭佑

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文系の学生には難関! 一問一答形式の参考書で対策しよう

公務員試験の「自然科学」は設問数は少ないものの、大学入試などで理科系の勉強をした経験のある人にとっては、ありがたい得点源です。落とすことのないように慎重に解答しましょう。

逆に、受験時に文系の勉強をメインにしていた人にとっては難関かもしれません。それほど設問数は多くないため、「捨て」にしてしまうことも一案です。

しかし少しでも得点したいのであれば、過去問に加えて高校初級レベルの理科系教科書・参考書をそろえ、ざっと読んでおさらいをしておきましょう。参考書は、一問一答方式のものがおすすめです。

1問あたりにかける解答時間は、計算問題でなければ1分以内に収めましょう。

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押さえておこう! 公務員試験「自然科学」の概要

公務員試験の「自然科学」は、教養試験の「一般知識」という枠組みのなかで出題されます。以下に「自然科学の科目ごとの頻出分野」と「職種別の一般知識の出題数」を表でまとめているので、参考にしてみてください。

なお、表に記載しているのは自然科学のみの出題数ではなく、一般知識全体の出題数です。自然科学の出題数は、このうちの数問程度となります。まずは、出題されやすいテーマと、試験全体におけるボリュームを正しく把握して、効率的な学習に役立てましょう。

①頻出分野

頻出分野
数学数IA(数の性質、方程式、図形)
物理力学、電気、原子、波
化学理論化学と無機化学
生物動物の恒常性、生態系、遺伝、代謝
地学気象、火山、地層、地震、天文

②職種ごとの出題数

志望職種「一般知識」の出題数
※すべてが自然科学とは限らない
国家一般職6問
国家専門職6問
裁判所事務官6問
東京特別区I類12問(科目選択可能)
東京都1類B16問(必須解答)
地方上級全国型18問(科目選択可能)

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公務員試験「自然科学」の練習問題10問|山田さんによる解き方の解説付き!

ここからは、公務員試験「自然科学」の練習問題を山田さんによる解説付きで10問紹介します。数学、物理、化学、生物、地学の5分野を2問ずつ用意しているので、自然科学で出題される全分野の問題形式を体系的に学習できます。

公務員試験「自然科学」を解いたことがない人や、学習の優先順位がわからない人は、「問題を解く前に確認! 公務員試験「自然科学」対策のコツ」で各科目の特徴や優先順位の見極め方を理解してから練習問題に進むと効果的です。

問題1(難易度:★★☆☆☆)

問題

以下の各問いについて、最も適切なものを一つ選びなさい。

袋の中に、赤玉が5個、白玉が4個、青玉が3個入っている。この袋から同時に2つの玉を取り出すとき、2つとも同じ色である確率はいくらか。

選択肢


正解:A
すべての取り出し方は12C2=66通りと求められる。次に2つとも同じ色になる場合を考える。赤玉2つの場合は5C2=10通り、白玉2つの場合は4C2=6通り、青玉2つの場合は3C2=3通りである。したがって、条件を満たす取り出し方は10+6+3=19通りとなる。確率は(条件に合う数)/(すべての数)に当てはめて計算すると19/66と導くことができる。

山田 圭佑

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この問題では、場合の数で、「C(組み合わせ・Combination)」を使う場面をしっかり理解しているかが問われています。「P(順列・permutation)」と混同しないようにしましょう。

すべての取り出し方は12C2=12×11/2×1=66通りで、これが求める確率の分母です。そして赤白青の玉が同時に取り出されるパターンをすべて合計したものが分子になります。

問題2(難易度:★★★☆☆)

問題

電磁波の性質や利用に関する記述として、最も妥当なものを一つ選びなさい。

選択肢


正解:B
マイクロ波は赤外線よりも波長が長く、放送や通信、加熱など幅広く利用される。Aは、真空中における電磁波の速さは周波数や波長にかかわらず一定であるため誤り。Cは、可視光線のなかで最も波長が長いのは赤色であり、最も短いのは紫色であるため逆である。Dは、X線は紫外線よりもさらに波長が短いため誤り。Eは、ガンマ線は電磁波のなかで最も波長が短く、透過力がきわめて強いため誤りである。

山田 圭佑

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自然科学の問題ですが、日常生活で使われる電磁波の特徴を理解できているかが問われています。

近年の理科系の問題はこのような、普段の生活における自然(物理・生物・化学・地学)が起こす現象の原理について聞かれることが多いようです。

自然科学が苦手な人は、子ども向けの「科学読本」のような書籍から学習を始めてみてくださいね。

問題3(難易度:★★★☆☆)

問題

物質の構成や原子の性質に関する記述として、最も妥当なものを一つ選びなさい。

選択肢


正解:C
Aは誤りであり、二種類以上の物質が混じり合ったものは混合物という。Bは誤りであり、二種類以上の元素が化学結合した純物質は化合物という。Cは同素体の説明として妥当である。Dは誤りであり、原子番号が同じで中性子の数が異なるものは同位体という。Eは誤りであり、これらは単体であるため同位体ではなく同素体である。

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問題4(難易度:★★★☆☆)

問題

生物の遺伝現象や核酸の構造に関するA~Dの記述のうち、妥当なものを選んだ組合せを一つ選びなさい。

DNAの構造と遺伝情報の複製に関する記述として、妥当なものの組合せはどれか。

A.細胞周期のなかのS期(合成期)といわれる時期に、元のDNAとまったく同じ新しいDNAが作られる過程を翻訳という。
B.DNAを構成するヌクレオチドの糖はデオキシリボースであるが、RNAを構成するヌクレオチドの糖はリボースである。
C.DNAの二重らせん構造において,四種類の塩基はどれも互いに結合できるわけではなく、アデニンは常にグアニンと結合する。
D.DNAの二本鎖がそれぞれ鋳型となり、二組の二重らせん構造が形成される複製の方式は、半保存的複製といわれる。

選択肢


正解:D
Aは誤りであり、DNAが合成される過程は複製という。翻訳はRNAからタンパク質が合成される過程である。Bは糖の違いを正しく述べている。Cは誤りであり,アデニンはチミンと相補的に結合する。Dは複製の仕組みと名称を正しく述べている。したがって、妥当なものはBとDの組み合わせとなる。

問題5(難易度:★★★☆☆)

問題

火山の形状や噴火の仕組みに関する記述として、最も妥当なものを一つ選びなさい。

マグマの性質と火山の形状に関する記述として、最も妥当なものはどれか。

選択肢


正解:C
マグマの粘性と火山の形に関する問題。二酸化ケイ素の含有量が多いほど粘性は高く、色は白っぽくなる。このため、粘性が高いマグマは溶岩円頂丘を作り、中程度のマグマは溶岩と火砕物が重なった成層火山を形成する。一方、粘性が低いと盾状火山となる。カルデラは噴火による陥没地形を指すため、これらを整理して正誤を判断することが重要となる。

問題6(難易度:★★★☆☆)

問題

以下の問いについて、最も適切なものを一つ選びなさい。

箱の中に、赤玉が6個、白玉が5個、青玉が4個入っている。この箱から同時に3つの玉を取り出すとき、3つともすべて同じ色である確率はいくらか。

選択肢


正解:A
まず、すべての取り出し方は15C3=455通りとなる。次に3つともすべて同じ色になる場合を考える。赤玉3つの場合は6C3=20通り、白玉3つの場合は5C3=10通り、青玉3つの場合は4C3=4通りである。これらは互いに排反であるため、合計すると20+10+4=34通りとなる。確率は34/455となり、これ以上は約分できないため、これが答えとなる。

山田 圭佑

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前の問題と同じく、「C(組み合わせ・Combination)」に関する問題です。実際の試験では「P(順列・permutation)」を使う問題も頻出です。計算方法をきちんと復習しておきましょう。

aPb(a・bは整数)の計算方法は、a(a-1)……(a-b+1)のようになります。具体的には、aから始めて1ずつ減らしながらb個の数字を掛け合わせると覚えておきましょう(例:4P3=4×3×2=24)

問題7(難易度:★★★★☆)

問題

電磁波の性質や利用に関する記述として、最も妥当なものを一つ選びなさい。

光および電磁波の諸性質に関する記述として、最も妥当なものはどれか。

選択肢


正解:A
電磁波のエネルギーは周波数に比例し、波長に反比例するため、波長が短いほどエネルギーは大きくなる。Bは、屈折率は波長が短いほど大きくなるため、紫色のほうが赤色よりも大きく屈折する。Cは、短波は電離層で反射される性質を持つため、遠距離通信に利用される。Dは、赤外線は可視光線よりも波長が長い。Eは、物質のなかでは、電磁波の速さは波長によって異なるため誤りである。

時間がない人におすすめ!
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また本番形式の模試も付いているので、前もって本番の感覚をつかむことができますよ。

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問題8(難易度:★★★★☆)

問題

物質の構成や原子の性質に関する記述として、最も妥当なものを一つ選びなさい。

原子の構造と同素体に関する記述として、最も妥当なものはどれか。

選択肢


正解:B
Aは同位体の説明であるため誤り。Bは同位体の定義および性質として正しい。Cは同素体の説明であるため誤り。Dの蒸留は、物質の沸点の違いを利用して分離する物理変化であるため誤り。Eの空気や海水は、複数の物質が混ざり合った混合物であるため誤り。また、純物質は成分比が一定であるという特徴がある。

山田 圭佑

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同位体、同素体、混合物、化合物、純物質といった、化学につきものの用語の定義について聞かれています。知識がなければ太刀打ちできない問題なので、わからないと判断したら「捨て問題」にしてしまうほかありません

科学用語は高校レベルのものです。そのため、学習経験がまったくない人にとっては厳しい問題だといえます。

問題9(難易度:★★★★☆)

問題

生物の遺伝現象や核酸の構造に関するA~Dの記述のうち、妥当なものを選んだ組合せを一つ選びなさい。

遺伝情報の発現とゲノムに関する記述として、妥当なものの組合せはどれか。

A.RNAを構成する塩基は4種類であり、DNAに含まれるチミンの代わりに、ウラシルが含まれていることが特徴である。
B.タンパク質の合成において、3つの塩基配列が特定のミトコンドリアを指定する単位のことを、一般にゲノムという。
C.ヒトのゲノムは約30億塩基対からなるが、そのなかで実際に遺伝子として機能する領域は全体のわずか数%である。
D.真核細胞において、DNAから写し取られたRNAから不要な領域を取り除き、エキソンをつなぎ合わせる過程を複製という。

選択肢


正解:B
AはRNAの塩基構成を正しく述べている。Bは誤りであり、3つの塩基配列で1つのアミノ酸を指定する単位はコドンという。Cはヒトゲノムの性質を正しく述べている。Dは誤りであり、RNAから不要な部分を取り除く過程はスプライシングという。複製はDNAそのものを合成する過程である。したがって、妥当なものはAとCの組み合わせとなる。

山田 圭佑

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コロナ禍において発明された「mRNAワクチン」を覚えていますか。ニュースで話題になった用語は、公務員試験の問題として採用されやすくなります

時事問題対策として、日々のニュースをチェックするとともに、よくわからない科学用語や専門的な言葉が出てきたら、必ず解説文を読んでいくクセを付けるのが合格への道です。

問題10(難易度:★★★★☆)

問題

火山の形状や噴火の仕組みに関する記述として、最も妥当なものを一つ選びなさい。

火山の活動および噴出物に関する記述として、最も妥当なものはどれか。

選択肢


正解:B
火山の噴出物や分類に関する問題である。火砕流は高温のガスと砕屑物が一体となって流下するきわめて危険な現象である。火山砕屑物は粒径によって分類され、2mm以下が火山灰、2mmから64mmが火山礫といわれる。一度の噴火でできる火山は単成火山であり、伊豆東部火山群などが有名である。噴火様式はマグマの粘性やガス量によって決まるため、それぞれの特徴を正しくとらえることが求められる。

山田 圭佑

プロフィール

高校地学の基礎となる知識を問う問題です。学習歴がない人にとっては非常に難易度が高くなります。自然科学系科目の中でも、地学は特に日常生活から縁が遠い分野といえるでしょう。

ただこの問題の選択肢Aは、まったく地学の知識がなくても「礫(れき)」と「灰」ではどちらの粒が細かいかを判断できれば、一方を誤りの選択肢として除外できます。

このように、科学の知識以外で選択肢を絞り込める場合もあるので、最初から解答を諦めないようにしましょう。

公務員試験「自然科学」を対策する際のポイント

アドバイザーのリアル・アドバイス!化学漫画を読むのも対策のうち! わからない単語は必ず調べよう

国家資格キャリアコンサルタント/2級ファイナンシャル・プランニング技能士

山田 圭佑

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公務員試験における自然科学分野は、「基本的な科学知識がないと手も足も出ない問題」になりがちなのが特徴です。逆に考えれば「捨て問題」の判断がしやすいともいえます。

ただし、出題数が法律系科目などと比べて少ないからといってすべての自然科学系問題を捨ててしまうことはおすすめできません。何より、自然科学系の知識がまったくない人材が公務員として勤務することは、望ましいことではありません。

自然科学の知識は公務員になっても役立つ! 過去問の対策も忘れずに

とはいえ、自然科学分野で点数を取りたいものの、高校レベルの自然科学系科目を勉強する時間はないという人もいるでしょう。そんな人は近くの図書館で小学生向けの「科学マンガ」をすべて読破してみてください。印象に残った記述が問題として問われるということは起きえます。

最近発行された漫画作品では「Dr.STONE(ドクターストーン)」が私のおすすめです。小中学生だった私の子どもが夢中になって読んでいて、それなりに知識が定着していました。

もちろん、最も役に立つのは自分が受験する分野の公務員問題過去問集です。わからない科学用語が出てきたらそのままにせず、必ずネット検索をして解説文を読んでいくクセを付けましょう。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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