公務員試験の面接には自己PRがありますが、「どんな特徴や強みをアピールしたら良いのかわからない」「そもそも自己PRの書き方がわからない」など、不安や悩みを抱えている人も多いでしょう。
公務員の面接は評価の比重が重いケースが多く、また中でも自己PRは重視される可能性が高いので、しっかり練り込むことが不可欠です。
この記事では、キャリアアドバイザーの吉野さん、桒田さん、遠藤さんと一緒に、公務員試験の自己PRの作り方を解説します。公務員試験を控えている人はぜひ最後までチェックしてくださいね。
公務員を志望している人のうち、選考で有利になるために資格の取得を考えている人もいると思います。以下の記事では公務員で有利になる資格を職種別にまとめているので参考にしてみてください。
公務員で有利な資格って? 職種別の資格とアピールのコツも解説
公務員試験を受ける人の中には当日の服装で悩んでいる人もいると思います。以下の記事では公務員試験にふさわしい服装を解説しているので参考にしてみてください。
公務員試験にふさわしい服装は? 選び方やNG例も併せて解説
特徴・強みを活かす! 自分ならではの公務員の自己PRを作り込もう
公務員試験の自己PRは、職業柄、奇をてらった内容にする必要はありませんが、ほかの応募者と似通った内容になると印象に残らず評価されにくくなる可能性があります。そこで重要なのが、自身の特徴や強みのアピールを工夫することです。
この記事では、最初に公務員試験の配点比率や自己PRが重要視されている理由、高評価を得られる強みなどを解説します。まずは公務員試験の自己PRの特徴を知り、自分ならどんな強みをアピールするかを考えましょう。
そして、記事後半では公務員試験の自己PRの書き方や失敗例、例文を解説します。前半で考えた自身の強みをどうアピールするかを実際に考え・文章に落とし込んでいきましょう。
自己PRの重要度は? 公務員の各試験の配点比率
公務員試験には第一次試験で筆記試験、第二次試験で面接試験が実施されます。公務員試験の種類によっても異なりますが、面接試験に重きを置いていることが多いのが特徴です。そのため、第一次試験を通過したからと安心することなく、第二次試験の面接試験も徹底的な対策が必要なのです。
そして、公務員試験の面接ではおもに以下の項目で評価されることがあります。
公務員試験の面接の評価項目
- 積極性(意欲・行動力)
- 社会性(他者理解・関係構築力)
- 信頼性(責任感・達成力)
- 経済学習能力(課題の認識・経済の適用)
- 自己統制(情緒安定性・統制力)
- コミュニケーション力(表現力・説得力)
自己PRはこれらの項目をアピールする最適の場です。公務員試験は面接試験の比重が大きいケースが多く、かつこれらの評価項目があることを把握したうえで対策しましょう。
- なぜ、人物に重きを置いている公務員試験が多いのでしょうか?
不条理なことへのストレスを乗り越えられる人材が必要だから
公務員は公僕と言われるように最大多数の最大幸福に奉仕する仕事です。利他に徹し、公平を旨とする覚悟を問われる職業です。また、公務員である以上、自分のミスでなくても行政や国のやり方に反対する人から苦情や非難を浴びることもあるでしょう。
そういったストレスや不条理を乗り越え、人のために尽くすことができる人物かどうかは試験の点数だけでは到底わかりません。
もちろん短時間の面接でわかるはずもありませんが、短時間にその片鱗を感じられることが採用の決め手となるのです。その点において公務員にとって面接試験に対する重要性は大きいといえます。
こちらのQ&Aでは公務員の面接に失敗した場合の合否についてキャリアコンサルタントが回答しています。
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公務員試験において自己PRが重要視されている理由
前述のとおり、公務員試験は面接試験に重きが置かれるケースがあり、特に自己PRが重要視されています。しかし、公務員試験でなぜ自己PRが重要とされているのかわからない人も多いでしょう。
ここからは、公務員試験において自己PRが重要視されている理由を解説します。自己PRの重要性をあらかじめ把握して、対策に向けて準備を整えましょう。
人柄や性格を重視して採用する自治体が多いため
特に地方公務員の採用試験が新方式に切り替わっている傾向があります。
地方公務員採用試験の方式による違い
- 旧方式:教養試験や専門試験などが実施され、専門性や知識が重視される
- 新方式:プレゼンやシートの作成、面接、グループワークなどが実施され、人物を重視される
そして、その新方式では専門的で難易度の高い試験よりも、人物を重視した採用に重きを置いて実施します。
新方式に切り替えた背景には、筆記試験の負担を軽くすることで民間企業と併願する志望者を増やし、優秀な人材を確保するということが考えられます。
このように採用において人柄や性格が重視されるようになり、やはり自己PRの徹底的な対策は必要不可欠となりました。
新方式は、筆記試験の負担が軽くなる分、「部屋にこもって、一人で」では対策が足りません。自分の足で出かけ、人と出会い、人生のさまざまな経験を積む、といった教養力と人間力が問われます。
公務員の働き方に合っているか確かめるため
公務員の働き方にマッチしている人とそうでない人と比べれば、入所後に活躍できると見込めるのは当然公務員の働き方にマッチしている人材と考えられます。
公務員の働き方にマッチしていない場合は最悪早期離職につながることがあり、採用コストや採用後の育成コストが無駄になってしまう可能性があるため、職場側は公務員の働き方にマッチするか見極めようとします。その方法として、自己PRで人柄や性格を見極めて、公務員に合っているかどうかを判断するのです。
そのため、公務員の働き方や必要な能力などを把握して、公務員の仕事や叶えられるキャリアなどに合った自己PRを心掛けましょう。
公務員は、国や地域のさまざまな人のために働く仕事です。民間企業のように自社の商品やサービスを提供するのではなく、より広く世のため人のために貢献するという意識を持って働けるのかを自己PRで伝えていく必要があります。
把握しておこう! 公務員試験と民間企業の自己PRの違い
公務員試験と民間企業の自己PRに大きな違いはありません。ただ、それぞれの職業柄によって評価される特徴・強みは異なります。
たとえば、民間企業は商品やサービスなどの提供を通じて、その対価を得ることを目的としています。一方で、公務員は個人の利益よりも社会全体に奉仕できることが求められます。
そのため、自分の利益を重視した内容よりも、社会全体に目を向けて、国民・市民の安心安全な暮らしのために真面目に働けることをアピールした方が良いでしょう。
このように、公務員という職業の特徴をよく理解して、それに合った内容をアピールすることが大切です。
公務員と民間企業の併願を検討している人は、こちらの記事を参考にしてください。就活を両立させるコツを解説しています。
公務員と民間企業の併願で共倒れ? 状況別で両立のコツを解説
アドバイザーコメント
吉野 郁子
プロフィールを見る公務員は民間企業よりも社会の利益に貢献できるアピールが必要
公務員の仕事の成果は、長期スパンで考える必要があります。数十年後や後世に貢献できるため、自分の名は残らなくとも「縁の下の力持ち」として社会を支える大切な役目を担うのです。
そのため、自分が注目を浴びることや、キラキラして華やかなこと、短期的な成功を求めることなどをアピールするのは、公務員試験の自己PRとして不適切でしょう。民間企業の場合、そういった人物像に適した仕事もあります。
自分の適性や目指す姿は、果たして公務員の中にあるのかを考え抜いていくことが大切です。
「公務員は利益追求がない」ではなく公益のために何ができるか考えよう
また、かつては公務が担ってきた業務も、現代では民間企業との連携で実現されることも多いです。その場合、公務員はより全体を見渡し、リーダーシップを発揮する役目になります。
そうなれば当然ですが、予算や金銭面のことを考えることも求められるでしょう。「言われたことだけやっていたい」「公務員だったら利益追求をしないから、お金に無頓着でよい」というわけにはいきません。
公務員での利益追求は、自分がリーダーとして賞賛を浴びるためや自分の儲けのためにやるのではなく「公益」のために考えることが大切なのです。
公務員の自己PRで高評価を得られる特徴・強み
公務員の自己PRで高評価を得られる特徴・強み
前述のとおり、公務員は民間企業とは特徴が異なるため、求められる性格や強みの傾向も公務員ならではのものになってきます。アピールする特徴・強みの方向性がマッチしていないと、試験を突破できない可能性もあるでしょう。
ここからは、公務員の自己PRで高評価を得られる特徴・強みを解説します。まだどんな特徴・強みをアピールするか考えられていない人は参考にしてください。
①コミュニケーション能力
公務員の業務においてコミュニケーション能力は必要不可欠です。市民の声を聞き、それを施策として落とし込む必要があるのですが、そもそも密なコミュニケーションを取らなければ市民の正直な声を聞くことができないからです。
また、公務員は市民とかかわる機会が多くあります。しかし、コミュニケーションが苦手で毎回ストレスを感じてしまっていては、長期的に働くのが難しいです。
さらに、公務員として従事するプロジェクトは一人でやることはあまりありません。同僚や他部署の人、ほかの国・市区町村の人と協力することがあります。その際、スムーズにプロジェクトを進めるためにもコミュニケーション能力が重要です。
このように、市民の声を聞く、プロジェクトを円滑に進めるなどの観点からコミュニケーション能力は必要で、自己PRでもアピールできます。
自己PRでコミュニケーション能力をアピールしたいと考える人は、こちらの記事を参考にしてください。例文付きで効果的にアピールする方法を解説しています。
例文12選| コミュニケーション能力の自己PRを3ステップで解説
②問題解決能力
問題解決能力は公務員に限らず、社会人であれば身に付けておきたい能力の一つです。特に、公務員は管轄の地域にどんな課題があり、それをどう解決するかを考え、実行することが求められます。
問題解決能力をアピールする際、特に重要なのが自ら問題を見つけたかどうか。すでにある問題を解決するのは多くの人ができます。
一方で、自ら課題を見つけ、それを解決することは難易度が高く、多くの人がアピールできないため、その経験を語ることで他者と差別化を図ることができます。
私生活や授業、サークル、アルバイト、部活動など、どんな場面でも良いので自ら問題を見つけて解決した経験がある人は、その問題解決能力をアピールするのがおすすめです。
自己PRで問題解決能力をアピールしたい人は、こちらの記事を参考にしてください。
自己PR例文付き|問題解決能力を鍛えるコツと就活でのアピール方法
③協調性
公務員の業務のほとんどは、一人で進めるものではありません。市民の声を聞いたり、同僚と協力してプロジェクトを遂行したりするなど、誰かとともに業務をすることが多いです。その際、協調性を持ち、みんなで協力しながら進めるという姿勢が大切になります。
一方で、個人の利益ばかりを重視したり、自分のやり方以外は考えられなかったりする人は、公務員には向いていないでしょう。
周囲の状況に合わせて積極的に協力した経験がある人は、公務員試験の自己PRとして協調性をアピールできます。協調性を発揮した経験がないか振り返ってみましょう。
自己PRで協調性をアピールしたい人は、こちらの記事を参考にしてください。
例文17選|協調性の自己PRで確実に差別化する8つのコツ
なお、公務員にとって協調性や順応性は非常に大切な要素ではありますが、安易に協調性だけをアピールするのはおすすめしません。
協調性があるからこそ、目的を達成するために力を発揮できる自分ならではのPRポイントは何かを明確に打ち出しましょう。
④忍耐力・ストレス耐性
特に市役所や県庁などの窓口対応業務の場合、市民からクレームを受けたり、理不尽なことを言われたりする可能性があります。忍耐力やストレス耐性がある人は、臆することなく対応できたり、気にせずに次の業務に移れたりするため、重宝されるケースが多いのです。
高校・大学時代に厳しい環境に身を置いて、目標達成のために日々努力した人もいるでしょう。その経験により身に付いた忍耐力やストレス耐性は、公務員業務に活かすことができます。
また、「メンタルが強い」や「切り替えるのが早い」などとも言い換えが可能です。忍耐力・ストレス耐性に自信がある人は、自己PRでアピールするのがおすすめです。
自己PRで忍耐力をアピールしたい人は、こちらの記事を参考にしてください。
例文17選! 「忍耐力」の自己PRで企業に最大限アピールするコツ
行政職の場合、所属部署や担当する業務が数年単位で変わることがあります。
さらにジェネラリスト育成の目的がある場合は転属部署が適性に応じて決まるとは限らず、慣れない業務に就かねばならないこともあるため、それがストレスとなる場合もあります。
忍耐力がある人はそのような環境でも活躍できると考えられるのです。
⑤柔軟性
公務員の業務には柔軟性が必要です。プロジェクトを遂行する際は、自分が所属する部署だけでなく、他部署やほかの自治体と協力しながら進めることがあります。その際、大小問わず、急な対応が必要になる可能性があるのです。
高校・大学時代にイベントやプロジェクトの実行委員を務め、急な変更に対応した、緊急の対応に追われたがなんとか完了させたなどの経験があれば、その柔軟性をアピールできるでしょう。
自己PRで柔軟性をアピールしたい人は、こちらの記事を参考にしてください。
13例文|柔軟性の自己PRで理解必須の注意点と伝え方のコツ
- 公務員はルール通りにおこなう仕事が多いイメージですが、どのようなケースで柔軟性が求められるのでしょうか?
社会のニーズに対応するためどの現場でも柔軟性は必要
法律や条例、制度はどんどん改定されています。時代の変化に対応し、より良い行政サービスを提供するためには、柔軟性は欠かせません。
たとえば、SDGsに提唱されている「多様な性自認」を尊重するためには、どんなことを改善していったら良いか自発的に考える必要があります。トップダウンの指示を待っているだけでは、社会の改革は進みません。
現場からも声を上げ、「誰も取り残さない社会」を実現するためには、融通が利かない対応では不十分なのです。新しいルールを社会に広めていくのも行政サービスの大切な役割であるため、変化に対応する柔軟性が求められるでしょう。
⑥責任感
公務員の仕事は、市民の安全安心な生活に直結します。「市民の安全安心な生活は自分の仕事にかかっている」という自覚を持ち、責任感を持って業務に取り組むことが大切です。
また、業務によっては、個人情報や機密情報など、漏らしてはいけない情報を扱う場合もあるでしょう。もし情報が漏れてしまった場合は信頼を失うことになってしまいます。そのような事態を未然に防ぐためにも、責任感を持って業務に取り組むことが求められるのです。
目標達成に向けてやるべきことをきちんとやった経験や、誰かのために本気で何かに取り組んだ経験は責任感としてアピールできますよ。
自己PRで責任感をアピールしたい人は、こちらの記事を参考にしてください。
責任感の自己PRは要注意! 失敗例と絶対響く6例文で徹底差別化
⑦論理的思考力
物事を筋道立てて考える論理的思考力は民間企業に就職する場合も必要ですが、公務員も同様に必要な能力です。
プロジェクトを遂行する際、計画を立てなかったり、ゴールを明確にしなかったりするなどをしていては後戻りやミスが発生して多くの人に迷惑をかけてしまいます。一方で、論理的思考力があり、最初の段階でゴールまで筋道を立てて考えられると、後戻りやミスを格段に減らすことができるのです。
そして、公務員試験には社会問題や経済問題について論述する試験があり、論理的思考力があるかどうかを測っています。試験で測るのは、公務員として働く際に必要となる力だからです。
ゼミや研究などで論理的思考力を発揮して成果を残したり、サークルなどでの活動でも、問題に対し論理的にアプローチした経験があればアピールしてみましょう。
アドバイザーコメント
遠藤 美穂子
プロフィールを見る公務員の自己PRでアピールすべきは仕事で活かせる自分らしさ
公務員というと、真面目でコツコツした性格や責任感の強さをアピールしておくと無難な印象ですが、「公務員らしい強み」というよりも、「仕事で発揮できる自分らしさ」を伝えましょう。
たとえば市役所の職員全てが同じ強みを持っているわけではなく、担当業務やその地域の特性によっても求められる資質は異なるのです。
地域振興のために新しいことに挑戦する力や、周りを巻き込んで物事を進める力、従来のやり方にこだわらず最善を求める姿勢が役に立つ場面もあります。
公務員としてどのように働けるのか具体的に伝えよう
さまざまな立場の人の幸福や安全、暮らしやすさを実現するために、物事を一方向から見るのではなく、幅広い視野や角度から物事を考える力も必要となるでしょう。
また、学生時代にボランティアや専門の研究などで社会課題の解決に取り組んでみた経験などもアピールにつなげることができます。
そこで得た知識や経験が業務に直結するわけではないとしても、課題への取り組み姿勢や意識の持ち方を通じて、公務員としてどのように動けるのか、聞き手が具体的にイメージできるように伝えましょう。
基本をマスターしよう! 公務員の自己PRの書き方
公務員の自己PRは、ただ自分の特徴や強みをアピールすれば良いだけではありません。採用担当者に伝わるように伝えることが大切です。頭に浮かんだ言葉をそのまま伝えた場合、「結局何を伝えたいのかわからない」と、アピールできなくなる可能性があります。
ここからは、採用担当者に伝わりやすい公務員の自己PRの書き方を解説します。大きく分けて3つのステップで書けるので、ぜひ実践してみてください。
自己PRの書き方を具体的に知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。他者と差別化を図れる自己PRの書き方を解説しています。
自己PRは4つのステップで簡単に書ける! テンプレートと例文付き
最初に何が特徴・強みか結論を伝える
自己PRをする際、最初に何が特徴・強みなのかという結論を伝えることが大切です。結論が最初にないと、結論を伝えられるまで何の話をされているかわからないという事態になり、面接官が話の内容を理解しづらくなってしまいます。
そして、地方公務員試験の場合は人物を重視した選考となります。たとえば「この人は忍耐力を強みとしている」と印象付けられれば、覚えてもらいやすくなるでしょう。印象づけるには、冒頭で強みを明確に伝えることが効果的です。
たとえば、以下の最初に特徴・強みを伝えた自己PRと、伝えていない自己PRを見比べてみましょう。
最初に特徴・強みを伝えた自己PR
私の強みはコミュニケーション能力です。
私は大学時代のカフェでのアルバイトでコミュニケーション能力を身に付けることができました。
そのカフェは店舗が小さく、地域の方々との交流に重きを置いているカフェでした。コミュニケーションには自信がなかったのですが、誰とでも楽しくコミュニケーションを取れるようになりたいと思い、そのカフェでアルバイトをすることにしました。
最初はうまく話せなかったり、相手の言っていることを汲み取れなかったりすることもあったのですが、徐々にコミュニケーション能力が身に付き、誰とでも楽しく会話できるようになりました。
御所に入所後は、自身のコミュニケーション能力を活かして、市民の方々の声を聞き、安心安全な地域を作れるよう努めてまいります。
最初に特徴・強みを伝えられていない自己PR
私は大学時代にカフェでアルバイトをしていました。
そのカフェは店舗が小さく、地域の方々との交流に重きを置いているカフェでした。コミュニケーションには自信がなかったのですが、誰とでも楽しくコミュニケーションを取れるようになりたいと思い、そのカフェでアルバイトをすることにしました。
最初はうまく話せなかったり、相手の言っていることを汲み取れなかったりすることもあったのですが、徐々にコミュニケーション能力が身に付き、誰とでも楽しく会話できるようになりました。
このような経験から、コミュニケーション能力を強みとしています。
御所に入所後は、自身のコミュニケーション能力を活かして、市民の方々の声を聞き、安心安全な地域を作れるよう努めてまいります。
このように、話す順番が変わるだけで、伝わりやすさが大きく違ってきます。採用担当者にとって聞きやすい内容とするためにも、自身の特徴や強みは最初に伝えるようにしましょう。
特徴・強みが見つからない場合は自己分析を徹底する
特に公務員志望の人の中には「自分がやりたいことがわからない」など、自分の特徴や強みが見つからなくて自己PRを作れていない人もいると思います。まだ見つからない場合は自己分析を徹底しましょう。おすすめの方法は、これまで少しでもやっていて楽しいと感じた経験や得意な分野を振り返ることです。
たとえば、野球が好きだった人はなぜ野球が好きだったのかを深掘りしてみましょう。すると、「チームの勝利のために一生懸命頑張る自分が好き」など、意外な一面が見つかることがあります。これが自分の特徴や強みになることがあるのです。
自己PRでアピールできる特徴や強みが見つからない場合は、楽しいと感じた経験や得意な分野を振り返り、「なぜ好きだったのか」「なぜ得意だったのか」を繰り返し自問して、特徴・強みを見つけていきましょう。
具体的な自己分析の方法を知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説
特徴・強みを発揮した具体的なエピソードを伝える
最初に結論として特徴や強みを伝えたら、それを発揮した具体的なエピソードを伝えましょう。エピソードはその特徴や強みを持っている根拠になります。
たとえば、以下のようにエピソードがある自己PRとない自己PRを比べてみましょう。
特徴・強みを発揮した具体的なエピソードがある自己PR
私の強みはコミュニケーション能力です。
私は大学時代のカフェでのアルバイトでコミュニケーション能力を身に付けることができました。
そのカフェは店舗が小さく、地域の方々との交流に重きを置いているカフェでした。コミュニケーションには自信がなかったのですが、誰とでも楽しくコミュニケーションを取れるようになりたいと思い、そのカフェでアルバイトをすることにしました。
最初はうまく話せなかったり、相手の言っていることを汲み取れなかったりすることもあったのですが、徐々にコミュニケーション能力が身に付き、誰とでも楽しく会話できるようになりました。
御所に入所後は、自身のコミュニケーション能力を活かして、市民の方々の声を聞き、安心安全な地域を作れるよう努めてまいります。
特徴・強みを発揮した具体的なエピソードがない自己PR
私の強みはコミュニケーション能力です。
私は大学時代のカフェでのアルバイトでコミュニケーション能力を身に付けることができました。
御所に入所後は、自身のコミュニケーション能力を活かして、市民の方々の声を聞き、安心安全な地域を作れるよう努めてまいります。
特徴・強みを発揮した具体的なエピソードがない自己PRは、誰でも言うことができるため信ぴょう性に欠けます。
採用担当者から「この人は本当にこの特徴・強みを持っている」と認識してもらうためにも、具体的なエピソードは必ず伝えるようにしましょう。
問題解決のためチームで取り組み、成果を出した例は最適といえるでしょう。
たとえば地域活性プロジェクトの一員として、産学協働の取り組みで、若者のアイデアで商店街の発展に貢献したことなどが挙げられます。
その特徴・強みを仕事にどう活かすかをアピールする
自己PRは自身の特徴や強み、それを発揮したエピソードを伝えて終わりではありません。最後にそれをどう仕事に活かすかまでアピールすることが大切です。
採用担当者が最も気になるのは、その強みを仕事にどう活かすかです。どれだけ魅力的な特徴や強みを持っていても、仕事に活かせられなければ採用する意味を見いだせないでしょう。
そして、公務員の働き方は民間企業とは異なるため、どう仕事に活かすかを考えるためにも、志望先の特徴や仕事内容などの研究が欠かせません。自己分析と同時に志望先の研究もして、特徴・強みを仕事にどう活かすかまでを伝えられる自己PRを考えましょう。
企業研究のやり方がわからない人は、こちらの記事を参考にしてください。イラスト付きでわかりやすく解説しています。
作り方例4選|企業研究ノートのまとめ方をイラスト付きで解説!
公務員は、倫理性が高く求められる職業です。不正・横領・法律違反などを絶対に犯さない、といった高い順法精神もまたアピールになるでしょう。「当たり前のことを決しておろそかにしない」というのも大切な能力です。
事前に知っておこう! 公務員の自己PRの失敗例
公務員の自己PRの失敗例
- 民間企業と公務員の違いを理解できていない
- 地方公務員と国家公務員の区別ができていない
- その職種に求められていない強みをアピールしている
- 公務員の業務は誰でもできると思っている
公務員と民間企業では仕事内容や働き方、目的が異なります。また、公務員の種類によっても働き方が異なるため、自己PRも伝え方を変えなければいけないのです。つまり、公務員のその職種ならではの自己PRを考えなければいけないということです。
それができていないと、せっかく自己PRを作成しても評価されにくい内容となってしまいます。ここからは、公務員の自己PRの具体的な失敗例を紹介するので、どういった自己PRが評価されにくいのかを事前に把握し、効率的に自己PRを考えましょう。
民間企業と公務員の違いを理解できていない
民間企業と公務員は、そもそも目的が以下のように異なります。
民間企業と公務員の違い
- 民間企業:営利を目的とする
- 公務員:社会への奉仕を目的とする
このような違いを把握せず、公務員で営利を目的として活動するような自己PRをすると、「公務員として働く意志が感じられない」と判断され、マイナス評価をつけられる可能性があります。
自己PRを作る前、もしくは作った後に、その内容が「本当に公務員ならではのものになっているか」を確認しましょう。少しでも民間企業でもできそうな内容が含まれている場合は、公務員ならではの内容にできないかどうかを考え直してみるのがおすすめです。
- どうすれば公務員ならではの内容になりますか?
誰のために仕事をするのかを明確にして強みの伝え方を工夫しよう
たとえば「子育てで苦労する人の支援に携わりたく、そこで活かせる自分の強みは視野の広さです。」と書いたとします。
このままでは民間企業でも公務員でもどちらでも使えるので、説得力が弱いです。実際に公務員の業務で活かすならどういう場合かを考えて伝え方を工夫しましょう。
民間企業であれば、購買見込客のさまざまな苦労を理解し、それを解決する商品・サービスを開発したり提案したりすることに活かせる可能性があります。
一方公務員は、「地域で子どもを育て、生活している住民」の苦労に対し、医療費の補助などの施策を打ったり、保育園や公園の整備を民間の力も借りてサポートしたりしていく立場です。
関係者や対応する相手が多岐にわたるので、利害調整もできる視野の広さをアピールできると良いでしょう。
地方公務員と国家公務員の区別ができていない
地方公務員と国家公務員は実施するサービスや施策が以下のように異なります。
地方公務員と国家公務員の違い
- 地方公務員:自治体の住民に向けたサービス・施策
- 国家公務員:国全体にかかわる業務
これらの違いを把握せずに、地方公務員で国全体にかかわる業務に意欲があることを伝えたり、国家公務員で自治体の住民に向けた施策をやりたいと伝えたりした場合、採用担当者から「ここで働く必要がない」と判断されてしまいます。
自己PRを作成する前に、それぞれの特徴や違いを把握して、志望する公務員の種類に合った内容にすることを心掛けましょう。
その職種に求められていない強みをアピールしている
公務員にはさまざまな種類があり、それぞれ仕事内容が異なります。そのため、職種によって求められる特徴・強みも違ってくるのです。
公務員には以下の職種があります。
行政系 | 行政全般の幅広い業務に携わる |
心理系 | 心理学の知識や技術を活かした仕事に携わる |
福祉系 | 児童相談所や福祉事務所などで、福祉に関する知識・技術を活かした仕事に携わる |
専門職系 | 外務省や財務省などで、専門的な知識・技術を活かした仕事に携わる |
技術系 | 土木や建築などの知識・技術を活かして、都市計画やエネルギー開発などの仕事に携わる |
公安系 | 警察官や消防官など、住民の命や財産を守る仕事に携わる |
資格免許職 | 看護師や獣医師、栄養士など、各専門分野のスペシャリストとして働く |
たとえば、警察官を目指す人が、土木や建築の知識をアピールしても的外れとなってしまいます。
自身が志望する公務員の種類をよく研究して、その仕事に必要な特徴や強みをアピールしましょう。
警察官を志望している人の中には自己PRで何をアピールすればいいのか悩んでいる人も多いと思います。以下の記事では警察官の自己PRについてまとめているので参考にしてみてください。
警察官の自己PRの書き方|説得力で差別化する秘訣を解説
公務員の業務は誰でもできると思っている
中には公務員は特別なセンスや能力が必要ではなく、誰でもできると考える人もいるのではないでしょうか。それは誤りであり、専門性が必要な仕事やその人にしかできないことをやっている人もいます。そのため、このような上から目線の内容の自己PRは印象が悪くなるため、避けるべきです。
そして、公務員として働く人も、「自分にしかできないことをやっている」とプロ意識や誇りを持っています。自分が努力していることに関して、まだ何も経験したことがない人に上から目線で言われるのは不快に思って当然でしょう。
どれだけ自分の特徴や強みに自信があっても、志望する職業にはリスペクトを示さなければいけません。そのうえで、自信があることをアピールするのが大切です。
ここまで自己PRの失敗例をまとめましたが、そもそも公務員になりたい理由がうまくまとまらず悩んでいる人もいると思います。以下の記事では公務員になりたい理由の回答をまとめているので参考にしてみてください。
例文あり|公務員になりたい理由の最適な回答と言語化のコツを解説
NGも紹介! 公務員の自己PRの例文を特徴・強み別で紹介
公務員の自己PRの例文を特徴・強み別で紹介
ここまで、公務員の自己PRでアピールできる特徴や強みを解説してきました。しかし、「実際にどう書けば良いかイメージが湧かない」と悩む人もいるでしょう。
ここからは、公務員の自己PRの例文を特徴・強み別で紹介します。また、NG例文も紹介するので、自分ならどう書くかを考えながらチェックしていきましょう。
OK例文①コミュニケーション能力
コミュニケーション能力の例文
私の強みはコミュニケーション能力です。
この能力は、大学時代の居酒屋でのアルバイトを通じて磨かれました。
居酒屋には多様な客層が訪れ、異なる背景を持った顧客一人ひとりとのコミュニケーションが求められます。最初は顧客の要望を理解して、迅速に対応することに苦労しました。しかし、経験を積むうちに、コミュニケーション能力が磨かれ、顧客のニーズに応えられるようになりました。
入職後は、このコミュニケーション能力を活かして、市民の方々の声を丁寧に聞き、ニーズに答えられる施策を考えていきたいと思います。そして、市民の期待に応えて、より良い社会の実現に貢献していきたいです。
「コミュニケーション能力」は、表す意味がとても広いです。さらに具体化して「相手に合わせて話す力」「自ら能動的に話しかける姿勢」「根気強く耳を傾ける」など、細やかなニュアンスも伝えていくとより良くなると思います。
OK例文②問題解決能力
問題解決能力の例文
私の強みは問題解決能力です。
問題解決能力は大学の部活動で特に発揮されました。
昨年、所属する柔道部が成績不振で、部員たちの士気が下がっているのがわかりました。「このままではいけない」と思い、まずは部員一人ひとりと話をして、悩みや不安を聞き出しました。その結果、根本的な問題として部員間のコミュニケーション不足が挙げられることがわかりました。
そこで、部員間のコミュニケーションを増やすために、定期的なミーティングやチームビルディングを企画し、実施したところ、部の雰囲気が大きく変わり、成績も徐々に取り戻すことができてきました。
入職後は、この問題解決能力を活かして、地域の状況を積極的に観察し、問題発見に努めたいと思います。そして、発見した問題はいち早く解決できるよう施策を考え、実行していきたいと考えています。
問題解決能力は、問題の大きさや範囲にかかわらず、公務員として働くうえで必要な力です。国の政策や地方自治体の施策を企画立案する仕事など、定型的ではない場面で活躍してくれそうな人という印象を与えられるでしょう。
OK例文③協調性
協調性の例文
私の強みは協調性です。
協調性は特に大学のゼミ活動で発揮されました。
私が所属するゼミでは、一つの研究テーマに対して複数のメンバーがそれぞれ異なる視点から研究し、最終的に一つの報告書にまとめるという課題がありました。最初は意見の相違や進行の遅れなど、多くの課題がありました。
その中で、私はメンバー間の意思疎通を促し、それぞれの強みを活かす役割分担を提案しました。その提案が通り、実際に定期的なミーティングを設けたところ、計画通りに進むようになったり、メンバー間のコミュニケーションが活発になったりするなどの成果を得られました。
このような経験から、入職後は、さまざまな部署や市区町村と連携して、地域全体の活性化ができるよう貢献したいと考えています。
この例文ではメンバー間の意志疎通を促し、コミュニケーションを活発にしたという成果を述べています。
もっと効果的に自己PRにするなら、意見対立が起こった際に何をどう解決したか、その能力を今後どう活かすつもりかをより具体的に述べると良いでしょう。
OK例文④忍耐力・ストレス耐性
忍耐力・ストレス耐性の例文
私の強みはどんなことも乗り越えられる忍耐力です。
私は大学時代、バスケットボール部に所属しておりました。毎日厳しいトレーニングやメンバー間でのレギュラー争いなど、厳しい壁に当たってきましたが、それらを乗り越えてきました。
特に、重要な試合を控えた時期には朝から夜まで練習が続き、精神的・肉体的に大きな負担がかかりました。しかしこの経験から、困難な状況でも冷静に対処して、最後まで諦めない忍耐力を身に付けることができました。
この経験を活かして、入職後は、さまざまな背景を持つ人との接触や、複雑な課題に直面した際にも冷静に対応し、困難に耐えて最適な解決策を導き出せるよう努めてまいります。
公務は、災害時、生活困窮、病苦、犯罪被害、貧困、孤立など、人生の過酷な状況にいる人を支える役目があります。
福祉、防災、医療などにかかわる部署・職種を希望する際には、逃げずにかかわり続ける力がアピールポイントになるでしょう。
OK例文⑤柔軟性
柔軟性の例文
私の強みは急な変更でも冷静に対応できる柔軟性です。
私は大学時代アルバイトをしていたのですが、予期せぬ状況や急な要望に対応する機会が多くありました。
あるとき、先輩から急に異なる業務への切り替えを求められたことがありました。その際、私はすぐに状況を理解し、迅速に新しい業務に対応することができました。また、さまざまなタスクに柔軟に対応することで、効率的な業務を遂行させることもできました。
このような経験から、入職後はどんな状況でも冷静になり、迅速かつ適切に対応して周りの方々に貢献したいと考えています。
まず何のアルバイトだったのか、状況がわかるように書いてほしいところですね。
柔軟性は現場で役立つ強みですが、あなたがアピールしたいのが冷静さか、状況の理解力なのか、迅速な対応力なのか、あるいは効率的に改善する力なのか、的を絞るとより良くなります。
OK例文⑥責任感
責任感の例文
私の強みは責任感です。特に大学の部活動でキャプテンとして活動していた際に発揮されました。
キャプテンとしての主な役割は、目標設定と目標達成のためのプランを立てることでした。近年、成績が振るわず、メンバーのモチベーションも低かったため、チーム全体の士気を上げることから始め、その後、メンバー一人ひとりと話し合って、共通の目標を設定しました。
皆で決めた目標に向かってプランを立て、毎日練習を積み重ねたところ、昨年よりも良い成績を残すことができました。
この経験から、入職後は責任感を持って業務に取り組み、目標やゴールに向かって、どんな困難があっても達成できるように全力を尽くしたいと考えています。
- 公務員で責任感をアピールする人は多いと思います……。どうしたら差別化できますか?
責任感はエピソード選びと貢献度のアピールで差別化しよう
責任感をPRするにはそれを示すエピソードが必要です。エピソードは人によって千差万別なので、いかに具体的で説得力のある例を取り上げるかで差別化できます。
どんな事例をピックアップするかは、自分の判断だけでなく、第三者からもわかりやすく納得感のあるものを選びます。自己PRは、必ず第三者に客観的な目で見てもらってブラッシュアップしましょう。
また、応募先の公務の研究をしっかりおこない、今後その責任感を活かして志望する公務員の仕事にどう貢献するかも差別化のポイントです。
ここは自身の能力・経験・希望をすべて掛け合わせた結果を映す部分となります。ぜひ、自分にしか出せない熱意を伝えてみてくださいね。
OK例文⑦論理的思考力
論理的思考力の例文
私の強みは論理的思考力です。
大学のゼミ活動でプレゼンをする機会があったのですが、そこでは複雑なテーマを分析して、その要素を簡潔にまとめ、ほかの学生にも理解しやすいように提示することが求められました。
まずはプレゼンの構成を論理的に組み立てることを意識して作成し、かつリサーチに多くの時間を使いました。その結果、高い評価を得ることができました。
このような経験から、情報を整理し、複雑な問題を簡潔にするという能力を身に付けられたと思っています。
入職後は、論理的思考力を活かして、多様な課題に対して効果的なアプローチをおこない、目標を達成したいと考えています。
現在の論理的思考力では何がどれくらいできるのか、今の自分に足りていないのは何か、それを今後はどう向上させていくかを具体的に伝えるとさらに良いでしょう。
NG例文①民間企業と公務員の違いを理解できていない
民間企業と公務員の違いを理解できていない例文
私の強みはどんなことも一人で突破する力があることです。
私は大学時代に営業代行会社でインターンをしていました。その際、成約すればするほど給料が上がるシステムだったため、必死に営業したところ、100名いる社員・インターンの中でトップ5に入ることができました。
この経験を活かして、入職後も市民の方々と積極的にかかわって、我々がやろうとしていることを説得したいと考えています。
突破する力はとても魅力的ですが、自分一人の営業努力で成績をあげたというエピソードは公務員の仕事での再現性が弱くなります。
「一人で」「説得する」と言い切らず、「難しい状況を工夫して乗り切った経験があり、入職後も難しいと思われる状況でも工夫して打破したい」とつなげられると良いでしょう。
NG例文②地方公務員と国家公務員の区別ができていない
地方公務員と国家公務員の区別ができていない例文(地方公務員志望の場合)
私の強みは何にも臆することなく挑戦できることです。
私はこれまで世界一周や起業、ヒッチハイクなどさまざまことに挑戦してきました。最初は怖かったですが、挑戦することに慣れ、今では何にも臆することなく挑戦できるようになりました。
そして、私は〇〇市の市役所職員として日本全体を変えたいと思っています。今、日本は円安で海外と比べて成長スピードが劣っていると感じています。しかし、私は〇〇市の市役所職員としてどんなことでも挑戦し、世界と戦える日本を取り戻したいと考えています。
地方公務員は地元市民に奉仕する職員であるため、世界を意識し日本を変えるといった壮大な意気込みを強調するのは焦点がずれています。
地域貢献を意識し、地に足のついた目線でいかに細かい心遣いをおこない、市民の立場で考えることができるかを伝える内容に改善しましょう。
NG例文③その職種に求められていない強みをアピールしている
その職種に求められていない強みをアピールしている例文(警察官志望の場合)
私の強みは栄養に関する知識を持っていることです。
私は大学時代に格闘技に取り組んでいました。階級別であり、普段の体重よりも軽い階級に出場していたため、減量が必要でした。
最初はがむしゃらに減量していたためとても苦しかったのですが、栄養に関する勉強を始めたところ、減量が楽になりました。この経験から栄養に関する勉強にのめり込み、今では資格も保有しています。
私は警察官志望で栄養に関する知識は必要ないと思いますが、このとき熱中したことを思い出して、警察官の業務に熱中して取り組みたいと思っています。
エピソードは良いのですが、結論になるべき「強み」がずれています。強調すべきは「目標を決めて、自ら努力することができる」という強みです。努力する力・学ぶ力は普遍性が高く、将来にわたって活用できます。
NG例文④公務員の業務は誰でもできると思っている
公務員の業務は誰でもできると思っている例文
私の強みは結果にコミットして努力できることです。
私は大学時代に日本一厳しいと言われる部活動に所属していました。練習はもちろん、私生活から厳しく、引退までそれに耐え抜き、人間としても成長できたと思います。
こんな厳しい経験をしたので、公務員の業務はこなせて当然です。できることは当たり前で、どれだけ効率よくできるかを重視して取り組みたいと思っています。
締めの段落が上から目線になっているのは良くないですね。部活動と実際の仕事は厳しさの内容が違います。
厳しい部活で音をあげずに努力を重ねて引退までやり抜いた粘り強さや努力の姿勢を、仕事でも発揮したいと伝える方が印象が良くなるでしょう。
民間企業との違いを押さえて公務員ならではの自己PRを作成しよう!
公務員は民間企業と異なる点が複数あり、それに合わせて自己PRも変える必要があります。公務員ならではの自己PRを作成するには、公務員や民間企業それぞれの特徴をよく把握しなければいけないのです。
この記事を参考にして公務員試験で評価される特徴や強み、公務員と民間企業の違いなどを押さえ、自身の特徴・強みを存分にアピールできる、かつ高評価を得られる自己PRを作成していきましょう。
アドバイザーコメント
桒田 里絵
プロフィールを見るストレスの多い仕事だからこそ公務員を目指す理由を明確にしよう
皆さんはなぜ公務員を目指すのでしょうか? 公務員試験の前に改めてこの問いに対する答えを明らかにしてください。
公務員は安定していて安心して長く働けるというイメージがあり、それが志望の第一の理由の人もいるでしょう。
しかし、公務員は一旦災害や想定外の事態が起こったら、自分のことを後回しにしてでも県民や市民のために働かなければなりません。コンプライアンスや情報の取り扱い方の是非を厳しく問われるなど、常に衆人環視の中にいる感覚に陥ることもあるでしょう。
公のために何ができるかという目標に向けて自分の力をアピールしよう
自分より他人、私より公を優先して考え行動する立場というのは、想像以上のストレスとなります。しかし、自分たちが国や県・市の運営を担う仕事というのは、何ものにも代えがたい誇りを持てるものです。
もう一度改めて、公のために自分のどんな力をどのように活かすのか、社会のどんな役に立ちたいのかなどを考え、公務員を目指す気持ちをクリアにしてみましょう。
その目標に向けて自分の適性のアピールとして最も納得いく内容となるよう、自己PRを組み立てていってくださいね。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/キャリア・デベロップメント・アドバイザー
Rie Kuwata〇2018年にキャリアコンサルタントとして独立。企業対象の研修講師や各学校でのキャリアカウンセラーを経てハローワーク就職支援ナビゲーターを務め、年間約3,000名の相談を受けている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/公認心理師
Ikuko Yoshino〇就職支援歴18年。若者就労支援NPOに勤務の後、独立。現在は行政の就職支援施設にて、学生/既卒/フリーター/ニート/ひきこもり/女性などを対象に相談やセミナー講師を担当
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Mihoko Endo〇メガバンクで法人営業や新人研修講師、採用面接に携わる。現在は「その人らしさを引き出すカウンセリング」をモットーに、大学での就活支援、社会人向けキャリア開発研修をおこなう
プロフィール詳細