公務員面接の頻出質問15選|意図を汲み取った回答で好印象を残そう

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この記事にコメントしたアドバイザー

  • 吉野 郁子

    保有資格:国家資格キャリアコンサルタント(登録番号16070714)/公認心理師(登録番号44050)

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  • 田邉 健

    なべけんブログ・よちきゃり派遣 保有資格:国家資格キャリアコンサルタント(登録番号19005362) SNS:X(旧Twitter)/Instagram

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  • 木原 渚

    771 代表 保有資格:国家資格キャリアコンサルタント(登録番号19071060)/2級キャリアコンサルティング技能士(登録番号19S17403784)/Gallup認定ストレングスコーチ(登録番号29078)/MBTI認定ユーザー(登録番号2106101628) SNS:Facebook

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この記事のまとめ

公務員を目指している人の中には、「面接での質問への回答を準備したいけど、そもそもどんな質問があるのかわからず対策ができない」と悩んでいる人も少なくないでしょう。

質問への対策をせずに準備が不十分な状態で面接に挑んでしまうと、伝えたいことをうまくアピールできず、納得のいかない結果につながりかねません。面接でよく問われる質問の意図をつかんでおくことで、自分らしい回答を自信をもって人事にアピールすることができますよ。

この記事では、キャリアアドバイザーの吉野さん、田邉さん、木原さんとともに公務員面接の頻出質問と回答例、対策方法や注意点について解説するので、万全な状態で面接に挑めるようにぜひ参考にしてくださいね。

公務員の面接は質問の意図を汲み取って対策することが大切

公務員面接で聞かれる質問への対策は、ただ頻出問題を把握して回答を用意するだけでは、せっかく持ち合わせている強みをアピールできない可能性があります。面接官が質問をする意図や背景を汲み取って質問に備えることで、面接官が求めている方向性での回答ができるようになりますよ。

記事ではまず、「公務員試験の面接」と「公務員の採用面接」の違いについて解説します。それぞれの特徴を知ったうえで、適切な対策ができるようにしましょう。

次に、公務員面接の頻出質問について意図別に15個紹介します。質問の背景を理解して、回答例を参考に各ポイントや着眼点を押さえましょう。

面接の頻出質問と回答例が確認できたら、質問に回答する際の注意点と回答の質を高めるコツを押さえましょう。面接官にマイナスのイメージを与えない回答を用意できるだけでなく、ステップに沿って対策することでいっそう強みを効果的にアピールできる回答を目指せますよ。

最後に、面接カードがある場合の対策についても紹介します。公務員面接の質問に自信を持って答えられるように、最後まで読んで参考にしてくださいね。

新卒の面接で聞かれる基本的な質問内容を把握できていない人は、まずはこちらの記事をチェックして基礎を固めましょう。
頻出質問110選! 新卒の面接で聞かれる内容と受かる回答のコツ

過去内定者の面接回答集を確認してください

面接で聞かれる質問に答えられるか不安ですよね。ただ、何を質問されるか分からず対策しようにも出来ない人は多いはず。

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どんな質問が来ても確実に回答できるようになれば、面接はもう怖くありません。今すぐ活用し、面接を突破するのに役立てましょう!

まずは「公務員試験の面接」と「公務員の採用面接」の違いを知ろう

公務員を目指す際は、基本的に「公務員試験」と「公務員採用面接」を受ける必要があります。地域や自治体によっては公務員試験のみで完結する場合もあるので、志望先の要項やスケジュールを確認してくださいね。

ここでは、「公務運試験の面接」と「公務員採用面接」の違いを面接タイプと特徴を交えて紹介します。それぞれの特色を押さえて、正しい対策ができるようにしましょう。

公務員と併せて、民間企業にも応募している人もいるでしょう。こちらの記事では併願して応募する際の両立するコツを紹介しているので参考にしてみてください。
公務員と民間企業の併願で共倒れ? 状況別で両立のコツを解説

公務員試験の面接:3つのタイプがあり自治体によって実施内容は異なる

公務員試験の面接は、「個別面接」「集団面接」「グループディスカッション(GD)」の3種類を組み合わせて実施することがあります。自治体によってどのタイプを適用して面接を実施するかが異なるので、事前に把握して対策ができるようにしましょう

種類方法対策方法
個別面接受験者1人に対して面接官2~3人で実施・頻出質問を把握して回答内容をイメージする
・自己理解を深めて踏み入った質問に備える
集団面接受験生5~8人に対して複数人の面接官で実施・ハキハキと質問に答える
・ほかの受験生への質問に耳を傾けて回答を準備する
GD受験生5~10人でグループを組んで、与えられた課題に対して議論する・昨今の時事問題を調べておく
・意見を出し合う時間、相談する時間、まとめる時間の時間配分をイメージしておく
公務員試験の面接

吉野 郁子

プロフィール

個別面談は話を深掘りできる分、話の一貫性(軸は何か、嘘はないか)が大切です。集団面接はそれに加え、集団での振る舞いが見られます。

グループディスカッションでは、即興性のある思考力だけでなく実務で活かせる力を観察されるでしょう。

こちらの記事では、公務員試験に挑む際の服装について解説しています。事前に確認し、余裕を持って面接に挑めるようにしておきましょう。
公務員試験にふさわしい服装は? 選び方やNG例も併せて解説

グループディスカッション(集団討論)について、こちらのQ&Aでキャリアコンサルタントが解説しています。集団討論の意図を正しく理解して対策をしましょう。

公務員の採用面接:基本的に個人面接で公務員試験を通過してから受ける

公務員の採用面接は、おもに個人面接で実施されます。公務員試験の一次・二次選考を通過後に志望先で改めて採用面接をおこなうことが一般的です。

そのため、そもそも公務員試験を突破できないと各自治体の選考には進むことができません。公務員を目指す人は、まずは公務員試験を通過するためにメインとされる個人面接だけでなく集団面接、グループディスカッションを網羅した対策をして合格を目指してくださいね

職種によっては、公務員試験後の面接で入社の意思確認だけの場合があるということを聞きました。実際のところどうなんでしょうか?

そういった場合もあるが最後まで気を引き締めることが重要

面接までおこなったらあとは意思確認だけだから大丈夫! という話を耳にしたことはありますが、悲しいことに実際は面接で落ちてしまうという場合もありえます。

すでにこれまでの選考の評価が高く最終面接は意思確認という場合でも、油断した態度や不適切な言動が影響を及ぼす可能性があります。注意深く、自分の言動や態度に気を配りながら臨みましょう。

公務員の面接での圧迫面接の有無について、こちらのQ&Aでキャリアコンサルタントが回答しています。「圧迫面接があったらどうしよう」「どのように対策したら良いのかわからない」という人はチェックしてみてくださいね。

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公務員面接の頻出質問15選! 質問の意図を理解して印象に残る回答をしよう

公務員面接の意図別の質問

公務員面接では、民間企業ではなく公務員としてやっていけるのか、適性・情熱はあるのかなどを知るためにさまざまな意図を含めた質問がされます。面接官に刺さるような回答をするためには、必ず聞かれる質問や頻出質問の傾向・ポイントを押さえておくことが大切です。

ここではよく聞かれる質問について、面接官の意図別で紹介します。回答例も併せて紹介するので、実際の面接の参考にしてみてくださいね。

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公務員として活躍できる能力があるかを確認するための質問6選

面接官は、学生が公務員として適性があるのか、入社後に活躍できそうかを面接で判断しています。基本的に学生時代や過去のエピソードをもとに人柄やポテンシャルを見るため、実際のエピソードを用いて説明できるようにしておきましょう

その際は、エピソードの概要だけではなく詳細を説明して、経験した結果からどのようなことを学ぶことができたのか、今後どういった場面でどのように活かしていきたいのかも併せて伝えるようにしましょう。そうすることで、「この人なら入社後に実際の業務で活躍してくれそうだな」という印象を与えられますよ。

まずは、公務員として活躍できるかを確認するための質問6選を紹介します。回答例も紹介しているので、自分の回答を用意する際に参考にしてください。

「自己PRをお願いします」

面接官は自己PRから、受験者の強みとそれに関連するエピソードから何を得たのか、今後どのように活かしていこうと思っているのかを知ろうとしています

まずは強みから述べ、その理由と具体的なエピソード、公務員としてどのように活かしたいかを伝えましょう。

例文

私は地域の課題に対処し、市民のために具体的な成果を生むことに情熱があります。

具体的には、学生自治会の地域の安全担当として防犯イベントの企画・運営をおこない、地域の安全意識やコミュニティの団結感を向上させて犯罪抑止に貢献しました。

同時に、大学のボランティア団体で高齢者向けのコミュニティイベントを企画し、各種プログラムの開催や参加者との対話を通じて、高齢者の孤独感緩和に寄与しました。

学業面では、環境科学の専門知識の習得に励みました。環境問題に焦点を当てた調査研究では、地域の持続可能な未来に向けた提案を35ページにわたりまとめました。

防犯イベントやボランティア活動での経験から得た柔軟性や対人スキル、問題解決力を武器に、公務員として市民の信頼を勝ち取り、地域社会に実質的な影響を与えていきたいと考えています。

公務員の面接で自己PRをするときには、論理的にわかりやすく説明することがポイントです。市民とかかわる機会が多いため、誰にでもわかるように説明する力が求められています。

公務員面接では自己PRが重視されていますがうまくアピールできない人もいると思います。以下の記事では評価される自己PRの作り方をまとめているのでぜひ参考にしてみてください。
公務員の自己PRのコツは? 評価される作り方を例文付きで解説

こちらの記事では、自己PRに活かせる題材の見つけ方を例文付きで解説しています。「自己PRがなかなか思いつかない……」という人はぜひ参考にしてみてください。
自己PRがない人必見! 就活必勝の題材の見つけ方を例文付きで解説

自己PRは、答え方を工夫することで面接官の心を惹きつけることができます。こちらの記事で詳しく解説してるので、面接を控えている人は参考にしてくださいね。
面接官を惹きつける自己PRの答え方|例文12選

「学生時代に頑張ったことは何ですか」

面接官はこの質問から、困難な状況に陥ったときにどのように解決・行動するのかを知ろうとしています。頑張ったことをただ述べるだけではなく、その経験を経て学んだことや力になったことも併せて回答することで、入職後に活躍できるイメージを与えられますよ

例文

学生時代に頑張ったことは、大学2年生のときに経験した高齢者支援のボランティア活動です。

私は老人ホームでのレクリエーション担当を任せていただきましたが、最初は高齢者のニーズを理解できず、企画実施後の反応が芳しくなかったため、不安を覚えました。

そこで、レクリエーションの前に私たちと高齢者がコミュニケーションをとる時間を設け、それぞれの要望をヒアリングしました。すると、スポーツ愛好者や料理が好きな人がいたり、手芸や音楽のレクレーションを企画してほしい人がいたりと、人によって求めているものが違うことに気付きました。

高齢者として一括りにしていた自分を深く反省し、曜日ごとに異なるレクリエーションをおこない、参加希望制にすることでより楽しんでくれるようになりました。

この体験から、「市民ファースト」の姿勢を重視することが重要なのだと痛感しました。任用後は利用者の声を真摯に受け止め、市民を全力でサポートできる公務員を目指したいと考えています。

学生時代に努力したエピソードとして受験勉強や部活動、ボランティア活動、留学などいくつかあります。一つに絞るにはどのような観点で選べば良いですか?

吉野 郁子

プロフィール

自分が成長できたエピソードを選ぼう

自分を一番成長させてくれた活動はどれか、で絞りましょう。その活動を通して培った強みを、実務でどのように活かせるのかを伝えられると説得力が出てきます。

「やる前の自分はこうだった」→「それが活動後こう能力が伸びた」とBefore/After構文で書けると、エピソードとしてもわかりやすいです。

そのため、なんの強みをアピールしたいのか、その強みはどのように鍛えられたのか、といった順番で「伝えたい強み」を起点として考えていきましょう。

こちらの記事では、学生時代に頑張ったこと(ガクチカ)と自己PRの違いについて解説しています。それぞれの違いを把握して、実際に質問をされたときに明確な違いを出して回答できるようにしてくださいね。
ガクチカと自己PRの違いは? 例文付きで相違点をわかりやすく解説

ガクチカをより魅力的にする方法をこちらの記事で解説しているので、併せてチェックしてみてください。
例文13選|誰でも「刺さるガクチカ」が完成する4ステップを解説

留学経験は自己PRの題材としても使うことができます。以下の記事では自己PRで留学をアピールするときのコツを解説しているので参考にしてみましょう。
自己PRで留学経験を無駄なく活かすコツ! 長期・短期別の7例文も

「あなたの弱み・短所を教えてください」

弱みや短所を聞くことで、面接官は学生がどのように短所を克服しようとしているのか、業務に支障がある弱みなのかを確認しようとしています

ネガティブな言葉で伝えて回答を終わりにすると、「いざ入職後に壁にぶつかった際に諦めてしまうのではないか?」と面接官は感じてしまう可能性もあります。弱みや短所を伝える際は、ポジティブな言葉に言い換えたり、克服するために取り組んでいることも伝えるようにしてみましょう。

例文

私の短所は、完璧主義である点です。

自分の思い通りに計画が進まないと気が済まなくなり、チームワークを乱してしまった経験があります。

以前、大学で所属しているゼミでプロジェクトを進める際、ほかのメンバーと協力すべきところでも自分の理想の状態にならないと満足できないことがあり、チーム内で意見の食い違いを発生させてしまいました。

この癖がチームワークに良くない影響を与えてしまう可能性があると気付き、
独りよがりになってしまわないように、メンバーの意見を積極的に聞くことを意識しています。また、計画通りに進まない場合はメンバーと意見を交換する場を設けて柔軟に対応することも心がけています。

これからは自己評価を適切かつ客観的におこないつつ、フィードバックを素直に受け入れることで、柔軟性を発揮できるように努力し、円滑なチームワークで仕事ができるよう改善していくつもりです。

弱み・短所を伝えるときには、克服しようと努力していることを伝えるようにしましょう。克服しようとしていることを伝えると、目の前の課題から目を背けずに対処する前向きな姿勢がアピールできますよ。

こちらの記事では、短所を良い印象を与えて伝える方法を解説しています。ネガティブになってしまいがちな短所を長所に変換するためにも、ぜひチェックしてみてくださいね。
就活で使える弱み100選! 短所を悪印象なくプラスに見せる秘策

「あなたの強み・長所を教えてください」

強みや長所は、実務のどんな場面で活躍できるのかをアピールできます。公務員で求められている人材と照らし合わせて、マッチしている自分の強みや長所を伝えてみましょう

例文

私の強みは、リーダーシップと問題解決能力があることです。

学生自治体の一員として携わっていた際、コミュニケーションが活発でないことが課題になっていました。コミュニケーションが取れていないと、何かイベントを進める際にも連携が取りにくいと感じたので、自ら交流の機会やワークショップを企画・実施する役割を買って出たことで、ほかのメンバーを引っ張りながら共通の目標に向かって前進する力を養うことができました。

また問題解決能力についても同時に磨くことができました。新型コロナウイルス感染症の影響でここ数年あらゆるイベントが中止となり、先輩からの引継ぎがままならない中だったので、手探りでその場その場で問題に対する意見を出し合いながらチームで解決していくことばかりでした。その中でも、定常的なものはマニュアル化を進めたことで、スムーズに課題を解決できるようになりました。

この経験から、学生自治体で培ったリーダーシップと問題解決のスキルを社会に役立て、今後の問題解決に活用し、自らが所属する組織において尽力していきたいと考えています。

公務員の仕事は、チームでの協働が求められる場面が多いです。また、市民やさまざまな団体と良好な関係を築いたり、関係者にわかりやすく説明したりすることも必要なため、協調性やコミュニケーション能力の高さは効果的なアピールの一つです。

チームワークやコミュニケーション能力に関する具体的な経験を伝えましょう。

自分の強みを見つける方法をこちらの記事で紹介しています。「自分の強みがわからなくてアピールできない……」と悩んでいる人は参考にしてくださいね。
強み一覧付き|自分の強みが必ず見つかる方法9選とアピール方法

「過去の失敗談を教えてください」

過去の失敗談からは、その後の分析力や問題解決力が測られます。失敗したエピソードで完結させずに、その経験から何が原因だったのかを振り返った過程や解決方法も伝えるようにしましょう

例文

過去の失敗談としては、大学祭でのリーダーシップに関する経験が挙げられます。

私は大学祭で広告宣伝部のリーダーを任されましたが、最初は周りの状況が見えておらず、メンバーとのコミュニケーションも不十分であったため、運営に支障をきたしました。

多くの問題が見受けられたため、大学祭が終了後に反省点を振り返る時間を自身で設けました。分析した結果、メンバーのスキルや強みを把握せず、タスクの分担が不均衡なまま進行していたことが根本的な原因だということがわかりました。

翌年の大学祭で前年の反省点を活かし、役割分担と協力体制の見直しをおこなったうえで、定期的なミーティングを実施しました。その結果、メンバーとの密なコミュニケーションをはかれたことで広告宣伝が功を奏し、最終的には来場者数が前年比1.5倍に増えました。

この経験を通じて、挑戦することだけでなく振り返りの重要さを改めて実感しました。入職後も失敗を恐れることなく新しいことにチャレンジし、自らの行動を振り返って成長につなげていきたいと考えています。

採用担当者が過去の失敗談を質問する意図は、失敗から学ぶ姿勢があるかどうかを判断するためです。同じ失敗を繰り返すと市民からの信頼を失ってしまうため、失敗を通じて成長することが重視されています。

面接で失敗談を聞かれたときに「答えづらいな……」と思う人も少なくないでしょう。失敗談の正しい伝え方を知ることで、アピールにつながることがあります。こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください。
例文14選|面接で伝える「失敗談」の正解回答を徹底解説

「これまでの経験をどのように活かせると思いますか」

学生のスキルや学生時代の経歴を知るために、これまでの経験について質問されることもあります。これまでの人生を振り返ってみて、印象に残っている出来事からどのように仕事に活かしたいのかも伝えてくださいね

例文

私は学生自治体を通じて培った協働性を仕事に活かせると考えています。

学生自治体の活動に携わる中で、イベント企画の際や学内のルールを改変する際など、さまざまな意見を集約する場面がありましたが、決まった目標に向かって組織で解決する協働性を培うことができました。この経験は、異なるバックグラウンドを持つ関係者との円滑な協力が求められる公務員の仕事において、非常に有益であると考えています。

また身に付けた協働性を活かすことで、さまざまな課題を解決できるということも学びました。多くの視点から答えを導き出して解決した経験は、変化する状況に柔軟に対応し、市民に対して最良のサービスの提供が必要な公務員の仕事においても役立つと確信しています。

以上のように、これまでの経験を通じて培った協働性とそこから学んだ課題解決力を活かし、公務員としての使命をはたしていく所存です。

アドバイザーコメント

実際に活躍している社員の姿をイメージできるようにしよう

公務員として活躍できることをアピールするには、「活躍している公務員とはどんな姿か」を調べ、考えておく必要があります。ほかの業界と比較して、公務員は「華やかに脚光を浴びる仕事」というよりは「縁の下の力持ち」的な役割を担っています。

「具体的にどんなふうに仕事をするのか」「どんな行動で縁の下の力持ちの役割を担っているのか」は調べないとイメージが湧きません。公務員でアピールできる特徴の「調整力」や「問題解決能力」も、どんな場面のどんな行動で発揮できるのかをよく理解しないまま使っていると、何かを言ってるようで実は何も伝わっていない表現になってしまいます。

自分の内と外の分析を重ねよう

自己分析と仕事研究の両方をおこなうことが、質問に対する対策として必要になります。

さらには、現在の自分と将来なりたい自分をつなげて話せると良いでしょう。

学生としての「課題解決力」と、現実の社会課題への「課題解決力」は同じではありません。問題解決までの年月の長さや、巻き込む人の規模・対象、血税を使って実行する責任が、学生の立場とは大きく変わってくるはずです。

こういったスケールの大きな仕事を実行できるようになるには、引き続きのたゆまぬ努力と研鑽が必要です。「努力できる力がある」というアピールはとても強いです。今後はどんな努力をしていく覚悟があるのか、できるだけ具体的に考えておきましょう。 

仕事に対する責任感や情熱を測るための質問6選

面接官は、仕事に対して受験者がどんな熱意を持っているのかも面接で図ろうとしています。希望職種や入社後について聞かれることが多いため、入社後の働くイメージを明確にしておきましょう。

自分のキャリアビジョンを明確にすることで、入社後に対して具体的な回答をすることができます。理想とする働き方や、どんな場面でどんなふうに活躍したいかを言語化できるようにすることが大切です

ここでは、仕事に対する責任感や情熱があるかを確認するために面接官がよく聞く質問6選を紹介します。キャリアビジョンがはっきりしていないという人は、まずは回答例を参考に深掘りしてみてくださいね。

「取り組んでみたい仕事は何ですか」

「将来やりたいこと」については民間企業への就職でもよく聞かれますが、この質問は学生の仕事に向き合う姿勢や受験者自身の価値観を知ろうとしています

具体的な仕事内容を答えられるように、志望する自治体の解像度を高めておきましょう。

例文

私は地域振興の仕事に興味があります。

大学1年生の時、地元のコミュニティセンターで地域住民と協力して、公園の改修プロジェクトに参加しました。公園の改修では、地域住民の声を取り入れてバリアフリーな環境の整備や子どもたちの遊び場の改修に注力しました。

その活動の中で感じたのは、小さな地域の変化が大きな喜びや効果を生んでいるからこそ、実際の地域に根付いている感覚を把握することが欠かせないということでした。

この体験から、地域振興に従事することで地域社会に貢献し、市民の声を反映させながら、より良い環境やサービスを提供できる仕事に挑戦したいという想いが芽生えました。

この体験を通じて地域住民との連携を大切にし、地域振興に情熱を傾けながら、持続可能な社会づくりに貢献していくことを私のキャリア目標と位置づけています。

「公務員になってやりたいことが具体的に答えられない」という人は、こちらの記事を参考に回答を準備してみましょう。
例文10選|入社後にやりたいことの回答で押さえるべきコツは?

公務員の中でも、市役所への就職を目指している人もいるでしょう。こちらのQ&Aでは、市役所でやってみたい仕事についての質問への回答例をキャリアコンサルタントが紹介しています。ぜひチェックしてみてくださいね。

「取り組みたい仕事について何ができると思いますか」

取り組みたい仕事からは、学生が入社後のイメージをしっかり持っているか知ることができます。自分の長所を活かして、実際にどんなことをやってみたいのか具体的に答えられるようにしましょう。

例文

私は土木工事で必要とされるデータ分析を通じて計画の進行状況や予算、リソースの最適な配分などで客観的な判断を下すことができると思います。

たとえば大学のゼミ活動では、水質汚染の課題に焦点を当て、地域の河川での水質データを収集しました。ここでは、さまざまなセンサーや測定器を使用し、水質のpH、酸素濃度、汚染物質の量などのデータを取得しました。

得られた大量のデータを統計的に分析し、異常値や傾向を検出するとともに、その結果をもとに地元自治体に対して提言をおこなった経験があります。

これらの経験で培った数値データを利用した課題に対処する能力を活かして、土木の仕事で問題の早期発見や改善策の検討に貢献できると考えています。

自分の強みの「挑戦力」を公務員の仕事で活かせる気がしません。強みと業務内容が合っていない場合はどのようにアピールしたら良いですか?

言葉を言い換えてみるとアピールできることも

「挑戦力」は公務員の業務に直接的には結びつかないように感じられますが、「挑戦力」を「新たな機会や変革に積極的に取り組む意欲と柔軟性」として位置付けると、強みとして十分アピールできます。

外部環境の変化が激しい現代では、公務員にも柔軟性や適応力が求められます。前例が通用しない状況において、変化に素早く適応する意欲と姿勢によって組織に貢献できることをアピールしましょう。

また、ほかにも一見公務員の仕事には結びつけることが難しそうな「独創的なアイディア力」といったものも、業務プロセスや手続きの改善案を新しい発想で提案し、組織内の効率向上に寄与できると伝えれば強みとして効果的です。

「公務員に求められる能力とはなんだと思いますか」

学生に対して公務員に求められる能力を聞くことで、業界への理解度を測ったり、入社後のミスマッチを防いだりすることができます。業界研究をしっかりとおこなったうえで回答を準備し、求められる人物像と自分を照らし合わせて合致するポイントをアピールしましょう

例文

私が特に重要だと感じるのは、公正かつ倫理的な判断力です。

公務員は、公共の利益を追求することが求められています。そのため、客観的な視点から課題・問題を見つけて評価し、その場に応じた解決策や対応策を見つけ出す能力が必要なのではないかと考えています。

大学時代、私は学友会予算の委員として予算の管理と分配に携わりましたが、あるとき学友会の予算の一部が使い込まれている可能性が浮上しました。

事実を調査した結果使い込みの事実が判明しましたが、私は公正な立場を守り法に基づいた手続きを厳守したうえで厳正な対処をおこないながらも、当事者の権利も考慮しました。

この経験から、公務員で必須とされる公正かつ倫理的な判断力を身に付けられたと自負しています。

さまざまな課題や問題に対して、公正にかつ論理的に分析して判断する必要がある公務員で、自分の強みを活かしながらサービスの提供に尽力したいと考えています。

吉野 郁子

プロフィール

公務員は、規律性を持っていることが最も大切だと考えます。コンプライアンス意識は現代に欠かせないですし、ルールと約束を守ることが信頼される行政サービスとして大切です。自分を律する自己管理能力は公務員として最も求められる能力でしょう。

「公務員としての将来像を教えてください」

成長意欲や伸びしろ、仕事におけるビジョンを確認するために、面接官は公務員としての将来像に関する質問をすることがあります。仕事内容を具体的に理解したうえで、先輩社員などのキャリアパス・キャリアプランを参考にして、できるだけ具体的に答えてくださいね

例文

公務員として地域社会に深くかかわり、市民の生活や福祉の向上に寄与したいと感じています。

具体的には、定期的なヒアリングや地域イベントへの参加を通じて、市民の声を丁寧に聴き、それに基づいて具体的な計画や施策を立案したいと考えています。そしてやるべきことを着実に実行していくことで、地域社会の発展に直結する貢献を果たします。

また、単なる計画や提案だけでなく、実際の行動に移すことが重要だと考えています。そのため、地域イベントやプロジェクトに自ら参加し、地域住民と一体となって課題解決に取り組む姿勢を貫きます。

このような地域社会の中での実践を通じて直結度を高めることで、公務員としての存在感を示し信頼を築き上げていきたいと考えています。

公務員になりたいのですが、入職後の具体的な将来像が浮かばず、キャリアビジョンを明確にできません……。

「どうなりたいか」ベースで考えてみよう

キャリアビジョンと聞くと「40歳までに管理職に就きたい」など何をしたいかに注目しがちではないでしょうか。しかし、公務員のキャリアビジョンで大切なことは「あなたがどうなりたいか」です。

公務員は人事異動があり、やりたいことベースで考えると実現できない可能性もあります。一方で、「どうなりたいか」ベースで考えると、どのような環境でも実現することができるのです。

たとえば、「市民や企業の可能性を広げられるようになりたい」というビジョンを掲げていたら、どの組織でも実現できますよね。さらに、貢献したいことが大きくなれば転職なども自然に考えられるようになります。

公務員だからこそ「何をするか」ではなく「どうなりたいか」でビジョンを考えましょう。

「そもそもキャリアビジョンってなに?」という人は、こちらの記事でキャリアビジョンについて理解して、自分なりのキャリアビジョンを描けるようにしましょう。
キャリアビジョンとは|就活のプロが意義と描き方を徹底解説!

キャリアビジョンは、「将来の夢」とも言い換えることができます。将来の夢の回答で好印象を残すコツをこちらの記事で解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
面接で聞かれる将来の夢で好印象を残すコツ4選|業界別の回答例あり

「公務員としてあなたは何ができますか」

公務員として学生自身が何ができると思うかを問うことで、社会に貢献してくれるか、仕事に真摯に向き合えるかを知ろうとしています。具体的な業務を想定することで、自分にできることが見えてきますよ。

例文

私は、今までの経験で得た学びから市民に寄り添い、地域社会に貢献できると考えています。

以前、地域でおこなわれた住民参加型のイベントに主催者として参加しました。市民と直接対話し、住民の声や期待を生で聞く中で地域の特定の課題やニーズに気付くことができました。

具体的には、キャリアサポートイベントや起業家精神育成プロジェクトなど地域の若者向けのイベントや、地域のアーティストや文化関連団体と協力して、生け花や絵画などアート・カルチャー体験プログラムの高齢者向け企画が市民の期待として高まっていることが把握できました。

このように、公務員として住民に溶け込み、胸襟を開いた会話の中で本音を拾い上げることにより、新たな価値を吹き込んだ行政サービスの提供ができると確信しています。

抽象的な表現だと、「説得力がない」「自信がない」と受け取られてしまうリスクがあるため、具体的に伝えられると効果的です。前向きな意欲、協働や連携の姿勢も併せて示しましょう。

一方で、民間企業やほかの組織に対する批判や、周囲を下げることによる過度な自己主張は絶対に避けましょう。ネガティブな表現や姿勢はマイナス評価につながってしまいます。

「配属先が希望外の場合どうしますか」

採用後は、必ずしも学生が希望する部署に配属できるとは限らないため、そういった場合の意欲や志望度の高さを面接官は知ろうとしています。ネガティブな雰囲気を出さずに、自分の強みがほかの部署でどのように通用するのか、そして応募先への志望具合を改めて伝えましょう

例文

もし配属先が私の希望と異なる場合でも、「自分の幅を広げるチャンスだ」とポジティブに捉えたうえで、積極的かつ柔軟に取り組む姿勢をもって組織に貢献していきます。

関連するスキルや知識を向上させ、将来的には横断的な業務にも対応できるように努力したいと考えています。

吉野 郁子

プロフィール

「大丈夫です」「頑張ります」と答えるだけではもったいないです。その後になぜそう思うのかについて、自分なりに納得している理由を自分の言葉で語りましょう。そうすることで、自分の一貫性を改めて伝えられます。

アドバイザーコメント

具体的なエピソードを語ることを意識しよう

「仕事に対する責任感や情熱を図るための質問」への回答を用意するときに、入職後の責任感と情熱を考えてしまう人は少なくないかと思います。もちろん公務員について理解を深めることは、質問への回答から志望する熱意をアピールするためには重要なポイントです。

しかし、最も大切なことは責任感や熱意を経験ベースで語ることです。どれだけ責任感や熱意があることを説明しても、根拠がなければ採用担当者は真意を確かめることができません。

過去の経験も一緒に伝えると効果的

配属先が希望外の場合どうするかという質問に対する以下の回答を見てみてください。

「学ぶ機会だとポジティブに捉えて仕事に取り組みます」

これでは、採用担当者の立場になって考えてみると、ポジティブに仕事に取り組めるイメージができませんね。しかし、ここに「吹奏楽部でコンクールメンバーになれなかったときに、メンバーのサポートを通じて練習に対する姿勢が変わった経験があります」という経験も加えて回答できると、採用担当者も応募者が希望外の仕事でもやりがいを持って仕事をしているイメージができます。

公務員の仕事に対する知識を重視するのではなく、過去の経験を振り返って熱意をアピールしましょう。

公務員を志望した理由を確認するための質問3選

民間企業と同様に、公務員の採用面接でも志望動機は聞かれます。志望動機では、前述のような自己PRや強み・弱みなどとの一貫性も見られているので、回答のズレや矛盾を防ぐためにも、就活の軸を定めて対策を進めましょう。

自分の回答に矛盾がないかを確認することは、自己分析の延長となり自己理解を深めることにもつながります。一貫性を保った回答を用意することで企業への信頼度も上げられるので、自分の回答を見返してみてくださいね。

ここからは、公務員を志望した理由を確認する質問3選を紹介します。具体的な例文を参考に、志望動機を作成してみましょう。

「公務員を選んだ理由は何ですか」

公務員を選んだ理由は、公務員の面接で必ずといっても良いほど聞かれる質問の一つです。そもそもなぜ民間企業ではなく公務員なのかを面接官は知りたがっているので、それぞれの特徴や違いを押さえた回答ができるようにしましょう

例文

私が公務員を志す理由は、小学生の頃、地域の公園の整備やイベントの企画に〇〇市の公務員の方々が積極的に関与している姿を見て、公務員が地域社会の発展に果たす役割の大きさに感銘を受けたからです。

そのため、大学では地域開発に関する研究に没頭し、地域社会の課題や可能性について学びました。

また、〇〇市のインターンシップでは、地域住民との対話を通じて具体的な課題を把握し、地域振興策の立案に参加する機会がありました。そこでは小学生の頃と異なり、公務員をイメージしながら市民のニーズを真摯に受け止め、施策にどう反映させるかを自分事で考える良い経験となりました。

このような経験から、地域の課題を解決して可能性を広げるために、学んだ知識や経験を活かして地域社会の一員としてともに成長していきたいと考えています。

私は公務員と民間、両方の立場を経験しました。その経験から感じる公務員のメリットは、社会への直接的な貢献です。公務員は利益追求が主眼ではないため、公共サービスの提供に専念することができます。この社会的な使命感や充実感は、公務員ならではだと思います。

「〇〇市を選んだ理由は何ですか」

公務員と一口に言っても、自治体によって取り組みは大きく異なります。そのため学生がどういった理由で応募先の自治体を選んだのか、面接官は確認しようとしています。各自治体と比較して明確なポイントをつかみ、自分の言葉で述べられるようにしてくださいね。

例文

私が〇〇市を選んだ理由は、美しい自然環境と歴史的な魅力に惹かれたからです。

山々に囲まれたこの地域は、自然に育まれながら生活ができる場所であると感じています。〇〇市の美しい自然を失わないために環境の維持・発展に携われる市の職員としてこの恵まれた自然を守り、市の発展に貢献したいと思っています。

私は大学のゼミで環境科学を学び、持続可能な開発や自然保護に関する知識と経験を積んできました。ゼミ活動を通じて、都市部での緑地整備やエコフレンドリーなインフラの提案など、地域の特性に合わせた取り組みをおこないました。

この経験を活かして、〇〇市が抱える自然環境や環境保護に関する課題に対して、再生可能エネルギーの導入や生態系保全プロジェクトの立案、持続可能な交通インフラの整備など、市の未来を築くための施策の提案と実行に尽力したいと考えています。

公務員として役所での勤務を希望しています。正直自治体ごとの違いがよくわからないのですが、どういった視点で比較すれば良いですか?

吉野 郁子

プロフィール

可視化できる部分を調べてみよう

まずは数値(土地面積、人口、税収額、年間予算額など)で比較してみましょう。それにより、規模の違いが具体化します。

次に、現在の首長の政策の柱を調べてみてください。自治体のHPや公式広報物が活用できますよ。政策課題は各自治体でも似てきますが、予算額や具体的な施策が変わってきます。

すると、自分の関心分野(例:観光振興)でも、予算はいくらで、具体的には何をやっていこうとしているのか、の違いが見えてくると思います。

「〇〇部署を志望する理由は何ですか」

この質問では、受験者が採用された後のことを具体的にイメージできているのかを知ろうとしています。自分がやりたい仕事や志望先の企業の各部署でできることの詳細を突き詰めて回答の準備をしましょう。

例文

〇〇部署を志望する理由は、医療や社会福祉に関する専門的な知識や経験を活かし、市民の健康と幸福に貢献したいという強い思いがあるからです。

私は医療系の大学に通っているので、その中で得た知識を地域社会に還元したいと思っています。ほかの部署でも知識を活かせる場面はあると思いますが、特に〇〇部署では、市民の健康課題や福祉ニーズに対応するためのプログラムや施策を立案・実行できることに魅力を感じています。

近年高齢化が進む中で、地域住民のニーズに合わせた健康プロモーションや介護サービスの提供がますます重要となっています。私はこれらの課題に対して、住民の声に耳を傾けながら、地域の特性に合った包括的かつ効果的な支援を提供したいと考えています。

以上の理由から、市民との対話を通じて地域全体の健康促進や社会的な課題に対処していくことにより、市民の生活の質を向上させ、より健全な社会づくりに貢献したいと考えています。

アドバイザーコメント

どの質問にも自信を持って答えられるように万全の準備をしよう

公務員試験の面接では、なぜ公務員を目指すのか、なぜその自治体なのかという志望動機が非常に重視されます。志望動機を明確にしておくことは、職員になってからの仕事への姿勢にも大きく影響してきます。

そのため、面接ではさまざまな角度から「なぜ民間ではなく公務員なのか」「本当にうちの自治体の職員として働きたいのか」を確認されるでしょう。面接では想定していない質問をされることがよくあります。

どんな聞き方をされても自信を持って答えられるよう、以下の3つの点についてしっかりと整理し、具体的に伝えられるよう準備しておくことが大切です。

① 公務員と民間企業の違い、応募する自治体や職種について理解を深める
② 過去の経験や価値観を含めて自己分析をおこない、強みを理解する
③ ①と②を踏まえ、自分がどのように組織に貢献できるかをまとめる

自分の言葉で答えられているかも大切なポイント

「何を答えるか」も大切ですが、「どのように答えるか」も大切なポイントです。マニュアル的な回答ではなく、自分の言葉で説明できないと説得力はありません。上手い言葉を丸暗記するのではなく、自然体かつ熱意を持って伝えられるよう、可能なら模擬面接などで練習しておきましょう。

公務員面接の質問回答で知っておきたい3つの注意点

公務員の面接対策で質問への回答を用意する際は、注意点も併せて理解しておきましょう。頻出質問や質問の意図を理解していても、注意点を知らずに面接対策を進めてしまうと、面接官にマイナスな印象を与えてしまう可能性があります。

ここからは、質問回答時に気を付けておきたい注意点を3つ解説します。面接対策時に見落としがちなポイントを押さえて、最大限魅力を伝えられるようにしましょう。

①安定性や待遇だけに触れた志望動機にしない

公務員の仕事は、民間企業と比べて比較的安定していて福利厚生も充実していることが多いです。このことを理由に公務員を目指している人もいるでしょう。

しかし、安定性や待遇に直接触れた志望動機では、面接官は「地域に本当に貢献してくれるのか」「自分の損得しか考えていないのではないか」という不安を抱いてしまう可能性があります。仕事への前向きな姿勢で入社後に職務を果たせることを伝えるために、待遇面だけに触れた内容は避けましょう

安定性に惹かれて公務員を志望しています。正直なところほかに理由が思い浮かばないのですが、それでも面接では伝えないほうが良いですか?

吉野 郁子

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別の表現方法を考えてみよう

現在「安定している」以上の志望理由が思い浮かばないなら、必要なのは言語化の促進です。表現方法を広げるためには、まず、人と話すことが効果的です。

できれば友達同士より、面接官に準じた目上の人(大学の先生・親戚の人など)と「公務員の仕事の魅力って何だと思います?」と対話する機会があると、言葉が見つかっていきます。

採用パンフレットでも「この仕事の魅力」をいろんな先輩職員が語っています。ペンで印をつけながら、自分の気持ちに近い言葉・活用できる語彙を増やしていきましょう。

パンフレットだけでは足りなかったら、本・雑誌など、資料をさらに読んで「これが言いたかった!」という言葉を見つけていってくださいね。

②曖昧な志望動機で面接に挑まない

面接対策をしている段階では、まだ志望動機がはっきりしていないという人もいるかもしれません。しかしその状態で質問への回答を用意したり、志望動機を考えたりすることはおすすめできません。

明確な理由・根拠がなく面接対策をして選考に進むと、いざ面接で質問をされて深掘りされたときに、その場限りの回答をしてしまい信頼度が低くなってしまう可能性があります。就活における軸、応募した動機の軸は必ず定めてから対策をして、面接官を納得させる回答ができるようにしましょう。

こちらの記事では、面接で志望動機を聞かれたときの回答方法について例文を用いて解説しています。応募先とのマッチ度を効果的にアピールするためにも、ぜひ参考にしてくださいね。
面接の志望動機の答え方を10例文で解説! 書類と同じ対策はNG

③プライベートを充実させたいことをアピールしすぎない

自分の時間を大切にしたいといった理由から、比較的残業の少ないとされる公務員を志望している人も少なくないでしょう。しかし「ワークライフバランスを保ちたいから公務員を目指している」ということを面接で伝えることに対して、あまり良い印象を抱かない面接官もいます

プライベートの時間を充実させたいことをアピールしたい場合は、言い方を工夫して伝えてみてください。「スキルを身に付ける時間を確保したい」「資格の取得など自己研鑽の時間がほしい」など、業務に対してポジティブにつながることをアピールしましょう。

公務員を目指す人の中で、ほかの民間企業と並行して就職活動をしている人も少なくないでしょう。ほかの企業の面接で嘘をついてしまった場合に、公務員の内定に響くのかについてこちらのQ&Aでキャリアコンサルタントが回答しています。不安を回避して就活を進めるために、ぜひチェックしておきましょう。

丁寧に対策しよう! 公務員面接の回答の質を高める4ステップ

面接官の意図を押さえた頻出質問や回答の注意点が理解できたら、面接官の心を惹きつけるような、より解像度の高い回答を目指してみましょう。回答の質を高めることで、信頼度のある回答をすることができます。

ここでは公務員面接で聞かれる質問に対して、4ステップで面接官により良い印象を与えるための回答への準備方法を解説します。ステップに沿って対策をして、自信を持って堂々と面接官にアピールできるようにしましょう。

ステップ①希望分野の仕事内容を詳しく調べる

まずは、希望している仕事と実際の仕事内容の詳細を調べて正しく理解しましょう。全体像のイメージだけ、あるいはなんとなく知っている情報だけで面接に挑むと、数多くの面接をしてきた面接官は詰めが甘いことを見逃してはくれません

また、理想とする仕事内容や希望分野を聞かれたときに応募している仕事と違いがあると、企業研究ができていないという印象を与えてしまいます。詳しい業務内容を知ることで具体的な場面を想定して回答できるため、面接官に実際に活躍している場面をイメージさせることにもつながりますよ。

公務員の職種研究をするときには、仕事内容を掘り下げて考えることがポイントです。たとえば、「電話対応」だけでなく「誰とどのような内容を電話で対応するのか」などです。

具体的に掘り下げて理解することで、ほかの学生より理解度が深いことのアピールができますよ。

ステップ②公務員で求められる人物像と自分を照らし合わせる

必要とされている人材と自分の特徴・強みがあまりにもかけ離れていると、面接官は「公務員よりもほかに向いている仕事があるのではないか」と感じてしまう可能性もあります。公務員で求められている人物像を自分に照らし合わせて、共通するポイントや活かせる特徴を洗い出してみましょう

今の自分とどのように照らし合わせれば良いのかわからない場合は、過去のエピソードを具体的に振り返ってみて、自分の特徴・傾向・強みを知ることから始めてみてくださいね。

過去のエピソードを振り返る方法として、自己分析が効果的です。こちらの記事で効果的に自己分析をする方法を解説しているのでぜひ参考にしてください。
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説

吉野 郁子

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「公務員で求められる人物像」はいろんな着眼点があります。「公務員は〇〇なはずだから、それに合わせなきゃ!」ではなく、公務員の仕事をよく研究して、素直な自分の強みと結び付けられるところを切り口にしましょう。

ステップ③スラスラと話せる程度まで面接の練習を重ねる

「頻出質問への回答の準備ができればあとは内容を丸暗記するだけ!」と思いたいところですが、それで終わらせてしまうと面接でスムーズな受け答えができなくなってしまいます。

また、暗記した内容をそのまま話した場合、棒読みになり感情が入らないため、かなりの確率で面接官にバレてしまいます。一言一句丸ごと暗記しようとするのではなく、伝えたいことの概要を頭と体に染み込ませて練習を重ねることで、スラスラと回答できるようになり軽やかな受け答えができるでしょう

こちらの記事では、面接の効果的な練習方法を紹介しています。「面接の対策方法がよくわからない」という人はチェックしてみてください。
効果絶大な面接練習|最短で内定に近づく状況別練習法を紹介

ステップ④想定外の質問にも回答できるように備える

面接では、受験者の柔軟性や対応力を図るために想定外の質問をされることがあります。そういった質問が来る可能性があるということを知っておきましょう。把握しておくこと自体が対策になるのです。

想定外の質問をされて瞬時に答えられない場合は、一度落ち着いて10秒ほど考える時間をもらいましょう。それでも答えが浮かばない場合は、正直にわからないということを伝えてみてください。質問の内容をよく理解せずに的外れな回答をしてしまうより、真摯な姿勢で対応していることを伝えられますよ。

面接対策で準備をしていなかった質問がくることが不安です。たとえばどういった質問が来たりするのでしょうか?

準備していなかった質問には時間をもらって考えてから回答しよう

面接対策で準備していない質問をされたら、うまく答えられるか不安になりますよね。

対策をしていない質問をされたときには、「考えるお時間をいただけますでしょうか」などを伝えて、考えてから回答することが重要です。間を埋めるために、考えずに回答するとマイナス印象になる可能性があるため注意してください。

なお、過去の公務員試験では、このような珍しい質問が出題されたことがあります。併せて対策をしておきましょう。

・IoT(モノのインターネット)や5Gをどのように活用するか
・誰もトイレ掃除をやりたがらなかったらどうするか
・あなたを漢字1文字で表すと何か

「想定外な質問に備えるためにいろいろな質問を見てみたい!」という人はこちらの記事をチェックしてみてください。
本当にあった面接での面白い質問50選!印象アップする答え方を解説

面接カードがある場合は実際に話している場面を想定して作成しよう

面接の参考資料として、面接カードの提出が求められる場合もあります。そんなときは、実際に自分が質問に回答している場面を想定して作成することで、面接官からの質問に備えることができますよ。

面接官になったつもりで自分に質問を問いかけ、回答内容まで考えたうえで作成してみてくださいね。

また、面接官に興味を持ってもらうためにあえて面接カードに詳細すべてを記載しないやり方もあります。「面接で深掘りしてもらってアピールしたい!」というエピソードがある場合は、全体の概要のみを面接カードに記載することも一つの方法です。

面接カード作成時の注意点

  • 誤字脱字がないようにする
  • 読み手の存在を意識して簡潔に作成する
  • 思いついたまま適当に書かないようにする
  • 面接本番を意識して作成する

面接カードは、民間企業の就活におけるエントリーシート(ES)に相当するものです。

ただし、民間企業の場合はESで応募者をふるいにかけて合格した場合のみ次の選考に進めるのに対し、公務員の場合には筆記試験で受験者をふるいにかけます。そのため、面接カードはあくまで面接の際の参考資料として使われます。

ただし公務員の面接試験はほぼ面接カードどおりに質問されるため、面接の回答を想定したうえで記入しましょう。

面接カードの書き方については以下の記事をチェックしてください。書き方のコツをまとめています。
面接カードの基本の書き方と一歩リードできるコツ|質問別記入例付き

質問の意図を押さえた万全な対策で公務員面接を突破しよう!

公務員面接で聞かれる質問への対策は、面接官の意図を知ることで求められている方向性での回答につながります。

この記事では意図を踏まえた頻出質問だけでなく、回答例や伝える際の注意点、回答の質をより高める方法を解説しました。自分の軸を持って的を射た回答をできるように面接対策をして、公務員の選考突破を目指してくださいね。

アドバイザーコメント

徹底的に自己分析をして公務員の面接を乗り切ろう

公務員面接で準備をしていないことを質問されて答えられず、面接落ちになることを考えると不安になりますよね。

しかし、面接で聞かれる質問をすべて対策することは、残念ながら不可能に近いです。面接で聞かれる質問は多種多様なので、どれだけ時間をかけても対策しきれないのです。

公務員の面接に不安を感じている人は、自己分析で過去の体験を深掘りすることが重要です。過去の経験を深く分析することができていれば、どのような質問をされても回答する材料が揃っている状態がつくれますよ。

たとえば、公務員の面接で「あなたを漢字1文字で表すと何か」と質問をされたとします。このときに、強みを自己分析できていれば、スムーズに回答することができますよね。

自己分析の結果は入職後の自分の味方になってくれる

自己分析をすることで、公務員の面接に答えられるだけでなく、入職した後にも過去の成功体験・失敗体験をもとに壁を乗り越えられるようになります。面接対策を通じて社会人に必要なスキルを磨き、ほかの学生と差をつけて内定獲得を目指しましょう。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了
全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-220824001-02942)
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