
危険物取扱者は、ガソリンや化学薬品・火薬類など、取り扱いを誤ると火災や爆発につながる危険物を扱うための国家資格で、ガソリンスタンドや化学工場、ビルメンテナンスなど幅広い業界で必要とされています。
試験に合格するためには、単にテキストを丸暗記するのではなく、科目ごとの出題傾向や頻出分野をしっかり理解し、それに合わせた対策をおこなうことが大切です。
この記事では、専門家である高尾さんとともに危険物取扱者試験の対策方法を解説していきます。また、記事の後半には、本番のレベル感を確認できる練習問題を41問用意しています。
乙種第4類をメインに解説しつつ、乙種第1・2・3・5・6類や丙種試験についても解説しているので、試験の全体像を把握していきましょう。
例題を解く前に確認しよう! 「危険物取扱者」乙種第4類の解答のコツ
「危険物取扱者」乙種第4類の概要
- 問題パターン:五肢択一式
- 1問あたりの時間:1分~2分
- 受験形式:各都道府県の試験会場でのマークシート
- 危険物取扱者試験の対策のコツを教えてください!
苦手分野をなくすのが鍵! 問題の型を身に付けよう
危険物取扱者試験(特に需要の高い乙種第4類)は、化学メーカーやエネルギー業界、物流・倉庫業界などを志望する就活生にとって、非常に強力なアピール材料となる国家資格です。
試験は「危険物に関する法令」「基礎的な物理学及び基礎的な化学」「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」の3科目から出題されます。
すべての科目で60%以上の正答率が必要となるため、苦手科目を作らないことが合格の絶対条件です。1問あたり1〜2分を目安に、過去問や一問一答を繰り返し解いて、問題のパターンに慣れていきましょう。
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「危険物取扱者」の概要
危険物取扱者試験は、乙種・丙種ともに試験時間は2時間で、乙種は全35問、丙種は全25問が出題されます。
乙種の出題科目は「危険物に関する法令」「基礎的な物理学及び基礎的な化学」「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」の3分野、丙種は「危険物に関する法令」「燃焼及び消火に関する基礎知識」「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」の3分野です。
合格基準は乙種・丙種ともに、各科目すべてで60%以上の正答率が必要となります。たとえば、法令と物理・化学が満点であっても、性質・消火が60%未満であれば、その時点で不合格となるのです。
そのため、苦手科目を作らず、3科目それぞれをバランスよく対策することが大切です。以下の表で、乙種各類(第1〜6類)と丙種の試験科目と出題数をまとめたので、参考にしたうえで学習の全体像をつかみましょう。
「危険物取扱者」の練習問題41問|高尾さんによる解き方の解説付き!
ここからは、危険物取扱者の練習問題を高尾さんによる解説付きで41問紹介します。
「危険物取扱者」乙種第4類法令・物理化学・性質消火の全科目を網羅しているので、実際の試験で出題される五肢択一式のレベル感を体感してみましょう。
また、乙4だけではなく、甲種やそのほかの乙種(第1、2、3、5、6類)や丙種試験の対策に役立つ問題も収録しているので、参考にしてください。
どの科目から手を付ければ良いか迷っている人は、「 例題を解く前に確認しよう! 「危険物取扱者」乙種第4類の解答のコツ」と「危険物取扱者」の概要を読んでから、問題に取り組みましょう。
問題1(難易度:★★☆☆☆)
問題
純物質のうち、単体であるものは、次のうちどれか?
選択肢
正解:B
単体とは、1種類の元素だけから構成されている純物質のことである。赤リンはリン(P)という1種類の元素からなるため単体に該当する。
これに対して、酸化アルミニウム、硝酸、炭酸カルシウムは2種類以上の元素が特定の割合で結合した化合物であり、ガソリンは複数の炭化水素からなる混合物である。
したがって、正解はBとなる。
問題2(難易度:★★★☆☆)
問題
法令上、品名の異なる四つの危険物P、Q、R、Sを同一の貯蔵所で貯蔵するとき、指定数量の倍数を求める計算式として、正しいものはどれか?
選択肢
正解:C
法令上、複数の異なる危険物を同一の場所で貯蔵、あるいは取り扱うとき、指定数量の倍数は、それぞれの危険物の貯蔵量をそれぞれの指定数量で除した値をすべて足し合わせて計算することになっている。したがって、各危険物の「貯蔵量/指定数量」を求め、それらを加算する式であるCが最も適切である。
Aのように合算してから割る方法や、Bのように分母と分子が逆になっているものは誤りである。
指定数量の倍数計算は「分数の足し算」を活用
複数の危険物を同じ場所で貯蔵する場合の計算式は頻出です。分子に「実際の貯蔵量」、分母に「指定数量」を置く分数を危険物ごとに作り、それらを足し合わせましょう。
Aのように「全部足してから割る」のは典型的な引っかけなので注意してくださいね。
問題3(難易度:★★★☆☆)
問題
製造所の位置、構造、および設備の基準について、次のうち誤っているものはどれか?
選択肢
正解:B
液体の危険物を取り扱う建築物の床は、危険物が浸透しない構造とすることに加え、適当な傾斜を付け、かつ、ためますを設けなければならない。したがって、床の表面を水平かつ平坦に仕上げるとするBの記述は誤りである。
そのほかの選択肢は、すべて法令が定める製造所の位置、構造、および設備の基準に適合した正しい記述である。
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問題4(難易度:★★★☆☆)
問題
法令上、製造所の設置または変更の手続きについて、次のうち誤っているものはどれか。
選択肢
正解:D
完成検査前検査の対象となるのは、特定屋外タンク貯蔵所などの液体危険物を貯蔵し、または取り扱う一定のタンクの基礎や地盤、あるいは水張検査などである。設置するすべての消火設備が一律に完成検査前検査の対象となるわけではないため、Dの記述は誤りである。
そのほかの選択肢は、いずれも法令に定められた製造所の設置や変更、検査、仮使用に関する正しい記述である。したがって、正解はDである。
問題5(難易度:★★★☆☆)
問題
法令上、市町村長等が製造所等の使用停止を命ずることができる事由について、該当しないものすべてを掲げているものは選択肢A~Eのうちどれか。
a 許可を受けないで製造所等の位置、構造、または設備を変更したとき。
b 危険物施設において定期点検をおこなわず、またはその点検記録を保存していないとき。
c 保安講習を受けなければならない危険物取扱者が、定められた期間内に当該講習を受けていないとき。
d 危険物保安統括管理者を定めなければならない製造所等において、危険物保安統括管理者を定めていないとき。
選択肢
正解:E
製造所等の使用停止命令の事由には、無許可での位置・構造・設備の変更(a)や、定期点検の未実施・記録の未保存(b)が含まれる。
一方で、危険物取扱者の保安講習の未受講(c)や、危険物保安統括管理者の未選任(d)は、使用停止命令の直接的な事由としては法令に規定されていない。したがって、使用停止命令の事由に該当しないものの組合せはcとdであり、正解はEとなる。
使用停止命令の対象事由を整理しよう
使用停止命令は重い行政処分であるため、事由が限定されています。「無許可での変更」や「定期点検の未実施」といった設備・ハード面での重大な違反が対象になるとイメージしておきましょう。
講習の未受講など、属人的な違反と区別して覚えるのがコツです。
問題6(難易度:★★★☆☆)
問題
法令上、製造所等の定期点検の記録に記載しなければならない事項として、製造所等規則に定められていないものは、次のうちどれか。
選択肢
正解:E
定期点検の記録は、製造所等に保存する義務はあるが、点検の都度、消防長または消防署長へ届け出る義務はない。したがって、届け出た年月日の記載も不要であるため、Eが正解となる。
そのほかのA、B、C、Dは、すべて法令によって定期点検の記録への記載が義務付けられている事項である。
問題7(難易度:★★★☆☆)
問題
法令上、危険物取扱者免状の書換えの申請、および再交付の申請をおこなうことができる都道府県知事の組合せとして、正しいものはどれか? (左側が書換えの申請先、右側が再交付の申請先とする)
選択肢
正解:D
免状の書換えを申請できるのは、免状を交付した都道府県知事、または居住地もしくは勤務地を管轄する都道府県知事である。しかし、免状の再交付を申請できるのは、免状を交付した都道府県知事、または免状の書換えをおこなった都道府県知事である。
この二つのルールの正しい組合せを提示しているのはDであるため、正解はDとなる。再交付の申請先に居住地や勤務地が含まれないことに注意する必要がある。
書換えと再交付の申請先の違いを把握しよう
申請先の管轄(誰に届け出るか)を問う問題は、法令科目の最頻出ポイントです。
写真の変更などの「書換え」は現在の居住地でも可能ですが、紛失時の「再交付」は元のデータを持っている「交付・書換えをおこなった知事」にしか申請できない、という論理で紐付けて暗記しましょう。
問題8(難易度:★★★☆☆)
問題
法令上、移動タンク貯蔵所による危険物の貯蔵、取扱い、および移送について、次のうち誤っているものはどれか。
選択肢
正解:B
移動タンク貯蔵所で危険物を移送するときは、移送する危険物の数量が指定数量未満であっても、その危険物を取り扱うことができる危険物取扱者の同乗が必要である。したがって、指定数量以上の場合に限るとするBの記述は誤りである。
その他のA、C、D、Eは、すべて法令に定められている移動タンク貯蔵所における貯蔵、取扱い、および移送の基準に適合した正しい記述である。
問題9(難易度:★★★☆☆)
問題
法令上、製造所等のうち政令で定める規模のものは、市町村長等がおこなう保安に関する検査(保安検査)を受けなければならないが、この検査の対象となる製造所等の組み合わせとして、正しいものはどれか。
選択肢
正解:B
法令上、市町村長等がおこなう保安検査の対象となる製造所等は、政令で定める一定規模以上の屋外タンク貯蔵所、および移送取扱所に限られている。
これらの施設は、大量の危険物を貯蔵し、または長距離の配管によって危険物を移送することから、万が一災害が発生したときの被害が甚大になるおそれがあるため、定期的な検査が義務付けられている。したがって、正しい組み合わせはBとなる。
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問題10(難易度:★★★☆☆)
法令上、危険物を運搬するときの運搬容器の外部に表示する注意事項として、正しいものはどれか?
選択肢正解:D
第5類危険物は自己反応性物質であり、加熱や衝撃によって容易に爆発する危険性があるため、運搬容器の外部には「火気厳禁」および「衝撃注意」の双方を表示しなければならない。したがって、Dが正しい。
Aの第1類(アルカリ金属の過酸化物を除く)およびBの第2類(引火性固体)は「火気厳禁」、Cの第3類(禁水性物品)は「禁水」、Eの第6類は「可燃物接触注意」を表示する義務があるため、すべて誤りである。
第5類の表示は「火気厳禁+衝撃注意」のセットで覚えよう!
運搬時の外部表示のルールは、各類の性質と結び付けると覚えやすいです。
第5類(自己反応性物質)は、自ら酸素を持っており少しの衝撃で爆発的に燃えるため、火気だけでなく「衝撃注意」も必須になると論理的に理解しておけば迷いません。
問題11(難易度:★★★☆☆)
問題
法令上、顧客に自ら給油などをさせる給油取扱所において、軽油を取り扱うために顧客が使用する顧客用固定給油設備に彩色を施す場合の色として、正しいものはどれか。
選択肢
正解:C
セルフ給油取扱所において、顧客用固定給油設備やノズルなどに施す彩色は、取り扱う危険物の品名ごとに法令で規定されている。具体的には、自動車ガソリンは赤色、軽油は緑色、灯油は青色、ハイオクは黄色と定められている。
したがって、軽油を取り扱う設備の色として正しいものは緑色であり、正解はCとなる。この色分けは、顧客による誤給油を防止するための重要な基準の一つである。
問題12(難易度:★★★☆☆)
問題
物質が空気中で自ら発熱し、その熱が蓄積されて発火点に達する現象を自然発火という。自然発火に至る発熱の機構について分類するとき、文中の【a】~【c】に当てはまる語句の組合せとして、正しいものはどれか?
「自然発火の原因となる発熱にはいくつかの種類があり、アマニ油などの乾性油をしみ込ませたウエス(布くず)のように【a】により発熱するもの、セルロイドなどのように【b】により発熱するもの、活性炭の粉末などのように【c】により発熱するもの、そのほか微生物による発酵熱や、不飽和化合物の重合熱によるものなどがある」
選択肢
正解:A
アマニ油などの乾性油は空気中の酸素と反応して酸化熱(a)を発生する。セルロイドは比較的低温でも分解しやすく、分解熱(b)を発生する。活性炭の粉末は気体や蒸気を表面に吸着するときに吸着熱(c)を発生する。これらの熱が外部に放熱されずに蓄積されることで、物質の温度が発火点に達して自然発火を引き起こす。
したがって、酸化、分解、吸着の順に並んでいるAが正解となる。
自然発火のメカニズムは物質とセットで暗記しよう!
自然発火の原因となる「酸化・分解・吸着」は、それぞれの代表的な物質とセットで暗記してください。
乾性油(酸化)、セルロイド(分解)、活性炭(吸着)の組み合わせは試験で何度も繰り返し出題される定番パターンです。
問題13(難易度:★★★☆☆)
問題
水素(H2)、炭素(C)、エタン(C2H6)の燃焼熱がそれぞれ286kJ/mol、394kJ/mol、1561kJ/molであるとき、エタンの生成熱として正しいものはどれか。
選択肢
正解:A
ヘスの法則を用いる。エタン(C2H6)の生成方程式は、2C+3H2=C2H6となる。化合物の生成熱は、「(成分元素の燃焼熱の総和)-(化合物の燃焼熱)」によって求めることができるため、計算式は (394×2+286×3)-1,561となる。
これを計算すると、(788+858)-1,561=1,646-1,561=85kJ/molとなる。したがって、正解はAである。
ヘスの法則は公式に当てはめるだけでOK!
熱化学方程式の問題は一見難しく見えますが、ヘスの法則「生成熱 = (成分元素の燃焼熱の総和) - (化合物の燃焼熱)」という引き算の公式に当てはめるだけで解けます。
エタン(C2H6)を構成する炭素(C)が2つ、水素分子(H2)が3つあることに注意して計算式を立てましょう。
問題14(難易度:★★★☆☆)
問題
地下に埋設された危険物の鋼製配管が電気化学的な作用によって腐食することを防ぐため、配管に異種金属を接続して、その金属を身代わりに腐食させる方法(流電陽極法)がある。次のa~eに掲げる金属のうち、この方法において防食効果のあるものの組合せとして、最も適切なものはどれか?
a 金 b アルミニウム c 亜鉛 d ニッケル e 銀
選択肢
正解:B
地中に埋設された鋼(鉄)製の配管に、鉄よりもイオン化傾向の大きい金属を接続すると、その金属が身代わりとなって先に腐食(酸化)するため、配管の腐食を抑制できる。これを流電陽極法という。提示された金属のうち、鉄よりもイオン化傾向が大きいものはbのアルミニウムとcの亜鉛である。
aの金、dのニッケル、eの銀は、いずれも鉄よりイオン化傾向が小さいため効果がない。したがって、正解はBである。
問題15(難易度:★★★☆☆)
問題
物質の三態とその状態変化について、次のうち誤っているものはどれか。
選択肢
正解:D
飽和蒸気圧は、温度が高くなると液体がより蒸発しやすくなるため、高くなる。温度が上昇するにともなって蒸気圧も上昇し、これが外圧と等しくなったときの温度が沸点である。したがって、温度が高くなると低くなるとするDの記述は誤りである。
その他のA、B、C、Eは、物質の三態および状態変化にともなう熱の出入りに関する正しい記述である。よって、正解はDとなる。
飽和蒸気圧と温度の関係を理解しよう
「温度が高くなると、液体は気体になりやすい(蒸発しやすい)」という日常の感覚を持っていれば、飽和蒸気圧が「高くなる」ことは容易に推測できます。
難しく聞こえる物理用語も、お湯を沸かす様子などを想像して直感的なイメージと結び付けておきましょう。
時間がない人におすすめ!
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問題16(難易度:★★★☆☆)
問題
第4類危険物の火災予防および消火の方法について、次のうち誤っているものはどれか?
選択肢
正解:D
液体の注入時に、高い位置から液を落とすと、液滴の飛散や液面の揺れによって静電気が最も発生しやすくなる。そのため、静電気の発生を抑制するためには、注入管の先端を容器の底部付近まで伸ばし、液面下に没した状態で静かに注入する。
他はすべて正しい記述である。特に二硫化炭素は、可燃性蒸気の発生を防ぐために水中に沈めて貯蔵することが定められている。
問題17(難易度:★★★☆☆)
問題
第4類危険物の火災における消火剤の使用について、次のうち誤っているものはどれか。
選択肢
正解:A
エタノールや酢酸などの水溶性の危険物に対して通常の泡消火剤を使用すると、泡が液に溶けて消滅してしまうため効果がない。そのため、水溶性の危険物の火災には、耐アルコール泡消火剤を使用しなければならない。
高引火点のギヤ油には霧状の強化液が有効であり、灯油には粉末消火剤、ジエチルエーテルには二酸化炭素消火剤がそれぞれ適応するため、他はすべて正しい。
水溶性液体への泡消火剤の使用効果を理解しよう
エタノールなどの「水に溶ける(水溶性)」危険物に対して通常の泡消火剤を使うと、泡の水分が溶け込んでしまい消火効果がありません。
そのため「耐アルコール泡消火剤」が必要になります。「水溶性かどうか」は、第4類危険物の消火方法を問う問題の最大の引っかけポイントです。
問題18(難易度:★★★☆☆)
問題
灯油の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
選択肢
正解:E
灯油は無色または淡黄色(実際にはほとんど無色透明)の液体であり、特定の着色は義務付けられていない。淡青色や淡紫色などに着色されているという記述は誤りである。自動車ガソリンがオレンジ色に着色されていることと混同しないよう注意する必要がある。
他の選択肢に示された、引火点が40℃以上であること、静電気が発生しやすいこと、水より軽く蒸気が空気より重いことなどは、すべて灯油の正しい性状である。
問題19(難易度:★★★☆☆)
問題
エチレングリコールの性状について、次のうち妥当でないものはどれか。
選択肢
正解:D
エチレングリコールは無臭の液体であり、特有の刺激臭はない。
無色で粘稠性があり、吸湿性を持つことや、比重が1より大きいこと、水やエタノールによく溶けることなどはすべて正しい性状である。グリセリンと同様に、水溶性の第3石油類に分類される危険物であり、自動車の不凍液などに用いられる。
無臭である点や水によく溶ける点など、共通する特徴が多い物質であるため、併せて覚えておくと良い。
問題20(難易度:★★★☆☆)
問題
エタノールの性状について、次のうち誤っているものはどれか。
選択肢
正解:A
エタノールは無色透明の液体であるが、特有の芳香と刺激味を持っており、無臭ではない。
水と任意の割合で混ざり合うことや、引火点が13℃であって常温(20℃)より低いこと、水よりも軽いこと、ジエチルエーテルなどの有機溶剤によく溶けることなどは、すべて正しい性状である。
アセトンと同様に、無臭であるという誤認を誘いやすい物質であるため、特有の芳香を持つことをしっかりと覚えておくと良い。
問題21(難易度:★★★☆☆)
問題
法令上、製造所等の予防規程について、次のうち誤っているものはどれか?
選択肢
正解:D
予防規程を変更しようとするときは、新しく作成するときと同様に、あらかじめ市町村長等の認可を受けなければならない。したがって、事後に届け出れば良いとする記述は誤りである。予防規程の作成および変更は、いずれも認可が必要な事項であることを押さえることが重要である。
他の選択肢は、予防規程の目的や義務者、変更命令、違反時の措置について述べており、すべて正しい。
問題22(難易度:★★★☆☆)
問題
燃焼に関する一般的な説明として、次のうち誤っているものはどれか?
選択肢
正解:D
可燃物となるための条件として、熱伝導率は最も「小さい」ものである必要がある。熱伝導率が大きいと、発生した熱が周囲に逃げてしまい、物質の温度が燃焼に必要な温度まで上昇しにくくなるためである。
熱伝導率が小さい物質は熱がその場に蓄積されやすく、可燃物として適している。
点火源には反応熱も含まれ、酸素供給源には空気以外の酸化性物質も該当するため、他はすべて正しい。
燃焼の3要素と可燃物の条件をチェックしよう
「燃焼の3要素(可燃物・酸素供給源・点火源)」は物理・化学の超基本です。
また、可燃物になりやすい条件として「熱伝導率が小さい(熱が逃げず、その場に溜まりやすい)」というポイントは、直感(熱が伝わりやすいほうが燃えそう)と逆になるため、引っかけとして頻出します。
問題23(難易度:★★★☆☆)
問題
危険物の類ごとの性状について、次のうち正しいものはどれか。
選択肢
正解:C
第4類危険物はすべて引火性液体であり、その多くは発生する蒸気が空気よりも重いため、床面などの低所に滞留しやすいという特徴を持つ。したがって、Cの記述が正しい。
他の選択肢はすべて誤りであり、Aは第2類(可燃性固体)、Bは第3類(自然発火性物質および禁水性物質)、Dは第6類(酸化性液体)、Eは第5類(自己反応性物質)の性状をそれぞれ説明したものである。
問題24(難易度:★★★☆☆)
問題
消防法別表第1に掲げる第4類の危険物の品名に該当しないものは、次のうちどれか?
選択肢
正解:D
引火性固体は第2類危険物の品名に該当するため、第4類の危険物の品名には含まれない。
第4類の危険物はすべて引火性液体であり、その品名は特殊引火物、第1石油類、アルコール類、第2石油類、第3石油類、第4石油類、動植物油類の七つに分類されている。
同じ「引火性」という名称が付いていることから混同しやすいが、固体と液体の違いに注意して明確に区別することが必要である。
「引火性固体」と「引火性液体」の区別をしておこう
第4類危険物は「引火性液体」です。同じ引火性でも、固体の場合は第2類危険物(引火性固体)となります。
名称が似ているため非常に混同しやすく、乙4受験生を迷わせる定番のダミー選択肢として使われます。状態(固体か液体か)に注目して見分けましょう。
問題25(難易度:★★★☆☆)
問題
次の点火源、可燃物および酸素供給源の組合せのうち、燃焼が起こらないものを一つ選びなさい。
選択肢
正解:C
二酸化炭素は、物質が完全に酸化した状態のものであるため、これ以上酸素と結合することはない。すなわち、二酸化炭素は不燃性物質であり、可燃物には該当しないため、点火源と酸素供給源がそろっても燃焼が起こることはない。
他の選択肢に示されたアセトン、メタン、ガソリンの蒸気、赤リンはすべて可燃物であり、点火源および酸素供給源との組合せによって燃焼が起こるため正しい。
問題26(難易度:★★★☆☆)
問題
第6類危険物に共通する貯蔵、取扱いの注意事項として、次のうち誤っているものはどれか?
選択肢
正解:C
第6類危険物の容器は、湿気の混入や液漏れを防ぐため、原則として密栓して貯蔵しなければならない。
ただし、過酸化水素は分解によって酸素ガスが発生し、容器内の圧力が上昇するおそれがあるため、特例として通気孔のある栓を使用することが定められている。したがって、これを第6類危険物すべてに共通する注意事項とする記述は誤りである。
可燃物との接触回避や、遮光された冷暗所での貯蔵などはすべて共通して正しい。
過酸化水素の特殊な保存ルールを覚えよう
第6類危険物は基本的に密栓して保存しますが、「過酸化水素」だけは分解して酸素ガスを発生させるため、密栓すると容器が破裂・爆発する危険があります。
そのため「通気孔のある栓(ガス抜き穴)」を使用するという例外ルールは、試験で非常に狙われやすい知識です。
問題27(難易度:★★★☆☆)
問題
法令上、危険物保安監督者に関する説明として、最も適切なものは、次のうちどれか?
選択肢
正解:B
危険物保安監督者は、製造所等において危険物の取扱作業に関して保安の監督をおこなう者である。甲種または乙種危険物取扱者であって、6カ月以上の実務経験を持つ者の中から所有者等が選任し、市町村長等に届け出る必要がある。
統括管理をおこなう者は危険物保安統括管理者であり、構造や設備の点検をおこなう者や巡視をおこなう者とは明確に区別される。
したがって、保安の監督をおこなう者とする記述が最も適切である。
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問題28(難易度:★★★☆☆)
問題
静電気の発生と対策について記述した次の文章の下線部【a】~【c】のうち、誤っているもののみをすべて掲げているものはどれか。
「液体危険物を配管の中で輸送するとき、流速が【a】速いほど静電気が発生しやすくなる。発生した静電気による火災を防ぐためには、接地(アース)によって【b】電荷を蓄積させることが必要である。また、空気中の【c】湿度を高く保つことも有効な対策となる」
選択肢
正解:A
静電気の蓄積を防ぐためには、接地(アース)によって発生した電荷を地中へ逃がす(放電させる)ことが必要である。したがって、電荷を「蓄積させる」とした【b】の記述は誤りである。
液体の流速が速いほど静電気の発生量が多くなることや、湿度を高く保つことで静電気を漏洩しやすくさせることは正しい。これらは静電気対策の基本であるため、併せて覚えておくと良い。
問題29(難易度:★★★☆☆)
問題
第3類危険物の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
選択肢
正解:A
第3類危険物(自然発火性物質および禁水性物質)は、大部分が固体であるが、アルキルアルミニウムやアルキルリチウムのように常温(20℃)で液体のものも存在する。したがって、液体のものは存在しないとする記述は誤りである。
空気中で自然発火するものがあることや、水と反応して可燃性ガスを発生すること、カリウムなどのように水より軽いものがあること、水系の消火剤が使えないことなどはすべて正しい。
問題30(難易度:★★★☆☆)
問題
次の文の【 】内に当てはまる語句として、正しいものを一つ選びなさい。
「一般に、可燃性物質を空気中で加熱したとき、火気または火花などの点火源を近づけなくても、自ら発熱して燃焼を開始する最低温度を【 】という」
選択肢
正解:C
定義通り、点火源がない状態で自ら燃焼を始める最低温度を「発火点」という。可燃性液体に点火源を近付けて引火する最低温度である「引火点」や、引火してから燃焼が継続する温度である「燃焼点」と明確に区別することが重要である。
一般に第4類危険物の発火点は、引火点よりもはるかに高い温度であるが、特殊引火物のジエチルエーテルのように発火点が160℃ときわめて低く、高圧蒸気管との接触によっても発火する危険性を持つものもある。
発火点と引火点の違いを確実に押さえよう!
「引火点」は火(点火源)を近付けたときに燃え始める温度、「発火点」は火を近付けなくても自らの熱で燃え始める温度です。この定義の違いは危険物の性質を理解するうえで最も基本かつ重要な項目です。
迷ったら「自然『発火』」という言葉を思い出してください。
問題31(難易度:★★★☆☆)
問題
第2類危険物の火災の消火方法として、次のうち有効なものはどれか。
選択肢
正解:D
第2類危険物には、鉄粉、金属粉、マグネシウムのように、水と接触すると激しく反応して水素を発生する禁水性の物質が含まれている。そのため、水や泡、強化液などの水系消火剤を使用することはできない。
また、これらの金属火災に対しては、二酸化炭素消火剤なども効果がないため不適当である。
したがって、すべての第2類危険物の火災において、共通して安全かつ有効に使用できる消火方法は、乾燥砂を用いた窒息消火のみとなる。
問題32(難易度:★★★☆☆)
問題
法令上、学校、病院などの建築物などから一定の距離(保安距離)を保たなければならない旨の規定が設けられている施設の組合せで、次のうち正しいものはどれか。
選択肢
正解:B
法令上、保安距離の策定が義務付けられている施設は、製造所、屋内貯蔵所、屋外タンク貯蔵所、屋外貯蔵所、一般取扱所の5つのみである。したがって、製造所と一般取扱所の組合せであるBが正しい。
地下タンク貯蔵所や移動タンク貯蔵所、簡易タンク貯蔵所、屋内タンク貯蔵所、給油取扱所、販売取扱所には、保安距離に関する規定がないため、他の選択肢はすべて誤りである。
問題33(難易度:★★★☆☆)
問題
消火設備に使用される気体の消火剤に関する説明として、次のうち誤っているものはどれか。
選択肢
正解:D
二酸化炭素消火剤などの気体消火剤は、放射されたガスが火災を覆うことで酸素濃度を下げて消火をおこなう。そのため、風通しの良い場所や屋外では消火ガスがすぐに拡散してしまい、消火効果が著しく低下する。
したがって、屋外などの開放された場所での使用には適しておらず、基本的には密閉された室内において最も高い効果を発揮する。
他の選択肢に示された、凍傷の危険性や抑制効果、汚損がまったくないことなどはすべて正しい。
気体消火剤の適応場所を理解しよう
二酸化炭素などの気体消火剤は、酸素を追い出して消火する「窒息効果」を狙ったものです。したがって、屋外などの風通しが良い場所ではガスがすぐに散ってしまい、まったく効果がありません。
「気体だから密閉された室内用」と論理的に結び付けておきましょう。
問題34(難易度:★★★☆☆)
問題
第5類危険物の性状について、次のうち誤っているものはどれか?
選択肢
正解:B
第5類危険物(自己反応性物質)は、加熱、衝撃、摩擦などによってきわめて容易に発火または爆発する危険性を持つ。そのため、貯蔵や取扱いの際にはこれらを避けることが鉄則である。
分子内に酸素を含んでいるため燃焼速度が非常に速いことや、ピクリン酸が重金属と反応して危険な金属塩を作ること、ニトロセルロースを湿潤させて安定化させることなどは、すべて正しい性状である。
問題35(難易度:★★★☆☆)
問題
法令上、第5種の消火設備(簡易消火用具)のうち、すべての種類の危険物の消火に適応するものは、次のうちどれか。
選択肢
正解:D
乾燥砂は、膨張ひる石や膨張真珠岩とともに、第5種の消火設備(簡易消火用具)に分類される。これらは、禁水性の危険物や特殊引火物などを含めた、すべての類の危険物火災に対して安全かつ有効に使用できる。
他の選択肢に示された消火器は、いずれも第4種の消火設備に該当するため、第5種の消火設備ではない。また、それぞれの消火剤によって適応する危険物の種類が限定されるため、すべての火災に使用できるわけではない。
問題36(難易度:★★★☆☆)
問題
静電気に関する説明として、次のうち誤っているものはどれか。
選択肢
正解:A
物質が電子を失うと、正の電気を帯びる(正に帯電する)ことになり、逆に電子を受け取ると、負の電気を帯びる(負に帯電する)ことになる。したがって、電子を失いやすい物質が負に帯電するとした記述は誤り。
物体の擦り合わせによって静電気が発生する現象は摩擦帯電といわれ、物質ごとに電子の失いやすさや受け取りやすさが異なる。
ほかはすべて静電気の性質や対策に関する正しい記述である。
静電気(帯電)のメカニズムを整理しよう
電子(マイナスの電気)の移動に関する基礎知識です。
「電子を失う=マイナスが減る=プラス(正)になる」「電子を受け取る=マイナスが増える=マイナス(負)になる」という関係性を落ち着いて整理すれば、簡単に正誤の判断ができます。
問題37(難易度:★★★☆☆)
問題
第1類危険物の共通した性状について、次のうち正しいものはどれか。
選択肢
正解:B
第1類危険物(酸化性固体)は、酸素を多く含んでおり、ほかの物質を強烈に酸化させる性質を持つが、自らは燃えない不燃性の物質である。比重はすべて1より大きく、常温(20℃)ではすべて固体である。
また、水に溶けにくいものや、過マンガン酸カリウムのように濃紫色をした物質も存在する。
摩擦や衝撃によって爆発するものは一部の物質(無機過酸化物など)に限られるため、これらは共通の性状とはいえない。
問題38(難易度:★★★☆☆)
問題
消防法に定める第4類危険物の品名と物質の組合せについて、次のうち誤っているものはどれか?
選択肢
正解:D
ギヤー油は第4石油類に該当するため、第2石油類とする記述は誤り。
ジエチルエーテルは特殊引火物、トルエンは第1石油類、イソプロピルアルコールはアルコール類、ニトロベンゼンは第3石油類であり、これらはすべて正しい。
第4類危険物の品名と代表的な物質の組合せは、試験において最もよく問われる基本的な知識であるため、それぞれの引火点や水溶性の有無とともに、確実に覚えておく必要がある。
問題39(難易度:★★★☆☆)
問題
次の可燃物、酸素供給源および点火源の組合せのうち、燃焼が起こる条件を満たしているものを一つ選びなさい。
選択肢
正解:D
燃焼が起こるためには、可燃物、酸素供給源、点火源の三つの要素がすべてそろう必要がある。Dのヘキサンは可燃物、空気は酸素供給源、高温のボルトは点火源に該当するため、燃焼の条件を満たしている。
Aの窒素、Bの二酸化炭素、Eのアルゴンは、いずれも酸素を供給しないため条件を満たさない。また、Cの二酸化炭素は不燃性の気体であり、点火源にはならないため誤り。
問題40(難易度:★★★☆☆)
問題
丙種危険物取扱者が取り扱うことのできる危険物の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
選択肢
正解:E
丙種危険物取扱者が取り扱うガソリンや灯油などの危険物は、いずれも水より軽く、水に溶けない性質を持つ。そのため、火災の際に棒状の水を注水すると、燃えている液体が水面に浮いたまま周囲に広がり、火災を拡大させる危険性があるためきわめて不適当である。消火には泡消火剤や粉末消火剤などによる窒息消火をおこなう必要がある。
ほかはすべて第4類危険物の代表的な共通性状であり、正しい。
注水消火がNGな理由を理解しよう
第4類危険物(油類)の多くは水より軽く、水に溶けません。そのため、火災時に棒状の水をかけると、燃えている油が水の上に浮いたまま周囲に流れ広がり、かえって大惨事になります。
なぜ水が使えないのか、そのメカニズム(比重と非水溶性)を理解しておくことが重要です。
問題41(難易度:★★★★☆)
問題
同一の貯蔵所において、ガソリンを300L、エタノールを600L、軽油を1,500L貯蔵するとき、法令上、指定数量の倍数の合計は次のうちどれか。
選択肢
正解:C
品名の異なる危険物を同一の場所で貯蔵する場合、指定数量の倍数は、それぞれの危険物の実際の貯蔵量をその危険物の指定数量で割った値の合計となる。
それぞれの指定数量は以下の通り。
・ガソリン(第1石油類・非水溶性):200L
・エタノール(アルコール類):400L
・軽油(第2石油類・非水溶性):1,000L
【計算式】
(300/200)+(600/400)+(1,500/1,000)
=1.5+1.5+1.5
=4.5倍
したがってCの4.5倍が正しい。
「危険物取扱者」を対策する際のポイント
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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アドバイザーのリアル・アドバイス!取り組む順番で対策は楽になる! まずは危険物の性質から始めよう
キャリアコンサルタント
高尾 有沙
プロフィールを見る危険物取扱者試験に合格するための最大のコツは、「学習する順番」を工夫することです。
いきなり馴染みのない「物理・化学」から始めると挫折しやすいため、まずは暗記で得点しやすい「危険物の性質・消火方法」から着手しましょう。ここで各危険物の特徴(引火点、水溶性、比重など)をつかんだうえで、「法令」の暗記に進むのが王道のルートです。
断定表現を含む選択肢に注意! 図解を活用して脳にインプットしよう
就活生がやりがちな失敗は、引っかけ問題の「言い回し」に騙されること。たとえば「すべて〇〇である」「常に〇〇しなければならない」といった極端な断定表現(例外を認めない表現)を含む選択肢は、誤りである可能性が非常に高いです。
また、「法令」の科目では「市町村長等」と「都道府県知事」のどちらに申請・届け出をおこなうのかという管轄の引っかけが必ず出題されます。
加えて「物理・化学」では「酸化・還元」「静電気の性質」の基礎知識が問われます。
これらはノートに図解でまとめておき、試験直前まで何度も見直す反復練習が不可欠です。