映画会社の就職は3つの観点で徹底対策|知っておくべき事前情報も

3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • キャリアコンサルタント/合同会社渡部俊和事務所代表

    Toshikazu Watanabe〇会社員時代は人事部。独立後は大学で就職支援を実施する他、企業アドバイザーも経験。採用・媒体・応募者の全ての立場で就職に携わり、3万人以上のコンサルティングの実績

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/一般社団法人テツナグ代表理事

    Hiromi Wakabayashi〇女性や学生向けのキャリア講座、行政主催の就職フェアでのキャリア相談に従事。また、ライター経歴を活かし、各種サイトでキャリアについて考えている人に向けた記事を監修

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント

    Natsuki Inoue〇新卒で携帯電話販売代理店業界のベンチャー企業に入社。現場にてBtoC営業を経験した後、人事部では新卒採用を中心に、社内研修講師や社員面談などの人事業務に幅広く従事

    プロフィール詳細

映画製作のキラキラした印象に憧れを抱き、映画会社への就職を目指す人は多くいます。しかしその中で、映画会社の仕事内容を具体的に理解できている人は少ないのではないでしょうか。映画会社への就職を目指すには、仕事内容を理解して、就職後に何をやりたいのかを考えておくことが大切です。

記事では、キャリアアドバイザーの渡部さん、若林さん、井上さんのアドバイスを交えつつ、映画会社の種類とそれぞれの職種、映画会社に就職するメリット、選考対策方法や志望動機例文を紹介します。

就活を進める前に知っておくべき事前情報も解説しているので、映画会社に興味がある人、就職したいと考えている人は最後まで読んでぜひ参考にしてください。

目次

曖昧なイメージではNG! 映画会社への就職は情報収集がカギ

映画鑑賞という趣味をきっかけに映画会社に興味を抱き、就職を目指す人も多いでしょう。しかし、「映画を作る会社」というざっくりとしたイメージで就活を進めるのは危険です。

人気な業界への就職を目指すには、まずは基礎的な知識である業界の特徴や業務内容の理解を深めて土台を築くことが必須となります。

記事ではまず、映画業界のビジネスモデルと映画会社の種類など、映画会社を目指すうえで理解が欠かせない基本的な情報を解説します。そして、映画会社に向いている人の特徴と映画会社に就職するメリットも説明するので、選考に進む前に基本情報を押さえておきましょう。

次に、映画会社に就職する際に知っておくべき現場の実情や厳しい面について、キャリアコンサルタントが解説します。良い面だけではなく懸念点まで把握して、納得して就職できるようにしましょう。

記事後半では、徹底的に選考対策をするためのコツと志望動機例文を紹介します。やってしまいがちなNG例文も紹介するので、最後まで読んで人気な映画業界での選考突破を目指しましょう。

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まずは映画業界のビジネスモデルを把握して仕事のイメージをつかもう

映画業界のビジネスモデル

映画業界は、「映画の製作」「映画の宣伝」「映画の上映」という3つの流れのビジネスモデルがあります。

大きく3つの流れを通して、ようやく一つの映画が人々に届けられるのです。映画会社への就職を目指す人は、まずは映画業界のビジネスモデルを理解して仕事の流れのイメージをつかむことから始めましょう。

映画会社は3種類に分けられる! おもな職種も併せて解説

3種類の映画会社

  • 映画製作会社
  • 映画配給会社
  • 映画興行会社

映画会社は一般的に「映画製作会社」「映画配給会社」「映画興行会社」の3種類に分類され、それぞれ仕事の目的や仕事内容、職種が異なります。

各会社の特徴や仕事内容をしっかりと理解して、自分のやりたいことはどの会社であればできるのかを明確にしましょう。

渡部 俊和

プロフィール

映画業界のビジネスモデルを理解していないと、やりたかった仕事とまったく異なるイメージの職種に就いてしまう危険性があります。映画や芸術系の仕事はコンテンツそのものに魅力がある分、ビジネスモデルの理解がおろそかになりがちなので注意しましょう。

映画製作会社

映画製作会社は、映画業界のうち、映画の撮影から編集までを一貫しておこない映画を作り出す役割の会社です。映画は、シナリオを考えたり撮影したりと、さまざまな技術を持ち合わせたスペシャリストたちが集まって製作されます。

専門的な技術を持ったさまざまな職種の人がお互いコミュニケーションを取りながら、ゼロから土台を作り作品を生み出していくため、映画製作会社には脚本家やカメラマンなど専門的な技術を持ち合わせている人が求められています

映画製作会社の職種例

  • ディレクター
  • 脚本家
  • 演出家
  • カメラマン
  • 映像編集者
  • CGデザイナー
  • 音響・照明スタッフ
  • 美術スタッフ

しかし、未経験でも応募できる職種も一定存在します。たとえば、照明スタッフや音響スタッフは、アシスタントとして現場で知識を学ばせてもらえる会社もあるでしょう。

また、海外の映画の日本語版の製作スタッフなどは語学力が必要な仕事なので、映像の知識に自信がない人でも挑戦がしやすいといえます。会社によっても募集要項は異なるので、ぜひチェックしてみてください。

未経験でも挑戦できる可能性がある映画製作会社の職種例

  • 照明スタッフ:演出家と相談して照明プランを立て光を作り出し演出効果を高める
  • 音響スタッフ:製作者が想定・意図する音を機材などを用いて調整して提供する
  • 日本語版の製作スタッフ:洋画など海外の映画の翻訳や字幕をつける

映画配給会社

映画の買い付けや全国へ配る役割を担っている映画配給会社は、映画製作会社と映画館の中間ポジションに位置しています。全国で放映してもらうために映画の買い手を見つけるだけでなく、映画を世間にヒットさせるための宣伝を考えることもあります。

世の中でヒットしそうな映画を見つけたり、上映するためのスケジュールを押さえたりするため、流行やトレンドに敏感な人材や交渉力がある人材が求められています

映画配給会社の仕事例

  • 映画の買い付け:ヒットしそうな映画を見つけて購入する
  • ブッキング:映画興行会社での上映スケジュールを押さえる
  • 宣伝:映画のプロモーションをする

映画興行会社

映画興行会社は、映画を上映する映画館の運営や上映スケジュールの調整、チケット・物販販売などをする会社です。字幕製作やタイトルの選定をすることもあります。

そのため皆さんが日常生活で一番身近に感じるのは映画興行会社でしょう。特に専門技術や資格が必要ない職種が多いため、映画製作会社や映画配給会社と比較して就職しやすいといわれています

映画興行会社の職種例

  • 劇場運営
  • プロモーション
  • 物販
  • 営業
映画会社に就職したいのですが、製作・配給・興行のどこにするべきか決められません……。

井上 捺稀

プロフィール

仕事として映画とどのようにかかわっていきたいのかをイメージしよう

映画を自分の手で作りたい(製作)のか、または、まだ知られていない映画を探し出して世に広めていきたい(配給)のか、それとも顧客に映画を楽しむ機会を提供したい(興行)のか、のように映画を「〇〇したい」という動詞で考えてみると、自分にどの会社が合っているかが自然と見えてくると思います。

そもそも映画とどうかかわりたいかもよくわからないという人は、自分が何をしたときにやりがいを感じたかを言語化してみると、「何がしたいか」が浮かびやすくなります。また、自分の強みやスキルを活かすならどれが一番適しているか、という視点で考えてみても良いですね。

映画会社に向いている人の特徴を知ってアピールに活かそう

映画会社に向いている人

  • 実行力・企画力がある人
  • 積極的に人間関係を築ける人
  • 好奇心旺盛な人

ほかの業界や企業と同様、映画会社にも向いている人の特徴があります。向いている人の特徴に自分が当てはまれば面接や書類でアピールすることができるので、事前にチェックしておきましょう。

ここでは映画会社に向いている人の特徴を3つ紹介します。必要とされる場面や活かせる場面も説明しているので、働くイメージを膨らませながら確認してみてください。

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実行力・企画力がある人

映画業界では、何もないところから映画を作り出したり企画をしたりする必要があります。そういった仕事をする中では、売れる映画を作るために世間の流行・トレンドを分析して新たに企画する力や、企画したことを物怖じせず実行できる力が求められます。

何かを自分で企画・実行した経験があったり、新たなアイデアを出すことが得意な人、周囲を巻き込んで物事を実行できる人は積極的にアピールしていきましょう

実行力・企画力をアピールするエピソード例

  • 大学の学園祭で新たなイベントを生み出して、毎年恒例のイベントになった
  • ボランティア活動で地域の課題に対応するプロジェクトを発足し、課題改善に貢献した

若林 宏美

プロフィール

実行力をアピールする際は、計画性、アイデア力など、実行力に付随する能力も一緒に伝えられるようにしましょう。

実行力だけでは、内容によっては「猪突猛進タイプ」「自己中心的」ととられるリスクがあるため、前後の流れも含めるとより正確に伝わります。

実行力がある人は自己PRでアピールすることができます。アピールしやすい実行力を、差別化してアピールする方法を下記の記事で解説しているので参考にしてくださいね。
厳選10例文! 実行力の自己PRで簡単に差別化できる3要素

積極的に人間関係を築ける人

映画会社の仕事は、交渉やプレゼンを通して、多くの人とかかわりながら仕事をする必要があります。映画の宣伝や買い付けを通じて他社とかかわったり、上映スケジュールを押さえるためのブッキングをしたりする業務など、別の会社の人とかかわることもあるでしょう。

時には映画会社に勤務している人だけでなく、メディアに露出している芸能人や有名人、名高い映画監督などとともに仕事を進めていきます。そのため、社内外を問わず積極的に人間関係を築きコネクションを広げられる力に加え、適切な距離感を保ちながらコミュニケーションを取れるスキルがある人は、映画会社に向いているといえます

積極的に人間関係を築ける人は、コミュニケーション能力に長けているとも言い換えられます。こちらの記事ではコミュニケーション能力を効果的にアピールする方法を解説しています。
例文12選| コミュニケーション能力の自己PRを3ステップで解説

好奇心旺盛な人

映画会社は映画を売れるものにするために、世間の流行を取り入れることが重要になります。最新の情報をいち早くキャッチして取り入れることで、ヒットにつながるのです。

そのため、社会のトレンドや新しい知識を積極的に情報収集してスキルアップを常に目指せる人が向いているでしょう。

情報収集力をアピールする際には、どのように情報収集しているのか、どういった点で工夫しているのかも併せて伝えることで、具体性や根拠を含めたアピール内容になります

「好奇心旺盛なことをアピールしたい」と考えている人は、こちらの記事を参考に自己PRを作成してみましょう。
例文12選|自己PRで好奇心旺盛を最高の武器にする考え方4ステップ

井上 捺稀

プロフィール

映画は日々新しい作品が生み出されているため、映画会社での働き方は非常に流動的です。そのため、ルーティンワークをしたい人、プライベートの時間を重視したい人、挑戦よりも安定した仕事をしたい人には不向きといえます。

映画会社が人気な理由って? 働くメリット3選

映画会社で働くメリット

  • 観客からの反応をダイレクトに感じられる
  • 専門分野以外の人との出会いに溢れている
  • 映像で人々に感動を与えられる

エンタメ業界のうちの一つである映画会社は、キラキラしているイメージから憧れを抱いている人は少なくありません。

なんとなく華やかそうという曖昧なイメージだけでなく、映画会社で働くメリットを把握して、自分が映画会社を目指す理由と照らし合わせてみてください。

渡部 俊和

プロフィール

映画業界で働くうえで、映画が好きなことは絶対に必要な条件です。しかし、なぜ好きなのかと問われたとき、自分なりの説得力のある説明が必要です。

志望動機では、個人的な体験や成長性などとつなげて補強する材料として、働くメリットを活用してみてください。

①観客からの反応をダイレクトに感じられる

映画会社で働く大きなメリットは、製作に携わった映画を観た観客の声や感想をダイレクトに感じられることが挙げられます。映画がヒットした場合はテレビや雑誌などで取り上げられたり、電車の中で偶然感想が聞こえてくることもあるかもしれません。

また、映画が話題になると、公開初日や数日で映画館が満員になることもあります。仕事で苦労することが多くても、ヒットしたこと・成功したことが目に見えてわかれば、達成感を身をもって感じられるでしょう

若林 宏美

プロフィール

私はライターとして映画の仕事に携わってきましたが、ミニシアター系や低予算の映画が大ヒットすると、「自分が新たな才能を見つけた!」という、間接的に自分の感性が認められたときには、配給会社の人はとてもやりがいを感じるようです。

②専門分野以外の人との出会いに溢れている

映画を製作して上映するまで、多くの職種の人が連携して仕事が進められます。マスコミ関係の人やタレント、華やかな世界にいる有名人や俳優などとのやりとりが発生することもあるでしょう。

このように、自分の専門分野以外の人とも出会える機会が溢れていることは、映画業界ならではの特徴です。テレビの中でしか普段は見られないような人や、憧れの俳優・芸能人と一緒に仕事ができる可能性があるということが、モチベーションややりがいになる人もいるでしょう。

日常ではかかわることがなかなか難しい人と出会い、仕事ができる機会があることも、映画会社で働くメリットの一つといえます

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③映像で人々に感動を与えられる

映画会社は、映画の製作や宣伝・上映を通じて、人々に感動や楽しみを与えたり、心を癒したりすることができます。製作に携わった映画が、映画を観た人の人生や行動を変えるきっかけになることもあるでしょう。

また、映像はカメラワークによって観客に与える印象を左右することができます。そういった視点の工夫や、日々進化しているCG(コンピュータ・グラフィックス)・VR(バーチャル・リアリティ)などの映像技術を用いて臨場感のある映像を作り出し、人々に感動を与えられるということも、映画会社で働くうえで感じられるやりがいであるといえます

井上 捺稀

プロフィール

映画の製作や上映には、多種多様な職種の人がかかわっているため、幅広い人脈を築くことができます。専門的な知識やスキルだけでなく、協調性や臨機応変に対応する力など、社会人基礎力も磨くことができるというメリットがあります。

楽しいだけじゃない映画会社の実情をキャリアコンサルタントが解説!

映画会社に憧れを抱く人がいる一方で、実際の働く現場には大変なことや厳しいこともあります。

実情の厳しさや飾らない場面を知らずに入社すると、入社前後でのギャップに苦しんだり、自分らしく働けなくなってしまう可能性があります。

ここでは、キャリアコンサルタントの渡部さんに、映画会社への就職を目指す人が知っておくべきことについて教えてもらいます。現場の実情を明らかにして不安を払拭し、納得のいく職場で働けるようにしましょう。

アドバイザーコメント

製作には正解がないこと・プレッシャーが伴う場面があることを知っておこう

映画製作会社の仕事は、作品の質を最優先に考えて進められます。しかし、どの業界もそうですが、クリエイターが追及する「質」というものに決まった正解はありません。

一般的な仕事であればマニュアルや決まった手順があり、商品やサービスもある程度決まっていますが、映画は同じものを繰り返し作ることがなく、毎回新しいものを開発しなければならない苦労があります。

また、映画配給会社や映画興行会社の場合も、売れるかどうかわからないものに対し、先に多くの資本や労力を投入しなければならないリスクがあります。交渉や調整に時間がかかり、基本的に相手に合わせて仕事をしなければならない点や、集客、売上のプレッシャーがあるなどの点で、配給会社や興行会社は広告宣伝と営業の両方の要素があり、数字に追われることも多くなるでしょう。

大変な実情を踏まえた先に感じられる達成感がある

昔よりは改善されていると思いますが、上記の要素の影響で映画業界はどうしても勤務時間も不規則になりやすく、休日休暇も不安定という部分があります。

しかし、そうした不安定さを知ったうえで、仕事そのもののやりがいや唯一無二の作品を生み出すことへのチャレンジ精神を大切にし、その意欲が持続できるかどうかが問われる仕事だと思います。

3つの観点から選考対策! 映画会社への就職をかなえるための必須準備

映画会社に必須の3つの観点の選考対策

  • 業界・企業研究編|業界への理解を深めてミスマッチをなくそう
  • 志望動機編|映画を提供する視点に立って意気込みを正しく伝えよう
  • 面接準備編|映画会社の頻出質問を押さえて自分の魅力を伝える回答を用意しよう

学生に人気の就職先でもある映画会社は、一般的に就職難易度が高いとされています。採用人数もほかの業界と比較して少なめな企業が多いため、狭き門を突破しなければなりません。

この難しい状況でほかの学生から一歩リードするには、3つの観点に着目することがカギになります。ここでは、「業界・企業研究」「志望動機」「面接準備」でそれぞれ詳しく解説するので、ほかの学生と差別化した完璧な選考対策で自信を持って選考に挑めるようにしましょう。

映画会社への就職を目指す人は、映画鑑賞が趣味である人は少なくないでしょう。多くの人がアピールする「趣味が映画鑑賞であること」を就活で伝える際には、ほかの学生と差別化する必要があります。こちらの記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
就活で「趣味は映画鑑賞」はOK? 圧倒できる3つのアピールのコツ

①業界・企業研究編|業界への理解を深めてミスマッチをなくそう

映画業界・映画会社への理解を深める方法

  • 企業規模による仕事内容の違いを理解する
  • 必要とされるスキルを把握する
  • 一般的なキャリアパスを知る

映画会社を「映画製作会社」「映画配給会社」「映画興行会社」の3種類に分類して解説しましたが、同じ分類に属する映画会社でもそれぞれに特徴や違いがあります。

就職を目指す企業・業界の研究や深掘りをすることは、自分に合った働き方を見つけることにもつながります。3つの項目に分けて業界・企業研究のポイントを解説するので、入社後に後悔することのないように、ミスマッチをなくしていきましょう。

若林 宏美

プロフィール

会社にもよりますが、クリエイティブ職で応募し採用されたとしても、入社後の社内試験の評価によっては希望職種ではなく、一般職に携わる可能性があります。

就職後にどういった仕事ができるのかは、OB・OG訪問などでしっかりと把握しておきましょう。

企業規模による仕事内容の違いを理解する

映画会社は、大規模な会社から中・小規模の会社まで数多く存在しています。会社の規模によって仕事内容や業務範囲が異なることがあるため、志望先の会社は具体的にどのような仕事をしているのかを把握できるようにしましょう

大規模・中小規模の映画会社の仕事の違いの例

  • 大規模な映画会社:一般的に分業制が導入されているため特定の分野で業務をする
  • 中小規模の映画会社:製作から宣伝までなど、オールマイティに働く必要がある場合がある

より具体的な仕事内容の違いを明確にするためには、応募先の企業のホームページ(HP)をくまなく確認することが大切です。

採用情報や部署・職種ごとの業務内容の確認は必須ですが、社員インタビューに目を通すことも効果的です。実際に働く社員の姿を確認できるため、自分がどのように働けるのかのイメージにもつながるでしょう。

必要とされるスキルを把握する

映画会社では、先にも述べたとおりたくさんの専門的な職種が集まって仕事を進めています。自分が目指す職種で必要なスキルや資格を知っておくことで、自分が持っているスキルや取得を目指していることを選考でアピールすることができます

職種スキル
ディレクター(映画監督)映像製作全般に関する知識や技術
脚本家物語の構成力、発想力、文章力
演出家映像製作全般に関する知識、その他芸術に関する知識
カメラマン撮影技術、機材の知識
映像編集者映像編集における機器の知識と技術
CGデザイナーデッサン力、CGソフトを使いこなす技術
美術スタッフデッサン・製図・造形に関連する技術
専門的なスキルを必要とする職種と必要なスキルの例

志望先で必要とされる能力やスキルを正しく把握するためには、実際にアルバイトとして働いてみたり、インターンシップ(インターン)や会社説明会に参加して、現場で働く社員に話を聞いてみたりすることが効果的です。

これらの専門的なスキルや技術は、専門学校や大学の専攻で学ぶことが一般的です。養成学校や塾に通って身に付けることも可能なので、これからスキルを身に付けたいと考えている人は調べてみてくださいね。

一般的なキャリアパスを知る

応募する映画会社のキャリアパスを知らずに入社すると、自分が理想とする働き方や思い描いている将来と齟齬が生じてしまう可能性があります。自分が思い描くキャリアパスと志望先のキャリアパスがマッチしているのかを必ず把握しておきましょう

インターンや会社説明会に参加してOB・OGなど働く先輩に質問してみることで、志望先のキャリアパスを知ることができます。

キャリアパスを知るための質問例

  • 入社から今まで具体的にどのような仕事をしてきたか
  • 仕事を通じてどのような経験ができるか
  • 入社後の研修内容はどんなものか
  • 入社後に部署移動をすることはあるか

渡部 俊和

プロフィール

理想のキャリアパスが思い浮かばない場合は、将来の自分、たとえば40歳の自分がどんな働き方や生活をしているかを具体的に考え、そこに至るまでの過程を逆算してみましょう。そうすることで、20代後半や30代で必要な経験とスキルがイメージできると思います。

イメージできた内容を仕事と結び付けることで、キャリアパスを描くことができるはずです。

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「この職種に就きたい!」と思っていても、なぜそうなのか学生時代に培ったスキル・経験を踏まえて伝えるのに苦戦する学生は多いです。

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 実際にツールで作成した志望動機例文 
 (IT業界の場合) 
私は貴社が掲げる顧客維持率向上に貢献し、日本企業のIT化の一助になりたいと考えています。私は飲食店でアルバイトをしているのですが、感染症の増加により新しい施策に取り組むことを余儀なくされていました。このとき、新しいシステムを導入してオンライン販売を開始すると、常連客の注文率が60%以上になりました。この経験から、リピーターをつくることとシステム導入の大切さを実感しています。貴社は、先端技術を活用したSaaSを提供しているだけではなく、顧客維持率の向上を事業戦略に掲げており魅力に感じております。入社した際には、営業職として企業へのSaaSの提案・リピート顧客獲得で貢献したいと思っています。

②志望動機編|映画を提供する視点に立って意気込みを正しく伝えよう

映画会社の志望動機を作成するコツ

  • なぜ応募先の映画会社なのかを明確にする
  • 入社後の活躍・貢献方法を言語化する
  • 熱意が伝わる構成で伝える

日常生活では、消費者としてしか映画に触れる機会がない人も多いかもしれませんが、映画会社の志望動機を作成する際は、提供者・製作者の視点に立って志望動機を作成することが大切です。消費者側の視点だけで志望動機を作成すると、いざ製作側になったときに何ができるのかを伝えられず、不採用になってしまう可能性があります。

ここでは、提供者・製作者の視点に立った映画会社の志望動機を作成する3つのコツを紹介します。それぞれのポイントをしっかりと把握して、人事の心をつかむ志望動機の作成を目指しましょう。

なぜ応募先の映画会社なのかを明確にする

映画会社の志望動機で、「なぜ映画会社に就職したいのか」のみで完結させてしまう人がいますが、それだけではほかの会社にも通ずる内容になり、応募先に「うちへの志望度が低い」という印象を与えかねません

応募先を選んだ理由を明確にするためには、企業研究を深めることが効果的です。下記の項目を参考に企業研究を深め、志望度を確実にアピールできるようにしましょう。

企業研究のチェックポイント例

  • 事業内容
  • 競合他社との違い・強み
  • 経営理念・事業理念
  • 今後の事業方針
  • 社風、実際に会った社員の印象
  • 福利厚生
  • 求められている人材

企業研究を深めるには、「企業研究ノート」を作成して情報を整理することがおすすめです。こちらの記事でわかりやすく解説しているので、ぜひ参考に作成してみてくださいね。
作り方例4選|企業研究ノートのまとめ方をイラスト付きで解説!

入社後の活躍・貢献方法を言語化する

志望動機では企業への志望度だけでなく、入社後の貢献度や活躍度も見られています。志望先に入社した後に貢献・活躍できることをアピールするために、自分の言葉で言語化できるようにしましょう

OB・OGにキャリアパスを教えてもらうときに、併せて具体的な業務内容や仕事の進め方を聞いておくと、自分が入社後にどんなふうに働けるのかをイメージすることができます。そうすることで、将来どのように活躍していきたいのかも明確になっていくはずです。

インターンや会社説明会に参加した際に業界・企業研究と併せて、実際に働く社員やOB・OGなどに、入社当初の目標や今の働き方を聞いてみましょう。

活躍・貢献方法を言語化した例

インターンシップで得た交渉スキルを活かして、全国の人々に映画を届ける役割を担いたい

映画会社に入社後にどうなりたいのかといわれても、正直よくわかりません。

井上 捺稀

プロフィール

「就社後」ではなく「将来どうなりたいのか」に重きをおいて考えてみよう

入社後のビジョンややりたいことを聞かれてもなかなかイメージできないのは、まだ知識やスキルがほぼゼロの状態だからです。

採用担当者はそれを理解したうえで、どんなことに挑戦したいと考えているかを質問しています。そのため、今のあなたが実際にできるかどうかではなく、「将来的にこんなことができるようになったらいいな」という視点で回答してしまって問題ありません。

どちらかというと大切なのは、そのなりたい姿から逆算し、どんなスキルや経験が必要なのか、入社後に取り組むべきことが何かを明確にすることです。

熱意が伝わる構成で伝える

「なぜ志望先なのか」「入社後の活躍方法」を志望動機に含めることはもちろん大切ですが、志望動機の構成を意識せずに伝えたいがまま文章を作成するとわかりづらい文章になり、せっかくの熱意が正しく伝わらない志望動機になってしまいます

文章の順番を意識して志望動機を作成することで読みやすい文章になり、伝えたいことをしっかりとアピールできる文章になります。下記の構成を意識して、志望動機を伝えるようにしましょう。

わかりやすい志望動機にするための構成

  1. 結論:映画会社に就職したいという思い
  2. 理由:映画会社を目指すようになったきっかけ
  3. 具体例:きっかけの具体的なエピソード
  4. 再び結論:映画会社への思いと入社後の展望

志望動機の構成はこちらの記事で詳しく解説しています。こちらの記事も併せてチェックして志望動機の構成をマスターし、魅力をアピールできる志望動機を作成しましょう。
志望動機はこの構成で決まり! 盛り込む6要素と伝える順番を解説

「それでも志望動機が書けない」「そもそもの理由が思い付かない」と悩む人もいるでしょう。こちらの記事でそういった悩みを解決する方法を解説しているのでぜひ参考にしてくださいね。
「志望動機が書けない」から確実に卒業する3ステップ|例文付き

③面接準備編|映画会社特有の質問を押さえて自分の魅力を伝える回答を用意しよう

映画会社の面接の頻出質問例

  • 「好きな映画は何ですか?」
  • 「映画はよく観ますか?」
  • 「最近観た映画で印象に残っているものは何ですか?」

映画会社の面接では、映画会社特有の質問が複数あります。これらを事前に知っておくことで万全な回答を用意でき、本番でも焦らずに人事を納得させる回答をすることができるでしょう

ここでは映画会社の頻出質問を3つ、回答例も併せて紹介します。回答例を参考に今のうちから面接準備を始め、自信を持って面接に挑めるようにしましょう。

渡部 俊和

プロフィール

映画会社の仕事は創作した作品を多くの人がかかわって世に出すまでの仕事なので、能力や学歴よりも「対人関係能力」と「仕事に対する意欲」が面接で重視されると考えてください。

定型業務が多い職種以外は、安定志向が見え過ぎるとうまくいかない可能性が高いです。

「好きな映画は何ですか?」

好きな映画を答える際は、映画名ではなく、まずはジャンルや系統から回答するようにしましょう。人事が知らない映画の場合、映画名から回答すると会話があまり広がらない可能性があるためです。

たとえば、「ワクワクするような楽しい映画」「臨場感のあるアクション系」「等身大の主人公がメインの映画」などのように答えてから映画名を述べると、伝わりやすくなります。

「好きな映画は何ですか?」の回答例

等身大の主人公が出てくるような映画が好きです。特に、「私は最悪」というヨーロッパ5カ国が合同で製作した映画がお気に入りです。

私自身、映画を観た当時、自分の意見をあまり周りに言えないことに悩んでいました。映画では、主人公が自分にとてもまっすぐで、そして周りにも正直になって人生を切り開いていて、とても心を動かされました。

映画を通して「自分の気持ちに正直になろう」と思えるようになったことが、「私は最悪」が好きな一番の理由です。

「映画はよく観ますか?」

映画会社の就職を目指す人は映画好きが多いため、ライバルと差をつけたいという思いで、実際の数より多めに伝えてしまう人もいます。しかし、嘘や誇張は面接官に見抜かれてしまうため正直に答えるようにしましょう。

もし映画の数としてはたくさん観ていない人も、好きなジャンルを回答するだけでなく、なぜ好きなのか、どういったところに影響を受けているのかなど具体的に答えることで「映画が本当に好きだ」ということに説得力を与えることができます

「映画はよく観ますか?」の回答例

あまりたくさんの映画を観ることはないのですが、特定のジャンルに絞って観ることが多いです。アクション映画が好きなので、〇〇シリーズの最新映画が出た際にはいち早く劇場に向かっています。

もちろん映画のエピソードも好きなのですが、何よりもカメラワークによる臨場感に毎回感銘を受けています。監督のこだわりが詰まった撮影方法になっているので、カメラワークの勉強にもなっています。

「最近観た映画で印象に残っているものは何ですか?」

印象に残っている映画を聞かれた際は、ただ映画名だけを答えるのではなく、なぜ印象に残っているのかの理由も併せて伝えるようにしましょう。

また、自分の好みや感情などの個人的な意見だけでなく、客観的な視点を取り入れることで、映画を提供する側の視点に立って映画を鑑賞できているということを伝えることができます

「最近観た映画で印象に残っているものは何ですか?」の回答例

最近観た映画で印象に残っているものは「パラサイト 半地下の家族」です。

普段韓国映画を観ることはあまりないのですが、友人に勧められ観たところ、社会問題に対するメッセージと韓国映画ならではの美しいカメラワーク、エピソードの伏線を散りばめたストーリーに感銘を受け、非常に印象に残っています。

若林 宏美

プロフィール

映画の上映会社では、「知っている製作会社を3つ答えてください」など、関連する会社の名前をどの程度知っているかを聞かれるケースも実際にあります。業界研究の一環として、映画に関する会社の名前と、簡単な事業内容を把握しておくと良いですね。

面接では、想定外の質問をされることがあります。実際にあったおもしろい質問を参考に、ある程度回答できるようにしておきましょう。
本当にあった面接でのおもしろい質問50選! 印象アップする答え方を解説

参考にしよう! 映画会社の志望動機を会社の種類別で紹介!

映画会社の志望動機例文

  • 例文①映画製作会社の志望動機
  • 例文②映画配給会社の志望動機
  • 例文③映画興行会社の志望動機

映画会社は3種類に分類されることを記事で説明しました。仕事内容や特徴がそれぞれ異なるため、志望動機を作成する際も会社の違いを意識することが大切です。

「映画製作会社」「映画配給会社」「映画興行会社」それぞれの志望動機例を紹介するので、志望先の会社の種類と同様のものを参考に作成してみてください。

例文①映画製作会社の志望動機

例文①映画製作会社の志望動機

私が貴社を志望する理由は、自分が作った映像で多くの人の心を動かしたいと考えているからです。

私は小さい頃から周りの人を笑顔にするのが好きで、よくその場の盛り上げ役を買って出ていました。そして高校生の時、あるテレビ番組の特集で、カメラワークや編集によって同じ映像でも印象が大きく変わることについて放送していて、そこで初めて映像に興味を持ちました。

映像で人の感情を動かすことができれば、自分の周りの人より多くの人々に影響を与えられると思い、大学では映像製作のサークルに所属して映像製作の基礎的なスキルを身に付けました。

貴社は最新技術を用いて世界中の人々に感動と驚きを与える映像の製作に力を入れており、貴社なら仕事を通して自分の夢をかなえられると思い、志望しました。

貴社に入社後は、大学で身に付けた基礎的なスキルを実務を通してさらに向上させながら、常に学び続ける姿勢を忘れずに貢献していきたいと考えています。

井上 捺稀

プロフィール

基本的な構成に沿って書けていて、志望企業ならではの強みも押さえられています。より説得力のある志望動機にするために、これまでに製作した作品の本数や、基礎的なスキルのレベル感について明確にできると良いでしょう。

例文②映画配給会社の志望動機

例文②映画配給会社の志望動機

私が貴社を志望する理由は、どんな作品でも埋もれさせずに多くの人に観てもらいたいと考えているからです。

私は映画が大好きで、あまり知られていないニッチな作品までよく観ています。その中には「なぜこの作品を知らない人が多いのだろう」と思うほど素晴らしい作品もあり、そのたびに自分がもっと多くの人に観てもらえるように宣伝したいと考えていました。

このようなことを考えていたときに、映画配給会社は映画をヒットさせるための宣伝もできると知りました。製作会社や監督の知名度によって映画の配給数が決まってしまうという現実も理解したうえで、それだけでは取りこぼしてしまう作品にもフォーカスを当てたいと思っています。

貴社は映画の配給数が日本一という強みがあるので、自身の映画のリサーチ力や熱量を活かして新たな宣伝基準を発案し、世間により多くの作品を提供したいと考え志望しました。

貴社に入社後は、これまで以上に映画に触れ、名作になるべき作品を名作にできるよう努めてまいります。

渡部 俊和

プロフィール

「ニッチな作品へのこだわり」という明確な切り口があるのと、「現実を理解したうえで」という書き方が好印象でした。会社としてはこだわりに偏るばかりでなく、客観的にも考えられる人でないと困るので、その懸念が解消される表現になっています。

例文③映画興行会社の志望動機

例文③映画興行会社の志望動機

私が貴社を志望する理由は、世の中のニーズを汲み取り、その映画を観るべき層の人が観られるように上映スケジュールを組みたいと考えているからです。

私は映画が好きで映画館をよく利用します。しかし、不満に思うことが一つあります。それは、観られる時間帯に観たい映画が上映されていないことです。

私の場合、授業後はアルバイトもしているため、映画を観られる時間帯は日中です。しかし、上映開始からある程度時間が経った映画は夜に上映されることが多い印象でした。

貴社の利用者数が多いという強みを活用して利用者の動向の調査・分析をおこなうことで、利用者のニーズにマッチしたスケジュールの作成につながるのではないかと考えています。最終的には顧客満足度を増幅させられ、より多くの利用者が劇場に足を運んでくれる結果にもなると思っています。

そのため、私が貴社に入社した後は、その映画を観る人がどのような層なのかを分析し、より最適化された上映スケジュールを組んで貢献したいと考えています。

若林 宏美

プロフィール

例文は、しっかりと書かれていて真面目な印象が伝わります。このままでも良いと感じてもらえるかもしれませんが、一方で自分の不満を解消する点が強調されているとも感じました。

利用者の動向調査、なぜ夜にしか上映がないのかは、現状でも調べられます。机上の空論になりすぎないように、もう少し煮詰めたほうが良いかもしれませんね。

書類上と面接での志望動機は理想とされる長さに違いがあることがあります。こちらの記事で最適な長さと時間について解説しているのでチェックしてみてくださいね。
面接の志望動機の最適な長さは? 時間別の例文付きで解説

最後に見直し! マイナス評価になる可能性がある志望動機4選

映画会社の仕事内容や会社ごとの特徴の違いなどを理解できていない志望動機では、なぜ志望先の会社を選んだのかが伝わらず、熱意をアピールできないものになってしまいます。

ここでは、映画会社の志望動機でマイナス評価につながりやすい例を4つ紹介していきます。NG例をチェックして、自分がこれから作ろうとしている志望動機やすでに作った志望動機が当てはまっている場合は修正しましょう。

例文①仕事内容がわかっていない志望動機

例文①仕事内容がわかっていない志望動機

私が貴社を志望する理由は、映画作りに興味があるからです。

私は幼少期から小説を書いたり、漫画を書いたりするなど、一から物語を作ることが好きでした。そして、大学生になってからは映画を作ることに興味が湧き、大学では映画研究サークルに所属していました。

映画研究サークルでは全部で5本の映画を製作し、企画やキャスティング、撮影、編集まですべて自分でおこないました。とても大変でしたが、映画が出来上がったときは本当に感動し、毎回涙を流していました。

貴社に入社後も、すべての業務を一人でおこない、自分好みの映画を製作したいと考えています。そして、貴社の売上拡大に貢献したいと考えています。

井上 捺稀

プロフィール

仕事内容を理解していない志望動機だと、採用担当者に「志望度が低い」「企業研究不足」という印象を与えかねません。書類選考で不合格となる可能性が高まるので、きちんと調べたうえで志望動機を作成しましょう。

例文②「なぜ応募先なのか」を述べていない志望動機

例文②「なぜ応募先なのか」を述べていない志望動機

私が貴社を志望する理由は、映画の魅力を世の中に伝えたいからです。

私は小学生の頃から映画が好きで、毎週のように映画館に足を運んでいました。そして、映画を観ては感想文を書き、家族や友人にその映画の良さを伝えていました。

このような背景から、私は映画の良さを伝える仕事をしたいと考えるようになりました。

貴社に入社後は多くの人に映画の良さを伝えられるよう、まずは私がたくさんの映画に触れたいと考えています。そして、これまで通りその映画の感想文を書き、多くの人に魅力を伝えられるよう努めてまいります。

渡部 俊和

プロフィール

人事から見ると、どこにでも使える志望動機は志望動機とは言えません。それでもスキルの高さを感じたら採用する場合もありますが、やりたいことが自社が求めているものと違う場合には「無理にこの人を採用しなくても良いかな」と思われてしまいます。

例文③入社後の活躍・貢献方法を伝えていない志望動機

例文③入社後の活躍・貢献方法を伝えていない志望動機

私が貴社を志望する理由は、映画製作に携わりたいと考えているからです。

幼少期から映画が好きで、大学時代は友人たちと映画を製作したことがあります。全部で3本の短編映画を製作したのですが、その楽しさに毎日没頭していました。もともと何もなかったものが、企画や撮影、編集によって日に日に形になっていき、完成を目指して取り組み続けることに楽しさを覚えていました。

映画を製作する際は、私が自ら演技もしていました。このような映画製作の経験から貴社に入社したいと考えるようになりました。まだまだ未熟ですが、仕事をする中でやり方を覚えていきたいと考えています。

若林 宏美

プロフィール

情熱は伝わりますが、好きをアピールする人はたくさんいます。好きを前提として、「自分がどう貢献できるのか」「どういった仕事がしたいのか」を伝えないと、就職後に何がしたいのかが具体的に見えてこないため、相手に何も印象を残すことができません。

例文④構成を意識していない志望動機

例文④構成を意識していない志望動機

私は映画を観ることが好きです。特に好きなのはジブリ映画でした。独特の世界観と物語は一回観たら目を離せなくなってしまいます。

ジブリ映画以外にもたくさんのジャンルの映画を観ることがあります。このように映画を観続けていると、自分も映画を製作する仕事に携わりたいと考えるようになりました。

まだ無知であるため、まずはしっかり勉強しなければいけないことは承知しています。しかし、映画が好きという思いは誰にも負けません。私に与えられた仕事に懸命に取り組み、「本当に素晴らしい」といえる映画を製作できるよう頑張りたいと考えています。

貴社に入社後は、まずは勉強と実践を繰り返し、数年後には貴社を引っ張っていけるような存在になれるよう日々努力したいと思います。

井上 捺稀

プロフィール

冒頭は結論から述べ、その後に理由やきっかけについて説明するようにしましょう。また、熱意だけでは企業側に採用するメリットが伝わりません。自分の強みを明確にし、どのように貢献したいかを具体的に伝えましょう。

仕事内容を正しく理解した隙のない選考対策で映画会社への就職を目指そう!

就職難易度が高い映画会社への就職を目指すには、現場の実情の把握と抜かりない選考対策が重要であることを説明しました。必要な情報を整理し選考対策を進めることで、自信を持って映画会社の選考に進めるようになるはずです。

まずは、映画業界のビジネスモデルや求められるスキル、現場の実情、各会社で展開される職種をひとつずつ押さえ、業界への理解を深めることから始めてみましょう。そして、基本的な情報を正しく徹底的に理解したうえで、記事を参考にほかの学生と差別化した選考対策をして、映画会社での内定を勝ち取ってください。

アドバイザーコメント

「好き」=「向いている」ではないことを理解しよう

映画業界はとても楽しい仕事です。キラキラしていて楽しい業界といったイメージがあるかもしれませんが、クリエイティブ職や営業、宣伝など、どんな職種でも地道な仕事が多い印象です。映画が好きなら、映画に携わる仕事がしたいと考える人は多いでしょう。

しかし、どんな仕事でも「好き」なのと「仕事にしたい」のはイコールではありませんし、向いているわけでもありません。

映画業界に進みたい人はまず業界研究を進め、「好き」という気持ち以外にも、自分のやりたいことや性格が業界にマッチしているかを見極めましょう。

そして、自分に向いていると感じたなら、映画に携わる仕事の中でも何がやりたいのかを絞ってくださいね。

「好き」の先にあるものを明確にして夢をつかみ取ろう

私自身の経験をお話すると、映画が好きで映画のライターをしていたのに、自分が観たい映画が観られるわけではないし、鑑賞しながらメモなどをしていると、趣味で観ていた頃のような感動がなくなっていくのを感じました。

それでも続けられたのは、やっぱり映画が好きでその魅力を伝えたいからです。

好きの先にある何かを仕事を通して誰かに届けたいなら、ぜひチャレンジしてみてください。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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