この記事のまとめ
- 成績証明書の内容や企業が求める理由を知って重要性を理解しよう
- 成績証明書は準備の仕方や提出時のマナーを把握することで差がつく
- 注意点やよくある疑問もキャリアコンサルタントが解説
- 自己分析ツール
たった3分で面接で使える"あなたの強み"がわかる!
この記事を読んでいる人におすすめ
就職活動をしていて、「成績証明書を用意できますか?」と聞かれて戸惑った人も多いでしょう。いきなり知らない書類を求められると「成績証明書とは一体何?」「何を見るために必要なの?」と混乱してしまいますよね。
成績証明書の就活での役割や重要度を把握しておかなければ、必要な時に準備できなかったり、面接で成績にかかわる思わぬ質問をされて焦ったりと、良くない結果につながりかねません。
そこで今回は、キャリアコンサルタントの佐藤さん、吉田さん、瀧本さんの解説を交えつつ、初めて成績証明書を知る学生にもわかりやすく、成績証明書の企業が見るポイントや提出方法のマナーなど、気になる情報を解説します。正しく理解することで、ほかの学生よりも良い印象を得ることができ、一歩リードできるので、ぜひ参考にしてください。
成績証明書は自己アピールの重要材料! 早めの準備と丁寧な対応が鍵
成績証明書は聞きなれない書類かもしれませんが、重要な役割を持っている提出書類の一つです。学校が正式に発行する書類なので、提出方法だけでなく、取得方法も理解しておく必要があります。
申請から取得まで時間がかかるため、併せていつ頃に要求される可能性があるかも知っておくと安心です。
この記事では、まず就活で成績証明書が必要になるタイミングを紹介します。必要になったときに用意しておらず焦る、ということのないようにしっかり確認しておきましょう。
また、成績証明書を用意するときに、重要性を理解しているのといないのとでは用意する気持ちも変わってきます。そこで記事では、実際に採用担当者が何を目的として見ているのかを解説します。面接で深掘りされる可能性があることも推察できるので、チェックしてください。
提出方法ごとのルールや取得方法の注意点も解説するので、最後まで読んで面接官からの好印象を獲得しましょう。
面接が上手くいかないときは、面接回答集を活用してください
面接で聞かれる質問に答えられるか不安ですよね。ただ、何を質問されるか分からず対策しようにも出来ない人は多いはず。
そこで、活用したいのが無料の「面接回答例60選」です。この資料があれば、人気企業の面接でよく聞かれるような質問とその答え方60通りが一目でわかります。
どんな質問が来ても確実に回答できるようになれば、面接はもう怖くありません。今すぐ活用し、面接を突破するのに役立てましょう!
そもそも成績証明書とは? いつ必要になる?
あまり聞き慣れない書類である成績証明書とは、そもそもどんな書類なのかを知らない就活生は意外に多いです。わからない書類を求められると、ただでさえ面接も不安なのに、さらに不安が募りますよね。
そこでまずは、成績証明書には書かれている内容や、求められやすいタイミングについて解説します。
成績証明書に書かれていること
成績証明書とは、大学などの学校での成績を証明する「成績表」のことです。学校によってフォーマットの違いはありますが、成績証明書にはおもに以下の内容が記載されています。
成績証明書に書かれていること
- 学部・学科
- 入学年と取得時点での在学状況
- 授業科目
- 取得単位数と評価
- 取得単位合計
- 評価の基準などの備考
備考欄に記載されるのは、学校が成績を付けている基準が客観的にわかるような説明など、学校外部の人がスムーズに確認できるような情報です。評価については4段階で示されていることが多く、成績優秀者もわかります。
末尾には学校名と学園責任者の氏名と捺印があるため、社外の人が見ても正式な書類であることが理解できるでしょう。
成績や履修状況を示す書類は、今後の卒業などもかかわるので会社や採用担当としてはしっかりと確認をしておきたい書類になります。
また、成績証明書は公的な書類なので、詐称したり偽造すると「詐欺罪」や「私文書偽造罪」に問われることがあるため提出の際には注意が必要です。
提出を求められやすいタイミング
成績証明書の提出を求められるのは、選考が進んだ途中の二次選考か、最終選考前が多いです。企業によって求めるタイミングは異なります。ごくたまに、内定承諾後の確認として提出を求められることもあるかもしれません。
求められるタイミングはある程度しか予測ができないものの、成績証明書を発行するときはなるべく提出を求められてから学校に依頼しましょう。
成績証明書に記載されるのは、申請時点より1つ前の期の成績です。たとえば、4年生の前期に依頼すれば、3年生の後期までの記載しかありません。掲載内容が求める時期によって違うため、あらかじめ用意しておくことは難しいでしょう。
- 最終選考で提出する場合でも、成績証明書が理由で落ちることはありますか?
成績よりも応募者本人から知り得た能力やスキルが重視される
最終選考の際に成績証明書の提出が求められることもありますが、成績が理由で選考に落ちる可能性は低いです。
企業はおもに、成績証明書を通じて履歴書やエントリーシート(ES)の内容に偽りがないか、また卒業見込みがあるかを確認するために提出を求めます。
成績自体が選考に大きな影響を与えることは少なく、企業は学生の性格やスキル、経験に重点を置いているのです。
もし成績が悪い場合でも、面接でその理由を説明し、大学生活で得たほかの経験やスキルを強調することでカバーできるでしょう。
成績と就活の関係が気になる人は、こちらの記事も確認しておきましょう。企業が見ているポイントや選考でのアピール方法を解説しています。
関連記事
「就活で成績は関係ない」は古い! どんな成績でも好印象を残す秘訣
就活で成績について言及されることはあります。なぜこの科目を履修し、この成績なのか根拠を持たせてアピールすることが重要です。対処法については、キャリアコンサルタントが成績についての質問に対する準備方法や回答例を交えて解説します。
記事を読む
意外な目的も! 企業が成績証明書を求める4つの理由
意外な目的も! 企業が成績証明書を求める4つの理由
- 履修内容が知りたい
- 卒業できるかを確認したい
- 提出書類に嘘がないかを確認したい
- 学習内容から人柄や優先順位などを知りたい
ただいわれたから成績証明書を提出するのではなく、目的意識を持って用意できると丁寧に対応しようと心掛け、マナーを徹底できます。そこで用意する前に、企業がなぜそれを必要とするのかを理解しておきましょう。
何を目的としているのかを知ることで、準備する心持ちも変わってきますよ。
ここからは、企業が成績証明書を求めるおもな4つの理由を解説するので、意図まで把握したうえで用意できるようにしましょう。
①履修内容が知りたい
成績証明書に記載されている履修内容を確認することで、学生は何に興味を持ってきたのか、どのような姿勢で授業に取り組んでいたのかがわかります。
成績証明書には、科目名と各成績が詳細に記載されています。企業の求める知識と違う内容の履修内容であれば、なぜ志望したのかを事前に確認することで入社後の技術や知識不足による退職も防げるでしょう。
もし履修内容からは知識不足と見えても、強い熱意や要領の良さがあれば、教育によって立派な戦力となるかもしれません。「成績が全体的に優秀なら要領は良いかも」といった予測もできます。そういった事前の見極めは、採用担当にとって重要です。
また反対に、企業で必要な知識と同様の学習内容の場合、初期研修をある程度省略して現場になるべく配属を早めるなど、個人に合わせた教育環境も設定しやすくなります。
成績証明書の履修内容の注目度は企業によります。履修内容を踏まえ配属などを考えるところもあれば、まったく見ない企業もあるでしょう。
どちらかというと、履修内容を見ない企業の方が多い印象です。まず目の前の履修をしっかりとこなしていきましょう。
②卒業できるかを確認したい
成績証明書には、卒業見込みまでの必要な単位の取得状況も記載されています。
企業にとって卒業できないかもしれない人に内定を出すのは、高いリスクがともないます。企業側は高い採用コストを掛けて選考をしているため、もしも卒業できないことを理由に辞退された場合には、そのコストが無駄になるかもしれないのです。正社員の採用コストは、令和33年度厚生労働省委託調査の結果によると、1人あたり平均で30万円以上、掲載媒体によっては約85万円近くも必要です。
面接段階で成績証明書を確認することで、内定を伝えた後の単位不足による内定辞退は防げます。また内定を出すとしても、事前に卒業時期が予測できるので、受け入れ側も合わせた対処が可能です。
③提出書類に嘘がないかを確認したい
ESや履歴書は、希望者が自由に記載できる書類です。そのため、もしも虚偽の内容を書いていても企業側は気付けません。そのまま採用して後で嘘が発覚してしまうと、内容によっては大問題に発展します。企業にとっても大打撃です。
身近な例を挙げると、嘘をつく友達を信用はできないでしょう。一度嘘をついたらまたするのではないかと疑心暗鬼になりますよね。企業も同じです。
そのようなリスクを避けるため、学校の証明する正しい記載が確認できる成績証明書を見ることで、提出書類に嘘の内容が書かれていないかを確認しています。
過去の私の支援経験では、面接では卒業に必要な取得単位数を満たしているといっていたにもかかわらず、成績証明書を確認したら卒業が危うい取得単位数だった人がいて、嘘をついていたことがバレてしまったことがありましたね。
成績証明書の提出を求められたとしても、そうでなかったとしても、自分の成績は正直に伝えましょう。
もし提出書類に嘘を書いてしまった心当たりがあれば、すぐに対処しましょう。こちらの記事で具体的なリスクや対処法を解説しています。
関連記事
履歴書で嘘を書くと犯罪? バレた際のリスクや意外な落とし穴も解説
履歴書で嘘を書いてバレると、経歴詐称による犯罪で処分を受ける可能性があります。本来伝えておくべき犯罪歴や持病を書かないことも嘘に該当するので、注意しましょう。この記事では、キャリアコンサルタントと社労士による企業目線の解説も交え、履歴書の嘘がバレやすい理由やバレたときのリスクを説明します。
記事を読む
④学習内容から人柄や優先順位などを知りたい
成績証明書からは、見方を変えるとあなたの人柄や優先順位なども見えます。たとえば、成績証明書のなかに極端に悪い成績と良い成績が混ざっていたとしましょう。
するとその学生は、やることによってやる気が変わる傾向があるのかもしれません。自分の楽しいと思える科目ではモチベーション高く参加でき、つまらないと思っている科目では手を抜くタイプというように想像できます。
あるいは、取り組むときに優先順位を付けるタイプとも考えられます。デザイン系や体育系の科目では成績が良く、理数系科目では成績が悪いなら、身体を動かすのは好きな一方、考えるのは得意ではなく、優先順位を付けて苦手なことは避けやすい可能性があります。
そういった思考の予想を通じて、実際に職場に入ったときの業務内容とマッチングしているかや、採用した後のかかわり方を採用側が考えられるようにもなるのです。
- 単位を取るのが楽な授業ばかり取ってきたのですが、成績証明書でバレますか……?
企業は単位一つひとつを気にして調べているわけではない
基本的には、気にしてもしょうがないかなと思います。楽な単位をとってきた事実は変えられないので、その事実を受け入れながら就活を進めていくしかありません。
ただ、企業側は楽な単位や難しい単位をいちいち調べるほど暇ではないので、バレるかどうかで言うとバレる可能性はそこまで高くないといえます。
また、大学によっても楽な単位や難しい単位が違うので比較が難しく、学部学科ごとによっても違うので、企業側がそこを判断するのは難しいでしょう。
あなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
就活のプロが解説! 成績証明書は就活でどれくらい重要視される?
成績証明書の見られるタイミングや見ている理由はわかったものの、実際の選考過程でどれくらい重要視されるのかも気になる人は多いでしょう。
そこで、就活のプロであるキャリアコンサルタントの瀧本さんに、選考における成績証明書の重要度や企業が見ているポイントについて聞きました。
アドバイザーコメント
瀧本博史
プロフィールを見る成績証明書の注目度合いは企業の選考基準や職種内容によって異なる
企業が成績証明書を求める意図は、多岐にわたります。一般的に成績証明書は、学生の学業成績を示すものであり、学業における努力や成果を評価するための参考資料の一つです。
しかし、実際の選考において成績証明書の重視度は企業によって異なります。成績証明書を重視する企業は、特定の学問分野での知識やスキルが必要な職種を募集している場合が多いです。
たとえば、技術職や研究職などは、専門的な知識が求められるため、関連する科目の成績が重要視されます。また、高学歴や高成績の学生を採用することで、企業のブランドイメージを向上させる狙いもあります。
一方で、成績証明書をそれほど重視しない企業もあります。これらの企業は、学業成績だけでなく、コミュニケーション能力やリーダーシップ、チームワークなど、総合的な人間性を評価する傾向にあります。
このような企業では、ESや面接での自己PRが重要な選考基準となります。企業が特に注目するポイントは、学業の成績だけでなく、継続的な努力や学習姿勢、関連するプロジェクトや課外活動の経験などです。
自分の能力がどんな業務で発揮できるかをアピールしよう
成績が良くても、それがどのように将来の業務に役立つかを具体的に示すことが求められます。
総じて、成績証明書の重要度は企業や職種によって異なりますが、自己分析や志望動機の明確化といったほかの選考要素と併せて、自分を総合的にアピールすることが重要です。
早めに準備しよう! 成績証明書を取得する方法や費用
成績証明書を取得する方法は、いくつかあります。申請する学校ごとに異なるため、詳しくは発行を依頼する前に学生課の窓口などで確認しましょう。
おもな方法は、以下の3つです。
成績証明書を取得する3つの方法
- 窓口で申請して受け取る:即日~1週間程度
- 専用の発行機で自動発行する:即時
- オンライン申請をし、郵送受け取りをする:1~3日程度(大学との距離による)
上記方法に加えて、昨今ではコンビニエンスストアでの発行が可能な学校もあります。特に知名度の高い国立大学は対応しているケースが多いようです。
発行依頼時には、通学中の学生であれば学生証、卒業後であれば免許証や保険証などの本人確認書類を用意しましょう。
成績証明書を発行する手数料は無料のこともありますが、200〜1,000円程度が予想されます。ほとんどの学校は、金額が一律ではなく、いくつかの発行方法と支払い方法のなかから選択します。それに合わせた発行手数料を振り込みなどで支払うのが一般的です。
方法によって発行期間も違うので、早さを取るか金額を取るかなど、状況に応じて選びましょう。
最近では学内の機械やコンビニなどで簡単に出せる大学も増えてはきましたが、申請を受けてから書類を作成し郵送するという大学もあるでしょう。
その場合は申請のために大学の窓口を訪れ、手元に届くまで数週間かかる場合もあります。早めに大学に確認をしておいてくださいね。
自己分析をするなら自己分析ツールが一番おすすめ!
自分の弱みはわかっていても、強みは思いつかないものですよね。「それ、強みって言えないよ」と思われたくない人も多いはず。
そんな時は「自己分析ツール」を活用しましょう。このツールを使えば簡単な質問に答えていくだけで、あなたの強み・弱みが簡単にわかります。
無料で使えるので、自分の強みを確かめたい人は今すぐ診断しましょう。
自分の長所を分析するなら「自己分析ツール」がオススメ
診断スタート(無料)
・自己PRや志望動機に使える長所を知りたい人
・自分にあった仕事を知りたい人
ライバルに差をつける! 成績証明書の提出方法と方法別のマナー
成績証明書の提出方法と方法別のマナー
成績証明書の重要さは理解できたものの、どのように提出すれば良いのかわからないという人も多いかもしれません。
せっかく面接で良い印象でアピールできても、提出方法で失礼なことがあれば台なしですよね。
そこでここからは、提出方法別の手順と提出時のマナーを解説します。細かい注意点まで押さえて、周囲と差をつけましょう。
手渡し:面接時に封筒に入れて渡す
二次面接や最終選考の際に持参するように指示を受けた場合、基本的には手渡しでの提出となります。手渡しで提出するときに気を付けるべきマナーは、「書類が折れ曲がらないように配慮すること」と、「渡すときの向き」です。
書類が折れ曲がらないように、必ず清潔なクリアファイルを用意しましょう。100円均一でも売っているので、使い古しはくれぐれも使わないようにしてください。
内容が大事ですが、汚れが付いたりカバンのなかでくしゃくしゃになっていたりすると、面接官の印象を損ねるかもしれません。
また、提出するときはクリアファイルから出し、面接官に両手で渡しましょう。複数人いる場合、中央の面接官に渡せば問題はありません。
新卒採用の本質は、「その人と一緒に働きたいかどうか」です。どれだけ面接がうまくても、どれだけガクチカが立派でも、一緒に働きたくないと思われたら試合終了です。
手渡しのマナーなど、こういった細部の部分をチェックする企業は少なくないので、気を付けましょう。
これから二次面接や最終面接に進む人は、以下の記事もおすすめです。それぞれの企業の評価ポイントや通過のコツを解説しています。
二次面接
二次面接は深掘り質問に注意! 回答例や失敗する学生の特徴を解説
最終面接
最終面接の合格率を高める6つの対策|頻出質問と回答例文で徹底解説
郵送:送付状と表書きにも手を抜かない
昨今では、オンライン面接も主流となりつつあります。遠方の会社を希望しているなど、さまざまなケースで提出が郵送となる可能性は高いでしょう。
郵送で送るときは手渡しよりも工数が増えるので、手抜きしたくなるかもしれません。しかし、郵送のマナーは社会人になっても必要な部分です。
さらに郵送の場合は面接官以外の社員が受け取る可能性も高く、マナーを守って提出しなければ社内全体での印象が下がりかねません。
送付状と封筒の書き方をそれぞれ説明するので、しっかりマスターしましょう。
送付状の書き方
郵送で成績証明書を送るときに、書類1枚だけを入れて送ってはいけません。送付状と呼ばれる紙を入れる必要があります。
送付状がないからといって不採用に直結することは基本的にはありませんが、送付状を正しく添付することで面接官へのプラスのアピールにもなります。送付状には、書類内容と送り主をシンプルに伝える役割があるからです。
面接官が多くの応募書類を受け取るなか、送付状をきちんと入れておくことでマナーをきちんと守れる良い印象が残ります。
送付状には、以下の内容を記載しましょう。
送付状の内容
- 提出日:ポストに投函した日を記載
- 企業名・部署名・担当者名:企業には「御中」、個人には「様」を付けて記載
- 送り主の情報:学部、名前、住所、電話番号、Emailアドレスなどを記載
- 題名:要件を記載
- 時候の挨拶:最初に「拝啓」を記載
- 送付した説明など:誰が・なぜ・何を送ったかを記載
- 時候の締めの言葉:最初の挨拶が「拝啓」なら「敬具」を記載
- 「記」:箇条書きで書く際に記載
- 同封書類の名称と枚数:今回なら「成績証明書」と記載
- 「以上」:書類の内容は終わりであることを示すために記載
- 送付状は必ず入れないとダメですか? また手書きでも印刷でも何でも良いのでしょうか?
送付状の添付は基本のビジネスマナーとして覚えておこう
ビジネスの場では送付状をつけるのがマナーとなっています。皆さんも友人などに何かを送るときにちょっとした挨拶文をメモなどに書いて添付するのではないでしょうか?
また成績証明書だけを封筒に入れて送付しても、連絡先など必要な情報が足りないこともあると思います。
送付状については、手書きでも印刷したものでもどちらでも大丈夫です。就職活動において、送付状は何度も必要になります。
パソコンで雛形を作成しておくと毎回最初から作る手間が省けて良いでしょう。しかし、字に自信がある人は手書きにすることでアピールにつながることがあるかもしれません。
封筒の書き方
書類送付するための封筒も用意しましょう。封筒のサイズは、送付状と成績証明書を折らずに入れたクリアファイルが入る大きさです。一般的には成績証明書の大きさはA4なので、A4であれば「角方A4号」を選ぶとちょうど良いです。
封筒の色は、正式書類を送付するときは白色を利用します。茶色の封筒は事務用や通常用のため、かしこまったやり取りでは利用しないのがマナーです。
封筒の表書きには、会社の住所、企業名、わかるなら担当者名まで書きます。擦って消えるタイプのペンや水性ペンではなく、油性ペンで書きましょう。
左下には赤い四角で囲って成績証明書在中と忘れずに書いてください。裏面に自分の住所と名前も忘れないようにしましょう。
メール:企業とやり取りしているアドレスから時間帯に注意して送る
近年では効率的に選考を進めるために、メールでの提出を指定する企業もあります。
メールで提出する場合は、特別な指示がない限り、データ編集ができないPDFに変換してから添付することが基本です。PDF化は、自宅やコンビニのスキャナを利用しましょう。PDFのファイル名は「成績証明書 氏名.pdf」とし、誰が見てもわかりやすいようにするのが理想的です。
メールを送付する際は、これまでに企業とやり取りをしていればそのアドレスを使用します。今回初めてメールを送付する場合、プライベートでのアドレスは使わず、就活用のメールアドレスを作成して送るようにしましょう。
たとえば間に合わないからと慌ててプライベートで使用しているメールアドレスから送ってしまうと、企業は誰から送られたのかがすぐに判別できないかもしれません。
情報保護の観点からも、企業が見知らぬアドレスからのメールは迷惑メールフォルダに振り分ける可能性もあります。確実に成績証明書を届けるためにも、メールアドレスにも注意しましょう。
メールを作成するときは、下記の見本を参考にしてください。
成績証明書送付メールの例文
TO〇〇〇〇@theport.jp
CC
件名【件名】成績証明書送付の件(○○大学○○学部 自分の名前)
お世話になっております。
○○大学の(自分の名前)と申します。
先日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
表題の件、添付にて成績証明書を提出します。
お忙しいところ恐縮ではございますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
============
氏名
〒000-1111
〇〇件△△市□-□□
アパート名 101号室
電話番号:090-1234-5678
メールアドレス:△△△@~~~.com
============
また、送り先企業の就業時間を基本として、時間帯は早朝や深夜は避けましょう。就業時間外のメールは、緊急性がない限りマナー違反ととらえる採用担当者もいます。
ただし、どうしても送らないといけない場合は「夜分遅くに失礼いたします。」のような、お詫びの文章を入れるようにしてください。
成績証明書の提出方法は企業によって異なりますが、郵送は最も一般的で内定承諾後に提出する場合が多いです。
手渡しは面接や内定式の際におこなわれることがあり、メールは一部の企業がデジタルフォーマットでの提出を許可しています。応募先の指示に従って適切な方法を選ぶことが重要です。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
知らないと危険! 成績証明書を取得・提出するときの注意点
知らないと危険! 成績証明書を取得・提出するときの注意点
- 取得にかかる期間から逆算して早めに用意する
- 「厳封」は絶対に開封しない
- 原本提出が基本なので多めに取得申請しておく
提出時のマナーが理解できたら、併せて提出時に絶対に把握しておきたい注意点も確認しておきましょう。成績証明書は正式書類であるため、気を付けたい細かな点がいくつかあります。
注意点を知らずに用意してしまうと、提出が間に合わなかったり再提出が必要になったりといった事態になりかねません。
ここでは特に気を付けたい3つの事項について説明するので、熟読してトラブルを防止しましょう。
取得にかかる期間から逆算して早めに用意する
成績証明書の取得は、その場ですぐにできることはあまりありません。方法や時期によっては遅くてもその日のうちに完了できることもありますが、就活解禁以降など取得希望者の多い時期になると、3日〜1週間程度は見積もっておく必要があります。
ありがちなのは「学校にはいつでも行くから先延ばしで良いや」と考えて企業から依頼された段階ですぐに対応せず、提出日直前になって申請するも、間に合わなくなってしまうケースです。
そうならないためにも、以下3つは守りましょう。
取得時に守ってほしい3つのポイント
- 早めに発行する
- 取得期間を交付説明のWebページや取得窓口で確認する
- 万が一遅れそうな場合、その時点で企業に説明しておく
やむを得ず間に合わないならまだしも、自分の油断で遅れてしまうのは企業からの印象も良くないでしょう。できる限り早めに行動することが大切です。
ビジネスの世界では、時間や期限を守ることは基本であり、最も大切なことになります。
採用担当者から見て、期限を守れない人は信用できないと感じるでしょう。仮に何かの理由で期限内に提出することが難しいのであれば、事前に必ず採用担当者にその旨連絡を入れておきましょう。
「厳封」は絶対に開封しない
学校から成績証明書を受け取る際、封筒に入っているケースがあります。封筒に「厳封」の文字があった場合には、絶対に開封してはいけません。もしくは「開封無効」「開封厳禁」も同様の意味です。
厳封とは、その書類を発行した機関によって封筒が閉じられているという意味です。成績証明書は学校の発行した正式な書類であり、書類は取得者によって改ざんされていないことを証明する必要があります。その証明となるのが厳封印です。
万が一開封してしまった場合は企業の担当者に相談し、どのように対応すれば良いのかを確認しましょう。封筒を細工してごまかしたり、そのまま提出したりすると常識を疑われる可能性があるため、自己の判断のみで動くのは危険です。
- 自分で成績証明書の中身を確認することはできないのでしょうか?
成績は大学のポータルサイトなどで確認することができる
自分の成績証明書の内容を確認するためには、大学のポータルサイトにログインし、成績証明書発行のページを探してオンライン申請をおこなうのが一般的です。
申請後、証明書をダウンロードできる場合もあれば、郵送で受け取る場合もあります。
ほかにも、学生部窓口に直接出向いて成績証明書を発行してもらう方法もあり、その場で内容を確認することができるでしょう。
さらに、大学内に設置されている証明書発行機を利用することで、その場で発行された成績証明書を確認することも可能です。
成績証明書の発行には通常、数日から1週間程度かかるため、早めに手続きをおこなうことをおすすめします。ただし、成績証明書は厳封されていることが多いため、開封しないよう注意してください。開封してしまうと無効になることがあります。
詳細な手続きや必要な書類については、大学のホームページ(HP)や学生部に問い合わせて確認してみましょう。
原本提出が基本なので多めに取得申請しておく
成績証明書を提出するのは、原本での提出が基本です。成績証明書は正式書類であるため、原本での提出が求められます。
しかし、就活では複数社にエントリーすることは多いうえ、成績証明書を企業から求められるのは珍しいことではないため、ほとんどの学生は1枚では足りないでしょう。また、万が一汚れや紛失が起きてしまった場合にも、予備があると安心です。
そのため、1回取得申請をするときに複数枚を依頼しておくのも一つの手です。4年制大学であれば就職活動が活発になる4年前期など、複数選考を進める予定の多い時期に検討してみてください。
ただし成績証明書は、期が変われば内容が異なるため、使用できなくなります。まとめて申請するとしても少量に留めましょう。
成績証明書についてのよくある疑問にキャリアコンサルタントが回答!
成績証明書についてのよくある質問
- 成績が悪い・落とした単位がある場合は評価に響く?
- 提出が間に合わない場合はどうすべき?
- いつ時点の成績証明書が必要?
成績証明書を企業が見ている理由や提出のマナーは理解できたものの、「成績証明書自体の内容が悪くて落とされたらどうしよう……」「提出が間に合わなかったらどうすれば」などと悩んでいる人もまだいるかもしれません。
こういった学生が悩みがちな疑問について、採用側の状況も把握しているプロのキャリアコンサルタントに質問してみました。ぜひ、悩みを解消する参考にしてください。
成績が悪い・落とした単位がある場合は評価に響く?
成績証明書は、学校が作成する書類のため、嘘をつくことはできません。今までの学生生活を振り返ってみて「あの教科は評価が悪いかも」「1年生のときに落とした単位があった!」と、これまでの評価が悪い可能性に思い当たる人もいるでしょう。
せっかく順調に選考を進んできたにもかかわらず、「学校の成績自体が悪いせいで落ちるのではないか」とハラハラしている人もいるのではないでしょうか。
実際のところ、成績が悪いことは企業からの評価に響くのかを、キャリアコンサルタントの佐藤さんに聞きました。
アドバイザーコメント
佐藤 恭子
プロフィールを見る成績は気にしすぎず聞かれたことには正直に答えよう
成績証明書のどの部分を見ているのかは企業によって違います。たとえば、エンジニアとして専門的な業務をおこなう場合、企業側が定めている履修科目の単位の取得を確認することがあります。
また、採用担当者が最も気になるのは「卒業に必要な単位が取得できているのか」です。
入社間近になって卒業できないことがわかったと連絡が入ることがあります。時間とコストを使って採用し、配属先も決め入社を待っているという段階で入社できない連絡が入るのは採用担当者としても避けたいところなのです。
成績の良さよりもきちんと卒業して就職できることを示すことが大切
成績は悪いよりは良い方が良いのですが、「卒業に必要な単位が取得できているのか」の最低限の部分に問題がなければそれだけで採用されないということにはなりません。落とした単位についても同じ理由から、最低限の単位が取得できていれば大きな問題にはならないでしょう。
しかし、これらのことについて面接で質問されることはあります。何か明確な理由があればそれをしっかり説明しましょう。もし、自分の頑張りが足りなかったことが原因だと感じているなら、なぜそうなったのか、現在は反省していること、この経験を通して今後はどう行動していくのかを伝えましょう。
卒業の見込みがない状態でどのように就活を進めるべきか気になる人は、以下の記事を参考にしてみてくださいね。
提出が間に合わない場合はどうすべき?
予期せぬ事態に遭遇し、書類の作成依頼が遅くなってしまうことがあるかもしれません。また、学校によっては窓口の対応が混み合っていて、想定の日数よりも発行に時間がかかることも予想されます。
そのようなことが実際に起きたとき、どのように対処すれば良いか、具体的な方法やアドバイスについてキャリアコンサルタントの吉田さんに聞きました。
アドバイザーコメント
吉田 隼人
プロフィールを見る提出が遅れそうなときは3つのことを企業に伝えて早急に対処しよう
まず、提出期限に間に合わない場合は、一刻も早く企業に連絡することが大切です。間に合わないことが確実になった場合はもちろんですが、間に合わなさそうな場合でも連絡をしておくと良いでしょう。
その際に伝えたいことは、以下の3つです。
①謝罪
まずは誠心誠意、謝罪をしましょう。提出に遅れてしまうのは、余裕をもった対応やスケジューリングができなかったあなたに非があるので、謝ることが大前提です。
②遅れた理由を説明する
その後、なぜ遅れたのかをきちんと説明しましょう。どんな理由にせよ、遅れたことに関しては必ず理由があるはずなのでそれを伝えましょう。ここでは何を言っても言いわけにしか聞こえないので、ごまかそうとせず正直に話しましょう。
③期限の設定
では、いつまでになら確実に提出できるかを明確にしましょう。ここでギリギリの期日を設定し、それに遅れたら本当に取り返しがつきません。確実に提出できる日時を伝えましょう。
評価に関しては、内定前か内定後のタイミングによって変わります。内定後であれば、成績証明書の提出はそこまで重要なものではないので、企業側も多少注意するだけですむかと思います。しかし、内定前の選考中であれば大きく選考に左右することを覚悟しておく必要があるでしょう。
いつ時点の成績証明書が必要?
成績証明書を用意するときに、「4年生の成績が悪いから3年生までの成績証明書を提出したい」と考えてしまうことがあるかもしれません。企業から見られる書類のため、悪い部分は隠したいと思う人もいるでしょう。あるいは「以前に発行したものが残っていて、そのまま使って良いのか」と考える人もいるかもしれません。
また、大学院生が就職活動をしている場合、提出するのは大学院の証明書だけなのか、大学と大学院両方を提出するべきなのかを迷うこともあると思います。
いつ時点の成績証明書を提出するのかの疑問について、キャリアコンサルタントの佐藤さんにまとめて聞きました。
アドバイザーコメント
佐藤 恭子
プロフィールを見る成績証明書は最新のものを提出するのが一般的
どの時点で成績証明書の提出を求められるかで、3年生までの成績なのか、4年生も入るのかは当然変わってきます。企業から指示がない限りは、基本的に最新のものを提出することです。
「4年生の成績が悪いから3年生までの成績証明書を出す」「前に発行したものを使う」のは良くありません。企業の採用担当者は多くの学生の成績証明書に目を通しています。提出を求めた時期によって何年生までの成績証明書が必要とされるかはわかっているでしょう。
提出された成績証明書の発行日が何カ月も前であると、企業は「何か隠したいことがあって古いものを出してきたのか」「最新のものを取得することが面倒だったからなのか」などと不審に思います。
提出の仕方や内容から誠実さが伝わるようにすることが大切
誠実さを欠く行為はマイナスでしかありません。信用できない人物を社員として採用することはないでしょう。
また、基本的なことは大学院生も同じです。大学院生の場合は学部の成績証明書や卒業証明書の提出を求められることがあります。卒業大学と別の大学に通っている人もいると思います。そのため取得に時間がかかることもあるので、早めに卒業した大学に問い合わせをしておくと良いでしょう。
就活の成績証明書は企業へのアピールの大事な一歩と思って用意しよう!
企業は成績証明書から、学生が卒業できるかだけではなく、人柄やこれまでの学習経験などさまざまな要素を読み取っていることは理解できたでしょうか。提出が求められるタイミングは選考がある程度進んだ後なので、時期に差し掛かったら事前に学校への申請方法を調べておくと安心ですね。
成績証明書の準備には、基本的に期間がかかります。求められた時点ですぐに動き、発行方法や必要な金額を調べるようにしてください。窓口での発行以外の場合、金額の振り込みが遅れないように注意しましょう。
成績証明書の内容は、企業にとっては大事な情報です。アピール方法の一つととらえ、ぜひこの記事を参考にマナーを守って丁寧に提出しましょう。
アドバイザーコメント
吉田 隼人
プロフィールを見る成績証明書は社会人としての基本のマナーに沿ってきちんと提出しよう
これから成績証明書を出すことに関して、不安を感じている人も多いかなと思いますが、この記事のポイントを押さえておけば基本的には特に大きな問題はないので安心してください。
成績証明書は上記にも記載があるように、選考に使用されるというよりは、卒業できるかや履修内容、学習状況を確認するために使用されることがほとんどです。嘘をついたりごまかす必要はまったくありません。今まで学習してきたことに自信を持って伝えるようにしましょう。
入社前であっても徹底した報告・連絡・相談が大切
単位が全然足りていなかったり、成績が悪いといってごまかしたり提出をしない方がよっぽど良くない対応です。報告・連絡・相談は社会人の基本となります。むしろ、ミスをしてしまった際やトラブルになりそうな場合に、どれだけ早く連絡や相談をできるかが大切だったりするのです。
ごまかしたり提出が遅くなると、余計いろいろな人に迷惑がかかってしまい、最終的にあなたの印象が悪くなってしまいます。そういった対応や相談が苦手な人もいるかもしれません。
私自身も忘れ物が多く、提出がギリギリになったり、うっかり忘れてしまうということも何度もありました。皆さんは早めにそういった悪い癖を直していきましょう。また、成績証明書だけでなく、ほかの提出物などもしっかりと出すようにしてくださいね。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/キャリア・デベロップメント・アドバイザー
Kyoko Sato〇証券会社や航空会社のCAとしての勤務を経て、キャリアコンサルタントとして就職支援をおこなう。大学では就活講座や個別相談、企業では新卒採用関連業務を担当。転職相談などでも幅広く活躍
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/就活塾「我究館」講師
Hayato Yoshida〇東証一部上場の人材会社で入社2年半で支店長に抜擢。これまで3,000名以上のキャリアを支援。現在はベストセラー書籍「絶対内定」シリーズを監修する我究館でコーチとして従事
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士
Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう
プロフィール詳細