この記事のまとめ
- スキルや専門性が求められる職種でジョブマッチングが活用される
- ジョブマッチングを導入する企業は即戦力となる人材を求めている
- ジョブマッチングの対策として事前の情報収集や面接練習が大切
専門性が求められる職種の採用で使われているジョブマッチング。「制度の名前は聞いたことはあるけどよくわからない」という人や、または「専攻を活かしたいからジョブマッチングについて詳しく知りたい」というようにジョブマッチングの活用を積極的に検討している人もいるでしょう。
ただし、ジョブマッチングには、通常の学校推薦とは異なる点が多くあります。特にジョブマッチングならではの注意点を把握しておかないと、エントリーが間に合わなかったり、希望の就職先を選べなくなったりする可能性があるため、事前に把握しておくことが大切です。
この記事では、キャリアアドバイザーの柴田さん、平井さん、板谷さんのアドバイスを交えつつジョブマッチングの活用方法について解説します。ジョブマッチングに興味がある人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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ジョブマッチングを活用して専門分野でのキャリアを確立しよう!
ジョブマッチングを活用すれば、自身の専攻を活かせるキャリアを実現しやすくなります。ただし、ジョブマッチングが自身の就活に必要かどうかは人によって異なるので、まずはジョブマッチングの制度を理解して、就活で活用するかどうか判断することが重要です。
この記事ではジョブマッチングの特徴や利用する流れなどを解説します。まずは基礎知識やスケジュールを押さえて、ジョブマッチングを活用するまでを具体的にイメージできるようにしましょう。
またジョブマッチングを企業が導入する理由についても解説します。人材を採用する企業の目線を知ることで、何を求められているか理解しやすくなりますよ。
記事の後半では、ジョブマッチングを利用する場合の選考対策を紹介します。適切な選考対策をおこなって、内定を勝ち取りましょう。
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そもそもジョブマッチングとは? まずは特徴を理解しよう

就活で選考にエントリーするには、どんな方法があるのかわからない人もいるのではないでしょうか。就活で企業にエントリーするには、「自由応募」と「学校推薦」の2つの方法があるので、ジョブマッチングについて理解するためにも、まずは基本的な就活のエントリー方法についても理解を深めましょう。
ここではジョブマッチングの特徴について解説するので、併せて就活のエントリー方法に関する基礎知識も押さえてくださいね。
専門性が求められる仕事に活用される
前述のとおり、就活でのエントリー方法には自由応募と学校推薦の2種類があります。
就活のエントリー方法
- 自由応募:自分で求人を探して応募する
- 学校推薦:学校や教授の推薦を受けて応募する
上記の2つのなかでも、ジョブマッチングとは学校推薦の一種で、専門性の高い職種の採用で使われます。自由応募やそのほかの学校推薦よりも応募条件が細かく決められているため、かなり応募者数が少なく、ライバルが少ない分、応募できれば内定を獲得できるチャンスがあるといえます。
そのため、希望職種が決まっている人や、就職したい企業への推薦枠が学校にある人は積極的に活用するのがおすすめです。
さらにジョブマッチングは、その名の通り業務内容と求職者のスキルをマッチングさせるものなので、以下のような専門性が求められる職種に活用されます。
ジョブマッチングが使われやすい職種
- エンジニア
- 研究職
- 開発職
- 品質管理職
- 生産技術職
ジョブマッチングは、応募条件として必須のスキル・資格・実績や入社後の配属先部署が公開されるので、就職のミスマッチを回避しやすくなります。また応募する学生の希望と企業の要件が一致しやすいため、双方にメリットがある採用方法といえます。
- 文系の職種にはジョブマッチングは基本ないのでしょうか?
文系でも専門性の高い職種はジョブマッチングが使われる
文系でもジョブマッチングを取り入れている職種はあります。法務や経営企画、事業戦略、広報、マーケティングなどがそれにあたります。
これらの職種では、応募者がこれまでに培ってきた専門性が、企業のニーズや価値観にマッチしているのかを照らし合わせて選考を進めるのが一般的です。このような職種に応募する場合は、入社後にどのような業務を担当することになるのかをよく調査・検討しましょう。
生産技術職に興味がある人はこちらの記事を参考にしてみてください。仕事内容や志望動機の書き方などプロが詳しく解説しています。
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通常の学校推薦とは3つの観点で異なる
ジョブマッチングが学校推薦の一部であると説明しましたが、通常の学校推薦の違いについて明確にイメージできる人は少ないのではないでしょうか。ジョブマッチングは通常の学校推薦と以下の点が異なります。
ジョブマッチングと通常の学校推薦の違い
- 部署まで指定して応募できる
- 複数部署に応募できる
- 選考を辞退できる期間が長い
それぞれ詳しく解説するので、ジョブマッチングと通常の学校推薦の違いを理解して、より効果的に推薦制度を利用できるようにしましょう。
①部署まで指定して応募できる
通常の学校推薦では部署まで指定しないことが一般的ですが、ジョブマッチングでは就職先企業で配属される部署を事前に指定できるため、より就職後のイメージが明確にしやすくなっています。配属される部署が決まっていれば、具体的な業務内容を把握しやすいため、より入社後のミスマッチを防ぎやすくなるのです。
さらにジョブマッチングで複数回おこなわれる面談は、配属先部署のメンバーが実施することが多いので、一緒に働く社員と顔合わせもできます。現場社員とコミュニケーションを取ったうえで、自身が職場に合っているか判断できるのもポイントです。
自身の専門スキルを最大限に活用して就職・キャリア形成をしていきたい学生にとって、部署まで指定できるジョブマッチングはぴったりといえます。
入社後の部署を指定できれば、大学や大学院での研究テーマに引き続き取り組める可能性が高くなります。
エントリーの時期が早いので見落とさないよう注意が必要ですが、その分選考期間が長いのでじっくりと選考に臨みましょう。
②複数部署に応募できる
ジョブマッチングでは複数部署に併願できるため、採用のチャンスが増えます。第一希望から第三希望まで部署を指定して応募することで、一つの部署に絞るよりも可能性が広がるのでリスクを分散することにつながります。
また部署によって求められるスキルや採用の視点が異なるため、多角的に評価してもらえるのは応募する学生にとってメリットです。複数部署への応募によって、自身が気付かなかった適性や現場のニーズが見つかるかもしれません。
なおジョブマッチングでは、複数の部署から内定が出るケースもあります。この場合、内定がもらえた部署のなかから、自身が就職したいポジションを選ぶことが可能です。
ジョブマッチングで複数部署に応募するなら、その応募先に一貫性を持たせましょう。各部署の性質に合わせて志望動機を作成するのも大切ですが、まったく別のことをアピールするのではなく、何らかの共通性を持たせておくことをおすすめします。
一方で、複数応募した部署が情報共有していた場合、アピール内容がまったく同じだとあまり好印象は得られません。それぞれの部署に沿って内容を多少カスタマイズして、現場への理解を示しましょう。
就活の適切なエントリー数を知りたい人には、以下の記事がおすすめです。学生のエントリー数の平均やエントリーで大切にするべき考え方まで解説しています。
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③選考を辞退できる期間が長い
ジョブマッチングの選考は、学校や教授からの推薦状を提出するタイミングが最終面談の前なので、選考を辞退できる期間が長くなっています。
通常の学校推薦ではエントリー時に推薦状を提出するため、応募した後は基本的には辞退できません。一方ジョブマッチングは応募した後でも辞退するか検討できるため、実現したいキャリアが変わった際に就活の方向性を修正できます。
ただし学校推薦よりも辞退できる期間が長いとはいえ、ジョブマッチングの推薦枠には限りがあります。辞退する可能性があったり、志望度がそこまで高くなかったりするなら、ジョブマッチングに応募することは避けましょう。
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企業目線も知ろう! ジョブマッチングを導入する3つの理由
企業目線も知ろう! ジョブマッチングを導入する3つの理由
- ミスマッチによる早期離職を防げる
- 優秀な人材を早く確保できる
- 即戦力になる人材を採用できる
企業がジョブマッチングを導入する理由を知ることで、自身が企業から求められていることを理解し、選考において適切なアプローチがしやすくなります。また、企業のニーズを理解することで、自身が理想のキャリアを実現するためにジョブマッチングを利用すべきかを検討するきっかけにもなるでしょう。
ここでは企業がジョブマッチングを導入する理由を解説していきます。企業のニーズに合わせた準備ができるように、一通り目を通しておきましょう。
①ミスマッチによる早期離職を防げる
ジョブマッチングで人材を募集する企業は、応募者のスキルや経験などを参考に、求める人物像と一致するかを見極めています。応募者と企業側が期待することが一致すれば、入社の満足度が高まりやすくなり、早期離職を防ぐことにつながります。
厚生労働省の新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)によると、大卒の就職後3年以内の離職率は以下のとおりです。
事業所規模 | 離職率 |
5人未満 | 54.1% |
5〜29人 | 49.6% |
30〜99人 | 40.6% |
100〜499人 | 32.9% |
500〜999人 | 30.7% |
1,000人 | 26.1% |
企業規模によってばらつきがありますが、10人のうち2〜5人は3年以内に離職してしまうことがわかります。コストをかけて採用した人材の早期離職を防ぐために、企業はジョブマッチングを通じて少しでも自社や配属先部署に合う人材を探しているのです。
採用・育成した人材が企業の戦力として活躍するようになると、企業は生産性を維持したまま業務を継続できます。
早期離職が増えると、働いている社員の負担や採用コストが増えるほか、企業内の士気が下がる、企業イメージが悪化するといったリスクが生じやすくなります。
企業は早期離職を防ぐためにジョブマッチングの導入などの対策を打っているのです。
②優秀な人材を早く確保できる
ジョブマッチングは一般公募よりも選考時期が早いため、企業が優秀な人材を獲得するのに最適です。すでにスキルがあり、学生時代の実績が豊富にあるような学生は、新卒採用において多くの企業から需要があります。
企業間の競争が激しい採用市場において、ほかの企業にエントリーする前に優秀な人材を確保できるため、企業は積極的に採用したいポジションにおいてジョブマッチングを活用するのです。
またジョブマッチングなら企業が求めるスキルや経験を持つ人材を特定しやすく、採用プロセスを効率化できます。就活が始まって早い段階で内定が出るような優秀な学生を採用するために採用効率を上げることも、企業がジョブマッチングを活用する理由の一つです。
就活で早く内定を得たい人は、以下の記事がおすすめです。業界や企業ごとの内定が出る時期や内定と内々定の時期の平均まで解説しています。
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③即戦力になる人材を採用できる
企業は人材を採用するのにかかったコストを早く回収したいと考えるものです。一般的に採用にかかったコストは回収するまで数年以上かかるといわれており、未経験者であればスキルをつけて事業に貢献できるようになるまで長い時間がかかりやすくなります。
一方、即戦力になる人材は研修にかかる時間が少なく、採用後すぐに現場で活躍できます。専門知識が必要な職種では、ポテンシャルを期待して未経験者を採用するよりも、即戦力になる人材を採用したい企業は一定数存在するのです。
さらにジョブマッチングなら、複数回の面談を通して現場社員との相性もチェックできます。即戦力になってもらうには配属先部署との相性も重要であるため、即戦力になる人材を採用したい企業は、ジョブマッチングを積極的に活用している傾向にあります。
ジョブ型については以下の記事で詳しく解説しているので、自分のスキルを活かして働きたい人は参考にしてみてください。
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通常の学校推薦とは違う! ジョブマッチングの流れ
通常の学校推薦とは違う! ジョブマッチングの流れ
- 対象となる部署にエントリーシートを提出する
- マッチング面談が実施される
- 推薦状を提出する
- 最終面談で入社意思を確認される
ジョブマッチングは通常の学校推薦と異なる点が多いため、事前に流れを知っておく必要があります。たとえば推薦状の提出や入社意思を確認するタイミングが異なるので、通常の学校推薦と同じように準備していては間に合わない可能性があります。
ここではジョブマッチングの流れを解説するので、事前に一通りチェックしておきましょう。ジョブマッチングでの質問一覧も紹介するので、選考の準備を始めるうえで参考にしてみてくださいね。
①対象となる部署にエントリーシートを提出する
まずは自由応募と同様に書類選考から始まるので、入社・配属希望の部署にエントリーシート(ES)を提出します。通常の学校推薦とは異なり、部署を指定して選考を受ける点で、以下の点を盛り込むと質の高いESが作りやすいでしょう。
ジョブマッチングのESに盛り込みたい内容
- 配属先部署でやりたい業務
- 配属先部署で役立つ具体的なスキルや経験
- 自身の強みを証明できる学生時代の実績
- 配属先部署での目標
- 研究内容や強みを活かしてどのようにチームに貢献できるか
なお、応募先によっては適性検査や筆記試験がおこなわれるケースがあります。ミスマッチを防ぐためにおこなわれるジョブマッチングでは、より慎重に配属先部署への適性がチェックされるので、準備しておくことが重要です。適性検査や筆記試験の対策方法は、記事の後半で解説します。
ヒューマンスキルももちろん求められますが、ジョブマッチングの場合は特に自己分析を深めておくことが重要です。
熱意以上に、志望先の部署での業務を自身の専門性や研究内容と紐づけてアピールすることが欠かせません。
ESの書き方がわからない人は、以下の記事もチェックしてきましょう。企業がESで知りたいことやESの見やすさを整える方法まで解説しています。
関連記事
エントリーシートの書き方完全版! 提出前の最終チェック項目も紹介
エントリーシート(ES)は9項目の書き方に注意することが大切です。記事では企業が見ているESのポイントをキャリアコンサルタントが解説。書き方の前提を確認したあとは、項目別に詳しく注意点を説明していきます。内容のブラッシュアップ方法や提出前の確認リストで提出の準備が整います。
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②マッチング面談が実施される
書類選考を通過したら、ジョブマッチングの面談が複数回実施されます。人事担当者だけでなく、配属先部署の現場社員と会話する機会があるため、チームの雰囲気を感じられます。
また企業は複数回の面談をおこなうことで、部署との相性や即戦力になり得るかをチェックしているため、おもに研究内容に関する質問が多くなるでしょう。
特に現場社員が参加する面談では、研究内容について深掘りされる可能性が高いので、自身の研究内容について詳しく言及できるように備えておくことが大切です。
自由応募の選考では、企業はその人材が自社に合うか、採用したらどの部署に配属するかを考えています。
配属先を決めるにあたって、本人の資質や強みが考慮されることもあれば、人員補充が必要な部署がある、重点的に強化したい分野があるなど、企業の組織的な要請に左右されることもあります。
一方ジョブマッチングでは、応募先の部署とのマッチングが焦点になるので、希望通りの部署へ配属されるのが一般的です。
ジョブマッチングで質問されること一覧
ジョブマッチングの面談では、研究内容から自身の性格まで、幅広い内容について質問されます。以下の質問一覧に目を通して、自分の言葉でうまく伝えられるように、準備しましょう。
ジョブマッチングで質問されること一覧
- おもな研究内容を教えてください
- なぜこの部署を希望するのですか?
- チームで働いた経験について教えてください
- あなたの強みと弱みを教えてください
- 今までで一番達成感を感じたプロジェクトは何ですか?
- あなたが特に得意とするスキルは何ですか?
- キャリアで達成したい目標を教えてください。
- 自己成長のために何かおこなっていることはありますか?
- 業界のトレンドについてどう考えていますか?
- どのような職場環境が一番働きやすいですか?
なお質問に対しては自身の言葉で答えることが大切です。あらかじめ話す内容を考えておくのは有効な対策ですが、一言一句を暗記するのは避けましょう。
暗記した文章を読み上げるだけでは、ぎこちない印象を与えてしまう可能性があるため、話す内容だけ決めておいて自身の言葉で話すのがおすすめです。面談対策については、記事の後半で詳しく解説するので参考にしてみてくださいね。
上記以外によくある質問としては、ストレス管理に関する質問です。
「ストレスを感じる場面にどのように対処しますか?」と具体的な質問を受ける場合もあれば、新しい環境への適応能力の有無をチェックするために多角的に質問をされる場合もあります。
質問に対する回答だけでなく、逆質問の準備を進めたい人は以下の記事もチェックしておきましょう。逆質問をするべき3つの理由や面接官の特性に応じた逆質問の例を解説しています。
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面接の逆質問50例|熱意を伝えつつ企業とのマッチ度を見極めよう
面接での逆質問72例を紹介。さらに逆質問で意識するべきポイント、NGな質問例などをキャリアコンサルタントとともに解説。「質問は特にありません」から脱却して、逆質問を有意義な機会にしましょう。
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③推薦状を提出する
ジョブマッチングの面談でマッチングが成立したら、大学や教授からの推薦状を提出します。ジョブマッチングでは推薦状を提出した時点で、基本的に内定を辞退できなくなるので慎重に検討しましょう。
企業によっては辞退できるケースもありますが、もし辞退する場合は推薦してくれた学校のキャリアセンターや教授からの承諾・確認が必要です。ジョブマッチングの内定を辞退できるとしても、推薦してくれた関係者の信用に影響を与える可能性があるため、やむを得ない事情がない限り辞退することは避けましょう。
なお推薦状を提出するまでの流れは企業によってさまざまですが、提出期間が短いケースがあるので、あらかじめ提出方法や期間を確認しておくのがおすすめです。
④最終面談で入社意思を確認される
ジョブマッチングでは推薦状を提出してから最終面談がおこなわれて、その場で入社意思が確認されるケースが多くあります。最終面談ではこれまでの選考において、自身の発言やスキル・実績について事実確認がおこなわれたうえで、正式な内定が出ます。
しかし、最終面談に進んだとしても内定が決まったわけではありません。自由応募の最終面談で不採用となるケースがあるように、ジョブマッチングでもマッチング成立後に不採用になる可能性があります。
また企業によっては最終面談後に筆記試験や適性検査をおこなう場合があるため、気を抜かずにしっかり準備しておきましょう。
アドバイザーコメント
柴田 登子
プロフィールを見るジョブマッチングの面談では職務への深い理解が重要
人事担当者との面談では、ほかの段階に比べると、通常の採用と変わらない質問が投げかけられることが多いです。しかし、だからといって気を抜くべきではありません。応募先の部署の業務に沿って、企業や業界への理解の深さを具体的な知識やデータなどで示せる準備をしましょう。
現場社員との面談は、最もジョブマッチング採用の真価が問われるタイミングといえるでしょう。実際の業務に対する理解や、実践的なスキルが評価されるからです。
自分から積極的に業務内容やチームでの働き方について質問し、自分がどう貢献できるかをアピールしましょう。ジョブマッチングならではの業務への理解度を示し、よりその職場にふさわしい人材だと伝えるのです。
最終面接では企業との相性もアピールしよう
そして最終面談では、経営陣や上級管理職が面接官になります。自身がどのような目標を描いているか、その企業で成し遂げたいことを明確に伝える機会です。企業理念やビジネス戦略などに沿って、より自身が志望している部署とマッチしているかをアピールしていきましょう。
ジョブマッチングは部署別の採用なので、企業研究のみならず、職務についての情報取集が必須です。この点にも意識して臨むようにしてください。
理解を深めよう! ジョブマッチングを利用するメリット
理解を深めよう! ジョブマッチングを利用するメリット
- 自身の入りたい部署に直接応募できる
- 学んだことを業務で直接活かせる
- 入社前に現場社員とコミュニケーションを取れる
- ゆとりをもって就職活動を進められる
ジョブマッチングの流れを理解できたら、就活を有利に進めるためにもジョブマッチングのメリットにも目を通しておきましょう。ジョブマッチングには通常の就活とは異なるさまざまなメリットがあるので、事前に理解して効果的に活用したいところです。
ここではジョブマッチングを利用するメリットについて解説していきます。どんなメリットがあるか知ることで、自身がどのように利用すべきか判断しやすくなりますよ。
自身の入りたい部署に直接応募できる
ジョブマッチングは自由応募や通常の学校推薦とは異なり、配属希望の部署に直接応募できるため、やりたいことや自身が実現したいキャリアが具体的に決まっている人にぴったりです。
配属先の部署があらかじめわかっていると、就職後の業務内容を事前に知ることができます。入社前に具体的な業務が明らかになっていれば、自身が企業から求められていることや入社後に実現しやすいキャリアを想定できるので、入社後のミスマッチを避けやすくなります。
また自由応募や学校推薦では、研修終了後に部署が決まるのが一般的なので、内定後の期間はどの部署に配属されるか不安が生じるかもしれません。一方、ジョブマッチングで内定を獲得できれば配属先部署が決まっており、入社までにやるべきことが想定しやすいので、内定から入社までの期間を有効活用できます。
学んだことを業務で直接活かせる
ジョブマッチングは学生のスキルや経験をもとにマッチングがおこなわれるため、学んだことを業務で直接活かしやすくなります。特に学生時代に研究を熱心におこなってきたなら、「就職後も研究を続けたい」「学んだスキルを活かして仕事したい」と考える人も多いのではないでしょうか。
ジョブマッチングは専門性が求められる開発職や研究職などで導入されやすいので、学んだことを業務で活かしたい学生におすすめです。
入社前に現場社員とコミュニケーションを取れる
ジョブマッチングでは複数回の面談を通して、現場社員とコミュニケーションを取れるため、入社前に相性やチームの雰囲気を見極めやすくなります。
インターンシップでも現場社員とコミュニケーションを取ることはできますが、同じ部署で一緒に働く可能性がある社員と会話できるのはジョブマッチングだけの特徴です。
また、自由応募で入社した場合、業務内容はある程度想定できても、現場のメンバーとの相性は配属されるまでわかりません。そのため、入社後に現場社員との相性が合わないケースを避けやすいのもジョブマッチングのメリットの一つといえます。
- ジョブマッチングで現場社員との相性を確かめるにはどうすれば良いのでしょうか?
社員に対する企業の姿勢が自分の価値観と合うかを確認
以下の「企業と個人の相性の5軸」を参考に社員を観察したり、質問したりしてみましょう。
①周囲との関係: 競争か協調か
たとえば、チームメンバーをライバルととらえるか仲間ととらえるかによって、現場の雰囲気はまったく異なります。
②思考の方向性: 革新か伝統か
新しい手法を積極的に試すべきと考えるのか、これまでの手法の実績を評価するべきと考えるかといった軸です。その部署の業務への取り組み方が見えてきます。
③ 判断の機軸: 情緒か理性か
社員の感情を重視するか、事実を重視するか、こういった価値観の相性は職場の人間関係や業務へのモチベーションにもつながることです。
④ 評価の重点: 行動か思考か
その職場で評価される業務への取り組み姿勢にも注目しましょう。業務内容にも左右されますが、たとえば「やりながら考える」と「考えてからやる」とでは、個人の特性によってパフォーマンスが大きく変わります。
⑤仕事への姿勢: スピードか緻密さか
大まかでも良いから早く業務を進めるべきなのか、時間がかかってでも正確に業務をこなすべきなのか、これもパフォーマンスへ大きな影響を与えるポイントになります。
また、自分の傾向を知っておくだけでなく、自分にとって妥協できる軸とできない軸を判別できるようにしておくことも大事です。
大学での研究を続けるために研究職を目指している人は、以下の記事もチェックしておきましょう。研究職のメリット・デメリットや就くためのコツまで解説しています。
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研究職ってどんな仕事? 狭き門を勝ち抜くための志望動機例も紹介!
研究職を志望する場合は、仕事内容や適性の理解が必須です。また研究職のメリットデメリットも押さえておきましょう。この記事では研究職に向いている人の特徴や研究職に就くコツをキャリアコンサルタントが解説します。志望動機例文も紹介するので参考にしてください。
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ゆとりをもって就職活動を進められる
ジョブマッチングは自由応募や学校推薦よりも選考時期が早いため、うまく活用することでゆとりをもって就職活動を進められます。
ジョブマッチングで選考を受けてもし内定を獲得できなかったとしても、周りの学生よりも早い段階で選考経験を積めます。志望動機を考えたり面談を受けたりした経験は、次に受ける選考に活かせるので、その後の就職活動に余裕が出るかもしれません。
就職活動を早めに始めることで選考経験を積み、有利に内定を獲得しやすくなる点でも、興味のある企業がジョブマッチングで募集しているなら応募を検討しましょう。
就活を始める時期を迷っている人には、以下の記事がおすすめです。就活のスケジュールや必要な動きまで解説しています。
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就活はいつから始める? 就活支援のプロが全体スケジュールを解説
就活はいつから始めれば良いのか不安な人や、忙しくて手を付けられない人もいますよね。この記事では就活のスケジュールと成功させるコツをキャリアコンサルタントが解説します。就活の正しい進め方を理解して、理想の内定を手に入れましょう。
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まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
キャリアの専門家に聞く! ジョブマッチングの利用がおすすめな人の特徴は?
ジョブマッチングのメリットについて解説しましたが、自分はジョブマッチングを利用すべきかわからない人もいるのではないでしょうか。ジョブマッチングにはさまざまなメリットがありますが、自身が実現したいキャリアに必要なければ、利用しないことも選択肢の一つです。
ここでは多くの求職者を支援したキャリア支援のプロである板谷さんに、ジョブマッチングの利用がおすすめな人の特徴について、詳しく聞きました。
アドバイザーコメント
板谷 侑香里
プロフィールを見る働き方や働く環境にこだわりたい人はジョブマッチングがおすすめ
ジョブマッチングを利用すべき人の特徴としては、「行きたい企業や配属先希望が明確な人」が真っ先に挙げられます。
ジョブマッチングの選考時期は自由応募よりも前なので、ジョブマッチングを活用することで早い段階で効率的に就職活動をおこない、内定を得ることが可能です。また、通常の就職活動では入社後に配属が決まりますが、ジョブマッチングでは希望する部署に直接応募できるメリットもあります。
これらの理由から、自分のやりたいことを実現できる環境を手に入れたい思いの強い人はジョブマッチングとの相性が良いです。
社員面談や複数部署への応募が可能といった特徴にも注目
また、ジョブマッチングでは、実際の配属先の社員と面談や面接をおこなうことが可能なので、職場の雰囲気や実際に一緒に働く社員との相性を重視する人にも適しています。配属先とのミスマッチを予防できるので、早期離職のリスクも軽減するでしょう。
最後に、ジョブマッチングは複数の希望の配属先に同時に応募することができる採用形式です。そのため、「どうしてもこの企業に入社したい」という強いこだわりがある人にも活用をおすすめします。
早めの準備が必須! ジョブマッチングを利用する場合の選考対策
早めの準備が必須! ジョブマッチングを利用する場合の選考対策
ジョブマッチングは学校推薦の一つという点で自由応募よりライバルが少ないとはいえ、スキルや実績が豊富な学生がエントリーするため対策は必須です。ES・面談対策をして備えられていないと、最終面談まで進んだとしても不採用となるケースがあります。
ここではジョブマッチングを利用する場合の選考対策について解説するので、選考前の準備を進めましょう。
①自己分析をして自身のスキルセットを確認する
ジョブマッチングの選考対策として自己分析をおこなう場合は、自身の研究内容における強みや弱みを明確に理解することが重要です。
まずは在学中の研究を通して得たスキルや実績を洗い出します。ジョブマッチングでは、自身のスキルをアピールすることが必須なので、数あるスキルや実績のなかから何をアピールすれば採用担当者や現場の社員に即戦力になる人材と認識してもらえるか考えましょう。
なおジョブマッチングの選考では、自身と似たスキルを持った学生が集まりやすいため、差別化することが重要です。そのため、自身しか成し遂げられなかったような実績を取り上げたり、研究で意識していたことや学び方に関するエピソードを厚くしたりして、差別化を図りましょう。
ジョブマッチングの選考を見すえた自己分析では、自身の持つ専門性やスキルについて、より明確化しておくことが大切です。
自分に何ができるのか、自分がどんな知識を持っているのかをリストアップし、応募企業の求める人物像とのマッチ度を明確にします。
その際、応募企業で見込まれるキャリアパスが、自身の求めるキャリア形成と一致しているかどうかも併せて確認しておきましょう。
自己分析のやり方をもっと知りたい人は、以下の記事がおすすめです。自己分析をおこなう方法や効果的な自己分析にするために必要なことを解説しています。
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②OB・OG訪問やキャリアセンターで志望先の情報収集をする
自己分析がある程度できたら、志望先の情報収集も忘れずにおこないましょう。
企業のホームページから調べるのも良いですが、OB・OG訪問を活用するのがおすすめです。実際にジョブマッチングを活用した社員にその企業がジョブマッチングで求める人材や、面談がどのようにおこなわれるかについて詳しく聞くことで、選考対策に役立ちます。
また実際に入社後どんなキャリアを歩んでいるかを聞いて、自身が描くキャリアパスと比較するのも良いでしょう。
キャリアセンターでは、志望先の規模や事業内容などの基本情報から、選考の流れやスケジュール・募集要項を確認できます。大学によっては過去の選考に参加した卒業生のフィードバックを確認できるところもあるので、面談での質問内容や参加メンバーなどをチェックしておきましょう。
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③早めに志望先を1つに絞る
ジョブマッチングを利用する場合、早めに志望先を一つに絞ることで準備に時間をかけられます。先述のとおり、ジョブマッチングではスキルが似通った学生が集まるため、少しの差で内定が出るかが左右されるかもしれません。つまり、徹底的な準備がジョブマッチングでは重要といえます。
早い段階で志望先を絞って準備に十分な時間を取れば、面接対策や筆記試験対策に時間を割けたり、応募書類の質を高めたりすることにつながります。
また就職活動のスケジュールを立てやすくなり、心理的な余裕が生まれることもポイントです。研究を続けながらでも、余裕を持ってジョブマッチングの選考に臨めるように早めに志望先を決めましょう。
- 志望先候補はいくつかあるのですがなかなか一つに絞れません。複数の候補から第一志望を決めるには、どうすればいいでしょうか。
仕事選びの軸を持って企業や職場への理解を深めよう
複数の候補から第一志望を決めるには、まず、自分自身が仕事選びで何を重視しているのかという軸を明確にしましょう。
そのうえで、志望している企業が自分の重視している事柄を実現できるかどうかを検証するために、企業理解を深めておこなってください。
会社見学やインターンシップに参加して実際の職場環境を体感し、自分がそこで働くことをシミュレーションしてみることをおすすめします。
④研究内容を整理する
自身の研究内容を整理することは、ジョブマッチングの選考で自身が即戦力になり得ることをアピールするのに役立ちます。研究内容の整理は、以下の順番でおこないましょう。
研究内容を整理する手順
- 研究テーマを簡潔にまとめる
- 研究室での自身の役割・成果を明確にする
- 研究成果が入社後の業務でどのように役立つか考える
- 研究で直面した課題と今後の改善点をまとめる
なお自身の研究が入社後の業務でどのように役立つかは、ジョブマッチングの選考でほぼ確実に聞かれることなので、志望先企業の関連事業や応用事例までしっかりリサーチしておきたいところです。ジョブマッチングで人材を募集する企業は、即戦力になり得るかを重視するため、自身の研究内容やスキルが入社後の現場で役立つ根拠やデータ・事例を押さえておきましょう。
⑤明確なキャリアプランを盛り込んだエントリーシートを作る
ESに明確なキャリアプランを盛り込むことで、自身の目標と企業の方向性が一致している点を強調できます。目標を考える際は、志望先企業の今後の方向性と絡めて、事業に貢献できる裏付けになるように意識することが志望度の高さや実現したいキャリアと企業とのマッチ度を示すうえで大切です。
まずは以下のように、具体的な期間ごとにキャリアプランを考えましょう。
具体的な期間ごとのキャリアプランの例
- 短期的な目標:入社後3年以内に達成したいこと
- 中期的な目標:入社後3〜5年で達成したいこと
- 長期的な目標:入社後5年以上先のキャリアで達成したいこと
明確なキャリアプランを決めたうえでESを作成することで、志望先部署や職種への熱意と理解を示すことにつながります。また計画性もアピールできるので、長期的に勤務する意思表示をするためにも明確なキャリアプランを盛り込みましょう。
こちらのQ&Aでも、受かるESの書き方についてキャリアコンサルタントが解説しています。併せてチェックして理解を深めましょう。
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⑥適性検査・筆記試験の対策をする
ジョブマッチングでは、面談だけでなく適性検査や筆記試験もおこなわれるケースがあるため、事前の対策が必要です。形式は企業によって異なりますが、Webテストか選考会場での筆記試験がおこなわれることが多くあります。
一般的な適性検査・筆記試験は、おもに能力検査と性格検査の2つがおこなわれます。能力検査では国語や数学・英語の問題が出題されて、企業は基礎的な学力をチェックしています。
能力検査は出題形式が独特なので、スコアを上げるためには事前の対策が必須です。問題集や模擬試験を受けて問題に慣れておきましょう。参考書やWeb上で受けられるサイトもあるため、積極的に活用して対策するのがおすすめです。
Web上で模擬試験を受けられる適性検査対策サイト
一方、性格検査では多くの質問に答える形式で、学生の人柄や価値観・行動の傾向などをチェックします。ジョブマッチングは志望先部署が決まっている点で、チームとの相性を見るために性格検査がおこなわれる可能性が高いでしょう。
適性検査を徹底的に対策したい人は、以下の記事もチェックしておきましょう。能力検査の種類や性格検査の問題例まで解説しています。
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⑦面談・面接対策をする
ジョブマッチングの面談・面接は、通常の選考とは異なる点が多いため、事前の対策が必須です。ジョブマッチングの面談では、職種や専攻に関する質問が多いことが予想できるので、まずは先述のジョブマッチングで質問されること一覧を参考に、どのように答えるべきか考えてみましょう。
またジョブマッチングの面談は配属先部署との相性がチェックされるので、なるべく緊張せずコミュニケーションが取れるように、面談に慣れることが大切です。そのため、友人や家族に協力してもらい、模擬面談を繰り返しましょう。なお大学によっては、キャリアセンターで模擬面談をおこなってくれるケースもあるため、確認のうえ積極的に活用するのがおすすめです。
ジョブマッチングで入社するということは、その分野のエキスパートを目指すことを意味します。選択した分野が今後どうなるか、自分なりの見立てを持っておきましょう。
PEST分析やファイブフォース分析などを使って広い視野で自分の専門分野をとらえながら、面接官と意見交換ができると良いでしょう。
面接対策をより効果的におこないたい人は、以下の記事もチェックしておきましょう。キャリアコンサルタント33人に聞いた面接の重要ポイントや、回答に説得力を出す方法まで解説しています。
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意外と制約が多い? ジョブマッチングの注意点
意外と制約が多い? ジョブマッチングの注意点
ジョブマッチングの対策に加えて注意点を理解しておくことで、より選考に備えられます。またジョブマッチングは自由応募や通常の学校推薦よりも制約が多く、事前に知っておかないと取り返しがつかないことになる可能性があるので、一通りチェックしておきましょう。
ここではジョブマッチングの注意点について解説します。就活のリスク管理やスケジュールを決めるうえで役立つので、しっかり理解しておきましょう。
自由応募より選考時期が早い
ジョブマッチングは自由応募より選考時期が早いため、早めに対策を進めることが重要です。企業によって時期は異なりますが、大学3年生の3月より前の時期におこなわれるケースが多くなっています。
うっかり選考時期を逃してしまわないように、キャリアセンターで過去の選考開始日をチェックしたり、最新の情報を確認したりしましょう。
学校推薦と併用できない場合がある
企業や大学の方針によっては、ジョブマッチングと通常の学校推薦は併用できない可能性があります。つまりジョブマッチングが不採用になった後、通常の学校推薦を利用しようとしても、推薦が受けられないケースがあるのです。
そのため、ジョブマッチングを利用する場合、事前に通常の学校推薦と併用できるかを確認しておきましょう。そして学校推薦とジョブマッチングを併用できないなら、あらかじめ自由応募も視野に入れておくのがおすすめです。
学校推薦の利用を検討している人には、こちらの記事がおすすめです。学校推薦で就職する際の選考対策や注意点を解説しています。
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推薦をもらったら辞退できない
通常の学校推薦は応募時に推薦状が必須となりますが、ジョブマッチングでは応募時に推薦状は必要ありません。ジョブマッチングでは最終面談前に推薦状を提出するので、その時点で内定を辞退することができなくなります。そのため、内定が出たら辞退できないことを踏まえたうえで、最終面談前は慎重に選考を進めるか考える必要があります。
ただし、ジョブマッチングも学校推薦の一部なので、推薦状を提出していなくても辞退することは避けるべきです。また内定が辞退できない点で、第一志望以外の企業でジョブマッチングを利用することは避けましょう。
もし辞退する場合、そのタイミングにかかわらず採用担当者や学校のキャリアセンター、教授など関係する人々に影響が出るかもしれません。応募時に推薦状が必須でないとしても、ジョブマッチングを利用するかどうかは慎重に判断しましょう。
通過率は100%ではない
ジョブマッチングの通過率は100%ではないため、自由応募と同様に十分対策・準備することが大切です。特にジョブマッチングと通常の学校推薦を併用できない場合、自由応募で就活を続けていくことになります。
なお内定がもらえなかったとしてもジョブマッチングでの選考経験は、自由応募で活かせられます。たとえば、ジョブマッチングの面談で質問されたことに対してうまく答えられなかったなら、次回は必ず話せるように準備しておくと良いでしょう。
最終面接で落ちる要因として、企業研究が不十分で想定質問に答えられなかった、質問に対しての回答からコミュニケーション能力に不安感を与えてしまった、などが考えられます。
あるいは、ほかの候補者との比較で不合格になるケースもあります。
内定後に配属先の異動ができない
ジョブマッチングを利用して入社した場合、事前に配属先部署が決まっているので後から異動することができません。
ジョブマッチングの選考は、ある部署に配属することを前提として進められます。そのため、配属先部署で活躍する人材を採用したかった企業側からすると、入社後にほかの部署に異動することは、ジョブマッチングで採用したメリットが薄れてしまうのです。
ジョブマッチングを利用するなら、内定後に配属先を異動できないことを理解したうえで応募しましょう。
応募できる学生は限られる
ジョブマッチングは応募条件が専攻やスキルにおいて細かく絞られるため、応募できる学生が限られます。職種によっては応募に必須の資格が記載されていることも多くあります。
加えて応募条件として一定以上の学業成績を求める企業があるので、自身の成績で応募できるか事前に確認することが大切です。
なお学校によっては推薦する学生の数に制限があるため、推薦を受けるための学内選考がおこなわれる可能性もあります。このように条件に当てはまっている学生でも応募できない可能性があることを理解しておきましょう。
- やりたい仕事が決まっていなくても、ジョブマッチングの応募条件に当てはまるなら応募すべきですか?
自分の可能性を探るために挑戦する価値はある
やりたい仕事が決まっていない状態でジョブマッチングに応募してみると、ある意味では道が開けるかもしれません。ジョブマッチングでは採用先の部署での業務をより詳細に調べる必要があります。そうしているうちにそれがやりたい仕事になる可能性はあります。
何より、ジョブマッチングの応募条件に当てはまるのであれば、自身の専門性を活かす機会なので、チャレンジしてみる価値はあります。
ただしジョブマッチングは大学から推薦状をもらったあとの内定辞退ができないので、自分に合っていないと感じたら、早めに辞退しましょう。
ジョブマッチングは理想の仕事に就きやすいからこそ十分に対策をして活用しよう
ジョブマッチングで内定を獲得できれば、自身が描く理想のキャリアを実現しやすくなります。ジョブマッチングは応募条件としてスキルや資格が定められており、入社後の業務が明確である点で、入社後のミスマッチを避けたい人にも最適です。
記事ではジョブマッチングの注意点まで解説したので、しっかり目を通したうえで選考を受けるか検討してみてくださいね。
なおジョブマッチングでは配属先まで決まっている点で、一つの部署に充てられる採用枠は少ない可能性があるため、十分に対策をすることが大切です。応募したい企業・部署が決まったら、記事で解説したジョブマッチングを利用する場合の選考対策を参考に準備を進めて、内定獲得を目指しましょう。
アドバイザーコメント
平井 厚子
プロフィールを見るジョブマッチングを理解してキャリア形成に向き合おう
日本でジョブマッチングが導入されるようになった一つ目の要因として、人事制度をメンバーシップ型からジョブ型に切り替える企業が増えたことが挙げられます。
社員が一社に長く在籍し、さまざまな職務を経験するのがメンバーシップ型です。対して、内容や役割が明確に定義された職務に、必要なスキルや経験を持つ人材を適切に配置するのがジョブ型です。
学生を一括採用して教育・配置するのはメンバーシップ型を前提にした仕組みですが、ジョブマッチングは明らかにジョブ型に対応した仕組みです。今はジョブマッチングが少数派ですが、いずれは拡大するものと思います。
現に富士通はジョブ型人事制度を導入し、2026年度からは新人も各個人のジョブを起点とした処遇を適用すると発表しました。
二つ目の要因は、キャリアオーナーシップが個人にも求められるようになったことです。キャリアオーナーシップとは、社員が自分のキャリアを自分で形成することを指します。
メンバーシップ型では会社が社員を異動させることで育成をコントロールしていましたが、今後は社員が自分で目標を決め、実現に取り組むことが求められます。
ジョブマッチングの選考を受けようとする学生は、まずジョブマッチングが導入されるようになった背景を理解しましょう。そうすることで、選考制度の先にあるキャリアへ目を向けることができるようになります。
選考の仕組みだけでなく働き方や将来にも目を向けよう
現代の学生はこの変化のなかでキャリアをスタートしなくてはなりません。選考制度の変化という目先のことだけをとらえずに、本質とは何かを考えながら就活に取り組んでほしいです。応援しています。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Atsuko Hirai〇ITメーカーで25年間人材育成に携わり、述べ1,000人と面談を実施。退職後は職業訓練校、就労支援施設などの勤務を経て、現在はフリーで就職・キャリア相談、研修講師などを務める
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/コラボレーター代表
Yukari Itaya〇未就学児から大学生、キャリア層まで多様な世代のキャリアを支援。大企業からベンチャー、起業・副業など、幅広いキャリアに対応。ユニークな生き方も提案するパーソナルコーチとして活躍
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Takako Shibata〇製造業を中心とした大手~中小企業において、従業員のキャリア形成や職場の課題改善を支援。若者自立支援センター埼玉や、公共職業訓練校での就職支援もおこなう
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