この記事のまとめ
- 面接官の特性に応じた逆質問を50例付きで解説
- 逆質問はあくまで疑問解消の場であることを意識しよう
- 逆質問は伝え方を工夫することで面接官からの印象が一気に変わる
- 面接力診断ツール
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逆質問に苦手意識を持っている学生は多いのではないでしょうか。「聞きたいことが思い浮かばない」と質問自体が思い浮かばない人もいれば、「これって聞いてもいいのかな」「この質問をしたらどう思われるだろう」と質問内容に迷っている人もいますよね。
学生から面接官への質問の場とはいえ、面接中であり逆質問の内容は評価に大きく影響する可能性があります。「アピールになるような質問をしなくては」と意気込む学生もいるでしょう。
この記事では、キャリアアドバイザーの小松さん、吉田さん、谷所さんのアドバイスを交えつつ、逆質問の考え方を質問例付きで解説します。逆質問の機会は面接で必ずといって良いほど設けられています。面接を控えている学生はぜひ参考にしてくださいね。
面接での逆質問は企業との相互理解を深められる絶好の機会
逆質問は学生から面接官に質問できる機会とはいえ、質問内容をどのように評価されるのか気にする人が多いのではないでしょうか。しかし、そもそも面接は企業と学生の相互理解の場。そして逆質問は、企業と自分の相性をダイレクトに確かめられるチャンスです。
事実、評価に影響するという側面もありますが、あくまで相互理解の場として逆質問の時間を有意義にできるよう、質問内容をあらかじめ考えておきましょう。
逆質問は面接官の特性を踏まえたうえで、実体験や本音を引き出せる質問をすると解像度がぐっと高まります。自分がその企業で働く具体的なイメージが湧いてくるのです。そこでこの記事では、面接官の特性に合う質問を例を交えて解説していきます。
一方、悪印象を抱かれやすい話題に触れるときは注意が必要です。NGな質問の仕方や、逆に好印象を持たれやすい質問のコツについては記事後半で解説しています。逆質問という絶好の機会を最大限有効に使えるように、最後までぜひ確認してくださいね。
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「特にありません」はもったいない! 逆質問をするべき3つの理由
「特にありません」はもったいない! 逆質問をするべき3つの理由
- 不安や疑問を解消させられるから
- 企業と学生の双方がマッチ度を測れるから
- 主体性や思考力を重視する企業が増えてきているから
面接官からの「質問はありますか?」に対し「特にありません」と答える学生は少なくありません。また、不明点があるにもかかわらず、「的外れな質問かもしれない」「わざわざ面接で聞くべきことではないかも」と思い、質問をしない人もいます。
しかし、逆質問の機会を与えられたのに質問しないのは非常にもったいない行為といえます。
ここでは、その理由について解説します。理由がわかると逆質問をする目的が明確になり、どのような質問をすれば良いのかが見えてきますよ。
①不安や疑問を解消させられるから
企業研究をしていると、「これってどういうことかな」「この点についてさらに詳しく知りたい」と思うことがあります。ただ、採用ページや就職情報サイトで企業から発信されている情報には限りがあり、調べてもわからないケースも珍しくありません。
また、テキスト上の説明だけでは、「本当にそうなのかな」「この認識で合っているのだろうか」と確証を得られず不安を抱く人もいるでしょう。
逆質問では、外部には発信していない企業の実情を聞けたり、面接官から直接正しい情報を入手することができます。不安や疑問が解消され、さらに企業理解を深められるのです。
- 聞きたかったことが面接中に解消された場合、「何もありません」と答えるしかないですよね?
疑問が解消されたことを伝えよう
「何もありません」と回答すれば、入社意欲がないと思われてしまうかもしれません。たとえば「〇〇について確認をしたかったのですが、先ほど説明いただいたので特にございません」と回答すると良いでしょう。
さらに「お話をお聞きしてより入社意欲が高まりました」と回答すれば、面接官も悪い気持ちはせず、入社意欲のアピールにもなります。
また集団面接でほかの学生が同じ質問をした場合は、「私も〇〇について確認したかったのですが解決しました。ありがとうございます」と回答すると良いですね。
②企業と学生の双方がマッチ度を測れるから
本当にその企業が自分に合っているのかを判断するには、入社後自分が働く姿を想像できるくらい、仕事内容やキャリアパス、働き方について解像度を高める必要があります。判断材料を得るためにも、逆質問で実際に企業で働く社員である面接官から情報を得るべきなのです。
企業側としても、学生の質問の内容によって、企業選びで何を重視しているのか、仕事に何を求めているのかを察知し、自社とのマッチ度を測っている場合があります。
逆質問をすることで、双方で相性を確かめる機会ができ、入社後のミスマッチを避けることにつながるのです。
面接官としては、具体的な職務内容や必要となる知識、スキルなどの質問を受けると、自社で働くイメージを描こうとしている姿勢が窺えて好印象になります。
勤務条件や福利厚生の質問も必要ですが、それが多いと会社への貢献よりも自分の都合が優先されている姿勢が感じ取られて、悪い印象になります。質問の有無や内容から、自社への志望度を探っているといえます。
③主体性や思考力を重視する企業が増えてきているから
主体性とは、周囲の指示や意見がなくても自ら考えて行動できる能力のことを指します。経団連の採用と大学改革への期待に関するアンケート結果では、学生に特に期待する資質として主体性を挙げる企業が84%と最も多くなっています。
逆質問で積極的に質問する学生は、自分の将来について真剣に考え、判断材料となる情報を収集しようと行動に移せている点で主体性があるといえるのです。
思考力はAI(人工知能)の発達した現代で特に活きる能力とされています。この先もAIには代替できない仕事は、それまで誰もが向き合えてこなかった課題に取り組んだり、解決策を立てられるような思考力を必要とする仕事です。逆質問の内容によって、学生が企業が発信している情報とどれだけ向き合って真剣に考えたのかが見えてきます。
これらの能力をアピールする目的でも、逆質問の時間は有効に活用するべきといえます。
- 逆質問での回答が合否に影響する可能性はどのくらいあるのでしょうか?
一つの逆質問が合否に大きく影響することもある
合否への影響は大きいと思っておいた方が良いでしょう。もちろん大前提として、企業や各面接官によって逆質問の解答が合否に影響する割合は変わってきます。
しかし、企業研究の質や興味といった志望度、そして有効な質問を考える賢さは、逆質問をすると一発でわかってしまいます。倍率が高い業界や企業では、一つの逆質問が致命的になることもあるので、しっかりと準備をしておきましょう。
当たり前ですが、逆質問だけを準備すれば良いという問題ではありません。自己PR、ガクチカ、志望動機など、面接全体の準備をする必要があるということです。
社会人になってからも、結果を出す人はいつだって徹底した準備をしています。今のうちに高いレベルで準備をすることに慣れておきましょう。
アドバイザーコメント
小松 茂樹
プロフィールを見る企業が逆質問の時間を取る理由や目的を踏まえたうえで質問を考えよう
企業が逆質問を受ける理由のまず1つは、応募者の真剣度を測るためです。実際にそこで働くことを具体的にイメージしようとすれば、さまざまな疑問や不安が浮かぶはずです。
業務内容や勤務条件など、詳細なことについては必ずしも説明会や選考会で十分な情報提供ができているとはいえません。細かいことについてさまざまな質問をする人は、それだけその企業で就業することを真剣に考えていることが窺えるといえます。
面接は情報提供を相互におこなう場
2つ目として、応募者が必要な情報を十分に把握できているかを企業側が確認する目的もあります。入社してから「合わなかったからやっぱり辞めます」となってしまうと、採用活動にかけた労力や費用も無駄になるうえに、何より苦労して採用した人材がすぐに会社を離れてしまうのは寂しいものです。
そのため、企業側としてもできる限りミスマッチを避けたいと考えています。選考は応募者と企業の両者が納得し、安心して入社を決められるよう、情報提供と情報収集を相互におこなう場です。
企業側からの一方的な情報を受け取るだけでなく、自分から必要な情報を集めに行く姿勢を見せて、入社の真剣度や熱意を伝えていきましょう。
逆質問を考えるうえで守るべき2つの鉄則
ここからは逆質問の考え方を説明していきます。面接で面接官に聞く内容を決めるうえで、守るべき鉄則が2つあります。この2つに反した質問をしてしまうと、それまで良い評価をされていても、一気に印象を落としてしまいかねません。
企業の特性や面接の雰囲気によって適切な質問は変わってはきますが、どんな面接であっても、ここで解説する2つはクリアした逆質問をしましょう。
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①調べればわかる質問はしない
企業の採用ページを開けばわかるような質問をされると、「自社に興味がないから調べていないのかな」「入社する気がなさそうだな」と思われかねません。
せっかくの企業理解を深められるチャンスです。外部に発信している情報以外のことを聞いた方が自分にとってもメリットになります。
次の章で、逆質問を考える前にあらかじめチェックするべき媒体を取り上げています。それらの媒体に書かれているような質問はしないようにしましょう。
私がもし企業の採用担当者であれば、優しめにいうと「志望度低いのかな」、厳しめにいうと「調べる能力低いな、仕事できなさそうだな」と感じます。
それだけ逆質問一つであなたの志望度や能力がわかってしまうので、面倒くさがらずきちんと調べたうえで質問を考えましょう。
②評価を落としかねない質問はなるべく内定後にする
給料や勤務地、働き方に関する質問は、質問の仕方によって評価を落とすリスクがあります。「自社への興味は高くないのかな」「入社しても意欲的に仕事をしてくれるのかな」などの懸念が生まれやすく、あまり良い印象を抱かない企業の担当者もいるのです。
とはいえ、待遇面は生活に大きく影響するので学生側が気にするのは当然です。通常、内定を承諾する前に、人事担当者やリクルーターなどと面談を設ける企業がほとんどです。そのときに聞いても遅くはありません。
もし、年収や勤務地などを企業選びの譲れない軸としていてどうしても面接時に聞いておきたい場合は、記事後半の聞き方に注意! 印象を悪くしかねない質問例を参考にしてくださいね。内定を獲得することを優先するのであれば、リスクのある質問は内定後にしましょう。
企業選びの軸が決まっていない人は、こちらの記事を確認してください。軸の見つけ方や絞り方について詳しく解説しています。
意欲が伝わる「企業選びの軸」の回答例50選|見つけ方も解説
評価を落としかねない話題については、こちらのQ&Aでもキャリアコンサルタントが解説しています。
内定後の面談で給与や残業時間などについて聞きたい場合は、こちらの記事の質問例を参考にしてください。
面談とは? 面接とは異なる3つのメリットと必要な準備を解説
差別化にもなる! 逆質問を考える前に企業が発信している情報をチェックしよう
鉄則の1つ目として、逆質問では調べてわかる質問はするべきでないと述べました。よって、企業からすでに発信されている情報をチェックしたうえで質問内容を決める必要があります。
「逆質問が思い浮かばない」という人も、企業について理解を進めていけば、社員から詳しく聞きたいことや疑問が自然に出てきますよ。意外なことに入念に企業研究ができている学生は多くはないので、質問内容の差別化にもなり「この学生は自社のことをよく調べているな」と思われ高評価にもつながります。
ここでは、初級者編と上級者編に分けてチェックするべき媒体を解説します。志望度が高い企業であれば、上級者編の媒体もチェックしてくださいね。
企業が発信している情報に触れたら、後から見返せるようにノートにまとめましょう。見返しやすいノートのレイアウトは、こちらの記事で紹介しています。
作り方例4選|企業研究ノートのまとめ方をイラスト付きで解説!
初級者編! 最低限チェックするべき媒体
志望度がそこまで高くない企業や、練習も兼ねて面接を受ける企業があるのも事実ですよね。面接を受けるすべての企業について、時間をかけて詳しく調べる時間はないという人が多いと思います。
そのような場合に、最低限押さえておきたい情報はまず募集要項です。自分が入社した場合、どのような条件で働くことになるのか、大まかな仕事内容や福利厚生などは採用活動をしている企業であれば必ず発信しています。
そのような公に発信されている内容に関する質問をすると、「入社することを想定していません」と言っているように捉えられてしまいます。
企業の主力商品やサービスなども、ネットで検索すればすぐに確認できます。以下のリストの媒体をチェックしたうえで、さらに詳しく知りたいことや疑問点を見つけましょう。
媒体 | チェックするべき内容 |
---|---|
コーポレートサイト | 事業内容、本社や支店の所在地、主力商品 |
採用ページ | 求める人物像、キャリアパス、社員インタビュー |
就職情報サイト | 仕事内容、給料、勤務地、福利厚生 |
企業がSNSで発信していれば、そこに最新情報が掲載されていることがあるので、最近アップされた情報はチェックしておくと良いですね。そのほか口コミサイトを確認しておくと、逆質問を考えるヒントになることがあります。
上級者編! 入社意欲があるならチェックするべき媒体
志望度が高い企業を受けるのであれば、企業側に好印象を残せるような質問をしたいですよね。そこで、入念に企業研究をしていることが伝わる質問をすれば、入社意欲が高いと好印象を残せる可能性が高まります。
逆質問は、面接の終盤で時間を設けられることも多いため、印象に残りやすく評価への影響は決して低くありません。
企業への熱意をアピールするには以下の媒体から情報を収集し、それに関連した質問ができると効果的です。消費者や顧客に向けられたPRを参考にするだけでなく、企業で働くことを想定した踏み込んだ質問を見つけましょう。
媒体 | チェックするべき内容 |
---|---|
IR資料 | 売上高、好調(不調)の要因、経営戦略 |
業界地図 | 業界の規模、最近の動向、業界における立ち位置 |
就職四季報 | 給料、待遇、今後力を入れる事業、業績 |
就職四季報を上手に使えると就活を有利に進められます。こちらの記事で、使い方を詳しく解説しています。
就職四季報の活用方法! 就活を有利にするポイントや読み方を伝授
アドバイザーコメント
吉田 隼人
プロフィールを見る逆質問は企業研究で生まれた疑問をクリアにする場にしよう
逆質問を考えるには、まずその企業や業界のことを最低限知る必要があります。企業を知るためには、下記3つのレイヤーで調べるとわかりやすいです。
①志望する業界がどのようなビジネスモデルなのか
これは、お金の流れを知るためにおこないます。また、業界の今後の見通しも理解しておきましょう。業界地図が一番わかりやすくまとまっていると思います。
②志望する企業がどのような特徴なのか
志望企業の強みや弱みを理解するためにおこないます。どの企業も必ず競合他社が存在するので、競合との違いを明確にしましょう。会社四季報で調べたり、社会人訪問をおこなうのが効果的です。
③志望する仕事が具体的にどんな仕事なのか
具体的な仕事内容を知り、どんなスキルや素養が必要なのかを知るためにおこないます。会社ホームページ(HP)の社員インタビューや1日のスケジュールから読み取ったり、社会人訪問をすると理解しやすいです。
それぞれのレイヤーを調べていくと、自分で調べるだけではわからない点が必ず出てきます。それを逆質問でクリアにしましょう。
逆にいうと、逆質問が思いつかないというのは、単純にその企業について関心がないか、知識がないだけです。その企業に本当に行きたいのであれば、しっかりとその企業について調べましょう。
もしどうしても意欲がわかないのであれば、その会社はあなたにとってマッチしている企業ではない可能性が非常に高いです。改めて、その会社の志望理由を考え直した方が良いと思いますよ。
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面接官の特性を踏まえて逆質問をしよう!
一次面接、二次面接、最終面接の面接官は同じ企業の社員とはいえ、それぞれ入社してからここまで築いてきたキャリアが異なります。実体験を踏まえて回答できる質問もあれば、事務的にしか答えられない質問もあるのです。
そこで、面接官のバックグラウンドに応じて質問内容を変えることで、ネット上では得られない有益な話を聞ける可能性が高くなります。
通常面接は一次面接から最終面接まで複数回あり、逆質問の機会はその都度設けられます。各面接を担当する社員の特徴は以下の通りであることが多いです。
一次面接 | 若手社員、人事部社員 |
二次面接 | 人事部社員、配属部署の中堅社員 |
最終面接 | 役職者、経営者 |
これらの面接官の特性を踏まえて質問を考えましょう。
こちらの記事では、志望業界やアピール内容別に逆質問例を解説しています。
面接で「質問はありますか」と聞かれたら? 回答例66選を大公開
各面接を担当する社員はさまざまです。二次面接では一次面接より細かく評価されます。そのため熱意をアピールできるチャンスです。以下の記事では二次面接での逆質問の例をまとめているので参考にしてみてください。
二次面接の逆質問50選! 一次より踏み込んだ質問で好印象を狙おう
現場で働く若手社員への逆質問12例
現場で働く若手社員への逆質問
- 面接官の就活に関する逆質問
- 研修や仕事の覚え方に関する逆質問
- 職場の雰囲気に関する逆質問
- 考え方の変化やスキルアップに関する逆質問
一次面接は、入社してから2〜5年ほどしか経っていない若手社員が面接を担当するケースが多くあります。若手の面接官は、自身の就活の経験がまだ記憶に新しく、学生の悩みや疑問に寄り添ってくれたり、共感してくれる人が多い傾向にあります。
もしその企業に入社した場合、面接官が経験してきたことは自分がこの先近い未来で経験することだと思って情報を引き出しましょう。
こちらの記事では、一次面接で効果的な逆質問を解説しています。質問例も多数紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
一次面接の逆質問例60選|4つのポイントを押さえて好印象をつかもう
面接官の就活に関する逆質問
若手の面接官が就活をしたのはつい数年前です。企業の採用プロセスや方針は現在と大きく変わっていない可能性が高いので、面接官の就活に関するエピソードを聞くことで、参考にできることが見つかったり、企業選びの判断材料になったりします。
面接官の就活に関する逆質問の例
- 御社のどのような点が〇〇さんにとっての入社の決め手になりましたか?
- 就活のときを振り返って、やって良かったと思うことや今につながっていると思う行動はありますか?
- 就活時に抱いていた仕事内容や働き方などの希望は今叶っていますか?
研修や仕事の覚え方に関する逆質問
もし入社した場合、いきなり実践的な業務に取り掛かるのではなく、研修や教育からスタートするケースがほとんどです。
研修や教育の進め方は企業によって異なります。充実した研修の方が良い人もいれば、すぐに現場に出て実践しながら学んでいくスタイルの方が合っている人もいるでしょう。
若手の面接官にとっては研修や教育を受けていたのはつい最近の話なので、質問すれば具体的な話を教えてくれる可能性が高いです。
研修や仕事の覚え方に関する逆質問の例
- 入社してから配属までのスケジュールを教えてください。
- 新入社員研修は新入社員にどのようなスキルや知識を獲得させる目的で実施されるのでしょうか?
- 現場に配属されて仕事を覚えるにあたって、工夫したことはありますか?
業務や研修、OJTの内容・方法は、時代とともに年々アップデートされていきます。
若手社員は、数年前に自分が研修や指導を受ける立場であったため、実施側としてだけでなく受講側の立場からの意見や感想を聞くことができるでしょう。
39点以下は要注意!
あなたの面接力を診断してください
「面接に自信がない」「今のままで選考通過できるか不安」そんな就活生は自分の面接力を知ることからはじめましょう!
たった30秒で面接力を把握できる「面接力診断」がおすすめです!。簡単な質問に答えるだけで、“あなたの強み”と“改善点”が明確になり、対策もしやすくなります!
・面接でなぜ落ちたかわからない人
・自信を持って、面接に臨みたい人
職場の雰囲気に関する逆質問
職場の雰囲気は外からはわかりづらく、実際に働いてみなければわかりません。若手の社員は、立場上普段から周囲に気を配って行動し、職場の雰囲気に敏感なケースが多くあります。
職場の雰囲気、すなわち社風とマッチしていないと、どんなに優秀であっても居心地の悪さを感じることがあるので、逆質問で若手に社風について聞いてみましょう。
職場の雰囲気に関する逆質問の例
- わからないことがあったりミスをしてしまったときに、相談しやすい雰囲気ですか?
- OB・OG訪問を受けてくださった社員の方が、御社はとにかく人が魅力的だとおっしゃっていました。どのような人が多いのでしょうか?
- 職場の雰囲気を良好に保つために、〇〇さん自身が心掛けていることや、チーム全体として心掛けていることがあれば教えてください。
OB・OG訪問は社会人の生の声を聞ける貴重な機会です。興味がある人は、こちらの記事でOB・OGの探し方や訪問時のマナーを解説しているので参考にしてくださいね。
OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅
雰囲気に関する話は、どうしても抽象的になりがちなので、しっかりと具体的なところまで踏み込んで聞き出しましょう。
たとえば、「職場の風通しは良いですか?」という質問があったとき、「風通しの良さ」は人によって捉え方が違う可能性が高いです。
具体的にどういった場面で風通しの良さを感じるかまで聞くと、お互いにボタンの掛け違いをなくすことができるでしょう。
考え方の変化やスキルアップに関する逆質問
入社後に、「こんなはずじゃなかった」「思っていたのと違った」とギャップを感じる人は少なくありません。若手の面接官が感じたギャップは、面接官にとっては許せるレベルであったりむしろメリットだったとしても、自分にとっては耐えられない場合もあるでしょう。
ギャップだったということは、外部には発信されていない情報なのか誤解しやすい側面である可能性が高いです。よって、自分が入社した場合も同じギャップを感じるかもしれません。
面接官が感じたギャップを入社前に聞いておくことで、ミスマッチの可能性を下げることにつながります。
考え方の変化やスキルアップに関する逆質問の例
- 入社前に抱いていたイメージと現在を比較して、ギャップに感じることはありますか?
- 入社前までに「これはやっておくべきだった」ということや、むしろやっておいて良かったと思うことがあれば教えてください。
- 入社前に思い描いていたキャリアプランから現在変わった点はありますか?
面接官が若手社員であれば、仕事のやりがいや入社前に準備しておくべきことなど、面接官が回答しやすい質問をすべきでしょう。
若手社員に対して新たな事業戦略や人事考課で重視していることなど回答しにくい質問をすると、相手の状況を理解できない学生だと判断されてしまう可能性があります。
現場で活躍する中堅社員への逆質問12例
現場で活躍する中堅社員への逆質問
- 求められる能力や心構えに関する逆質問
- 業務内容に関する逆質問
- キャリアプランに関する逆質問
- 新人や後輩に期待していることに関する逆質問
現場で活躍する中堅社員は、配属される部署やグループのリーダー的なポジションを担っている可能性が高いです。仮に入社して一緒に仕事をした場合、仕事の指示を仰いだり、アドバイスを受けることになります。
新人指導ができるくらい経験を積んできていて、成果も出せている人たちです。現場でさまざまな経験もしているはずです。面接官の現場での実体験を引き出せる逆質問をしましょう。
求められる能力や心構えに関する逆質問
それなりの実績や経験を積めば、この仕事をこなしていくためにはどんな能力やスキルが必要なのかが見えてきます。また、中堅社員であれば新人を指導してきた経験もあるはずなので、「こういった心構えでいてもらえると一緒に仕事をしやすい」という新人に対する希望を抱いている可能性が高いです。
自分がそれらに応えられる可能性があるのかを確かめるためにも、求められる能力や心構えに関して質問してみましょう。
求められる能力や心構えに関する逆質問の例
- 〇〇様の仕事上の信念を教えてください。
- 御社が発信している求める人物像に「主体的に行動できる」とありますが、仕事上において具体的にどのような行動ができる人材を指すのでしょうか?
- この仕事に向いているのは、どのような特性や能力を持った人材だと思いますか?
業務内容に関する逆質問
業務内容については、採用ページや募集要項の説明だけでは具体的にイメージできない人も多いのではないでしょうか。
中堅社員であれば、その部署の業務内容全般を把握できている可能性が高いので、実体験も踏まえたリアルな話を聞けると期待できます。中堅社員が面接官であれば、業務内容に関する疑問や不明点を積極的に聞きましょう。
業務内容に関する逆質問の例
- 御社の企画部とマーケティング部の仕事の領域は、それぞれどのように異なるのでしょうか?
- 営業部にとって顧客となるのは、主にどのような企業様なのでしょうか?
- 商品企画をするうえで御社の強みだと思う点や、逆に企画のしづらさを感じることがあれば教えてください。
中堅社員との面会は、上司や先輩としての立場から新入社員に求められるものを知れる貴重なチャンスです。資料やHPを確認すればすぐにわかるような質問をせず、中にいる人でないと知らないようなことを尋ねましょう。
業務内容の詳細や求められる知識、スキル、業務を通じて得た経験などを知る重要な情報源となります。
業務内容の意味や具体例は、こちらの記事で詳しく解説しています。企業理解を深めるために押さえておくべき知識なので、ぜひ確認してくださいね。
業務内容は事業内容や職務内容とは違う? 関係性や具体例を解説
キャリアプランに関する逆質問
入社後満足感を維持しながら働くためにも、自分が思い描くキャリアプランと大きくずれないか事前に確認しておく必要があります。
入社してからしばらく経っている面接官であれば、自分自身も昇進や部署異動を経験し、キャリアについて選択を迫られたことがあるはずです。そのため、その企業に属している社員が築けるキャリアについて、若手以上に理解できている可能性が高いです。
どのような選択肢があり、自分の希望に沿うのか確認しましょう。
キャリアプランに関する逆質問の例
- 将来的に広報部で自社PRを主導する仕事をしたいのですが、新入社員からその仕事に就ける可能性はどれくらいはあるのでしょうか?
- 〇〇様は、法人営業やマーケティング、広報などさまざまな部署を経験されたとのことですが、どのような軸でキャリアを築いてこられたのか教えてください。
- 御社はジョブローテーションに注力されているとのことですが、その成果やメリットを感じられたことはありますか?
その社員のキャリアというのは、数年後のあなたのキャリアになる可能性が高いです。キャリアプランについて質問し、あなた自身がワクワクしたり自分もそうなりたいなと思えないのであれば、その会社に入るべきとはいえません。
逆に、自分のやりたいことやありたい姿と重なる点があれば、その会社とマッチしている可能性が高いと考えられます。
新人や後輩に期待していることに関する逆質問
中堅社員は入社後自分にとって、直属の上司やリーダーになる可能性が高いです。つまり、仕事をしていくうえで自分に大きな影響を与える存在かもしれません。
スムーズに仕事を進めるためには、リーダーが自分たちに期待していることを把握しておくのが有効です。
新人や後輩に期待していることに関する逆質問の例
- 未経験の新人にどのようなことを期待されていますか?
- 努力しても成果が出せないときや壁にぶつかることもあるかと思います。そのようなときにどのように乗り越えるべきだと思いますか?
- 〇〇様がこれまで指導したり、かかわってきた後輩にあたる社員の中で、優秀だと感じた人の特徴を教えてください。
- 中堅の面接官が「この学生やる気あるな」と感じる逆質問を教えてください。
企業にメリットをもたらそうとする前提がある
自分視点の質問にとどまるか、企業視点の質問ができるかによって、応募者に対する印象が大きく異なります。
残業や転勤の有無、休暇や福利厚生など、労働条件に関する質問と確認ももちろん重要ですが、そればかりに終始してしまうと自分のことしか考えていない印象を与えてしまいます。
企業側は、自社の事業の成長と発展に貢献できる人を求めています。
そのため、「どのようにしたら、自分が企業に役立つ存在になれるか」「入社するまでにどのような準備や学習をしておいたら良いか」など、企業への貢献意欲を示すような質問をできると、組織の一員として活躍したいというやる気、姿勢を感じ取れて、とても好印象になります。
人事部の社員への逆質問16例
人事部の社員への逆質問
- 事業内容や経営方針に関する逆質問
- 社風に関する逆質問
- 待遇や福利厚生に関する逆質問
- キャリアパスに関する逆質問
人事部は普段から採用活動が主な業務のため、学生が配属されたときに取り組む現場の仕事に関しては実体験が少ないかもしれません。
その代わり自社をPRするために、会社の全体像や仕組みは深く理解しています。面接官から有意義な回答を引き出せる質問を押さえましょう。
人事部の面接官であれば、自社で活躍する人物像、自社の特徴や魅力、新入社員研修や人材育成などの研修制度、昇給、昇格に関連したキャリアパスなどについては、比較的得意とする領域で、逆質問で答えやすいでしょう。
事業内容や経営方針に関する逆質問
事業内容とは
企業の仕事内容(例:食品開発、家電の開発・製造・販売、旅行業)
自社のことを学生や求職者にPRして応募者を集めるのも人事部の仕事の一つです。そのために、事業内容や経営方針について質問すれば詳しく説明してもらえる可能性が高いです。
大きな企業となると、最終面接でも経営層が出てこないケースも多くあります。その場合、経営に関する質問は人事部の面接官に聞いてみましょう。
事業内容や経営方針に関する逆質問の例
- 御社の事業は、安定的な需要が得られるのが強みだとされていますが、そのほか強みに感じられていることがあれば教えてください。
- 中期経営計画にて、今後Web事業領域の売り上げを今年度の4倍まで拡大していくとありました。その領域に焦点を当てた背景を教えてください。
- 幅広く事業を展開している御社ですが、どのような基準で展開していく領域を決めているのでしょうか?
- 御社の事業で特に今後強化したい点や課題を教えてください。
事業内容の意味や、具体例はこちらの記事で詳しく解説しています。企業研究を進めるうえで押さえておくべき用語なので、ぜひ記事を確認してくださいね。
事業内容とは? 業務内容や職務内容との違いも徹底解説
経営理念の背景や深い意味合い、組織への浸透などについての質問をする人には良い印象を受けます。
経営理念は企業のあるべき姿を最も本質的に表しており、組織と社員が共有する重要な価値観です。それを深掘りしようとする質問からは、その企業を理解しようとする姿勢を感じ取れます。
社風に関する逆質問
社風とは、企業が持つ独特な文化や価値観、雰囲気を指します。社風が合わない会社で自分らしく働くことは難しく、ストレスになってしまいます。
大きな企業だと事業所によって異なりますが、総合職で採用される場合、どの部署に配属されるのかは面接時点では推測できません。そのため、会社全体の雰囲気から推測して働きやすいかどうかを見極める必要があります。
社風に関する逆質問の例
- 御社の社員の皆さんが風通しの良さを感じる機会が多いとのことですが、そのような雰囲気を作るために会社としてはどのような施策やシステムを作っているのでしょうか?
- 御社の社風に関して、〇〇様はどのようにお考えですか?
- 御社は実力を重視して評価する方針だと聞いています。ただ、そのような中でついていけない人が出た場合はどうするのでしょうか?
- 御社では毎月もっとも功績を残した社員を表彰する制度がありますが、その制度はどのような目的で実施され、どのような基準で表彰者を選んでいるのでしょうか。
社風に関する話題は差別化がしにくく、また表面的にしか企業のことを見ていないと思われやすいので取り上げる際は注意が必要です。こちらの記事では、社風を志望動機にする注意点を解説しているので参考にしてくださいね。
「社風の志望動機」は注意が必要! 例文付きで受かるコツを伝授
待遇や福利厚生に関する逆質問
待遇や福利厚生に疑問を持つ学生は少なくありません。ユニークな福利厚生を説明会などで取り上げる企業も多く、興味を持ちやすい点です。
人事部の面接官であれば制度や仕組みを詳しく理解している可能性が高いので、待遇や福利厚生に関する逆質問は、人事部の面接官にしましょう。
待遇や福利厚生に関する逆質問の例
- ワークライフバランスの実現に向けて、会社としてどのような工夫やルールを設けていますか?
- 働き方改革として残業時間の削減に注力しているとお伺いしました。その成果や生じている課題などを教えてください。
- 御社の育休取得率は、業界でもナンバーワンだとお聞きしました。その理由はなんだと思いますか?
- 御社の福利厚生のバースデー休暇ですが、どのような背景で実現されたのでしょうか?
- 給料に関する逆質問は避けた方が良いのでしょうか? そのほかに避けた方が良い話題はありますか?
給与や残業に関する質問はなるべく避けた方が無難
給与に関する質問は、できれば避けた方が良いでしょう。待遇面しか興味がないと思われてしまう可能性があります。
また労働環境に関する質問も「残業は何時間くらいですか?」とダイレクトに質問すれば、残業をやりたくない学生だと判断されてしまいます。
質問するならば、「効率を考えて積極的に残業に取り組みたいと考えていますが、残業は何時間くらいですか?」と取り組む姿勢を示して質問をすると良いですね。
キャリアパスに関する逆質問
社員の部署異動に大きく関与するのも人事部の特徴です。そのため、社内のキャリアの選択肢や実例を多数知っています。人事部の面接官からキャリアパスについて聞くことで、現実的なビジョンを描けるようになります。
キャリアパスに関する逆質問例
- 海外事業所に勤務できる社員はどのように決まるのでしょうか?
- 最初の配属では、ほとんどの新入社員は営業部に行くと聞きました。その理由や目的を教えてください。
- ジョブローテーションによって自身が希望する仕事に就ける可能性はあるのでしょうか?
- 人事部で働きたい場合、どのようなキャリアパスの描き方があるのでしょうか?
経営者や役職者への逆質問10例
最終面接では経営者が面接官となるケースは珍しくありません。経営者と話せる機会は社員であってもあまりありません。せっかくであれば、社長からしか聞けない話や経営に深くかかわる役職者だからこそ聞ける話を引き出しましょう。
経営者による面接で聞いておきたい逆質問は、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。
状況別17例文|社長面接の逆質問で絶対押さえたい3大要素
最終面接では企業側からの質問と逆質問を押さえることが大切です。以下の記事では最終面接で聞かれることと逆質問例を詳しくまとめているので参考にしてみてください。
最終面接でよく聞かれることとは? 回答のコツや逆質問例も解説
面接官の価値観や考え方に関する逆質問
経営者や役職者の判断によって入社後自分が取り組む業務が決まることもあるため、彼らの価値観に共感できるかどうかは、会社が自分に合っているかどうかを見極める重要な判断材料になります。面接官の価値観や考え方を引き出せる質問をしましょう。
面接官の価値観や考え方に関する逆質問の例
- 目標とされている経営者はいますか?
- ご自身の考え方や価値観に大きく影響を与えた出来事は何ですか?
- 御社が求める人物像に合致する学生とは具体的にどういった人材だと思いますか?
- 社員に期待することは何ですか?
- 組織を拡大していくうえで課題に感じていることは何ですか?
会社にとって経営者とは、その会社の責任や意思決定を判断し、未来やビジョンを描き導いていく存在です。
その人の価値観や考え方によってその企業の文化や大事にしていること、そして自分の夢やビジョンを実現できる場として適切なのかを知ることができます。
経営方針や今後の展望に関する逆質問
コーポレートサイトやIR資料をチェックすると、経営方針や今後の展望に関する質問が生まれてきます。企業についてよく調べていることのアピールにもなり、良い雰囲気で面接を進めやすくなりますよ。
経営方針や今後の展望に関する逆質問の例
- 今後の事業展開に何か変化はあるのでしょうか?
- 御社ではM&Aが活発におこなわれていますが、新規事業ではなくM&Aを多くする理由を教えていただけますでしょうか?
- 近年御社は採用活動に広告を打つなど注力されていますが、その背景を教えてください。
- 社内の表彰制度は経営にどのような影響を与えているのでしょうか?
- 最終面接は逆質問の時間はどれくらいですか?
平均的な逆質問の時間は20〜30分ほど
最終面接では、一次面接や二次面接と比べて逆質問の時間が長くなるのが一般的です。仮に面接が60分だとした場合、20〜30分あるいはそれ以上が逆質問の時間となります。
というのも、応募者に関する基本的な情報収集、採用基準を満たしているかどうかの判断は、それまでの面接でほぼ完了しているからです。
最終面接は、面接官が採用合否の最終判断を下すと同時に、応募者の疑問や不安を取り除いて入社の意思を固めてもらうための、言わば合意形成の場だといえます。
企業側から提示する情報もおおむね出し切っている状態なので、応募者の個別の興味や関心に合わせて質疑応答をすることで、マッチングに向けた最後のすり合わせをしていきます。
特に最終面接は役員や上級管理職が登場するケースが多いので、それまでの面接で聞けなかった企業の全体像や今後の方針などを積極的に質問するようにしましょう。
聞き方に注意! 印象を悪くしかねない質問例
聞き方に注意! 印象を悪くしかねない質問例
- 待遇に関する質問
- 面接官のプライベートに関する質問
- 受け身や消極的な姿勢に思われる質問
冒頭でも少し触れましたが、印象を悪くしかねない逆質問もあります。「質問はありますか?」と聞かれたからといってなんでも質問して良いわけではありません。質問の仕方、特に前後の言葉選びなどには慎重になりましょう。
ここでは、特に印象を悪くしかねない質問例を3つ紹介し、その話題に関する適切な質問の仕方を解説します。
こちらの記事では面接で聞いてはいけない逆質問についてまとめています。併せて参考にしてみてください。
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面接で聞いてはいけない逆質問7選! ミスを避けるコツとOK例文も
面接で聞いてはいけない逆質問をしてしまうと、採用担当者からの印象を下げる恐れがあります。本記事では、注意すべき逆質問と好印象につながるポイントについてキャリアコンサルタントとともに解説します。例文も紹介するのでぜひ参考にしてください。
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待遇に関する質問
待遇に関する質問、たとえば「平均年収はいくらですか?」「残業時間は平均どのくらいですか?」などの質問は、条件次第でほかの企業を選択しそうだと思われやすく、その企業自体に対する関心を疑われやすいので注意しましょう。
その話題に興味を持った理由や仕事に対する意欲を併せて伝えると、マイナスな印象になることを避けやすくなります。
待遇に関するNGな質問例
資格手当はいくら補助されるのでしょうか。
待遇に関するOKな質問例
入社までに勉強しておきたいので、資格手当の対象や補助金額についてお伺いしてよろしいでしょうか。
給与については、「実績が上がるように頑張りますが、実績給を含めた年収についてお聞かせいただけますか?」など、仕事に前向きに取り組む姿勢を示したうえで、確認をすると良いでしょう。
勤務地を確認したいときは、「勤務地は入社後に決まるのでしょうか?」と質問してみましょう。
また転勤の有無を確認したい場合は、「仕事の経験を積んでいくうえで転勤が大切だと思いますが、転勤は頻繁におこなわれるでしょうか?」と質問をして確認してみると良いですね。
「勤務地について聞きたいけどどう聞いたら良いのかわからない」という就活生は多いのではないでしょうか。こちらのQ&Aで、キャリアコンサルタントが勤務地について聞いておく重要性や聞き方のコツを解説しているので、ぜひチェックしてください。
面接官のプライベートに関する質問
面接官も人間なので、人によっては聞かれたくないことや話したくないこともあります。面接官のプライバシーに配慮するのは、面接での評価以前の話です。
プライベートに関する質問は面接官個人の経験を聞くのではなく、あくまで社員全体の傾向を聞くようにしましょう。
育児休暇に関するNGな質問例
〇〇様は、育児休暇を取得されたのでしょうか?
育児休暇に関するOKな質問例
御社の育児休暇率は何%ですか? 部署による違いなどはありませんか?
受け身や消極的な姿勢に思われる質問
会社は学校ではありません。「どんな経験ができるのだろう」「どんなスキルが学べるのだろう」のような受け身な姿勢が質問から窺えると、社会人としての成長はあまり期待できません。
労働環境や研修に関する質問は、学生本人に意図はなくても、「学生気分が抜けていないな」と捉えられてしまう質問をしてしまいがちです。「成長」や「学ぶ」のような言葉を使うと、受け身な印象を与えやすいので注意しましょう。
社風に関するNGな質問例
若手が成長できる環境は整っているのでしょうか?
社風に関するOKな質問例
若手のうちから裁量のある仕事を任される機会はありますか?
アドバイザーコメント
吉田 隼人
プロフィールを見る質問を重ねるうちに企業研究不足が暴かれてしまうケースに注意
逆質問は、質問の質と量によって、どれだけ企業研究をしたか=志望度が確認できます。そのため、逆質問の内容によっては志望度の低さや企業研究の詰めの甘さが露呈してしまい、評価を落としてしまうことも少なくありません。
特に、最近は逆質問の時間を多くとる企業が増えてきていて、長い場合は1時間ほど逆質問の時間が続く場合があります。
企業研究と自己分析が逆質問の基礎
その場合、企業研究や自己分析が中途半端だと、始めは良くても、だんだんと質問内容が浅くなってしまいます。しっかりと企業研究をし、自分なりの意見を持ったうえで逆質問をできるようになりましょう。
いうまでもありませんが、ネットで調べればわかるような内容や、福利厚生面しか考えていない質問は当然評価されません。
「お休みはとれますか?」「給料やボーナスはどれくらいですか?」「離職率は何%ですか?」「福利厚生はどうなっていますか?」などが挙げられます。
こういった内容は企業のHPや就活サイトに書いてあることがほとんどなので、まずはそれらをチェックしていきましょう。どうしても聞きたい場合は、それらをすべて調べたうえで「どこにも記載がなかったので確認のため質問させてください」と、一言添えるだけで印象が大きく変わりますよ。
入社意欲も感じられる! 逆質問で好印象を残す5つのコツ
入社意欲も感じられる! 逆質問で好印象を残す5つのコツ
- 面接でのアピール内容と質問内容を絡める
- 理解できていることを述べたうえで不明点を質問する
- 情報源や背景について軽く触れたうえで質問する
- 自分の考えや希望を述べたうえで質問する
- ジャンルの異なる複数の質問をする
逆質問は面接での評価の対象にもなります。質問の仕方や前後の言葉によって、面接官の受け取り方や自分に対する印象が大きく変わる場合があります。
ここでは、逆質問を単なる疑問解消の場ではなくアピールにつなげるコツを解説していきます。
①面接でのアピール内容と質問内容を絡める
「こういう仕事をしたい」「自分はこんなことができる」というようなアピールをする学生からは仕事に対する意欲の高さが窺えるため、企業としては採用に前向きになれます。とはいえ、逆質問は質問の時間なのでダイレクトにアピールするのは、目的と逸れてしまいます。
そこで直接的にアピールするのではなく、自己PRや志望動機で話してきた内容と絡めて質問の形を取ることで、違和感なく自分の強みや入社意欲を強調することができるのです。
たとえば、自己PRで臨機応変な対応力が強みだと述べた場合、逆質問では「臨機応変な対応力を活かせる業務はありますか?」のように、自分の強みを活かそうとする姿勢を示せる質問を考えてみましょう。
②理解できていることを述べたうえで不明点を質問する
ただ不明点を述べるだけでは、面接官としては「前提の部分は理解できているのかな」と疑問に思います。そこで、質問の背景や、すでに理解していることは前提として述べたうえで質問することで、効率的に質疑応答を進められるのです。
相手の立場に立った質問ができる人材として評価されることにもつながるかもしれません。
「御社の事業内容について〇〇の開発については理解できたのですが、流通や販売について具体的にイメージができなかったため説明いただいてもよろしいでしょうか」というように、相手に回答してほしいポイントを明確にさせましょう。
③情報源や背景について軽く触れたうえで質問する
「採用ページで御社の社員インタビューを拝見したのですが」「御社の中期経営計画を拝見したところ」というように、情報源に触れると企業研究に取り組む姿勢が伝わり、熱意のアピールになります。
また情報源や背景を併せて伝えられると、より質問の意図が明確になり、面接官も答えやすくなります。
ただし、ここでネットの口コミやSNSの情報を背景とした質問は控えましょう。信ぴょう性が低いそれらの情報を鵜呑みにしてしまう学生として、マイナスな印象を残すことがあるためです。
④自分の考えや希望を述べたうえで質問する
ただ質問するだけでなく、自分の考えや希望を述べたうえで質問すると、主体的な印象を残すことができます。社員に主体性を求める会社は多いため、自分の考えなどを述べることで好印象を残せる可能性が高いです。
自分の考えや希望を持っているということは、キャリアや入社後自社の社員として働くことを真剣に考えているからこそといえます。そのため、働くことや社会人になることへの前向きさや意欲の高さも伝わり、面接官はプラスな印象を抱きやすいです。
「将来的に〇〇事業に携わりたいのですが」「業界の展望について私はこのように予測しているのですが」というように、自分の考えや希望を述べたうえで質問しましょう。
質問の意図を明確にし、端的に質問するようにしましょう。前置きを長くせず、質問される側が「何を答えれば良いのか」を簡単に把握できるようにするのがポイントです。
YESまたはNOで回答できるクローズド質問を用いるのも有効です。また、フリーアンサー回答を望むなら「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「どのように」などの言葉を用いて質問事項をわかりやすく伝えることが効果的です。
⑤ジャンルの異なる複数の質問をする
逆質問は学生の疑問をなるべく解消できるように、長めに時間を取る企業が多いため、一つではなく複数用意してください。
その際は、異なるジャンルの質問をしましょう。質問のジャンルが偏っていると、ある一面しか企業研究できていないとマイナスな印象になってしまいます。
ジャンルの異なる複数の質問をする学生は、多角的な視点からその企業で働くことを想像できているといえ、入社意欲が高いとの評価にもつながりますよ。
- 逆質問は1回の面接で何個用意しておくべきですか?
5~6個は準備しておこう! ただ質問数より内容が重要
準備したものをすべて質問する、というわけではありません。面接の時間は限りがあるので、より聞きたいものから1~3個ほど質問するのが一般的です。
ただ、企業によっては逆質問に時間をたくさん使ってくれる場合もあるので、余裕を持って5~6個ほど用意しておきましょう。
ただ、大事なことは質問の個数よりも質です。逆質問の時間の中で、どんな質問をするのが一番効果的なのか。企業に関連する質問や自分自身の興味関心に基づいた具体的な質問など、その状況によって適切に対応していきましょう。
アドバイザーコメント
小松 茂樹
プロフィールを見る逆質問の質を上げるには入念な企業研究が必要不可欠
面接官からすると、どの会社についてもいえるような一般的、汎用的な質問ではなく、その会社ならではの質問をされると、入社したいという熱意を感じ取れます。
業務内容の詳細はもちろん、事業や商品、サービスについての歴史的な経緯と現状、将来に向けた展望。業界における自社の位置付けや他社との違い、企業が大事にしている理念や価値観など。
個社に特有の具体的な質問は業界分析や企業分析をおこなっていないとできないため、こういう質問ができるかどうかで、面接にどれだけ準備して臨んでいるか、つまりその会社に本気で入りたいかどうかが窺えます。
企業の業界における立ち位置や特色を調べたうえで逆質問を考えよう
たとえば以下は下調べができていなければ思いつかない質問なので好印象を残しやすくなります。
・一般的には〇〇だと言われていますが、御社ではどのようにお考えですか?
・業界全体では〇〇だとされていますが、御社ではどのように他社との差別化を図っていますか?
・御社では〇〇と△△が主力の商品だと思いますが、今後の展開として新商品の開発や商品の改良などをどのように進めていますか?
HPや説明会資料などに入念に目を通して、企業分析を進めて面接に臨みましょう。
逆質問はあくまで疑問解消の場! 凝った質問が評価されるとは限らない
逆質問で高評価を得るコツを解説しましたが、逆質問はあくまで学生の疑問解消の場であることを忘れないでください。評価を上げることを意識すると、質問のハードルが上がってかえって質問しにくくなります。
それは企業が逆質問の場を設ける目的にも反してしまいます。たしかにほかの学生がしないような鋭い角度からの質問は評価されることがありますが、そのような質問だけが逆質問にふさわしいわけではありません。
企業と学生はあくまで対等な関係で、面接はお互いの相互理解の場です。本当に聞きたいことを聞けず疑問を抱えたままでは、自分と企業が本当にマッチしているのか適切に見極めることができません。
面接官の立場に立って質問の仕方は工夫しつつ、聞きたいことは素直に聞いて企業理解を深めてくださいね。
大前提として、企業は質問力の高い学生に内定を出すわけではなく、一緒に働きたいと思った学生に内定を出します。
そのため、お互い改めてマッチングしてるかどうかを確認する場として逆質問の場があると考えてください。「シンプル」かつ「的確」をキーワードに逆質問を考えましょう。
逆質問で自分に合う企業か確かめたうえで次のステップにつなげよう
面接官の特性ごとに、逆質問の考え方を解説してきました。逆質問50例付きなので、自分の疑問や不明点に近いものが見つかりやすいはずです。参考にしながら、企業や面接官に合う質問を作成してくださいね。
質問が思い浮かばない人は、まず企業のHPやIR資料をチェックすることから始めましょう。ある程度企業理解が深まれば聞きたいことも見えてきますよ。
逆質問で得た情報は、次の面接対策に活かしたり企業同士を比較する材料にし、思い描くキャリアの実現に役立ててくださいね。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る逆質問を不安や疑問を解消する機会として有効に使おう
逆質問は、自分に合う企業を見極めるための質問だと考えてください。凝った質問や奇をてらう質問をおこなう必要はありません。
逆質問で押さえておきたいポイントは、原則として仕事に関する質問をおこない、調べればわかる質問や待遇面、労働条件に固執した質問をしないことです。待遇面や労働条件に関しては、内定後に確認できます。
「ありません」はなるべく避けよう
一次面接では若手社員や人事部社員がおこなうことが多いので、仕事のやりがいや入社前に準備することなど、若手社員が回答しやすい内容の質問をすると良いでしょう。
二次面接では、人事部社員や配属部署社員が多いので、求められる能力や心構えなど、仕事に関して質問すると良いでしょう。最終面接は、役員や経営者がおこなうことが多いので、質問する機会がある場合は、事業内容や経営方針について質問をしましょう。
逆質問を問われて「ありません」と一言で終わらせてしまうと、入社意欲がないと判断されることがあります。
質問がなければ「十分説明いただいたので特にありません。お話をお聞きしてますます入社意欲が高まりました」と入社意欲を言葉で伝えても良いですが、逆質問は不安や疑問を解消できる絶好の機会なので、有効に活用しましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
中小企業診断士/キャリアコンサルタント
Shigeki Komatsu○営業企画・マーケティング・情報システム・総務・人事・経営企画室など幅広いキャリア経験を持つ。現在はキャリア形成や能力開発に向けた企業研修や個人面談などを提供している
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/就活塾「我究館」講師
Hayato Yoshida〇東証一部上場の人材会社で入社2年半で支店長に抜擢。これまで3,000名以上のキャリアを支援。現在はベストセラー書籍「絶対内定」シリーズを監修する我究館でコーチとして従事
プロフィール詳細キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
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