この記事のまとめ
- 適性試験はきちんと対策をすればスムーズに突破できる
- 能力検査は解法のパターンを押さえることがカギ
- 性格検査は素直にポジティブに答えよう
- WEBテストパーフェクト問題集
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この記事を読んでいる人におすすめ
就活において、ほぼすべての人が受けるといっても過言ではないのが適性試験。「どんな試験なんだろう」「難しいのかな」と不安に感じる学生も多いのではないでしょうか。
適性試験にはさまざまな種類があり、どれが出題されるかは事前にわからないことが多いです。しかし、すべての適性試験に対してやっておくべき対策は似通っているので、勉強方法に迷ったり、過剰に不安になったりすることはありません。
この記事では、キャリアアドバイザーの上原さん、隈本さん、田邉さんのアドバイスを交えつつ、これから適性試験を控えている人向けに、適性試験の種類や特徴、そして勉強の方法やコツまで徹底的に解説していきます。
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適性試験は選考で軽視できない関門の1つ
適性試験について、「簡単な試験だから」などと過去に誰かから聞いたことがある人もいるかもしれません。しかし、適性試験も選考フローの一環であり、書類選考や面接同様、一定の基準を満たせなければそこで落ちてしまいます。決して軽視できない関門の1つです。
まずは適性試験が何のためにおこなわれているのか、何を見られているのかを把握しましょう。そうすることで、どのような点に気を付けて勉強をすればいいかが見えてくるはずです。
それから、試験内容ごとそれぞれで突破につながる効果的な対策方法を解説。その後は実際の回答時に使えるちょっとしたコツも伝授します。この記事を読んで、適性試験をマスターし選考を突破しましょう。
適性試験とは?
就活で使われる適性試験とは、学生の基礎能力や性格を判定し、採用の判断材料にするものです。 しかし、この名称は聞いたことがあるもののその内容を詳しくは知らないという人も多いと思います。学校の試験と同様に、その試験がどんなものなのかを知らなければ、勉強もできませんよね。
まずは適性試験とはどんなものかについて詳しく解説していきます。適性試験の概要を押さえて、とるべき対策を考えましょう。
試験内容
適性試験の内容は、能力検査と性格検査の大きく2つに分けることができます。能力検査とはこれまで学校でおこなってきたようなテストだと考えると良いでしょう。簡単な国語や算数、英語の問題が出され、それに正しく答えていくものです。
性格検査とはその人の人柄や価値観、適性などを測る検査で、思考や行動に関するいくつかの質問が出されます。
そしてこれら2つの検査の結果から、この学生が自社に合った人材なのかを判断しているのです。
受検のタイミング
適性試験は多くの場合、選考の早い段階で受検を案内されることが多いです。
受検タイミングの例
- 一次面接のあとに受検
- エントリーシート(ES)の提出と同時に受検
特に書類選考と同時など、面接に入る前で受検することも多いため、この適性試験をクリアできなければ、面接で面接官に直接自分の熱意を伝えることもできないのです。そう考えると、適性試験の重要性がよりよくわかるのではないでしょうか。
インターン参加のために課されたり、インターン中や選考終盤で業務への適性を見るために独自の検査が課されたりする場合もあります。そしてインターン中の受検の場合、その結果は本選考で考慮されることもあります。
企業が適性試験で見ているポイント
適性試験において、企業は何を知りたいと思っているのでしょうか。学生の皆さんも、先に説明したような一見簡単そうな試験から何がわかるのか、うまく理解できていない人も多いと思います。
適性試験は、選考において企業が知りたいことがきちんとわかる、学生を評価するためには有効なツールです。ではここからは、適性試験によって学生の何が見えるのかを解説します。
①基礎能力
主に能力検査によって基礎能力がわかります。先ほど、簡単な国語や算数、英語の問題が出題されると解説しましたが、こういった知識は人とかかわったり仕事をするのに必要になる場面が多く、社会人として欠かせないものばかりです。
適性試験によって、こういった常識ともいえる知識が学生にきちんと備わっているかをチェックしています。
企業が見ているポイントとして「適性試験の準備をしているか」も挙げられます。
適性試験は基礎的な問題なので、対策をすれば回答できることがほとんど。だからこそ、対策ができているかを知ることで、これから仕事に向き合う姿勢も想像しているのです。
②性格や適性
主に「性格検査」で測られている項目です。性格検査では、数多くの質問によって学生の性格はもちろん、その人柄や思考・行動のパターンなどがわかります。
そして企業にも企業ごと、企業の性格ともいえる「社風」があります。自社と学生の性格が合うのかを判断するために、学生の性格を知ろうとしているのです。
企業が適性試験をおこなう理由
企業が適性試験をおこなう理由
- 面接に進む学生の絞り込み
- 自社とのマッチ度の確認
- 入社後の配属や教育の参考
ここまで、適性試験がどのようなものか、そして学生の何がわかるのかを解説してきました。それらを踏まえて、企業はどのような理由で適性試験を選考に取り入れているのでしょうか。
企業側の狙いをきちんと把握していないと、学生としても適性試験を軽んじてしまい、結果として適性試験不合格、つまり選考に落ちてしまうことにつながります。企業の意図を理解したうえで適性試験に臨みましょう。
面接に進む学生の絞り込み
先ほど、適性試験は選考の早い段階で用いられることが多いと解説しました。つまり、適性試験は「面接に進む学生の絞り込み」という目的で使われていると考えることができるでしょう。
毎年何百人、何千人もの応募がくる人気企業や大手企業において、「応募者全員と面接をする」というのは難しい現実があります。なおかつ、学生から送られてくるESすべてに目を通すのも難しいことが想像できるでしょう。そこで、面接に進む学生を効率よく絞り込むために適性試験をおこなっているのです。
一定のラインを設け、それを下回る学生は面接に進ませずに不合格とすることで、より効率的に採用活動を進めることができるのです。
企業によって採用方針や応募者数に違いがあるため、適性試験の具体的な合格率は明確にはわかりません。また、基本的には相対評価になるため「絞り込みたい人数」によって適宜変わります。
あくまで目安ですが、人気企業ではおよそ7割程度への絞り込みが1つのボーダーラインになるかと思われます。
自社とのマッチ度の確認
適性試験は、その名の通り学生と自社との適性を判断するために使われます。学生と企業との相性は、今後選考を終えて実際にその企業で働くにあたって非常に重要なものです。
小学校から高校にかけて、クラス替えによって居心地の悪さを感じたことのある人もいるのではないでしょうか。このクラスは楽しかったけど次のクラスは何だか苦手と感じていた人もいるはずです。苦手なクラスにいると、毎日の通学も億劫になるものですよね。
企業に所属するというのも同じことで、その集団、つまり企業への居心地の良さを感じていないと、働くことが億劫になってしまう可能性があるのです。適性試験では、多くの問題を出題することで学生の性格や人柄を把握し、自社と合うかをチェックしています。
- マッチ度を測るために面接をすると思うのですが、適性検査と面接の両方をやるのはなぜでしょうか?
ミスマッチが起こらないように適性検査と面接でダブルチェックをおこなっている
採用担当者は面接を通して熱意や物事に取り組む姿勢を把握できます。しかし、就活生が語るエピソードを第三者がどのように評価をしているか把握できませんよね。もちろん入社したい熱意は大切ですが、熱意だけではミスマッチにつながってしまう可能性もあります。
たとえば、仕事の負荷がかかる職場の場合、ストレス耐性があるかを面接だけで判断することは難しいですよね。面接だけで判断をしてミスマッチになると、就活生が入社した後に活躍できなくなってしまいます。
このようなミスマッチを防ぐためにも、面接と適性検査でダブルチェックをおこなっているのです。
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入社後の配属や教育の参考
適性試験は選考で出題されますが、その結果は入社後にも利用されることがあります。
学生が選考を突破し、無事内定・入社した場合、企業はその学生を自社の一員として、そして立派な社会人として活躍できるよう育てることになります。選考時には「自社に合うか」という観点で学生をチェックしましたが、入社後はその集団の規模をさらに細かくし、「どこの部署であれば合うか、より成長が見込めるか」をチェックし、配属先を決定するのです。
適性試験は選考を効率的に進めるだけでなく、入社後の育成を効率的におこなうためにも非常に役立つツールといえるでしょう。
アドバイザーコメント
隈本 稔
プロフィールを見る適性試験の重要度や役割は企業によってそれぞれ
実際、適性試験の重要度は企業によってまちまちです。大企業や人気企業のように応募者数が多い場合は、面接に進む学生数の絞り込みという目的が第一なので、重要性はそれほど高くありません。
ただし、最終選考まで進んで能力面や性格面、マッチ度などがほぼ同じくらいの応募者が複数いた場合、判断材料として適性試験の結果を参考にすることがあります。また、獲得点数で明確なボーダーラインを引く傾向にあるので、8割以上は点数が取れないと面接に進めない可能性があります。
金融業界のようにお金を取り扱う業種は顧客からの信頼性が大事なので、性格適性試験で一貫性がない回答をしていたりと、信憑性に欠ける場合などは面接に進めなくなる可能性が高くなります。
適性試験の結果を面接の参考にすることも
適性試験だけでマッチ度を測ることは難しいので、よほど適性試験の結果で性格上の問題が見つからない限りは面接の中で人柄を判断されることになります。
中小企業など、そもそも応募者が限定される企業の場合、面接での質問材料などに利用されることが多くあります。よほど相性が合わないと判断されない限りは、適性試験の結果だけで落とされることはなく、その後の面接で気になる点を確認されることになるでしょう。
さらに詳しく解説! 適性試験の内容
先ほど適性試験の概要を説明する中で、適性試験の試験内容について簡単に説明しました。ここからはその内容をさらに詳しく解説していきます。
どんな問題が出題されるのかを詳しく理解することで、やるべき対策がより明確に見えるはずです。
①能力検査
能力検査は、さらに「言語」「非言語」の2分野に分けられます。それぞれの分野でどんな問題が出題されるのか、詳しく解説します。
言語
言語分野の問題の例
- 語句や語彙
- 文や文節の並び替え
- 熟語
- 長文読解
言語分野ではこのような問題が出題されます。語句の意味や文法など、文章を構成するために欠かせない言葉遣いがきちんと理解できているか、そして、長文から問われていることを正しく汲み取れるかがチェックポイントです。
これらの能力は、人とコミュニケーションを取るうえで欠かせません。言葉遣いが誤っていれば相手に不快な思いをさせてしまうかもしれず、意図を読み取れなければ相手のニーズや指示をつかめずにとるべき行動がとれない恐れがあります。
だからこそこの適性試験で、こういったスキルの有無を確かめているのです。
非言語
非言語分野の問題の例
- 推論
- 順列・組み合わせ・確率
- 図形
- 式の計算
- 集合
- 表の読み取り
非言語は試験によっては「計数」と呼ばれるものもあります。非言語分野の問題は、中学~高校までに習うような数学の問題や論理問題が出題されることが多いです。しかし、非言語分野は適性試験によって難易度が分かれるところで、試験によってはかなり難しい問題が出題されるものもあります。
非言語というと難しそうなイメージを抱えている学生もいるかもしれません。実際学生時代数学に苦手意識をもっていた学生も多いのではないでしょうか。
しかし、一見難しそうに見える非言語分野の問題も、コツをつかめば簡単に解けるようになります。詳しい勉強の仕方はこのあと解説します。
たとえば、数字を間違えずに記述したり逆に間違いを探したりするスキルは、お金に直接かかわる業務で有効ですよね。
これら非言語分野の内容は、業務によっては会社の仕事に直結して活かすことができます。
その他
その他の分野
- 英語
- 構造的把握力
- 一般常識
- 時事問題
今説明した言語・非言語はどの企業でも出題される分野ですが、外資系企業や商社などではこの2分野に加えて英語の問題が出されることがあります。日常的に英語を使う可能性の高い企業では、選考の早い段階から学生の英語力は測っておきたいところです。
また商社ではさらにものごとの関係性や共通部分を読み解く能力を測る構造的把握力という分野の問題も出題されることがあります。出題の頻度は低いですが、該当企業へのエントリーを考える学生はぜひ対策しておくべきといえます。
そのほか、企業によっては一般常識問題や時事問題などで日頃のアンテナの高さなどを測るところもあります。
以下の記事では一般常識問題の数学の対策についてまとめています。数学に苦手式のある人は参考にしてみてください。
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②性格検査
能力検査はその名の通り学生の能力や学力を測っているものですが、性格検査は学生の人柄や性格などを測るための試験です。「はい」「いいえ」などで答える質問が多く、その回答をもとに自社に合うか・どんな部署や職種が向いているのかなどを判断するために使われます。
就活生が性格を偽って回答していないかもチェックしています。
性格検査は似たような質問が複数出てくることがあります。それらの質問に対する回答に一貫性がないと、性格を偽っていると判断されてしまうので注意しましょう。
性格検査についてはこちらの記事でさらに詳しく解説しています。併せて読んでおくとより理解が深まります。
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SPIだけじゃない! 就活で使われている適性試験12選
学生の中には「SPI」という言葉を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。人によっては「適性試験=SPI」と考えてしまっているかもしれません。
しかし、SPIはあくまで選考の一種であり、企業によってはSPI以外の適性試験を使っているところもあります。試験によって難易度が少しずつ違ったりするので、「適性試験=SPI」という考えは非常に危険です。
ここからは、就活で使われる適性試験について紹介していきます。どんな試験なのか、そしてどのような企業で使われ何に気をつけるべきかなどを詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。
自分が受ける企業のWEBテストの種類がわからない人もいますよね。こちらの記事で、志望企業が採用しているテストの種類を事前に特定する方法を解説しています。
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①SPI3
SPI3の概要
- 主な試験内容:言語、非言語、英語、構造的把握力、性格検査
- テスト形式:Web、紙
- 回答方法:形式によって選択式と記述式が分かれている
- 所要時間:形式によって65~110分と異なる
- 取り入れている企業:傾向なし
SPIとはSynthetic Personality Inventoryの略であり、リクルートマネジメントソリューションズが提供する適性検査です。定期的にバージョンアップがおこなわれており、現在市場で使われているのは2021年1月4日にバージョンアップがされたSPI3となっています。
適性試験の中でもっとも多くの企業に使われており、2020年度は13,500社が選考に取り入れ、受検者数は203万人に上ります。とりあえず適性試験の対策をしたいという場合は、SPI3の対策に着手しましょう。
②玉手箱
玉手箱の概要
- 主な試験内容:言語、計数(非言語)、英語、性格、意欲
- テスト形式:Web
- 回答方法:選択式
- 所要時間:問題の選択によって85~135分と異なる
- 取り入れている企業:傾向なし
玉手箱はSHL社が提供する適性試験です。試験形式はWebのみとなっており、自宅で受検することができます。Webテストとしてトップシェアを誇っており、大手企業でも採用されています。SPI3と併せて玉手箱も対策しておけば幅広い企業に対応できると考えても問題ないでしょう。
問題数に対し、制限時間が非常に短いのが大きな特徴です。「計数」の中にある「四則逆算」という分野では、50問を9分で解かなければなりません。1問にかけられる時間数はおよそ10秒、仮に答えに迷っても瞬時に回答する瞬発力も必要となります。
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③CAB
CABの概要
- 主な試験内容:暗算、法則性、命令表、暗号、性格
- テスト形式:Web、紙
- 回答方法:選択式
- 所要時間:Webの場合は72分、紙の場合は95分
- 取り入れている企業:IT企業に多い
CABとはComputer Aptitude Battery(コンピューター職適性診断テスト)の略で、玉手箱同様SHL社から提供されている試験です。IT企業で取り入れられる傾向にあり、エンジニアやプログラマーなど、IT技術職を目指す学生とITとの親和性や相性を測ることができます。
さらに、適性に加えてバイタリティやストレス耐性といったメンタル面に関しても確認することもできます。適性試験の中では比較的難易度は高めであり、IT企業を目指す学生はぜひ対策しておきたい試験です。
④GAB
GABの概要
- 主な試験内容:言語、計数、性格
- テスト形式:Web、紙
- 回答方法:選択式
- 所要時間:80~90分
- 取り入れている企業:商社、証券会社、投資会社に多い
GABとはGraduate Aptitude Battery(総合適性診断テスト)の略で、玉手箱やCAB同様SHL社から提供されている試験です。CABがコンピューター職、つまりIT技術職の採用を目的としたものであるなら、GABは総合職の採用を目的としています。
学生から人気を誇る商社などで用いられていることもあり、難易度は高め。SPIに比べると1問1問の問題文が長く、文章を読み解くことだけで時間を要します。長文読解力はもちろんですが、それに合わせてスピードの速さもどの適性試験より求められるでしょう。
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⑤SCOA
SCOAの概要
- 主な試験内容:英語、数理、言語、常識、論理、性格
- テスト形式:Web、紙
- 回答方法:選択式
- 所要時間:45~60分
- 取り入れている企業:傾向なし
SCOAは「人を知り、人を活かす」をコンセプトに、NOMA総研により開発された適性試験です。論理など社会や、理科の問題も含まれており、ほかの適性試験に比べて幅広い分野から問題が構成されています。
SPIが基礎的知識から応用力を測る問題だとすれば、SCOAの問題はその基礎的知識を問うものが多い傾向にあります。難易度としてはSPIのほうが高めだともいえますが、その分SCOAは制限時間に対して問題数がかなり多いため、時間との勝負になります。
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⑥CUBIC
CUBICの概要
- 主な試験内容:英語、数理、言語、図形、論理、性格
- テスト形式:Web
- 回答方法:選択式
- 所要時間:50~120分と分野・難易度によって異なる
- 取り入れている企業:傾向なし
CUBICは、学生の基礎能力と個性や適性を把握するための適性試験であり、「基礎能力検査」と「採用適性検査(性格)」に分けられるという点はほかの適性試験と共通しています。ただし、合否判定は能力と適性それぞれの結果にもとづいておこなわれるため、得点のバランスが極度に悪いと不合格になってしまうことがあります。
能力検査のうち、英語を除く4分野はそれぞれ「基礎編」「応用編」「総合編」というように難易度が分かれています。そして、企業ごと・職務ごとにこの分野と難易度とを自由に組み合わせることもできるのです。たとえば、言語は応用編、数理は基礎編で受けるなどが可能です。
結果の信憑性が高いと評判で、近年大手企業を含む多くの企業で採用されています。
⑦TG-WEB
TG-WEBの概要
- 主な試験内容:言語、非言語、英語、性格
- テスト形式:Web
- 回答方法:選択式
- 所要時間:能力検査は新型だと15分、従来型だと30分
性格検査は7種類で10~30分と異なる - 取り入れている企業:傾向なし
TG-WEB はヒューマネージ社が提供する適性試験で、メジャーなSPI3や玉手箱より難易度がやや高いのが特徴です。適性試験の問題は基本的に中学・高校レベルとされていますが、TG-WEB ではそれを超えたあまり馴染みのない問題もよく出ます。
しかしTG-WEBの問題は解き方さえわかれば意外とすんなり解けることが多いです。TG-WEBに特化した対策本も出ているので、対策をきちんとおこないましょう。
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⑧TAL
TALの概要
- 主な試験内容:文章、図形配置
- テスト形式:Web
- 回答方法:選択式、アイコン配置
- 所要時間:40分
- 取り入れている企業:傾向なし
TALはビビッド・ジャパンが提供している適性試験で、質問形式と図形アイコン配置問題の2つで構成されています。SPI3などほかの試験に比べ、TALは「応募者の内面を探ること」を最大の目的としています。
そのため、明確な答えはなく、高得点を取ること=合格ともなりません。明確な答えがない以上、素直に・常識的かつポジティブな回答を心掛けることがもっとも重要になります。
⑨GPS
GPSの概要
- 主な試験内容:言語、非言語、思考力、パーソナリティ
- テスト形式:Web
- 回答方法:選択式
- 所要時間:80分
- 取り入れている企業:傾向なし
GPSはベネッセコーポレーションが提供する適性試験です。最大の特徴は思考力を測る問題があること。日常会話の中から矛盾点を発見するなど、学生の思考力を試す問題があります。
多くの適性試験ではこのように思考力を測る問題はあまりないため、個別の対策は必須ですが、比較的マイナーなGPSは参考書などでの対策が少し難しいです。つまりその分、学生のリアルな思考力がそのまま結果に表れるので、学生の素が見えやすいテストであるともいえます。
⑩内田クレペリン
内田クレペリンの概要
- 主な試験内容:1桁の足し算
- テスト形式:紙
- 回答方法:記述式
- 所要時間:30分
- 取り入れている企業:傾向なし
内田クレペリンは、1桁の計算をおこなう作業によって、学生の能力と性格とを一度に把握することができる適性試験です。最大の特徴は紙と鉛筆を使っておこなうということ。少し手間に感じるこの作業も検査の一部であるため、Webテストはありません。
試験内容としては「1桁の足し算をする」という簡単なものですが、この作業スピードと効率性から学生が作業をおこなう能力を測ることができます。また解答数の変動や誤答数からは性格や行動面の特徴を見ることもできます。簡単そうに見えて、意外とさまざまなことがわかる適性試験なのです。
⑪YG検査
YG検査の概要
- 主な試験内容:心理
- テスト形式:Web
- 回答方法:選択式
- 所要時間:30分
- 取り入れている企業:傾向なし
YG検査とは、性格に関する120問の問いに「はい・いいえ・どちらでもない」の3択から回答していく心理テストです。回答を12の尺度に分類しそこからその人の性格や考え方の傾向を客観的に判断することができます。
回答時間は約6秒とかなり短く設定されています。考える時間が短いため、おのずとその回答は直感で選ばれたものになり、より学生の素が見えやすいといえます。
⑫ミツカリ
ミツカリの概要
- 主な試験内容:性格
- テスト形式:Web
- 回答方法:選択式
- 所要時間:10分
- 取り入れている企業:傾向なし
ミツカリは、株式会社ミツカリが提供している適性試験です。その特徴は学生と企業の社員とのカルチャーマッチ度を測れる点です。
ミツカリではまず企業の在籍社員に適性試験をおこないます。その結果により、その企業の社風や従業員の特徴などを把握するのです。そして同様の試験を学生にも受けてもらうことにより、企業とのマッチ度や活躍可能性、逆に入社後に起きそうなミスマッチなどをよりロジカルに理解することができます。
- 適性試験の種類が多すぎて、何から対策を始めていいかわかりません。優先して対策しておくべき適性試験はどれですか?
まずは受ける試験の調査から始めよう
どの適性試験の対策をすればいいか、数が多すぎて迷ってしまいますよね。とはいえやみくもに対策をしていいわけでもありません。
詳しくは後ほど解説していますが、まずは自分が志望する企業がどのような適性検査を実施しているのか、キャリアセンターなどで十分に調査をし、実施数が多い試験を重点的に対策しておくと良いでしょう。
調べてもよくわからない場合は、多くの企業が導入していて問題集も豊富なSPIをターゲットにしましょう。練習を積み、慣れていくことで点数は向上すると言われています。
実はいくつもある! 適性試験の受検形式
適性試験の受検形式
- テストセンター
- ペーパーテスト
- Webテスティング
- インハウスCBT
試験といえば用意された試験用紙に回答を記述していくという形式を想像する人もいるかと思いますが、就活の適性試験の受検形式はそれだけではありません。
パソコンを使用したり、また自宅で受検したりと非常にさまざまな形式があります。そして形式によって気をつけるべきことなども変わってくるので注意が必要です。
ここからは適性試験の受検形式について解説していきます。
①テストセンター
テストセンターの特徴
- 会場:各試験の提供企業が運営する専用会場
- 受検に使うもの:パソコン
テストセンターはSPI3でよく使われる受検形式です。各試験の提供会社が運営するテストセンターという会場に学生が赴き、その会場で試験を受けます。
受検後の結果はオンラインで管理されるため、仮にテスト結果が良かった場合、同じ試験を利用している企業であれば、その結果を選考に使い回すこともできます。
テストセンターの結果を使い回しても企業にはバレず、仮にバレたとしても特に問題はないため安心してください。就活生の適性を知るための検査で、企業に合わせて回答をする必要はありません。同じ試験内容なので良いテスト結果は使い回しましょう。
②ペーパーテスト
ペーパーテストの特徴
- 会場:企業
- 受検に使うもの:紙
ペーパーテストは志望する企業で受検する形式です。その名の通りマークシートを使い回答していきます。事前に問題数が決められており、なおかつすべての問題を先に確認しておくこともできるので、わかる問題から先に回答することができます。時間を効率的に使えそうですね。
しかし、最近は新型コロナウイルス感染症の影響により、この形式での受検は減ってきています。
③Webテスティング
Webテスティング
- 会場:自宅
- 受検に使うもの:パソコン
Webテスティングは、4つの形式の中で唯一自宅で受検する形式です。企業から受検用のURLなどが送られて、期限内に自分のタイミングで受検します。
会場以外は基本的にはテストセンターと同じ受検方法だと考えても良いでしょう。ただWebテスティングは使い回しができなかったり、回答は選択式ではなく数値を直接入力する場合もあるので、少し難易度が高く感じるかもしれません。
また電卓が使用可能である場合が多く、計算にかける手間は少なく済みます。
- 自宅受検では、簡単に不正もできてしまうと思います。それでもなぜ企業はWEBテスティングで適性試験をおこなうのでしょうか?
不正のリスクよりも得られるメリットが大きい
そもそも適性試験とは、あくまでボーダーラインより上の学生を選ぶための位置付けで、それ以外の採用試験で性格やポテンシャルなどが厳しく評価されます。
企業側にとっては。Webテスティングは試験にかかるコストを比較的抑えることができ、集計がしやすいというメリットがあるのです。
そしてWebテスティングは不正ができるとはいえ、時間いっぱいかかってしまうような難易度とボリュームなので、調べたり人に問いてもらったりという不正をおこなうのにも限界があるという一面はあります。
これらの理由から、企業は適性試験でWebテスティング形式を採用しているのです。
Webテスティングの対策についてはこちらの記事でさらに詳しく解説しています。受検予定のある人は併せて参考にしましょう。
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WEBテスト対策完全版|効率重視で準備する方法を徹底解説
WEBテストは効率重視で対策することが大切です。WEBテストの評価を最も重視するという企業はほとんどなく、面接やESの内容が重視される傾向にあるからです。この記事では、WEBテストの効率的な対策方法や、受験前の必須準備などについてキャリアコンサルタントと解説します。
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④インハウスCBT
インハウスCBT
- 会場:企業
- 受検に使うもの:パソコン
志望企業を訪問し、そこでパソコンを使って試験を受検するのがインハウスCBTです。こちらも会場以外はWebテスティングと変わりません。この方法を採る企業はかなり少ないため、適性試験はこれ以外の3つの形式で受けると考えて対策を進めましょう。
対策前に知っておきたい! 適性試験の基本ルール
適性試験の基本ルール
- 明確な合格点はない
- 一度回答したら戻れない
- 回答の正誤で難易度が変動していく
適性試験について詳しく理解できたところで、ここからは適性試験を突破するためにやるべき対策について解説していきます。
まずは適性試験の基本的なルールについておさらいしておきましょう。このルールが押さえられていないと、対策時や本番の回答時に詰まったり困ってしまうおそれがあるからです。
明確な合格点はない
まず適性試験には「○点取れればOK」というような明確な合格ラインはありません。なぜなら企業ごとにボーダーラインが分かれているからです。性格検査で考えるとわかりやすいですが、どんな人柄の人を求めるかは企業次第ですよね。
一般的には適性試験はおよそ6~7割正答できていれば合格する確率が高い傾向にあります。ただし、「6~7割正解=合格」というわけではありません。倍率の高い人気企業の場合は、絞り込みのためもう少しボーダーラインを高く設定していることも考えられます。
目安となるボーダーラインが明確でない以上、「これくらい取れていればいいや」などといった判断が難しいので、油断せず全問正解する心づもりで対策に励みましょう。
- 合格点がわからないとどれだけ勉強したらいいかがよくわかりません。目安となる勉強時間や「ここまでできれば十分」といった基準はありますか?
「できるところまでやり切った」という思いが勉強時間の指標
適性検査の結果をどの程度重視しているかは企業によって大きく異なります。
ほとんど気にしていない企業から、明確に足きり点数を決めている企業もあります。そのため、目安となる勉強量の基準もないのです。
検査対策はやっても終わりはないので、自分で十分頑張れたと思う程度で良いでしょう。逆に適性検査対策に時間を使うよりも、面接対策やES作成に時間をかけた方がいいかもしれません。
特にESは、目に留まらなければそもそも適性検査を受検させてもらえない場合が多いです。
やれるだけやったと思えたら、次は書類選考や面接に向けての準備にシフトしても大丈夫です。
一度回答したら戻れない
ペーパーテストを除きWebでおこなわれる適性試験のほとんどは、一度回答し次の問題に進むと、もう二度とその問題に戻ることはできません。つまり「後で考えよう」などと回答を後回しにすることができないのです。
問題が出た時点で即座に考えすぐに回答することはもちろんですが、わからない問題や時間がかかりそうな問題が出題されたときにどう対応するか、その策を考えるのも対策時にやるべきことの1つです。
回答の正誤で難易度が変動していく
特にSPIがそうですが、適性試験の中には、回答する問題が事前にすべて決まっているわけではなく、1つ前の回答の正誤によって変わっていくものがあります。
回答の流れの例
- 1つ前の回答が正解の場合
⇒2問目:難易度の高い問題が出題される - 1つ前の回答が不正解の場合
⇒2問目:同レベルもしくはそれ以下の難易度の問題が出題される
前の問題より難しくなったと感じられればそれは順調に正解を重ねられているということ。逆に簡単になった場合はより緊張感を持って問題に取り組んでいく必要がありそうですね。
この手順で進めよう! 適性試験の対策3ステップ
適性試験の対策3ステップ
- 志望企業や業界の出題形式を把握する
- 問題集を1冊完璧にする
- 模試を積極的に受ける
いざ適性試験対策をしようとしても、たとえば闇雲に問題集を大量に購入したりするのは効率があまりよくありません。むしろ、場合によってはせっかくの対策がまったく意味をなさないものになってしまうこともあるのです。
効率よく、かつ適切な対策をするためには、正しい手順を踏む必要があります。まずは適性試験対策の正しい手順を知るところから始めましょう。
ステップ①志望企業や業界の出題形式を把握する
まずは、志望企業や志望業界がどの適性試験を採用しているのかを調べましょう。たとえばCABを課す企業を受けるのにSPIの対策をしても、当然ですが意味がありません。
しかし、自社がどの適性試験を採用しているかを開示している企業はほぼありません。就活生の口コミサイトを見てみるなどしてみましょう。
またWebテスティングの場合は、適性試験のURLで種類を見分けることも可能です。
URLの見分け方の例
- SPI
⇒http://arorua.net/ - 玉手箱・CAB
⇒https://web1.e-exams.jp/
https://tsvs1.e-exams2.jp/
https://nsvs1.e-exams4.jp/
※数字が変わる場合もあり - GAB
⇒http://assessment.c-personal.com/ - CUBIC
⇒https://web-cubic.jp/ - TG-WEB
⇒http://assessment.c-personal.com/ - TAL
⇒http://www.tal-sa.jp - GPS
⇒https://www.gps-cbt.com/
ステップ②問題集を1冊完璧にする
徹底的に対策をしようと、数多くの問題に着手しようと考える人もいるかもしれませんが、適性試験の対策時は1冊の問題集だけにとことん取り組むことがおすすめです。
適性試験では、問題の解き方にある程度パターンがあります。「できるだけたくさんの問題に触れておく」というよりは「解き方のパターンを覚える」ことに注力するべきです。そうであれば、何冊も問題集に励むより、1冊の問題集に集中し、そこからパターンを読み解き覚えるのがもっとも効率が良いといえます。
- 1冊目を完璧にできたので、次は2冊目の問題集を使いたいのですが、この際はどのような問題集を選びどのように勉強をすると良いでしょうか?
同じ出版社で、実戦形式の問題集がおすすめ
2冊目は、1冊目と同じ出版社が出している実践形式の問題集などを選びましょう。
また1冊目の場合は、答えから読み問題の骨子を理解する勉強法もありですが、2冊目はそうではなく、苦手部分の補強を前提にして、問題を解くことから取り組むといいでしょう。
異なる出版社の問題集を購入すると、書式はもちろん解説内容が異なる場合があり、新しい知識を覚えないといけないという不安が湧く恐れがあります。
そのため、1冊目と同じ出版社の書籍で問題数が多いものなどを選んで、問題を解いてから解答を見ることを繰り返しましょう。
ステップ③模試を積極的に受ける
問題そのものに慣れ、解けるようになってきたら、最終ステップとして模試を受けてみましょう。過去に、テスト勉強をどれだけがんばっても本番になると緊張して本来の力が出せなかったという経験をしたことがある人もいるはずです。
適性試験も同じことです。特に問題集で勉強していても、本番はPCを使ってWebで回答するという人も多いはず。勝手が違うことに緊張し、それが原因で点数を伸ばせないのはもったいないことです。
本番の緊張感ややり方をつかむために、問題に慣れたら次は積極的に模試を受けるようにしましょう。インターネット上に模擬的に試験を受けられるサイトがあるためそちらを利用するのがおすすめです。
インターネット上で適性試験の模擬試験を受けられるサイト
適性検査は独特な試験なので、慣れが成績に大きく影響するものです。最低でも一度は模試を受検しましょう。一度受けてみて、まだ練習が必要だと思えば追加で受検してみるとよいでしょう。
適切な受検回数は人によって異なります。何度も受けられるものなので、自分が安心できるまで受けてみるのが良いですね。
できる人はやっている!? 適性試験対策のコツ
適性試験対策のコツ
- 間違った問題を何度も解く
- 高頻度で出題されるものから優先して解く
- 時間を計りながら解く
適性試験対策では、効率よく勉強を進めるためにぜひ実践してほしいコツがあります。このコツを実際におこなっているかどうかで試験結果が大きく変わることも。勉強をする際はぜひ取り入れてみてください。
間違った問題を何度も解く
理想的な勉強方法
- 問題集を1周する
- ①で間違った問題だけを解き直す
- ②を繰り返す
先ほど、問題集を1冊完璧にしようと解説しましたが、問題集1冊をひたすらループしていればいいというわけでもありません。一度問題集を一通り解き終わったら、次は間違った問題だけを解き直すようにしましょう。
正解した問題は「解き方がわかっている」ということ。それを何度も解いていてはあまり効率が良くないですよね。間違った問題を何度も解くことで、効率的に苦手をつぶし問題集を1冊完璧にすることができます。
ただし、このときは「回答を覚えない」ように気をつけましょう。何度も解いていくと、問題文もその問題の回答そのものも覚えてしまうもの。しかし本番で同じ問題が出るわけではないため、回答を覚えるのは正しい知識の習得とは言えません。あくまで解き方を覚えるのだということを念頭に置いて学習を進めましょう。
おすすめの問題集やアプリはこちらの記事で紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください。
関連記事
Web適性検査の練習でおすすめのサイト7選|本やアプリも紹介
Web適性検査のおすすめの練習方法を紹介しています。参考書・サイト・アプリごとに解説していますので、自分に合った勉強方法を選んでみてください。練習時に意識できるコツも能力検査・性格検査ともに紹介しています。
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高頻度で出題されるものから優先して解く
特にSPIでは、受検形式によって出題される問題の傾向が変わります。
SPIの受検形式による出題傾向の違い
- テストセンター:割合、代金の清算、資料の読み取り問題が頻出
- Webテスティング:割合、整数の推測が頻出
またどの適性試験でも共通して出題される分野というのがあります。たとえばSPI3でも玉手箱でも、言語分野では長文読解がつきものです。こういった必ず高頻度で出題されるものを完璧に対策しておけば、落とす問題も必然的に減るため、その分試験全体の点数も上がります。
基本的には、頻出の問題には「よく出る問題」などと参考書で案内されていることが多くあります。
参考書でされていない場合は、「〇〇(適性試験名) 頻出問題」などのキーワードでネット上で検索しましょう。
よく出る問題を徹底的に対策しておけば、得点も上がりやすくなります。
時間を計りながら解く
適性試験で多くの学生を困らせるのが制限時間。特に玉手箱は問題数に対し制限時間がかなり短く、受検者をいつも悩ませています。
そのため、対策時から常に時間を意識して勉強に取り組むことが必要不可欠です。実際の制限時間にタイマーをセッティングして問題に挑んでみましょう。
とはいえ勉強し始めの頃から時間制限を設けるのはあまり意味がありません。正答率が上がってきたり、「時間をかければ解ける」という状態になってきたころに時間の縛りを設けるようにしましょう。
併せて、「10秒悩んで答えがわからなければ飛ばす」などというように、試験時間を問題数で割るなどして、「かけられる最大の秒数」「わからなかったときの対応方法」もここで考えておけるとさらに良いですね。この秒数や対応方法については、このあと詳しく解説します。
SPIの時間配分を確認したい人ははこちらの記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
関連記事
SPIの解答時間を受検方式別に解説! 時間切れを防ぐコツ10選も
SPIの所要時間がわからない人やSPIを時間内に解けないなど、SPIの時間に関する悩みを持つ人向けに、キャリアコンサルタントとSPIの時間の特徴やスピーディーに解くコツを解説します。記事を参考に、SPIをマスターしましょう。
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アドバイザーコメント
田邉 健
プロフィールを見る「間違った問題を何度も解く」は必ず実践しよう
適性試験の対策をして不安になると、新しい問題集を勉強したくなるのではないでしょうか。しかし、適性試験対策で最も大切なことは、基本的な問題を100%解けるようになること。そのためには新しい問題を解くのではなく、間違った問題を何度も解くことが重要です。
周りの学生と差をつけることを意識すると、対策する問題の量を意識したり、難しい問題を解いたり対策したりすることが大切だと思いますよね。しかし、基本的な問題に回答できないとマイナス評価になってしまう可能性もあります。
緊張感がある場面でも、基本的な問題を落とさないためには、問題集を何度も見直すことがもっとも良い対策方法なのです。
基本を完璧にすることは社会人になっても求められる
また、基本的なことを完璧にこなすことは、入社した後の仕事でもまったく同じです。どんなにハードルが高い仕事をこなすスキルがあっても、挨拶やメールの返信ができない人材は印象が悪いですよね。
適性検査の勉強を通じて社会人に必要なスキルがあるか企業が判断していると捉え、基本的な問題をすべて解けるように対策しましょう。
今からできる! 適性試験・言語の勉強方法
適性試験・言語の勉強方法
- 日常的に正しい言葉遣いを意識する
- 本や新聞を読む
- 長文は設問から見る癖をつける
ではここからは適性試験の実際の勉強方法を紹介していきます。
まずは言語分野です。言語分野は基礎中の基礎となるような知識の有無が高得点のカギを握ります。勉強方法も難しいものではなく、誰でも簡単にできるものなので、ぜひ実践してみてください。
日常的に正しい言葉遣いを意識する
言語分野で出される問題には語句や語彙、熟語などがありますが、これらは難しい専門知識ではなく、誰でも簡単に習得することができます。問題集を解いて覚えることはもちろんですが、それ以外にも日常生活の中からも知識の会得はできるのです。
誤って使われがちな言葉の例
- 例①確信犯
◎:悪いことではないと確信したうえでなされる犯罪
×:悪いことだとわかっていながらする犯罪 - 例②役不足
×:リーダーなんて私には役不足だよ、できないよ
⇒役不足とは「役が不足している」、つまり「能力に対して役目が足りない」ということ。つまり「私にはこの役割は軽すぎて不満」という意味になる
正しくは「力不足」
日常生活で、本来の意味とは違った意味で単語を使っている人は多くいるはずです。また助詞や助動詞など細かな言葉遣いを誤っているという人もいるのではないでしょうか。
こういった誤りの訂正と正しい言葉遣いの習得は日常会話からも可能です。普段何気なく使っている言葉について、一度見直しをしてみても良いかもしれませんね。
日常的に気になる言葉を調べてみることで、語句の語彙、二語の関係性、反意語など言葉の意味を問われる問題に対しての対応力が身につきます。
無理に探して調べるのではなく、自分が知らない言葉が出てきたら、その言葉の意味や類義語などをコトバンクなどで調べてみるのも対策になりますよ。
本や新聞を読む
多くの人に読まれる本や新聞は、言葉の使い方や文法について厳しいチェックのうえで世に出ています。また本や新聞で初めて知る言葉や表現というのもきっとあるはず。適性試験の前は積極的に本や新聞を読むなどして、正しい語彙力を手に入れましょう。
また特に本を読むことはそれそのものが長文読解の対策にもつながります。本をあまり読まないという人にとっては突然の活字や長文にたじろぐこともあるでしょう。活字に慣れ、一定のスピードで文章を読む訓練となります。
読む際は章やブロックごとに、著者や登場人物の気持ちや訴えを考えるようにしてみるとより理解が深まります。
適性試験では専門的な言葉を問うような問題は出ないので、専門書や経済新聞を読む必要はありません。一般的なビジネス書などで大丈夫です。
文脈から意味を読み取りにくい言葉が出てきたら、読み流さずにその都度辞書やWeb検索で言葉の意味を調べて、さらに類義語などもチェックしておくとより良いでしょう。
長文は設問から見る癖を付ける
適性試験は時間との戦いです。長文をすべて読んでから問題文を読み回答していると、回答前に時間が過ぎてしまうこともよくあるもの。時間を効率よく使うためには、先に設問から読むことがポイントです。
先に設問を読むことで、まずは長文の概要が理解できます。そして文章を読みながら、設問に該当する箇所があればそこで一旦読むのをやめ、1問回答することができますよね。
問題として長文が出題されれば、どうしてもまずはその文章を読んでしまうのが普通です。しかしその概念を一度消し、対策時から長文読解では設問から読む癖をつけておきましょう。
アドバイザーコメント
田邉 健
プロフィールを見る日記やブログなどのアウトプットもおすすめ
紹介されている方法も有効ですが、本や新聞をただ読むだけで正しい言語知識が学べるか不安な就活生もいるのではないでしょうか。たしかに英文のリーディングができても、ライティングやスピーキングができない人もいますよね。やはり知識として定着させるためには、アウトプットをすることで学びやすくなります。
そのため、日記などに学んだことをアウトプットすることがおすすめです。また、ブログであれば他者から見られているという意識が働き、自分の言語表現が間違っていないか自発的に調べるようになりますよね。就活以外でも自分が正しい言語表現を学ぶきっかけをつくれるため、勉強方法として非常におすすめです。
勉強の際に新たな視点を持てることも
また、アウトプットを前提にすることで、本や新聞を読む時に「自分が文章を書くときに参考にできる表現はないか」と目的を持つことができますよね。すると、本や新聞から情報収集をする精度を上げることもできます。
短文のブログであっても学ぶ効果は十分あるため、自分ができるペースでアウトプットを実践してみましょう。
今からできる! 適性試験・非言語の勉強方法
適性試験・非言語の勉強方法
- 解き方のパターンや公式を覚える
- 手を動かして図を書いてみる
次に、非言語の勉強方法を解説します。特に文系学生の場合、非言語、つまり算数や数学には苦手意識を持っている人も多いのではないでしょうか。
しかし、非言語のほうがロジカルに解ける問題になっており、対策をしてしまえば簡単に感じることもあります。効率よく正解を積み重ねていくための方法を解説します。
解き方のパターンや公式を覚える
計算式などは比較的簡単に答えられる問題であり、あまり時間をかけずに手早く回答していきたいところです。そしてこういった問題は基本的に解き方が決まっています。たとえば、以下の問題です。
例
- りんごが3つ、みかんが2つ、あわせていくつ?
小学校の頃に出たようなこの問題では、どのような式を立てるでしょうか。ほぼすべての人が足し算の式を立てるはずですが、これには「あわせて」という言葉がカギになっているのではないでしょうか。その言葉をみて、「○+△=」という公式に当てはめて答えを出しますよね。
適性試験の問題も同じことで、カギになる言葉や問題文の状況があります。たとえば割合を求める問題の場合。「●●は全体の〇%か」という問題であれば、●●を全体の数で割ることになります。
このように問題のパターンを覚え、パターンごとに公式にあてはめて答えを出せばいいのです。そうすることで、どんな問題が来ても簡単に答えることができます。
対策時は、「問題集の答えの暗記」ではなくパターンと公式を暗記することを心掛けましょう。
覚えておくべき公式
- 割引
・定価×(1-割引率)=割引価格 - 速さ・距離・時間
・速さ×時間=距離
・距離÷時間=速さ
・距離÷速さ=時間 - 損益算
・原価×(1+利益の割合)=定価や売価
・原価×利益の割合=利益
・定価×(1-割引率)=売価
パターンの見極めにテクニックはありません。練習問題を繰り返すことで問題になれ、徐々にコツがつかめてきます。似たような問題を多く解いてみることで、見極めるコツをつかんでいきましょう。
手を動かして図を書いてみる
問題文だけでわからないときは図解してみてください。手を動かして図を書くことでタイムロスになるのではと思う人もいるかもしれませんが、問題を解くカギとなる単語同士をどう組み合わせて解けばいいかがわかりやすくなるので、理解が促進され、回答が思い浮かぶことがあります。少し時間をかけて図を書いてみることが結果的に時間短縮につながるのです。
特に手を動かすべきなのは非言語分野の中の推論です。非言語の中で難易度が高いといわれているのが推論。特にSPI3で出題されるものです。与えられた情報を書き出し、順に並べ図式化するなどしてみる癖をつけましょう。
アドバイザーコメント
上原 正光
プロフィールを見る非言語はとにかく慣れ! 回数を重ねることで解けるようになる
非言語分野の対策は、慣れることにつきます。問題集で自分が苦手とする類いの問題の数をこなし、解説をよく読むことで理解を深めていきましょう。
練習の数がものをいいます。頭だけで考えていないで、積極的に図や絵を描くことで理解しやすくなりますよ。
数字もただ眺めているだけでなく、紙にきちんと書いて何か数値に関係性がないか、法則を当てはめられないか整理しましょう。
練習だからこそ頭だけでなく手も駆使して解いていこう
非言語が苦手な人は、紙に書くことをせず、頭だけで考えていることが多いものです。練習の段階では、紙と手と目と頭を駆使して問題に向き合ってみましょう。わからない問題は考え込むのではなくすぐ解説を確認することで、効率よく進めることができます。
ある程度練習を積んだら、早めに模擬試験を受検して力試しをしましょう。本番さながらの模擬試験を活用することで、隠れた苦手分野を明確にすることができます。そしてその苦手分野の対策を問題集でさらに続けていく、という繰り返しがもっとも効率的です。
就活は限られた時間でおこなわなければなりません。くれぐれも適性試験の対策だけに力をつぎ込みすぎないよう、効率的に問題に慣れることを忘れないでくださいね。
今からできる! 適性試験・その他の分野の勉強方法
適性試験・その他の分野の勉強方法
- 英語:TOEIC対策本に手を付けるのもあり
- 構造的把握力:専用問題集を解く
- 時事問題:ニュースに対する意見をもつ
最後に、言語・非言語分野以外の勉強方法を解説します。出題される頻度は少ないですが、だからこそ対策をしておけばライバルたちに点差をつけることができます。
特に時事問題については適性試験以外でも問われる可能性があるものなので、ぜひ実践してみてください。
英語:TOEIC対策本に手を付けるのもあり
SPI3でまれに出題される英語の問題ですが、その出題レベルは中学~大学受験レベルとされています。あまり難しくはないため、中高生の時と同様の勉強スタイルで単語やイディオムを頭に叩き込んでいくことが大切ですが、それに加えてTOEIC対策本に手を付けるのも効果的です。
SPI3とTOEICの問題が同じということではありませんが、どちらも問題内容がビジネスの場や普段の生活でよく使われる日常的なものになっており、傾向としては似通っています。TOEICの問題をやることで、問題の雰囲気はつかめるはずですよ。
SPI対策にもおすすめのTOEIC対策本
SPI3の英語分野については、こちらの記事で対策や回答方法を詳しく解説しています。併せてチェックしてくださいね。
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SPI英語は出題形式を押さえて効率よく学習する必要があります。この記事ではSPI英語の勉強法高得点を狙うために押さえておくポイントなどをキャリアコンサルタントが解説します。SPI英語の例題と回答も紹介しているので参考にしてください。
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TOEICの対策と並行でおこなう場合は、こちらの記事を参考に対策を進めていきましょう。
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TOEICのスコアは就職のためのマストアイテムとなりつつあります。この記事ではTOEICを取得するメリットや、就活で必要なレベル、それを目指すための勉強法、ガクチカなどで伝える方法などをキャリアコンサルタントが解説します。
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構造的把握力:専用問題集を解く
構造的把握力といわれても、具体的にどんな問題が出題されるかわからない人が多いのではないでしょうか。まずはSPI3の公式サイトで紹介されている問題を見てみましょう。
例:問題の構造が似ているものを選べ
- Sの蔵書の8割は文学書で、そのうちの3割が詩集である。詩集は蔵書全体の何割か。
- 共同経営者のTとUは3:2の出資額に応じて利益を分配している。Uの取り分は利益の何%か。
- ある日、庭の草むしりをするのに、兄は2m四方、弟は1m四方の広さを担当した。兄の仕事量は弟の仕事量の何倍か。
- 大学の3年生と4年生に家庭教師の経験の有無をたずねたところ、半数が「ある」と答え、4年生がその60%を占めた。家庭教師経験のある3年生は全体の何%か。
回答はアとエ。どちらも「全体に占めるある部分の割合が示され、さらにその中の部分集合が全体に占める割合を問われている」という文の構造になっています。このように、文章の構造や構成方法について問われるのが構造的把握力です。
一度見てわかると思いますが、これらは言語・非言語のように暗記をして臨むことはできません。加えてSPI3の中でもあまり出題されない分野なので、SPI3用の問題集では十分に対策をすることは難しいです。
構造的把握力を受検する際は、専用の問題集を使って勉強しましょう。文章のつながりに目を向けながら問題を読んでみてください。前後の文が理由付けになっているのか、順説なのか逆説なのか。この考え方は「熟語のなりたち」と似ているので、こう捉えると案外スラスラ解けるようになるかもしれません。
おすすめの対策本
時事問題:ニュースに対する意見をもつ
適性試験の中でも、時事問題が出題されることがあります。対策として日頃からニュースに目を通すことがまず欠かせません。ネットニュースでももちろん良いですが、テレビや新聞など幅広い媒体から情報を仕入れると良いですね。
ここで大切なのは、単に「ニュースを仕入れる」だけでなく、そのニュースから自分なりの考えや意見をもっておくことです。政治の施策、業界のトレンドなどに対して、自分はどう思い自分ならどうしたいか。このあたりを語れるようになっておくと、アンテナの高さだけでなく主体性などもアピールできます。
最近のニュースに関して面接で問われるケースもあります。詳しい対策やニュースの調べ方などはこちらの記事を参考にしましょう。
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例文10選|面接で最近のニュースを話すなら「自分の意見」が重要!
面接で最近のニュースを話すときには、自分の意見を持つことが大切です。最近のニュースについての回答方法や自分なりの意見を持つためのコツなどをキャリアコンサルタントが解説します。例文を交えて紹介するので、面接を突破する手掛かりにしてください。
記事を読む
- この「その他の分野」ってあまり出題されないんですよね? だったら勉強しなくても良いですか?
「その他の分野」も基本的な対策をしよう
たしかに「その他の分野」を採用している企業は少ない傾向があります。しかし、例年とは出題範囲が異なり「その他の分野」も出題する可能性もあるため、対策しておくことがおすすめです。
英語と構造的把握力、時事問題はすべて難易度が高くありません。しかし、TOEIC学習をしたことがない、ニュース情報を収集していない就活生にとっては回答するハードルが高い可能性もあります。
難易度が低いからこそ多くの就活生は高得点を取るため、対策をしないと全体点数で差をつけられてしまう可能性もありますよね。
難易度が低いため時間を割く必要はありませんが、簡単にでも対策しておくことがおすすめです。
高得点を目指そう! 能力検査の解答方法
能力検査の解答方法
- わからない問題はとりあえずで解く
- 1問につき1分を目安に解く
ここまで適性試験の対策について解説してきました。どのように勉強したら良いかはわかりましたね。回答時は今まで勉強してきたことをもとに答えれば良いのですが、さらに高得点を目指すための秘訣を解説します。
わからない問題はとりあえずで解く
回答した問題のうち間違えた問題の割合を誤謬率といいますが、どんな試験でも、誤謬率を測定している場合は間違えた問題が多ければ多いほど評価が下がります。しかし主な適性試験では誤謬率を測定していません。
四択問題であれば、正解の確率は1/4、間違いの確率は3/4です。誤謬率を測定している場合は、わからない問題に対しやみくもに回答することは誤謬率を上げる可能性が高くなるということなので、とりあえずで回答するのはおすすめしません。
しかし、基本的に適性試験では誤謬率を測定していないので、わからない問題は適当に回答してしまっても問題ありません。やみくもに回答しても正解する可能性が1/4の確率であるからです。
とりあえずで回答するという手段を持っておけば、わからない問題に時間を費やし過ぎることなく時間を有効に次の問題に進めます。
基本的に適性試験は短時間で多くの問題を解く必要があります。1分1問ペースで解く必要があるため、1分以上かけても解き方がわからない問題があればすぐに飛ばしてしまいましょう。1分かけてわからなければ2分かけてもわからないものですから。
1問につき1分を目安に解く
基本的には適性試験は1問当たり1分で解くことを目安にしましょう。制限時間を意識しておくと、わからない問題に時間を費やし過ぎて無回答で画面が切り替わったり、ほかの問題にかけられる時間がないということが防げます。
しかし、1問1分はあくまで目安であり適性試験によって変わります。伝えたように玉手箱では1問を10秒で解かなければなりません。自分が取り組む適性試験に応じて、先に1問当たりに掛けられる時間数を割り出しておくのが一番安全です。
アドバイザーコメント
隈本 稔
プロフィールを見る数問が明暗を分けることも。最新の注意を払って臨もう
適性試験の問題数によっては、数問の入力間違いが点数に響くことがあります。問題数が少なければ、もちろん正答率が下がってしまうので適性試験の通過が難しくなるでしょう。
適性試験の中には後戻りができるテストとできないテストがあります。説明のページで戻れるかどうかを必ず確認したうえで試験に臨みましょう。
後から戻って解答できるテストの場合は、入力ミスをしたらテスト画面内の「戻る」ボタンで戻って回答し直しましょう。問題数が進むほど戻りにくくなるので、入力間違いがあったらとりあえず選択して、その問題番号をメモしておくのがおすすめです。
誤謬率については事前に要確認!
制限時間があるテストの場合は、無回答で終わるのがもっとも良くありません。解く前に答えを仮で選択しておくなどの対策をしておきましょう。
ただし、適性試験でも誤謬率が点数に影響するテストもあります。その場合は、誤謬率が関係するという説明が受検前に必ずあるので、そういった試験ではわからない問題は無理に解かずにスキップしましょう。
性格検査の回答前にやっておきたい準備
性格検査の前にやっておきたい準備
- 自己分析をしておく
- 志望企業や職種への理解をしておく
- 精神状態を整えておく
ここまで能力検査の対策方法や回答方法について解説してきました。ここからは性格検査の対策方法と回答方法について解説します。
性格検査は、能力検査のような「正解を選ぶ」ための対策ではあまり意味がありません。何よりも重要なのは自分のことを素直に表現すること。ここからは、その方法をいくつか解説します。
自己分析をしておく
性格検査は自分がどんな人柄でどんな特徴があるのかを示していく検査です。そのためには自分で自分のことをきちんと理解している必要があります。試験前には必ず自己分析で自分のことを理解しておきましょう。
自己分析を少し難しく感じる人は、テンションやモチベーションが上下する瞬間にフォーカスして考えてみましょう。モチベーショングラフを作成すると便利です。
モチベーショングラフとは
自己分析の手法の1つで、これまでの自分自身の経験を振り返り、その当時のモチベーションの高低を時系列にグラフで表したもの
自分はどのようなタイミングでモチベーションが上がるのか、逆に下がるのか。ここを知っておくだけで、大まかな自分の性格はつかめるはずですよ。
適性試験で回答に一貫性がないと、自分をよく見せようとする傾向があると指摘されてしまいます。ある一貫した考え方で素直に回答をしていくことが必要です。自分がどんな性格で、何を大切にしているかは見つめ直しておきましょう。
効果的な自己分析方法が知りたい人はこちらの記事で紹介しています。ぜひ実践してみてください。
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自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説
自己分析は就活の明暗を分ける重要なポイント。自己分析をするメリットや自己分析のやり方、注意点などをキャリアコンサルタントが解説します。自分に合った自己分析方法を見つけて選考や企業選びに活かしましょう。
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志望企業や職種への理解をしておく
適性試験に明確な合否はありませんが、企業ごとには明確な合否というものは存在しています。性格検査においても、検査結果から導き出される人物像に対して「○○な人物は自社に合っている」という、企業ごとの何かしらの基準があるはずです。それに沿った人物から著しく逸脱している場合は、入社後のリスクを想定してお見送りになる可能性が高いです。
性格検査前には、事前に企業の求める人物像や社風を調べておき、それに沿った回答ができるようにしておきましょう。とはいえ「自分を偽って企業に寄せる」というわけではありません。「相手によってはできることもある」「視点を変えればそうともいえる」というように、マッチできるところはないか探してみてください。
- どうしても回答を企業に寄せてしまいそうです……。自分を偽らずに、求める人物像に沿わせる方法をもう少し教えてください。
迷った時には等身大としての自分を回答しよう
「採用されたい」という想いが強いと、つい企業が求める人物像に沿わせたくなりますよね。しかし、求人サイトには公開していない求める人物像の要件があるかもしれません。
自分を偽って回答をした結果、マイナス評価になると後悔してもしきれないですよね。そのため、大前提として自分を偽らずに回答することがポイントですよ。
実際に出題される例としては、「A:一人で旅行するのが好きだ」「B:皆で旅行するのが好きだ」などがあります。もしあなたがAで企業が求める人材がBの場合は、「どちらかと言えばA」と回答すると、やや企業に沿った回答になりますよね。自分を偽ってBと回答をすることは避けるようにしましょう。
精神状態を整えておく
性格検査は、明るくポジティブな気持ちのときに受けることをおすすめします。たとえばアルバイトで顧客からクレームがきたり、テストで赤点を取ったりするとどうしても落ち込んでしまいますよね。落ち込んだ状態では自分の見方も変わり、自分のことを卑下してしまう心境になってしまうかもしれません。
前向きなときと後ろ向きなときとでは、物事1つについても考え方は変わるもの。そして後ろ向きなときの思考はマイナスに婉曲してしまいがちで、正しい自分からは遠ざかってしまいます。できるだけポジティブな状態で試験当日に臨めるよう、精神状態を整えておきましょう。
前日は新しい問題に取り組んだりすると不安が増すので、最終チェック程度の簡単な振り返りにとどめましょう。また、意識的に休憩時間を作って、好きな動画を見たり音楽を聴いたりする時間を作るのも効果的です。
これだけは守りたい! 性格検査の回答方法
性格検査の回答方法
- 考える時間は数秒で答える
- 正解が決まっている問題は確実に押さえる
- 奇をてらった回答は控える
- 一貫性を意識する
- ポジティブな回答を心掛ける
性格検査の対策方法と併せて、実際に回答する際に意識すべきことについても解説します。ここを押さえていなければ検査結果が大きく変わってしまうことも。正しい自分を企業に示せなくなります。試験前に把握しておきましょう。
考える時間は数秒で答える
性格検査は、能力検査よりもかなり膨大な量の問題が出題されます。試験によっては300問を超えることも。すべてに回答するために、1問にかける時間は数秒程度にしておきましょう。
また、考える時間が長ければ長いほど「これって本当にそうだっけ?」と疑惑の念が浮かんでくる経験をしたことはありませんか。大概の場合、問題を見て一番に頭に浮かんできた回答が自分の素直な回答です。時間はかけずに手早く答えていきましょう。
正解が決まっている問題は確実に押さえる
問題の例
- これまでに一度も嘘をついたことはない
- プレッシャーに弱い
こういった問題はどちらも回答が「NO」と決まっています。こういった問題の回答を誤ってしまうと、性格が自社とマッチしているか以前に「嘘をつく人物」「自社に合わない人物」と判断されてしまう恐れがあります。
社会的に見て答えが決まっているような問題は、一般的に求められる回答をするように心掛けましょう。くれぐれもこういった問題を落としてしまわないよう気をつけてくださいね。
マイナスな印象があるキーワードが使われている質問は、正解が決まっている問題であることが多いです。紹介されている「嘘」はマイナス印象がありますよね。出題されるキーワードから判断しましょう。
奇をてらった回答は控える
学生の中には、適性試験でも企業側の印象に強く残りたいと考えて、奇をてらった回答をしようとする人もいるかもしれません。
もちろん、ありのままの自分の回答が「そうである」ならば、そこはあえて別の回答を選ぶ必要はありません。しかし、こういった奇抜な回答は「個性が強すぎる」「気難しそう」などと、逆にマイナスに働いてしまう可能性があることは押さえておきましょう。
性格検査は確かに学生の人柄などを見極める目的もありますが、学生を絞り込む役割もあります。適性試験は難しく考えず素直に回答し、強いアピールや意思表示はその後の面接でおこなうようにしましょう。
一貫性を意識する
たとえば「私は積極的な性格だ」に「はい」と答えたのにもかかわらず、「チームで役割を決める際はリーダーに立候補することが多い」という質問には「いいえ」と答えたとします。こうなると、その学生が実際はどんな人物なのかがわからなくなりますよね。
「嘘をついているのかな?」と疑われてしまう可能性があります。また信頼性のあるデータが取れないと、そもそも人柄を理解することすらできません。理解ができなければ、採用基準に合うか合わないかが判断できずにお見送りとなってしまう可能性があります。
自己分析で得た自分を軸にし、一貫性をもって回答するようにしましょう。
ポジティブな回答を心掛ける
性格適性検査の質問例
- ストレスがかかるとすぐ泣いてしまう
たとえば、上のような質問があったとしましょう。仮に実際の自分がこういった性格だったとしても、素直にYESと答えるのは避けた方が良いです。
正直に答えることはもちろん大切ですが、加えて適性試験ではあくまで評価をされているという前提があります。相手に過剰な心配を煽ってしまっては、評価はされないどころか選考に悪影響を及ぼす可能性も。前向きな気分で答えるようにしましょう。
そして自分の精神状態が良好なときは自ずとポジティブな回答ができるものです。だからこそ精神状態を整えておき、元気な時に試験を受けるようにするのがベストです。
性格診断テストでは、ポジティブな性格に見えるような選択肢を選ぶというのはテクニックとして重要です。
ただ、ライスケールという嘘を見抜く問題が散りばめられているのはもちろん、診断テストを通過しても面接で性格は見抜かれます。自己責任のうえで回答しましょう。
適性試験の替え玉受検は絶対NG!
替え玉受検
自分ではない人に受検を代行してもらうこと
特にWebで受検する場合、企業側からすると「実際に試験を受けている人」と「志望学生」が同一人物であるかを判断することは難しいです。それを利用して、自分ではない別の人に受検させ高得点を狙おうとする学生がまれにいますが、これは絶対にやめてください。
仮にそれで適性試験を突破できたとしても、試験結果から見える学生の能力や人柄と、その後に続く面接で対面した学生の能力や人柄には少なからず乖離があります。乖離があることで替え玉受検はばれるのです。
選考はすべてつながっています。そして適性試験の合格=内定獲得、ではありません。企業が見ているのは「自分」なので、自分を偽ることなく試験に臨みましょう。
- 先輩が替え玉受検で適性試験に合格していたのですが、実際本当にばれるんですか? ばれたとしてもそんなに危険なことなんですか?
替え玉受検による良い影響は何もない
適性試験で替え玉受験をしていたことがばれると、虚偽の申告をしたということですべての試験結果、選考結果が失格となります。たとえ内定が出ていたとしてもです。
最初に虚偽の申告をしないことを誓約したうえで、企業の選考に応募しています。そもそも、嘘の自分で飾り立てて内定をもらったとしても、それを抱えながら会社員生活を送るのは精神的にかなり負担がかかります。
危険も何も、嘘の自分を評価されて合格をもらったとしてもまったく嬉しくないのではないでしょうか。未来の自分のためにも、替え玉受検は絶対にやめてください。
適性試験を深く理解して選考を有利に進めよう
適性試験にはさまざまな種類があり、そして1つの試験の中にいくつかの分野があります。しかし、とるべき対策は似通っており、きちんと対策をすれば合格はそれほど難しいものではありません。
ここまで説明してきた対策方法と実際の回答方法を用いて、ぜひ選考突破、そして次の面接フェーズに進みましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Masamitsu Uehara〇会社員時代は人事部として3000人以上の学生と面談を実施。大学でも多くの学生のキャリア支援をおこなう。独立後は、就活生からシニア層までさまざまなキャリア相談に携わる
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/なべけんブログ運営者
Ken Tanabe〇新卒で大手人材会社へ入社し、人材コーディネーターや採用、育成などを担当。その後独立し、現在はカウンセリングや個人メディアによる情報発信など幅広くキャリア支援に携わる
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/性格応用心理士1級
Minoru Kumamoto〇就職・転職サイト「職りんく」運営者。これまで300名以上のキャリア相談を受けた実績。応募書類や採用面接の対策支援をする他、自己分析の考え方セミナーを実施
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