大学生のうちに取るべき資格21選! 最適な資格の見極め方も解説

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  • キャリアコンサルタント/就活塾「我究館」講師

    Hayato Yoshida〇東証一部上場の人材会社で入社2年半で支店長に抜擢。これまで3,000名以上のキャリアを支援。現在はベストセラー書籍「絶対内定」シリーズを監修する我究館でコーチとして従事

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  • キャリアコンサルタント/NC Harmony代表

    Eriko Arima〇大手人材紹介会社で約5年、転職者や若者、女性のキャリア支援を担当した。その後はIT企業の採用責任者を務め、現在は幅広い世代を対象にキャリアや就職活動の支援もおこなっている

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/コラボレーター代表

    Yukari Itaya〇未就学児から大学生、キャリア層まで多様な世代のキャリアを支援。大企業からベンチャー、起業・副業など、幅広いキャリアに対応。ユニークな生き方も提案するパーソナルコーチとして活躍

    プロフィール詳細

この記事のまとめ

  • 在学中の資格取得は就活の武器になる
  • 大学生のうちに取るべき21の資格を解説
  • 3つの基準で自分が活用できる資格を探そう

将来のために大学生のうちに資格を取りたいけれど、自分に向いている資格が何かわからないという人も多いのではないでしょうか。資格には就活で評価されやすいものや今後のキャリアで評価されるものなど、さまざまな種類があります。

資格は社会人になっても取得できますが、大学生のうちに取得することで今しか得られないメリットが4つもあるため、早く行動するに越したことはありません。

この記事では自分の進路で活かせる資格の探し方について、キャリアコンサルタントの吉田さん、有馬さん、板谷さんとともに解説します。この記事を通して、大学生のうちに取得したいと思える資格を見つけてくださいね。

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目次

学生のうちに取るべき資格は進路に合わせて的確に選ぶことが鍵

資格は手あたり次第取るのではなく、自分の進路に合ったものや就活に役立つものなどに厳選することで、時間を有効活用しながら本当に必要なものを取得できます。

記事前半では資格を取るメリットや、大学生のうちに取るべき資格を一覧で解説するため、まずは大学生が無理なく取得できる資格を見て、気になる資格をピックアップしてみてください。

記事後半では大学生のうちに取るべき資格を選ぶ基準について詳しく解説します。キャリアコンサルタントが就活で評価されやすい資格を厳選するため、資格を選ぶ基準と併せて見ることで、就活や就職後に役に立つような資格を自分で選べるようになりますよ。

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 (リーダーシップが強みの場合) 
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客観的な強みを作る! 大学生のうちに資格を取るべき理由4つ

大学生のうちに資格を取るべき理由4つ

  • 勉強時間を確保しやすいため
  • 就活で評価されやすいため
  • 応募する企業の選択肢が増えるため
  • 勉強が習慣になっていることで取り組みやすいため

大学や大学院は、社会人になる前の準備期間でもあるため、資格の取得など、在学中に将来を見すえた行動ができるかどうかが、その後の自分のキャリアや就活に大きく影響します。皆さんの周りにも、資格取得を目指して勉強を進めている人もいるのではないでしょうか。

単に資格を取るのみであれば就職後でも可能ですが、資格は就職後に目指すよりも大学生のうちに行動するほうがメリットが大きいです。早めに行動できるように、ぜひここで大学生ならではの資格を取るべき理由をチェックしてみてくださいね。

①勉強時間を確保しやすいため

授業やアルバイトで忙しい日々を送っている人も多いと思いますが、一般的に大学生は社会人と比較して自由時間を確保しやすいです。

アルバイトのシフトを調整したり、大学での空き時間を活用したりして勉強を進められるなど、毎日一定の勉強時間を作ることができ、時間的な余裕から難関資格も目指しやすいといえます

休日や空き時間を多く作るとつい勉強以外のことも進めてしまうという人もいると思いますが、何のために空き時間を増やしたか目的を見失わないことが大切です。

有馬 恵里子

プロフィール

資格の勉強をするなら隙間時間を活用すると良いです。

時間に余裕があると逆にだらけてしまうこともありますが、電車に乗っている時間や次の予定までの空き時間など終わりが明確にあると短時間で集中して取り組むことができます。

②就活で評価されやすいため

大学生のうちに資格を取るべき最大の理由は、資格が就活で評価されやすい点といえます。資格一覧でも解説しますが、たとえば秘書検定や日商簿記などの資格は大学生のうちに取得しておくことで、一定のビジネスマナーや実務的なスキルが身に付いていると判断されます。

即戦力とまではいかずとも、就職後に役立つ基礎知識があることが客観的に証明されるため、資格の保有は書類選考や面接でプラス評価になりやすいです

一方で、ジャンルを問わず簡単に取れる資格ばかりが複数書かれた履歴書では、面接官は「この学生は一体何を目指しているんだろう?」と、評価するポイントがわからなくなってしまいます。そのため資格は数にこだわらず、本当に自分に役立つものを厳選するべきです。

面接で「なぜこの資格を取得しようと思ったのですか?」という質問には、どのように答えたら良いでしょうか?

板谷 侑香里

プロフィール

資格の持つ特徴をどう活かしたいかを取得理由として述べよう

資格の種類にもよりますが、汎用性の高い秘書検定であれば職場での望ましい態度や表現について体系的に学ぶことができ、TOEICであれば海外の人とのコミュニケーションに役立てることができます。

こうした資格が役立てられるポイントをもとに取得した意図を伝えてみましょう。ほかにも、専門性の高い資格なのであれば「自分の専門性を高め、将来のキャリアに役立てたい」などと伝えることができるのではないでしょうか。

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③応募する企業の選択肢が増えるため

資格は客観的な評価であるため、一つ取得すれば多数の企業から評価されます。たとえば危険物取扱者の資格は製薬会社や設備管理会社、発電所など業界問わずさまざまな場所で活躍でき、手に職をつけやすい資格の一つです。

就職時点から数多くの業種で活用できる資格があることで、昇進や昇給にもつながりやすかったり、一つの企業に縛られず別の業種や業界に転職しやすくなったりもするため、働き方の選択肢の幅が広がるといえます。

また進路が決まっていない場合でも、興味を持った資格を一つ取得することで、資格を活かした働き方を目指しやすくなります。現在日本には1,000以上の資格があるため、自分の知らない資格にふれて興味を持つことも、進路の選択肢を広げる方法です。

自分が何を目指せば良いかまだ明確でない人は、ぜひ記事中盤の大学生のうちに取るべき資格一覧を見て、気になるものがないか探してみてくださいね。

④勉強が習慣になっていることで取り組みやすいため

大学で日々勉強している皆さんは、社会人と比較して勉強することが習慣化されているといえます。そのため新たな勉強も毎日のスケジュールに組み込みやすく、ストレスなく続けやすいことが大学生のうちに資格を取るべき理由の一つです

社会人になっても日々勉強は求められますが、仕事で疲れていたり、忙しかったりするとまとまった勉強時間を確保しにくく、学生のころのように机に向かう時間が少なくなることが予想されます。

特に入社して1年ほどは仕事についていくことが精一杯になるため、ある程度の時間の融通が利く大学生のうちに資格を目指すことで時間を有効活用できます。

ただ資格は形として残るため、つい学校の勉強よりも資格の勉強に夢中になってしまうことがあるかもしれません。しかし大学生である以上、勉強は学校で学ぶことに一番時間を使うべきです。大学の勉強をおろそかにしない範囲で資格の取得を目指しましょう。

まずは一覧で確認しよう! 大学生のうちに取るべき資格21選

大学生のうちに取るべき資格21選

大学生のうちに取るべき資格の特徴は、就活で評価されやすいことや今後のキャリアに役立つことが挙げられます。

前述の通り、やみくもに資格を取得しても就活で強みとして活かせるとは限らないため、自分の将来と資格の特徴をしっかり理解したうえで選ぶことが重要です。

今回は大学生のうちに取ることで今後役に立ちやすい21の資格を解説するため、自分の進路に合った資格や興味が湧くような資格がないか探してみてくださいね。

汎用性が高く評価されやすい大学生のうちに取るべき資格7選

この記事における汎用性の高い資格とは、業種を問わず多くの企業で求められているものを指します。

特にビジネスマナーや一般知識を問うものは就活でも評価されやすいため、まだ明確な進路が決まっていないけれど、とりあえず資格を取っておきたいという人におすすめです。

手軽に取得できて、かつ今後役立つ資格を探している人はぜひ参考にしてみてください。

就職に有利な資格から選びたい人は、業界や状況別で33の資格を一覧で確認できる以下の記事もおすすめです。就活で資格が役立つケースや面接で効果的にアピールする方法も解説しているため、まだ取りたい資格が決まっていない人はぜひ参考にしてみてください。

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 (リーダーシップが強みの場合) 
私はリーダーシップを発揮できる人材です。学生時代にサークル長として運営に携わった際に、リーダーシップを養うことができました。サークル長を務めていたフットボールサークルでは、練習場所や時間が取れないことや、連携を取り切れていないことが問題でした。そこで、大学生側に掛け合い週に2回の練習場所を確保し、時間を決め活動するようにメンバーに声掛けを行いました。さらに週末明けに今週の活動の詳細をメンバーに配信することで連携強化に努めた結果、サークル加入率を前年度の3倍まで伸ばすことができました。問題にしっかりと焦点を当て、迅速に対応していき、周りを良い意味で巻き込んでいくリーダーシップを御社でも活かしていきたいと考えております。

①TOEIC

TOEICの基礎情報

TOEICは英語関連の試験で知名度が高く、多くの大学生が挑戦する資格です。ほかの資格のように2級や3級といった分類はなくスコア式であり、履歴書に書くには600点以上のスコアがあると評価されやすいといわれています。

TOEICで600点を取得するためには5,000以上の単語力と、中学生レベルの文法力を身に付けることが求められ、これは大学受験の英語力と同等レベルです

また、外資系企業のような日常会話程度の英語を用いる企業の内定を目指す場合は、TOEICで750点以上の高スコアを取得できると評価されやすくなります。

また目安の勉強時間は、現在身に付いている英語力により大きく異なります。試験は月に1度おこなわれるため、自分の今の英語力を把握するためにも積極的に受検してみましょう。

吉田 隼人

プロフィール

個人的にIELTSなどはおすすめです。特に社会人になってから留学に行きたい人や、海外大学院などの選択肢を検討している人はIELTSのスコアが必須になることも多いため、ぜひ早い段階から準備しておくと良いでしょう。

英語系の資格取得により、グローバル企業や外資系企業など、海外と少しでも接点がある企業で役立ったりアピールにつなげることができます。

TOEICについて興味のある人は、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。履歴書に書けるTOEICの最低点や、就活で評価される点数に届くための勉強法について詳しく解説しています。

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英語を用いる仕事はとても多く、一見英語が必要ないと思われる業界でも英語力があることでプラス評価になったり、内定後に重要なポジションに就いたりといったメリットがあります。英語が就活に及ぼす影響や、英語を使う職種についてを詳しく知りたい人はこちらの記事もおすすめです。

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②日商簿記

日商簿記の基礎情報

  • 主催団体:日本商工会議所
  • 試験日:年に3回
  • 受験費用:5,500円(2級)
  • 合格率:22.9%(2級・試験日2024年6月9日)
  • 目安勉強時間:約350~500時間

日商簿記(日本商工会議所および各地商工会議所主催簿記検定試験)は、経理や財務に携わる仕事で活躍する資格です。

日商簿記では損益計算書や貸借対照表に関する知識を示せるため、会計関連の部署でキャリアアップを目指す際に活かせます

事務関連以外でもコスト計算をする業務全般に使えたり、一般知識としての教養の幅が広がったりするなど、仕事において取得するメリットが大きい資格の一つです。

簿記には日商簿記のほか高校生向けの「全商簿記」や経理・会計の専門学生向けの「全経簿記」がありますが、一般的な大学生が取得しやすいものは日商簿記で、就活で評価されやすいのは日商簿記の2級からとされています。

合格率は高くないですが、試験は年に3回あり何度も挑戦できるため、十分な勉強時間を確保して合格を目指しましょう。

まだ事務系の仕事に就くかどうかは決まっていないのですが、別の職種でも日商簿記の資格は役立つでしょうか?

有馬 恵里子

プロフィール

営業職や管理職などでも日商簿記の知識は役立てられる

日商簿記の資格の活用場面は広いです。たとえば営業職に就いた場合、顧客の財務状況を理解し、提案につなげることができます。また将来管理職になった際には、自社の経営指標を用いて予算策定やその管理をするうえで役立つはずです。

日商簿記を学ぶことで論理的思考や数値管理のスキルも身に付くため、就活の場面では視座の高い印象を与えることができます。

もっと言うと、もし起業を視野に入れているとしたら自分の事業の収支状況を把握するために経理の知識が必要であり、ほかにも、プライベートでの家計管理もスムーズにおこなうことができるのです。

このように日商簿記は、ビジネスでも日常生活でも広く使える汎用的な知識が得られるといえます。

経理・会計関連の仕事をしたいのであれば、日商簿記の2級や1級は積極的に目指すべき資格ですが、そのほかにも経理の仕事に役立つ資格はいくつもあります。経理の仕事をしたい人は、経理の仕事内容や必要なスキル・資格が解説されているこちらの記事もおすすめです。

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③マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)

マイクロソフトオフィススペシャリストの基礎情報

WordやExcelでおなじみのマイクロソフトオフィスは、学校で使ったことがあるという人も多いでしょう。マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)はマイクロソフトオフィスの製品の知識と操作スキルを評価する資格です。

マイクロソフトオフィスは多くの企業で導入されているソフトであるため、これらのソフトの知識があることが客観的にわかるMOSは、就活でも評価されやすい資格といえます

試験は全国30前後の会場でおこなわれる「全国一斉試験」が月に1回と、全国1,500の会場でおこなわれる「随時試験」の2種類がありますが、いずれも金額は変わりません。

試験科目はWordやExcel、PowerPointなどに分かれていて、WordやExcelには上級レベル(エキスパート)の難易度もあります。大学生の場合はすべての試験で受験料から2,000円引きの学割が適用されるため、価格の点でも大学生のうちに取るべき資格の一つとも言えるのです。

まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください

就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。

そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。

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④秘書検定

秘書検定の基礎情報

秘書検定は秘書に役立つ知識を問うものといったイメージがあるかもしれませんが、敬語の使い方や電話対応など、社会人に求められるマナーを身に付けられる資格であり、まさに大学生のうちに取るべき資格の一つです

秘書検定は人柄の育成を目指す資格で、表情や態度、振る舞いといった人柄の要素の表し方を試験問題としています。

準1級と1級では、筆記試験の合格後に面接試験で実際に態度や振る舞いを見られるため、準1級まで取得できれば、客観的に見ても社会人としてふさわしい人柄であることを証明できるのです。

また、準1級の合格率は42.5%、1級の合格率は34.4%と極端に合格率が低いわけではないため、大学生のうちでも十分に取得を目指すことができます。

秘書検定がより評価される職種を知りたい人は、こちらの記事もおすすめです。合格のコツのみでなく、秘書検定の保有をアピールする方法など、取得後の活用についても詳しく解説されています。

履歴書での秘書検定の書き方
秘書検定は何級から履歴書に書ける? 正しい書き方とアピールのコツ

秘書検定の就職への活かし方
秘書検定は就職に活かせる! 取得メリットやアピール方法を徹底解説

こちらのQ&Aでは秘書検定が就活で有利になるかキャリアコンサルタントが回答しているので併せて参考にしてみてください。

⑤普通自動車第一種免許

普通自動車第一種免許の基礎情報

  • 主催団体:各都道府県の公安委員会
  • 試験日:随時
  • 受験(教習)費用:約30万円
  • 合格率:76.8%(令和5年度)
  • 目安勉強時間:約14~16日(合宿の場合)

普通自動車第一種運転免許は、仕事とプライベートの両方で活用できる数少ない資格であり、大学生のうちに取るべき資格のなかでも優先的に選ぶべき資格といえます。

自動車免許は営業の外回りや顧客のもとへ訪問など、就職後にすぐ使う可能性のある資格です。そのため普通免許の取得を内定の条件としている会社は非常に多く、任せられる仕事の幅も広がります

取得にかかる費用が高額であるため簡単には申し込めませんが、ほかの資格と比較すると取得難易度は難しいものではありません。

通学の場合は1~2カ月、合宿の場合は最短で2週間程度で取得できます。免許の取得後に車を購入すれば通学や普段の移動もしやすくなるため、ぜひ在学中に挑戦してみてくださいね。

板谷 侑香里

プロフィール

車の運転は、U/Iターンでの就職や地方での通勤の際、必要不可欠です。また、物流関係、営業職、サービス業に就くうえでも業務のなかで車の運転が必要な場面は多いです。

大学生のうちに自動車運転免許を取得しておくことで、スムーズに業務に携わることができるようになります。

あなたが受けない方がいい職業を確認しよう!

職業選択においてやりたいことはもちろんですが、その中でも適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうため適職への理解が重要です。

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まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみよう!

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・楽しく働ける仕事がわからない人
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⑥ITパスポート試験

ITパスポート試験の基礎情報

  • 主催団体:情報処理推進機構
  • 試験日:週に1回~月に1回
  • 受験費用:7,500円
  • 合格率:51.0%(令和6年度)
  • 目安勉強時間:約150~200時間

ITパスポートとは、ITに関する基礎的な知識を証明するもので、社会人と大学生いずれでも取得しやすい国家資格です。

一見情報関連の職種のみで活用できそうな資格ですが、現在は顧客管理や製品管理などさまざまな業務がIT化されている企業が増えています。

直接ITに携わる仕事に就かなくても、ITパスポートを保有していれば、ITシステムを安全に使えることや基礎的なITリテラシーを学んでいることを証明することが可能です。そのため、営業職から事務職などさまざまな職種で評価されやすく、汎用性の高い資格といえます。

ITパスポートは数ある情報・ビジネス関連の国家資格のなかでも難易度が低めで、試験も頻繁に開催されていることから比較的取得しやすい資格です。IT関連の国家資格を取得したい人はぜひ取得を目指してみてください。

ITパスポートの具体的な活用方法が知りたい人は、こちらの記事もおすすめです。合格できる勉強方法や、ITパスポートと併せて取得したい資格について詳しく解説されています。

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ITパスポートで就職は有利になる? 必要性や活用方法を徹底解説

ITの基礎知識を身に付けられるITパスポートは、工夫次第で就活でアピールできる資格です。この記事ではITパスポートを就活で活かす方法や注意点を、キャリアコンサルタント監修により解説します。ITパスポートを自己PRでアピールする際の例文も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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ITパスポートで就職は有利になる? 必要性や活用方法を徹底解説

IT業界の種類やIT関連の仕事、本当に必要なIT資格については、こちらの記事で詳しく解説されています。IT技術を用いる仕事以外にも、ITを活用したコンサルタントやマーケティングの仕事などがわかるため、今後ITに携わって仕事をしたい人にはおすすめの記事です。

ITの仕事
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IT業界を徹底解剖! 押さえておきたい将来性やトレンドまで解説

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​​IT資格は取りまくるな! 本当に必要な資格を見極める方法も解説

⑦日経経済知力テスト

日経経済知力テストの基礎情報

日経経済知力テスト(日経TEST)は、社会人に求められる普遍的な経済・経営知識と、基礎知識を実践・活用するための知識や視野の広さなどを評価する資格です。

出題されるジャンルは日本経済についてや産業動向、一般的な会計知識といった経済を中心とする問題であり、就活において社会に関心があることをアピールしたい人には向いています。

スコア形式の採点であり、試験会場は全国約150カ所の専門学校やパソコン教室にて随時おこなわれるため、現時点で自分がどの程度の経済知識があるか確かめたい人にもおすすめです。

また1,000点満点のなかで全体の平均点は504点であるため、履歴書には550点以上のスコアを記載すると評価につながりやすいといえます。

板谷 侑香里

プロフィール

日経経済知力テストは経済的な知識と時事問題の理解力を客観的に示すことができます。

金融業界やコンサルティング業界、総合商社や専門商社で評価される可能性があるほか、一般企業の経営企画や専門分野で評価される可能性があります。

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手に職をつけやすい大学生のうちに取るべき資格6選

手に職をつけやすい資格とは、業務で活かせる専門知識を身に付けられ、その専門分野において安定したキャリアアップも狙える資格のことを指します。

手に職をつけて自分の市場価値を上げると、昇給や昇進を目指せるのみでなく、一つの企業に縛られず転職を有利に進めやすくなることがメリットの一つです。業種によってはスキルを身に付けることで、独立やフリーランスといった組織に属さない働き方も目指せます。

将来性があって安定した職業を目指したいという人は、以降の解説をぜひ参考にしてみてください。

有馬 恵里子

プロフィール

ITスキルの基礎を身に付けるために基本情報技術者試験もおすすめです。

この資格の難易度は少し高いですが、書籍や通信講座を使って独学で十分学べるため、IT人材が不足している現代でのアピールは非常に有効といえます。

手に職をつけやすい仕事をさらに知りたいという人は、76の仕事を紹介しているこちらの記事もおすすめです。プロがおすすめする手に職をつけられる仕事や、目指すうえでの注意点についても詳しく解説していて、まだ進路が決まっていない人にもおすすめの記事です。

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手に職がつく仕事76選! なりたい姿に合った選び方をプロが解説

手に職がつけられるさまざまな仕事の特徴やメリット、手に職をつける際の注意点などについて、キャリアコンサルタントとともに解説します。自分の「なりたい」にマッチする仕事で手に職をつけて理想的なキャリア形成を目指しましょう。

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手に職がつく仕事76選! なりたい姿に合った選び方をプロが解説

①販売士

販売士の基礎情報

  • 主催団体:日本商工会議所
  • 試験日:随時
  • 受験費用:6,600円
  • 合格率:55.6%(2級)
  • 目安勉強時間:約50~100時間

販売士とは、その名のとおり製品を販売する業務で活躍する資格で、接客に関する基礎知識や売り場・店舗を管理する能力まで幅広く出題されます。

デパートや専門店などの小売店では、入社後に資格取得を推奨されることもあり、販売員として就職したい人にとっては大学生のうちに取るべき資格の一つといえます

販売士2級では販売担当としての基本的な知識から、マーケティングに関する高度な専門知識があることが問われ、管理職への昇進条件にしている企業も少なくありません。3級は基礎知識になるため、履歴書には2級の取得から書くことがおすすめです。

②危険物取扱者

危険物取扱者の基礎情報

危険物取扱者」と聞くと、ガソリンスタンドを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。危険物とはガソリンや灯油のみでなく、硫黄やカリウムなど取り扱いに注意すべき化学物質全般が当てはまります。

そのためガソリンスタンドのみでなく、化学メーカーやビルメンテナンスの仕事などで重宝され、取得すれば幅広い業界・業種で活かせる国家資格です

危険物取扱者の資格は大きく分けて甲種・乙種・丙種の3種類、かつ乙種は1類から6類まで用意されていて、それぞれで取り扱える範囲が異なります。

これらのなかでも乙種は受験資格がないため、大学生のうちに取得を目指しやすいといえ、特にガソリンや灯油などの身近な可燃物を扱うための「乙種4類」は危険物取扱者の資格のなかでも幅広い企業で求められています。

どんな危険物を取り扱えるようになりたいか、まだ具体的に決まっていない人はまず、教材も豊富な乙種4類の取得を目指すことがおすすめです。

在学中に危険物取扱者の甲種取得を目指したいですが、甲種を持っていればどのような企業や業界で評価されやすいですか?

吉田 隼人

プロフィール

製造業界やエネルギー業界などで高く評価されやすい

危険物取扱者の甲種を取得していれば、化学メーカーや製造業、エネルギー系の企業からは評価されます。

甲種は1~6類のすべての危険物を取り扱え、甲種資格者を配置することが求められる業務もあるため、そのような業界からのニーズは非常に高いです。

一方で、危険物取扱者の甲種は難易度が高く、取得まで時間を必要とする資格でもあります。

社会人になって実際に業務に就いてからや、就職活動が終了した残りの学生生活でも取ろうと思えば取れるため、わざわざ就活のために取得するのはあまりタイムパフォーマンスが良いとは思いません。

取得したい場合は、本当に今のタイミングで資格取得が必要なのかを冷静に検討しましょう。

③衛生管理者

衛生管理者の基礎情報

  • 主催団体:安全衛生技術試験協会
  • 試験日:随時
  • 受験費用:8,800円
  • 合格率:46.0%(令和5年度)
  • 目安勉強時間:約100時間

衛生管理者とは、事業所の衛生や安全を管理する役割を指します。労働安全衛生法では、労働者が常時50人以上配属されている事業所に1人以上の衛生管理者が必須とされていて、市場価値の高い国家資格です。

衛生管理者には第一種と第二種があり、第一種では化学物質を取り扱う「有害業務」が含まれる業種の衛生管理をおこなえます。

有害業務とは

適切に管理がおこなわれないと労働者の健康に影響を及ぼす可能性のある業務であり、労働安全衛生法に定められているものを指す

第二種では有害業務が含まれる衛生管理はできず、一般的な職場の環境づくりによる業務が求められます。

汎用性の高い資格ですが受験資格があり、大学生の場合は「高等学校卒業+労働衛生の実務経験3年以上」が必要です

労働衛生の実務には事業所の清掃やデスク周りの整理整頓も含まれるため、在学中に衛生管理者を目指したい人は、これまでのアルバイトに当てはまる作業がなかったか確認してみてくださいね。

④医療事務(医療事務認定実務者Ⓡ)

医療事務(医療事務認定実務者Ⓡ)の基礎情報

医療事務は民間で複数種類の資格があり、いずれも取得難易度や活用方法が異なります。なかでも医療事務認定実務者Ⓡは難易度が低めで、医療事務に関する基礎知識を幅広く学べる内容であり、大学生からの人気も高い資格です。

医療事務への就職予定がなくても、医療事務認定実務者は医療保障や医療保険、マイナンバー制度といった医療全般で求められる知識を習得できるため、健診センターや健康保険組合、損害保険会社など幅広い業種で活かせます

合格率も高く毎月1回在宅で試験を受けられるため、勉強の頑張り次第では短期での資格取得が可能な点もメリットといえます。

吉田 隼人

プロフィール

医療系だと、医療事務技能審査試験、診療報酬請求事務能力認定試験、医療秘書技能検定などがあります。あくまで一例で多くの資格があるため、事前のリサーチを怠らないようにしましょう。

また、資格取得が目的であり、本来の就活対策がおろそかになっている学生も毎年見受けられます。資格取得はただの手段であるため、冷静に資格が必要かどうか見定めましょう。

⑤全国通訳案内士

全国通訳案内士の基礎情報

全国通訳案内士は、外国人観光客向けに日本各地をガイドする仕事に向いている資格で、語学試験では唯一の国家資格です。そのため外国語でコミュニケーションを取れることや、日本の知識を説明できる高い語学力が求められます。

対象言語は英語やフランス語、スペイン語など10言語であり、英語の場合は英検1級と同レベルであるほど難易度が高い資格となっています。そのため全国通訳案内士としてガイドの仕事をしなくても、保有しているだけで「高い英語力が備わっている」と評価される可能性が高いです

筆記試験はマークシート方式で全国の会場から受験可能ですが、二次試験である口述試験では東京・大阪近郊・福岡の会場に行く必要があり、受検のしやすさなどの点からも取得難易度が高い資格の一つといえます。

その分語学力を活かした進路に進みたいと考える大学生にとって、全国通訳案内士の資格は非常に強い武器となるはずです。

将来は英語を使う仕事がしたいです。TOEICと英検と通訳案内士では、どの資格から優先的に取得を目指せば良いですか?

有馬 恵里子

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3つの中で最も汎用性が高いのはTOEIC

どのような仕事を考えているかで優先順位は変わってきますが、選択肢を広げたいならまずはTOEICを取得することをおすすめします。TOEICの点数を採用基準や昇進基準にする企業は多く、一般的にも広く認知されています。

またTOEICは、英語を使う職種に限定せず、外資企業やグローバル展開をしている企業での幅広い職種にも汎用性がある資格の一つです。

一方で、英語をダイレクトに使う職種を目指す、または英語を教えたいなどという場合には、スピーキング力やライティング力も証明できる英検が良いと思います。

また、通訳や翻訳で使いたい場合には、より専門性と難易度が高い通訳案内士に挑戦すると良いでしょう。

⑥ウェブデザイン技能検定

リスト:ウェブデザイン技能検定の基礎情報

ウェブデザイン技能検定は、Webデザイナーを目指す人におすすめの国家資格です。学科試験ではインターネットとWebデザインの基礎的な知識、そして実技試験ではWebサイトを構築するための実務的なデザイン作業の知識が問われます

ウェブデザイン技能検定と相性の良い資格は、同じく国家資格であるITパスポート試験であり、両方を取得していると「IT知識に強くて現場で活躍できそうな学生」として、多くの企業から評価されやすくなります。

ウェブデザイン技能検定のレベルは3級から1級までありますが、2級以上は3級を取得するか、実務経験を積まなければ受験ができないため、大学生の場合はまず3級から挑戦してみましょう。

板谷 侑香里

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ウェブデザイン技能検定のほかに、Webデザイナーを目指す人におすすめの資格は以下の2つです。

・マルチメディア検定
Webデザインのスキルを体系的に学ぶことができます。

・CG-ARTS検定
コンピューターグラフィックス検定とも言い、画像処理、デザイン制作の基礎知識が求められる資格です。

Webデザイナーは人気職種の一つであり、将来的に自由な働き方を目指したい人にも向いています。以下の記事では、Webデザイナーの志望動機の書き方を解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

Webデザイナーの志望動機
例文6選|Webデザイナーの志望動機で適性アリと思わせる書き方

文系におすすめの大学生のうちに取るべき資格4選

文系におすすめの大学生のうちに取るべき資格4選

文学部や経済学など文系科目を専攻している人のなかには、理系科目が苦手でも取得しやすい資格を知りたいと思っている人もいるのではないでしょうか。

資格は継続して勉強することが求められるため、自分が無理なく勉強しやすい内容から選ぶことも、失敗しにくい資格の選び方といえます。

ここで解説する4つの資格は法令の知識がメインとなるものが多く、理数系が苦手な人でも学びやすい内容です。大学での専攻に問わず、文系科目が得意な人はぜひ参考にしてみてください。

吉田 隼人

プロフィール

基本的には、前述の「汎用性が高く評価されやすい大学生のうちに取るべき資格7選」に書かれている資格が在学中の文系でも取りやすい資格だと思います。

私自身は、在学中に個人的な興味から色彩検定2級とニュース時事能力検定2級を取得しました。履歴書には記載していましたが、面接で触れられたり、就活でアピールすることはありませんでした……。

①FP技能検定

FP技能検定の基礎情報

FP(ファイナンシャル・プランニング)技能士は金融や税金、不動産に関する幅広い知識を学べる国家資格で、お金に関するさまざま知識が身に付けられます。

保険会社をはじめとする多くの企業から評価されやすく、かつプライベートでも活用しやすい資格であり、社会人において非常に実用的な知識を得られます

親と世帯を分けたり自分の家族を持つようになったりなど、自分でお金の管理をするようになった際に役立つ知識を得ることができ、合格率の高さや試験回数、教材の豊富さなどの点においても、大学生から無理なく取得が目指せる資格といえます。

またFPは学科試験と実技試験の2種類に合格する必要がありますが、実技試験は3種類のなかから選べることが特徴です。いずれも合格すれば同じ「〇級ファイナンシャル・プランニング技能士」になるため、どの内容で申し込んでも問題はありません。

大学生の場合は、日常で使いやすいお金の知識が身に付く「日本FP協会」の資産設計提案業務がおすすめです。

有馬 恵里子

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FP技能検定の試験範囲は広いですが、日常生活で使える知識なのでイメージがしやすく、勉強も進めやすい資格です。

また、教材や講座も多数あることと、試験の回数も多いことから、勉強時間を確保すれば十分に取得を目指せます。

②宅地建物取引士

宅地建物取引士の基礎情報

国家資格のなかでも人気の高い宅地建物取引士(宅建士)は、おもに不動産を売買するための知識が身に付きます。

宅建士の資格には、その資格を保有する人のみが対応できる「独占業務」と呼ばれるものがあります。

不動産の購入や賃貸契約に際しては、契約者に対して重要事項を説明することが必要であり、この重要事項の説明は宅建士の独占業務であるため、不動産の売買や賃貸取引がある事業所では必ず宅建士の資格を持つ人材が必要になるのです。

一見業界が限られる資格に思えますが、不動産業界以外でも建築業界や金融業界で評価されやすいため、進路の選択肢を広げられるというメリットもあります

③行政書士

行政書士の基礎情報

  • 主催団体:日本行政書士会連合会
  • 試験日:1年に1回
  • 試験費用:10,400円
  • 合格率:13.98%(令和5年度)
  • 目安勉強時間:約600〜800時間

行政書士は行政への認可申請のサポートが仕事です。大学生にとってはなじみのない仕事ですが、依頼主の代わりに書類を作成して提出したり、書類に関する相談を受け付けたりといった業務を担当します。

独立開業を目指す人に人気のある資格ですが、行政書士の資格を保有していることで、法律に関する興味関心や知識があることをアピールするためにも役立ちます。そのため法務部や総務部といった法を用いることが多い部署への就職では評価されやすく、文系の学生と相性の良い資格とも言えるのです

ほかの資格と比較して少し取得難易度が高めですが、大学の勉強と並行しても1~2年程度の勉強で取得できるため、在学中に取りやすいこともメリットの一つです。

こちらの記事では行政書士の就職について解説しています。就職で活かせる強みやアピール方法をまとめているので参考にしてみてください。

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行政書士の就職先が少ないと耳にしたことがある人も多いはず。この記事では、行政書士の就職先が少ないと言われている理由を解説しつつ、行政書士の資格を活かしながら就職を成功させるコツをキャリアコンサルタントの知見を交えて紹介します。

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行政書士は就職に不利? 資格を活かして選考を突破する方法を解説
行政書士を目指したいと思いますが、大学生のうちに取得するメリットはあるでしょうか?

吉田 隼人

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取得するメリットはあるものの今必要かは慎重に判断しよう

行政書士のような独立系の資格は、就職や進路でどのように役に立つのか不安に思っている人もいるかと思います。

行政書士は、金融業界や不動産業界といった法律関連の知識が必須な業界では歓迎され、法務部を持つすべての業界全般でニーズがあるため、この資格を取得するメリットは十分にあるといえます。

一方で、上記のような業界や企業への就職において、行政書士の資格があることは十分条件であって絶対条件ではありません。

むしろ内定している学生で行政書士の資格を持っている学生などほとんどいないでしょう。行政書士は学生のうちでなくでも取得可能なため、本当に今必要かどうか、冷静に検討する必要があると思います。

④公認会計士

公認会計士の基礎情報

  • 主催団体:日本公認会計士協会
  • 試験日:1年に1回
  • 試験費用:19,500円
  • 合格率:7.4%(令和6年)目安勉強時間:3,000〜3,500時間

公認会計士は医師と弁護士に並ぶ国家3大資格ともいわれているほど高難度な試験で、大学生のうちに合格する人は少ないです。

合格には長期間の勉強が求められるため、無理に在学中の取得を目指すよりも、勉強の習慣がついている大学生のうちから対策を始めて、就職後の合格を目標にすることが現実的といえます

公認会計士は監査や会計のプロフェッショナルであり、取得すれば監査業務のコンサルティングなど専門知識を活かした仕事をおこなうことが可能です。世間のコンプライアンス意識の向上によって需要も上昇傾向にあり、将来性も期待できる資格といえます。

独立しやすい資格ですが、専門性が高い分、給与や待遇の良い会社に所属して働くこともできるため、高水準で安定した働き方を目指す人にもおすすめです。

吉田 隼人

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公認会計士は難易度が非常に高く、目安として3000時間程度の膨大な勉強時間が必要になります。仮に勉強しても資格が取得できないリスクもあるため、事前にしっかりと相談することが大事です。

予備校や資格スクールの人は、知識はありますが営業をかけてくる可能性も高く、利害関係のない両親や大学のキャリアセンター、先輩などに相談すると良いでしょう。

理系におすすめの大学生のうちに取るべき資格4選

理系科目は文系と比較して、より専門性の高い知識を学ぶことが特徴です。就活では即戦力よりも熱意や将来性を求められる傾向にありますが、理系の資格を保有していれば、より早く戦力となれることを示したり、業界への興味や熱意が強いことを伝えたりすることができます。

理系の資格にも短期間で取得できるものや専門性の高いものなどさまざまな種類がありますが、この記事では汎用性が高く、大学生が無理なく取得できる資格を解説します。

卒業後は自分の専攻する理系分野を活かせる環境で働きたいと考える人は、この4つの資格で興味のあるものがないかチェックしてみてください。

理系向けの資格をさらに知りたい人は、こちらの記事もおすすめです。理系学生が資格を取るべき理由やおすすめの理系の資格を28種類と豊富に解説しています。

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理系向けの資格28選|「就活で有利になるの?」企業の本音も大公開

①基本情報技術者試験

基本情報技術者試験の基礎情報

  • 主催団体:情報処理推進機構
  • 試験日:月に1回程度
  • 試験費用:7,500円
  • 合格率:47.1%(令和5年)
  • 目安勉強時間:約200時間

基本情報技術者試験(FE)は、ITパスポートと同じく情報処理推進機構が主催する国家資格です。「ITエンジニアの登竜門」ともいわれる基本情報技術者試験では、ITを活用したすべてのサービス・システムを作るための基礎知識が問われます。

基本情報技術者試験に合格することで、IT全般に関する基本的な知識と技術があることを証明でき、ITにかかわる企業全般で評価されやすい資格の一つです

IT関連の国家資格のなかでは比較的難易度は低く、先に基本情報技術者試験を所有することで、さらにレベルの高い理系向けの資格にも挑戦しやすくなります。まさに大学生のうちに取るべき資格といえるのです。

ほかにもIT関連の資格が知りたい人は、こちらの記事もおすすめです。IT関連の資格を15個解説していて、どの資格が自分に向いているか知るための方法まで詳しくわかる記事となっています。

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厳選15選|目指すべきIT資格の見つけ方から勉強方法まで徹底解説

有馬 恵里子

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ITは今の時代必要不可欠な技術であるため、この資格を持っていると、就活の場面でもITへの興味の強さを効果的にアピールすることができます。

ITエンジニアとしての職種に就かなかったとしても、社内SEとして活躍したり、社内でシステム導入したりする際にもこの資格の知識が活かせるはずです。

②応用情報技術者試験

応用情報技術者試験の基礎情報

  • 主催団体:情報処理推進機構
  • 試験日:1年に2回
  • 試験費用:7,500円
  • 合格率:23.6%(令和6年春)
  • 目安勉強時間:約500時間

応用情報技術者試験(AP)はその名のとおり、基本情報技術者試験の応用編です。

先で解説した基本情報技術者試験で求められているITの基礎知識は「上位者の指導のもとITを活用する」ための内容ですが、応用情報技術者試験では「独力で組織および社会の課題に対してITを活用できる」レベルの知識と技術が求められます。

基本情報技術者試験の合格後から約200~300時間の勉強が必要、かつ試験日は1年に春と秋の2回のみで、簡単に取得できる資格ではありません。しかし取得すればIT関連の企業からは「即戦力になる知識を持っている」と高く評価されやすいため、手に職をつけやすい資格ともいえます

板谷 侑香里

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システム開発に関するSIer企業で有利です。また、通信・インフラ関係や金融系のシステム部門、フィンテック企業や製造業などのメーカーのIT部門やシステム開発の分野においても評価されやすいといえます。

③HTML5プロフェッショナル認定試験

HTML5プロフェッショナル認定試験の基礎情報

  • 主催団体:LPI-Japan
  • 試験日:随時
  • 試験費用:16,500円
  • 合格率:非公開
  • 目安勉強時間:約40時間(レベル1)

HTML5プロフェッショナル認定試験は、JavaScriptやHTML、CSSなどのプログラミング言語のスキルを証明するための試験です。

そのため、アプリを作ったりWebサービスを運用したりといった「Web技術者」の仕事への就職を検討している人にとっては、この資格は大学生のうちに取るべきものといえます

難易度はレベル1とレベル2があり、レベル1はプログラミング言語を用いてWebコンテンツを作成できる基礎知識が試されます。レベル2はより高いユーザビリティを実現するアプリケーションを作成できるかが求められ、現役のエンジニア向けの難易度です。

将来Web業界に進みたいと考えたことのある人は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。Web業界とIT業界の違いや将来性、平均年収などの基礎情報のほか、職種ごとの特徴も解説していて、Web業界の良いところと悪いところがわかりやすい記事となっています。

④電気工事士

電気工事士の基礎情報

電気工事士とは、住宅や施設などの建物で安全に電気を使うための工事や管理業務に必要な資格です。

電力は暮らしに必要不可欠なものであり、電気を扱う仕事は建築やエネルギーなどインフラ業界で特に需要が高いため、理系向けの仕事のなかでも「手に職をつけたい」「社会貢献度の高い仕事がしたい」という人におすすめです

第二種では一般の住居や小規模な店舗による電気工事ができ、第一種では工場やビルなどの商業・工業施設での電気工事が可能になるため、仕事で活かしたい場合は学生のうちに第一種を目指すと就活で有利になります。

いずれの難易度も、電気に関する基礎知識や施工方法などの学科試験のほか、実際に電気や配線の工事を完成させる実技試験もあるため、実技が練習できる環境があればより目指しやすい資格です。

吉田 隼人

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電気工事士の資格は、基本的には電気業界や設備業界ではニーズが高く、評価される可能性が高いです。

また、製造業、通信業界、ビルメンテナンス業界などもニーズがあるため、電気工事士のニーズがある業界や企業をしっかりリサーチすることが必要でしょう。

キャリアコンサルタントが厳選! 就活で特に評価される資格を解説

記事前半では21個の資格を解説しましたが、一覧を見ても自分に合った資格がわからなかったという人もいるのではないでしょうか。

ここからはキャリアコンサルタントの有馬さんが、就活で特に評価されやすい資格を解説します。漠然と資格を取りたいと思っているけれど、特別取得したいものが決まっていないという人は、ぜひプロの意見を参考にしてみてください

アドバイザーコメント

取るべき資格に迷ったら社会人としての向上心が示せるものがおすすめ

難関資格であるほど就活の場面で目を引きますが、興味が持てない資格や専門的な資格に無理して挑戦するよりは、ベーシックでどの職種にも汎用性のあるTOEICやMOS、簿記などの資格を取得するのがおすすめです。

これらの資格は社会人の基礎ともいえる内容なので、社会に出るうえでの意識の高さや向学心をアピールできます。

また、難易度もそこまで高くないので、学びが自信につながり、資格取得を足掛かりにそのほかの資格や職種への興味も広がるはずです。

自分が「取りたい」資格であることも資格選びの大切なポイント

資格を選ぶうえでは「取るべき資格かどうか」ということだけではなく「取りたい資格かどうか」も考えましょう。周りにいくら必要だといわれた資格でも、まったく興味が持てない資格であればなかなか勉強のモチベーションを保つことが難しいのです。

プライベートでも、好きなものであれば自然ともっと知りたくなり、そのための時間を割けますよね。

資格の取得も同様に、自分の興味や価値観がベースとなるべきです。取りたいかどうかは、現時点での自分の興味と合わせて考えましょう。この先自分が目指すキャリアにつながるものかどうかという視点を持って判断することが大切です。

大学生のうちに取るべき資格を決める3つの基準

大学生のうちに取るべき資格を決める3つの基準

  • 就職したい業界で評価されやすいか
  • 取得難易度は無理のない程度か
  • 独立開業を目指しているか

気になる資格はいくつか見つかったでしょうか。実際に取得を目指すとなると、参考書を買ったり高難度のものは通信講座を利用したりなど、時間と費用をかけることになります。

そのため、気になったものにやみくもに挑戦するのではなく、いったんここで解説する3つの基準に適しているか確認してみてください。

興味のある資格ではあっても、選ぶべき基準から大幅に外れてしまうと、取得しても使い道がなかったり途中で諦めて勉強時間を浪費してしまったりなどのデメリットがあります。本当に自分の将来に役立つ資格を取得するために、目指す資格は慎重に決めましょう。

①就職したい業界で評価されやすいか

もし現時点で就職したい業界や職種が決まっているのであれば、「その業界で活用できる資格であるか」が取得すべき資格を選ぶ際の基準の一つとなります。

たとえばIT業界に進みたいのであればITパスポートや基本情報技術者試験、事務職を目指すのであれば日商簿記やMOSといった資格が就職後に活用しやすいです。

大学生のうちから就職後に使える資格を保有していれば、就活でも「この業界・業種に興味があるんだな」と面接官から評価されやすくなります

そのため資格から決めるのではなく、進路について深く考えてから資格を選ぶことが、本当に使える資格を選ぶためには重要になるのです。

自分のやりたいことや向いている仕事がいまいちわからないという人は、こちらの記事で打開できるかもしれません。やりたいことが見つからない理由や、自分のやりたい仕事を見つけやすくする方法について詳しく解説されています。

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②取得難易度は無理のない程度か

大学生は社会人よりも時間の融通が利きますが、それでも資格を優先して大学の勉強をおろそかにしては本末転倒です。

難しい資格であればその分勉強時間を確保する必要があるため、気になった資格がどの程度の勉強時間で取得できるものか目指す前に確認しておく必要があります

この記事で解説した21の資格のなかでも、特に取得難易度が高いものは全国通訳案内士と公認会計士です。この2種類は勉強時間も膨大になる可能性が高いため、「絶対にその道に進みたい」といった強い意志がなければ、別の資格を選ぶことをおすすめします。

今後の進路や自分の興味にマッチする資格を見つけたら、その資格の勉強時間や大学での単位の状況などを照らし合わせ、取得に向けた筋道を立てたうえで目指すかどうか判断しましょう。

板谷 侑香里

プロフィール

時間は有限です。TOEICなどの語学は英語の必修がある大学1年生、2年生のうちに大学の授業と連動して英語を学び習得することが効率的です。

IT関連の資格も、資格取得に関することが学べる大学の授業などもあるかもしれません。大学で試験対策の講座が開講されているケースもあります。専攻と親和性も考えながら取り組んでみましょう。

③独立開業を目指しているか

資格のなかには企業のなかで戦力になれる実務的な資格から、一人で独立開業することも可能な資格までさまざまな種類があります。この記事で解説した21の資格では、宅地建物取引士や行政書士、公認会計士が独立しやすい資格です。

将来独立を考えているのであれば、大学生のうちに独立したい業種の資格を選ぶことも基準の一つです。目指す業種から必要な資格を探してリストアップしてみてください。

しかし独立に必要な資格の取得は、社会人になってからでも遅くはありません。大学生のうちに取るべき資格としては、卒業後の就職先で使えるものから選ぶことで、直近の就活も有利に進められる可能性が高まります。

まずは就職してから考えることも失敗しない資格の選び方の一つであるため、現時点で独立について考えていない場合は、独立に向いている資格よりも、汎用性が高い資格や手に職をつけやすい資格の取得を目指しましょう

気になった資格があれば、就職したい業界や取得難易度と照らし合わせて今後活用できそうか考えてみてください。

独立のために資格を取っても後で意思が変わるかもしれません。それを想定して独立系資格以外を選ぶべきですか?

吉田 隼人

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独立しない可能性もある場合は汎用性の高い資格を目指そう

あなたのような、働いてみると意思が変わった、というケースは毎年非常に多く受けている相談の一つです。

多くの場合、やりたいことと得意なことは乖離しているため、就業経験のない学生が実際に仕事をしてみたら理想とのギャップに悩んでしまうことは多くあります。

今回の質問の場合、働いてみたら独立する気もなくなったという可能性もありそうです。そのような状況でももし資格取得を目指すのであれば、汎用性の高い資格が良いと思います。

独立だけでなく企業内でも重宝されるような資格を取れれば、転職などにも活用できます。資格は、あくまで選択肢を広げるためのツールだということを忘れないでおきましょう。

大学生のうちに取るべき資格を目指すための3ステップ

大学生のうちに取るべき資格を目指すための3ステップ

  • 進みたい業界やキャリアにマッチした資格を選ぶ
  • 合格を見すえたスケジュールを立てる
  • モチベーションを維持する方法を考える

資格を目指す際には、自分に本当に必要な資格を選ぶことのほかに、事前の準備として、どのようなステップで取得を目指すべきかも理解しておきましょう。

在学中に取りたい資格が見つかったからといって漠然と勉強を始めても、思うように勉強が進まないまま就活の時期に突入して、資格の勉強との両立が難しくなってしまう可能性があるからです。ここで資格を取るための心構えを知って、ぜひ在学中の間に取得を目指してくださいね。

①進みたい業界やキャリアにマッチした資格を選ぶ

大学生のうちに資格の取得を目指す人のなかには、履歴書の資格欄を埋めることを目的としている人もいると思います。民間資格のなかには数週間の勉強で取得できる手軽なものもあり、資格を取得すること自体は難しくありません。

しかし、大学生のうちに取るべき資格は量より質で選ぶべきです。「資格を複数取る」のみを目的に取得難易度の低い資格ばかり選んでしまうと、業界や仕事で活かせるレベルのものではない場合が考えられるうえ、自分の進路と無関係な資格を取得して時間を無駄にしてしまう可能性もあります。

就活において資格は強い武器となりますが、応募する企業に関係ない資格ばかり履歴書に書いても、面接官は評価するポイントがわからなくなるため、資格選びは今後進みたい業界や描くキャリアで求められているものを優先してください。

ある程度進路が決まっていればその業界で役に立つ資格から決めたり、やりたいことがまったく思い浮かばない人は汎用性の高い資格から探したりといった選び方もあります

就職先や今後のキャリアで活用したい資格を大学生のうちに取るのであれば、資格を探すよりも先に進路を決めることで、時間を有効活用して本当に使える資格を取得できます。

②合格を見すえたスケジュールを立てる

大学生のうちに資格取得を目指すのであれば、資格の目安勉強時間以上の時間を確保する必要があります。たとえば平日は1日1時間、休日は1日2時間勉強すると決めた場合、その合計の勉強時間が試験日までに目安の勉強時間に届いているかざっくりと計算しておきましょう。

大学の授業やアルバイトで忙しくなる日はノルマの勉強時間を達成できないこともあるため、スケジュールを立てるのみでなく、勉強できない日は別の日に取り組むといった臨機応変さも求められます

また皆さんにとっては、在学中に勉強を始めて卒業、もしくは就活を開始するまでに資格を取得することが理想かもしれません。しかしどの資格も、絶対に在学中に取得しなければいけないわけではないのです。

履歴書には資格を勉強中であることを記載できるため、まだ取得できていない段階で就活を始めても「資格取得という目標に向かって現在進行形で頑張っている」ということをアピールしましょう。

勉強中の資格を履歴書に書く際の表記例

  • 秘書検定 〇月取得予定
  • ITパスポート 〇月受験予定
  • 乙種第4類危険物取扱者 学習中

③モチベーションを維持する方法を考える

大学の勉強に資格まで加わると勉強に割く時間が大幅に増えるため、モチベーションが低下して思うように勉強が進まなくなる可能性も考えられます。モチベーションの低下に備えて、自分なりに勉強が続けられる方法を考えておくと、諦めずに最後まで取り組むことができます

たとえばゼミやレポート作成、アルバイトなどやることが重なった日は、資格のことを一切考えずに次の日に持ち越したり、友人と遊ぶ日は机に向かわず空いた時間に問題を解くだけに留めたりするなど、やり繰りするためのルールや自分なりの息抜き方法を考えてみてください。

特に試験に落ちた後はすぐ勉強を再開する気持ちになれないことも考えられ、そのまま勉強自体をフェードアウトしてしまうこともあるため、息抜きのあとはすぐに次の試験を目指せるよう、気持ちを切り替えることを意識しましょう。

強みを作る! 大学生のうちに取るべき資格で就活を有利に進めよう

学生のうちに取るべき資格は、皆さんの進みたい進路によって異なります。自分の進路に適した資格を在学中に取得できれば就活でも有利になり、第一志望の企業からも評価されやすくなるはずです。

今後のキャリアや転職先の選びやすさなど将来的にも大きなメリットになるため、資格を就活から将来的なキャリアまで最大限活かすのであれば、在学中に進路に合った資格の取得を目指してみてくださいね。

アドバイザーコメント

資格を取得することで得られるのは資格の知識だけではない

学校での勉強や就職活動に加えて、資格も取得しようとすることは、もしかしたら人によっては、負担に感じてしまう人もいるかもしれません。

資格を取得することで、体系的に知識を獲得できたり、試験日から逆算して過去問に取り組むための計画性を養うことができるという側面もあります。「資格を持っている」ということ自体が役立つだけでなく、資格を習得するための学びや経験を、就職活動のエピソードとして活かすこともできるのです。

社会人になってからも、社内試験や業務に関するテストを受ける機会があり、資格の勉強をすることになるかもしれません。その場合、学生時代から資格の勉強をする習慣を付けておくことで、効率的に試験対策をできるようにもなります。

楽しみながら自分のキャリアに活かせる資格を取得しよう

皆さんには、自分が興味を持てる分野の資格取得を通して、将来のキャリアに役立ててほしいと思うのです。また、資格や就職活動も大切ですが、大学での日々の学びやサークル活動、自分自身の思いに耳を傾けることも大切だと思います。

大学4年間というのは、意外にやること、やりたいことが多くてあっという間に過ぎていってしまうものです。そのため豊かに幸せに生きるためには、資格を取ることだけではなく、友達と思い出を積み重ねていくことも大切だと思います。

適度に休息を取りつつ、楽しみながら資格取得のために取り組んでいってくださいね。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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