この記事のまとめ
- 手に職をつけることはメリットばかりとは限らない
- 重視すること別に手に職がつく仕事76選を見てみよう
- 5つのステップで自分に合った手に職がつけられる仕事を見つけよう
「手に職をつける」とは働くための技能を身に付けるという意味合いで使われる言葉です。この記事を読んでいる人の中には、手に職をつけることにプラスのイメージを持っていて、手に職がつけられる仕事を探している人も多いのではないでしょうか。
しかし「手に職がある」というのはその仕事の技能や資格を自分のものにしてこそいえることであるため、やみくもに資格を取ったり目的もなく経験を積んでも、就活が有利になったり、自分の理想のキャリアが築けるわけではありません。
そこでこの記事では、キャリアコンサルタントの若林さん、瀧本さん、平井さんとともに、手に職をつけることのメリットやつけ方の手順などについて解説します。手に職がつくおすすめの仕事もたくさん紹介するため、手に職がつく仕事が知りたい人や手に職をつける方法を知りたい人はチェックしておきましょう。
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手に職をつけられる仕事はメリットばかりではないことを理解して選ぼう
多くの仕事ではその仕事に必要なスキルや資格が存在し、それらを習得できている人、つまり手に職がついている人は重宝されたり、就職時に有利になる場合があります。
しかし、手に職をつけられる仕事だからといってメリットばかりあるわけではなく、ほかの多くの仕事を選ぶときと同じように注意点もあるため、自分のなりたい姿を明確にして選ぶことが大切です。
そこでこの記事ではまず、おすすめの手に職がつく仕事76選を仕事に求める条件タイプ別で解説します。キャリアコンサルタントおすすめの仕事も紹介するため、自分が重視したいポイントに合わせて気になる仕事を見てみてくださいね。
次は、手に職をつけることにおいてメリットや魅力となる部分、そして注意すべきポイントについて解説します。手に職をつける=正解と安易に考えず、自分のキャリアに必要な選択肢なのかを明確にしてみましょう。
最後は、自分にとってベストな仕事で手に職をつけるための5つのステップを解説します。手に職をつけたのにミスマッチを起こしてしまう、といったもったいない結果にならないためにも、ぜひ参考にしてみてくださいね。
「とりあえず手に職をつけておこう」といろいろな分野に手を出しても、専門性が薄くいわゆる「器用貧乏」になってしまうリスクもあります。なんとなくではなく、自分に合った「手に職」をつけることが大切です。
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手に職がつく仕事とは? まずは定義と特徴を把握しよう
まず「手に職」という言葉には「専門的な技能や資格を身に付けること、またはそれらを活かせる仕事に就くこと」という意味があります。
この意味を踏まえ、手に職がつく仕事とは専門的な技能や資格が必要であり、技能や資格が活かせる分野においては重宝される人材になれる仕事、という定義になるわけです。
たとえば、高度なプログラミングスキルを持つ人であれば、たとえ今の勤め先が倒産などで就業できなくなったとしても、スキルがあることで次の就職先を見つけたり、フリーのプログラマーとして働くことができ、そのような状態は手に職がついているといえます。
このほかにも手に職がつくといえる仕事はたくさんあり、それぞれ必要となる技能や資格などが異なります。
ここからはあらゆる手に職がつく仕事について紹介していきます。いきなり仕事を探し始めるのではなく、まずどんな仕事が手に職をつけられるものなのかを把握しておきましょう。
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手に職がつく仕事76選をタイプ別に紹介
手に職がつく仕事と一口に言っても、世の中にはさまざまな形で手に職をつけられる仕事があります。自分に合った手に職のつけ方を把握するためにも、手に職がつく仕事にはどんなものがあるのか把握しておきましょう。
そこでここからは、おすすめの手に職がつく仕事76選を、収入の高さ・将来性の高さ・仕事の自由度の高さの3つのタイプに分類して紹介していきます。
手に職をつけたあと、自分がどうなりたいのか、仕事にどんな条件を求めるのかを明確にして、どんな仕事で手に職をつけるべきか考えてみましょう。
手に職がつく仕事は、専門技能を必要とするため継続的な需要があります。これにより、経済的安定とキャリアの自由度が増すため、手に職をつけることは多くの人にとって魅力的な選択肢の一つになるでしょう。
高収入を得たい人におすすめの手に職がつく仕事
手に職をつけようとしている人の中には、将来的な収入アップを一番の条件として仕事探しをしている人も多いのではないでしょうか。
事実、手に職がつく仕事は、難しい技術や知識、資格の取得などを必要とするものが多いため、それらの技能が認められれば給与面での待遇を良くすることができます。
中でも、ここから解説する医療系・法律系・金融系などの仕事では、資格や技術を得る難易度が高く、手に職をつけるまでに時間がかかるため、その分収入や世間的な評価も高いことが特徴です。
以下では、具体的な職種とともに高収入を得たい人におすすめの手に職がつく仕事を紹介するため、報酬の高さにやりがいを感じられるという人はぜひ参考にしてみてください。
医療系
医療系で手に職をつけられる仕事の例
- 医師
- 看護師
- 保健師
- 薬剤師
- 助産師
- 診療放射線技師
- 理学療法士
- 介護福祉士
上記のような医療系職種は、ほかの職種と比べて業務の専門性や難易度が高いことにより手に職をつけることができます。また、人の健康や生命活動のために必要不可欠であり、ニーズが高いため、報酬も高額なものになる仕事が多いのです。
しかし、医療系の職種は人の命にかかわるため、手に職がつく仕事の中でも責任が大きく、職業柄、夜勤や残業など過酷な労働を強いられる傾向が高い仕事でもあります。
そのため、ただ稼ぎたいという気持ちだけでは「手に職」といえる資格や技術を身に付けたとしても、長く続けることは難しいでしょう。
高収入を得る、という個人的な目的以外に、身に付けた技能を活かして人の命や健康を支えたいという強い意思を持っている人には向いているといえます。
医療分野の資格は業務独占資格といい、その資格がないとその仕事ができないことが法律で定められています。そのことに加え、資格の難易度も高いことから常に人手不足の傾向があり、就職や再就職には強いとされているのです。
医療業界や、その中でも薬剤師、理学療法士での就職を考えている人は以下の記事がおすすめです。志望動機の書き方を詳しく解説しているので、選考対策に役立てましょう。
医療業界
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薬剤師
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理学療法士
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就活は、適職診断から始めてください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶことが大事です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
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法律系
法律系で手に職をつけられる仕事の例
- 裁判官
- 検察官
- 弁護士
- 行政書士
法律系の仕事は、法律という、社会の秩序を保つためにはなくてはならないものを扱う仕事です。これらの仕事は専門性の高い知識を身に付ける必要があるため、手に職がつくかつ、難易度や社会的な重要度が高いことにより高収入を得ることができる仕事でもあります。
しかし、法律職の代表格となる裁判官や検察官、弁護士は法科大学・大学院を修了したうえで司法試験に合格する必要があるなど、手に職をつけるためにかなりの時間が必要です。
一方で、行政書士はほかの法律職と違って受験資格が設けられていないため、年に一度の行政書士試験に合格することで誰でも手に職をつけることができ、あらゆる一般企業が就職先となるなどキャリアの選択肢も豊富な仕事といえるでしょう。
法律は人々が秩序やルールを守って暮らしていくために必要不可欠であり、法律職は半永久的な需要があるため、高収入はもちろん、今後もなくならない仕事で働きたいという人にはおすすめの職種です。
法律関係の仕事をほかにも詳しく見たいという人は以下の記事をチェックしてみましょう。詳しい仕事内容や資格についてキャリアコンサルタントが解説しています。
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金融系
金融系で手に職をつけられる仕事の例
- 証券外務員
- ファイナンシャルプランナー
- 税理士
- 公認会計士
金融系職種は、人が生活するうえでなくてはならないものの一つであるお金を扱います。この仕事も法律家や医療関係者などと同じように、専門的なお金の知識を身に付けなければ働くことができないため、そのスキルを習得できれば「手に職がある」といえる仕事です。
また金融は、法律ともかかわりが深い分野でもあるため、お金やそれにまつわる法律の知識も自分のものにすることで、高収入を得ることができる仕事でもあります。
金融系職種の中でもおすすめなのが、ファイナンシャルプランナーです。
厚生労働省の職業情報提供サイトjobtag(日本版O-NET)によるとファイナンシャルプランナーの平均年収は780万円です。なお国税庁の令和4年分 民間給与実態統計調査で発表されている日本全国の平均年収は458万円となっています。
現代の日本は、不景気や少子高齢化による労働人口の減少などの多くの問題によって、将来的なお金に関することに不安を抱いている人も少なくないため、資産設計や投資、保険などに詳しいファイナンシャルプランナーの需要も高まっているのです。
このように金融系職種は、手に職をつけられる仕事の中でも人々にとって身近な分野で専門知識を活かせるため、法人だけでなく個人からの需要も高く、働き方次第で高収入を得ることができる仕事といえるでしょう。
- 収入の高い仕事で社会人から手に職をつけるならどんな仕事がおすすめですか?
ファイナンシャルプランナーの資格は高収入の業界で活かせる
私の周りでは、ファイナンシャルプランナーの資格を取得している人が多いのですが、銀行、証券、保険などの比較的高収入な業界で使用できる資格だと思います。
しかし、ファイナンシャルプランナー一本で仕事をしている人は少ないため、あくまでもキャリアを補う手段の一つと考えておいた方が良いでしょう。
金融系の仕事で手に職をつけたいと考えている人は、以下の記事で金融業界の特徴や就活対策についてキャリアコンサルタントが解説しているため、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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税理士事務所を志望している人は以下の記事を参考にしてみてください。志望動機の書き方と注意点をまとめています。
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あなたが受けない方がいい職業を確認しよう!
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
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将来性の高さを重視する人におすすめの手に職がつく仕事
手に職をつけられたとしても、その技能を活かせる求人が少ない、その仕事の需要が低いなどの理由で安定して仕事を得られなければ、せっかくの「手に職」も持て余してしまいます。
そのため、この記事を読んでいる人の中には、手に職がつく仕事を選ぶうえで将来性の高さを重視したいという人も多いのではないでしょうか。
将来性が高く、かつ手に職がつく仕事とは、この先社会が変化したり技術が発展したとしても必要とされ続け、一度身に付けた技能や資格を無駄にすることなく、安定して収入を得ることができる仕事のことです。
ここからは、手に職がつく仕事の中でも将来性の高いものについて具体的に説明していきます。ただ仕事の表面的な特徴を知るだけではなく、それぞれの仕事にどんな将来性があるのか、手に職をつけたあとに何を求められるのかなどまで考えてみましょう。
建築・電気系
建築・電気系で手に職をつけられる仕事の例
- 建築士
- 建築CADオペレーター
- 設計士
- 大工
- 左官
- 施工管理
- 電気工事士
- 消防設備士
建築・電気系の仕事は、建物や道路、エネルギー源など、私たちが生きていくためになくてはならない設備やサービスを、専門的なスキルや最先端の技術を駆使することで支えています。
そのため、社会や景気の変動によって急激に需要が減るといったことはなく、この分野で手に職をつけておくことであらゆる就職先で重宝される人材を目指すことができるのです。
とはいえ、社会的なニーズの高い業界ほど技術の発展も目覚ましく、近年ではAI(人工知能)やドローン、3D技術などが導入され始めていて、人力での作業が必要なくなる業務も増えると言われています。
しかし、建設業やエネルギー関係の仕事の多くは繊細な作業も多く、高い安全性も求められるため、人の手や確認が必要不可欠です。
さらに、高度経済成長期にいくつも建設された建造物や設備が、老朽化してきているという背景からも、改装や建て直しなどを担う建築・電気系分野のニーズは高まっているといえるでしょう。
建築・電気系の仕事は、安定した需要と不況に強い職種である点が魅力的です。
これらの職種は、ライフラインを支え、人々に必要とされ続けるため、将来性が高く長期的なキャリアを築くことができます。さらに、専門技術も習得できるため、自己成長を実感しながら働くこともできるでしょう。
建築業界志望者は、以下の記事で志望動機の書き方を解説しているので併せて確認してください。
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不動産系
不動産系で手に職をつけられる仕事の例
- 不動産鑑定士
- マンション管理士
- 宅地建物取引士
- 管理業務主任者
- 賃貸不動産経営管理士
建築系や電気系と同じく、不動産系の分野も一般的な業界では扱わない知識を身に付けなければいけないため、手に職がつき、人の住まいや生活を支える将来性の高い仕事に就くことができます。
上記の不動産系の資格の中でも、不動産鑑定士はこの資格を持っているだけで開業も叶う不動産分野のプロフェッショナルともいえる資格です。不動産の価値を判定したりするほか、不動産の知識を活かして企業や個人へコンサルティング業務もおこなうことができます。
ほかには、宅地建物取引士、いわゆる宅建士も将来的な需要が高く、不動産分野で資格を取得しておくと業界で活かすことができる仕事で、受験資格がないため取得のハードルが低いことも特徴です。
不動産は、その場所を利用する個人や企業によってニーズはさまざまであり、その一つひとつが高額なため、コンピューターのような機械的な対応ではなく、ニーズに合わせて臨機応変に対応できる人材が求められています。
不動産業界ではどんな業務につくかで、必要な資格が異なります。
たとえば宅地建物取引士は絶対に必要なイメージがありますが、3つの独占業務以外なら資格はなくても大丈夫です。自分がどんな仕事をしたいのかをよく考えて、必要な資格を取りましょう。
不動産業界で手に職をつけたいと考えている人は以下の記事もおすすめです。就活のプロであるキャリアコンサルタントが、不動産業界の人事に刺さる志望動機の書き方を解説しています。
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航空系
航空系で手に職をつけられる仕事の例
- パイロット
- 航空整備士
- 管制官
飛行機は、乗り物の中でも最も速い速度で人や物を移動させることができるため、その重要性の高さから将来性が高い仕事が多くあります。それに加え、航空業界は飛行機の操縦や誘導などに高い専門性と安全性が問われるため、手に職がつく仕事が多いといえるでしょう。
航空系職種の花形であるパイロットは、将来性の高さもさることながら、年収も高額な仕事で、厚生労働省の職業情報提供サイトjobtag(日本版O-NET)によるとパイロットの平均年収は1,600万円となっています。
航空業界では、精密機械である飛行機を実際に操縦するパイロットはもちろん、機体を整備する航空整備士、フライト中の指示を担う管制官など、どの仕事が欠けても機能しません。そのため、あらゆる分野で専門性の高い技能を持った人材、つまりは手に職のある人材が必要となるのです。
また、近年では世界的に脱炭素化が推奨されています。航空関係の仕事で安定した需要を獲得し続けるために、業界として環境に配慮した運航が求められていることも理解しておきましょう。
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物流・送迎サービス系
物流・送迎サービス系で手に職をつけられる仕事の例
- トラック運転手
- タクシー運転手
- バス運転手
航空業界のような大規模な物流だけでなく、上記のような輸送や送迎サービスをおこなう仕事もニーズが高く、手に職もつけられる仕事です。
この記事を読んでいる人の中には「運転手は本当に手に職がつけられて将来性も高い仕事なの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。しかし、近年は新型コロナウイルス感染症の流行によって途絶えていた人の移動が活発化し始めているため、タクシーやバスなどの送迎サービスへのニーズが高まっています。
運転技術はもちろん、土地勘などを活かした臨機応変さも人がおこなうからこその強みです。そうしたスキルに加え、語学力も身に付けることができれば、より自身の評価を高めることができるでしょう。
また、トラック運転手についても特別な運転免許が必要であり、人々の豊かな生活には物の移動も必要不可欠であるため、将来も廃れることのない仕事といえます。
しかし、トラック運転手は、ほかのドライバー職と比較して、不規則な勤務体系や長時間の運転などの理由から人手が足りていない実情もあるため、労働時間や待遇面などには注意して選ぶ必要があるでしょう。
ここ数年、新型コロナウイルス感染症の影響もあって田舎に移住を希望する人が増えているようです。そんなときに役立つのが物流や送迎サービス系の資格です。
実は私の友人もそうなのですが、移住者の仕事が限られる田舎では、バスの運転手やトラック運転手として働く人もいるのです。
田舎暮らしに憧れている人はこちらの記事を参考にしてみてください。田舎暮らしでできる仕事を詳しくまとめています。
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教育系
教育系で手に職をつけられる仕事の例
- 保育士
- 小〜高校教諭
- 大学教授
- 特別支援学校教諭
- 日本語教師
- 学校図書館司書
- インストラクター
社会のあらゆる企業や組織は人が集まってできているものであり、社会はその人々が成長することで発展していくのです。そのため、教育分野での仕事がなくなることはなく、この先も長く必要とされる仕事が多いといえます。
また、教育分野は社会を構成する「人」を育てる場であることからもわかるように、社会的な貢献度も高いことが魅力の一つです。人とかかわりたい、社会に貢献したいという希望がある人には向いている仕事が多いでしょう。
しかし、学校教員や大学教授などの仕事は、人に学問を教えなければいけないからこそ、高い学力や豊富な知識量が求められます。
加えて、教育の現場は一般企業と比較して、人手不足やデジタル化の遅れなどによって時間外労働など待遇面にも課題がある仕事が多いです。
将来性が高さだけでなく、手に職をつけたあとに自分自身が長く働けるかどうかも考えて仕事を選択することが重要といえます。
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公務員
公務員で手に職をつけられる仕事の例
- 省庁職員
- 県庁職員
- 市町村役場職員
- 消防士
- 警察官
公務員は、国や都道府県が採用した人材として社会のさまざま事業に携わります。公務員には、国家公務員と地方公務員の2種類に分かれていて、国家公務員は国や社会全体において重要な事業に携わり、地方公務員は自治体などで住民や個人に向けた行政サービスをおこなうことがおもな仕事です。
上記のリストで挙げたもの以外でも、学校教師や裁判官、航空業界では管制官などが公務員に該当し、どれも社会にとって重要な仕事であるため、将来性も高いといえるでしょう。
しかし、安定した需要があるからといって給与や待遇面などが安定しているわけではないことを理解しておく必要があります。
公務員は国や都道府県の「中の人」であり、国民の税金によって給料が支払われているのです。そのため、国や都道府県側の立場で社会に貢献する義務があり、人によっては激務だと感じるような仕事も多くあります。
自分のものにした「手に職」やすでに持ち合わせているスキルを社会のためにどう活かしていきたいのかを明確にすることが就職のポイントといえるでしょう。
公務員に有利な資格について知っておきたい人は以下の記事がおすすめです。手に職をつけた後の採用試験で魅力的にアピールするコツも解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
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- 将来性の高い仕事の中で、特に働きながらでも目指しやすい仕事にはどんなものがありますか?
スキルの学び方の選択肢が豊富なプログラマーやマーケターなどがおすすめ
将来性の高い仕事を目指すなら、テクノロジー関連職やリモートワークが可能なフリーランスの仕事への就職に加え、夜間や週末に学べるプログラミングやデジタルマーケティングのスキルの習得がおすすめです。
たとえば、データ分析やウェブ開発などの分野では、在職中でもオンライン講座やセミナーを利用してスキルアップすることができます。
さらに、フリーランスとして独立しやすいグラフィックデザインやコンテンツ制作の仕事なども良いでしょう。
これらの職業は、時間や場所に縛られずに仕事を進めることができるため、現職を続けながらキャリアの幅を広げることが可能です。
プログラマーやマーケティングが具体的にどんな仕事なのか知りたい人は以下の記事がおすすめです。仕事のプロであるキャリアコンサルタントが仕事の特徴や選考対策について詳しく解説しています。
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プログラマー志望は最初に読みたい! 仕事内容から適性まで完全網羅
マーケティング
新卒でマーケティング職に就くには? 仕事内容から対策まで徹底解説
自由度の高さを重視する人におすすめの手に職がつく仕事
身に付けるスキルによっては、さまざまな分野や経営体系が存在し、働き方の自由度が高い仕事がたくさんあります。
特に、個人に向けたサービスや接客をメインとする業態や、パソコン1台で仕事ができる分野に多く、独立やフリーランスといった将来的なキャリアの選択肢も豊富なことも特徴の一つです。
しかし「自由度が高い」ことは、何でも自分自身で決めていく必要があるということでもあります。そのため、手に職をつけた後の自分の働き方に必要な職場を見つけたり、自由な働き方を実現するための努力も必要です。
ここからは、自由度の高さを重視したい人向けの手に職がつく仕事を具体的に解説するため、参考にして自分の理想とする働き方を考えてみましょう。
美容・健康系
美容・健康系で手に職をつけられる仕事の例
- 美容師
- 理容師
- ネイリスト
- アイリスト
- エステティシャン
- スタイリスト
- あん摩師
- 整体師
美容や健康に関する分野の仕事も、医療系と同じく人体にかかわる専門的な知識を要し、施術にも技術が求められるため、手に職をつけられる仕事が多くあります。
病気になってからが出番となる医療分野とは異なり、美容や健康といったジャンルは人々にとってより身近で日常的なニーズがあるため、営業スタイルも自由度が高いことが特徴です。
美容系職種の資格に中でもおすすめなのは美容師免許で、この資格があれば、美容師はもちろん、アイリストやスタイリストといったほかの手に職がつく仕事にも選択肢を広げることができます。
美容や健康に関する仕事は、特に女性におすすめです。
なぜなら結婚や出産といったライフイベントを挟んでも復職がしやすく、なおかつ自宅サロンなどで自分に合わせた働き方ができるためです。働きながらでも比較的取得しやすい資格が多いのも魅力といえるでしょう。
美容関係の仕事は以下の記事で詳しく解説しているので、関心がある人は併せて確認してください。
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美容関係の仕事12選! ベストな仕事の見つけ方や必要な素質も解説
美容関係の仕事の特徴や自分に合った職種を見つけ出すポイントについて、キャリアコンサルタントとともに解説します。漠然と美容関係の仕事に就きたいと考えている人は参考にして、後悔のないキャリア選択をしましょう。
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飲食系
飲食系で手に職をつけられる仕事の例
- 料理人
- パティシエ
- バーテンダー
- ソムリエ
- バリスタ
飲食系の仕事は、食べ物や飲み物などで人々をもてなすサービス系の仕事です。食文化はあらゆる国によって形は違うものの多くの人が日常的な食事に美味しさを求めているからこそ、飲食系の仕事で技術を極めることで手に職がつく仕事となります。
料理は多くの人が自分でもおこなっていることであるからこそ、その道のプロとして飲食を生業にするためには、素人を凌駕するだけの高い技術が必要です。そしてそれらの技術は一朝一夕で身に付けられるものではないため、飲食系の仕事では経験を積むことが重視されます。
このような大変さもあるとはいえ「食」というのは人々の生活に欠かせないものであるため、仕事場である店舗をあらゆる場所に構えることができるという点はメリットといえます。
また、一度身に付けた経験は決して無駄になることはないため、一人前として成熟したあとは独立してさらに自由度の高い働き方を選ぶこともできるでしょう。
飲食業界志望者は、以下の記事で志望動機の書き方を詳しく解説しているので、ぜひ確認してください。
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飲食店の志望動機はどう書く? 例文や企業が求めるスキルを解説
飲食店の志望動機は業務について深く理解したうえで書かなければ、印象に残る内容になりにくいです。この記事では、飲食店の志望動機の考え方や伝え方をキャリアコンサルタントと解説します。飲食店志望者はぜひ参考にしてください。
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心理系
心理系で手に職をつけられる仕事の例
- キャリアコンサルタント
- 産業カウンセラー
- 公認心理士
人の感情や心理というのは十人十色であるため、一人ひとりの感情に寄り添ってアドバイスをおこなう心理系分野は、AIやロボットがなり代わることのできない手に職がつく仕事が多いといえます。
人は日常的に多くのストレスにさらされ、特に仕事は人の人生の中でも比重の大きいものです。そのため、人の精神的な悩みやストレスも仕事や就職にかかわることも多く、産業カウンセラーやキャリアコンサルタントのニーズは高まっています。
こうした仕事は、一人ひとりの心理状態などに臨機応変に対応する必要があることに加え、サービスの提供に大掛かりな作業が少ないため、手に職をつけることができれば、独立やフリーランスといった形で自由に仕事をおこなうことができるでしょう。
心理系資格は、まだ認知されている途上だと私は思っています。社会的ニーズがあることは間違いないですが、サービスを提供できる場所がまだまだ少ないのです。そのため資格をとっても自分で仕事を探したり創ったりする必要があります。
Web・IT系
Web・IT系で手に職をつけられる仕事の例
- エンジニア
- データサイエンティスト
- データアナリスト
- デザイナー
- Webディレクター
- Webマーケター
上記のような仕事があるWeb・IT系の分野はインターネットの普及を皮切りにどんどん需要が伸び、日々の技術が進歩しています。
ただ、AI技術やそのほかのコンピューター技術などが発展しているとはいえ、それらを正しく扱える人材はまだまだ少ないのです。だからこそ、コンピューターの知識やプログラミングの技術など、最先端のスキルを扱えるようになれば手に職のある人材として活躍することができます。
また、これらの仕事はPCがあればおこなえる仕事でもあるため、フリーランスとして自分の身一つで仕事ができたり、在宅で作業ができたりとキャリアや働き方に自由な選択肢があります。
しかし、WebやITの分野は最先端の技術や情報が速いスピードで更新され続けているため、せっかく身に付けた知識やスキルを時代遅れなものにしないために、学び続けることが求められるでしょう。
WebやIT系の仕事では、技術の進歩に伴って継続的にスキルアップが求められるといった大変さもありますが、創造性を活かした仕事ができる、リモートワークの選択肢が多いなどのメリットがあります。
これらは、キャリアの柔軟性を高め、常に新しい技術に触れることができるため、技術者としての興味ややりがいを感じる人にとっては良い就職先となるでしょう。
学生の頃の専攻が文系だった人はWeb・IT系の分野で手に職をつけるのが難しいと考えている人もいるのではないでしょうか。以下のQ&Aでは文系でIT業界を目指したい人に対してキャリアコンサルタントがアドバイスしているため、ぜひ参考にしてみてください。
IT業界を志望する場合は、以下の記事で志望動機の書き方を詳しく解説しているので、併せて確認してください。
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その他
そのほかの手に職をつけられる仕事の例
- イラストレーター
- カメラマン
- ウエディングプランナー
- ライター
- アナウンサー
- 通訳
- 翻訳家
先で紹介した分野以外でも上記のようなものは、知識や技術といった無形のスキルを駆使して業務をおこなえるため、大掛かりな道具などが必要ありません。
そのため、手に職さえあれば独立やフリーランスといった将来的なキャリアを自由に選択でき、働き方にも応用が利かせられる仕事が多くあります。
特に、カメラマンは趣味として仕事を続けながら技術を極めることができ、写真や映像などはさまざまな業界で高いニーズがあるため、就職先の選択肢が豊富な仕事の一つです。
ほかにも、イラストレーターやライター、翻訳家などはPCがあれば仕事の受注から納品までが完結するため、在宅で手に職をつけられる仕事といえるでしょう。
- 手に職をつけても実績や経験が見えにくい仕事ではどうすればプロとして認められるのでしょうか?
「見える実績」が得られる仕事をコツコツと積み重ねていこう
私がやっていたライターという仕事もそうですが、実績や経験、何ができるかといったスキルによって収入が全然違います。そんな中で、他者と差別化するために必要なのは「見える実績」を積み重ねること。
ライターやイラストレーター、カメラマンなどは、自分がかかわった雑誌や記事などに署名があるかどうかで、自分の評価が変わってきます。そのため、そういった「見える実績」が得られる仕事をコツコツとおこない、ステップアップを続けると良いですよ。
多様なキャリアを見てきたプロに聞く! おすすめの手に職がつく仕事は?
キャリアコンサルタントがおすすめする手に職がつく仕事
- ITメーカーで人材育成に携わってきた平井さんの場合
- キャリアコンサルタント歴20年以上の瀧本さんの場合
- ライターとキャリアコンサルタントの2足の草鞋を持つ若林さんの場合
あらゆる手に職がつく仕事について紹介してきましたが、就活のプロとしてあらゆる仕事に詳しいキャリアコンサルタントの視点では、どんな仕事がおすすめなのでしょうか。
ここからは、キャリアコンサルタントの平井さん、瀧本さん、若林さんに、おすすめの手に職がつく仕事について、これまでの経歴を交えながら解説してもらいます。実際に社会に出て手に職をつけている3人のアドバイスをぜひ参考にしてみてください。
ITメーカーで人材育成に携わってきた平井さんの場合
アドバイザーコメント
平井 厚子
プロフィールを見る業務独占資格や技能職の経験などが手に職をつけるにはおすすめ
私の世代で「手に職」とは「食いっぱぐれのない仕事につく」ことでした。看護師が典型的な例です。もし資格で狙うなら、業務独占資格を選ぶのが良いでしょう。資格ではなく経験なら、技能職が強いと思います。
NHKドラマ「ハゲタカ」で印象的なエピソードがありました。ある電機メーカーが外資ファンドに買い取られてしまうのですが、高学歴の幹部社員たちは全く価値を認められず、買収の目的は、勤続40年のレンズ部門に所属するレンズ磨きのプロフェッショナルと、彼のチームだけだったのです。
手に職がつく仕事であっても生成AIなどの技術の進歩には注意が必要
最近のトピックではやはり生成AIの登場を重要視すべきだと思います。皆さんの中にも、生成AIでエントリーシート(ES)を作っている人がいるのではないでしょうか。生成AI にキャリアコンサルティングを学習させて相談すると、ばかにならない対応をしてくれます。
私たちキャリアコンサルタントも安閑とはしてはいられなくなりました。生成AIにできない付加価値って何だろう。仮説でも良いから答えを見つけないと、とても「手に職」とはいえないと感じています。
キャリアコンサルタント歴20年以上の瀧本さんの場合
アドバイザーコメント
瀧本博史
プロフィールを見る公務員・介護・看護は雇用の安定性、技術系職種は高い専門性がある
私は長年にわたりキャリアコンサルタントとして活動してきましたが、皆さんにおすすめの手に職がつけられる仕事として、公務員、介護、看護といった分野を挙げたいと思います。
安定した雇用が期待でき、社会的な貢献も大きい職種だからです。公務員になれば、地域社会の発展に直接貢献することができ、介護や看護の仕事では高齢化社会の中で重要な役割を担うことになります。これらの職種は、技術や知識が身に付くだけでなく、人々の生活を支えるという大きなやりがいを感じることができるでしょう。
また、IT技術者やエンジニアといった分野もおすすめします。技術革新が進む中で、これからの時代をリードする重要な職業であり、専門的なスキルを身に付けることが可能です。これにより、多様な業界で活躍する道が開かれるでしょう。
自分のキャリアのために必要な資格やスキルを学んで自己実現を目指してほしい
私は「キャリアコンサルタント」という職業相談をおこなう「なくならない仕事」に期待をもって独立しました。
私自身の経験からも、これらの職種はこれからの若者にとって非常に有望であり、安定したキャリアを築くための基盤となると考えています。それぞれの分野で求められる資格やスキルをしっかりと学び、自己実現を目指していってください。
ライターとキャリアコンサルタントの2足の草鞋を持つ若林さんの場合
アドバイザーコメント
若林 宏美
プロフィールを見る手に職がつく仕事は専門性が高いからこそ自分に合うかの見極めが大切
私は、手に職がつけられる仕事の中でも「自分に合った仕事」を見つけるのが特に大切だと思っています。
一般的におすすめしたいのは、看護や介護といった今後もなくならない、常に人手不足の業界ですが、これらは全ての人に合う仕事というわけではありません。自分にマッチしない職は、ストレスや苦痛につながる可能性もあるため、「自分には何が向いているのか」を考えて決めてほしいですね。
得意なことやできることの積み重ねも手に職がつく仕事につながる
私の場合は、もともと「面接に来てくれた人すべてが、うちの仕事にマッチしているわけではない。けれどせっかく知り合ったのだから、何かアドバイスができる人になりたい」と思ったのが、キャリアコンサルタントになったきっかけでした。
そのため最初は、この資格を仕事にしようとは全く思っていなかったのですが、気づけば監修や講義など、キャリアコンサルタントとしての仕事も増えてきました。
これまでスタッフを育成してきた経験を活かして、その場で相手に合わせた講義や相談ができたり、過去に経験したライターのノウハウを監修でも役立てられたりしています。
このように全然違う手に職を組み合わせて、新たな仕事を生み出す可能性もあるので、皆さんも自分が得意、または合っていると思える資格を身に付けていってくださいね。
必ずしも正解ではない! 手に職をつけることの魅力と注意点
手に職をつけることの魅力
①自分の市場価値が上がる
②仕事によっては会社に縛られず自由に仕事ができる
③専門性の高い仕事ができる
手に職をつけるときの注意点
①資格の取得に時間やお金がかかる
②仕事によっては需要が少なく稼げない
③キャリアの選択肢が狭まる可能性もある
先でも解説しましたが、手に職をつけること自体はメリットしかないように思われがちです。しかし、手に職をつけることは今後の自分のキャリアの選択肢の一つに過ぎないため、必ずしも手に職をつけること自体が全ての人にとって正解になるわけではありません。
そこでここからは、手に職をつけることの魅力に加えて、注意すべきポイントも解説していきます。「とりあえず手に職をつけよう」と安易に捉えてしまうのではなく、自分にとってどんなメリットやデメリットにつながるのかを理解しておきましょう。
魅力①自分の市場価値が上がる
前述のとおり、手に職をつけることは、仕事に活かせるスキルや資格を身に付けることであるため、自分自身のレベルアップや市場価値を上げることができます。
市場価値というのは、その仕事における自分の評価のことです。
たとえば、手に職がつけられる仕事には未経験から始められるものも多くありますが、その仕事の中で活かせる資格を取得したり技術を磨いて実績を積むことによって、未経験者からプロフェッショナルとして自分の評価を上げることができるのです。
自分の市場価値が高まることで、収入アップや昇格などのチャンスにつながり、転職や独立などの際にも有利に進めることができるでしょう。
魅力②仕事によっては会社に縛られず自由に仕事ができる
多くの人は企業などの組織の中に所属し、それぞれが仕事を分担することで一つの事業を進めています。一方、独立やフリーランスといった働き方もあり、これは手に職があることによって企業のような組織に依存することなく収入を得ることができるのです。
しかし、手に職がつけられる仕事全てで自由な働き方ができるわけではなく、仕事の受注から遂行まで自分一人でできるものに限られる傾向にあります。
受注から遂行まで自分一人でできる仕事の例
- プログラマー
- イラストレーター
- Webライター
- コピーライター
- Webデザイナー
- タクシードライバー
独立やフリーランスといった働き方は、企業に勤めていれば自然ともらえる仕事も自力で獲得する必要があったり、企業がバックオフィスに任せているような細かい手続きや業務も全て自分でおこなう必要があるのです。
そのため、手に職をつけて自由に仕事をおこなう場合には、身に付けたスキル以外に自分の価値をアピールして仕事を得る営業力や、メインの仕事以外の雑務もマルチにこなすことが求められるといえるでしょう。
独立やフリーランスといった働き方の魅力は、やるもやらないも、自分で決められることですね。
私はキャリアアンカーでいう「自律・独立」が強くて、「私のことは私に決めさせろ」と思うタイプなので、今の働き方がとても心地良いです。
魅力③専門性の高い仕事ができる
手に職をつけるということは、言い換えればその分野においてプロフェッショナルになるということであるため、手に職をつける前よりもより専門性の高い仕事をおこなうことができるようになるでしょう。
手に職をつけられる仕事は、社会的に重要性の高い分野や、知識的、技術的に難しい分野が多く、そうした分野のほとんどでは国家資格や民間資格が設けられています。
手に職をつけられる仕事の中には、資格がなくても始められるものも一部ありますが、そうした仕事でも、より市場価値を高めるためには、自分のスキルを伸ばして目に見える結果を残したり、資格や検定などで自分の技能を正式に証明する必要があるため、必然的に専門性の高い仕事ができるといえます。
多様な業界や職種に挑戦することで広い視野と多角的なスキルを身に付けることができ、キャリアの多様性が望めます。
また、さまざまな背景を持つ人々との出会いや交流を通じて、新たな機会やアイデアに触れ、自身のキャリアを豊かにすることができます。
注意点①資格の取得に時間やお金がかかる
手に職をつけられる仕事は、その仕事に就くために資格が必要な場合が多く、どの資格であっても簡単に取得できるものではありません。手に職をつけられる仕事を目指す場合には、資格の勉強に時間がかかったり、教材の購入や受験時の費用がかさんだりする場合があります。
また、資格の中には受験資格が設けられているものもあるため、その条件をクリアしなければ試験を受けることすらできないものもあるのです。
手に職をつけられる仕事は、資格の有無だけでなく、実務経験や目に見える実績がなければ評価されない仕事もあるため、選ぶ仕事によっては手に職をつけた後でも多くの時間を費やすことになる場合もあるでしょう。
このように、手に職をつけたいと思ってすぐに身に付けられるものではありません。
苦労してスキルを身に付けても、仕事で活かせなければそれまでの時間もお金も無駄にしてしまうため、手に職をつける仕事選びは慎重におこないましょう。
注意点②仕事によっては需要が少なく稼げない
この記事を読んでいる人の中には、手に職をつけてスキルアップすることで、今よりも良い環境や待遇で仕事がしたいと考えている人も多いでしょう。
そのような人は、単純に手に職があれば稼げるわけではないことに注意が必要です。なぜなら、手に職をつけられる仕事の中には、需要が少なくて稼げない、仕事内容に見合った報酬が得られないといった仕事も少なくないからです。
また、手に職をつけた優秀な人材としてその分野で就職したとしても、その仕事の特徴や業務内容、勤める職場によっては劣悪な環境での仕事を強いられる場合もあるでしょう。
さらに、どんな仕事においても需要は常に変動していくものです。今は需要があっても数年後には技術の進歩によって需要が下がってしまうような仕事もあります。
せっかく手に職をつけても、活かせる仕事が少ない、といった事態に陥らないために、手に職をつけられる仕事を探すときは、将来性や働き方などもしっかり理解して探すことが大切です。
これからもなくならない仕事がどんなものなのか知りたいという人は以下の記事がおすすめです。あらゆる仕事に詳しいキャリアコンサルタントが10年後もなくならない仕事について徹底解説しています。
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10年後もなくならない仕事8選! 就活のプロがその理由も徹底解説
IT技術やAIが発達する現代でも、将来なくならない仕事はあります。そして、なくならない仕事にはある共通点が。この記事ではキャリアのプロが社会を生き抜く方法を伝授します。
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- 手に職がつくとされている仕事の中で、今後需要が下がりそうな仕事にはどんなものがありますか?
自動運転などの技術革新により運転免許を活かす仕事は需要が下がる可能性もある
今後需要が下がる資格を挙げるとすれば自動車運転免許でしょうか。
ドライバー不足から、職を求めて大型や二種の免許を取る人も多いかもしれませんが、その一方で自動運転やロボット化によって人手不足を乗り切ろうとする動きもあります。
ニーズが高まるとそれだけ技術革新も進むので、意外と早く自動運転の実用化が早まり、自動車免許の汎用性が低くなるかもしれませんね。
注意点③キャリアの選択肢が狭まる可能性もある
手に職をつけることで自分の仕事の専門性が高くなるといった魅力はありますが、逆に専門性の高さゆえに応用が利かず、キャリアの選択肢を狭めてしまうリスクがあるでしょう。
たとえば、営業職のように、明確な資格などで手に職がつくわけではない職種でも、営業はさまざまな職種や業界に活かせる汎用性のあるスキルが身に付くため、営業職での経験はどんな業界でも評価されます。
それに対し、たとえば警察官のような特殊な業務をおこなう仕事では、警察官に必要とされるスキルを高めていくことはできますが、ほかの業界に応用できる技術が少なく、キャリアパスも警察組織で決められている流れに沿う選択肢に絞られるのです。
このように、選ぶ仕事によってはその分野の中で決められた範囲でしかキャリアを広げられないため、仮に手に職をつけた後にその仕事が合わなかった場合は振り出しに戻ってしまうことになります。
専門性を活かして活躍するプロに聞く! 手に職をつけることの意義とは
ここまでは、手に職をつけることの魅力や注意すべきポイントについて解説しましたが、場合によってはリスクもある中で、なぜ多くの人が手に職をつけたいと考えるのでしょうか。
手に職をつけるといっても、多くの時間や労力を要するため、軽い気持ちでやり遂げられることではありません。だからこそ、手に職をつけることの意義を自分の中で明確にして行動に移すことが大切です。
そこでここでは、就職支援を通してさまざまな仕事の形を見てきたキャリアコンサルタントの若林さんに、手に職をつけることの意義について解説してもらいます。なんとなく手に職をつけるべきだと考えてしまっている人は、最後までチェックしてみてください。
アドバイザーコメント
若林 宏美
プロフィールを見る手に職をつけることは就職の有利さだけでなく大きな自信につながる
私がキャリアコンサルタントの学校に通っていた時、同じクラスには多彩なメンバーが揃っていました。企業の管理職で就活支援のために学んでいる人、子どもの手が離れたときのために今から勉強している人、経営者とかかわる仕事が多いために学びに来た人などです。
今でも定期的に会っている仲間たちですが、彼らに共通しているのは「ポジティブでエネルギッシュ」なことですね。資格を活かしている人も、将来的に活かしたいと思っている人も、自分をしっかりと持っていて、会うだけでいつもパワーをもらっています。
このように書くとちょっと抽象的過ぎますが、つまり資格は「自分に自信を持たせる」要素も大きいと思うのです。
もちろん、資格によっては直接収入が上がるものもあり、転職の際に有利に働くものもあります。そのために資格を取得するのもありですが、それ以上に学んだ知識は自分の糧になり、自信につながる場面も多いでしょう。
新しい出会いや刺激があることも手に職をつけることの魅力
また手に職があることで、新しい出会いも広がるのです。キャリアコンサルタントになってからは、これまでかかわりのなかった人と交流する機会が増え、たくさんの刺激をもらって人生がもっと充実したなと思っています。
皆さんも手に職をつけて、人生をもっと楽しくしましょう!
どんな仕事でも目指す姿に向かって努力することで手に職をつけられる
前述のとおり、手に職をつけるという言葉には、その仕事に必要な技能を身に付ける、という意味があります。明確な資格を得たり、技術の合格ラインに達することで「手に職をつける」ということができます。
しかし、目に見える技術や資格があることだけが「手に職をつける」ということであるとは言い切れません。
働くうえで、コミュニケーション能力や論理的思考力などといった目に見えないさまざまなスキルが求められます。そのため、その仕事で自分が目指す姿に必要な努力をすることができれば、スキルの形は違えど、どんな仕事でも「手に職」をつけられるはずです。
今の仕事では手に職がつかない、と決めつけてしまうのではなく、自分の目指す姿やこの先やりたいことを明確にしたうえで今の仕事でもう少し努力すれば、手に職をつけたといえるのではないかと捉えてみてくださいね。
「この仕事を通して何を習得するか」と考えて仕事に意味づけする力が、これからはリテラシーレベルで必要になるでしょう。全ての就業経験を学習機会と捉えてビジネス資本を蓄積していくことで、自分をスキルアップして差別化していけるのです。
なりたい姿を実現させよう! ベストな仕事で手に職をつけるための5ステップ
ここまでの解説にもあるように、手に職をつけることは良いことばかりではなく、選択を間違えれば、理想のキャリアを実現させられないだけでなく無駄な時間やお金を使ってしまうため、自分のなりたい姿を明確にしたうえで、正しい手順で手に職をつけましょう。
手に職をつけられる仕事を見つけるときは、自分が手に職をつけてどうなりたいのかを明確にすることが大切です。
ここからは、自分にとってベストな仕事で手に職をつけるために必要な5つの手順について解説します。具体的にどういった方法で手に職をつければ良いのかわからない人は、参考にして、最適な仕事選びをおこないましょう。
①目標設定:自分にとっての「手に職」の条件を言語化する
手に職をつけようと思い立ったら、まずは具体的な目標を定めます。何も目標がないままなんとなく手に職をつけようとしてしまうと、進む方向を見誤り、せっかくの努力が無駄になるかもしれません。
手に職をつけることとはどうなることなのか、自分にとっての「手に職」の条件を言語化してみましょう。
たとえば、手に職をつけるために必要なことは何かを具体的に考えていくと「資格を持って仕事を得ること」や「自立していること」といった「手に職」の条件が見えてきます。
資格を取得して就職する、自立するといった条件こそが、自分が手に職をつけるときに目指すべき目標になるのです。大まかな目標が定まることで、自分がこれからどういったアクションを取るべきか計画が立てやすくなります。
- 将来が漠然と不安だから手に職をつけたいです。どうやって「手に職」の目標を定めれば良いですか?
業界研究や自己分析によって広い視野でキャリアについて考えてみよう
将来のキャリアにおいて「手に職」をつけることは、不確実な未来に対する一つの答えです。目標を定めるには、まず広い視野で多様な業界を知ることが重要となるでしょう。
具体的には、異なる業界の情報を収集し、自分が興味を持てる分野を見つけることから始めてみてください。それには、業界研究だけでなく、実際に業界の人と話をする機会を持つことも助けになります。
また、自己分析をおこないながら、自分の強みや興味が活かせる職種を探ることも重要です。これにより、自分にとって意味のあるキャリアパスを設計することができます。
自分のことについて振り返る自己分析について、やり方をおさらいしたい人は以下の記事を参考にしてみましょう。就活のプロであるキャリアコンサルタントが自己分析を完璧にマスターする秘訣を解説しています。
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自己分析は就活の明暗を分ける重要なポイント。自己分析をするメリットや自己分析のやり方、注意点などをキャリアコンサルタントが解説します。自分に合った自己分析方法を見つけて選考や企業選びに活かしましょう。
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②仕事研究:自分の志望する仕事の特徴や将来性を調べる
前述のとおり、手に職をつけられる仕事の中には、需要が低かったり待遇面が整っていないものがあるなど、自分に合っていたとしても安定的に仕事を得ることが難しい場合があります。
だからこそ、気になる仕事が見つかったからといってすぐに資格の取得などを目指すのではなく、その仕事で手に職をつけた場合を想定し、特徴や将来性などをしっかり研究しておくことが大切です。
その仕事の将来性を理解することで、その仕事で手に職をつけた場合にどんなキャリアプランが考えられるのかもわかり、自身の将来設計もしやすくなります。
将来性のある仕事の特徴としては以下のようなものが挙げられます。インターネットなどでその仕事の動向などを検索する、その仕事をおこなえる企業のホームページ(HP)の事業計画やサービス内容からその業界や業種のニーズを調べる、といった方法で仕事の将来性を自分なりに分析してみてくださいね。
将来性のある仕事の特徴
- 社会的重要度が高い
- 創造性が高い
- 専門的な技術やスキルが求められる
- 臨機応変な対応や綿密なコミュニケーションが求められる
業界研究のやり方に自信がない人は以下の記事もおすすめです。あらゆる分野に詳しいキャリアコンサルタントが、自分の知りたい情報を網羅できる業界研究のやり方をアドバイスしています。
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企業研究のコツについて知りたい人は以下のQ&Aを参考にしてみてください。経験豊富なキャリアコンサルタントが、企業研究のポイントをわかりやすくアドバイスしています。
- 「この仕事で手に職をつけたい」と思っても、将来性がないときはどうすべきですか?
残存者利益を狙ったり新たなスキルを追加したりしてキャリアを確立しよう
マーケットに将来性がないと見切った会社が次々に撤退し、結果的に残った数社がマーケットを独占する状態を「残存者利益」といいます。
将来性は厳しいがどうしてもその仕事をやりたいなら、残存者利益を狙うニッチな選択肢はありかもしれません。
興味のある仕事に現在の技術、特にIT技術を加えてみるのも良いでしょう。手描きデザインをデジタルデザインやイラストアプリで表現してみる、対面で提供していたサービスをオンラインで提供するなどです。
自分の顧客の状態をよく観察してみることで、自分のキャリアに何を追加したら良いのかヒントが見えてくるでしょう。
④検討:仕事の特徴と自分の「手に職」の理想を照らし合わせる
仕事研究と自己分析によって仕事と自分の双方への理解を深めた後は、それらの情報をもとに、気になっている仕事で本当に手に職をつけるべきなのか検討していきましょう。
最初に考えた「手に職」の形や自分のなりたい姿と仕事研究で得た情報とを比較して、その仕事で自分が理想とする「手に職」がつけられるのかを考えることがポイントです。
たとえば、理想とする「手に職」の形が「5年以内に独立して自由に仕事ができる」ことだったとします。そこから、その仕事の独立の難易度や独立までにかかる時間や労力がどれくらいなのかなど、仕事研究で得たあらゆる情報を照らし合わせてみましょう。
そうすることで、自分の適性に合っている、という仕事選びの基本となる部分だけでなく、自分がなりたい姿が実現できる、といった部分までマッチする仕事選びができますよ。
⑤実行:志望する仕事で手に職をつけるために必要なアクションに移す
自分のなりたい姿にマッチする手に職がつく仕事が見つかったあとは、いよいよ手に職をつけるためのアクションに移っていきましょう。
先でも解説しましたが、手に職がつけられる仕事は、資格を取得することでプロとして評価されるものと、実績や技術が評価されるものの2つに分けることができます。
ここではそれぞれの手に職がつく仕事の特徴別に必要なアクションについて解説するため、参考にして、自分の目指す仕事で手に職をつけるには具体的にどうすれば良いのか考えてみてくださいね。
資格が必要な仕事:資格取得までの勉強計画を立てる
手に職がつく仕事の中でも、資格がなければ働けないものについてはまず、資格取得の方法や試験日程・費用などを割り出し、自分がいつまでに取得を目指すかを決めましょう。資格の中には、大学や専門学校などで指定のカリキュラムを修了しなければ試験を受けることすらできないものもあるため、しっかり調べる必要があります。
資格取得の大まかなスケジュールが決まったら、次は具体的な勉強スケジュールも組み立てることが大切です。
たとえば、行政書士の資格を取得する場合は特別な受験資格が定められていないため、自分で参考書や資料を探して独学で取得するのか、民間の講座を受講するのか、資格の勉強方法を決めます。その後、独学なら書店やインターネットで参考書を購入し、民間講座で学ぶのであればどのカリキュラムを受講するのかを決めましょう。
勉強法が決まったら、平日は2時間、休みの日はプラス2時間勉強する、などのように勉強の具体的なスケジュールを立てます。ある程度スケジュールが決まったら、自分の習得スピードに応じて「〇カ月後の△月に受験しよう」といった具合で具体的な受験日も定めておくと良いでしょう。
社会人になってから資格を取ろうとしている人は、仕事と勉強を両立させる必要があるため、学生の頃とは違った大変さがあります。着実に資格取得に向けて進めるよう無理のない範囲で日々の勉強スケジュールを考えてくださいね。
長期的なキャリアプランでは、明確な目標設定と必要なスキル獲得のための段階的な計画が重要です。変化に対応しやすいように、定期的なプランの見直しを忘れずにおこないましょう。
経験やスキルが必要な仕事:キャリアチェンジや副業で早めに実績を積む
経験やスキルを積むことで自分の評価を高められる仕事では、どうやったらその仕事での技能が身に付く経験ができるのかという視点でアクションを起こしましょう。
現在全く違う仕事をしている場合は、転職によって実務経験が積める環境に移ったり、今の仕事を続けながら副業という形で技能を習得したりする選択肢があります。
転職をする場合は、最初におこなった仕事研究とは別で就職先について調べたり、選考の対策をおこなうことが必要です。異業種からの転職は「なぜ元いた業界や業種でなく、応募先の仕事を選んだのか」といった志望動機を深掘りされる可能性があるため、しっかり対策しておきましょう。
副業として地道に経験を積む場合は、将来的に今の仕事を辞めて独立や転職、フリーランスとしての道を目指すことを想定し、目に見える実績を意識して経験を積むことが重要です。
副業でどれだけスキルを高められてもその経歴が周囲に伝わらなければ、本業にしたとしても仕事を獲得することが難しくなるため、コンクールの応募や民間資格の取得、具体的な売り上げなど、自分のスキルを証明できる手段を取り入れることも忘れないようにしましょう。
異業種への転職は、これまで培ったスキルがほぼ活かせない環境になりえます。そのことで落ち込んでしまわないように、自分の目標をしっかりと持っておきましょう。面接の際も「異業種からなぜ転職するのか」を明確にしておくと好印象です。
選考時に自分の転職理由をどのように説明すれば良いかわからない、という人は以下の記事がおすすめです。多くの人の就職を支援してきたキャリアコンサルタントが、面接官を納得させる転職理由の伝え方を解説しています。
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転職理由の10例文|面接官を納得させて好印象を掴む伝え方を解説
面接で必ずと言って良いほど問われる転職理由。転職理由の考え方、伝え方、注意するべきポイントをキャリアコンサルタントとともに解説します。誰が聞いても納得感がある転職理由に仕上げて、面接で堂々と伝えましょう。
記事を読む
キャリアコンサルタントが考える後悔せずに手に職をつける方法
先では、後悔せずに手に職をつける場合には、まず自分の理想とする将来像を明確にすることと、仕事のマッチ度を見極めることが大切だと解説しましたが、就職のプロであるキャリアコンサルタントとしての見解がどうなのか気になっている人もいるのではないでしょうか。
そこでここからは、数多くの人のなりたい姿の実現をサポートしてきたキャリアコンサルタントの瀧本さんに、後悔せずに手に職をつける方法について具体的に解説してもらいます。
手に職をつけることは簡単に達成できることではないからこそ、労力を無駄にしたくないという人はぜひ参考にしてみてください。
アドバイザーコメント
瀧本博史
プロフィールを見る何の職を手につけるか決める前に自己理解を深めることが重要
「手に職をつける」ためには、まず自己理解を深めることが不可欠です。具体的には、自分の興味や得意な分野を明確にすることから始めます。これには、キャリアセンターや専門のキャリアコンサルティングサービスなどを利用し、自分の適性や性格に合った職種を探ることが効果的です。
また、新卒の場合はインターンシップや業界セミナーへの参加を通じて、実際の職場環境を体験し、自分が望むキャリアと現実とのギャップを把握することも大切です。
就職がゴールではなく自分のキャリアの過程ととらえて取り組もう
次に、採用プロセスにおいては対話型の面接を積極的に活用しましょう。
対面でのコミュニケーションは、企業文化や職場の雰囲気を肌で感じる貴重な機会となります。オンライン面接だけでは伝わりにくい企業の人柄やチームの雰囲気を、直接的な対話から感じ取ることができるのです。
また、企業からのフィードバックも重要なポイントになります。面接や説明会でのフィードバックは、自己の成長に直結する貴重な意見として受け止め、次のステップへの改善に活かしてください。
これらのステップを踏むことで、自分自身の能力や市場価値を正確に把握し、自分に最適な職場を見つけるための確固たる土台を築くことができます。就職活動は単に「就社」のためではなく、自分自身のキャリアを形成する重要な過程であると捉え、前向きに取り組んでいきましょう。
就社
就職活動で企業を選ぶ際に、仕事内容よりも企業の知名度や規模、待遇面などを重視すること。対して「就職」は待遇面よりも仕事内容を重視することを指す
手に職をつけるなら自分のなりたい姿を明確にして納得のいく選択をしよう
手に職をつけることは、どんなスキルや資格であれ自分の成長の糧となるため、良いことばかりのように感じるかもしれません。
しかし、自分のこれからの人生をより良くするために手に職がつく仕事を探す場合は、安易な気持ちで選んでしまうと、時間やお金を浪費し、この先の人生の選択肢を狭めてしまうといったリスクも伴います。
手に職をつけたいと考えている人は、まず、自分の考える「手に職」の形や将来像を具体的にイメージすることが大切です。手に職がつく仕事=条件の良い仕事ではないため、仕事研究をおこなって手に職をつけたあとの働き方や将来性を考えることも忘れないでください。
どんな仕事においても、その仕事でなりたい姿を実現するために努力したり経験を積んだりすることで、その経験が無駄になることはなく、「手に職」をつけることができます。
自分のなりたい姿のために必要なステップを踏み、最適な仕事で手に職をつけて、自分の人生を豊かなものにしてくださいね。
アドバイザーコメント
平井 厚子
プロフィールを見る手に職をつけるなら身の回りの変化を見極めることが鍵となる
「手に職」で考えないといけないのは、自分のやりたいことと社会ニーズが将来にわたってどうなるか、という点ですね。一度はマッチした仕事と社会ニーズが、社会の変化でずれてくることも十分ありえます。
ほかにも、市場の変動や技術の進歩によって、求められるスキルが変わることもあるでしょう。「手に職」がある状態を持続的なものにするためには、変化を脅威ではなくチャンスと捉え、常に学び続けることが大切です。
状況をポジティブにとらえて自分にとってベストな環境を探そう
タイプライターがワープロに置き換わり始めたころのタイピストは、ワープロを脅威と捉えてなじまなかった人と、タイプライターとワープロのキーボード配列は同じだからと、ワープロにさわり始めた人とに分かれたそうです。
後者の人たちはタッチタイピングができたので、ワープロの機能を覚えてさっそく使いこなしていました。タイピングを他の社員に教えたりもしていたようです。前者の人がどうなったかは想像がつきますね?
「手に職を」と思っている人は、働く意欲、働き続ける意思が強い人だと思います。変化をよく見て自分のポジションを探してください。応援しています。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/一般社団法人テツナグ代表理事
Hiromi Wakabayashi〇女性や学生向けのキャリア講座、行政主催の就職フェアでのキャリア相談に従事。また、ライター経歴を活かし、各種サイトでキャリアについて考えている人に向けた記事を監修
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士
Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Atsuko Hirai〇ITメーカーで25年間人材育成に携わり、述べ1,000人と面談を実施。退職後は職業訓練校、就労支援施設などの勤務を経て、現在はフリーで就職・キャリア相談、研修講師などを務める
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