
すぐに問題を解きたい人はこちらをチェック!
SPIの「語句の用法」は言語分野で出題されます。問題文の中で太字になっている箇所があり、その部分と同じ意味の語句を選択肢から選ぶ問題です。普段の生活でなにげなく使っている日本語ですが、本来の意味や使い方を正しく理解できていない人も多いのではないでしょうか。感覚で解いてしまうとミスにつながりやすいため、文法の働きを見極める力を付けましょう。
この記事では、多くの就活生のキャリア支援をおこない、これまでに延べ200名ほどの学生にWebテストの指導をしてきたキャリアコンサルタントの楳内さんとともに、SPI「語句の用法」の解き方について解説していきます。間違いやすい選択肢を見分けるコツや解く際のポイントを解説しているため、文法問題に苦手意識がある人はぜひ参考にしてみてください。
記事の後半では「語句の用法」の練習問題を20問紹介しています。自分の苦手なパターンを把握するためにも活用してみましょう。
よりSPIの本番をイメージして対策したい人は、SPI対策模試にも挑戦してみてください。
まずはここから! 語句の用法の解き方のコツを解説
SPIの語句の用法問題は、文法や語の働きを正確に見抜く力が求められます。時間制限があるため、1問にかけられる時間は20~30秒以内が理想です。
すべてを深く考えるのではなく、文中での語の働きを素早く判断し、選択肢を消去していくのがポイントとなります。日頃から接続助詞や格助詞、助動詞などの基本用法に慣れておくことで、似た用法を見極めやすくなるでしょう。
短時間で正確に処理する力が、SPI通過のカギになります。
SPI「語句の用法」の練習問題20問|楳内さんの解説付き!
SPI「語句の用法」の練習問題を解説付きで20問紹介します。解きながら読み進めていってくださいね。
「語句の用法」の問題に初めて挑戦する人は、「まずはここから! 語句の用法の解き方のコツを解説」を読んでから挑戦してみましょう。
問題1(難易度:★☆☆☆☆)
問題
問題文の太字の語と、文法的に同じ用法のものを、A~Eの中から一つ選びなさい。
駅まで走った。
選択肢
正解:C
問題文の「た」は、動詞「走る」の連用形(の音便形「走っ」)に接続しており、過去を表す助動詞です。
A. 「雨だっ(た)」は、名詞「雨」に接続する断定の助動詞「だ」の連用形「だっ」に接続しています。
B. 「寒かっ(た)」は、形容詞「寒い」の連用形「寒かっ」に接続しています。
C. 「言っ(た)」は、動詞「言う」の連用形(の音便形「言っ」)に接続しており、過去を表す助動詞です。
D. 「静かだっ(た)」は、形容動詞「静かだ」の連用形「静かだっ」に接続しています。
E. 「買いたかっ(た)」は、希望の助動詞「たい」の連用形「たかっ」に接続しています。
したがって、問題文と同じく過去の助動詞として使われているCが正解です。
問題2(難易度:★☆☆☆☆)
問題
問題文の太字の語と、文法的に同じ用法のものを、A~Eの中から一つ選びなさい。
彼はバスで通勤している。
選択肢
正解:C
問題文の「(バス)で」は、「手段・道具」(~を使って)を表す格助詞です。
A. 「(風邪)で」は、「原因・理由」(~のせいで)を表します。
B. 「(公園)で」は、「動作の場所」(~において)を表します。
C. 「(鉛筆)で」は、「手段・道具」(~を使って)を表しており、問題文と同じ用法です。
D. 「(全部)で」は、数量の「合計・範囲」を表します。
E. 「(食堂)で」は、断定の助動詞「だ」の連用形で、「~であって」と文をつなぐ働きをしています。
問題3(難易度:★★☆☆☆)
問題
問題文の太字の語と、文法的に同じ用法のものを、A~Eの中から一つ選びなさい。
この件の担当者は私です。
選択肢
正解:E
問題文の「の」は、「この件」という体言(名詞)と「担当者」という体言(名詞)をつなぐ、連体修飾(所有・所属)を表す格助詞です。「この件に属する担当者」という意味になります。 文法的には【名詞+の+名詞】の構造であり、「が」に置き換えることはできません。
A. 「彼」と「書いた(動詞)」をつなぐ格助詞です。「彼が書いた」と言い換えられるため、これは動作の主体(主格)を表す用法です。問題文とは文法的な機能が異なります。
B. 「の」は、理由を表す接続助詞「ので」の一部です。
C. 「の」は、「欲しい」という状態を名詞化する形式名詞(準体助詞)です。(「欲しいこと」)
D. 「の」は、「支社長」と「佐藤さん」が同一であることを示す同格の格助詞です。
E. 「の」は、「駅前」という体言(名詞)と「ビル」という体言(名詞)をつなぐ、連体修飾(場所)を表す格助詞です。問題文と同じ【名詞+の+名詞】の構造であり、「が」に置き換えられません。
したがって、問題文と文法的に同じ用法(名詞を修飾する連体修飾格)として使われているEが正解です。
問題4(難易度:★★☆☆☆)
問題
問題文の太字の語と、文法的に同じ用法のものを、A~Eの中から一つ選びなさい。
彼はまだその事実を知らない。
選択肢
正解:D
問題文の「ない」は、動詞「知る」の未然形「知ら」に接続する、打消の助動詞です。
A. 「ない」は、「ある」の対義語として「存在しない」という意味を持つ形容詞です。
B. 「ない」は、形容詞「面白い」の連用形「面白く」に接続する、補助形容詞です。(「~くはない」の形)
C. 「ない」は、形容詞「易しい」の連用形「易しく」に接続する、補助形容詞です。(「~くはない」の形)
D. 「ない」は、動詞「ありえる」の未然形「ありえ」に接続する、打消の助動詞です。
E. 「ない」は、助動詞「たい」(希望)の連用形「たく」に接続する、補助形容詞です。(「~たくはない」の形)
したがって、同じ打消の助動詞として使われているDが正解です。
「ない」は日常的にさまざまな使われ方をします。そのため、「打消の助動詞」と「補助形容詞」の違いを直感的に理解しにくいかもしれません。
まずは、「動詞の未然形+ない」=助動詞、「~くない・たくない」=形容詞であることを覚えましょう。
①「動詞の未然形+ない」=助動詞
例:「知らない」「ありえない」
→「知る」「ありえる」という動詞(未然形)に接続
「ない」は打消の助動詞となり、「ない」までを含めて一つの述語として機能します。
②「~くない・たくない」=形容詞
例:「面白くない」「易しくない」「食べたくない」
→ 「面白い」「易しい」「~たい」などの活用語の連用形に接続
「ない」は補助的な形容詞となり、中心となる意味は前の言葉にあり、「ない」は否定の意味を添える役割(補助)を果たします。
この違いをつかむと、動詞の打消と形容詞の否定を区別しやすくなるのです。
問題5(難易度:★★☆☆☆)
問題
問題文の太字の語と、文法的に同じ用法のものを、A~Eの中から一つ選びなさい。
雨が降ってきたので、急いで傘をさした。
選択肢
正解:E
問題文の「が」は、「降ってきた」という動作の主体(主語)を示す主格の格助詞です。
A, B, D の「が」は、「好きだ」「いい」「信じる」といった動詞や形容詞の対象を示す格助詞です。(主語ではありません)
C の「が」は、前の文と後の文を逆接の関係でつなぐ接続助詞です。
E の「が」は、「くれた」という動作の主体(主語)を示す主格の格助詞です。
したがって、問題文と同じく動作の主体を示す主格の格助詞として使われているEが正解です。
「が」の文法的な用法の違いに注目することがポイントです。
一見同じ「が」でも、主語を表す主格と、動作や状態の対象を表す「が」では機能が異なります。
問題文と選択肢Eは、どちらも「降る」「くれる」という動作の主体=主語を示しており、これが「主格」の「が」です。
一方、A・B・Dは「好き」「いい」「信じている」などの状態・感情の対象を示すため、文法上は「対象格」の「が」となり区別されます。
SPIでは「意味」ではなく「文の中でどう働いているか(主語か、対象か)」に着目しましょう。
問題6(難易度:★★☆☆☆)
問題
問題文の太字の語と、文法的に同じ用法のものを、A~Eの中から一つ選びなさい。
昨日の会議は、かなり盛り上がったらしい。
選択肢
正解:E
問題文の「らしい」は、伝聞・推定の助動詞です。動詞「盛り上がった」に接続し、聞いた情報に基づく推定を表しています。
A. 「学生らしい」の「らしい」は、名詞に付く接尾語で、「学生という身分にふさわしい」という意味を表します。
B. 「子どもらしい」の「らしい」は、様態の助動詞で、名詞に接続し、「~にふさわしい」という意味を表します。
C. 「自分らしい」の「らしい」は、名詞に付く接尾語で、「自分という人間にふさわしい」という意味を表します。
D. 「大人らしい」の「らしい」は、様態の助動詞で、名詞に接続し、「~にふさわしい」という意味を表します。
E. 「提出するらしい」の「らしい」は、伝聞・推定の助動詞です。動詞「提出する」に接続し、聞いた情報に基づく推定を表しており、問題文と同じ用法です。
したがって、問題文と同じく伝聞・推定の助動詞として使われているEが正解です。
問題7(難易度:★★★☆☆)
問題
問題文の太字の語と、文法的に同じ用法のものを、A~Eの中から一つ選びなさい。
彼は誠実な人だ。
選択肢
正解:A
問題文の「だ」は、「誠実な人」という体言(名詞句)に接続する、断定の助動詞です。文末で使われています。
A. 「10時」という体言に接続する、断定の助動詞です。文末で使われており、問題文と同じ用法です。
B. 「静かだ」は、形容動詞「静かだ」の終止形です。「だ」はその活用語尾であり、独立した助動詞ではありません。
C. 「読んだ」は、動詞「読む」の連用形(撥音便)に接続した、**過去の助動詞「た」**が濁音化したものです。
D. 「きれいだ」は、形容動詞「きれいだ」の終止形です。(「い」で終わりますが形容詞ではなく形容動詞です)
E. 「遊んだ」は、動詞「遊ぶ」の連用形(撥音便)に接続した、**過去の助動詞「た」**が濁音化したものです。
したがって、問題文と同じく断定の助動詞として使われているAが正解です。
問題8(難易度:★★★☆☆)
問題
問題文の太字の語と、文法的に同じ用法のものを、A~Eの中から一つ選びなさい。
雨が降ってきた。
選択肢
正解:D
問題文の「が」は、「雨」という主語を受けて、その動作(降る)を表す主格の格助詞です。
A. 「が」は、「好きだ」という状態の対象を表す格助詞です。(主語は「私」)
B. 「が」は、「高い」という状態の対象(部分)を表す格助詞です。(主語は「彼」)
C. 「が」は、前の文(努力した)と後の文(報われなかった)を逆の関係でつなぐ接続助詞(逆接)です。
D. 「が」は、「お客様」という主語を受けて、その動作(いらっしゃる)を表す主格の格助詞です。問題文と同じ用法です。
E. 「が」は、「ここ」という主語を受けて、その状態(海だった)を表す主格の格助詞です。
したがって、問題文と同じく動作の主語を示す主格の格助詞として使われているDが正解です。
問題9(難易度:★★★☆☆)
問題
問題文の太字の語と、文法的に同じ用法のものを、A~Eの中から一つ選びなさい。
毎朝、決まった時間に朝食をとる。
選択肢
正解:C
問題文の「とる」は、「摂取する」「食べる・飲む」という意味の動詞です。
A. 「とる」は、「写真を撮影する」という意味の動詞です。
B. 「とる」は、「引き受ける」「身に負う」という意味の動詞です。
C. 「とる」は、「摂取する」「服用する」という意味の動詞です。問題文と同じ用法です。
D. 「とる」は、「掌握する」「担当する」という意味の動詞です。
E. 「とる」は、「書き留める」「記録する」という意味の動詞です。
したがって、問題文と同じく「摂取する」という意味で使われているCが正解です。
問題10(難易度:★★★☆☆)
問題
問題文の太字の語と、文法的に同じ用法のものを、A~Eの中から一つ選びなさい。
彼女はいつも明るい表情で周りを和ませる。
選択肢
正解:E
問題文の「明るい」は、「表情が朗らかで、快活な様子」という性格や感情に関する意味で使われています。
A の「明るい」は、「見通しが良い、希望がある」という未来に関する意味です。
B の「明るい」は、「詳しい、精通している」という知識に関する意味です。
C の「明るく」は、「光が多い」という物理的な状態に関する意味です。
D の「明るい」は、「色の系統が薄い、鮮やか」という色彩に関する意味です。
E の「明るい」は、「性格が陽気で快活だ」という性格や感情に関する意味で、問題文と同じ用法です。
したがって、問題文と同じく性格・感情に関する意味で使われているEが正解です。
問題11(難易度:★★★☆☆)
問題
問題文の太字の語と、文法的に同じ用法のものを、A~Eの中から一つ選びなさい。
これは私のパソコンです。
選択肢
正解:D
問題文の「の」は、連体修飾格を示す格助詞(所有)。
A, B, E の「の」は、準体言的用法を示す助詞(文や句を名詞のように扱う)。
C の「の」は、連体修飾格を示す格助詞(同格、または属性)。
D の「の」は、連体修飾格を示す格助詞(時を表す名詞を修飾)
この問題では、「の」の文法的な働きを見分ける力が問われています。
「の」は非常に多くの用法を持つ助詞ですが、ここで注目すべきは名詞を名詞で修飾する連体修飾の用法かどうかです。
問題文の「私のパソコン」は、「私」が「パソコン」を所有している関係を示す所有の連体修飾となります。同様に、Dの「来週の金曜日」も「来週」という時期が「金曜日」という名詞を修飾する構造であり、時を表す名詞の連体修飾となっているのです。
一方、A・B・Eの「の」は文全体を名詞化する準体助詞で、用法が異なります。
「の」の前後が名詞同士かどうかを確認するのが、見分けるポイントです。
問題12(難易度:★★★☆☆)
問題
問題文の太字の語と、文法的に同じ用法のものを、A~Eの中から一つ選びなさい。
彼なら、この難問を解決できるとみる。
選択肢
正解:C
問題文の「みる」は、「判断する」「評価する」という意味の動詞です。
A の「みる」は、「視覚でとらえる」という意味です。
B の「みる」は、「観察する」「様子をうかがう」という意味です。
C の「みる」は、「評価する」「見込む」という意味です。問題文と同じ用法です。
D の「みる」は、「試す」「試みる」という意味です。
E の「みる」は、「診察する」「手当てをする」という意味です。
問題13(難易度:★★★☆☆)
問題
問題文の太字の語と、文法的に同じ用法のものを、A~Eの中から一つ選びなさい。
長時間の移動であしが棒のようになった。
選択肢
正解:C
問題文の「あし」は、長時間歩いたことによる疲労を表しており、「歩く・走る」という足の機能・動作に焦点を当てています(漢字は一般的に「足」を使います)。
A の「あし」は、「邪魔なもの、お荷物」という比喩的表現(足でまとい)です。
B の「あし」は、「物を支える部分」(テーブルの脚)という器物の部分です。
C の「あし」は、「走る能力」(あしが速い)という身体の機能に関する意味で、問題文と同じく身体の一部とその機能を指しています。
D の「あし」は、「行く、訪問する」という行動・移動に関する慣用表現(あしを運ぶ)です。
E の「あし」は、足の長さという見た目(形状)を表しており、機能ではありません(漢字は「脚」を使います)
したがって、問題文と同じく身体の一部やその機能を指すCが正解です。
問題14(難易度:★★★★☆)
問題
問題文の太字の語と、文法的に同じ用法のものを、A~Eの中から一つ選びなさい。
彼は部長に推薦された。
選択肢
正解:E
問題文の「に」は、動詞「推薦さ(れる)」という受身の動詞と共に用いられ、動作の主体(動作主)を表す格助詞です。「彼が(誰かによって)推薦された」ことを示します。
A. 「に」は、変化の結果を表す格助詞です。(例:「医者になる」)
B. 「に」は、動作の対象(相手)を表す格助詞です。(例:「私にあげる」)
C. 「に」は、動作が終了する時点を表す格助詞です。(例:「3時に」)
D. 「に」は、形容動詞「静かだ」の連用形の語尾であり、助詞ではありません。(例:「静かに」)
E. 「に」は、動詞「捕まっ(た)」という受身(に近い意味を持つ動詞)と共に用いられ、動作の主体(動作主)を表す格助詞です。問題文と同じ用法です。
したがって、問題文と同じく受身の動作主を表すEが正解です。
問題15(難易度:★★★★☆)
問題
問題文の太字の語と、文法的に同じ用法のものを、A~Eの中から一つ選びなさい。
来年こそは海外旅行に行こう。
選択肢
正解:C
問題文の「う」は、動詞「行こ(う)」(五段活用)の未然形に接続し、意志や勧誘を表す助動詞です。
A. 「だろう」は、断定の助動詞「だ」の未然形「だろ」に、推量を表す助動詞「う」が接続した形です。用法(推量)が異なります。
B. 「言う」は、動詞「言う」の終止形であり、活用語尾(動詞の一部)です。助動詞ではありません。
C. 「向こう」は、五段活用動詞「向く」の未然形「向こ」に、意志や勧誘を表す助動詞「う」が接続した形です。問題文と同じく五段活用の未然形に接続しており、用法・接続の形ともに同じです。
D. 「負う」は、動詞「負う」の終止形であり、活用語尾(動詞の一部)です。助動詞ではありません。
E. 「捨てよう」は、下一段活用動詞「捨てる」の未然形「捨て」に、意志や勧誘を表す助動詞「よう」が接続した形です。用法は同じですが、接続する動詞の活用(下一段活用)によって形が「よう」となっているため、問題文の「う」(五段活用に接続)とは接続の形が異なります。
したがって、用法と接続の形が問題文と完全に一致するCが正解です。
この問題は、「う/よう」の違いや、動詞の活用型(五段・下一段)との関係が混乱しやすいポイントです。「う」と「よう」は意味は同じですが、使い分けに注意が必要となります。
●五段活用動詞 +「う」
例:行く→行こう、向く→向こう、書く→書こう、話す→話そう・
・語尾が変化して「う」に続く形なのが、五段活用動詞
●下一段・サ変動詞 +「よう」
例:見る→見よう、食べる→食べよう、勉強する→勉強しよう
・語幹にそのまま「よう」が続くものは、下一段活用やサ変動詞
どちらも意志・勧誘を表す助動詞で意味は同じですが、接続する動詞の活用形によって形が変わります。意志・勧誘の助動詞「う/よう」の使い分けは、語句の用法で重要なルールのひとつです。正確に覚えておきましょう。
問題16(難易度:★★★★☆)
問題
問題文の太字の語と、文法的に同じ用法のものを、A~Eの中から一つ選びなさい。
あの雲の形は、大きな竜のようだ。
選択肢
正解:A
問題文の「ようだ」は、比喩(例え)を表す助動詞です。体言(名詞)「竜」に接続しています。
A の「よう」は、比喩(例え)を表す助動詞です。体言(名詞)「プロ」に接続しており、問題文と同じ用法です。
B, D の「ようだ」は、推定(推量)を表す助動詞です。用言(動詞「帰った」、形容詞「いない」)に接続しています。
C, E の「ように」は、目的(~するために)を表す助動詞です。
したがって、問題文と同じく比喩の用法で使われているAが正解です。
問題17(難易度:★★★★☆)
問題
問題文の太字の語と、文法的に同じ用法のものを、A~Eの中から一つ選びなさい。
電車で通勤している。
選択肢
正解:E
問題文の「で」は、手段・方法(道具)を示す格助詞です。(電車という手段を用いて通勤している)
A の「で」は、原因・理由を示す格助詞です。(病気のために休んだ)
B の「で」は、原因・理由を示す格助詞です。(涙によってぐしゃぐしゃになった)
C の「で」は、期限・範囲を示す格助詞です。(3日という時間内で完成した)
D の「で」は、資格・状態を示す格助詞です。(責任という立場で進める)
E の「で」は、材料・原料(道具)を示す格助詞です。(粘土という材料を使って作った)
「手段・方法」と「材料・原料」の用法は、広義の道具として最も近く、他の選択肢が明確に原因や期限を示すため、Eが正解となります。
「で」の用法には、手段・方法・材料・理由・資格・時間などがあり、これらを正しく見分ける力が求められるでしょう。
問題文「電車で通勤する」の「で」は、通勤の手段=移動手段・方法を表しています。選択肢Eの「粘土で作った」も、粘土という材料=作るための手段・道具と解釈でき、目的達成のために使われるものという点で同じ用法です。
他の選択肢は、理由・期限・資格といった異なる意味での「で」であり、文法的な役割が異なります。SPIでは、「で」がどういう働きをしているか(手段か原因か)を意識して判断しましょう。
問題18(難易度:★★★★☆)
問題
問題文の太字の語と、文法的に同じ用法のものを、A~Eの中から一つ選びなさい。
空が曇ってきて、今にも雨が降りそうだ。
選択肢
正解:C
問題文の「そうだ」は、様態の助動詞です。動詞の連用形「降り」に接続し、目の前の様子(空の曇り)から「雨が降るだろう」と推量する意味を表します。
A, B, D, E の「そうだ」は、すべて伝聞の助動詞です。(「人から聞いた情報」に基づく)
C の「そうだ」は、動詞の連用形「完成し」に接続し、様態(この資料の様子)から完成が近いと推量する意味を表しています。問題文と同じ用法です。
【接続の確認】
* 様態の「そうだ」:動詞・形容詞の連用形に接続(例:降りそうだ、美味しそうだ)
* 伝聞の「そうだ」:動詞・形容詞の終止形に接続(例:降るそうだ、美味しいそうだ)
したがって、様態の助動詞として使われているCが正解です。
この問題では、「そうだ」が様態(様子)を表す助動詞なのか、伝聞(人から聞いた話)を表す助動詞なのかの違いを見抜くことがカギです。
問題文の「雨が降りそうだ」は、「空が曇っている」という目に見える状況から推量する表現であり、これは様態(~しそうだ)の用法です。選択肢Cも「資料が完成しそうだ」と、完成に近い様子からの推量であり、問題文と同じ「様態の助動詞」となります。
一方、A・B・D・Eは誰かから聞いた情報を伝える“伝聞”の助動詞で、接続形も終止形になっているため用法が異なるのです。
SPIでは、「そうだ」が何を根拠に判断しているか(見たのか、聞いたのか)に注目すると区別しやすくなります。
問題19(難易度:★★★★★)
問題
問題文の太字の語と、文法的に同じ用法のものを、A~Eの中から一つ選びなさい。
彼は社長から信頼されている。
選択肢
正解:A
問題文の「から」は、「信頼されている」という受身の動作について、その動作の起点(信頼する主体)を示す格助詞です。
A. 「から」は、「届いた」という動作の起点(手紙の送り主)を示す格助詞です。人から物へ動作が始まる起点であり、問題文と用法が近いです。
B. 「から」は、時間の起点を示す格助詞です。
C. 「から」は、原材料・材料を示す格助詞です。
D. 「から」は、場所・距離の起点を示す格助詞です。
E. 「から」は、「伝える」という動作の主体(動作の起点)を示す格助詞です。
問題文、A、Eはいずれも「人」を起点とする動作の開始点を示しており、文法的な分類としては同じ「起点」の用法です。特にAは、問題文の「信頼されている(人)」と「届いた(物)」のように、動作の起点としての用法が最も一般的で典型的なため、正解とされます。
「~から」は「どこから来たか」「誰からされたか」を表します。
問題文は、受け身(受動文)の形で、「社長」が「信頼する」という動作の出発点=動作主を表しています。
Aの「友人から手紙が届いた」は、「手紙が届く」という動作の起点(送り主)が「友人」=動作の出発点と言えるでしょう。こちらは、意味構造が非常に近いため、SPI上では同じ「起点」として正解となります。
そして、Eの「私から彼に伝える」も同じく「誰から動作が始まるか」を示していますが、こちらは能動文です。問題文の「受け身文」と文構造が異なるという点で、Aよりは距離があるとされます。
SPIでは、人がおこなう動作の起点を表す「から」を一つのカテゴリととらえておくと、正解を導きやすくなるでしょう。
問題20(難易度:★★★★★)
問題
問題文の太字の語と、文法的に同じ用法のものを、A~Eの中から一つ選びなさい。
知ってはいたが、何も言えなかった。
選択肢
正解:E
問題文の「が」は、「知ってはいた」という事実と「何も言えなかった」という事実を、逆接(前の内容から期待される結果と反対の結果)の関係でつなぐ接続助詞です。
A. 「が」は、二つの文(私と彼)を対比させる接続助詞です。
B. 「が」は、二つの文(空と風)を対比させる接続助詞です。
C. 「が」は、文末にあり、疑問や懸念を表す終助詞です。
D. 「が」は、「喉」という主語を表す主格の格助詞です。
E. 「が」は、「必要だとは思う」という事実と「実行に移せない」という事実を、逆接の関係でつなぐ接続助詞です。問題文と同じ用法です。
AとBの「対比」も広い意味では逆接ですが、問題文やEの文は「~にもかかわらず、~だ」と言い換えられるような論理的な逆接関係を示しており、用法が最も一致します。したがって、Eが正解です。
「が」は日常会話でも非常に多用される一方で、文法上の「逆接」「対比」「主格」「終助詞」などの違いが曖昧な人も多いでしょう。
問題文「知ってはいたが、何も言えなかった」とEの「必要だとは思うが、実行に移せない」は、どちらも 「前提を認めつつ、結果がそれに反している」=論理的な逆接です。これはどちらも「AならBになるはずだ」→「でも実際はBにならなかった」という文構造となっています。
一方で、A・Bの「が」は、「Aは~だが、Bは~」という対比の接続を示すものです。これらは、意味的な衝突・反対は弱く、「並列的な違いの提示」となります。
「が」の前後の文が論理的に矛盾・対立しているかを見て、逆接か対比かを判断するのがコツです。
SPI「語句の用法」を解くためのポイント
頻出する用法を一覧でチェック
| 語句 | 用法 | 例文 | 見分け方 (言い換え・置き換え) |
|---|---|---|---|
| だ | ①断定 | 彼は学生だ。 | 「~である」と言い換え可能 名詞や形容動詞につく |
| だ | ②過去 | 本を読んだ。 | 「~た」と同じ意味(過去・完了) 動詞の連用形につく |
| らしい | ①推定 | 雨が降るらしい。 | 「~だそうだ」「~のようだ」と同じ意味 客観的な根拠を示す |
| らしい | ②接尾語的 | 男らしい態度。 | 「いかにも~と言う感じ」と言い換え可能 「とても~だ」と強調する形 |
| ない | ①助動詞 | 書かない。 | 「ぬ」に置き換え可能(書かぬ) |
| ない | ②形容詞 | 本がない。 | 「ぬ」に置き換えることができない 「は」につく場合もある(本はない) |
| 語句 | 用法 | 例文 | 見分け方 (言い換え・置き換え) |
|---|---|---|---|
| の | ①主格(主語) | 天気の良い日。 | 「が」に置き換え可能 |
| の | ②連体修飾 | 桜の花。 | 下の名刺を説明している(~にある、~という) |
| の | ③同格 | 友人の田中。 | 「AのB」が「A=B」の関係になっている(友人=田中) |
| の | ④所用・代用 | 私のカバンだ。 | 「私の(もの)だ」と名詞の代わりになる |
| と | ①並列 | 兄と弟。 | 「AおよびB」 対等な関係 |
| と | ②動作の相手 | 友達と話す。 | 「~と一緒に」「~に対して」 |
| と | ③引用 | 「はい」と言う。 | 思考や発言の内容を示す 「~ということを」 |
| と | ④結果・変化 | 春となる。 | 「~になる」 変化の結果を示す |
| より | ①比較 | 花より団子。 | 「~に比べて」 比べる基準として活用される |
| より | ②起点 | 東京より始める。 | 「~から」に置き換えられる(場所・時間) |
| 語句 | 用法 | 例文 | 見分け方 (言い換え・置き換え) |
|---|---|---|---|
| ながら | ①並行・同時 | 歩きながら話す。 | 「~している間に」 2つの動作を同時にしていることを示す |
| ながら | ②逆説 | 知っていながら隠す・ | 「~なのに」「~にもかかわらず」 予想と違う結果になること |
| ば | ①仮定条件 | 雨が降れば中止。 | 「もし~たら」 仮定の話に活用 |
| ば | ②恒常条件 | 春になれば咲く。 | 「~するといつも」 必然的な結果を示す |
| が | ①逆説 | 走ったが遅刻した。 | 「~けれど」「しかし」 |
| が | ②前置き | 駅に行きたいのですが、道を教えていただけませんか。 | 単につなぐだけ(単純接続) 文脈上の対立はない |
| と | ①仮定・条件 | 右に行くと駅だ。 | 「~すると(必ず)」 道案内や自然現象でよく使う |
| と | ②きっかけ | 家を出ると雨だった。 | 「~したところ」 |
SPIの言語に関する記事
◇言語の対策
SPIの言語の対策方法|短期間で高得点を取るコツを解説
◇漢字対策
SPIの漢字対策は暗記だけでは不十分! 出題形式と対策法を解説
SPIに関する記事
◇解答時間
SPIの解答時間を受検方式別に解説! 時間切れを防ぐコツ10選も
◇勉強法
効率抜群なSPIの勉強法|出題形式と頻出問題を踏まえた対策を伝授
◇勉強時間
SPIの勉強時間をプロが解説! おすすめの進め方や重点ポイントも
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi





アドバイザーのリアル・アドバイス!
楳内 有希子
プロフィールを見る格助詞・接続助詞・助動詞の3つの用法を押さえることが必須
SPIの「語句の用法」は、見慣れた助詞や助動詞などを文脈の中で正しく見分ける力を問う問題です。
コツは、「型に当てはめて高速で処理する」という意識を持つこと。具体的には、「格助詞(を・に・が・でなど)」「接続助詞(が・ので・からなど)」「助動詞(た・ない・うなど)」の3大カテゴリを中心に、それぞれの代表的な用法を押さえておきましょう。
やりがちなミスは、「意味」で何となく判断してしまうことです。たとえば「が」は主語を表す主格にも、接続助詞にもなりえるため、注意が必要でしょう。文法問題では、「この語は名詞と名詞をつないでいるか?」「助動詞に続いているか?」といった「語の働き」に注目してみましょう。
短い時間で語句の働きを見抜くには繰り返しの練習が最も効果的
語句の用法を解く練習は、まず各助詞・助動詞の基本用法と典型例を整理し、語句が文中でどう機能しているかを見抜くトレーニングから始めます。次に、過去問や類題を繰り返し解き、1問10~20秒以内で判断する訓練を積みましょう。
最初は時間をかけても良いので正確さを優先し、慣れてきたらスピードアップさせていく段階的な練習がおすすめです。特に、「が」「で」「の」「から」など用法が多い語については、使い分けのポイントを具体例とセットで暗記しておくと、本番でも落ち着いて判断できますよ。