この記事のまとめ
- 社長面接の3つの目的を理解すると効率的に対策できる
- 社長面接は経営者の目線に立った対策が不可欠
- 社長面接でよくある質問と回答例7選を紹介
中小企業やベンチャー企業の最終選考としておこなわれることの多い社長面接。「どんな雰囲気でおこなわれるのだろう」「他の面接と同じ対策で良いのかな」など、イメージがつかめず悩む人は多いですよね。
一般的に上の立場の人がおこなう業務であるほど、企業はそれに重点を置いています。つまり、社長面接をする企業は採用活動にかなり力を入れているのです。だからこそ、付け焼き刃の面接対策では内定をつかむことが難しいと言えます。
この記事では、キャリアアドバイザーの隈本さん、三好さん、横山さんのアドバイスとともに社長面接の対策方法を解説していくので、社長面接を控えている人は参考にしてくださいね。
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社長面接は経営者の目線に立った対策が最重要
面接は、企業と学生が対等にコミュニケーションをする場であり、たとえ相手が社長であってもそれは変わりません。対等なコミュニケーションをするためには、社長の目線を意識した対策が必要となります。
記事では、まず社長面接の目的や特徴を解説します。どう人材を見極めようとしているのか確認しましょう。それを踏まえ、社長面接に特化した対策を解説します。他の面接よりも一歩踏み込んだ対策になるため、通過率が上がるのみでなく、入社後のミスマッチも避けられますよ。
社長面接によくある質問や回答例も紹介しているので、参考にしてくださいね。
社長面接に限らない最終面接の対策はこちらの記事で解説しています。最終面接の経験が浅い人や対策を徹底したい人は併せて参考にしてください。
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企業が社長面接をおこなう目的
社長は、企業を最もよく知る人です。また、自身の判断が企業の命運を決めるという重責を担っています。創業者であれば人生をかけて起業したという人も多く、人一倍自社への思い入れが強いはずです。
社長にとって大きな責任があり、かつ思い入れの強いその企業で、ともに働く仲間としてふさわしいか判断するためかなり深いところまで見られます。まずは何を見ようとしているのか、その目的を把握しなければ、対策が不十分になり歯が立たないでしょう。
ここからは、社長面接の具体的な目的を解説します。十分な対策ができるよう、しっかりとチェックしていきましょう。
①社長しか知りえない企業の展望とマッチするか知りたい
社長面接をおこなう企業の中で、特に創業してから間もないベンチャー企業などは、変化が激しいです。
こうした企業では、今後の変化も見据えて人材を採用する必要があります。そこで、今後の展望を誰よりも理解している社長自らが、人材を見極めようとしています。
社長は企業の命運を分けるほどの決断を日々繰り返していますが、その決断の支えとなる新たな視点を求めています。
特に、自身の「盲点」となるような新たな気づきを与えてくれる存在になる可能性があるか、という視点で学生を見ていることが多いですよ。
②社長とフィーリングに合うか知りたい
活躍できる人材を採用するには、自社とのマッチ度も重要です。いくら優秀な学生でも、自社との雰囲気や価値観と合わなければ、活躍することは難しいでしょう。
こうした自社とのマッチ度の部分を、社長のフィーリングを評価基準にして見極めたいという狙いもあります。一次面接や二次面接でマナーやスキルなどわかりやすい評価基準で判断し、最後に社長のフィーリングとのマッチ度を見て内定を判断しているのです。
社長と根底の価値観が合っていなければ、フィーリングが合うと思われにくいでしょう。社長の考えの根底にあるものは何か、どのような人柄かを意識してコミュニケーションできる力が求められます。
③社長自ら企業の魅力をアピールしたい
良い人材に出会ったら、社長自らアピールしたいと考える企業もあります。社長は企業の魅力を最もよく知る存在であり、その魅力を余すことなく伝えたうえで、学生に入社を決めてほしいと考えているのです。
また学生は、「社長自ら面接をする」ということに、その企業の熱量を感じるのではないでしょうか。社長自らアピールすることで、そのような企業側の熱意を伝えたいという意図があるとも考えられます。
アドバイザーコメント
横山 慶一
プロフィールを見る社長にとって「家族のような親近感」があるかを確認したい
社長自らが面接をする、その時の社長の想いを考えてみると良いです。
最終面接の段階になると、すでに人事担当者の評価を通過しているので、スキルや経験よりも「人」を見極める段階になっています。
社長自身が、「この人物はこの会社に貢献してくれるだろうか」という視点で直接あって話をしたいのです。社長の側から見て、従業員の枠を超えた、家族のような親近感を持てるかどうか、それがあると自ずと自社PRに熱がこもりますね。
社長は、おそらく誰にでも自らアピールはしません。価値観が大きく違ったり、魅力を感じない学生には形式的な対応をするでしょう。
心を通じ合う会話のキャッチボールをして共感を得よう
社長にとって魅力的だと思われるには、「感謝の気持ち」や「配慮・気遣い」を見せること、言葉遣いやマナーを徹底できていることに加え、心を通じ合う気持ちのキャッチボールをすることが大切です。
そのため、用意してきたことをそのまま伝えるのではなく、社長とのコミュニケーションを楽しむという意識でいることが不可欠です。意見を交わし、相互理解を深めるという意識で臨んでくださいね。
そのほかの面接と比較した社長面接の特徴
社長面接は、一次・二次面接や、他の役員がおこなう最終面接とは異なる特徴があります。社長面接を攻略するには、それを把握することが大切です。
企業のトップと面接をするという事実から、今までの面接以上に緊張してしまう学生は多くいます。しかし、あらかじめ特徴を把握しておけばイメージトレーニングができるため、緊張感を和らげることにもつながります。
先に説明した社長面接の目的を背景に、特徴を確認していきましょう。
①企業や自身についての深掘り質問が多い
社長面接を実施するのは基本的に中小企業やベンチャー企業となりますが、大企業と比較して採用や教育にあてられる費用は限られているため、採用が慎重になる傾向にあります。
また社長面接は内定を出す最終判断の場となるため、これまでの面接以上にじっくりと学生を見極めなければなりません。特に社長自らが面接官となるような、採用活動に力を入れている企業であればなおさらです。
そのためそのほかの面接と比較し、根底にある学生の価値観や、企業への熱意を測るため、さまざまな角度から深掘りをされるという特徴があります。具体的には、質問の答えに対し、「なぜ」を繰り返されたり、5W1Hの観点で質問されることとなります。
5W1H
「When:いつ」「Where:どこで」「Who:だれが」「What:何を」「Why:なぜ」「How:どのように」といった英単語の頭文字を取ったもの
深掘り質問の例
なぜ自社を志望するのか
回答例:チームワークを重視する社風に惹かれたから。
→深掘り質問の例①なぜそこに惹かれたのか
回答例:学生時代ラクロス部の活動によりチームワークを重視する大切さに気付いたから。
→深掘り質問の例②いつからそこに惹かれたのか
回答例:インターンシップに参加した時から。業務内容が類似している同業他社のインターンよりも、チームワークを重視して進めていると感じ共感した。
- それまでの面接も結構深掘りされた気がします。社長面接の深掘りの傾向って何かあるんですか?
深掘りされる内容自体はこれまでの面接とほとんど変わらない
社長面接では、社長は応募者の会社に対する興味がどの程度のものか、具体的に入社後にどう活躍していきたいのかなどを、応募者自身の言葉で聞きたがっています。
社長が直接聞きたいことは、これまでの面接の観点と大きく異なるわけではないため、深掘り質問にも大きな違いはありません。
社長は、面接する相手の情報については、これまで面接をおこなってきた採用担当者からの感想や、応募書類からしか得ていません。
そのため、第三者ではなく自身の目で、これから一緒に働くことになる応募者の人柄や熱意を見極めたいのです。そのため、面接前にこれまでの採用担当者に語ったことを思い出しておく必要があります。
②入社後の話をされることが多い
入社後のミスマッチを防ぐもう1つの方法として、入社後の具体的なイメージを持ってもらうというものがあります。「実際に働いてみたら想像と違った」ということを防ぐためにおこなうのです。
すなわち、質問をして入社後のビジョンを具体的に描けているか確かめたり、入社後の具体的な業務を説明したりします。つまり、長期的にも短期的にもマッチしているか確かめようとしているのです。
またそのほかの面接との違いとして、学生個人の話にとどまらず、「企業としてどのような方向性を描くべきか」といった俯瞰的な質問をされることもあります。企業の一員として主体的に動ける人材かなどを見られている可能性があります。
入社後のビジョンに関する質問の例
5年後・10年後は何をしたいか
どのような部署に所属してたいのか
企業で何を成し遂げたいのか
社長面接では以下のような質問をされることもありますよ。
・企業としての目標を見すえたとき、あなたにとっては「つまらない仕事」をしなければいけない時もある。その時どうする?
・仕事を始めると多様な人々と協働することになる。これまで「どうしても無理」な人はいたか。その人はどのような人か。
無意味に思われることも単調なこともしっかりこなすことができるか、多様な人々と一緒に働けるか、という視点からこのような質問をされる傾向にあります。
③入社への熱意を確認する質問が多い
社長面接は最後の選考です。そのため、その段階で残っている学生は優秀な人が多いです。能力で差をつけにくい分、熱意の大きさも重要になります。
熱意とは仕事に向ける情熱に限りません。従順さや明るさ、誠実さなどから熱意を感じとれれば、社長の「一緒に働きたい」と判断する後押しになります。
社長は企業に対する思い入れが強く、だからこそ自社に熱い思いを持っている人に入社してほしいと考えているのです。
企業のことをほぼすべて把握している社長は、まず学生の企業研究の深さから熱意を見抜きます。また、直接「第一志望ですか」といった質問をすることも多いです。他にも、話している際の熱量などから感じることもあるでしょう。
いきいきと働いてもらうために、心から企業を志望しているのか、その熱量を確かめる質問が多くなりますよ。
入社への熱意の確認に関しては、企業理念に対しての共感度や理解度、将来の展望などの質問をされます。
「弊社のビジョンについてどう感じましたか?」「入社後にどの部署でどう働きたいですか?」など、企業を調べていれば少なくとも自分の見解を語れることについて問われるでしょう。
アドバイザーコメント
三好 真代
プロフィールを見る社長面接では熱意の「ベクトル」が重視される
たとえば「私は御社に入社したいと『強く』思っています」など、熱意の量のみ伝えられても、社長にとってはこの場限りの熱意に感じられ、あまり説得力がありません。
そこで、社長は本質的な熱意を見抜くため、その熱意がどこからきて、どこに向かっているのかを見定めようとします。つまり、熱意の「ベクトル」を見ているのです。
自身にとって「大切なこと」を企業でどう活かせるか伝えよう
ベクトルとは、具体的には、皆さんがやりたいことや興味関心などを言います。それが企業の方向性と合っていれば、熱意を感じられると判断するのです。
もちろん熱量を伝えることも大切ですが、それに加えて企業と自身のベクトルが合っていることも伝え、説得力を持って熱意をアピールしましょう。
経営者目線を知ろう! 社長面接を攻略する対策
社長面接では、学生の根底にある人柄・入社後のビジョンとのマッチ度や、熱意の確認などをされると解説しました。これらを説得力をつけて回答するには、企業と自身を深く理解する必要があります。
特に企業情報は、社長の目線に立って「俯瞰的に」「詳細に」把握することが大切です。面接官の目線を意識して質問を予測すると、的確な回答を作成しやすくなりますよ。
ただ、企業研究には終わりがなく、仮に企業ホームページ(HP)に掲載されていることだけを覚えようとしても、相当な労力がかかります。
そのため、効率的に企業研究できるように、社長面接のために押さえておくべき企業情報のポイントを解説します。他の面接以上に念入りな企業研究が必要ですが、ポイントを押さえておこないましょう。
特に、「組織の中で他の従業員と良好な信頼関係が築ける」「家族のように苦楽を共にできる」といったことを感じてもらえるように社長の目線を理解して対策していきましょう。
社長面接に限らず、普段から面接の準備不足を感じている人もいるかもしれません。その場合は、こちらの記事で一般的な面接に必要な準備を紹介しているので、参考にしてくださいね。
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面接は、身だしなみやマナー、頻出質問の回答など、網羅的に抜かりなく準備をすることが面接突破につながります。前日・会場到着前後・面接直前に切り分けて準備するべきことや心構えについて、3名のキャリアコンサルタントの意見を交えて解説します。
記事を読む
①社長について調べる
社長面接の目的として、社長のフィーリングに合うか確かめることがあると解説しました。フィーリングが合うと感じられるのは、根底の価値観が一致している時に多いですよね。
そのため、社長の人柄や価値観を把握することが大切です。以下を確認してみると良いですよ。
社長について調べる方法
- 企業HPの社長紹介を見る
- 社長の公開しているSNSを見る
- 著書を読む
- 社長の出演動画を見る
特に、社長が話している動画があれば人柄をつかみやすいです。文字ではわからない雰囲気を感じ取ることができます。そして面接では、その人柄を意識した回答をすると良いですね。
たとえば、社長が多岐にわたる事業に挑戦しているのであれば、積極性や主体性のアピールを意識して回答してみましょう。
②企業理念とその背景を調べる
企業理念は、企業の根底にある価値観といえます。企業が判断に迷った時は、理念に照らして方向性を決定していることがほとんどです。学生の価値観が企業理念とマッチしていなければ、根本的な価値観が合っていない人材として、内定を獲得することは難しくなるでしょう。
企業理念とは、会社の行動指針を示したものであり、ミッションやバリューなどにつながる企業活動の源泉となるものです。
そのため、社員全員がその企業理念に共感して行動することを求められるため、マッチ度を伝えることが不可欠です。
企業理念は具体性がない場合もありますが、そのニュアンスを理解して企業側と考えを一致させるために、背景まで調べましょう。
企業理念を立てたのは社長であるケースも多く、企業理念に対してとりわけ強い思い入れがあるでしょう。そのため、企業理念だけでなく、その背景まで調べてください。背景は企業理念と一緒に企業HPに掲載されていることが多いので確認してみてくださいね。
そしてそこから理念に共感するポイントを考えてみましょう。学生時代の経験を振り返り、同様の考えを持って行動したことはないか探してみてくださいね。
③社長メッセージを読み込む
社長の意思を最も具体的に知ることができるのは、社長メッセージです。企業HPで確認できることが多いです。社長メッセージの目的は以下があります。
社長メッセージの目的
- 企業の社会的責任を示す
- 広報やブランディングとして使う
特にブランディングは、株主や消費者へのアピールに加え、学生に向けておこなわれているものも多いです。多くの人に選考を受けてもらいたいという願いからアピールをおこなっています。
社長面接では熱意が大切だと解説しました。その一環で、「どこに惹かれているのか」「自社商品やサービスの何が好きなのか」を聞かれることがあります。
企業に惹かれるポイントを改めて探すには、アピールが書かれている社長メッセージを読むと効率的です。共感ポイントを探し、「なぜ共感するのか」を深掘りしておきましょう。
社長メッセージを読み込む際は、特に「共感ポイント」を探しましょう。「この社長に魅力を感じるか」と自分に問いかけることが大切ですよ。
④沿革や創業経緯から企業の歩み方を知る
企業理念や社長メッセージなどは概念的なものであり、それに加え具体的な実績も確認することで企業理解が深まります。
企業理念は標語のようなものであり、幅広く解釈できることもあります。たとえば「挑戦を続ける」といった理念であれば、新たな業界に参入するのか、新しい技術を取り入れるのか、サービスを提供する地域を広げるのかなど、「挑戦」からさまざまな解釈ができます。
その解釈のずれを起こさないためにも、実際どう行動に移しているのか、沿革を見ることが大切です。また、企業の最初の実績が「創業」です。何を成し遂げるために企業ができたのかや、そこからの歩みを確認しましょう。
そして、そこから企業に惹かれた点などを具体的に考えておきましょう。
社長が創業者なのか後継者なのかは必ず確認してください。企業理念は創業者の血のにじむような努力から生まれたものです。
社長が創業者なのであれば特にしっかりと沿革やエピソードを調べて、できるだけその苦労に共感できるようにしておきましょう。ただ社長が後継者であっても、その重みをしっかり認識しておくことは大切です。
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⑤現在展開している商品やサービスを語れるようにする
さらに企業研究を深めて、商品やサービスを知ることも大切です。
企業は主に商品やサービスを通して、社会に価値を提供しています。商品などは企業の顔とも言え、1つの商品を生み出すのに、多大な労力をかけています。
主要な商品などは企業HPに掲載されています。どのようなものを展開しているか確認しましょう。
また、社長面接では「自社商品のどこが好きなのか」といった質問をされる可能性もあります。そのためBtoCの企業などは、口コミなどもチェックしてみると良いです。多面的に魅力を把握することができますよ。
BtoC
企業がモノやサービスを直接個人(一般消費者)に提供するビジネスモデル
その企業の主軸となる商品やサービスについては、売上や市場認知度(人気度)などを把握しておきましょう。
また、自分が応募する部署の商品やサービスについては、他社との違いや今後の展望などについて、自分なりの意見を用意しておくことが望ましいです。この時、否定的な目線からの発言は避けましょう。
⑥社員の人柄をつかむ
社長面接では、社長のフィーリングに合うか確認されると解説しました。フィーリングに合いそうかどうかは、これまで採用されてきた社員を見ることでも確認できます。
社員の雰囲気やメッセージを見て、「なじめそうか」「のびのびと働けそうか」といった観点で見ると良いでしょう。企業HPの社員紹介を見てみると良いですね。また、写真のみでは雰囲気がわからないことが多いため、OB・OG訪問をするとより効果的です。
社員紹介のページでは、個人の活動実績を掲載しているものもあります。「自身も強みを発揮して同様に活躍できそうか」といった観点で読み、活躍できそうと思えばそれに合わせて自己PRなどを作成すると良いですね。
「ヒト」を大切にする企業のなかには、社員のSNSでの個人的な発信を認めていたり、それを採用に活用していたりする場合もあります。入社前にSNSで社員とつながることができれば、社風を知る手がかりも一気に増えますよ。
⑦労働環境からカルチャーを見出す
社長面接をする企業はヒトを大切にしていると解説しました。具体的にどのように大切にしているのか、何を思っているのかは、労働環境に表れています。
たとえば「のびのびと個性を発揮してほしい」と考えているのであれば、社員が自由に席を選べるフリーアドレス制を導入したり、開放的なオフィスにしたり、リモートワークを導入したりと労働環境にも表れるでしょう。
自身が力を発揮できる環境を分析し、それが労働環境にマッチしているかを考えましょう。就活の口コミサイトや企業HPを見たり、実際にオフィスを見に行ったり、OB・OG訪問で働きやすさについて聞いてみたりすることをおすすめします。
労働環境やカルチャーに関しては、自分なりに良いと感じたポイントを素直に伝えてみましょう。ただ、会社の考えと自分の受け止め方に齟齬がある可能性もあります。
その際は、自分なりの考えを伝えたうえで、逆質問の時間などに企業側の考えを質問してみると、関心度を伝えるアピールになります。
⑧今後のマーケットの動向を予測する
社長面接に対応するには、深い知識を持つだけでなく、広い視野を持つことが大切です。
社長は企業の経営をおこなう人であり、常に先を見通しています。社長面接では、そのような社長の目線に合わせた研究が有効です。つまり、今後のマーケットの動向や、その中で企業がどう行動すべきかといった視点を持って研究することが大切なのです。
ベンチャー企業などは実力主義が多く、入社数年で管理職になる人もいます。企業の先を見通す力をアピールできれば高評価を期待できます。管理職を目指す人は特に、マーケット動向を確認しておくと良いですよ。
マーケット動向を予測する方法
- 直近1年の業界やその企業に関するニュースを見て今後を予測する
- 新商品の情報などを掲載したプレスリリースを見て今後を予測する
- 「業界地図」を見て業界全体の流れを知り今後の動向を考える
- 業界の本を読み、歴史や変革からこれまでの傾向を考える
- 今後の動向を予測するのは難しく感じます。簡単にできる方法を教えてください。
ニュースやSNSなどのメディアに着目しよう
コロナ禍で、働き方は大きく変化しました。これからは何が起こってもおかしくない時代、予測が困難な不確定、不安定な時代と言われています。
ほとんどの企業の耐用期間は30年といわれ、上場優良企業ですら突然消えてしまう時代です。
そこで、各社生き残りをかけてさまざまな取り組みをしています。画期的なアイディアを形にする、まったくの異業種に事業を展開するなどです。そのような情報は、ニュースやSNSなどのメディアで発信されている可能性が高いのでチェックしてみてくださいね。
アドバイザーコメント
三好 真代
プロフィールを見る自分の視点からマーケットの動向を伝えられるようにしよう
社長より的確に今後のマーケットの動向を予測することは難しいですよね。
また、得られるどんな情報も、誰かの主観による一側面にすぎず、収集した情報を集約して無難に答えることは期待されていません。
そこで、マーケットを予測するためには、社長ではない「自分の視点から見えるマーケット」について情報を評価し、予測してみましょう。どんなに突拍子もない評価・予測であっても、「社長と異なる視点で考えた」ということを伝えれば問題ありません。
たとえば自身の以下の立場からマーケットをどのように捉えるか説明できるようにしましょう。
①属性(年齢、性、特性など)
②環境(家族、地域、学校など)
③人間関係(交友関係、コミュニティ、サークルなど)
④価値観(①②③にもとづく)
「おもしろい」という感情とともに伝えられるとより良い
すべて社長と異なる皆さんだけの視点です。特に③の、身近な他者の視点を通してマーケットを見ると、より多角的な主張ができます。
そして最も重要なことは、マーケットの動向を予測することを「おもしろい!」と感じる自分の感情を感じることです。いきいきと未来を語る若者の姿に、きっと社長は心を動かされるでしょう。
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社長面接で失敗しやすい注意点
社長自ら時間を割いて面接をするケースは限られているため、社長面接を経験したことがある人は少ないと思います。不慣れなことから、学生がついやってしまう失敗例があります。
社長面接まで進んだ学生は、「その企業に入社する能力がある」と判断されていることがほとんどです。そのように判断されている人の中で内定を獲得するには、少しの失敗が命取りになります。
マイナスイメージをできるだけなくせるように、ここで紹介する内容をチェックしていきましょう。
①社長の呼び方に注意
よくある失敗例として、敬意を示そうと「〇〇社長様」と呼んでしまう人がいます。呼び方は「〇〇様」または「〇〇社長」が一般的です。
役職名は敬称です。そのため、「〇〇社長様」と呼ぶと二重に敬称をつけていることになるため注意しましょう。
また、「〇〇さん」と呼ぶ人もいますが、「〇〇様」と呼んだ方が丁寧な印象になりますよ。
②逆質問不足に注意
社長面接は、約30分~1時間程度おこなわれることが多いです。最後のすり合わせの時間として、逆質問の時間を多く取られることがあります。
逆質問はただ質問をする時間ではなく、熱意をアピールできる時間です。企業研究をして、それでもわからなかったことなどを聞き熱意を伝えましょう。
- 社長面接の逆質問は何個以上用意しておけば良いでしょうか?
「過去」「現在」「未来」の3つ以上の質問を用意しよう
逆質問については、話の展開にもよりますが「3つ以上」と考えておくといいでしょう。
企業の「過去」「現在」「未来」について、それぞれ1つ以上と考えておくと、逆質問を準備しやすくなります。「企業の沿革(=過去)」や「経営状況(=現在)」、「ビジョン(=未来)」などは、調べたうえで直接社長の考えを聞きたいポイントを絞り込んで準備しましょう。
面接の現場では、緊張して準備していた逆質問を忘れてしまうことがあります。その場合は、社長の「理念に対する考え方」や「今後のビジョン」について、まず質問してみましょう。
社長からの質問に対する回答で、強い口調で語った言葉や気になった言葉についてさらに深掘りする質問をすると、自然と話が膨らんでいきますよ。
社長面接の逆質問については以下の記事を参考にしてください。逆質問を求める理由も解説しています。
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逆質問が思いつかない、何を聞いたら良いのかわからないという人は、こちらの記事を参考にしてくださいね。
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アドバイザーコメント
横山 慶一
プロフィールを見る「上手に答えること」を意識しすぎないように気を付けよう
社長面接は、特に対等な立場での対話が求められることが多く、質問されてそれに上手に答えるという準備だけでは、たちまち会話が行き詰まってしまいます。
高校や大学までの教育では、このようなコミュニケーションを経験することはほとんどなかったのではないでしょうか。就職活動で突然、このような状況になって戸惑うことでしょう。
ここで私が学生から教えてもらったエピソードを2つ紹介します。
1つは、完璧に対話のシナリオを書き、その決まったシナリオで話す練習を何回もして面接に臨み、自分では完璧だと自信満々で帰ってきた学生。
もう1つは、準備した通りの話がまったくできず、2時間の面談のほとんどが社長の趣味である釣りの話だけで終わり、意気消沈して帰ってきた学生。
さて、どちらの学生が社長面談をパスしたでしょう。
社長との関係性を上手く作る会話が重要
実は後者です。
その学生自身は釣りの趣味も知識もありませんが、話の流れに任せて社長の趣味の話に付き合ったそうです。社長は自分の趣味の話を真摯に聞いてくれる学生にとても好感を持ったのでしょう。
社長面接を通過するには、上手く話そうとしすぎないことに注意してください。相手の気持ちを考えつつ、自分の気持ちを素直に伝え、信頼関係を築くことが大切なのです。
面接官からの評価が点数でわかる! 本番に備えて面接力を測定しよう!
自分が面接官の目にどう映っているか、きちんと把握できていますか?
「面接力診断」では、あなたが面接本番でどれほどの力を発揮できるかを100点満点で測ります。
39点以下だと実力を発揮できていない可能性が高いです。診断結果から改善策を提案するので、本番に向けて対策しましょう。
- もうすぐ初めての面接がある人
- 自信のあった面接に落ちてしまった人
- 面接への不安を和らげたい人
社長面接の頻出質問と回答例
最後に、社長面接の頻出質問と回答例を紹介します。今まで解説した対策法などを振り返り、どう活かせば良いのか参考にしてみてくださいね。
①自己PRをしてください
自己PRは、自身の強みをどう企業で活かせるのかアピールするものとなります。
繰り返しになりますが、社長面接をする企業は、より個々を大切にする企業といえます。個々を大切にする企業は、それぞれの強みを最大限に活かしてほしいと考えています。それができることをアピールするために、企業理念や展開している事業などを踏まえて、その企業ならではの強みの活かし方を伝えてみましょう。
社長面接の自己PRの例文
私の強みはカフェのアルバイトで培ったニーズを察して主体的に行動する力です。
私は病院の中にある店舗でアルバイトをしました。
顧客は患者が多かったのですが、ある日顧客から感染症対策などで家族とも会えず、また自身の病気で精神的に疲弊していることを打ち明けられました。そこで、この店舗が患者の心のよりどころになるようにしたいと考えました。
そこで、まず疲弊していることの原因を考えたところ、孤独感が最も大きいのではと気づき、以下の通り「3つの声かけ」を実施しました。
①注文が入ったときと飲み物の作成が完了したときに店員同士声をかける
②飲み物を待っている顧客に必ず笑顔で声をかける
③1人で飲み物を飲んでいる顧客に声をかける
この結果顧客から、「店に来るだけで元気をもらえる」「笑顔に救われた」「生きがいになった」との言葉をもらいやりがいを感じました。
この経験から、言われずともニーズを察して主体的に行動することで、大きな喜びを感じてもらい、かつ達成感を得られることを学びました。
御社は「潜伏する社会課題を解決する」を理念に、たとえば難民問題などの実態を明らかにし、安価で高品質な独自の教育サービスなどを提供されています。
私のニーズを察して主体的に行動する力を通して、潜んでいる社会課題を見つけ解決に貢献させていただけるのではないかと考えます。
素敵なエピソードですね。状況から課題を捉え、ニーズを満たすための主体的な行動を具体的に示すことができています。また、インパクトのある他者評価が社会課題把握の的確さを示す根拠となり、説得力のある自己PRとなっています。
こちらの記事では、面接の自己PRの対策を解説しています。自己PRに自信がない人や、さらに強化したい人は参考にしてくださいね。
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②志望動機を教えてください
志望動機は、企業独自の特徴を踏まえ、強い入社熱意を伝えるようにしましょう。企業理念や実績から、自身の強みや価値観との共通点を見つけアピールすると良いですよ。社長が大切にしているものは何かを見極め、共感を示す形で伝えると良いですね。
社長面接で志望動機を伝える例
私が御社を志望する理由は、「どんな突拍子もないアイディアでも受け入れ、個性を尊重する」というミッションに惹かれたためです。
私は学生時代弁当屋でアルバイトをしていました。リモートワークの影響で弁当を購入する人が多かったのですが、栄養バランスの取れた弁当を売る中で、「これでは面白みがない」「仕事中に元気が出るものを作ってみたい」と考えました。
そこで店主に「ロシアンルーレット弁当」や「夫婦喧嘩した次の日の愛妻弁当」をテーマに、激辛料理などを入れたいわゆる「はずれ」の弁当を作り、消費者に選んでもらい楽しめる方式にするのはどうかと提案しました。
却下されてしまいましたが、どうしても実施したいと思い、弁当屋でのアルバイトは継続しつつ、起業してそのサービスを始めました。
弁当屋のアルバイトで学んだ栄養バランスなどの知識を活かしながら、起業したサービスで発想力を活かして取り組んだところ、SNSで取り上げられ話題になり、当初目的としていた売り上げを達成することができました。
また、そこで若い社会人のニーズを汲み取りアルバイト先にも新たな案を提案し、最終的に受け入れてもらい新商品を出すことができました。
この事業をしている間に、このような「突拍子のないアイディアを真剣にやれる」かつ「人に大きな影響力を与えられる」企業である御社を知り、調べるうちに大変惹かれました。
御社は、突拍子のないアイディアも全て汲み取り真剣に向き合い、形にする社風だとうかがっています。私も個性のある発想力を活かしたいと思い、御社を強く志望します。
企業の「突拍子のないアイディアを真剣にやる」といった社風に沿ったエピソードを述べることができていますね。ただ、起業するまでの思いの強さや苦労にあなたの「人」としての魅力が隠れていると思うので、そこを強調するとより良いでしょう。
なお、社長面接に限らず、志望動機の作り方に不安がある人はこちらの記事を参考にしてくださいね。
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③自社の商品やサービスに対する改善点はありますか
自社への情熱を知るために、商品やサービスに対する改善点を聞かれることがあります。企業の顔である商品などに対しては、否定的な言葉から始めるのではなく、惹かれているとことを前提に「しいてあげるとすれば」といった言い方で伝えると良いですよ。
商品などに対する改善点の例文
私は御社の配信サービスがかなり好きで、自身もユーザーとして1日30分は使用しているのですが、しいて言えば画面下に配置しているイラストが小さいことが改善点かと感じます。
洗練されており、どんな年齢層にも好まれると感じるデザインと感じ、個人的には大変好きなのですが、それゆえ「もっとしっかり見たい」という気持ちが働きます。そのため少しイラストの主張を大きくしていただくとデザインが目立ち、他者との差別化も図れるのではないかと感じます。
具体的にこうした方がいいという改善点を、嫌味なく伝えられているのが良いと思います。
ただ、改善したことによる効果が漠然としているので、「ユーザビリティーが上がる」など、改善効果まで語れるとより良いでしょう。
また、類似する商品やサービスがある場合は、それらと比べて優れている点や違いなどを添えると、分析力や広い視野をアピールできますよ。
面接の不安を解消! 本番前に面接力を測って弱点を発見しよう
不安を抱えたまま面接本番に臨むと、面接官に好印象を残せず、内定が遠のいてしまう可能性があります。
そんなときこそ「面接力診断」を受けましょう。
簡単な質問に答えるだけで自分の弱点がわかり、改善方法も提案してもらえます。ぜひ活用して面接を突破してください。
- 近く面接本番を控えている人
- 自分の面接の改善点を知りたい人
- 過去の面接で力を発揮しきれなかった人
④今後自社が展開するマーケットはどうなると思いますか
今後のマーケットの展開を聞かれる質問では、ニュースや業界地図の情報などを踏まえて回答すると良いですね。社長の目線で、「もし経営を任されたなら」といった視点で回答してみましょう。
また、企業もマーケットの動向に注視しています。そのため、中期経営計画を見てどのような方向性を見ているのかを調べて回答するのも効果的です。
マーケットの展開を答える例
映像配信業界は、現在若者に人気ですが、今後高齢者に支持されるのではないかと考えています。理由としては、スマートフォンを使いこなす高齢者が増えており、孤独を感じる人が増える中、SNSにつながりを求める人が急増すると考えられるためです。
また、SNSを通して人と人が実際に会うということもあります。今までは同じ地域でしか交流がなかったといった高齢者も、活動範囲が増えていきいきとし、高齢社会を支えることとなるのではないかと考えています。
自分の属性とは違うマーケットの可能性を示し、広く俯瞰的な視野を持っていることを伝えることができています。なぜ高齢者なのか、「自分の身近にある視点」からアンテナを立てて事例を提示するとさらに良いでしょう。
⑤自社に落ちたらどうしますか
入社熱意を試す質問として、落ちた際にどうするかを聞くこともあります。これは評価が悪いのではなく、どれほどの強さがあるのか確かめる狙いがあることが多いです。自身が作り上げた企業にどれほどの思いを持っているのか試しているといえます。
ここでは、別の企業に入社するといった回答は避けた方が無難です。あくまで入社したいという気持ちを伝えるようにしましょう。
自社に落ちた時を聞かれた際の例文
御社に入社したいという思いが強く、落ちた時のことは考えていません。ですが、仮に落ちてしまった場合は、改めて次年度挑戦させていただきたいと思っています。
御社のインターンに参加して社員の方から仕事に対する姿勢を勉強し、私に不足していたところを明確にしてから挑戦させていただければと思います。
どうしても貴社に入社したいという強い意志をしめすため次年度再チャレンジする表明はグッドです。「さらに御社のことを深く理解し、インターンに臨んで挑戦いたします」とすることで、より積極的な姿勢を表すことができますよ。
⑥自社は第一志望ですか
自社が第一志望かと直接的に聞かれることもあります。社長は、自身が作り上げた企業に、強い熱意を持って入社したいと思う人を好ましく思うでしょう。そのため、第一志望であるとはっきりと伝えましょう。
- 正直第一志望の企業というわけではないんですが、その場合は何て答えたら良いですか?
マナーとして第一志望と答えよう
「第一志望です」、もしくは「第一志望の中の一つです」と回答しましょう。正直に第一志望でないことを伝えると、企業側からすれば「第一志望じゃないと断言できるなら受けるなよ」と、熱意がない応募者と判断されます。
結果的に、採用候補者としてはかなり優先順位を下げられます。
また、相手に配慮できない人と受け止められるような対応であり、社会人のマナーとして良くはありません。
「第一志望の中の一つです」と答える際は、企業との面接で「深く知りたいこと」や「判断したいこと」があると伝え、完全な第一志望になり切れていないというニュアンスで回答しましょう。
面接の内容次第では、その会社に興味が湧くこともありますし、面接の練習と考えても、第一志望と思って臨んだ方が得られることも多いでしょう。
自社は第一志望ですか?と聞かれた時の例文
はい、第一志望です。
他にも個を尊重している企業をたくさん調べさせていただきましたが、最も個を尊重して実績を残されていると感じたのは御社でした。
OB・OG訪問にて、役職も国籍も性別も関係なく、どんな人の意見も聞き入れる文化は〇〇様(社長)が作り上げられたものと伺い、そのような文化の下で働きたいと強く思っています。
なぜ第一志望なのか、の根拠を他社比較を用いて説明できています。また、社長本人の功績を客観的に評価できており、訴求力のある自己PRとなっていますね。思いがけず社員の声を耳にし、社長の胸も熱くなることでしょう。
⑦質問はありますか
繰り返しになりますが、最後の逆質問こそ熱意をアピールできるチャンスとなります。企業研究を深めたいといった姿勢や、入社前に勉強したいといった意欲的な態度を見せると良いでしょう。一戦力になる覚悟があることを示しましょう。
逆質問の例
・著書で新卒入社時のご苦労を拝見いたしました。社長が新入社員にアドバイスするとしたら、何を一番に伝えたいですか。
・プレスリリースにて、御社が大規模な事業転換をされることを拝見しました。創業間もない御社で事業を転換されるのは大変だったと思いますが、どのようにして乗り越えられましたか。
・創業以来続いていらっしゃる◯◯事業に興味があるのですが、どのような能力が必要ですか。
・自身のリーダーシップを活かし、管理職となって御社の発展に貢献させていただきたいと考えており、御社の管理職の方のキャリアをお聞きしたいです。
・入社後最初に挫折する人が多いシーンがあれば教えていただきたいです。それに備えて力をつけたいと思っています。
社長は新人の現時点のスキルにほとんど興味を持っていないでしょう。
しかし、将来会社を担ってくれるかどうか強い期待感を持っています。その期待感に沿うという意味で、「○○社長の期待されている新人像を是非お聞かせください」などと聞いてみるのも印象に残る逆質問となります。
社長面接以外のさまざまな面接を通過するコツはこちらの記事で解説しているので参考にしてくださいね。
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経営者目線を意識した対策で社長の心をつかみ内定を得よう
社長面接は、経営者の目線の深さ、高さを意識した対策が不可欠になります。そのため他の面接よりも特に綿密な企業研究が必要です。
社長面接をする企業は、「ヒト」を大切にする会社であり、入社後もいきいきと働いてほしいと願っています。そのため、あなたの人柄を深く知りたいと思っています。内定をゴールにするのではなく、自身の根底に向き合って対策することが、結果的に内定への近道になりますよ。
アドバイザーコメント
隈本 稔
プロフィールを見る社長面接で企業の過去、現在、未来とのマッチ度を確認しよう
社長面接は、その会社のトップである社長の考えを直接聞ける絶好の機会です。
自分が興味を持った会社が、過去にどのような思いでつくられ、現在どのように社員とともに企業活動をおこない、将来的にどうしたいのかを確認できる場です。また、たとえ創業者がその社長ではなくても、その企業の現在を支えている立場の人であり、社長の考えがそのまま働く現場に反映されます。
社長面接は特にミスマッチを防げる有効な機会
採用されて入社した後には、「自分の理想との違いに苦しむ(=リアリティショック)」ことがあります。
そうならないためにも、社長面接で会社のトップの考えを知り、自分が入社後に取り組みたいと考えていることについて社長の答えを聞き、自分と社長とのマッチ度を確認しましょう。
社長面接は緊張すると思うかもしれませんが、企業規模によっては社長と面接できないこともあります。そういう意味では、またとないチャンスです。また、社長面接まで進んだということは、あなたと一緒に働きたいと思ってくれている人がすでにいるということです。
これまでの面接の振り返りをしっかりおこなったうえで、最後まで相手への配慮を怠らずに「入社前の最後のすり合わせ」のための面接と考えて臨みましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/性格応用心理士1級
Minoru Kumamoto〇就職・転職サイト「職りんく」運営者。これまで300名以上のキャリア相談を受けた実績。応募書類や採用面接の対策支援をする他、自己分析の考え方セミナーを実施
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/atWill代表
Masayo Miyoshi〇幅広い領域においてキャリアコンサルティングの経験を積み、行政や企業向けのキャリア研修PG開発、講師業などにも携わる。対個人・対組織の支援を両輪でおこなっている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/インテグラルキャリア研究所所長
Keiichi Yokoyama〇20歳後半からカウンセリングの勉強を始め、キャリアに比重をおくコンサルティング、人材育成を企業内で推進。独立後は大学のキャリアセンターで学生の就職支援にもかかわる
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