衛生管理者試験の対策方法! 例題84問と解き方をプロが解説

資格対策の専門家がこの記事を監修しました
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高尾 有沙
キャリアコンサルタント
Arisa Takao〇第二新卒を中心にキャリア相談を手掛け、異業種への転職をサポートする。管理職向けの1on1やコンサルティング業界を目指す新卒学生の支援など年齢や経歴にとらわれない支援が持ち味。キャリア相談の傍らWebテスト対策のサポートをおこなう

衛生管理者は、労働安全衛生法にもとづく国家資格です。常時50人以上の労働者を使用する事業場では選任が義務付けられているため、企業からのニーズが非常に高く、就職や転職においても有利に働く資格として知られています。

この記事では、資格対策の専門家である高尾さんとともに衛生管理者試験の対策方法を解説していきます。

記事の後半には、本番のレベル感を確認できる練習問題を5問用意しているので、前半で試験の仕組みや合格基準を把握してから練習問題に挑戦しましょう。

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例題を解く前に確認しよう! 「衛生管理者試験」の解答のコツ

「衛生管理者試験」の概要

  • 問題パターン:五肢択一式
  • 1問あたりの時間:第一種は3分、第二種は4〜5分
  • 受験形式:ペーパーテスト(マークシート方式)
衛生管理者試験の対策のコツを教えてください!

キャリアコンサルタント

高尾 有沙

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過去問の類似も多い! まずは出題パターンの暗記からスタートしよう

衛生管理者は、常時50人以上の労働者がいる事業場で選任が義務付けられているため、どの企業でも必ず重宝される国家資格です。

就活生が取得しておけば、総務・人事・労務部門を志望する際などに「働く人の健康と安全を守る意識の高さ」を強烈にアピールできます。

出題範囲は広いですが、過去問の類似問題が多く出題される傾向があります。1問あたり1〜2分を目安に、まずは出題パターンを暗記するつもりで、一問一答をテンポ良くこなしていきましょう

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「衛生管理者試験」の概要

衛生管理者試験には「第一種」と「第二種」の2種類があり、業種によって受験すべき種別が異なります。

第一種はすべての業種の事業場で衛生管理者になれますが、第二種は有害業務と情報通信業、金融・保険業、卸売・小売業などに限定されます。そのため、第一種のほうが出題範囲が広いのが大きな違いです。

合格基準は、「全体の得点が60%以上、かつ各科目の得点が40%以上」です。全体の得点が高くても、1科目でも40%未満の科目があると不合格になるため、特定の科目に偏らず、各科目を満遍なく対策する必要があります。

以下の表で、第一種と第二種の試験科目と出題数の違い、頻出問題を確認し、学習計画に役立ててください。

科目・出題数・頻出問題はここからチェック(クリックして開く)
試験科目頻出問題第一種(出題数 / 配点)第二種(出題数 / 配点)
関係法令(有害業務に係るもの)安全衛生管理体制、有機溶剤中毒予防規則、粉じん障害防止規則、酸素欠乏症等防止規則、特定化学物質障害予防規則10問 / 80点出題なし
労働衛生(有害業務に係るもの)有害物質の空気中の状態、化学物質の健康障害等、有害因子による健康障害、有機溶剤(性質・障害)、金属による健康障害、呼吸用保護具、騒音による健康障害10問 / 80点出題なし
関係法令(有害業務に係るもの以外)衛生委員会、健康診断、医師による面接指導、事務所衛生基準、年次有給休暇7問 / 56点10問 / 80点
労働衛生(有害業務に係るもの以外)VDI作業のガイドライン、脳血管障害・心臓疾患、食中毒、温熱条件、必要換気量、採光・照明7問 / 56点10問 / 80点
労働生理呼吸、心臓・血液循環、腎臓・尿、神経系、血液、感覚または感覚器、栄養素の消化および吸収、内分泌、筋肉10問 / 80点10問 / 80点
合計44問 / 400点(3時間)30問 / 300点(3時間)

「衛生管理者試験」練習問題84問|高尾さんによる解き方の解説付き!

ここからは、衛生管理者試験の練習問題を高尾さんによる解説付きで84問紹介します。第一種・第二種共通の出題範囲から、第一種特有の「有害業務」に関する例題も出題しているため、実際の試験で求められる五肢択一式のレベル感を把握できます。

どの科目から手を着ければ良いか迷っている人は、「例題を解く前に確認しよう! 「衛生管理者試験」の解答のコツ」と「「衛生管理者試験」の概要」を読んで、効率的な勉強方法や足切りラインをしっかり意識してから問題に取り組みましょう。

問題1(難易度:★★☆☆☆)

問題

骨折の分類、症状および救急処置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

選択肢


正解:B
完全骨折とは、骨の連続性が完全に断たれた状態を指し、骨が本来曲がらない方向へ動く異常可動性や軋轢音が認められることが多いため、正しい。複雑骨折(開放骨折)は骨折部位の皮膚が破れて骨が露出した状態をいう。

応急手当では、患部を動かさず、上下の関節を含めて副子で固定することが基本である。また、脊髄損傷が疑われる場合は、神経へのさらなる損傷を防ぐため、硬い板などのうえに乗せて全身を固定して搬送しなければならない。

問題2(難易度:★★☆☆☆)

問題

厚生労働省が策定した「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン(エイジフレンドリーガイドライン)」にもとづく措置に関し、次の記述のうち適切なものはどれか。

選択肢


正解:A
経営トップが安全衛生方針を表明し、組織的な取り組みを明確にすることは、エイジフレンドリーな職場作りの基盤として適切である。

ほかの選択肢について、体力チェックの結果は本人に通知して健康意識の向上につなげるべきであり、照明はまぶしさを抑えた適切な照度とし、文字は識別しやすい配色とする。教育については、加齢にともなう身体機能の変化を踏まえ、図解を用いるなどして丁寧におこなう必要がある。また、高年齢者は高音域が聞き取りにくくなるため、警告音には中低音域を採用することが推奨されている。

問題3(難易度:★★☆☆☆)

問題

出血の種類とその特徴、および止血法を中心とした応急手当に関する次の記述のうち、法令および一般的に推奨される手法に照らし、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:B
拍動に合わせて血液が噴出するのは「動脈性出血」の特徴である。

問題文にある「毛細血管性出血」は、擦り傷などで傷口からにじみ出るような出血を指す。血液の噴出はきわめて危険な状態であり、直ちに強力な直接圧迫をおこなう必要がある。全血液量の割合や生命の危険が生じる損失量、感染防止のための手袋着用、および直接圧迫法が推奨される点などは、いずれも正しい知識である。止血法の基本を正確にとらえることが重要である。

問題4(難易度:★★☆☆☆)

問題

厚生労働省の「事業者が講ずべき快適な職場環境の形成のための措置に関する指針」にもとづき、快適な職場環境の形成のための措置の実施に関して、考慮すべき事項として定められていないものは次のうちどれか。

選択肢


正解:E
快適な職場環境指針において、実施上の考慮事項として「数値目標の完全達成」といった具体的な義務は定められていない。この指針は、単に有害要因を除去するだけでなく、労働者がより快適に働けるよう「労働者の意見の反映」「継続的かつ計画的な取り組み」「個人差への配慮」「潤いへの配慮」などを進めるよう求めている。したがって、選択肢Eが誤りである。

指針の目的が、労働者の疲労やストレスを軽減し、意欲を高めることにあるという基本を理解しておく必要がある。

問題5(難易度:★★☆☆☆)

問題

ストレスのメカニズム、原因となる因子および心身への影響に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:C
ストレッサーに対する生体の反応は、適度であれば心身の活動を活性化させ、適応を助ける。常に活動を減退させたり、有害な影響を与えたりするわけではない。

ストレスが問題となるのは、その刺激が過剰であったり、長期間にわたって継続したりすることで生体の適応力を超えたときである。したがって、画一的に活動を減退させるとする記述は誤りである。

アドレナリンなどの分泌や、物理的環境、生活の変化が原因となる点、心身症の発症メカニズムについての記述は正しい。

問題6(難易度:★★☆☆☆)

問題

ヒトの体温調節の仕組み、用語や定義および環境変化への適応に関する次の記述のうち、生理学上の知識に照らし、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:E
暑熱な環境においては、体温の上昇を防ぐために皮膚の血管が「拡張」し、血流量を増やすことで外部への熱の放散を促進する。皮膚の血管が収縮するのは、寒冷な環境において熱を逃がさないようにするための反応であるため、選択肢Eの記述は誤りである。

ホメオスタシスの定義、視床下部の中枢機能、気化熱による体温低下の理論値、および不感蒸泄の範囲については、いずれも生理学的に正しい内容である。環境温度に対する血管の反応を正確にとらえる必要がある。

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問題7(難易度:★★★☆☆)

問題

化学物質とその常温・常圧(25℃、1気圧)での空気中における状態との組み合わせとして、誤っているものは次のうちどれか。ただし、ガスとは、常温・常圧で気体のものをいい、蒸気とは、常温・常圧で液体または固体の物質が蒸気圧に応じて揮発または昇華して気体となっているものをいうものとする。

(1)一酸化炭素・・・・・・・・・・・・ガス
(2)キシレン・・・・・・・・・・・・・蒸気
(3)塩化ビニル・・・・・・・・・・・・蒸気
(4)トルエン・・・・・・・・・・・・・蒸気
(5)塩素・・・・・・・・・・・・・・・ガス

選択肢


正解:C
塩化ビニルは、沸点がマイナス13.4℃であり、常温・常圧では気体として存在する。したがって、これを「蒸気」とする組み合わせは誤りである。

キシレンやトルエンは常温・常圧で液体のため蒸気となり、一酸化炭素や塩素は常温・常圧で気体のためガスに該当する。この区別は、物質が常温・常圧でどの状態(液体か気体か)にあるかによって決まる。

現場で扱う物質の状態を正しくとらえることは、衛生管理においてきわめて重要である。

高尾 有沙

プロフィール

ガスと蒸気の違いは丸暗記でOK

「ガス=常温常圧で気体」「蒸気=常温常圧で液体か固体」という定義の区別は非常に頻出問題です。

塩化ビニルは常温で気体なので「ガス」に分類されます。名前に「塩化」とついているからといって蒸気と勘違いしないようにしましょう。

問題8(難易度:★★★☆☆)

問題

粉じんによる健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:D
じん肺は、粉じんを吸入した結果、肺に線維増殖性変化が生じたものを指す。じん肺法において、すべての肺感染症や気管支ぜんそくが含まれるわけではない。選択肢Dは、じん肺の定義を広くとらえすぎているため誤りである。

一方、じん肺は一度進行するとばく露を中止しても症状が進むことがあり、遊離けい酸によるけい肺や、石綿による石綿肺、溶接ヒュームによる溶接工肺など、原因となる物質による分類を正しく理解しておく必要がある。

問題9(難易度:★★★☆☆)

問題

金属または化学物質による健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:E
ハンター・ラッセル症候群(視野狭窄、構音障害、歩行障害など)は、メチル水銀に代表される有機水銀の中毒症状である。金属水銀(無機水銀)の蒸気吸入による中毒では、手指の震えや感情不安定などの精神神経症状、口内炎などが主症状となるため、選択肢Eは誤りである。

その他の選択肢は、各物質の代表的な健康障害を正しく述べている。特に鉛中毒によるプロトポルフィリン増加やカドミウムによる腎障害は、試験において頻出となる重要な項目である。

問題10(難易度:★★★☆☆)

問題

有機溶剤およびその健康障害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

選択肢


正解:D
ベンゼンは造血器に対する毒性が強く、再生不良性貧血や白血病を引き起こすことが知られている。有機溶剤の蒸気は、一部の例外を除き空気より「重い」ため床付近にたまりやすい。また、脂溶性を持つため脳や神経系に入りやすく、中枢神経抑制作用を示す。

末梢神経障害はノルマルヘキサンの特徴であり、視神経障害はメタノールの特徴である。肝臓の血管肉腫は塩化ビニルによる障害であり、各物質固有の毒性を正しく把握しておく必要がある。

高尾 有沙

プロフィール

物質名と代表的な症状(標的臓器)を紐付けよう

有機溶剤の中毒症状は「ノルマルヘキサン=末梢神経(しびれ)」「ベンゼン=造血器(白血病)」「メタノール=視神経」というセットで出題されます。

また、有機溶剤の蒸気は「空気より重い(下にたまる)」という基本性質も忘れないでくださいね。

問題11(難易度:★★★☆☆)

問題

有害なガス状化学物質による健康障害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

選択肢


正解:A
一酸化炭素は、ヘモグロビンとの親和性が酸素よりきわめて高いため、結合して一酸化炭素ヘモグロビンを形成し、組織への酸素供給を妨げる。シアン化水素は細胞内での酸素利用を阻害するものであり、選択肢Bの内容と混同しやすい。

弗化水素は強い刺激性を持ち、骨の硬化などはその慢性影響である。また、硫化水素は高濃度で呼吸麻痺を引き起こすが、視神経障害はおもにメタノールなどの特徴である。各物質が身体に及ぼす特有の作用を正確にとらえることが重要である。

問題12(難易度:★★★☆☆)

問題

作業環境における騒音および生体への影響に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:E
騒音ばく露は生体にとってストレス要因となり、自律神経系においては交感神経の活動を「亢進」させる。その結果、血圧上昇や末梢血管の収縮などが引き起こされるため、抑制・拡張とする記述は誤りである。

騒音性難聴はC5ディップと呼ばれる4,000Hz付近の聴力低下が特徴であり、一度損なわれた有毛細胞は再生しない。また、音圧レベルの計算式や等価騒音レベルの定義を正しく把握しておくことも、衛生管理者の試験対策において重要である。

問題13(難易度:★★★☆☆)

問題

電離放射線が生体に与える健康影響に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:A
放射線感受性は、細胞分裂の頻度が高く、未分化なものほど高い。したがって、細胞分裂の頻度が低く、分化の程度が高い細胞ほど感受性が高いとする記述は誤りである。確定的影響は、しきい値を超えた線量で発生し、重症度が線量に依存する。

一方、確率的影響は、しきい値がなく発生確率が線量に依存する。これらの分類と、代表的な障害である不妊や脱毛(確定的)、がんや遺伝的影響(確率的)の関係を整理しておくことが重要である。

問題14(難易度:★★★☆☆)

問題

作業環境における物理的有害要因による健康障害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

選択肢


正解:A
減圧症は、高圧下で溶解した窒素が急激な減圧によって気泡化し、体内で障害を起こすものである。選択肢Bは熱けいれんの説明、選択肢Cの症状は全身振動障害に近い。赤外線は紫外線よりも波長が「長い」電磁波である。

また、選択肢Eは低体温症の説明であり、凍傷は局所的な凍結による組織損傷を指す。各物理的要因が人体に与える影響や、類似した用語の定義を正確に区別しておくことが、試験対策においてきわめて重要である。

高尾 有沙

プロフィール

類似する病名の違いを明確にしよう

熱中症に関する「熱虚脱(脳の血流低下)」「熱けいれん(塩分不足)」「熱射病(体温調節機能の喪失)」の違いは頻出です。

選択肢Bは「けいれん」の症状なのに「熱虚脱」としている定番の引っかけだといえます。

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問題15(難易度:★★★☆☆)

問題

厚生労働省の「化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針」にもとづき、リスクアセスメントにおいて化学物質等による健康障害に係るリスクを見積もる方法として、適切でないものは次のうちどれか。

選択肢


正解:C
リスクの見積もりは、有害性の程度(重篤度)とばく露の程度(発生可能性)の組み合わせによっておこなうものである。選択肢Cにあるような「機械設備の導入コスト」や「メンテナンス頻度」は、健康障害のリスクそのものを見積もる指標としては適切ではない。

見積もり方法には、マトリクスを用いる方法、数値化する方法、枝分かれ状の図を用いる方法、あるいは作業環境測定結果などの実測値を用いる方法が規定されている。各手法の基本的な考え方を正しく理解しておくことが重要である。

問題16(難易度:★★★☆☆)

問題

労働衛生対策を進めていくにあたっては、作業環境管理、作業管理および健康管理が必要であるが、次のaからeの対策例について、作業管理に該当するものの組み合わせは(1)〜(5)のうちどれか。

a. 化学物質を取り扱う際、有害性がより低い物質への代替を検討し、作業工程の自動化を導入する。
b. 重量物を取り扱う作業において、1回の持ち上げ動作の回数を制限し、適切な休憩時間を設ける。
c. 騒音を発する機械の周囲に防音壁を設置し、作業室内の等価騒音レベルを測定する。
d. 高圧室内作業等において、労働者がさらされる有害因子のばく露時間を記録し、作業の速度を調整する。
e. 特定化学物質を取り扱う労働者に対して、特別教育を実施し、健康診断の結果にもとづき配置転換をおこなう。

選択肢


正解:C
作業管理とは、有害要因へのばく露を少なくするための作業時間や作業方法の調整を指す。bの動作回数の制限や休憩の確保、dのばく露時間の記録や作業速度の調整はこれに該当する。

aやcは、有害要因そのものを除去したり、環境を整えたりする「作業環境管理」に分類される。また、eの健康診断にもとづく配置転換は「健康管理」に含まれる。それぞれの管理区分の違いを、対象が「環境」か「作業」か「人」かで判断することが重要である。

高尾 有沙

プロフィール

管理区分の3本柱は「環境・作業・健康」と覚えよう!

「作業環境管理(設備や機械の改善)」「作業管理(人の動作や時間の調整)」「健康管理(健康診断や保護具)」の3つの違いを問う問題です。

「防音壁の設置」は環境、「休憩時間の確保」は作業、というように具体例を分類できるようにしましょう。

問題17(難易度:★★★☆☆)

問題

作業環境における照明などの視環境管理に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:D
労働安全衛生規則において、精密な作業をおこなう場所の照度は「300ルクス以上」と定められている。したがって、150ルクス以上とする記述は誤りである。なお、一般的な作業は300ルクス以上、付随的な事務作業は150ルクス以上とされている。

全般照明と局部照明を併用する際の「十分の一以上」という基準や、まぶしさを防ぐための輝度の管理などは、視環境の質を保つうえできわめて重要である。高齢者への配慮を含め、作業内容に応じた適切な光環境の構築が求められる。

問題18(難易度:★★★☆☆)

問題

厚生労働省の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」にもとづく作業管理および作業環境管理に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

選択肢


正解:E
ガイドラインでは、一連続作業時間が「1時間を超えないようにすること」と定められているため、最長で90分までとする記述は適切ではない。作業休止時間については、連続作業の間に10〜15分設け、さらに作業時間内にも小休止を挟むことが推奨されている。

視距離や照度、画面の高さ、まぶしさの防止措置などは、VDT作業にともなう眼精疲労や筋骨格系障害を予防するための重要な基準であるため、数値を正確に把握しておく必要がある。

問題19(難易度:★★★☆☆)

問題

厚生労働省の「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」(THP指針)にもとづく健康保持増進対策の進め方に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

選択肢


正解:D
健康保持増進対策は、疾病の予防や治療にとどまらず、労働者の心身の両面にわたる健康の保持増進を目的としている。そのため、個別の指導だけでなく、健康な労働者を含めた「集団としてとらえて実施するもの」も重要な措置の1つとして含まれる。したがって、啓発活動などが含まれないとする記述は適切ではない。

THP指針では、運動、栄養、心の健康、口腔保健などの各分野において、体系的な取組が求められている。

問題20(難易度:★★★☆☆)

問題

厚生労働省の「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」にもとづき、事業者が構築・運用すべきシステムの内容に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:C
労働安全衛生マネジメントシステムは、生産管理などの事業実施に係る管理と「一体となって」運用されるべきものである。したがって、これらを切り離して独立運用することを推奨する選択肢Cの記述は誤りである。

指針では、PDCAサイクルによる継続的な改善を求めており、システム監査については、自社の労働者などから選任された監査員による内部監査でもさしつかえない。事業場全体で方針を共有し、実効性のある安全衛生計画を立て、定期的な点検をおこなうことが運用の要となる。

問題21(難易度:★★★☆☆)

問題

労働安全衛生規則にもとづく医師による健康診断の実施、項目および結果の取扱いに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:E
健康診断の結果の通知は、受診したすべての労働者に対して「遅滞なく」おこなわなければならず、項目を省略することはできないため、選択肢Eは誤りである。

雇入時の健診結果の流用(3カ月以内)や、特定年齢以外での腹囲測定の省略、深夜業従事者への6カ月以内ごとの健診実施などは、規則に定められた正しい運用である。また、健診結果にもとづく医師からの意見聴取については、健診実施日から3カ月以内におこなう必要がある。診断後のフォローアップまで含めた流れを正しく理解しておくことが重要。

問題22(難易度:★★★☆☆)

問題

脳血管障害および虚血性心疾患の病態、原因ならびに特徴に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:A
脳塞栓症と脳血栓症の説明が逆であるため、選択肢Aが誤りである。脳血管自体の病変による閉塞は脳血栓症であり、他部位から流れてきた血栓による閉塞は脳塞栓症である。これらの用語の定義は試験において非常に狙われやすい。

また、くも膜下出血の主因である脳動脈瘤の破裂や、虚血性心疾患における可逆的な狭心症と不可逆的な心筋梗塞の違いなど、基本的な病態を正確に整理しておくことが正解を導くための鍵となる。

高尾 有沙

プロフィール

「塞栓」と「血栓」の言葉の違いを把握しよう

「脳血栓」は脳の血管がそこで詰まること、「脳塞栓」は別の場所でできた血の塊が流れてきて詰まることです。

言葉の意味が逆になっている選択肢Aは、衛生管理者の試験における定番の引っかけパターンとなります。

問題23(難易度:★★★☆☆)

問題

次のaからdの作業について、法令上、作業主任者の選任が義務付けられているものの組み合わせは(1)〜(5)のうちどれか。

a. 屋内作業場において、はんだ付けの業務に付随して鉛等を取り扱う作業
b. 金属製品の製造工程において、ガンマ線照射装置を用いておこなう透過写真撮影の作業
c. 強烈な騒音を発する場所において、動力により駆動される機械を取り扱う作業
d. タンクの内部など、酸素欠乏の恐れのある場所における作業

選択肢


正解:D
ガンマ線照射装置を用いる作業は放射線業務にあたり、ガンマ線透過写真撮影作業主任者などの選任が義務付けられている。また、酸素欠乏の恐れのある場所での作業には酸素欠乏危険作業主任者等の選任が必要である。したがって、bとdが正しい。

aのはんだ付けにともなう鉛業務は、現在、原則として鉛作業主任者の選任義務から除外されている。cの騒音作業については、作業環境測定などは求められるものの、作業主任者を選任する規定はない。これらの区別を正確に理解しておくことが重要である。

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問題24(難易度:★★★☆☆)

問題

労働安全衛生法にもとづき、厚生労働大臣が定める規格を具備しなければ、譲渡し、貸与し、または設置してはならない機械等に該当しないものは、次のうちどれか。

選択肢


正解:A
酸素濃度計は、労働安全衛生法第42条にもとづく「厚生労働大臣が定める規格を具備しなければならない機械等」には含まれていないため、選択肢Aが正解となる。

一方で、潜水器、防毒マスク(有機ガス用など)、防じんマスク、および一定以上の排気量を持つチェーンソーなどは、いずれも構造や性能についての厳格な規格が定められており、その規格に適合したものでなければ流通や使用が認められない。この規定は、特に危険性が高い、あるいは身体の保護に直結する機械等について安全性を担保するためのものである。

問題25(難易度:★★★☆☆)

問題

次の業務のうち、労働者を従事させる際に、法令により特別の教育をおこなうことが義務付けられているものはどれか。

選択肢


正解:D
特別教育の実施が義務付けられているのは、除染等業務のうち土壌などの除染、汚染廃棄物の収集、運搬または処分の業務などであるため、選択肢Dが正しい。

レーザー光線(A)については、通達やガイドラインなどにもとづき安全衛生教育の実施等が求められている(または推奨されている)ものの、労働安全衛生法第59条にもとづく「特別教育」の対象業務ではない。

また、酸素欠乏場所での作業(C)は、作業主任者の選任が必要な業務であるが、それ自体が特別教育の対象とは定められていない。各業務が、免許、技能講習、特別教育のいずれに該当するかを整理してとらえることが重要である。

問題26(難易度:★★★☆☆)

問題

労働基準法にもとづき、満18歳に満たない者(年少者)を就かせてはならない危険有害業務に関する次の記述のうち、制限対象に含まれないものはどれか。

選択肢


正解:C
年少者の就業制限業務には、土木機械の運転、暑熱な場所での作業、重量物の取扱い、大型の丸のこ盤の使用などが規定されている。重量物の取扱いについては年齢や作業形態(継続か断続か)に応じて厳格な重量制限が設けられており、選択肢Dにある「20kg以上の断続作業」は年少者にとって就業制限業務に該当する。

一方で、赤外線または紫外線にさらされる業務については、年少者の就業制限業務には含まれていない。有害放射線の中で制限対象となるのは、ラジウム放射線やエックス線などの電離放射線である。類似する有害要因と混同しやすいため、法令上の正確な区分を整理しておくことが重要である。

問題27(難易度:★★★☆☆)

問題

事業場の衛生管理体制における総括安全衛生管理者および衛生管理者の選任に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。ただし、衛生管理者の選任の特例はないものとする。

選択肢


正解:C
建設業は、製造業や運送業などとともに、第一種衛生管理者免許、衛生工学衛生管理者免許、あるいは医師などの資格を持つ者のうちから衛生管理者を選任しなければならない業種に該当する。そのため、第二種衛生管理者免許を有する者から選任できるとする選択肢Cの記述は誤りである。

一方、卸売業は300人以上で総括安全衛生管理者の選任義務があり、通信業や金融業などは第二種免許での選任が可能である。医療業も農林業等と同様に、第一種免許等が必要な業種に区分されている。

問題28(難易度:★★★☆☆)

問題

法令上、衛生管理者が管理すべき職務および権限に関する次の記述のうち、定められていないものはどれか。ただし、それぞれの業務のうち衛生に係る技術的事項に限るものとする。

選択肢


正解:D
事業者に対して労働者の健康管理等について必要な「勧告」をおこなうのは、産業医にのみ認められた法令上の職務である。衛生管理者は、少なくとも毎週1回、作業場等を巡視し、衛生状態に有害のおそれがあるときに必要な「措置」を講じる権限や、健康診断の実施、統計の作成といった実務的な管理が義務付けられている。

勧告と措置という言葉の使い分けは、試験において産業医と衛生管理者の役割を区別する際の重要な判断材料となる。

高尾 有沙

プロフィール

「勧告」できるのは産業医だけ!

事業者に対して意見を言う際、衛生管理者は必要な「措置」を講じる立場ですが、事業者に対して専門的な立場から「勧告」をおこなう権限を持つのは「産業医」のみです。

この2つの言葉の使い分けは頻出なので押さえておきましょう。

問題29(難易度:★★★☆☆)

問題

法令にもとづく産業医の選任、職務および巡視に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。ただし、産業医の選任の特例はないものとする。

選択肢


正解:D
作業場等を巡視し、有害の恐れがあるときに必要な「措置を講じる」ことは、衛生管理者の職務として定められている。産業医の職務は、巡視の結果にもとづき、労働者の健康を確保するため必要があると認めるときに、事業者に対し「勧告」をおこなうことである。したがって、産業医が直接措置を講じるとする選択肢Dが誤りである。

専属産業医の選任条件(有害業務500人以上または全体1,000人以上)や、巡視頻度の緩和条件などは、いずれも法令の定めに適合している。

問題30(難易度:★★★☆☆)

問題

衛生委員会の設置および運営に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:D
衛生委員会の委員として指名しうる作業環境測定士は、当該事業場に専属である者に限られる。外部の作業環境測定機関に測定を委託している場合、その機関に所属する作業環境測定士を委員として指名することはできないため、選択肢Dが誤りである。

一方で、労働衛生コンサルタントについては、専属でなくても衛生管理者として選任している者であれば委員に指名できる。また、労働組合等による委員の推薦規定や、メンタルヘルス対策が付議事項に含まれる点などは、いずれも法令の定めに適合している。

問題31(難易度:★★★☆☆)

問題

労働安全衛生法にもとづき、労働者を雇い入れたときにおこなう安全衛生教育(雇入れ時教育)の実施義務および教育事項に関する次の記述のうち、法令上、正しいものはどれか。

選択肢


正解:B
雇入れ時教育は、事業場の規模や雇用形態にかかわらず、労働者を雇い入れたときには必ず実施しなければならないため、選択肢Bが正しい。

教育事項については、業種によって一部省略が認められている。金融・保険業、卸売業、飲食店などの業種においては、「機械等の取扱い方法」や「作業手順」などの4つの事項について省略できるが、「整理、整頓」や「事故発生時の応急処置」などは全業種で共通して必須の教育事項である。

また、教育の実施記録について労働基準監督署への報告義務は規定されていない。

問題32(難易度:★★★☆☆)

問題

労働安全衛生規則に定められた、医師による雇入れ時の健康診断および定期健康診断の実施、項目ならびに結果の取り扱いに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:C
特定業務従事者に対する6カ月以内ごとに1回の定期健康診断において、胸部エックス線検査については1年以内ごとに1回、定期におこなえば良いとされている。しかし、腹囲の測定については、そのような特例は認められていないため、選択肢Cは誤りである(医師が必要でないと認める場合には省略可)。

健康診断の結果通知は「遅滞なく」おこなう必要があり、また結果にもとづく医師の意見聴取は「3カ月以内」におこなわなければならない。これらの数値や期限の組み合わせを正確に把握しておくことが、本試験において正解を導くための鍵となる。

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問題33(難易度:★★★☆☆)

問題

事務所衛生基準規則にもとづく事務室の空気環境の調整に関する次の文中の[ ]内に入れるaおよびbの数値の組み合わせとして、法令上、正しいものはどれか。

1. 空気調和設備または機械換気設備を設けている場合は、室に供給される空気が、1気圧、温度25度とした場合の当該空気中に占める二酸化炭素の含有率が100万分の[a]以下となるように、当該設備を調整しなければならない。
2. 1の設備により室に流入する空気が、特定の労働者に直接、継続して及ばないようにし、かつ、室の気流を[b]m/s以下としなければならない。

選択肢


正解:C
事務所衛生基準規則により、空気調和設備等を設けている事務室では、二酸化炭素含有率を1,000ppm(100万分の1,000)以下(a)に保つことが義務付けられている。また、室内の気流については、冷気による不快感や体調不良を防ぐため、0.5m/s以下(b)となるように調整しなければならない。

二酸化炭素の基準値については、一般的な建築物環境衛生管理基準と同様の数値であることをとらえるのがポイントである。また、気流の制限値についても、労働安全衛生規則の数値と混同しないよう正確に把握しておく必要がある。

問題34(難易度:★★★☆☆)

問題

労働基準法に定められた妊産婦等に関する保護規定について、次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。ただし、常時使用する労働者数が10人以上の規模の事業場の場合とする。

選択肢


正解:E
妊産婦(妊娠中および産後1年を経過しない女性)が請求した場合には、たとえ36協定が締結されているときであっても、時間外労働、休日労働、および深夜業をさせてはならない。したがって、深夜業を制限なくおこなわせることができるとする選択肢Eは誤りである。

変形労働時間制やフレックスタイム制を採用している場合でも、妊産婦の請求があれば1日8時間および1週40時間の法定労働時間を超えることはできない。また、軽易業務への転換や生理休暇についても、労働者からの請求にもとづく事業者の義務として定められている。

問題35(難易度:★★★☆☆)

問題

心肺停止状態の傷病者に対する一次救命処置に関する次の記述に関して答えよ。

突然倒れた人や、反応がない人に対しておこなう一次救命処置について、適切な手順や手法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:C
胸骨圧迫を正しくおこなう位置は、胸の真ん中を通る胸骨の「下半分」である。上半分とする選択肢Cの記述は誤りである。

圧迫の深さは成人の場合、約5cm沈む強さが目安となる。また、呼吸の判断に迷うときは心停止とみなしてただちに処置を開始することや、AEDの使用後もすぐに胸骨圧迫を再開すること、気道確保の方法などは、いずれも最新のガイドラインにもとづく正しい手順である。処置の質を高めるためには、絶え間なく圧迫を続けることがきわめて重要である。

問題36(難易度:★★★☆☆)

問題

熱傷の救急処置などに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:E
化学薬品による熱傷の応急処置として最も優先されるのは、ただちに多量の流水で薬品を洗い流すことである。中和剤の使用は、中和反応による反応熱が発生し、かえって熱傷を悪化させる危険があるため、一般的におこなわない。水疱を破らず保護すること、広範囲熱傷での低体温への注意、衣類の取り扱い、および低温熱傷が深くなりやすい点などは、いずれも正しい知識である。

熱傷の程度と適切な冷却方法を正しくとらえる必要がある。

問題37(難易度:★★★☆☆)

問題

派遣労働者が派遣先事業場において労働災害により被災した場合の、労働者死傷病報告の提出義務および提出先に関する次の文中の[a]および[b]に入れる語句の組み合わせとして、法令上、正しいものはどれか。

「派遣労働者が派遣就業中に労働災害により死亡し、または休業した場合、労働者死傷病報告を提出する義務があるのは[a]であり、その報告書の提出先は[b]である」

選択肢


正解:C
派遣労働者が労働災害により被災したとき、労働者死傷病報告は、派遣先および派遣元の両方の事業者に提出義務がある。派遣先の事業者は、被災後、遅滞なく所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

また、派遣元の事業者は、派遣先から送付された報告書の写しにもとづき、自らの所轄労働基準監督署長に報告をおこなう。提出先がいずれも労働基準監督署長であること、および双方に義務があることをとらえるのが重要である。

問題38(難易度:★★★☆☆)

問題

血液に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:C
血液全体に占める血球成分の割合であるヘマトクリット値は、成人男子で約45%、成人女子で約40%程度である。したがって、約65%とする選択肢Cの記述は過大であり、誤りである。

血漿に含まれる成分や、赤血球による酸素運搬の仕組み、好中球の貪食作用、および血液型ごとの抗体の有無については、いずれも正しい知識である。血液の各成分が持つ数値的な基準や役割を正確に把握しておくことが、本試験において正解を導くための鍵となる。

問題39(難易度:★★★☆☆)

問題

心臓および血液循環に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:D
肺循環において、右心室から肺へ血液を送る血管は「肺動脈」であり、肺でガス交換をおこなった後の血液が左心房へ戻る際に通る血管は「肺静脈」である。したがって、血管の名称が逆になっている選択肢Dが誤りである。

心臓の自律的なリズムをつくる洞結節や、自律神経による心拍数の調節、体循環の経路、および心臓内の弁の名称と位置については、いずれも正しい知識である。循環器系では、動脈血・静脈血という血液の性質と、血管の名称を混同しないよう注意が必要である。

問題40(難易度:★★★☆☆)

問題

呼吸に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:E
呼吸を調節する呼吸中枢は、大脳皮質ではなく、脳幹の一部である「延髄」に存在する。血液中の二酸化炭素分圧の上昇や酸素分圧の低下を感知すると、延髄の呼吸中枢が刺激され、呼吸数や一回換気量が増加する仕組みとなっている。

呼吸筋による胸郭の拡大、外呼吸の定義、および安静時の呼吸数や換気量の数値については、いずれも正しい知識である。呼吸の不随意的な調節がおこなわれる脳の部位を正確に把握しておく必要がある。

高尾 有沙

プロフィール

呼吸をコントロールする中枢の場所を理解しよう

「大脳皮質」は意識的な思考や高度な判断をおこなう場所。

呼吸や心拍といった無意識下での生命維持(自律機能)をコントロールしているのは脳の奥深くにある「延髄(脳幹)」です。

脳の部位と役割の紐付けは労働生理の基本なのでしっかり覚えましょう。

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問題41(難易度:★★★☆☆)

問題

消化器系に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:D
胆汁は、肝臓で生成される「アルカリ性」の液体である。選択肢Dのように弱酸性とする記述は誤りである。胆汁には消化酵素は含まれないが、脂肪を乳化して脂肪分解酵素であるリパーゼの働きを助ける重要な役割を担っている。

その他の記述について、水やビタミン類の吸収プロセス、唾液や膵液に含まれる消化酵素の働き、および小腸の絨毛による吸収効率の向上については、いずれも生理学的に正しい内容である。各消化液の性質や液性を正確に把握しておく必要がある。

問題42(難易度:★★★☆☆)

問題

代謝に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

選択肢


正解:E
メッツ(METs)は、安静時を1としたときの運動強度の比であり、選択肢Eの記述が正しい。

代謝において物質を合成する反応は同化(A)、エネルギーを取り出す分解反応は異化(B)という。基礎代謝量は体重よりも体表面積に正比例し、測定は睡眠中ではなく覚醒・安静時におこなう(C)。

エネルギー代謝率は、活動に要したエネルギー(総消費量から安静時消費量を引いた外的エネルギー量)を基礎代謝量で除して求めるものであり、分母と分子の関係を正確に把握しておく必要がある。

問題43(難易度:★★★☆☆)

問題

腎臓または尿に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

選択肢


正解:C
糸球体で濾過された原尿の約99%は、尿細管を通過する過程で水分、電解質、ブドウ糖などの生体に必要な成分とともに血中に再吸収される。したがって、実際に尿として排出されるのは濾過された量の約1%であるとする選択肢Cが正しい。

尿は通常、弱酸性(A)であり、健康な状態では分子の大きい蛋白質は濾過されない(B)。ブドウ糖も尿細管ですべて再吸収されるため、通常は尿中に現れない(D)。再吸収の仕組みは生体の恒常性維持に不可欠な機能である。

問題44(難易度:★★★☆☆)

問題

ヒトのホルモン、その内分泌器官およびそのはたらきに関する以下の問いに答えよ。

次の表に示すホルモン、内分泌器官およびそのはたらきの組み合わせのうち、法令および生理学上の知識に照らし、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:E
エリスロポエチンは、主として「腎臓」から分泌されるホルモンであり、骨髄における赤血球の産生を促進するはたらきを持つ。副腎皮質から分泌されるのは、糖質コルチコイド(コルチゾール)や電解質コルチコイド(アルドステロン)などであるため、選択肢Eの組み合わせは誤りである。

アドレナリンによる血糖上昇、パラソルモンによるカルシウム調節、バゾプレシンによる抗利尿作用、サイロキシンによる代謝促進は、すべて正しい。各ホルモンの分泌部位とはたらきを正確に暗記することが重要である。

高尾 有沙

プロフィール

3点セットでホルモンの分泌器官を覚えよう!

ホルモンの問題は「ホルモン名」「分泌される臓器」「そのはたらき」の3点セットで暗記する必要があります。

「エリスロポエチン=腎臓から分泌=赤血球を作る」という組み合わせは、副腎などと間違えやすいため要注意です。

問題45(難易度:★★★☆☆)

問題

免疫の仕組み、関与する細胞およびアレルギー反応に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:E
免疫の分類において、抗体(免疫グロブリン)が体液中を循環して異物を攻撃する仕組みは「体液性免疫」である。また、T細胞などのリンパ球が直接病原体を認識して攻撃・排除する仕組みを「細胞性免疫」という。選択肢Eはこれらの名称が逆に説明されているため誤りである。

抗原の定義、好中球の貪食作用、アレルギーの概念、およびリンパ球の種類と分化に関する記述については、いずれも生理学的に正しい内容である。細胞性と体液性の違いを正確にとらえることが重要である。

問題46(難易度:★★★☆☆)

問題

筋肉に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:D
等張性収縮は、筋肉が縮みながら力を出す関節運動などを指す。荷物を持ち続けて静止しているときのように、筋肉の長さが変わらずに高い張力を維持する収縮形態は「等尺性収縮」であるため、選択肢Dは誤りである。

最大筋力の断面積当たりの平均値に差がないことや、反射の定義、活動性肥大、およびATPがエネルギー源である点については、いずれも生理学的に正しい。酸素供給が十分な条件下では、グリコーゲンは水と二酸化炭素まで完全に分解される。

問題47(難易度:★★★☆☆)

問題

神経系に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:E
脳幹(中脳、橋、延髄)は、呼吸、循環、体温調節など、生命維持に直接かかわる重要な自律機能の中枢を担っている。視覚、聴覚の認識や、思考、学習などの高度な精神活動を司る中枢は、脳幹ではなく大脳(大脳皮質)に存在する。したがって、選択肢Eの記述は誤りである。

神経核と神経節の定義、自律神経の二重支配、有髄神経線維の跳躍伝導、および体性神経の区分についての記述は、いずれも正しい。神経系の各部位が持つ役割を正確に区別しておく必要がある。

高尾 有沙

プロフィール

脳幹と大脳の役割の違いを理解しよう

引っかけを含む問題パターンです。脳幹(中脳・橋・延髄)は呼吸や体温などの生命維持の中枢であり、思考や学習を司るのは「大脳皮質」です。

生理学の問題では、部位と機能をわざと逆にした選択肢が頻発するので注意して臨みましょう。

問題48(難易度:★★★☆☆)

問題

感覚および各感覚器の構造と機能に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

選択肢


正解:B
皮膚感覚を司る感覚点のうち、痛点の密度が最も高く、次いで触圧覚点、冷覚点、温覚点の順となるため、選択肢Bが正しい。

感覚の強度は刺激の強さの対数に比例する(ウェーバー・フェヒナーの法則)。色を感じるのが錐状体、明暗を感じるのが杆状体であるためCは誤り。内臓感覚は体性感覚に比べて部位の特定が不明瞭という特徴を持つためDも誤り。平衡感覚を司る前庭や半規管は「内耳」にあるため、中耳とするEは誤りである。

問題49(難易度:★★★★☆)

問題

厚生労働省の「作業環境測定基準」および「作業環境評価基準」にもとづく作業環境測定とその結果の評価に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:B
作業環境測定における試料空気の採取位置は、床上「50cm以上、3m以下」ではなく「50cm以上、150cm以下」と定められているため、選択肢Bは誤りである。管理区分の決定において、B測定の結果が管理濃度の1.5倍を超えた場合は、A測定の結果が良好であっても第三管理区分となる。

また、A測定の第二評価値(算術平均濃度の推定値の上限)が管理濃度を超えれば、その時点で第一管理区分にはならない。

測定位置の高さなどの具体的な数値や、評価のロジックを正確に暗記しておくことが合格への鍵となる。

高尾 有沙

プロフィール

測定の高さと評価区分のルールは頻出!

A測定の高さ「床上50〜150cm」は頻出の数字です。

また、評価区分の決定において「A測定が良くても、B測定(発生源の近く)の数値が悪ければ第三管理区分になる」という、厳しい基準の結果が優先されるルールを覚えておきましょう。

問題50(難易度:★★★★☆)

問題

局所排気装置のフード、ダクトおよび排風機の設置などに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

選択肢


正解:B
フランジを設けると、吸い込み範囲が前方に集中するため、効率良く有害物質を捕捉できる。これは外付け式フードの基本原理である。ダクトの曲がり半径を大きくすると圧力損失は「減少」する。

また、ルーバー型は外付け式に分類され、側方吸引型は囲い式ではない。排風機の設置位置については、空気清浄装置を通過して清浄になったあとの空気が通る「下流側」に設けるのが一般的である。これにより排風機本体の摩耗や汚れ、爆発のリスクを抑えることができる。

高尾 有沙

プロフィール

局所排気装置の構造と配置を押さえよう

排風機は空気清浄装置の下流側(空気がきれいになった後)に置く」というルールは、機械の故障を防ぐための鉄則であり、試験でもよく狙われます。

「フランジ」を付けると吸引効率が上がるという点も重要です。

問題51(難易度:★★★★☆)

問題

労働衛生保護具の種類、使用方法および性能に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:E
防じんマスクは空気中の粒子状物質を捕捉するためのものであり、ガスや蒸気状の物質を取り除く除毒能力はない。有機溶剤の蒸気が存在する場所では、必ず防毒マスクを使用しなければならないため、選択肢Eは誤りである。

一方、防毒マスクは酸素欠乏場所では使用できず、その場合には空気呼吸器などの自給式呼吸器や送気マスクが必要となる。また、吸収缶の色や保護手袋の耐透過性など、保護具ごとの特性を正確に理解しておくことが、適切な管理には不可欠である。

問題52(難易度:★★★★☆)

問題

特殊健康診断における生物学的モニタリングの検査項目および測定対象に関する次の文中の[ ]内に入れるaからcの語句の組み合わせとして、正しいものはどれか。

「特殊健康診断において有害物の体内摂取量や代謝の程度を把握する検査として、生物学的モニタリングがある。キシレンについては、尿中の[a]を測定し、トルエンについては、尿中の[b]を測定する。また、[c]については、尿中のトリクロロ酢酸の量や三塩化エタノールの量を測定する。」

選択肢


正解:B
キシレンの尿中代謝物はメチル馬尿酸(a)であり、トルエンの尿中代謝物は馬尿酸(b)である。トリクロロ酢酸や三塩化エタノールを尿中で測定するのは、トリクロロエチレン(c)やテトラクロロエチレンの曝露を評価する際である。これら有機溶剤の代謝物の名称は、スチレンのマンデル酸などと混同しやすいため注意が必要である。

生物学的モニタリングは、個人曝露量を評価するうえできわめて重要な検査であるため、物質と代謝物の組み合わせを正確に把握しておくことが求められる。

問題53(難易度:★★★★☆)

問題

作業環境における温熱条件およびその指標に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:B
黒球温度は、「気温・気流・ふく射熱」の3要素を反映する。Bは「気温」ではなく、「湿度」となっているため誤りである。実効温度やWBGTなどの総合指標との対比において、ふく射熱の測定を主目的とすることを正しく理解しているかが問われる。

屋外でのWBGT算出には、自然湿球温度、黒球温度、乾球温度の3つが必要である。温熱条件の四要素が、それぞれの指標においていかに組み合わされているかを整理しておくことが、高難易度問題に対応するうえで不可欠である。

高尾 有沙

プロフィール

温熱指標に含まれる要素を整理しよう

「実効温度=気温・湿度・気流」「黒球温度=ふく射熱」という紐付けを確実におこないましょう。

WBGT(暑さ指数)の計算において、屋外では「日射(黒球温度)」が加わることも重要なポイントです。

問題54(難易度:★★★★☆)

問題

「職場における腰痛予防対策指針」にもとづく管理および作業の方法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:D
重量物取扱い作業等に従事する労働者への医師による健康診断は、当該作業への配置の際、およびその後「6カ月以内ごとに1回」定期におこなう必要がある。したがって、1年以内ごととする選択肢Dの記述は誤りである。

指針では、人力による重量制限として、18歳以上の男性は体重のおおむね40%以下、女性はその60%以下と定めている。また、保護具の使用については、一律の強制ではなく個人の適性を考慮することが求められており、作業姿勢の基本と併せて正しく理解しておく必要がある。

問題55(難易度:★★★★☆)

問題

健康増進法および厚生労働省の「職場における受動喫煙防止のためのガイドライン」にもとづく受動喫煙防止対策に関する次のaからdの記述について、誤っているものの組み合わせは(1)〜(5)のうちどれか。

a. 学校、病院、児童福祉施設などは第一種施設に分類され、敷地内禁煙とされているが、屋外で受動喫煙を防止するために必要な措置が講じられた場所に限り、特定屋外喫煙場所を設置できる。
b. 第二種施設である一般の事務所や工場は、原則屋内禁煙であるが、たばこの煙の流出を防止するための技術的基準に適合した喫煙専用室を設置することができる。
c. 喫煙専用室の設置が困難な場合、就業時間中に定期的に換気をおこなう「時間分煙」をもって、技術的基準を満たす対策として代替することが認められている。
d. 喫煙専用室においては、たばこの煙を屋外へ直接排気する設備を設ける必要があり、その室内で労働者が事務作業や食事をおこなうことは、短時間であれば認められる。

選択肢


正解:E
受動喫煙防止のガイドラインにおいて、特定の時間を禁煙とする「時間分煙」は、煙の流出を防ぐ技術的基準を満たす対策とは認められていないためcは誤りである。また、喫煙専用室内では、喫煙以外の行為(食事、事務作業、会議など)をおこなうことは全面的に禁止されているためdも誤りである。

第一種施設での特定屋外喫煙場所の設置や、第二種施設での喫煙専用室の設置は、法令で定められた基準を遵守する限りにおいて可能である。各施設の分類と、喫煙室の管理基準を正確に理解しておくことが、高難易度の引っかけ問題に対応する鍵となる。

高尾 有沙

プロフィール

「時間分煙はNG」と覚えておこう

受動喫煙対策では、空間を物理的に分ける(喫煙専用室を作る等)ことが大原則です。

「時間を決めて分煙する」という方法は技術的基準を満たさないものとして明確に禁止されています。実務でも重要になる法知識です。

問題56(難易度:★★★★☆)

問題

細菌性食中毒および化学性食中毒に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:E
ヒスタミンは、魚に含まれるヒスチジンが細菌により分解されて生成される物質であるが、一度生成されると熱に対してきわめて安定である。したがって、通常の調理加熱では分解されないため、選択肢Eは誤りである。

ボツリヌス菌や黄色ブドウ球菌などの毒素型、カンピロバクターなどの感染型の違いを整理しておく必要がある。特に毒素の耐熱性や発症のメカニズムは、試験において最も問われやすい重要な点である。

問題57(難易度:★★★★☆)

問題

感染症の成立過程、感染経路およびその予防に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:E
感染症対策の三原則は、感染源の除去、感染経路の遮断、感受性宿主の抵抗力の向上である。手洗いやうがいは、病原体が体に侵入するのを防ぐ「感染経路の遮断」に該当するため、選択肢Eは誤りである。

「宿主の対策」には、予防接種による免疫付与や、十分な睡眠・栄養による抵抗力の強化が当てはまる。また、キャリアや不顕性感染の者が無自覚に感染源となることや、空気感染と飛沫感染の代表的な疾患の違いを正しくとらえることが重要である。

問題58(難易度:★★★★☆)

問題

労働衛生対策を進めていくにあたっては、作業環境管理、作業管理および健康管理が必要であるが、次のaからeの対策例について、作業管理に該当するものの組み合わせは(1)〜(5)のうちどれか。

a. 化学物質を取り扱う際に、当該化学物質のばく露時間を短縮するため、作業の速度や手順を見直す。
b. 騒音を発する機械を遮音壁により隔離し、作業場所の等価騒音レベルを低減させる。
c. 鉛作業に従事する労働者に対して、作業の開始前および終了後に、鉛中毒に関する健康相談を実施する。
d. 振動工具を取り扱う作業において、一連続作業時間を制限するとともに、一日の作業の合計時間を制限する。
e. 事務所における事務作業において、作業面の照度を適切に保つため、照明器具の点検および清掃をおこなう。

選択肢


正解:B
作業管理とは、作業の方法や負荷を調整することで有害要因へのばく露を低減させる対策を指す。aのばく露時間の短縮に向けた手順の見直しや、dの振動工具の作業時間制限はこれに該当するため、正しい組み合わせは(2)となる。

bの遮音壁の設置やeの照明の点検は、物理的な環境そのものを改善する「作業環境管理」に分類される。また、cの健康相談は個人を対象とした「健康管理」にあたる。これらの3つの管理区分を、目的と対象によって明確に区別し、正しくとらえることが重要である。

問題59(難易度:★★★★☆)

問題

労働衛生管理に用いられる統計およびその指標に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:C
統計上の相関関係が認められたとしても、それが直ちに原因と結果を示す因果関係であるとは限らない。共通の第三の要因が影響している場合や、偶然の一致もありえるため、因果関係の判断には慎重な検討が必要である。したがって、必ず因果関係が存在すると断定する選択肢Cは誤りである。

標準偏差とデータの分布範囲の関係や、計量・計数データの区別、静態・動態データの定義は、統計処理を正しくおこなううえで基礎となる知識である。

問題60(難易度:★★★★☆)

問題

法令上、特定の有害物質を取り扱う作業場所に設けた局所排気装置などの換気装置について、1年以内ごとに1回、定期に、自主検査をおこなう義務が規定されているものは、次のうちどれか。

選択肢


正解:B
有機溶剤中毒予防規則の対象となる有機溶剤(第1種〜第3種)を取り扱う作業場所に設けた局所排気装置などは、1年以内ごとに1回、定期に、自主検査をおこなう義務がある。酢酸エチルは第2種有機溶剤に該当するため、選択肢Bが正解となる。

特定化学物質障害予防規則においては、第1類および第2類物質に係る装置には検査義務があるが、第3類物質である硫酸(A)などは原則として対象外である。また、苛性ソーダ(C)や炭酸ガス(D)、窒素(E)などの物質は、定期自主検査の規定がある予防規則の対象物質には含まれない。

問題61(難易度:★★★★☆)

問題

次の特定化学物質のうち、法令上、製造しようとするときに厚生労働大臣の許可を必要としないものはどれか。

選択肢


正解:E
製造に厚生労働大臣の許可を必要とするのは特定化学物質の「第1類物質」である。ジアニシジン、ジアニシジンの塩、ベリリウム、およびベリリウムを重量の1%を超えて含有する合金などはすべて第1類物質に該当する。

一方、ベンゼンは特定化学物質の「第2類物質」に分類されているため、製造にあたって厚生労働大臣の許可を必要とする規定はない。

第1類物質は、がんなどの重度の健康障害を生ずるおそれが強いため、きわめて厳格な管理が求められる。名称が似ている第2類物質の特別有機溶剤などと混同しないよう注意が必要である。

高尾 有沙

プロフィール

特定化学物質の第1類と第2類の違いを把握しよう

製造に「厚生労働大臣の許可」が必要なのは、最も危険な「第1類物質(ベリリウム、ジアニシジンなど)」です。ベンゼンは「第2類物質」なので許可は不要となります。

これらの物質の分類をリスト化して覚えておきましょう。

問題62(難易度:★★★★☆)

問題

表示対象物質の表示方法およびリスクアセスメントの実施に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:E
表示対象物質を譲渡し、あるいは提供する者は、容器または包装への「表示」と、安全データシート(SDS)などによる「通知」の両方をおこなう義務がある。書面を交付したからといって、容器等への表示を省略することはできないため、選択肢Eは誤りである。

また、容器に入れ、かつ包装して提供する場合には「容器」への表示が必要である点や、容器を用いない場合の文書交付、結びつけによる表示の特例など、法に定められた具体的な表示ルールを正確に理解しておくことが求められる。

問題63(難易度:★★★★☆)

問題

法令にもとづき定期におこなうことが義務付けられている作業環境測定に関して、次の作業内容と測定頻度との組み合わせのうち、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:E
鉛業務をおこなう屋内作業場における空気中の鉛濃度の測定は、法令により「1年以内ごとに1回」定期におこなうものと定められている。したがって、6カ月以内ごととする選択肢Eの記述は誤りである。

一方で、暑熱作業場や坑内における通気量等の測定は「半月以内ごとに1回」、有機溶剤や粉じんの濃度測定は「6カ月以内ごとに1回」、放射性物質の濃度測定は「1カ月以内ごとに1回」とされている。それぞれの有害業務ごとに異なる測定頻度を、正確に整理してとらえることが重要である。

高尾 有沙

プロフィール

測定頻度は「半年」か「1年」かで分類しよう

作業環境測定の頻度は、多くの有機溶剤や粉じんが「6カ月以内」ですが、鉛業務は「1年以内」です。

例外となる頻度のものを優先的に暗記しておくと、選択肢を消去しやすくなります。

問題64(難易度:★★★★☆)

問題

有害物質や特定の作業環境による健康障害を防止するためにおこなわれる特別健康診断について、次の業務と診断項目の一部の組み合わせのうち、正しいものはどれか。

選択肢


正解:B
スチレンを取り扱う有機溶剤業務の健康診断では、尿中のマンデル酸の量を測定するため、選択肢Bの組み合わせが正しい。

Aの馬尿酸はトルエンの代謝物であり、鉛業務ではデルタアミノレブリン酸などが指標となる。Cの放射線業務では白血球数や眼の検査などが主であり、胸部エックス線は塵肺健診や一般健診の項目である。Dの石綿業務では胸部エックス線検査をおこなう。Eの潜水業務では四肢の運動機能や鼓膜の検査が定められており、腹囲等は一般健診の項目である。

それぞれの有害要因に特有の検査項目を正確に把握しておくことが重要である。

問題65(難易度:★★★★☆)

問題

次の有害業務に従事した者のうち、法令にもとづき、離職の際または離職の後に健康管理手帳の交付対象とならないものはどれか。

選択肢


正解:D
カドミウムを取り扱う業務は、特定化学物質障害予防規則において第2類物質に指定され、健康診断等の実施義務はあるが、健康管理手帳の交付対象業務には含まれていない。したがって、選択肢Dが正解となる。

健康管理手帳は、がんなどの発症まで長期間を要する疾患を対象としており、ベンゾトリクロリドや石綿、コークス炉業務、クロム酸、ベンジジンなどの製造・取扱業務がその対象となる。各物質ごとに必要な従事期間や経過年数の要件が細かく定められているため、対象物質の名称を正確に把握しておく必要がある。

問題66(難易度:★★★★☆)

問題

労働安全衛生規則の衛生基準および騒音等の管理に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:E
等価騒音レベルの定期的な測定が義務付けられているのは、著しい騒音を発する特定の屋内作業場であり、6カ月以内ごとに1回おこなう必要がある。振動工具を用いる作業については、振動障害予防のための管理が必要であるが、騒音の測定頻度として「1年以内ごとに1回」とする規定や、すべての振動作業に対して等価騒音レベルの測定を義務付ける規定はないため、Eは誤りである。

炭酸ガス濃度の立入禁止基準(1.5%超)や、暑熱・多湿作業場における休憩設備の設置基準は、規則に定められた重要な事項である。

問題67(難易度:★★★★☆)

問題

有機溶剤等を取り扱う際の措置について、有機溶剤中毒予防規則に照らして違反しているものは次のうちどれか。ただし、同規則に定める適用除外および設備の特例はないものとする。

選択肢


正解:B
外付け式フードの局所排気装置において、下方吸引型および側方吸引型の場合に必要とされる制御風速は、いずれも「0.5m/s」以上である。したがって、0.3m/sの能力しか持たない装置を設置している選択肢Bのケースは、規則に定める基準を満たしておらず違反となる。囲い式フードの基準(0.4m/s以上)や、排気口の高さ(屋根から1.5m以上)、空容器の処理方法、および6カ月以内ごとに1回実施すべき健康診断の頻度については、いずれも規則の定めに適合している。各フードの形式ごとに異なる制御風速の数値を正確に把握しておく必要がある。

問題68(難易度:★★★★☆)

問題

特定化学物質障害予防規則により、特別管理物質を製造し、または取り扱う事業者が事業を廃止するとき、特別管理物質等関係記録等報告書に添えて提出することが義務付けられている記録の組み合わせとして正しいものは(1)〜(5)のうちどれか。

a. 当該作業場についておこなった作業環境測定の結果の記録またはその写し
b. 当該業務に使用した化学物質の購入量および在庫量の記録またはその写し
c. 労働者が当該作業場において常時従事した作業の概要および従事した期間の記録またはその写し
d. 当該作業場所に設置した局所排気装置などの除塵・排気設備の保守点検の記録またはその写し
e. 当該業務に常時従事する労働者に対しておこなった特定化学物質健康診断個人票またはその写し

選択肢


正解:B
事業を廃止する場合、特別管理物質に係る重要な記録を散逸させないため、所轄労働基準監督署長への提出が定められている。提出対象は、30年間保存義務がある作業環境測定の記録(a)、同じく30年間保存義務がある作業の概要等の記録(c)、および特定化学物質健康診断個人票(e)の3つである。

購入記録(b)や定期自主検査等の保守点検記録(d)は、通常の保存義務はあるものの、事業廃止時の提出義務までは規定されていない。これら提出物の種類を正確に把握しておくことが、本試験における得点につながる。

問題69(難易度:★★★★☆)

問題

電離放射線障害防止規則にもとづく管理区域の定義および線量の算定方法に関する次の文中の[ ]内に入れるaからcの語句または数値の組み合わせとして、正しいものはどれか。

1.管理区域とは、外部放射線による実効線量と空気中の放射性物質による実効線量との合計が[a]につき[b]を超えるおそれのある区域、または放射性物質の表面密度が法令に定める表面汚染に関する限度の十分の一を超えるおそれのある区域をいう。

2.1の外部放射線による実効線量の算定は、[c]線量当量によっておこなうものとする。

選択肢


正解:A
管理区域の基準は、3カ月(a)につき実効線量が1.3mSv(b)を超えるおそれのある区域と定められている。外部放射線による実効線量を算定する際は、1cm(c)線量当量を用いることが規定されている。

皮膚の等価線量を算定する際に用いられる70μm線量当量や、期間の設定における1カ月などは、他の基準値と混同しやすいため注意が必要である。放射線業務従事者の安全を確保するための基本的な定義であり、正確な数値と単位の把握が求められる。

問題70(難易度:★★★★☆)

問題

酸素欠乏症等防止規則に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:D
酸素欠乏危険作業をおこなうときは、換気の有無や呼吸用保護具の使用にかかわらず、必ず作業主任者を選任し、指揮させなければならないため、選択肢Dが誤りである。

し尿や海水が滞留した場所などは硫化水素の発生リスクがある第二種酸素欠乏危険場所に該当し、専用の技能講習修了者の選任が必要となる。作業開始前の濃度測定は、酸素18%以上、硫化水素10ppm以下を確認するための重要な義務である。

また、換気に際して爆発や火災の危険がある純酸素の使用が禁止されている点も併せてとらえておく必要がある。

問題71(難易度:★★★★☆)

問題

粉じん作業をおこなう屋内作業場における管理措置および粉じん濃度の測定等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢


正解:D
常時特定粉じん作業をおこなう屋内作業場の粉じん濃度測定結果およびその評価の記録は、法令により「7年間」保存しなければならない。したがって、3年間保存とする選択肢Dの記述は誤りである。

ヒュームなどの微細な粒子に対しては、サイクロン方式ではなくろ過や電気による高度な除じんが必要である。また、遊離けい酸の含有率は、管理区分を決定するうえできわめて重要な指標となるため、不明な場合には必ず測定をおこなう必要がある。

環境測定の頻度と保存期間の組み合わせを正確に覚えることが合格への鍵となる。

高尾 有沙

プロフィール

記録の保存期間を整理しておこう

関係法令において保存期間は非常によく問われます。

通常の作業環境測定の記録は3年ですが、特定粉じんや石綿などの重篤な健康被害が出るものは「7年」や「40年(石綿)」などと長くなるので注意が必要です。

問題72(難易度:★★★★☆)

問題

石綿障害予防規則に定められた各措置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢

正解:E
石綿障害予防規則において、石綿等を常時取り扱う作業場の掃除は「毎日1回以上」おこなうことが義務付けられている。したがって、1週間に1回以上の頻度とする選択肢Eの記述は誤りである。

石綿に関する記録(作業環境測定、健康診断個人票、作業記録)の保存期間が「40年間」というきわめて長期にわたる点や、局所排気装置の定期自主検査とその記録の保存期間(3年間)については、いずれも規則の定めに適合している。

石綿は発がん性が高く、健康被害が長期間を経て現れるため、日常的な清掃による粉じん飛散防止が強く求められている。

問題73(難易度:★★★★☆)

問題

じん肺法に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。

選択肢

正解:E

じん肺法において療養を要するとされるのは、じん肺管理区分が「管理四」と決定された者、または「管理二」あるいは「管理三」と決定された者のうち、法令で定められた合併症(肺結核や続発性気胸など)にかかっていると認められる者である。

管理三の決定を受けたことのみでは、直ちに療養を要するものとはならないため、選択肢Eが誤りである。管理一から管理三までの区分定義や、管理区分が管理二以上の者に対する年一回の定期診断、局長による区分決定の手続きについては、いずれも法令の定めに適合している。

問題74(難易度:★★★★☆)

問題

特定化学物質障害予防規則により、特別管理物質を製造し、または取り扱う事業者が事業を廃止するとき、特別管理物質等関係記録等報告書に添えて提出することが義務付けられている記録等の組み合わせとして、正しいものは(1)〜(5)のうちどれか。

a. 当該作業場についておこなった作業環境測定の結果の記録またはその写し
b. 当該物質の製造工程における温度、圧力等の運転記録またはその写し
c. 労働者が当該作業場において常時従事した作業の概要および従事した期間の記録またはその写し
d. 当該作業場所に設置した局所排気装置の定期自主検査の記録またはその写し
e. 当該業務に常時従事する労働者に対しておこなった特定化学物質健康診断個人票またはその写し

選択肢

正解:B

事業を廃止する場合、特別管理物質に係る重要な記録の散逸を防ぐため、所轄労働基準監督署長への提出が義務付けられている。

提出対象は、30年間の保存義務がある作業環境測定の記録(a)、同じく30年間の保存義務がある労働者の作業概要等の記録(c)、および特定化学物質健康診断個人票(e)の三つである。運転記録(b)や局所排気装置の定期自主検査記録(d)は、通常の保存義務はあるものの、事業廃止時における監督署長への提出義務までは規定されていない。これら提出物の種類を正確に把握しておくことが重要である。

問題75(難易度:★★★★☆)

問題

次のaからdの業務について、労働基準法にもとづく時間外労働に関する協定(36協定)を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合においても、法令上、労働時間の延長が1日2時間を超えてはならないものの組み合わせは(1)〜(5)のうちどれか。

a. 鉛、水銀、クロム、砒素、黄りん、弗素、塩素、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、苛性アルカリ、石炭酸その他これらに準ずる有害物を取り扱う業務
b. 強烈な光線(紫外線、赤外線、レーザー光線等)を発する場所における業務
c. 土石、獣毛、塵埃、粉末等が著しく飛散する場所における業務
d. 深夜(午後10時から午前5時までの間)における業務

選択肢

正解:B

労働基準法により、健康上特に有害な業務とされる特定の業務については、36協定を届け出た場合であっても、時間外労働を1日2時間以内に制限しなければならない。

この制限の対象となる業務には、鉛、硫酸等の有害物を取り扱う業務(a)や、著しく塵埃が飛散する場所における業務(c)が含まれる。一方で、レーザー光線等の強烈な光線を発する場所における業務(b)や深夜における業務(d)については、この1日2時間という厳格な時間外労働制限の対象には指定されていない。有害物質の名称や熱、騒音、振動、重激な業務など、制限がかかる項目の区分を正確に整理しておく必要がある。

問題76(難易度:★★★★☆)

問題

長時間にわたる労働により疲労が蓄積し、健康障害の発症のリスクが高まった労働者に対しておこなう医師による面接指導について、法令上、正しいものは次のうちどれか。

選択肢

正解:B

面接指導の結果にもとづく医師からの意見聴取は、法令により「遅滞なく」おこなうことが義務付けられているため、選択肢Bが正しい。

面接指導の対象要件となる時間外・休日労働時間は、原則として「1カ月当たり80時間」を超えた場合である。また、労働時間の状況に関する記録の保存期間は「3年間」であり、面接指導の結果記録については「5年間」の保存が義務付けられている。労働者からの申出があった際も、事業者は「遅滞なく」面接指導を実施しなければならず、特定の月数を待つことは許されない。

問題77(難易度:★★★★☆)

問題

次のaからdのうち、ストレスチェックの実施者として、法令上、医師および保健師以外の者で認められている者の組み合わせはどれか。ただし、医師、保健師以外の者は、厚生労働大臣が定める研修を修了しているものとする。

a. 看護師
b. 精神保健福祉士
c. 社会保険労務士
d. 心理カウンセラー

選択肢

正解:A

ストレスチェックの実施者となることができるのは、医師、保健師のほか、法定の研修を修了した歯科医師、看護師、精神保健福祉士、公認心理師である。

したがって、看護師(a)および精神保健福祉士(b)の組み合わせが正しい。社会保険労務士(c)や、公的資格ではない一般的な心理カウンセラー(d)、また、たとえ選任されていても衛生管理者は実施者となることはできない。この制度は、労働者のメンタルヘルスの状況を医学的および専門的見地から適切にとらえるためのものである。

問題78(難易度:★★★★☆)

問題

労働衛生コンサルタントに関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。

選択肢

正解:E

労働衛生コンサルタントは、業務に関する帳簿を2年間保存する義務を負うが、診断を受けた事業者に対して、その報告書を5年間保存することを義務付ける法令の規定はない。したがって、選択肢Eが誤りである。

コンサルタントは、名称独占の資格であり、登録を受けることでその名称を使用できる。また、守秘義務が課されており、これに違反したときは登録を取り消されることがある。試験区分には保健衛生と労働衛生工学があること、報酬を得て診断と指導をおこなうことなどの基本事項を正しくとらえる必要がある。

問題79(難易度:★★★★☆)

問題

労働安全衛生規則に定められた事業場の施設、設備および清掃の基準について、次の事業場の実態のうち、法令に違反していないものはどれか。

選択肢

正解:A

休養室または休養所を男女別に設ける義務があるのは、常時50人以上の労働者を使用するか、あるいは常時女性30人以上の労働者を使用する場合である。本選択肢の事業場はこれに該当しないため、設置していなくても違反とはならない。

一方で、気積は労働者一人につき10立方メートル以上(60人なら600以上)必要であり、換気のための開口部面積は床面積の20分の1以上確保しなければならない。食堂の床面積は1人につき1平方メートル以上、大掃除は6カ月以内ごとに一回、定期におこなうことが義務付けられている。

問題80(難易度:★★★★☆)

問題

労働基準法における労働時間、休憩および休日に関する原則と、その規定の適用除外に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

選択肢

正解:E

労働基準法により、畜産業、養蚕業、水産業などの事業に従事する労働者については、天候などの自然条件に左右される特殊性から、労働時間、休憩、休日に関する規定は適用されないこととなっている。したがって、選択肢Eが正しい。

災害時の臨時労働(B)は原則として許可が必要であり、事後届出は事態が急迫しているときに限られる。監視・断続的労働者(C)の適用除外には労働基準監督署長の許可が必要である。また、林業(D)については、農業や水産業と異なり、労働時間等の規定が適用されるため注意が必要である。

高尾 有沙

プロフィール

労働時間の適用除外となる業種を見分けよう

労働時間や休憩・休日のルールが適用されないのは「天候などに左右される業種(農業、畜産業、水産業など)」です。

「林業」は自然相手に見えますが、計画的に作業ができるため適用除外にはならない(労働時間ルールが適用される)点に注意してください。

問題81(難易度:★★★★☆)

問題

労働基準法にもとづく年次有給休暇(以下「休暇」という。)に関する下記の問題に答えよ。

休暇の付与日数、出勤率の算定、および時効などの規定に関する次の記述のうち、労働基準法上、正しいものはどれか。

選択肢

正解:C

労働基準法により、業務上の負傷による休業期間、産前産後の休業期間、および育児・介護休業期間は、出勤率の算定において「出勤したもの」とみなす必要がある。したがってCが正しい。

休暇中の賃金に標準報酬日額を用いるには労使協定が必要であり、額も全額(100%)であるためAは誤り。計画的付与で労働者が自由に取れる分として残すべきは「5日」であるためBは誤り。選択肢Dの条件(週4日、5年半)での付与日数は13日であり、休暇の時効は「2年間」であるためEも誤りである。

問題82(難易度:★★★★★)

問題

室内の空気環境を良好に保つための必要換気量の計算に関する次の問いに答えなさい。

在室者が50人の事務室において、室内の二酸化炭素濃度を1,000ppm以下に保つために必要な1時間あたりの換気量(㎥/h)として、最も近い数値は次のうちどれか。
ただし、外気の二酸化炭素濃度を400ppmとし、在室者1人が1時間あたりに排出する二酸化炭素量を0.02㎥/hとする。

選択肢

正解:C

必要換気量(Q)は、全員の二酸化炭素排出量(M)を、室内基準濃度(Ci)と外気濃度(Co)の差で除して求める。

本問の条件:
・全員の排出量 M=0.02×50=1.0㎥/h
・室内基準濃度 Ci=1,000ppm=0.001
・外気濃度 Co=400ppm=0.0004

公式に当てはめると以下のようになる。
Q=M/(Ci-Co)
Q=1.0/(0.001-0.0004)
Q=1.0/0.0006
Q≒1,667㎥/h

ppmを小数(または1,000,000倍)で扱う計算ミスが起こりやすいため、単位の変換には十分な注意が必要である。

高尾 有沙

プロフィール

計算問題は単位の変換(ppm)に注意

必要換気量の計算は公式さえ覚えれば簡単ですが、唯一の落とし穴が「ppm」の変換です。1,000ppm=0.001のように、小数への変換を間違えると答えが大きくズレてしまいます

計算の前に単位をそろえるクセを付けましょう。

問題83(難易度:★★★★★)

問題

厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」にもとづくメンタルヘルスケアの進め方に関する次のaからdの記述について、誤っているものの組み合わせは(1)〜(5)のうちどれか。

a. 事業者は、メンタルヘルスケアを適切に実施するため、基本方針や具体的な取組を盛り込んだ「心の健康づくり計画」を策定しなければならないが、これは企業の機密情報にあたるため、その開示範囲は人事担当者等に限定し、一般の労働者に対しては非公開とする。
b. 「心の健康づくり計画」を策定するたび、計画の詳細が個人の病歴等に触れるおそれがあるため、衛生委員会または安全衛生委員会において調査審議をおこなうことは、原則として差し控える。
c. メンタルヘルスケアを推進するにあたっては、「セルフケア」、「ラインによるケア」、「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」および「事業場外資源によるケア」の四つのケアを継続的に実施する。
d. 「ラインによるケア」とは、管理監督者が、個々の労働者がおこなうセルフケアを支援するほか、職場環境等の改善や労働者からの相談への対応をおこなうことである。

選択肢

正解:A

「心の健康づくり計画」は、会社全体の制度の枠組みや基本方針を定めたものである。個人情報は含まれないため、すべての労働者に広く周知しなければならない。したがって、aは誤りだ。

また、計画の策定にあたっては、その実施状況の評価や見直しについて衛生委員会等で調査審議をおこなう必要がある。よって、bも誤り。

メンタルヘルスケアにおける「四つのケア」の内容(セルフケア、ラインによるケア、事業場内産業保健スタッフ等によるケア、事業場外資源によるケア)は適切であり、cは正しい記述である。したがって、誤っている記述を含む組み合わせは(1)となる。

高尾 有沙

プロフィール

心の健康づくり計画」の取り扱いを理解しよう

「機密情報だから非公開」「個人の病歴に触れるから衛生委員会で審議しない」というのはもっともらしい引っかけだといえます。

計画自体は会社の方針を示すものなので「全労働者に周知」「衛生委員会で審議」が正しい手順です。

問題84(難易度:★★★★★)

問題

常時600人の労働者を使用する運送業の事業場における衛生管理体制に関する記述を読み、下記の問題に答えよ。

ただし、600人の中には、次の業務に常時従事する者が含まれているが、その他の有害業務はないものとし、衛生管理者および産業医の選任の特例はないものとする。

・深夜業を含む業務: 400人
・坑内における業務: 20人
・水銀を取り扱う業務: 10人

この事業場の衛生管理体制に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。

選択肢

正解:D

産業医の「専属」義務が生じるのは、常時1,000人以上の労働者を使用する場合、または特定の有害業務(深夜業を含む)に常時500人以上を従事させる場合である。

本事例の有害業務従事者は合計430人(深夜業400人+坑内20人+水銀10人)であり、500人以上の条件を満たさないため、専属の産業医を選任する義務はない。したがって、選択肢Dが誤りとなる。

なお、衛生管理者の専任義務は、有害業務(深夜業を除く)に30人以上従事させる場合に生じる。本件はちょうど30人(坑内20人+水銀10人)であるため、少なくとも1人を専任とする必要があり、選択肢Cは正しい。また、選択肢Aについて、運送業は100人以上で総括安全衛生管理者の選任が必要となる。

高尾 有沙

プロフィール

衛生管理者の専任義務の条件を押さえよう

衛生管理者を「専任(その業務だけをおこなう人)」にしなければならない条件は、「1,000人超」または「500人超かつ有害業務(深夜業を除く)30人以上」です。

この問題のように深夜業従事者が多いケースを混ぜて判断を鈍らせる問題は非常によく出ます。

「衛生管理者試験」を対策する際のポイント

アドバイザーのリアル・アドバイス!出題科目ごとに対策しよう! まずは労働整理を完璧にするのが鍵

キャリアコンサルタント

高尾 有沙

プロフィールを見る

衛生管理者の出題科目は「労働生理」「労働衛生」「関係法令」の3分野に分かれます。効率的に合格するための対策順序は、以下の通りです。

①【労働生理】
体の仕組みや病気に関する一般的な知識が多く、最も暗記しやすい得点源です。まずはここを完璧(8割以上)にしましょう。

②【労働衛生(有害業務含む)】
次に、作業環境測定(A測定・B測定)や局所排気装置、化学物質のリスクアセスメントなど、出題パターンが決まっている部分から優先的に対策します。

③【関係法令】
数字や罰則など細かい暗記が必要なため、最後に回しましょう。「誰が(事業者か、産業医か等)」、「いつまでに」、「何年間保存するか」という3点を整理して覚えるのがコツです。

誤りの選択肢を自習の材料にしよう! 徹底的な言語化でケアレスミスを防ぐ

就活生がやりがちな失敗は、関係法令から勉強を始めて挫折することです。

また、試験では「誤っているものを選べ」という問題が多く出題されるため、日頃の練習から「なぜこの選択肢が誤りなのか」を自分の言葉で説明できるようにしておくことが、本番でのケアレスミスを防ぐ最大の防御策となりますよ。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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