回答6選|人生のターニングポイントが見つかる4質問と伝え方のコツ

3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • キャリアコンサルタント/公認心理師

    Ikuko Yoshino〇就職支援歴18年。若者就労支援NPOに勤務の後、独立。現在は行政の就職支援施設にて、学生/既卒/フリーター/ニート/ひきこもり/女性などを対象に相談やセミナー講師を担当

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント / システムエンジニア

    Ichiro Komine〇大手電機メーカーでシステムエンジニアとして従事。若者の人生や成長にかかわりたいと思い、キャリアコンサルタントの資格取得。現在はコンサルティングや自己分析支援をおこなっている

    プロフィール詳細
  • ジャーナリスト/キャリアコンサルタント

    Kazuyoshi Konishi〇大手メディア政治記者を経て、配偶者の海外転勤に伴いキャリアを一時中断。現在は大学院でキャリア形成を研究する一方、プロの文章力を活かし各メディアで幅広く記事を執筆。

    プロフィール詳細

エントリーシート(ES)や面接で「あなたの人生のターニングポイントは何ですか」と質問されるときがあります。ターニングポイントとは変わり目や分岐点などを指し、しっかり過去を振り返らなければわからないものです。

このような人生のターニングポイントについて「どう見つけたら良いかわからない」や「ほかの人はどう回答しているのか」など疑問を持つ人もいるでしょう。

この記事では、キャリアアドバイザーの吉野さん、小峰さん、小西さんと一緒に、選考で人生のターニングポイントを聞かれた際の回答方法を解説します。人生のターニングポイントの回答に関して少しでも不安がある人は参考にして、自信を持って回答できるように準備を進めましょう。

目次

人生のターニングポイントは過去から未来までの徹底した自己分析が重要

人生のターニングポイントを回答するにあたっては、過去の出来事や未来の理想像などを徹底して自己分析することが大切です。なぜなら、目指したい未来の実現に近付いた過去の出来事・瞬間こそが人生のターニングポイントになり得るからです。

しかし、「具体的にどうターニングポイントを見つけたら良いかわからない」「面接で高評価を得るためにはどう回答したら良いのだろう」と疑問を持つ人もいると思います。

この記事では最初に、企業側が面接で人生のターニングポイントについて質問する理由や探し方などを解説します。企業側が求める回答を把握して、それに合ったターニングポイントを見つけられるようにしましょう。

そして記事後半では、人生のターニングポイントの回答方法や注意点を例文付きで解説します。回答例を参考にして、自分ならではの回答を作り込みましょう。

これだけで面接を突破できます
今すぐ頻出質問を確認してください!

39点以下はアウト!今すぐ面接力を診断する(無料)


面接回答集のおすすめポイント
・面接の通過率アップが狙える
・実際に内定した学生の回答集
・頻出質問を厳選

最初に確認! 就活で伝えるべき「人生のターニングポイント」とは

就活で伝えるべき「人生のターニングポイント」とは?

最初に人生のターニングポイントの意味や就活で伝えるべき内容など、前提を確認していきましょう。

そもそもターニングポイントとは、変わり目や分岐点などの意味を持ちます。そして、人生のターニングポイントは、あなたにとって今後の人生を左右する大きな出来事や考え方・価値観が変わった瞬間を指すと認識しておきましょう。

しかし、ただの出来事や考え方・価値観が変わった瞬間だけでは不十分です。そのような出来事・瞬間はたくさんあるからです。掲げている目標や理想の姿に出来事が起きる前よりも近付いた瞬間であれば、人生のターニングポイントとしてふさわしいといえます

このように、適切な人生のターニングポイントを回答するためにも、過去と未来を徹底的に自己分析することが大切なのです。

吉野 郁子

プロフィール

ターニングポイント、つまり「転機」はキャリア形成の重要なテーマです。キャリアの変化を望むか望まないにかかわらず、人生には変わらざるを得ないときが訪れます。

転機における自分の行動特性や考え方、価値観は、未来のキャリアを考えるうえで非常に参考になります。

企業が面接で人生のターニングポイントを質問する理由・目的

企業が面接で人生のターニングポイントを質問する理由・目的

  • 価値観を把握するため
  • 柔軟性と対応力を把握するため
  • 成長し続ける能力があるか確認するため
  • 適切な目標を設定できるか確認するため

企業が面接で人生のターニングポイントを質問することには、理由や目的があります。企業側が持つ理由・目的を把握しなければ、的外れな回答をしてしまうこともあるので、まずは企業視点を理解しましょう。

ここからは、企業が面接で人生のターニングポイントを質問する理由・目的を解説します。企業側が知りたいことに答えられるようにしっかり押さえておきましょう。

価値観を把握するため

企業側はあなたの人生のターニングポイント自体を評価しているのではありません。あなたがどんな価値観を持っていて、そのうえでどんな出来事が人生のターニングポイントとなったのかを知りたいと思っています。

同じ出来事を経験した人が複数いたとしても、価値観が異なれば何が人生のターニングポイントになるかどうかは変わります。そのため、企業は具体的な出来事よりも、学生がその出来事をなぜ人生のターニングポイントととらえているのかを知りたいのです

このような背景から、人生のターニングポイントを回答する際は出来事だけでなく、なぜその出来事を人生のターニングポイントととらえているのかを伝えることが大切になります。

柔軟性と対応力を把握するため

ターニングポイントに「変わり目」や「分岐点」という意味が含まれるように、人生のターニングポイントとはその後の人生に大きな変化を与えるほどの出来事を指します。

しかし、その変化を人生のターニングポイントととらえるには柔軟性や対応力が必要不可欠です。柔軟性や対応力がなければ人生に大きな変化を与えることなく、ただの出来事として過ぎ去ってしまう可能性があるからです

そして、仕事をするうえでも大小にかかわらず変化があり、その過程で困難や課題を乗り越えるためにも柔軟性や対応力が求められます。

このように、企業側は柔軟性や対応力を身に付けている人材を採用したいと考えているため、人生のターニングポイントから柔軟な対応ができる人かどうかを見ています。

柔軟性や対応力には自信がないのですが、それでも人生のターニングポイントは見つけられるのでしょうか。

小峰 一朗

プロフィール

人生のターニングポイントは誰もが持っているもの

人生のターニングポイントは誰にでも必ずあります。生まれてからずっと同じ環境で生きている人はいないからですね。

自分では大したターニングポイントではないと自信が持てないかもしれませんが、ターニングポイントでは必ず環境の変化を経験しています。その環境の変化に対して適応してきたからこそ、今の人生があるわけです。

これまで適応してきた環境の変化について、しっかり振り返ってみて気付いたことや学んだことを書き出してみましょう。その中にはきっと、柔軟性や対応力があるはずです。

成長し続ける能力があるか確認するため

前述のとおり、人生のターニングポイントは目標や目指したい姿があることが前提で作られます。その目標や目指したい姿に近付いた瞬間、もしくは達成した瞬間がその後の人生を大きく左右する可能性があるため、人生のターニングポイントとなり得るのです

そして目標や目指したい姿を達成するには成長し続けることが必要です。これは仕事でも同様です。理想のキャリアを描くためにはスキルや知識などの成長が必要であり、常日頃の学習は欠かせません。

このように、企業側は人生のターニングポイントから、どのように成長してきたのか、今後も成長し続ける能力があるかどうかを見極めています。

適切な目標を設定できるか確認するため

人生のターニングポイントは目標や目指したい姿があることが前提で作られるのですが、その目標自体が適切かどうかも見られます。

社会人になると目標の設定も重要になります。たとえば、「一日100件テレアポする」という人と「一日10件テレアポする」と目標を立てた人がいるとします。前者は100件は達成できなくても100件に近付くよう努力できるでしょう。

一方で、一日10件という容易に達成できそうな目標を立てると、達成した時点で満足してしまい10件以上のテレアポをしないことが考えられます。

このように、設定した目標によって自分ができる現状維持になるか、自分の限界を超えるのか、明確に成長度合いが変わります。そして、これは人生のターニングポイントでも同じです。どのような目標や理想を掲げて人生のターニングポイントを経験してきたのかといったエピソードから、企業は学生の成長志向を測っているのです。

小西 一禎

プロフィール

多くの人は一見平凡な日常生活を送っていますが、その中で常日頃から自分自身と正面から向き合うことができていれば、転機が訪れたことに敏感に気が付くことができます。

つまり、人生のターニングポイントの質問には、自己分析がしっかりできている学生か否かということを企業側が把握する目的もあるのです。

あなたの選考通過見込を採点!
今すぐ面接力を確認してください

内定獲得のためには、入社への熱意を伝え、いかに面接官に好印象を与えるかが鍵となります。あなたは自分の面接力に自信を持っていますか?

自身がない人はたった30秒で面接力を把握できる「面接力診断」を活用しましょう。簡単な質問に答えるだけで、“合格ライン”“改善点”が明確になります。

もし39点以下だった場合は要注意なのでまずは自分の面接力を把握しましょう!

こんな人に「面接力診断」はおすすめ
・まだ面接を受けたことがない人
・面接でなぜ落ちたかわからない人
・自信を持って、面接に臨みたい人

振り返れば見つかる! 人生のターニングポイントの探し方

人生のターニングポイントは、あれもこれもと出てくるものではありません。しっかり自己分析をしたうえで探すことが大切です。しかし、どのようにして人生のターニングポイントを探せば良いかわからない人もいると思います。

ここからは、人生のターニングポイントの探し方を解説します。見つけられていない人はできることから参考にして探していきましょう。

自己分析をして過去を振り返る

人生のターニングポイントを探すにあたって自己分析は必須といえます。自分の人生であるため、いつ・どんな変化が起きたかは自分が一番わかるからです。

人生のターニングポイントを探す際に特におすすめなのが、自分史やモチベーショングラフを作ることです。ここからは、自分史とモチベーショングラフのそれぞれの具体的な方法を解説します。

小西 一禎

プロフィール

自己分析を通して人生のターニングポイントを整理する際は、他人に流されることなく、自分として確固たる「幹」があるかどうかが大事です。

ターニングポイントにおいては、大なり小なり何かしらの決断を自分なりに下しているはずです。決断前後にどのように変わったかを自己分析できれば、上出来です。

そもそも基本的な自己分析の方法がわからない人は、まずはこちらの記事をチェックしておきましょう。

関連記事

自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説

自己分析は就活の明暗を分ける重要なポイント。自己分析をするメリットや自己分析のやり方、注意点などをキャリアコンサルタントが解説します。自分に合った自己分析方法を見つけて選考や企業選びに活かしましょう。

記事を読む

自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説

自分史:過去の印象的な出来事を洗い出す

自分史のフォーマット

自分史とは

自分の半生を書き綴り、自分が経験したことや感じたことを文章に起こすこと。

自分史を作成することで、過去の出来事を洗い出すことができます。そして、その中から特に印象的な出来事を見つけることで、人生のターニングポイントが見えてくるでしょう。

なお、自分史を作成する際は事実のみを記載するよう心掛けてみてください。事実と異なった内容を書いたり、見栄を張ったりすると、本当の人生のターニングポイントが見つけられなくなってしまうからです

人生のターニングポイントを見つけるにあたって、過去に起きた出来事をまだ振り返れていない人は、自分史を作ってみましょう。

自分史の具体的な作成方法を知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。

関連記事

自分史のテンプレ3選! 例文付きで当てはめるだけで自己理解が深まる

自分史を作成することで自己理解が深まり、自分に合った企業の見分け方が明らかになったり、選考での質問にも備えられます。キャリアコンサルタントとともに自分史の作り方や活かし方を徹底解説します。

記事を読む

自分史のテンプレ3選! 例文付きで当てはめるだけで自己理解が深まる

かんたん30秒!まずはあなたの面接力を診断してください!

診断スタート(無料)


面接力診断のおすすめポイント
・面接力を6つの項目に分けて点数化
・改善すべき弱点とその対策が出来る
・面接前の力試しになる

モチベーショングラフ:感情の起伏が大きい部分の共通点を言語化する

モチベーショングラフのフォーマット

モチベーショングラフとは

過去の出来事とともに、モチベーションの起伏も書き起こすこと。

モチベーショングラフを作成することで、過去にどんな出来事が起きたかだけでなく、その際に気分が上がったのか、もしくは下がったのかなど、感情面も可視化することができます。

そして、特に感情の起伏が大きかった出来事が人生のターニングポイントとなる可能性があります。また、感情の起伏が大きかった出来事を一緒に経験した人に話して、客観的に自分がどう変化したのか確認してみるのもおすすめです。

モチベーショングラフを描いたのですが、起伏の大きい部分が見つかりません……。

小峰 一朗

プロフィール

小さな起伏からでも行動や価値観が変化したきっかけを探ろう

モチベーショングラフの目的は、起伏の大きい部分を見つけることだけではありません。グラフが上がったときや下がったときに何を経験したのか、その経験からどんな感情があったのかについて振り返り言語化してみてください。

どのような思考や価値観の変化があったのか、そしてその経験からどのようなことを学んできたのかを明らかにすることで、人生のターニングポイントでどのような成長を遂げてきたのかを整理することがとても大切かと思います。

モチベーショングラフを効果的に作成するコツは、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事

テンプレ付き|モチベーショングラフを駆使して自己分析を深めるコツ

自己分析に有効な手法としてモチベーショングラフがあります。モチベーショングラフは適切な書き方や活用方法を知らないと、就活にうまく活かせません。この記事ではキャリアアドバイザーがモチベーショングラフで自己分析を極める方法を解説します。

記事を読む

テンプレ付き|モチベーショングラフを駆使して自己分析を深めるコツ

また、人生曲線を作成するという自己分析方法もあるため、具体的な方法を知りたい人は以下の質問の回答を参考にしてください。

吉野 郁子

プロフィール

人生のターニングポイントを見つけるほかの方法として、「人との出会い」を切り口にして探してみてはどうでしょうか。恩人や謝りたい人、憧れの人との出会いは、自分の感情を大きく揺さぶるものです。

実在の人物でなくても、本や映像を通じて影響を受けることは良くあります。そこから実際に行動を起こしたエピソードは、説得力もありますね。

周りの人に聞いて他己分析する

人生のターニングポイントについて、自分で考えても見つからない場合は、周りの人に聞いてみるのもおすすめです。「部活で優勝してから物事への取り組み方が大きく変わっていた」や「受験に失敗してからより熱心に勉強をやり始めていた」などを聞くことができれば、これらをヒントに自身の人生のターニングポイントを見つけやすくなります。

なお、周りの人に聞く際はどう質問するかも重要になります。ターニングポイントを他己分析する際、以下の質問を投げかけるのがおすすめです。

他己分析する際のおすすめの質問事項

  1. どのタイミングで大きく変わっていたか
  2. あなたにとって私が成果を出した瞬間はいつだと思うか
  3. 私が「これまでと違う」と感じた瞬間はいつか

これらの質問を投げかけて、あなたが変化した瞬間を客観的に教えてもらい、人生のターニングポイントを見つけましょう。

具体的な他己分析の方法はこちらの記事を参考にしてください。

関連記事

他己分析の質問例20選|やり方から選考への活かし方まで徹底解説

就活ではよく自己分析の重要性が取り挙げられますが、他己分析をすることで自己分析の精度を上げることができます。記事では、キャリアコンサルタントの解説を交えながら、他己分析をおこなう具体的な方法や質問例、面接への活かし方などを解説するので、ぜひ参考にしてください。

記事を読む

他己分析の質問例20選|やり方から選考への活かし方まで徹底解説
家族や友人に自分が変わったタイミングを聞くのが恥ずかしいです……。

吉野 郁子

プロフィール

ワークシートなどの題材をもとに質問すると恥ずかしさは薄れる

まずはツールやワークシートを活用してみましょう。当サイトでもたくさん紹介されています。

まずは一人で作成し、その後「こんなのを書いてみたんだけど、どう思う?」と他者の意見を聞いてみるのはどうでしょうか。

また、セミナーに参加すると、参加者同士で作成したものを分かち合う機会もあり、第三者の視点を得ることができます。

39点以下は要注意!
あなたの面接力を診断してください

「面接に自信がない」「今のままで選考通過できるか不安」そんな就活生は自分の面接力を知ることからはじめましょう!

たった30秒で面接力を把握できる「面接力診断」がおすすめです!。簡単な質問に答えるだけで、“あなたの強み”“改善点”が明確になり、対策もしやすくなります!

こんな人に「面接力診断」はおすすめ
・まだ面接を受けたことがない人
・面接でなぜ落ちたかわからない人
・自信を持って、面接に臨みたい人

見つからない人向け! 人生のターニングポイントを掘り起こす質問

見つからない人向け! 人生のターニングポイントを掘り起こす質問

  • どの出来事が自分の人生観や価値観を大きく変えた?
  • どの瞬間に自分のキャリアや生活の方向性が変わった?
  • 最も困難だった時期をどう乗り越えた?
  • 新しいスキルや知識を得た瞬間はいつだった?

自分なりのやり方で自己分析や他己分析をしても、人生のターニングポイントが見つけられない人もいると思います。そのような人におすすめなのが、自分に質問を投げかけて当時の状況を思い出すことです。

ここからは、人生のターニングポイントを掘り起こす具体的な質問例を紹介します。まだ人生のターニングポイントを見つけられていない人は、これから紹介する質問を自分に投げかけてみましょう。

どの出来事が自分の人生観や価値観を大きく変えた?

まずはシンプルに、どの出来事が自分の人生観や価値観を大きく変えたのかを問いかけてみましょう。

人生観や価値観はさまざまな要因が掛け合わさってできあがるものです。まずは自分が今どのような人生観や価値観を持っており、現在に至るまでどのような出来事があったのかを振り返ってみましょう

どんな些細なことでもかまわないため、人生観や価値観を変えた出来事を羅列してみるのがおすすめです。そのなかから人生のターニングポイントが見つかる可能性があります。

小峰 一朗

プロフィール

どのような価値観でも自分の素直な気持ちを伝えるのが重要ですが、あえて言うのであれば、企業とは組織で動くものなので人間関係やコミュニケーションに対する人生観や価値観は重要視されやすいです。

他者や自分自身に対して大切にしていることや信念などができあがってきたその成長の過程について、ターニングポイントに焦点を当てて伝えていけると良いと思います。

どの瞬間に自分のキャリアや生活の方向性が変わった?

自分のキャリアや生活は、さまざまな影響を受けて変化し、作り上げられるものです。そのためこれまでキャリアや生活の方向性が大きく変わった瞬間を振り返ってみるのもおすすめです。

たとえば、大学進学や上京、インターンなど、キャリアや生活の方向性が変わる出来事は多くの人が経験しているでしょう。その瞬間にどんな変化が起きて、人生のターニングポイントとなったかを考えるのです

なお、前述のとおり、人生のターニングポイントといえるかどうかは、自身の目指す姿に近付いたかどうかで判断してみてください。

これまでの人生は誰かの意見に流されてきたと思っています。それでも何か変化があった瞬間を人生のターニングポイントとしても良いのでしょうか。

吉野 郁子

プロフィール

人の価値観は他者の意見によって形成されるもの

人の意見がきっかけで生じる変化も、ターニングポイントとして問題ありません。いろいろなアドバイスを受ける中で、「この人の意見なら取り入れよう」と判断するのは自分の意思です。

その意思が働いたのはどんなときで、どんな人からの意見でしたか。そして、どんな変化がありましたか。

その変化について、自分でポジティブ/ネガティブな意味付けをしているのではないでしょうか。その意味付けの仕方やとらえ方に、自分の価値観や特徴が表れます。

最も困難だった時期をどう乗り越えた?

「大きな失敗をした」や「高い目標を達成しなければいけない」など、誰しも困難は経験したことがあると思います。

その際、どう乗り越えたのかも人生のターニングポイントになり得ます。人生において最も困難だと感じる出来事を乗り越えた経験は、後の人生を大きく変える可能性があるからです

まずはこれまでの困難を振り返り、特に厳しかったものを思い出しましょう。その困難を乗り越えた瞬間や解決方法を見つけた瞬間などが、人生のターニングポイントになる可能性があります。

困難は人を大きく成長させるという前提をもとに、人生のターニングポイントを探してみましょう。

これまでに目立った困難を経験してこなかった場合はどうすれば良いですか?

小西 一禎

プロフィール

他者とのかかわりの中で起きた変化を思い出してみよう

順風満帆な人生がいつまでも続くとは限りません。しかし、どうしても目立った困難がないというのであれば、少し発想を転換してみましょう。たとえば、両親や兄弟、親友らが困難に陥ったとき、あなたはどのような立ち振る舞いをするでしょうか。

あるいは、彼らが乗り越えた経験を通じて、自分自身に何かしらの変化が起きたり、自らの困難でなくても、身近な人が困難を克服した姿を見て、自分の価値観や考え方が何かしら変化したということはあるのではないでしょうか。

アプローチ方法を変えて、主体を自分ではなく関係が近しい人に置き換えてみると、これまで思い浮かびもしなかったターニングポイントが浮かび上がってくる可能性が十分にありますよ。

困難な経験は「挫折経験」として面接で聞かれることもあります。挫折経験を探すなかでターニングポイントが見つかることもあるので、以下の記事も参考にしてみてください。

関連記事

例文7選! 挫折経験をESや面接で魅力的にアピールする方法を伝授

面接で聞かれる挫折経験は、ネガティブに思える質問内容です。しかし企業側の意図を理解できればアピールのチャンスにもなります。挫折経験を高評価につなげるための伝え方をOK例文、NG例文を交えてキャリアコンサルタントが解説します。

記事を読む

例文7選! 挫折経験をESや面接で魅力的にアピールする方法を伝授

新しいスキルや知識を得た瞬間はいつだった?

ライティングスキルやプログラミングスキル、デザインスキルなど、これまでに新しいスキルや知識を身に付けた経験がある人もいると思います。そのスキルが仕事になったり、ライフスタイルを大きく変えることもあるため、人生のターニングポイントになる可能性があるのです。

今取り組んでいることや目指している仕事がスキル・知識の必要なものであれば、そのスキル・知識を身に付けようと思ったきっかけや身に付けた瞬間を思い出してみましょう

そのきっかけが人生を大きく変える可能性もあるため、人生のターニングポイントを見つけられていない人は振り返ってみるのがおすすめです。

小峰 一朗

プロフィール

ターニングポイントとは自分の心が大きく動いたときに起こるので、「どんなときに自分の心が動く?」「どんなことがあると自分の喜びになる?」といった質問も有効だと思います。

そこから、心が動いたり喜びを感じるようになったそのきっかけを振り返っていくと、ターニングポイントが見つかるでしょう。

実は隠れている! 人生のターニングポイントになりやすい場面

実は隠れている! 人生のターニングポイントになりやすい場面

まだ人生のターニングポイントを見つけられない人は、これまでの人生で経験した場面を思い出すのがおすすめです。その場面に自分の人生のターニングポイントが隠れている可能性があるからです。

ここからは、人生のターニングポイントになりやすい場面を紹介します。特に自分がこれまで経験したことがあるものを重点的に確認し、どんな日々を過ごしていたか振り返りましょう。

受験

高校や大学などの受験は人生のターニングポイントになりやすい傾向にあります。受験によって通う高校・大学が変わり、環境も大きく変わるので、人生の分岐点ともいえるでしょう。

今通っている学校について「もしこの学校でなかったら今の自分がいないかもしれない」と思う人は、受験がターニングポイントになっている可能性があります

なぜ今の学校生活に満足しているのか、何にやりがいを感じているのかを振り返り、ほかの学校でできないものであるかどうかを確認してみましょう。

大学受験のことをターニングポイントとする場合、高校時代に頑張ったことを伝えることになりますよね。ターニングポイントの質問以外にも、直接「高校時代に頑張ったこと」を聞かれる場合もあるので、併せて準備しておきましょう。

関連記事

例文24選|面接の「高校で頑張ったこと」の回答ポイントと見つけ方

就活の面接で「高校で頑張ったこと」を聞かれることがありますが、どう答えたら良いかわからない人もいるでしょう。この記事ではキャリアコンサルタントが「高校で頑張ったこと」の答え方や思い出せない人の対処法などを解説しています。

記事を読む

例文24選|面接の「高校で頑張ったこと」の回答ポイントと見つけ方

インターンシップやアルバイト

インターンシップやアルバイトで特別な経験をした人もいると思います。物事に対する考え方が大きく変わったり、就職の方向性が見つけられたりなど、インターン・アルバイトをしたことで変化が生まれた人もいるでしょう

その変化が今後の人生を左右するようなものであれば、インターン・アルバイトの経験が人生のターニングポイントになる可能性があります。

インターンやアルバイトをした人は、そこでどんな経験をしたのか、どんな学びを得たのか、その後自分がどのように変化したのかなどを振り返り、人生のターニングポイントを見つけてみましょう。

アルバイト経験を自己PRでも伝えたいと考えている人は、こちらの記事を参考にしてください。

関連記事

例文10選|アルバイト経験の自己PR必勝法を企業目線で解説

アルバイト経験の自己PRは、かなり効果的です。入社後の活躍イメージを伝えやすくなります。アルバイト経験の自己PRの構成や、作成時の注意点などをキャリアコンサルタントが解説します。例文10選も紹介するので、アルバイト経験を魅力的に伝え、内定を掴みましょう。

記事を読む

例文10選|アルバイト経験の自己PR必勝法を企業目線で解説

部活動

これまで部活動に熱中してきた人もいるでしょう。その部活動に入部して新しいことに興味を持った、考え方が変わったなどがないか振り返えることで人生のターニングポイントが見つかる可能性もあります

一方で、部活動で厳しい指導を受けてきた人にとってはつらい思い出も多く、そのなかに人生のターニングポイントはないと思うかもしれません。しかし、これまでの部活動生活全体を俯瞰的に見ると大きな変化が明確になる可能性があります。体付きや考え方、生活習慣、競技レベルなどは部活動を始める前と大きく異なるでしょう。

このように、部活動に注力してきた人はつらかったり厳しかったりした瞬間だけでなく、全体を俯瞰的に見て人生のターニングポイントを探すのがおすすめです。

部活動で大きな成果を成し遂げられなかった場合、かえってマイナスな印象になりませんか?

小西 一禎

プロフィール

大きな成果だけがターニングポイントになるとは限らない

大きな成果、つまり何かしらの結果を仮に出せなかったとしても、何ら後ろ向きになる必要はありません。勝負である以上、勝つときがあれば、負けるときもあります。勝ちから得られる収穫もあれば、負けから得られる収穫もあります。

勝負に限らず、日々の練習から体得できる収穫もあるでしょう。そうした収穫を思い浮かべてみると、「実はターニングポイントだった」と感じられる瞬間が出てくると思います。

大きな成果を成し遂げられる人は、そんなに多くはないのではないでしょうか。成し遂げられなかった人のほうが大半だと思います。

企業側が関心を寄せるのは、成し遂げたか成し遂げられなかったかではなく、部活動を通じてどんな転機があり、そこから何が得られたのか、何が変化したのかという点なので、成果にこだわる必要はありません。

なお、部活動に取り組んできた人は「部活動で学んだことは?」という質問をされるケースもあります。その回答方法はこちらの記事を参考にしてください。

関連記事

例文10選|部活動で学んだことの回答で面接をリードするコツ

部活動で学んだことへの回答は、入社後の成長イメージを伝えることが重要です。部活動で学んだことを伝える構成や伝える際のコツを、例文を交えてキャリアコンサルタントと解説します。入社後を見据えた内容を伝えるカギにしてください。

記事を読む

例文10選|部活動で学んだことの回答で面接をリードするコツ

留学

海外への留学は人生の大きなイベントになりやすい傾向があります。誰もが経験するものではなく、かつ住み慣れた日本を長期間離れて異国で生活するという体験はあなたの人生を大きく変えることでしょう。

留学から人生のターニングポイントを見つける際は、出国時と帰国時の自分の違いを振り返ってみるのがおすすめです。そして、その変化が起きた背景・理由を振り返ると、留学中のどの場面が人生のターニングポイントになったのかが明確になります。

吉野 郁子

プロフィール

なかには留学をしたものの大きな成長を実感できなかったという人もいるかもしれませんが、留学を決意し、準備を進め、留学を実現したこと自体が、あなたにとってのターニングポイントだったのではないでしょうか。

コツコツと取り組み、順調に成長を遂げられたことも、ターニングポイントと呼んで大丈夫ですよ。

自己PRでも留学経験をアピールしたいと考えている人は、こちらの記事をチェックしておきましょう。

関連記事

自己PRで留学経験を無駄なく活かすコツ! 長期・短期別の7例文も

自己PRで留学を題材にする際、学生が陥りやすい穴があります。この記事ではキャリアコンサルタントとともに、自己PRに留学経験を最大限活かすコツや注意点を解説します。期間別の例文7選も紹介するので、留学をもとに魅力的な自己PRを作成しましょう。

記事を読む

自己PRで留学経験を無駄なく活かすコツ! 長期・短期別の7例文も

大規模なプロジェクトへの参加時

学園祭をはじめとする大規模なプロジェクトに参加した人は、その経験が人生のターニングポイントとなる可能性があります。

もともと消極的だった人にとっては、そもそもそのプロジェクトに参加しようと決意したことが人生のターニングポイントになるでしょう。そして、そのプロジェクトで得た学びや経験が後の人生に変化を与えていれば、ターニングポイントといえる可能性が高いです。

大規模なプロジェクトへの参加を経験している人は、そこでの学びや参加前後の変化を振り返ってみましょう。

小西 一禎

プロフィール

人生のターニングポイントになりやすい瞬間は、必ずしも象徴的でわかりやすいような場面だけではありません。若い皆さんなので、まだ縁遠いかもしれませんが病気や大けがなどは一つのターニングポイントになります。

また、一冊の本や映画で人生が変わる人は少なくありませんし、人との出会いが転機になる可能性も十分にあります。大きな出来事だけにこだわらないほうが良いですよ。

構成が重要! 人生のターニングポイントの回答4ステップ

人生のターニングポイントの回答4ステップ

  • 過去:「人生のターニングポイントは何か」という結論を伝える
  • 成長:ビフォーアフターを交えて話す
  • 現在:人生のターニングポイントから得た価値観を表現する
  • 未来:得た価値観を仕事にどう活かすかをアピールする

人生のターニングポイントを回答するにあたって、主張を的確に伝えるためにも構成は重要になります。

ここからは、人生のターニングポイントを回答する際の構成4ステップを解説します。人生のターニングポイントが見つかった後に、面接での伝え方の練習も練習したいという人は参考にしてください。

なお、自己PRや志望動機、ガクチカなどを伝える際も構成が重要になります。選考を受けるにあたってそれぞれの具体的な構成もチェックしておきましょう。

自己PRの構成
自己PRの構成作成ガイド|PREP・STAR法を使う作成法を伝授

志望動機の構成
志望動機はこの構成で決まり! 盛り込む6要素と伝える順番を解説

ガクチカの構成
ガクチカの構成は7ステップで高評価を狙おう! 例文12選付き

①過去:「人生のターニングポイントは何か」という結論を伝える

最初に「人生のターニングポイントは何か」という結論を伝えましょう。最初に結論を示すのは、伝えたいことを確実に伝えるためです

たとえば、以下のように最初に結論を伝えているものと、伝えていないものを見比べてみましょう。

最初に結論を伝えている例文

私の人生のターニングポイントは部活動で初めて団体戦に出場したときです。

私は大学2年生まで補欠だったのですが、大学3年生で初めて団体戦に出場することができました。そのとき感じた責任感は凄まじいものでしたが、そのとき初めて人のために戦うという気持ちになれました。

この経験から人の気持ちを考えられるようになり、今では常に「自分の行動が誰かに影響する」ということを意識して生活しています。御社に入社後もチームで仕事をすることが多いと思います。その際も常に自分以外を意識して行動したいです。

最初に結論を伝えていない例文

私は部活動で大学2年生まで補欠だったのですが、大学3年生で初めて団体戦に出場することができました。そのとき感じた責任感は凄まじいものでしたが、そのとき初めて人のために戦うという気持ちになれました。

この経験から人の気持ちを考えられるようになり、今では常に「自分の行動が誰かに影響する」ということを意識して生活しています。このように、私の人生のターニングポイントは部活動で初めて団体戦に出場したときになります。

御社に入社後もチームで仕事をすることが多いと思います。その際も常に自分以外を意識して行動したいです。

最初に結論を伝えない場合、あなたのことを知らない採用担当者にとっては何を話されているのかわかりづらくなってしまうのです。

伝えたいことを確実に伝えるためにも、「私の人生のターニングポイントは〇〇です」と、最初に結論を言いましょう。

小峰 一朗

プロフィール

全体的な説明が3分程度で終わるなら、結論ファーストでなくてもそんなに悪い印象は抱かないかなと思います。

ただ、説明が長いうえに結論になかなか至らない場合は「正直この人は相手のことを考えているのかな……」という印象を抱くかもしれません。

②成長:ビフォーアフターを交えて話す

次に、人生のターニングポイントの前後に見られた成長をエピソード付きで伝えましょう。

先で解説したように、前後で何かしらの変化があるからこそ人生のターニングポイントとなるので、まったく気持ち変化がなければそれはただの出来事に過ぎません

採用担当者に「それは人生のターニングポイントだ」と認識してもらうためにも、最初に伝えた出来事が起こる前はどのような生活・考え方だったのか、起きた後にどのような変化が見られたのかを具体的なエピソード付きで伝えましょう。

変化はあるものの、他人から驚かれるようなものではない気がします。

小西 一禎

プロフィール

小さな変化でも自分なりの言葉で表現するのが一番伝わる

面接において、相手にインパクトを与えたり、驚かれたりするのは大事な側面の一つではあります。しかしながら、その点にこだわるのはおすすめしません。

20年間と少しの人生において他人に驚かれるような変化を経験している人は、それほど多くないということをまず頭に置いたほうが良いですね。

多少なりとも、自分が変化したと認識しているターニングポイントがあると思うのであれば、自信を持って伝えましょう。数値化できるような変化であればベストですが、人生のターニングポイントとなるとあなたの内面の変化が主なので、数字で表わすことは基本的には難しいでしょう。

したがって、その変化ぶりを針小棒大に話すのではなく、等身大でありのままに、真摯に説明するための力を磨くことを考えてくださいね。

③現在:人生のターニングポイントから得た価値観を表現する

エピソードを伝えたら、人生のターニングポイントから得た価値観を表現しましょう。

くり返しになりますが、採用担当者は人生のターニングポイントのエピソードを評価しているのではありません。そのエピソード自体は再現性が低い可能性があり、今後そのような場面が起きるか不確実だからです

一方で、価値観はさまざまな場面で活用できます。たとえば「自分の行動が誰かに影響する」という価値観は仕事と私生活の両方で活用可能です。

このように、どんなことを考えながら行動をするようになったのかという、人生のターニングポイントから得られた価値観を伝えましょう。

吉野 郁子

プロフィール

価値観を言語化するためには、まず気楽な相手に話してみるのがおすすめです。

一般的に、書き言葉より話し言葉のほうが語彙が豊富です。録音などをして、自分が話していた言葉から価値観や本質を整理すると、自分自身の真意の言葉に出会えるでしょう。

④未来:得た価値観を仕事にどう活かすかをアピールする

最後に、人生のターニングポイントで得た価値観を仕事にどう活かすかをアピールしましょう。

採用担当者が面接を通して最終的に判断するのは、その人を採用するかどうかです。採用されるにあたって、入社後に活躍できるイメージを持ってもらわなければいけません

その際、ただ採用担当者にイメージしてもらうのではなく、以下の例文のように自らどう活躍するかをアピールすることが大切です。

得た価値観を仕事にどう活かすかをアピールする例文

チームでプロジェクトを進める際に自ら模範となる行動をして、「自分の行動が誰かに影響する」という価値観を発揮していきたいと考えています。

なお、仕事内容を把握せずにどう活かすかを考えると的外れな回答をしてしまう可能性があるため、回答内容を決める前に志望先のリサーチは入念に取り組んでおきましょう。

人生のターニングポイントと入社後の活躍イメージをうまく結び付けられません……。

小峰 一朗

プロフィール

人生のターニングポイントから得た価値観を抽象化してみよう

人生のターニングポイントをもとに主張したい内容が具体的すぎると、仕事内容につなげにくくなるかもしれません。逆に主張したい内容の抽象度を高くしておくと、どんな仕事内容にもつなげやすくなると思います。

抽象度をより高くするには、その経験から得られた価値観や考え方、またはあり方のようなレベルで整理すると良いでしょう。

仕事への活かし方をアピールするには、徹底した業界・企業研究が必要です。具体的な方法がわからない人は、こちらの記事を参考にしてみてください。

業界研究
業界研究のやり方|業界全体をとらえたうえで気になる業界を研究しよう

企業研究
企業分析のやり方を完璧にマスターする3ステップ|よくある注意点も

採用経験者が解説! 高評価を得やすい人生のターニングポイントの特徴

ここまでの内容から「人生のターニングポイントが明確になり、伝え方もわかったけど、実際に評価されるか不安」と考える人もいるのではないでしょうか。

基本的に、あなたにとって本当に人生のターニングポイントであれば問題ありませんが、そうは言ってもどんな内容が高評価を得られるのかは気になりますよね。

そこで、採用経験のあるキャリアコンサルタントの吉野さんに高評価を得やすい人生のターニングポイントの特徴を聞いてみました。高評価を得やすい特徴を把握して、自分の内容に組み込んでいきましょう。

アドバイザーコメント

変化の幅が大きいほど良いエピソードとして評価されやすい

高評価につながるターニングポイントの特徴は、ビフォーアフターの変化が伝わりやすいことです。エピソードや変化点が珍しい必要はありません。

発達心理学では、各年齢に成長課題があると考えます。思春期・青年期の成長課題には、自立、仲間作り、自分の意志で行動すること、自分らしさを見つけること、社会の一員としての振る舞いを身に付けることなどがあります。

学生の段階では上記の課題に一つひとつ向き合い成長することで、社会人として始まる「成人期」のライフステージに移行できるのです。

自分の欠点をあえてさらけ出すことで価値観の変化を強調しよう

現在のライフステージの発達課題に向き合ったことを、ビフォーアフターの構文で伝えると、今後の伸びしろがイメージしやすくなります。そのためには、ビフォーの記述で、かつての自分の弱さやみっともなさを認め、受け入れる必要があります。

とはいえ「かっこつけな自分」を受け入れることには勇気がいるでしょう。だからこそ、その勇気を示し、次の成長に向かおうとする姿が高評価につながるのです。青年らしい成長を遂げたエピソードは、採用者の胸に響くものになりますよ。

場面別! 人生のターニングポイントの例文6選

場面別! 人生のターニングポイントの例文6選

選考で人生のターニングポイントを回答することについて、「ほかの人はどんな回答をしているのだろう」と気になる人もいると思います。

ここからは、人生のターニングポイントの例文を場面別で6つ紹介します。具体的にどう回答したら良いかわからない、ほかの人の回答を参考にしたいと考える人はチェックしてみてください。

例文①大学受験

大学受験の例文

私の人生のターニングポイントは大学受験です。

私は大学に入学するまで特に人生の目的を持たず、ただ目の前の日々を過ごしていました。日常に楽しさを感じることは特になく、与えられた課題をこなす毎日というイメージです。

一方で、現在通っている〇〇大学に入学してから周りの人の影響を受け、自分のやりたいことはとりあえずやってみるという考えが身に付き、積極的で、かつ楽しい毎日を過ごすことができるようになって生活が一変しました。

このような変化をもたらしたのは〇〇大学を受験したことがきっかけだと思います。

このターニングポイントをきっかけに「やりたいことはとりあえずやってみる」という価値観が身に付きました。御社に入社後もやりたいと感じたら自ら手を挙げ、積極的に行動して貢献したいと考えています。

キャリアコンサルタントに聞いた! 受験のエピソードを伝えるコツ

小西 一禎

プロフィール

潰しを効かせようとやみくもに受験したのではなく、将来の自分をイメージし、逆算して目標を定めて突き進んだというエピソードは評価されやすいといえます。

将来就きたい職業が自分なりに固まり、大学受験で志望大学・学部を決めて、御社を受験した今に至るというエピソードは筋が通っていると思います。

例文②インターンシップ

インターンシップの例文

私の人生のターニングポイントは、大学2年生でインターンシップに参加したことです。

私はコンサルティング業界の企業のインターンに参加しました。正直、明確な目的や理由はなく、先輩から勧められたという理由で参加したのですが、その経験が私を大きく変えてくれました。

インターンでは、メールの書き方、来客対応、コンサルティングの提供などを通して、相手が求める行動を先回りして取ることの大切さを学びました。

この経験から、「相手の目線になって考える」ということの重要性がわかり、何をするにしてもまずは相手がうれしいと思う行動を取ることを考えられるようになりました。

御社に入社後も、顧客を第一に考えて行動できるよう努めてまいります。

就職支援のプロが解説! インターン経験をターニングポイントにする際のポイント

小峰 一朗

プロフィール

ターニングポイントで聞きたい重要なポイントは、その経験によってその人が何を感じ、どのように学びや気付きを得ながら成長してきたのかという点です。

そのため、インターンを通じて何を経験し、何を感じ、どう学びや気付きを得て、どう成長してきたのか、というその人自身の今の価値観につながるエピソードだと高評価を得やすくなると思います。

例文③アルバイト

アルバイトの例文

私の人生のターニングポイントは飲食店でのアルバイトです。

大学1年生の後半から大学3年生の春まで飲食店で接客のアルバイトをしていました。もともとコミュニケーション能力に自信がなかったのですが、「自分を変えたい」という思いから飲食店を選びました。

はじめはうまくできず反省することばかりでしたが、積極的に先輩に質問をしたり、接客の同行をするなど努力を続けました。

毎日アルバイトをする中で、特段大きな変化があるわけではなかったのですが、この1年半で考えると、接客もスムーズにできるようになったり、日常生活でも人と話すことが好きになるなど、性格や能力が大きく成長を実感しています。友人からも「喋るのが上手になったね」といわれることが多々あり、自信がつきました。

このアルバイトの経験から、コツコツ続ければ誰でも変われることがわかりました。

御社に入社後も苦手意識のあることに向き合わなければいけないこともあると思います。そのような状況でも毎日コツコツ取り組んで大きく成長し、御社のさらなる拡大に貢献したいと考えています。

アドバイザーコメント

課題を改善しようと自分を変える行動力は評価されやすい

自分の弱点を何とかして変えたいという強い気持ちから、即行動に転じた行動力と目標設定力は大いに評価されます。ウィークポイントを自覚しているうえに、そのまま放置しておくのではなく、真摯に向き合って改善を目指そうとする意欲は素晴らしいと思います。

また、最初は難航したものの、他人にアドバイスを求めるなど努力を怠ることなく、さらには途中で投げ出すことなく、地道に働き続けたことも、継続力や忍耐力、諦めない力があると見られるでしょう。

主張したいポイントを1つに絞るのが質を高めるコツ

改善点としては、当初弱点だったコミュニケーション能力の向上をアピールしたいのか、毎日コツコツ努力を積み重ねたことなのか、どちらかが曖昧になっていることです。

冒頭がコミュニケーション能力の弱点克服で始まっているので、セールスポイントもコミュニケーション能力にするのであれば、説得力があります。ところが、途中で継続力の話に変わっているので、聞くほうはよくわからなくなる恐れがあります。

毎日の継続や努力を前面に出したいのであれば、導入も継続力の話から始めたほうが、話の流れはスムーズになります。

例文④部活動

部活動の例文

私の人生のターニングポイントは部活動で、県大会でベスト8になったときです。

私は現在柔道に取り組んでいます。高校生までは結果を残すことができなかったのですが、〇〇大学にスポーツ推薦で入学することができました。

高校時代はまったく結果を残すことができなかったため、自分に自信を失っていましたが、大学2年生で県大会でベスト8入賞することができ、それがきっかけで自信を取り戻すことができました。

今では入賞は当たり前で、県大会優勝を目指して取り組むことができています。

このような人生のターニングポイントから、自信が身に付くまで努力を続けることの大切さを学びました。

御社に入社後も成果が出ずモヤモヤすることがあると思います。しかし、そのような場面でも努力を続けて、成果を挙げられるようにしたいです。

キャリアコンサルタントが解説! 部活動で評価されやすいエピソードとは

吉野 郁子

プロフィール

部活動でどのくらい主体性を持って取り組んだかが、ターニングポイントでの評価のポイントになります。

部の目標や練習メニューを自分事として取り組んだか、創意工夫や自助努力をどのようにおこなったかを具体的に書くと良いでしょう。

例文⑤留学

留学の例文

私の人生のターニングポイントはカナダへの留学です。

大学3年生で休学して1年間カナダへ留学に行きました。そこでの経験でグローバルな思考が身に付き、今後やりたいことが明確になりました。

私は英語を流暢に話せるわけではありませんでしたが、興味本位で留学に行くことを決意しました。現地では〇〇大学に通いながら、日本で6年間取り組み続けた空手を子どもたちに教えました。

カナダで空手を教える中で、「日本の魅力のすべてが世界中に広まっているわけではない」ということを知りました。この経験をきっかけに、日本の魅力を世界中の多くの人に広められる仕事がしたいと思うようになりました。

御社に入社後は御社や製品の魅力を世界中に届けられるよう積極的に行動したいと考えています。

就職支援のプロに聞いた! 留学経験のエピソード選びのコツ

小西 一禎

プロフィール

旅行ではなく、海外で一定期間生活することは、大きな転機になり得ます。

苦い経験も含め外国人やマイノリティーとして扱われたこと、日本と世界を相対化し、国際社会における自分を客観視できるようになったことなどが人生のターニングポイントになると考えられます。

例文⑥学園祭の運営

学園祭の運営の例文

私の人生のターニングポイントは、学園祭の運営をしたことです。

私はもともと積極的な性格ではなく、むしろ大人しく生活していたいと考えていました。しかし、大学3年生のときにふと「せっかくの大学生活なのに何もしていない」と気付き、勇気を振り絞って学園祭の実行委員に参加することにしました。

実際に取り組んだことは学園祭の広報です。実行委員に参加したことで、積極的に行動する楽しさに気が付くことができました。

このような経験から、御社に入社後も積極的に行動して、自ら仕事の楽しさを見出して貢献したいと考えています。

キャリアコンサルタントからの例文の評価とアドバイス

小峰 一朗

プロフィール

とても良いエピソードですね。改善点としては、エピソードの根拠をもう少し加えると信頼感が増すと思います。

たとえば、大人しくしていたいと考えていたのはなぜか? 大学生活で何もしていないとふと気付いたきっかけはなにか? 学園祭の実行委員を選択したのはなぜか? 積極的に行動する楽しさに気付けたのはなぜ? といった観点ですね。

注意点も解説! 人生のターニングポイントのNG例文3選

人生のターニングポイントの回答をする際は、上記に注意する必要があります。これらの注意点を把握せずに回答すると、企業側の目的を満たさない回答をしたり、自己分析が足りないと判断されたりして評価が下がってしまう可能性があるのです。

ここからは、人生のターニングポイントの注意点をNG例文付きで解説します。確実に高評価を得るためにも注意点を把握しておきましょう。

NG例文①面接中の「今」を人生のターニングポイントとする

面接中の「今」を人生のターニングポイントとするNG例文

私の人生のターニングポイントは、まさに今です。

このような貴社との素敵な出会いがあり、私は非常に恵まれていると思います。この出会いが無駄なものにならぬよう努力してまいるので、よろしくお願いいたします。

面接中の「今」を人生のターニングポイントとするのは、一見素敵なように思えますが、自己分析を放棄したともとらえられる可能性もあります

また、この面接でどのような変化が起きるかは想定できないため、まだ人生のターニングポイントとはいえません。

しっかり自己分析をしたうえで過去のエピソードを人生のターニングポイントとして伝えるのがおすすめです。

吉野 郁子

プロフィール

学生が「人生のターニングポイントはまさに今です」と回答してきた場合、情感はあるが冷静さと客観性が足りていない答えだと感じます。

冷静に振り返ったときのターニングポイントも気になるので、「ほかにもありますか」と質問したくなります。そのためほかの具体的なエピソードもぜひ準備しておきましょう。

NG例文②「人生のターニングポイントがない」と回答する

「人生のターニングポイントがない」と回答するNG例文

私の人生のターニングポイントはまだありません。これから見つけられるよう行動していきたいと思います。

「人生のターニングポイントがない」と回答するのはNGです。採用担当者はあなたに対して「自己分析をしていないのではないか」「選考に対するやる気がないのではないか」などの悪いイメージを持ってしまうからです

大小かかわらず、誰にでも人生の変わり目や分岐点があるはずです。そのタイミングが人生のターニングポイントとなり得ます。自身の生活や考え方が変わった瞬間を振り返り、人生のターニングポイントを見つけましょう。

小峰 一朗

プロフィール

学生が「人生のターニングポイントがない」と回答してきた場合、ターニングポイントに対する定義付けが違うんだろうなという印象を抱きます。

ただ、こちらが質問していることには定義や意図がありますので、それを汲み取って回答してほしいなとは思います。そのため、こちらの質問の仕方が悪かったのかもしれませんが、やはりコミュニケーション力に不安を覚えるかもしれませんね。

NG例文③人生のターニングポイントの前後に変化がない

人生のターニングポイントの前後に変化がないNG例文

私の人生のターニングポイントは、〇〇大学への入学です。

私は実家から近い〇〇大学に入学しました。大学では授業を受けたり、友人と遊んだりなどして生活しています。

高校生活も楽しかったのですが、大学も毎日楽しい生活を送れているため人生のターニングポイントといえると考えています。

冒頭のとおり、人生のターニングポイントは目標や目指す姿に対して少しでも近付けた瞬間といえます。つまり、そのタイミングで何かしらの変化が生まれたということです。

しかし、上記の例文では伝えた人生のターニングポイントの前後でほとんど変化がありません。そのため、人生のターニングポイントとしては不適切なタイミングを選んでいるといえます。

過去のタイミングをやみくもに選ぶのではなく、考え方や行動、生活が変わった瞬間を人生のターニングポイントとして選びましょう

小西 一禎

プロフィール

上記のほかに「これまでターニングポイントと思えるものはなかったが、この先に必ずターニングポイントがある」などの未来形もNGです。

仮に、自信満々に述べるのであれば、その点において期待感を示す面接官もひょっとしたらいるかもしれませんが、その他大勢の面接官からは、何の根拠もなく、説得力すらないと受け止められること必至です。

人生のターニングポイントを通して能力や価値観をアピールしよう

採用担当者は「人生のターニングポイントはいつですか」という質問から、実際に起きた出来事を知りたいと考えているわけではありません。その経験から得た能力や価値観を知り、仕事で活かせるかどうかを知りたいと考えているのです。

考え方や行動が変わり、新たな能力や価値観を得た人生のターニングポイントはほとんどの人にあるはずです。徹底した自己分析をおこなって、自分ならではの人生のターニングポイントを探しましょう。

アドバイザーコメント

一度時間を取って過去の経験を徹底的に洗い出してみよう

人生を振り返る機会はなかなかないので、良い機会だと思ってまずは自分のこれまでの人生を懐かしみ、楽しみながら振り返ってみてください。その振り返りの中で、きっと今の自分をつかさどる価値観を大きく形成した経験が見つかるはずです。

その経験の前後では、自分自身の価値観が変化しているはずであり、その変化がターニングポイントになっているということです。「人生のターニングポイントはいつですか」という問いに対して、その時期や経験を伝えることはあくまで手段にすぎません。

「人生のターニングポイント」は価値観を伝える絶好のチャンス

これまでに得た経験から培われ今の自分を大きく形成している価値観を言語化し、自分が何を大切にして生きてきたのか、そしてこれからは何を大切にしていきたいのか、というところまで相手に伝えきることがとても大事です。

価値観の変化を伝えることによって、外からは見えなかったあなたの内面的な価値が見えるようになり、企業側にとっても良い評価がしやすくなると思います。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

> コンテンツポリシー

記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

> メッセージを読む

関連Q&A

カテゴリーから探す

目次

TOP

PORTキャリア