この記事のまとめ
- 医療事務の志望動機のケース別例文10選を紹介
- 「医療に携わりたい理由」と「事務がしたい理由」を明確にして志望動機を作成しよう
- 差別化された志望動機にするには応募先の特徴を見つけることがコツ
「事務員として医療現場を支えたい」「永続的に必要とされる仕事がしたい」など、さまざまな動機から医療事務を目指す人がいますが、その目標をかなえるには医療機関がおこなう採用選考を突破しなければなりません。
そして、選考において重要視されるのが志望動機です。医療事務の仕事に就きたい人は、病院やクリニックの担当者の心をつかむ志望動機を作成して、その夢をかなえましょう。
この記事では、キャリアアドバイザーの小関さん、平井さん、谷所さんのアドバイスを交えつつ、医療事務の志望動機の書き方を解説します。医療事務の選考を受ける人は、ぜひ参考にしてくださいね。
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医療事務の志望動機は「医療」と「事務」を切り分けて考えてみよう
医療事務を志望する人は、履歴書などの応募書類を作成したり、面接対策をする過程で、志望動機の作成と向き合うことになりますよね。書こうとしてペンを握ったものの、自分の気持ちをうまく文章にできなくて悩んでいる人が多いのではないでしょうか。
まずは、医療事務という仕事に対する自分の気持ちを整理することが重要です。「なぜ医療にかかわる仕事がしたいのか」「なぜ事務員として働きたいのか」、この2つに切り分けて自分の気持ちと徹底的に向き合ってみましょう。
記事では、医療事務の志望動機の例文を紹介し、そのうえで作成方法を解説します。自分が作成したい志望動機のイメージをつかんだうえで、作成に取り掛かりましょう。
作成方法の解説の中では、医療事務の仕事内容やほかの応募者と差をつけるコツも解説しているので、今は志望動機がうまく書けない人も、最後までチェックすれば採用担当者の心をつかむ志望動機が書けるようになります。
ぜひ、この記事を参考にしたうえで志望動機の作成に取り掛かってくださいね。
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医療事務の志望動機を作成する際の切り口は3つ
医療事務の志望動機の3つの切り口
- 医療事務への憧れの強さをアピールする
- 応募先の特徴へのこだわりをアピールする
- 活かせるスキルや経験をアピールする
医療事務の志望動機は、おもに3つの切り口から作れます。どの切り口から作成した志望動機が優れていると感じるかは、採用担当者個人の感覚や応募先の採用方針によって異なるため、一概に断定できません。
そのため、自分の志望動機や応募先の雰囲気に基づき、自身でどの切り口で作るか決める必要があります。次から各切り口で作成した志望動機の例文を紹介するので、それぞれを確認したうえで、自分がどのような志望動機を作成するのか決めてくださいね。
医療事務への憧れの強さをアピールする志望動機の例文
医療事務への憧れの強さをアピールする志望動機の例文
医療事務員を志望している人の中には、「医師や看護師ではなく医療事務員として医療に携わりたい」「ほかの業種の事務員ではだめで医療事務になることにこだわりがある」というように、医療事務に対して強い憧れを抱いている人もいるでしょう。
その気持ちの強さを伝えることは、採用側に対して「意欲的に働いてくれそう」というイメージを抱かせやすく、アピールとしても効果的といえます。
ただ、「医療事務員になりたい!」と気持ちを前面に押し出すだけでは説得力に欠けます。そう思うきっかけとなったエピソードを交えながら、説得力のある志望動機にしましょう。以下2つの例文を参考にしてくださいね。
看護師と医療事務の違いを押さえておくと、医療事務でなければならない理由をより説得力を持って伝えられるようになります。ぜひ、こちらの記事を参考にしてください。
新卒で看護師になるための志望動機の極意|避けたいNGワードも解説
例文①過去に医療事務員の人の対応に感動したから
例文①過去に医療事務員の人の対応に感動したから
私が貴院の医療事務を志望するのは、以前貴院を利用した際に医療事務員の方の対応に感動した経験がきっかけです。
私は幼少期から喘息の治療のために定期的に病院に通っていましたが、病院の無機質な雰囲気が苦手で、通院するのが憂鬱でたまりませんでした。
そして、大学入学と同時に上京し、新しい病院を探さなくてはいけないという状況で貴院を知りました。
まず電話で相談をした際、医療事務員の方が丁寧に病院の治療方針を説明してくださり、安心した状態で貴院を訪れることができました。
実際に来院した際も、すべてのスタッフの方が常に笑顔で接してくださり、アットホームな雰囲気がとても居心地が良く、「また来たい」と思うほど感動したことを覚えています。
貴院で医療事務として採用していただいた際は、どんなに忙しいときでも患者様の不安に寄り添った丁寧な対応を徹底し、多くの方に「またこの病院に来たい」と思ってもらいたいと考えています。
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アドバイザーからの例文の評価・アドバイス
医療事務員とのエピソードを志望動機の題材にするときは、事務員がどういう行動・対応をしてくれ、どこに心を動かされたのかを簡潔かつ具体的に伝えましょう。感動した点が複数あると良いです。
上記の例文では、病院が苦手だった経験と比較しているため状況がイメージしやすくなっています。
例文②医療事務員の家族を間近で見てきたから
例文②医療事務員の家族を間近で見てきたから
私が貴院を志望する理由は、一人の患者様を家族のように大切にできる医療事務員になりたいと考えているからです。
このような考えを持った背景には、医療事務員として働く母の姿を間近で見てきたことが挙げられます。私の母は医療事務員として大規模な病院で働いています。母は常々、患者様一人ひとりが家族と同じくらい大切な存在だと言っていましたが、私にはその意味がよくわかりませんでした。
しかし、大学2年生の夏休みに母と2人で買い物をしていた際、母が対応した患者様のご家族と偶然会ったことがありました。
その際、ご家族が「あのときは本当にありがとうございました」と感謝していて、話を聞いてみると、家族が急に倒れてとても不安だったところ、母の丁寧な対応に救われたとのことでした。
医療事務員は医師のように医療行為で患者様を救うことはできませんが、一人ひとりと真摯に向き合うことで心を救うことはあると知り、私も同じ仕事がしたいと思うようになりました。
貴院は患者様とのコミュニケーションに重きを置いていると伺いました。私もその一員として、患者様を家族のように大切にできる医療事務員になりたいと考えています。
アドバイザーからの例文の評価・アドバイス
この例では「真摯に向き合うことで心を救うことはある」という表現が印象的で、感動ポイントがいきいきと伝わってきますね。
しかし「医療事務員の家族を見てきたから」を志望動機にする場合、直接自分が仕事内容を見たわけではないので、何に感動したのかを伝えにくい場合があり、注意が必要です。
応募先の特徴へのこだわりをアピールする志望動機の例文
医療事務という仕事への憧れがある一方で、「この病院で働きたい」「この医療分野にかかわる仕事をしたい」というように、応募先へのこだわりが強い人もいますよね。
病院やクリニックとしても、この病院・医療分野でなければならない理由が述べられた志望動機だと、「内定後の辞退の可能性が低そう」「長期的に活躍してくれそう」といったポジティブな印象を持ちやすいです。
下記6つの例文と併せて、記事の後半では応募先ならではの志望動機にする方法も解説しているので、こちらもチェックしてくださいね。
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例文①総合病院
例文①総合病院
私が貴院を志望する理由は、不安な気持ちで総合病院に来る患者様に寄り添える医療事務員になりたいと考えているからです。
昨年、総合病院で実習を受けましたが、その際不安な面持ちで紹介状を受付で渡される方が多くいました。最初は追い詰められたような患者様の様子につられて、私も緊張して淡々と対応してしまいました。
しかし、その病院で働かれていたベテランの事務員の方は、どんな様子の患者様にも柔らかい表情で丁寧に説明していて、患者様から信頼を得ているのが伝わってきました。
事務員の対応で疾患が治るわけではありませんが、これから治療や検査に臨む患者様のメンタルを大きく左右する可能性があることを痛感しました。
貴院は、私が実習を受けた病院よりも規模が大きいため、中小規模の病院やクリニックからの紹介で来院される患者様がより多くいるかと思います。かかりつけ医から「より精密な検査を受けるべき」「入院して治療する必要がある」と伝えられた患者様は、とても不安な気持ちを抱えているはずです。
このような背景に寄り添った対応ができる事務員になりたいと考えています。貴院に入職しましたら、どんなときでも患者様のことを第一に考え、信頼を得られるよう、尽力いたします。
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アドバイザーが解説! 総合病院の志望動機のポイント
総合病院は、多くの患者に対応するために医療事務の人数が多いので、患者だけでなく他部署との良好なコミュニケーション能力が求められています。
志望動機では、コミュニケーション能力を活かして、総合病院ならではのスピーディかつ正確な事務処理をおこないたいと伝えると良いでしょう。
例文②歯科医院
例文②歯科医院
私が貴院を志望する理由は、子どもたちが安心して通える歯医者にしたいという思いがあるからです。
私はこの町で生まれ育ち、歯医者はずっと貴院に通っていました。幼かったときは治療に恐怖心や抵抗感はあったものの、病院に行くのが嫌だと思ったことはありませんでした。その理由は、受付の医療事務員の方が友達のように接してくださり、毎回楽しく会話できていたからです。
その医療事務員の方は、はやりのテレビ番組のことや学校での出来事など、どんな話題でも楽しそうに聞いてくださり、質問をしたり共感して盛り上げてくださいました。その時間が楽しくて、友だちの家に行くような安心感で病院に通えていました。
多くの子どもが歯医者に対してあまり良くないイメージを持っているために、歯医者から足が遠のいて、虫歯の予防ができていなかったり、発見が遅れるなどの事態が起きてしまっていると思います。
これに対し、歯医者の窓口となる医療事務員の対応で、良くないイメージを変えていくことができると考えました。
貴院に採用していただいた際は、地域の子どもたちが通いやすい医院になるよう、積極的にコミュニケーションを取っていきたいと考えています。
アドバイザーが解説! 歯科医院の志望動機のポイント
歯科医院の医療事務員は患者とコミュニケーションを取る機会が多いため、明るく親しみやすく、相手への心配りができる人が求められます。
患者は子どもから年配まで幅広いため、志望動機では人と接することが好き、または得意であることを、具体例を入れながら伝えると良いでしょう。
医療事務とは違いますが歯科助手を志望している人は以下の記事を参考にしてください。歯科助手の志望動機の書き方と類似職種との違いも解説しています。
歯科助手の志望動機の書き方|一般事務や類似職種との違いは?
例文③美容外科クリニック
例文③美容外科クリニック
私が貴院を志望する理由は、患者様の未来を作る仕事をしたいと思っているからです。
このような考えを持った背景には、知人のエピソードが挙げられます。
私の知人は整形手術を受けました。それまで顔にコンプレックスを持っており、全力で笑ったり泣いたりしたくても、心のどこかで恥ずかしさがあってできなかったそうです。
その中で整形手術を受けたところ、顔以上に心が別人のように変わりました。常に自信に満ち溢れて、何をしていても楽しそうにしているのが印象的でした。
この経験から美容外科クリニックでの施術を通して、患者様がこれまでできなかったことも自信を持って取り組めるようになると感じました。これは患者様の未来を作る仕事であり、私もその一員として患者様のお手伝いをしたいと考えるようになりました。
採用していただいた際には、ヒアリングを徹底して、理想の未来を作れるようにサポートしたいです。
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アドバイザーからの例文の評価・アドバイス
美容外科クリニックを志望した理由はこれで良いですが、「なぜ当クリニックなのか」が少し伝わりにくいかもしれません。
「美容外科ならどこでも良いのかな」と受け取られてしまう可能性もあるので、応募先をもっと研究して、美容外科でも特に貴院で働きたいということを伝えましょう。
例文④小児クリニック
例文④小児クリニック
私が貴院を志望する理由は、子どもたちが健康で居続けられる〇〇市にしたいと考えているからです。
私はこの〇〇市で生まれ育ちました。幼少期は体調を崩すことが多く、小児クリニックによく通っていました。当時は診療が怖く、クリニックに通うのが嫌だったのですが、ある時、医療事務の方に手洗いうがいなど体調を崩さないための行動の大切さを教えていただきました。
幼少期ながらその内容が非常にわかりやすく、それから教えてもらったことを実践し続けたところ、体調を崩すことが大きく減りました。この経験から、子どもでも病気から身を守る重要性を理解することは可能だと思っています。
ただ、私と同じように診療を怖がっている子どもはたくさんいるはずなので、医師よりも身近な存在である事務員が伝えていくことが実践につながりやすいと考えています。
貴院に採用していただいた際は、子どもたちから気を許してもらえるような対応を心掛け、そのうえで病気から身を守ることの重要性を説明し、〇〇市で育つ子どもたちが健康でいつづけられるようにしたいです。
- 小児クリニック志望ですが、「子どもが好きだから」ではだめでしょうか? ほかの理由が思いつきません。
自分の子ども時代の体験がヒントになる
「子どもが好き」というのは素晴らしい志望動機ですが、そのほかの理由も探してみましょう。
たとえば、あなたは子ども時代に医療機関でお世話になった経験はありますか? 印象的で前向きなエピソードがあれば、そちらを盛り込みましょう。
また、小児クリニックでは、子どもだけでなく、両親など家族ともかかわることが多いため、家族ぐるみで信頼される、安心してもらえる存在になりたいというのも良いでしょう。
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例文⑤産婦人科クリニック
例文⑤産婦人科クリニック
私が貴院を志望する理由は、誰もが安心して出産できるようサポートする医療事務員になりたいと思っているからです。
このような考えを抱いた背景には、姉の出産があります。姉は4年前に第一子を出産しました。姉はわざわざ自宅から少し離れているクリニックに通っていたため、なぜその病院にこだわるのか聞いたところ、「産婦人科の受付の人の対応が丁寧だったから」と言っていました。
自分のお腹の中に大切な命が宿っているという初めての状況に、嬉しさもありつつ不安も大きかったと思います。そんな中、産婦人科の受付の方の温かい対応によって姉は心が救われたようでした。その話を聞いて、私も誰もが安心して出産できるようサポートできる医療事務員になりたいと思いました。
貴院に採用していただいた際には、出産を控える方々と積極的にコミュニケーションをとり、その人ならではの対応を心掛けて、安心して出産できるようサポートしたいです。
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アドバイザーが解説! 産婦人科クリニックの志望動機のポイント
産婦人科クリニックは、出産を抱えている人に対して相手の気持ちを汲み取り対応できるコミュニケーション能力と、丁寧なサポート能力を求めています。
事務処理能力だけではなく、誰もが安心して出産ができるようなサポートをしていきたいと伝えると良いでしょう。
例文⑥心療内科クリニック
例文⑥心療内科クリニック
私が貴院を志望する理由は、大きなストレスを抱えている人が少しでも楽になるようサポートしたいと考えているからです。
このような考えを持った背景には、私自身の経験があります。私は高校生のときに日々の勉強や友人関係などの小さなストレスが積み重なり、毎日頭痛や吐き気に襲われ、半年ほど学校に通えない時期がありました。
その時、母親に連れられて心療内科クリニックを受診しました。診療が終わり、母だけが呼ばれて医師と話している間、何を話しているんだろうと不安な気持ちでいたところ、受付の方が気さくに話しかけてくださいました。
その方と話している間は、自分が病院にいることも忘れるくらいリラックスできました。
このような経緯があり、心療内科クリニックを志望しました。貴院に採用していただいた際には、過去の私と同じような症状の方が、少しでも楽になれるよう患者様の様子をよく観察しながら適切なサポートをしたいです。
アドバイザーが解説! 心療内科クリニックの志望動機のポイント
心療内科に来る患者に対してのメンタル面の気遣いが、事務員には必要です。自分自身が精神的に安定していて、患者の立場に立って理解し、支援したいという人が求められます。
以前、診療内科に通っていた経験がある人は、今はメンタル面で安定していて、問題ないことを伝えると良いでしょう。
上記以外の医療機関として、眼科の医療事務を志望している人はこちらのQ&Aもチェックしましょう。
活かせるスキルや経験をアピールする志望動機の例文
活かせるスキルや経験をアピールする志望動機の例文
医療事務員を志す人の中には、「自分に合う仕事だと思った」「自分の強みを活かせそう」というように、仕事の特徴と自分の特性のマッチングから志望している人もいるでしょう。この場合、志望動機の中で活かしたいスキルや経験を示すことで、効果的な自己アピールができます。
応募先としても、応募者が過去の経験を活かして活躍している姿がイメージできると、よりポジティブな印象を抱きやすくなります。
活かせるスキルや経験をアピールしたい人は、以下2つの例文と記事内で解説している活かせる経験やスキルを参考にしてくださいね。
例文①アルバイトでの対人折衝経験を活かしたい
例文①アルバイトでの対人折衝経験を活かしたい
私が貴院の医療事務員を志望する理由は、自身の対人折衝経験を活かして、誰もが気持ち良く病院を利用できるようにしたいからです。
私は大学時代、レストランやカフェなどの接客のアルバイト経験を通して、顧客との対話の楽しさを知りました。
お客様は一人ひとり、考えていることや店員に対して求めている対応が違います。店内に入って来たときの様子や注文の仕方から、それぞれのお客様が何を考えて何を求めているのかを察知しながらコミュニケーションをとり、喜んでいただいたときにやりがいを感じていました。
この経験は病院の受付業務で活かせると思います。患者様が求めていることを瞬時に判断して行動に移し、病院にいる時間を少しでも快適に過ごしていただきたいと考えています。
貴院に採用していただいた際には、患者様と積極的にコミュニケーションをとり、多くの人に「また来たい」と思ってもらえるよう努めてまいります。
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アドバイザーが解説! 医療事務で対人能力をアピールする際の注意点
アルバイトの対人折衝経験から、患者の気持ちを汲み取り対応できることを志望動機でアピールすれば、医療事務で活かしていけると判断されやすいでしょう。
ただしさまざまな患者がいる中で、接客経験の延長線上で、表情や態度だけで判断してしまわないよう注意しなければいけません。
アルバイト経験は、自己PRやガクチカでもアピール可能です。志望動機はアルバイト以外の切り口で作成したい人も、ほかの項目でアルバイト経験のアピールをぜひ検討してくださいね。
自己PR
例文10選|アルバイト経験の自己PR必勝法を企業目線で解説
ガクチカ
例文15選|アルバイトのガクチカの作り方と印象に残すコツ
特別な動機がなくても大丈夫!
ツールを使えば魅力的な志望動機が作れます
「第一志望以外の志望動機が思い浮かばない……」と感じたことはありませんか?そんな時にぜひ活用してほしいのが「志望動機作成ツール」です。
簡単な質問に答えるだけで、特別な動機がなくても採用したいと思われる志望動機が簡単に作成できます。
志望動機で困ったら、まずはツールを活用してみましょう。
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例文②ボランティアでの医療現場の経験を活かしたい
例文②ボランティアでの医療現場の経験を活かしたい
私が貴院を志望する理由は、病院でのボランティア経験を活かし、さまざまな患者様にとって過ごしやすい環境をつくりたいという思いがあるからです。
私は〇〇病院のボランティアとして、車椅子利用者を含めた患者様の誘導や介助をしていました。
ボランティアを始める前は、私の妹が車椅子利用者で日頃から介助をしていたため、病院でも難なくサポートできると思っていました。しかし、ボランティア初日はまったく動けず、自分の不甲斐なさを痛感しました。
家族間であれば、妹もしてほしいことを私に指示しやすく、私はそれに応じるだけでしたが、病院で見ず知らずの私に気軽に声をかけられる人はなかなかおらず、自分で考えて行動しなければなかなか役に立てませんでした。
この経験があったために、困っている人が助けを求めるときのハードルの高さを意識するようになり、自分から「何かお手伝いできることはありませんか」と積極的に声をかけられるようになりました。
一見困っていなさそうでも、「何かできることがあれば言ってくださいね」とお声かけしたところ、「トイレまで案内してほしい」など、要望を言ってもらえることも多々ありました。
医療事務の仕事では、車椅子利用者の方も含めてさまざまな患者様とかかわるため、この経験が活かせる場面が多々あると思います。貴院に採用していただいた際には、患者様が助けを求めやすい環境をつくれるよう貢献したいです。
アドバイザーからの例文の評価・アドバイス
病院でのボランティア経験がある人も、「なぜ医療事務なのか」「なぜ当院なのか」はしっかりと伝えましょう。ボランティアでニーズを先読みすることは、立派なスキルです。
活かせるスキルとしては十分なので、上記2点についての記述を工夫してみてください。
ボランティアで医療や介護現場に携わった経験がある人は、医療事務の選考では効果的なアピールになる可能性が高いでしょう。ぜひこちらの記事を参考にして、効果的なアピールの方法を習得してください。
ボランティアで学んだ事を効果的にアピールする方法|例文付き
実際に作ってみよう! 医療事務の志望動機を作成する際に押さえておきたい情報
ここからは、医療事務の志望動機を作成する方法について解説していきます。まずは作成にあたって押さえておきたい情報を把握しましょう。
医療事務員を志望しているものの、実際に何をする仕事なのか明確なイメージが持てていない人もいますよね。医療事務の仕事は、病院やクリニックによく行く人でも知らないような専門的な仕事もあるため、知らなくても無理もありません。
この機会に一から知り、医療事務の仕事に対して正しい認識を持ったうえで志望動機の作成に取り掛かりましょう。
おもな仕事内容
医療事務の仕事の範囲は、各病院やクリニックによって多少異なります。ただ、以下2つの業務については、いずれの医療機関でも医療事務の人が責任を持って担っています。
医療事務のおもな仕事内容
- レセプトの作成
- 受付・会計
各業務が具体的にどのような仕事なのか、詳しく見ていきましょう。
レセプトの作成
レセプトとは
通常、医療機関で保険診療を受けた際の費用は、3割を患者が窓口で支払い、残りの7割は保険証を発行している健康保険組合や共済組合、市区町村などの保険者に請求される。
保険者に対する請求の際に必要となる診療報酬請求明細書が、レセプトと呼ばれる
レセプトによって請求する金額は、病院の収入において高い割合を占めます。つまり、レセプトを作成する医療事務は、病院の経営を支えるために非常に重要な役割といえます。
ほとんどの医療機関では、レセプトコンピュータ(レセコン)を使用してレセプトを作成します。ただ、レセコンに診察の内容を打ち込んだり、作成されたレセプトに誤りがないか責任を持って確認するのは医療事務の仕事です。
レセコンへの入力やチェックには、検査や薬の種類など医療知識が必要になります。専門性が高く正確性が求められる仕事です。
受付・会計
医療機関の窓口となり、来院する患者の最初の対応を担うのも医療事務の仕事です。受付では、予約を管理したり、来院した患者の保険証や診察券を確認したり、問診表の記入を求めたりなど、スムーズに診察が始められるように手配します。
そして医師による診察が終わったら、医療事務が診察の内容に応じた患者負担分の金額を算出します。患者をなるべく待たせないように、素早く正確に計算し、会計業務を完了させることが求められます。
医療事務の受付・会計に関する具体的な仕事内容
- 予約の管理
- 電話対応
- 保険証の確認
- 診察券の発行・確認
- 問診表の記入についての説明・確認
- 会計業務
- 処方箋の受け渡し
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る医療事務は専門知識や正確性などが求められる緊張感のある仕事
医療事務は、ほかの事務職と違い専門知識が必要な仕事が多いことが特徴です。
保険組合や市区町村などの保険者に診療報酬請求明細書(レセプト)によって請求をおこないますが、レセプトの取り扱いでは、的確な事務処理をおこなう必要があり、特に患者数が多い病院では大変でしょう。
保険証の確認を誤れば、レセプトの取り扱いに影響が出ることもあります。また受付や処方箋の受け渡しなども患者に合わせて丁寧な対応が求められ、電話の問い合わせで対応を誤れば、病気やけがに影響を及ぼす可能性があります。
命にかかわる仕事に携わっているため、緊張感を持って仕事に取り組む必要があります。
医療事務のやりがいは専門スキルの獲得や患者からの感謝
医療事務の仕事は、スキルを高めていくことで仕事の幅が広がるだけでなくスピードも増していくため、専門職としての成長ややりがいを感じるでしょう。
また受付や会計の対応が良ければ患者の気持ちを癒すことができ、特に心身が弱っているときに優しい言葉や対応をしてくれる医療事務に対して評判が高まり、褒められることがやりがいにつながります。
活かせる経験やスキル
医療事務の仕事内容を理解したことで、どんな経験やスキルが活かせるのか想像がつきやすくなったのではないでしょうか。実務で活かせる経験やスキルとしては、おもに以下の3つが挙げられます。
活かせる経験やスキル
- 接客の経験
- パソコンスキル
- チームワークの経験
直接的に活かせる経験やスキルを志望動機の中で示せれば、即戦力として活躍する可能性が見いだされやすくなります。該当する経験をしていたり、スキルに自信がある人は、ぜひ積極的にアピールしてくださいね。
接客の経験
体調が悪くて不安な気持ちで病院を訪れたときに、スタッフの対応が冷たかったり、雑だと感じれば、またその病院に行こうとは思えませんよね。病院を長く経営していくためには、患者が安心して訪れられるような信頼関係を築いていくことが重要です。
受付や会計で患者と接する機会が多い医療事務は、非常に重要な役割を担っています。そのため接客経験を通して、一定の丁寧な言葉遣いや顧客に不快な思いをさせない接し方を身に付けられていれば、医療事務の仕事に直接的に活かすことが可能なのです。
ただ、接客業のアルバイトをしていたからといって、誰でも「一定の接客スキルが身に付いている」と判断されるわけではありません。接客経験をアピールするときは、顧客と信頼関係を築いた経験や自分がおこなった工夫などを盛り込んだ具体性のある内容にしましょう。
接客の経験がない場合でも、友人からの相談に乗ることが多い、相手の気持ちを察することが得意、周囲から「一緒にいてホッとする」と言われたことがあるなど、いくつかエピソードが思い当たる人もいるのではないでしょうか。
人間関係構築が得意で、信頼や安心を感じてもらった経験、洞察力があることがわかる経験を伝えると良いでしょう。
接客の経験を自己PRで伝えたいという人は、以下の記事もおすすめです。キャリアアドバイザーのアドバイスを元に、効果的にアピールしましょう。
接客業経験で自己PRを作成する5ステップ|強み別10例文付き
パソコンスキル
医療事務では、高度なパソコンスキルが必要なわけではありません。特に新卒採用の場合は人柄を重視する傾向があるため、パソコンスキルが採用において必須とされる可能性は低いでしょう。
ただ、医療事務の仕事は一定のパソコンスキルがなければできない仕事ばかりです。レセプトを作成する際にはパソコンへデータを入力し、予約や患者情報の管理も電子化している医療機関がほとんどです。
そのため、パソコンをスムーズに操作できたり、時間をかけずにタイピングができるスキルが身に付いていれば、実際の業務に役立てられます。パソコンスキルは特技を聞かれた際にアピールするのもおすすめです。
面接で特技を聞かれた時の伝え方は以下の記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてください。
回答例60選! 面接で「特技は何ですか?」と聞かれたときの答え方
チームワークの経験
事務仕事は個人プレーだと思われがちですが、医療事務は医師や看護師との連携が欠かせない仕事です。医師がスムーズに診察ができるように、看護師を通じて受付で患者からヒアリングした内容を伝えたり、処方箋や次回の診察に関する案内を医師から引き継いで、医療事務が会計時に患者に伝えることもあります。
そのため、自分の仕事を完遂させることだけでなく、ほかのスタッフと円滑に仕事を進められるチームワーク力が求められます。過去にチームに所属して目標を達成したり、仕事を完遂させた経験がある人は、チームワークを形成するためにどのような意識や行動が必要なのかがわかるはずです。
コミュニケーション力やバックアップ力を活かしてチームに貢献できた経験をアピールすれば、医療事務への適性の高さを伝えることにつながりますよ。
チームワークの経験をアピールする際は、こちらの記事で注意点の定義や伝え方のコツを押さえてくださいね。
例文8選|自己PRでチームワーク力の高さを効果的に伝える方法
アドバイザーコメント
平井 厚子
プロフィールを見る活かせそうなスキルがなくてもカバーできる可能性は高い!
医療事務に活かせる経験は、「接客の経験」「パソコンスキル」「チームワークの経験」でした。しかし、どれも経験がないという人もいますよね。どうすればカバーできるか一つずつみていきましょう。
接客の経験
病院での接客で求められるのは、相手がどんな状態かを推測して適切な応対をすることです。普段から他人を思いやり、丁寧に接していれば十分対応できます。
パソコンスキル
医療事務では専用システムを使って業務をおこないます。ExcelやWordよりも、タッチタイピングで早く正確に入力できるスキルを習得しましょう。
チームワークの経験
チームワークに必要なのは、メンバー一人ひとりが「今自分は何をやるべきか」を理解して、行動できることです。そのためには周囲に関心を持ち、観察することが必要です。
周囲に関心を持って観察することで、相手がどんな状態かを推測できます。適切な応対をすることは、今自分は何をやるべきかを実行することですよね。
このように見てみると、接客とチームワークとは土台になるスキルが共通していて、そこにタッチタイピングのスキルを乗せれば、今から十分カバーできますよ。
医療事務の志望動機の内容を決めるために整理したい2つのポイント
医療事務の仕事内容や活かせるスキルなどの基礎的な情報を押さえたら、次は志望動機の内容を決めましょう。どんな内容にするかすでに決まっている人もいれば、まったく決まっていない人もいるのではないでしょうか。
いずれにせよ、医療事務として就職しようとしている気持ちを整理することが大切です。ここで解説する2つのポイントを押さえて整理すれば、志望動機がすらすら書けるようになるだけでなく、面接で深掘りされたときにも対応できるようになりますよ。
①なぜ医療にかかわる仕事がしたいのか
医療事務を志す気持ちは、「医療にかかわる仕事がしたい」「事務員として医療現場に携わりたい」の2つのかけ合わせで成り立っています。ここを混合したままにせず、一度切り離して考えてみることで、自分の動機を言語化しやすくなりますよ。
まずは、医療にかかわる仕事がしたい気持ちと徹底的に向き合ってみましょう。事務の仕事がしたいだけなら、医療事務ではなくメーカーや商社などの企業で活躍する選択肢もあるはず。なぜその選択をせず、医療にかかわる仕事を選ぶのでしょうか。
「医療に助けられた経験があり、自分も助ける側になりたいと思うようになった」のように、医療にかかわろうとする動機が形成された経緯を、過去の出来事をたどって明らかにしましょう。
医療にかかわる仕事がしたい理由の例
- 親族が医療関係者で、仕事に向き合う姿勢を間近で見てきて、人の命を預かるとても大切な仕事だと思ったから
- コロナ禍で医療の大切さを実感し、世の中が不安定なときに多くの人の役に立てる仕事がしたいから
- 医療系の仕事は安定しているので志望しています。志望動機で正直に伝えても良いでしょうか。
あなたを採用する病院のメリットがわかる内容にしよう
医療系の仕事が安定しているからという志望動機は、正直おすすめできません。安定していることは応募者個人の問題だと受け止めるケースや、医療系の仕事でなくても良いのではと疑問を持つ採用担当者もいるでしょう。
安定していることを伝える場合は、たとえば「安定している医療系の仕事で、スキルを高めて貢献していきたい」など、病院のメリットにつながる志望動機を伝えるべきです。
採用担当者は、なぜ医療にかかわる仕事をしたいのか、そしてなぜ医療事務の仕事をしたいのかを志望動機で見極めているので、ほかの仕事にも当てはまるものではなく、医療現場だから実現できる志望動機を伝えるようにしましょう。
②なぜ事務の仕事がしたいのか
医療にかかわる仕事がしたい理由を明らかにできたら、次はなぜ事務員として医療現場に携わりたいのかを考えてみましょう。医療にかかわる仕事といえば、医師や看護師、歯科衛生士、作業療法士、薬剤師などが代表的です。その中から事務の仕事を選ぶ理由があるはずです。
中には「資格がなくても就職できるから」という理由の人もいるかもしれません。ただ、資格がなくても医療に携わる方法も、医療機器メーカーや製薬会社で働くなど、さまざまあります。
事務はどちらかといえば、医師や看護師のサポート的な仕事が多くなりますが、そのような仕事に惹かれるのはなぜでしょうか。事務の仕事に感じている魅力や自分の特性とマッチしているポイントについて、的確に言語化してみましょう。
事務員として医療現場に携わりたい理由
- 人をサポートする役割に適性を感じた経験があり、医師や看護師のサポートをする医療事務の仕事に惹かれた
- 事務員の対応で病院に対する印象が大きく変わると感じた経験から、接客業の経験を活かして活躍できるのではないかと思った
大まかにいえば、来院した患者の対応をすること、レセプトを作成して病院の収入にかかわることが医療事務職の仕事です。どちらの役割にやりがいを感じるか、自己分析の内容と結びつけて考えてみましょう。
事務職の仕事について網羅的に理解したい人は、以下の記事も併せて確認しておきましょう。
事務職の仕事内容が丸わかり! 必要なスキルや就職のコツも
歯科衛生士を志望している人は以下の記事も参考にしてみてください。面接でよく聞かれる質問の回答例や志望動機の書き方をまとめています。
例文14選! どんな歯科衛生士になりたいかの回答で差別化する方法
例文7選|歯科衛生士の志望動機がすらすら書けるようになる方法
また、事務の仕事がしたい理由を明らかにするには、ほかの医療系の仕事と比較するのが効果的です。以下のQ&Aでは、製薬会社についてキャリアコンサルタントが解説しているので、ぜひ参考にしてください。
自分の気持ちがうまく言語化できない人は、自己分析が不足している可能性が高いです。こちらの記事を参考に、自分の価値観や特性を分析してみましょう。
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説
さらに良くするために! 応募先ならではの志望動機にする方法
さらに良くするために! 応募先ならではの志望動機にする方法
- 病院と診療所・クリニックの違いを押さえる
- 診療科ごとの特徴を理解する
- 病院の方針や医院長のビジョンを知る
志望動機の内容がまったく思い浮かばなかった人も、上記の2つのポイントに分けて動機を整理する方法を実践してみることで、志望動機に書くことが思い浮かんだのではないでしょうか。
ただ、2つのポイントを整理した状態では、医療事務という職業を志す動機は言えても、応募先の病院で働きたい理由は言えない状態のはずです。ライバルから一歩リードした、熱意の伝わる志望動機にするために、応募先ならではの志望動機にしましょう。
ここでは、この病院・医療分野でなければならない理由を的確に伝えるための3つの方法を解説していきます。
病院と診療所の違いや診療科ごとの特徴を理解していなければ、仕事内容を理解していない勉強不足の応募者として、医療事務に就きたい意欲が低いと判断される可能性があります。
病院の規模や特徴によって医療事務の仕事は違うので、しっかり押さえておくべきです。
病院と診療所・クリニックの違いを押さえる
この病院・医療分野でなければならない理由を見いだすには、ほかの応募先との比較ができなければなりません。そして、比較をするには、前提として医療現場に関する基礎的な知識が必要です。その一つが病院と診療所・クリニックの違いです。まずは、それぞれの定義を正確に把握しておきましょう。
病院 | 診療所・クリニック |
---|---|
・入院患者用のベッドが20床以上ある医療機関 ・3人以上の医師がいて、放射線技師、作業療法士、理学療法士など、各診療科の専門スタッフが配置される ・高度な医療行為をおこなう。 | ・入院患者用のベッドが19床以下の医療機関 ・医師が1名のケースも多い ・軽い疾患を診る「かかりつけ医院」として地域の医療を支えている |
どちらの医療機関でも医療事務は活躍していますが、患者の数や医療行為の内容が異なるため、医療事務の仕事内容も変わってきます。自分の志望先がどちらに属するのかを確認し、仕事内容の特徴を押さえてくださいね。
病院 | 診療所・クリニック |
---|---|
・入院や手術などの算定もおこなう ・人数が多いため、病棟や診療科によって担当を決めたり、受付やレセプトの担当などを分けたりと分業化されている | ・外来の患者が多く、人と接する時間が長い ・少人数で対応するため、仕事を分担せず一人が幅広く対応することになる |
診療科ごとの特徴を理解する
地域にはさまざまな診療所やクリニックがありますが、目の疾患に関しては眼科、精神的な病に関しては心療内科のように、それぞれ専門としている分野がありますよね。
また、大学病院や県立病院のような大規模な病院の場合は、複数の診療科が内在していて、それぞれを専門とした医師や看護師が働いています。
自分の応募先の医療機関の専門分野を理解することは、応募先について深く理解するために欠かせないことです。
「医療事務は医療行為をしないのだから、各診療科の内容や違いを押さえる必要はないのでは?」と思った人もいるかもしれませんが、専門としている分野が異なれば、患者の年齢や性別の傾向、抱えている不安や悩みが異なります。
患者のことを理解すれば窓口としての役割を担う医療事務のリアルなイメージが持てるようになり、志望動機の中でも仕事への理解度の高さを示せますよ。
病院の方針や院長のビジョンを知る
応募先の医療機関のホームページ(HP)をすでに確認している人は多いと予想されますが、応募先の方針や院長のビジョンを理解していて、すぐに説明できるという人は少ないのではないでしょうか。
病院の方針や院長のビジョンには、その病院ならではの考え方や意識が表れています。その病院について、自分の言葉でも説明できるようになるまで熟読して、しっかりと理解しましょう。自分の価値観やビジョンと一致する点があれば、それも志望動機の題材になり得ます。
HPで確認するべきこと
- 診療内容
- 院長のメッセージ・挨拶
- 基本方針(理念)
- 沿革
- 病院のHPが充実していない場合、どのように診療内容や方針を調べれば良いでしょうか。
複数の口コミサイトを見比べたり直接問い合わせてみよう
病院名・院長名・医師名などでGoogle検索してみてください。自院のHPがなくても、病院情報サイトや口コミサイトの情報は見つかります。それ以外にも、取材記事や執筆原稿・論文などがヒットすることもあるでしょう。
もし口コミサイトを使うときは、複数の口コミサイトを見比べて、極端な意見だけを気にしないように気を付けてください。
また、求人が出ていて応募するなら直接問い合わせても大丈夫です。求人を見て関心を持ったこと、より詳しく話を聞きたいことを伝えて、相談してみてください。
最初のコンタクトは開院時間中に電話でおこない、話す時間は先方の指示にしたがいます。求人が出ていたら対応してもらえると思います。
応募先ならではの志望動機にするために、各医療機関について調べるべき項目は企業分析と共通しています。応募先について調べる際は、こちらの記事を参考にしてくださいね。
企業分析のやり方を完璧にマスターする3ステップ|よくある注意点も
自分が描くビジョンが定まっていないために、応募先とマッチしているのかがわからない人もいるのではないでしょうか。こちらの記事を参考にして、医療事務としてのビジョンを描いてみましょう。
キャリアビジョンとは|就活のプロが意義と描き方を徹底解説!
3ステップ! 医療事務の志望動機の伝え方
3ステップ! 医療事務の志望動機の伝え方
- 最も伝えたい結論を端的に言い切る
- 医療事務に興味を持ったきっかけを具体的に伝える
- 目指す姿や活かしたいスキルをアピールする
ここまで医療事務の志望動機の内容を考えたり、選定する方法を解説してきましたが、どんなに良い題材がそろっていても、伝え方次第で評価は大きく変わります。相手に最も効果的に伝えるためにも、ここで解説する3ステップに沿って志望動機を仕上げましょう。
こちらの記事では、志望動機をなぜこの構成で伝えるべきかを就活初心者でも理解しやすいようにわかりやすく解説しているので、ぜひ併せてチェックしてください。
志望動機はこの構成で決まり! 盛り込む6要素と伝える順番を解説
①最も伝えたい結論を端的に言い切る
志望動機に限らず、ビジネスの場で相手に自分の気持ちや意見を伝える際は、結論を最初に述べるのが鉄則です。結論を最初に提示することで、聞き手はこれから展開される話を予想でき、続く内容への理解度が高まります。
また、志望動機の中には応募者の気持ちや過去の出来事など複数の情報が盛り込まれますが、記憶への残りやすさにはムラがあり、すべてを確実に覚えてもらうことは難しいとされています。そのため、初頭効果を活かして、比較的記憶に残りやすい最初に最も重要な結論を伝えるべきなのです。
初頭効果とは
最初に接した情報が強く印象に残る心理的な効果のこと
ただ、最初の1文が「私が医療事務を志望している理由は、また家族が医療事務員で、貴院に来院した際雰囲気が良いなと思い……」と要領を得ない伝え方では、結論を最初に話す効果がなくなってしまいます。下記の例を参考に、なるべく端的に言い切りましょう。
最も伝えたい結論を端的に言い切る例
大学生のときに訪れた皮膚科で医療事務の方の対応に感銘を受け、医療事務の仕事を志望しております。
志望動機をわかりやすく、端的に伝えることは重要です。なぜなら、ビジネスの現場ではその能力が求められるからです。
面接官は面接のやり取りで能力の有無を類推します。志望動機を話すときも、まず結論から伝えることで印象が良くなります。
志望動機の書き出しにこだわって周囲と差別化したい人には、こちらの記事がおすすめです。
「志望動機が書けない」から確実に卒業する3ステップ|例文付き
②医療事務に興味を持ったきっかけを具体的に伝える
結論を最初に伝えたら、その結論に至るまでの経緯を具体的に伝えましょう。最初の1文はなるべく端的に簡潔に言い切ることが重要でしたが、経緯は採用担当者が詳しく知りたいところなので具体的である必要があります。
聞き手である面接官や採用担当者は、あなたのバックグラウンドを知らない場合がほとんどです。そんな相手でも、きっかけとなった出来事の様子がリアルにイメージできるかどうか注意しながら、わかりやすい説明を心掛けてくださいね。
医療事務に興味を持ったきっかけを具体的に伝える例
私はアトピー性皮膚炎で幼少期からかかりつけの皮膚科に通っていましたが、大学入学と同時に引っ越したため、新しい土地で通うクリニックを見つけなければなりませんでした。
新しい病院を訪れるのは本当に不安で、そんな中最初に訪れた皮膚科で医療事務の方に冷たい対応をされたこともあり、皮膚科に行くことに抵抗を持つようになりました。
しかし、大学でできた友人の勧めで別の病院を訪れてみたところ、医療事務の方が温かく迎えてくださり、一気に不安が和らぎました。医療事務の方の笑顔や丁寧な説明で、病院に対する印象が大きく変わることを実感しました。
それ以来、病院に通うことにネガティブな感情はなく、むしろ温かい気持ちになれるため、前向きな気持ちで通っています。
③目指す姿や活かしたいスキルをアピールする
最初に述べる言葉は相手の印象に残りやすいと解説しましたが、終盤も親近効果といって相手の記憶に残る可能性が高いのです。
親近効果とは
最後に接した情報が印象に強く影響する心理的な効果のこと
そのため、この親近効果を活用するためにも、目指す姿や活かしたいスキルなどの前向きな内容で志望動機を締めくくりましょう。記事の冒頭で紹介している例文や以下の内容を参考にしてくださいね。
目指す姿や活かしたいスキルをアピールする例
貴院で医療事務員として採用していただけましたら、不安な気持ちの患者様に最初に接する立場としての責任の重さを自覚し、一人ひとりへの丁寧かつ温かい対応を常に心掛けたいと思っております。
「志望動機がうまく締めくくれない……」という人は、こちらの記事を参考にしてください。
志望動機の締めくくり例文13選! そのまま使えるテンプレも紹介
医療事務の志望動機でアピールできる! 取得しておきたい資格一覧
「医療事務以外の仕事は考えられない」というほど医療事務の仕事に確実に就職したい人は、志望動機を完璧にするだけでなく、医療事務の資格を取得しておくと就職活動の際に有利になる可能性があります。
医療事務は国家資格がなく、民間の資格が複数あります。それぞれ試験の内容や合格率が異なるため、比較したうえで自分に適した資格の勉強に取り掛かりましょう。
名称 | 概要 | 難易度 |
---|---|---|
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク) | 比較的、受検者が多く知名度が高い。得点率が70%以上で合格。 | ★★ |
医療事務管理士 | マークシート形式で、自宅でも受検可能。2023年実施試験での合格率は84.6%。 | ★★ |
診療報酬請求事務能力認定試験 | 学科と実技の問題から構成される。2023年実施試験の合格率は48.4%。 | ★★★★ |
- 医療事務の資格は独学で取得できますか? 講座を受けた方が良いのでしょうか。
経験値や取得したい資格によって異なる
医療事務の資格は独学でも取得はできますが、診療報酬請求事務能力認定試験などのやや難易度が高い認定試験を医療事務の経験がない人が目指すならば、通信講座を受けた方が確実に取得できるでしょう。
通信講座の中には、テキストだけでなく映像などの講義や添削が含まれているものもあり、途中で挫折することなく理解力が高まり、短期間で合格が可能です。独学で取得できるか不安であれば、講座の受講をおすすめします。
医療事務への就職で有利になる可能性があるのは、医療事務系の資格のみとは限りません。パソコンスキルやビジネスマナーに関する資格も武器になるので、こちらの記事でどんな資格があるかチェックしましょう。
取りやすい資格25選|取得から就活でのアピールの仕方まで解説
医療事務の役割を深く理解して適性の高さが伝わる志望動機に仕上げよう
医療事務といえば、病院を訪れた際の経験から漠然とどういう仕事かイメージできている人がほとんどではないでしょうか。ただ、漠然としたイメージのみで理解した気になるのは危険です。
内定につながる志望動機にするには、医療事務の仕事内容を正しく理解していることが重要です。そして求められるスキルや病院ごとの違いなども含めて詳しく理解することで、差別化された志望動機が書けるようになります。
記事内では、医療事務の役割を詳細に解説しています。ぜひ、記事の内容を漏れなくチェックしたうえで、適性の高さが伝わる志望動機に仕上げてくださいね。
アドバイザーコメント
小関 珠緒
プロフィールを見るなぜ「医療系」なのか? なぜ「事務」なのか? を深掘りしよう
医療事務の志望動機は、まずなぜ「医療系」なのか、なぜ「事務」なのかの2点から考えましょう。数ある職業の中から「医療系」を選んだ理由と「事務」を選んだ理由を書き出してみてください。
身内に医療従事者がいた、医療機関にお世話になった経験がある、健康や美容に興味があるといった経験ベースのエピソードもあれば、人と接することが好き、細かい作業を淡々とこなすのが得意、裏方としてサポートするタイプであるなどのスキルベースの理由が出てくるかもしれません。
さらに「なぜこの機関を志望しているのか?」の具体的な理由を考える
それに加えて、なぜ「ここの会社(クリニック、病院、医療機関など)を志望しているのか」を具体的に書き出しましょう。どういうところに惹かれた・共感したのか、今までに体験したエピソードなどです。
最後に書き出したものすべてを、客観的に見てみましょう。できれば面接官の立場で読んでみてください。「こういう内容だと好感が持てるな」など、良さそうな文章をピックアップして志望動機にまとめていくと良いでしょう。
自分と向き合う作業は大変かもしれませんが、とても大切なプロセスです。頑張ってくださいね。応援しています!
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/ヒトノビ代表
Tamao Koseki〇就職時は準備不足で苦労するも大手企業に入社。転職して実用書の編集者を10年経験し、独立。キャリアコンサルタント資格を取得し、現在は強みを引き出して活かす人材育成をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Atsuko Hirai〇ITメーカーで25年間人材育成に携わり、述べ1,000人と面談を実施。退職後は職業訓練校、就労支援施設などの勤務を経て、現在はフリーで就職・キャリア相談、研修講師などを務める
プロフィール詳細キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
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