この記事のまとめ
- 税理士の志望動機を書くには3つの業務内容の理解が必須
- 税理士事務所の志望動機をわかりやすく伝える構成を解説
- 税理士の志望動機例文3選を紹介
- 志望動機作成ツール
たった3分で選考通過率の高い志望動機が完成!
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お金にまつわる悩みを解決してくれる職業として、税理士が一番に思い浮かぶ人も多いでしょう。しかし職業として有名でも、実際に志望動機を書くとなると、税理士を目指す多くの学生が「税理士の志望動機の書き方がわからない」「そもそも税理士の具体的な仕事って何?」といった疑問を抱えているのも事実です。
特に資格を持っていることが前提となる税理士の就活は、熱意や人間性などの「スキル以外」の部分をどのように魅力的に伝えるかが重要になります。さらに志望動機に盛り込む要素にも、顧客への責任感や税務に関する深い理解が求められる点で、ほかの職種とは異なる注意点もあります。
この記事では、キャリアアドバイザーの桒田さん、吉野さん、遠藤さんのアドバイスを交えつつ税理士の志望動機の魅力的な書き方を解説します。税理士を目指している人はぜひ実践してみてくださいね。
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税理士事務所の志望動機は働くイメージを先に固めよう
説得力のある志望動機を作るには、具体性が命になると耳にしたことがある学生は多いでしょう。しかし税理士事務所の仕事は内容が専門的なので、現時点ですべてを理解するのは難しいかもしれません。
そのためまずは記事に沿って、税理士事務所の種類とその業務内容を理解し、自分がどのような環境で活躍したいのかを考えてみましょう。
そして税理士を目指す理由を言語化するためには、ただ熱意を伝えるだけでは不十分です。基本となる3つの準備があるので、一つずつ実践して自分だけの志望動機を見つけましょう。
中盤では、論理的な志望動機を作れる構成や、フレームワークを活用した税理士事務所の志望動機ならではの独自性の作り方も紹介しているので参考にしてくださいね。
さらに、記事の後半では、例を挙げながら税理士の志望動機作成時によくあるミスと、それを避けるためのポイントを紹介します。記事のヒントを活用し、企業に強い印象を残す志望動機を丁寧に作り上げましょう。
そもそもの志望動機の書き方がわからない……という人は、こちらの記事も併せてチェックしてくださいね。志望動機の書き方を基本から解説しています。
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そもそも税理士ってどんな仕事?
税理士に対して、「企業や個人が払うべき税金について、どのように計算し、申告すれば良いのかを教えてくれる人」という大まかなイメージを持っている人は多いかもしれません。
しかし、税理士の仕事は税金の計算だけではありません。会社のお金の管理方法や会社を大きくするためのアドバイス、家族が安心して暮らせるような相続の計画など、お金に関するさまざまなサポートをします。
税理士は、多くの人々の生活をお金にまつわるサポートで豊かにできるやりがいのある仕事です。詳しい業務内容は後ほど説明しますが、税理士には、数字を扱うことだけでなく、社会をサポートする大切な役割があることを覚えておきましょう。
会計事務所と税理士事務所の違いは?
事務所の種類 | 設立者 | 業務内容 | 名称の違い | 監査業務 | 税理士業務 |
---|---|---|---|---|---|
会計事務所 | 税理士または公認会計士 | 税務・会計全般 | 俗称であり、税理士事務所も含む | – | 可 |
会計士事務所 | 公認会計士 | 税務・会計全般(監査業務可) | 公認会計士による設立 | 可 | 登録により可 |
税理士事務所 | 税理士 | 税務・会計全般(監査業務不可) | 正式名称、税務分野だけでなく会計全般に対応 | 不可 | 可 |
税理士事務所と混同しやすいのが会計事務所ですが、実は税理士事務所と会計事務所は業務内容において大きな違いはありません。おもな違いは名称であり、正式には「税理士事務所」と呼ばれますが、会計業務もおこなっていることを示すために「会計事務所」という俗称も使われているのです。
一方、「会計士事務所」というのは公認会計士が設立した事務所を指し、税理士事務所とは、所長が税理士か公認会計士かの違いがあります。
業務内容自体はほぼ同じですが、公認会計士がいない税理士事務所では、公認会計士にしかできない監査業務を提供できません。一方で、公認会計士は税理士業務もおこなえるため、その資格を持つ人物がいる事務所はより幅広いサービスを提供できます。
会計事務所と税理士事務所の違いは、会計事務所は俗称であり、税理士事務所は正式名称であるという点だけです。
税理士法では「税理士が設けなければならない事務所は、税理士事務所と称する」 と定められています。
業務内容に注目! 税理士事務所のパターン分けをしよう
税理士事務所の3パターン
- 一般型税理士事務所:法人・個人事業主の税務顧問が中心
- 専門型税理士事務所:特化した分野を持つ税理士が所属
- 総合型税理士事務所:広くさまざまリスクへの対応が可能
税理士事務所にはいくつかのパターンがあります。志望動機を書くにあたって、業務の内容を理解しておく必要がありますが、そのためには自分の志望先がどのパターンに当てはまるのかを理解しなければなりません。
対応できるサービスの範囲や携わる業務の専門性によって名称が分けられているので、それぞれの特徴を押さえておきましょう。
一般型税理士事務所:法人・個人事業主の税務顧問が中心
一般型税理士事務所は、広範囲にわたる顧客に対して、税務および会計に関する基本的なサービスを提供します。これらの事務所のおもな業務内容には、次の内容が含まれます。
一般型税理士事務所の業務内容例
- 記帳代行サービス:日々の経済の動きに関連する書類(領収書、通帳の抜粋、請求書など)をもとに、正確な会計データの入力と管理をおこなう
- 経理内容の定期的なチェック:顧客の経理処理が正確におこなわれているかを定期的に確認し、誤りがあれば訂正する
- 税務相談:税に関するさまざまな疑問や計画について、専門的なアドバイスを提供する。特定の支出が経費として認められるかどうかなど、具体的な質問にも答える
- 年末調整業務:従業員の所得税の調整をおこない、必要な届出を税務署や地方自治体に代行する
- 税務調査の立会い:税務署による税務調査がおこなわれる際に、顧客を代表して対応し、適切な説明や資料提供をおこなう
このように、一般型税理士事務所は基本的な記帳業務や税務相談などを任される場合が多く、税理士事務所の中でも比較的難易度が低い案件を担当することになるといえます。
一般型税理士事務所は、顧客企業のパートナーとして経営に寄り添えることが魅力といえます。事業者を支え、地域の発展に貢献できます。
特に長期契約を結べたり新規顧客の紹介をもらえたときなどは、信頼をダイレクトに感じられ、やりがいとなるでしょう。
専門型税理士事務所:特化した分野を持つ税理士が所属
専門型税理士事務所は、特定の分野や業種に特化したサービスを提供し、その領域における高度な専門知識を持っています。たとえば、次のような特化したサービスがあります。
専門型税理士事務所のサービス例
- 医療業界や不動産管理会社向けのサービス:特定の業種に特有の税務問題や会計処理に対する専門的なサポートをおこなう
- 相続や譲渡所得などの資産税サービス:資産の承継や売却にともなう税務計画をサポートする
- 特殊税務に関するサービス:国際税務、企業の売却や合併(M&A)、不動産投資信託(REIT)、不動産の証券化(SPC)、株式上場(IPO)支援、内部統制(J-SOX)など、特定の高度な知識を要する分野に特化
分野や業種が限られている分、当然その分野に関する専門知識が必要になります。対応が難しい案件も請け負うことになる可能性が高いので、一般型税理士事務所より高レベルな知識やスキルが求められるでしょう。
専門型税理士事務所は、専門的な大規模事案に深くかかわれることが魅力です。
業界特有の税務・会計にかかわることで強い結びつきと信頼を得られたり、企業経営に大きな影響を与える資金調達事案に関与して会社が大きく発展する局面をサポートできたりと、大きな達成感を得られるでしょう。
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総合型税理士事務所:広くさまざまなリスクへの対応が可能
総合型税理士事務所の大きな魅力は、さまざまな専門サービスをワンストップで提供できる点にあります。一つの事務所で税務、労務、法務などの相談をまとめておこなえるので、顧客側が複数の専門家を別々に探す手間を省くことができます。
総合型事務所は、特殊税務も部分的に取り扱うことから、国際税務、資産税、M&Aなど、特定の専門知識を要する分野でのサポートもおこなえます。これにより、特殊な案件についても同じ事務所内で解決策を見つけ出すことができ、経営上の複雑な課題にも迅速に対応することが可能です。
総合型税理士事務所の魅力は、業務の幅の広さです。クライアントがグローバル企業となると、国内のみならず国際税務への対応も求められ、事業計画について助言するなどコンサルティング業務もおこないます。
所属税理士が多いため切磋琢磨し合い、最新の知識を取り入れながらクライアントの課題解決に貢献できるというやりがいが感じられるでしょう。
アドバイザーコメント
桒田 里絵
プロフィールを見る税理士法人の規模ごとの特徴を正しく理解して全体像を把握しよう
税理士の法人企業の規模は大きく4つに分けることができ、それぞれで異なる特徴があります。理解して自分に合った職場を見つけてくださいね。
①超大手(BIG4)
KPMG、アーンスト・アンド・ヤング、デロイトトーマツ、PwCの総称です。世界的会計事務所の日本法人で、大規模な税務顧問事案を扱います。クライアントは上場企業・外資系企業で、税理士法人の頂点といわれます。
②大手
辻・本郷税理士法人や税理士法人山田&パートナーズが代表例で、多くの税理士を抱え、税務顧問サービスを提供しています。高年収や専門性の高い経験が得られ、激務ながらここで成果を出せば万全なキャリアを築くことができるでしょう。
③準大手
太陽グラントソントンなどが当てはまり、税理士数が多く、大小さまざまな案件を経験できる環境といえます。大企業から中堅企業も対象とし、相続に特化するなど特徴のある法人もあるので、独立を目指す人には最適といえるでしょう。
④中小規模
「税務代理」「税務書類作成」「税務相談」を幅広くおこなう、地元密着の法人です。特徴は幅広い事案を経験できることで、経営者との距離も近く、具体的な問題を解決する達成感も得られるでしょう。
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整理して覚えよう! 税理士のおもな3つの業務内容
税理士のおもな3つの業務内容
- 税務書類の作成
- 税務代理
- 税務相談
税理士は、個人や法人の税務に関する幅広いサポートを提供する専門家です。しかし、「税にまつわる仕事」以上の具体的なイメージを持っている学生は少ないかもしれません。細かい部分は難しいかもしれませんが、具体的な志望動機を書くためには、税理士の業務内容の概要は最低限押さえておきたいものです。
ここでは、税理士の仕事内容を3つのカテゴリーに分けて紹介します。
①税務書類の作成
税理士が作成する税務書類の例
- 確定申告書
- 相続税申告書
- 青色申告承認申請書
- その他税務署に提出する書類
税務書類の作成は税理士の独占業務であり、この活動を通じて税理士は顧客の税務処理を法的にサポートします。
資格を持っている人以外がこの業務をおこなうことは法律で禁止されていて、税理士法人などで働く無資格者が書類を作成する場合でも、最終的な責任は税理士が負います。税理士としての仕事の基本になるので、作成する書類の概要も併せて理解しておきましょう。
新卒は、一般的には実施頻度の高い業務から任されることが多いので、毎年ある確定申告・青色申告は、依頼量としても多いでしょう。
そのため、記帳・入力などを確実に習得しましょう。対して、相続税申告などは発生頻度が低いでしょう。
②税務代理
税務代理の仕事の例
- 確定申告
- 青色申告の承認申請
- 税務調査の立会い
- 税務署の更正・決定に対する不服申し立て
税務代理は、顧客が理解すべき複雑な税法や制度を代わりに理解し、必要な対応を適切に進めるためのサポートをする仕事です。納税は本来、自主申告・自主納税が原則ですが、税理士の専門知識を活用することで、誤りのない、法令に準じた申告が可能となります。
新卒も事務所の一員として、アシスタント的な業務から徐々に任されていきます。
たとえば税務申告書作成や提出書類のセッティング、クライアントからの問い合わせ対応などをおこないます。最終的に承認の印鑑を押すのは責任者である税理士の役目です。
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「この業界に就きたい!」と思っていても、なぜそうなのか相手により伝わるように説明できないと悩む学生は多いです。
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ぜひ活用して、志望業界の選考を突破しましょう。
③税務相談
税務相談の仕事の例
- 節税相談
- 役員報酬に関する相談
- 資金繰りや融資に関する相談
- 事業計画・経営計画に関する相談
- 社会保険・生命保険などの相談
- 経理部門の統制システムに関する相談
税務相談は、顧問契約を結んだ顧客からの継続的な相談や、特定の案件に関する都度のアドバイスなどが当てはまります。
税理士の提供するコンサルティングやアドバイザリー業務は、顧客の経営や財務戦略に深くかかわり、その専門知識が経営全般のサポートに活かされます。顧客とやり取りをしながら悩みを解決する仕事なので、税理士の仕事の中でも特にコミュニケーション能力が必要とされる作業です。
税務相談ではさまざまな案件が持ち込まれ、膨大な書類処理が必要になります。
相談を受けるのは先輩税理士の仕事ですが、そのアシスタントとして資料集めや作成・整理、申請書類の作成や提出といった仕事を任されることになるでしょう。
志望動機に盛り込もう! 税理士事務所で求められる3つの人物像
税理士事務所で求められる3つの人物像
- 数字から思考することに強い人
- 忍耐力のある人
- 話の要点を押さえて伝えられる人
税理士事務所での仕事は、その専門性から適性も重要になります。そのため志望動機を書く前に、各事務所が求める人物像をホームページ(HP)から確認しておく必要があります。
しかし税理士事務所の場合、一般企業とは違い、求める人物像が記載されていないケースもあるかもしれません。
そこでこの章では、一般的に税理士事務所で求められる3つの人物像を紹介します。志望動機を書くときには、これらの人物像をイメージしながら書いてみてくださいね。
①数字から思考することに強い人
税理士の業務は、数字を扱うことが基本です。数字から論理的に思考し、お金の流れを解析する力は、税務の問題解決において大きな強みとなります。顧客にわかりやすくお金の流れを説明しなければならない場面も多いため、ただ数字を追うのではなく、全体の流れを正しくつかむ力も必要です。
また基本的なことですが、ミスのない正確な数字の扱いも、顧客の信頼を獲得するうえで不可欠です。そのため数字に強いかどうかは税理士には必須といえます。
②忍耐力のある人
そもそも税理士試験の合格には長時間の勉強が必要なので、高いレベルの忍耐力を要します。しかし、この忍耐力は試験合格後も同様に税理士としての仕事で求められます。
税法の最新情報を常にキャッチアップすることはもちろん、企業の経理に関する資料作成に集中しつつも、決算書の締め切りに間に合わせるなど、地道かつ継続的な努力が必要です。税理士の仕事は、目に見える成果がすぐには表れないこともあり、日々の業務に対する忍耐力が重要になります。
忍耐力を効果的にアピールしたい人は、以下の記事も併せて確認してみてください。6ステップで自己PRを作る方法を解説しています。
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③話の要点を押さえて伝えられる人
税理士と顧客との間では、税務や会計に関する複雑な情報をわかりやすく伝えることが求められます。説明不足やコミュニケーションの欠如は、顧客からの不満につながりかねません。そのため専門的な内容を簡潔かつ明確に伝える能力は、顧客の理解を深め、信頼関係を築くうえで極めて重要です。
また、税理士が顧客の代表として税務署や金融機関との交渉をおこなう場合もあり、ときには提案力も必要です。税理士の業務において、相手の立場を理解して効果的に情報を伝える力は基盤となるので、志望動機でも積極的にアピールするようにしましょう。
相手の立場で考えてコミュニケーションを取れる強みをアピールしたい人は、以下の記事もおすすめです。
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税理士の志望動機の3つの準備を押さえておこう
税理士の志望動機の3つの準備
- PEST分析で事務所の特徴を洗い出そう
- 税理士を目指す理由を言語化しよう
- 社長がどんな人か調べよう
税理士の志望動機は、準備を怠っているようではまず書けません。各事務所の特徴を盛り込んだ志望動機でなければ人事に刺さる内容にはならないからです。
この章では税理士の志望動機を書く前に必要な3つの準備を解説します。事務所研究に役立つフレームワークにも触れているので、参考にしてくださいね。
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「この職種に就きたい!」と思っていても、なぜそうなのか学生時代に培ったスキル・経験を踏まえて伝えるのに苦戦する学生は多いです。
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ぜひ活用して、志望企業の選考を突破しましょう。
(IT業界の場合)
①PEST分析で事務所の特徴を洗い出そう
カテゴリー | カテゴリーに当てはまる例 | 税理士事務所への影響例 |
---|---|---|
政治(Politics) | 税法改正、規制の変化、国際税務協定 | 国際税務サービスの需要増、税務申告の複雑化 |
経済(Economy) | 経済成長率、不況の影響、資本市場の変動 | ビジネスチャンスの拡大、顧客の財務計画への影響 |
社会(Society) | 人口構造の変化、労働市場のトレンド、価値観の変化 | 相続税サービスの需要増、新しい働き方への対応 |
技術(Technology) | 新技術の採用、自動化、情報セキュリティ | 業務効率化、顧客データの保護強化 |
各税理士事務所の業務は、社会の動きと密接に結びついています。税理士を目指す理由を書くにあたっても、まずは自分の志望する税理士事務所を客観的な視点で研究してみましょう。
そこでおすすめなのが、PEST分析です。PEST分析は、外部環境の要素を「政治」「経済」「社会」「技術」の4つの観点から分析するフレームワークで、特定の業界や組織が直面する問題を分析するために広く利用されます。見るべきは、次の4つのポイントです。
政治(Politics)
税理士事務所は、税法や会計基準に関する政府の政策や規制に強く影響されます。政治的安定性、税政策の変更、電子申告の義務化などは、提供するサービスの範囲や方法に直接的な影響を与える可能性があります。
そのため、事前にどのような影響を受けることになりそうなのかを予想できるよう、常に最新情報をキャッチアップする必要があるのです。
税制はどの為政者(政治をおこなう人)にとっても、重要課題です。新たな総理大臣が誕生したら、「新内閣の税制政策は?」が注目されます。税の専門家として政治動向に沿った助言ができるよう、常にアンテナを張ることは重要です。
経済(Economy)
お金に関する業務を担っている以上、たとえば経済が成長すれば新たなビジネスチャンスになり、不況になればマイナスをなくすための税務相談が増えるなど、必ず何か影響があります。
金融市場の状況は顧客企業の業績に影響し、それによって税理士サービスへの需要が変動するので、この観点でも必ず分析しましょう。
税務はビジネスや生活と切り離せないものであり、経済要素と社会要素の重なる部分になります。
たとえば、起業する人や働く人が増えれば税務申告を初めておこなう人が増えてサポートのニーズが増えることになり、税理士の必要性が増すと推測できるため、志望動機にもつなげられるでしょう。
社会(Society)
人口構造の変化をはじめとした社会の価値観や消費者行動の変化は、税理士事務所が提供するサービスやそのニーズに影響を与えます。たとえば、高齢化社会は相続税や退職金に関連するサービスの需要増加を意味するかもしれません。
政治、経済の観点と同様に、社会の変化も仕事に直結する要素といえます。
高齢化による相続事案の増加も考えられ、少子化、物価高など社会情勢の変化によっても税制は変化します。
たとえば、最近のインボイス制度導入は身近で影響の大きい事例です。事業者の経済的課題に最適解の出せるプロの需要は大きいといえます。
技術(Technology)
新技術の登場と業務プロセスの自動化は、税理士事務所の効率性やサービス品質を向上させる機会を提供します。押印のデジタル化やクラウド会計、AI(人工知能)の活用などは業務を変革し、サイバーセキュリティは顧客データの保護においてますます重要になっています。
ほかの業種でも一定デジタル化の影響を受けていますが、特に税理士は書類作成やデータ入力のような地道な作業も多いため、技術によって効率化できる部分はないか常にアップデートする必要があるのです。
FinTech(フィンテック)という金融とITを組み合わせたテクノロジーの一層の発展は間違いありません。そのためAIや機械にできることと人間にしかできないことを考え、高度技術を使いこなしていく人になることが望まれます。
②税理士を目指す理由を言語化しよう
税にまつわる仕事は、財務をはじめとしたさまざまな分野で必要とされているため、関連する職業も幅広いです。税に関する資格が必要な専門職だけでも、税理士・公認会計士がありますよね。
多様な税務にまつわる仕事がある中で、あなたが税理士に興味を持ったきっかけは志望動機の軸になります。たとえば、「家族経営のビジネスを通じて税理士の重要性を実感した」、あるいは「経済学の勉強を通じて税務の複雑さと重要性に気付いた」など、個人的な経験を交えましょう。
自分が税理士に興味を持った具体的な瞬間や出来事を伝えることで、志望動機に説得力を持たせることができます。
税理士を目指す理由の例
- 税理士の仕事に共感を感じたから
- スキルや資格を活かせるから
- お金の動きのグローバル化に目を向けたいから
- 社会的な課題に興味があるから
過去の経験を振り返る方法としては自己分析がおすすめです。次の記事では、自己分析のメリットや具体的な方法、うまくできないときの対処法について解説しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
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自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説
自己分析は就活の明暗を分ける重要なポイント。自己分析をするメリットや自己分析のやり方、注意点などをキャリアコンサルタントが解説します。自分に合った自己分析方法を見つけて選考や企業選びに活かしましょう。
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③社長がどんな人か調べよう
多くの場合、一般企業では社長と直接話すことは少ないものです。しかし税理士事務所の場合、事業の運営や財務に関する相談のため、社長との継続的なコミュニケーションが必要になります。顧客が社長であるケースが多いという意味でも、定期的に事務所の情報の交換やアドバイスが社長と直接おこなわれるケースもあるかもしれません。
特に、小規模から中規模の税理士事務所では、社長との関係が非常に密接になることがよくあります。社長のビジョンや経営哲学を把握することで、志望動機の中で事務所のトップの考え方についての理解を示すことができます。
check! 税理士事務所の代表者は「社長」ではない?
一般企業の場合、その企業の代表者は「社長」や「代表取締役」と呼ばれますが、税理士事務所の場合は代表社員と呼ばれることが一般的です。
そのため、肩書が代表社員とある人の発信やメッセージを探すようにしましょう。
税理事務所の代表について、学生が一番に情報を得るソースは事務所のHPです。
採用ページだけでなく、事務所案内の「代表のメッセージ」や「業務内容」を通じて、経営方針などについて知ることができます。
事前に内容を整理するべし! 税理士の志望動機の構成
事前に内容を整理するべし! 税理士の志望動機の構成
- なぜ税理士を志望するのか
- なぜその事務所を志望するのか
- 税理士としてどのように活躍したいか
税理士の志望動機の場合、詰め込みたい内容が多くなり、内容が散らかってしまう学生が多い傾向にあります。特に文章を書くことに自信がない学生は、どのような構成にすべきなのかわからず不安な人もいるでしょう。
しかし、構成に沿って内容をシンプルに整理すれば、誰でも論理的でわかりやすい志望動機を簡単に作れるので安心してくださいね。この章では、税理士の志望動機の構成を解説します。
志望動機作成にあたり、書き出しと締めくくりは内容全体の印象を左右します。次の記事では、それぞれ志望動機の書き出しと締めくくりについて例文を交えて解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
志望動機の書き出し
例文8選|本気度が伝わる志望動機の書き出しで差別化する方法
志望動機の締めくくり
志望動機の締めくくり例文13選! そのまま使えるテンプレも紹介
①なぜ税理士を志望するのか
まずは、多様な職種の中でなぜ税理士に就きたいのか説明しましょう。経済や金融などのお金にまつわる課題に携われる仕事は数多くあります。その中であなたがなぜ税理士を選んだのか、というポイントに企業は興味があるからです。
税法に関する深い知識を身に付けたい、企業や個人の税務相談に乗り問題解決を図りたい、経済活動における税の専門家として社会に貢献したいなど、自分なりの動機を明確にしましょう。
「お金に関するプロになりたい」「経済活動を支え社会に貢献したい」というだけでは、銀行・証券・保険業界でも良いということになります。
税理士は単に資産形成に寄与するだけでなく、事業の成功を支えることが目的の仕事なので、仕事の意義も踏まえて、なぜ税理士なのかという理由を考えてみてください。
②なぜその事務所を志望するのか
繰り返し説明してきたことですが、税理士事務所にはその事務所ごとの個性があります。
せっかく冒頭で「税理士になりたい理由は〇〇だから」と言い切っても、その事務所でないといけない理由が曖昧だと、志望動機としては説得力に欠けてしまいます。なぜその税理士事務所を選んだのか、事務所が持つ特色や自分との相性、事務所の理念や働く環境など、具体的な理由を挙げましょう。
事務所が扱う業界や顧客層、事務所の規模、働き方、教育システムなど、自分が重視するポイントをもとに選んだ理由を説明するようにしてくださいね。
- 「その事務所でなければいけない理由」がどうしても見つかりません。ヒントになるような考え方のコツはありますか?
比較ではなくその事務所で光る魅力に焦点を当ててみよう
税理士はそもそもが専門的な業務だからこそ、その事務所でしかできない業務というのは見つけづらいかもしれません。
そういうときは、「ほかの事務所と比較して」という切り口はいったん置いておき、「その事務所で○○業務ができる」「その事務所は△△というところが魅力だ」というものをいくつか挙げてみましょう。
それらすべてが揃っていることが、その事務所の魅力であり志望動機になります。
③税理士としてどのように活躍したいか
志望動機で人事が見ているポイントは、「学生が事務所でどのように活躍してくれるか」です。そのため最後に、今後税理士としてどのように活躍していきたいか、自分のキャリアプランや目標を具体的に述べましょう。
たとえば、「専門分野を持ち、特定の業界や問題に特化したアドバイスを提供したい」「中小企業の経営者を支援して地域経済に貢献したい」など、志望する事務所の特色に合わせた内容が理想的です。自分が税理士としてどのような役割を果たしたいかを考えましょう。
キャリアビジョンの考え方・伝え方は以下の記事で解説しています。「キャリアビジョンは何ですか?」と直接的に聞かれることもあるので、以下の記事を見て対策しておきましょう。
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キャリアビジョンとは|就活のプロが意義と描き方を徹底解説!
キャリアビジョンは自分らしく就活を進めるために考えておく必要があります。この記事ではキャリアコンサルタントと一緒に、キャリアビジョンの意味や必要性を解説します。また、キャリアビジョンの描き方や企業への回答方法も説明するので役立ててください。
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- そもそも税理士のキャリアがあまり想像できません。
税理士としてどんな分野で活躍したいをイメージしてみよう
一般的に最初は先輩に付いて補助業務を担当し、やがて自分の担当クライアントを持つことになります。その会社の決算を組んだり、財務諸表を分析して今後について助言し、経営陣と協力してクライアントの事業を発展させる役割を担います。
税理士には、ほとんどの場合得意分野があります。たとえば特定の業界に特化したり、M&Aや相続、海外情勢などの問題の種類や、大企業や中小企業、個人事業主などの事業者の規模に特化していく人もいます。
いずれにしても、自分の目標がかなう事務所であるか、その事務所がどのような特徴の仕事をしているか、どんな先輩が活躍しているかをHPや説明会、OB・OG訪問などで把握し、将来的にどの方向で役立てる人間になりたいかイメージしましょう。
説明会、OB・OG訪問の手順については以下で詳しく解説しています。ぜひ活用して、キャリア形成に活かしましょう。
Web説明会
Web説明会参加マニュアル|服装やメール送信例まで完全網羅
OB・OG訪問
OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅
税理士事務所の志望動機のコツは? キャリアコンサルタントが解説!
税理士の志望動機は、事務所の方向性によっても大きく内容が変わるため、いまいち良いとされる志望動機のイメージがつかみ切れていない学生もいるかもしれません。しかし、不安になることはありません。税理士事務所の志望動機の書き方にはコツがあります。
この章では、就職指導などの経験が豊富なキャリアコンサルタントに、企業の担当者に刺さる税理士事務所の志望動機のコツを聞いてみました。
アドバイザーコメント
遠藤 美穂子
プロフィールを見る確定申告だけではない税理士の役割を理解しているかが重要
税理士を目指して税理士事務所を志望する学生は、専門職としてやるべき業務やキャリアビジョンがある程度明確になっていると思います。
そのうえで、学生を採用する事務所が期待するのは「税理士としての仕事がどのように顧客の役に立つのか、広い視野で考えられているか」ということです。
たとえば、単に確定申告の事務をおこなうだけでなく、それを通じて顧客が本業をおこなう土台を支えているという意識を持っているかなどが重視されます。
採用担当者が重視するポイントに応じた強みをアピールしよう
また、個人の相続から企業の海外進出までのどんな案件でも、専門家としてアドバイスすることが顧客の役に立っているということを考えながら、最新の情報を集めたり学び続けたりする姿勢があるか、などもポイントですね。
たとえば、採用者視点の例として、在学中に簿記の資格を取得している学生にはどのように勉強に向き合ってきたかを聞くことで、その応募者がこれからも税理士試験の合格に向けてコツコツと努力を重ねていけるか判断することができます。
顧客の財産や経理に関する業務をおこなうので、真面目さ、几帳面さなどはもちろん重要な資質ですが、話をじっくり聞くということも業務に含まれるので、傾聴力なども良いアピールポイントになるでしょう。
志望動機は志望度や意欲を測るために面接で聞かれます。次の記事では、ESや履歴書などの書類よりも一歩踏み込んだ面接ならではの対策を解説しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
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事務所の種類別! 税理士の志望動機の例文3選
事務所の種類別! 税理士の志望動機の例文3選
- 一般型税理士事務所
- 専門型税理士事務所
- 総合型税理士事務所
税理士の志望動機は志望する事務所の規模や特徴によって内容がガラリと変わります。そのため、いざ書いてみようと思っても流れがうまくイメージできない学生もいるかもしれません。そんなときは例文を参考にしながら書いてみましょう。
ここからは税理士の志望動機の例文を3つ紹介します。
例文①一般型税理士事務所
一般型税理士事務所の志望動機例文
私が税理士を志望する理由は、大学での経済学の勉強を通じて、企業の経済活動における税の役割とその複雑さに魅力を感じたからです。
特にアルバイト先の小さなカフェでオーナーが税務に関する苦労をしているのを目の当たりにしたことで、専門知識を身に付けて支援したいと強く思うようになりました。この経験から、税理士としてのキャリアに大きな関心を持つようになりました。
貴事務所を志望する理由は、幅広い業種の中小企業からの信頼が厚く、顧客一人ひとりに寄り添った親身なサービスを提供している点に深く共感したからです。
また、事務所が提供する継続的な教育プログラムや、若手職員への実践的な指導体制も、私が専門知識を深め、実務能力を高めていくうえで理想的な環境だと考えています。
将来は税理士として、中小企業の経営者が直面する税務の課題を解決し、その事業発展に貢献できるような存在になりたいです。特にデジタル化が進む中で、IT技術を活用した税務サービスの提供にも積極的に取り組み、顧客の経営効率化に貢献していきたいと考えています。
※AI志望動機作成ツール
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アドバイザーからの例文評価とアドバイス
カフェオーナーの苦労の様子から、税への関心を持ったエピソードはわかりやすくて良いですね。
研修指導の魅力は、充実した環境を活かして「自分がどう努力をしていくか」に話の軸を移した方が良いでしょう。
例文②専門型税理士事務所
専門型税理士事務所の志望動機例文
私が貴事務所の税理士を志望する理由は、国際的な視野を持った税理士として日本だけでなく世界でも活躍していきたいと思ったためです。
そもそも税理士に興味を持ったきっかけは、大学での税法の講義です。授業で学んだ内容を実際のケーススタディに適用する中で、特に国際税務の複雑さとその影響の大きさに興味を持ちました。
さらに、留学生として海外で生活した経験から、異文化間の交流の中で生じる税務上の課題にも関心を持つようになりました。このような背景から、税理士として専門性を深め、国際税務の領域で活躍したいという強い動機を持っています。
貴事務所は、国際税務を専門とし、多国籍企業や海外展開を考える日本企業に対して、高度な税務サービスを提供している点が特徴です。貴事務所が持つ豊富な実績と、グローバルな視点を持った専門家チームの存在は、私が目指すキャリアパスにとって理想的な環境だと考えています。
また、定期的に開催している国際税務に関するセミナーや研修にも大きな関心を持っていて、専門知識をさらに深める絶好の機会だと感じています。
将来的には、貴事務所での経験を活かして、国際的な視野を持った税理士として活躍し、国境を越えた事業展開を目指す企業が直面する税務上の課題を解決することで貢献したいと考えています。
特に異文化理解の経験を活かし、国際的なビジネスシーンにおける税務戦略の策定や、相互理解に基づいたコンサルティングをおこなうことで、顧客の事業成功に貢献していきたいです。
アドバイザーからの例文評価とアドバイス
大学での税法の学びや留学生としての経験が、国際税務という専門分野への志望動機にうまくつながっています。
将来のビジョンもよく書けていますが、少し独立を視野に入れている印象を受けるので、「貴事務所での経験を活かして」を入れなくても良いと思います。
例文③総合型税理士事務所
総合型税理士事務所の志望動機例文
税理士を目指すに至ったきっかけは、大学での会計学の授業でした。
特に、税務に関する講義を受けた際、税法を理解し適用することの重要性に強く惹かれました。また、家族が運営する小さなビジネスで税務申告に苦労しているのを見て、私の専門知識が彼らを支えることができると感じ、税理士という職業への興味を深めました。
貴事務所を志望する理由は、総合型として幅広い税務サービスを提供していて、さまざまな業種の顧客に対応している点に大きく魅力を感じたからです。
多岐にわたる税務の知識と経験を積むことができる環境は、私が税理士として成長するうえで非常に貴重だと考えています。また、貴事務所が持つ豊富な顧客との実績から、実際の税務課題に対する深い理解と解決策を学ぶことができると確信しています。
将来的には、中小企業から大企業まで、幅広い顧客の税務上の問題を解決し、彼らの事業発展に貢献できる税理士になりたいと考えています。
特にデジタル技術を駆使した税務サービスの提供により、顧客の効率化と経済的利益の最大化を実現したいと思っています。
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- 総合型税理士事務所はいろいろな業務があるからこそ、何に絞って書いたら良いかわかりません……。
総合型の特徴を理解してアピールポイントを考えよう
総合型になると従業員数が増え、複数の専門家が在籍していることが想定されます。
そのため、顧客のために協力関係を作っていく力や、自分の得意分野に閉じこもらず広く柔軟性をもって顧客課題に取り組む力をアピールしてはどうでしょうか。
総合型でも、現在どんな顧客からの依頼が多く、どんな特徴があるのかは調べてみましょう。また、事務所代表者の理念・人柄を調べ、共感したポイントを伝えるのもアピールになります。
税理士のNGな志望動機の3つのパターン
税理士のNGな志望動機の3つのパターン
先ほど紹介した3つの例文を見て、税理士事務所の志望動機のイメージはかなりついたのではないでしょうか。もうすでに志望動機を書き上げられた人もいるかもしれません。
しかし、志望動機を書き上げることに必死になると、無意識にNGな要素を盛り込んでいることもあります。せっかくこだわったのにマイナス評価を受けてしまうのはもったいないので、この章で紹介する税理士のNGな志望動機も参考に見直してみてくださいね。
NG例文①応募理由が税理士に関連していない
応募理由が税理士に関連していない例文
税理士事務所への志望を決めたのは、税理士であれば幅広いキャリアへのチャレンジができると思ったからです。
大学時代は経済学を専攻していましたが、特に税理士になることは考えていませんでした。しかし、卒業後に就職活動をしている中で、お金のプロフェッショナルであるこの道を選ぶことにしました。
現在はまだ具体的に税理士の仕事内容について深い知識はありませんが、経済学のバックグラウンドがあるため、これから勉強も頑張っていきたいと考えています。
アドバイザーが解説! 例文のNGポイントと改善する方法
税理士業務についてのモチベーションも理解も足りない印象です。税理士の仕事について十分理解したうえで、「本当に税理士になりたいか?」から考え直すべきです。
税理士が魅力的な仕事だと感じたなら、それを第一の理由として書き直してみましょう。
NG例文②給与や待遇を前面に押し出している
給与や待遇を前面に押し出している例文
貴事務所を志望する最大の理由は、業界内での高い給与水準と充実した福利厚生に魅力を感じたからです。
また、勤務地が自宅から通いやすい場所にあることも大きな決め手となりました。もちろん、税理士としての専門性を高めることにも興味はありますが、現実的には生活を支えるためにも給与や労働条件は非常に重要な要素です。
税理士の仕事を通じて社会に貢献することも目指していますが、ワークライフバランスも重視した仕事選びを実現したいと思っています。
アドバイザーが解説! 例文のNGポイントと改善する方法
通いやすさ・待遇・労働時間は、求人を絞り込むときに使う条件なので、志望動機として押し出すのはおすすめできません。
応募先研究の中で雰囲気、理念、専門性などを確認し、「しっくりきた」「ここなら頑張れそう」と思った理由を、志望動機として伝えましょう。
志望動機のエピソードに待遇の良さを盛り込みたいという人は、以下のQ&Aコンテンツもおすすめです。志望先の安定性に惹かれた場合の伝え方をキャリアコンサルタントが解説しています。
NG例文③資格のことだけを強調している
資格のことだけを強調している例文
私が税理士事務所への就職を志望するおもな理由は、税理士という資格を取得することにあります。大学で会計学を専攻して以来、税理士の資格は私のキャリアにおいて非常に重要なステップだと考えています。
資格取得に向けて、勉強してきた知識を実務で活かすことができる環境を求めていて、貴事務所での実務経験がそのための最適な場だと思っています。確かに、税理士としての仕事内容や顧客へのサービス提供にも興味はありますが、現段階では資格取得が私の最優先事項です。
将来的には、税理士として多くの顧客を支援することも視野に入れていますが、まずは資格取得に専念したいと考えています。
アドバイザーが解説! 例文のNGポイントと改善する方法
資格取得が最優先事項と言い切っているところが問題です。資格取得が優先ならば、勉強に集中する方が良いでしょう。
お金をもらって業務をおこなう以上、顧客へ税務サービスを提供するという意識は資格がない今のうちから持っていてほしいですね。
独自性のある税理士事務所の志望動機で憧れの税理士になろう
税理士の仕事は単に税務申告や経理業務に限定されると考えられがちですが、実際にはその活躍の場はもっと広範囲にわたります。
企業内税務部門から、公務員としての税務関連職、または専門的な税理士法人やコンサルティングファームに至るまで、税理士として活躍できる場は幅広いです。だからこそ、税理士の志望動機は事務所に合わせた独自性が重要になります。
就職活動における志望動機は、単に働きたい場所を選ぶだけではなく、自分が税理士としてどのような専門性を深めたいのかを示す貴重な機会です。自分の強みやキャリアビジョンをはっきりとさせ、それを事務所の特徴と絡めることで独自性は作れます。説得力のある志望動機を作って、税理士になる夢をかなえましょう。
アドバイザーコメント
吉野 郁子
プロフィールを見る税理士の志望動機は社会的意義を認識したうえで書き上げよう
「税とは何か」を改めて考えると、非常に壮大な話になります。飛鳥時代の「租・庸・調」から税の長い歴史は始まり、日本国憲法にも定められた国民の三大義務の一つとなっています。
また企業を支える三大要素「ヒト・モノ・カネ」の一つであり、「払いたくはないが、ないと社会が成立しない」と、人間として複雑な感情をはらむものといえるでしょう。
難しく大変な仕事が多いからこそ努力し続けることが求められる
税理士事務所を志望する時、「知的でかっこいい」「安定していそう」「民間企業と違って穏やかでのんびりしていそう」などのイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、難しい分野だからこそ、一筋縄ではいかないことが現実にはたくさんあるでしょう。
節税という経営の大切な課題を預かり、脱税という信頼を損ねる行為から企業を守り、変化の目まぐるしい税制の中で専門家として任務を担うのは、簡単なことではありません。
頭脳だけではない、人間としての肝の座りが問われる場面もたくさんあるでしょう。そういった意味でもとても大変ですが、大切な社会的意義のある仕事といえます。人生をかけて、努力を続ける甲斐がある仕事です。志望動機でもそれを意識し盛り込んでみましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/キャリア・デベロップメント・アドバイザー
Rie Kuwata〇2018年にキャリアコンサルタントとして独立。企業対象の研修講師や各学校でのキャリアカウンセラーを経てハローワーク就職支援ナビゲーターを務め、年間約3,000名の相談を受けている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/公認心理師
Ikuko Yoshino〇就職支援歴18年。若者就労支援NPOに勤務の後、独立。現在は行政の就職支援施設にて、学生/既卒/フリーター/ニート/ひきこもり/女性などを対象に相談やセミナー講師を担当
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Mihoko Endo〇メガバンクで法人営業や新人研修講師、採用面接に携わる。現在は「その人らしさを引き出すカウンセリング」をモットーに、大学での就活支援、社会人向けキャリア開発研修をおこなう
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