この記事のまとめ
- 県庁の志望動機を作成する際は仕事内容と果たすべき役割の理解が必須
- 県庁の志望動機は4ステップで誰でも魅力的に作れる
- 地元愛だけの志望理由はNG! パターン別・職種別の例文を7つ紹介
県の行政事務を取り扱う県庁ですが、県庁職員の仕事に興味があっても、なかなか実務がイメージできずに「県庁の志望動機はどのように書けば良いのだろう」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
「地元で働きたい」「志望している県が好き」といった内容だけの志望動機では、正直県庁への就職は難しいでしょう。県庁の職員でなくてはならない理由を明確にし、説得力のあるアピールをしましょう。
この記事では、キャリアアドバイザーの加藤さん、野村さん、増田さんのアドバイスを交えつつ、県庁への就職をかなえる方法を解説します。県庁の職員に興味のある学生は、具体的かつ自分だけの志望動機を作成するためにもぜひ参考にしてみてくださいね。
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安定や地元愛だけではNG! 県庁の志望動機は入念な準備が必須
就活で必ず質問されるといっても過言ではない志望動機ですが、ほかの学生と差別化できる内容にするためには、県庁の特徴や取り組みをしっかりと把握し、自分がどのように貢献していきたいかをアピールしていく必要があります。
この記事では、まず県庁のおもな職種を解説します。志望動機を考える前に、まずは仕事内容の理解を深め、自分が働くイメージをしてみましょう。
そのうえで志望動機の構成や内容をまとめるための準備を解説します。採用担当者に伝わりやすい志望動機を作成するためにも、事前に入念な準備をしてください。
さらに最後にはパターン別・職種別の志望動機例文も紹介するので、ぜひ自分に合うものを参考にして、熱意が伝わる志望動機を作成しましょう。
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仕事理解を深めよう! 県庁のおもな職種と仕事内容
県庁のおもな職種と仕事内容
- 行政職
- 技術職
- 免許資格職
- 警察関係職
県庁で働きたいと考えていても、「仕事内容があまりピンと来ていない……」という人もいるのではないでしょうか。
説得力ある志望動機を作成するためには、まずは仕事内容を正しく理解している必要があります。なぜならば、仕事内容を理解していない状態で志望動機を作成すると、自分が県庁で何がしたいのか、どのような面を活かしたいのかなどが曖昧になってしまうためです。
ここからは、県庁職員の4ジャンルの仕事内容を解説します。働く姿を具体的にイメージしながら見ていきましょう。
①行政職
行政職は特定の部門や分野に限らずに、県行政のさまざまな事務業務に従事する職種です。各県庁によって担当する仕事内容は異なりますが、基本的には以下の業務に従事します。
行政職種の仕事内容例
- 各種施策の企画・立案・広報
- 生活保護のケースワーク
- 公共事業の用地交渉
- 法令等に基づく許認可
- 国・市町村との連絡調整
- 県税の賦課徴収などの業務
- 予算決算経理
- 庶務
- 人事労務
職務の範囲は県行政のあらゆる分野にわたり、定期的な異動もあるため、幅広い知識や県民のニーズを的確に捉えて対応する能力も求められます。そのため、幅広い業務で経験を積み成長したいという人に適性のある職種です。
- 県庁の事務職と一般企業の事務職で異なる点はありますか?
県庁と一般企業では仕事の目的や役割が異なる
県庁の事務職と一般企業の事務職の違いは、それぞれの組織での仕事の「目的」と「役割」で考えるとその違いがわかりやすいでしょう。
たとえば県庁の事務職は、地域社会に奉仕し住民の福祉や地域振興に貢献することが目的です。
一方で、一般企業の事務職は企業の事業運営や業績の向上が目的であり、その企業が扱う商品やサービスの効率的な運営にかかわることが仕事となります。
選ぶ際には、自分がどのような価値観や目的で働きたいかを考え、具体的な業務内容や挑戦できる分野をリサーチして、自分に合った職場を見つけましょう。
県庁の行政職を志望している人は、こちらの記事も併せて参考にしてください。行政職の仕事内容は事務職と共通する点が多いので、志望動機のポイントを詳しく理解することができますよ。
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②技術職
技術職は、自分の専門知識や技術を活かしながら、県をより良くするために働く職種です。異動はありますが、専門分野に関する業務を担うため、行政職種と比較すると異動の範囲は狭くなります。
技術系職種の種類例
- 福祉・心理
- 総合土木
- 建築
- 化学
- 農業
- 畜産
- 林業
- 水産
- 電気
- 工業化学
- 電子
技術職を受ける際は、自分のスキルをどのように活かして貢献したいのかを明確に伝えられるように準備しましょう。さらに、そのスキルを得る過程での気付きや経験も交えて伝えられると、より説得力が増します。
また、技術職は行政職よりも採用人数が少なく、年度や県によって採用の有無が異なるため、採用情報をよく確認しておいてください。
技術系職種における県庁でのやりがいは、大学で学んだ知識や内容を直接活かせるということと、国民が安心して暮らせる社会基盤を作る仕事をしているということでしょう。
大変な部分は、県民を守るという壮大なプロジェクトにかかわっているので、プレッシャーを感じる場面が多いことが挙げられます。
③免許資格職
免許資格職は、従事するために免許や資格が必要となる仕事です。医療系の資格を持つ人は県立病院、臨床心理士などの福祉系の資格を持つ人は児童相談所など、県庁以外の場所で働くこともあります。
免許資格職の種類例
- 薬剤師
- 保健師
- 管理栄養士
- 臨床心理士
- 獣医師
- 司書
- 保育士
免許資格職を受ける際は、必要な資格や免許をすでに取得しているか、取得見込みがあることが必須です。資格や免許を持っていることが前提であり、それだけではほかの学生と差別化できないため、どのように資格を活かして将来的に何を実現したいのかを明確に伝えられるようにしましょう。
- 県庁の免許資格職と一般企業の免許資格職で異なる点はありますか?
業務範囲以外にも仕事で期待される役割が異なる
一般企業では、対象となる層や分野がある程度限定的であるのに対し、県庁職員は分野も対象者も広範になることが考えられます。
県庁職員の場合は、現場に出て県民に接する仕事より、市町村を跨いだ地域の課題にどう対処するかといった事業づくりの方が多く、民間より幅広い知識が求められることもあります。
そういった職種であることから、最前線に立って活躍するというよりは、裏方的な仕事が好きな人に向いています。
また専門職で入職しても、ほかの職員との公平性から一般職へ異動になる県もあるので、あらかじめ調べておきましょう。
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④警察関係職
警察関係職は、県民の安心安全な暮らしを守るために働く職種です。具体的には警察官や警察事務が挙げられ、配属先はおもに以下のような選択肢があります。
警察関係職のおもな配属先
- 警察本部
- 県内警察署
- 免許センター
- 警察学校
配属後は、犯罪の防止・捜査、被疑者の逮捕、交通安全指導・取締、パトロール、災害時の救助活動などに従事します。
警察関係職は、県民の生活を守るという使命感や高い倫理観が求められる職種です。志望動機ではどのように警察という役割で県に貢献したいのか、仕事への熱意を具体的に伝えることが大切です。
警察官の志望動機をどのように書いたら良いかわからないという人は、以下の記事もおすすめです。魅力的にアピールするためのコツを解説しています。
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就職支援のプロに聞いた! 県庁だからこそ志望動機で重視されている点は?
県庁のおもな職種と仕事内容を把握して働くイメージが少しついたところで、いよいよ志望動機の作成の準備をはじめましょう。
魅力的な志望動機を作成するためには、自分の志望理由を簡潔にまとめることも大事ですが、採用担当者が志望動機で何を知りたいのかを把握することが重要です。ただ自分の熱意を押し出すのではなく、採用担当者の意図に沿った回答をすることでより効果的にアピールできますよ。
ここでは、行政関連での就業経験もあるキャリアコンサルタントの増田さんに、県庁だからこそ志望動機で重視されてるポイントを聞いてみました。参考にして、志望動機で明確に答えられるようにしておきましょう。
アドバイザーコメント
増田 綾子
プロフィールを見る県庁の選考では市町村より広い視点で対応できる人材かが見られている
市町村の職員の場合は、その地域内にある課題の解決や新たに必要となる事業を実施しますが、県庁職は対象となる地域が広がるため、市町村より幅広い分野、かつ県ならではの対応が求められます。
また、市町村が市民生活に密着しているのに対し、県庁は現場より庁内で書類仕事をすることの方が多いです。実際に入職すると「こんな仕事もあるのか」と思うこともあるでしょう。
国と市町村とのつなぎ役でもあるので、ときにはスケールの大きい事業や社会に変革を起こすような施策の実行にかかわる可能性もあります。民間企業ではそういった事業に携われるところは限られるので、県庁職ならではの手応えや、やりがいを感じられる可能性もあります。
どんな仕事でも県民のためという気持ちで取り組める人が求められる
県庁職は数年での異動が前提の職場であり、あまり得意でない部署に配属されることもあります。
どんな部署に配属されても、県民の生活を支える大切な仕事であるという思いを持って前向きに取り組める人こそ、求められる人材といえるでしょう。
市役所の志望動機で重視されている点と比較したいという人は、以下の記事も併せて確認してみてください。
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市役所の志望動機は民間企業と異なり難しいものです。記事では地元・地元以外にかかわらず、誰でも市役所の志望動機を作れる方法をキャリアコンサルタントとともに解説します。よくあるNGも解説するので、魅力的な志望動機を作成して合格をつかみましょう。
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特別な動機がなくても大丈夫!
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準備必須! 県庁の志望動機を作成する前にやっておきたいこと
県庁の志望動機を作成する前にやっておきたいこと
- 県庁の役割を把握する
- 求める人物像を把握する
- ほかの県庁との違いを明確にする
- 職種ごとのキャリアパスについて調べる
キャリアコンサルタントの意見も踏まえて、県庁職員の役割や志望動機で重視している点の理解が深まってきたのではないでしょうか。
ここからはいよいよ志望動機作成を進めましょう。まずは、志望動機を作成する前にやっておきたいことを4つ解説します。以下を参考にして、ほかの学生と差別化できる志望動機を作成しましょう。
県庁の役割を把握する
県庁でなくてはならない理由を志望動機で伝えるためには、県庁の役割を正確に把握していることが重要です。
「地域の人のために働きたい」「地域を良くしたい」という思いを持って、県庁を志望している学生も多くいると思います。しかしその思いだけをアピールしてしまうと「民間企業や市区町村でも叶えられるのではないか」と懸念されてしまう可能性があり、説得力に欠けてしまいます。
民間企業でもなく、市区町村でもなく、なぜ県庁なのかを明確にするためには「県庁の役割」を理解している必要があるのです。さまざまな見方がありますが、県庁であれば市区町村では対応できない課題に取り組めたり、県全体を見ながら広く効果的な施策を実施できたりするなどの役割があります。
県庁の役割を理解するためには、県庁だけに目を向けずに、ほかの公務員や民間企業の知識も深めることがおすすめです。広い視野を持って多角的に捉えることで、県庁の役割が見えてくるはずです。
それぞれの地域性に合った施策を実行できる点で、国より身近でありながら、個々の市町村では対応しきれない課題により広い視野で解決策を実行していくのが県です。
対象範囲が広いからこそ、地域課題の解決だけに留まらず、社会への新たな動きを創り出せる可能性も持っています。
県の規模だからこそ、こんなことが必要で、こんなことができる、という視点で自分なりの県庁の役割を考えてみましょう。
県庁を志望しつつ、民間企業を併願している人もいるでしょう。以下の記事では両立を成功させるコツを詳しく解説しているので、併せて確認してみてください。
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求める人物像を把握する
各県庁のホームページ(HP)や採用ページには求める人物像が記載されていることが多いので、まずは志望している県庁がどのような人物を採用したいと考えているのかを把握しましょう。
ただし、自分を偽って求める人物像に合わせる必要はありません。選考の途中で矛盾が生じてしまう可能性が高いうえに、運良く内定が出てもその後のミスマッチで苦労してしまうこともあるためです。
求める人物像と自分の重なる部分をアピールすることで、自分が企業とマッチしていることをしっかりアピールできます。
公務員の面接では、「公務員に求められる能力」について質問される場合もあります。以下の記事でどのような質問がされるのか把握して、対策を進めましょう。
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ほかの県庁との違いを明確にする
県庁はそれぞれの特色や取り組みが異なるため、ほかの県庁との違いを把握している必要があります。
違いが明確になっていないと、「県庁で働ければどこでも良いのではないか」と懸念されてしまう可能性もあるため注意してください。
ほかの県庁との違いを把握するためには、現地に訪れてみるのはもちろんですが、遠くてなかなか現地に訪れることが難しい場合はアンテナショップに行ってみるのもおすすめです。
県の特産品や取り組みを見るだけでも現地の雰囲気を感じられますが、Iターン・Uターン希望者の相談コーナーがある場合もあり、直接職員の話を聞ける可能性もあります。
県庁の特色や魅力をしっかり捉えたうえで、その県庁だからこその理由や今後の展望をアピールしましょう。
ほかの県庁との違いを明確にする際にどこに注目したらよいのかわからない人は、こちらの記事も併せて参考にしてみてください。
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職種ごとのキャリアパスについて調べる
先ほども紹介したように県庁の職種はおもに4つあり、それぞれでキャリアパスは異なります。
たとえば行政職の場合、3~4年に1回程度で異動を繰り返すキャリアが一般的です。県庁のどんな分野の仕事も対応できるゼネラリストのような立ち位置を期待して配属されるため、異動によってまったく違う仕事を経験する可能性も高いでしょう。
一方で、技術職や免許資格職は一定専門分野が決まっているため、異動があったとしてもまったく違う分野の仕事をすることは少ないといえます。
このように、職種によって新しいことに積極的にチャレンジできるのか、専門性を高められるのかはかなり変わってきます。自分の将来像とキャリアパスの特徴も考慮したうえで、どの職種を希望するのか判断しましょう。
アドバイザーコメント
野村 芳克
プロフィールを見る志望する県庁をあらゆる角度から分析して志望動機を固めよう
県庁への志望動機を書く前の準備で重要なポイントは、志望する自治体の分析だと思います。
志望先分析の第一歩として、まずはその県庁の仕事やプロジェクトなどをHPなどでリサーチしてみましょう。実例を知ることで、自分の志望動機もより具体的になります。
それができたら、その県庁が大切にしている価値観や理念を県知事の言葉や広報物なども利用して理解し、自分の経験や得意なことと関連付けてみましょう。県庁で活かせる自分の強みを明確にすることで、採用担当者へのより良いアピールにつながります。
また、 ほかの県庁との違いも理解しておくこともポイントです。その県庁が大事にしているポイントを押さえて、自分がどう貢献できるかを考えてみましょう。ほかの応募者との違いを出すことで、あなたのユニークさが際立つはずです。
練習をして自分に自信を持つと志望動機の内容もより良いものになる
県庁への貢献度を考えることに加えて、自分としての将来のビジョンを考えることも忘れてはいけません。県庁の仕事がどれだけあなたの成長や目標に寄与するかを考え、それを言葉にすることで、ポジティブで前向きな姿勢をアピールするために役立ちます。
そして最後は、自己PRを面接でアウトプットする練習をして、自分に自信をつけましょう。自信がつくことでさらに素敵な志望動機になり、心からアピールできるでしょう。
4ステップで誰でも作成できる! 県庁の志望動機の構成
4ステップで誰でも作成できる! 県庁の志望動機の構成
- 県庁職員を志望する理由
- その県庁でなければならない理由
- その職種を志望する理由
- 入職後に自分が貢献できること
4つの準備を完了させて、いざ県庁の志望動機を書いてみようと思っても、実際にどのように書いたら良いのかわからない人もいるのではないでしょうか。
採用担当者に伝わりやすい志望動機を簡単に作成するためには、構成に沿って考えていく方法がおすすめです。
ここからは県庁の志望動機を作成する方法を4ステップで解説していきます。参考にして、自分らしい魅力的な志望動機を作成してくださいね。
①県庁職員を志望する理由
まずは、なぜ公務員の中でも県庁を志望するのか結論から簡潔に伝えましょう。地域や人の役に立つ仕事であれば、民間企業でも当てはまる企業が多数あるかもしれません。だからこそ、県庁ではなくてはならない明確な理由を述べることが重要なのです。
結論から伝える方法をPREP法と言い、このフレームワークを活用することで相手に自分の思いが伝わりやすくなります。
PREP法とは
結論(Point)、理由(Reason)、具体例(Example)、結論(Point)の頭文字をとったもので、話を展開するフレームワークのこと
志望動機だけでなくどのような質問でも、相手が話の内容を理解しやすいように、まずは結論から回答することを意識して、採用担当者が「具体的にもっと話を聞きたい」と思うような内容を作成しましょう。
PREP法は、結論から伝えることで相手にもわかりやすく自身の強みをアピールできるので、自分としても自信が持てる伝え方だと思います。
その結果として、面接の際にポジティブな印象も残せるため、ぜひ使ってみてください。
採用担当者を惹きつける志望動機を作成するうえで、書き出しは特に重要です。こちらの記事も併せて確認してみてください。
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例文8選|志望動機の書き出しで本気度を見せ差別化する方法
志望動機の書き出しは、志望動機全体を印象付ける大事な部分です。書き出しのコツは「本気度」を伝えること。書き出しの基本的な考え方や高評価を得るコツ、やりがちな失敗についてキャリアコンサルタントとともに解説します。そのまま使える便利なフォーマットも紹介しているので、参考にしてください。
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②その県庁でなければならない理由
県庁ではその地域に住む人たちのために働くことになるため、なぜその地域が良いのかはとても重要です。その県の「〇〇なところに問題を感じているため、改善する取り組みにかかわりたい」「〇〇なところが魅力のため、その政策に携わりたい」など具体的に伝えましょう。
そして、その県庁だからこそ働きたいと伝えるためには、県庁の特色や政策内容をしっかり理解している必要があります。
インターネットで研究するだけでなく、実際にその県に訪れてみたり先輩職員に話を聞いてみたりして、そこで感じたことを交えて伝えると説得力ある志望動機になります。
県庁の特色を調べる方法
- 県庁のHPを見る(採用ページや観光情報、県の計画・施策など)
- 実際にその県に訪れる
- 県に住む人や働く人に話を聞く
- 先輩職員に話を聞く
その県庁だけの価値を見つけるためにOB・OG訪問を検討している人は、以下の記事で手順を確認しておきましょう。
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OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅
OB・OG訪問は社員のリアルな声を聞ける貴重な機会です。万全の準備をして最大限に活用しましょう。この記事ではOB・OG訪問の準備方法やマナーなどについてキャリアコンサルタントが解説します。OB・OG訪問を実施し、就活を成功させましょう。
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- その県庁だからこその志望理由が思い浮かびません。志望動機を考えるポイントがあれば教えてください。
志望する県庁や地域に感じている思いを深掘りしてみよう
志望動機の理由が思い浮かばないときは、「なぜその県を志望しているのか」「ほかの県でも良いのか」を改めて自分に問いかけてみてください。仕事に直結する内容でなくても、何かしらの答えは自分の中にあるはずです。そして、その答えを大切にしてください。
そのうえで、改めて志望している県庁の施策を調べたり、行けるのであれば直接応募する県に足を運び、何かしら感じるものがあれば忘れずメモをしてみましょう。
自分で考えや想いを整理するのが難しいのであれば、学内のキャリアセンターに行き、その件を志望している思いや調べて感じたことから志望動機をまとめていきましょう。
③その職種を志望する理由
応募先の地域への魅力だけでなく、なぜその職種なのかの理由も忘れずに伝えましょう。
前述のとおり、職種によって仕事内容もキャリアパスも大きく異なります。その違いを理解したうえで志望しているということが伝えられないと、面接官に「将来的にミスマッチが起きてしまうのではないか」と懸念を抱かれてしまう可能性もあるので、職種へのこだわりは重要なのです。
もし職種ごとの理由が思いつかない場合は、職員のインタビュー記事や動画を参考にするのもおすすめです。もし志望する県庁にそのような情報がない場合は、仕事のイメージをつけるためであれば別の県庁のコンテンツを参考にしてもかまいません。
県庁だけのやりがいや特徴をリアルな声からイメージすることで、なぜその職種にこだわるのかが言語化しやすくなるのです。
④入職後に自分が貢献できること
最後に、県庁で働くことによって将来的に何を実現したいのか、それによってどのように県庁に貢献できるのかを伝えましょう。
採用担当者に「今後活躍してくれそうな学生だな」というイメージを持ってもらうためには、自分の強みを県庁でどのように活かして貢献したいと考えているのかを明確に伝える必要があります。
自分の将来像を具体的に言語化できると、目標を持って就活に取り組んでいることをアピールできるため、志望度の高さや熱意が伝わりやすくなります。自分の将来像と県庁でできることがリンクしていることを最後にアピールして、志望動機を締めてください。
志望動機の締めくくりの書き方については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せて参考にしてみてください。
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志望動機の締めくくり例文13選! そのまま使えるテンプレも紹介
志望動機は締めくくりが大変重要であり、全体の印象を左右します。志望動機の締めくくりの基本ルールをと伝えるべき内容を押さえましょう。この記事ではキャリアコンサルタントと、すぐに使える便利なテンプレートや例文も併せて解説するので、参考にして選考を突破しましょう。
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例文4選! パターン別の県庁の志望動機を紹介
これまで県庁の志望動機の準備方法やおすすめの構成について解説しましたが、まだ「具体的にイメージできない」という人もいるのではないでしょうか。
ここからは、県庁の志望動機の例文をパターン別に4選紹介します。例文を参考にして、自分ならどのような内容にするかイメージしながら見ていきましょう。
地元の県庁を志望している場合の志望動機例文
志望する県庁が地元の場合の志望動機
地元の県庁を目指す場合は、地元だからこそ知っている魅力や感謝の気持ちなどを伝えると、自分だけのエピソードが語れるため、より説得力のある志望動機になります。
ただし「地元を良くしたい」「地元に貢献したい」という思いだけでは決め手に欠けてしまうこともあります。地元への情熱をどのように仕事へ転換させるのかをアピールできる内容にしましょう。
例文①地元に貢献したい
例文①地元に貢献したい
私は生まれ育った地元に貢献したいため、〇〇県庁を志望します。
海外に留学した際に、日本の歴史や文化は外国人から根強い人気があることを知り、歴史遺産や文化が先人から大切に守り伝えられてきている〇〇県を、もっと多くの人にアピールしたいと考えるようになりました。
また、帰国後に現地でできた外国人の友人を実家に招き、〇〇県のおすすめスポットを巡る旅をした際も大変喜んでもらい、すでに観光で有名な〇〇県ですが更なる可能性を秘めていると実感しました。
外国人観光客がさらに増えることで、経済効果だけでなく地域活性化にもつながり、幅広い面でプラスの影響を及ぼすと考えています。
海外留学で培った国際感覚を活かして、〇〇県の活性化や人々の貢献につながるような仕事に携わり、生まれ故郷である〇〇県の役に立ちたいです。
就職支援のプロがアドバイス! 例文の評価と改善点
なぜその県庁を志望しているのか、エピソードを交えてしっかりと書けていてすばらしいです。
例文の「更なる可能性」のところを、どのような可能性を感じているのかを言語化できると、相手により深く伝わる志望動機になると感じます。
例文②地元の魅力を広めたい
例文②地元の魅力を広めたい
私が〇〇県庁を志望する理由は、地元である〇〇県を広めたいと考えているためです。
私は高校から他県に進学したため、一度〇〇県から離れました。そこで感じたことは、残念ながらまだ知名度が低いということです。
友人からも「〇〇県は何が有名なの?」「〇〇県に行ったことない」などの話を聞くことが多くあり、自分の愛着のある県の魅力が十分に伝わっていないことに残念に感じました。
〇〇県は海も山もあり、すばらしい地産品や観光スポットがいくつもあります。しかし、市や町単体ではPRしきれずに、埋もれているものもあるように感じています。
そのため入職後は、大学時代に研究したマーケティング戦略やプロモーションの知見を活かし、すでにある一つひとつの魅力をつなぎ合わせ、新たな価値を生み出す仕事がしたいと考えています。
キャリアコンサルタントが解説! 例文の評価と改善点
志望理由の具体性、地元愛とその魅力を広めたい強い思いも伝わり、自身の経験や専門知識を地域プロモーションへ活かしたいアピールも良いですね。
県の特徴や魅力として、具体的な地産品や観光スポットをどうPRしたいかが加われば完璧だと思います。
地元以外の県庁を志望している場合の志望動機例文
志望する県庁が地元以外の場合の志望動機
地元以外の県庁を受ける際、地元の県庁を志望する際よりも志望理由の納得感が重要なので、なぜ地元ではない場所の県庁を選んだのかを明確にアピールする必要があります。
今まで縁がなかった県庁を志望する際は、インターンシップや説明会に参加したり現地に訪れてみたりと積極的に行動し、そこで得た知識や体験を盛り込んだ内容の志望動機を作成すると説得力が増します。
- 県庁職員として応募する際、地元出身でないと不利でしょうか?
その地域の出身ではなくても不利にはならない
結論から言うと、不利ではないと思います。
地元ではないからこそ、見えていることや感じていることなどがあるのではないでしょうか。その部分をしっかりと面接の際に、伝えられるように整理しておきましょう。
ほかにも、現地に長期滞在する機会を増やしたり、地元の人と積極的に交流したりして、応募する県のことを深く知る行動を意識できると良いですね。
公務員のインターンに興味がある人は、以下のQ&Aコンテンツも併せて確認してみてください。キャリアコンサルタントが公務員のインターンの重要性について解説しています。
例文③県庁の取り組みに惹かれた
例文③県庁の取り組みに惹かれた
私が〇〇県庁を志望する理由は、高齢者の生活向上への取り組みに惹かれたためです。
私は大学で社会学を学び、身近な社会問題として「高齢者の免許返納の義務化」について考察した経験があります。その際に感じたことは、安全を守るために返納するだけではなく、返納することで困る人を救う仕組みも考えなければならないということです。
その中でも〇〇県では高齢者の免許返納率が高く、バスやタクシーの割引チケット配布や移動スーパーの拡充、訪問看護の規模拡大など利便性を向上させるための取り組みに力を入れていることを知り、大変魅力に感じました。
インターンシップに参加した際にも、施策によって困る側となる方へも適切な取り組みを進めていくというお話を伺い、広い視野で施策を展開していく仕事にやりがいを感じました。
私も〇〇県庁の職員として、住民の方が安心で快適にすごせる街づくりにかかわれるよう、大学時代の知識も活かしつつ施策の提案に挑戦していきたいです。
就職支援のプロがアドバイス! 例文の評価と改善点
高齢者向けの施策を通して幅広い県庁の仕事を知ったというエピソードは、わかりやすくてとても良いと思います。
大学時代に学んだ社会学の中から、安全で快適にすごせる街づくりにつながる部分があれば、最後の文章にもう少し加えておきたいですね。
例文④災害に強いまちづくりに貢献したい
例文④災害に強いまちづくりに貢献したい
私が〇〇県庁を志望するのは、被災地でのボランティア経験を活かし、自然豊かな〇〇県をより安全で住みやすい街にしたいと考えたためです。
私は大学時代土木工学を学び、地震工学について研究するゼミに所属していました。そこでは、被災地に視察に行きボランティア活動をすることもあります。被災地に足を運んだり土木の重要性を学んだりするうちに、より防災・減災の取り組みに力を入れて人々の命や財産を守りたいと考えるようになりました。
〇〇県は豊かな自然が多くありますが、自然はときに厳しくもあります。特に高齢者の割合が多い地域が多い〇〇県の北東部では、より防災意識の強化が重視されると考えています。
そのため大学時代の経験や知見を活かし、〇〇県の住民がより安心して暮らせるように貢献していきたいと考えています。
キャリアコンサルタントからの例文の評価とアドバイス
PREP法でしっかりと書けていて、具体的でわかりやすい内容です。
大学で学んでいることや経験したことを絡ませて記載していることもすばらしく、しっかりとどの地域に高齢者の割合が多いかなども事前に調べて記述できている部分も高く評価できますね。
やりたい仕事が決まっているなら! 県庁の職種別の志望動機例文
県庁の職種別の志望動機例文
4つの例文を見て、志望動機の伝え方がイメージできた人も多いのではないでしょうか。しかし、なかには専門的な職種を目指しているため、職種に特化した例文も参考にしたいという人もいるかもしれません。
そこで、技術職や免許資格職、警察関係職などの職種を目指す人向けに3つの例文を紹介します。目指す分野が異なる場合でも、全体の流れなどを参考にして、自分の志望動機をより磨いていきましょう。
例文①技術職の心理分野
例文①技術職の心理分野
私はどんな環境で育った子どもでも笑顔でいられるようなサポートがしたいと思い、心理職を志望しています。
このように思うようになったのは、大学の心理学の授業がきっかけです。その授業では、幼少期の生活環境がどの程度今の自分に影響を与えているのかという内容で、正直そこまでの影響はないと思っていたのですが、振り返ってみると価値観の根幹となるものが幼少期に形成されていることがわかりました。
この授業を受けて子どもに対する心理学への興味が湧き、実習でも児童相談所を希望して実務について学びました。その中で職員の方が「どんな境遇だったとしてもその子の人生が良くなるようなサポートをしていきたい」とおっしゃっていて、とても共感したのと同時に自分もその手伝いがしたいと思いました。
また説明会の際に、県の児童相談所は市町村の児童相談所よりも専門的なケースを扱うことが多いと伺ったので、どんな子どもでも笑顔にできるようなサポートが県庁であればよりかなえられると思いました。
入職後は、まずは任せていただけることは丁寧に対応し、ゆくゆくは専門性の高いケースも「○○さんであれば任せられる」と頼られる存在になれるよう、日々努力していきます。
就職支援のプロがアドバイス! 技術職だからこその注意点
志望動機はとても具体的で明確であり、幼少期経験に基づくエピソードも共感を感じます。
ただ、専門スキルや県庁職務に関する情報が少し不足しているようにも感じました。心理職を強調する際には、個人情報保護やハラスメント防止などのコンプライアンスにも留意してみると良いでしょう。
例文②免許資格職の薬剤師
例文②免許資格職の薬剤師
私は公衆衛生にも貢献できる薬剤師になりたいと思い、○○県庁を志望しています。公衆衛生の中でも特に食品に関する業務に携わりたいと思っています。
食品衛生に興味を持ったのは、学校で集団食中毒が起きた事件を見たことがきっかけです。食中毒から別の病にかかり寝たきりになった子もいるという報道を見て、厳しく管理されているはずの学校でこのような事件が起きたのはとても衝撃的で、同じことを繰り返さないように自分も何かしたいと思うようになりました。
そこから地域の公衆衛生にかかわれる仕事として保健所の薬剤師があるということを知り、ここまで勉強をしてきました。特に○○県は地域のお祭りなども盛んな中、そこでの公衆衛生も徹底しているのを参加者として体験してきたので、私も将来的にこの○○県の取り組みに貢献したいと思っていました。
病院や薬局よりも、もっと身近な健康に寄与できるのは行政の薬剤師ならではだと思っています。入職後は、今まで学んできた専門知識を活かすのはもちろん、どんな仕事でも地域の公衆衛生に貢献できているという志を持って取り組んでいきます。
キャリアコンサルタントが解説! 例文の評価と改善点
「どんな仕事でも地域の公衆衛生に貢献できる」という文言は、薬剤師という資格を通じて、公衆衛生分野で働きたいという思いが伝わります。
このように、取得している資格が県庁職のどんなことに活かせるかをしっかり情報収集して応募書類に書き込むことで、働きたい分野に具体性を持たせることができます。
薬剤師の志望動機の例をもっと見たいという人は以下の記事もおすすめです。県庁以外で働く場合の志望動機も紹介しているので参考にしてみましょう。
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例文③警察関係職の警察事務
例文③警察関係職の警察事務
私は、地域住民の安全を守る縁の下の力持ちのような存在になりたいと思い、警察事務を志望しています。
安全を守るといえば警察官の仕事ですが、その警察官が効率的かつ効果的に地域の安全を守るためには警察事務の仕事が欠かせません。この警察事務の重要性を知ったのは、警察庁の採用イベントでした。
そこでは警察事務の方が日々の仕事の話をしていて、特に印象に残っているのが「警察署にきて一番最初に対応するのが窓口の警察事務だから、事務員の対応でその後の安心感や心の開き方が決まる」という言葉です。
たしかに最初に雑な態度を取られたら警察官も信用できなくなってしまい、その人の不安も倍増させてしまうと感じました。この話を聞いてから、警察事務が一人ひとりに丁寧に対応するからこそ、警察官も必要な場面にしっかり対応できるのだと感じました。
私は大学時代から接客業のアルバイトをしていて、顧客一人ひとりに丁寧かつスピーディーな接客を心掛けた結果、お客様満足度の高さで関東10店舗の中で上位10%にランクインしたこともあります。窓口業務以外でも、相手のことを考えて必要なサポートをすることが必要だと思うので、私の強みは十分に活かせると感じています。
実際に業務を任せていただいた際は、警察官がストレスなく活動できるように、的確かつスピード感を持って業務に励んでいきます。そして警察官にも地域住民にも頼ってもらえるような存在になりたいです。
就職支援のプロがアドバイス! 例文の評価と改善点
警察事務の仕事を目指すきっかけとなった背景を具体的に書けているので良いと感じます。
アドバイスとしては、「地域住民の安全を守る縁の下の力持ちのような存在になりたい」と思った背景やきっかけも書くとより良くなると思います。
警察関係の仕事は情報の正確さとスピードが鍵を握る仕事でもあります。その部分も意識して、しっかりと書くことが重要ですよ。
要注意! 県庁の志望動機で避けたい3つのパターン
県庁の志望動機で避けたい3つのパターン
- 待遇面のみの志望理由
- 安定や将来性がメインの志望理由
- 地元愛だけを過度に押し出した志望理由
最後に県庁の志望動機で避けたほうが良い内容について解説します。熱意を伝えたつもりが、「活躍してくれる人材だろうか」「長く働いてくれるだろうか」と懸念されてしまわないためにも、避けるべきポイントを理解しておきましょう。
すでに志望動機を作成済みの人は、当てはまる内容がないか確認してみてくださいね。
待遇面のみの志望理由
福利厚生の充実度や勤務地、給与などは就職先を決めるうえで欠かせない要素です。しかし、待遇面だけで県庁を志望していると思われてしまうと「仕事に熱意がないのではないか」と懸念されてしまう可能性もあるため注意が必要です。
県庁の待遇面に惹かれている場合でも、志望動機では全面に押し出さずに、志望する県庁の取り組み内容や、その県庁だからこそ実現したいことなどを盛り込んで伝えるようにしましょう。
待遇面のみの志望動機では、日々の仕事に熱意を持って取り組めるか、周りの職員と良い関係を築いていけるか、県民に真摯に向きあえるか、といった仕事への取り組み姿勢の全般について不安要素を与えることになりかねません。
数年での異動が前提の職場ですが、待遇が良いからこそ、着任早々でもプロとしての仕事が求められるのです。
就活で勤務地を考慮するべきか悩んでいる人はこちらのQ&Aを参考にしてみてください。キャリアコンサルタントが回答しています。
安定や将来性がメインの志望理由
県庁は民間企業と異なり、倒産のリスクがないことや労働環境が整備されていることから、安定しているというイメージを持つ人も多くいるのではないでしょうか。
そのため、一番の志望理由が「安定しているから」という人もいると思いますが、それだけでは熱意や志望度が伝わりにくいため、むしろ志望動機に盛り込まない方が安全です。
県庁を目指すきっかけが安定性だとしても、そこから調べていった結果、県庁のどこに魅力を感じ何を実現したいのかを考え、しっかりと伝えましょう。
安定性を重視している人は以下の記事も参考にしてみてください。安定した職業と実情をまとめています。
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11の職業|安定した職業の知っておくべき実情と就職する3つのコツ
「安定した職業に就きたい」「将来性のある仕事がしたい」という人に向けて、記事ではキャリアコンサルタントとともに安定した職業11選を紹介します。就職を決める前に知っておくべき情報も解説しているので、ぜひ仕事探しの参考にしてくださいね。
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「安定している」という理由を志望動機に盛り込んだ際の印象については、以下のQ&Aコンテンツでも紹介しているので、併せて確認してみてください。
地元愛だけを過度に押し出した志望理由
県庁の志望動機で、「地元が好き」「地元に恩返しがしたい」とアピールする学生は多くいます。しかしそれだけでは、ほかの学生と差別化できず、印象が残りにくくなってしまいます。
また、県庁が地域に貢献するのは自治体の役割を考えると当然のことです。仕事を通じて好きな地元にどんな形であれ恩返しができるので、もう一歩踏み込んだ理由を考える必要があります。
あなたの強みやスキルを活かして、具体的にどうやって地域に貢献できるのかを考えてアピールしましょう。
「地元愛」で差別化するためのポイントは、地元の魅力を具体的に紹介し、自身の経験やスキルを地元のニーズに結びつけ地域課題への提案をすることです。
地元愛と自身の強みを掛け合わせて、県庁へ貢献できることを具体的にアピールしましょう。
準備の量が差をつける! その県庁ならではの志望動機で選考突破を目指そう
説得力ある県庁の志望動機を作成するためには、県庁こその役割や仕事内容の理解など、入念な準備が必須です。県庁の特色や取り組みを正しく理解して、その県庁ならではの志望動機を作成しましょう。
準備が不十分だと「ほかの自治体でも使いまわしているのだろうか」「第一志望ではないのかな」と懸念されてしまう可能性があります。志望する県庁への志望度がしっかり伝わるように志望動機を作成して、内定につなげましょう。
アドバイザーコメント
増田 綾子
プロフィールを見る県庁として今後求められる働き方をもとに志望動機でアピールしよう
県庁職員などの公務員という仕事は、利益を上げることが重要視される民間企業と違い、「社会に貢献したい」という想いを直接実現できる職場です。収入や福利厚生の安定感はそのためにあると考えてください。
志望動機には、これまでの自分の経験や学びの中から考えられるエピソードを書くと思いますが、数年ごとに異動するのが前提の職場なので、それだけでは不十分です。
多くの場合、採用になって数年は行政独特の書類作成や決裁ルールなど、事務仕事を覚えることが優先されるので、地味な仕事でもコツコツやり遂げられる人材が求められます。
まずはそういった仕事ができることをアピールし、一通りの仕事を覚えたらこういう仕事をやってみたいという書き方が望ましいでしょう。
県庁で経験できるすべての仕事を学びや成長につなげられるかが成功のカギ
県庁に応募しようと考えたら、必ずその県の総合計画を読んでおきましょう。総合計画は膨大ですが、ほとんどの場合ダイジェスト版が用意されています。総合計画の中に、自分のやってみたい仕事を絡ませることが理想ですね。
異動した先々で、さまざまな学びや経験を得られるのが県庁職員です。すべての経験が学びであると考えられる人こそ、求められる人材であるといえるでしょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Yoshiko Kato〇人材会社で約15年間、18,000人以上のキャリア相談を受けてきた。独立後は企業や大学、個人と契約し、キャリア構築の支援をおこなう。キャリアコンサルタント歴は20年以上
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表
Yoshinori Nomura〇IT業界・人材サービス業界でキャリアコンサルタントの経験を積む。培ったノウハウをもとに、その後はNPO支援団体として一般企業人の転職相談・就活生への進路相談を担う
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアデザインオフィスあかつき代表
Ayako Masuda〇団体職員や子育てを経験後、行政のワーク・ライフ・バランス推進部署で勤務。現在は若者サポートステーションでキャリア支援をするほか、女性や企業向けのキャリア関連講座の講師も務める
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