この記事のまとめ
- 短所「考えすぎる」は7つのタイプに分けられる
- 面接官の「考えすぎる」という短所への印象からアピール法を考えよう
- タイプ別例文を参考に自分だけの回答内容を作り込もう
- 面接力診断ツール
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「あなたの短所はどこですか?」という質問は就活で頻出の質問の一つです。質問の回答を考えるなかで、自分の短所について「考えすぎる」という特徴を思いつく人もいると思います。
しかし、「考えすぎるという短所は面接の回答としてふさわしいのか」や「どのように回答したら良いかわからない」などの疑問や不安を抱く人もいるでしょう。
この記事では、短所が「考えすぎる」な人の面接での回答方法やコツを例文付きで解説します。短所を聞かれた際に「考えすぎること」と回答しようと考えている人は、ぜひ最後までチェックしてくださいね。
短所が「考えすぎる」な人は自分のタイプを知ることがカギ
一言で「考えすぎる」と表現しても、どのように考えすぎてしまうのか、どんな場面で考えすぎてしまうのかなど、さまざまなタイプに分けられます。面接官にあなたのことを鮮明にイメージしてもらうためにも、自分のタイプを理解して具体的なエピソード付きで回答することが大切です。
しかし、「どんなタイプがあるのか」「具体的にどんな回答をしたら良いのか」など、わからないこともあるでしょう。
この記事では、前半で短所が「考えすぎる」な人のタイプや採用担当者が抱く印象などを解説します。短所を回答するうえで前提となる部分でもあるため、確実に把握しておきましょう。
そして、記事後半では「考えすぎる」という短所を回答する際の構成や注意点などを例文付きで解説します。「面接で自分ならどう回答するか」というイメージを持つためにも、例文を参考に、自分なりの表現を見つけましょう。
前提を確認! 短所で「考えすぎる」として伝えても問題ない?
そもそも短所について質問された際に「考えすぎる」と回答しても問題ないのかどうか気になる人もいるでしょう。
結論、「考えすぎる」という短所を伝えること自体は問題ありません。なぜなら、考えすぎることによるメリットはたくさんあり、採用担当者は良いイメージを抱く可能性もあるからです。
しかし、「どう考えすぎるのか」を具体的に伝えられなかったり、誤った構成で伝えたりすると、採用担当者はあなたのことを鮮明にイメージできず、悪い印象を持ってしまうこともあります。
そのため、まずは自分のタイプを知り、採用担当者があなたのことを鮮明にイメージできるよう正しい構成で伝えられるようにしましょう。
「考えすぎること」は強みでもあります。細部に注意を払う姿勢を示せるからです。
たとえば、「成果を出すための優先順位を考えすぎる」と伝えれば、事前準備がしっかりしていて計画性がある人と印象付けられます。
そもそも面接で長所や短所をどのように伝えたら良いのかわからないという人は、この記事で一度基本をおさらいしておきましょう。
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あなたはどのタイプ? 短所が「考えすぎる」人の特徴7つ
あなたはどのタイプ? 短所が「考えすぎる」人の特徴7つ
冒頭のとおり、短所が「考えすぎる」な人は7つのタイプに分けられます。面接で具体的なエピソードを伝えるためにも、まずはどんなタイプがあり、自分は何に当てはまるのかを把握しておくことが大切です。
ここからは、短所が「考えすぎる」という人の特徴を7つ紹介します。少しでも当てはまりそうな特徴があれば、具体的な内容をチェックしましょう。
「考えすぎる」という性格のおかげで、代替案を提示できたりリスクを回避するために注意することができたりした経験があるかと思います。
そういった具体的なエピソードから自分がどのようなタイプなのかを理解しておくと、面接でもアピールできます。
①たくさんの情報から判断したいタイプ
何か物事を決断するにあたって、たくさんの情報を収集したうえで判断したいという人もいるでしょう。たくさんの情報を収集することにより決断の精度が高まるため、悪いことではありません。ただ、決断に時間を要してしまうというデメリットもあります。
そのため、短所を聞かれた際は「たくさんの情報を収集してから決断する癖があり、時間を要してしまう」のように回答することで、短所を伝えつつも良い側面を伝えるようにしましょう。
これまでに決断や判断をするタイミングでどのような行動を取っていたかを振り返って、タイプを見極めてみてください。
考えすぎてすぐに決断できないタイプは「優柔不断」とも言います。優柔不断な短所で好印象を残すコツは、以下の記事でも紹介しています。
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②細部まで目を配れるタイプ
事務的な作業やクリエイティブなことをする際に細部まで目を配れるタイプの人は、精度の高い作業ができる一方で、作業に時間がかかり、納期ギリギリか、または遅れてしまう傾向があります。
そのため、細部まで目を配れるタイプの人は、「精度が高い成果物を作り上げられる一方で、作業に時間がかかる」というアピール方法がおすすめです。
これまで課題を提出したり作品を作ったりする際に、細部まで目を配って完成度の高いものができた、何かを作る際に細かい部分が気にすることで良い作品になったなどの経験がある人はこのタイプに当てはまる傾向があります。
③将来への不安を人より感じやすいタイプ
何かを決断する際、それが将来に役立つかどうかという軸で考える人もいると思います。しかし、将来のことを考える際に悲観的になってしまい、いつも不安を感じてしまう人もいますよね。
将来に不安を抱くこと自体は、失敗を未然に防げる可能性も高まるため悪いことではありません。しかし、不安を感じすぎるがあまりに行動に移せないとなれば改善する必要があります。
行動に移さなければ何も成長が生まれないため、行動のリスクを考えつつも、リスクが少ない形で何か行動したエピソードをアピールするようにしましょう。
このタイプの考えすぎる人は「心配性」とも言い換えることができます。心配性という短所をアピールする方法は、以下の記事でも詳しく解説しています。
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④過去の失敗をひきずるタイプ
過去に大きな失敗をしたことがある人は、それに似た状況の際に当時のことが想起され、行動することに躊躇してしまう人もいると思います。
社会人になると、会社の成長のために次々に行動していくことが求められることもあります。その際、過去の失敗をひきずることは足枷となってしまうのです。
一方で、過去の失敗をひきずることは何度もその失敗について考えているということであり、そういう人は同じ失敗を繰り返しません。そのため過去の失敗をひきずるタイプの人は、同じ失敗を繰り返さないように工夫している点なども併せてアピールすることが有効的です。
- 過去の失敗が蘇って考えすぎてしまいます……。これを改善して就活でアピールする方法はあるのでしょうか。
失敗は挑戦した結果の現れであり学びの機会でもある
失敗を恐れて考えすぎてしまうことを改善するためにできることは3つあります。
1つは、失敗した理由を分析し、次に成功するためのステップをさらに細かく分割し、小さな成功を積み重ねていくことです。そして2つ目は信頼できる人からフィードバックをもらうことです。そして最後は「次は必ずできる」と前向きな言葉を自分に向けることです。
就活ではそれぞれ、「分析、目標設定、行動」「他者とのコミュニケーション」「困難に打ち勝つためのメンタル」について上手にアピールすることが重要です。
⑤周りの目が気になるタイプ
行動をする際に、周りの目が気になってなかなか動き出せないという人もいるでしょう。「どのように見られているのか」「変な人だと思われないか」など、周りの目を気にするとほかの人と異なる行動ができなくなり、突き抜けた成果が得られなくなってしまいます。
一方で、周りの目を気にするタイプの人は協調性がある可能性も考えられます。他人の立場に立って物事を考えられるからです。
周りの目が気になることが多々ある人は、協調性を発揮したエピソードがないか併せて振り返ってみるのがおすすめです。
協調性のアピールは、工夫しないとありきたりなものになりがちです。周りに差をつけられる協調性のアピール方法を知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。
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⑥感情移入しやすいタイプ
目の前で起きていることについて感情移入しやすく、思い切った決断が苦手という人もいますよね。
社会人になるとさまざまな場面で自分の意見を発言したり、提案したりすることが求められます。その際、感情移入しすぎてしまうと、自分の意見や提案を主張できなくなってしまうのです。
ただ、感情移入しやすいことは相手の気持ちも考えられるため、相手の立場に立った提案や意見が可能になります。感情移入して相手の立場に立ちつつ、自分の意見を主張したというエピソードがあれば選考で好印象を残しやすくなります。
相手の立場に立って考えられる力を効果的にアピールしたい人は、以下の記事も併せて読んでおきましょう。
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⑦自分の能力や考えに自信を持てないタイプ
自分の能力や考えに自信を持てず、新しい行動やチャレンジをできずにいる人もいるでしょう。自信の不足は行動にあらわれ、自信を持って行動する人よりも遅れをとってしまう可能性があります。
一方で、謙虚であったり、内省する力が高かったりと良い側面が見られるケースもあります。これらの側面を磨き上げれば、自己改善を繰り返しつつ、謙虚な行動ができるため、質の高い仕事ができるようになるでしょう。
自分の能力や考えに自信を持てない人は、謙虚さや内省力などの違う側面を磨き上げたエピソードをアピールするのがおすすめです。
これまで支援してきた人の中には、「あれこれ先回りして考えて一歩踏み出せなくなる」「悪い方へ悪い方へ考えてしまう」という人がいました。
自分だけではそういった思考の中に入り込んでいると気付けない場合もあるので、困ったら信頼できる第三者に相談してみましょう。
良し悪しがある! 採用担当者が抱く考えすぎる人のイメージ
短所が考えすぎることである人に対して、採用担当者は良くも悪くもさまざまなイメージを持ちます。とはいえ、ある程度イメージされる内容に傾向があり、採用担当者の立場になって考えるためにも、短所が「考えすぎる」である人に抱くイメージを把握しておくことが大切です。
ここからは、短所が「考えすぎる」である人に対して、採用担当者が抱く良いイメージ、懸念点を解説します。特に悪いイメージを払拭するためにも、懸念点は確実に把握しておきましょう。
採用担当者が抱きやすい良いイメージ
採用担当者が抱きやすい良いイメージ
- 細かいデータ分析が得意そう
- クオリティが求められる仕事を任せられそう
- チームでの仕事で協調性を発揮してくれそう
- 論理的な判断をして物事を進めてくれそう
短所について質問した際、「考えすぎる」と回答した人に抱くのは悪いイメージだけではありません。むしろ良いイメージを持たれる可能性もあります。
ここからは、具体的にどのような良いイメージを持たれるか解説します。ただ短所を紹介するだけでなく、その短所を別の側面から見た良い部分もアピールすることで、好印象を残せる可能性もあります。どのような良い部分をアピールできるか知るためにも、この章を確認しておきましょう。
①細かいデータ分析が得意そう
短所が「考えすぎる」という人に対して、採用担当者は細かいデータ分析が得意そうとイメージする傾向があります。特にこのイメージを持たれる傾向が高いのは以下のタイプです。
「細かいデータ分析が得意そう」とイメージされやすいタイプ
- たくさんの情報から判断したいタイプ
- 細部まで目を配れるタイプ
上記のタイプの人は、たくさんの情報を収集したうえで決断ができたり、細かい作業が得意だったりするため、データ分析が得意そうと思われやすいのです。
上記のタイプに当てはまる人は、これまでデータ分析をした経験がないか振り返り、もしあればそのエピソードを併せてアピールするのがおすすめです。
②クオリティが求められる仕事を任せられそう
たくさんの情報を参考にしたり、細かい部分まで目を配れるタイプの「考えすぎる」人はクオリティの高い作業が可能です。特に以下のタイプの人は、クオリティが求められる仕事を任せられそうと思われる傾向が高いです。
「クオリティが求められる仕事を任せられそう」とイメージされやすいタイプ
- たくさんの情報から判断したいタイプ
- 細部まで目を配れるタイプ
- 過去の失敗をひきずるタイプ
- 自分の能力や考えに自信を持てないタイプ
また、過去の失敗をひきずる人は、同じ失敗を繰り返さない傾向があります。さらに、自分の能力に自信がない人は傲慢にならず、自信が持てないなりに毎回最大限の実力を発揮してくれるのではないかと考えられるのです。
上記のタイプに当てはまる人は、これまでにおこなった作業や仕事を思い出して、どこまでクオリティを追求したか振り返ってみましょう。
39点以下は要注意!
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③チームでの仕事で協調性を発揮してくれそう
短所が「考えすぎる」という人は、採用担当者からチームでの仕事で協調性を発揮してくれそうとイメージを持たれるケースがあります。
特に以下のタイプの人は協調性を発揮してくれそうと思われる傾向が強いです。
「チームでの仕事は協調性を発揮してくれそう」とイメージされやすいタイプ
- 周りの目が気になるタイプ
- 感情移入しやすいタイプ
周りの目が気になるということは、周りが自分に対してどう思っているのかを想像できるということです。相手の立場に立って物事を考えられるため、チームでの仕事に向いています。また、感情移入しやすい人も相手が感じることや考えることをイメージできるため、協調性を持ってチームでの仕事に取り組めるでしょう。
上記のタイプに当てはまる人は、これまでチームで何かを成し遂げた経験を思い出し、そのエピソードをアピールしましょう。
協調性はあっても、チームで何かをすることが特別好きではない人もいると思います。そのような人は「細部まで目を配れるタイプ」と伝えましょう。
チーム内でほかのメンバーが見落としている点に気付くことが可能である点や、相手の立場に立ってさまざまな角度から物事を考えられる点をアピールしても良いですね。
④論理的な判断をして物事を進めてくれそう
短所が「考えすぎる」という人に対して、採用担当者は「論理的な判断をして物事を進めてくれそう」とイメージすることもあります。特に以下のタイプの人は論理的な判断が得意な傾向があります。
「論理的な判断をして物事を進めてくれそう」とイメージされやすいタイプ
- たくさんの情報から判断したいタイプ
- 将来への不安を人より感じやすいタイプ
- 自分の能力や考えに自信を持てないタイプ
論理的な判断をするためには、たくさんの情報が必要です。たくさんの情報から判断したい人は情報収集能力にも長けている傾向があるため、論理的というイメージを持たれやすくなります。
また、将来への不安を感じやすい人や自分に自信がない人は、確実に失敗を避けるための方法を選択する傾向があります。失敗のリスクを避ける方法として論理的な判断が有効的なため、「論理的な判断をして物事を進めてくれそう」というイメージを持たれやすいのです。
これまで、根拠を集めたうえで決断を下した経験や、ゴールから逆算して計画を立てて物事を実行した経験がある人は、論理的に判断できることもアピールするのがおすすめです。
論理的な判断ができることのアピールのために、情報収集力を強みにしたい人は以下のQ&Aも確認しておきましょう。キャリアコンサルタントが情報収集力について詳しく解説しています。
採用担当者が抱く可能性がある懸念点
採用担当者が抱く可能性がある懸念点
- プロジェクトやタスクの遂行に時間がかかるのではないか
- 臨機応変な対応が苦手なのではないか
- 新しい挑戦に対して消極的なのではないか
- リーダーシップ能力が求められる仕事は任せらないのではないか
短所が「考えすぎる」という人に対して、採用担当者はいくつかの懸念を抱く可能性があります。
どんな特徴にも良い側面・悪い側面があるため懸念を抱かれること自体は問題はありません。どのような懸念を抱かれ、それをどう改善していくかをアピールすることが大切なのです。
ここからは、短所が「考えすぎる」という人に対して、採用担当者が抱く可能性がある懸念点を解説します。まずはどのように思われるのかを知り、事前に改善して選考でアピールしましょう。
- 「考えすぎる」という短所を改善したいのですが難しいです……。
結果を想像して解決策を考えることで短所は改善できる
採用側にとって、「考えすぎる」を短所に挙げ、それについてどう取り組んでいるのかはっきり言えない人は「自身のマイナス面を放置している人」と受け取られてしまうでしょう。
しかし、それがもともとの性格だったりすると、改善するのは難しいと感じる人もいますよね。
考えすぎる人は、その結果どういうことが起こってしまうのかまで想像してみてください。
「判断が遅れる」「人を待たせる」「不安が増す」「踏み出せなくなる」など、いろいろなパターンがあると思いますが、その思考のせいでどんなことが起こりそうでしょうか。そのうえで、そうならないための解決法を考えましょう。
たとえば、判断が遅れたり人を待たせたりする人は、「ここまでに決めないといけない」とあらかじめ意識しておくのがおすすめです。
不安が強い、一歩踏み出すのが怖いという人は、どこが不安なのか、怖いのかを客観的に考えてみる、周りの人から見るとどうなのか聞いてみるなど、自分の弱いところの対処法を見つけて実践していきましょう。
①プロジェクトやタスクの遂行に時間がかかるのではないか
考えすぎる人は、ほかの人よりも考える時間が長い分、プロジェクトやタスクの遂行に時間がかかるのではないかと懸念される可能性があります。当然ですが、あまり考えずに行動を始める人よりも考えすぎる人のほうが取り掛かるまでに時間がかかるからです。
社会人として働く際、質だけでなくスピードを求められる場面があります。その際、考えすぎる人は質を重視してしまい、スピードが遅いのではないかと懸念されてしまうのです。
この懸念点を払拭するためにも、プロジェクトやタスクを素早く完了させるために意識していることをアピールするのがおすすめです。考えすぎてしまい取り掛かるまでに時間がかかっても、結果として早く完了させることができれば、効率の良い仕事ができていると言えるからです。
これまで、何かを効率的によく考え、素早く完了させたという経験があればアピールしましょう。
②臨機応変な対応が苦手なのではないか
考えすぎる人は、一つの物事に集中してしまうため臨機応変な対応が苦手なのではないかと懸念される可能性が高いです。
社会人として働くと、一つの作業に長時間集中できることは少なく、同僚や顧客からの依頼によって臨機応変な対応が求められるケースが多くあります。その際、相手の求める行動ができないと、次に仕事を依頼される可能性が減って、成長する機会を失ってしまうこともあるのです。
企業側はどんどん成長できる人材を採用したいと考えます。そのため、考えすぎるという短所があるなかでも、臨機応変な対応をして成長する機会を自らつかもうとしていることをアピールするのが大切なのです。
これまで臨機応変な対応ができた経験があれば、積極的にアピールするのがおすすめです。
臨機応変に対応できることのアピール方法は、こちらの記事を参考にしてみてください。
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③新しい挑戦に対して消極的なのではないか
短所が「考えすぎる」という人は結果がどうなるか考えすぎたり、不安がよぎったりしてしまうと行動に移せず、挑戦できないということになるケースがあるため、新しい挑戦に対して消極的なのではないかと懸念を抱く可能性もあります。
会社の成長のためにも、企業側は積極的に挑戦できる人材を採用したいと考えます。まだ何かに挑戦したエピソードがない人は、これまでやったことのない行動を取ってみるだけで十分です。新しい挑戦をしたエピソードをアピールして、懸念を払拭しましょう。
- 短所が「考えすぎる」の改善として、どんなことに挑戦したら面接で高評価を得られるのでしょうか。
PDCAを意識して考えただけで終わらせないようにしよう
考えすぎることは決して悪いことではありません。ただし、考えているだけでは何も実現できません。
考えたことを実行し、その結果を振り返り、さらにどうすれば良いか考えるというPDCAサイクルを回せるようにすることが大切です。
また、考えすぎることで行動が遅れすぎないようにしましょう。優先順位を考え、迅速に取り組むように注意することが重要です。期限を意識して時間管理を徹底することに取り組むと良いでしょう。
④リーダーシップ能力が求められる仕事は任せらないのではないか
短所が「考えすぎる」という人のなかには、周りの目を気にしすぎてしまう人もいると思います。そのような人は自分の言動に対して周りがどう思うのかを過剰に気にしてしまい、自ら人に依頼するのが苦手な傾向があるのです。
しかし、仕事では人それぞれ役割が与えられ、その立場の専門家としてリーダーシップを取らなければいけない場面があります。企業側は考えすぎる人に対して、このようなリーダーシップ能力が求められる場面で能力を発揮できないのではないかと懸念してしまうのです。
このような懸念を払拭するためにも、どんな些細なことでもかまわないのでリーダーシップ能力を発揮したエピソードをアピールしましょう。
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3ステップ! 「考えすぎる」という短所を上手に伝える構成
3ステップ! 「考えすぎる」という短所を上手に伝える構成
- 自分がどのタイプの「考えすぎる」人なのかを明確にする
- 悪いイメージを払拭するために改善をしたことをアピールする
- 「考えすぎる」という性格を入社後どう活かすか伝える
ここまでの内容から、短所を聞かれた際に「考えすぎる」と回答した場合でも良い印象を持ってもらえることがわかったと思います。しかし、良い印象を持たれるためには内容だけでなく、上手に伝えることも大切です。
ここからは、短所が「考えすぎる」である人が短所を上手に伝えられる構成を解説します。短所であっても好印象を持たれることは可能であるため、伝え方を確認していきましょう。
①自分がどのタイプの「考えすぎる」人なのかを明確にする
最初に自分がどのタイプの「考えすぎる」人なのかを明確にしましょう。タイプを明確にすることで、「きちんと自己分析している」や「自己理解ができている」などの良いイメージを持ってもらうことができるからです。
たとえば、タイプが明確な人と明確でない人を比べると以下のようになります。
「考えすぎる」のタイプが明確な人の例文
私の短所は考えすぎることで、特に何かクリエイティブな作業をする際に細かい部分がどうしても気になって時間がかかってしまいます。
「考えすぎる」のタイプが明確でない人の例文
私の短所は考えすぎることです。日常生活のあらゆる場面で考えすぎてしまいます。
タイプが明確なほうが、聞き手にとってどのような短所なのかイメージしやすいですよね。また、最初に結論として具体的な短所を伝えることで、その後のエピソードもよりイメージしやすくなります。
このように、聞き手にとってイメージしやすい構成とするためにも、最初にどう考えすぎるのかタイプを明確に伝えましょう。
②悪いイメージを払拭するために改善をしたことをアピールする
短所を短所のまま伝えるのはおすすめしません。なぜなら、質問されたとはいえ悪いイメージを持たれる可能性があるからです。
そこで必要なのが、悪いイメージを払拭するためにした改善行動をアピールすることです。短所であっても、それを改善している、もしくは改善しようとしているのであれば悪い印象は抱かれなくなる可能性が高まります。
また、自分の短所を認識したうえで改善しようとしていることは、成長意欲のアピールにもつながるのです。このように、短所の悪いイメージは改善したことをアピールして払拭可能なため、どう改善したのかまでセットで伝えましょう。
- 「考えすぎる」の言い換え表現によって、悪いイメージを払拭することは可能でしょうか?
具体的な言葉に変換することで良いイメージに変えられる
一般的に「〇〇すぎる」という言葉に対して、人は悪いイメージをもってしまいます。「食べすぎる」「飲みすぎる」などです。「食べすぎ・飲みすぎ」は健康を害するため、いくら言い換えても悪いイメージを払拭することはできません。
しかし、「考えすぎる」は、「慎重に考える」「徹底的に分析する」「周到に準備する」「深く洞察する」「綿密に計画する」などの表現にすることで良いイメージを与えられます。
単に「考えすぎる」だけでは具体性に欠けてしまうので、「すぎる」の部分を置き換えることであなたの印象が変わるのです。
短所を長所として言い換える方法を詳しく知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。
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③「考えすぎる」という性格を入社後どう活かすか伝える
考えすぎることは、決して悪いことばかりではありません。仕事で考えすぎる面を活かして貢献することも可能です。短所を伝える際は、考えすぎるという短所の良い部分を見出し、それを仕事にどう活かすかまで伝えましょう。
採用担当者は、面接から「自社の雰囲気に合うか」や「入社後に活躍できるか」などを判断しています。採用担当者の判断材料として、自らどう活躍するかを提示するのも効果的なのです。
ただ、入社後に考えすぎるという性格をどう活かすかを考えるには、徹底した企業研究が必要です。企業研究と自己分析をしっかりおこない、考えすぎるという性格を入社後に適切な形で活かす方法をアピールしましょう。
企業研究や自己分析の際に就活ノートを活用するのがおすすめです。就活ノートの具体的な作り方は、以下の記事を参考にしてください。
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採用経験者が解説! 短所が「考えすぎる」で好印象だった回答の特徴
ここまで、「考えすぎる」という短所からも好印象を持ってもらうことができると解説しました。しかし、実際に採用経験者が好印象を持つ回答はどのようなものなのか気になる人もいるでしょう。
そこで、実際に採用経験のあるキャリアコンサルタントの増田さんに、短所が「考えすぎる」で好印象だった回答の特徴を聞いてみました。より確実に「考えすぎる」という短所から好印象を持ってもらうためにもチェックしておきましょう。
アドバイザーコメント
増田 綾子
プロフィールを見る考えすぎる性格と向き合っていることが伝わる回答は好印象
考えすぎる人の中には、頭の回転が速く、どんどん先読みができてしまうことでかえって行動に移せなかったり、いろいろなパターンを思いついてしまって選択ができないという人もいます。
また物事全般について慎重に向き合っている人が多く、安易に考えて失敗する人に比べると、採用側としてはメリットがあると受け止めてもらえる可能性もあるので、上手に自己PRの中へ取り入れていきましょう。
懸念点を払拭する改善策を一緒に伝えよう
「考えすぎて決定が遅れる」という人は、日頃からタイムリミットを確認する習慣をつけておくことが大切です。
そういった事例を挙げて、「いつまでに決定しなければいけないのか、仕上げないといけないのか、あらかじめ確認するようにしています」などの文言を添えれば、採用側の安心材料となるでしょう。
また、社会人経験が長くなれば、「このくらいで仕上げないと周りの人に迷惑がかかる」と気付くことができるようになりますが、学生の場合は判断が難しいこともあります。
そのことを見越して「時間をかけすぎていると感じたら、率直にご助言いただけるとありがたいです」など、人からの助言を素直に聞く姿勢を持っていることをアピールする方法もあります。
タイプ別! 短所が「考えすぎる」な人の回答例文7選
タイプ別! 短所が「考えすぎる」な人の回答例文7選
ここまでの内容から、伝えるべき内容はわかったけど、実際にどう回答したら良いかわからない人もいると思います。
そこでここからは短所が「考えすぎる」を伝える際の例文をタイプ別で7つ紹介します。実際に文章を作成する際に、「どう回答すれば良いのだろう」と悩む人は参考にしてください。
例文① たくさんの情報から判断したいタイプ
たくさんの情報から判断したいタイプの例文
私の短所は考えすぎることで、何か決断をする際にたくさんの情報から判断しないと気が済みません。
大学2年生からアルバイトを始めたのですが、楽しく働けるレストランが良かったため、アルバイト先を探す際に実際にお店に行ってみたり、口コミを徹底的に調べたりするなど、たくさんの情報を集めたうえで決めました。そのため、アルバイト先探しに半年かかりました。
一方で、この考えすぎるという短所は、正確な判断をする際の良い材料にもなると考えています。実際に、半年かけて探したアルバイト先では、自分が本当においしいと思うものをお客様におすすめできたので、とても楽しく働くことができました。
御社に入社後は、情報集めをスピーディにおこなって、早くかつ正確な判断をして貢献したいと考えています。
キャリアの専門家が解説! たくさんの情報から判断したいタイプのアピールポイント
たくさんの情報から判断したいタイプの人は、情報を収集できる能力やその情報の分析力と慎重さをアピールできます。
考えるだけでなく実行することの大切さを意識し、必要な情報を取捨選択して情報収集や分析に時間をかけすぎないように努めたことを伝えると良いでしょう。
例文② 細部まで目を配れるタイプ
細部まで目を配れるタイプの例文
私の短所は考えすぎることで、何か作業をする際に細かい部分まで気にして、作業に時間がかかってしまいます。
私は絵を描くことが好きで常に作品づくりに取り組んでいるのですが、ほかの人は1カ月ほどで完成させるものを、毎回3カ月ほど費やしてしまいます。細かい部分が気になって、次々に作業を追加してしまい、時間がかかってしまうのです。
一方で、常に高いクオリティを保つことには自負があります。最近は、クオリティの高い作品をいかに素早く完成させられるかということを記録していて、ゲーム感覚でタイムを縮めていったことでこれまでと同様のクオリティの絵を2カ月で仕上げられるようにはなってきました。
御社に入社後はスピードを求められる場面も多々あると思います。スピードと質の両方を向上させて御社に貢献したいと考えています。
キャリアコンサルタントが解説! 細部まで目を配れるタイプの注意点
丁寧な作業ができること、完成度の高さを追求したいタイプであることは、大切なアピールポイントです。
一方で、時間が掛かりすぎる、人が気にしないことまでこだわってしまうという可能性もあるので、上記の例のように、自分の中でどのようにリミットを決めているのかまできちんと伝えることが大切です。
細部まで目を配れる能力を活かして事務職への就職を視野に入れている人は、こちらの記事も確認しておきましょう。
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例文17選|事務職の自己PRで差別化するなら4要素を盛り込もう
この記事では、事務職の自己PRについて詳しく解説しています。キャリアコンサルタントからのコメントを元に、書類選考通過しやすくなる例文も紹介しているので、事務職を志望する人はぜひご覧ください。
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例文③ 将来への不安を人より感じやすいタイプ
将来への不安を人より感じやすいタイプの例文
私の短所は考えすぎることで、特に将来への不安を人より感じやすく、行動に移すのに時間がかかってしまいます。
特にこの短所が顕著に現れたのが大学を決めるときです。この大学に入学すると将来どんなキャリアを歩めるのか、どんな大学生活を送れるのかなど、不確実なことを悩み続け、受験ギリギリまで志望校を決めることができませんでした。
しかし、しっかり考えたからこそ、行動に移した後に自身の決断を正解にすることには自信があります。今は不確実な将来を考えるのはできるだけ避けて、スピーディに決断する練習をしている段階です。具体的には、履修する授業を決める際、「どれが将来役立つか」ではなく、直感的に今興味のあるものを選ぶということに取り組みました。
御社に入社後も大事な決断をしなければいけない場面があると思います。その際、しっかり将来を考え、かつ素早く決断できるよう努めてまいります。
就職支援のプロからの例文の評価とアドバイス
上記の例文は、自分の短所を明確にしているだけでなく、その短所をどのように克服して強みに変えようとしているのかを具体的なエピソードで伝えようとしている点が評価できます。
1文目の「考えすぎる」を「慎重に考える」とするとよりポジティブな人柄が伝わります。
例文④ 過去の失敗をひきずるタイプ
過去の失敗をひきずるタイプの例文
私の短所は考えすぎることで、特に過去に同じ様な経験があることに関しては、そのときの失敗をひきずってしまいます。
私は高校受験に失敗し、第二希望の高校に進学しました。大学受験時はそのときの失敗が常に頭をよぎり、集中できないときもありました。
しかし、その分「同じ失敗は絶対に繰り返さない」という思いも強く、2度同じ失敗をしたことはほとんどありません。
現在は、起きた失敗は受け止めつつ、同じような場面になった際にはくよくよ考えることなく、思い切って突き進むことを意識して行動しています。
御社に入社後も失敗はつきものだと思います。それに悩まされ続けることなく、かつ同じ失敗は繰り返さないようにして成長したいと考えています。
キャリアコンサルタントが解説! 過去の失敗をひきずるタイプのアピールポイント
過去の失敗をひきずるタイプの人は、失敗から学び同じミスをしないように努力できることをアピールすると良いです。
さらに前向きな思考を身に付けることで失敗後もくよくよ引きずらずに、すぐに立ち直ることができるように改善したと伝えると良いでしょう。
例文⑤ 周りの目が気になるタイプ
周りの目が気になるタイプの例文
私の短所は周りの目を気にしすぎてしまうことです。
私は好奇心旺盛で興味があることはたくさんあります。しかし、毎回周りの目を気にして行動に移せずにいました。
大学生時代、「ブログを始めてみたい」「SNSで発信してみたい」などを考えることが多々ありましたが、「周りからどう思われるのだろう」と悩んでどれも行動に移せずにいました。
しかし、このままでは何も変わらないと思い、大学3年生で趣味で撮影した写真を発信するInstagramを開設し、投稿することができました。やってみたら周りからの反応も良く、改めて自分が考えすぎていたんだなと気が付きました。この経験から周りの目を気にすることが減った気がします。
御社に入社後は協調性を持ちつつも、自分の意見をしっかり主張して貢献したいと考えています。
就職支援のプロからの例文の評価とアドバイス
上記の例文は、自分の短所がよくわかっていて、それに対しアクションを起こしたエピソードが具体的に描かれているため、読む人も納得のいく文章になっています。
また、その体験によって学んだことを、その後に活かせていることが素晴らしいです。「周りの目を気にしすぎる」という短所を補うだけでなく、「マイナスのことをプラスに変えようと努力できる人」と受け止めてもらえるかもしれません。
周りの目が気になるがゆえに慎重に行動してしまうという人もいると思います。そのような人の短所の伝え方は以下のQ&Aでも詳しく解説しています。
例文⑥ 感情移入しやすいタイプ
感情移入しやすいタイプの例文
私の短所は考えすぎることで、すぐに相手に感情移入してしまいます。
弟が明らかに悪い行動を取り、私が怒らなければいけない状況でも「ここで怒ったら弟は気分が落ち込むかな」と考えて怒ることができずにいました。
しかし最近は、私の行動は相手のためにもならないと思い、感情移入しつつも自分が正しいと思う行動を取るようにしています。最初は「嫌われるかな」と思っていたのですが、相手のことも考えたうえでの言動ができるため、意外と感謝される機会が増えました。
御社に入社後も、相手の立場に立ちつつ、自分の考えを主張して、双方にとって良い提案ができるよう努めてまいります。
就職支援のプロが解説! 感情移入しやすいタイプのアピールポイント
感情移入しやすいタイプの場合、相手の気持ちを理解することが得意なため、円滑なチームワーク作りや顧客対応ができることをアピールしましょう。
また、自分の感情を客観視できることで、環境のコントロールができるようになったことを改善点として伝えるのもおすすめです。
例文⑦ 自分の能力や考えに自信を持てないタイプ
自分の能力や考えに自信を持てないタイプの例文
私の短所は特に自分の能力や考えに自信を持てず、何か行動しなければいけないときに考えすぎてしまうことです。
私は自分に自信がなく、いつも「私で良いのかな」「本当に役に立つのかな」などの不安を抱えて生きてきました。そのため、積極的に挑戦することも避けてきました。
そのような状況で、友人から「〇〇さんはいつも準備を徹底してるよね」と声をかけてもらったことがあります。私は意識していなかったのですが、自分に自信がないからこそ、何かをする際は徹底的に準備したり、練習したりしていました。
この気付きから、自分に自信を持てないことは悪いことではなく、その分徹底的に準備をするのが良いのではないかと思うようになりました。
御社に入社後も提案やプレゼンなどさまざまな機会があると思います。その際、自分に自信がないなりに徹底的に準備して、御社や顧客の役に立てるよう努めてまいります。
就職支援のプロからの例文の評価とアドバイス
上記の例文は、自分自身をよく理解できていることがわかります。他人の指摘で気付きを得て、改善の努力をし短所と考えていたところを前向きに捉えることができていてとても良い例文だと思います。
徹底的な準備をどのようにおこなうか、もう少し具体的に述べるとさらに良くなります。
事前に把握しよう! 短所が「考えすぎる」な人のNG回答例文
事前に把握しよう! 短所が「考えすぎる」な人のNG回答例文
- NG例文① 具体的なタイプやエピソードを伝えていない
- NG例文② 改善するための行動が含まれていない
短所を質問された際の回答としてNGなケースも存在します。事前にNG回答を知っておかなければ、採用担当者に悪いイメージを持たれる可能性があるため注意が必要です。
ここからは、短所が「考えすぎる」と回答する際のNG例文を2つ紹介します。同じ轍は踏まぬよう、事前にNG回答を把握しておきましょう。
NG例文① 具体的なタイプやエピソードを伝えていない
具体的なタイプやエピソードを伝えていないNG回答例文
私の短所は考えすぎることです。いつもくよくよ考えすぎてしまい、決断をしたり、行動したりする際に時間がかかってしまいます。
ただ、最近は考えすぎず「とりあえずやってみる」を意識して行動しています。
御社に入社後はスピーディに行動して貢献したいと考えています。
上記は具体性に欠けた例文と言えます。どう考えすぎるのか、どんなエピソードがあるのかが明確でありません。
採用担当者にあなたが入社後に活躍するイメージを持ってもらうためにも、具体的なタイプやエピソードが必要です。具体的なことが思い浮かばない人は自己分析が足りていない可能性があります。
短所から良いイメージを持ってもらうためにも、徹底的に自己分析して具体的なタイプやエピソードを明確にしてアピールしましょう。
上記の例だと、単純にマイナスのイメージにしか感じられません。自分がどんな「考えすぎる」タイプなのかわかっていない、つまり自己分析がしっかりできていないと受け取られてしまうでしょう。
採用側としては、どのような部署に配属したら良いのかイメージが持てないため、採用につながりにくくなってしまいます。
NG例文② 改善するための行動が含まれていない
改善するための行動が含まれていないNG回答例文
私の短所は考えすぎることで、特に過去の失敗をひきずってしまいます。
私は小学生のときの授業で手を挙げて解答した際、的外れな発言をしたことがあります。その失敗をずっとひきずっており、今でも積極的に発言することに躊躇してしまいます。
御社に入社後は、この短所を直して積極的に自分の意見を発言できるようにしたいです。
上記の例文は短所を改善するための行動が含まれていません。
誰しもが短所はあり、短所があること自体が問題ではありません。その短所を改善しようとしないことが問題なのです。
特に、入社直後は失敗をしてしまうこともあります。その際、「苦手だから」と避けるのではなく、改善することで成長できます。このように、成長するためには苦手分野や短所を受け入れて、改善していくことが大切なのです。
成長意欲をアピールするためにも、短所をどう改善しているのかを明確にして伝えましょう。
支援をするなかで、「自己主張ができなくて苦労したエピソード」を具体的に述べていて、どのように改善したのかが読み取れない回答を見たことがあります。
本人は素直に書いているつもりですが、採用担当者には「自信のなさ」や「行動力のなさ」が伝わってしまうのであまり良い回答とはいえないでしょう。
「考えすぎる」という短所の悪いイメージを払拭して選考突破を目指そう
短所は誰にでもあるものです。そして、「考えすぎる」という短所を持って、それをどのように伝えたら良いのか悩んでいる人も多くいるでしょう。
「考えすぎる」という短所は悪いことだけではなく、良い側面もあります。面接で好印象を得るためには、悪いイメージを払拭して良い側面をアピールするのが大切なのです。
自身がどんな考えすぎるタイプなのかを見極め、どう改善したのかをアピールすることで、選考突破を目指しましょう。
アドバイザーコメント
上原 正光
プロフィールを見る「考えすぎる」ことを短所だと言い切らずに前向きにアピールしよう
短所として「考えすぎる」という性格について深掘りをしてきましたが、選考でアピールする際は、短所だと言い切るのではなく長所として見ることができる面も多いことが伝わるような伝え方を工夫してみてください。
まずは「考えすぎる」ことがもたらす影響について、簡潔に述べると良いでしょう。たとえば「私は物事を深く考える傾向があるので、ときには決断が遅れることがあります。重要な場面で迅速な判断が求められる際に、自分自身にプレッシャーを感じることがあります」といった具合です。
次に、この短所をどのように克服しようとしているか、具体的な対策を示します。「最近では、いつまでに決断しなくてはいけないかを自分で設定しています」「考えすぎないように、まず行動に移すことも大切だと思うようにしています」などです。
「考えすぎる」ことは自己理解の深さと成長意欲を示すことができる
さらに、「考えすぎる」ということが実は長所でもある点を強調することが大切です。
たとえば「深く考える性質は、複雑な問題に対する分析力や注意深さを養うのに役立ちます。これにより、リスクを最小限に抑え、最適な解決策を見つけることができます」と述べることで、ポジティブな印象を残せます。
短所を理解したうえで、長所となる面を引き出すことで前向きに行動できるように心掛けていると締めくくることで、自己成長の姿勢を示すことができるのです。
面接は自分をアピールする場です。短所だと決めつけずに前向きな姿勢で臨んでください。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/西雄一教育研究所代表
Yuichi Nishi〇大学では就活に関するスキルを身に付けられる実践中心の授業を展開。また、講師として企業で新人や中堅社員に向けてコミュニケーション研修、キャリアコンサルティングをおこなっている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Masamitsu Uehara〇会社員時代は人事部として3000人以上の学生と面談を実施。大学でも多くの学生のキャリア支援をおこなう。独立後は、就活生からシニア層までさまざまなキャリア相談に携わる
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアデザインオフィスあかつき代表
Ayako Masuda〇団体職員や子育てを経験後、行政のワーク・ライフ・バランス推進部署で勤務。現在は若者サポートステーションでキャリア支援をするほか、女性や企業向けのキャリア関連講座の講師も務める
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