この記事のまとめ
- グループディスカッションは9ステップで進めるとスムーズ
- 対面・WEBのグループディスカッションを通過するためのコツを解説
- ついやってしまいがちなグループディスカッションの落とし穴に気を付けよう
- 面接力診断ツール
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ディスカッション経験の少ない多くの学生が悩まされる、グループディスカッションの進め方。「仕切ろうとしてもなかなか思う通りに進まない」「どう進めるのが正解かわからない」と、流れを作るのに苦戦する人も多いでしょう。
グループディスカッションは、初対面の人と息を合わせ、一つの解を出さなければならない難易度の高い選考です。しかし、コツをつかめばどんな人でも選考通過率を上げることができます。
記事では、キャリアアドバイザーの上原さん、田邉さん、谷所さんと、グループディスカッションの選考通過率を上げる効果的な進め方を解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。
グループディスカッションの進め方を徹底解説! 7つの極意を意識しよう
ゼミや研究室などでディスカッション経験がない人は特に、グループディスカッションの進め方に悩まされているのではないでしょうか。進め方自体は難しく考える必要はありません。記事で解説する内容を覚えれば、スムーズに進められるようになりますよ。
記事では、まずグループディスカッションの特徴や目的を解説。これを踏まえることで、グループディスカッションの進め方がイメージしやすくなるので、しっかりチェックしてください。
そして、グループディスカッションの進め方を対面、WEBの場合、どちらも詳しく解説します。これを覚えたうえで選考に臨むと、スムーズに進めることができますよ。
グループディスカッションは難易度の高い選考であり、しっかり対策をする必要があります。そこで、通過のための7つの極意を解説するので、念頭に置いて議論に参加し、選考を突破しましょう。
グループディスカッションが初めての人は、こちらの記事で流れや役割について押さえましょう。
グループディスカッションが初めての人必見! すぐに実践できるコツ
そもそもグループディスカッションとは
グループディスカッションにまだ参加したことがない人も多いのではないでしょうか。
グループディスカッションとは、5~10人程度の複数の学生が一つのテーマに対して議論し、正解を導くものです。
テーマは「当社の売り上げを上げるには?」「どんな新商品がヒットする?」などさまざまです。
通常の面接では質問される内容を一定予測できますが、グループディスカッションでは、どんなテーマが出て、どのように議論が進むかわかりません。また、論理的思考力、判断力、協調性などさまざまなスキルが瞬時に求められるハイレベルな選考であり、対策は一朝一夕にはいかないのです。
グループディスカッションは、メンバーの対応や自己主張の仕方などが難しく、対策もとりにくいといえます。
他人との違いが見えやすいので、積極的に発言することが苦手であったり、自発的な発言が少なく控えめな人は、少し思い切った対応を心掛けることが必要かもしれません。
グループディスカッションと似ている選考にグループワークがあります。こちらの記事でグループワークの特徴や対策方法を詳しく解説しているので、併せて参考にしてくださいね。
グループワークは何が見られている? 進め方や対策など徹底解説
グループディスカッションやグループワーク以外にも企業によってはディベートと呼ばれるディスカッションをおこなう企業もあります。ディベートについては以下の記事で詳しくまとめているので参考にしてみてください。
ディベートで頻出のテーマ35選! 進め方や攻略ポイントを解説
グループディスカッションの目的
企業がグループディスカッションで選考をするのには、2つの目的があります。目的を理解していないと、対策をしても、それが的外れなものになってしまうかもしれません。
ここからは、企業がグループディスカッションをする目的を解説するので、参考にして対策の方向性を定めましょう。
他者を巻き込んだ課題解決力があるかを把握するため
グループディスカッションでは他者と協力して一つの解を導きます。反対意見を持つ人を納得させる説明能力や協調性などを活かして、他者を巻き込み課題を解決しなければならないのです。
会社に所属すると、周囲の社員と協力し合い、課題を解決していかなければなりません。ビジネスに必要な他者を巻き込んだ課題解決力があるか、グループディスカッションで把握しているのです。
個人面接では、面接官と学生の質疑応答になるため、他者を巻き込んで課題を解決する力があるかはわかりません。そこで、グループディスカッションを通して、入社後他者と仕事を進めていける力があるのか確認しているのです。
臨機応変な対応力があるかを把握するため
グループディスカッションは、テーマや議論の流れは想定できません。最初から正解に行きつくことは難しく、他者の意見に振り回されてしまったり、自分の意見が誤っていたことに途中で気づくこともあります。
個人面接はある程度質問を想定できますが、グループディスカッションは正解がないことも多く、事前に準備することは難しいです。
仕事にはトラブルがつきものです。特に、柔軟な対応力が問われる営業職や、営業職に配属される可能性のある総合職の選考では、臨機応変な対応力があるかを確認するためにグループディスカッションをするケースが多くあります。
こちらのQ&Aではグループディスカッションのコツをキャリアコンサルタントが回答しています。苦手意識のある人は参考にしてみてください。
アドバイザーコメント
田邉 健
プロフィールを見るグループディスカッションではチームワークが特に重視されている
個人面接とグループディスカッションとの最も大きな違いは、他人と協働することです。個人面接では他人の話を引き出す傾聴力や、個人では解決できない課題をチームで解決する協調性があるかを測れません。
そのため、個人面接では判断することができないチームワークを特にチェックしています。入社後に協働することが多い企業では、グループディスカッションをすることが多いですよ。
あいづちや共感を示したり、意見をまとめたりすると高評価につながりやすい
傾聴力を評価されるためには、他の学生の話に対して適切なあいづちを打ったり、共感をしたりすることです。これらをうまく使いこなすことで、話を引き出すことができ、グループに対して良い影響をもたらしますよ。
協調性はグループの意見をうまくまとめられたときに評価されます。学生の意見が一致しないこともありますよね。
一方的に聞き手に回ったり自己主張をしたりすると、協調性があるとは言えません。メンバーの良い意見をまとめることで、チームワークがあると評価してもらえますよ。
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グループディスカッションの進め方
グループディスカッションの選考に臨む前に、進め方を把握しておくとスムーズに結論を導くことができます。
ここからは、目安の時間とともにグループディスカッションの進め方を解説するので、大枠の流れをつかみ、本番で焦らないようにしましょう。
①自己紹介
会場に着いたら座席を指定されるので、同じグループの人と自己紹介をし合いましょう。グループディスカッションの選考が始まってから自己紹介しても問題ありませんが、その前に軽く自己紹介しておくと、空気がほぐれ、緊張感が和らぎますよ。
グループディスカッションの自己紹介の例
〇〇大学〇〇学部の〇〇と申します。
緊張していますが、皆さんと良い議論ができればと思います。
よろしくお願いします。
自己紹介をすることで、緊張感がほぐれて話しやすい環境ができます。
グループディスカッションは限られた時間内で、お互いのアイディアを出し合い、アイディアの収束までやりますが、話しやすい環境が中身の濃いディスカッションにつながるので、最初の挨拶が重要になります。
自己紹介は個人面接でも重要です。面接で効果的な自己紹介の方法はこちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
面接の自己紹介の作り方・伝え方|やってはいけないNG例も紹介
②時間配分決め
グループディスカッションの多くは30~45分です。限られた時間の中で解を出すために、何分で何を話すか、時間配分を決めましょう。アイディアの発散、収束、発表準備に時間を割くのがおすすめです。以下の具体例を参考にしてください。
グループディスカッションの時間配分の例
- 役割決め:3分
- テーマの確認・掘り下げ・最終ゴールの確認:10分
- アイディアの発散:15分
- アイディアの収束:10分
- 発表準備:5分
どんなに良い議論をしていても、解が出なければ評価されにくいです。何かに大きく時間を取られ過ぎることのないよう時間配分を事前に決めておきましょう。
最後にディスカッションの成果を発表することを意識しないといけません。議論が白熱した場合でも途中で議論を中断し、発表内容をまとめることを、初めに合意しておきましょう。
③役割決め
グループディスカッションの役割
- 司会
- タイムキーパー
- 書記
- その他
好き勝手に議論を進めては収集がつかなくなるため、グループディスカッションでは役割を設定しましょう。採用担当者から役割を設定するよう説明があるケースもありますが、ない場合も設定した方が議論がスムーズに進みやすいです。
ただ、あくまで最終ゴールは皆が納得のいく結論を出すことなので、役割決めに長時間割いたり、議論中も役割に捉われすぎる必要はありません。
ここからは、グループディスカッションの役割を解説するので、自分に合いそうなものを考えておきましょう。
司会
グループディスカッションの流れを決めるのが司会です。司会には、主に以下の役割があります。
司会の主な役割
- 時間に合わせて議論を進める
- 話が逸れたら軌道修正する
- 皆の意見をまとめる
加えて、議論に参加できていない人がいたら発言を促したりと、常に周囲を見てグループを動かすことが重要です。
リーダー経験がある人、対立する意見をまとめることが得意な人、皆が納得する方向にチームを持っていける自信のある人は、司会役がおすすめです。
司会役は意見をまとめるだけでなく、自分の意見を主張することも大切です。グループを動かすことばかりに集中すると「意見を言わない学生」と思われてしまうので注意してくださいね。
タイムキーパー
タイムキーパーは、司会役のサポートといえます。時間管理の面から議論の進行を助ける役割です。具体的には以下の仕事をします。
タイムキーパーの役割
- 時間ごとに次は何をすべきか声をかける
- 時間がオーバーしていたら注意喚起をする
タイムキーパーは、時間を常に気にしながら議論に参加しなければならない高度な役割です。「あと〇分で結論を出そう」など、チームの状況を見つつ時間を管理する臨機応変さも求められます。マルチタスクが得意な人、計画性に自信のある人におすすめです。
全体を見ながら計画的な対応ができる人は、タイムキーパーに向いています。タイムキーパーは時間を管理しながら議論に参加することになるので、マルチタスク能力に自信がある人は挑戦してみましょう。
司会とうまく連携しながら進めることが重要です。
書記
ホワイトボードやPCなどに皆の意見をまとめる、書記の役割もあります。飛び交う意見を頭の中で組み立て、わかりやすくまとめる役割です。
書記の役割
- 出た意見をホワイトボードなどに書く
- 体系立てて意見をまとめる
発言内容に沿って書いていくことが多いため、グループディスカッション初心者でも取り組みやすいのが特徴です。
また、書くことで頭を整理しやすいので、的確な意見を出しやすくなるメリットもあります。
字の見やすさに自信がある人、ディスカッションの自信がない人は、まず書記に挑戦することをおすすめします。
書記は、発言内容を簡潔に要約して記述する能力が問われます。発言内容をきちんとまとめることが得意で、字が読みやすい人は、自己アピールにつながる可能性が高いです。
その他
そのほかのメンバーは、議論に積極的に発言をしていきましょう。
役割がある人は、つい自分の責任をまっとうすることに懸命になってしまうかもしれません。議論を活発化させられるかは、そのほかのメンバーの力量によります。
「これは司会の仕事だろう」などと役割を考え過ぎず、納得のいく結論を出すために、自分ができることを常に考えて臨みましょう。
そのほかのメンバーの役割
- たくさん意見を出す
- 重要な情報を取捨選択する
- 議論が逸れていたら戻す
- 結論が本当に結論としてふさわしいのか吟味する
- 発言できていない人に話を振る
- グループディスカッションでは、役割がある人の方が評価が上がりやすいのでしょうか。
役割があるだけで評価は上がらないので注意しよう
グループディスカッションで役割を担ったとしても、役割に求められること以上をやり遂げましょう。
役割をこなすだけなら他の学生もできる人が多く、残念ながら差をつけられません。グループがより良い成果を出すために貢献して初めて、高い評価を得ることができます。
④テーマの確認
グループディスカッションによくあるテーマ
- 課題の解決
- 事業の企画
- 売り上げアップ
- 選択肢から決定
グループディスカッションはテーマが与えられ、それに沿って議論を進めていくことになります。
テーマは複数のパターンが考えられます。あらかじめ就活口コミサイトなどで過去のテーマを調べておくと、傾向がわかります。
ここからは、グループディスカッションによくあるテーマと進め方のコツを解説するので、事前準備に活かしてください。
よくあるテーマ①課題の解決
よくあるテーマとして、自由な発想が求められる「課題の解決」があります。具体的には以下のようなテーマです。
課題の解決のテーマの例
- 通勤電車の混雑を解消するにはどうすれば良いか
- 優秀な人材の獲得に苦労している顧客企業にどんな提案ができるか
- 女性の労働者数を増やすにはどうすれば良いか
- 大学の定員割れを防ぐにはどうすれば良いか
このテーマで重要なのは、以下について決めておくことです。
課題の解決のテーマで決めておくべきこと
- 誰の立場になるのか
- 何を目的に議論をするのか
正解がないテーマであることから、議論が飛散しがちですが、最初と最後の目線を合わせることで、議論を進めやすくなります。
よくあるテーマ②事業の企画
業界や職種に関連のある「事業の企画」がテーマになることもあります。具体的には以下のテーマが挙げられます。
事業の企画テーマの例
- エンターテインメント事業に乗り出すとしたら、どんなコンテンツを作成すべきか
- 男性の、家族との幸せそうな写真を見て、営業職としてできるアプローチを考えよ
- 日本に必要な統合型リゾートとは何か
- e-sportsにおける新規事業を検討せよ
- 最新IT技術でできる働きやすい環境作りとは何か
この議論の進め方は、「課題の解決」と基本的に同様です。正解がないテーマだからこそ、議論が飛散する傾向にあるので、まずは議論をする立場と最終目的を明確にする必要があります。
「事業の企画」対策として、事前に会社の事業内容とともに、今後目指している方向性などを調べておくと良いでしょう。
事業を体系的に捉えたうえで、共通の筋道を立てて議論することがポイントです。
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よくあるテーマ③売り上げアップ
企業の売り上げを上げるための施策を考えるテーマもよくあります。具体的には、以下のようなテーマです。
売り上げアップに関するテーマの例
- レンタカーの売り上げを推定し、それを1.5倍にするためにはどうすべきか考えよ
- 有名テーマパーク〇〇の売り上げを1.5倍にするためにはどうすべきか
- 売り上げが伸び悩むチェーンの居酒屋に対し、業界大手の施策を参考にし、売り上げ向上策を提案せよ
- 靴屋の売り上げを上げる施策を考えよ
「売り上げ=客数×1名あたり単価」です。そのため、売り上げアップの施策を考えるには、客数アップ、もしくは1名あたりの単価アップの方法を議論することが一般的です。
特にコンサル業界では、顧客企業の売り上げアップにつながるコンサルティングが主要なビジネスになるので、さまざまな業界を想定した、売り上げアップのテーマが設定されます。
売り上げアップのテーマでは、論理的思考で考えていくことが必要です。MECEと言われますが、「もれなくダブりなく」考えましょう。
売り上げは客数と客単価の掛け算であり、この2面を深掘りしてください。
よくあるテーマ④選択肢から決定
複数の選択肢を提示され、そこから最適な選択をするディスカッションもあります。具体的には、以下のようなテーマが設定されます。
選択肢から決定するテーマの例
- 「都市」と「田舎」どちらに住むべきか
- 所要時間も金額も同じ際に、「電車」と「バス」どちらを利用するか
- 「晴れ」と「雨」、どちらが良い天気か
- 日本での成人年齢は「18歳」と「20歳」どちらが最適か
- 「Bluetooth」と「有線」どちらのイヤホンが良いか
- 「経済的成長」と「文化的成長」どちらを優先するべきか
課題の解決や事業の企画のテーマと同様、正解はありません。ただし、どちらの選択にもメリット・デメリットがあります。
まず、メンバーがどんな価値観を持っているのか確認しましょう。自分の価値観を伝えつつ、相手の価値観も聞き、メリット・デメリットを踏まえつつ皆が納得できる解答を見つける必要があります。
選択肢から決定するテーマを攻略するためには、どの観点で判断をするのか、基準を決めることがポイントです。基準がない状態で議論をすると、意見の良し悪しが判断できなくなるため注意してください。
グループディスカッションでよく出るテーマについてもっと知りたい人は、次の記事を読んでみてくださいね。
グループディスカッションのテーマ50選|1人でできる練習法も紹介
⑤テーマの掘り下げ
テーマを与えられたら、以下の観点で、テーマを掘り下げましょう。グループディスカッションのテーマは抽象的であったり、ざっくりとしているものが多く、詳細な設定まではされていません。
そのため、そのまま議論を進めてしまうと、かみ合わなかったり、議論が飛散してしまうリスクがあります。
そこで、チームの目線を合わせるためには、5W1Hの観点でテーマを掘り下げると良いです。
5W1Hとは
「When:いつ」「Where:どこで」「Who:誰が」「What:何を」「Why:なぜ」「How:どのように」の英単語の頭文字を取ったフレームワーク
テーマを掘り下げる観点
- Who:主体は誰か
- What:何について話し合うのか
- Why:何を目的にするのか
- When:いつの施策とするか
- Where:どこでおこなう施策とするか
- How:どのように解決するのか
5W1Hのほかに、たとえば「売れる店舗を作る」というテーマであれば、どういった店舗が売れる店舗なのか、できるだけ具体的に掘り下げることで、目線が合ったディスカッションができます。
⑥最終ゴールの確認
テーマの掘り下げは、定義を明確にする、いわゆる「スタート地点」を皆で合わせる作業になりますが、併せて目指すべき「ゴール地点」も明確にしておくとスムーズに議論を進められます。
たとえば、「日本に必要な統合型リゾートとは何か」というテーマでは、スタートとゴールは以下の通り考えられます。
日本に必要な統合型リゾートとは何かのスタート(定義)の例
- Who:主体は誰か→日本の20~30代若者
- What:何について話し合うのか→若者がリフレッシュに不可欠と考える統合型リゾート
- Why:何を目的にするのか→若者がリフレッシュに不可欠と考える統合型リゾートの造りやサービスを考案する
- When:いつの施策とするか→来年夏
- Where:どこでおこなう施策とするか→地方
- How:どのように解決するのか→大手リゾート施設の、20代利用者のアンケートを参考に考える
上記から考えると、最終ゴールは「地方創生が可能で20代の需要にかなうリゾート地の、施設構造やサービスを考える」ことになります。スタートを具体的にしておくとゴールもスムーズに決まりやすいです。
⑦アイディアの発散
スタートとゴールを決めたら、とにかくアイディアを出します。「発散」と言い、発言を否定することなく、思いついた内容を自由に言い合いましょう。「重複しているのではないか」「不要な意見なのではないか」などと気にする必要はありません。
この発散で、どれほどアイディアを出せるかが結論の精度を高めます。また、発散の段階で発言をすればするほどチームの雰囲気が良くなり、議論を良い方向に持っていきやすくなるのです。
書記の人は、後でそのアイディアを的確にまとめられるように、漏らすことなく書きましょう。
⑧アイディアの収束
発散の段階でアイディアを出し尽くしたら、結論に向かうために取捨選択をします。重複を省いたり、段階に分けて整理したりと、一つの解を出せるようまとめましょう。
アイディアを収束する例
- 抽象度が高いもの順に並べる
- 実現可能性が高いものに絞る
- チームの価値観に照らして絞る
そしてチーム全員が納得のいく一つの解を出します。
- なかなかアイディアがまとまりません。収束のコツを教えてください。
まずは書き出し、共通点を見つけグルーピングしよう
さまざまなアイディアを書き出して、共通点を見つけグルーピングしましょう。そのうえで各グループを代表する題名をつけると、まとめやすくなります。
発散の段階でしっかり書き留めると、議論の崩壊を防げます。
また、その際に重要なのが、どのグループにも属さない少数意見も大切にすることです。珍しくて素晴らしいアイディアが残されているかもしれません。
⑨発表
結論が出たら、代表者を選び発表します。通常は司会役の人が発表をすることが多いですが、そうでなくてもかまいません。全員で出した回答なので、発表者は、一人称を「私たち」として発表しましょう。
発表するときは、結論から伝えるPREP法を意識しましょう。まず採用担当者が聞きたいのは結論であり、先に提示することで相手も安心して聞くことができます。
PREP法とは
「結論(Point)→理由(Reason)→具体例(Example)→結論」の頭文字を取った文章構成
また、特に重要なのは根拠です。「なぜこの結論に至ったのか」という理由の部分を論理的にまとめ、採用担当者を納得させることが重要になります。
さらに、他のメンバーの名前を出したり、称える発言をすることで、チームとしての結論であることが伝わり、かつ協調性もアピールできます。
最後は、「この案を実現することで、顧客の数を2.0倍に増やし、その結果売り上げを1.5倍上げることができると考えます」など、前向きな結論で締めると好印象になります。
グループディスカッションの発表時のコツ
- 一人称を「私たち」にする
- PREP法を意識する
- 根拠を明確に説明する
- 他のメンバーをさりげなく称える
- 前向きな結論で締める
アドバイザーコメント
田邉 健
プロフィールを見る具体性がある発表は採用担当者から高評価が得られる
グループとして高評価を得るためには、どのようなことを意識すれば良いか気になる学生が多いですよね。
採用担当者が評価する発表の共通点として、具体性があります。
具体的な施策や根拠が書かれていると、「論理的思考力」をアピールすることにもつながります。限られた時間で具体的に考えられるグループは少ないため、他の学生との差別化にもなります。
手段を具体的に、根拠を数字で明確にすることがポイント
具体的な結論の例としては「1.5倍にするためには業務委託を活用してコア業務の生産性向上が必要です」などです。
また、根拠としては「業務委託を活用すると、労働時間を◯時間削減でき、従業員一人当たりの生産性を◯%改善できます」などが具体的な印象です。
生産性を向上するという「考え」だけでなく、「業務委託を活用する」という具体的な手段まで落とし込むこと、根拠を数字で具体化することがポイントです。
ディスカッションで議論した具体的な内容があれば、発表に取り入れることを意識しましょう。
トラブルに注意! WEBグループディスカッションの進め方
トラブルに注意! WEBグループディスカッションの進め方
- ネット環境の確認をする
- カメラ・マイクの確認をする
- WEB会議ツールの操作の確認をする
- 対面と同様に進める
- 挨拶をして退出する
近年では、WEBのグループディスカッションも増えています。WEBはほかの学生の様子がわかりづらいことから、対面以上に難易度が上がるので注意が必要です。
ここからは、WEBグループディスカッションの進め方を解説します。チェックし、しっかりと準備しましょう。
①環境の確認をする
グループディスカッションでは、事前にネット環境の安定を必ず確認しましょう。ネット環境が乱れ、発言している間に途切れてしまったり、ほかの学生の意見を聞けなかったりすると、議論のペースを乱し迷惑をかけてしまいます。
ネット環境のチェック項目
- 通信速度が一定しているか
- 無線を使う場合、ルーターの容量は問題ないか
- 無線を使う場合、他の端末を接続していないか
- 無線を使う場合、同時接続している人がいないか
- 有線を使う場合、通信速度の目安である10Mbps以上となっているか
また、受検場所も重要です。騒音が入ってしまったりすると他の学生の声が聞こえなかったり、自分の発言も届きにくくなったりするリスクがあるので、静かで落ち着ける場所で選考を受けましょう。
周辺環境のチェック項目
- 音声が入らない環境か
- 周囲のものは片付いているか
- 家電などの音が鳴るリスクはないか
- 背景は白など無地か
②カメラ・マイクの確認をする
カメラやマイクが正常に動作するかの確認も重要です。ディスカッション開始後にカメラなどが起動しないことに気づいた場合、再起動をしたりとメンバーに迷惑をかけてしまうことになります。
Zoomなどでは、事前にカメラやマイクのテストをすることができるので、本番慌てないように試してみましょう。
Zoomの操作方法など、Zoom面接のやり方はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてください。
Zoom面接で失敗しない! 魅力的に伝えるコツや準備を徹底解説
③WEB会議ツールの操作の確認をする
WEB会議ツールに慣れていない人は、どのボタンが何の意味を表すかわからず、本番に慌ててしまうかもしれません。
事前に押さえておきたいWEB会議ツールの操作
- マイクの起動
- 音量の調整
- ミュート機能
- 画面の明るさの調整
特に使えるようになりたいのはミュート機能です。自分側の音を遮断する機能であり、ほかの人が話している際に使うと、会話がスムーズに進みやすくなります。
グループディスカッションでよく使われるのはZoom、Google meetです。これらの使い方は一通り確認しておくと、WEB面接でも慌てず臨めるようになります。
WEB面接の受け方、注意点などはこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
WEB面接マニュアル決定版|よくある失敗を押さえた攻略法5選
インターネット環境のチェックは重要ですが、その他映し出される画面の明るさも必ずチェックしましょう。顔の表情が暗いとネガティブな印象を与えるので、明るさが不足している場合は、顔が明るく見えるようにライトを備え付けましょう。
④対面と同様に進める
ここまでの下準備が完了したら、入室し、自己紹介をして始めましょう。ディスカッションの進め方は前で解説した「グループディスカッションの進め方」と同様です。
WEBの場合、周囲の様子がわかりづらいことから、発言のタイミングがつかみにくくなっています。そのため、特に議論の発散や収束が難しいですが、ルールを決めて対応することでスムーズに進められるようになります。
ルールの決め方など、WEBグループディスカッションを上手く進めるコツは記事後半で解説します。
⑤挨拶をして退出する
グループディスカッションが終わったら、「ありがとうございました」と挨拶をして退出しましょう。採用担当者が退出するのを待ってから退出してください。ただし、先に退出するよう指示された場合は、「お先に失礼します」といって退出します。
アドバイザーコメント
田邉 健
プロフィールを見るスムーズに進めるためにはチャット機能を活用しよう
WEBグループディスカッションは対面と異なり、会話が被ったりタイムラグが発生したりするため、うまく進められるか不安な学生もいますよね。
中には、すでにWEBグループディスカッションに参加して、思うように進められなかった経験がある学生もいるかもしれません。
このような不安を抱える学生は、チャット機能をうまく活用できるように準備しましょう。ほとんどのオンライン会議ツールにはチャット機能が備わっています。
チャットの活用をルール化しておくとスムーズに進行可能
チャットでは、メンバーの意見をまとめられたり、電波が途切れたときに意見を伝えられたり、議論に入れないときにメモ書きを残したりなどの活用ができます。
このように、対面では議論が苦手な学生であっても、WEBグループディスカッションの特徴を活かすことで議論に入りやすくなるのです。チャットを活用することをグループのルール決めで話しておくと、グループとしてチャット機能をスムーズに活用できますね。
グループディスカッションをスムーズに進めるための対策
グループディスカッションをスムーズに進めるための対策
- 社会人としての基本的なコミュニケーションマナーを身に付けよう
- ニュースを見て意見をまとめる練習をしておこう
- グループディスカッションの経験を積んでおこう
- 自分1人でも解決策を考えられるようにしておこう
他者と協力し合わなければならない、難易度の高いグループディスカッションの選考は、通常の面接同様の対策では太刀打ちできません。
ここからは、グループディスカッションをスムーズに進めるための4つの対策方法を解説します。これを押さえることで、グループディスカッションの通過率を格段に高められるので、チェックし事前に準備しましょう。
①社会人としての基本的なコミュニケーションマナーを身に付けよう
グループディスカッションは、コミュニケーション能力が問われる選考です。社会人として求められる基本的なコミュニケーション能力がなければ、議論に上手く参加できず、評価されにくくなります。
社会人として求められる基本的なコミュニケーション能力
- 人の意見を遮らずに聞く
- 異なる意見もまずは受け入れる
- 発言できていない人には発言を促す
- 発言をするときは人の目を見て堂々と話す
上記の点を意識すれば、互いに気持ちの良いコミュニケーションができ、議論が弾みやすいです。普段のコミュニケーションから意識しておくと本番も自然に心掛けられます。
グループディスカッションのコミュニケーションについて、どんな意見であっても否定せず肯定的にとらえることが最も大切です。
「そんなの無理だ」とか「現実離れしている」などといった発言は禁句です。また「どのように実現するか」とか「なぜそう思うのか」といった質問もアイディアを出しにくくすることにつながるので避けましょう。
②ニュースを見て意見をまとめる練習をしておこう
グループディスカッションのテーマは、社会問題に関係する内容も多くあります。そのため、ニュースを見ておくと、テーマに関する事前知識を仕入れられ、議論に参加しやすくなることがあります。
また、ニュースがテーマになりやすいグループディスカッションでは、ニュースへの自分の意見をまとめておくと、そのまま議論に活かせるケースもあるのです。
最近のニュースに対する意見の述べ方はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてください。
例文10選|面接で最近のニュースを話すなら「自分の意見」が重要!
- グループディスカッションの対策になるニュースのジャンルやテーマはありますか?
近年話題になっている事象は必ず押さえよう
近年の政治、経済、事件、医療、気象、ITといった時事問題や社会問題は、一通り押さえておくべきでしょう。
特に感染症問題、少子高齢化問題、戦争を含めた国際問題、円安・円高問題、物価対策、AI(人工知能)による社会の変化、インバウンド、SDGs、地域活性化などは、テーマとして取り上げられる可能性があります。
興味のあるテーマだけでなく、幅広くニュースを見て自分の考え方をまとめておくことで、グループディスカッションを円滑に進めることができます。
③グループディスカッションの経験を積んでおこう
何よりも効果的なのは、グループディスカッションの経験を積み、慣れておくことです。特に、普段ディスカッションの経験がない人は、感覚をつかんでおかなければ選考を通過するのは難しくなってしまいます。
ゼミや演習形式の授業を活かしたり、民間のサービスを使ってみましょう。以下のサービスでグループディスカッションの練習ができるので、自信がない人は申し込んでみましょう。
グループディスカッションの練習ができる民間企業
もしくは、グループディスカッションのある早期選考を受けてみるのも一つの方法です。本番ならではの進め方を体感できるので、本命企業よりも早い日程で選考をする企業があれば申し込んでみましょう。
以下の記事で、早期選考の対策について解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
早期選考を実施する業界一覧! 早めに内定を獲得する5つの秘策
④自分一人でも解決策を考えられるようにしておこう
グループディスカッションは一つの解に向かって議論を進めていく選考ですが、議論を進めるには、自分一人でも道筋を立てられるようになっておかなければ、議論を導いたり、サポートしたりすることは難しくなります。
グループディスカッションは、良い結論を出すことに貢献した人ほど評価されやすくなります。チームを良い方向に導けるよう、まずは自分一人で人を納得させられる解決策を考えられるよう練習しておきましょう。
以下の通り徹底的に練習しておくと、一人でも論理的に考える力が身に付きます。
自分一人でも解決策を考えられるようにする練習
- 就活口コミサイトなどで、過去のグループディスカッションのテーマを見てみる
- 自分なりの解答を出す
- 家族や大学の教授、キャリアアドバイザーに自分の回答を聞いてもらう
- 納得のいかないポイントがないか聞き、納得感のある説明になるまで内容を練る
アドバイザーコメント
上原 正光
プロフィールを見る動画などを見てグループディスカッションのイメージを持とう
グループディスカッションは、どんな人にとっても難しく対策を立てにくいものです。ぜひとも練習する機会を見つけて積極的に参加してみましょう。大学のキャリアセンターなどに練習会がないか問い合わせてみると良いでしょう。
といっても、なかなか練習をする機会自体多くないかもしれません。そんな場合には、YouTubeなどの動画でグループディスカッションの様子を見ておいてください。最低限進め方は理解しましょう。
態度や話し方も意識し好印象を残せるようにしよう
グループディスカッションの大きな特徴の一つは、他人と比較されやすいことです。
まずは基本に立ち返りチェックしておきましょう。身だしなみや話し方の癖に気をつけてください。小さな声ではっきりしない話し方をする人は、明るくハキハキと話ができるように練習しておきましょう。
これは通常の面接の場でも活きてきます。相手の話が終わらないうちにかぶせるように話し出す癖がある人も注意が必要です。
また態度にも十分気をつけましょう。話をすることに注力するあまり忘れがちです。実際の場面では、議論が白熱すると無意識に話しすぎてしまうこともあるかもしれません。
積極的に発言できるのは素晴らしいことですが、度が過ぎてしまうと場を乱す原因となり、協調性がないと判断されてしまうこともあります。全員が発言できるように気を配り、多数決で決めたり、少数派の意見を切り捨てたりすることのないように心掛けましょう。
本番で意識したいグループディスカッションの7つの極意
本番で意識したいグループディスカッションの7つの極意
- グループ全体で議論を良い方向に導こう
- 発言しやすい雰囲気づくりをしよう
- 尻込みせず積極的に議論に参加しよう
- 内容やフェーズを把握しつつ発言しよう
- 意見は論理的に述べよう
- 独自性や発想力も大事にしよう
- 他者の意見を柔軟に取り入れよう
ここまで、グループディスカッションの選考を勝ち抜くための準備の方法を解説してきましたが、ここからは本番当日に気を付けたい7つのポイントを解説します。
グループディスカッションに参加したことがない人や、参加してもなかなか通過しないという人は、ここで解説するポイントを念頭に入れて取り組むと安心ですよ。
①グループ全体で議論を良い方向に導こう
採用担当者の目に留まりたい、少しでも良い評価を得たいという思いが先走り、他の人に強い口調で反論したり、自分ばかり発言したりする人もいます。
しかし、グループディスカッションで重要なのは、全員で議論を良い方向に進めることです。発言しやすい雰囲気で、都度全員が納得した状態で議論を進めることで、モチベーションが上がり、それぞれの良さが引き出されやすくなります。
グループディスカッションの選考では、目立つことが評価の対象になるわけではありません。全員が納得感のある議論を進めることがポイントになるのです。
グループディスカッションは、メンバー個人の意見が評価の対象になるわけではなく、チームとして良い議論ができているかどうかが、評価につながります。グループ全体で良い方向に導いていこうという認識で、議論を進めていくことが重要です。
②発言しやすい雰囲気づくりをしよう
疎遠な人よりも、親しい間柄の人には自分の思ったことを言いやすいですよね。それはリラックスしているからであり、グループディスカッションでもリラックスした雰囲気を作り出すことで、議論が活性化しやすくなります。
ただ、最初はどうしても緊張してしまいがちです。発言が苦手な人は、あえて最初の方から意識的に発言しておくと、発言することに慣れ、議論に貢献しやすくなります。
発言をすることが得意な人は、発言できていない人に積極的に話を振り、率先して発言しやすい雰囲気を作りましょう。
③尻込みせず積極的に議論に参加しよう
グループディスカッションでは、発言内容以上に議論に参加する態度を見られる傾向にあります。そのため、「間違っているのではないか」などと不安に思わず、思いついたらまずは発言してみましょう。
議論を良い方向に導ける人ほど、評価につながりやすくなります。司会役でないからといって議論を進めてはならないわけではありません。
一番始めの話しにくい雰囲気の中口火を切ったり、議論が逸れていたらそれを正したり、アイディアが行き詰ったときに新しい視点で案を出したりする姿勢は評価されやすくなります。
発言をしなければ評価の対象になりにくいので、間違っていても良いので積極的に発言しましょう。
学生の中には「意見が間違っていないか」など不安になって発言できないと感じる人がいるかもしれません。しかし、積極性が評価の対象になっていることがほとんどなので、まずは発言をするよう心掛けることが大切です。
④内容やフェーズを把握しつつ発言しよう
アイディアを出す際に気を付けたいのは、「今何を話すべきか」「どんなフェーズにいるのか」を考えたうえで発言することです。
たとえば、アイディアの収束をしているときに新しいアイディアを出してしまうと、議論の流れを乱し、最悪の場合時間内に結論を出せなくなってしまいます。
頭の中で、議論の段階を整理し、それに沿った発言になっているか確認しましょう。
⑤意見は論理的に述べよう
特に「収束」の段階では、反対意見を持つ人も納得させられるような論理性が問われます。普段議論をせず、論理的な発言ができるか不安という人もいるかもしれませんが、以下に気を付けることで論理的に発言できるようになります。
論理的な発言の特徴
- 基本的に結論を冒頭に述べる
- 結論に対する理由を明確にする
- 主語を明確にする
- 話を逸らしたり飛ばしたりせず、順序立てる
- 主観と事実を分ける
意見を述べる際は、基本的には結論は冒頭で述べるとわかりやすい主張になります。ただ、これまでの流れに逆らった反対意見を出す際など、突如結論を示すと周囲を驚かせてしまう場合は、理由から述べると良いケースもあります。その際も、論理的なつながりに問題ないか考えながら発言しましょう。
与えられたテーマに対して自分の思いが強すぎたり知識が豊富であったりすると、意見がたくさん出てきて、手当たり次第に発言してしまうことがあるかもしれません。注意しましょう。
⑥独自性や発想力も大事にしよう
輪を乱すことを恐れ一般的な意見に終始してしまう人も多くいます。しかし、独自性のある意見がチームの雰囲気を良い方向に一変させたり、企業からその発想力を評価されることがあります。
議論のフェーズから外れないよう意識しつつ、俯瞰した視線を持ち、ほかに話し合うべき切り口がないか考えてみましょう。
- オリジナリティのある発言をしたいと思っていますが、かえって的外れなことを言ってしまわないか不安です。企業側が思う、オリジナリティのある発言って何ですか?
発言する立場・観点を変えるとオリジナリティある発言ができる
独自性や発想力を発揮するためには、他の学生が考えている別の立場や観点から考えることがポイントです。
たとえば、新規事業を立案するときに「企業の経営者」と「官公庁」が考えるのでは意見が異なります。他にも「弱みを克服する」と「強みを活かす」でも生まれる意見が異なりますよね。
このように他の学生がどのような立場・観点で物事を考えているのかを分析して、別の立場・観点から考えられないかを意識すると良いですね。
⑦他者の意見を柔軟に取り入れよう
自分の意見が正しいと考えると、他者の意見をなかなか受け入れられないことがあります。
自分の考えは、一つの側面を見ているにすぎないかもしれません。
対立する他者の意見があった場合、まずは受け入れ、咀嚼してみましょう。そのうえで腑に落ちないことがあれば理由を聞くなど、柔軟に対応すると、自分も周囲も納得のいく結論を出しやすくなります。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る4つのポイントでグループディスカッションの通過率を上げられる
上記の意識したいグループディスカッションの7つの極意のほか、押さえておきたいポイントについて説明します。
①聞くことも意識する
意見を言うことに集中し過ぎると、メンバーの意見を聞くことが疎かになってしまうことがあります。グループディスカッションではコミュニケーション能力が求められますが、コミュニケーションには、話すことだけでなく聞く能力(傾聴力)も大切です。
メンバーが意見を言っているときに無表情で聞くのではなく、メンバーを見てあいづちを打ちながら説明を聞くなど、聞くときの態度、表情も意識しましょう。
②状況に合わせた対応力
グループディスカッションでは、グループとしてのアイディアをまとめるところまで求められますが、たとえば時間配分を誤り時間が足りなくなりそうになったとき、状況に合わせて冷静に対応できる能力も評価されます。
③採用担当者に届く声の大きさ
採用担当者が巡回してきたとき、声が小さいとグループの議論が聞き取れず評価することが難しくなります。状況を踏まえたうえで、採用担当者が聞こえる声の大きさやトーンを意識すると良いでしょう。
④発表時の対応力
グループディスカッションでまとめたアイディアを発表する機会で、発表内容について採用担当者から質問を受けることがありますが、採用担当者が納得できる説明ができることも評価につながります。
オンラインはさらに難しい! WEBグループディスカッションのコツ
オンラインはさらに難しい! WEBグループディスカッションのコツ
- 発言のルールを決めておく
- 話しやすい雰囲気を対面以上に作り出す
- お互いの理解度を丁寧に確認する
近年はWEBグループディスカッションが増えていますが、対面よりもコミュニケーションを取りにくいことから、四苦八苦している学生は多くいます。
オンラインのグループディスカッションを攻略するには、4つのコツを押さえることが重要です。
ここからは、WEBグループディスカッションを攻略するコツを解説するので、控えている人は念頭に入れて臨みましょう。
発言のルールを決めておく
WEBグループディスカッションで難しいのは、発言するタイミングです。話すタイミングが被ってしまい、議論が進みにくくなってしまうケースがあります。
議論の時間が決まっているグループディスカッションは、タイムロスは致命的です。
そこで、グループディスカッションでは発言のルールを決めておきましょう。たとえば「発言をする際は挙手ボタンを押す」「実際に手を挙げる」など、ルールを作っておくと議論がスムーズに進みます。
話しやすい雰囲気を対面以上に作り出す
対面の場合、ディスカッションの前に自己紹介などのアイスブレイクの時間があり、話しやすい雰囲気を作りやすいです。一方WEBグループディスカッションでは、アイスブレイクの時間が設けられないケースもあります。
また、自分の発言中はほかの学生がミュートをしている時が多いため、周囲の反応がわかりづらい傾向にあります。そのため、話を聞く際は特に、話しやすい雰囲気を作り出すことが重要です。
話しやすい雰囲気を作り出す方法
- 発言中は笑顔かつ明るい声で話す
- 話を聞くときは表情やうなずきを意図的に大きくする
- 相手の発言に対する意見を述べてから話す
お互いの理解度を丁寧に確認する
発言した際、対面では、周囲の理解度を感じ取りやすいです。しかしWEBでは、誰がどの程度理解しているのか把握しにくい傾向にあります。
理解していない人がいたり、解釈が異なっていると、議論が混乱しかねません。特にスタートとゴールは慎重に目線合わせする必要があります。
「話し合うべきは〇〇だと思っているけれど、その認識で合っていますか」など、議論の前提となる部分は特に、お互いの理解度を丁寧に確認して進めましょう。
- WEBのグループディスカッションで、「このグループは良い議論をしそうだな」と感じるグループの特徴はありますか?
否定が少なく意見が活発な特徴
WEBのグループディスカッションは、お互いが発言するタイミングを図って意見の数が少なくなる傾向があります。
しかし、意見が出れば出るほどブラッシュアップされ、良いグループディスカッションができますよ。
否定をする学生がいると意見が出づらくなるため、「否定する学生がいないか」は好印象を与えるために重要なポイントです。
また、雰囲気だけでなく「実際に発言している学生が多いかどうか」も採用担当者が抱く印象を左右しますよ。
選考通過率が下がりやすい! グループディスカッションの注意点
選考通過率が下がりやすい! グループディスカッションの注意点
- 他人の意見を否定しない
- 自分ばかり話し過ぎない
- 周囲を優先しすぎない
- テーマに知見がないときも無言は避ける
- 役割を気にしすぎない
- 乱暴に結論を出さない
グループディスカッションには、ついやりがちな失敗があります。これを意識しなければグループディスカッションをスムーズに進められず、選考を通過するのは難しいです。
ここからは、グループディスカッションで絶対に気を付けたい6つの注意点を解説するので、参加時はこれだけは避けるようにしましょう。
他人の意見を否定しない
周囲から、明らかに間違っていたり、的外れな発言が出ることがあるかもしれません。しかし、その場合も真向から否定するのは避けましょう。発言者が萎縮してしまい、その後議論に参加しにくくなってしまうかもしれません。
その発言者は、単に勘違いをしていたり、それまでの流れを聞きそびれてしまっていただけかもしれません。まずは一度受け入れたうえで、発言の背景や意図を丁寧に聞き、全員が安心して発言できる環境にしましょう。
自分ばかり話し過ぎない
アイディアがたくさん浮かんできたり、議論がヒートアップすると、つい話し過ぎてしまうことがあります。しかし、自分ばかり話し過ぎると、他の人の発言の機会を奪ってしまい、全員が納得した良い議論にすることはできません。
また、議論が上手く進まないだけでなく、採用担当者から「協調性がない」と評価されてしまうケースがあります。
自分ばかり話し過ぎていないか、皆が発言できているか、常に気を配りましょう。伝えたいことが多い場合は、その中でも特に言うべき内容を精査してから発言するようにしてくださいね。
一人の人ばかり話し過ぎているグループは、グループディスカッションとして機能せず、グループとしての成果を生み出せない印象を持たれる可能性があります。
周囲を優先しすぎない
周囲に気を使い過ぎてなかなか発言できないという人も多いのではないでしょうか。しかし、発言をしなければ他人任せな人という印象になってしまいます。
協調性は重要ですが、周囲に機会を譲りすぎるのはよくありません。採用担当者は、あなたを通過させるかどうかを見極めています。
議論は全員で進めるものの、一人ひとりが評価の対象であると意識し、積極的に発言しましょう。
遠慮しがちで控えめな人をどう捉えるかは企業の考え方次第です。遠慮がちでもハキハキと明るく振る舞えれば、悪い印象は与えないものです。暗くてネガティブであると受け止められないように注意しましょう。
テーマに知見がないときも無言は避ける
知識がないテーマでは、何を発言して良いのかわからなくなってしまうかもしれませんが、無言は避けるべきです。グループディスカッションでは積極性を評価される傾向にあるためです。
何を発言して良いかわからないときは、まず周囲の意見を聞きましょう。そこで知識を収集し発言することがおすすめです。
どうしても発言内容が思いつかない場合は、議論に参加するやり方として、「私も〇〇さんの意見に賛成です。〇〇さんがおっしゃっていた点に加えて……」と、他者の意見に理由を追加して賛同する方法があります。
役割を気にしすぎない
グループディスカッションの最初は、司会やタイムキーパーなど役割を設定しますが、それを気にしすぎるのも良くありません。
たとえば司会役でないからといって議論をリードするのを避けたり、反対に司会役だからといって意見を出さないようにしてしまうと、チームにとって本当に良い解は出しにくくなります。
グループディスカッションの目的は、あくまで納得のいく解を出すことです。役割を気にしすぎず議論を進めましょう。
乱暴に結論を出さない
時間が迫っているときによくある失敗として、乱暴に結論を出すことがあります。たとえば多数決で決めたり、吟味せず司会役の人の意見に従ったりする例がありますが、全員が納得のいく解を出したかどうかも選考基準になるケースがあります。
時間が迫っている場合も、全員の意見を組んだうえで、納得のいく結論を出すようにしましょう。
アドバイザーコメント
上原 正光
プロフィールを見る熱意のあまり他人を遮ったりすることのないようにしよう
熱心に参加し、他人に負けないように率先してたくさんの意見を出して目立つことが重要だと思い込み、発言が多過ぎたり他人の発言をさえぎって主張したりする人が見受けられますが逆効果です。
リーダーシップをとっているように見られたいという思いが裏目に出て、協調性がなく自己主張が強すぎ、頑固と受け取られてしまうかもしれません。
チームでいかに議論を進めることができるのかが大切で、協調性が重要な要素です。
発言内容に他人の意見への批評が多かったり、ネガティブな発言が多かったりするとマイナスに捉えられます。
議論が白熱してくると周りがまったく見えなくなり、態度が横柄になる人もよくいますが印象はよくありません。マナーに気を配り、周囲に対する思いやりの気持ちと丁寧な対応を心掛けることが大切です。
他人と比較されやすい場なので注意して臨みましょう。
グループディスカッションは「個人」も「周囲」も大切にしスムーズに進めよう
グループディスカッションは、積極性や論理的思考力、協調性など個人の力が問われるものですが、全員で良い結論を出そうと意識することで、納得のいく議論になります。
自分ばかりに集中せず、周囲にも配慮し、スムーズに進めれば、良い結果を導き出せるので、意識して取り組みましょう。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見るグループディスカッションは進め方をしっかり把握して臨もう
グループディスカッションは、最初に採用担当者から説明があるので、テーマ、制限時間、注意事項などを聞き漏らさないようにしましょう。
自己紹介では学校名と名前を名乗り、緊張感をほぐしましょう。名札がない場合は名前や席をメモしておくと良いです。
メンバーに意見を求めながら議論を進行し結論をまとめる司会、議論の時間管理をおこない司会を補佐するタイムキーパー、議論の要点をまとめ、メンバーの認識とすり合わせる書記など、役割を決めるとスムーズに進行することができます。
発言しやすい雰囲気づくりで発散し、論理的に収束していこう
テーマの確認、掘り下げ、最終ゴールの確認をメンバーで共有したうえで、アイディアを出し合い、収束までおこない発表します。メンバー全員が発言しやすい雰囲気づくりを意識しながら、積極的に議論に参加することが大切です。
採用担当者は、物怖じしない積極性、同じ目標に向かってやるべきことを実践していく協調性、メンバーが納得する説明ができる論理性、メンバー全体をまとめるリーダーシップなどを、グループディスカッションで見極めています。
メンバーの意見を傾聴しながら論理的に説明し、メンバーが納得できるアイディアに収束させましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Masamitsu Uehara〇会社員時代は人事部として3000人以上の学生と面談を実施。大学でも多くの学生のキャリア支援をおこなう。独立後は、就活生からシニア層までさまざまなキャリア相談に携わる
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/なべけんブログ運営者
Ken Tanabe〇新卒で大手人材会社へ入社し、人材コーディネーターや採用、育成などを担当。その後独立し、現在はカウンセリングや個人メディアによる情報発信など幅広くキャリア支援に携わる
プロフィール詳細キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
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