大学中退者の就職成功ロードマップ|内定を勝ち取る面接対策も解説

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  • キャリアコンサルタント/一般社団法人テツナグ代表理事

    Hiromi Wakabayashi〇女性や学生向けのキャリア講座、行政主催の就職フェアでのキャリア相談に従事。また、ライター経歴を活かし、各種サイトでキャリアについて考えている人に向けた記事を監修

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/なべけんブログ運営者

    Ken Tanabe〇新卒で大手人材会社へ入社し、人材コーディネーターや採用、育成などを担当。その後独立し、現在はカウンセリングや個人メディアによる情報発信など幅広くキャリア支援に携わる

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士

    Takako Shibata〇製造業を中心とした大手~中小企業において、従業員のキャリア形成や職場の課題改善を支援。若者自立支援センター埼玉や、公共職業訓練校での就職支援もおこなう

    プロフィール詳細

この記事のまとめ

  • 大学中退者の現状をデータで把握して就職活動の実態を知ろう
  • 大学中退者の就職までのロードマップを理解してやるべきことを把握しよう
  • 選考での答えにくい質問は例文5選を参考にしてしっかり対策しよう
  • この記事を読んでいる人に
    おすすめな診断ツール(無料)

  • 適職診断

    たった3分であなたの受けない方がいい職業がわかる!

大学を中退してしまうと就職が難しくなると聞いたことがあるかもしれません。「大学を中退したから就職できないのではないか」「自分が就職できるような会社はあるのだろうか」と、大学中退がネックとなり、就職への自信が持てないという人は少なくないですよね。

たしかに大学を中退してしまうと新卒と比べて就職への難易度は高くなりやすいです。しかし、大学を中退しても就職に成功している人は大勢います。そのため、大学中退だからといって、就職の道を諦める必要はありません。

この記事では、キャリアアドバイザーの若林さん、田邉さん、柴田さんのアドバイスを交えつつ大学中退者の就職活動の実態と就職を成功させるロードマップを解説します。大学中退に対するマイナスなイメージを払拭して就活を成功させましょう。

目次

あきらめる必要はない! 大学中退でも就職は可能

大学中退者の中には、中退したという事実から就職を諦めてしまう人もいますが、その必要はありません。大学中退者ならではの就活の進め方を正しく理解することで、理想の就職を叶えられます。

記事では、まず大学中退者の現状や実態を解説します。客観的なデータから大学中退者の就職についての理解を深めましょう。また、大学中退者の就職ロードマップも説明します。これを参考にすることで、大学中退者ならではの就活の進め方のすべてを理解できます。

さらに、人気企業を狙いたい人に向けて実践必須のコツを紹介します。これらを実践することで、周りよりも有利に就活を進められますよ。理想の就職を叶えるための参考にしてみてくださいね。

若林 宏美

プロフィール

私の周りにも、経済的な理由などから大学を中退した人がいます。大学を中退していても正社員で働いている人は多く、中には自分で起業した人もいるようです。

自分の頑張り次第でキャリアを築くこともできるので安心してくださいね。

まずはあなたが受けないほうがいい職業を確認してください

就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。

そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

大学中退者の現状は? データで確認しよう

大学を中退してから就職を考えているのは、あなただけではありません。ほかにも多くの人が大学中退から就職を目指して行動しています。

ここでは、大学中退から就職を目指している人たちについて、データを用いて解説します。データの客観的な情報から、大学中退者の就活事情を把握していきましょう。

大学中退者の割合とその理由

文部科学省の大学等における令和4年度前期の授業の実施方針等に関する調査及び学生の修学状況(中退・休学)等に関する調査の結果について(周知)によると、大学中退者の割合は令和3年度で1.95%と少ない傾向にあることがわかります。

R3年度(4月~3月)R2年度(4月~3月)
中退者数57,875人57,913人
学生数に占める中退者数の割合1.95%1.95%
大学中退者の割合

また、中退理由は転学が16.3%、学生生活不適応・就学意欲低下が15.7%となっています

中退理由ランキング大学を中退した理由
1位転学等(16.3%)
2位学生生活不適応・修学意欲低下(15.7%)
3位就業・起業等(14.3%)
4位経済的困窮(13.5%)
5位学力不振(7.7%)

大学中退者の就職率

次に、大学中退者の就職率からどの程度就職が難しいのかを見ていきます。

労働政策研究・研修機構の大学中退者の就労と意識に関する調査によると、大学中退者の就職率は33.9%です。つまり、大学中退者は、約3人に1人が就職していることがわかります。

同じ年齢の大卒の正社員就職率は69.1%となっているので、大卒と比べると就職率がかなり低いことがデータから読み取れます

また、大学中退者は非正規雇用が45.7%、13.9%が未就業と、50%以上は正社員になれていない現実があります。

高卒との比較

就職率でも解説した労働政策研究・研修機構の大学中退者の就労と意識に関する調査によると、高卒の就職率は62.4%です。

大学中退者は、高卒と比べて就職率が半分程度となっています

アドバイザーコメント

大学中退者は大卒者に比べると非正規雇用の割合が高い

大学中退者の就職ハードルが高いことは本文で解説されていますが、非正規雇用の割合が多いことも気になる人がいるのではないでしょうか。

非正規雇用とは、アルバイトやパート、派遣社員、契約社員のように期間に定めがある働き方のことです。正社員は期間に定めがない雇用なので、非正規雇用の方が不安定な働き方と言われています。

安定した雇用形態での就職はハードルが高くなりやすい

大学中退者の非正規雇用への就職率が45.7%であることは本文で説明されていますが、同調査によると、大学卒業者の非正規雇用への就職率は16.2%と報告されています。

大学中退者の割合が約2.8倍高いことを考えると、安定した雇用形態での就職のハードルが上がることがわかりますね。ただし、職場によっては正社員登用制度が用意されていることもあるため、必ず非正規雇用として働き続けるということではありません。

しかし、就職率が低いだけでなく、安定した仕事に就職しづらいというデータがあることも覚えておきましょう。

選考が厳しくなるって本当? 大学中退者の就職活動の実態

ここまでデータで確認してきたとおり、大学中退者の就職は難易度が高くなりやすいです。大学を中退している以上、選考が厳しくなるという現実を覚悟したうえで、就職活動をおこなっていかなければなりません。

そこで、大学中退者の就職活動の実態について、詳しく解説します。企業から大学中退者がどのようなイメージを持たれているのかも解説しているので、ぜひ参考にしてください。

新卒と比較すると不利になりやすい

新卒と比較すると不利になりやすい理由

  • 応募できる求人が減るから
  • 企業からのイメージが良くないから
  • 大学中退者の割合は少ないから

大学中退者は新卒で就職活動している人に比べると、不利になりやすいという実態があります。

ここでは、具体的に不利に働いてしまう理由について解説します。不利になりやすい点をしっかりと理解して、実際の就職活動へ活かしていきましょう

理由①応募できる求人が減るから

就職活動では、大卒の新卒枠が最も求人数が多く、応募できる企業も多くなります。企業によっては、大学卒業を応募条件にしているところもあります。

大学を中退してしまうと新卒扱いではなく、高卒の一般応募で就活を進めていかなければなりません。そのため、大学の新卒よりも応募できる求人の数が少なくなり、大学中退者の就活は新卒と比べると不利になってしまうのです。

柴田 登子

プロフィール

大学は一方的に授業を聞くだけでなく、レポートを書いたり、発表をしたりして論理的思考やそのアウトプットを学ぶところでもあります。

したがって、大学を中退しているのであれば、その能力が不足している場合が多いため、自ら企画や運営をする業務を目指したいのであれば、大学中退だと応募が難しくなることがあります。

理由②企業からのイメージが良くないから

多くの企業は、採用活動に多大な時間とお金を費やしています。そのため、すぐ辞めてしまうような人材ではなく、長く会社に貢献してくれる人材を集めたいと考えています。

大学を辞めているという事実から、企業としては「すぐに辞めてしまうのではないか」という悪いイメージを抱きやすいです

そのため、大学を退学した人が応募しても、採用に進むことが難しく、新卒に比べて選考が不利になる傾向にあります。

若林 宏美

プロフィール

大学を中退する理由は人それぞれですが、中には「こらえ性がない」と判断する企業もあります。単なる思い込みに過ぎないのですが、こうした理由から「すぐに離職しそう」と思われてしまい、採用が難しいことがあるようです。

就活準備は適職診断から始めてください!

適性がある仕事を選ぶ事は非常に重要です。適性が低い仕事に就職してしまうと、ミスマッチから早期退職につながる可能性が高まってしまいます。

そこで活用したいのが「適職診断」です。40の質問に答えるだけで、あなたのキャリア志向を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ絞れていない人
・得意な分野で働きたい人
・早期退職を避けたい人

入社後のミスマッチを防ぐためにも、自分の適職を診断してみましょう。

中退から再入学した人も就職は可能

大学を中退した人の中には、自分のやりたいことがあったり、興味のある分野が変わったりして、別の大学に再入学し、新卒扱いとして就活を進めようと考えている人もいるでしょう。

中退したとしても、大学を卒業できれば新卒扱いになるため、就活へ悪い影響を与えることはありません。ただし、中退した経緯を聞かれる可能性はあるので、その点は注意が必要です。

年齢で制限を受ける可能性はある

一方で新卒での就活は、入社後のポテンシャルを見越して若い人材を求めているケースも見受けられます。

そのため、再入学の時期が遅く、卒業時の年齢が高い場合、企業が求める人材と合わないと判断され、選考の制限を受ける可能性はあります

自分の年齢が就活においてハンデになりそうな場合は、募集要項をしっかり確認して、就活を進めるようにしましょう。

具体的にはどのくらいの年齢から就職が厳しくなるのでしょうか? 

新卒採用は28歳前後から制限を受けやすい

学生によっては、 大学に入り直すことを検討しているけれども、年齢の制限を受けてしまわないか、不安に感じている人もいるのではないでしょうか。このように感じている学生は、28歳前後で就職できるかどうかを考えましょう。

一般的に、大学卒業の満22歳から23歳、大学院卒業の満24歳から25歳、博士課程卒業の満27歳から28歳が新卒に該当します。そのため、28歳前後から年齢制限を受けやすくなると考えましょう。

リスクが多いためフリーターになるのは避けた方が無難

大学中退者の中には、就職が難しいことからフリーターで生活していこうと考えている人がいるかもしれません。しかし、フリーターを続けるのは以下のようなリスクがあるため、避けた方が良いといえます。

フリーターになるリスク

  • フリーター期間が長くなるほど就職率が下がる
  • ニートやフリーターの生活に慣れてしまう

若い年齢であれば、フリーターでも正社員になれる可能性が高い傾向にありますが、年齢を重ねてしまうと、募集条件に当てはまりにくくなり、就職率はどんどん下がっていきます。また、フリーターの生活に慣れてしまうと、抜け出すのが難しくなり、就活や正社員になることへの不安を感じてしまうようになります。

アドバイザーコメント

ほかにもフリーターを長く続けるリスクやデメリットに要注意

フリーターを長く続けるには、ほかにも2つのデメリットがあります。

スキルアップの機会やキャリアパスの限定

20代のうちに正社員としてある程度の技術や経験を身に付けておくと、関連性のない業種や職種でもそれらが活きる場合があります。未経験への転職活動でも、これまでの経歴の中からどれだけ実績を挙げたか、または周囲から認められていたかが見出しやすいからです。

しかし、フリーターを長く続けると、どうしても専門的な知識やスキルを得られないままのケースが多いので、年齢が上がってからのキャリアの選択肢が狭まってしまい結果的にキャリアパスが限られてしまいます。また、フリーター期間が長く続くほど、正社員として採用される確率はかなり下がってしまいます。

給与額の停滞

派遣やアルバイトなどの雇用形態では、ほぼ給与の上昇が見込めません。非正規雇用では年齢が上がっても所得が上がらないだけではなく、雇用先を変えれば以前の時給よりも低い額を提示されることも少なくありません。

着実に収入を増やしていきたいと考えるのであれば、やはり正社員として雇用されておいた方が良いでしょう。

フリーターについて詳しく知りたい人は、こちらの記事で解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
フリーターとは? 正社員とのリアルな違いや将来性を徹底解剖

大学中退者のキャリアのネガティブな影響

大学中退者は、仮に就職できたとしても、就職後も新卒と比べてネガティブな影響を受ける可能性も考えられます。なぜなら、そもそもの採用枠が別扱いとなり、同じようなキャリアを歩めない可能性があるからです。

ここからは、大学中退者の就職後に起こりやすいリスクについて解説します。リスクを把握したうえで、就職後、自分にどのような影響が起こりえるのか確認してみてください。

仕事の幅が狭まる

企業によっては、採用時点で総合職と一般職を分けて採用しているところがあります。

総合職は、幅広い業務の経験を積み、将来的には管理職として会社全体を見渡せるようなポジションを期待されています。一方で、一般職は限定的な仕事をメインとして、総合職のアシスタント業務をおこないます。

大学中退者は総合職ではなく、一般職の応募が多い傾向にあり、大卒と同じ企業へ入社できたとしても、仕事の幅が狭まってしまう可能性があります

ただ、一般職は総合職と比較し転勤のリスクがほとんどなかったり、過重労働になりにくいなどのメリットもあるので、自分の適性を考えましょう。

総合職と一般職の違いは、以下の記事で詳しく解説しています。違いを知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
総合職と一般職の7つの違いを解説! 将来後悔しない選択の秘訣とは?

若林 宏美

プロフィール

雇用の判断基準として、どうしても学歴である程度の振り分けをおこなう企業があるのも実情です。ですが、学歴ではなく入社後の適性試験などで職務を振り分ける企業もあるので、活躍したい人はそうした企業を選んでみてください。

かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断

就活では自分に適性がある仕事を選びましょう!適性が低い仕事だと、就職前に思い描いていたイメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクも。

そこで活用したいのが「適職診断」です。カンタンな質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

賃金が安くなる

大学中退者は高卒の扱いとなり、大卒者と比べて給料が安い傾向にあります。厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査 学歴別によると、賃金の差は以下の通りです。

学歴平均賃金
高卒27万3,800円
大卒36万2,800円
高卒・大卒の平均賃金

男女計の平均賃金を比べると、約9万円近い差があることがわかります。賃金に差が出る理由は、先述した「総合職と一般職による職務の内容の差」「会社の規定により高卒、大卒で基本給が異なる」などが挙げられます。

もちろん、必ずしも大卒より給料が安くなるわけではなく、入社後の努力によっては、賃金を上げていくことは可能です。しかし、一般的に高卒と大卒で賃金に差が出やすいということは理解しておきましょう

この流れで進めよう! 大学中退者の就職までのロードマップ

大学中退者の就職までのロードマップ

大学中退者の就活は新卒に比べて不利になりやすいため、やみくもに就活を進めてもうまくいく可能性は低くなってしまいます。

そのため、就活で内定をもらうまでの正しい手順を理解して、手順通りに就活を進めていくことが重要です。

そこで、大学中退者が内定を獲得するまでの就活の流れを解説します。無駄なく、最短距離で就活を成功させたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

中退後できるだけ早く就活を始める

大学中退後、できるだけ早く就活を始められれば、就職の可能性を高められる傾向にあります。その理由は以下の2つです。

中退後できるだけ早く就活を始めたほうが良い理由

  • フリーター期間が長くなるほど就職率が下がるから
  • ニートやフリーターの生活に慣れてしまい就活へのモチベーションが高まらないから

中退から時間が経ってしまうと、年齢がネックとなり、教育しづらいとの印象を持たれやすくなってしまいます。具体的には、「新しい環境に適応しにくいのではないか」「若い人より教える時間がかかりそう」などのマイナスイメージを持たれ、就職が難しくなる傾向にあります。

また、フリーターが長くなると、その生活に慣れてしまい、正社員になるモチベーションが高まりにくくなってしまいます。

企業の目線、自身の感情的にも、できるだけ早く就活を開始することが重要です。

自己分析で就職の軸を明確にする

自分史のフォーマット

大学中退者は、新卒よりも就活が不利な分、モチベーションを保ちづらいというデメリットがあります。そのため、自己分析から将来像を描き、就職の軸を持っておくことで、比較的モチベーションを高く維持したまま就活を進められます。

以下の手順で進めると、効果的な自己分析が可能です。

自己分析のやり方

  1. 自己分析するテーマを決める(頑張ったこと、継続していることなど)
  2. テーマに関連するエピソードを振り返る
  3. 分析したテーマの内容を整理して共通点を探す
  4. 共通点から自分の強み、価値観などを見つけ出す
  5. 見つけた強みや価値観を活かせる将来像を描いてみる

自己分析は、企業選びや志望動機、自己PRにもつながる重要な取り組みなので、上記の方法を参考に実践してくださいね

就活の軸の見つけ方はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
就活の軸一覧90選! 納得できる企業選びの基準の見つけ方も解説

自己分析の具体的な手法は以下の記事で解説しているので、参考にしてみてください。
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説

また、自己分析を簡単に実施できるフォーマットについても解説しています。こちらも併せて確認してみてくださいね。
簡単15分! 自己分析シートのフォーマット6選

大学中退者は、自己分析において「頑張ったこと」や「継続していること」の深掘りに特に力を入れてみてください。どの面接官がエピソードを聞いても同じイメージができるように、数字などを活用して具体的に振り返ることがポイントですよ。

あなたが受けない方がいい職業を確認しよう!

就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。

そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

業界研究や企業研究をおこなう

次に、業界や企業のことを理解して、自分がどんな職業に就きたいのかを明確にしていきます。

業界や企業を詳しく理解しなければ、自分に合っているのかはわかりません。また、企業は業界や企業への理解度から、自社への興味関心度合いを探ろうとしています。理解度が低いと、なんとなく応募していて、実際は入社の意欲が低いのではないかと思われてしまう可能性があるのです。

また、業界・企業研究をおこなわず、早めに内定をもらえたからといって就職してしまうと、ミスマッチにより、早期退職につながる可能性もあります。

そのため、今までの経験からどんな業界・業種で働きたいのか明確にしたうえで、就活を進めていきましょう。具体的には、以下の方法で研究を進めてみてください。

業界・企業研究のやり方

  • 新聞・ニュースから業界の情報を集める
  • 企業のホームページ(HP)で事業内容や企業理念などを理解する
  • 企業の採用ページの中途募集を見てみる
  • 企業の社員紹介から仕事内容を理解する

企業研究については、以下の記事で詳しく解説しています。自分に合った企業選びの参考にしてみてくださいね。
作り方例4選|企業研究ノートのまとめ方をイラスト付きで解説!

企業を選ぶための業界の絞り方は、以下の記事で詳しく解説しています。後悔せずに業界研究を進めたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
業界の絞り方で就活失敗? 後悔しない絞り方7選と必須の準備を解説

柴田 登子

プロフィール

採用時に学歴不問であっても、入社後に大学中退者の職種やキャリアパスが限定されることがあるかを確認しておきましょう。

特に昇進や昇給に関しては、学歴によって大きく差がついてしまうケースがあります。入社してから後悔しないように、事前にしっかり調べてみてください。

大学中退者向けの就職支援サービスを利用する

大学中退者向けの就職支援サービスを利用する

  • 就職サイト
  • 就職エージェント
  • ハローワーク
  • 無料の実践型就職支援講座

大学を中退してしまうと、大学からの就職支援を受けられずに、情報の取得や選考対策などで悩む人もいるかもしれません。

そのような悩みを解決する方法として、大学中退者でも利用できる就職支援サービスの利用がおすすめです。無料で使えるサービスばかりなので、費用の心配をすることなく、さまざまなアドバイスをもらいながら就活を進めていくことができます

ここでは、大学中退者におすすめの就職支援サービスを4つ紹介します。

①就職サイト

就職サイトは、サイト上で求人を掲載している企業に対して、自分から応募して選考を受けるサービスです

求人数が豊富で、大学中退者が就職しやすい「未経験歓迎」「経験不問」などの求人も多く、自分に合った企業や職種を幅広く見つけることができます。

以下の就職サイトは、特に求人数が多く、大学中退者向けの求人も豊富に取り扱っています。条件を設定して、自分に合った求人を見つけることもできるので、就活を進める際の参考にしてみてください。

大学中退者におすすめの就職サイト

若林 宏美

プロフィール

どんなバックボーンがある人にもいえることですが、自分がその企業の応募条件に当てはまっているか、自分の働きたい条件と合致しているかは大切なポイントです。ミスマッチを防ぐためにも、雇用条件はしっかりと確認しておきましょう。

②就職エージェント

就職エージェントに登録して利用することで、効率的に就職活動を進めることが可能です。就職エージェントとは、求職者と企業をマッチングさせるサービスで、求職者に担当となるエージェントが付き、求人の紹介やアドバイスなどをしてくれます

第二新卒やフリーターの就職支援に力を入れているエージェントもあるので、自分に合ったサービスを選ぶようにしてみてください。

大学中退者におすすめの就職エージェント

就活への不安が大きい大学中退者にとって、1対1でサポートしてくれるのは心強いですよね。ただし、エージェントとの相性が合わない可能性もあるので、2〜3社ほどのサービスを併用して使うのがおすすめです。

大学中退者が就職エージェントを活用するときには、求人について自分自身でもリサーチすることがポイントです。紹介される求人が自分に合っていない可能性もあります。

エージェントの情報だけで判断するのではなく、リサーチをして自分で判断しましょう。

所要時間はたったの3分!
受けない方がいい職業を診断しよう

適職診断


「適職診断」のおすすめポイント
・たったの3分で簡単に診断ができる
受けない方がいい職業がわかる
・エントリーする業界・職種が絞れる

③ハローワーク

ハローワークは、就職支援を無料でおこなっている公共の施設です。大学中退者でも求人を探したり、就職の相談をおこなったりできるのが特徴です

また、大学を中退していても、3年以内であれば新卒扱いとして利用できます。若者ハローワークは、通常のハローワークに比べて、若者向けの求人が多かったり就職対策の講座などを受けられるので、中退者にもおすすめのサービスです。

ただし、先述した就職エージェントと比べるとサポートが少ない傾向にあるので、就職サイトや就職エージェントなどを併用して、気になる求人があれば応募することがおすすめです。

④無料の実践型就職支援講座

実践型の勉強から技術を身に付け、就職支援まで無料でサポートしてくれるサービスも存在します

未経験からでも受講が可能で、スキルや資格取得後に提携している企業へ入社するという流れが一般的です。大学中退者で、今からスキルを身に付けて就職したいと考えている人にはおすすめの方法といえます。

講座の内容はIT系の「プログラミング」「ITインフラ」などが多くあります。たとえば、東京都では、デジタル人材育成支援事業によるプログラミングコースなどを実施しています。気になる人はぜひ調べてみてください。

就職支援サービスはどれがおすすめですか?

柴田 登子

プロフィール

地域若者サポートステーションがおすすめ

大学を中退して、現在無業の状態であれば各都道府県が設置している地域若者サポートステーション(通称:サポステ)を利用するのもおすすめです。

自己理解や適職探しのサポートはもとより、公的機関や民間のさまざまな就職支援サービスのうち、その人に合ったものをアドバイスしてくれます。

何よりも無料で利用できるので助かります。アルバイト中など何らかの仕事についている人は、各都道府県に設置されているキャリア形成サポートセンターの利用ができます。1回限りになりますが、無料で就職活動の方向性を一緒に考えてくれます。

大学中退者でも応募できる求人を探す

大学中退者は、大卒を条件としている求人には応募できません。また、大手企業のように応募者が殺到する企業では、選考基準が高く設定され、応募できても書類選考が通りにくい傾向にあります。

そこで、大学中退者でも書類選考が通りやすい求人を探すことで、就職を叶えやすくなります。たとえば「未経験歓迎」「学歴不問」「ポテンシャル採用」など、職歴やスキルが求められない求人に応募することで、就職につながりやすくなるのです。

若林 宏美

プロフィール

私個人の肌感になりますが、創業して10年程度の若い会社や、従業員数規模の小さな会社では、学歴を問わず人柄や将来性を判断してもらいやすい傾向があると感じています。そうした会社では、学歴に関係なく仕事の幅も広いのが特徴ですよ。

大学中退者ならではの就職活動の対策をする

大学中退者の就活は、新卒よりも不利になりやすいため、中退者ならではの対策を実施して書類選考や面接に臨む必要があります

そこで、「書類作成」と「面接」の2つについて、大学中退者ならではの就活対策を解説します。書類選考までにしっかりと対策方法を理解して、就活を円滑に進めていきましょう。

履歴書などに中退も含め経歴を正しく記載する

大学中退の経歴を履歴書に書きたくないと思う人もいるかもしれません。しかし、面接の中で経歴などは必ず聞かれるので、中退した事実も含めて、正しく記載するようにしてください

大学中退を履歴書に書く場合は、以下を参考に記載するようにしてください。

学歴
2023年10月○○大学○○学部○○学科 中途退学
(経済的理由による)
大学中退を履歴書に記載する例(経済的な理由のケース)
学歴
2023年10月○○大学○○学部○○学科 中途退学
(病気療養のため:現在は完治)
大学中退を履歴書に記載する例(病気療養が理由のケース)
学歴
2023年10月○○大学○○学部○○学科 中途退学
(経済的理由による)
職歴
2023年12月○○株式会社アルバイト入社
大学中退からアルバイト経験を履歴書に記載する例

嘘の経歴を書いて後でばれてしまうと、内定取り消しといった事態にもなりかねません。また、大学中退の理由がポジティブであったりやむをえない場合は上記の例の通り書きましょう。

ただし、単位を落としてしまったなど、好感を持たれにくい中退理由の場合は無理に書く必要はありません。

大学中退者がよく聞かれる質問に備える

大学中退者は新卒と違い、中退者ならではの質問を企業から聞かれやすいです。たとえば、中退者は以下のような質問を受けやすいです。

大学中退者が聞かれやすい質問

  • 大学を中退したのはなぜか
  • 大学を中退してから何をしていたか
  • なぜ今就職しようと考えたのか

これらの質問にしっかりと答えられなければ、企業からは「中退から何も学んでいないのかな」と思われてしまうため、答えを準備しておく必要があります。

具体的な対策については、後述するので、ぜひ参考にしてみてください。

大学中退者が面接で聞かれやすい質問として、上記以外に将来の目標が挙げられます。中退後にどのような職種で活躍していきたいか、その職種で活躍するために必要なことは何かを伝えることで高評価が得られますよ。

アドバイザーコメント

不利だと思い込まずに制度を利用するなどできることから始めよう

まず頭に入れておいてほしいのは、「中退をしたからといって、負い目に感じることはない」ということです。「自分は大学を中退しているから、就職は不利だ」と思い込まずに、今できることからスタートしてみましょう。

就きたい仕事の分野が決まっているなら、その業界の情報を集めて就活をするのも一つの方法です。ある程度のスキルが必要とされるなら、ハローワークの求職者支援制度を利用するのもおすすめですよ。

一定の条件が満たされれば、月に10万円の給付を受けながら勉強することができるので、集中してキャリアアップのための学びの時間が確保できます。

アルバイトで実践経験を積む方法も大学中退者にはおすすめ

実践を積みたい人は、気になる職種に関係するアルバイトをしてみても良いかもしれません。実際、友人のお子さんは、中退後にアルバイトをしていた業界紙の会社にそのまま採用され、現在も働いているそうです。

何がしたいのかわからないなら、まずは第三者に相談してみるのも手です。就職エージェントのキャリアアドバイザー、ハローワークや一般のキャリアコンサルタント、行政の相談窓口など、仕事に悩んだ時にはいろいろな相談窓口があるので、ぜひ活用してみましょう。

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大学中退でも入りやすいおすすめ業界・職種8選

大学中退でも入りやすいおすすめ業界・職種8選

  • IT業界
  • 建設業界
  • サービス業界
  • 公務員
  • 営業職
  • 事務職
  • 介護職
  • 保育職

大学中退者は大卒と比べて就職が難しい分、業界や職種選びから工夫するのがおすすめです。大学中退者でも入りやすい業界・職種を選ぶことで、就職できる可能性を高め、早めに就活を終わらせられるようになります

そこで、大学中退者でも入りやすいおすすめの業界・職種を8つ解説します。自分が就いてみたい仕事がないか確認してみてくださいね。

①IT業界

IT業界は、人材不足が大きな課題となっており、経済産業省のIT 人材需給に関する調査によると、2030年には最大で79万人の人材が不足するといわれています。そのため、未経験での募集も多く、大学中退の人でも入りやすい業界といえます

また、スキルや知識次第で大きな仕事を任されやすい業界でもあるので、大きな仕事をしたい人やスキルを身に付けて昇給・昇進を目指したい人におすすめの業界です。

以下の記事は新卒向けの記事ですが、IT業界に就職するための秘訣について詳しく解説しています。IT業界を目指したい人は、ぜひ参考にしてみてください
未経験からIT業界に就職する秘訣とは? 必要なスキルまで徹底解説

柴田 登子

プロフィール

歴史のある業界であれば正社員は大学卒、しかも〇〇大学以上、などと採用する社員のレベルを限定しがちです。

しかし、IT業界というのは比較的新しい業界であるため、経営層も比較的若年で柔軟性に富み、そのようなこだわりがほとんど見られません。そのあたりが大学中退者を受け入れる背景にあると考えられます。

②建設業界

建設業界は、若手人材の不足が大きな課題であるため、高卒、未経験でも入りやすい業界です。

また、学歴よりも経験年数や実務のスキルが求められる仕事が多いです。そのため、現場での仕事を通して技術やスキルを身に付けることで、大きな仕事を任されやすくなります。

現場での仕事がメインとなるので、体力に自信がある人や周りと協力して仕事を進めていけるコミュニケーション能力がある人が向いている業界といえます。

建設業界の情勢やトレンドについては、以下の記事で詳しく解説しています。建設業界を目指している人は、ぜひ参考にしてみてください。
建設業界の全貌がわかる! 課題・動向から仕事内容まで徹底解説

③サービス業界

サービス業界とは、接客系の仕事全般を指しています。たとえば、以下のような仕事がサービス業の仕事に該当します。

サービス業の仕事の例

  • スーパーの店員
  • 家電量販店の販売員
  • 化粧品の販売員
  • ホテルの従業員
  • 飲食店(居酒屋やカフェなど)の店員
  • 鉄道の駅員
  • タクシーの運転手

これらの接客や販売の仕事は、資格やスキルよりもコミュニケーション能力や人柄などの人物面を重視するケースがあります。そのため、大学中退者でも就きやすい仕事といえます。

大学中退者がサービス業界に入りやすい理由は、学歴や資格よりも人柄やコミュニケーション能力を重視する傾向があるためです。

エンジニアなどの専門職では、大学でITスキルを学んだことが重視されますが、学歴や資格にとらわれず働けることは魅力的ですね。

販売職についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてくださいね。
販売職を徹底調査! 仕事内容から就活を成功させるコツまで紹介

スーパーを志望する人は、以下の記事を参考に志望動機を作成しましょう。
例文8選|スーパーの志望動機で周囲と差別化する4つの秘策

④公務員

公務員は、大卒、高卒と入社の枠が別で設けられていて、大学中退者でも高卒枠で公務員試験を受けられます。一口に公務員といっても、役所に勤めるだけでなく、「警察官」「消防士」などの選択肢もあります。

ただし、公務員になるには公務員試験を受けて合格する必要があるので、ほかの職種よりも勉強時間の確保が必要です

また、各自治体や応募する職種などによって、試験日程が定められているので、自分が目指す公務員の日程については公務員試験総合ガイドで確認するようにしてくださいね。

以下の記事は新卒向けの記事ですが、公務員を目指している人にも役立つ情報が多く載っています。公務員と民間企業、両方狙いたいと思っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
公務員と民間企業の併願で共倒れ? 状況別で両立のコツを解説

⑤営業職

営業職は、どこの企業でも求められる職種であるため、募集している企業も多く、未経験でも就きやすい仕事です。

特別な資格なども不要な場合が多く、実力次第では裁量のある仕事を任されたり、昇給したりすることも可能です。

企業によって求められる営業スキルも異なるため、入社後、先輩に同行しながらスキルや知識を覚えれば良いという企業も多くあります。未経験からの入社を考えているのであれば、会社の育成環境もしっかり調べたうえで、応募するようにしましょう。

営業職に向いていない人の特徴は、以下の記事で詳しく解説しています。自分が営業に向いているかどうかの参考にしてみてください。
営業に向いてない人の16の特徴|不向きな人におすすめの道も解説

また、営業職を目指す人に向けて、志望動機の書き方を以下の記事で解説しています。採用担当者を惹きつける志望動機が書きたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
例文18選|営業職の志望動機で採用担当者を惹きつけるコツ

⑥事務職

事務職は、PCスキルや書類作成能力などが求められ、学歴が問われにくいため、大学中退者でも就きやすい職種です。

ただし、事務職を希望する人は多く、就職難易度が高い傾向にあります。そのため、PCスキルを証明する資格や実務経験の有無などが求められるケースがあります。

一方で、正社員の募集のみならず、派遣やアルバイトの求人も多いのが特徴です。まずは派遣やアルバイトで実務経験を積み、そこから正社員になるという方法もあります。

事務職の概要については、以下の記事で詳しく解説しています。事務職を目指している人は、ぜひ参考にしてみてください。
事務職の4つの誤解に要注意! 仕事内容・適性・選考対策を徹底解説

また、事務職を目指す人の志望動機の書き方については、以下の記事で解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
例文20選|事務職の志望動機を職種別・業界別に徹底解説

柴田 登子

プロフィール

人材派遣会社を通じて事務職に就く場合、派遣先企業に提示されるあなたの職務経歴書(派遣会社の固定フォーマットに記載されたもの)に学歴が記載されることがほとんどありません。

そのため、学歴によって合否が左右されることはまずないと言って良いでしょう。

⑦介護職

介護職は、高齢化が進む現代社会において、需要が高まっている職種です。また、人とのかかわりが多いことから、コミュニケーション能力や人間性が重視されやすいです。

そのため、特別なスキルが求められるケースは少なく、大学中退者でも就きやすい職種といえます

また、介護職は正社員だけでなく、パートタイムやアルバイトの募集も多いため、まずはパートやアルバイトで経験を積んで正社員になるという道を検討してみても良いかもしれません。

⑧保育職

保育職は、学歴よりも保育の実務経験や保育士の資格を重視する傾向があります。そのため、保育の実務経験を積んだり、保育士の資格を取得したりすることで、大学を中退している人でも就きやすい職種といえます

企業の中には、未経験で保育職を採用し、資格取得をサポートしているようなところもあります。働きながら資格取得によるキャリアアップを目指せるので、大学中退者にもおすすめの職種です。

事前準備が成功の秘訣! 大学中退者がやるべき面接対策4選

事前準備が成功の秘訣! 大学中退者がやるべき面接対策4選

  • 履歴書の空白期間を説明できるようにする
  • 中退した理由をポジティブに言い換える
  • アルバイト経験をアピールする
  • 中退から学んだ経験を伝える

大学中退者の面接は新卒の面接よりも念入りな対策が必要です。「大学を中退した」という部分が企業から不安視され、質問されることが多くなります。

そのため、大学中退者ならではの質問への回答を準備しておかなければ、企業から評価されにくくなってしまうといえます。

そこで、大学中退者がやるべき面接対策4選を解説します。しっかりと対策を練ることで、面接を成功に導きましょう。

①履歴書の空白期間を説明できるようにする

大学を中退した人の履歴書には、どうしても空白期間ができてしまいます。企業としては空白期間は何をしていたのかという部分は気になる点です。

そのため「中退してから今までどんなことをしていたか」という質問には、詰まらず答えられるように準備しておきましょう。答える例として、以下があります。

空白期間を問われた際に答える例

  • 空白期間でフリーターをしていた
    →選考でのアピール例:アルバイト経験の中で自分に合う仕事を見つけたいと考えていた
  • 空白期間でニートをしていた
    →選考でのアピール例:自分が将来やりたいことを考える時間に使っていた

「ただ遊びたかった」「何もしていない」など、空白期間を考えなしに過ごしていたという回答では、面接官を納得させることはできません。面接官を納得させるだけの理由を考えておきましょう。

空白期間はあまり何も考えず過ごしていたため、回答が思い浮かびません……。どうしたら面接官を納得させられますか? 

若林 宏美

プロフィール

漠然と考えてみた経験がないか思い出してみよう

「何もしていなかった」と思うかもしれませんが、たとえば1日中趣味に没頭していたとしましょう。その趣味を通して、自分に何が向いているのか、どのような仕事に就きたいのかを漠然と考えてみたことはありませんか?

何もしていないと思っていても、将来のこと、仕事のことを考えた時間はあると思います。その経験を面接官に伝えると良いと思いますよ。

②中退した理由をポジティブに言い換える

大学中退者にはネガティブな印象を持つ採用担当者もいる可能性があるため、大学を中退した理由はできるだけポジティブに伝えることがおすすめです。もし、中退の理由がネガティブな場合は、ポジティブに言い換えるようにしてください。

中退した理由をポジティブに言い換える例

  • 専攻が興味がない分野だったから中退した→新しく学びたい分野ができたので中退した
  • 人間関係の悪さから中退した→環境を変えて再出発したいと思い中退した

もちろん嘘の理由はいけませんが、辞めた理由の中には、ポジティブな理由もあるはずです。前向きな表現に言い換えた回答を準備して面接に臨みましょう

③アルバイト経験をアピールする

空白期間に何もしていないと思われてしまうと、企業側が不安に感じ、採用を見送るケースが考えられます。

その不安を払しょくするため、大学中退後、フリーターとして働いていた経験がある人は、職歴に記載するのがおすすめです。

なぜなら、アルバイトはさまざまな経験の中でも、実際の仕事に近い経験であるため、就業経験をアピールしやすいからです。そのため、空白期間はアルバイトに力を入れていることを伝えられれば、企業側の「働くことに適していないのではないか」という不安を払拭しやすくなります。

また、アルバイト経験は自己PRに活用することも可能です。学んだことを入社後に活かせるというアピールができれば、面接官に良い印象を与えられます。

こちらは新卒向けの記事ですが、アルバイト経験の自己PRを解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
例文10選|アルバイト経験の自己PR必勝法を企業目線で解説

大学中退者がアルバイト経験をうまく伝えるためには、アルバイトを通じて得た成果や貢献度をアピールすることを意識してみてください。自分自身の成長と職場へ貢献できることをアピールすると、入社後に活躍するイメージが与えられますよ。

④中退から学んだ経験を伝える

大学中退は一見すると、マイナスな印象を与えてしまいがちですが、反省点や学んだ点を伝えることで、プラスの印象に変えることもできます。

たとえば、「今までは親のおかげで大学に通えていたが、中退してアルバイトしながら生活していく中でお金を稼ぐことの大変さを学べた」というような反省点や学んだ点は誰しもが持っているはずです。

上記のような、経験からの反省や学びは社会人として求められる能力の一つです。なぜなら、社会人になると仕事を通した反省や学びから成長していくことを求められているからです。

そのため、面接官からは「中退の経験から反省できる人なら入社後も成長してくれる見込みがある」と思ってもらいやすくなるのです。

アドバイザーコメント

大学中退者への頻出質問として以下2点を備えておこう

他にも、大学中退者は以下2点のような質問をされる可能性があります。

大学を中退した自分をどのように感じていますか?

大学を中退するということは、決して喜ばしいことではありません。人によっては自己否定的になってしまうこともあるでしょう。実は雇用側にとって、大学中退そのものがダメなわけではなく、その結果自己肯定感が下がっていることを懸念しているケースが多くあります。

中退してさまざまな経験をした自分を「だからこそ成長できた」とポジティブに捉えられていると伝えてみてください。中退した後の自分に自信を持っていることをアピールするのです。

大学を中退した後にも何かを学んできましたか?

大学を中退したからといって、学ぶことをやめたわけではない。授業を受けることがなくなっても、本を読んだり何らかの勉強会に参加したりして、自分なりの自己啓発を継続的におこなってきたことをアピールしましょう。

必ずしも「学習」である必要はありません。スポーツや趣味などで自分を高め、成長させる機会を持っていることを示します。また、それらの試みから、何を得てどのように成長できたかも併せて伝えられると良いですよ。

中退理由の回答例文5選

中退理由の回答例文5選

  • 精神的な理由で中退したケース
  • 人間関係が理由で中退したケース
  • ほかにやりたいことが見つかり中退したケース
  • 単位が取得できずに中退したケース
  • 金銭面で余裕がなくなり中退したケース

先述した面接対策を踏まえて「面接で聞かれたときの具体的な答え方を知りたい」という人もいるのではないでしょうか。

そこで、中退理由別の理由の答え方を例文で解説します。自分が該当する理由の例文を参考にして、面接対策を進めていきましょう。

①精神的な理由で中退したケース

①精神的な理由で中退したケース

大学時代は法学部に在籍し、毎日勉強とアルバイトに励む生活を送っていました。法律を用いて誰かを助ける存在になることを目標に努力していましたが、体調を崩してしまい退学しました。しかし現在体調は万全であり、仕事に支障をきたすことはありません。

体調を崩してしまったことは、自己管理不足が原因であると考えています。そのため、今では規則正しい生活や目標から逆算して余裕を持ったスケジュールを組み立てるなど、同じ失敗を繰り返さないように意識しています。

休養中に以前から興味のあった簿記の勉強をし、簿記1級を取得しました。

入社後は自己管理を徹底しつつ、簿記の知識を活かして会社を経営面で支え、御社の成長に貢献できる人材になりたいと考えています。

若林 宏美

プロフィール

学生時代も勉学とアルバイトに励む、ポジティブな人柄が感じられます。休養中の行動も、将来を見据えて資格を取得するなど、社会に出て活躍したいという意欲が感じられる、良い自己PRになっていますね。

②人間関係が理由で中退したケース

②人間関係が理由で中退したケース

大学時代に所属していたゼミ内で人間関係がうまくいかず、毎日顔を合わせるのがつらくなってしまったため、最終的には大学を退学しました。

大学には建築学を学ぶ目的で入学したのにもかかわらず、目の前の悩みにとらわれて、軽率な判断をしてしまったと今では深く反省しています。今後は掲げた目標に常に意識を向け、努力を継続することを忘れずに取り組みます。

また、今回のトラブルで、相手に伝わっているだろうという過信が、行き違いにつながることも学びました。現在は友人に自分のコミュニケーション不足を謝罪し、和解しています。

今回の失敗で学んだことを御社でも活かし、顧客やチームメンバーと緻密にコミュニケーションを取りながら、より良いサービスを提供できるように努力していきたいと考えています。

より良い印象を与えるためには「反省をしてどのようなスキルアップができたのか」を伝えましょう。この例文だと「反省した」とだけ述べられているので、コミュニケーション能力がついたエピソードを伝えられると良いですね。

③ほかにやりたいことが見つかり中退したケース

③ほかにやりたいことが見つかり中退したケース

大学ではマーケティングを専攻していましたが、夏休み中に参加したカナダへの短期留学の際に、将来は英語を活用した仕事がしたいと考えるようになりました。

最初は英会話スクールに通い英語の勉強をしましたが、このままでは海外で通用する英語を身に付けることは難しいと考え、長期留学を決意して退学しました。

留学先のカナダでは、ビジネスで活かせる英語を身に付けるために、接客のアルバイトやインターンシップに積極的に取り組みました。

言葉の壁や文化の違いに戸惑うことも多くありましたが、大学を中退してまで留学の道を選んだことを後悔しないために、必死で努力しました。その結果、ビジネスの場で活かせる語学力や、多様な立場の人とのコミュニケーション能力を身に付けることができました。

御社では、留学で得た語学力やコミュニケーション能力を活かし、海外の顧客と良好な関係を構築することで、事業に貢献したいと考えています。

柴田 登子

プロフィール

将来は英語を活用した仕事がしたいという明確な目標があり、そのためにすべきことを留学に見出したことが説明できています。

また、中退を後悔したくないという意志がさまざまな努力に結びつき、ひいては語学力やコミュニケーション力の習得につながったことを明確に示しています。

④単位が取得できずに中退したケース

④単位が取得できずに中退したケース

大学1年生から続けている美容部員のアルバイトでは、顧客の悩みに寄り添い誰かに喜んでもらうことにやりがいを感じていました。その結果、アルバイトに力を入れすぎてしまい、授業内容についていけず単位を落としてしまったため、退学しました。

大学の授業とアルバイトを両立できなかったことは、自分の努力が足りなかったと真摯に受け止め、反省しています。

アルバイトを通して自分のやりたいことを見つけることができたため、大学中退後は周囲に信頼される美容部員を目指して、日本化粧品検定1級やスキンケアマイスターの資格を取得しました。

御社に入社後は、人一倍努力を続けてスキルや知識を向上させ、顧客に寄り添ったアドバイスをすることで、顧客をより輝かせるお手伝いをしたいです。

若林 宏美

プロフィール

単位の取得ができず退学した点は、ネガティブに捉えられてしまうこともあるでしょう。

ですが、自分のやりたいことが見つかり、さらにスキルを向上させるために資格取得までおこなっている点、情熱を持って仕事に励みたい点など、大いに評価されることだと思いますよ。

⑤金銭面で余裕がなくなり中退したケース

⑤金銭面で余裕がなくなり中退したケース

両親の事業がうまくいかなくなってしまい、経済的な理由で大学を中退しました。

当初は大学で勉強を続けたいと考えて、アルバイトで学費を稼いでいました。しかし、次第に経済的に家族を支えたいという気持ちが強くなり、大学を中退して社会に出ることを決めました。

大学で勉強を続けられなかったことに対して、悔しい気持ちもあります。しかし、就職すると決めたからには、社会人として責任を持ち、目の前の仕事に全力で向き合うことで、御社に貢献できる人材になりたいと考えています。

「大学を中退して家族を支えたい」という他者貢献の価値観をよりアピールすると、さらに好印象な中退理由という印象が与えられます。入社後に「目の前の仕事に全力で」と書かれていますが、他者貢献の価値観を交えることでより説得力が生まれますよ。

人気企業を狙う人は実践必須! 就職活動を有利に進めるコツ

ここまで解説したロードマップを実践することで、大学を中退していても就職を成功させることはできます。より人気企業を狙いたいという人は、ほかの大学中退者と差別化して選考を有利に進めるコツを実践することが重要です。

そこで、大学中退者が実践必須の就活を有利に進めるコツを2つ解説します。就職の選択肢を広げて、自分が目指す企業へ必ず入社したいという人は、ぜひ実践してみてください。

資格を取得する

資格を取得していると、勉強してきた実績や資格に関連するスキルをアピールできます。特に業界や職種に関連した資格であれば、即戦力として活躍できるというアピールにつながります。

参考として、大学中退者が入りやすいIT業界と事務職でアピールしやすい資格を紹介します。

IT業界でアピールできる資格

事務職でアピールできる資格

  • MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)
    Word、Excel、PowerPointなどのマイクロソフトのツールの利用スキルを証明する国際資格
  • 日商簿記
    企業の経営成績と財政状態を管理するために、経営活動を記録・計算・整理するスキルを証明する資格
  • 日商PC検定
    表やグラフの作成やデータ処理、的確なデータ分析や資料作成のスキルを証明する資格

また、取得までの経験は自己PRとしてもアピールできます。資格のスキルと努力してきた経験、2つの要素から選考を有利に進めましょう

ただし、大学中退者の多くは、ポテンシャル採用を見越して採用されるケースも多いため、職種や企業によっては、資格のアピールが効果的ではない場合もあるので注意が必要です。

就活でアピールできる取得しやすい資格について以下で解説しています。資格を取得して選考を有利に進めたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
取りやすい資格25選|取得から就活でのアピールの仕方まで解説

就職しやすい時期を狙う

企業の求人が増える2〜3月を狙って就職活動を始めるのもおすすめです。

2〜3月が就職しやすい時期である理由は、年度初となる4月から働いてくれる人材を求めているからです。4月になると、人員の入れ替えにより新しいポジションが空いたり、転職により人員が不足したりするため、最も求人が多くなるのです

また、2〜3月の次に多いと言われているのが、8〜9月頃です。こちらは10月入社に向けた人材を集める目的から求人数が増えるのです。

就職しやすい時期を狙うことで、他の時期では応募がないような会社や職種に応募できるようになるので、選考を有利に進めることができますよ。

アドバイザーコメント

時間を上手く活用し就活を有利に進めよう

就活生は、大学生活・バイト・就活と両立しなくてはいけない事柄が多く、時間的にもカツカツになってしまうことも。ですが、大学中退者なら、学業がない分時間的余裕があります。

その時間を上手に活かして、有利に就活を進めていきましょう。

一般的な就活のプロセスと同様に、まずは情報収集をしっかりとおこなってください。行きたい業界、興味のある業界から志望企業を選んだり、雇用条件から選んだりする方法もあります。

志望する会社によって、自分のキャリアは大きく変わるので、じっくりと検討しましょう。この志望企業を選ぶ時間を新卒の就活生より多く割くことで、働いた後のミスマッチを防ぐことにもつながり、仕事の満足度も上がります。

有利に進めるコツとして資格取得を進めるのもおすすめ

志望企業を選ぶのと並行して、資格取得の勉強をするのもおすすめです。資格があると自己PRで有利になるのはもちろん、仕事にも活かされますよ。働きながらの資格取得は、時間的にも精神的にも余裕がなくなるので、時間があるうちにとっておくと後々役立ちます。

資格があると、今後のキャリアプランにとっても大きな強みとなります。

大学中退者ならではの企業選びや面接対策で就職活動を成功させよう!

新卒者の就活より、大学中退者の就活が不利になりやすいのは事実です。しかし、大学を中退したからといって、就職を諦める必要はありません。

大学中退者ならではの企業選びや面接対策を実施することで、中退したというハンデを乗り越えて、企業への就職を叶えることが可能です。

この記事で解説した就職までのロードマップを活用して、理想の企業への就職を成功させましょう。

アドバイザーコメント

大学を中退していても妥協せず自分にあった就職先を見つけよう

大学中退をしてしまった人の中には、就職するハードルが高いことに気が付き、就職できるのか不安を感じている人もいるのではないでしょうか。たしかに、本文でデータで示されているように、就職するハードルは低くはありません。

しかし、就職しづらいからといって妥協をしてしまうとミスマッチになってしまうので注意してください。就職先選びで妥協をしてしまうと、早期離職につながってしまい、思い通りに働くことができなくなってしまいます。また、早期離職をしてしまうと、次の転職活動にも影響してしまう可能性もあります。

大学中退者でも妥協せずに納得できるキャリアを選択しよう

たとえば、はじめに内定が出た会社への就職をきちんと考えずに決めてしまうことが当てはまります。会社の雰囲気や働く人の価値観を確認せずに入社して、人間関係で悩み離職してしまう可能性もありますよね。

あくまでも就職することはゴールではなく、スタートラインに立つことです。たしかに、大学中退者の就職は簡単ではありませんが、妥協せずに納得感あるキャリア選択をするようにしてくださいね。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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