仕事が遅い人は3つのタイプに分けられる! 悩みに添う対処法を解説

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  • キャリアコンサルタント/産業カウンセラー

    Atsuko Hirai〇ITメーカーで25年間人材育成に携わり、述べ1,000人と面談を実施。退職後は職業訓練校、就労支援施設などの勤務を経て、現在はフリーで就職・キャリア相談、研修講師などを務める

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  • キャリアコンサルタント/メンタル心理カウンセラー

    Syuya Nagata〇自動車部品、アパレル、福祉企業勤務を経て、キャリアコンサルタントとして開業。YouTubeやブログでのカウンセリングや、自殺防止パトロール、元受刑者の就労支援活動をおこなう

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  • キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表

    Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう

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仕事が遅いと連日残業続きになったり、周りに迷惑をかけて怒られたりしてとてもつらいものです。なぜ自分の仕事が遅いのかわからなかったり、頑張っているのに遅いと言われたりして悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

仕事が遅いのはやる気の問題ではなく、仕事のやり方や捉え方に原因があることがほとんどで、そこに気付けば大きく改善できます。ただし自分の原因を正しく把握しないと的外れな改善策を取ってしまい、余計に仕事がうまくいかない可能性もあるため注意が必要です。

この記事では仕事が遅い原因を3つのタイプ別に解説し、それぞれに合った解決策をキャリアアドバイザーの平井さん、永田さん、谷所さんとともに紹介します。仕事が早い人の特徴やキャリアのプロが普段から実践している仕事術も解説するので、この記事を参考にして仕事が遅い悩みから確実に抜け出しましょう。

目次

仕事が遅い人は自分のタイプを知って適切な改善策を取るのがおすすめ

一口に仕事が遅いといっても、その原因は人や状況によってさまざまです。仕事が早くなる方法をむやみに取り入れようとしても自分に合ってない行動を取ってしまう可能性があり、またそもそも何を改善すべきかわからないという壁もあります。

記事ではまず仕事が遅いことに悩む人が自分の原因を明らかにするために、よくある3つのタイプに分けて解説します。自分はどのタイプに当てはまりそうか確認して、改善すべきポイントを把握しましょう。

後半では仕事が早い人の特徴を明らかにして、仕事が遅い3つの原因別に取るべき対処法を9選解説します。キャリアアドバイザーが実践している仕事が早くなるコツも紹介するので、最後まで読んで仕事をスムーズに進められるようになりましょう。

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原因を知ろう! 仕事が遅い人はおもに3つのタイプに分けられる

原因を知ろう! 仕事が遅い人の3つのタイプ

先述の通り、仕事が遅い原因は人によって違いがあり、特徴によって大きく3つのタイプに分けられます。

自分の仕事が遅い理由を把握しないと、改善策を学んでも根本の原因を解消できず、せっかくの行動が効果を発揮しません。まずはここで解説する3つのタイプから、自分の仕事を遅くしている原因を明らかにしましょう。

①「一人で抱え込む」コミュニケーション不足タイプ

組織で働く以上、仕事は自分一人でおこなうものではないので、スムーズに進めるには周囲とのこまめなコミュニケーションが不可欠です。そのため以下の特徴に当てはまる人は、コミュニケーション不足が仕事の遅さを招いている可能性が高いです。

コミュニケーション不足タイプの特徴

  • 質問や相談があっても遠慮してしまう
  • 難しい作業や初めての作業でもまずは自分で調べる
  • 仕事量が多くても助けを求められない

質問や相談を遠慮していると、それだけ1人で考えたり悩んだりすることに時間がかかり、すぐに質問した場合に比べてロスタイムが生まれます

また聞けばわかったことを独断でおこなってしまいミスをしたり、やり方に違いがあったことが判明したりして、作業を一からやり直す羽目になることもあるでしょう。無理のある仕事量を一人で抱え込み、周囲に頼らず自分だけでこなそうとするのも、当然時間がかかってしまいます。

これらの特徴に心当たりがある人は、一人で仕事を抱え込んでしまうコミュニケーション不足が原因だと認識しましょう。

谷所 健一郎

プロフィール

コミュニケーション不足タイプの人は、協調性が低かったり1人でできるという思い込みが強かったりして、周囲の社員とコミュニケーションを取らずに仕事が遅くなることがあります。

また自分のスキルを過信していて助けを求めない傾向もあり、その場合は仕事が進まず、かえって迷惑をかけてしまうことにつながります。

仕事でミスをしてしまうと落ち込んだり自分を責めてしまったりする人もいると思います。以下の記事では仕事でミスをしたときの対処法と改善策をまとめているので参考にしてみてください。
仕事のミスで落ち込む気持ちを軽くする方法|次につなげる改善策も

②「やる気でなんとかする」後回しタイプ

頑張っているのに仕事が遅いと感じている人の中には、仕事は根性でなんとかできると考えている人もいるかもしれません。仕事はやる気だけで終わるものではなく工夫や改善が必要なため、この考え方には注意が必要です。

後回しタイプの特徴

  • 仕事が終わらなくても残業すれば良いと思っている
  • 苦手な業務や量が多いタスクを後回しにしてしまう
  • 仕事の進め方やツールを現状維持しがち

やるべき課題を後回しにすると最終的に自分のタスクが積み上がってしまい、仕事が遅くなります。また机をきれいにして書類を探しやすくしたり、パソコン画面を整理してフォルダ分けしたりなどの工夫も、「時間があるときにやろう」と考えてつい忘れているかもしれません。

これらの改善を怠りやる気でなんとかしようとしていると、少しの遅れが積み重なって仕事が遅くなってしまいます。上記の特徴に当てはまる人は、後回しの思考が仕事が遅くなる原因になっている可能性が高いです。

平井 厚子

プロフィール

業務アプリやツールをうまく使えていますか? 最近ではChatGPTを使いこなすかどうかでも、仕事の効率は大きく変わります。

新しいやり方やツールは使い始めるときは時間がかかりますが、慣れれば時間を短縮して、質も上げることができますよ。

③「細かい点にこだわる」完璧主義タイプ

仕事が遅いと悩んでいる人の中には、完璧に仕事をこなそうという熱意がかえって原因になっている人もいるかもしれません。完璧主義タイプの人は、一つひとつの作業を完璧に仕上げることにこだわってしまい、その結果仕事が遅くなっていることがあります。

完璧主義タイプの特徴

  • 自分の仕事は完璧に仕上げないと気が済まない
  • 重要でないことや小さな点にもこだわってしまう
  • 優先順位を付けるなど柔軟な進め方が苦手

仕事を丁寧に進めるのはもちろん大切なことですが、時間をかけるべきでない作業にもすべてこだわっていると、当然仕事は遅くなってしまいます。またこのタイプの人は順番通りに仕事を進めることにこだわるなど、イレギュラーの対応や要領良く仕事を進めることに抵抗がある人もいるかもしれません。

完璧主義にこだわると仕事をスムーズに進める妨げとなってしまうため、上記に心当たりがある人はその考え方が仕事を遅くする原因だと捉えましょう。

永田 修也

プロフィール

このタイプの人は完璧主義であるがゆえに、今やらなくても良いことに対しても細かく時間をかけて作業してしまうので、どうしても業務が遅くなってしまうことがあります。

しっかりと優先順位を分けて取り組むことが大切ですね。

仕事にはさまざまな悩みがつきものです。仕事が遅いこと以外にもモヤモヤを抱えている人は、こちらの記事で解決策を探してみてください。
仕事がうまくいかないあなたに|状況別の対策と心を休めるコツを解説

既卒就活で適職診断からはじめるのがおすすめ!

既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。

これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。

また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。

既卒就活で後悔しないためにも、今すぐ診断してみましょう。

仕事が早い人とは? スムーズに仕事を進める人の4つの特徴

仕事が遅い人によくある3つのタイプから自分の原因がわかったら、いきなり改善策に着手する前に、「仕事が早いとはどういうことなのか」という目指すゴールを明確にすることが大切です。

ゴールとのギャップがわかれば最低限何をすべきかが理解でき、仕事が遅いという悩みを素早く抜け出すことにつながります。

ここでは仕事が早い人がほかの人と異なる4つのポイントを解説するので、仕事が早い人の特徴を理解して、現状からどのように改善していけば良いのか把握しましょう。

永田さんから見て、仕事が早い人の特徴は何だと思いますか?

永田 修也

プロフィール

仕事が早い人はメールの返信などすぐにできることを溜めない

「すぐにやる」ということができる人はどんな仕事も早いイメージです。

よくLINEやメールの返事を既読にしたまますぐに返さず、何時間も経った後に返すような人がいます。プライベートであればまだ良いと思いますが、これが仕事の場面となると少し問題があります。

このような対応をすると、「あ、この人はなんでも先延ばしにするタイプなんだな」と思われ、評価が下がるのです。

仕事が早い人はこういったすぐにできることは即行動で先に終わらせてしまって、大きな問題や課題に取り組める時間を確保しているように思います。

①事前に計画を立てて常に進捗を確認している

目分量で仕事に取り組んでいると、気付かぬうちに遅れが積み重なり、仕事が遅くなる原因になります。そのため仕事を期限内に終わらせるには、事前に正しい計画を立て、その計画通りに進めていくことが重要です。

仕事が早い人は単にやるべきことを並べるだけでなく、一つひとつのタスクにどれくらいの時間がかかるかをまず想定して、そこから逆算して計画を立てています。さらに仕事にはトラブルがつきものなので、少し作業が遅れることも想定して、早めのスケジュールを組んでいることがポイントです。

このような具体的で細かい計画を立てていると、自分が目標に対してどれくらい進んでいるかを可視化でき、遅れていることがわかればすぐに立て直すことができます。その結果、仕事が大きく遅れることがなくなるのです。

②周囲と十分なコミュニケーションを取っている

先述の通り、仕事をスムーズに進めるには周囲とのコミュニケーションが必須です。仕事が早い人は相談や確認、質問などが必要な場面で、ためらうことなく素早いコミュニケーションを取っています。

気になることをすぐに聞けば自分で考えたり調べたりする時間を減らせるうえに、確実な正解を聞けるのでミスも少なくなります。困ったときはすぐに相談することで、仕事量を減らしてもらったり、より良い方法を教えてもらったりしてさらに成長することもできるでしょう

さらに、仕事が早い人は何か困ったときだけ質問するのではなく、普段から活発なコミュニケーションを取っていることも特徴です。周囲と気軽に話せる関係を作っておくことで、気になることやトラブルがあったとしても遠慮せずすぐ誰かに相談することができます。その結果、仕事がスムーズに進み早く終わらせることができるのです。

③仕事の全体像を捉えてメリハリをつけている

それぞれの作業が何のために必要なのかを理解していないと、優先順位の低いものから取り組んでしまう、後からもう一度やり直すはめになるなど、仕事が遅くなりがちです。

仕事が早い人の多くは目の前のことからやるのではなく、まず仕事の全体像や目的を把握したうえで、優先順位を付けて取り組みます。そうすると時間をかけるべき作業や集中すべき作業にエネルギーを割くことができ、効率的に仕事が進んでいくのです。

またメリハリを付けている分、残業に頼らないという意識も強く、仕事をスピーディに進める姿勢が自然と身に付いているため仕事が遅くなることがなくなります。

④積極的に作業を工夫して改善している

仕事が早い人はやる気などの精神論に頼るのではなく、具体的な仕事のやり方を改善していることも特徴です

たとえば先述のようにパソコン内の書類を用途ごとにフォルダ分けすることはもちろん、作業の時間を計って何に時間がかかっているかを振り返ったり、Excelの使い方を勉強してツールを使いこなせるようにしたりなどさまざまな工夫が挙げられます。

このように仕事の環境ややり方を改善していくことで、自分の頭で悩む時間を削減でき、作業も効率化していきます。ツールに頼るべきことは頼って、業務の効率をどんどん改善していることから、仕事が早くなっているのです。

谷所 健一郎

プロフィール

上記以外にも、仕事が早い人は常にスキルアップや業務の効率化を意識して、仕事に取り組むという特徴があります。

一方の仕事が遅い人はスキルアップをあまり意識していないことが多く、日々の仕事に改善意識を持てていないため、仕事が早い人と差が付いてしまうのです。

もちろん仕事を早く終えようとするあまり、適当な作業になっては本末転倒です。こちらの記事では仕事ができる人の仕事術を解説しているので、スピードだけでなく結果も改善したい人はぜひ参考にしてください。
仕事ができる人の特徴18選! 結果を残す人の仕事術も解説

こちらの記事では仕事を早く覚えるコツを詳しく解説しています。併せて参考にしてみてください。
特徴10選|仕事を覚えるのが早い人になる8つのポイントを解説

仕事が早い人の特徴を読んで、自分には会社勤めが向いていないと自信をなくしてしまった人もいるかもしれません。すべてを完璧にこなす必要はないので、こちらのQ&Aコンテンツからキャリアコンサルタントの解説を参考にしましょう。

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3つのタイプ別! 仕事が遅い人が悩みを抜け出す方法9選

3つのタイプ別! 仕事が遅い人が悩みを抜け出す方法9選

  • 「一人で抱え込む」コミュニケーション不足タイプの解決策
  • 「やる気でなんとかする」後回しタイプの解決策
  • 「細かい点にこだわる」完璧主義タイプの解決策

仕事が早い人の特徴を解説しました。スピーディな働き方のポイントを理解できたら、さっそく原因を一つずつ解消していきましょう。

ここでは仕事が遅い原因に合わせて、コミュニケーション不足タイプ、後回しタイプ、完璧主義タイプの3つのタイプごとに改善策を解説します。ぜひ自分に合うものから試してみて、効率的な働き方を手に入れましょう。

平井 厚子

プロフィール

あれこれと行動したくなるかもしれませんが、解決策は原因とセットになっています。

自分の特徴、つまり仕事が遅い原因をしっかり把握して、原因に見合った解決策を取り入れることで、改善が期待できます。むやみに行動しても効果が上がらず、疲れてしまいますよ。

「一人で抱え込む」コミュニケーション不足タイプの解決策

「一人で抱え込む」コミュニケーション不足タイプの解決策

  1. すぐに質問や相談をして考える時間を減らす
  2. 普段からコミュニケーションを大切にする
  3. 読書などで定期的に知識をアップデートする

コミュニケーション不足タイプが仕事のスピードを高めるにはコミュニケーションを改善するのが一番の近道ですが、それに苦手意識がある人もいるでしょう。

ここでは誰でもできるものから特に重要なものまで解決策を3選解説するので、まずは正しいやり方を理解して、簡単なものから始めてみてください

すぐに質問や相談をして考える時間を減らす

まず大切なのが、仕事に関する疑問や悩みを一人で抱え込む時間を減らすことです。一人で考えていては時間が無駄に過ぎるだけでなく、傍から見て何に悩んでいるのか、そもそも困っているのかどうかがわからず上司や周囲も助けられません

「こんなことを聞いても良いのかな」と抵抗を感じることもあるかもしれませんが、一度聞いてしまえば後は楽になります。自分の仕事のスピードが上がればそれは会社にとってもメリットになるので、仕事のためだと割り切って、勇気を出して声をかけましょう。

またこのタイプの人は仕事を断ることに抵抗があり、実力以上の業務量を抱えてしまい仕事が遅くなることもあります。自分の業務量が時間内に終わらせるのが難しいほどであれば、遠慮せず周囲に相談しましょう。

責任感から言い出しにくいかもしれませんが、一人で抱え込むことで仕事に遅れが出るほうが問題です。早めに助けを求めることで、上司も仕事を調整しやすくなり、結果的に会社全体の仕事はスムーズに進むものです。

上司の機嫌が悪いので質問しにくいのですが、どうやって疑問点を解決すれば良いでしょうか?

谷所 健一郎

プロフィール

質問方法自体を変えてみるのがおすすめ

上司がなぜ機嫌が悪いのか考えてみましょう。たとえば上司の仕事を中断させて頻繁に質問をしているのが原因で、上司の機嫌が悪くなっているというパターンが考えられます。

そのような場合は、上司に質問の方法について相談をしてみましょう。たとえば緊急の質問以外はまとめてメールなどでおこない、回答する時間を別途設けてもらう方法もあります。

また上司に相談のうえ、上司ではなく先輩社員に質問する方法もあるでしょう。質問をせずわからないまま一人で抱え込むことで、仕事に遅れが出て迷惑をかけます。

質問する方法や質問すべき人について、上司と相談をしてみましょう。

上司との関係性に悩んでいて、気軽に質問しにくいという人もいますよね。こちらのQ&Aコンテンツでもキャリアコンサルタントが対処法を解説しているので併せて確認しましょう。

普段からコミュニケーションを大切にする

もう一段階上のステップに挑戦するなら、困ったときだけでなく普段から周囲とのコミュニケーションを大切にすることもおすすめです。周囲との関係性を築くことで、何かあったときも気軽に相談できるようになります。

また周囲もあなたに声を掛けやすくなるので、特に悩んでいないときでもいろいろなアドバイスをもらえたり、上司や先輩からより効率的なやり方を教えてもらったりするなど仕事に関するプラスの情報をもらいやすくなります。

業務中に時間を取るほど話し込む必要はありませんが、たとえば以前何か教えてもらったことがあればその人にお礼を伝えたり、ほかの人が成果を上げていたら祝いの言葉をかけたりコツを聞いたりするなど、ちょっとしたことからコミュニケーションを取ってみてください

すでに質問をたくさんしすぎていて遠慮してしまうという人は、仕事を覚える工夫をすることで状況を改善できるかもしれません。仕事をなかなか覚えられずに時間がかかってしまう人はこちらの記事を確認しましょう。
仕事を覚えられない8つの原因とは? 状況別の解決策も併せて解説

読書などで定期的に知識をアップデートする

コミュニケーションを積極的に取ろうと思っても、人に遠慮なく話しかけるのが難しいという性格の人もいるでしょう。職場によっては周囲が忙しすぎて話しかける余裕がなかったり、個人作業が多くて頻繁に質問できる機会がなかったりすることもあるかもしれません。

そのような場合は、書籍などの信頼できる情報に頼って疑問や課題を解決するのも一つの手です。余程特殊な仕事でなければ、働く人が抱える悩みや疑問はある程度似ているものです。たとえば営業トークに自信がなければ書店で営業術に関する本を探す、パソコンが苦手ならパソコン操作の本を買うなど、本で足りない知識をカバーしましょう。

定期的に本を読むことで自分の業務に関する知識をアップデートでき、悩みを一人で抱え込むことも減らせるかもしれません

永田 修也

プロフィール

コミュニケーションが苦手な人の中には、直接伝えるのは勇気がいるけれども、メールであれば文章で伝えることができるという人もいます。

その場合は、LINEやメール、手紙など対面とは違う形でのコミュニケーションも上手く活用しながら進めていきましょう。

既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう

既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。

これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。

また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。

既卒就活で後悔しないためにも、今すぐ診断してみましょう。

「やる気でなんとかする」後回しタイプの解決策

「やる気でなんとかする」後回しタイプの解決策

  1. 優先順位を明らかにして計画を立てる
  2. PCスキルを覚えて効率を上げる
  3. メリハリをつけて集中力を高める

「やる気でなんとかする」後回しタイプは、仕事に対する意識を変えることと、具体的な方法を取り入れることの組み合わせで仕事のスピードが大きく改善します

ここでは後回しタイプが取るべき3つの解決策を解説するので、まずはすぐにできるものから挑戦していきましょう。

優先順位を明らかにして計画を立てる

まずすぐにできるのが、仕事を何となくや勢いで進めていくのではなく、実現可能な計画を立ててそれに添って進めていくことです。仕事が遅い人は自分の仕事を目分量で見て「何とかなるだろう」と考え、締め切り直前に焦ったり月末に業務が溜まったりしがちです

以下のステップで正確なスケジュールを立てて、後で焦ったり残業に頼ったりすることがないようにしましょう。計画を立てるポイントは、優先順位を付けて重要な作業や量が多いタスクから片づけていくことと、遅れが出ることも想定して余裕のあるスケジュールにすることです。

優先順位を付けて計画を立てるステップ

  • その月でやるべき業務をすべてリストアップする
  • それぞれの業務にかかる時間を書き出し、重い業務はステップごとに分けるなど、できるだけ正確な時間を割り出す
  • 必ずやること、できたらやりたいこと、毎日やらなければいけないことなど優先順位を付けて並び替える
  • 優先順位の高いものや毎日必ずやることから順に、カレンダーツールやExcelなどに入力してひと月のスケジュールを立てる
  • 毎日進捗を振り返り、遅れていればどう立て直すか考えたり上司に相談したりする

スケジュールは作って終わりではなく、進捗を振り返って、常に軌道修正していくことも重要です。毎日少しずつ目標に向けて調整していくことで、後から大幅な遅れが発生することを防げます。

予想より時間のかかっている業務があれば、この後解説する方法で作業スピードを上げたり、周囲に相談したりして早めに遅れを取り戻しましょう。

予想より時間がかかったり、作業を追加で頼まれたりして、結局計画通りに進みません。スケジュール通りに終わらせるコツを教えてください。

平井 厚子

プロフィール

計画の精度を高めたうえで無理なことは断ることも大切

予想より時間がかかる場合は、面倒でも見積と実際の時間を記録して、振り返ることが有効です。「できるだけ早くやらないといけない」と思うあまり、所要時間を短めに見積もる癖があるかもしれません。

作業を追加で頼まれたときは、現状を説明して断ったり、調整してもらったりしても良いのです。頼まれたことを全部やろうとして締切に遅れるより、できないことはできないと言う方がチームのためです。

そのためにも、見積と実際の時間を把握して、スケジューリングの精度を上げていきたいですね。

PCスキルを覚えて効率を上げる

後回しタイプの人は、仕事のやり方を改善して効率を高めるよりも、やる気でなんとかできると思いがちです

しかし、たとえばExcelで一括で計算できるものを手作業で計算していたら、いくら急いでやろうという気持ちがあったとしても時間は何倍もかかります。「もっと早くやる方法はないかな」「もっと楽にできないかな」と感じる作業があれば、何か方法がないか調べる癖を付けてみましょう。

仕事が早くなるPCスキルの例

  • いつも使うページはPCを立ち上げたら自動で立ち上がるように設定する
  • メールやチャットは定型文機能を使って効率的に入力できるようにする
  • 人名や会社名、「ありがとうございます」などのよく使う単語は辞書登録する
  • Excelのショートカットキーを覚える
  • よく使う資料やページはブックマークし、テーマごとにフォルダに分類して、その作業をするときに一括で開けるようにする

上記は作業を効率化できる方法の一例なので参考にしつつ、ほかにも気になることがあれば上司や先輩に聞いたり調べたりして、効率的なやり方を取り入れていってください。

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・自分の強みと弱みがわからない人
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・時間をかけずに自己分析をしたい人

メリハリをつけて集中力を高める

上記の2つは具体的なアクションですが、後回しタイプの人が仕事のスピードを改善するにはマインドの入れ替えも必要です。仕事が遅くてつい残業したり休憩時間を削ったりしてしまうという人は、メリハリを付けることを意識してみましょう。

しっかり休むと体力が回復し気分もリフレッシュできるので、仕事のスピードがますます上がります。反対にメリハリなく働いてしまうと集中力が落ちてきて、本来ならすぐに終わったはずの業務もだらだらと時間をかけてしまうことが多いです。仕事はきっちり業務時間内で終わらせて、休憩中や就業後はしっかり休むことを大切にしてください。

繰り返しになりますが、やる気でなんとかするのではなく根本的な解決をして、効率を高めていくことが仕事のスピードを大きく短縮する秘訣になります。

谷所 健一郎

プロフィール

メールやLINEを常に見ていると仕事に集中できないので、メールやLINEを見る時間を決めて仕事をおこないましょう。

また会議ではアジェンダを作成して議題に集中し、会議の終了時間を設定すると、メリハリを付けて集中力を高めることができます。

「細かい点にこだわる」完璧主義タイプの解決策

「細かい点にこだわる」完璧主義タイプの解決策

  1. 作業のゴールや目的を意識する
  2. 仕事に使えそうなツールは積極的に導入する
  3. 完璧にこだわらず早めにパスを回す

完璧主義は悪いことではないですが、仕事に時間がかかると成果を十分に出せず、せっかく頑張っていても本末転倒になってしまいます

完璧主義タイプの人はここで紹介する3つの解決策を実践してまずスピードを改善してから、自分なりのこだわりを出していくと良いでしょう。すぐにできそうな簡単なものから習得してみてください。

作業のゴールや目的を意識する

まずは仕事の目的を捉え直しましょう。完璧主義タイプの人は「完璧に終わらせる」という作業が目的になってしまい、肝心の仕事そのものの目的が見えなくなっていることが多いです。

たとえば「上司からデータをもとに先月の売り上げ商品を分析することを求められた場合」を想定すると、以下のように仕事が遅くなるパターンが考えられます。

完璧にこだわって作業の目的とずれてしまう場合

きれいなExcelの表を作ることにこだわってしまい、求められた期限内に結果を提出することができない

作業のゴールや目的を意識できた場合

「今月在庫を増やすべき商品を明らかにして、売り上げが下がっている商品があれば原因を探る」ことが作業の目的だと捉えて、できるだけ早めに上司に結果を報告する

例のように作業の目的をしっかりと認識すれば、結果までにやるべきことや最短ルートがわかり、効率的に成果を上げることができます。またスピードが上がるだけでなく目的を意識することでアウトプットの精度も高まり、評価につながりやすいです。このようにメリットが多いので、ぜひ作業のゴールや目的を意識して取り組んでみてください。

上記の例は理解できましたが、自分の仕事になるとゴールや目的が何なのかよくわかりません。どう考えれば良いのでしょうか?

永田 修也

プロフィール

頭の中だけで考えずに可視化して整理してみよう

自分の仕事となるとゴールや目的がわからなくなるのは、「頭の中だけで考えている」というのが一つの要因として考えられます。

自分に割り振られた仕事をそのままにしていたり、自身の業務を頭だけで覚えてこなそうとしたりしていると、客観的に見ることができずに本来のタスクの目的がわからないことがあります。

しかし一旦整理して、ノートに書き出したりグラフにしてみたり、具体的に可視化してみることで自分の業務を客観視できるようになります。

そうすると実際にはそれほどたくさんの業務を抱えていないことがわかったり、冷静に考えれるようになったりして、よりそのタスクの方向性も見えてきますよ。

仕事に使えそうなツールは積極的に導入する

完璧主義タイプの人は自分のやり方や一度教わった手順などにこだわってしまい、新しい方法に挑戦することに抵抗があることも多いです

しかし仕事は結果を出すことが大切であり、そのプロセスは基本的には自由です。仕事の効率を高めるツールは近年たくさん出ているので、まずは無料のものから積極的に導入してみましょう。

仕事に使える便利なツールの例

  • シンプルカレンダー
    無料で使えるカレンダーアプリ。用途ごとに予定を色分けしたり、よくある予定はテンプレートを作ったりして簡単に管理できる
  • 1Dayスケジュール
    1日ごとの予定をアナログ時計式のグラフで見やすく管理できる無料アプリ。ToDo機能も付いていてリマインダーとしても使える
  • OneTab
    無料で使えるChromeの拡張機能。作業を中断する際などに開いているタブをまとめて履歴に残すことができ、後から一気に開ける。まとめたタブには名前を付けたりお気に入り登録したりも可能
  • myBridge
    名刺をスマホで撮影して管理できる無料アプリ。自身のオンライン名刺を作成したり、名刺帳を作って社内で共有したりするできる
  • Pocket
    調べものなどを後で見返したいときにページを保存できるツール。保存したページはオフラインでも閲覧できるので、スマホやタブレットでどこでも利用可能。用途ごとにタグを付けて分類することもできる

ツールに頼るべきことはツールに任せてしまえば、その作業分の時間が浮くので、自分が集中すべき仕事により丁寧に取り組むことができます。仕事が早くなるだけでなくパフォーマンスの質も高めることができますよ。

現在の業務を効率化できそうなツールがあれば順に取り入れて、仕事のやり方を柔軟にアップデートしていきましょう。

完璧にこだわらず早めにパスを回す

上記の2つの方法と併せて、普段から完璧にこだわらず、作業のパスを早めに回すことも心掛けてください。完璧にこだわっていると自分一人でその作業を長く抱えていることになり、間違いや修正点があったとしても気づけません。

特に初めてやる作業や難しい作業などは、取り掛かる際にまず方向性ややり方を整理して上司に問題ないか確認する、3割ほど進んだら状況を共有してフィードバックを得る、というように、方向性を確認しつつ修正や改善のフィードバックをこまめに受けていると、正しいやり方でスムーズに作業を終わらせることができます

自分一人で最後まで進めてしまうと、大幅なミスや勘違いがあった場合に一からやり直しになってしまいます。自分の仕事は都度上司に報告・共有することが、要領よく仕事を進めるポイントです。

計算や文字などにミスがないか不安になって何度も確認してしまいます。仕事が遅いと怒られるのも嫌なのですが、どうすれば良いのでしょうか?

谷所 健一郎

プロフィール

時間配分を決めることや誰かにチェックしてもらうのが効果的

計算や文字などにミスがないか不安で何度も確認してしまう人は、まずは数字や文字を丁寧に書くことを意識すると良いでしょう。丁寧な字で書くことでミスが少なくなり、何度も確認をしていたことが一度の確認で済むようになります。

また計算や文字などのミスを少なくするためには、気持ちの余裕も大切です。仕事に追われないように、時間配分を決めて進めると良いですね。

仕事のミスを気にし過ぎると、どうしても仕事が遅くなってしまいます。一人で抱えず、ほかのメンバーと相互にチェックをおこなうなど、仕事の進め方を工夫してみてください。

アドバイザーコメント

周囲を気にして気を遣いすぎるのが仕事を遅くする原因かも

仕事が遅れる人の特徴の一つに、「周りの人に良く思われたい」との気持ちから、「気を遣いすぎる」というのがあると思います。

わからないことがあって誰かに聞いたほうが早いのに、「みんな忙しそうだから、こんなことを聞いては申し訳ない」「こんなことを訊いたら、仕事ができないやつだと思われるのでは」などと考えて、自分で何とかしようと思い、時間ばかりかかるケースです。

ネットやAIを上手く活用するのも近道になる

そういう人は、ネットを使って自分で解答を探すスキルを上げることも考えてみましょう。たとえばキーワードの意味を知りたくて検索する場合、「〇〇」だけで検索するのと、「〇〇とは」と検索するのでは、検索結果が違います。画像検索、ニュース検索、書籍検索なども目的によって使い分けてください。

ChatGPTなどの生成AI(人工知能)は、「プロンプト」といわれるAIへの指示文の作り方がキーポイントです。まだ出始めの技術なので今のうちに習得しておけば、大きなアドバンテージになるでしょう。

キャリアコンサルタントに聞く! スピードを高める仕事術

キャリアコンサルタントに聞く! スピードを高める仕事術

  • 平井さんに質問! 仕事を早く進めるコツ
  • 永田さんに質問! 仕事を早く進めるコツ
  • 谷所さんに質問! 仕事を早く進めるコツ

仕事が遅いときにできる9つの改善策をタイプ別に解説しました。自分が何をすべきか理解できたと思いますが、具体的なイメージが湧かない人もいるかもしれません。

ここではキャリアコンサルタントに、普段実践している仕事が早くなるコツを聞きました。キャリアのプロによる工夫例に目を通して、仕事が早くなる働き方をより明確にイメージできるようにしましょう。

平井さんに質問! 仕事を早く進めるコツ

キャリアコンサルタントの平井さんはITメーカーで25年間人材育成に携わり、述べ1,000人と面談を実施してきました。退職後は職業訓練校、就労支援施設などの勤務を経て、現在はフリーで就職・キャリア相談、研修講師などを務めています。

産業カウンセラーの資格も持ち、多数の悩みを抱える顧客を担当されてきた平井さんに、仕事を早く進めるコツを聞きました。

アドバイザーコメント

手帳を上手く使って実現可能な計画を立てるのがポイント

私は「仕事を早くする」よりも、「計画を立てて、計画通りに完了する」ことを大事にしています。

スケジュール管理はアナログで、手帳を使っています。まず複数業務が書ける手帳で、すべての仕事の予定と納期を一覧にします。次にバーチカルタイプの手帳(一日のスケジュールを縦に区切って管理できる手帳)で、一日の時間の使い方を決めます。

仕事の遅れも見越してスケジュールを立てると挽回できる

私は母の介護もしていて、介護や看護スタッフが毎日訪問してくれます。その時間には集中して考える仕事はできません。メールをチェックしたり、本を読んだり、音声を文字化する作業などを割り当てます。

一日の作業時間は4時間から長くても6時間にします。一日に4時間分の見積分しか、予定を入れないのです。突発的な出来事で予定が遅れても、その日のうちにまだ1〜2時間の余裕があるため、カバーできることが多いです。私の工夫が参考になれば幸いです。

永田さんに質問! 仕事を早く進めるコツ

永田さんは、自動車部品、アパレル、福祉企業などの勤務を経て、キャリアコンサルタントとして開業されました。現在はYouTubeやブログでのカウンセリングや、自殺防止パトロール、元受刑者の就労支援活動をおこなっています。

さまざまな業界を経験し、現在も幅広く活躍されている永田さんに、仕事を早く進めるために工夫していることを聞きました。

アドバイザーコメント

まずは正しいやり方を知って引き出しを増やすことが重要

私もサラリーマン時代は「仕事が遅い人」の一人だったと思います。

遅いとまではいかないかもしれませんが、責任と業務が積み重なっていけばいくほど、「今やらなくても良いこと」ばかりに目がいって、優先順位が低いものばかりに取りかかってしまっていました。

これは痛みや苦手意識を回避するための、人間にとっての一種の自己防衛であり正しい反応といえると思うのですが、同時に自己嫌悪に陥ってしまっていた時期でもありました。

インプットとアウトプットの2つでコツを掴んでいった

そんなときに「これじゃだめだ」と思い必死にやったのが、「知識のインプット」です。あらゆる仕事術の本を読んだり、YouTube動画を見たり、自分の中の仕事術の引き出しを増やしていきました。

何かをやろうと思ったとき、そのやり方をそもそも知らないのに行動に移すことはできないので、まずは知ることから始めました。

そうやって知識として取り入れたら次はアウトプットして実際に試してみる。そうすると、自分に合うやり方が自然と見つかったりして仕事の進め方のコツがわかってくるようになります。シンプルで当たり前のことですが、少しでも参考にしていただけたらと思います。

谷所さんに質問! 仕事を早く進めるコツ

キャリア・デベロップメント・アドバイザーの谷所さんは、人事として1万人以上との面談経験があり、大学でキャリアデザイン講座の講師も務めました。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職セミナーのほか、採用担当者向けのセミナーも担当しています。

書籍の執筆も多数おこなうなど、長年キャリアのプロとして活躍されている谷所さんに、スピーディに仕事を進めるコツを聞きました。

アドバイザーコメント

周囲とのかかわり方に改善点やヒントがある

以前アプリ開発の仕事に転職した人から、仕事が遅いと上司や先輩社員から言われて悩んでいると相談を受けたときのエピソードを紹介します。

まず相談者に対して、仕事が遅いのではなく仕事の段取りややり方がわからないから仕事が進まないのではと指摘をしました。先輩社員が忙しくしていて質問がしにくいのであれば、「緊急ではない質問についてメールを送るので翌日以降回答をもらえないか」と相談するよう伝えました。

また先輩社員を観察して、同じ仕事の進め方をしてみるようにも促しました。たとえば先輩社員が目標から逆算して前倒しで仕事を進めていれば、先輩社員と同じ仕事の進め方をすることで、仕事のスピードがアップします。

以上の行動から先輩社員や上司とのコミュニケーションが増えて、一人で仕事を抱えることがなくなりました。また仕事の進め方をモデリングすることで、仕事が遅い社員と言われないようになりました。

仕事そのもののスキルを高めることも重要

また別の仕事が遅いと悩んでいる人に対しては、パソコンの文字入力、数値の入力、Excel、Wordの基礎をスキルアップするように伝えました。

その後パソコンスキルを高めて自信を持って仕事に取り組めるようになり、仕事のスピードだけでなく正確性もアップしたということです。

以上の例からわかるように、仕事が遅い原因を分析したうえで、具体的な改善策を考えて実行することが大切です。

それでも仕事のスピードが上がらないときに心掛けること

仕事が遅いときに取るべき対処法や、仕事が早くなるコツを解説してきました。しかし仕事が遅い人の中には、何をやっても改善しないと頭を抱えている人もいるかもしれません。

そんなときに大切なのが、自分を責めないことと、焦らず改善策を続けることです。新しいやり方を取り入れたり今までと意識を変えたりすると、その働き方に慣れるまでの時間も当然必要です。一歩を踏み出せていることにまずは自信を持ち、焦らずスピードを改善していきましょう。

また中には社会人数年目の人や転職したばかりの人もいるかもしれません。仕事に就いてからしばらくはスピードが上がらなくてもあまり気にする必要はありません。むしろ効率ばかり意識して思わぬミスをする可能性もあるので、知識を正しく身に付けていくための期間だと捉えることが大切です。

それでも悩みが消えない人は、仕事自体が自分に合っていない可能性もあります。キャリアコンサルタントや転職エージェントなどのプロに相談して、自分の適性やどんな仕事が向いているかについて客観的な意見を聞いてみるのもおすすめです。

仕事が遅くてどうしてもつらいときは、まず自分の心を休めることも必要です。こちらの記事で考え方を楽にするコツをつかんでください。
仕事がつらいときに自分を責めないで! 心が楽になる10の対処法

今の仕事が合わないと感じる人は、いきなり転職活動をする前にまずどんな仕事が向いているのか考えてみましょう。こちらの記事で自分に合う仕事を探す方法を解説しています。
自分に合った仕事を簡単4ステップで発見! 後悔しない方法を解説

仕事が遅い人は原因を一つずつ解消して効率的な働き方をしよう

仕事が遅い悩みを抜け出す方法を解説しました。仕事が遅い人には3つのタイプがあるので、やみくもに行動せずまずは自分のタイプを知って、必要な改善策を把握しましょう。

仕事が遅いタイプ別の解決策と、プロのキャリアコンサルタントによるスピードを高める仕事術も解説しました。自分に合った対処法から一つずつ取り組んで、焦らず効率的な働き方を身に付けていってください。

アドバイザーコメント

仕事が遅いと自覚できたらあとは行動で必ず改善できる

仕事の遅さというのはトレーニングで必ず改善することができます。今仕事ができるように見える人も、誰もが最初から上手くやれているわけではありません。

もちろん、最初から要領良くできたり作業スピードが早かったりする人もいるかもしれませんが、100%才能というわけではないと思います。スピードを早くするために自分なりに工夫していたり、昔からの経験値だったり、何かしらの努力で補っているのです。

しかし今からでもそのような対応力を身につけることは十分可能です。「自分は仕事が遅いんだ」と気づけたことが、まずはとても重要なのです。

気持ちだけでは変わらないので仕事を早める糸口を常に考えよう

ただ意識しなければいけないこととして、「もっと効率良くするにはどうすれば良いだろう?」と常に考え続けることが必要です。何となく毎日ダラダラと仕事をしていたり、早く時間が経たないかなと考えて過ごしたりしているようでは、いつまで経っても仕事のスピードは早くならないでしょう。

したがって、常に向上心と成長意欲を忘れることなく日々の仕事に打ち込むことで、次第に仕事のスピードは着実に上がっていくと思います。頑張っていきましょう!

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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