この記事のまとめ
- 理系学生の進路の選択肢は幅広い
- 理系におすすめの就職先11選
- 理系学生が就活を成功させるための対策
世間一般的に就職に強いと言われる機会が多い理系。「どんな企業を就職先として選べば良いかわからない」「就職活動の際、何を強みとしてアピールしたら良いのだろう」と、選択肢やアピールポイントの多さから悩む人もいるのではないでしょうか。
理系は、学生生活の中で就職後に活かせるスキルをたくさん身に付けられ、企業側も重宝するため、就活の選択肢が多くなります。しかし、どんな選択肢があるかを把握しておかなければ、就職後に後悔してしまうこともあるでしょう。
この記事では、キャリアコンサルタントの鈴木さん、木村さん、横山さんのアドバイスを交えつつ、理系におすすめの就職先を11個紹介します。この記事を読んだあなたは、自分にマッチした就職先を見つけ、後悔のない社会人生活を送れるようになるはずです。
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理系ならではの強みを活かすことが就活成功の鍵
理系は、学生生活で就職後も十分活かせる専門性やスキルを身に付けられます。理系が持つ強みは即戦力になるため、採用したいと考える企業も多いでしょう。このように、企業から重宝される存在であるため、たくさんの企業の中から選べるようになります。
しかし、「内定を貰えたから」や「名前の知っている企業だから」という理由で就職するのは、就職後に後悔する可能性があります。重要なことは、理系である自分の強みを活かせるかどうかです。
この記事ではおすすめの就職先を紹介します。また、就職後に活かせる理系の強み、理系が業界を選ぶ際のポイントなども併せて解説します。就職活動に頭を抱えている理系学生はぜひ参考にしてください。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
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まずは実態を知ろう! 理系学生の就職率
大学院など進路の選択肢が多い理系学生の場合、そもそも就職すべきか悩む人も多いでしょう。また、文系と比べて就職しやすいのかどうか気になりますよね。まずは、一般的な理系学生の就職への傾向をつかみましょう。
文部科学省の令和5年度大学等卒業者の就職状況調査によると、理系大学生の就職率は98.8%。
文系学生は97.9%でほとんど差はなく、多くの理系学生が内定を得て就職への道を選んでいるとわかります。
就職以外にもある!理系学生の主な進路
「そもそも理系の自分の進路にはどんな選択肢があるのだろうか」と可能な進路を把握していない人もいるのではないでしょうか。まずは選択肢を把握しておかなければ、進路を選んだ後に後悔する可能性があります。
理系が就職を選んだ場合、学生時代に学んだ専門分野または専門外分野への就職が可能です。また、大学院進学という進路もあります。視野を広げるためにも理系の進路をチェックしましょう。
専門分野への就職
学生時代に身に付けた専門分野を活かせる企業に就職するといった進路があります。理系は学部や学科によって身に付けられる専門性が異なり、就職後に活かせる強みも違います。
理系が専門分野への就職を選んだ場合、自分が身に付けた専門性を活かせるかどうかが重要です。たとえば、理学部は数学や物理学などを活かせる企業、工学部は機械や設計に関する仕事ができる企業、農学部は生物やバイオなどの知識を活かせる企業などです。
専門外分野への就職
学生時代に学んだ専門とは違う分野の企業への就職も可能です。しかし、「他の社員より不利な状態で就職することになるのではないか」「これまで勉強したことが無駄になるのではないか」と考える人もいるでしょう。
専門外分野でも就職可能です。企業によっては理系学生であれば専門分野を問わずに採用することもあります。そのような企業は、理系学生の専門性ではなく思考力や分析力などを評価して採用します。
必ずしも大学で学んだ専門分野を活かせる企業を選ぶ必要はありません。専門外分野への就職も可能といったことを視野に入れて、就職先を選びましょう。
就職先について、専門分野だけに捉われる必要は全くありません。
これまで学んできたことが社会でどのように活かせるか? 企業分析をして自分の理系としての考え方を欲している企業はないか? という視点で幅広く考えてみましょう。
大学院進学
理系学生の進路は就職だけではありません。大学院進学後は大学で学んだことをさらに深めて研究します。そのため、より専門性を高めることが可能です。
そして、大学院卒業後の進路には、企業の研究職や開発職、大学の研究職、国や公的機関の研究職などがあります。
さらに学びを深めたい分野がある人は大学院進学も視野に入れましょう。ただし、大学院は2年間のみであるため、研究と就職活動で忙しくなることは注意が必要です。
- 大学院に進むべきか就職するべきか悩んでいます……。どのように判断すればいいでしょうか?
悩んでいる理由からどちらを先に経験すべきか考えよう
大学院への進学か就職かを迷っている、または悩んでいるのはなぜなのか、じっくり考えてみてください。
たとえば、自分が理想とする商品やサービスを開発するために専門的な技術や深い知識を得たいのであれば、先にその分野の知識を体系的に学び研究できる大学院で先に学んでおく方が、最終的な自分の理想の実現に近づきやすいかもしれません。
逆に、先にビジネスの現場を経験しながら仕事をしていく中で、実用的な知識や技術を習得する方が、理想への近道という場合もあるでしょう。
現代は本気ならば社会人になったあとで大学院に進むことも可能な時代です。進学か就職かの二者択一ではなく、どちらを先に経験するかの選択と考えるのも一つの考え方です。
理系の就職活動の応募方法
理系の就職活動の応募方法は文系と少し異なります。理系が就職活動をする際、就職したい企業に自ら応募するといった一般的な方法だけではありません。
ここからはそれぞれの応募方法の特徴を解説します。理系が可能な応募方法を把握しておくことで、就職活動の幅を広げられますよ。
自由応募
自由応募とは、就活生が一般的におこなう、興味がある企業に自ら応募する方法です。応募後、エントリーシート(ES)を提出し、通過したらグループディスカッション、面接などと選考を進めていきます。
この応募方法は文系・理系どちらも同じです。自由応募の文系と理系の違う点は、応募先のみです。文系は営業職をはじめとする総合職や一般職に応募することがほとんどですが、理系は研究職などの専門職にも応募可能です。
企業が募集していれば、どこでも応募できます。競争率は激しい場合がありますが、興味がある企業の選考を自由に受けられます。
学校推薦
学校推薦は、学校や教授から企業に推薦してもらう方法です。学校や教授が企業との関係性が強く、あなたがその企業に適していると判断された場合に推薦してもらえる可能性があります。
学校推薦のメリットは、自由応募よりも内定率が上がることです。企業と学校・教授の関係性が強い場合、推薦された人であれば問題ないと考えます。また、その企業で働く学校のOB・OGが在籍している場合、就職活動に関してアドバイスをもらえます。
学校や教授と関係性が強い企業があり、その企業に就職したいという気持ちがあれば、ぜひ活用しましょう。しかし、誰でも推薦してもらえるわけではなく、また内定を獲得した場合は辞退が難しいことには注意が必要です。
アドバイザーコメント
鈴木 洵市
プロフィールを見る自由応募・学校推薦は双方のメリットなどをしっかり考えよう
自由応募の場合は、自分がどのような仕事に就きたいかが明確になっていて、チャレンジ精神がある人が向いています。
自由応募のメリットは、自分の将来を想像しながら企業選択ができる点と、推薦を使わないことで、途中で就職先を別の企業にしたいと思ったら変更できる点です。一方で、すべて自分の力で切り開かなければならない点は、覚悟が必要になります。
学校推薦は辞退しにくいからこそ慎重な判断が必要
推薦が向いている人の特徴は、自分のやるべきことをしっかりこなすことができる人物です。
学校推薦ということから内定率が非常に高く、就職活動に対する優位性がある点は大きなメリットですが、一方で、自分で企業選択をしていないことから、他の企業に就職したいとなった時に、内定辞退などがしづらい点に注意が必要です。
特に学校推薦の場合、辞退することで自分以降の学生の就職先が失われかねないということがあります。自分ではなく学校と企業のセンシティブな部分になるので、くれぐれも注意して推薦を受けるか決めましょう。
学校推薦の詳しい仕組みについてはこちらの記事で詳しく解説をしています。ぜひ、参考にしてみてください。
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理系は就職が有利と言われている理由
世間一般的に「理系は就職が有利」とよく言われますよね。とはいえ実際は、文部科学省の調査によると文系の就職率は96.0%、理系の就職率は95.9%と発表されており、就職率は文系の方が高いです。
しかし、「自分に合った企業に就職できる」といった点では理系の方が有利と言えるでしょう。ここからは、なぜ理系は自分に合った企業に就職するのに有利なのか解説します。
- 実際理系は就職に有利だと思いますか?
理系学生は需要が高く有利な印象
私の意見として、理系学生は就職に有利になることが多いという印象があります。
理系の学生は、自分のおこないたい仕事が学問の延長線上にあり、また学問があるということは、その分野の仕事があり、企業側はその人材を探しています。
また、第一志望に落ちたとしても、専門性が高いことから、企業として重宝する人材になります。
理系学部で学んだ専門性・スキルを入社後に活かせるから
理系は学部によって専門的なスキル・知識を身に付けられます。工学部であれば電気機器や自動車など、農学部であれば食品・第一次産業など、理学部であれば化学や半導体などです。
上記を扱う企業は多数存在するため、就職後も大学で身に付けた専門性やスキルを活用できます。さらに、企業側も「我々は食品に詳しい学生を募集していて、この学生は農学部出身で食品に関して詳しい」といったように、理系は企業が求める専門性とマッチしやすいといったメリットもあります。
このように、理系は即戦力として企業も採用したいと考えているため、就職に有利と言われるのです。
文系に比べて選べる就職先が多いから
理系は学生時代に学んだ専門分野への就職だけが選択肢ではありません。金融系やコンサルティングファームなど、理系としての専門性を必要としない、いわゆる文系就職も可能です。
逆を言えば、文系は理系のような専門性がないため、選択肢が文系就職のみといった学生がほとんど。しかし、理系は文系就職に加えて、自らが専門とすることを事業としておこなっている企業にも応募可能です。
このように、理系は文系に比べて就職先の選択肢が多いです。たくさんの企業の中から自分に合ったところを選べるため、就職に有利と言われます。
個人差も当然あるのですが、理系の学部では仮説と検証や分析といった、定型の理論や論理思考が磨かれる傾向があるため、論理的または客観的な視点で物事を見る能力があることが企業から好感され、有利に働くケースも考えられます。
理系学生が就職後に活かせる強み4選
理系学生が就職後に活かせる強み4選
- 専門的な知識・資格
- 計算力・分析力
- 仮説を立て検証する能力
- 物事をロジカルに考える力
「自分にはどんな強みがあるのだろうか」と悩んでいる理系学生もいるのではないでしょうか。理系のあなたが当たり前だと思っていることは、実は就職後に活かせる強みとなる可能性があります。
ここからは、理系学生が就職後に活かせる強みを4つ解説します。「就職活動の際にアピールできる強みがない」と悩む理系学生はチェックしましょう。
①専門的な知識・資格
日々の勉強や研究で身に付けた専門的な知識は、就活後も十分に活かせます。なぜなら、理系学部で学ぶほとんどの分野は、企業でも研究・開発しているからです。大学で研究したことで社会貢献したい、より深く研究したい人は、専門とする知識を活かせる企業に就職するのも良いでしょう。
また、学生生活で取得した資格を活かせる場合もあります。学部や学科によって取得できる資格は異なりますが、衛生管理者や宅地建物取引士、電気工事士などがあります。
このように、学生生活で身に付けた専門性や取得した資格は、就職後に活かせる強みと言えるでしょう。就職活動に悩んでいる人は、自分はどんなことを専門的に研究してきたのかもう一度振り返るのがおすすめです。
どんな資格なら就職後に活かせるか知りたい人は、以下の記事を参考にしましょう。業界・状況別に詳しく解説しています。
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就職に有利な資格の種類とアピール方法がわかれば武器になります。就職で有利な資格一覧や効果的にアピールする方法をキャリアコンサルタントが解説します。履歴書やESに記載する際の注意点も併せて紹介するので参考にしてください。
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②計算力・分析力
理系学生は、データや数字に触れる機会が多く、それらを計算・分析することが多々あるでしょう。このようにして身に付けた計算力や分析力は就職後も活かせる強みとなります。
近年、デジタル化やIT化が進んでいることから、データの計算力や分析力がある人材が求められる傾向にあります。また、企業は1から育成が必要な人よりも、すでにある程度の計算力や分析力を身に付けている理系学生を求めるでしょう。
このように、企業は計算力や分析力のある学生を求めています。そこで、これまで多くのデータや数字に触れてきた経験をアピールできることは、理系の強みと言えます。
③仮説を立て検証する能力
理系学生が研究や実験をする際、「仮説を立て、実際におこない、考察と検証をして再度仮説を立てる」といった流れでおこないますよね。この流れはPDCAサイクルと呼ばれており、社会人として働くうえで非常に重要な能力と言えます。
PDCAサイクルとは?
PDCAサイクルとは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の4つの工程を繰り返すこと。PDCAサイクルを回すことで、業務が継続して改善されるようになる。
なぜなら、目標を達成するためのアクションが明確になるため、目標の達成度を上げられるからです。さらに、課題を自ら見つけられるようになり、業務改善につながるといった理由もあります。
学生の段階で「身をもってPDCAサイクルを回してきた」と言える人は少ないでしょう。その中で、理系学生は日々の研究や実験でPDCAサイクルを回しているため強みと言えます。
④物事をロジカルに考える力
理系学生が研究や実験をする際、「なんとなく」といった理由で研究や実験を進めることはないでしょう。「他にも最適な方法があるのではないか」「なぜこのような結果になったのか」など、論理的に物事を考えることが習慣となっていますよね。
このような、物事をロジカルに考えられる力は就職後も重要です。顧客にプレゼンをする際、ロジカルな説明がなければ納得してもらえないからです。
この能力は文系就職した場合でも必要です。ほとんどの企業でアピールできますよ。
アドバイザーコメント
木村 千恵子
プロフィールを見る理系学生の仮説と検証の考え方は選考や入社後に役立つ
理系学生が今後活かせるスキルは、やはり仮説と検証の考え方ではないでしょうか。就職の選考でも入社後の仕事においても、自分なりの仮説を立てて行動し、検証して次に活かす、という考え方はどのような場面でも活かせる強みであり、理系学生はスキルを磨きやすい傾向があります。
たとえば、仕事では社内の同僚や取引先企業の担当者との協調関係が欠かせません。自分のやりたいことばかりを主張することはできないので、仕事上あらゆる場面で小さな仮説と検証を繰り返しながら、周囲との適切なコミュニケーションの取り方、仕事の進め方、交渉の仕方などを学んでいくことになります。
理系学生の場合、大学で学んだ専門分野での知識について、仮説と検証の繰り返しを通して深めていくというプロセスに慣れている分、就職後の職場でもその応用を利かせて業務にあたることができるでしょう。
就活は、適職診断から始めてください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶことが大事です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そんな時は「適職診断」を活用して、志望する企業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。
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理系が業界を選ぶ際に押さえておきたいポイント
ここまで解説してきたように、理系はたくさんの選択肢の中から就職先を選べます。
そこで重要になるのが業界選びです。自分に合わない業界を選ぶと入社後に後悔してしまう可能性があります。
ここからは、理系が業界を選ぶ際に押さえるべきポイントを解説します。入社後に後悔しないためにも把握しておきましょう。
身につけた専門性を活かせる業界か
学生で身に付けた専門性を活かせる仕事をしたい場合は、その専門性を使って仕事をする業界を選びましょう。全く関係のない業界に進んだ場合、学生生活で身に付けた専門性を活かす機会がほとんどなくなります。
たとえば、学部ごとの専門性を活かせる業界はこちらがあります。
学部ごとの専門性を活かせる業界
- 理学部:化学系メーカーやインフラ業界など
- 工学部:機会業界や半導体業界など
- 農学部:食品メーカーや第一次産業など
このように、身に付けた専門性はどの業界で活かせるかを見極めることで、即戦力として活躍できるようになります。
理系で要求される専門性とは、大きく専門的な知識を深堀りできることと、特定の技術を持てるかどうかという点にあると思います。
その視点で考えると、筋道を考える論理性と地道に技術を磨くことができる特性を持つ人が、一つのことにじっくりと取り組める業界を選ぶと相性が良いと思います。
身につけたいスキルを入社後に学べるか
すでに身に付けている専門性・スキルとは別に、これから身に付けたいスキルを入社後に学べるかどうかも重要です。
特に、専門外の業界に進む際はスキルを学べるかどうかが大切になるでしょう。現時点ではその業界に関する知識を持っていないからこそ、今後いかにスキルを身に付けて成長できるかに着目しましょう。
理系としての思考力や分析力をアピールしつつ、なぜそのスキルを学びたいのか、学んでどのようにその企業に貢献したいのかを説明することが大切です。
その業界が成長を遂げているか
そもそもその業界が成長を遂げているかどうかを見極めることが重要です。理系学生が身に付けている思考力やスキルは、ITやインターネットなどの成長業界で即戦力として採用される可能性を高めてくれます。
中長期的なキャリアまで視野を広げて、その業界が成長を遂げているかを見極めることも、有効な業界選びの1つです。
アドバイザーコメント
横山 慶一
プロフィールを見る本質を見極めながら将来の姿を考えよう
今日の科学技術は、日進月歩の勢いで進化しています。またVUCA時代といわれるように、これから先、次々と予測不能な事態が発生する時代になるといわれています。
そのような時代に皆さんは足を踏み出していくのですから、常に最新の知識を集め、最新の技術を身に付けなければならないと感じているかもしれません。
しかし、本質は、そのような急速な変化に柔軟な対応ができるようになることです。そのためにはものごとの本質を見極める力をしっかりと身に付けることです。
理系の学生は、日ごろから論理性や思考力を鍛える機会が多いと思うので、就活においても問題の本質を深掘りしたり、現状の問題解決に加えて将来の姿を見据えながら就職先を考えてほしいと思います。
業界別!理系におすすめの就職先11選
ここからは、理系ならではの強みを活かせる業界と、おすすめの就職先を紹介します。「自分がどの業界に就職したいかわかっていない」という人は、おすすめの就職先を知って視野を広げましょう。
そして、勉強と研究で身に付けた専門性やスキルを活かして就職したいという人は参考にしてください。
IT業界
IT業界の主な就職先
- インターネット関連会社
- ソフトウエア系会社
- 通信系会社
IT業界は理系のみならず、文系から就職する人も多いです。しかし、情報について専攻している学生は就職に有利になる可能性があります。
また、開発系の仕事をする場合はプログラミングの知識・スキルを保有しておくのが良いでしょう。IT業界にも営業などのプログラミングスキルを必要としない部署もあるため、スキルは必須ではない企業もありますが、ITに関する知識を保有していると即戦力になるアピールができます。
ここからは、IT業界で理系におすすめの就職先について紹介します。
IT業界では、ロジカルに考えることができる人材が求められます。理系学生は、学びの中でロジカルに物事を捉え考えることを実践しているので、IT業界との親和性が高い学生が多い印象です。
IT業界に興味がある人はこちらの記事も参考にしましょう。志望動機の作り方を解説しています。
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IT業界の受かる志望動機の書き方|職種別の例文10選も紹介
IT業界は5業種に分かれ、それぞれに特化した志望動機の作成が必要です。キャリアコンサルタントが業種・職種別の例文を交えながら、IT業界の志望動機を解説。IT業界の知識を押さえて、受かる志望動機を作成し、選考を突破していきましょう。
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IT業界の中でSIと呼ばれる業界があるのはご存知でしょうか。以下の記事ではSI業界についてまとめているので参考にしてみてください。
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SI業界を研究! 仕事内容や将来性、向いている人を徹底解説
SI業界はITを活用して社会に必要なシステムを構築し、企業の課題を解決する業界です。SI業界には特有の構造があり、それぞれ仕事内容や働き方が異なります。この記事ではキャリアコンサルタントがSI業界の業務や向いている人を解説しています。
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あなたが受けない方がいい職業を確認しよう!
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
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インターネット関連会社
インターネット関連会社の仕事内容
ポータルサイトやECサイトの運営、アプリ・ホームページの作成、広告運用など
インターネット関連会社は、情報に関する知識やプログラミングスキルなど、理系が持つ強みを活かせるためおすすめです。
開発系の職種に就く場合はプログラミングなどの専門知識・スキルが必要になります。一方で、サイトの運営や広告の運用の場合、就職活動の段階でスキルや知識を持っていることは必須ではないでしょう。
なお、インターネット関連会社は現在成長傾向にあります。ネットショップを導入する企業が増えており、EC市場も規模を大きくしています。情報系の専門知識を保有しており、成長市場で働きたいという理系学生におすすめです。
インターネット関連会社への就職がおすすめな理系学生の特徴
- 情報学部の理系学生
- プログラミングスキルを保有している理系学生
- インターネットに関する知識を保有している理系学生
ソフトウエア系会社
ソフトウエア系会社の仕事内容
家電や自動車に搭載するソフトウエア、スマホアプリの設計・開発などをおこなう
ソフトウエア系会社は設計や開発を主な仕事内容としているため、プログラミングスキルは必須と言えるでしょう。そのため、プログラミングスキルを保有している理系学生におすすめです。
また、コミュニケーションスキルも重要です。利用者に満足してもらえる製品を作るには、ヒアリングで要望を聞き出す必要があるからです。
近年、テレワークやオンライン会議の増加により、ソフトウエア系会社の需要度は増しています。業界自体も成長傾向にあるため、プログラミングスキルを活かして働きたいという理系学生におすすめです。
ソフトウェア系会社への就職がおすすめな理系学生の特徴
- プログラミングスキルを保有している理系学生
- コミュニケーション能力に自信がある理系学生
通信系会社
通信系会社の仕事内容
モバイルやクラウドサービス、AI、ロボットなどのサービスを提案・販売
通信系会社は特別なスキルは持っていないが、今後成長することが予想される業界で働きたい理系学生や、通信に関する研究開発に携わりたい理系学生におすすめです。
通信系会社は「営業」「ヘルプデスク」「商品企画」「接客販売」「技術系」など、会社や部署によって仕事内容が大きく異なります。営業や販売であれば専門的な知識・スキルは不要です。一方で、技術系は快適な通信環境の実現・提供のための通信技術開発に取り組むため、通信関係の専門的なスキル・知識が必要になります。
なお、通信系会社はスマホを取り扱う会社が多いです。5Gの本格化によって新規参入が増加しており、競争が激しい業界とも言えます。
通信系会社への就職がおすすめな理系学生の特徴
- 通信関係の専門的な知識・スキルを保有する理系学生
- 特にスキルはないが成長業界で働きたい理系学生
通信系会社の例
所要時間はたったの3分!
受けない方がいい職業を診断しよう
就活で大切なのは、自分の職務適性を知ることです。「適職診断」では、あなたの性格や価値観を踏まえて、適性が高い職業・低い職業を診断します。
就職後のミスマッチを避けたい人は、適職診断で自分に合う職種・合わない職業を見つけましょう。
- 自分に合う職業がわからない人
- 入社後のミスマッチを避けたい人
- 自分の強みを活かせる職業を知りたい人
金融業界
金融業界の主な就職先
- 銀行・証券会社
- 保険会社
理系学生を積極的に採用している金融業界企業は増えています。なぜなら、理系学生は日々の勉強や研究で論理的思考力を身に付けているからです。金融業界は1回の取引で大きな金額を扱うため、直感的な決断はNG。論理的に考えて、根拠のある決断をすることが求められるのです。
また、理系学生は数字に強いことも、金融業界企業が積極的に採用する理由の一つです。金融業界はお金を取り扱うため、数字に慣れていることが求められます。
ここからは、金融業界で理系におすすめの就職先について紹介します。
理系の学生は、数字を元にした論理的な思考に基づいて物事を捉える専門分野が多い傾向にあります。数字を扱う専門家の卵が求められる金融業界にも親和性が高く、比較的抵抗なく入っていけると考えられます。
銀行・証券会社
銀行・証券会社の仕事内容
銀行:窓口での顧客応対、預金や融資などに関する申込手続き書類の確認・入力・管理
証券会社:株式情報の提供、有価証券を顧客に代わって売買する
銀行や証券会社で働くには数字に強いことが求められます。また、投資先などを顧客に提案する際は論理的に説明する必要があります。そのため計算力や分析力、論理的思考力に長けている理系学生におすすめです。
なお、銀行は政府系や都銀、地銀、ネットバンクなど、さまざまな系統に分かれており、それぞれ業務内容が異なります。近年はネットバンクの成長が著しく、今後も伸び続けると予想されています。一方で、地銀は低金利など厳しい状況にあるということを把握しておきましょう。
近年はNISAをはじめとする個人の資産管理も増加しているため、証券銀行は成長傾向にあります。しかし、国内外の景気によって左右されやすい業界でもあるため、常に安定ではないということは理解しておきましょう。
銀行・証券会社への就職がおすすめな理系学生の特徴
- 計算力や分析力に自信がある理系学生
- 論理的に考えるのが得意な理系学生
銀行・証券会社の例
保険会社
保険会社の仕事内容
保険商品の販売、事故や災害の損害査定、保険金の支払い手続きなど
保険会社のメインの仕事内容は保険商品の開発と営業販売です。これらの業務をおこなうには数字への強さと論理的思考力が必要になります。なぜなら、保険会社で働く際は数字が付きもので、しかも扱う金額は大きいからです。また、顧客に納得してもらうには論理性が必要不可欠です。
近年はネット販売や海外進出など、新しい施策を模索する企業が増加。その中でもネット販売は好調で、今後も成長すると見込まれています。
保険会社への就職がおすすめな理系学生の特徴
- 数字に強い理系学生
- 論理的に説明することが得意な理系学生
保険会社の例
金融業界に興味がある人は、こちらの記事で業界理解を深めましょう。対策方法も詳しくまとめています。
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金融業界を徹底調査! 押さえておくべきトレンドや対策まで大解剖
金融業界は、さまざまな特徴があります。選考を受けるなら、多角的に理解することが大切です。この記事では金融業界の動向や業種、職種、金融業界独自の選考対策などについて、キャリアコンサルタントと解説します。
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ESで悩んだら就活準備プロンプト集がおすすめ!
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簡単な入力でプロが使うような回答例が出せるため、悩まずに就活準備を進められます。生成AIを活用して効率良く就活準備を進めたい人におすすめです。
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メーカー業界
メーカーの主な就職先
- 食品系会社
- 農林・水産系会社
- 建築・設備関連会社
- 機械・電子機器系会社
メーカーの「専門職」は理系の就職率が高いです。学生時代に身に付けた専門性やスキルを活かして仕事に取り組めます。
また、企業によっては営業職やマーケティング職、データサイエンティストなど、他の職種も募集していることがあり、理系・文系問わず応募可能です。そのような部署でも、数字に強く、論理的思考力を身に付けている理系を求める企業は多いでしょう。
メーカーはモノを作るという視点から、理系の専門性や技術力が必要です。加えて、それを使う顧客に対する想いまで配慮できる人が求められます。
食品系会社
食品系会社の仕事内容
原材料を仕入れ、食品を開発・製造し、商品を小売に卸して販売する
食品系会社は生活に不可欠であるため、就活生にとっても身近であり、倍率が高くなります。とはいえ、食品系会社には研究開発や商品開発、営業など、さまざまな職種があり、理系の専門性を活かせるのは研究開発や商品開発です。
特に農学部出身の理系学生は研究職や品質管理の仕事だけでなく、知識を活かして営業職として働くこともできます。
また、数字に強く企業の利益を追求できることをアピールすると、高倍率の中でも合格できる可能性を高められます。
食品系会社への就職がおすすめな理系学生の特徴
- 農学部出身の理系学生
- 食品に関する知識とコミュニケーション能力に自信がある理系学生
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農林・水産系会社
農林・水産系会社の仕事内容
農作物や畜産物の品質管理、食糧の提供
農林・水産系会社は特に農学部出身の理系学生におすすめです。農林・水産系会社のメイン業務は農産物や畜産物の品質管理や食糧の提供。働くうえで農業や漁業に関する知識が必要です。
また、農林・水産系会社は人が生活するうえで必要不可欠な存在。しかし、農林・水産業界は、高齢化や後継者の確保が課題で、就業者数も減少傾向にあります。
その中で、IT化やロボット技術に活路を見出し、政府の協力のもと導入を進めています。今後はIT化やロボット技術がさらに導入され、最新技術に触れながら日本の安全安心な生活を維持する仕事に携われるようになるでしょう。
農林・水産系会社への就職がおすすめな理系学生の特徴
- 農学部出身の理系学生
- 漁業に関する知識を保有している理系学生
建築・設備関連会社
建築・設備関連会社の仕事内容
建築設備の設計、建築士に対して工事監理に関するアドバイスなど
建築・設備関連会社は専門性の高い分野です。建築系や土木系を専攻している学生はすでに知識・スキルを身に付けており、有利に選考を進められるためおすすめです。また、建築士などの資格を持っている人も即戦力として採用される可能性が高くなります。
また、人手不足が大きな課題となっていますが、近年はITの導入によって対応する企業が増加。人手と時間がかかる作業をITによって効率化し、さらなる生産性の向上を図っています。
建築・設備関連会社への就職がおすすめな理系学生の特徴
- 建築や土木を専攻している理系学生
- 建築士などの資格を保有している理系学生
機械・電子機器系会社
機械・電子機器系会社の仕事内容
電子製品のデザインや機能の設計など
機械・電子機器系会社は電気・電子系学科や工学部の理系学生におすすめです。
機械・電子機器系会社がおこなう仕事は、機械や電子機器を製品化する際の核を担うとも言われています。また、回路設計は電気・電子系、機械設計は機械系、プラントは工学系といったように、設計するものの種類によっても必要な専門性が異なります。
機械・電子機器系会社での実際の仕事は試行錯誤の繰り返し。そのため、機械や電子機器に関する専門知識を有しているだけでなく、粘り強さも非常に大切です。PDCAサイクルを回した経験や忍耐力を発揮した経験も併せてアピールできる理系学生はさらにおすすめです。
忍耐力のアピール方法はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしましょう。
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機械・電子機器系会社への就職がおすすめな理系学生の特徴
- 電気・電子系学科の理系学生
- 工学部の理系学生
- PDCAサイクルを回した経験や忍耐力を発揮した経験をアピールできる理系学生
機械・電子機器系会社の例
電気・電子系や工学部の学生には、「設備管理」という仕事もおすすめです。具体的な仕事内容や求められるスキルをこちらの記事で確認しましょう。
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サービス・インフラ業界
サービス・インフラ業界の主な就職先
- 電気・ガス・石油系会社
- コンサルティング会社
サービス・インフラ業界に就職する際、専門的な知識・スキルは必須ではありません。しかし、個人や企業からの「〇〇してほしい」という要望に応えるために論理的思考力が必要になります。そのため、理系にもおすすめの業界です。
なお、サービス・インフラ業界の就職先は多岐にわたり、それぞれ事業内容やビジネスモデルが異なります。自分の強みを活かせる、またはやりたい仕事ができる企業を見極めることが重要です。
この業界では、顧客のニーズを的確に捉えてビジネスモデル化し、ニーズの分析や顧客の要望に応える仕組み(システム)を構築できる人材が求められます。理系学生の各専門分野の知識や技術は、その意味で親和性が高いと言えるでしょう。
電気・ガス・石油系会社
電気・ガス・石油系会社の仕事内容
電気:発電・送電・配電・販売営業
ガス:原料の調達・ガスの製造・販売営業
石油:燃料の開発・製造・販売
電気・ガス・石油系会社は電子工学や情報処理など、インフラ業界で働くための知識を保有している理系学生におすすめです。実際の業務内容は開発や製造、販売であり、専門的な知識が必要になるからです。
なお、これまではエネルギーを供給できるエリアが定められていましたが、規制緩和によりさまざまな業種の企業が参入しています。今後はさらに競争が激しくなると予想されています。とはいえ、安定供給やサービスの良さから、現在は既存のエネルギー会社のシェアが高いままです。
このように、規制緩和によって電気・ガス・石油系会社は、インフラに専門性があるだけでなく、数字に強く、論理的思考力を持ち、マーケティングや営業ができる理系学生を求めています。
電気・ガス・石油系会社への就職がおすすめな理系学生の特徴
- 電気・ガス・石油に関する専門的な知識を保有している理系学生
- 数字に強く、論理的思考力に自信がある理系学生
電気・ガス・石油系会社の例
ガス会社に興味がある人は、こちらの記事もおすすめです。志望動機の考え方を解説しています。
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コンサルティング会社
コンサルティング会社の仕事内容
企業や機関の課題解決に向けて支援をおこなう
コンサルティング会社が採用活動をする際、専門的な知識はあまり求めません。物事を論理的に考えられるか、コミュニケーション能力はあるか、忍耐力はあるかなどを見ています。特に論理的思考力が見られているため、研究で培った理系学生は就職活動を有利に進めることが可能です。
また、コンサルティング会社で働く際、顧客と対話する機会や無理な要望を貰う機会が多々あります。そのため、理系学生は論理的思考力以外にもコミュニケーション能力や忍耐力などをエピソードとともにアピールしましょう。
コンサルティング会社によって「戦略系」「総合系」「IT系」など、得意分野が異なります。「有名だから」という理由ではなく、自分のやりたいことにマッチするかどうかで判断することが重要です。
コンサルティング会社への就職がおすすめな理系学生の特徴
- 論理的思考力に自信がある理系学生
- コミュニケーション能力やマーケティングスキルなどに自信がある理系学生
コンサルティング会社の例
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アドバイザーコメント
鈴木 洵市
プロフィールを見る食品系会社は時代に合わせて社会に貢献できる点でおすすめ
私がおすすめする業界としては、食品系会社です。食品系の企業は人が食べるモノを扱っており、人が食べる行為をする限りずっと続く事業を展開しています。また食品は私たちにとって身近なものでもあり、現在販売されている商品からも、食べるという行為から仕事のイメージ作りがしやすい業界です。
また、不況の環境の中でも人は食べることを止めないので、その時代・時勢にあった商品開発で世の中に適応しながら、世の中に貢献できる仕事だと思います。
食品系会社の開発で理系の強みが存分に発揮される
そして、食品系会社では、売れる商品、美味しいと人が感じる商品の開発ができます。
開発のアプローチ段階で、「味」を数学や化学の力で分析・評価をしながら表すことができる点については、理系の強みが存分に発揮できるポイントです。分析・評価という業務では必ず理系の知識や経験が必要です。「仮説」と「検証」を繰り返すことを学生のうちから経験している学生にとっては、達成感を得やすい業界といえます。
理系の中でも特に薬学部の人は、就職先に悩む人が多いかもしれません。実は薬剤師以外にも就職先はさまざまにあるので、こちらの記事で11選を確認しましょう。
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理系学生が就活を成功させる必須の対策
理系学生が就活を成功させる必須の対策
- 広い視野で企業を選ぶ
- 選考対策は早めに始める
- 専門用語は避けて面接官に伝わる言葉を意識する
理系学生は文系学生に比べて就活で有利な点があります。しかし、入念に対策をしなければ有利さを活かせず、入社後に後悔してしまう可能性もあるのです。
ここからは、理系学生が就活を成功させる必須の対策を解説します。まだ就活の対策ができていないという人はチェックしましょう。
広い視野で企業を選ぶ
理系学生は研究室で過ごす時間が多くなります。そのため、「研究室の先輩がみんな同じ業界に進んでいる」「教授から勧められた企業に応募する」というように、就活に関して視野が狭くなりがちです。
理系学生を求めている企業はたくさんあります。視野を広げれば、専門外でもやりたい仕事ができる企業が見つかるかもしれません。まずは、視野を広げて、数多くの企業を知ることが大切です。
こちらの記事を参考に、まずは自分にどんな仕事が向いているのか考えてみましょう。やってはいけない仕事の探し方も解説しています。
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アドバイザーコメント
木村 千恵子
プロフィールを見るどんな企業でも理系が活躍できる部署は必ずある
企業の募集要項の中で「文系のみ」などの限定条件がない限り、あらゆる業界業種の企業に理系学生の活躍の場があります。
なぜなら、どのような業界業種の企業にも、理系学生が基本的な強みとする論理的思考力、仮説を立てる能力、立てた仮説を検証するための思考力と技術力、分析能力などが必要とされる部署が必ずあるからです。
好奇心を持って幅広い企業を分析しよう
つまり、理系学生がその強みや専門性を活かせない業界業種はほぼないと言っても過言ではありません。ただし、逆にどのような企業にも、どちらかと言えば理系学生よりも文系の学生の方が専門性を活かしやすい部署や職種はあるかも知れません。
そうであっても、やはり個人差があり、一概に理系だから向かない、文系だから向かない、と言い切れるわけではなのです。
そのため、その企業が何らかの理由で明示的に理系学生を採用しない方針でない限り、どんな企業にも視野を広げて、この企業の中で理系が活躍できそうな部署や職種にはどのようなものがあるだろうと、好奇心を持って企業分析をすることが重要です。
選考対策は早めに始める
理系学生は授業の他に研究や実習があり多忙な日々となります。直前から始めると選考対策するための時間を確保できなくなってしまいます。
大学3年生で就活の方向性が決まった段階で、選考対策を始めるようにしましょう。早い時期からコツコツ対策をしておくことで、忙しい中でも就活を乗り越えられますよ。
理系としての強みを持っていても、書類選考や面接で能力を発揮できなければ内定はもらえません。強みを十分にアピールできるよう、計画的に選考対策を始めましょう。
- 具体的にいつ頃から就活をスタートさせるべきでしょうか?
就活ばかりを気にせず、積極的に社会に触れよう
コロナ禍を経て就活の開始時期はかなり曖昧になっているようです。就活をあまり意識せず、社会に触れる機会があれば早い時期から積極的にチャンスを活用しましょう。
インターンシップも最近はPBL(課題解決型学習)を取り入れて、実際の企業内の業務を垣間見ることができるようになったり、1、2年生でも参加できるものなどいろいろな種類が出てきました。
近年では、産学協働事業や地域活動コミュニティなどで、専攻学科の学生に応援を求めるようなこともあり、それが就活につながったり、自分のキャリアになったりします。
就職をあまり意識せず、興味のある分野に積極的に乗り出してください。
専門用語は避けて面接官に伝わる言葉を意識する
書類選考や面接時に、大学でおこなった研究について話す場面がありますよね。その際、企業側が理解できる言葉に言い換えることが大切です。言葉の意味を理解されないと、強みや過去の努力も伝わりません。
具体的には、その研究について知らない友人に聞いてもらい、内容を理解してもらえるかどうかで判断しましょう。わからない箇所があれば、都度修正していく必要があります。
理系学生の就活スケジュール
理系学生は授業や研究などと並行しながら就職活動をおこなうというハードスケジュールであるため、あらかじめスケジュール感を把握しておくことが大切。また、4年生になってから始めるのでは手遅れとなる場合があります。
ここからは理系学生の就活スケジュールを紹介します。余裕を持って就活に取り組めるよう、スケジュール感を知っておきましょう。
大学3年6月~:インターン
6月頃から冬にかけてインターンを実施している企業が多数あります。興味がある企業のインターンに参加してみて、自分のやりたいことにマッチしているか、働き方が合うかどうかなどを体験してみましょう。仕事や会社に対する理解も深められますよ。
インターンの期間は企業によってさまざまです。1day開催のインターンもあれば、長期インターンを募集している企業もあります。最初は1dayインターンに参加して、「会社で働くとはどのようなものか」を体験してみるのも良いでしょう。
参加は必須ではありませんが、就活が本格化すると、研究などとの両立が忙しくなります。余裕をもって、募集が始まる大学3年生の6月頃からインターンを探してみましょう。
インターンについてさらに詳しく知りたい人や参加を迷っている人は、こちらの記事を参考にしてください。
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- 研究やサークルが忙しくてインターンに参加するのは難しいのですが、インターンに参加しないと不利になってしまいますか?
研究やサークルの取り組みをアピールできれば、不利になる可能性は低い
明示的に公言されてはいないとしても、インターンに参加しないと選考上不利になってしまうケースも中にはあるかも知れません。
しかし、そのような企業がすべてではもちろんありません。企業によって、インターンに参加した学生の選考を優遇する場合もありますが、多くの企業はインターン以外の面でその学生の特長や強みを把握しようとしてくれます。
インターンに参加できない人は、その代わりとなる積極性をアピールする方法を考えましょう。
たとえば、インターンの参加に匹敵するぐらい研究やサークルに熱心に取り組み、そこからの経験と学びについて伝えることができれば、インターンに参加していないことが不利になる可能性はかなり低くなるはずです。
選考が本格化する前に、資格取得を目指すのもおすすめです。理系学生におすすめの資格は以下で解説しています。
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大学3年2月〜大学4年5月:企業説明会・エントリー
冬から春にかけて、各企業の採用情報が公開されたり、企業説明会が開催されたりします。説明会を実施する期間は短く、有名企業であれば予約がすぐに埋まるため、この時点で就職の方向性をある程度絞り、迅速に行動することが大切です。
そして、採用情報や企業説明会の内容をもとにエントリーしていきます。新卒採用の場合、エントリーできる期間が限られています。理系学生は研究で忙しいため、大学3年の11月頃から興味がある企業の採用サイトをチェックし、エントリーが始まり次第応募しましょう。
いざエントリーが始まると、どれくらいエントリーすれば良いのか迷うもの。こちらの記事で事前に確認しておきましょう。
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大学4年6月〜9月:選考
6月から筆記試験や適性検査、面接などの採用選考が開始されます。また、学校推薦の応募受付もこの時期に実施する大学が多いです。理系学生は研究や卒業論文の準備などで忙しい日々になるため、対策は選考が始まる前である1〜5月におこなっておくようにしましょう。
なお、近年は6月よりも早い段階で内定や内々定を出す企業が増えています。企業によっては選考の時期が早い可能性があるため、大学3年生の冬から春の段階で選考対策を進めておくことも必要になります。
面接対策はこちらの記事を確認しておきましょう。高倍率でも勝ち抜くコツを解説しています。
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大学4年10月:内定
選考が終わり次第結果が発表されるため、7月や8月頃に内定をもらえる場合があります。なお、ほとんどの企業は遅くても10月には結果が発表されるでしょう。
次に内定をもらった企業から、実際に就職する企業を選ぶ必要があります。社会人生活を左右するため、慎重に選びましょう。
アドバイザーコメント
横山 慶一
プロフィールを見る時間管理を通じて論理性をさらに鍛えよう
実験や研究を抱えている人が一番苦労するのは、時間管理だと思います。
やるべきことに優先順位をつけ、常に合理的に行動することが否応なく求められますが、このような論理性は理系の職域では基本的素養になるので、ぜひ、就活を通じて磨きをかけてください。
就活を通じて培った経験や人間力は必ず役立つ
インターンを始めとした体験型の就活も増えていますが、直接採用につながらないものであっても、経験そのものがあなたのキャリアとして積み上がっていくので、その後の就活に必ず役立ちます。必ず振り返りをおこなって、経験をものにしてください。
ともすると専門的な知識やスキル修得に気を取られがちですが、人とかかわるコミュニケーション力などの人間力は、理系であっても非常に重視されます。多くの人とかかわる活動を通して、基本マナーをはじめ、相手への配慮や労い、感謝の気持ちなどを忘れずに就活をおこなってくださいね。
専門性がマッチする業界を選ぶのがポイント! 理系の強みを活かして就活を突破しよう
理系学生は研究や実習で毎日が忙しく、就活のためにまとまった時間を確保できません。そのため、早めに対策をはじめ、自分の強みを活かせる企業を見つけることがポイントです。
視野を広げて、専門性がマッチする業界を選び、理系ならではの強みを活かして就活を突破しましょう。
アドバイザーコメント
鈴木 洵市
プロフィールを見る理系ならではのロジカルな考え方を強みにしよう
就活について考え始めた皆さんにお伝えしたいのは、ぜひ自分が学んでいる強みを活かした就職活動を実施してほしい、この1点に尽きます。
理系学生には、専門職はもちろんのことですが、専門職以外にも就職先の選択ができるという、就職活動での選択の幅が広いという優位性があります。
日常的におこなってきた経験が文系にはない大きな強みとなる
自己分析や業界分析を実施すると、自分では当たり前と思っていたスキルが、実は世の中の企業から必要とされている能力だったとわかると思います。文系の学生があまり取り組んでいない「仮説」と「検証」を繰り返し成果を得ることを、理系学生は学校に通いながら体験しています。
この仮説と検証の繰り返しからは、ロジカルな考え方が身に付きます。逆に言えば、このロジカルな考え方という強みに気づけるのは、自己分析、業界分析を本気で取り組んでいる学生です。
まずは自己分析から始めて、良い就職活動にしてくださいね。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/ブルーバード合同会社代表取締役
Junichi Suzuki〇1982年宮城県⽣まれ。⼤学卒業後、上場企業の営業・管理部⾨を経験し、家業を継ぐ。2017年にブルーバードを設⽴し、企業の経営支援などを展開する
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/Koyoriキャリアワールド代表取締役
Chieko Kimura〇2度のアメリカ留学、20年以上の外資系IT企業勤務を経て、現在は留学生向け就職支援をおこなう。また、企業のキャリア支援や新入社員のクラウドコーチングなどにも幅広くたずさわる
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/インテグラルキャリア研究所所長
Keiichi Yokoyama〇20歳後半からカウンセリングの勉強を始め、キャリアに比重をおくコンサルティング、人材育成を企業内で推進。独立後は大学のキャリアセンターで学生の就職支援にもかかわる
プロフィール詳細