この記事のまとめ
- ハウスメーカーにはさまざまな仕事があり志望動機の書き方も変わる
- ハウスメーカーの志望動機を書く前に現状と今後の動向を把握することが大切
- ハウスメーカーが求める人物像を押さえた志望動機が書けるようになる
人が暮らす家を作るハウスメーカーは、志望する学生が多い職業の一つです。
建築業界でのすみ分けが難しいハウスメーカーの志望動機では、業界への理解を深めてアピールすることが大切です。建設業界のほかの仕事との違いを整理しておくことで、志望動機の解像度を高められます。
しかし、「ハウスメーカーの志望動機の作成方法がわからない」「工務店との差別化ができていない気がする」と悩んでいる人もいるでしょう。
この記事では、キャリアコンサルタントの遠藤さん、平井さん、古田さんのアドバイスを交えつつ、ハウスメーカーの志望動機を作成する方法を解説します。例文も掲載しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
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ハウスメーカーの志望動機は業界課題の分析がカギになる!
少子高齢化や資材の高騰など、ハウスメーカーを含む建設業界は大きな課題を抱えています。今後も利益を出し続けるには、課題の解決が必要不可欠です。そのため、業界課題の分析を進めて今後の動向を踏まえることを意識すると、採用担当者の印象に残る志望動機が作成できるようになります。
この記事では、前半で志望動機の作成に欠かせないハウスメーカーの基本情報やおもな仕事内容を解説します。その後、ハウスメーカーの現状と今後を整理します。業界の課題を分析することで、より解像度の高い志望動機を作成することができますよ。
また、ハウスメーカーで求められる能力や志望動機を作成する手順も紹介しています。志望動機の例文も掲載しているので、ぜひチェックしてください。
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最初に確認! ハウスメーカーの基本情報
ハウスメーカーの基本情報やビジネスモデル、そのほかの似た業種との違いを解説します。ハウスメーカーへの理解を深めたい方は、ぜひ参考にしてください。
ハウスメーカーとは
ハウスメーカーとは、新築の戸建て住宅やマンションの設計から施工までを一貫しておこなう企業です。企業規模が大きいことによる大量生産、独自の供給網などによって材料費を削減し、コストパフォーマンスの高い住宅を建設しています。
グループ会社を除いた企業単体で見ても、大和ハウス16,093人(2023年3月31日)、積水ハウス14,932人(2023年1月31日)、住友林業5,139人(2023年3月31日)の社員が在籍しており、規模の大きさが窺えます。
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ハウスメーカーのビジネスモデル
ハウスメーカーは住宅展示場にモデルハウスルームを建てて、営業活動をおこなっています。顧客はモデルハウスを確認し、希望に沿った間取りにできる自由設計型と標準的な設備に仕上がる企画型から住まいの間取りを選択可能です。
住宅展示場には複数のハウスメーカーが集まっており、顧客にとっては1箇所でさまざまな家を比較できるというメリットがあります。また、人を集めるために住宅購入に役立つセミナーや子ども向けのイベントなども開催されています。
そのほかの似た業種との違い
「ハウスメーカーと工務店の違いがわからない」「ハウスメーカーとディベロッパーでは業務内容にどのような違いがあるのか」という疑問を抱いている人もいるでしょう。ハウスメーカーや工務店、ディベロッパーは同じ住宅業界に位置づけられており、業種間の違いを把握できていない人が多くいます。
そこでそれぞれの仕事内容を理解できるように、ハウスメーカーと工務店の違い、ディベロッパーの工務店の違いを解説します。仕事による違いを理解して志望動機に取り入れたい方は、ぜひ参考にしてください。
工務店
工務店とは、住宅や建築物の設計から施工までを手掛ける地域密着型の建設会社です。ハウスメーカーが全国規模で展開し、大きな規模でシステム化された住宅建設を行うのに対し、工務店は地域に根ざした活動を行い、一つ一つの住宅に対してよりパーソナライズされたサービスを提供するという特徴があります。
工務店はハウスメーカーのように広告宣伝費や展示場の管理費といったコストがかからないため、ローコストで住宅を建設可能です。また、間取りの自由度が高いうえに、地元の気候や地形、文化を熟知した住宅を建てています。
一方で、ハウスメーカーと比較すると施工エリアが狭く、住宅が完成するまでの期間も長いです。また、マニュアル化されたアフターサービスが充実しているハウスメーカーと違い、工務店は会社ごとにバラツキがあります。
- 一条工務店は名前に工務店と入っていますが、規模が大きいように思います。工務店とハウスメーカーのどちらに分類されるのでしょうか?
ハウスメーカーと工務店に正確な定義はありませんが、上記の定義で分類すると、新築の住宅を設計から施工まで手掛けていて、全国に展開している一条工務店はハウスメーカーと言えるでしょう。
地震に強い家づくりを目指して静岡県浜松市で創業した後、徐々に業容を拡大して現在に至ります。
工務店はリフォームや増築などをローコストで手掛けるところもあれば完全注文住宅を手掛けるところもあります。
ディベロッパー
ディベロッパーとは、街づくりや都市再生、マンション・戸建て開発をおこなう企業です。タワーマンションの建設や戸建て住宅が集まったエリア開発に重点を置いており、街の発展に向けて商業施設やホテルなども建設しています。
ハウスメーカーとディベロッパーの大きな違いは顧客です。家を売るハウスメーカーが個人を相手にしているのに対し、街づくりのディベロッパーは国や自治体、法人を相手に仕事をしています。
また、ディベロッパーは用地取得や開発計画の立案、施工管理などの業務がメインで、家やマンションの建築は「設計」「施工」を一貫しておこなうゼネコンに依頼しています。
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適職を見つけよう! ハウスメーカーのおもな仕事内容
設計から販売までを一貫しておこなうハウスメーカーには、さまざまな仕事があります。それぞれがどのような仕事内容があるかを把握しておくことで、志望動機の解像度を高められたり、アピールすべき強みが明確になったりします。
ここからはハウスメーカーの仕事内容について解説します。「ハウスメーカーの働き方がイメージできていない」「営業以外にどのような仕事があるのか知りたい」という人はぜひ参考にしてください。
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(人材業界の場合)
①営業
ハウスメーカーの営業では、住宅展示場を訪問した顧客に自社の住宅を販売する仕事です。住宅を販売するにあたってさまざまな業務をおこなうため、家の仕組みや住宅ローン、周辺地域の情報といったさまざまな知識が求められます。
営業がおこなう仕事
- 住宅展示場の案内
- 間取りの計画作成
- 住宅ローンを組む銀行や信用金庫の紹介
- 工事の進捗状況の報告
- アフターフォロー
契約後に連絡が途絶えると顧客は不安であるため、定期的な連絡が必要です。また、家を引き渡した後のトラブルに適切に対処することで信頼につながり、友人や親族などを新規顧客として紹介してもらえるケースもあります。
②設計
設計とは、営業が顧客からヒアリングしてきた内容をもとに図面を作成する仕事です。ハウスメーカーでは企業ごとに建物の構造がおおよそ決まっており、快適性や機能性、予算などを考慮しながら間取りや配置の調整をおこないます。
契約後は顧客との打ち合わせを重ねて細かい部分まですり合わせ、建設する住宅の図面を完成させます。図面を現場監督に引き渡した後も、現場からの質問に回答するのは設計担当です。
設計はCADというパソコンを使って製図を作成するデスクワークが中心ですが、土地の調査や顧客との打ち合わせに出かけたりするケースもあります。
設計職の採用には建築士の資格が必須です。建築系の大学や専門学校を卒業した方が建築士資格以外にCADの資格をとることはありますが、建築をまったく学んだことがない方がCAD資格だけを持っていても、あまり意味はないと思います。
③施工管理
施工管理とは、着工から完成まで工事現場を管理する仕事です。現場監督とも呼ばれており、大工さんや施工業者が作業に取り掛かりやすい環境を整備しています。
施工管理の仕事
- 工程管理
- 品質管理
- 安全管理
- コスト管理
- 環境管理
工事が計画通りに進むように管理することはもちろん、「図面通りに仕上がっているか」「工事現場は安全に保たれているか」「無駄なコストが発生していないか」なども管理することになります。また、工事中に近隣住民から苦情が入らないように、騒音や振動などの管理も必要です。
施工管理の志望動機の書き方については以下の記事でまとめています。注意点も解説しているので参考にしてみてください。
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④研究開発
研究開発とは、住宅に関する研究をおこなったり、より良い構造の住宅を開発したりする仕事です。耐震性や安全性、快適性などに優れた住宅の開発をおもにおこなっています。
ハウスメーカーの研究開発が取り組む領域
- 環境に配慮した材料の研究
- 効率的な建築方法の開発
- 耐震性や断熱性を高める技術の研究
- 住宅にIoTを取り入れる研究
研究開発には専門的な知識が求められるため、採用されるのは建築や土木について学んだ理系学生が多い傾向にあります。また、総合職と分けて採用枠を設けている企業もあり、選考を突破すれば研究開発に携われる可能性が高いのが特徴的です。
- 文系大学生ですが、研究開発に携わりたいと考えています。総合職で入社して研究開発に配属される例はあるのでしょうか?
多くの企業では研究開発の業務は技術職として募集されています。募集要項に「総合職」と記載があっても、技術開発や研究所で働く場合は建築系の学科や機械、電気、材料化学といった学科の学生を対象としていることが殆どです。
たとえば、企画職などでも研究開発部門と関わりを持てることがあるかもしれません。研究開発業務に、文系出身の社員がどう関われるかを説明会やOB/OG訪問で質問してみてもいいですね。
⑤積算
積算とは、建築プロジェクトに必要な材料や人員、そのほかのコストを見積もり、総費用を計算する仕事です。また、設計図面から必要な材料を把握し、発注をおこなうこともあります。
正確な見積もりを出すためには、図面を見て材料を決める判断能力や資材価格への理解が欠かせません。そのため、積算は経験と知識が求められる専門性が高い仕事と言えます。
⑥インテリアコーディネーター
インテリアコーディネーターとは、住宅の内装を計画したり、顧客に提案したりする仕事です。設計職と協力しながら、床材や壁材、照明といった内装全般をトータルで決定します。
インテリアコーディネーターとして働き始めると、「希望通りにすると納期に間に合わせるのが難しい」「設計上の都合でプラン通りに作成できない」などの問題が頻繁に起こります。そのため、顧客と現場の間に立って調整する業務が多く、コミュニケーションが非常に大切です。
なお、インテリアコーディネーター資格試験が実施されており、取得しておくとインテリアコーディネーターとして配属される可能性を高められますよ。
- インテリアコーディネーターとして働くには、ハウスメーカー以外の選択肢もあるのでしょうか?
job tagによれば、ハウスメーカーや工務店のほか、家具メーカーやインテリア用品ショップなどが、主な就職先のようです。
今後注目したいのは、住宅のリフォームやリノベーションの市場です。矢野経済研究所の調べによれば、2022年の住宅リフォーム市場規模は7兆2,982億円で前年比5.7%増と予測されています。
新しく作り替えた家のインテリアをどうするか。インテリアコーディネーターが求められるのではないでしょうか。
志望動機に深みを出そう! ハウスメーカーの現状と今後の動向

ハウスメーカーの志望動機で差別化を図りたいなら、現状と今後の動向を踏まえた内容にすることが効果的です。現状や今後の動向などの業界に関する研究を入念におこなっていることがわかり、志望度の高さをアピールできるからです。
ここからは現状の課題を踏まえた今後の動向を3つ紹介します。ハウスメーカーについてより詳しくなりたい人は、ぜひ参考にしてください。
現状と今後の動向について把握せずに志望動機を書くと、企業が目指す将来像と異なった将来像を語ってしまう可能性があります。それでは担当者に「マッチングしていない」と判断され、内定が遠のいてしまうでしょう。
現状課題①資材高騰による価格上昇で市場規模が縮小している
近年、木材や金属、土などの建築資材が高騰しており、住宅価格も上昇しています。建築資材の価格が上昇している原因は、新型コロナウイルス感染症やウクライナ危機によるサプライチェーンの混乱、エネルギー価格の上昇にともなう運送コストの肥大化などです。
資材価格の上昇が顧客の購入意欲を減退させており、新築戸建て住宅の市場規模は縮小しています。また、資材価格の高騰は短期ではなく中長期的に継続すると考えられていて、それにともない市場規模も縮小し続けると見込まれています。
なお、低金利の終焉による住宅ローンの金利上昇への懸念も市場規模縮小の要因の一つです。
今後の動向:付加価値のある住宅の開発が進んでいく
市場規模の縮小に対応するべく、ハウスメーカー各社は付加価値のある住宅の開発を進めています。付加価値のある住宅の例は以下の通りです。
付加価値のある住宅
- 高断熱・高気密で冷暖房費の削減を実現できる住宅
- 太陽光発電システムや家庭用蓄電池を組み込んだ住宅
- 健康に配慮した自然素材を使用した住宅
- 変化する家族構成に対応可能な間取りの住宅
- 在宅勤務に適したスペースを確保した住宅
- 家電を遠隔操作できるスマートホーム技術を取り入れた住宅
ハウスメーカーごとに注力している領域が少しずつ異なるため、それぞれの違いを把握しておきましょう。企業の採用ページや企業説明会、OB・OG訪問などで各社の特徴を確認することが可能です。
各社の特徴への理解を深めたい人は、以下の方法で企業分析を進めましょう。OB訪問についてはこちらの記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
OB・OG訪問
OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅
企業説明会
企業説明会で絶対に聞くべき質問30選! 聞かない方が良い質問も
住宅の付加価値は、省エネ仕様、地震に強い、天然の木材をふんだんに使用している、収納がたっぷりあるといった機能や性能面はもとより、住まう人にとっての楽しさやゆとりをもたらす内装の工夫や共同住宅の共用部分の充実なども付加価値と言えます。
現状課題②人材が不足している
労働力人口の減少にともない各業界で人材不足が表面化していますが、ハウスメーカーでも同様です。労働力減少の要因の一つとして挙げられるのが少子高齢化です。
ハウスメーカー各社は、インターンの実施回数の増加や、先輩社員と日常業務をこなしながらスキルや経験を磨く教育制度であるOJT(On-the-Job Training)の導入によって若年層の育成・採用に注力しています。
また、女性やシニア層が働きやすい職場環境の整備、長時間労働の是正など、働き方改革にも取り組んでいます。
今後の動向:IT化・IoT化が加速していく
人材不足の解決手段として、作業の効率化を目的としたIT化が挙げられます。AI技術とビッグデータの分析の活用により、住宅の設計から建設、運用までのプロセスが最適化されているのです。
また、照明や暖房、冷房などがインターネットに接続され、スマートフォンや音声認識デバイスからの遠隔操作が可能になるスマートホームを筆頭としたIoT化がハウスメーカーでも進んでいます。
IoT(Internet of Things)
日常生活におけるさまざまなモノがインターネットに接続され、自動で操作やデータ収集ができるようになること。
ただ、スマートホーム技術を取り入れた住宅は価格が高額になりやすい傾向にあります。そのため、ハウスメーカー各社は比較的手ごろな価格で導入できるように、研究開発を進めているという状況です。
スマートホームとスマートハウスは異なります。スマートホームはITを活用して快適・便利な生活を実現している状態、スマートハウスはIT技術で家で使用するエネルギーの削減をめざすものです。スマートハウスは設備設置やメンテナンスに費用がかかるため、なかなか導入されていないのが、実情です。
現状課題③少子高齢化の進行を受けて国内市場の需要が先細りしている
少子高齢化の進行によって、出生率が低下して日本の人口は減少の一途をたどっています。そして晩婚化や非婚化も進んで単身世帯が増加しており、家族向けの戸建て住宅の需要が減少してきました。今後も単身世帯の増加が見込まれており、先細りするのが国内市場の需要です。
新築戸建て住宅市場の縮小に対抗するために、リフォームやリノベーションに力を入れているハウスメーカーもあります。特にエネルギー効率の改善や老朽化対策、世代交代にともなう間取り変更などの需要が大きいです。
また、バリアフリー設計や介護サービスと連携した住宅、高齢者向けのコンパクトな住宅など、シニア層に特化した住宅の開発も進んでいます。
今後の動向:海外の現地企業を通じて国外の住宅需要を取り込んでいく
多くのハウスメーカーが今後注力すると言われているのは、経済成長が著しいアジア地域や、住宅需要が旺盛な北米地域です。特にアメリカで戸建て住宅の着工件数が増加しており、現地企業を通じて住宅需要を取り込んでいます。
海外市場で成功を収めるためには、現地の文化やニーズを深く理解した商品開発やマーケティングが欠かせません。そのため、現地企業との提携や買収、現地法人の設立などをおこなって、海外市場での事業拡大を目指しているハウスメーカーが現れるようになりました。
志望動機でアピール可能! ハウスメーカーで共通して求められる能力
ハウスメーカーで共通して求められる能力
- コミュニケーション能力
- 忍耐力
- マネジメントスキル
- 責任感
ハウスメーカーで働くにあたって求められる能力を把握しておくと、志望動機で自分の持っている力を効果的にアピールできます。ただ、「ハウスメーカーで役立つ能力がわからない」「求められる能力を教えてほしい」という人もいるでしょう。
効果的にアピールできるように、ハウスメーカーで必要になる能力を解説します。自分に当てはめてみてどんなことがアピールできるのか理解を深めていきましょう。
コミュニケーション能力
さまざまな部署との連携、顧客や施工会社とのやり取りなど、人と会話する機会が多いため、ハウスメーカーで働く際はコミュニケーション能力が大切です。「営業のインターンシップで顧客の悩みを引き出して多くの契約を取った」「部活動のキャプテンとしてチームメンバーの意見をまとめた」など、コミュニケーション能力をアピールできるエピソードを整理しましょう。
なお、コミュニケーション能力と一括りにしていますが、大きく伝える力と聞く力に分類できます。顧客と話す機会が多い営業は傾聴力、現場に指示を出す施工管理は伝える力、顧客と社内の他部署の間に立つ設計やインテリアコーディネーターは両方の力が必要です。
どのような仕事に携わりたいか決まっている場合は、特に求められる力をアピールできるエピソードを考えておきましょう。
コミュニケーション能力の言い換えについてはこちらの記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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コミュニケーション能力は12個の言い換えで勝負しよう! 例文つき
コミュニケーション能力は幅広い業界や職種で評価されやすい力の1つです。しかし、魅力的にアピールするためにはコミュニケーション能力の言い換えが必須。この記事ではコミュニケーション能力の言い換え12種類をもとにアピールのコツをキャリアコンサルタントとともに解説します。例文を参考に人事に響く自己PRを作成しましょう。
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- コミュニケーション能力と言うと抽象的な気がしてしまいます。言い換えてアピールした方が伝わりやすいのでしょうか?
そのままは避けた方が無難
「コミュニケーション能力」をそのまま使ってしまうと、ざっくりしすぎている印象があるため、避けたほうが無難でしょう。
なぜなら、意思疎通を図る手段は1つではないからです。
そのため、コミュニケーション能力に長けていることをアピールする時は、根拠となるエピソードで伝えるようにし、その際も「コミュニケーションには自信がある」ではなく、どういった場面でどんな結果を出すことができたのかを具体的に伝えることで、結果的に聞いている人は「コミュニケーション能力がある人」と受け取ることができます。
それらを踏まえて表現を工夫してみましょう。
忍耐力
住宅の購入は人生で最も大きな買い物になる可能性が高いものです。そのため、住宅の購入には慎重になってやっぱり購入しないと判断する人が多いため、ハウスメーカーの営業には忍耐力が必要です。断られたことに落ち込んで住宅展示場で声を掛けるのを辞めると、営業成績を挙げられなくなるからです。
ハウスメーカーの商材は新築戸建て住宅なので、どれだけ低く見積もっても1,000万円以上になります。地域に根差した工務店と比較すると販売価格が高いため、家を1軒売るためにかなりの期間を要するのが一般的です。精神力の強さがなければ働き続けることが難しいため、忍耐力は重視されるのです。
「体育会の野球部で4年間練習に励んだ」「営業のインターンで断られ続けてもめげずに取り組み続けた」など、忍耐力に関するエピソードを話すとアピールにつながるでしょう。
忍耐力のアピール方法についてはこちらの記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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例文17選! 「忍耐力」の自己PRで企業に最大限アピールするコツ
忍耐力の自己PRは、入社後の活躍イメージを連想させることで有効なアピールとなります。この記事では、キャリアコンサルタントと共に忍耐力の自己PRの効果を最大化する方法を解説。エピソードや職種別で例文も紹介します。
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マネジメントスキル
現場を監督する施工管理には、マネジメントスキルが求められます。工事がスムーズに進むように管理しなければ、納期に間に合わなくて顧客からの信頼を損なう恐れがあるからです。
また、決められた予算や資材の範囲内で、資金計画を立てたり材料を利用したりする必要があります。さらに、人員の管理も欠かせず、「ここの作業にどのくらいの人員を配置するのか」「配置するのはどのような人材か」などを決めなければなりません。
さまざまな要素を考慮しながら工事を管理する必要があるため、部活動やアルバイトでリーダーを務めた経験がある人は積極的にアピールしましょう。
責任感
一生に一度かもしれない大きな買い物で顧客に満足してもらうためには、要望に対して最後までやり切る責任感が欠かせません。要望によっては設計や工事の都合で応えるのが難しいケースもありますが、そのような場合は責任を持って説明する必要があります。
もし希望通りの内装や間取りにするのが厳しくても、代替案の考案や再交渉といった誠実な姿勢を見せれば顧客に不信感を抱かれる可能性を下げられます。
責任感を持って対応して周囲からの信頼を得られた経験や真面目さが評価されたエピソードがある人は、志望動機に盛り込んでアピールしましょう。
責任感のアピール方法についてはこちらの記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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例文11選! 責任感の自己PRに重要な3要素を就活のプロが解説
責任感の自己PRは安易に使用すると高評価を得られません。注意点を踏まえて内容を考える必要があります。この記事では仕事で求められる責任感か見極める基準や自己PRでアピールする方法、周囲と差別化するコツをキャリアコンサルタントが解説します。
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アドバイザーコメント
平井 厚子
プロフィールを見るポイントは、住宅が「人生でもっとも高い買い物になる可能性が大きい」こと
ちょっと考えてみてください。何十年も住むであろう住宅。買うにあたってどんな情報がほしいですか。いくつかの候補から選ぶのに何を基準にしますか。どんなことが不安ですか。どんな相手なら買ってもいいと思いますか。
いま皆さんが考えたことを、お客様も考えるわけです。そんなお客様に選んでいただくには、売り手としては何が必要でしょう。私は「信頼」だと思います。
ハウスメーカーのおもな仕事内容は、営業・設計・施工管理・研究開発・積算・インテリアコーディネーターでしたね。あなたもどれかの役割でチームの一員になり、お客様を担当します。
自分の役割をはたしつつお客様の信頼を得るためには、どんな能力が必要でしょうか。ここまでの内容をヒントに考えてみてください。きっとあなたの強みを活かした能力がみつかりますよ。
ここからスタート! ハウスメーカーの志望動機を書く4ステップ
志望動機を書くステップ
- ハウスメーカーを志望する理由を明らかにする
- なぜ数あるハウスメーカーの中でその企業なのかを明確にする
- ハウスメーカーで活かせる強みをアピールする
- 入社後の展望や目標で締める
ハウスメーカーの志望動機を作成する際は、まずは自分が思っていることを言葉にできるように整理をしましょう。要素を考えながら作成していると結果的に時間がかかってしまううえに、志望動機で伝えたい内容が抜けることがあるからです。
ここから解説する手順に従って作成することで、アピールしたい内容を盛り込みつつ相手が理解しやすい文章に仕上がります。
志望動機の構成については、こちらの記事で詳しく解説しています。より詳しく知りたい方は、ぜひ確認してみてください。
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志望動機の構成は採用担当者に伝わりやすい型が決まっています。この記事では志望動機を聞く企業の意図を把握してから、志望動機を構成する要素と順番を解説していきます。キャリアコンサルタントによる解説と業界別の例文もあるので、参考にしながら自分の志望動機の構成を整えていきましょう。
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ステップ①ハウスメーカーを志望する理由を明らかにする
さまざまな業界がある中で、「そもそもなぜ住宅業界なのか」「住宅業界でもどうしてハウスメーカーなのか」を最初に整理しましょう。ハウスメーカーを志望する理由が明確になっておらず、ほかの業界でも通用する内容だと、「ハウスメーカーである必要はない気がする」「志望度があまり高くないのかな」と判断される可能性が高いからです。
志望理由の納得感を強めるためには、住宅業界やハウスメーカーへの理解が欠かせません。現状の課題や今後の動向を踏まえた内容を取り入れることで、業界へ強い興味を抱いていることをアピールできます。
担当者は内定辞退を避けたいと考えているため、志望度を重視しています。入社意欲が高いことを証明できるように、業界理解を深めてから志望理由を整理しましょう。
業界理解に役立つ四季報の活用方法はこちらの記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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新卒就活生向けに、就職四季報の活用方法を、キャリアコンサルタントとともに徹底解説します。就職四季報の活用次第で、就活を有利に進められます。おすすめの読み方や就活生が見るべきポイントも紹介しているのでぜひ参考にしてください。
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ハウスメーカーのお客さまは家を買いたい、建てたい人です。お客さまにどのような家を提供したいのかを考え、それがハウスメーカーで実現できるのか、それとも他の業種で実現できるのかを比べてみると、ハウスメーカーで働きたい理由が見えてきます。
ステップ②なぜ数あるハウスメーカーの中でその企業なのかを明確にする
次に、ハウスメーカーでも「なぜその企業なのか」を明確にしてください。企業理念やインターンで感じた雰囲気、研修プログラムなどで企業ならではの特徴を把握できます。ただ、これらの内容はありきたりになりやすいため、自分ならではの内容にしたい場合は業界課題への取り組みに言及すると企業研究に力を入れていることをアピール可能です。
たとえば、付加価値のある住宅開発に取り組んでいることを志望理由にしたい場合、積水ハウスでは、「ZEH(グリーンファーストゼロ)」という住宅を開発し、環境に配慮しながら顧客に価値を提供しています。ZEHとは、省エネ設備とエネルギーを創る設備を設置することで、エネルギー収支ゼロを目指す住宅のことです。
このように現状課題や今後の動向を踏まえた内容を盛り込みたい場合は、ホームページ(HP)や企業説明会、OB・OG訪問で確認しましょう。
聞いた内容は差別化するために企業研究ノートにまとめることをおすすめしています。企業研究ノートのまとめ方はこちらの記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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企業研究ノートは企業選びと選考対策に有効! 就活は情報戦で情報を収集するだけでなく、いかに活かせるかが重要です。記事では企業研究ノートの作り方、必須の情報16項目から情報収集の方法まで、キャリアコンサルタントのアドバイスも交えて解説しています。企業研究ノートで情報を整理し、企業研究を効率的に進めましょう。
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ステップ③ハウスメーカーで活かせる強みをアピールする
ここまでで志望度の高さはアピールできていますが、それだけで満足してはいけません。企業は売上に貢献する人材を採用したいと考えており、熱意だけでは入社後に役立つかわからないからです。
あなたが入社後に活躍する姿を担当者がイメージできるように、ハウスメーカーで活かせる強みをアピールしてください。
前述のとおり、ハウスメーカーでは以下の強みが活かせられます。
ハウスメーカーで活かせる強み
- コミュニケーション能力
- 忍耐力
- マネジメントスキル
- 責任感
コミュニケーション能力を傾聴力や伝達能力、責任感を真面目や情熱があると言い換えることも可能です。あなたのエピソードがより伝わりやすいように、最適な言い換えを選択してください。
強みの言い換えについてはこちらの記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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強み別の自己PR例文17選|63の言い換えも活用して選考突破
この記事では、就活生向けに自己PRの例文を強み別で紹介する記事です。キャリアコンサルタントの解説を交えつつ構成の作成方法や書き方・話し方も解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。
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会社に合う強みを探すのもよいですが、自信を持てる自分の強みに合う会社を探す方が、自分を押し殺す必要がないため合理的と言えるのではないでしょうか。採用がゴールではないということを念頭に置いておきましょう。
ステップ④入社後の展望や目標で締める
最後に入社後の展望や目標を具体的に言語化して、志望動機を締めましょう。担当者が入社後の姿をイメージしやすいように、直前に述べた強みを活かせる内容を考えるのがおすすめです。
もし傾聴力が強みの学生が「迅速に積算を終えて設計から工事までスムーズに取り掛かれるようにしたい」と主張していたら、採用担当者は傾聴力をもっと活かせる仕事があるはずと感じるでしょう。
このようなギャップを生まないためにも、「顧客の悩みを引き出し解決して信頼される営業になりたい」「慎重さを活かして安全に工事に取り組める環境を整備したい」など、強みと展望に一貫性のある内容に仕上げましょう。
志望動機の締めくくりについてはこちらの記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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志望動機の締めくくり例文13選! そのまま使えるテンプレも紹介
志望動機は締めくくりが大変重要であり、全体の印象を左右します。志望動機の締めくくりの基本ルールをと伝えるべき内容を押さえましょう。この記事ではキャリアコンサルタントと、すぐに使える便利なテンプレートや例文も併せて解説するので、参考にして選考を突破しましょう。
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志望動機の締めくくりは結論です。要するにこの会社でどんなことをしたいのか、どんな貢献ができると思うのか、を言い切るところです。ここがあやふやでは、前段でどんなに企業研究ができていても「だから何なの?」と思われかねません。
就活のプロが徹底解説! ハウスメーカーの志望動機の作り方のコツは?
業界への理解を深めて手順通りに志望動機を作成すると、選考突破を狙えるレベルの志望動機に仕上がります。ただ、さらにクオリティの向上を目指すにあたって、知っておくべきコツがあります。
就活のプロとして何人もの就活生を見てきたキャリアコンサルタントに、ハウスメーカーの志望動機を作成するコツを聞いてみましょう。
アドバイザーコメント
遠藤 美穂子
プロフィールを見るハウスメーカーを志望する学生に多い就活の軸は「家に関わる仕事がしたい」「より良い暮らしを提供したい」といったものがあります。この軸を起点として、なぜハウスメーカーなのかを考えます。
賃貸物件や売買物件を仲介する不動産業や、リフォームやリノベーションを専門に行う企業、キッチンや浴室などの設備メーカー、建材やガラス、サッシなどのメーカー、照明やカーテン、家具といったインテリア業界、さらには住宅専門の雑誌など、家に関わる仕事は多岐にわたります。
その中で、一から箱を作り上げていくイメージのハウスメーカーの魅力や、家に対する思いを自分の言葉で表現しましょう。
次に、各社の特長や強み、こだわりについて理解し、それをお客さまの暮らしの中に届けたいという気持ちを伝えます。住宅展示場を訪問したり、家づくりの書籍などを読んだりすると、理解が深まります。
そして、営業や設計、施工管理など社内の役割分担でどのような業務を担いたいか、自分の強みが働く場面で活かせることがイメージできるように伝えられれば、一緒に働いてみたいと思ってもらえるでしょう。
職種と強み別に紹介! ハウスメーカーの志望動機例文10選
キャリアコンサルタントが解説したコツを押さえて手順通りに作成したハウスメーカーの志望動機の例文を掲載しています。志望職種とアピールできる強みに分けて紹介しているので、自身に合ったものを参考にしてください。
また、例文ごとに就活のプロによるアドバイスも掲載しています。ハウスメーカーの志望動機の作成で行き詰まった人は、ぜひ読んでみてください。
仕事理解を深めてアピール! 職種別の志望動機6選
まずは職種別に志望動機の例文を紹介しています。職種によって求められる能力に少し違いがあるため、役立つ強みを選択するようにしましょう。
例文①営業
営業
私は、お客様が一生に一度の大きな買い物をする際に信頼していただける営業になりたいと考えています。その中でも貴社を志望するのは、カスタマイズオプションの豊かさによって顧客一人ひとりの要望に合った住宅を提供できるからです。
大学時代にアメリカへ1年間留学した際、さまざまな国籍の学生と専門分野について研究をおこなっていました。その際、目標達成に向けて調整役に徹し、異なるバックグラウンドを持つ人々と協力するために重要な傾聴力が培われました。
入社後は培った傾聴力を活かしてお客様の悩みや要望を引き出し、理想の住まいの提供に貢献したいと考えています。
傾聴力が活かせる仕事は他にもあります。なぜ信頼してもらえる営業マンになりたいのか、なぜこの仕事、会社を選んだのか、動機がわかりにくいと感じました。一行でよいので、その辺りに触れているとよくなります。
例文②設計
設計
私は設計士になりたいという強い想いがあります。建築を学んだ大学時代、間取りが家族の雰囲気やコミュニケーションに与える影響の大きさを深く理解しました。
この学びから、住空間が人々の生活に与えるポジティブな影響に興味を持ち、それを実現できるハウスメーカーへの道を志望するに至りました。
数あるハウスメーカーの中でも、貴社が家族仲を深めることに注力している点に大きく惹かれました。貴社の家づくりに対する哲学と私が大切にしている家族間のコミュニケーションを豊かにする空間設計とが、一致すると考えています。
私の強みは、飲食店でのアルバイト経験から培った傾聴力です。顧客一人ひとりの言葉から、その背後にある本当のニーズを読み取る能力を持っています。このスキルを活かし、貴社での設計業務においても、顧客の理想とする住まいを形にするための重要な鍵となると信じています。
入社後は、家族間の丁度いい距離感を保つ間取りの家を設計し、顧客それぞれの「理想の住まい」を具現化したいです。最終的には、私の設計した家で暮らす家族から、友人や親族を紹介してもらえるような、信頼される設計士を目指します。
学生時代の学びからハウスメーカーに興味を持つに至ったストーリーがすっと伝わります。設計に関する知識やスキルに加えて、傾聴力が強みということで、お客さまとのコミュニケーションも任せられそうだという印象を与えます。
例文③施工管理
施工管理
私は施工管理職として、災害に強い住宅作りに携わりたいと考え、貴社を志望しています。貴社がいち早く取り組んだ耐震等級を満たす構造や耐震性能に加え、非常時のライフライン途絶に備えた住宅設計は、地震大国である日本には欠かせないと考えているからです。
私が施工管理職で活かせる強みは、大学時代に参加した建築学部のプロジェクトで培った問題解決能力です。プロジェクトでは、限られた予算と時間の中で、環境に優しい仮設住宅のモデルを開発する課題に直面しました。
初期の計画では目標達成が困難でしたが、チームメンバーと協力して、コスト削減と効率化のための新しいアプローチを提案しました。具体的には、再利用可能な材料の選定、施工プロセスの見直しを行い、最終的には予算内で目標を達成することができました。
この経験から得た問題解決能力と、効率的なプロジェクト管理スキルを活かし、災害に強い安全で快適な住宅の建設に貢献したいと考えています。
問題解決能力の根拠としてあげた例は、いいと思います。「この経験から得た問題解決能力」というなら、事例でやったことを一般化して、再現性があることをアピールしたいですね。
例文④研究開発
研究開発
私は「耐震性に優れた家を作って安全な暮らしを守りたい」という想いで、ハウスメーカーを志望しています。ハウスメーカーに就職したいと思ったきっかけは、祖母の家が地震で倒壊した経験が挙げられます。この出来事は、耐震性能が高い住宅がいかに重要かを教えてくれました。
ハウスメーカーの中でも貴社を志望しているのは、特に耐震性に優れた住宅開発に力を入れているからです。
私の強みは、大学時代の陸上競技部での活動を通じて鍛えた忍耐力です。困難な状況でも諦めず、結果が出るまで何度も挑戦し続ける精神は、耐震性の高い住宅を開発するうえでの研究や試行錯誤の過程において大きな強みになると考えています。
入社後は、安全で安心して暮らせる住宅を設計・開発することが目標です。将来的には、貴社の住宅構造が今以上に安全性の高い住まいの代名詞となり、多くの人々に選ばれる存在になることを目指します。
志望動機になるきっかけの経験談が具体的に語られ、熱意が伝わるよい内容だと思います。また、入社後の目標や、この会社をどのようにしていきたいかまで伝えているところは向上心が伝わり、とても好印象です。
例文⑤積算
積算
「品質とコストのバランスを最適化した住宅づくりに貢献したい」という想いで、ハウスメーカーを志望しています。その中でも貴社を志望しているのは、持続可能な住宅開発に対する強いコミットメントを持ち、高品質ながらコストパフォーマンスに優れた住宅を提供しているからです。
貴社の積算業務は、この目標達成において中心的な役割を担っており、私の想いを実現できると考えています。また、私の強みは塾講師のアルバイトで培った真面目さです。生徒一人ひとりと向き合って指導してきた結果、全員が第一志望に合格することができました。
入社後は持ち前の真面目さを活かし、正確かつ効率的なコスト管理を通じてプロジェクトの成功に貢献したいと考えています。
企業の特長と入社後にやりたいことがマッチしている印象です。強みである真面目さは業務に必要なものですが、一人ひとりと向き合う姿勢なのか、正確かつ効率的な作業ができる点なのか、自己PRと整合性がとれているか確認してみてください。
例文⑥インテリアコーディネーター
インテリアコーディネーター
「心に影響を与える空間を最適化することで、人々の生活を豊かにしたい」という想いがあります。そのため、インテリアコーディネーターという職業に魅力を感じ、貴社への入社を志望しています。
貴社を志望する理由は、貴社が提供する高品質で個性的なインテリアデザインと、顧客一人ひとりのニーズに細やかに応えるカスタマイズサービスに大きな魅力を感じるからです。
私の強みは塾講師のアルバイトで培われた傾聴力です。ある時、数学が苦手で成績が伸び悩んでいる生徒がいました。授業内容に集中できていないように見えたため、より面白くてわかりやすい授業を心がけましたが、成績に大きな変化はありませんでした。
そこで、授業の後に彼と話す時間を設け、学校生活や趣味、将来の夢など、数学の話題以外のことについても話を聞くようにしました。すると、彼は数学への苦手意識が自信のなさにつながっており、それが学習へのモチベーション低下につながっていることを打ち明けてくれました。
入社後は持ち前の傾聴力を活かしてお客様の要望をヒアリングし、理想の住まいを実現したいと考えております。
直接的にモチベーション低下の理由を聴くのではなく、生徒自身を理解しようとした結果、核心にたどり着いた事例ですね。顧客のインテリアのイメージを把握するにも直接訊くのではなくこんなことから聴いてみたい、ということまで言えれば、もっと良くなります。
貢献できることを具体化しよう! 強み別の志望動機4選
次は、ハウスメーカーで求められる強みに焦点を当てて志望動機の例文を紹介します。強みで志望動機を作成するとなると、入社後の貢献方法の伝え方も大事になります。
貢献方法が記載されていないと、強みだけを伝えることになって採用担当者が入社後の姿をイメージしにくいからです。
ハウスメーカーとその企業を志望する理由、強みと入社後の活かし方の基本構成に従った文章になっているので、志望動機の作成時に参考にしてください。
例文⑦コミュニケーション能力
コミュニケーション能力
「耐震性の高い家を販売して安心して生活できる空間を届けたい」という想いで、ハウスメーカーを志望しています。その中でも貴社を志望しているのは、耐震性を考慮することはもちろん、環境に配慮した住宅づくりに注力しているからです。
私は、部活動のキャプテンとしてチーム内外での円滑なコミュニケーションの取り方を学びました。そこで培ったコミュニケーション能力があれば、耐震性かつ環境に配慮した住宅の魅力を伝えられると考えています。
入社後はコミュニケーション能力を活かして、顧客の要望を正確に捉え、安全かつ快適な住宅の提供に貢献したいと考えています。
コミュニケーション能力をアピールする際、「キャプテンとして学んだ」だけでは、どうコミュニケーションをとって、その結果どうなったのかがわかりにくいです。もう少し具体的なエピソードを追加するとよいでしょう。
例文⑧忍耐力
忍耐力
私は持ち前の忍耐力で会話の機会を増やし、より多くのお客様の住宅選びをサポートしたいと考えています。その中でも貴社を志望しているのは、エネルギー効率の良い住宅開発に注力しており、自信を持ってお客様におすすめできると考えているからです。
訪問営業の長期インターンシップに参加していた際、忍耐力が培われました。最初の頃は、自分の話す内容に集中するあまり、なかなかノルマを達成することができませんでした。
しかし、失敗を重ねるごとに伝えることよりも、お客様の話を聞き出すことの大切さを学びました。この変化を通じて、徐々にアポイントメントの獲得数を増やすことができるようになりました。
入社後は忍耐力を活かし、目標達成のためにコツコツと努力を重ねてお客様にとって最適な住宅解決策を提供する営業職として成長していきたいです。
失敗にもめげずに仕事に向き合う忍耐力があることはよく伝わってきます。一方で、忍耐力が「最適な住宅解決策を提供する」ためのどのような努力につながるのか分かりづらいので、具体的な場面をもう少しイメージしてみるとよいでしょう。
例文⑨マネジメントスキル
マネジメントスキル
「安全に働ける環境を整備して、スムーズにお客様が望む理想の住まいを実現したい」という想いで施工管理職を志望しています。数多くあるハウスメーカーのなかでも貴社を志望しているのは、インターンシップに参加して安全性への考え方が特に強いと感じたからです。
私の強みは、飲食店のアルバイトリーダーとして培ったマネジメントスキルです。飲食店での仕事では、シフト作成やタスクの割り当て、衛生管理など、多岐にわたる業務を統括していました。この経験から、異なるバックグラウンドを持つメンバーをまとめ上げ、共通の目標に向かって導くマネジメントスキルを磨きました。
施工管理職においてもプロジェクトの成功に向けてチームメンバーの協力は欠かせません。入社後は持ち前のマネジメントスキルを活かし、施工現場での安全管理、スケジュール管理、品質管理などを行い、効率的かつ円滑なプロジェクト運営を実現したいと考えています。
アルバイトリーダーの経験を詳しく述べているので、どんな風に働いていたかのイメージは伝わると思います。できれば体得した自分なりのマネジメントのコツや観点などを1つ入れると、もっと説得力が増しますよ。
例文⑩責任感
責任感
大学で建築を学んで家族の絆を深められる住宅設計の重要性を強く感じ、「人々の生活を豊かにする空間を創造したい」という想いで、ハウスメーカーを志望しています。
その中でも貴社を志望するのは、家族の絆を重視した住空間の提供に注力しているからです。貴社の取り組みは、私が目指す建築家像と一致しており、貴社でなら私の理想を形にできると信じています。
私が貴社で特に活かせる強みは、大学時代にサッカー部のキャプテンとして培った責任感です。チームをまとめ、目標に向かって仲間と協力する経験は、建築プロジェクトを成功に導く上で欠かせない能力です。これらの経験から、最後まで諦めないこと、メンバーと誠実に向き合うことの大切さを学びました。
入社後は部活動のキャプテンとして培った責任感を活かして、顧客に対して最後まで責任を持って寄り添い、夢を形にする設計業務に貢献したいと考えています。
「目標に向かって仲間と協力することは建築プロジェクトを成功に導く上で欠かせない」ことと、「特に活かせる強み=責任感」の繋がりが感じにくいです。チームワークと責任感を繋げる表現があるとよいかもしれません。
低評価のリスクを避けよう! ハウスメーカー志望動機のNG例文3選
志望動機のNG例文
- 志望理由がハウスメーカーである必要がない
- エピソードがなく強みに説得力がない
- 他社を批判している
ハウスメーカーの志望動機には、いくつか注意すべきポイントがあります。もし注意点を把握していないまま志望動機を作成すると、NGポイントに触れて書類選考を突破できないかもしれません。
ここでは注意点と合わせてNG例文を掲載しています。合格確率を大幅に下げるポイントを知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
①志望理由がハウスメーカーである必要がない
ハウスメーカーを志望する理由を客観的にみたときに、ほかの業界や業種でも当てはまるようなものは企業から「うちでなくても良いのでは?」と思われてしまいます。
自身の想いばかりを考えて志望動機に盛り込むだけでなく、一度離れて客観的に読み、ハウスメーカーならではの志望動機になっているのかも確認しましょう。
志望理由がハウスメーカーである必要がない
私は「人の生活を守る仕事をしたい」と考え、貴社を志望しています。その中でも貴社を志望しているのは、ハウスメーカーで最も規模が大きいからです。
私は学生時代に野球部のキャプテンとして部員をまとめてきたため、マネジメントスキルが強みです。入社後は持ち前のマネジメントスキルを活かして、工事がスムーズに進むように現場を監督したいと考えています。
ハウスメーカーである必要がない志望理由になっていると、志望度が低いと判断されてしまいます。業界への理解が足りておらず、分析にかけた時間が短いことがわかるからです。
「人の生活を守る」という軸がなぜハウスメーカーにつながるのか、流れが唐突な印象です。また、規模が大きいことのどこが魅力なのかも分からないため、業界研究・企業研究をもう少し行ってみてください。
②エピソードがなく強みに説得力がない
強みだけを主張してエピソードがない志望動機にも注意が必要です。エピソードが記載されていないと強みだと言い切る根拠に欠け、説得力を持たせられないからです。
エピソードがない
私は「一生に一度の大きな買い物を任せられる人材になりたい」という想いで、ハウスメーカーの営業を志望しています。その中でも貴社を志望しているのは、トップクラスの実績を誇りながら、飽くなき探求心で開発を続けて業界全体を引き上げているからです。
入社後は持ち前の責任感の強さを活かして、顧客に対して真摯に対応したいと考えています。
「持ち前の責任感の強さ」は、根拠となるエピソードがないと、「自分がそう思っているだけなのでは?」と受け取られても仕方がありません。第三者目線で責任感があることがわかるエピソードを入れるとよいでしょう。
③他社を批判している
特定企業への入社意欲を伝えるために、他社を批判する方がいますがやめましょう。他社の選考では逆に批判されているように感じられたり、入社後の態度が悪い可能性が高いと判断されたりするかもしれません。
他社を批判している
私はお客様に寄り添う営業になりたいと感じ、ハウスメーカーを志望しています。その中でも貴社を志望しているのは、他社よりも風通しの良さを感じたからです。
インターンシップで暗い雰囲気を感じたA社と違い、貴社は雰囲気が明るくてコミュニケーションを図りやすいと考えています。
学生時代は飲食店のアルバイトで傾聴力を培いました。お客様一人ひとりと仲良くなるために話題を引き出すことを心掛けた結果、私に会いに食事に来てくださる方がたくさんいました。
入社後は持ち前の傾聴力を活かしてお客様との信頼関係を構築し、大事な買い物を任される営業になりたいです。
「他社よりも風通しの良さを感じた」ことを伝えたいとはいえ、他社の批判になるのはさけましょう。それよりも「明るさを感じた」応募先のインターンでの具体的な事実を伝えることを、おすすめします。
ハウスメーカーの志望動機では業界への理解度の高さをアピールしよう
ハウスメーカーの志望動機は、作成する前に仕事内容や業界の課題、今後の動向を把握することが大切です。今回解説した内容を志望動機に取り入れて、業界理解度の高さをアピールしましょう。業界研究に注力していることを伝えられると、志望度が高いと判断してもらいやすくなります。
また、業界への理解が深められたら、次は基本の構成に従って志望動機を作成しましょう。ハウスメーカーおよび企業を志望する理由を述べた後、活かせる強みと入社後の貢献方法という流れで作成するのが鉄則です。志望動機の作り方に困ったら、まずはこの構成で作成しましょう。
ここまでの内容を踏まえていれば、魅力的な志望動機に仕上がっています。志望動機に自信を持って、本選考に臨んでくださいね。
アドバイザーコメント
古田 文子
プロフィールを見る自己理解・分析は徹底的に
ハウスメーカーや住宅業界の仕事は多岐に渡ります。志望動機は、自分の強みを理解するだけでなく、その強みを使ってどのポジションでどんな活躍をしたいのか、今後のビジョンが持てないと採用担当にも伝わりにくいものになってしまいます。まずは「己を知る」ところから始めましょう。
体験談やエピソードは具体的に
採用担当は初対面であることがほとんどです。書類選考でも面接でも、強みの根拠となるエピソードや志望動機になった経験談は、具体的に表現しないとイメージができません。イメージができないと共感や理解を得ることも難しいため、作成後に必ず誰かに聞いてもらい、イメージできるかフィードバックをもらいましょう。
契約は関係者のメリットありき
企業と応募者、関係者全員が「この就職(採用=雇用契約)には大きなメリットがある」と感じないと、契約破棄(つまり不採用)になります。そのため、企業や顧客だけでなく自分にもメリットがあると伝えることは重要です。その辺りを意識して志望動機を作成してみましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Mihoko Endo〇メガバンクで法人営業や新人研修講師、採用面接に携わる。現在は「その人らしさを引き出すカウンセリング」をモットーに、大学での就活支援、社会人向けキャリア開発研修をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Atsuko Hirai〇ITメーカーで25年間人材育成に携わり、述べ1,000人と面談を実施。退職後は職業訓練校、就労支援施設などの勤務を経て、現在はフリーで就職・キャリア相談、研修講師などを務める
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/上級心理カウンセラー
Fumiko Furuta〇キャリアに関する記事の執筆・監修や、転職フェアの講演、キャリア相談、企業や学校でのセミナー講師など幅広く活動。キャリア教育に関心があり、学童クラブの支援員も務める
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