安全に建物や設備を建設するために、工事全体を管理するのが「施工管理」。施工管理の仕事に興味があり、選考を受けてみようと考えている人の中には、「施工管理を目指しているけれど志望動機が上手に書けない」「専門的な知識がない中でアピールの仕方がわからない」といった悩みを抱えている人もいるかもしれません。
施工管理は未経験でも目指すことができますが、志望動機を作成する際は仕事内容や特徴を正しく理解しないと内定獲得は難しい職種です。
この記事では、キャリアアドバイザーの田邉さん、谷所さん、瀧本さんのアドバイスを交えつつ、施工管理を目指す学生向けに志望動機を作成する際に知っておきたいポイントを紹介します。仕事内容の詳細や志望動機で盛り込むべきポイントなどを解説するので、具体的に働くイメージがついていない人はぜひ参考にしてみてください。
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施工管理の魅力や特徴を把握したうえで志望動機を作成しよう!
施工管理への志望動機は、仕事の魅力や特徴を正しく理解できていなければ、説得力のある内容にすることはできません。そのためまずは仕事への解像度を上げることが重要になります。
この記事では、はじめに施工管理の仕事内容や魅力、求められる能力を解説します。施工管理の特徴を押さえて、志望動機のイメージをつかみましょう。
そしてそのうえで、おすすめの構成に沿って志望動機の作成方法を解説していきます。最後に理由別に志望動機の例文を紹介するので、ぜひ自分の経験と照らし合わせて参考にしてみてくださいね。
まずは施工管理の仕事内容を理解しよう!
志望動機を作成する前に、まずは施工管理の仕事内容を把握しましょう。仕事内容があいまいな状態では、自分が施工管理として何がしたいのか見えづらくなってしまいます。
施工管理の仕事内容は大きく5つに分類できます。一つずつ解説していくので、ぜひ参考にしてくださいね。
建設業界の全体像について詳しく知りたい人は、こちらの記事も併せて参考にしてみてください。
建設業界の全貌がわかる! 課題・動向から仕事内容まで徹底解説
建設業界の志望動機を次の記事で解説しています。施工管理だけでなく、ほかの職種についてもしっかり理解してみてくださいね。
建設業界の志望動機はどう書く? 差別化のコツや注意点を解説
①工程管理
工程管理は、建設工事が施工計画書どおりに進むように管理する業務です。工期を守るために、工事にかかわる作業員の配置やスケジュールを組み、重機・資材の手配をします。
工程管理がうまくいかないと工期の遅れにつながるため、工程表通りに作業が進んでいるか進捗を確認したり、トラブルが生じた際は工程を見直して調整をすることも必要です。
建設工事の規模が大きくなるほど作業員や資材の数が増えるため、複雑な工程を管理する必要があります。
本文で解説されている通り、工程管理は工期にかかわる責任が重い仕事の一つです。
大規模な建設工事を予定通り進めるために調整をすることは、顧客の利益や会社の信頼に直結するので、裁量ある仕事にチャレンジしたい人は大きなやりがいを感じられるでしょう。
②安全管理
安全管理とは、作業員の安全確保のために必要な設備や環境を整える業務です。
工事現場での作業は、高い場所で作業したり重機を扱ったりと常に危険と隣り合わせのため、しっかりとした安全対策を取らなくてはなりません。たとえば手すりや消火設備の設置、使用機材の安全点検、作業員の健康管理など業務内容は多岐に渡ります。
また、安全に作業ができるようなルールづくりや「ヒヤリハット」の周知など、事故を未然に防ぐ環境作りも施行管理の役割です。
ヒヤリハットとは
危ないことが起こったが、幸い災害には至らなかった事象のこと(厚生労働省兵庫労働局)
③原価管理
原価管理とは、工事にかかる人件費や材料費の原価を計算する仕事で、あらかじめ決められた予算内に収めるために重要な業務です。
具体的には、工事の進捗状況を把握・管理し、予算との差異がないかを適宜確認します。予算と進捗の差異が生じた場合は原因を分析し、計画や工程を見直して軌道修正を図るのが役割です。
予算を超過してしまうと収益の減少やスケジュールの見直しにもつながってしまうため、会社や顧客の利益に直結する重要な仕事といえます。
工事は利益を出すことが前提ですが、原価管理を誤ると利益が出ないだけでなく、工事の安全性が問われることもあります。
材料費や人件費も高騰しているので、必要なところにはお金をかけて、削減できるところは削減するという原価管理が重要になります。
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④品質管理
品質管理とは、設計図や仕様書にある規定を満たしているかを工事の進捗別に確認する業務です。
具体的には、使用する材料の大きさや材質・強度、塗装の仕上がりが合っているかなどを確認します。その中で、品質評価の対象項目をテストし、長期的に品質を保てるように管理するのです。
また、万が一計画通りに進められないと判明した場合は、顧客や設計者と相談して計画を修正することもあります。品質管理がしっかりできていないと、依頼者からのクレームや重大な事故につながる可能性もあるため、責任のある業務といえます。
品質管理に興味がある人は以下の記事もチェックしてください。品質管理の志望動機の作り方のコツをまとめています。
例文7選|品質管理の志望動機がグッと光る! 作り方と4つのコツ
⑤報告書などの文書作成
施工管理というと4大管理(工程管理・安全管理・原価管理・品質管理)と呼ばれる、現場での管理業務をイメージしがちですが、デスクワークの業務もあります。
デスクワークでは施工計画書の作成や発注書類の作成、工事完了報告書や安全確認の書類作成のほか、現場写真の整理などさまざまな作業があります。
このように、施工管理は現場仕事以外に打ち合わせや文書作成業務もあるため、一般的な事務スキルも求められる職種です。
- 施工管理は現場仕事のイメージでしたが、事務のスキルも必要なのでしょうか?
効率的に仕事を進めるには事務スキルが必要
施工管理職は、現場での指示や監督がおもな業務とされていますが、実際には事務作業も多く含まれています。
施工管理職がおこなう事務作業には、朝礼の準備、施工計画書の作成、原価計算、施工図の作成、写真の整理、打ち合わせ資料の作成、国や地方自治体へ提出する書類の作成、発注書類や請求書の作成・提出、報告書類の作成・提出などが含まれます。
これらの業務を効率的におこなうためには、PCスキル(ワード、エクセル、パワーポイントの操作スキル)やCAD(設計支援ツール)の操作スキルが必要です。
また、コミュニケーション能力も重要で、チームメンバーや他部門、外部のパートナーとの円滑なコミュニケーションがプロジェクトをスムーズに進めるカギとなります。
施工管理職は技術的なスキルだけでなく、多岐にわたるスキルが求められる職種であるといえるでしょう。
さらに施工管理の理解を深めたい人はこちらの記事も必見です。施工管理が活躍する建築業界について、特徴や志望動機のコツを解説しています。
例文8選|建築業界で評価される志望動機とは? 書き方のコツ
志望動機の参考にしよう! 施工管理として働く魅力
志望動機の参考にしよう! 施工管理として働く魅力
- 手に職がつく
- 将来性がある
- 成果が目に見える
志望動機は、その仕事のどこに惹かれて働きたいと思ったのかを伝える場です。そのため、施工管理の仕事の魅力を十分に理解していなくては、説得力のある志望動機は書けません。
ここからは施工管理として働く魅力を解説します。自分は何に惹かれて、どのように活躍したいのかを考えながら見ていきましょう。
手に職がつく
施工管理の仕事は建築に関する幅広い知識と技術を必要とするため、習得すれば手に職がつく点が魅力の一つです。
また現場で状況に応じて臨機応変に仕事をするため、トラブルを未然に防ぐ判断力や予定通り工事が進まないときの対応力など、建設に特化しない汎用的な社会人スキルも身に付けられます。
現場の監督者として、手に職をつけながら責任あるポジションに就きたいと考える人には魅力的な仕事といえるでしょう。
手に職がつく仕事は以下の記事でもまとめています。プロが仕事の選び方を詳しく解説しているので参考にしてみてください。
手に職がつく仕事76選! なりたい姿に合った選び方をプロが解説
- 現場の仕事などは男性が多いイメージがありますが、施工管理の仕事は女性でも目指せますか?
施工管理は女性でも目指せる
たしかに、男性が活躍する仕事の多いイメージで、女性は働きづらいのではと思いますよね。
しかし、女性も割合は少ないものの施工管理の仕事で活躍しています。施工管理は比較的力仕事ではないため、女性でも十分担当することができるのです。
また、近年では建設業で働く女性に「けんせつ小町」という愛称を付けて、女性の活躍推進をおこなっています。建設業界としても今までにはない考え方などが取り入れられるため、女性の採用に積極的になっています。
将来性がある
施工管理は新しく建物や設備を建設する際に必ず必要になる職種です。人が住む建物や街中のビル、生活基盤にかかわる水道や電気、道路などの工事は人が生活している限り欠かせないため、需要は今後も増えていくと予想され、将来の見通しも明るいといえます。
また全国各地の老朽化した建物の修繕・解体や、都市開発、地震や豪雨などの災害による復旧も需要増加の要因の一つと考えられています。
同じように将来性があり、今後なくならないと考えられている仕事については以下の記事で紹介しています。就活で将来性を重視する人は参考にしてみてください。
10年後もなくならない仕事8選! 就活のプロがその理由も徹底解説
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成果が目に見える
自分の成果が形として目に見えるため、やりがいや達成感を感じやすいところも、施工管理の魅力の一つです。
施工管理の仕事は、天候不良や予期せぬトラブルなどで、思うようにいくことばかりではありません。しかし大変だからこそ、多くの作業員や協力会社と力を合わせて建設物を作り、目に見える形で成果を残せることはやりがいにつながります。
また住宅やビル・道路などの建設では、実際に活用している様子を見ることもでき、人々の快適な生活に貢献している実感が湧きやすいため、モチベーションの維持にもつながります。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る施工管理の労働環境は懸念されやすいが改善が期待できる
施工管理の魅力について解説してきましたが、一方で懸念される部分もあります。
施工管理の仕事は、工程管理、資材の発注、品質管理など業務量が多いうえに、悪天候やトラブルなどで工程が遅れることが珍しくありません。
通常、建設工事は工程が遅れても工期を遵守しなければいけないため、残業や休日出勤で遅れを取り戻しています。そのため残業時間が多く、週休2日制が進んでいない企業もあることから、施工管理はブラックといわれがちです。
一口に施工管理とまとめるのではなく企業ごとに見ていくのが重要
ただし最近は、働き方改革を推進する企業が増えていて、適正な工程管理をおこない、効率的な業務の取り組みなどを実施しています。
大手企業は社員が多いため、業務量の調整ができるだけでなく、工程管理なども比較的余裕を持って取り組むことができます。また2024年から中小企業においても、時間外労働の上限規制が適用されるため、これまでのような長時間労働は改善されていくものと考えられます。
「施工管理はブラック」と捉えるのではなく、それぞれの企業の労働環境や待遇を見極めることが大切です。
志望動機でアピールできる! 施工管理で求められる人材
施工管理で求められる人材
施工管理の仕事内容や魅力を知って興味を持っても、「そもそも自分に向いているのかな」「アピールできるところはあるのだろうか」と不安に感じている人もいるのではないでしょうか。
ここからは施工管理で求められる人材について紹介します。どのような人材が施工管理で求められているのか、企業側の視点を知ることでより的確な志望動機を作成することにつながりますよ。
リーダーシップがある
施工管理は現場全体を管理する立場のため、リーダーシップがあることが求められます。安全に工事を進めるためには、現場の状況を把握しながら作業員に的確な指示を出し、現場全体をまとめてプロジェクトを牽引する必要があるからです。
また現場のメンバーがストレスなく働けているのか、何か問題が生じていないかをしっかり把握するため、チーム全体を俯瞰してみる力、問題点を発見したら改善のために行動する力も必要です。
これらの能力も含めて、現場のメンバーをまとめて率いていけるリーダーシップがある人は向いているでしょう。
リーダーシップがあることをアピールしたい人は、こちらの記事も併せて参考にしてみてくださいね。
例文17選|自己PRでリーダーシップを最強の強みとして伝える方法
コミュニケーション能力がある
施工管理の仕事は、現場の作業員と力を合わせて作業を進める必要があります。そのため、相手の意見を汲み取ったうえで、わかりやすく自分の考えを伝えるコミュニケーション能力も求められています。
また工事を滞りなくスムーズに進めるためには、現場の作業員だけでなく建設現場の近隣住民など、さまざまな人と上手にコミュニケーションを取ることが必要です。
経験豊富な作業員に指示を出すことも多くあるため、誰とでも物怖じせずにコミュニケーションが取れる人に適性があるといえます。
コミュニケーション能力があることをアピールする方法はこちらの記事で解説しています。ぜひ自分だけの言葉に言い換えられるように参考にしてみてください。
コミュニケーション能力は12個の言い換えで勝負しよう! 例文つき
特別な動機がなくても大丈夫!
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(IT業界の場合)
マルチタスク能力がある
施工管理の仕事は多岐にわたり、幅広い業務を同時にこなす必要があります。特に現場の管理を担うポジションのため、目の前の仕事に集中しながらも、現場全体を見渡して仕事に取り組まなければなりません。
広範囲の仕事を効率良くこなすためには、冷静に仕事の優先順位を付け、臨機応変に行動できる力が必要です。
また天候不良や突発的なトラブルなどにより、当初の計画通りに工事が進まないことも多くあります。そのようなときでも、冷静に状況を判断したうえで素早く対応できる人に適性があるといえます。
マルチタスク能力を持つ人は、多くのプロジェクトを同時に効果的に進めることができ、フレキシブルで適応力があります。
そのため企業も、時間管理が得意で、異なるタスク間でスムーズに切り替えることができるという印象を持ちやすいといえます。
体力がある
施工管理は現場仕事がメインのため、体力があることが必須といっても過言ではありません。ビルの設計などでは、建設中のためエレベーターがなく、高層階まで上り下りしなくてはならないこともあります。
また現場で指揮を取るだけでなく、顧客との打ち合わせやデスクワークなど幅広い仕事をこなさなくてはなりません。
加えて急なトラブル発生や納期に間に合わせるために、残業や休日出勤が必要になることもあるため、体力があり精神的にタフな人が向いているといえます。
- スポーツが得意ではなく体力に自信があるわけではありません。施工管理への就職は厳しいのでしょうか?
体力は働きながらでもつけていける
スポーツが得意でなくても良いですが、健康面に留意して体力をつけていく必要があります。
施工管理の仕事は、トラブルや納期を間に合わせるために、残業や休日出勤が必要になることがあるので、体力があり精神的にタフな人が向いています。ただし体力に自信がない人も、これから体力をつけていくこともできるでしょう。
またリーダーシップやコミュニケーション能力があれば、施工管理の仕事で活かせます。強みを活かして不足している部分を補っていければ、体力に自信がなくても施工管理への就職は可能です。
学習意欲がある
学習意欲がある人も施工管理に向いています。施工管理の仕事に携わるために必須の資格はありませんが、資格があれば携われる業務の範囲が広がり、スキルや給与の向上につながるためです。
資格に関しては後ほどくわしく解説しますが、各工事現場には「施工管理技能士」の有資格者が一人以上必要なため、資格取得に向けて前向きに努力できる人が求められているといえます。
人によっては、就活のために資格を取得するのはハードルが高く感じますよね。そのような場合は、資格のアピールではなく、施工管理の仕事内容を理解して、自己PRや志望動機に絡めることで学習意欲がアピールできます。
たとえば、「責任感を持って取り組んだ経験を活かして、入社後は原価管理を徹底したいです」と伝えると、仕事について調べた熱意が伝わります。
施工管理の仕事に求められる人材がわかっても自分に向いているのかわからない人はこちらの記事も参考にしてみてください。施工管理に向いていない人の特徴をまとめています。
関連記事
施工管理に向いてない人の特徴をケース別で紹介|活躍する人の条件も
施工管理の仕事に興味を持っても、自分に適性があるかわからず悩む人もいるでしょう。この記事では、施工管理に向いていない人や改善して転職する方法などをキャリアコンサルタントと解説します。また、未経験から施工管理への転職を目指すステップも解説しているためぜひ参考にしてください。
記事を読む
未経験で施工管理を目指すならスキルより仕事で活かせる強みをアピールしよう!
施工管理の仕事は新卒採用を実施している企業も多くあり、未経験でも目指せる仕事です。
未経験者には施工管理としてのスキルや資格の有無は問われません。スキルは研修で後から身に付けられるうえに、資格取得にも実務経験が必要な場合があるためです。
未経験者からの応募を歓迎している企業の多くは、積極的に学んでいきたいという意欲や、仕事で活かせる素質があるかどうかを重視している傾向にあります。
そのため未経験で施工管理を目指すのであれば、「施工管理になったらどのような強みを活かして」「どのように企業に貢献したいのか」を明確にしてアピールしましょう。
志望動機が思いつかない人は、ツールを使うのが一番オススメ
・業界・職種ごとの志望動機がわからない人
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施工管理の志望動機の構成3ステップ
施工管理の志望動機の構成3ステップ
- なぜ施工管理を志望するのか
- なぜその会社なのか
- 施工管理として企業にどう貢献するのか
施工管理の魅力やアピールしたい内容は決まっていても、いざ志望動機を書こうとすると「どのように書けば良いのだろう」と頭を悩ませてしまう人もいるでしょう。
相手に伝わりやすい志望動機を作るためには、適切な構成に沿って考える方法がおすすめです。構成に沿って書くことで、簡単にわかりやすい志望動機を作成できますよ。
ここからは施工管理の志望動機を作成する方法を3ステップで解説します。参考にして自分らしい志望動機を作成してみてくださいね。
施工管理に限定した内容ではありませんが、志望動機の書き方はこちらの記事でも解説しています。
「志望動機が書けない」から確実に卒業する3ステップ|例文付き
①なぜ施工管理を志望するのか
まずは、なぜ施工管理を志望するのか結論を簡潔に伝えましょう。結論から伝える方法をPREP法といい、PREP法を用いると面接官にわかりやすい志望動機が作成できます。
志望動機を質問されているのにもかかわらず過去のエピソードから話してしまうと、何が伝えたいのかわかりづらく、採用担当者が内容を理解するのに苦労してしまいます。
前述したとおり、相手にわかりやすく自分の思いを伝えることは、施工管理としても必須のスキルです。
結論もなく長々と話してしまい「仕事でもコミュニケーションが苦手なのかな」と懸念されてしまわないように、志望動機に限らずどのような質問でも相手に伝わりやすいように結論から回答することを意識しましょう。
結論から伝えることで、何を伝えたいのか最初に理解できるため、その後のエピソードなども理解しやすくなります。
結論を後回しにすると、伝えたい主旨が理解できずだらだらと回答している印象になり、マイナス評価につながることがありますよ。
志望動機は書き出しで採用担当者を惹きつけることが重要です。こちらの記事も併せて確認してみてください。
例文8選|志望動機の書き出しで本気度を見せ差別化する方法
②なぜその会社なのか
施工管理を志望する理由を伝えたら、次はなぜ数ある企業の中からその企業を選んだのかを伝えましょう。
「施工管理として働けるのならどの企業でも良いのでは?」と懸念されてしまわないように、しっかり企業研究をして、なぜ他社ではなくその企業でなくてはならないのかを明確にする必要があります。
会社説明会やOB・OG訪問、インターンを活用して、実際に聞いたことや感じたことをもとに作成すると、より具体的で自分らしい内容の志望動機を作成できます。
企業研究の際のOB・OG訪問のやり方や、インターンの参加方法は以下の記事で解説しています。
OB・OG訪問
OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅
インターン
インターンは就活に不可欠? 8のメリットと選び方を詳細解説
③施工管理として企業にどう貢献するのか
最後に施工管理として企業にどう貢献したいのか、将来像を伝えましょう。入社後にどう活躍したいのかを伝えることで、採用担当者は学生を採用するメリットを感じやすくなります。
入社後に活躍する姿をイメージを採用担当者がしやすいように、自分の強みをどのように活かしてどう貢献したいか具体的に説明しましょう。業務内容をしっかり理解して、どう貢献するのかまでしっかり伝えきることで、志望度の高さや熱意を伝えられます。
志望動機の締めくくりは重要なポイントです。施工管理の志望動機を作成する際に併せて参考にしてみてください。
志望動機の締めくくり例文13選! そのまま使えるテンプレも紹介
入社後にやりたいことの考え方はこちらの記事で解説しています。施工管理として働くイメージができていない人は参考にしてみてください。
例文10選|入社後にやりたいことの回答で押さえるべきコツは?
以下の記事では自分の強みや経験を会社に貢献できることを効果的にアピールするコツをまとめているので参考にしてみてください。
例文5選|「会社に貢献できること」を魅力的に伝えて差別化する秘訣
- 構成を意識しすぎると、どの企業でも同じような志望動機になってしまう気がします……。
同じ構成でも内容が異なればオリジナリティが出せる
たしかに同じ構成にあてはめると、ほかの企業にもあてはまる志望動機になってしまいそうで、マイナス評価にならないか不安ですよね。しかし、企業分析と自己分析をすれば、同じ構成を使っても他社とは異なる内容になりますよ。
たとえば、企業によって「オフィスビルの建設」や「注文住宅の建築」「医療施設の建築」など主力事業はさまざまですよね。企業によって求められるスキルが異なるため、強みの活かし方や入社後に貢献することが変わります。
自己分析と企業分析を徹底して、他社にあてはまらない志望動機を作りましょう。
施工管理の志望動機を作る際の注意点
施工管理の志望動機を作る際の注意
- 待遇のみを志望動機にしない
- 企業理念への共感のみを志望動機にしない
志望動機を作成する際には、注意しておきたいポイントもあります。
入社したい気持ちを伝えたつもりが「ほかの企業でもいいのではないか」「熱意はあるのだろうか」と懸念されてしまわないように、避けるべきことも押さえておきましょう。
ここからは、施工管理の志望動機を作る際の注意点を解説します。作成した志望動機にあてはまる部分はないか見直してみてください。
待遇のみを志望動機にしない
給与や福利厚生などの待遇面は、たしかに働くうえで欠かせない要素です。しかし待遇面だけで選んでいるような志望動機だと、「より待遇の良い企業を選ぶのではないか」「入社後に活躍してくれるイメージが湧かない」と懸念されてしまう可能性もあります。
志望動機は待遇のみにせず、その企業だからこその魅力や自分の展望などを盛り込んで伝えましょう。
待遇のみを志望動機とする学生は、真の熱意や情熱が不足していると感じられます。
長期的なキャリアビジョンや専門的な興味が薄いと見られ、企業側としては継続的な成長や貢献を期待しにくい印象を持つ可能性があります。
企業理念への共感のみを志望動機にしない
就職先を選ぶ際に、企業と同じ方向を目指し理念に共感していることは重要なポイントです。しかし、企業理念に共感して志望していることは前提であるため、共感のみをアピールしても印象に残りません。
なぜ企業の理念に共感しているのかを具体的に説明したうえで、共感しているからこそ自分はどのように貢献したいと考えているのか、何を実現したいのかまで伝えるようにしましょう。
- 理念への共感の先の行動まで上手く結び付けられません……。
求められている人材を具体的な行動に落とし込もう
企業が求めている人材は、企業の理念がベースになっていることが多いので、求人情報や会社説明会から、企業が求めている人材を見極めてみると良いでしょう。
どういった人材が求められているか理解できれば、求められている人材としてやるべきことが明確になり、先の行動と結び付けることができます。
求められている人材を見極めて、やるべきことを具体的な行動に落とし込んでみましょう。
企業理念への共感を志望動機として伝える際のコツは、以下の記事で詳しく解説しています。
例文9選|志望動機で企業理念への共感を伝えて唸らせる4ステップ
施工管理の志望動機例文6選
ここからはエントリーシートや面接で使える施工管理の志望動機について、例文を用いて解説していきます。
理由別に6種類の例文を紹介しているので、作成した志望動機をブラッシュアップしたり、内容を考えるうえで参考にしたりしてみてくださいね。
例文①世の中を便利にしたい
例文①世の中を便利にしたい
私が御社を志望する理由は、人々の生活を支えるうえで欠かせない施工管理の仕事を通して、世の中を便利にしたいという思いがあるためです。特に御社は大規模な土木事業の実績が多く、世の中への影響力が大きく、かつ役に立つ仕事ができると思い志望しました。
大学時代は100人を超えるバスケットボールサークルに所属し、主将としてチームをまとめた経験があります。バスケットボールの経験値が異なるメンバーをまとめて、一つのチームとして活動することは困難なこともありましたが、メンバーとしっかりコミュニケーションを取ることで、気持ちの良い活動ができるよう心掛けました。
入社後は、部活で鍛えた体力とリーダーシップを活かしてさまざまな現場に携わり、交通インフラの整備を通して、世の中の役に立ちたいと考えています。
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とてもよく経験がまとめられていますが、「困難なこと」や「しっかりとコミュニケーション」を具体化するとより良い志望動機になります。
これらが具体的に書かれていると、採用担当者は仕事でどのように経験を活かすのかイメージが湧きやすくなりますよ。
例文②地域の発展にかかわりたい
例文②地域の発展にかかわりたい
私が御社を志望する理由は、施工管理の仕事を通して地域の発展に携わりたいと考えたためです。
私はゼミナールで「衰退していく観光地の活性化」をテーマに学び、フィールドワークを通して建築物が市民の集いの場や観光スポットに発展していく様子を目の当たりにしました。
この経験から、街を建築という観点から活性化させたいと考えるようになり、施工管理の仕事を志望するようになりました。特に御社は「まちづくりの会社」として、地域に密着し地域経済の発展を視野に入れながら事業を進めていると会社説明会に参加した際に伺い、大変魅力に感じています。
私はまだ施工管理の知識は乏しいですが、ひたむきに勉強して早めに建築施工管理技能士の資格を取得したいと考えています。そして将来は、さまざまな建物の施工に携わり地域の発展に貢献したいです。
きっかけとなるゼミでの経験から地域を活性化させたいという思いが伝わり、施工管理の仕事に就きたい本気度を感じます。
施工管理の仕事で発揮できるリーダーシップやコミュニケーション能力などがあれば、資格取得と併せて伝えると良いでしょう。
例文③安全な建設を実現したい
例文③安全な建設を実現したい
私が御社を志望する理由は、安全な建設を実現したいと考えたためです。
建物は建てたら終わりではなく、安心安全に人々が使うためにはその後のケアが重要だと考えています。
御社はアフターケアを徹底することを理念に掲げていて、メンテナンスの事業拡大に力を入れたり、建物のケアを仕組み化したりして安全を守っているというお話を伺い、その姿勢に共感しました。
御社に入社後は、大学の建築学部で学んだ知識を活かしつつ、さまざまな現場に携わり実務経験を積みたいと考えています。そして将来は、1級施工管理技士の資格を取得し、大規模な工事の責任者として活躍します。
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選考通過率の高い志望動機をつくりたい人は「AI志望動機作成ツール」を活用しましょう!
企業理念への理解と将来のキャリアビジョンの明確さが際立っています。特に、企業活動への共感とそれを自身のキャリアとの関連性で述べる点は印象的です。
さらに良くするためにも、具体的な経験やスキルの詳細な言及と、それを企業にどう貢献するかを強調して伝えましょう。
例文④チーム一丸となって働くことに魅力を感じている
例文④チーム一丸となって働くことに魅力を感じている
大学で学んだ建築にかかわる仕事に就きたいと考えています。その中で施工管理の仕事に興味を持った理由は、チーム一丸となって働くことに魅力を感じたためです。
大学時代は学園祭の運営に携わりました。安全に楽しく学園祭が開催できるように細かい点まで配慮することは大変なときもありましたが、関係者としっかりとコミュニケーションを取りながら、一つひとつ課題をクリアにしていくことで、無事当日を迎えられました。
この経験を通して、多くの人と協力しながら一つの目標に向かって努力することの達成感やおもしろさを学びました。
建築にかかわる仕事でも、特に現場と協力して仕事を進めるのが施工管理だと感じています。そのため御社に入社後は、安全で正確な工事ができるよう、さまざまな立場の人と良好なコミュニケーションを取り、信頼関係を構築しながら業務に取り組みたいと考えています。
例文は少し抽象度が高くほかの企業にあてはまる部分があるため、より志望する熱意をアピールするためには、入社後に貢献したいこととして企業に合わせた具体的な仕事を伝えましょう。
たとえば、「医療施設建設のために、現場関係者だけでなく顧客と連携してチームワークの構築に貢献したい」などです。
例文⑤リーダーシップを活かしたい
例文⑤リーダーシップを活かしたい
私が御社を志望する理由は、強みであるリーダーシップを活かして顧客に寄り添った住宅づくりに携わりたいと考えたためです。
祖父が大工を営んでいて、幼い頃から「家族が快適に過ごせる家を建てたい」と家造りに憧れていました。その中でも御社の施工管理を志望する理由は、意欲次第で若手でも仕事を任されるというお話をOB・OG訪問で伺ったためです。
居酒屋のアルバイトではリーダーを任され、相手の気持ちや意見を汲み取り、調和を取りながら物事を進める力を身に付けました。責任を持って仕事をするのは、自分にとって非常にやりがいがあることだと感じています。
私はまだ施工管理の知識は乏しいですが、しっかり勉強して自分の強みであるリーダーシップを発揮しながら、チーム全体を良い方向に導いていけるよう取り組んでいきたいと思います。
※AI志望動機作成ツール
選考通過率の高い志望動機をつくりたい人は「AI志望動機作成ツール」を活用しましょう!
施工管理で必要なリーダーシップについて、アルバイト経験から強みとしてアピールしている点が評価できます。
施工管理の仕事に就きたい理由を具体的に述べていますが、祖父の大工としての取り組みで、共感できることなどを盛り込むとさらに良くなるでしょう。
例文⑥コミュニケーション能力を活かしたい
例文⑥コミュニケーション能力を活かしたい
高速道路やトンネルなど、身近で人々の生活に欠かせないものを作る仕事に魅力を感じ、施工管理の仕事を志望しています。
特にその中でも御社は大規模な工事の実績が多数あり、行政なども含めて、多くの人とかかわり合いながら仕事をしている点に魅力を感じました。
私は2年間アメリカに留学経験があり、その中で積極的にコミュニケーションを取ることの大切さを学びました。言葉や文化が違う人と意見を交わしたり仲良くなったりするのは難しいこともありますが、積極的に話しかけることで関係性を構築でき、英語力も想像以上に向上しました。
社内だけでなく、異業種の人とかかわる際に、留学で学んだ根本的なコミュニケーションの意識は役立てられると感じています。御社に入社後も多様な立場の人々をまとめて工事を円滑に進め、会社に貢献したいと考えています。
志望動機と個人の経験をうまく結びつけており、特に留学経験を通じて得たコミュニケーションスキルをどのように将来の仕事に活かすかを具体的に述べている点が良いです。
その一方で、もう少し具体的なエピソードや留学での学びをどのように具体的な業務に活かすかを詳細に述べると、独自性の高い、説得力のある内容になるでしょう。
施工管理に限らずものを作る仕事に興味がある人は以下の記事も参考にしてみてください。ものを作る仕事をまとめています。
ものを作る仕事20選を5種類のジャンル別に紹介!
キャリアアップを目指すなら! 施工管理が取得したい資格
施工管理を目指す際に必須な資格はありません。しかし一定条件を満たす建築現場には「建築施工管理技能士」の配置・常駐が必須のため、入社後に資格取得が推奨される場合が多くあります。
施工管理士の資格はおもに7種類あり、それぞれ1級・2級と分かれています。取得するためには実務経験が必要なので、企業によっては研修制度や資格の助成金制度があるため、志望企業にはどのような制度があるのか確認しましょう。
上記でおすすめなのは建築施工管理技士の資格です。
建築施工管理技士は受験資格に1年6カ月以上の実務経験が必須なので学生のうちには受験できませんが、知識だけでも勉強しておくことで事前にミスマッチを防ぐことができますよ。
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就職に有利な資格33選|業界・状況別であなたに合った資格を解説
施工管理を正しく理解して説得力のある志望動機を作成しよう
説得力がある志望動機を作成するためには、まず施工管理の仕事内容や特徴をしっかり把握していることが重要です。そのうえで、企業の特徴を調べて、自分にあった企業を探し、施工管理の中でもこの企業だからこそ働きたい理由をアピールできると、熱意が伝わりやすくなります。
今回解説した志望動機の作成ポイントや例文を参考に、自分らしい説得力のある志望動機を作ってみてくださいね。
アドバイザーコメント
瀧本博史
プロフィールを見る経験やスキルをどう活かして会社に貢献するのか明らかにしよう
施工管理は、計画の策定からプロジェクトの完成まで多岐にわたる業務を統括し、チームを指導して成功へと導く重要な役割を担います。
たとえば、あるプロジェクトで突如として設計変更が発生した場合、施工管理者であるあなたがどのように動くのかが、プロジェクトの成否を分ける瞬間となります。
このように施工管理職は、リーダーシップとコミュニケーションスキル、そして情熱がプロジェクトを円滑に進め、チームを一つにする大きな力となります。
企業の目指す方向性を理解して自分に合う環境を見つけよう
企業選びでは、その企業がどのようなプロジェクトに関与し、どのような技術や価値観を大切にしているのかを深く理解し、あなたがどう貢献できるのかを考えてみましょう。
あなたの経験やスキルを活かして、どのようにしてプロジェクトを成功に導くことができるのかを、志望動機へ具体的に織り込んでください。
あなたの情熱とスキルが、未来の建築を創り上げる大きな力となることを願っています。どうか自分自身を信じ、確実な一歩を踏み出してください。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/なべけんブログ運営者
Ken Tanabe〇新卒で大手人材会社へ入社し、人材コーディネーターや採用、育成などを担当。その後独立し、現在はカウンセリングや個人メディアによる情報発信など幅広くキャリア支援に携わる
プロフィール詳細キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士
Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう
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