この記事のまとめ
- 施工管理のおもな仕事内容を把握しよう
- 施工管理に向いていない人の特徴とは
- 施工管理を目指す人が今日からやるべき4つの行動
施工管理の仕事に興味を持ったものの、「自分は向いていないのではないか」と不安を感じる人もいるのではないでしょうか。どの仕事にも言えることですが、施工管理も向いている人と向いていない人が分かれる職業であることは事実です。
ただし、施工管理の仕事に向いていない人の特徴に当てはまったとしても、必要なスキルや適切な手順を踏めば施工管理への就職は目指せます。
この記事では、キャリアコンサルタントの隈本さん、野村さん、瀧本さん、渡部さん、高尾さんの5名と一緒に、施工管理の基本情報や向いていない人の特徴、未経験から目指す方法などを解説します。
特に、元人事経験のある渡部さん、高尾さんからは、施工管理に向いてない人がどのような行動をすべきなのか、自分の向き不向きを判断するコツなどを解説してもらうので、向き不向きに悩んで勇気を出せない人は、一歩踏み出せるよう最後まで確認してみてください。
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施工管理に向いてない人にはスキル・性格・体質の3つの点に特徴がある
施工管理の仕事は、業務内容が幅広く、人によっては向いていないと言われる可能性がある職業です。そのため、自分が向いているのか向いていないのかを理解しておかないと、入社後にミスマッチを起こす可能性があります。
あらかじめ向いていない人の特徴を理解しておくことで、自身とのマッチ度が測れるだけでなく、どのように行動すれば活躍できるのかという点も把握でき、将来の選択肢を広げることにつながるでしょう。
この記事では、まず施工管理の基本情報や向いていない人の特徴を解説します。仕事内容への理解を深め、自分が施工管理に向いているかどうかを見極めましょう。
その後に、施工管理に向いている人や目指す場合におすすめの行動を解説します。たとえ向いてない人の特徴に当てはまっていたとしても、向いている人の特徴に当てはまる部分があれば、活躍できる可能性は高いです。
最後に、未経験から施工管理を目指す際の手順を解説しているので、志望度が高まった人は行動に移してみてくださいね。
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前提から確認! 施工管理の基本情報
はじめに、施工管理の仕事について知識を身に付けておきましょう。施工管理の仕事を理解していなければ、やりたいこととマッチしているか判断ができないからです。施工管理は男女問わず活躍できる職業ですが、必ずしもすべての人に合う職業とは言えません。
仕事内容を理解せずに就職してしまうと、入社してからイメージの違いに気づき、後悔する可能性もあります。ここからは施工管理の仕事内容と働く魅力について詳しく解説します。まずは施工管理の基本情報を把握して、後に自分に合っているかどうかを検討できるよう土台を作りましょう。
おもな4つの仕事内容

施工管理の仕事は、工事現場の管理をする仕事です。工事現場での作業の進捗や、完成する建物の品質を管理しています。
一つの建物を完成させるのには、現場で働く多くの作業員がかかわります。事前に作成された図面通りに作成が進んでいるか、加工業者の作業内容は適切な内容なのかも施工管理が逐一チェックする必要があるのです。
また、工事現場は高所での作業も多く、危険をともないます。施工管理は現場で働く作業員の安全にも気を配り、事故が起きないよう意識しておく必要があるでしょう。
ここからは、施工管理の具体的な業務内容を解説します。まずは施工管理の仕事内容という基礎の部分を理解しましょう。
施工管理者は多岐にわたる業務を担当し、現場での監督や職人との調整も求められます。仕事内容を理解することで、自身の適性を正確に判断し、施工管理者としてキャリアアップするための具体的な準備ができます。
工程管理
工程管理は、施工管理が作成した工事スケジュールに合わせて、工事が計画通り進んでいるかどうかをチェックする業務です。現場を実際に確認したり、それぞれの作業にどれくらいの時間がかかるのかを計算したり、人手不足であれば必要な人材を手配したりするなどの業務に取り組みます。
担当する工事の規模により必要な重機や人員の数は異なり、大きな工事ほど管理しなければいけない部分が増えていきます。その分、必要な人員や経費の計算に経験や知識が必要になるでしょう。
また、工事は屋外でおこなわれることがほとんどなため、天候の影響を受けやすい仕事とも言えます。雨が降ったり、トラブルが起きたりして作業ができない日が増えれば、スケジュールの見直しをして工事関係者に対応できるか確認しなければなりません。
建物が予定した期間で完成できるのか、遅れる場合でもなるべく早く引き渡しできるのかは、施工管理の腕にかかっていると言っても過言ではないほど、工程管理の仕事は重要なものになります。
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品質管理
建物を作るにも予算が存在し、限られた費用のなかで良い建物を作る必要があります。しかし、無事に引き渡し予定日までに建物ができても、仕様書の基準をクリアしていなければ引き渡しができません。
引き渡しができないという事態を避けるために、施工管理は用意された材料の寸法や強度が、設計図や仕様書で規定されている基準を満たしているのかを着工前に確認します。工程の合間でも、定期的な品質評価は欠かせません。
また、施工業者の作業内容に現場で目を配ることも必要になります。万が一工法のミスや見落としがあれば、欠陥建築となり自社の信頼を失う可能性もあるからです。
このように施工管理は、予定通りの品質の建物ができているかを責任持ってチェックしています。
原価管理
限られた予算の中で品質を保ちつつ工事を完了するには、材料費だけでなく人件費や重機のレンタル料金なども計算しておく必要があります。そのようなコスト面の管理も、施工管理の仕事の一つです。
人員手配にかかるコストや、品質を守るために用意する材料の費用の計算にも配慮が必要です。工事開始後も、スケジュールに支障が出てくれば追加日数分も人員を手配しなければなりません。
コストをかけすぎると企業の損失になる可能性もあり、会社の利益を考えたうえで発注や手配をおこなうのも施工管理の仕事です。
- 計算は苦手なのですが、原価管理は誰でもできますか…?
苦手な人でも可能だが計算スキルやスケジュール管理などの能力が求められる
原価管理は計算が苦手な人でも取り組むことが可能ですが、いくつかのスキルが必要です。
まず基本的な計算スキルが重要で、正確な数値を把握するために根気強く計算する能力が求められます。原価管理には材料費、労務費、間接費の計算が含まれ、これらを適切に管理するために必要な知識も重要です。
またスケジュール管理のスキルも欠かせません。納期を守り、効率的に作業を進めることで、余計なコストを削減し、会社の利益を最大化することができます。
さらに、現場での調整や計画の修正が必要な場合にも、柔軟に対応できる能力が必要です。加えてコミュニケーションスキルも原価管理には不可欠でしょう。
ほかの部門や外部業者と円滑にやり取りをおこない、必要な情報を正確に伝えることで、原価管理の透明性と効果を高めることができます。
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安全管理
建設現場では高所作業や重機の稼働があるため、危険がともないます。作業員が安全に仕事に取り組めるよう、安全教育をしたり、落下防止に役立つ手すりを設置したりして、事故が起きないようにするのも施工管理の仕事です。
また、作業している現場だけでなく、周辺環境への配慮も重要となります。建築現場付近の通行人への配慮も必要なため、通行止めなどの看板の設置や、安全パトロールなども業務の一つです。
なお、作業員の日々の健康管理も、施工管理の仕事に含まれます。健康確認の書類の提出を義務付けたり、体調の変化に応じて必要があれば配置転換や休暇を取らせたりするなどの対応が求められるでしょう。
施工管理には環境管理と労務管理も含まれます。環境管理とは、騒音や廃棄物処理などを管理し、近隣住民への影響を最小限に抑えることです。労務管理では、作業員の労働条件を整え、適切な労働環境を維持します。
施工管理として働く魅力
施工管理の仕事は、常にほかの作業員や周辺環境に配慮が必要になるため責任重大と言えます。大変なイメージも強いため、「魅力的な部分がないのでは」と思う人もいるかもしれません。しかし、施工管理の仕事には以下のように魅力的な部分が多くあるのです。
施工管理として働く魅力
- 地域を限定せずとも働きやすい
- 収入が高め
- 仕事の成果が形になる
- 資格取得やスキルアップで昇給しやすい
- 地域や社会への貢献度が高い
- 現場を管理する技術が身に付く
- 多くの人と一緒に仕事ができる
まず、求人数が多いため自分が住んでいる近くの企業を探しやすいという点です。地域に貢献することも可能なため、住んでいる場所の活性化にも役立つことができます。
indeedによると日本の施工管理職の平均給与は月35万円ほどです。厚生労働省が公開している「賃金の推移」によると、日本全体の平均給与は月31万円であることから、施工管理職の収入も高い傾向があることがわかります。
また、長く働けば資格取得やスキルアップをしてさらに年収アップも狙える職業です。施工管理の魅力を理解して、志望するか検討しましょう。
高収入な仕事をほかに知りたい人は、下記の記事を参考にしてみてください。
施工管理として働く魅力は多岐にわたります。まず、プロジェクトの完成時に大きな達成感を得られることです。自身が手がけた建設物が形となる瞬間はほかの職業では味わえない喜びでしょう。
また社会貢献の実感も強く、インフラ整備や災害復興などで多くの人々に役立つことができます。
さらにスキルアップが実感しやすく、キャリアの成長が収入に直結しやすい点も魅力です。
あなたが受けない方がいい職業を確認しよう!
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
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まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
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あなたは当てはまる? 施工管理に向いてない人の特徴

施工管理は工事現場の職人などと一緒に仕事をすることになるため、自分の年代よりも上の人と協力して仕事を進める場合が多く、人によって厳しい環境と感じる可能性があります。
また、現場仕事ということもあるため、今まで事務やバックオフィスなど室内で仕事をしていた人からすると環境の変化も大きいでしょう。
入社後に「思っていた環境とは違う……」とならないためにも、施工管理に向いてない人の特徴を理解しておくことが大切です。
この章では施工管理に向いていない人の特徴を解説します。各解説では、向いてない特徴を改善する方法についても紹介しているので、参考にしながら自分の適性を確かめていきましょう。
施工管理として採用されたものの、働いてみると自分には合わなかったと感じる場合もあります。そうした場合にどう行動すべきかについて、キャリアコンサルタントが解説しているので、参考にしてみてください。
アドバイザーからワンポイントアドバイスコミュニケーションやスケジュール管理チームワークなどの能力が求められる
瀧本博史
プロフィールを見る施工管理に向いていない人の特徴にはいくつかあります。
まずコミュニケーションが苦手な人は、現場で多くの人と連携しなければならないため難しいでしょう。リーダーシップがない人も不向きです。施工管理は現場のリーダーとしての役割を果たす必要があり、指示やトラブル対応が求められます。
スケジュール管理が苦手な人も厳しいかもしれません。建設工事は計画通りに進まないことが多く、柔軟な対応が必要です。
また、チームワークが苦手な人も向いていないと考えます。建設工事は多くの専門職が協力しておこなうため、一人ですべてをこなそうとする人やチームでの作業が苦手な人は孤立しがちです。
ほかには体力がない人も適していません。現場での監督業務や長時間の労働に耐えられる体力が必要です。気が弱い人も不向きです。頑固な職人や業者に対して明確な指示を出す必要があるため、気の弱さは大きな障害となります。
さらに、計画性がない人や危機管理能力が低い人も難しいでしょう。施工管理は計画通りに工事を進めることが求められ、危機管理能力が低いと事故やトラブルを防ぐことができません。
今能力が欠けていても後から身に付けることができる
最後に、仕事に興味がない人も施工管理には向いていません。ハードな仕事であるため、興味がないと長続きしにくいです。これらの特徴を持つ人は、施工管理の仕事を避けたほうが良いかもしれませんが、後からスキルや特性を身に付けることも可能ではあります。
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受けない方がいい職業を診断しよう
就活で大切なのは、自分の職務適性を知ることです。「適職診断」では、あなたの性格や価値観を踏まえて、適性が高い職業・低い職業を診断します。
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①危機管理能力が低い
施工管理は工事の責任者にあたるため、作業員の安全面や周辺住民に被害が及ばないように配慮することが欠かせません。万が一事故が起きれば工事が遅れ納期に支障が出るだけでなく、作業員の怪我につながる恐れもあるからです。
また、現場の安全を守るための看板や手すりの設置だけでなく、体調が悪い作業員がいないか日々確認しておくことも重要になります。どんなに安全対策をしていても、体調不良の作業員がふらついてしまえば高所から落下する恐れもあるからです。
危機管理能力を身に付けるには、さまざまなトラブルが起きる前に過去の事案を想定しておく能力が必要になります。過去の事案からどのようなトラブルが起きやすいのか調べて、対策を立てておくと、同じ事故は防げるようになるでしょう。
②リーダーシップが不足している
建築現場では多くの人が協力して業務を進めていて、施工管理はその中でも全体を取りまとめるリーダーです。他者の様子に気を遣いつつ決められた納期までに建物を作るには、計画に則った作業の進捗に協力してもらえるよう、周囲に信頼されるリーダーシップが必要になります。
施工管理に必要なリーダーシップは、建物の納期や間に合わせるための業務日程を作業員にも共有し、達成のために結束を強めたり作業員ごとの能力を高めたりすることです。チーム内で人間関係のトラブルが起きれば、双方に意見を聞き解決法を考える必要もあります。
また、現在はリーダーシップに自信がない人でも身に付ける方法はあります。まずは自分から挨拶や会話をし、周囲の規範となる行動を意識しましょう。一緒に働く人とも、常に報連相を意識してコミュニケーションを取っておくと、信頼を得られリーダーとして行動しやすくなります。
自己PRでリーダーシップをアピールしたいと考えている人は、以下の記事を参考にしてください。
- 施工管理を志望しているのですが、今まで明確なリーダー経験がありません……。
アルバイトなどで施工管理に必要な能力を発揮したエピソードを伝えよう
施工管理者には、チームの調整能力、コミュニケーションスキル、問題解決能力などが必要です。これらはリーダー経験がなくてもほかの場面で培うことができます。
たとえば、学生時代のグループプロジェクトやアルバイトでのチームワークの経験などを具体的に説明することで、これらの能力をアピールできるでしょう。
自己PRの際には、「これまでの経験を通じて培ったコミュニケーションスキルと問題解決能力を活かし、施工管理の現場でチームの円滑な運営に貢献したい」という具体的なビジョンを伝えてください。
自分の強みを明確にし、施工管理者としてのポテンシャルをアピールすることがポイントです。
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③コミュニケーション能力が低い
施工管理は多くの人と協力して業務を進めていく必要があるため、同年代だけでなく親世代とも意見を交換できるコミュニケーション能力が求められます。自社のスタッフ以外にも、関連業者や顧客とやりとりする場面が多く、常に人とかかわる仕事と言えるのです。
そのため、施工管理を目指すのであれば、あいさつや指示出しなど基本的なコミュニケーションは避けられません。
コミュニケーション能力を身に付けるためには、日頃から人と会話して鍛えていくのが近道になります。家族や友人だけでなく、仕事の先輩や美容師などの初対面の人と話すのもおすすめです。さまざまな関係性の人と会話を続けられるようになれば、だんだんとコミュニケーション能力が身に付いていきます。
自己PRでコミュニケーション能力をアピールしたいと考える人は、こちらもおすすめです。
コミュニケーションが苦手な人は、下記の記事を参考にして、自分に合った仕事を選んでみてくださいね。
また、社会人としてどのようなコミュニケーション能力が求められるのわからない人はこちらもチェックしておきましょう。
④スケジュール管理能力が低い
施工管理は工事全体のスケジュール管理を任せられるため、進捗の把握や遅れたときの対策が考えられない人だと苦戦する可能性があります。スケジュールを立てるのも施工管理の役目であり、トラブルが起きても納期に遅れないよう計画を立てる能力が求められるのです。
納期に間に合わせるのは企業の信頼を守るには重要な部分であり、施工管理は会社の顔として大きな責任がともないます。無理なスケジュールを組めば作業員からの信頼も失うかもしれません。
スケジュール管理能力を身に付けるには、作業ごとにどの程度の時間がかかるのか書き出す習慣を身に付けるのがおすすめです。一つの作業にかかる時間が把握でき、正確なスケジュールを立てやすくなります。
また、作業にはトラブルが起きる場合を想定し、余裕を持った時間を確保しておくと安心です。
施工管理を目指す際には、以下のスケジュール管理法を身に付けると良いでしょう。
まず、タスクを洗い出し、それぞれに必要な作業時間を見積もります。そしてタスクの優先順位を決め、期日から逆算してスケジュールを立てましょう。
また、トラブルに備えて余裕日数を設けることが重要です。これにより、効率的な進捗管理とトラブル対応が可能になります。
⑤問題解決能力が低い
施工管理の仕事は、常にトラブルとの隣り合わせです。建設現場では、当初の計画通りにすべてが進められるわけではなく、予期せぬトラブルが発生することが多くあります。
そのような場面においても、常に冷静に状況を判断し、的確な対応と指示が求められるのです。たとえば、台風や大雨などの自然災害の影響で作業に遅れが生じる場合や、騒音問題で近隣住民からのクレームが入る場合など、トラブルの種類はさまざまあります。
こういった一つひとつのトラブルを解決し、工事を円滑に進めていく能力が必要なため、目の前の問題を後回しにしてしまう、問題をどうすべきかわからない、といった問題解決能力が低い人には向いてない可能性があるのです。
問題解決能力を高めるためには、日常生活のなかで直面する小さな課題に向き合い、なぜそうなったのか、どうすれば解決するのか、実行してどうだったか、という点を考える癖を付けることがおすすめです。
⑥仕事を抱え込んでしまう
施工管理の仕事は、工程の管理から品質の管理まで幅広いのが特徴です。それらすべてを一人で抱え込んでしまうと、キャパシティを超えてつらく感じる場合もあるかもしれません。
その中で、顧客や作業員のどちらからも要望が出てくれば、板挟みになりストレスを感じる人もいるはずです。
施工管理で働くうえで仕事を抱え込まないためには、スケジュール管理や品質の管理を作業員にも徹底させて、チェックの負担を軽くするのが効果的です。全員で意思統一していれば、仕事を一人で抱え込む心配もありません。
また、作業員同士のいざこざであれば、一人で悩まずほかの人に意見を聞く方法もあります。少しずつ負担を分散すると、仕事でのストレスを少なくできます。
施工管理を目指すのであれば、普段から周囲に相談しておく癖をつけましょう。
- 人に相談するのが苦手なのですが、施工管理職を目指すうえでできる工夫があれば教えてください。
日常的な会話や報連相の機会を増やすなどの工夫をしよう
人に相談するのが苦手な場合、施工管理職を目指すうえで役立つ工夫があります。日常的な会話を増やし、コミュニケーションのハードルを下げましょう。報連相をルーチン化し、簡単な報告や連絡から始めて相談に慣れることがポイントです。
また問題が大きくなる前に、小さな悩みでも早めに相談する習慣をつけましょう。メモや資料を準備して話をスムーズにし、信頼できる先輩や同僚を見つけて定期的に相談すると良いです。
フィードバックを活用し、その成果を報告することで、相談の効果を実感しやすくなります。
これらの工夫を実践することで、相談への苦手意識を克服し、施工管理職としてのスキルアップにつなげることができます。
⑦ストレス耐性がない
施工管理の仕事は、天候の影響や作業員の怪我などで仕事の進捗に問題が出るケースも多く、自分の予測したとおりにはならないことがほとんどです。多くの人ともかかわるため、関係各所から板挟みになりストレスを感じる場面も多いでしょう。
ストレス耐性が低い人だと、仕事を続けること自体がつらくなり退職してしまう可能性もあります。
ストレス耐性が低い人が施工管理を目指すなら、なるべく自分が過ごしやすい状況を作ることが重要です。周囲と挨拶や会話などを実施し、トラブルが起きたときに相談可能な環境を作る癖をつけましょう。
ストレスの少ない仕事を知りたい人には、こちらがおすすめです。
⑧整理整頓が苦手
机の上や自宅の整理整頓が苦手な人も、施工管理が向いていない傾向にあります。作業現場が整理整頓されておらず散らかっていると、工事に必要な資材の場所がすぐにわからず時間のロスを生んでしまうからです。また、落ちているものに作業員がつまずき怪我につながる恐れもあります。
現場の責任者を務める施工管理者が整理整頓を徹底していなければ、一緒に働くほかの作業員も片付けを疎かにするかもしれません。他者に指導するためには、自身がまず見本となる必要があるのです。
整理整頓ができるようになるには、物の定位置を決める、使ったら元の場所に戻すなど基本的な行動が重要です。プライベートでも意識して行動すると、働いている間も自然にできるようになります。
施工管理の仕事では、安全面の配慮からも整理整頓が重要視されます。資材や工具を適切に収納し、足元を整理することで作業員が怪我をするリスクを防ぐことができ、整理された現場は非常時の避難経路を確保しやすく、安全管理が徹底できます。
⑨体力がない
施工管理者は、工事がスケジュール通りに進んでいるか、問題なく稼働しているかなどを確認するために現場を巡回する必要があります。一日中歩き回ったり、階段の上り下りが何度もあったり、非常に体力を消耗する仕事です。
また、労働環境は必ずしも良いとはいえず、悪天候のなかでも通常通りに業務を遂行する必要もあります。騒音や空気の汚い環境で長時間過ごす必要もあるため、体力がないと体調を崩してしまう可能性があるのです。
さらには、必ず工期を守る必要があるため、長時間労働を強いられる職種でもあります。不規則な勤務に対応できる体力は必要不可欠です。
体力に自信のない人は、一駅分歩いてみる、エレベーターを使用せず階段を使用する、など日々の生活に運動を取り入れてみましょう。
⑩温度差に弱い
工事の責任者という性質上、施工管理の仕事は屋外がおもになります。夏は暑く冬は寒い環境になるため、温度差に苦手意識があると厳しい環境と感じるかもしれません。
季節に合わせた対策をしていても、日によっては急な雨によって予想していた気温とは異なる環境で働く場合もあります。
特に今まで室内での仕事が多かった人は、屋外の天候や気温で作業環境が左右されることに慣れずに大変だと感じる可能性もあるでしょう。
体が急に慣れるのは難しいため、気温が変わっても対応できるようなカイロや脱ぎ着のしやすい衣服を作業服の下に着ておくなどの対策が必要です。
アドバイザーからワンポイントアドバイススキルを身に付けるために最も大切なのは実践を重ね習慣化していくこと
渡部 俊和
プロフィールを見るスケジュール管理や問題解決能力、整理整頓などは努力次第でいつからでも身に付けることができます。「身に付ける」というのは知識を付けるだけでなく、実践できることが必要なので、まず知識化してから実践し、習慣化するところまでを目指しましょう。
たとえば、スケジュール管理能力を身に付けたいなら、週単位や月単位でやるべきことを書き出したうえで、優先順位をつけて仕分けし、優先度の高いことから取り組むことが必要です。そして、その過程でやるべきではないことを排除するということを日々おこなって習慣化していくことで自然と身に付いていきます。しかし、そうしたことを理屈ではわかっていても、ほとんどの人は書き出すことすらしていないのです。
また、問題解決能力については、論理的思考のフレームワークがたくさんあります。たとえばロジックツリーやマンダラチャートなどもよく知られてはいますが、これらを日々実践している人はほとんど見かけないですよね。
そして、整理整頓は誰もが言葉の意味を理解していますが、実践できていない人ばかりです。つまり、スキルや資質を身に付けるためには、学習よりも実践が課題ではないかと思います。
知っているだけで終わらせない! スキルに昇格できれば職種の幅が広がる
知識をスキルにするためには、まず一定期間、知っていることを身近なテーマで実践してみてください。上記の3つだけでも実践できて良い習慣が身に付けば、施工管理の仕事だけではなく、世の中のあらゆる仕事の能力に結び付きます。
施工管理が「きつい」といわれる理由とは
大変なイメージが強い施工管理の仕事ですが、具体的に何が「きつい」と言われているのか知っておくことが大切です。事前に理解しておくことで、入社後のミスマッチを避けられます。
施工管理がきついと言われるおもな理由は以下の5つです。
施工管理がきついといわれる理由
- 体力が必要
- 休みが比較的少ない
- 労働時間が長くなりやすい
- 周囲と信頼関係を築くのが大変
- 現場が体育会系の傾向にある
施工管理の仕事は建築現場の責任者であり、裁量が大きい分、仕事の役割も重要です。ときには年齢の離れた作業員と信頼関係を築く必要があるため、慣れるまでは大変な人もいるかもしれません。
また、作業に遅れが出れば休日を返上して働く必要が出てくることもあり、労働時間も長めになりがちです。プライベートの時間が取れないとストレスが溜まる人にとっては、つらく感じる可能性があります。
施工管理のきつい部分を理解したうえで、自身が目指すべきか、入社後に後悔しないかなどを考えましょう。
福井労働局が公表した「建設業における時間外労働の上限規制の適用について」によると、施工管理者の労働環境は働き方改革によって改善が進んでいて、週休2日制の導入や適切な工期設定の推進など、労働者の休暇を確保するための取り組みも進められています。
これからも、労働時間が短縮されて休みが増える見込みです。
きつい仕事を続けるデメリットは、下記の記事で解説しています。
適性を判断しよう! 施工管理に向いている人とは
施工管理に向いている人とは
ここまでで施工管理に向いていない人の特徴を解説しましたが、なかには「施工管理に向いていない人の特徴が当てはまったから目指せないのではないか」と不安を感じる人もいるかもしれません。しかし、向いていない人の特徴に一つ当てはまったからといって諦める必要はありません。
ここでは施工管理に向いている人の特徴を解説します。自身と照らし合わせて適性を確認していきましょう。当てはまる部分があれば、施工管理として活躍できる可能性が高まります。
ものづくりが好き
施工管理の仕事は、ものづくりの作業全般にかかわります。はじめは設計図や仕様書だった建物が、少しずつ形になっていくのは大きな達成感を覚えるでしょう。
特に建築は、納品後にその家に住んだり、施設を利用したりと多くの人が自分の制作物を利用することになります。自分が完成までに携わったものが他者の役に立てば、喜びを感じる人も多いのではないでしょうか。
小さな製品を作ることもものづくりに当てはまりますが、建物や橋などの建築物は作るもののスケールが違います。自分一人では完成させられないからこそ、人に役立つ大きなものづくりをしたい人に向いている職業です。
ものづくりを仕事にしたいと考えている人は、以下の記事も参考にしてください。
施工管理には大規模なものづくりが求められるため、建築や土木、インフラなどの分野が特に向いています。これらの分野に情熱を持つ人は、施工管理でその熱意を活かせるでしょう。スケールの大きなものづくりに興味がある人に最適です。
チームワークを活かした仕事が得意
施工管理の仕事は、多くの人数で1つのものを作り上げる職業です。建物の設計図や仕様書を作る設計士や作業を担当する施工会社など、さまざまな人がかかわって完成します。
その中でも、施工管理はスケジュールの進行や品質を守る重要な存在です。作業員は施工管理の指示のもとに仕事をおこないます。また、プライベートでは話す機会の少ない親世代の人とも頻繁にコミュニケーションを取って働くのは、施工管理ならではでしょう。
多くの人数で成し遂げる仕事は、1人でする仕事とはまた違った達成感があります。チームワークを活かして同じ目的意識を持った人が集まる職場で働けば、仕事へのモチベーションも高まるでしょう。1人で働くよりも複数人で働くのが好きな人は、施工管理には向いているといえます。
自己PRでチームワークをアピールしたいと考えている人は、以下の記事もチェックしておきましょう。
メンタルが強い
前述のとおり、施工管理の仕事はスケジュールや品質の管理が必要となり、現場の責任者にあたります。多くの作業員をとりまとめながら顧客の要望をかなえるには、ときには顧客と作業員の板挟みとなり、つらい思いをするかもしれません。
また、工事が佳境のときは休日出勤や残業が重なり、プライベートの時間を取ることも難しくなる可能性があります。夏の暑さや冬の寒さなど、厳しい環境で働く場合も多いです。
メンタルが強い人であればこうした環境下であっても、途中で仕事を投げ出さず最後まで取り組めるでしょう。学生時代に厳しい部活を乗り切った経験や、前職でメンタルを鍛えたという自覚がある人は、活躍できる可能性が高いです。
一方で、メンタルの弱さに悩む人もいると思います。しかし、そのような人でも向いている仕事はあります。メンタルが弱い人に合う仕事を探したい人は、以下の記事を確認してみましょう。
- メンタルには自信がないのですが、施工管理はそんなにきついのでしょうか……?
長時間労働の抑制や業界の成長により労働環境は改善傾向にある
施工管理の仕事は確かに大変な側面がありますが、近年の法改正と業界の動向を見ると、労働環境の改善が進んでいます。
2024年4月から、建設業でも労働時間の上限規制が適用され、長時間労働の抑制が期待されています。これにより、働きすぎによるメンタルヘルスの悪化を防ぐ取り組みが進められているのです。
また施工管理の仕事は多様な業界で需要が高く、今後も安定した将来性があります。建設業界自体も手持ち工事高の増加や建設投資の拡大により、今後も堅調な成長が見込まれるでしょう。
メンタルに不安を感じている場合は、業務量を適切に管理し、必要に応じてメンタルヘルスの専門家に相談することが大切です。
また、職場環境の改善を求める声を上げることも重要です。建設業界全体が労働環境の改善に取り組んでいるため、今後の環境変化に期待して前向きに挑戦してみてください。
決断が早い
施工管理として働いていると、作業中にトラブルが起きて人員配置の見直しやスケジュールなどの調整が必要になる機会も多くあります。その際、作業の遅れをなるべく減らすためには決断の早さが求められるのです。
重要なときに決断に迷ってしまうと、その分作業に遅れが出て納期に間に合わなくなる可能性があります。納期の遅れは企業の信用を失ってしまうだけでなく、楽しみにしていた顧客の気持ちを裏切ることにもつながるでしょう。
工事の責任者という立場上、施工管理は判断を迫られるシーンが数多くあります。そのときに瞬時に決断できれば、作業員や顧客から信頼を得られるようになります。
論理的な思考を持ち合わせている
論理的思考
物事を決めるとき直感的や感覚的に頼るのではなく、論理で物事を理解する考え方
施工管理が着工から納期までにスケジュールを立てる場合、どの作業にどれくらいの時間がかかるか計算して進めていく必要があります。適切なスケジュールを組むには、一つひとつの作業にかかる時間をもとに考える論理的な思考が求められます。
また、決められた予算内で高品質な材料を用意するためには、決められた経費を人件費や重機レンタル代に割り振りつつ、計算することが大切です。施工会社に作業員の手配を依頼するにも、選んだ業者がなぜ適しているのか考えて決めねばなりません。
常に工事の進捗や状況を理解しつつ、トラブルが起きたときに解決法を考えられる人なら、施工管理として働いたときに信頼されるでしょう。
私がサポートをしていたAさんは、もともと建設現場の作業員として働いていました。転職に際して現場での作業実績はもとより、チームワークを活かし、現場のほかのスタッフとの連携が得意なことをアピールしたことで、施工管理者としての転職に成功しました。
アドバイザーからワンポイントアドバイス施工管理に向いているかどうかは7つの項目でセルフチェックできる
高尾 有沙
プロフィールを見る施工管理の適性は、「Will(やりたいか)」、「Can(できるか)」、「Fit(合うか)」の3つの軸で考えると判断しやすくなります。Willとは、現場でモノが形になる過程や「安全第一」という使命に誇りを持てるかという意欲の側面です。
次にCanは、品質・コスト・工程・安全・環境(QCDSE)のバランスを常に考える段取りの癖、数値と現場感覚の両方を扱える素地、そして体力、粘り強さ、対人調整力といった具体的なスキルを指します。
最後のFitは、早朝からの勤務、天候に左右される環境、現場間の移動といった働き方が、自身の生活と両立できるかという適合性です。
自身の適性をセルフチェックするには、①先回りして準備をすることが好きか、②工程表やToDoリストを細かく分解するのが得意か、③職人さんと発注者双方の目線で会話ができそうか、④ルール遵守に抵抗がないか、⑤夏冬の屋外での立ち仕事に耐性があるか、⑥図面の読み取りや数量の拾い出し、Excel作業が苦にならないか、⑦トラブルが起きた時ほど落ち着いていられるか、といった点を自問してみると良いでしょう。これらのうち3〜4つ以上に当てはまるなら、素養があると考えられます。
逆に、段取りを組むこと自体が苦痛であったり、安全規則を軽んじる気持ちがあったり、関係者との対立調整に強いストレスを感じたり、朝型の勤務が難しかったりする場合は、この仕事との相性があまり良くないかもしれません。
イメージだけで決めるのはNG! 社員との対話を通じてリアルを感じよう
最終的な判断は、やはり実地で確認することが重要です。現場見学や短期インターンシップ、OB・OG訪問などを通じて、施工管理の「1日の動線」と「会話の量」を肌で感じてみましょう。
また、自宅の小さな工事などを題材に、簡単な工程表と資材リストを作成するミニ課題に取り組むのも、適性を試す良い方法です。さらに、施工管理技士補の過去問題に目を通したり、KY(危険予知)活動について学んだり、写真・出来形管理アプリに触れてみたりすることも、適性を見極めるための良い試金石となります。
今日から実践できる! 施工管理を目指す人におすすめな4つの行動
施工管理を目指す人におすすめな4つの行動
- チームワークを意識して物事に取り組む
- すぐに決断をする癖をつける
- 世代が違う従業員との関係性を意識する
- 自分なりのストレス発散方法を身に付けておく
施工管理に必要なスキルは、日々の生活で身に付けられるものが多いです。また、施工管理は必須の資格がないからこそ、自分の努力で目指せる職業とも言えます。
ここでは、施工管理を目指す人が今日から実践できる行動を4つ解説します。一度にすべてを努力するのではなく、一つずつおこなえば、次第に身に付けることができるでしょう。
①チームワークを意識して物事に取り組む
ビジネスシーンにおいて、チームワークを意識した行動はスムーズに業務を進めるために大切な要素です。普段の生活でも、チームワークを意識できる部分は数多くあります。
たとえば、家族と旅行をする際、どこに行くのか、何を目的とするのかなどを明確にして共有することで、全員で決めた目的達成に向けて行動することが可能です。
また、旅行に必要なホテルの手配や交通手段の確認など、役割分担も役立ちます。無事に旅行ができるよう、役目をどこまで達成したか情報共有をすることで、チームワークを意識した行動ができます。
アルバイトや現在の職業でも、チームワークを磨ける場面は多いはずです。チームワークを意識した行動ができるようになれば、施工管理の仕事で役立てられます。
施工管理でチームワークが苦手な人は、以下の工夫を実践しましょう。まず、自己管理能力を高めるためにタスクをリスト化し、優先順位をつけて進めることが重要です。
また、SNSなどのコミュニケーションツールやアプリを活用して、情報共有と進捗管理を効率化しましょう。定期的な報告やフィードバックを心掛けることで、チームの連携をスムーズにすることができます。
②すぐに決断をする癖をつける
施工管理は工事の責任者にあたるため、これまで解説したとおり、すぐに決断できない人は作業に遅れが出る可能性があります。
普段の生活でも、決断を早くすることを癖づけられるシーンは数多くあります。たとえば、大学での授業や現職の日常的な業務など、小さなことでも悩まず即決する癖をつければ仕事にも役立ちます。
決断力に不安を感じる人は、日常生活でできる判断からはじめ、徐々に大きな判断を悩まず迅速におこなう練習をしましょう。
③世代が違う従業員との関係性を意識する
今まで学生時代の友人や同年代とのコミュニケーションが多かった人は、一回りから二回り上の世代の従業員とかかわりが増えることを理解しておきましょう。施工管理は現場の責任者のため、自分の親、もしくはそれ以上の世代の作業員に指示を出すケースがよくあります。
上の世代とかかわる経験が少ない人だと、若者の言葉を聞き入れてくれるか不安になる場合もあるかもしれません。しかし、作業に支障を出さないためには、日頃から世代の違う従業員とコミュニケーションを取ることが欠かせないのです。
挨拶や日常の雑談など、些細な内容で構いません。普段まったくかかわりがない人だと、相手からも信頼を得られないものです。意識的に会話をして信頼関係を築くことで、世代が違ってもお互いを信頼して仕事ができるでしょう。
④自分なりのストレス発散方法を身に付けておく
施工管理の仕事は責任が重く、人とのかかわりも多い仕事です。ストレス耐性がある人でも、些細なストレスは少しずつ溜まっていくでしょう。ストレスを溜めないことが一番ですが、完全になくすのは難しい場合がほとんどです。
そのため、自分なりのストレス発散方法を理解しておきましょう。ストレスの発散方法がわかっていれば、休憩時間やプライベートの時間を使ってリフレッシュできるからです。
何をすればストレスが発散できるのかわからない人は運動や趣味の時間を作ったり、睡眠時間を増やしたりするなどを試してみましょう。さまざまな方法を試してみれば、自分に合ったストレス発散方法が見つかります。
施工管理に向いているか不安でも、まずは一歩踏み出してみてください。日々の小さな成功を積み重ね、チームワークや決断力を養っていけば、あなたに自信も自然とついてきます。実践を通じて学び、自信を持ちましょう!
必要な手順を理解! 施工管理を未経験から目指す4つのステップ
施工管理を未経験から目指す4つのステップ
- 施工管理で求められるスキルや強みを理解する
- 自己分析して施工管理に転職するために改善すべき部分を明確にする
- 企業分析をして自分に合った企業を見つける
- 選考を突破し施工管理として入社する
ここまで読んで、施工管理になりたいと思った人は、スムーズに就職できるよう必要なステップを理解しておきましょう。施工管理の目指し方がわからず闇雲に努力しては、時間かかってしまい、効率的とは言えません。
ここでは施工管理を未経験から目指す方法を解説していきます。スムーズな就職を目指すために、一つずつ行動していきましょう。
①施工管理で求められるスキルや強みを理解する
施工管理を目指すと決めたら、どのようなスキルや強みを求められているのか理解しておきましょう。企業によって必要な人材は異なり、求める強みやスキルも異なってくるからです。
もう一度、施工管理に必要なスキルを見てみましょう。
施工管理に必要なスキル
- 危機管理能力
- コミュニケーション能力
- スケジュール管理能力
- 問題解決能力
- 仕事を抱え込まない
- ストレス耐性
- 整理整頓ができる
- 体力
- 温度差に強い
これらのスキルをすでに持ち合わせていれば、効果的にアピールする方法を考えましょう。一方で、自分が施工管理に必要なスキルを持っていなければ、取得する努力をする必要があります。
なお、まったくの未経験であっても、資格を取得することで採用の可能性は高まります。以下に施工管理を目指すうえでおすすめの資格を記載しているので挑戦してみてください。
パソコンスキルやCADのスキルを身に付けるのも有効
現場での仕事が多いイメージの強い施工管理ですが、書類作成をはじめとした事務作業も必要になります。着工前に顧客に提示する資料の作成や、工事をおこなうための工程表の作成などがあり、パソコンの基本操作ができないと、入社後に苦労するかもしれません。
また、施工管理として働く際はCADのスキルも重要になります。
CAD
建築などで設計図面や製図作成に使用されるソフト
設計士が作った設計図は、おもにCADを利用して作成されます。CADの知識を身に付けるには参考書やスクールに通う方法があるため、入社前に基本的な操作を理解しておくと、企業からも即戦力として期待してもらえる可能性が高まります。
CADの技術を持っていることは、採用担当者に対して高い評価を得るポイントとなります。
特に建設業などのCADスキルが直接的に関連する分野では、その技術が即戦力となり得ます。使用経験があることや、プロジェクトにおける具体的な成果を強調すると効果的です。
②自己分析して施工管理に転職するために改善すべき部分を明確にする
次に自己分析をして、施工管理に転職するためには自分に何が足りない部分を明確にしましょう。
施工管理に向いていると感じた人でも、事務作業に必要なパソコンスキルが足りていないといった場合もあるでしょう。必要なスキルを身に付けずにいると、ほかの候補者のスキルが高かったとき、選考で選ばれない可能性が高まってしまいます。
また、このタイミングで必要なスキルを身に付けておけば、入社後も即戦力として働ける可能性が高まるでしょう。入社後には忙しさや精神的な余裕のなさから新たに学ぶのは難しいケースも多いため、事前に身に付けておくと安心です。
自己分析のやり方がわからない人は、下記の記事で詳しく解説しています。
③企業分析をして自分に合った企業を見つける
施工管理に必要なスキルを身に付けたら、企業分析をとおして各社の特徴や企業理念を理解していきましょう。同じ建設業界でも企業によって目指す方向性や働き方が異なり、自分に合わない企業を選んでしまうと「思っていたのと違う」と後悔する可能性があるからです。
なお、企業を探すときは、どのような建築物を請け負っているのかにも着目しましょう。住宅やマンションをメインに扱う企業もあれば、おもに高速道路やトンネルを請け負っている企業もあります。自分が携わりたい分野を明確にしておくと、スムーズに選べるようになります。
- どの企業も似たように見えて、自分に合う施工管理の会社がわかりません…。
自分の携わりたい分野を明確にしてHPや口コミなどから社風を確認しよう
同じ業界でも企業によって特徴や方向性が異なるため、まずは自分が何に興味があるかを明確にすることが大切です。住宅やマンション、公共インフラなど、自分が携わりたい建築物の分野を決めましょう。
次に、企業のホームページ(HP)や採用情報を通じて、企業の理念や社風を確認してください。また、口コミサイトやOB・OG訪問を利用して、現場の雰囲気や働き方を知るのも有効です。
企業の強みや実績を把握し、自分の価値観やキャリアプランに合うかどうかを判断すると、自分に合った企業が見つけやすくなりますよ。
企業分析のやり方は、下記の記事で紹介しています。
④選考を突破し施工管理として入社する
目指す企業が明確になったら、会社に合わせて選考の対策をし、採用を勝ち取りましょう。企業ごとに必要としている人材は異なるため、企業分析を深めて必要とされるスキルや強みを明確にしておくと選考への対策がスムーズになります。
また選考突破を目指すには、志望動機や自己PRも作り込みましょう。なぜこの企業で施工管理を目指したいのかがはっきりアピールできれば、志望度が高いと判断され内定の確率が高まります。
施工管理の選考では、技術的な知識と経験、コミュニケーションスキル、リーダーシップの素質、安全管理に対する意識などが注目されます。これらのスキルが備わっていることを、具体的な経験やプロジェクト事例などを通じてアピールしましょう。
施工管理の志望動機の作成については下記の記事で解説しているので、参考にしてみてください。
例文6選|施工管理の志望動機は3ステップで作れる! 注意点も解説
「志望動機が書けない」から確実に卒業する3ステップ|例文付き
施工管理の志望動機についての質問にキャリアコンサルタントが回答しているので、どのように伝えるべきなのか気になる人は参考にしてみましょう。
就活のプロが解説! 施工管理をどうしても目指すなら満たす必要がある条件
施工管理を目指す方法がわかっても、根本的に自分が向いていない職業なのではないかと悩んでいる人もいるかと思います。施工管理は未経験から目指せる職業ですが、責任も重く、人とのかかわりも多い仕事です。
しかし、自分に施工管理が向いていない可能性があっても、諦めきれない人はいますよね。
そこでこの章では、キャリアコンサルタントの野村さんに、施工管理が向いていない人でも転職可能な最低条件を解説してもらいます。目指す職業を諦めずに済むよう、自分の直すべきポイントも理解しておきましょう。
アドバイザーからワンポイントアドバイスまずは施工管理を目指すための最低条件を把握しよう
野村 芳克
プロフィールを見る施工管理に向いていない人が、目指すための最低条件は以下の3つです。
まず、基本的なコミュニケーション能力が必須となります。顧客、設計士、作業員など、多岐にわたる関係者との円滑なコミュニケーションを取る必要があるからです。
次に、スケジュール管理能力が必要でしょう。工事の進捗管理には、時間管理と自己管理のスキルが不可欠となります。
最後に、基本的なパソコンスキルです。書類作成や報告書の作成のため、PC自体の操作と特にExcelやWordの基本操作が必須となるでしょう。
自分の能力や特徴を理解したうえでどう改善すべきか理解しよう
施工管理に向いていない人が改善するべき点は以下の5つとなります。
まず、メンタルの強化です。ストレスの多い施工管理において、ストレス耐性を高めることが重要となります。
次に、決断力の強化です。現場での迅速な判断が求められ、日常生活での小さな決断を素早く行う習慣を身に付ける必要があるでしょう。
そして、チームワークの意識も大切です。施工管理ではチームでの作業が必須で、日常生活でもチームプレーを意識し、役割分担や情報共有を心掛けましょう。
さらに、論理的思考力の強化も改善ポイントの一つです。スケジュール管理やコスト管理には論理的思考が不可欠で、問題発生時には冷静に対処し、解決策を見つける訓練が必要となります。
最後に、施工管理を目指すためには自己改善の意識と継続的な努力が不可欠です。目標に向かって着実に前進しましょう。
施工管理の業務や向いてない人の特徴を理解して適性を見極めよう!
施工管理の仕事は、スケジュールや品質の管理が多く、責任の重い仕事です。一方で、地域に貢献でき、大きなスケールの仕事ができるなどのメリットもあります。
施工管理を目指したいと思っても、「自分は向いていないから入社できない」と不安になる人もいるかもしれません。しかし、向いていない人の特徴に該当していても、改善すべき部分を理解できれば入社できる可能性は高まります。
本気で目指すのであれば最後まで諦めず、必要なスキルを身に付け施工管理の選考突破を実現しましょう。
アドバイザーからワンポイントアドバイス向き不向きを知るには施工管理の仕事内容をよく理解することが大切
隈本 稔
プロフィールを見る施工管理の仕事は業務内容が非常に幅広く、現場の管理や工程の調整、安全管理など、多岐にわたる業務をこなさなければなりません。そのため、リーダーシップコミュニケーション能力、スケジュール管理力、危機管理能力といったスキルが求められます。
施工管理の仕事に向いているかどうかを判断するためには、まず仕事内容をしっかり理解し、自分自身の適性を見極めることが大切です。さらに、自分の不足している部分を改善する努力を続けることで、施工管理の仕事で成功する可能性を高めることができます。
たとえば、リーダーシップが不足していると感じるならば、アルバイトやボランティアなどでチームをまとめるなど、小さなリーダー経験を積むことから始めましょう。
苦手分野を改善することでやりがいのある施工管理への就職が実現可能
また、スケジュール管理が苦手なら、タスクをリスト化し、優先順位をつけて進める習慣を身に付けることが効果的です。危機管理能力が低いと感じる場合は、過去の事例を調べて対策を立てる練習をし、同様のトラブルが発生した際に迅速に対応できるようにしましょう。
施工管理は責任が重い分、大きなやりがいと達成感を得られる仕事です。自分の成長を信じ、積極的に挑戦してみてください。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/性格応用心理士1級
Minoru Kumamoto〇就職・転職サイト「職りんく」運営者。これまで300名以上のキャリア相談を受けた実績。応募書類や採用面接の対策支援をする他、自己分析の考え方セミナーを実施
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表
Yoshinori Nomura〇IT業界・人材サービス業界でキャリアコンサルタントの経験を積む。培ったノウハウをもとに、その後はNPO支援団体として一般企業人の転職相談・就活生への進路相談を担う
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士
Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/合同会社渡部俊和事務所代表
Toshikazu Watanabe〇会社員時代は人事部。独立後は大学で就職支援を実施する他、企業アドバイザーも経験。採用・媒体・応募者の全ての立場で就職に携わり、3万人以上のコンサルティングの実績
プロフィール詳細キャリアコンサルタント
Arisa Takao〇第二新卒を中心にキャリア相談を手掛け、異業種への転職をサポートする。管理職向けの1on1やコンサルティング業界を目指す新卒学生の支援など年齢や経歴にとらわれない支援が持ち味
プロフィール詳細