自営業に向いてる人の特徴と始め方6ステップ|職種24選

3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • キャリアコンサルタント/西雄一教育研究所代表

    Yuichi Nishi〇大学では就活に関するスキルを身に付けられる実践中心の授業を展開。また、講師として企業で新人や中堅社員に向けてコミュニケーション研修、キャリアコンサルティングをおこなっている

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士

    Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/むらや社労士事務所代表

    Yoko Muraya〇上場企業を含む民間企業での人事・採用経験約20年。就職支援や転職相談に従事し多くの求職者を支え、セミナー講師も務める。社労士の専門知識を活かし温かい雰囲気で各人に寄り添う

    プロフィール詳細

この記事のまとめ

  • 自営業に向いている人には4つの共通点がある
  • 長期的に成功するコツを自営業の先輩のコメント付きで解説
  • 今から始められる自営業の職種24選から自分に合ったものを見つけよう

会社を辞めて独立したいと考えている人の中には「会社員の経験しかない自分にできるのか不安……」「自営業で生活していけるのだろうか」など、自営業に対する不安や疑問を持っている人もいるでしょう。

昨今は働き方が多様化していて、自営業で生計を立てたいという人も増えています。自由度が高い自営業は魅力的に見えるかもしれませんが、誰もがうまくいくわけではなく、自営業も人によって向き不向きがあります。また、自営業を始めるのなら、事業の始め方についても押さえておくことが重要です。

この記事では、キャリアコンサルタントの西さん、瀧本さん、村谷さんのアドバイスを交えつつ、自営業に向いている人や始め方6ステップ、職種24選を紹介します。

自分が自営業に向いているか知りたい人や始め方がわからない人はこの記事を参考に、自分に適した自営業の仕事を見つけてくださいね。

【完全無料】
大学3年生(27卒)におすすめ!
就活準備で必ず使ってほしい厳選ツール

1位:適職診断
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください

2位:面接力診断
39点以下は要注意!あなたの面接力を今のうちに診断しましょう

3位:自己分析ツール
選考で使えるあなたの強み・弱みがわかります

4位:WEBテスト対策問題集
SPI、玉手箱、TG-WEBなどの頻出問題をこれ1つで効率的に対策できます

5位:内定者ES100選
大手内定者のESが見放題!100種類の事例から受かるESの作り方がわかります

【併せて活用したい!】
選考前に必ず使ってほしい厳選ツール

自己PR作成ツール
自己PRがまとまらない人は、ツールを活用して自己PRを完成させよう

志望動機作成ツール
5つの質問に答えるだけで、受かる志望動機を自動で作成します

目次

自営業に向いている人を事前にチェック! 準備と理解で無理なく目指そう

自営業は会社員とは異なり、すべて自己責任の元、ビジネスを進めていかなくてはなりません。それゆえ、理解や準備が足りない状態で始めるのは危険です。

また、自営業は適性がなければ、事業の継続が難しくなります。あらかじめ自営業に対する適性をチェックしておくことが大切です。

記事ではまず自営業について、会社員や個人事業主との違い、メリットやデメリットを把握していきます。そのうえで自営業に向いている人と向いていない人の特徴、必要なスキルを紹介するので、適性があるかどうかを判断してみてください。

後半では、自営業の始め方や成功するためのコツについて解説します。失敗を回避するためにも事前準備を怠らないようにしましょう。併せて自営業の職種24選も紹介するので、自分に適した仕事を見つけて自営業を始める第一歩を踏み出すきっかけを作りましょう。

まずはあなたが受けないほうがいい職業を確認してみよう

自分に合う職業・合わない職業を知ることは、就活において非常に重要です。しかし、見つけるのが難しいという人も多いでしょう。

そんな人におすすめしたいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、自分の強みや性格に合った職業がわかります。

今すぐ診断を受けて、自分に合う職業・合わない職業をチェックしてみましょう。

向いている人か見極める前に! まずは 自営業の基本知識を押さえよう

働き方改革が進むなか、多様な働き方が認められてきています。働き方の種類として、自営業のほかにも会社員や個人事業主、フリーランスといった言葉を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

自営業と一口にいっても、そもそもどのような仕事なのかわからないという人もいるかもしれません。自営業の働き方への理解を深めるためにも、会社員や個人事業主、フリーランスとの働き方の違いから自営業の基本知識を押さえていきましょう。

自営業の定義:自ら事業を営んでいること

自営業の定義

自営業とは、会社や組織に属さずに独立して事業をおこない、生計を立てる働き方のことです。働き方といった意味では、個人事業主やフリーランスだけでなく、自ら事業を立ち上げている会社経営者も自営業に含まれます。

自営業の明確な定義はありませんが、その対象は幅広いです。

近年はクラウドサービスが普及しており、PC1台で始められる職種も多く、自営業は増加傾向にあります。しかし、2024年版 中小企業白書・小規模企業白書 概要によると、小規模事業者は中小企業に比べて売上不振の割合が高く、存続するのは厳しい状況だと言えるでしょう。

自営業は成功しても失敗しても責任はすべて自分で背負わなくてはなりません。できるだけ失敗のリスクを避けるためにも、自営業に対する適性があるかどうかを事前に把握しておくことが大切です

会社員との違い

自営業と会社員との大きな違いは、会社から給与を得ているか否かです。会社員は会社と正規の雇用関係を結ぶため、毎月決まった給与が支払われますが、自営業の場合は契約を結ばず、仕事で得た利益が自分の給与になります

また、年金や保険、所得に関しても違いがあります。会社員は厚生年金保険や健康保険に加入し、所得は給与所得になりますが、自営業の場合は個人で国民年金や国民健康保険に加入し、税法上の所得は事業所得です。

さらに、会社員は原則として勤務先が納税や社会保険の手続きをおこなってくれますが、自営業は個人で納税や社会保険の手続きが必要になります。

働き方にも違いがあり、会社員は会社の方針に従い、上司や同僚の意見を聞きながら業務にあたりますが、自営業の人は自身でビジネスのアイデアを持って事業を進めます。

このように自営業と会社員では、給与から業務の方針までさまざまな点に違いがあることを押さえておきましょう。

自営業を目指す人が近年増えているのは、働き方の多様化により、自分のライフスタイルに応じてプライベートと仕事のバランスを重視する人が増えているからだと思います。

また、インターネットやデジタルツールが進化したことにより、どこでも働ける環境が整ってきているというのも考えられる要因の一つです。最近では起業の支援をおこなう自治体も増えてきています。

個人事業主との違い

個人事業主とは、税務署に「開業届」を提出し、継続して事業をおこなう個人のことです。

個人事業主は自営業に含まれる言葉で、自営業には個人事業主と法人の2つの経営主体が含まれます。それぞれの違いは、個人事業主として事業をおこなうか、法人を作って事業をおこなうかです

個人事業主の場合は事業で得た収益や事業上の支出もすべて個人の名前でおこない、法人の場合は法人の名前でおこないます。

いずれの場合も経営者は事業に関する判断は自身で決定しなければなりません。また、税金の計算や社会保険の手続きを自身の責任でおこなう必要があるという点も自営業と同じです。

フリーランスとの違い

フリーランスとは仕事を個人で請け負う働き方のことで、企業とは雇用契約ではなく、業務委託契約を結びます。企業や団体との雇用契約がないため、最低賃金や残業時間といった労働基準法などの法律は適用されません。

また、確定申告をはじめとした、税金や保険などの手続きも自分でおこなう必要があります。内閣府や中小企業庁におけるフリーランスの定義付けは、以下の条件を満たしたものです。

フリーランスの定義

  • 自身で事業などを営んでいる
  • 従業員を雇用していない
  • 実店舗を持たない
  • 農林漁業の従事者でない

上記のなかでも実店舗を持つかどうかが、自営業との大きな違いです。フリーランスはほかの会社から請け負うビジネススタイルが多く、一方の自営業は自ら商売を営む場合によく使われます

瀧本博史

プロフィール

自営業は独自のビジネスを運営し、店舗を持つことが多いですが、フリーランスは契約ベースで働くため、場所や時間の自由度が高いのが特徴です。

個人事業主は税法上の区分で、法人化せずに開業届を提出した個人のことを指します。

あなたが受けないほうがいい職業を診断しましょう

今すぐ診断する(無料)

就活を進めていると、自分に合う職業がわからず悩んでしまうことも多いでしょう。

そんな時は「適職診断」がおすすめです。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強みや性格、価値観を分析して適職や適さない職業を特定してくれます

自分の適職や適さない職業を理解して、自信を持って就活を進めましょう。

平均年収:会社員より低い傾向がある

自営業を検討している人にとって、独立後にどの程度の収入が得られるのかは気になるところではないでしょうか。国税庁が実施した令和4年分民間給与実態統計調査結果によると、事業所得者の平均所得金額は461万円で、給与所得者の平均額は744万円、全体の平均額は705万円という結果です。

自営業の収入は業種や経験、スキルや地域などのさまざまな要素によって大きく変わりますが、事業者所得の年収は平均よりも低い傾向があると考えられます

しかし、自営業のなかでも高い専門性が求められるWebデザイナーやITエンジニアなどのIT関連の職種は、需要が高く、高収入につながりやすいです。ただし、受注内容や受注件数により収入が変動しやすいため、安定した収入を求める場合は継続的に受注できる契約や得意先を得る必要があります。

自営業のメリットとデメリット

会社に縛られることなく働ける自営業にはメリットだけでなく、デメリットもあります。自営業は会社員などとは違い、自分自身で事業のすべてに責任を持たなくてはなりません。

自営業で失敗した場合は全責任を自分が負うことになります。そのため、自営業を始めるのであれば準備や心構えを持ち、慎重に検討することが大切です。

ここでは自営業のメリットとデメリットについて解説するので、両方の側面について把握しておきましょう。

主体的に働ける! 自営業を始めるメリット

主体的に働ける! 自営業を始めるメリット

  • 働き方次第で収入がアップする可能性がある
  • 自分のペースで働ける
  • 自分のビジネスを創造できる

自営業は自分自身が主導権を握り、自己責任でビジネスを運営する働き方です。企業や組織に雇用されている立場の会社員とは違い、事業を運営する立場になります。事業を動かしていくのは自分であり、しがらみや理不尽な労働体系に縛られることがなく、自由な働き方を選択することが可能です

そんな自営業ですが、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、自営業のおもなメリットを3つ紹介します。

①働き方次第で収入がアップする可能性がある

自営業は自分次第で仕事の量も増やすことができるため、収入の上限というものはありません。つまり、ビジネスの幅を広げて利益を上げられれば、それだけ自分の収入が増えるということになります

会社員の場合は利益を出したとしても基本的に毎月の給料の変動がありません。しかし、自営業の場合は収入アップの可能性があり、またその幅も大きくなるのです。

また、自分が働きたいと思う年齢まで存分に働くことができるため、自分次第で収入を維持し続けられます。それにより金銭的な我慢をしなくて良い状況も作りやすくなるでしょう。

多額の収入が必要な「海外旅行に毎月行きたい」「自分の家を建てたい」などの目標がある場合はメリットになります。

会社員としての収入に限界を感じているのですが、自営業で会社員以上の収益を上げるのは難しいですか?

軌道に乗るまでを見据えた準備をおこなえば収入は上げられる

うまく工夫することで、会社員以上の収益を得ることは可能です。自分の得意分野を活かし、それをSNSなどでより多くの人に向けて発信することで会社員時代に稼いでいた年収を越えることもあります。

しかしこれは、全員がうまくいくわけではありません。まずは初期投資や経営の知識、経験、そしてそれを培う時間と労力が必要です。

独立したばかりのときには、顧客がいないため、ゼロから顧客を探す必要があります。数カ月から半年は収益がまったく上がらないことも当然あるため、それを見越したうえで資金を用意しておくことも重要です。

一度顧客との関係性が構築できれば、そこから新しい顧客を紹介してもらえる可能性は高くなりますが、それには顧客との信頼関係を構築するためのコミュニケーション能力が求められます。

あなたが受けないほうがいい職業を知っておこう

就活を成功させるためには、自分に合う職業・合わない職業を早めに知ることが不可欠です。しかし、それがわからずに悩む人も多いでしょう。

そんな人に活用してほしいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたに合う職業・合わない職業を特定できます

早いうちに自分に合う職業・合わない職業を知って、就活を成功させましょう。

②自分のペースで働ける

自営業は働き方を自分自身で決めることができます。会社員の場合は、会社の就業規則で定められた時間は会社の業務をおこなわなくてはなりませんが、自営業であれば、働く場所や時間、ルール、報酬のすべてを自分で決められます

また、休暇や休憩を調節するなど、仕事の状況に合わせて自分でスケジュール管理をすることで、柔軟に働くことが可能です。

会社で働く際のしがらみや理不尽な労働体系から解放され、自由な働き方を選択することができます。

自分に合った自由な働き方の例

  • 自分の子どもの行事に出席する
  • 趣味を楽しむ時間を確保する
  • 朝10時に起きてランニングをしてから働く
  • 夜中に働いて日中は寝る

また、会社員は上司の指示に従って働くことが求められますが、自営業の場合は業務を監督する存在はいません。人間関係のストレスが少なく、自分のペースで働けるのもメリットだと言えます。

③自分のビジネスを創造できる

自営業は独自のビジョンを実現するために、自分の発想と行動により事業を展開できるのがメリットです。従来のやり方を見直して改善する、新しい手法を取り入れるなどして、これまでにはない新たなビジネススタイルを創造できます

会社員だと会社の方向性や上司の指示に従って行動せざるを得ない場面も多々ありますが、自営業は自由度が高く、選択肢が豊富です。

そのため自分の興味のある分野や持っているスキルを活かして、さまざまな場所でビジネスを始めることができます。たとえば、料理が得意な人はレストランの経営の仕事、プログラミングが得意ならばソフトウェア開発の仕事なども可能です。

自分の情熱に基づいた職種で、生き生きと楽しく働くことができるのが自営業の魅力だと言えます。

村谷 洋子

プロフィール

会社員から自営業への転換は確かに勇気のいることですが、まずは自己分析をおこない、自分は何がしたいのか、強みやできることを明確にすることが大切です。

専門家や先輩起業家のアドバイスも活用すると良いでしょう。

会社勤めとは違う! 自営業のデメリット

会社勤めとは違う! 自営業のデメリット

  • 収入が不安定で社会的信用が得られにくい
  • 仕事とプライベートのバランスが取りにくい
  • すべての業務を自分でおこなう必要がある

自由な働き方ができる自営業は魅力的に見えますが、メリットだけを見て始めるのはリスクが大きいのも事実です。自営業には会社員にはないデメリットが存在します。

自営業の仕事をするうえで、収入面や社会的な信頼においては、会社員とは異なることを念頭に置いておくべきでしょう。また、会社に縛られない働き方においては管理能力が必須であり、資金が枯渇して経営状態が悪くなれば、倒産や廃業という選択を迫られることもありえます。

自分の責任で決められるということは、自由に何でもできるわけではありません。ここでは、自営業におけるデメリットについて解説するので、あらかじめ心構えをしておきましょう。

①収入が不安定で社会的信用が得られにくい

自営業は会社員のように安定した給与が支給されるわけではありません。業績や需要によって収入が変動するため、事業が軌道に乗るまでは安定した収入は得にくいと言えます。

また、事業がうまくいったとしても、社会情勢などの影響により収入が激減する可能性もゼロではありません。収入面における不安定さは常に抱えることになるでしょう。

また、自営業になると、会社員に比べて社会的信用を得るのが難しくなります。具体的には、収入が不安定であることから、住宅ローンの申請やクレジットカードの審査は通りにくくなることもあるのです

このように社会的な信用を構築できるまでは、多くの壁にぶつかることは覚悟しておく必要があります。収入の不安定さの課題を解消するためには、収入を管理することと計画的に貯蓄していくことが重要です。

当たり前ですが、「約束を守る」ことは非常に重要です。そして、期待以上の結果を出すことで、相手から感謝され紹介につながることがあります。

また、社会的に認知されている資格を取得することも有効です。専門知識やスキルがあることの証明になります。

あなたが受けない方がいい職業を確認しよう!

就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。

そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

②仕事とプライベートのバランスが取りにくい

自営業は仕事の時間を自由に設定できますが、その分仕事とプライベートの区別が曖昧になってしまう人も多くいます。特に自宅を仕事場にする場合は、オンとオフの切り替えが難しくなるため、自己管理が大切なのです

特に駆け出しの頃は案件の単価も安いことが多いため、休みなしで働くこともあるでしょう。収入が途絶える可能性があるため、会社員のように休暇を取れないケースも多々あります。

自営業を安定して継続するためには、仕事とプライベートのバランスも重要な要素です。仕事を休む際はビジネスが滞らないようなスケジュール管理が必要になります。

事前に休暇計画を立てて、代理人に業務管理を依頼することや、業務や業種に応じた休暇の取りやすいシーズンを選ぶなど考慮しましょう。

③すべての業務を自分でおこなう必要がある

会社員の場合は、担当業務だけ遂行すれば良い場合も多いですが、自営業の場合はビジネスの運営だけでなく、会社の総務や経理が担う業務も自分でおこなう必要があります

また、自分自身のビジネスの運営において、事業にかかわるすべての意思決定、業務の遂行、法的な責任は自己責任でおこなうため、その責任は重大です。

会社員であれば会社が守ってくれますが、自営業の場合は守ってくれる人がいません。もし事業で失敗すれば、その責任はすべて自分が負い、収入がゼロになることも覚悟しなくてはなりません。

とはいえ頼れる場所が一切ないわけではなく、問題が発生した際は適切なビジネス保険や法的アドバイスを受けることで、リスクを最小限に抑えることできるということも覚えておきましょう。

自分一人で事業のすべてを担えるのか心配です……。

村谷 洋子

プロフィール

業務をすべて担うのではなく専門家や外部の協力を得よう

会社も一人では成り立たないのと同じく、自営業も全部自分でおこなうことはほぼ不可能です。

一人で抱え込まず、信頼できるパートナーや仲間、外部の専門家のサポートを得ることを検討しましょう。

たとえば、会計や税務、法律などの専門知識が必要な分野はプロに任せ、自分はコアとなる事業に集中することで効率的に運営できます。

また、ネットワークを広げ、同じような立場の起業家と情報交換をすることで、実践的なアドバイスや支援を受けることが可能です。時間管理やタスク管理を徹底し、計画的に進めることで、徐々に不安を軽減していきましょう。

最初は小さな目標を設定し、達成することで自信を積み重ねていくことが成功への鍵ですよ。

目指す前にチェック! 自営業の仕事の向いている人の4つの特徴

自営業は自由に働き方が選べるだけでなく、収入アップが望めるのが魅力です。しかし、自営業の仕事に対する適性がなければ、事業が立ち行かなくなる恐れがあり、精神的にもストレスを抱えることにもなり得ます。

事業で成功する鍵は自分自身が持っている潜在的な能力を発揮することであり、自営業に対する資質が求められます。

ここでは、自営業に向いている人の具体的な特徴について解説するので、自分と照らし合わせながら確認してみてください。

①主体的に物事に取り組める

会社員の場合は上司の指示に従い業務をこなすことが多いですが、自営業の場合は事業活動のすべてが自らの判断に委ねられます。

ビジネスチャンスをつかむためには、市場の動向分析から業務改善、新規事業の構築まで、自ら進んで行動し、向上心を持って物事に取り組むことが必須です

仕事に対する主体的な行動としては、以下のようなことが挙げられます。

仕事に対する主体的な行動の例

  • 新しいスキルや資格を身に付ける
  • 社会の変化に応じて自分自身をアップデートし続ける
  • 案件獲得のためにコネクションを構築する
  • 情報取集のためにセミナーに参加する

自営業をするうえで、積極的な行動は不可欠です。人脈を広げて新しい情報を取り入れ、事業の成長やリスク時の強度を高めておく必要があります。

瀧本博史

プロフィール

業界団体の交流会や関連セミナーに参加し、同じ分野の専門家と出会うことが望ましいです。

また、SNSを活用してオンラインで人脈を広げることも有効と言えます。友人や知人に紹介をしてもらうことができると、信頼性の高い人脈を築くことができるでしょう。

②柔軟な対応ができる

自営業において事業の存続や成長に欠かせないのが、多角的に物事を見て、柔軟に対応する能力です。

変化の多い市場では、これまでのやり方が通用しない場面も多くあるので、一つの考えや方法に固執せずに、立場や視点を変えて物事を見たり考えたりできる能力が必要になります。

事業が危機的な状況に陥ったとしても活路を見出せるでしょう。加えて、専門外のことは知り合いに頼むことを考慮し、周囲と良好な関係を築くことも大切です。

また、ブランディングも仕事を進めるうえで重要な要素になります。将来的なビジョンを持ち、目先の利益に捉われずに投資をすることや、顧客満足度や自身のセールスポイントを把握することが必要です

③責任感を持った行動できる

自営業を担う人は経営者であるため、すべての意思決定や行動に責任を持つ必要があり、責任感の強さが事業の運営に直結します。

自営業では、市場のリサーチ、店舗を開く場所や販売する商品など、多くの決断を繰り返し、事業を展開していかなくてはなりません。うまくいくことばかりではないため、経営者としてリスクを負った行動ができるかがポイントになります。

そのうえで大切なことは、リスクを最小限に抑える行動を取ることです。失敗した場合も、次にひきずらない行動を取ることが求められます。

事業を成功させるためには、物事が思うようにいかない場合も、新たな展開を考える柔軟さが必要です。良くも悪くも自分が起こした結果だと受け止められる人は、自営業に適しています。

村谷 洋子

プロフィール

自営業での意思決定は、経営者として判断することの連続です。

データや理論に基づいた判断を心掛け、スピード感を持つことが重要になります。直感も大事ですが、客観的な情報をもとにし、柔軟かつ迅速に対応しましょう。

④自分自身を客観視できる

自営業の場合、会社員のように間違いを指摘してくれたり、失敗をフォローしてくれたりする上司や同僚はいません。

基本的に自分一人で対処しなければならず、自分自身やビジネスの弱みや改善ポイントがわからないまま進んでしまうと、成長できない状態のままになってしまいます。

そのため自営業の場合は、自分の事業が正しい方向に進んでいるかを判断する目を持つこと、俯瞰して物事を見極めることが大切です。

顧客のニーズを探るために、顧客満足度や顧客の評価の分析、協力者と重要事項の共有ができているかなど、常に客観的な視点で判断し、改善点を見つけていく姿勢が求められるでしょう

アドバイザーコメント

自営業は自分の進めている物事を適格に管理する力がある人にはおすすめ

自営業に向いている人には、いくつかの共通した特徴があり、自己管理能力が高いことがまず一つ挙げられます。

自営業では、スケジュール管理やタスクの優先順位付けを自分自身でおこなう必要があるため、自分のすべきことを管理できる人は成功しやすいです。経理や税金の管理も自分でおこなうため、お金の管理能力も求められます。

次に、情報収集と学習が好きな人も自営業に向いている人の特徴です。常に最新の情報をキャッチアップし、それを事業に反映させることで、競争力を保つことができるでしょう。

さらに、目標を明確に定め、それに向かって粘り強く努力できる人も適しています。自営業は、常に仕事を計画的に進める必要があるため、長期的な視点で物事を考えることが重要です。

周囲の意見や情報を取り込む柔軟性や挑戦意欲も大切

また、自己決定力がありつつも、他人の意見を柔軟に取り入れられる人も向いています。自営業では、さまざまな場面で決断を強いられることが多く、他人の意見やデータを参考にしながら最善の判断を下すことが必要になるため。客観的な視点で冷静に物事を判断する力が重要になるのです。

最後に、リスクを恐れず、挑戦する意欲がある人も自営業に向いています。失敗を恐れず、前向きに取り組む姿勢が重要であり、このような姿勢を持つ人は、自営業で成功する可能性が高いです。

自営業は多くの挑戦と責任を伴いますが、これらの特徴を持つ人は、その自由と充実感を享受しながら、成功を収めることができるでしょう。

自己分析の効果的なやり方を知りたい人は以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

関連記事

自己分析とは? わかりやすいやり方と選考での6つの活用法を解説

自己分析とは、自分に合う就活の軸を定めたり、自身の長所を活かした志望動機などを書くための準備工程です。この記事では自己分析のメリットや正しいやり方をキャリアコンサルタントとともに解説します。活用しやすいフレームワークも紹介するので、就活のはじめに自分を知り、納得のいく就活をおこないましょう。

記事を読む

自己分析とは? わかりやすいやり方と選考での6つの活用法を解説

仕事の継続が難しくなることも? 自営業に向いていない人の共通点

仕事の継続が難しくなることも? 自営業に向いていない人の共通点

自営業は特別な資格やスキルもいらず、誰でも始めることができます。

しかし自営業に向いている人がいる一方で、向いていない人もいます。適性が低い人が自営業を始めると、仕事を継続できずに生活が困難になってしまう可能性があり、憧れだけで目指すのはリスクが高いのです。

では、自営業に向いていない人とはどのような人なのでしょうか。ここでは、自営業に向いていない人の共通点を紹介するので、該当する点はないかチェックしてみてください。

自己管理が苦手

自営業はビジネスのすべてを自分一人でおこなうため、自己管理能力は必須です。自分自身を律することができず、怠惰に流れてしまう人は向いていません。

仕事量を調整したスケジュール管理、仕事の優先順位の決定、財務管理、体調管理など、セルフマネジメント能力がなければ、収入の不安定に直面しやすくなるでしょう

たとえば、スケジュールを顧みずに仕事を受注しすぎれば、納期が遅れたり、健康を害してしまったりすることも考えられます。

また、受注した仕事を先延ばしにすれば、多方面に迷惑をかけてしまい、結果として信用を失ってしまうかもしれません。

自営業の仕事は、ワークライフバランスの安定を確保するためにも、自己管理をしっかりおこなうことが大切です。

私が最も大切にしているのは「健康管理」です。健康であることはすべての土台になります。

次にタイムマネジメントです。目標を達成するために、するべきことに優先順位をつけてスケジュールを組みます。

最後はブランディングです。会社という看板がないため、自分をどうプロデュースするかが重要です。

向上心が低い

自営業では、安定した事業を継続することや事業の拡大を進めていくためにも、仕事での成果や自分自身のスキルをより高めようとする向上心が重視されます。

市場は刻々と変化していくため、成果を出すためには、新しいスキルや知識を取り入れるなど、常に学び続ける姿勢が大切です。

仕事に対する熱意や目標達成する意欲が低い人は、現状維持を求める傾向があるため、成長の見込みがなく、顧客や顧客から見放されてしまう可能性もあります

特にIT業界において自己研鑽は不可欠で、向上心が低い人だとテクノロジーの急速な変化に取り残されてしまう可能性が高いです。

結果的に業務のマンネリ化を招き、同業者との競争にも勝てずに、事業は停滞してしまうかもしれません。自営業をするうえで、向上心の欠如は大きな障害となり得るのです。

村谷 洋子

プロフィール

「現状維持は衰退」という言葉があるように、常に新しい情報を取り入れ、革新的な取り組みをおこなわないと、顧客ニーズの変化に対応できず、技術の進歩にも乗り遅れ、結果として市場から取り残されるリスクが高まります。

決断力が低い

自営業では、あらゆる場面で決断力が求められます。不確実な状況下でも、リスクを取りながら最善の選択をしていかなくてはなりません。

そのため他人の意見に流されてしまう人は、ビジネスチャンスを逃すばかりか、誤った選択をしてしまい、事業の将来に悪影響を与えることになるでしょう。

自営業で生計を立てるためには、しかるべきときに正しい決定を下せる決断力が欠かせません。企業で理念や方針が掲げられているように、自営業でも事業の軸となる方針を定めることが重要です

ただし、方針通りに進めても軌道に乗らないケースもあるため、方針を明確に定めることに加えて、適切なタイミングで方針転換の判断を下すことも自営業を成功させるために重要な要素です。

安定志向

自営業は収入の不安定さや自己責任が大きいため、安定を求めすぎる人には向いていません。成功の報酬が大きい反面、仕事の失敗や取引の喪失により、生活自体が困難になる場合があるため、常に失敗のリスクと先行きの保証がない不安感と隣り合わせなのです。すべて自分次第で結果が変わるのも自営業の特徴だと言えるでしょう。

変化を恐れることなく、不確実性を受け入れ、スキルアップや挑戦してチャンスをつかむ努力が必要です。

失敗のリスクを恐れて行動が鈍ってしまう人は、自営業の仕事は難しいかもしれません。安定した給与や勤務体系を好む人、安定した暮らしをしたい人、今の仕事や暮らしに不満がない人は、会社で働くことを選択したほうが良いでしょう。

なぜ自営業において安定志向である人が向かないのでしょうか?

自営業はさまざま起こる変化を楽しめる人のほうが向いている

会社員とは異なり、収入が安定しません。大きく売上が上がる月もあれば、まったく売上がない月もあるのです。

事業を始めたばかりのときは顧客が十分にいないことも多く、予想よりも苦しい状況が考えられます。

会社員だったら仕事は上から降ってくるイメージですが、自営業者は自分で顧客を見つけ、維持していくことが必要です。

また、新型コロナウイルス感染症のように、どうしようもない要因で事業が振り回されることもあるため、変化に対する柔軟性が求められます。

こうした点から、自営業は不安やストレスを感じやすい人には厳しい世界かもしれません。逆に、そのようなリスクを楽しめる人が自営業に向いていると言えます。

自営業で活躍する先輩に聞いた! 自営業の実態や求められるスキル

ここまで自営業の基本知識、メリットやデメリット、自営業の仕事に対する適性について、具体的に解説してきました。これまでの内容から、自営業として継続して事業をしていくのは簡単ではないとわかってきたかと思います。

それでもまだ自営業の実態がつかめないという人や、実際に求められるスキルがわからないという人もいるでしょう。

そこでここでは、実際に自営業で成功している人はどのようにして成功しているのか、実際に独立して豊富な実績があるキャリアコンサルタント村谷さんに聞いてみました。ぜひプロの意見を併せて参考にしてみてください。

アドバイザーコメント

自営業は基本のビジネススキルと自己成長意欲が成功の鍵

自営業は会社員とは違って自由と責任が伴い、経営者として多様なスキルが求められます。基本的なビジネススキルはもちろん、財務管理、マーケティング、営業、顧客対応、リスク管理などへの理解が必要で、特に財務管理は重要です。

また、自己管理能力が高いことも大切で、時間管理や目標設定、タスクの優先順位付けなどをおこなう必要があります。

さらには、予期せぬ問題に対処するため、柔軟な思考と冷静な判断力を持つ問題解決能力も求められるのです。

常に学び続けて変化に柔軟に対応することを心掛けよう

顧客や取引先とのコミュニケーション能力、特にプレゼンテーションスキルや交渉力は自営業の成功に直結します。市場動向や競合の情報収集・分析といったマーケティングスキルも戦略的な意思決定を助けてくれるのです。

そして自営業は、常に新しい知識やスキルを学び続ける自己成長意欲がある人が成功しやすいと言えます。変化する市場や顧客ニーズに対応するため、学び続ける姿勢を心掛けましょう。

自営業は挑戦と学びの連続ですが、その分やりがいも大きいです。これらのスキルを意識しながら、自己の成長と事業の発展を目指すことが成功への鍵となります。

簡単6ステップ! 自営業の始め方ロードマップ

自営業を検討している人のなかにはどう始めたら良いのかわからないという人もいるでしょう。自営業を始めるのはハードルが高いと感じる人もいるかもしれません。

しかし、紹介する6ステップのプロセスを踏むことで、スムーズに始めることができます。

ここでは、自営業の始め方のロードマップを6ステップに分けて紹介します。順を追って解説していくので、ぜひ実践してみてください。

①業種を決める

自営業で活躍できる職種は数多くあります。まず「どのような業種で働きたいのか」を明確にすることから始めてみてください。

未経験から始めやすい職種もありますが、専門知識やスキルがあったり資格を持っていたりするのであれば、実績や経験を活かせる職種に絞って探すことも可能です。

資格が必要な職種の場合、その分野における知識やスキルがあることを証明すれば、受注できる仕事の幅が広がります。自分のスキルや強みを棚卸し、どの職種なら自営業として成立しそうかを判断しましょう

さらに、ビジネスにおいての人脈、市場の需要や将来性など、多角的な視点からしっかり検討してみてください。

瀧本博史

プロフィール

業種選びでは、自分のスキルや興味、そして市場の需要を考慮することが重要です。飲食業や理容・美容業、士業などは専門知識や資格が必要ですが、高い収益性が期待できます。

一方、ITフリーランスやECショップ経営などは初期費用が少なく、場所を選ばず始めやすい業種です。業界の動向や競合の状況も調査し、自分に最適な業種を選びましょう。

業界や業種ついては、以下の記事で図解で解説しています。参考にしてみてください。

関連記事

業界とは?業種・職種・業態との違いを図で解説!

業界とは何かを理解している人は案外少ないですが、就活をスムーズに進めるには不可欠な知識です。この記事では業界・業種・職種などの意味や違い、業界ごとの特徴をキャリアアドバイザーが図を交えて解説します。基本知識を押さえて就活を成功させましょう。

記事を読む

業界とは?業種・職種・業態との違いを図で解説!

②開業場所を決める

次に事業の拠点である開業場所をどこにするかを決めましょう。小売りや飲食店の場合は、専用の事務所や店舗を構える必要があるため注意してください。ほかにも自分一人で開業できる弁護士や税理士などの士業も事務所がないと開業できないため、開業場所を探さなくてはいけません。

開業場所を探す場合は、商圏によって集まる客層が異なるため、それぞれの場所に適した、立地条件の良い適した場所を見つけることが大切です

③屋号を決める

屋号は事業の顔とも言える大切な要素で、印象を左右します。オリジナリティを出しつつ、屋号から事業内容が顧客に伝わるものや、顧客目線で記憶に残りやすいもの、言いやすくて書きやすいものが理想です

今はブログやSNSで情報を簡単にアップできるため、口コミが増えて、集客効果も上がる可能性があります。また、インターネットで検索されることも考えて屋号を決めることも大切です。

屋号を作成する際は、同じ業種でも検索して上位にくるものを参考にしてみてください。地域性を出したい場合は、地名を屋号に含めても良いでしょう。

屋号はなくても構いません。しかし、個人名で取引するよりも屋号があったほうがブランドイメージを確立しやすくなります。

また、銀行口座開設時も個人名よりは屋号付きの口座のほうが、生活費と事業費を明確に分けることができるというメリットがあります。

④事業計画を立てる

事業計画とは、収益見込みや今後の事業をどのように運営していくかを示したものです。事業計画書の作成は必須ではありませんが、できる限り作成しておいた方が良いでしょう。

内容は、事業の目的・展開方法・資金計画・マーケティング戦略の4つの要素を考慮して総合的にまとめてみてください

市場調査をおこない、目標顧客層を明確にしながら、事業が直面する可能性のあるリスクを把握して対策を立てることが大切です。

事業計画書を作成すべきおもな理由は以下の通りです。

銀行などから資金を調達する際に提出が求められる

  • 事業の全体像を明確にして客観的に分析できる
  • 収益を上げるためにすべき行動が明確になる
  • 競合との差別化に役立つ

事業計画書を立てることで、経営方針と目標が明確になる、自社の強みや弱みを認識できるなどの効果があるので、開業のための作業の一環として取り組むようにしましょう。

⑤開業資金を準備する

開業資金はビジネスをするうえでの基盤をつくり、スムーズに進めるためには欠かせない重要な準備の一つです。

融資を受ける際も、ある程度自己資金割合が定められているケースが多く見られるため、必要な開業資金総額の3~5割程度を準備することが望ましいです

ただし、実際に保有している預貯金のすべてを自己資金とするのは避けてください。事業資金に余裕を持たせるのはもちろん、個人の生活費についても同様に余裕を持たせることが大切なためです。

自己資金はやる気を証明する手段にもなるため、借入の際も自己資金が貯まっている人の方が信頼される傾向にあります。親戚や友人知人からの調達も有効です。事業に対する前向きな関係構築ができていれば、資金以外でも協力が得られるかもしれません。

⑥開業に必要な書類を提出する

自営業を始める準備が整ったら、法的な手続きをおこないます。開業から1カ月以内に、所轄の税務署へ開業届を提出してください。

開業業種によっては、そのほかの届けが必要な場合があるため、あらかじめ確認しておきましょう。この届出により、個人として事業が公的に認知されます。

青色申告の選択や事業にかかわる保険制度への加入契機にもなるため、開業初期において大切なステップです

開業後は税務申告において「青色申告」か「白色申告」を選択します。青色申告は記帳義務がありますが、65万円までの青色申告特別控除を受けることができ、欠損金の繰り越しが認められています。

白色申告は手続きが比較的簡単ですが、優遇措置は受けられません。どちらの方式も正確な帳簿の記録が必須なので、法的な要件を確認して必要な手続きを適切におこないましょう。

書類不備の場合、何かペナルティはあるのでしょうか。

村谷 洋子

プロフィール

書類や申告の不備に対するペナルティは大きく3つある

自営業者が税務申告で書類不備がある場合、ペナルティとして状況に応じて以下のような税金が課される可能性があります。

・無申告加算税
申告書の提出が遅れたり、まったく提出しなかった場合に課されます。

・過少申告加算税
申告内容に誤りがあり、修正申告や更正があった場合に課されます。

・延滞税
納付期限を過ぎても納付しない場合に課されます。

・重加算税
故意に所得隠しや経費の水増しなどの不正行為があった場合に課されます。

書類不備を防ぐためには、適切な帳簿・記録の保管、申告期限の厳守、定期的な自己点検の実施をおこない、不明点がある場合は税理士や税務署に相談しましょう。

廃業回避の秘訣! 自営業で成功するための6つコツ

ここまで自営業の仕事について、向いている人や向いてない人、始め方のロードマップなどをお伝えしてきました。自営業の仕事が現実的に見えてきたかと思います。

しかし、自営業は思い付きやなり行きなど、曖昧な動機で始めたとしてもうまくいきません。成功して安定した売り上げを出すためには、念入りな下準備が必要不可欠です。

ここでは、自営業を成功させるための秘策を解説するので、あらかじめ押さえておき、廃業を回避しましょう。

①徹底的に情報収集する

自営業を営むなら、常に新しい情報をキャッチし、業務に活かしていく姿勢が大切です。

新しい技術やトレンド、法律の改正などによるルール変更など、事業に影響を与える可能性のある情報は常にチェックしておく必要があります。情報収集を怠れば、競合に後れを取ったり、税金関係で問題が生じたりすることがあるためです。

また、令和5年10月1日からステルスマーケティングの指定(ステマ規制)が開始されたことで、従来の広告やSNS運用をしていると、法律違反になる可能性があります。

日々進化していく世のなかで生き残っていくためには、情報収集を徹底するのは基本です。新しい情報を仕入れてアップデートしていきつつ、市場のニーズをつかむことが求められます。

瀧本博史

プロフィール

情報収集は信頼性の高い情報源から幅広い情報を収集することが重要です。まずは、ビジネスニュースや経済情報を提供するサイト(BloombergやForbes Japanなど)を定期的にチェックし、最新の動向を把握しましょう。

次に、具体的な市場調査やフィールドリサーチを行い、現地のニーズや競合状況を理解することが有益です。

さらに、業界レポートやニュースレターの購読も有効です。これらの資料は、専門家による分析や最新のトレンドを提供してくれます。

②ビジネスプランをじっくり練る

ビジネスプランは、以下の要素をもとに立案し、実行による検証や修正をおこないながら、練り上げることが大切です。

ビジネスプランで大切な要素

  • 市場性:誰を対象にしたどんな商品やサービスか、どの程度の事業規模か
  • 収益性:見込める収益、必要となる資金はどれくらいか
  • 発展性:地域や国内外での成長性はどれくらいあるか

ビジネスプランにおけるポイントは、自社や商品、サービスの他社との違いや強みを探ることです。顧客のニーズや競合状況を正しく把握し、差別化を図る必要があります。

事業の課題を洗い出して考えをまとめてチェックしてみてください。プランをブラッシュアップすることが成功につながりますよ。

ビジネスプランと併せて、キャリアプランに悩んでいる人はビジョンを明確にすることが大切です。以下の記事で詳しく解説しているので、チェックしてみてください。

関連記事

キャリアビジョンとは|就活のプロが意義と描き方を徹底解説!

キャリアビジョンは自分らしく就活を進めるために考えておく必要があります。この記事ではキャリアコンサルタントと一緒に、キャリアビジョンの意味や必要性を解説します。また、キャリアビジョンの描き方や企業への回答方法も説明するので役立ててください。

記事を読む

キャリアビジョンとは|就活のプロが意義と描き方を徹底解説!

③長年のこだわりや思い込みに固執しない

自営業で成功するためには、流動的な市場に沿った指針を持つことが求められます。これまでのやり方や価値観に固執することなく、新たに収集した情報をもとに、改善点ややり方を模索することが大切です

自分自身のこだわりや思い込みにとらわれすぎていると、新しい視点やアイデアを見逃してしまうことになりかねません。

常にアンテナを高く張り、柔軟な考え方と姿勢でいること、他人の意見を尊重し吸収することで、作業効率のアップや成果物のクオリティを上げていくのがポイントです。

現状に満足することなく、顧客のあらゆるニーズに応えることを意識しましょう。常にチャレンジ精神を持ち続け、ステップアップしていくことが成功するための鍵になります。

村谷 洋子

プロフィール

小さな目標を設定し、成功体験を積むことが重要です。やるべき行動を分解して少しでも手を動かしましょう。

また、他者の意見を取り入れ、柔軟な思考を持つことも大切です。専門家のアドバイスやサポートも活用してみてくださいね。

成功体験の伝え方についてはこちらの記事を参考にしてください。見つけ方から効果的に伝えるコツまで解説しています。

関連記事

例文5選|成功体験を効果的に伝える3つのコツと見つけ方を徹底解説

成功体験を就活時に聞かれると知っても、どのような内容を書けば良いかわからず悩む人は多いでしょう。この記事では、成功体験を面接で伝えるときの例文や見つからないときの対処法をキャリアコンサルタントと解説します。自分だけの成功体験を見つけて、選考を突破しましょう。

記事を読む

例文5選|成功体験を効果的に伝える3つのコツと見つけ方を徹底解説

④スモールスタートでリスクを抑える

自営業を生業にする場合、一定のリスクをともないます。そのため、いきなり大規模なプロジェクトを立ち上げたり、多額の投資をしたりするのは避けましょう。それだけ大きな損失を背負うことになる可能性があります。

リスクをできるだけ抑えて事業を成功させるためには、低コストで小さく事業を始めるのがポイントです。失敗したとしてもその影響を最小限に抑えることができます。

たとえばECサイト経営であれば、商品数も絞ることができるので小規模でスタートしていき、少しづつ事業を拡大していくことができます。

自営業のなかには、飲食業などのオフィスを必要とするものもありますが、ランニングコストを抑えるためにも最小限の設備から事業を始めてみてください。

⑤自己投資をおこなう

自営業では、知識はもちろん、技術を証明する資格の取得など、自分自身ができることを増やしていくことでビジネスの可能性を広げられます、そのため、時間とお金を自己投資することも重要になります

それにより、長期的な自己成長が促され、新たなビジネスチャンスを生み出す土台ができます。短い期間で高収入を得るなど、理想とするライフスタイルに近付くこともできるかもしれません。

たとえば、コンサルティング会社が主催する売り上げアップセミナーや従業員管理の研修なども自己投資に含まれます。

また、サービスやアプリを活用するのもおすすめです。有料のクラウド会計サービスやAIの活用により、専門家に頼るコストを減らしたり、単純作業を減らしたりすることができます。

⑥人に依頼できる部分は任せる

自営業の場合、自らすべてをこなそうとせずに外注できる部分は任せて、業務の負担を減らすことも大切です

たとえば、専用ソフトや代行サービスを導入することで、経理や財務の仕事量を減らせます。営業や案件の条件調整にかかわる時間をかけずに仕事を紹介してもらいたい場合は、エージェントを利用するのもおすすめです。

自分ひとりで何でもやらなければと思うと、かえって事業の停滞を招いてしまう可能性があります。時間や労力を無駄に使うことなく、専門性の高いことに関しては専門家に任せてしまった方がうまくいくものです。

空いた時間は本業の発展に注力した方が、早い段階で軌道に乗りやすくなります。

エージェント

代理人や仲介者という意味。本人に代わって契約など法律行為を成すもののこと

瀧本博史

プロフィール

仕事を他人に任せることで得られるメリットは多くあります。自分の負担も軽くなるため、休暇をとりやすくなったり、プライベートも充実しやすくなるほか、組織やチームの成長にもつながります。

また、任せることで新しい仕事に着手でき、自分自身のスキル向上にも寄与します。私は信頼できる相手に適切な業務を任せることで、長期的な事業成長を目指したいです。

自営業を始めるならコレ! おすすめの職種12選

ここまで自営業の始め方などについて解説してきて、少しずつイメージが湧いてきたかと思います。しかし、いざ自営業を始めようとしても、仕事が決められないという人もいるでしょう。

せっかく始めるのであれば、自営業の良さを最大限に活かして、無理なく働ける仕事につきたいところです。

ここからは初心者でも始めやすい職種と、経験やスキルを仕事に活かせる職種に分けて紹介します。自分に適した職種を見つけるためにも、ぜひ参考にしてみてください。

職種選びでは将来性も大切な要素です。将来性の高い仕事に就きたい人は以下の記事が参考になります。

関連記事

これから伸びる業界13選! 将来性の高い仕事に就くポイントとは

これから伸びる業界へ就職したい人へ、業界の将来性を見極めるコツや選考時のポイントをキャリアアドバイザーとともに解説します。各業界の成長要因や今後起こりうる展開まで解説しているので、業界理解を深め、自分らしく働ける業界を探しましょう。

記事を読む

これから伸びる業界13選! 将来性の高い仕事に就くポイントとは

初心者でも始めやすい職種6選

自営業は自分が経営者の立場になることから、尻込みしてしまう人もいるかもしれませんが、自営業のなかでも初心者や未経験者でも始めやすい仕事があります。その仕事の多くは、資格やスキルは要らず、自宅で一人で完結できる仕事です。

ただし、職種により求められる資質はあるため、自分の得意や強みを把握しておくと、働きやすい仕事が見つかりやすくなります。

仕事をしながら少しずつスキルを上げていくこと、顧客や顧客と良好な関係を築くこと、市場のニーズを押さえることで、安定した収入を維持することができ、さらには収入もアップも見込めます

ここでは、初心者でも始めやすい職種を6つ紹介するので、気になる職種があればチェックしてみてください。

自分の強みがわからない人は、以下の記事が参考になります。併せてチェックしてみてください。

関連記事

強み一覧付き|自分の強みが必ず見つかる方法9選とアピール方法

就活で自分の強みを何て答えれば良いかわからない、そもそも自分の強みが浮かばない人に向けて、キャリアコンサルタントが自分の強みを見つける方法やアピールのコツを解説していきます。強みを伝える例文も紹介するので、参考にしてください。

記事を読む

強み一覧付き|自分の強みが必ず見つかる方法9選とアピール方法

①オンラインショップ運営

オンラインショップ運営とは、インターネット上にお店を持ち、ものやサービスを売買することで収益を得る仕事です。

オンラインショップの良いところは、実店舗と違い、店舗物件を購入または賃貸する必要がなく、低コストで始められることです。対象はネットユーザーであるため、集客のしやすさも魅力と言えます。

しかしオンラインショップ運営は、サイトの運営や出品手続き、集客のためのマーケティング戦略や商品管理、広告運用やSNS運用など業務が多岐にわたります。

出店方法としては大型ショッピング内にショップを出店する、ネットショップ作成サービスを利用する方法があり、ネットショップ作成サービスなら、PCの知識がなくても簡単に出品可能です。ただし、出店がしやすい反面、ライバルが多いため、集客においては競合他社との差別化戦略を立てる必要があるということは覚えておきましょう。

その商品やサービスを通じて顧客がどのような体験ができるのかを明確にしましょう。価格も重要ですが、顧客が求めているのは「価値」です。

また、顧客から問い合わせがあればすぐに対応できるようにしましょう。ほかの企業とのコラボレーションも大きく飛躍するチャンスとなります。

②事務・アシスタント

自営業の職種として、小規企業や個人事業主に代わって事務作業を請け負ったり、サポートしたりする事務代行やアシスタントの仕事もあります。

事務スキルや時間管理能力が必要ですが、会社に属する場合と異なり、場所に縛られずに働くことが可能です。

具体的な仕事内容は、メール対応や資料作成、データ入力、広報活動、セミナー運営のサポート業務など、多岐に渡りますが、どんな業務だとしても基本的なPCスキルやコミュニケーション能力は必須になります。

自営業で事務仕事をする場合は、柔軟な働き方ができるので、子育て中や介護中の人でも日常生活に合わせてスケジュールを組めて、仕事復帰しやすいのがメリットです。ITツールの活用知識を身に付ければ、さらに仕事の幅が広がるでしょう。

未経験で事務職を希望する場合は、多種多様な案件の募集があるクラウドソーシングを活用する方法もありますが、企業に直接申し込めば、クラウドソーシングよりも高単価で受注することができます。

自営業で事務の仕事をしたい人は以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

関連記事

事務職の仕事内容が丸わかり! 必要なスキルや就職のコツも

事務職は多くの就活生から人気を誇る職種の一つであり、志望する学生は事務職への理解に努めることが大切です。記事では、事務職の種類とそれぞれの仕事内容をはじめ、事務職に対して多くの人が抱く誤解とその実態についてキャリアコンサルタントのアドバイスを交えながら解説します。

記事を読む

事務職の仕事内容が丸わかり! 必要なスキルや就職のコツも
自営業で未経験から事務の仕事を請け負うことはできるのでしょうか?

瀧本博史

プロフィール

未経験でも基本のPCスキルや前職の経験を活かせれば仕事を獲得できる

未経験から事務の仕事を自営業で請け負うことは十分可能です。在宅事務の仕事は、企業での事務経験がなくてもチャレンジすることができます。

WordやExcelといった基本のPCスキルや一般的なコミュニケーション能力があれば、多くの求人に応募できるでしょう。

また、クラウドソーシングサイトを活用することで、さまざまな事務系の仕事を見つけることも可能です。

はじめは簡単なデータ入力やメール対応などの業務から始め、徐々にスキルを磨くことで、対応できる仕事の幅が広がります。

就職活動においても、自分の未経験を正直に伝えつつ、学び続ける意欲や他の分野で培ったスキルをアピールすることが重要です。

たとえば、アパレル販売員としての顧客対応経験や、テレアポでの電話対応など、前職での実務経験は、事務職においても有用なスキルとなりますよ。

③家事代行・在宅介護

家事代行サービスは、掃除や洗濯などの家事を代行する仕事です。定期や不定期など利用者の要望に合わせて時間内で作業をします。

また在宅介護は、利用者宅を訪問し、生活の補助や身体介護をおこなう仕事です。料理や掃除、洗濯などの家事一般から、買い物代行、食事や入浴、排泄などの身体介助が中心になります。

資格や免許は不要であること、家事や育児の経験を活かしやすいことから、比較的気軽に起業できます。時間の融通が利くのもメリットです。

家事代行や在宅介護の仕事は、共働き世帯や一人暮らしの高齢者の増加にともない、ニーズが高まっているので、リピーターを増やせば安定した収入が期待できるでしょう。

④ブログ・メディア運営

ブログやメディア運営とは、Web上の媒体を運用していく仕事を指します。中でもオウンドメディアは自社がもっているメディアです。

オウンドメディアは企業が運営しているイメージが強いですが、個人でも運営することが可能です。収益化の方法としては、運用するメディア上に契約を結んだ企業やサービスの広告を設置する方法が一般的で、読者に有益な情報を発信しつつその広告にユーザーを集客することで対価として報酬を得るという形式になります。

ブログ・メディア運営では、売りたい商品やブランドに関する情報を発信することで自分自身にもブランド力が付くというメリットがあります。そのほかにも、広告費や人件費などコストを抑えた運営ができることや、Webマーケティングの知識が自然に身に付けられるのも利点です。

⑤Webライター

Webライターは、Webサイトで文章を作成する仕事です。パソコン(PC)ネット環境があれば始められるので挑戦しやすい職種と言われています。未経験でも始めることはできますが、SEOの知識やSNSを通した集客ができるようなライティングスキルが必要です。

企業に所属する専属ライターになる人もいますが、企業に勤めずに専業のフリーランスとして仕事を請け負う働き方もできます。

仕事は、求人サイトやクラウドソーシングなどで募集されていて、幅広い求人の中から自分の希望に合ったものを見つけられます。

SEOとは

Search Engine Optimizationの略で、直訳すると「検索エンジン最適化」。検索エンジンの検索結果のページ上位にサイトが表示されるためにさまざまな施策をおこなうこと

新卒でライターを目指したい人は、以下で必要な準備について解説しているのでチェックしてみてください。

⑥Webデザイナー・イラストレーター

WebデザイナーはWebサイトのデザインや編集をおこなう仕事で、イラストレーターは顧客の要望に応じてイラストを制作して提供する仕事です。

いずれも特別な資格はいらず、美術系やデザイン系の学歴も必須ではありません。未経験から独学して自営業として独立する人もいます。

ただし、始めたばかりの頃は実力がともなわず、見合った成果物を納品できないことも多いかもしれません。思うように収入につながらない可能性もあるため、独立するなら実力と人脈を身に付けた後がおすすめです。

自身のセンスを活かしたクリエイティブな仕事であるため、信頼を集めるほど仕事は増えていき、収入アップが期待できるでしょう

Webデザイナーの仕事が気になる人は、以下の記事で詳しく解説しています。併せてチェックしてみてください。

村谷 洋子

プロフィール

常に新しい技術やトレンドを学び続ける姿勢があり、独自のスタイルや得意分野を確立し、顧客のニーズに柔軟に対応する能力を持っている方です。

人的ネットワークを大切にし、自己ブランディングにも注力しています。

経験やスキルを仕事に活かせる職種6選

自営業の仕事を選ぶ場合、自分の得意分野から職種を見極める方法もあります。特に人材不足で需要が高く、将来性がある職種は狙い目です。

これまでの経験に見合った需要のある職種を選べば、会社員時代よりも収入が上がる可能性もあります。気になる職種が自分の長所や専門性とマッチしているかを考慮し、市場での差別化を図ることが大切です。

これまで培った経験やスキルを仕事に反映させることで、自信を持って商品やサービスを提供できるため、顧客からの信頼も得やすくなるでしょう

ここでは、経験やスキルを仕事に活かせる職種を紹介するので、自分の能力を最大限発揮できる職種を見つけてみてください。

もし自分の経験や好きなことを仕事にするのが不安な人は、以下の記事も併せて確認しましょう。好きなことを仕事にする際の注意点を解説しています。

関連記事

好きなことを仕事にするのはあり? 効果的な選び方をプロが解説

好きなことを仕事にする方法が気になる人は多いものです。この記事ではキャリアコンサルタントとともに、好きなことを仕事にするおすすめの方法と注意したいリスクを解説します。自分に合う仕事の見つけ方も紹介するので、納得いくキャリア選択をしましょう。

記事を読む

好きなことを仕事にするのはあり? 効果的な選び方をプロが解説

①ITエンジニア

ITエンジニアとは、情報技術を専門に扱う技術者の総称で、おもにコンピューターやソフトウェア技術を活用して、事業に貢献する仕事です。

自営業のなかでも最も需要があり、専門知識や経験がある場合は、経験に見合った職種を選ぶことで、収入アップが見込めます

ITエンジニアには、システムエンジニアからインフラエンジニアまで幅広いです。どのエンジニアもITに関する知識やスキルを活かすことで、仕事の幅が広がります。また顧客のニーズを聞き出す能力も必須なため、専門的な知識に加えて、コミュニケーションスキルも重要です。

労働人口の減少にともなう人材不足やさまざまな業界のIT技術の導入により、ITエンジニアの需要はますます増加することが予想されます。そのためフリーランスは収入が不安定になりがちだとされていますが、IT関連の仕事は需要があり、将来性が高いため、安定した収入が得やすいでしょう。

まず「学び続ける力」です。IT関連の仕事では技術の進歩が早いからです。

次に「プロジェクト管理スキル」です。予算や納期を守り優先順位をつける必要があります。最後は「ストレス管理」です。プレッシャーも多いため、ストレスと上手に付き合う必要があります。

エンジニアを目指す人は、以下の記事が参考になります。参考にしてみてください。

関連記事

例文8選|システムエンジニアの志望動機を新卒でも魅力的に作る方法

この記事では、システムエンジニアを目指す新卒就活生向けに志望動機を作成する際に知っておきたい基礎知識や盛り込むべきポイントなどを詳しく解説しています。キャリアコンサルタントによる、企業側の視点も解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。

記事を読む

例文8選|システムエンジニアの志望動機を新卒でも魅力的に作る方法

②翻訳者

翻訳者の仕事は、異なる言語の文章を相手の言語に訳すことです。

翻訳者と似た仕事に通訳者の仕事がありますが、、通訳者は異なる言語を話す人の間に入り、相手の言語に訳して伝えるのに対し、翻訳者は書面がメインで相手の言語に変換します

いずれも各業界の専門知識が必要になることも多いのが特徴で、フリーランスの翻訳者は、一般企業に属さずに自営業の形態をもちます。

翻訳者の種類は以下の通りです。

翻訳者の種類

  • 実務翻訳:さまざまなビジネス文書や学術書、マニュアル規定などの文書の翻訳
  • 出版翻訳:海外で出版された書籍や雑誌、児童書、歌詞などを日本語に訳す
  • 映像翻訳:映画やテレビ番組の字幕や翻訳台本を制作
  • Webサイトやアプリの翻訳:webサイトやスマートフォンアプリの翻訳

仕事をすればするほど、また高い専門性が必要な翻訳であるほど稼ぐことができ、努力次第で収入を増やすことができるのです。

③コンサルタントなどの経営サービス

コンサルタントとは、自身のスキルや経験、知識を活かして、企業や個人の経営略や業務プロセスの改善を図る仕事です。

高度なスキルが求められるため、経営経験がないと難しいですが、一案件のコンサル料が十数万円になることもあるため、高収入を狙いやすいと言えます

ただし、自営業のコンサルタントの場合、自身で営業をかけなくてはなりません。メールやSMSで知り合いに直接営業をかけたり、会社員時代の人脈を使って営業したりするなど、案件獲得のための下準備は必須です。

個人で活動する場合、専門範囲外の領域は専門企業に委託する必要が出てきます。そのため、頼れる専門家とのコネクションを作っておくことも大切です。

コンサルタントのなかでも、ITコンサルタントが気になる人は以下の記事で詳しく解説しています。

瀧本博史

プロフィール

自営業で成功するためには顧客のニーズを理解し、情報発信をしながら自身の存在価値を高めましょう。

また、業界イベントに参加して人脈を広げることも重要です。さらに、市場の動向や新技術に常にアンテナを張り、自己成長を続けることが必要です。

④公認会計士

公認会計士は会計のスペシャリストであり、専門性を活かせる仕事は多くあります。税務関連の業務やコンサルティング、M&Aのサポートなどの仕事などさまざまです。

会計士本人がいればビジネスが成り立つため、公認会計士として独立開業する際もハードルが低く、初期費用や経費の負担を抑えられます。

自分で仕事が選べるため、仕事量や稼働時間を調整でき、業務の自由度は広いと言えます。ただし引き受ける案件の数や案件の単価などによって、年収に個人差がある点には注意してください。

幅広い分野の仕事を担当すれば、スキルや実績が積めるため、より多くの仕事に挑戦できて、キャリアアップにつながります

⑤サロン経営

サロン経営とは、美容室やエステなどの店舗運営や管理をする仕事です。サロンのオーナーとして経営に専念するケースや、施術や接客もおこなう場合があります。

いずれにしても、店舗運営にかかわるすべてに責任を持つ立場です。サロンを運営していくために、収益を上げるための経営戦略、スタッフの教育、集客につながるメニューの開発や広告の出稿などもおこないます

サロン経営は、働き方の自由度が高く、働く時間や働き方を選ぶことができ、ライフスタイルに合わせて、結婚や出産後も自分のペースで働けます。また実店舗がない状態でも、シェアサロンなどによりフリーで施術をおこなうことも可能です。

また、雇われて働く場合は毎月の収入額は一定ですが、自営業であれば頑張り次第で収入アップが望めるのも魅力です。

サロン経営を検討している人は、以下の記事も参考になります。チェックしてみてください。

関連記事

例文付き! サロンの志望動機の鍵となる成長意欲を伝えるコツを解説

サロンの志望動機を魅力的にするためのポイントを、例文を交えながらキャリアコンサルタントとともに解説します。志望動機の書き方の手順や差別化のコツが知りたい人は参考にして、サロンの採用担当者を惹き付ける志望動機を作成しましょう。

記事を読む

例文付き! サロンの志望動機の鍵となる成長意欲を伝えるコツを解説

⑥YouTuber

YouTuberは、YouTubeという動画配信サイトで動画コンテンツを配信する職種です。動画を作って編集して公開し、再生数などに応じて広告収入が得られるため、動画の視聴回数がYouTuberの収入に影響します

また、YouTuberになるためには、動画編集スキルが必要です。スクールに通うなどして、基本的な知識は身に付けておきましょう。配信する動画ジャンルはさまざまなので、自分の得意分野を仕事にすることができます。

スマホの普及や5Gの導入などにより、動画コンテンツは追い風で、動画編集と同様に増加傾向です。有名芸能人やタレントも参入する人気のビジネスで、将来性が高い仕事だと言えます。

ただし、成長市場だけにライバルは多のも事実で、スキルや経験を得てから参入した方が、高収入につながりやすいです。

村谷 洋子

プロフィール

差別化するためには、専門知識や独自の視点を活かしたコンテンツを提供しましょう。

今後伸びそうなジャンルは、ニッチな趣味、教育・学習コンテンツ、ヘルス&フィットネス、VRコンテンツ、DIY、サステナビリティ関連の動画です。

YouTuberのような人前に出る仕事に興味がある人は、以下のQ&Aコンテンツもおすすめです。

飲食店経営なども自営業に含まれる! 場所などの準備が必須な業種も併せて紹介

ここまで紹介したのは自営業を始めやすい職種でしたが、ここからは店舗やオフィスなどが必要な職種について、紹介します。

自営業のなかには、店舗やオフィスを構えて、そこに来た顧客に商品を販売したり、サービスを提供する飲食店経営や賃貸業なども含まれます。

開業に店舗や事務所が必須な職種

  • 賃貸業や仲介業などの不動産関連
  • 税理士
  • 弁護士
  • 開業医などの医療関係職
  • 飲食店経営
  • コンビニなどの小売店経営
  • 宿泊施設経営
  • 学習塾整体などのサービス業経営

また、農業や漁業などの自営業や移動販売などを自営するためには、拠点となる店舗を用意し、スタッフの採用と教育などの準備が必要です。また、資格や免許が必要になることがあるので、事前にしっかり調べておきましょう。

その他準備が必要な職種

  • 農業や漁業
  • 移動販売や配食サービス

農業を志望する人は、以下の記事で仕事内容や業界の特徴を紹介しているので参考にしてみてください。

関連記事

農業の志望動機で熱意を伝える方法|就活のプロが例文付きで解説

農業の志望動機は、応募先の仕事内容を把握し、他社との違いを理解するのが大切です。この記事では、農業の志望動機の書き方や例文をキャリアコンサルタントとともに解説します。面接官の心に響く志望動機を作り、選考突破につなげましょう。

記事を読む

農業の志望動機で熱意を伝える方法|就活のプロが例文付きで解説

自営業に向いている人の特徴を踏まえて自分に合った選択肢で挑戦してみよう

自営業は会社や組織に属さずに独立して生計を立てる働き方で、自分の裁量で事業運営できる自由度の高さが最大の魅力です。

自営業といってもさまざまな職種があるため、自分がどのような職種で働きたいのかを明確にし、成功するためのコツを押さえておくことも大切です。

これから独立して自営業を目指す人は、自営業への適性をチェックしたうえで、自分自身を活かせる仕事や需要のある仕事を見つけて活躍してくださいね。

アドバイザーコメント

自営業は働き方の自由度が高い分明確なビジョンを持てるかが鍵

会社員とは異なり、自営業者は自分の好きなことを仕事にできるメリットがあります。働き方も自分で決めることができ、プライベートと仕事の両立も可能です。事業が軌道に乗れば、会社員時代の収入を超えることもできます。

しかし、そのためには、自分は何に向いているのかを知り、その業界の動向を分析し、新しい知識や技術を学ぶ意欲が必要です。明確なビジョンを持ってどのように世の中に貢献したいのかを考え抜いてください。

平坦な道ではないとしても前向きに取り組んでチャンスに変えていこう

一人目の顧客を獲得できたら、徹底的にフォローし、そこから紹介を得ながらファンを増やしていきましょう。さまざまな場所に出向き、人脈づくりをおこないます。

自分をアピールするだけでなく、これからファンになる人たちにどのような価値を提供できるのかを熱心に伝えてください。

収入が安定しないなど、ビジネスの初期は不安がつきものです。長期的な視点に立って、さまざまな情報を収集し、柔軟に対応することで乗り越えることができます。「ピンチはチャンス」という思いを持ってチャレンジしてみてください。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

> コンテンツポリシー

記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

> メッセージを読む

関連Q&A

記事カテゴリー

Q&Aカテゴリーはこちら

関連Q&A

目次

おすすめ対策ツール・資料

TOP

PORTキャリア