どんな仕事をしようか考えたときに、「好きなことを仕事にしてみたい」と感じる人は多いものです。好きなことをしながらいきいきとお金を稼ぐような生き方には憧れますよね。
好きなことを仕事にするのは可能ですが、そこにはリスクや大変な面もあります。そのデメリットを事前に知らないと、せっかく好きな仕事に就いてもすぐに失敗してしまったり、イメージと違って後悔したりする可能性があります。
この記事ではキャリアアドバイザーの平井さん、秋田さん、谷所さんとともに好きなことを仕事にする方法と注意点を解説するので、リスクを踏まえて慎重に判断できるようにしましょう。
好きなことを仕事にするならリスクを踏まえた覚悟と努力が必要
好きなことを仕事にしたいと思っても、難しいという話を聞いたり、周囲から反対されたりしたことがある人もいるのではないでしょうか。
好きなことを仕事にしている人が少ないのには理由があります。記事ではまず好きなことを仕事にしている人の割合やデメリットを解説するので、どのような点に注意すべきなのかを確認しましょう。
後半では好きなことを仕事にする方法を3ステップに分けて解説するので、リスクを抑えるポイントをつかんでください。最後に自分に合った仕事の探し方も解説するので、この記事で好きなことだけに限らず、後悔のない仕事選びができるようになりましょう。
面接が上手くいかないときは、面接回答集を活用してください
面接で聞かれる質問に答えられるか不安ですよね。ただ、何を質問されるか分からず対策しようにも出来ない人は多いはず。
そこで、活用したいのが無料の「面接回答例60選」です。この資料があれば、人気企業の面接でよく聞かれるような質問とその答え方60通りが一目でわかります。
どんな質問が来ても確実に回答できるようになれば、面接はもう怖くありません。今すぐ活用し、面接を突破するのに役立てましょう!
好きなことを仕事にしたいと考える4つの理由
好きなことを仕事にしたいと考える4つの理由
- 仕事の時間も楽しみたいから
- 自然と努力して活躍できそうだから
- 嫌なことをやりたくないから
- ほかに興味のあることややりたい仕事がないから
好きなことを仕事にしたいという人は多いですが、その理由はさまざまです。なぜ自分が好きなことを仕事にしたいのかという目的を認識しておくと、仕事を選ぶうえで自分にとって大事な点が理解でき、ギャップが少なくなります。
自分では気付いていない隠れた本音もあるかもしれないので、ここで解説する4つの理由から、まずは好きなことを仕事にする魅力を把握しましょう。
好きなことを仕事にして自由に働きたいと思う学生も多いと思います。以下の記事では自由でやりがいのある仕事についてまとめているので参考にしてみてください。
自由なやりがいのある仕事33選! 3ステップで適職を探そう
①仕事の時間も楽しみたいから
毎日自分の好きなことをして過ごせたら、仕事の時間も仕事と感じず楽しく働けそうですよね。特に「好きなことさえしていれば幸せ」という人は、仕事の時間も無駄にせず、ずっと好きなことをしていたいと考えているのではないでしょうか。
また仕事と好きなことが同じあれば、多少つらいことや大変なことがあっても、苦に感じず乗り越えられると考える人もいるかもしれません。そのため仕事の時間も楽しめそうというのは、好きなことを仕事にするのが魅力的な理由の一つです。
好きなことを大事にして「自分らしく生きたい」と考える人もいますよね。自分らしく生きるためのコツはこちらの記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
自分らしく生きるためには? すぐできる11個のコツとやめるべきこと
②自然と努力して活躍できそうだから
「好きこそものの上手なれ」という言葉があるように、好きなことなら自然と夢中になって上達していくはずと考える人もいるかもしれません。
好きなことだと何時間でも取り組めるので、おのずと能力や知識が身に付き、努力も努力と感じないこともありますよね。仕事でも勉強や努力は必要ですが、好きなことを仕事にすれば、苦労しなくとも成長して活躍できると考える人も多いでしょう。
実際の相談者の話を例に出すと、新卒で事務職に就いたけれども、運転が好きで人に喜ばれる仕事がしたいという思いからバスの運転手への転職を希望している人がいました。
バス会社が自社養成する求人募集に応募して、1社目ではうまくいきませんでしたが、諦めず面接対策をしっかりおこない、2社目で合格しました。「好きだから自然と努力できる」というのが表れたエピソードだと思います。
③嫌なことをやりたくないから
仕事は1日の3分の1を占め、それが週5日となると人生の多くの時間を仕事をして過ごすことになります。そう考えると、どうせ働かないといけないなら嫌いなことではなく好きなことに取り組みたいと思う人もいますよね。
嫌なことや苦手なことであれば力を発揮できないだけでなく、時間が過ぎるのも遅く感じて毎日が苦痛に感じるかもしれません。その反面、好きなことであれば多少のストレスはあってもモチベーションを保って頑張れそうですよね。
そのためできるだけ嫌な仕事を避けたいというのも、好きなことを仕事にしたい人に多い理由の一つといえます。
こちらのQ&Aでは、「ストレスの少ない仕事は?」という質問にキャリアアドバイザーが回答しています。嫌なことをやりたくないという人はぜひ併せて確認しましょう。
④ほかに興味のあることややりたい仕事がないから
好きなことを仕事にしたいと考える人の中には、何か「これがやりたい」という明確な仕事があるというより、ほかに興味のあることが思い浮かばないからという人もいるかもしれません。
仕事を探さないといけないと思っても特にやりたいことがないと、業界研究をしたり世の中の仕事を調べたりすることになかなかモチベーションが上がらないものです。そのため積極的に好きなことを仕事にしたいわけではなく、ほかに選択肢が見えていないからそう考えているだけというパターンもあります。
「やりたいことはないけどなんとなく楽しい仕事をしたい」という人もいるでしょう。こちらの記事では楽しい仕事20選と自分に合う仕事の選び方を解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
楽しい仕事20選|3ステップで自分にぴったりの仕事を見つけよう
アドバイザーコメント
平井 厚子
プロフィールを見る好きなことを仕事にする流れはインターネットの影響もあると分析できる
「好きなことを仕事にしたい」と考える人が増えてきたのは、インターネットの影響が大きいのではないでしょうか。この意味は2つあります。
一つは、インターネットやSNSを通じて、やりたいことや好きなことを仕事にしている人たちの情報発信が容易になり、情報を受け取る側もそういった事例に触れる機会が増えたこと。「自分にも可能性があるのでは」「自分も好きなことを仕事にしてみたい」と思うようになったのではと思います。
自分でビジネスを立ち上げるハードルが低くなったといえる
もう一つ、インターネットを使うことで実際にビジネスを立ち上げるハードルが低くなったこともあると思います。
自分でモノをつくって販売したいと思えば、これまでは実際に店舗を借りて品物を並べるという形が一般的でした。しかしインターネットの利用により、実店舗を持たなくても自分の商品を販売し、SNSやネット媒体を使って宣伝ができるようになりました。
モノを売らない無形サービスでも、パソコンとインターネット環境があれば提供できることが増えています。
このような環境の変化が、「好きなことを仕事にする」志向を拡げているのではないでしょうか。
好きなこと以外にも、仕事を選ぶ基準はさまざまにあります。こちらのQ&Aでキャリアアドバイザーがわかりやすく解説しているので、気になる人はぜひ確認しましょう。
あなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
好きなことを仕事にしている人はどれくらいいる? 割合と本音
好きなことを仕事にする魅力を解説しましたが、実際は「好きなことを仕事にしたらつらい」「デメリットが多い」などと聞くこともあり、実態がどうなのか気になる人もいますよね。
日本ではどれくらいの人が好きなことを仕事にしているのでしょうか。内閣府が15~29歳を対象に実施した若者の考え方についての調査によると、「何のために仕事をするのか」に対して一番多かった回答は「収入を得るため」の63.4%で、次が「自分の生活のため」の51%、好きなことに近い「夢や希望を叶えるため」は意外にもわずか15%でした。
15〜29歳という若年層でさえこの結果だと考えると、好きなことをしたいからという理由で仕事をしている人は少数派かもしれません。多くの人にとっては自分や家族の生活のためにお金を稼ぐというのが、働くことの大きな理由だといえます。
社会人のリアルな声をさらに知りたい人は、こちらの記事がおすすめです。「働くとは?」というテーマを深く掘り下げて、働く意味の考え方を解説しています。
働くとは? 社会人のリアルな声から働く意味を考えよう
- お金のために働いている人が多いとわかっていても、どうしても好きなことを仕事にすることに魅力を感じてしまいます……。
徹底的に調べたうえで期間を決めて挑戦するのもあり
どうしても好きなことを仕事にしたいならば、まずその仕事についてしっかり研究してみることが第一です。好きな仕事への期待が大きすぎると、現実との違いを知ったとき嫌になってしまうことがあるからです。
それでも好きなことを仕事にしたいと思ったならば、後悔しないために期間を決めてでもチャレンジしてみるべきだとアドバイスします。
収入面で難しいときは、副業でスタートするという方法もありますよ。
こちらのQ&Aでは、「やりがいのある仕事」についてキャリアアドバイザーが解説しています。やりがいを感じて働きたい人はぜひ参考にしてください。
好きなことを仕事にする場合に生じやすいデメリット
好きなことを仕事にする場合に生じやすいデメリット
- 趣味の分野が多いのでお金につながりにくい
- 理想と現実とのギャップを感じやすい
- 好き/嫌いの二択で考えてほかの選択肢を見逃しやすい
好きなことを仕事にしている人の割合の調査結果を見て、好きなことを仕事にする魅力はたくさんあるのに、実行している人が少ないのはなぜだろうと疑問に思った人もいるかもしれません。
ここでは好きなことを仕事にする場合に生じやすい3つのデメリットを解説します。デメリットを知らずに好きなことを仕事にするのはリスクがあるため、必ずこの3点を確認しましょう。
趣味の分野が多いのでお金につながりにくい
総務省統計局の令和3年社会生活基本調査によると、日本人の趣味・娯楽は「音楽鑑賞、映画鑑賞、ゲーム、マンガを読むこと、読書」が上位5位となっています。
好きなことが趣味とほぼ同義だとすると、映画を見ることやゲームをすることで稼ぐ必要があります。中には「映画評論家」「プロゲーマー」のような仕事もありますが、専業で食べていける人は一握り。このように娯楽としての好きなことは、そもそもお金につながりにくいのです。
反対に仕事というのは誰かがやらなければならないものであり、だからこそ給料をもらえます。たとえばゲームが好きな人はたくさんいても、保険を売るのが好きという人はあまりいないですよね。好きでやっていることやみんながやりがることで感謝されて、お金をもらうのは難しいのです。
反対に、お金につながりやすい仕事には何があるのか気になる人もいるかもしれません。こちらの記事では給料が高い仕事100選を紹介しているので、ぜひ併せて読んでみてください。
給料が高い仕事TOP100|特徴から就活のコツまで徹底解説
理想と現実とのギャップを感じやすい
好きなことを仕事にできると思うとうれしいものですが、その分、給料や勤務時間・働く環境などを熟慮せずに就職や起業を決めてしまう人も多いです。
好きなことに対してはデメリットが見えにくくなるので、実際に働き始めてからさまざまなギャップを感じやすくなります。
好きなことを仕事にして感じるネガティブなギャップの例
- 予想以上に給料が低い
- 好きなことなのに自分の好きなようにできない
- 好きだと思っていたが四六時中やると飽きる
- 自分よりもっと得意で詳しい人がいるとつらい
上記のようなギャップを感じると、理想が高かった分「こんなはずではなかった」と落胆して、辞めてしまう人も多くいます。
また、自分が仕事に対して本当に求めていた価値観に気付いて転職する人もいます。そのため好きなことを仕事にして長く続けられる人は意外と少ないのです。
感じるギャップの大きさは、「好き」の程度にもよるかもしれません。仕事を決めるときに好きだったのは本当だとしても、仕事として取り組むほどには好きではなかったということもあります。
少し興味があった程度の場合だと、興味が覚めてしまうのでしょう。
39点以下は要注意!就活の弱点を克服するために今すぐ診断しよう
就活では気をつけるべきことが多いです。いざという時に「その対策はしていなかった…」と後悔したくないですよね。
後悔せずに就活を終えたい人は、今すぐ「就活力診断」で診断しましょう。たった30秒であなたの弱点を判定し、これからするべき就活対策がわかるようになります。
無料で使えるので今すぐ診断し、就活で後悔しないようになりましょう!
好き/嫌いの二択で考えてほかの選択肢を見逃しやすい
エン・ジャパンが2018年に9,297人の転職者から回答を得た仕事のやりがいと楽しみ方調査によると、仕事においてやりがいを感じることの上位3つは「お礼や感謝の言葉をもらうこと」「仕事の成果を認められること」「目標を達成すること」です。
またビズヒッツが2020年に働く男女500人に実施した仕事が楽しいと思う瞬間に関する意識調査でも、仕事を楽しいと思うときの上位3つは「感謝されたとき」「仕事がうまくいったとき」「顧客や会社に貢献できたとき」と同じような結果となりました。
仕事においてやりがいを感じること | 仕事を楽しいと思うとき | |
---|---|---|
1位 | お礼や感謝の言葉をもらうこと | 感謝されたとき |
2位 | 仕事の成果を認められること | 仕事がうまくいったとき |
3位 | 目標を達成すること | 顧客や会社に貢献できたとき |
4位 | 仕事をやり遂げること | 人とかかわっているとき |
5位 | 自分の成長を感じること | 職場環境・人間関係が良いとき |
このように、実際は仕事のやりがいに「好きかどうか」はあまり関係がなく、成果を上げて感謝されるときや、目標を達成して貢献できたときにやりがいを感じる人が多いのです。
好きなことを仕事にしたいと考える人の中には、好きなことでしか仕事を楽しめないと思い、好き/嫌いの2択で選んでしまう人もいます。しかしこのデータを踏まえると、ほかの仕事で活躍できる可能性を見逃すリスクがあるともいえるのです。
長い社会人生活では仕事のやりがいは非常に重要なポイントです。仕事のやりがいの見つけ方はこちらの記事で解説しているので、ぜひ併せて参考にしましょう。
やりがいで働き方が変わる! 見つけ方を3ステップで解説
アドバイザーコメント
秋田 拓也
プロフィールを見る好きなことは趣味だから楽しい! 仕事となると別物
好きなことを仕事にするのは誰もがうらやましいと感じるものですが、実際に趣味を仕事にした場合、「~しなければならない」という制約も多く、自由度が低くなってしまうこともあります。
好きなことは、自分の好きなようにできる「趣味」だからこそ楽しいということではないでしょうか。その「理想と現実のギャップ」を感じることを理解しておく必要があります。
自分のこだわりが邪魔になったり趣味を楽しめなくなったりすることも
趣味には自分の個性や価値観が強く出るので、独自性という面では強みになるかも知れませんが、こだわりが強すぎると受け入れられない可能性があります。
また仕事として考えると、創造的な発想に偏りを生んでしまうので、社会ニーズの変化に対しても柔軟に対応できないかもしれないというデメリットが考えられます。
利益を出すために趣味を始める人は少ないと思います。通常の場合、趣味の延長から「利益を生む」ケースがほとんどでしょう。
利益を出すことへの囚われが強くなると、趣味の本質や方向性が大きく変わってしまうデメリットもあります。そうすると趣味が趣味ではなくなってしまうかも知れません。
専門家に聞いた! 好きなことを仕事にするのはあり? なし?
ここまで好きなことを仕事にする魅力やデメリットを解説してきましたが、好きなことを仕事にするのが自分にとって良い選択なのか、やめた方が良いのかわからなくなってしまった人もいるかもしれません。
では、多くの求職者を支援してきたキャリアの専門家はどのように考えているのでしょうか。
人事として1万人以上との面談経験があり、大学でキャリアデザイン講座も担当してきた谷所さんに、「好きなことを仕事にするのはありかなしか」を聞いてみました。迷っている人はぜひ専門家の考えも参考にしてみましょう。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る好きなことを仕事にするのはあり! ただし迷いがあるなら焦らずに
好きなことを仕事するのは、ありだと考えます。好きなことがある人は、ない人と比べて仕事に楽しみややりがいを見出すことができます。
得意だというだけで仕事にすると、何でもすぐにできてしまい飽きてしまうことがありますが、好きなことであれば、常に向上心を持って仕事をおこなうことができるものです。
ただし好きなことを仕事にしても、つらいことや思うようにならないことがあることを認識しておきましょう。できれば就きたい仕事に従事している人から、話を聞いてみると良いですね。
つらいことや厳しさを乗り越えて前向きに取り組んでいくことができる人なら、好きなことを仕事にして成功する可能性は高いでしょう。
うまくいかなくても「やらない後悔」より「やった後悔」の方が良い
俳優や芸人になりたい人から相談を受けることがありますが、なりたい気持ちに迷いがないならばチャレンジするようにアドバイスします。
「好きなことを仕事にするのはありかなしか」を相談する人の多くが、「あり」という回答を求めているからです。
しかし、自信がなくてうまくいかないことを不安に感じているなら、好きなだけではどうしようもないこともあるので、無理をする必要はないでしょう。
生活面で不安があるならば、あらかじめ期間を決めてチャレンジしてみてはというアドバイスをすることもあります。
好きなことを仕事にしたいならば、後悔しないためにも就きたい仕事の実情を十分理解したうえでやってみるべきです。何もせずに諦めたら、一生悔いが残るかもしれません。
やってうまくいかなくても、やった後悔の方が得るものが多いでしょう。
39点以下は危険!就活の弱点を克服するために今すぐ診断しよう
就活では気をつけるべきことが多いです。いざという時に「その対策はしていなかった…」と後悔したくないですよね。
後悔せずに就活を終えたい人は、今すぐ「就活力診断」で診断しましょう。たった30秒であなたの弱点を判定し、これからするべき就活対策がわかるようになります。
無料で使えるので今すぐ診断し、就活で後悔しないようになりましょう!
好きなことを仕事にするなら覚悟すべき3つのポイント
好きなことを仕事にするなら覚悟すべき3つのポイント
- すぐにはうまくいかない可能性がある
- 仕事なのでやりたくないこともやる必要がある
- 趣味とは違い結果を求められる
好きなことを仕事にするのはありかなしかについて、専門家の意見を紹介しました。これまでの内容を踏まえて、リスクがあってもやっぱり好きなことを仕事にしたいと思ったら、行動を始める前に大切な心構えを把握しておきましょう。
好きなことを仕事にするといっても、楽しいことばかりではなく大変な面もあります。事前に覚悟しておくべき点を把握することでより成功に近付くので、ここで解説する3つのポイントを理解して、着実に理想をかなえてくださいね。
①すぐにはうまくいかない可能性がある
先述のとおり、好きなことというのはお金につながりにくい分野が多く、仕事があったとしてもアルバイトやフリーランスから始める必要がある場合が多いです。
たとえばアニメ好きでアニメーターになりたいと思っている場合を例に取ると、雇用形態はフリーランスや業務委託がほとんどであり、特に未経験であれば正社員の求人はごくわずかです。
フリーランスで働く場合、新人のアニメーターは1枚150〜200円ほどの相場からスタートするといわれていて、専業で生活するのは難しいでしょう。フリーランスに限らなくても、総務省のアニメーター実態調査によると20代のアニメーターの平均年収は約200万円です。
このように最初は低い時給からスタートして、徐々に実績を積みながら成功を目指すのが一般的です。もちろん順調に進むとも限らないので、好きなことを仕事にするならすぐにはうまくいかない可能性を受け入れる覚悟が必要です。
アニメにかかわる仕事を志望している人は以下の記事も参考にしてみてください。仕事内容を詳しくまとめています。
アニメにかかわる仕事を網羅! 各仕事の魅力・就職する方法とは
- 反対に、好きなことを仕事にする場合でも、稼ぎやすい職種や業界はあるのでしょうか?
専門性や社会のニーズが高い仕事なら比較的稼ぎやすい
資格保有者の有効性が高い仕事や、専門性が必要な仕事は、できる人が限定されてくるのでニーズも高く、安定して稼ぎやすい仕事だと言えます。
社会ニーズの高い業界や、IT、Web関連、SNS活用といった仕事は市場価値も高く、得意なことが活かせる分野だと思います。
またライティング、出版、オリジナル作品販売なども好きなことの延長であることも多く、実績を積んだり評価が高くなったりすれば、依頼や利益も増加するでしょう。
ここで知っておいてほしいのは、最初から高利益を求めないことです。自分が「やりたいことの本質をやり抜く」ことを認めてもらえれば、実績や評価につながっていくはずです。
②仕事なのでやりたくないこともやる必要がある
好きなことを仕事にしたら、自分のやりたいことだけできると考える人もいるかもしれません。しかし実際には、一般的にイメージできる仕事内容以外にも、隠れたやるべき業務というのはさまざまあるものです。
たとえばフリーランスとして仕事をする場合、以下のように営業や事務的な作業も一人でこなす必要があります。
隠れた業務の例(フリーランスの場合)
- SNSやブログで定期的に情報を発信して新規顧客を得る
- 価格や納期についての交渉や商談をする
- 普段から収支の記録を付けて確定申告をする
もし自分の好きなことだけに集中したいと考えていたり、嫌なことを避けるために好きなことを仕事にしたいと考えていたりするなら、実態とは少しギャップがある可能性が高いです。あくまでも仕事としておこなうため、趣味のように楽しむだけにはいかないということを認識しておきましょう。
たとえば私の場合も、アドバイザー業務以外にSNSやブログはほぼ毎日発信していて、YouTubeも定期的に配信しています。
また原稿の監修や執筆などの納品時期の交渉や、税理士に提出する書類をまとめる仕事も、外からは見えない「隠れた業務」の一部ですね。
③趣味とは違い結果を求められる
好きなことを仕事にすると趣味の延長のように楽しめそうというイメージも抱かれがちです。もちろん楽しい部分もあるはずですが、趣味としておこなうわけではないため、結果が求められることに注意が必要です。
たとえば本が好きで出版社の編集者を目指す場合、自分が読みたい本のアイデアを出せば良いというわけではありません。もし作った本が売れなければ、出版社だけでなく作家や印刷会社、書店、取次など多くの関係者に利益が入らないことになります。
そのため好きなことであっても、顧客が求めているものは何か、成果を上げるにはどうすれば良いかという点を考えることが求められます。好きなことを自分の好きなようにやりたいというこだわりが強い人には、特に覚悟が必要なポイントです。
「理想と現実」の違いが大きい場合、どこまで妥協できるかもポイントになると思います。
好きなことならこだわりも強くなるはずなので、妥協できずに周りの人との意見の相違などでトラブルが発生しやすいかもしれません。好きなことを仕事にするなら、この点も踏まえておきましょう。
3ステップで後悔を防ぐ! 好きなことを仕事にする方法
好きなことを仕事にするうえで注意すべき点を理解できたら、実際にどのように行動していけば良いかを確認しましょう。
ここからは好きなことを仕事にする方法を3ステップに分けて解説します。それぞれのステップを忘れずに実施することで、より後悔のない選択ができるようになります。必ず参考にしてから取り組んでみてください。
ステップ①明確な目標を定める
ステップ①明確な目標を定める
- 好きなことの「何が好きか」を具体化する
- 働くうえでほかにも譲れないことを書き出す
好きなことを仕事にしたいと思っていても、「絶対にこれをやりたい」というような目標がなく、漠然と考えている人も多いのではないでしょうか。
好きなことを仕事にする場合、目標を具体的に定めておかないと的確な行動に移せないだけでなく、希望とは違う結果になってしまうこともあります。ここでは明確な目標を作る方法を2段階に分けて解説するので、参考にしながら考えていきましょう。
好きなことの「何が好きか」を具体化する
ゲームが好きでゲームプランナーの仕事をしたいと考えている場合を例に挙げます。一口にゲームが好きといっても、あくまでも自分がプレイするのが好きであって、ヒット作を生み出したり制作チームの指揮を取ったりしたいと考えている人は稀でしょう。
そのため「ゲーム」という単語だけで仕事を選ぶと、実際の業務内容と自分の好きな部分がミスマッチを起こす可能性が高く、リスクがあります。以下のように、好きなことの何が好きかをできるだけ具体的に書き出していきましょう。
好きなことの何が好きかを具体化する例
「ゲームが好き」
↓
・目標をクリアしたりゴールまでたどり着いたりするのがうれしい
・どんどん自分のレベルが上がっていくのが楽しい
・難しい局面を乗り越えたときの達成感が好き
上記のように考えると、ゲームの仕事の中でも発想力や企画力が重要なゲームプランナーや、デッサン力が求められるゲームデザイナー、チームワークや統率力が不可欠なゲームディレクターなどは自分の本当に好きなこととはずれている可能性があります。
例の場合だと、黙々と自分のスキルを磨いていくゲームプログラマーが一番マッチしているかもしれません。このように好きなことの何が好きかを細かく言語化していくと、目指す仕事が明確になり、ギャップが少なくなりますよ。
ゲーム業界を志望している人は以下の記事をぜひ参考にしてみてください。志望動機の書き方のコツをまとめています。
ゲーム業界の志望動機は「好き」だけではNG? 差別化のコツを解説
自分の価値観や適性を見極めるには、何より自己分析が重要です。まだ実行していない人は、こちらの記事でコツとやり方を確認しましょう。
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説
自己分析はシートを活用すると便利です。以下の記事では15分で自己分析をおこなう方法と6つのフォーマットを紹介しているので、ぜひ自己分析を深めてください。
簡単15分! 自己分析シートのフォーマット6選
働くうえでほかにも譲れないことを書き出す
好きなことを明確にしたら、就職活動を始める前に「好き」という観点以外からも仕事に求める価値観を考えてみましょう。
いくら好きな分野であっても、自分に合わない環境だったりまったくお金を稼げなかったりすると、段々疲れていってしまうものです。先述のとおり働くやりがいは好きとは関係のないことも多いので、自分は仕事にどんなことを求めているかを整理することが大切です。
何を指標にすれば良いかよくわからない人は、以下の項目を参考に自分の理想を考えてみましょう。もちろんすべての条件を完璧に満たす仕事をすぐに見つけるのは難しいので、絶対に譲れないことを上位3つほどに絞っておくと、ぶれずに判断ができておすすめです。
働くうえで譲れないことのアイデアの例
- 給料:月給〇円以上、年収〇円以上など
- 勤務地:「絶対に〇〇県が良い」「合う仕事なら引っ越しても良い」など
- 転勤の有無:「同じところで働き続けたい」「転勤があっても良い」など
- 勤務形態:正社員、契約社員、アルバイト、業務委託、フリーランスなど
- シフト:時間固定制/交代制、平日休み/土日休みなど
- 勤務時間:「なるべく残業したくない」「残業しても良いから稼ぎたい」など
- 社風:堅実、自由、まじめ、落ち着いている、勢いがあるなど
- 人間関係:「仲の良い組織が良い」「あっさりした人間関係が良い」など
- キャリア観:「若いうちから成長して転職も視野に入れる」「堅実な会社で着実に力を付けたい」など
自分の譲れない点がやりたい仕事で実現できないなら、そのデメリットも覚悟のうえで目指すか、もしくはほかに自分に合った仕事を探すのが良いかもしれません。好きなこと以外でも適職はあるので、見つけ方については後ほど解説します。
- 好きなことを仕事にしたいけど、給料も譲れないので迷っています……。
どのような働き方で・いつまでに実現したいのかを考えよう
それを本業にしたいのか、それとも収入を確保する仕事を持ちながら好きなことを仕事にする道を考えたいのか。また今すぐ好きなことを仕事にしたいのか、いずれ実現できれば良いのか……。
このように検討して作戦を立ててはどうでしょうか。作戦を立てる中で、あなた自身の働き方の希望も明確にできるはずです。
また一人で考えるより、学生であればキャリアセンターのアドバイザーなどと一緒に考えると、選択肢が広がると思います。
働くうえで譲れないことを考えるには、こちらの記事もおすすめです。納得できる企業選びの軸の見つけ方を、軸90選付きで解説しています。
就活の軸一覧90選! 納得できる企業選びの基準の見つけ方も解説
ステップ②仕事の解像度を高める
ステップ②仕事の解像度を高める
- 活躍している人がどんな経験を積んでいるか調べる
- 話を聞いたり調べたりして実態を見極める
自分のやりたいことと大事にしたい点が定まったら、興味を持った仕事について実際に調べていきましょう。やみくもに挑戦すると遠回りになる可能性があるので、まずは仕事の解像度を高めることが重要です。
また先述のとおり、好きなことに携わる仕事は理想と現実のギャップを感じやすいので、調べる中で仕事の実態も見極めてください。ここでは2つの大事なポイントを解説します。
活躍している人がどんな経験を積んでいるか調べる
好きなことを仕事にしようと思っても、具体的に何をすれば良いのかわからない人もいますよね。好きなことは趣味などの正解のない分野が多く、「この資格があればできる」「これさえ勉強していればなれる」というような確立された目指し方があまりないからです。
そのため好きなことを仕事にするなら、すでにその分野で活躍している人を参考にしてみましょう。ネットで検索してブログを書いている人やメディアに取り上げられている人を見つけ、その人たちが過去にどんな経験を積んできたのかをさらに調べてみてください。また図書館でその分野の本を探して著者の経歴を見るという方法もあります。
すでに活躍している人の方法であれば再現しやすく、また自分が知らなかった必要な経験や知識も見えてくるかもしれません。ぜひそこから自分が何をすべきか考えてみましょう。
活躍している人を調べる際は、自分のモデリングとなる人物を見つけることがポイントです。
「どんなことをやってきたのか」「どんな方法でおこなっているか」などを自分流に取り入れて実践していくことで、自分らしく実現できるのではないでしょうか。
話を聞いたり調べたりして実態を見極める
必要な経験やスキルがわかったら、その仕事に就いてからの実態も調べていきましょう。せっかく希望の仕事に就くことができても、想像と違う部分が多くて後悔することはよくあるからです。
実態を見極めるには、特に人に話を聞くことが有効です。ネガティブな情報や大変な部分は表には出てこないことが多いので、実際にその仕事で働いている人や経験がある人に話を聞いてみてください。
経験者に話を聞くおもな方法
- 学校のキャリアセンターを利用してOB・OG訪問を実施する
- 企業や個人のホームページ(HP)から直接問い合わせをする
- OB・OG訪問のアプリやサービスを使う
- 知り合いの周囲に話を聞ける人がいないか相談する
もし上記の方法が難しければ、本やネットからできるだけ経験者が書いている情報を探すという手もあります。最近はYouTubeに動画を上げている人も多いので、「〇〇 実態」「〇〇 働き方」のように検索して、良い部分だけでなくデメリットやつらい部分も冷静に見極めてくださいね。
社会人に話を聞くOB・OG訪問は、ビジネスマナーを守らないと失礼になってしまう可能性があります。こちらの記事で正しい手順や就活への活かし方を確認しましょう。
OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅
このステップで解説した「解像度を高める」とは、その仕事について具体的にイメージできることですね。
上記の4つの方法以外にも、志望している仕事と同じジャンルの商品を実際に購入する、サービスを受けてみるというのも一つの手です。受け手になると、今まで見えていなかったことが見える可能性があります。
ステップ③好きなことで稼ぐ力を付ける
ステップ③好きなことで稼ぐ力を付ける
- 必要な資格や知識があれば勉強する
- アルバイトや副業などから実績を積んでいく
仕事の理解が深まって目指す意欲が固まったら、好きなことを仕事にする実践段階に移りましょう。
繰り返しになりますが、好きなことでいきなり稼ぐのは難しいことが多いです。ただし成功に近付くために今からできることはあるので、ここで解説する2つの方法から、好きなことで稼ぐ力を身に付けていってください。
必要な資格や知識があれば勉強する
好きなことで稼ぐには、単に「好き」という情熱だけでなく、資格や経歴などの「信頼できる肩書」が必要になることが多いです。
たとえばフリーランスの英語講師を目指すなら、プロフィールに「洋画や洋楽が好き」とだけ書くよりも、「TOEIC950、英検準1級、留学経験2年」などと書く方が実力をアピールできて顧客も集まりそうですよね。
自分の好きなことや趣味はほかにも好きな人がたくさんいることが多いので、好きという気持ちだけでは差別化が難しいのです。まずはステップ②の内容をもとに、自分が目指している仕事でどのような資格や知識が必要かを調べて、実力を付けて趣味を仕事に変えましょう。
業界別に活かせる資格をいち早く知りたい人は、こちらの記事を活用してください。就職に有利になりやすい資格33選を解説しています。
就職に有利な資格33選|業界・状況別であなたに合った資格を解説
アルバイトや副業などから実績を積んでいく
いきなり資格を取るのが難しい場合や、すぐにその仕事に就きたい場合は、副業やアルバイトなどからまず少しずつ稼いでみる方法もあります。
実績を得ることで新たな仕事も獲得しやすくなっていき、経験自体が実力を示す代わりとなってくれます。また仕事への適性を見極めることもできるので、手っ取り早く試してみたいという人には特におすすめです。
中でもデザイナーやライター、エンジニア、翻訳などのクリエイティブな仕事は、クラウドソーシングサイトで募集されていることが多いので、以下のサイトの例を参考に、自分が応募できる案件がないか調べてみてください。
クラウドソーシングとは
企業や個人がインターネットを通じて不特定多数の人に向けて業務を発注するサービス。基本的に納品や支払いまですべてサイト上で完結できる
好きなことを活かす仕事を見つけるクラウドソーシングサイトの例
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る好きという気持ちを一旦置いてフラットな目線で実態を調べよう
好きなことを仕事にするためには、好きなことをどのように仕事にしたいのか具体化しましょう。そして具体化した仕事について、話を聞いたり調べたりして実態を把握することが重要です。
話を聞くときは、好きだという気持ちを一度フラットにして、良い話だけでなく、厳しさやつらいことも理解して、好きだという憧れだけで仕事に就かないようにしましょう。
実態を把握しても好きなことを仕事にしたい気持ちが変わらなければ、好きなことで仕事をするためのキャリアプランを考えます。
調べたら実際に仕事にするための行動を起こすことが大切
仕事は報酬を得るものなので、ただ好きなだけでは仕事にならないことも多くあります。就きたい仕事で活かせる資格や必要な知識はすぐに勉強をスタートしましょう。
そして実際に好きなことを仕事として実行してみることです。副業やアルバイトから実績を積んでいくこともできれば、好きなことを本業にして、副業やアルバイトで収入を補うこともできます。
本気で好きなことを仕事にしたいならば、「いつかはやりたい」と漠然とイメージしているだけでは足りません。仕事の実態を理解したうえで、その仕事に就くためのスケジュールを立てて、行動に移すことが大切です。
好きなこと以外でも自分に合う仕事を見つける方法
好きなこと以外でも自分に合う仕事を見つける方法
- 得意なことや強みから考える
- やりたくないことから逆算する
- 周囲の人に自分の適性を聞いてみる
好きなことを仕事にする方法を解説しましたが、ここまで読んでみて、好きなことを仕事にするのがやっぱり不安になったという人や、自分が本当に求めていることとは違うと感じた人もいるかもしれません。
「好きなことを仕事にするデメリット」でも解説したとおり、好きなことでなくてもやりがいや楽しさを感じて働くことは十分可能です。むしろ違和感があるのに好きなことにこだわっていると、自分のチャンスを狭めてしまう可能性もあります。
ここでは好きなことに限らず自分に合う仕事を見つけるための方法を3つ解説します。やりがいを感じて働けるように、ぜひ参考にして自分らしい適職を見つけましょう。
自分に合った仕事の見つけ方は、こちらの記事でも詳しく解説しています。後悔しない選択をしたい人はぜひ併せて確認してください。
自分に合った仕事を簡単4ステップで発見! 後悔しない方法を解説
得意なことや強みから考える
好きなことを仕事にするデメリットで解説したとおり、人が仕事でやりがいを感じるのは「目標を達成したとき」や「会社や顧客に感謝されたとき」が特に多いです。
そのため自分が得意なことや、すでに強みとしていることから仕事を考えてみると、自然と活躍してやりがいを感じられる可能性が高いです。以下のような観点から、自分の能力を明らかにしてみましょう。
得意なことや強みを考えるヒント
- 周囲によく感謝されることや頼りにされること
- 無理せず結果を出せたこと
- 人よりも得意に感じていること
- これまでの人生で長く取り組んでいること
自分の強みがわかったら、それが求められる業界や活かせる仕事を調べます。
得意なことや強みがよくわからない人は、以下の記事がおすすめです。併せて参考にして、自分の強みと活かせる仕事を考えてみてください。
自分の強みの見つけ方
強み一覧付き|自分の強みが必ず見つかる方法9選とアピール方法
職種別のアピール方法
長所一覧表50選|自分に合うアピールポイントを受ける職種別に解説
自分の強みが発揮できる仕事を簡単に探せる方法があります。厚生労働省が提供するjob tagという職業情報検索サイトでは、強みとなるスキルや知識から仕事を検索できますよ。
またGoogle検索で、「交渉力 活かせる仕事」のように検索しても、適職を見つけるための情報が得られます。
やりたくないことから逆算する
自分の強みがわからなかったり、特に興味のある仕事が思い浮かばなかったりする場合は、やりたくないことから逆算して考えるという手もあります。やりたいことがなくても、嫌なことや避けたいことは明確にある人が多いからです。
やりたくないことから合う仕事を考える例
<やりたくないこと>
・強引な営業や飛び込み営業
・毎日遅くまで残業すること
・周囲との競争を求められること
・肉体労働や危険な仕事
↓
<自分に合いそうな仕事>
・営業以外か、営業でもルート営業や反響営業など
・できるだけ定時で帰れる仕事
・競うことよりも質が求められる仕事
・オフィスワーク
一見消極的な方法に見えるかもしれませんが、自分にぴったりの仕事を1社目から見つけるのは難しく、やりたいことだと思っていても働くうちに考えが変わって別の道に移ることも当然あります。
つまり最初からやりたいことが明確になくてもかまわないので、最低限の条件だけ考えて、特に不満のない仕事に就いてみるというのも理にかなった方法なのです。最初はなりゆきで選んでも、続けるうちにその仕事が好きになったという人もたくさんいますよ。
- やりたくないことを考えていたら、選択肢がとても狭くなってしまいました……。
避けたいことをやりたいことに転換して優先順位を付けてみよう
たとえば毎日夜遅くまで残業をしたくないならば、残業が少ない仕事がやりたい仕事になります。強引な営業がやりたくないなら、ルート営業などがあります。
やりたくないことからやりたいことに転換できるのです。やりたくないことの優先順位は付けにくいかもしれませんが、やりたくないことを転換したやりたいことならば、優先順位を付けやすいでしょう。
やりたくないことを転換したやりたいことから、自分に合う仕事を考えてみると良いですね。
周囲の人に自分の適性を聞いてみる
ジョハリの窓という心理学のモデルがあるように、自分のことを自分で分析するのは案外難しく、周囲の人しか知らない部分や誰からも知られていない部分というのがあります。
ジョハリの窓とは
自己分析に用いられる心理学のフレームワークの一つで、人には「自分も他人も知っている自己」「自分は気付いていないが他人は知っている自己」「自分が知っているが他人は気付いていない自己」「誰からもまだ知られていない自己」の4つの側面があるとされている
そのため、自分に合う仕事を考える際も一人で考えるのではなく、周囲の人に相談するのが効果的です。家族や友人など親しい人に、自分の強みや弱み・特徴的な性格・向いていそうな職業などを聞いてみましょう。自覚していなかった意外な一面を教えてもらえるかもしれません。
すでにやりたいことがある人もまだない人も、周囲の意見をもとにさまざまな可能性を考えてみてください。
人に協力してもらって自己分析する方法は、「他己分析」と呼ばれています。具体的な方法や選考への活かし方はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せて確認しましょう。
他己分析の質問例20選|やり方から選考への活かし方まで徹底解説
アドバイザーコメント
平井 厚子
プロフィールを見る好き=できるとは限らない! 自分を活かせる仕事を探そう
好きなこと以外でも楽しく働くには、一つは自分を活かせる仕事を探すことです。
「好き」と「できる」が一致するとは限りません。また給与などの報酬は、あなたの好きなことに対して支払われるのではなく、あなたがどんな貢献をしたか、どんな価値を提供したかという「できること」に対して支払われます。
先述のゲームの例にあったように、「好きなことの何が好きかをできるだけ具体的に」書き出してみましょう。「難しいゲームに挑戦してクリアするのが好き」なら、ゲーム制作よりも、数値目標のある営業に意欲的に取り組めるかもしれません。
その仕事の将来ニーズを検討することも大切
もう一つは、社会にニーズのある仕事を探すことです。今好きな仕事でも、今後価値観の変化やIT技術の発達に従い、なくなる仕事かもしれません。
これからもニーズがある分野、ニーズのある仕事に取り組むことで、社会貢献が感じられます。顧客から感謝されることも増えるので、やりがいにつながるでしょう。
ここまで読んでも自分のやりたいことがよくわからない人は、こちらの記事がおすすめです。隠れた本心を見つけるコツを解説しています。
やりたいことがわからない人必見! 隠れた本心を見つける思考・行動
こちらのQ&Aでも、「やりたいことがなく仕事を選べない」という悩みにキャリアアドバイザーが回答しています。仕事選びに迷っている人はぜひ参考にしてください。
好きなことを仕事にするだけが幸せとは限らない! 柔軟に判断しよう
好きなことを仕事にするなら、まずはデメリットや覚悟すべきポイントを踏まえて、冷静な判断をしましょう。そして結果が出るまで焦らず努力を重ねることが大切です。
解説した方法で必要なスキルや知識を調べたら、少額からでも稼いだり資格を取ったりして、仕事としての実力を磨いていきましょう。
また記事では好きなことを仕事にする以外にも、自分に適した仕事を見つける方法を解説しました。好きなことを仕事にするのは難しくても、自分に合った仕事で活き活きと働くことは誰でもできます。この記事を参考に自分なりの道を探して、納得のいくキャリア選択をしてください。
アドバイザーコメント
秋田 拓也
プロフィールを見る好きなことが明確にあるのは素晴らしいこと
「やりたいことがわからない人」や「好きなことに気付けずに悩んでいる人」が多いのも事実です。その中で好きなことに気付けているのは素晴らしいことです。
趣味の延長という考え方よりも、興味・関心が高い仕事として取り組む気持ちで挑戦すると良いのではないでしょうか。
自分で考え選択することが重要! 自らのキャリアに向き合おう
趣味の延長にしても自分のやりたいことにしても、自分軸がブレないことがとても重要です。
自分の志がブレずにいると、物事に対しての向き合い方が変わり、自ら積極的に行動を起こしたり、さまざまなアイデアが浮かんだりとすべての行動が成功へとリンクしていきます。自分で考えて挑戦を決心したときの気持ちを忘れないようにしてください。
またここまでの記事の内容にあったように、「メリット」「デメリット」を理解したうえで、やりたい仕事や好きなことを仕事にしていくようにしましょう。
キャリア形成にとって重要なのは、「自分で選択すること」です。自らの意志で決定することにより、行動を起こせます。自分軸で物事に向き合う姿勢をこれからも大切にしてください。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Atsuko Hirai〇ITメーカーで25年間人材育成に携わり、述べ1,000人と面談を実施。退職後は職業訓練校、就労支援施設などの勤務を経て、現在はフリーで就職・キャリア相談、研修講師などを務める
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Takuya Akita〇人事・採用の責任者として7年間、新卒・中途採用を担当。To Be Myselfを起業後、企業内のキャリアコンサルティング、新卒・中途の就職をサポートしている
プロフィール詳細キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
プロフィール詳細