秘書の仕事がつらいと言われる6つの理由|魅力や合う人の特徴も解説

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  • キャリアコンサルタント/2級キャリア技能士

    Misako Sugihara〇石川県金沢市を拠点に15年にわたり就職支援に携わる。2年前からは転職支援も手掛けている

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/メンタル心理カウンセラー

    Syuya Nagata〇自動車部品、アパレル、福祉企業勤務を経て、キャリアコンサルタントとして開業。YouTubeやブログでのカウンセリングや、自殺防止パトロール、元受刑者の就労支援活動をおこなう

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  • キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士

    Nagisa Kihara◯放送・行政・人財開発など多様な職種を経験する中でキャリア支援に興味を持つ。一人ひとりが楽しく働き、豊かに生きられる社会を目指し、現在はカウンセラーや研修講師として活動中

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秘書は事務職のなかでも人気の職業であり、華やかな印象から憧れを持つ人も多いと思います。しかし、印象とは対照的に「秘書の仕事はつらい」という声も耳にします。

秘書の仕事に興味がある人のなかには、「秘書の仕事がつらいと言われる理由は?」「秘書に向いている人の特徴は?」と疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。

記事では、キャリアコンサルタントの杉原さん、永田さん、木原さんのアドバイスを交えつつ、秘書がつらいと言われる理由や向いている人、向いていない人の特徴を解説しています。

秘書への就職に悩んでいる人は、自分の性格や強みと比較しながら職業選びの参考にしてください。

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目次

秘書の仕事がつらいと言われる理由を把握して目指す判断材料にしよう

秘書の仕事に興味があっても、どのような点がつらいと感じるのか、どのような人が向いているのかなど、詳細が気になる人も多いのではないでしょうか。

記事では、まず秘書の種類や仕事内容、平均年収などの基本情報を説明し、秘書の仕事がつらいと感じやすい6つの理由について解説します。秘書の概要と併せてつらいと感じやすい点について把握し、秘書の仕事について理解しましょう。

そのうえで、秘書の仕事のやりがいや向いている人、向いていない人の特徴について紹介します。秘書としての適性があるのかを確認し、秘書を目指す判断材料にしてくださいね。

記事の後半では、秘書のキャリアパスや将来性についてキャリアアドバイザーの知見を交えて解説します。仕事で役立つスキルや資格なども紹介しているので、秘書の仕事に興味がある人は目指す際の参考にしてください。

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秘書の仕事とは? まずは基本情報をおさらいしよう

秘書の仕事とは? まずは基本情報をおさらいしよう

  • 秘書の種類
  • 秘書の仕事内容
  • 秘書の平均年収

秘書は華やかなイメージがある一方で、仕事内容や年収など秘書の概要を知らない人は多いのではないでしょうか。

下記では、秘書の種類や仕事内容、平均年収を詳しく解説します。秘書の仕事がつらいと言われる理由を見る前に、ここで秘書の基本情報を再確認しましょう。

秘書の種類

秘書は「個人秘書」と「グループ秘書」の2つに分類されます

個人秘書とは、特定の上司もしくは役員に対して1人の秘書が担当し、サポート業務に携わる秘書のことです。サポート業務はすべて1人で担当するため、担当上司の業務範囲によっては秘書が担当する業務の量が多く、多忙になることもあります。

グループ秘書は一般企業に多く、グループ全体のサポート業務に携わる秘書のことです。スケジュール管理・資料作成担当のように複数人で業務別に分担します。

グループ秘書は個人秘書のように特定の上司に担当するのではなく、複数の上司をグループ全体でサポートして、組織全体が効率的に機能することを目的としています。

杉原 美佐子

プロフィール

個人秘書は一人で特定の上司に付き、いわば右腕になる存在です。上司との緊密な連携が求められるので柔軟性に富む人が求められます。

一方グループ秘書はチームで対応するので助け合い精神が旺盛な人が向いています。

ドラマなどでは女性秘書が多く見られるため、男性でも秘書になれるのか疑問を持つ人もいるのではないでしょうか。下記では、疑問に対しての回答や、秘書として活躍するコツを解説しています。

秘書の仕事内容

秘書の主な仕事内容は大きく分けて以下の5つです。

仕事内容概要
スケジュール調整・管理秘書が担当する代表的な業務です。上司のスケジュールを把握し、次の予定を伝えたり調整をおこなったりします。
来客・電話・メール対応上司に来客があった際に、会議室へ案内したり、商談の際に必要な書類を用意したりします。上司の不在時の電話対応や、簡単なメールの返信であれば代わりにチェックし対応します。
文書作成・管理上司の業務に関する社内文書や社外文書の書類作成・管理をします。作成した書類や会議などで使用した書類は、案件ごとにファイリングやデータ化して管理します。
上司の社内業務のサポート上司が効率良く仕事できるように、身の回りの環境を整え、主に以下のサポートをおこないます。
・執務室の掃除
・会議室の予約
・郵便物の管理
・備品の調達や管理
各種手配業務上司の業務に関する以下のような手配をおこないます。
・上司が出張する際の移動手段の手配や宿泊先の予約
・引取先などへの手土産や贈り物の手配
・会食や接待場所の手配
秘書の仕事内容

秘書は会社や上司の方針・意向によって任される業務範囲が異なり、幅広い業務を担当します。どの組織の秘書にも共通するのは、上司が働きやすい環境を作ってサポートすることです

そのため、秘書は上司の希望や好みに沿って行動し、上司が快適に働けるように先回りしてサポートする力が必須となります。

秘書の1日のスケジュールを教えてください。

日中は来客対応、夕方には日程確認などあらゆる業務をこなす

担当する上司や企業の業務内容により異なりますが、秘書は1日に多岐にわたる業務を遂行することが求められます。

私が首長秘書をしていた際は、朝は上司がスムーズに仕事を開始できるよう、上司より先に出勤し、オフィス環境を整えるようにしていました。関連する新聞記事やニュースがあれば、印刷して上司のデスクに準備することもありました。

上司が出勤したら、当日のスケジュール確認をおこない、会議や打ち合わせ、来客対応の準備について確認します。

日中は電話やメール、来客対応をしながら書類を作成したり、出張や会食の手配もおこないます。夕方には翌日のスケジュール確認や資料の準備をおこなってから退勤するようにしていました。

秘書の仕事内容をもっと詳しく知りたい人は次の記事も併せて読んでみてください。下記では、秘書の仕事内容や応募のルールについて紹介しています。

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秘書の平均年収

厚生労働省のjobtagによると秘書の平均年収は約475.9万円で、平均月給は約25.2万円です。求人ボックスの調査によると一般事務の平均年収は約322万円であるため、秘書の年収は一般事務よりも約153.9万円高く、事務職のなかでも給与が高い傾向にあります。

仮に、大手企業の部長以上の役職秘書であれば、年収700万円前後で採用されることもあります。一方で、中小企業や担当する業務の幅が狭かった場合は、年収300万円前後と一般事務と同等の給与水準であることも珍しくありません。

また、専門性が求められる外資系企業や法律事務所、議員秘書は一般企業の秘書よりも給料が高い傾向にあります。国会議員の公設秘書は、法律によって定められた給与額が支払われ、最高で月収50万円以上となることもあります。

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秘書の仕事はつらい? 多くの人が壁にぶつかる6つの理由

秘書の仕事がつらいと感じる6つの理由

秘書は会社での重要な役割を担っているため、一つひとつの業務に責任が生まれます。人によっては秘書の仕事が負担になり、続けるのが難しいと感じる人もいるかもしれません。

下記では、秘書の仕事がつらいと言われる6つの理由について解説しています。秘書の仕事に興味がある人は、それぞれの内容を参考にして秘書を目指す判断材料にしてください。

①業務範囲が広く量が多いため

秘書の仕事がつらいと感じやすい理由に、業務範囲が広く多い点が挙げられます。秘書の業務は、上司のスケジュール管理・調整から細かい雑務までと広範囲に及び、毎日の業務量が多くなりやすいためです。

秘書は郵便物の管理や、備品の調達のような本来であれば他部署が担当するような雑務まで担当します。上司が外国人だった場合は仕事面だけでなく、生活面のサポートを依頼されることもあります。

上司が多忙であれば秘書の業務量も増えるため、効率良く仕事を進める力や体力がないと長く続けるのは難しいかもしれません

永田 修也

プロフィール

とにかく効率を重視して仕事をこなすことを意識する必要があります。

一言でいえば「先回りしてやっておく」くらいのスピード感がなければマルチタスクをこなす事は難しいといえるでしょう。常に先手を打つ気持ちで仕事をしましょう。

②緊張感が続き気苦労が多いため

秘書は多方面に細やかな配慮が必要となるため、度重なる緊張感からストレスがたまりがちです。

秘書は上司の表情や行動、声色などから上司にとって最適な選択をし、行動することが求められます。また、社内外のさまざまな人とコミュニケーションを取る機会があり、どうしても緊張感が続く場面が多くあります。

日々上司の顔色をうかがっていたり、多くの人とかかわる機会が多かったりすれば気疲れするのは自然なことです。何日も気疲れが続くとストレスがたまってしまうため、うまく息抜きをして心のバランスを保つ必要があります。

あがり症なのですが、秘書に向いていないのでしょうか?

杉原 美佐子

プロフィール

あがり症をどう克服するかで秘書の仕事はこなせる

あがり症だから向いてないとは思いませんが、緊張してしまって秘書の仕事が十分にできないなら問題です。

秘書の仕事には定型業務と非定型業務があります。定型業務は指示がなくてもやると決まっている仕事で、非定型業務は突発的な仕事です。

たとえばアポなしの来客、大切な会議があるのに急な出張になるなど、その時々でとっさの判断が求められる仕事があります。

アポなしの来客が重なっても冷静に対処できれば問題はありませんが、急な来客にあがってしまって応対できないなら秘書の仕事はできません。

ただし、こうした場面も場数を踏んで慣れればきちんと対処できるようになります。あがり症自体が問題ではなく、それをどう克服するかが重要なのです。

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③残業や休日出勤が発生することがあるため

残業や休日出勤が発生する場合があることも、秘書の仕事がつらいと感じやすい理由です。秘書は上司のスケジュールに合わせて働く必要があり、就業時間外で働くケースもあります。

たとえば、会合や打ち合わせ、接待が就業時間外や休日にある場合は上司に付き添わなければなりません。勤怠時間も上司のスケジュールに合わせて、「上司よりも早く出勤して、上司の帰宅後に退勤する」が基本となります

仕事とプライベートをきちんと分けたい人は、心や体に負担がかかり仕事がつらいと感じてしまうかもしれません。

④上司との相性に左右されやすいため

秘書は特定の上司の業務をサポートするため、相性によって働きやすさは大きく変わります。一緒に働く人との相性は重要であり、上司との相性が合わなかった際は仕事がつらいと感じてしまうかもしれません

仮に、上司との相性が悪かった場合はコミュニケーションがうまく取れず、仕事をスムーズに進められない可能性があります。しかし、秘書である以上、上手に立ち回って対応しなければなりません。

仕事と割り切って上司とうまく付き合っていけなければ、秘書の仕事を続けるのは難しいかもしれません。

上司との相性が合わなかった場合、どのようにして秘書の仕事のモチベーションを保てば良いでしょうか。

永田 修也

プロフィール

無理はせず自分の許容できる範囲で秘書の仕事を全うしよう

自分が担当する上司がどのような人かは当然ながらわかりません。もちろん、自分とウマがあって仕事をしやすければ何も言うことはありませんが、そのような人ばかりではないでしょう。

では、そのようなときにどうするかというと「私がついていける範囲は頑張ろう」という気持ちで対応していけば良いと思います。

人によっては、辞めて逃げるなんてかっこ悪いと思う人もいるかもしれませんが、自分の体調を崩してまで付き合う人間関係など切り捨ててしまったほうが自分のためだと私は考えます。

そのため「苦しかったら離れよう」と割り切ることで嫌な人との対人関係のモチベーションを保つことも一つの方法なのです。

担当上司との相性が悪かった場合、上手くやっていけるか不安になりますよね。次の記事では、嫌いな上司と上手く付き合う心構えや、接する際の注意点を紹介しています。

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⑤社内での交流範囲が狭く孤独を感じやすいため

秘書は上司の業務をサポートするうえで機密情報に触れる機会が多く、仕事内容を他人へ共有できないため周囲の人と交流しにくい立場です。そのため、社内での交流範囲が狭くなり、人によっては孤独を感じてしまうかもしれません。

仮に、他の社員との何気ない会話で機密情報を漏らしてしまうと、社内だけでなく社外にまで広まる可能性があります。そのため、他の社員と自然に距離ができ、社内で孤立することも考えられます。

秘書は秘密主義を厳守する立場であるため、仕事内容を他人へ話せず気軽に悩みを打ち明けるのが難しいかもしれません

⑥雑務が多くキャリアプランがイメージしにくいため

秘書は接待や打ち合わせの付き添い以外の業務のほとんどは、事務作業や雑務であるため経験やスキルが付きにくいと不安視されます。通常業務のなかでも雑務が多く、キャリアプランがイメージしにくいため仕事がつらいと感じてしまうかもしれません。

秘書は一般社員のように、成果を出して昇進・昇格を目指すような業務スタイルではないため、将来性が見えず明確な目標設定がおこなえません。また、秘書の仕事に華やかなイメージを持っていた場合は、現実とのギャップで雑務の多さにつまずいてしまう人もいます。

しかし、どのような雑務でも、上司が働きやすい環境を作るための大切な仕事です。上司の成果は秘書の評価にもつながるため、キャリアを積むためにも一つひとつの仕事に誠意を持って努めるのが大切です。

私の場合は上司の部屋にある観葉植物のお世話や、家族への連絡や誕生日プレゼントの相談等、プライベートな用事の手配を頼まれることもありましたね。

また、来客がある際にはお土産を準備したり、弔電や花の手配など、弔事に関する対応も担っていました。

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つらいだけじゃない! 秘書の仕事で得られるやりがい

秘書の仕事は幅広く、業務をこなすのは簡単ではありません。しかし、経験を重ねることで、秘書ならではのプロフェッショナルなスキルが身に付きます。

下記では、秘書の仕事のやりがいや身に付くスキルについて解説しています。秘書の仕事に不安を感じている人は、自分が仕事に求めることと比較して再度就職を検討してみてください。

上司やかかわった人から感謝される機会が多い

秘書の仕事でのやりがいは、上司やかかわった人から感謝される機会が多い点です。秘書は担当上司の一番近くで業務をサポートするため、日々の些細な場面で上司から感謝の言葉を直接もらえることがあります。

社内外でのさまざまな人ともかかわる機会が多く、仕事ぶりが認められれば感謝されることもあります。そのため、人の役に立ったことを実感しやすく、仕事のモチベーションにつなげられるのは秘書の仕事の良いポイントです。

「人の役に立てる仕事がしたい」という人は、秘書の仕事にやりがいを持って取り組めるかもしれません。

仕事に求めるやりがいで働き方は変わります。自分がどのようなことでやりがいを感じられるのかを明確にして、やりがいを志望動機に盛り込む際の参考にしてください。

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社内外の多くの人とかかわり人脈が広がる

秘書の仕事では社内外の多くの人と交流があり、人脈が広がることにやりがいを感じる人もいます。多くの人とかかわることで知見を広げられ、仕事のモチベーションにつながりやすいためです

秘書は上司をサポートするうえで、企業の代表や役員クラスの人と交流する機会があります。企業の一会社員であれば、かかわる機会が少ない役職の人と仕事ができる点は秘書の仕事の特権です。

多くの人とかかわって人脈を広げたい人は、仕事にやりがいを感じてモチベーション高く秘書を勤められるかもしれません。

杉原 美佐子

プロフィール

集まる情報の多さですね。秘書の仕事には情報収集も含まれており、普通では知りえない情報は貴重で上司にとっても有益です。

また、多くの人との交流は人間関係調整力を向上させ、人間関係のトラブルを未然に防げるようになるでしょう。

経営や業界動向について学べる機会が多い

秘書は仕事を通じて経営や業界動向について学べる機会が多い点が、やりがいを感じる理由の一つです。一般的な目線とは異なる経営者の価値観や、さまざまな案件にかかわるうえで業界の動向を間近で学べます。

秘書は幹部の近くで本では学べない経営手法を見られるため、ビジネスの知見が広がります。また、常にアンテナを高く張って情報収集をする必要があるため、自然に業界の動向を予測するスキルが身に付くのも秘書の仕事ならではです。

ビジネスの知見や業界について理解を深めたい人は、秘書の仕事で多くのことを吸収できるためやりがいを大いに感じられるかもしれません。

永田 修也

プロフィール

自身で起業しビジネスを起こす時のヒントになったり、金融投資を行う際には知見を活かすことができるかもしれません。

また、仕事で知り合った人間関係を活用することでスムーズに事業を進められる可能性もありますので、主にビジネスにおいて大いに役立つでしょう。

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受けない方がいい職業を診断しよう

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事務処理能力が向上する

仕事を通して事務処理能力が向上する点も、秘書の仕事でやりがいを感じられるポイントです。秘書は担当上司に代わって情報種集や資料作成、電話・メール対応など幅広い業務を担当し、一つひとつこなしていくうちにハイレベルなスキルを身に付けられます。

通常業務以外にも突発的に発生する事務作業もあり、効率良く仕事をこなす力や対応力が養えられます。特に、秘書は上司の仕事に支障が出ないように完璧な業務遂行が求められるため、一つひとつの業務に対して真摯に向き合うことが大切です。

業務を積み重ねることで、事務処理能力が向上して経験やスキルが身に付けられてプロフェッショナルな秘書として成長できます。

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就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。

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対人コミュニケーション能力が磨かれる

秘書は担当上司のサポート業務から、対人コミュニケーション能力が磨かれます。上司や役員クラスの人とかかわって仕事をするなかで、ビジネスマナーやホスピタリティが身に付くためです。

打ち合わせなどに同席するなかで、経営陣からビジネスの作法や交渉力を学べる機会も多くあります。また、秘書はどのような状況でも、上司の印象を悪くしないために礼儀や細やかな心配りを常に意識して行動します。

秘書は日常的な経営陣との交流や、秘書としての心配り、行動から一流の対人コミュニケーション能力を身に付けられる職業です。会社員ではなかなか身に付けることが難しい能力であり、スキルアップしていくうちにやりがいを感じる人も多くいます。

適性があるのかチェックしよう! 秘書に向いている人の4つの特徴

適性があるのかチェックしよう! 秘書に向いている人の4つの特徴

  • 気配りができる人
  • 人を支えることにやりがいを感じる人
  • メンタルが強い人
  • 物事に柔軟に対応できる人

秘書の仕事を目指したいけれど、自分が向いているのかわからないという人も多いでしょう。自分の強みを発揮して活き活きと働くためには、自分に向いている仕事を選ぶことも大切です。

下記では、秘書に向いている人に当てはまる4つの特徴を解説しています。自分に秘書の適性があるのか確認しながら、就職を検討してみてください。

①気配りができる人

秘書は上司が快適に仕事をするために、先回りして環境を整えてサポートに努めることが重要であるため、周囲へ気配りができる人は秘書に向いています。

たとえば、上司が参加する会議が長引いて次のスケジュールに遅れてしまうときは、秘書が先回りして次のスケジュールの時間を調整する必要があります。また、顧客との打ち合わせに上司が遅れそうな場合は、次のスケジュールへ移るように促すのも秘書の仕事です。

問題を未然に防ぐために常に周りに気配りができる人は、秘書に向いているかもしれません

②人を支えることにやりがいを感じる人

自らが表に立って活躍するよりも、人を支えることにやりがいを感じる人は秘書に向いています。秘書は上司を陰でサポートする役目で、「他人の活躍に貢献したい 」という仕事観を持ち合わせている人が活躍できる職業です

秘書は表に立って目立つ仕事をしない一方で、企業のトップである役員のサポート役に徹することは会社の業績に直結することといえます。会社の業績アップや上司の成果から、自分の存在意義を見出せる人は秘書に向いている可能性があります。

人の役に立つ仕事を目指している人は次の記事も併せて読んでみてください。まず仕事を選ぶ前に「どのように人の役に立ちたいのか」を明確にしましょう。下記では、人の役に立てる45の仕事を紹介しているので、自分に合う仕事を選ぶ際の参考にしてください。

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③メンタルが強い人

秘書は常に上司とかかわって仕事をするため、プレッシャーや緊張を感じる場面が多くあり、メンタルを強く持つことが大切です。

上司によっては秘書に強く当たってしまうことや、厳しいことを言う人もいるため、ある程度メンタルが強くないと長く続けられないかもしれません。強く怒られてしまっても、早く気持ちを切り替えて仕事に取り組める打たれ強さが必要です

また、同じ失敗を繰り返さないように努力するメンタルの強さは、秘書に向いているスキルといえます。

秘書の仕事をしていて意識していたことが、自分の時間をしっかり確保し、プライベートと仕事のバランスを取るようにすることです。

仕事が終わったらストレッチやヨガで体を動かしたり、友人と食事に行ったりする時間も大切にしていました。

また、健康な身体がメンタルにも影響するため、バランスの良い食事や適度な運動、十分な睡眠も心がけていましたね。

秘書の仕事に興味はあっても、メンタルが弱くて目指すか悩んでいる人は次の記事を併せて読んでみてください。下記では、メンタルの弱さを克服する心構えや、おすすめの仕事を紹介しています。

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④物事に柔軟に対応できる人

秘書は上司のスケジュールに合わせて動かなければならないため、状況に応じて物事に柔軟に対応することが重要です。業務がたまってしまっても、優先順位を付けて効率良く取り掛かれる人は秘書に向いているかもしれません。

たとえば、急に上司から仕事を依頼された場合は、別の業務に取り掛かっていたとしても優先的に対応する必要があります。急な依頼や予想外の出来事にも臨機応変に対応できる人は、秘書の仕事に向いているといえます

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要注意! 秘書に向いていない人の特徴3選

要注意! 秘書に向いていない人の特徴3選

  • マルチタスクが苦手な人
  • 守秘義務を守れない人
  • コミュニケーションが苦手な人

秘書は事務職のなかでも特殊な職業なため、向き不向きがはっきりしています。自分に向いていないのに就職してしまうと、仕事がつらいと感じて長く続けることが難しいかもしれません。

下記では、秘書に向いていない人に当てはまる3つの特徴を解説しています。特徴に当てはまったら、今一度秘書を目指して良いのか自分に問いかけてみてください。

①マルチタスクが苦手な人

マルチスクが苦手な場合は、秘書の業務で苦戦することが多いかもしれません。秘書は複数の業務を同時並行しておこなうため、一点集中して仕事に取り組むスタイルの人には向いていないといえます。

たとえば、秘書は上司の代わりに電話対応をすることも多く、通常業務をこなしながら電話対応や上司へ報告の連絡をする必要があります。複数の仕事を抱えて焦ってしまう人や、注意力が散漫になりミスが増える人は秘書の仕事は難しいかもしれません

マルチタスクが苦手であっても、物事に優先順位を付けて仕事を進められれば、効率的に複数の業務をこなせるスキルが身に付きます。

②守秘義務を守れない人

守秘義務を守れない人は秘書に向いていないといえます。秘書は社内外の気密性の高い業務に携わる機会が多く、会社の信用にかかわるため情報を口外してはいけません

何気ない会話から機密情報が漏洩する恐れがあるため、常に守秘義務を守る意識を持つことが必要です。会社のことを考えて行動できる人や、口が固い人でないと信頼される秘書として活躍するのは難しいかもしれません。

③コミュニケーションが苦手な人

人とコミュニケーションを取ることが苦手な人は、秘書に向いていない可能性が高いです。秘書は上司と連携を取って仕事を進める必要があるため、些細なことでも情報共有は必須です。

コミュニケーションが苦手だと、上司との情報共有がうまくできずに誤った情報を社内外へ流してしまう恐れがあります。そのため、情報のすり合わせは重要であり、曖昧な部分や不明な点は即座に上司の確認を取ることが大切です。

コミュニケーション能力は意識や行動を変えることで鍛えられるため、長期的に練習を繰り返して少しずつスキルを付けていきましょう。ただし、人とかかわること自体が苦手に感じる人は、秘書として働くことは向いていないかもしれません。

杉原 美佐子

プロフィール

多くの人と関わる秘書には思いやりの心が必要です。「席をはずしております」とだけ返答するより、「もしよろしければ、代わりにご用件を伺いましょうか」と一言付け加えるだけで親身になって応対していることがわかります。

キャリア支援のプロに聞く! 秘書で活躍する人・辞めてしまう人の違いは?

ここまで、秘書の仕事に向いている人と向いていない人の特徴を解説してきました。秘書の仕事は事務職のなかでも特殊なため、仕事をこなすのは簡単ではありません。

仮に、向いている人の特徴に該当する人であっても、秘書を続けることが難しく退職をしてしまう人がいます。どのような人が秘書として活躍できるのか、辞めてしまうのか気になりますよね。

下記では、キャリアコンサルタントの永田さんに、秘書で活躍する人と辞めてしまう人の違いについて解説してもらいます。それぞれの違いを把握して、入社後に秘書として働くイメージを掴んで就職を検討してください。

アドバイザーコメント

秘書として活躍できる人は先回りして物事を察する洞察力がある

活躍する秘書というのは、困難のように見えるマルチタスクをいとも簡単にこなし、相手の立場になって先回りして仕事を進められるような人物ですね。一方で辞めてしまう人は、他責思考でありストレス耐性が低い人だと思います。

ドラマの中の敏腕秘書の仕事ぶりに着目してみるのがおすすめ

私がよく見ている好きな海外ドラマがあります。それは「SUIT(スーツ)」というニューヨークを拠点にあらゆる大きな訴訟を取り扱う弁護士の話です。そこでは敏腕弁護士のハーヴィースペクターの右腕となる秘書で「ドナ」と言う人物が登場します。

そのドナの仕事振りというのが”活躍する秘書”のイメージそのままだと思います。自分の上司であるハーヴィーの性格をどこまでも熟知し、ときには表情や仕草・態度から状況を察知し、必要な事柄を適切に処理しているのです。

ドラマだからできるのだと言われればそこまでですが、実際に仕事ができる人の所作も多く入り混じっているのもまた事実です。気になる人はぜひ一度観てみてください。

実際には、このドナほどの仕事ぶりである必要はないかもしれませんが、活躍したいと考えるのであれば「相手が何を考えているのか」という鋭い洞察力は必ず役に立つので、その感性を磨くことは重要なポイントです。

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秘書のキャリアパスは多岐にわたる! 長期的な視点で自分に合うか検討しよう

秘書のキャリアパスは多岐にわたる! 長期的な視点で自分に合うか検討しよう

  • 企業秘書として段階的に昇格を目指す
  • 他部署への異動で秘書のスキルを活かす
  • 他業種への転職でキャリアチェンジする
  • 独立してフリーランスとして働く

秘書は経験を積むことで一流のスキルが身に付くため、将来的にさまざまな場面での活躍に期待できます。秘書として働いていくなかで、自分が目指す方向性に応じてスキルを磨いてキャリアアップに役立てましょう。

下記では、秘書のキャリアパスについて解説しています。秘書としての将来性を把握し、本当に目指すべきなのかを十分に検討してくださいね。

企業秘書として段階的に昇格を目指す

実務スキルを磨いていき、段階的に昇格を目指していくことが企業秘書としてのキャリアアップ方法の一つです。一般的に、担当上司の役職が上がるほど秘書の求められる業務範囲は広がり、レベルもアップしていきます。

アシスタント秘書とは?

アシスタント秘書とは、チーム制の秘書課で複数人の秘書とともにサポート業務に携わる秘書のことです。

まずはアシスタント秘書からはじめ、部長・本部長クラスの秘書、役員クラスの秘書、社長秘書のように段階的に秘書としてキャリアアップを目指しましょう。グループ秘書の場合は、「秘書課のリーダー職」のようにマネジメント職へ昇格する方法もあります。

企業秘書であれば、実務経験を積んでスキルを着実に身に付けていけば、秘書のエキスパートとして段階的に昇格を目指せます。

担当上司の役職が上がると、秘書の業務はどのように変化しますか?

上司の責任範囲が広がることで秘書の業務も高度になる

担当上司の役職が上がると、秘書の業務はより複雑化し、責任が大きくなります。

まず、スケジュール管理が複雑になり、重要な会議や出張手配の回数や機密情報を扱う機会が増えます。そのため、情報管理に高い慎重さが求められるのです。

社外対応や外部関係者との調整も増加し、ビジネスマナーやコミュニケーション能力、調整能力がより重要になります。

他部署への異動で秘書のスキルを活かす

他部署への異動で秘書のスキルを活かすことも、キャリアアップ方法として挙げられます。秘書は組織の構造を理解しているため、どの部署へ異動しても職場に対応して求められる業務をこなすことが可能です

役職者の序列や、どの職位の社員にどの程度の権限があるのかを理解しているため、「◯◯のことなら、◯◯部の◯◯さんに聞く」と瞬時に判断できます。また、秘書の業務で培った仕事のスピード感はどの部署でも役立つスキルです。

このように、秘書は他の部署へ異動してもこれまでの経験が瞬時に役に立ち、いち早く仕事に順応できます。

他業種への転職でキャリアチェンジする

秘書としての経験を積んだ後は、他業界への転職でキャリアチェンジすることも可能です。秘書の経験から培ったコミュニケーション能力やマルチタスク能力は、幅広い職種に役立つスキルです。

上司の近くで経営に携わって身に付いた交渉力や、経営に関する知識を経営企画や広報をおこなう職種への転職で活かすのも良いでしょう。また、秘書のサポート業務のなかから、自分が得意とする分野に特化して別の業種へのキャリアチェンジも可能です。

このように、秘書は業務で培ったスキルに加えて、他分野の専門性を高めることで他業界への転職でキャリアアップを目指せます。秘書のスキルを活かして目指せる職種は、主に以下のとおりです。

秘書がキャリアアップを目指せる職種

  • 経営企画・広報
  • 人事
  • 経理・財務
  • 法務

永田 修也

プロフィール

どのような業務内容だったのかにもよるところですが、まず最初に”秘書をしていた”という実績があるだけで「仕事ができ自己管理能力がある人」というようなイメージを少なからず与えることが可能です。

そのなかで自分が一番自信がある能力を堂々と伝えることが大事だと思います。

独立してフリーランスとして働く

秘書業務で培った知識やスキルを活かし、独立してフリーランスとして働く選択肢もあります。秘書の経験で身に付いたビジネスマナーや、幅広い業務への対応スキルは個人で働くうえで強みになるためです

たとえば、「マナー講師」や「企業研修の講師」のように、マナーに関する知識やプレゼンテーション能力を指導する立場として活かせます。秘書業務の経験を活かして「オンライン秘書」として、複数の企業の秘書を請け負って活躍することも可能です。

秘書は企業の経営陣と仕事をおこない、経験を積むことで一流のスキルや知識が身に付きます。会社に属さなくても活かせる場面が多様にあり、将来的にフリーランスとして独立するのもキャリアアップ方法の一つです。

秘書の仕事がなくなる? 将来性と生き抜くコツをプロに聞いてみた

秘書のキャリアパスは多岐に渡り、経験を積むことでスキルを活かしてさまざまな形でキャリアアップを目指せます。しかし、グローバル化が進むなかで、秘書の仕事はAI(人工知能)に代替えされる可能性が予想されている現状です

下記では、キャリアコンサルタントの杉原さんに、秘書の将来性と生き抜くコツを解説してもらいます。生き抜くコツを把握して、長く活躍できるような秘書を目指しましょう。

アドバイザーコメント

気配りのある働き方を極めることでAIにも勝る秘書として活躍できる

AIやロボットが応対する受付が随分と増えました。コスト面だけでなくセキュリティを考えると、当然の流れだと思います。では、秘書の仕事がすべてAIに代わるかといえば、決してそうではないはずです。今後もAIは飛躍的に発達しますが、そもそもAIは人から学んでいる機械でしかありません。

AIに負けないためにはどうすれば良いかというのは、気を利かせた仕事をすることだと思います。つまり、こまやかな心配りで隅々まで注意を行き届かせ、次に取るべき行動を、言われる前におこなうのです。

AIには難しい相手のキャリアや性格に応じた対応力を身に付けよう

また相手に応じて行動を変える必要があります。秘書検定でもせっかちな上司とのんびり屋の上司に対する問題があります。それは、決まりきった一律の対応ではなくその人に応じたサポートが大事だからです。

上司の業務内容を把握するだけでなく、サポートする相手のキャリアや性格を考え、社内外に対応することは、AIがどんなに優秀でも職務や性格の範囲が広く対応できません。それに言われる前に行動するのというのは機会には至難の業でしょう。

ほかにも、秘書としての美しい立ち居振る舞いは、現在のロボット技術では真似のできない所作といえますね。

目指すと決めたら準備しよう! 秘書の業務をスムーズにする4つのスキル

目指すと決めたら準備しよう! 秘書の業務をスムーズにする4つのスキル

  • 情報収集力と基本的なPCスキル
  • 商談や外部との連絡で役立つ英会話スキル
  • 一般常識やビジネスマナー
  • 仕事を円滑に進めるコミュニケーション能力

秘書の業務に必要なスキルを事前に習得していると、業務をより効率的に進められます。いち早く一人前の秘書として活躍できるように、今からスキルを磨いておきましょう。

下記では、秘書の業務をスムーズにする4つのスキルを解説しています。秘書を目指す人は、どのようなスキルをどの程度まで習得しておけば良いのかを参考にして、就職前の準備に役立ててください。

①情報収集力と基本的なPCスキル

秘書になるうえで情報収集力と基本的なPCスキルは必須です。取引先のデータ収集や資料作成、メール対応など、秘書の業務にはPCでの作業が欠かせません。

特に、WordやExcel、PowerPointなどのオフィスソフトを使いこなせると資料作りに役立ちます。社内外の人と連絡を取るうえで重要なメール作成では、CCとBCCの使い方や、ファイル添付、ビジネスメールのマナーをしっかりと押さえておきましょう。

基本的なPCスキルを身に付けるためには、MOSや日商PC検定などのPCに関連する資格を取得するのも良いでしょう。基本的なPCスキルから、実践で役立つPCスキルが身に付き、秘書の業務を効率化できます。

報告書、会議資料、ビジネスレターの作成にはWord、データ集計や分析を行うExcel、視覚的なプレゼン資料を作るPowerPointの操作は基本的なPCスキルに含まれます。

また、OutlookやGmailによるメール管理やスケジュール調整、PDF編集、ZoomやMicrosoft Teamsなどのオンラインミーティングツールの操作なども役立ちます。

②商談や外部との連絡で役立つ英会話スキル

英会話スキルを身に付けておくと、商談や外部との連絡をする際に役立ちます。勤務先が外資系企業や海外に拠点を持つ企業だった場合は、ビジネス英会話が使えれば業務が滞りなく進められたり、業務範囲を広げられたりするためです

担当上司が外国人だった場合は、通訳として商談や会議などで上司のサポートが可能です。さらに、英文のメール対応や、翻訳、電話対応などもでき、業務の幅が広がります。

秘書になるうえで英会話スキルは必須ではない一方で、使いこなせれば秘書としての自分の価値を高められる要素となります。

日系企業に就職を希望していたとしても、英会話スキルは必要ですか?

杉原 美佐子

プロフィール

募集要項に記載されていない場合も最低限の語学力は必要

専任の秘書を置けるなら恐らく規模の大きな企業で、そうした企業はグローバルに展開しているでしょう。また秘書が付くのは部長クラス以上の役職がほとんどです。そうなると人脈も広く、海外のお客様も珍しくないと思います。

そうした場合、募集要項に英会話必須と明記されていなくても、最低限の英会話スキルは必要になる場合が多いです。

秘書の仕事は上司のサポートなので、上司の仕事相手が海外の人なら、海外からの来客にも応対します。その際、相手が英語圏なら英語を、フランスならフランス語を、簡単な挨拶や最低限の会話ができるに越したことはありません。

英会話が必須でなかったにしても、仕事をするうえで必要だと思うなら習得に努める姿勢が大切です。

③一般常識やビジネスマナー

秘書として働くうえで、一般常識やビジネスマナーは身に付けておきたいスキルです。秘書は社内外でさまざまな人とかかわる機会が多く、秘書の振る舞いは会社や上司の信用につながります

正しい敬語の使い方やビジネス文書、ビジネスメールのマナーなどを身に付け、相手に失礼のない振る舞いを心がけましょう。スキル面だけでなく普段の言葉遣いや、身だしなみも秘書として評価されるポイントです。

秘書は会社の経営陣とともに仕事をするため、一流社員として多方面から見られる立場です。秘書の評価は上司にも影響を及ぼすため、秘書を目指すなら一般常識やビジネスマナーはしっかりと身に付けておきましょう。

④仕事を円滑に進めるコミュニケーション能力

コミュニケーション能力は仕事を円滑に進めるうえで重要なスキルです。秘書は上司に代わって外部と連絡・交渉をする場面があるため、考えていることを言葉にする言語能力が必要となります。

相手との円滑なコミュニケーションを取るためには、十分な情報を持って会話をしなければなりません。さらに、どのようなときでも相手に不快感を与えることのない、細やかな心配りを感じさせるコミュニケーション能力も必須です。

秘書の対応は上司の印象に直結し、上司の評価を下げないためにもコミュニケーション能力を磨くのは大切です。

相手と円滑なコミュニケーションを取るためには、観察力を身に付けていることが重要です。下記では、企業が求める観察力について紹介し、ビジネスにおける観察力のメリットを解説しています。

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資格も業務の助けになる! 秘書になるならおすすめの資格

資格も業務の助けになる! 秘書になるならおすすめの資格

  • 秘書検定
  • CBS(国際秘書)検定
  • TOEIC
  • ビジネス実務マナー検定

秘書を目指すうえで資格は必須ではありません。しかし、資格を取得しておくことで、入社後に役立つスキルを身に付けられて、滞りなく業務を進める助けになります。

下記では、秘書を目指す人におすすめの資格を5つ紹介しています。資格は選考で秘書を目指す熱意を伝えられる要素にもなるため、資格取得を目指して選考や入社後の業務に役立ててくださいね。

秘書検定

秘書を目指すなら秘書検定の資格を取得すると良いでしょう。秘書検定は秘書に限らず社会人に必要な知識やマナー、正しい敬語やビジネスシーンにふさわしい身だしなみも習得できます

難易度別に1〜3級に分けられ、3級と2級では一般常識や正しい敬語の使い方、電話対応などビジネスシーンだけでなく、日常生活で役立つスキルを身に付けられます。準1級や1級では、実践で活かせる応用力や判断力まで習得でき、プロフェッショナルな秘書を目指す人におすすめです。

秘書を目指すうえで資格取得は必須ではない一方、資格を保有していれば一般常識やビジネスマナーが身に付いていることを証明できて就活で有利になります。これから秘書を目指すなら2級以上、秘書としてのスキルアップを目指すなら準1級以上の取得がおすすです。

秘書検定の資格取得を目指す人は次の記事も併せて読んでみてください。取得することのメリットや、取得した場合の選考でのアピール方法を紹介しています。資格の難易度別にアピールポイントを解説しているので、履歴書に書く際の参考にしてください。

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秘書を目指す人のなかには、資格が就活に有利になるのか疑問を持つ人もいるのではないでしょうか。下記では、資格取得に関する考え方や、就活でどのように有利になるのかをキャリアアドバイザーが解説しています。

CBS(国際秘書)検定

バイリンガルセクレタリーとは?

バイリンガルセクレタリーとは、日本語と英語をコミュニケーションの手段として使って仕事をする秘書のことです。通常の秘書業務に加え、会議の通訳やメールの翻訳などをおこない、英語に特化して上司の業務をサポートします。

バイリンガルセクレタリーを目指す人は、CBS検定の取得がおすすめです。CBS検定はバイリンガルセクレタリーとしての実力を証明する資格で、外資系企業をはじめとするさまざまな企業で役立ちます。

CBS検定はプライマリー(準CBS)試験とファイナル(CBS)試験の2段階に分けられます。ビジネスの場で必要な日本語と英語の言葉遣い、表現、電話・来客対応などバイリンガルセクレタリーとして活かせるスキルの習得が可能です

海外に拠点を置くような企業での秘書を目指し、将来的にバイリンガルセクレタリーとして働きたい人はCBS検定の資格取得をおすすめします。

バイリンガルセレクタリーは新卒でも目指せますか?

永田 修也

プロフィール

目指すことはできるが入社時点で高度なスキルやマナーが求められる

新卒でもバイリンガルセクレタリーを目指すことは可能です。ただ、卒業した時点でかなりの高度なスキルを求められることに加えて、海外とのやり取りやグローバルなコミュニケーションも必要です。

社長の来客の対応などもあるため徹底したビジネスマナーを押さえることも必須となります。

新卒として入社した瞬間から、あらゆる事柄に対応する力が求められるので、バイリンガルセクレタリーとして活躍したいのであれば、新卒の段階でこれらの教養をすでに身に付けていることが求められるのです。

 明確なスキルとしては、TOEICでは950点近く、英検では準1級〜1級レベルの英語力が必要です。

そのため、新卒から目指すよりも、語学留学を検討したり、秘書の技能として必要な社会人経験を3〜5年ほど積んだりするなどしてから、関連職種へ応募するのが一般的だと私は思います。

TOEIC

英語力を証明するならTOEICの試験を受けると良いでしょう。TOEICは日常生活における活きた英語力を習得でき、ビジネス能力やコミュニケーション能力を図る世界共通の試験です

勤める企業によって必要な英語力は異なり、TOEICは英語力をアピールする際の指標となります。以下は秘書として働く勤務形態・企業別での求められるTOEICスコアによる目安です。

TOEICスコアの目安

  • 個人秘書・グループ秘書:TOEIC500点〜
  • 外資系秘書(担当上司が日本人の場合):TOEIC600点〜
  • バイリンガルセレクタリー(英語をメインで使う場合): TOEIC800点〜

担当上司が外国人だったり、英語をメインで使う環境だったりした場合は最低でもTOEIC600点以上が必要です。ただし、採用時に重視されるのは、TOEICのスコアよりも実務で使えるビジネス英語力であるため、TOEICのスコアはあくまでも目安として参考にしてくださいね。

就職活動を有利に進めるならTOEICはほぼマストとなります。下記では、就職活動で企業がTOEICを見る理由や、TOEICを取得するメリットを紹介しています。

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ビジネス実務マナー検定

秘書を目指すうえで役立つ資格として、ビジネス実務マナー検定の資格取得もおすすめです。ビジネス実務マナー検定に合格していると、ビジネスパーソンとしての一般常識やビジネスマナーを理解していることの証明になります。

さらに、自らの判断や行動に自信を持つきっかけになり、ポジディブな気持ちで業務に努めることが可能です。ビジネスパーソンとしてはもちろん、秘書としても周囲からの信頼をアップさせることに期待ができます。

面接でアピールポイントとなる実績や人柄の受け取り方は、採用担当者によって異なります。しかし、ビジネス実務マナー検定はスキルを客観的に証明できるため、選考で有利となりやすい資格です。

秘書はつらいだけでなく努力次第で成長できるやりがいが大きい仕事

秘書は会社のトップとともに仕事をするため、完璧な業務遂行や高い人間力を求められます。人によっては秘書の仕事が負担になり、つらいと感じてしまうかもしれません。

しかし、秘書は会社員ではなかなか経験できない業務に携われ、社内外の多くの人とかかわる機会があるため一流のスキルや知識が身に付きます。そのため、秘書は仕事から多くのことを学べ、努力次第では自分の成長につながるためやりがいの大きい職業です。

入社後に「仕事がつらい……」と感じないためにも、自分に秘書の適性があるのかを十分に検討して職業選びの参考にしてください。就職前には秘書の仕事に役立つスキルを磨いたり、資格取得を目指したりして就職後の業務に備えましょう。

アドバイザーコメント

秘書は業務難易度が高く負担も大きいが汎用性の高いスキルを培える

秘書の仕事が「つらい」と言われる理由は、主に業務の多様性やプレッシャーに起因していることが多いです。突発的な依頼や予定変更による時間的負担、上司や他部署、社外関係者とのコミュニケーションが必要になり、精神的負担も大きくなります。

しかし、秘書の仕事には得られるスキルやキャリアの面でも大きな魅力があります。スケジュール管理能力やタスク管理スキルを身に付けられるほか、どんな状況にも柔軟に対応できる適応能力が培われるのです。

さらに、企業内外での調整役として働くため、人間関係の構築力が鍛えられます。秘書の経験で磨かれたコミュニケーション能力やビジネスマナーは社会人として汎用的なスキルであり、さまざまなキャリアパスに活用できます。

経営者視点やビジネスの全体像を知ることができる点も魅力の一つ

加えて、上層部の業務を間近でサポートすることで、経営視点やビジネス全体の流れを理解する機会が得られ、経営陣の考え方や意思決定のプロセスを学べることも魅力の一つです。

秘書の仕事は、高度な難易度の業務を要求されることも多く、確かに大変なこともあります。しかし、その分多くのスキルを得ることができ、自己成長を求める人にとっては非常にやりがいのある職業であり、短期的な視点だけではなく、長期的に見ても魅力的なキャリアだといえるのです。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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