この記事のまとめ
- 調整力の自己PRはPREP法を使うことで効果的に作れる
- 企業が求める調整力と自分の調整力の種類を一致させることが大切
- 活動別の例文を参考に自分のガクチカを活かした調整力の自己PRを考えよう
就活の自己PRで調整力をアピールしたい人のなかには「調整力をどう伝えればいいのだろうか」「具体的にどんな構成で話せば企業に響くのか」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
調整力の自己PRを効果的に作ることで、チームワークを重視する企業や社内外の関係者と連携する職種において、自身の価値を明確にアピールできます。
なお、調整力は多くの企業が求める能力の一つですが、抽象的な概念であるため、具体性に欠けた内容では面接官に印象を残すことが難しいものです。
そのため、まずは調整力の意味や効果的な伝え方の構成を理解してから、企業が求める人材像にマッチした自己PRを作り上げることが大切です。
この記事では、キャリアコンサルタントの小松さん、西さん、遠藤さん、高尾さんのアドバイスを交えつつ、調整力の自己PRの重要性や作り方について詳しく解説します。
また、高尾さんからは調整力を自己PRにするための具体的なポイントについて、面接官の目線から実例をもとに解説してもらっています。説明をもとに、自分自身の調整力を魅力的に伝えられるようになりましょう。
自身の調整力を効果的にアピールできる自己PRを作って、内定を獲得したいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
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調整力の自己PRは実用性がカギ! 会社で発揮する方法を伝えよう
調整力を自己PRでアピールする際は、自身の調整力を実際の業務でどう活かせるかを具体的に示すことが重要です。なぜなら、企業は入社後に活躍できる人材を求めていて、抽象的な能力よりも実務で力を発揮する具体的なスキルに注目しているからです。
また、調整力にはさまざまな側面があります。たとえば、対立する意見を客観的に分析して最適解を導く問題解決型なのか、メンバーのモチベーションを高めながら一つの目標に向けてチーム全体をまとめるリーダーシップ型の調整力なのかによって、企業での発揮方法も異なるのです。そのため、自身の調整力の特徴を明確にして伝える必要があります。
そこでこの記事では、調整力の自己PRを効果的に作る構成やコツ、具体的な例文について解説します。まずは調整力の定義を理解してから、具体的な自己PRの作り方を身に付けましょう。
そして記事の後半では、企業が調整力から評価するポイントや自己PR作成時の注意点、よくある疑問への回答を解説します。企業が求める人物像に合わせた調整力のアピール方法を理解して、内定獲得につながる自己PRを作成する際の参考にしてみてください。
4つの質問に答えるだけで自己PRが作成できます
自己PRは就活において必ずといっていいほど必要になります。自己PRが曖昧なまま就活がうまくいかなかったという就活生は多くいます。
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(リーダーシップが強みの場合)
調整力とは? 意味を理解して自分の強みを深掘りしよう
調整力とはさまざま人の視点に立って考えを調整し、全員が納得したうえで同じ方向へ進めるようにアシストする力のことです。ビジネスシーンにおいて、チームメンバー同士で意見が食い違ったときに、チームをまとめて業務を円滑に進められる人は重宝されます。
調整力がある人は俯瞰して物事を見られるため、問題が起こったときに臨機応変に対応できます。柔軟性や協調性、チームをまとめるコミュニケーション力も備わっていると捉えられやすく、企業からの評価が高いスキルです。
組織において潤滑油のような役割を担う人材になりうるため、調整力を強みとして効果的にアピールできれば採用担当者に高く評価してもらいやすくなります。
ビジネスシーンで全員の意見が一致して、都合良く物事が進むことはなかなかありません。
部署横断のプロジェクトや商談といったさまざまな場面で、関係者の考えや立場を勘案し、みんなが納得してゴールを目指せるよう調整する力は大いに役立ちます。
柔軟性や協調性、コミュニケーション能力も強みとして自己PRでアピールできるスキルです。それぞれのアピール方法が気になる人は、下記の記事も併せて読んでみてください。
柔軟性
13例文|柔軟性の自己PRで理解必須の注意点と伝え方のコツ
協調性
例文17選|協調性の自己PRで確実に差別化する8つのコツ
コミュニケーション能力
例文12選|コミュニケーション能力の自己PRを3ステップで解説
調整力の自己PRの作り方! PREP法を活用して伝えよう
PREP法で伝えよう! 調整力を自己PRでアピールするときの構成
- 強みを端的に表現する
- 具体的なエピソードを交えてアピールする
- 経験から得た結果や学びを伝える
- 入社後にどのように活かすかで締める
調整力の自己PRを作る際は、論理的で説得力のある構成を心がけることが重要です。なぜなら、調整力は抽象的な能力であるため、筋道を立てて話せないと面接官に具体的な能力やスキルが伝わりにくくなるからです。
そこで効果的なのが、PREP法を活用して自己PRの構成を作ることです。
PREP法とは
論理的でわかりやすく物事を説明する手法。Point(結論)、Reason(理由)、Example(具体例)、Point(結論)の順番に伝える。
ここでは、PREP法を活用した調整力の自己PRの作り方を4つのステップで解説します。この構成に沿って自己PRを作り、面接官に調整力の具体的な内容と入社後の活用方法を効果的にアピールしましょう。
PREP法の詳しい活用方法については次の記事がおすすめです。記事では、自己PRを作成するときに構成が大切になる理由や、自己PRを作成するときのポイントを解説しています。
コピペで使える自己PR文がかんたんに作れます
自己PR作成ツールはもう試しましたでしょうか?ツールで実際に文章を作成してみてからブラッシュアップする方が効率的に受かりやすい自己PRを作成することができます。
「自己PR作成ツール」 を使えば、簡単な質問に答えるだけで誰であっても、あなたの強みが完璧に伝わる自己PRが完成します。
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(リーダーシップが強みの場合)
①強みを端的に表現する
まずは結論として、自分の強みである調整力を端的に表現しましょう。自己PRの冒頭で調整力が自身の強みであることを伝えることで、採用担当者はあなたにどのような調整力があるのかを理解しやすくなります。
最初に調整力を発揮したエピソードから話してしまうと、「どのような調整力をアピールしたいのか」が伝わりません。調整力にはさまざまな種類があるため、最初に自分の調整力の特徴を明確に伝えましょう。
また、単に「調整力があります」という抽象的な表現では、採用担当者があなたの能力を具体的にイメージできません。「対立する意見をまとめる調整力」や「チーム全体のモチベーションを高める調整力」など、より具体的な言葉で表現することを意識しましょう。
②具体的なエピソードを交えてアピールする
冒頭であなたの調整力の特徴を伝えたら、その調整力を実際に発揮したエピソードを伝えましょう。調整力を発揮した際の具体的な状況や行動を示さねければ、採用担当者に独自の調整力がアピールできません。
調整力を強みとしてアピールする就活生はほかにもいるため、「誰がどのような立場で対立していたのか」「どのような方法で調整したのか」「なぜその調整方法を選んだのか」を詳しく説明することで差別化を図る必要があります。
調整力を発揮した場面での具体的な行動や工夫を詳しく説明し、あなた独自の調整スタイルが伝わるエピソードを選びましょう。
- 調整力を発揮したエピソードが思い浮かばないときはどうすれば良いですか?
調整力のエピソードは4つの視点から考えてみよう
「調整力」に限らず、エピソードが思い浮かばない場合は、次の手順を試してみてください。
①学校や部活、アルバイトなどの過去の経験を振り返る
②家族・友人・先輩・後輩など周りの人からの意見を聞く
③ニュースやドラマなどを見ていて意見が対立する場面があれば自分ならばどうするかを考える
④大げさなことではなく、日常生活の些細なトラブル解決の経験はないかを思い出す
このようなことに取り組むことで具体的なエピソードが思い浮かぶ可能性が高まります。要するに、与えられたテーマに対して「細分化」して考えることで、さまざまなヒントが得られるのです。相手にエピソードを伝えるときも同様で、細分化したイメージを伝えましょう。
テンプレを活用すれば受かる自己PR文が作れます
自己PRのネタを決めても、それを裏付けるエピソードに悩む学生は多いです。しかし、特別なエピソードがなくても受かる自己PRを作ることはできます。
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(リーダーシップが強みの場合)
③経験から得た結果や学びを伝える
調整力を発揮したエピソードを話したあとは、その経験から得られた結果や学びを伝えましょう。採用担当者は「あなたの調整力が実際にチームや組織にどのような成果をもたらすのか」を知りたいため、重要なポイントです。
たとえば、調整の結果として「チーム全体の生産性が向上した」「メンバー同士の関係性が改善された」「プロジェクトの進行がスムーズになった」など、調整力ならではの成果を具体的に示しましょう。
また、調整の過程で学んだ「相手の立場を理解することの重要性」や「Win-Winの関係を築くコツ」など、調整力に関する学びを伝えることで、継続的に調整力を発揮できる人材であることをアピールできます。
- 結果として成功には終わりませんでしたが、経験によって得た学びの中から調整力をアピールしても良いですか?
成功しなかった経験でも万事を尽くしたことを示せればOK
もちろん構いません。むしろ、失敗経験こそどんどん語っていきましょう。成功している話ばかりだと、逆に容易なチャレンジしかしない人だと思われる可能性もあります。
難しいことや高い目標に挑めば、失敗することも当然あります。失敗から立ち上がり、なおも挑戦しようとする人の方が、頼もしく、魅力的に映ります。
ただし、失敗経験を語る上で重要なのは、万事を尽くしたかどうかです。自分ができることを十分にやりきれず、手を抜いたり、途中で諦めたりしたことは失敗とは呼びません。それは断念と呼びます。
あくまでも成功を求め、自分がやれることをやり尽くしたうえで、それでも力及ばなかったというストーリーを語ったうえで、そこから何を学び、今後にどう活かすのかを伝えてください。
④入社後にどのように活かすかで締める
自己PRの最後には、入社後に調整力をどのように活かして企業に貢献できるのかを説明しましょう。調整力は多くの職種で求められるスキルであるため、応募先企業の業務内容に合わせて具体的な活用方法を示すことで、即戦力としての価値をアピールできます。
たとえば、営業職であれば「顧客と社内の要望を調整して最適な提案を作成する」、企画職であれば「複数部署の意見を調整してプロジェクトを円滑に進める」など、職種特有の調整場面を想定した貢献方法を伝えましょう。
なお、あなたが調整力を発揮して活躍している姿を採用担当者にイメージしてもらえるように、応募先の求める人物像を分析したうえで、自己PRを考えることが大切です。
また、自己PRの最後に結論として自身の調整力をもう一度伝えることで、「最もアピールしたいこと」を強調できます。このように、PREP法を活用して自己PRを順序立てて、説得力のある傾聴力の自己PRを作りましょう。
アドバイザーのリアル・アドバイス!
高尾 有沙
プロフィールを見る調整力をアピールするならプロセスと成果で独自性を出そう
「調整力のオリジナリティ」は、何を最適化し、どんな合意プロセスと成果物で再現したかまで語れるかで決まります。
ポイントは以下の三つです。
まずは、利害、制約の棚卸しです。予算、工数、品質、期限、リスクなどを一つひとつ確認しておきましょう。
次に、合意形成の設計です。誰をいつ巻き込み、反対意見をどう扱ったかを振り返りましょう。
最後に、成果物化をすることです。議事録のテンプレ、判断基準表、FAQなど具体的な形で示しましょう。
経験で得た成果を会社でどのように活用するかを語ろう
今までの面接で印象に残った例として、学園祭の協賛出店で保健所、消防、企業、大学の要件が衝突した案件があります。
ある学生は、自身で「リスク一覧+判断基準表」を作成して論点を整理し、無事に各ステークホルダーの要件を満たすことができました。また、当日は問い合わせ導線を一本化して事故ゼロ、協賛企業からの次年度リピート意向100%を実現しました。
入社後の活かし方についても、「制作進行において『キックオフで判断基準を合意、各ステークホルダーとの議事録運用、意思決定に関する進捗更新、変更管理ルール化』といったプランで貢献したい」と、具体的に再現性のある形で宣言できていました。
たとえばカスタマーサクセス職なら、「エスカレーションの基準と窓口を一本化することで対応工数を減らす」といったように、成果を将来の活用までつなげて語ると独自性が際立ちます。
自己PRが思いつかない人は、ChatGPTを活用して自己PRを完成させよう
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作った自己PRは選考で活用できるものになっているので、ぜひ活用して採用される自己PRを完成させましょう。
コツを掴もう! 調整力を自己PRでアピールするときのポイント
コツを掴もう! 調整力を自己PRでアピールするときのポイント
- 調整力をより具体的な言葉にする
- ネガティブな内容は避ける
- 主体性も併せてアピールする
- 本質的な問題解決のエピソードを伝える
調整力の自己PRを作る際は、基本的な構成を理解するだけではなく、より効果的に伝えるためのコツを押さえることが重要です。なぜなら、調整力は多くの就活生がアピールする能力の一つであるため、単に構成どおりに話すだけでは、面接官の印象に残らない可能性があるからです。
ここでは、調整力を自己PRでアピールするときの4つのポイントについて解説します。これらのポイントを意識することで、ほかの就活生と差別化でき、面接官により強い印象を与える自己PRを作成しましょう。
調整力をより具体的な言葉にする
調整力という言葉は抽象度が高く採用担当者に伝わりにくいため、選考ではより具体的な言葉にしてアピールしましょう。また、「調整力がある」は就活生のなかでよく使われるアピールポイントであるため、具体性を持たせることで他者との差別化になります。
下記の言い換え例を参考に、自分の強みとなる調整力にはどのような要素があるのかを深掘りして、具体性を持たせて表現しましょう。
調整力の具体的な言い換え例
- 物事を俯瞰的に見られる
- 異なる意見をまとめる力がある
- 状況に応じて柔軟に対応する力がある
- 周囲を巻き込んで目標達成に向けて行動できる
- 課題解決に向けて主体的に動く力がある
- 全員が参加しやすい環境を作ることができる
面接で自身の調整力を効果的にアピールしたい人は、以下の記事を参考にしましょう。自己PRの伝え方や独自性のあるエピソードの作り方を解説しています。
ネガティブな内容は避ける
調整力をアピールしたとしても内容がネガティブであった場合、採用担当者にあなたの強みが伝わらない可能性があります。調整力を発揮した結果、「その場しのぎの問題解決の行動となってしまった」のようなエピソードは避けましょう。
調整力を発揮したことで、うまくいったことや改善したことを自己PRで説明できれば効果的に自分の強みをアピールできます。「チームにどのような影響を与えて、どのような結果になったか」を具体的に説明しましょう。
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主体性も併せてアピールする
調整力は伝え方によって消極的に受け止められてしまうため、主体性も併せてアピールしましょう。「自己主張ができない」「意思が弱い」と解釈されれば、自分の意思を持って行動できない人と捉えられてしまうためです。
ビジネスにおいて、調整力とは主体的に行動して問題解決に導く力を指しています。そのため、「周囲に合わせてうまく物事を進められる」のような受動的な内容は主体性が伝わりにくいため避けましょう。
「周囲の意見をまとめてどのように行動をして解決へ導いたのか」のように、主体的に行動して周囲を動かせる人であることを併せてアピールすることが大切です。
体験談やエピソードを説明する際には以下の4点を明確にしましょう。
1.何が課題だったのか
2.自分はどのように考えたのか
3.ほかの人はどういう意見だったのか
4.意見の対立を、どのように取りまとめたのか
上記のなかでも2があるかどうかで、自らも主体的に動けるか、周りに流されるだけか、印象が異なります。
主体性がどのような能力なのかが気になる人は次の記事も併せて読んでみてください。記事では、主体性の意味や企業が自己PRで主体性のある学生を求める理由を解説しています。
本質的な問題解決のエピソードを伝える
調整力を強みとして伝える際は、その場しのぎの行動を取る人だと思われないように本質的な問題解決のエピソードを伝えましょう。一時的な問題解決は本質的な解決にはならないため、トラブルを繰り返す恐れがあるためです。
たとえば、販売における顧客のクレーム対応として、謝罪とともにクーポンを渡しただけでは本質的な問題解決になりません。「改善案を考えてマニュアルにまとめ、スタッフ全員に周知したことでトラブルを繰り返すことを防いだ」のように、仕組みやルールを調整したエピソードが望ましいです。
その場しのぎのエピソードからは、「波風を立てるのが嫌な人」「調子の良い人」のようなネガティブな印象に感じ取られてしまいます。本質的な問題解決のエピソードを交えて、チームのために行動できる人であることをアピールしましょう。
- ポジティブな内容に言い換えるためにできることはありますか。
4つの観点でフレーム化! 調整力をポジティブに伝えよう
ネガティブな経験をポジティブな印象に変える鍵は「フレーム化」です。以下の4つの観点で考えてみましょう。
①課題:事実
②働きかけ:相手への配慮、選択肢提示
③合意:決め方
④成果:数字、再発防止
このフレームで伝えることで、よりポジティブな印象になりやすくなります。
たとえば、「対立が起きた」という事実も「品質と納期の両立が困難だったため(課題)、A/B案を用意して優先順位を決める会議を設計し(働きかけ)、議事録に記載して複数人の認識を合わせました(合意)。結果、承認フローを短縮し遅延ゼロを実現できました(成果)」のように変換できます。
調整が必要な状況では、他責にしたくなることもあるかもしれません。
しかし、他責に関する言葉は避け、「先方の懸念を受け止め、判断基準をそろえた」というように、自分を主語にした主体的な行動として語って、前向きさを伝えましょう。
面接だけではなく、ESの自己PRも作りたい人は、こちらの記事を参考にしましょう。企業の人物像に合うESの自己PRの書き方や、ほかの学生と差別化する方法を解説しています。
自己PRで悩んだらまずは作成ツールを使ってみよう!
「自己PRで伝えたいことはあるのに、言葉にできない」そんな悩みがある方には「自己PR作成ツール>」が強い味方になってくれます。
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ぜひ効率的に自己PRを仕上げ、選考の準備を整えましょう。
活動別!調整力を自己PRでアピールするときの例文12選
活動別!調整力を自己PRでアピールするときの例文12選
学校生活やアルバイト、インターンなどでは、調整力のある人が能力を発揮する場面が大いにあります。下記では、6つの活動別に調整力を強みとした12の自己PRの例文を紹介しています。
例文を参考にして自分なりの経験をもとに、採用担当者に響く自己PRを作成しましょう。
例文1:部活編
部活編
私の強みは多様な意見をまとめて解決できる点です。
大学ではサッカー部に所属しており、全国大会を目指してチームで日々練習に励んでいました。全国大会出場をかけた試合前に、チームの主力選手が体調不良で参加できないことが判明しました。
私はキャプテンとして、ほかのメンバーの意見を集め、全体のバランスを見ながら新たなフォーメーションを提案しました。選手同士のコミュニケーションを促進し、全員が自分の役割を理解できるように試合前の練習内容を調整しました。
その結果、練習はスムーズに進行し、試合当日にはチーム全体が一体となってプレーができて試合に勝利し、全国大会へ出場することができました。
貴社へ入社できた際はこの強みを活かして、多様な意見をまとめて大きな成果を成し遂げられるように尽力していきたいです。
短期的な視点だけでなく、長期的な視点に立って優先順位をつけながら状況を判断し、最適解を出すことが可能です。
企業にアピールする場合は、状況に対応する柔軟性があることと、具体的な数値や成果をエピソードに入れ込むと良いでしょう。
例文2:部活編
部活編
私の強みは調整力を活かして全員が参加しやすい環境を作れる点です。
私が所属している部活動では、毎年チームの結束を高めるために合宿をおこないます。
しかし、今年の合宿では参加者の都合がそれぞれ異なり、日程調整が必要だったためメンバー全員にアンケートを取って参加可能な日程を確認しました。アンケートの結果、休日の予定がかぶっているメンバーが多かったため、妥協案を提案しました。
たとえば、一部のメンバーが参加できる日をもとに、合宿を短縮する方向で進めるなどのように、なるべく全員が参加できる日程に調整しようとしました。さらに、合宿中の食事や宿泊先も、予算や食の好みを考慮しつつ調整に徹しました。
最終的に、全員が納得できるプランを作り上げることができ、参加者からは「楽しかった」との声を多くいただいて、チームの結束も一層強まりました。
貴社へ入社できた際はこの経験を活かして、組織の意見をまとめて全員が納得できる解決案を提示し、スムーズにプロジェクトを進められるような人材になりたいと考えております。
例文3:サークル編
サークル編
私は意見の対立を解消してまとめる力があります。
私が所属していたサークルで、年に一度の大きなイベントを企画することになりました。メンバーのなかでは企画や運営に関する意見が分かれることが多く、最初のミーティングでは意見がまとまらず、進行が難航しました。
そこで、私は各メンバーの意見を整理し、優先順位をつけるために個別に話を聞き、それぞれが特に重視しているポイントを把握しました。その後、全体ミーティングを開き、集めた意見をもとに優先項目を議論しました。
最終的に、皆が納得できる形でテーマやプログラムを決定し、役割分担も明確になりました。
貴社へ入社できた際はこの強みを活かし、対立する意見があった際は解消に努めてチームが円滑に業務を進められるように尽力していきたいです。
例文4:サークル編
サークル編
私は課題解決に向けて主体的に動く力があります。
私たちのサークルでは定期的に練習をおこなっていましたが、メンバーのスケジュールが異なるため、全員が参加できる日を見つけるのが難しい状況でした。
そこで、私は一度全員のスケジュールを把握するためのアンケートを作成し、各自の都合を聞くことにしました。
アンケート結果をもとに、曜日ごとの出席率を分析したところ、特定の曜日に参加が多いことがわかりました。そのため、出席率が高かった曜日を定期練習日とし、ほかの日にはフリー練習を設けることを提案しました。
これにより、参加できるメンバーが増え、全体の練習効率が向上しました。メンバー同士のコミュニケーションも活発になり、より良いチームワークを築くことができました。
貴社へ入社できた際は、チームワークを大切にし、チームが円滑に業務に取り組めるように先立って行動できる人材になりたいと考えております。
- 課題解決に向けて主体的に動ける人は、企業からどのような評価を受けられますか?
主体性のある人材は企業からも積極的にチャンスを与えられる
受け身で待っているのではなく、課題を見つけて解決しようと自ら動ける人にはどんどん仕事やチャンスを与えたくなります。
自分でやれることを見つけて、状況をより良くするための努力ができると期待できるからです。
上記の例文であれば、練習参加者が多い日を機械的に決めただけでなく、なぜ全員がそろわなくとも参加者の多い日を定めることが必要と考えたかという目的意識も示せると、考えたうえでの行動であることも伝わります。
例文5:ゼミ編
ゼミ編
私の強みは目標達成に向けてリーダーシップを発揮できる点です。
私が所属するゼミではグループプロジェクトがあり、発表に向けてチームで取り組んでいました。
しかし、メンバーの一部がほかの課題に追われて時間が取れず、全体の進捗が停滞している状態でした。このままでは発表日に完成が間に合わないため、全メンバーを集めて進捗状況や各自の抱えている課題、問題点を明確にしました。
メンバーの意見をもとに、作業分担を見直して優先順位をつけて取り組むことを提案しました。また、各メンバーがほかのメンバーをサポートできるように、ペアや小グループでの作業も併せて提案しました。
これらの取り組みを通じて、メンバーが明確な目標を持って動くことができ、プロジェクトの進行が加速しました。発表日に間に合わせることができ、質の高いプレゼンテーションをおこなうこともできました。
貴社に入社できた暁には、チームの士気を高めて一つの目標に向かって組織を動かせるように尽力していきたいです。
例文6:ゼミ編
ゼミ編
私は状況に応じて柔軟に行動できる点が強みです。
私の参加するゼミはリモートでの活動が中心で、オンライン会議やチャットツールを使用してコミュニケーションを取っていました。しかし、各メンバーが進捗を報告しないなどの情報共有が不十分な状態が続き、全体の状況が把握しにくいことから作業が滞ってしまうことがありました。
そのため、私はメンバー個別に連絡を取り、現在の進捗情報や抱えている問題を聞き、誰がどの部分でつまずいているのかを理解しました。その後、メンバーの進捗情報をもとに、共有ドキュメントを作成して各自が自分のタスクや進捗を入力できる仕組みを作りました。
この取り組みを通じて進捗状況が明確になり、作業に滞りがあるメンバーに対してチーム全体で助け合う仕組みが生まれました。
貴社にご縁をいただけた際には、チームが協力して業務に取り組めるように、問題解決に向けて行動できるように尽力していきます。
ビジネスでは、限られた資源を有効に活用して成果を上げることが求められます。その際には、個々の意思や努力に委ねるのではなく、仕組みによって人を自律的・効率的に作業を進めることが有効です。
仕組みづくりという視点を持って、作業や情報共有の効率化を図った意図をアピールすると良いでしょう。
例文7:アルバイト編
アルバイト編
私の強みは対立する意見をまとめてうまく調整できる点です。
私がアルバイトしていたカフェでは、メニューの変更を検討していました。スタッフのなかには、新しいメニューを導入したいという意見と、現在の人気メニューを維持したいという意見を持つ人がいて、意見が対立していました。
そのため、スタッフ全員が集まるミーティングを開催し、新しいメニューを支持する理由や、既存メニューを維持したい理由を詳細に聞きました。そして、両方のアイデアを取り入れて、人気メニューの一部を新しいメニューに組み合わせた「期間限定メニュー」として販売することを提案しました。
期間限定メニューは顧客から好評で、販売から1カ月で売上を前年比で約15%アップさせることができました。
入社後もこの調整力を活かして、状況に応じてベストな判断をすることで売上に貢献できるように尽力していきたいです。
例文8:アルバイト編
アルバイト編
私の強みは周囲の人を巻き込んで目標達成に向けて行動できるところです。
私がアルバイトとして働いていた店舗では、学生のアルバイトのなかで最も勤務年数が長かったため新人育成の担当をしていました。しかし、新しいスタッフが入ってもすぐに辞めてしまうことが多く、業務体制が改善されない点が課題でした。
そこで、私は既存スタッフを集めて、新人スタッフが仕事を続けられない理由を話し合い、業務の複雑さが原因として議題にあがりました。そのうえで、業務を細分化してそれぞれの業務についての研修内容を見直し、マニュアルを新しく作りました。
その結果、マニュアルが簡素化されて一目で業務内容が理解しやすくなり、新人スタッフの離職率が減って業務体制を整えることができました。
貴社へ入社させていただけましたら、組織をまとめてより大きな成果を上げられるような人材になりたいと考えております。
無駄を省くことで業務がスムーズに進行し、各自の役割が明確になります。それが組織の活性化につながり、仕事に対してより責任を持てるようになるのです。
上記の例文では、「マニュアル作成」「新人の離職率の低下」という結果が述べられている点が評価できます。
例文9:留学編
留学編
私の強みは異なる意見をまとめて、全員が納得できる落としどころを見つけられるところです。
カナダに半年間留学をしていた際に、文化交流イベントの準備のために集まった会議では、参加者からの提案が多く出ました。しかし、国ごとに文化が異なるため、なかなか全員の意見が一致しない状況になりました。
特に、ある国の学生が提案したアクティビティがほかの国の参加者には受け入れられず、場がぎくしゃくしてしまいました。そこで、私は対立している意見を持つ学生それぞれから詳細を聞き、それぞれの文化や背景を理解することで感情的な部分を和らげることができました。
各国の提案をもとに、特定のアクティビティをおこなう際に、各国の文化を交えた要素を取り入れることを提案しました。その結果、各国の文化を取り入れたことで、参加者全員が楽しめるアクティビティをおこなうことができ、参加者同士の交流も深まりました。
貴社へ入社させていただいた暁には、そのときに応じた最適案を提示することで組織に貢献できるように努めていきたいです。
例文10:留学編
留学編
私は異なる意見を調整してまとめる力があります。
留学中、ホストファミリーとの文化交流を深めるために、週末に一緒に過ごす時間を設けることになりました。しかし、ホストファミリーにはそれぞれ異なる予定や好みがあり、スケジュールを調整するのが難しい状況でした。
そこで、私はホストファミリー全員の希望を聞くために、まず家族それぞれの予定を聞き取り、全員が参加できる日時を特定しました。そのうえで、私の国の料理を一緒に作る日や彼らの好きな映画を観る日など、互いの文化を共有できる内容を考えて、全員が楽しめるアクティビティを提案しました。
その結果、家族全員が参加できるイベントが実現し、当日はみんなで料理をしながら和気あいあいと過ごし、文化交流が深まりました。
この経験を通じて、異なる背景を持つ人々との関係を強化するうえで、お互いの意見を共有して全員が納得できる落としどころを見つける大切さを学びました。
貴社へ入社させていただけましたら、顧客との取引の際に役立てて、双方にとって最適な提案ができるように尽力したいと考えております。
チームメンバー全員が納得できる方向へ導く能力は、仕事のさまざまな場面で役立ちます。
プロジェクトの成功には全員の協力が欠かせない場合、不満や我慢の種はできるだけなくしたいものです。落としどころがうまく決まると仕事がスムーズに進みます。
例文11:インターン編
インターン編
私は問題解決のためにリーダーシップを取って行動できる力があります。
インターン先でのプロジェクトでは、複数の部署からメンバーが集まり、共同で新製品の企画をおこなうことになりました。しかし、各部署の優先事項や進捗が異なり、スケジュールが乱れてしまうことがありました。
そのため、私は各部署からの進捗を定期的に確認し、問題点を洗い出しました。その後、調整が必要な箇所を具体的にまとめて、全体会議で共有しました。さらに、各メンバーの役割や責任を明確にして情報の透明性を高めることで、コミュニケーションを円滑にしました。
その結果、プロジェクトは予定通りに進行し、最終的には成功裏に新製品を発表することができました。
貴社にご縁をいただけた際には、業務を効率的に進められるように組織に貢献したいと考えております。
例文12:インターン編
インターン編
私はトラブルを想定して先回りして行動できます。
私はマーケティングチームのインターンとして働いていた際、新製品の発売に向けたプロジェクトを複数の部署とともに進行していました。
しかし、各部署からの情報共有が不十分で、スケジュールに対する認識がバラバラになっていることに気づきました。そのため、私は各部署の担当者を集めて、定期的な進捗確認ミーティングを提案しました。
これにより、リアルタイムでの情報共有が可能になり、問題を早期に発見できる体制を作りました。定期的なミーティングを通じて、各部署の情報共有がスムーズになり、プロジェクトは予定通り進行しました。
また、問題が早期に発見されたため、大きなトラブルを未然に防ぐことができました。
貴社に入社できた暁には、トラブルを想定しながら業務を進めて、組織に貢献できるような人材になりたいと考えています。
- 危機管理能力は企業にどのように評価されますか?
危機管理ができると効率的に組織を動かす統率力があると評価される
どの会社でもトラブルの元となるのが「コミュニケーション不足」です。
チームで動いているようで、実は「個人任せ」になっていることが多く、また、その個人ですらスケジュールの把握をしていなかったり、業務の目的を理解していなかったりすることで起きてしまいます。
私はこれまで、本当の危機に陥って初めて右往左往し、報連相をする現場を数多く見てきました。
危機が発生したときに迅速に対応する能力も重要ですが、リスクをあらかじめ予測・分析し、事前に対策を講じることができれば業務の継続遂行も可能です。
今回の例文はリスク予測をしただけでなく、横断的に他部署への声掛けをおこなったことを示せているため、チームをまとめる統率力が結果として危機回避につながったと評価することができます。
企業が重視するポイントをプロが解説! 選考での自己PRの重要性
自己PRで調整力をアピールする際は、企業が本当に求める調整力とは何なのかを理解することが重要です。なぜなら、企業が期待している調整力と自身がアピールする調整力の内容にズレがあると、自身の能力を面接官に正しく評価してもらえない可能性があるからです。
ここではキャリアコンサルタントの遠藤さんに、企業が調整力の自己PRで重視するポイントについて詳しく聞きました。調整力をアピールすることを検討している人や、より効果的な自己PRを作成したい人は、企業の視点を理解したうえで、戦略的に自己PRを組み立てましょう。
アドバイザーコメント
遠藤 美穂子
プロフィールを見る企業は調整力が本当に組織全体をまとめられるかを重視する
調整力にもいろいろありますが、企業が重視するポイントの一つは「さまざまな意見や立場を考慮して、全体を一つにまとめられるか」ということです。
ビジネスシーンにおいてチームのレポートラインだけで完結する仕事もあれば、他部署の人とかかわりながら進める案件や、社外の取引先の協力を得ながら進める事業もあります。
また、顧客の要望と、こちらで提供できるサービスがぴったりマッチしないといったこともあるのです。そんなときに、相手の考えや立場、本音と建前をできるだけ引き出して、何が必須で何が譲れるか、つまりどこでお互いが納得できるかを探る場面で調整力が役に立ちます。
自分の調整力のなかでもどこに強みがあるのかを明確に示そう
調整力をアピールするエピソードでよく見る事例に「メンバー全員と面談して一人ひとりの意見を聞き出して、納得できるようなアイデアを出した」というものがあります。
自分の強みが、調整の土台となる意見を聞き出す力なのか、全体に納得してもらえるよう押したり引いたりする交渉力なのか、妥協点を見極めて折衷案としてアイデアを示す提案力なのか、自身の強みをより詳しく説明できると良いですね。
企業へアピールしよう! 調整力の自己PRから評価される能力
企業へアピールしよう! 調整力の自己PRから評価される能力
- 問題を円滑に解決する能力
- チームをまとめるリーダーシップ
- 対立する意見を調整して全員が納得のいく形へ導く能力
調整力はビジネスシーンで役立つ場面が多様にあり、企業が高く評価する能力の一つです。調整力を強みとして説明できれば、自社での活躍をイメージしてもらえるかもしれません。
下記では、企業が調整力から評価する能力を解説しています。企業が注目するポイントを把握して、自分の強みを深掘りする際に役立てましょう。
問題を円滑に解決する能力
調整力がある人は、周囲に不満を抱かせることなく全員が納得できる意見へまとめられるため、問題を円滑に解決する能力があります。個人的な意見や解釈だけで行動するのではなく、チーム内の関係を良好に保ったまま問題解決へ導けるためです。
たとえば、立場の高い人が権力を使って強引に問題解決をしたとしても、根本的な問題解決になりません。さまざまな人の合意を得られていないため、不満を抱かせて新たな問題が起こる可能性があります。
このような行動はチームメンバーや取引先に不信感を抱かせる原因になり、信用を失ってしまいかねません。しかし、調整力のある人が問題解決にあたれば、チームメンバーとコミュニケーションを取って意見をまとめられるため、信頼を得られて問題を円滑に解決できます。
コミュニケーションが円滑になるだけでなく、精神的な面でも安心できる場を作ることができます。
「何でも話せる環境」がチームの結束力を強め、その雰囲気が取引先にも伝われば部署全体も高く評価されるはずです。
問題解決能力はあらゆる職種で活用できる能力です。次の記事では、問題解決能力の基本情報や、身に付け方、自己PRでアピールする際の例文を紹介しています。
チームをまとめるリーダーシップ
調整力がある人からは、チームをまとめるリーダーシップがあると捉えられやすく、企業から評価を得られます。調整力がある人は、一人の言い分など偏った意見で物事を判断しないため、公平な立場に立てる人材です。
そのため、チーム内の意見が食い違っていたとしても、全員の意見をまとめて認識のズレなどを解消して同じ目的に軌道修正できます。チームをまとめる過程で、「この人は全員の意見に耳を傾けてくれて、誠実に向き合ってくれる」とチームから信頼されて調整力がある人の方針についてくる人も増えてきます。
調整力がある人は一人ひとりの価値観を尊重しつつ、最適解を提示してときにはチームの潤滑油となる存在であるため、企業から高評価を得られるのです。
- 調整力があることは、管理職のような上の立場を目指すためのアピールになりますか?
組織をまとめる管理職を目指すうえで調整力は大きな武器になる
結論から言えば、大いに有効だと思います。組織は複数の人間から構成されています。考え方や価値観、信条などが異なる人の言い分を聞き、合意形成を進めていくうえでは、調整力の高さが求められます。
もちろん、意思決定をおこなううえでは、組織の理念や共有価値観を基準にするのが前提ではありますが、それでも人が集まれば何かしらの対立はあります。社内だけではなく、取引先や顧客など、社外の方とも様々な調整が求められます。
ただし、組織のリーダーを目指すなら、調整力だけでなく、自分の信念や思いを強く持ち、譲れないものは断固として譲れないという軸を持っていることも併せて伝えましょう。
自分を持たず、他人の意見をまとめるだけの人という印象を与えかねません。
自己PRでリーダーシップをアピールしたい人は次の記事もおすすめです。記事では、リーダーシップの自己PRが有効なケースや、リーダーとして活躍が期待できる自己PRの条件を解説しています。
対立する意見を調整して全員が納得のいく形へ導く能力
調整力がある人は対立する双方の意見を聞き入れ、妥協点を見出し調整して、周囲が納得できる形へ導く能力があります。目指す目標や目的がブレず、チームを正しい方向へ軌道修正する力がある人はビジネスパーソンとして評価される人材です。
調整力は社内外で役立つ能力であり、顧客との商談の場でも有効です。顧客の主張を聞き出し、自社の主張を提示するとともに、商談の内容をまとめて双方が納得できる落としどころへと導けるため事業が円滑に進められます。
仕事をするなかで相手の主張を聞き出しつつ、自社の主張も伝える行動は信頼へとつながります。対立する意見を調整して全員が納得のいく形へ導く能力は、顧客やビジネスパートナーから厚い信頼を得られるため、企業から高く評価されるポイントです。
注意しよう!自己PRを考えるときに気をつけるべきポイント
注意しよう!自己PRを考えるときに気をつけるべきポイント
- 企業の求める人物像にマッチしているか
- 具体性に欠けて人柄がイメージしづらくないか
- アピールポイントを一つに絞れているか
採用担当者は自己PRからあなたの強みや人柄を読み取って、自社にマッチする人材なのかや、入社後の活躍が期待できるのかを判断します。しかし、内容がわかりにくかったり、人柄がイメージしにくかったりした場合、印象に残りにくい自己PRになりかねません。
下記では、自己PRを考えるときに気をつけるべきポイントを解説しています。どのような点に注意するべきか把握し、ポイントを意識しながら自己PRを作成しましょう。
企業の求める人物像にマッチしているか
自分の強みが企業の求める人物像にマッチしていなければ、自己PRの効果はありません。どれほど優良な人材であることをアピールしても、企業方針や社風とマッチしていなければ選考通過にならないためです。
企業の求める人物像を把握するためには、企業研究をおこなって企業理解を深める必要があります。企業のホームページ(HP)、会社説明会では企業方針や事業内容を、OB・OG訪問では社風やより詳しい業務内容などを知れて企業理解を深められます。
また、自己PRで自分の強みをアピールする際は、表現の仕方も工夫することが大切です。同じ強みだとしても、表現の仕方によって採用担当者の受ける印象は異なるため、企業の求める人物像にマッチした言い方を意識しましょう。
企業は単純に優秀な人を募集しているのではなく、自社の組織と風土にマッチして、自社で活躍してくれる人を求めています。
特に、早期離職率が高いとされる若い世代に対しては、就職できるならどこでも良いという人は敬遠されてしまうかもしれません。
相手企業への理解を深め、なぜその会社に入社したいのかを、自分の個性や経験と合わせて説明できるようにしましょう。
自己PRを作成するうえで企業研究は必要不可欠です。記事では、企業研究の目的や、企業研究に不可欠な項目、情報収集の方法について解説しています。
具体性に欠けて人柄がイメージしづらくないか
自己PRが抽象的な表現だと、具体性に欠けてあなたの人柄がイメージしづらいものとなります。「リーダーシップがあります」だけだと、日頃どのような場面でリーダーシップが発揮されるのかが採用担当者に伝わりません。
もし、リーダーシップを強みとして伝えるなら、「周りを巻き込み、目標を達成する力があります」のように、強みの要素をより具体的な表現で伝えましょう。
また、「どのような場面で」「どのようなスタイルで」のように強みの要素を細分化して、具体的なエピソードを交えることであなたの人柄がイメージしやすくなります。人柄が自社の求める人物像とマッチしていれば、良い評価をもらえて選考の通過率が高まるかもしれません。
自己PRのどこから「人柄」を読み取るかというと、キーワードを裏付けるエピソードのなかで、あなたが「どう考え」「どう判断して」「どう動いたか」といったことの具体的な記述から、ほかの人との違いやあなたらしさを読み取っています。
アピールポイントを一つに絞れているか
アピールポイントが複数書かれていると、一つひとつの情報量が少なくなり強みが伝わりにくくなるため一つに絞って記載しましょう。企業は強みの数で候補者を評価するのではなく、自分の強みを理解してどのように仕事に発揮できるかを見ています。
そのため、一貫性を持って一つの強みを深掘りして伝えた方が、企業理解や自己分析を徹底していると感じられて好印象につながります。企業の方針や社風、業務内容に最もマッチする強みに絞って、効果的にあなたの強みをアピールすることが大切です。
アピールポイントに悩む人は次の記事も併せて読んでみてください。記事では、企業から求められる長所20選や、職業別にアピールにつながりやすい長所についても解説しています。
自己PRにまつわる疑問や悩みにプロが答えるQ&Aも併せてチェックしよう
自己PRについてほかの人がどのようなことに悩み、解決しているのか、気になる人も多いのではないでしょうか。
下記ではPORTキャリアに寄せられた自己PRの悩みに関する8つのQ&Aを紹介しています。自分の悩みに関するキャリアコンサルタントのアドバイスがあれば、参考にして問題解決に役立ててくださいね。
調整力の具体性を高めて企業が求める人材だとわかる自己PRを作ろう
仕事上でチーム内の意見が分かれたとき、調整力がある人がいればチームの関係を良好に保ったまま円滑な問題解決が可能です。そして、場合によってはチームの潤滑油のような役割を担い、リーダーシップを発揮するため優秀なビジネスパーソンとして評価されます。
調整力を自己PRで伝えるときは、具体的な言葉へ表現して端的に伝えましょう。また、具体的なエピソードを交えて説明することで、説得力が増して入社後の活躍をイメージしてもらいやすくなります。
自己PRの作成ではPREP法を意識して、簡潔で担当者が理解しやすい構成で考えることが大切です。企業が調整力で重視するポイントや、自己PRの作成で気をつけるべきポイントに注意しながら、あなたの強みを効果的にアピールできる自己PRを作成してくださいね。
アドバイザーコメント
西 雄一
プロフィールを見る調整力の自己PRは強みを発揮してどうなったかを示すことが鍵
自己PRを作成する際に、「私には調整力があります」と結論から述べたとしても、企業側は「いったいどんな調整力があるのか」疑問に感じてしまいます。
そのため、冒頭の1文目では端的に「私は〇〇に取り組んで問題解決をおこなってきました」など、相手にイメージしやすい表現を用いましょう。
そして、その裏付けとなるエピソードでは、「課題発見から解決までのプロセス」だけでなく、「周囲とのコミュニケーションからどのような変化が生まれたのか」「チームがどのように改善され、個々がどのように生産的になったのか」「課題解決後に起こった変化」などを数値やデータを交えながら伝えることがポイントです。
自分の調整力の再現性や貢献意欲も示して高評価を狙おう
また、エピソードは、「再現性のあるもの」、つまり、入社後も同様のトラブルが起こった際に調整力を発揮できるかどうかにつながる内容を選びます。
最後に、その調整力が企業にどう役に立つのかを示す「貢献意欲」について書きましょう。これらが企業があなたの調整力を評価するポイントとなります。ただし、企業が求めている人物像とマッチしているエピソードかどうかも重要なので、しっかり照らし合わせましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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中小企業診断士/キャリアコンサルタント
Shigeki Komatsu○営業企画・マーケティング・情報システム・総務・人事・経営企画室など幅広いキャリア経験を持つ。現在はキャリア形成や能力開発に向けた企業研修や個人面談などを提供している
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Mihoko Endo〇メガバンクで法人営業や新人研修講師、採用面接に携わる。現在は「その人らしさを引き出すカウンセリング」をモットーに、大学での就活支援、社会人向けキャリア開発研修をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/西雄一教育研究所代表
Yuichi Nishi〇大学では就活に関するスキルを身に付けられる実践中心の授業を展開。また、講師として企業で新人や中堅社員に向けてコミュニケーション研修、キャリアコンサルティングをおこなっている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント
Arisa Takao〇第二新卒を中心にキャリア相談を手掛け、異業種への転職をサポートする。管理職向けの1on1やコンサルティング業界を目指す新卒学生の支援など年齢や経歴にとらわれない支援が持ち味
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