この記事のまとめ
- 面接練習では身振り手振りを含めた視覚情報を意識することが大切
- 身振り手振りはやりすぎず使う箇所を選ぶことがコツ
- 身振り手振りは本番前に客観的に確認することが必須
- 面接力診断ツール
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面接のような緊張する場面において、自然体でふるまうのは難しいですよね。「緊張すると身振り手振りをやりすぎてしまう」「慣れていなくてまったく動かせない」など、さまざまな悩みがあると思います。
面接に挑む前には、客観的に自分の動きを確認し、身振り手振りを有効に使う準備をしましょう。そうすることで、面接官の前でも堂々と自信を持って話をすることができ、高評価につなげることができます。
この記事では、キャリアアドバイザーの遠藤さん、谷所さん、柴田さんとともに面接で身振り手振りを効果的に使う方法を解説します。適切な身振り手振りを習得して面接を突破しましょう。
面接では視覚情報も意識! 身振り手振りで差をつけよう
面接というと、多くの学生が、自己PRや志望動機などの話す内容を用意することにとどまってしまいます。練習をおこなうとしても、「用意した内容をすらすらと口に出せるか」という点にのみ意識を向けがちです。
しかし、合否の判断材料になるのは、学生が話す内容などの言語情報だけではありません。話し手が聞き手に与える影響は言語情報より、しぐさや表情といった視覚情報の方が大きいといわれています。よって、話す内容以上に、面接における自分の見え方も意識する必要があるのです。
記事ではまず、面接において身振り手振りが有効なアピールとなる理由を説明します。そのうえで、身振り手振りの適切な使い方から、ほかの学生と差をつけるコツまで徹底解説するので、面接で好印象を残したい人はぜひ参考にしてください。
- 実際、身振り手振りを有効に使えているなと感じる学生はどのくらいいるのでしょうか。
身振り手振りを使いこなす学生は少ない
私が会う学生たちは、手は膝の上で軽くそろえている人がほとんどです。身振り手振りの印象が強い人は、動きがとても大きかったりせわしなく動かしたりしていることが多いです。
着席しての面接は、大勢の前のプレゼンとは雰囲気が違うので、身振り手振りを意識している人は少ないのではないでしょうか。話していて自然に手が動いてしまった、というさりげない身振り手振りは好印象です。
そもそも身振り手振りとは
身振り手振りとは
コミュニケーションを取るために、身体全体や手を動かすこと
身振り手振りは、よくジェスチャーやボディーランゲージと言い換えられることから、言語が異なる海外の人と話す際に使うイメージがあるかもしれません。
しかし、言葉が通じる場合でも身振り手振りが使われるシーンは多々あります。たとえば、企業が自社の商品を顧客に向けて紹介するプレゼンテーションの場で、棒立ちのプレゼンターはほとんどいません。話の内容に合わせて身振り手振りをおこない、自社の商品の魅力を伝えようとします。
このように身振り手振りは意志を伝えるだけでなく、アピールを補強する際にも用います。自分を売り込む面接においても、身振り手振りはアピールを強調する効果が期待できます。
社会人のコミュニケーションでは、伝えるだけでなく、伝えたいことを相手に理解してもらったうえで、さらに行動を促すために身振り手振りを使います。
たとえば顧客に向けての商品紹介のプレゼンテーションでは、身振り手振りを使い説明することで、顧客の気持ちを動かすことができ、購買につながるのです。
面接で身振り手振りが有効な4つの理由
面接で身振り手振りが有効な4つの理由
- 聞き手の理解度が上がる
- 熱意が伝わり説得力が増す
- 差別化されて印象に残りやすい
- 緊張がほぐれて自分らしく話せる
メラビアンの法則によると、言語・聴覚・視覚から受け取る情報がそれぞれ異なった際、視覚からの情報が最も強く影響すると言われています。
つまり、話す内容だけでなく表情や身振り手振りなどの視覚情報が重要なのです。視覚情報である身振り手振りを上手く使いこなすことで、面接官の印象に残りやすくなります。
ここでは、面接において身振り手振りをする具体的なメリットを4つ紹介していきます。
①聞き手の理解度が上がる
身振り手振りを使うことで、聞き手は情景がイメージでき、話の内容を理解しやすくなります。
たとえば、ガクチカや自己PRでは過去の出来事を説明します。当たり前のことですが、面接官は学生の過去に立ち会っていないので、過去の情景がイメージできていない状態からエピソードを知ることになります。
そこで、口頭でのみ説明するのではなく、ジェスチャーを交えると、臨場感が出て過去の情景が伝わりやすくなるのです。
②熱意が伝わり説得力が増す
身振り手振りを使わずに淡々と話す人に比べて、身振り手振りを使って話す人は一生懸命に伝えようという熱意が感じられます。たとえば、面接における志望動機で熱意が感じられると「本気でこの会社で働きたいんだな」と意欲の高さが伝わり、話の内容に説得力が増します。
- 熱意を伝えようとして、身振り手振りを使って話すと、演技っぽくなってしまうような気がします。自然体で熱意を伝えるにはどうすればいいですか。
動作が一定にならないように心がけよう
身振り手振りが自然に見えるようにするには、同じ動作を繰り返さないように注意しましょう。
よくリズミカルに話そうと手の動きで節をつけて話す人がいますが、よく見ると胸の前で両手を重ねる、人差し指を顔の横で立てる、など同じ動作を繰り返していたりします。
一度それに気づくと、人はわざとらしさを感じ、動作が目に付いて話に集中できなくなるので、避けるようにすると、動作が自然に見えやすくなります。
③差別化されて印象に残りやすい
面接を受ける学生の多くは、用意した回答をすらすらと話すことにのみ、集中してしまいがちです。その中で身振り手振りを使いこなせば、面接官の印象に残りやすくなります。
特に複数の学生が同時に面接を受けるグループ面接では、差別化は欠かせません。全員に対して同じ質問が投げかけられることも多く、話の内容だけで特徴を出すことは難しいです。そこで、身振り手振りを交えて話ができると、印象に残りやすく、面接官に覚えてもらえる可能性が高まるのです。
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④緊張がほぐれて自分らしく話せる
練習や経験を重ねても、面接になると緊張してうまく話せないという人もいますよね。面接はほとんどの場合、椅子に座った状態でおこなわれ、膝の上に手を置いたままでは、緊張で堅くなっていた身体と心が、さらにこわばってしまいます。
そこで、身振り手振りをしながら話すと、こわばっていた身体がほぐれて、次第に心も落ち着いてきます。緊張がやわらぐことで自然体で話せるようになり、想定していなかった質問にも自分らしく回答できるようになるのです。
面接で過度に緊張せず、上手く話すためには事前の準備が必須です。こちらの記事では面接の事前対策だけでなく、その場でできる対処法も紹介しているのでぜひ参考にしてくださいね。
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アドバイザーコメント
遠藤 美穂子
プロフィールを見る自然に身振り手振りを取り入れて緊張を和らげよう
緊張すると肩に力が入り、表情も硬くなりうまく話せなくなってしまいます。軽く手を動かして、自分の周りの空気を動かすだけでも、自分のペースを取り戻すことができます。
たとえば、手を上げるタイミングで息を吸うことで呼吸が楽になり、目がぱっと開いて視線が上がり、表情が明るくなって印象が良くなります。
声にも変化が現れます。軽く身振りを入れることでリズムが生まれ、間を上手に取ったり抑揚をつけたりすることができ、一本調子で暗記したものを話しきるという雰囲気ではなくなります。
自然な身振り手振りは面接官の印象に残りやすい
面接官にとっても、学生の表情だけでなく、身振り手振りに視線を移すことで改めて集中力を高められることになります。
また、話の内容に合わせた身振り手振りで、ビフォアアフターでどれだけ変化したかとか、嬉しさや悔しさをより生き生きと伝えることもできます。
自然な身振り手振りを交えることで、面接官の印象に残りやすい展開が可能になるので、うまく織り込めると良いですね。
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やりすぎは逆効果! 身振り手振りのNG例
身振り手振りのNG例
- 頻度が高すぎる
- 動きが大きすぎる
- 動きが速すぎる
ここまで身振り手振りのメリットとなる側面を紹介してきました。身振り手振りをしながら話すことでほかの学生と差別化ができることが理解できたのではないでしょうか。
しかし、身振り手振りをたくさん取り入れれば、それだけ評価が高くなるというわけではありません。面接はあくまで、面接官の質問に的確に回答することが重要です。身振り手振りは話の内容を補助する役割にとどめておかなければなりません。
視覚情報は聞き手に与える影響が大きい分、もし身振り手振りが逆効果となると、悪い印象が強く残ってしまう危険があります。身振り手振りが自分の見え方にマイナスに作用していないか、これから説明するNG例を参考に、確認しましょう。
①頻度が高すぎる
身振り手振りをやりすぎている例として最初にあげられるのが、話をしている最中、常に手が動いてしまっている状態です。手を動かしながら話すのが癖になっており、無意識である場合が多いです。
身振り手振りの頻度が高すぎると、面接官はその動きに気がとられ、話の内容に集中できなくなってしまいます。結果的に、話の内容が理解してもらえず、評価の対象にもならないといった事態になりかねません。
- 面接中どのくらい手が動いていると、身振り手振りが多すぎると感じられてしまうのでしょうか。
面接の3割以上身振り手振りをしている状態は避けよう
身振り手振りが多すぎると動きが気になり、伝えたいことが伝わらなくなります。
面接官により受け取り方は若干違うものの、面接で3割以上身振り手振りをおこなうと、大袈裟な人、回答に自信がない人、落ち着きがない人などの印象を持たれてしまう可能性があります。
特に強調したいときや、言葉だけでは伝わりにくいときに使えば良いのです。多くても身振り手振りは、面接の3割を超えないほうが良いでしょう。
②動きが大きすぎる
動きが大きすぎることも、身振り手振りが悪い印象に作用してしまう要因になります。たとえば、椅子からお尻が浮くくらいオーバーな動きや、集団面接において隣の人に手が当たってしまうくらい大きな動きは、常識的な身振り手振りといえません。
面接官からは「常識がない」「礼儀がなってない」というマイナスな評価をされてしまいかねません。また、動きの大きさに内容の充実度がともなっていないと、内容の薄さをごまかそうとしているのではないかと疑いを抱かれる危険性もあります。
身振り手振りをするときは、両肩より下、腰より上の四角形の範囲内に限定し、動きが大きくなりすぎないように注意しましょう。
日本社会ではそもそもオーバーアクションを好まない傾向があります。話すときの大きな動作を見慣れていない人がほとんどなので、そのような動作に落ち着いていない、TPOをわきまえていないと捉えられてしまうので注意しましょう。
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③動きが速すぎる
緊張すると、つい早口になってしまうのと同様に、身振り手振りも自分が思っている以上に動きが速くなってしまい、聞き手には粗雑な動きに見えてしまうことがあります。
たとえば、話のタイミングと合っていない速すぎるタイミングで手を動かすと、話の内容を強調する効果は得にくくなります。
それどころか、「落ち着きがない」といった印象を受け、好印象を狙っておこなった身振り手振りがかえって逆効果になってしまいます。身振り手振りをする際は、話すスピードと同様に相手が理解しやすい速さを意識しておこなう必要があるのです。
普段自分が無意識におこなっている言葉遣いや身体の動きが、面接におけるマナーに違反しているかもしれません。面接を受ける予定があるのであれば、早めに面接のマナーを把握しておきましょう。
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身振り手振りの適切な使い方
ここまで、身振り手振りのメリットとデメリットの両方を解説してきました。デメリットの側面を鑑みると、リスクを回避するために身振り手振りをしない方が良いのではないかと考える人もいますよね。
しかし、今から解説する身振り手振りを使うポイント3つと、後に説明するコツ2つを押さえれば、デメリットは回避することが可能です。ここで解説する内容を参考に、伝えたい内容に合わせた、適切な身振り手振りを覚えましょう。
①程度や規模に合わせて動きを調整する
1番実践しやすい身振り手振りは、話の程度や規模に合わせて動きを調整するという方法です。手を動かす範囲は、前で説明している通り、両肩より下、腰より上の四角形の範囲内にし、動きが大きくなりすぎないようにしましょう。
程度や規模に合わせて動きを調整する例
- サークルの人数が多いことを話すとき、胸の前で両手を広げて規模の大きさを表す。
- 「成績を20位から3位に伸ばした」というエピソードを伝えたい場合、20位のときは片手を膝の少し上で水平にし、3位と口にすると同時にその手を水平のまま、上に持ち上げる。
- 細かいことまでこだわったことを伝えたいときは、親指と人差し指を立てて、両指の隙間で規模の小ささを表現する。
②手を人物や物事に見立てて動かす
面接では過去のエピソードを面接官に伝える機会が多々あります。自分の過去を何も知らない相手にわかりやすく説明するのは難しいことです。そんなときに、身振り手振りを用いると、状況を整理して伝えられることがあります。
すると、面接官も「今何の話をしているのか」ということがわかり、理解がしやすくなります。それだけでなく、コミュニケーション能力や論理的思考力のアピールにもなります。
手を人物や物事に見立てて動かす例
- 賛成派と反対派がいて、賛成派の意見と反対派の意見を説明するとき、賛成派を右手に見立てて、賛成派の意見について話すときは右手を上げる。反対派の意見を話すときは右手を下げて、左手を上げる。
- 既存のデータに新たなデータを加えたことを伝えるときは、胸の前の中心で、左手で拳を握って、元々存在していた基盤となるデータであることを指す。
新たなデータについて話すときは、右手で拳を握り、左手から右に離れた位置で止める。
右手を中心にある左手の位置に動かすことで、データが一体となったことを表現する。
例を見てもイメージがつかみきれない人もいますよね。こちらの動画で、手を人物や物事に見立てて動かす身振り手振りを実践しているので確認しましょう。
自分では人物や物事に見立てているつもりでも、相手に共通の認識がなければ、身振り手振りは逆効果になってしまいます。詳しくは後述しますが、本番前に一度第三者に見てもらい、誰が見てもわかる動きになっているかを確認してくださいね。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見るゆっくりとした身振り手振りで理解を促す時間を作ろう
複雑な話や込み入った話を伝えたいときは、手の動きを大きくして少しゆっくり説明すると良いでしょう。手の動きをゆっくりしながら説明すると、面接官がじっくり考えることができ、理解しやすくなります。
たとえばポイント3つを強調したいときは、最初に3本の指を立てて3つのポイントを強調し、次に時間をやや長めに1本ずつ指を立ててゆっくり説明することで、3つのポイントを的確に理解してもらうことができます。
身振り手振りをする目的によって動作は変わる
熱意を伝えたいのか内容を理解してもらいたいのかで、身振り手振りが違ってくるので、伝えたい内容を整理して身振り手振りを考えてください。
両腕を胸の前に出して回答すれば熱意を示すことができ、拳を握って前に出すことも効果的です。一方、両手を広げて大きさを示したり円を描いたりして大小を示せば、視覚から理解してもらうことができます。
複雑な話を整理して身振り手振りで伝えようという姿勢は評価されますが、身振り手振りが複雑で理解を得られなければ、元も子もありません。
面接官の表情が複雑な話や込み入った話を理解していないようならば、一方的に説明をするのではなく別の言い方で説明するなど、ただ伝えるだけでなく伝わる説明をおこなってください。
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③強調するポイントに合わせて動かす
身振り手振りが最も効果を発揮しやすいのが、話の内容を強調したいときです。話の結論や重要な部分で身振り手振りがあると、聞き手に話の要点が伝わりやすくなります。また、「どうしても伝えたい!」という強い意志や自信が感じられ、話の説得力が増します。
しかし、身振り手振りを多用しすぎると、強調したいポイントが目立たなくなってしまい、効果は発揮できません。あらかじめ「これは必ずアピールしたい」「ここは絶対に覚えてほしい」といった部分を選定し、合わせて身振り手振りを使うようにしましょう。
強調するポイントに合わせて動かす例
- 自己PRで過去の成果について伝えるときに動かす
- ガクチカで仕事への再現性をアピールしたいときに動かす
- 志望動機で入社への意欲や、入社してやりたいことを伝えるときに動かす
選考フェーズや企業によって面接時間は異なります。それぞれの面接の時間に応じて、強調するポイントをいくつ選定するかも変わってきます。こちらの記事で面接の時間について解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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面接の時間は30分~1時間が基本です。ただし、企業の特徴や選考のフェーズごとに時間は変わります。かかる時間から面接の内容を考えると、効率的に対策できますよ。キャリアコンサルタントとともに各面接の時間と必要な対策を解説します。
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さらに好印象を残すために! 身振り手振りをスマートに見せる秘訣
身振り手振りをスマートに見せる秘訣
- 目線を固定しながら使う
- 手の動きにメリハリをつける
身振り手振りのデメリットの側面として、「落ちつきがない」と思われてしまう危険性があると説明しました。そこで、誰が相手でも自然体な動きとして見せるには、さらに踏み込んだ工夫が必要になります。
ここでは、上記で説明した身振り手振りの適切な使い方を踏まえたうえで、身振り手振りをスマートに見せる秘訣を伝授します。2つの秘訣を実践することで、身振り手振りが「落ちつきがない話し方」から一転「スマートな話し方」に逆転させられるので、ぜひ参考にしてくださいね。
目線を固定しながら使う
話し手の目線が定まらないまま話をされると、聞き手は話の内容に集中することが難しくなります。特に、身振り手振りをしているときは、それだけで視覚から情報が入ってくるため、目線まで動いていると、話に集中できない危険性がより高まります。
面接で身振り手振りをするときは、目線は固定するように心掛けましょう。面接官が複数いる場合、身振り手振りを使うときは目線を1人の面接官に固定することをおすすめします。
目線を合わせて話すという行為は、聞き手を意識しながら話していることが伝わり、「落ち着きがない」「コミュニケーション力が足りなさそう」という印象を回避することができます。
手の動きに合わせて目線を下げてしまうと、自信なさげに見えてしまいます。聞き手一人ひとりと目を合わせていく目配りと、身振りに合わせて視線を動かすのは違います。聞き手と目を合わせることは常に意識してください。
手の動きにメリハリをつける
繰り返しになりますが、身振り手振りを多用しすぎると、聞き手が話の内容に集中できなくなったり、強調したいポイントがわかりづらくなります。よって、強調したいポイントをあらかじめ絞って身振り手振りをすることが大切です。
強調したいポイントを際立たせるには、メリハリをつけましょう。具体的な方法として、身振り手振りが不要な時間は、手を膝の上に置いたまま動かさないでおくと良いです。
そうすることで、強調したい箇所がわかりやすくなるだけでなく、落ち着いて冷静に話しをできる人だということがわかります。
アドバイザーコメント
柴田 登子
プロフィールを見る強調したいことを言い切ったら動作をピシッと止めよう
話をダイナミックにしようと身振り手振りを付けるときに、絶対にやってほしいことがあります。
それは「動きっぱなしにならず、肝心なところで動作を止める」です。 身振り手振りを付けながらうまく話す人を観察していると、重要なメッセージを伝えるとき、相手に何かを考えてほしいときなどに、必ず動きをピシッと止めます。
たとえば「行動するのはあなたです!」と話を聞いている人を手で指すときに、その手がぐらぐらと揺れ動いていてはメリハリが感じられませんよね。そうすると、「あなた」と指摘されているのは自分と捉えさせることが難しくなります。
動作を止める時は相手の目を見てキレ良く俊敏に
伝えたい真意を話した後に内容をかみしめてほしいときにも、言い切った後動きを止めて、相手の目をじっと見つめます。ずっと動きながら話していても、そこだけ動作を止めることで、非言語で「ここは重要なポイントなのですよ」ということを相手に伝えることができます。
身振り手振りを交えて話すのは説明や解説で、メッセージを伝えるときは静止。そして動作を止めるときはゆっくり止めるのではなく、できるだけキレよく機敏に止めるとなお効果的です。
とにかく、一番言いたいことを言い切ったら、必ずそこですべての動きを止めるようにしましょう。
手の動き以外にも! 視覚情報で高評価を得るコツ
視覚情報で高評価を得るコツ
- 柔らかい表情を作る
- 面接官の話をうなずきながら聞く
- 面接官全員と満遍なく目線を合わせる
ここまで身振り手振りについて詳しく解説してきました。身振り手振りで視覚からもアピールすれば、良い印象を残せることが理解できたかと思います。
当たり前のことですが、面接官が得る視覚情報は身振り手振りだけではありません。そこで、ここからは、身振り手振り以外の視覚情報からのアプローチ3つを紹介します。身振り手振りと併せて、ぜひ意識して取り入れてみましょう。
①柔らかい表情を作る
面接官は面接中常に学生の顔を見て話を聞いていて、特に表情には注目しています。
緊張でこわばった表情のまま話し続けてしまう学生は多いですが、無愛想に見えてしまいます。だからといって、ずっと笑顔のままでも、真剣さが伝わりません。基本の表情は、口角を上げつつ、目元はキリッとさせることを意識すると良いでしょう。
口角を上げるだけで、表情はかなり柔らかくなります。さらに、話の内容に合わせて笑顔を見せたり、真剣な表情にすることで、話し上手な印象を持ってもらうことができますよ。
多少の緊張は微笑ましく受け止めてもらえますが、終始表情がこわばったままでは「顧客のところに行ってもこの調子だろうか」と心配されたり、「気持ちがわかりにくい」「熱意が見えづらい」と誤解されたりしてしまいます。
柔らかい表情は面接官の心も和らげますよ。
②面接官の話をうなずきながら聞く
自分が面接官に向けてアピールするとき、自分の話に合わせてうなずきながら聞いてくれると、「言いたいことが伝わっている」と安心しながら話を進められますよね。
面接は学生が質問に答えるだけでなく、面接官が自社の業務のことを説明したり、逆質問に答えることもあります。そこで、学生がしっかりとうなずきながら話を聞くと、内容が伝わっていることがわかり、面接官もスムーズに話を進めることができます。
話を聞くときは相手に「相性が良い」と感じてもらうためにも、話のスピードに合わせてうなずくことがコツです。
- うなずくこと以外に、面接官が話している際にどんな仕草や反応があると好印象になりますか。
口角を上げ目をやや大きめに開いて明るい表情で話を聞こう
面接ではあいづちに加えて口角を少し上げることで、表情が明るくなります。緊張していると口角が下がり暗い印象になるので、意識的に口角を少し上げてみてください。
また目をやや大きく開きながら話を聞くと、面接官は学生が話に興味を持っていると捉え、良い印象を受けます。逆に無表情で話を聞くと、話の内容に共感していない、あるいは興味がないと受け取られる可能性があるので、注意してください。
ほとんどの面接では、面接官が学生からの質問に答える時間を設けています。逆質問で「特にありません」は基本的に印象が良くありません。こちらの記事を参考にして逆質問の準備をしましょう。
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面接の最後に聞かれる「質問はありますか」、いわゆる逆質問は、評価を左右する対策必須の質問。逆質問に回答するための準備や回答例、NG行動などについてキャリアコンサルタントが解説します。面接の「質問はありますか」で周りと差をつけるコツも紹介するので、参考にしてください。
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③面接官全員と満遍なく目線を合わせる
集団面接の場合も、個別面接の場合も、面接官が複数いるケースはよくあります。身振り手振りをする際は、目線を1人の面接官に固定することをおすすめしましたが、それ以外では、面接官全員と満遍なく目線を合わせるようにしましょう。
複数の面接官がそれぞれ順番に質問をしてくる形式であれば、基本的に質問を投げかけた面接官の目を見て話します。質問した面接官以外も話を聞いてくれている様子であれば、タイミングを見計らって目線をほかの面接官にうつしてみましょう。
目線を合わせて話すことは、コミュニケーションの基本です。面接官一人ひとりと目線を合わせることを意識しましょう。
人は肝心なことを伝えられるときに目線を合わせてもらえないと、なぜかその相手を信用することができません。
逆に「ココ!」という大切なメッセージを伝えようとするときに、一番聞いてほしい相手に視線を集中させると、その人だけでなく、その場全体の人がメッセージをしっかり受け取ります。一番言いたいことこそ目線を合わせるようにしましょう。
癖に自分で気付くのは難しい! 本番前に客観的に確認しよう
身振り手振りを本番前に客観的に確認しよう
- 鏡で確認しながら練習する
- 面接練習を録画して確認する
- 第三者に確認してもらう
ここまで、身振り手振りを含めた面接において工夫できる「見え方」を解説してきました。
ぜひ面接練習でも積極的に実践してほしいのですが、その際は必ず客観的に確認してください。この記事で解説したアドバイス通りにやっているつもりでも、聞き手からすると違和感を感じる動きになっている場合は少なくありません。
頭で理解するだけでなく、本番前に繰り返し練習し、都度客観的に確認することで、有効な身振り手振りを動きとして定着させることができます。確認方法は3つあるので、ぜひ3つとも実践してくださいね。
面接準備には身振り手振りだけでなく、あらゆるチェックポイントがあります。こちらの記事を読んで、抜かりなく面接準備をおこない、選考を突破しましょう。
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面接は、身だしなみやマナー、頻出質問の回答など、網羅的に抜かりなく準備をすることが面接突破につながります。前日・会場到着前後・面接直前に切り分けて準備するべきことや心構えについて、3名のキャリアコンサルタントの意見を交えて解説します。
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面接練習をしている人は、表情や回答がどのように伝わるかを理解しているので、好感を持たれる表情や回答ができるようになります。
一方練習をしていないとマイナスポイントになる表情や回答が理解できていないため、採用につながらないケースがあります。
①鏡で確認しながら練習する
鏡の前で面接練習をおこない、リアルタイムで確認するのが最も簡単な方法です。身振り手振りを交えながら、「動きが大きすぎないか」「動きが速くなりすぎていないか」を確認することができます。
併せて、表情や姿勢が崩れていないかについても、同時進行でチェックすることができます。
本番に備え、鏡がなくても、適度な身振り手振りができる状態に仕上げましょう。家で1人で練習する際はぜひ鏡を利用するようにしてくださいね。
②面接練習を録画して確認する
録画を確認することにより、客観的に自分を見られるため、改善点が見つかりやすくなります。特に話の内容と身振り手振りが合っているか、動きのスピードは適切かという点に注目してみましょう。
たとえば「大きい」ことを伝えたいわりに手の動きが小さすぎたり、強調したいポイントに対して手の動きが遅れていたり、など聞き手が違和感を感じるポイントが見つかるかもしれません。
最近ではスマートフォンを使って手軽に録画ができますよね。違和感がなくなるまで、練習を録画して確認する流れを繰り返しましょう。
自分で身振り手振りを確認するときのチェックリスト
- 手を動かす範囲は広すぎないか
- 動きが速くなりすぎていないか
- 規模や程度に手の動きの大きさが合っているか
- 話の内容とタイミングが合っているか
③第三者に確認してもらう
鏡や録画を通しても、やはり自分では気づけない癖や改善点はあります。身振り手振りがどこまで効果的に使えているかという判断は、自分で確認する以上どうしても主観的な判断になるので、ぜひ他の人の意見をもらう機会を設けましょう。
確認してもらう際は、見方が偏らないためにも、1人に限定せず、複数の人から意見をもらうとなお良いです。また、最終的に面接官に伝わるかどうかが鍵となるので、面接官に立場が近い、キャリアセンターの人や、社会人の意見を中心に参考にしましょう。
面接練習はほかにも工夫する方法が多数あります。網羅的に対策をしておいて損はありません。ぜひこちらの記事も併せて参考にしてください。
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アドバイザーコメント
遠藤 美穂子
プロフィールを見る伝えたいことを整理してから身振り手振りを添えてみよう
考えを言語化し、わかりやすく話すことと、身振り手振りを交えるということ、柔らかい表情や良い姿勢を保つことを同時にうまくやろうとすると、難しく感じる人もいるかもしれません。順番に練習すれば大丈夫です。
事前の面接対策で、まず大切なのは、面接官に自分の考えを余すことなく伝えることです。伝えたいことを整理して、外せないキーワードを選びましょう。一問一答で文章を丸ごと暗記するのではなく、キーワードを入れて話すように練習します。
その次に、特に強調したいところを選び、ゆっくり話すと同時に少しだけ身振り手振りをつけていくようにすると、やりすぎ感のない、自然なアピールができます。
普段通りの表情や声を意識しよう
表情や声については、とにかく「普段通り、やや明るめ」を意識してください。面接になったとたんに、スイッチが切り替わったような笑顔や明るすぎる声は「無理をしているな」とわかります。
緊張しやすい人は、実際の面接に臨む前にキャリアセンターなどで練習をすると良いでしょう。
その際、言葉のやり取りの練習だけではなく、違うカウンセラーに面接をしてもらう、手癖や口癖がないかチェックしてもらう、身振り手振りが大きすぎないか聞いてみるといった工夫をしてみてください。
適切な身振り手振りで好印象を残して選考を突破しよう
身振り手振りは普段の会話でもよく使われますが、日常的に意識することはあまりありませんよね。そのため、急に面接で取り入れようと意識しても、適切に使いこなすことは困難です。
ここまで解説したように、身振り手振りは適切に使えば、熱意を伝えたり、緊張をほぐすなどさまざまな効果があります。
身振り手振りをすることで、面接官の印象に強く残ることができます。ぜひこの記事を参考に、適切な身振り手振りを理解し、ほかの学生に差をつけて面接を突破しましょう。
アドバイザーコメント
柴田 登子
プロフィールを見る自分の話し方と向き合ってみよう
自分の話し方のクセというのは、なかなか客観的にチェックする機会がありません。しかし、スマートに話を展開できるように、できるだけ自分がどのように話すのかを把握しておいた方が良いでしょう。
特に身振り手振りについては、ほぼ自分の目で見ることができません。そこで、クセをなおし、自然に印象に残る話し方を身に付けるために、面接練習では録画しておくことをおすすめします。
自分が話す姿を眺めるのは、始めはとても気恥ずかしいかもしれません。しかし、我慢して何度も見ていると、自分が同じような動作を繰り返したり、大げさだったりと何らかのクセがあることに気づき始めます。
他の人の話し方にも注目しよう
どうすれば自然に見えるのか、無意味にダラダラと動いていないかなどを検討しながら、何度も撮り直しては推敲する、この繰り返しだけでずいぶん話し方は上達します。
逆に、ほかの人の話し方を見て、このような動きを取り入れてみようと思ったものがあれば、自分でやってみて、それが自然な動きになるまで、何度も録画しつつ練習しましょう。
やみくもに何度も試すだけでなく、他人からどう見えているのか確認することは重要です。ぜひ良いと思った動きは取り入れてみて、録画して確認をおこなってください。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Mihoko Endo〇メガバンクで法人営業や新人研修講師、採用面接に携わる。現在は「その人らしさを引き出すカウンセリング」をモットーに、大学での就活支援、社会人向けキャリア開発研修をおこなう
プロフィール詳細キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Takako Shibata〇製造業を中心とした大手~中小企業において、従業員のキャリア形成や職場の課題改善を支援。若者自立支援センター埼玉や、公共職業訓練校での就職支援もおこなう
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