この記事のまとめ
- ネットワークエンジニアには豊富なキャリアパスがある
- 未経験からでもネットワークエンジニアは目指せる
- 強みをアピールする志望動機を作成して選考を突破しよう
- 適職診断
たった3分であなたの受けない方がいい職業がわかる!
この記事を読んでいる人に
おすすめな診断ツール(無料)
ネットワークエンジニアについて「仕事内容がイメージできない」「未経験でも就職する方法はあるのか」など、悩みを抱えている人もいるでしょう。結論から言うと、ネットワークエンジニアは未経験からでも就職できます。
ただし、大学で専攻していた人や長期インターンシップで業務に携わっていた人と比較すると、知識やスキルで劣っているのは事実。巻き返すためには、未経験でも選考を突破する方法を把握しておく必要があります。
この記事では、キャリアコンサルタントの田邉さん、隈本さん、ITストラテジストの伊沢さんのアドバイスを交えつつ解説します。ネットワークエンジニアに興味がある人、選考を受ける予定の人は参考にしてくださいね。
ネットワークエンジニアの業務を理解して未経験でも選考を突破しよう!
未経験の人がネットワークエンジニアの選考を突破するためには、業務内容やアピール方法の理解が不可欠です。
記事では、面接で問われる可能性が高い「入社後にどの領域で働きたいか」が定まるように、ネットワークエンジニアの仕事内容をフェーズごとに分けて詳しく説明します。
その後で、ネットワークエンジニアのキャリアパスを解説。ステップアップ後にはどのようなキャリアプランがあるのかイメージできるようにします。
また、未経験から内定を勝ち取る方法も紹介しているので、未経験からネットワークエンジニアを目指している人はぜひ実践してくださいね。
未経験からエンジニアに転職する方法は以下の記事で解説しているので、合わせて参考にしてください。
未経験でもエンジニア転職は可能? おすすめ職種や求人の見極め方
あなたがエンジニアに向いているか確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、エンジニアに向いているか確認できます。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
概要を把握しよう! ネットワークエンジニアとは?
ネットワークエンジニアのほかにも、サーバーエンジニアやシステムエンジニアなどさまざまな種類があり、「ネットワークエンジニアがどんな仕事をするのかいまいち把握できていない」という人もいるでしょう。
しかし、選考を突破するには、ネットワークエンジニアの仕事内容や、ほかのエンジニアとの違いの理解は欠かせません。
また、ネットワークエンジニアの今後についても解説しているので、「ネットワークエンジニアに将来性はあるのか」という視点でも読み進めてください。
ネットワークエンジニアの仕事内容
ネットワークエンジニアの仕事は大きく4つに分類されます。企業や案件の規模によって、分業制で仕事をおこなうか、一貫して設計から保守までをおこなうかが異なります。
自社のネットワークに対するコントロールを保つため、ネットワークエンジニアの業務を一貫しておこなっている企業が多い傾向にあります。中小企業などでは、ネットワークエンジニアの業務を外部の企業に分業しているケースもあります。
分業制を採用している企業では、面接で「どの領域でどんな仕事をしたいか」を聞かれる可能性があるので回答を用意しておきましょう。
たとえば、運用志望なら「持ち前の判断力と対応力を活かして、トラブルに対応したい」という回答が考えられます。
①設計
ネットワークエンジニアの最も上流に位置する設計。顧客にヒアリングをおこない、求めているシステムに応じたネットワークの構成や機器を決定します。
ネットワークの維持費用や構築のスケジュールも設計時に作成します。そのため、設計が終わらないとプロジェクトが進行しません。サーバーやセキュリティ、各種OSなどさまざまな領域を担当するので、幅広い知識やスキルを求められます。
また、顧客の要望や悩みを引き出すコミュニケーション能力も必要です。サークルの立ち上げや営業の長期インターンで上位の結果を残したなど、コミュニケーション能力を活かして何かを成し遂げた経験がある人は積極的にアピールしましょう。
②構築
設計をもとにネットワーク機器の設置や設定をおこなうのが構築です。安定的なネットワークを提供するために非常に重要な業務なので、作業にはかなりの期間を要します。
複数の拠点を結ぶ大規模なネットワークの構築には、数カ月かかるケースも。根気強く正確な作業が求められます。機器は常に更新されるので、最新の製品や技術を素早く把握する力も必要です。
③運用
構築して提供しているネットワークは、機器の設定や構成を変更してアップデートする必要があります。立ち上げたネットワークに手を加えるのが運用です。
改善してより良いネットワークの提供を目指します。多くの企業では効率的に業務をおこなうために、設計や構築を担当した人以外が見てもわかりやすいマニュアルが作成されています。
とはいえ、常にネットワークを更新し続けているわけではありません。そのため、次に解説する保守の業務も並行しておこなうケースが多くなっています。
④保守
ネットワークシステムのトラブルや機器の故障が発生した際に、対応するのが保守の役割です。トラブルの原因を迅速に解明し、ネットワークの復旧を目指します。
トラブルや故障の原因は毎回同じ原因とは限りません。そのため、臨機応変に対応する力や問題解決能力が求められます。
とはいえ、丁寧な設計をもとに構築されたネットワークに不具合が発生するのはレアケースです。障害が起きなければほかの業務と比較すると落ち着いて仕事ができるため、未経験の人は保守からキャリアをスタートする傾向があります。
その他にも、ネットワークエンジニアは、ネットワークシステムのドキュメント作成や、報告書の作成もおこないます。さらに、ユーザーからの問い合わせや要望への適切な対応も求められます。
サーバーエンジニアとの違い
サーバーエンジニアは、サーバーの設計や構築、保守などをおこないます。担当する業務はネットワークエンジニアと大きな差はありません。
ただ、サーバーとネットワークとで担当する商材が異なります。ネットワークはサーバーを含む複数のコンピューターが接続されて形成されるので、ネットワークの方がサーバーと比較すると規模が大きい傾向があります。
また、クラウド化によって自社でネットワークやサーバーを保有しない企業が増えていて、両者の違いはなくなりつつあります。
クラウド化
自社のサーバーやネットワークなどの情報システムを外部事業者のサービスに移行すること。
システムエンジニアとの違い
システムエンジニアは、ソフトウェアの設計や開発をおこなうのがメインの業務です。プログラミングや設計など、コンピューターの内部を触る機会が多くなっています。
一方で、ネットワークエンジニアはソフトウェア・ハードウェアの両方に触る機会がありますが、外部の機器を触る機会が多い点がシステムエンジニアと大きく違う点です。
システムエンジニアとネットワークエンジニアは、求められる技術領域が異なります。
ネットワークエンジニアはネットワークやセキュリティ分野の知識と技術が求められるのに対し、システムエンジニアは主に、プログラミングやデータベース分野の知識と技術が求められます。
システムエンジニアの仕事内容の詳細は、こちらの記事を参考にしてください。
システムエンジニアとは? 仕事内容から未経験の就職方法まで解説
あなたがエンジニアに向いているか確認してください
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
ネットワークエンジニアの今後
ネットワークエンジニアを志望している人の中には、「AI(人工知能)の普及で仕事がなくなるのではないか」と不安を抱えている人もいるでしょう。慢性的な人手不足という問題を抱えているネットワークエンジニアの仕事はなくならないと考えられます。
しかし、技術の進歩により業務内容が変化するのは事実。未来を見すえて対応する必要があります。
ここではネットワークの今後を解説するので、これからの動向を把握して時代に乗り遅れないようにしましょう。
クラウドサービスによって需要が低下する恐れがある
これまでは各企業が独自のネットワークを保有し、ネットワークエンジニアが構築や運用をしていました。しかし、外部の事業者のクラウドサービスを利用する方式に移行するクラウド化が進行しています。
クラウドサービスの普及により、従来の業務は減少すると見込まれています。そのため、新しい技術や知識をインプットしないままネットワークエンジニアを続けていると需要が低下する恐れがあります。
しかし、ネットワークエンジニアの仕事がなくなるわけではありません。クラウドに関する知識や技術を保有するネットワークエンジニアの需要は、クラウドサービスが普及するにつれて高まります。
SaaSやPaaS、IaaSなどのクラウドサービス全般の知識を習得する必要があります。ネットワークエンジニアが最初に取り組むのは、ネットワークやサーバーが含まれるIaaSがおすすめです。
SaaS(Software as a Service)
クラウドにあるソフトウェアをどこからでも利用できるサービス。Googleのドキュメントやスプレッドシートが該当する。
PaaS(Platform as a Service)
アプリケーションを開発できるプラットフォームを提供するサービス。利用者の開発工数を削減するメリットがある。
IaaS(Internet as a Service)
クラウド上のメモリやストレージなどのリソースを活用するサービス。経年劣化によるハードウェアの交換を自社でおこなう手間を省ける。
セキュリティに関する知識が豊富な人は重宝される
エンジニアには、サイバー攻撃やウイルスへの対策スキルが必要です。セキュリティに関する知識が豊富なネットワークエンジニアは重宝されます。
サイバー攻撃やウイルスは、対策しても新しい手法やウイルスを開発して攻撃してきます。そのため、常に最新の情報を収集し、知識やスキルをアップデートする必要があります。
とはいえ、仕事をしながら最新情報を追い続けるのは難しいもの。セキュリティ関連の知識や技術を更新し続けて、企業から重宝されるネットワークエンジニアを目指しましょう。
ネットワークエンジニアとしてセキュリティ面でも価値を提供していると、セキュリティエンジニアとして登用されるケースもあります。
- ネットワークエンジニアの仕事がなくなりつつあると耳にして不安です……。
常に新しい技術を身に付けよう
たしかに、クラウド技術の発展によって求人数が減少していることは事実です。そのため、クラウドだけでなくブロックチェーンなどの先端技術について学ぶことが、長期的にネットワークエンジニアとして活躍するためには必要です。
IT分野は特にテクノロジーの移り変わりが激しいため、常に新しい技術を身につけなければ、市場からは求められない人材になってしまいます。そのため、従来の仕事に固執せず、市場が求めるスキル・経験を積むことを実践しましょう。
そうすることで、クラウド技術よりも発展した技術が台頭したときにも、市場から求められ続けるネットワークエンジニアになりますよ。
ネットワークエンジニアのキャリアパス
ネットワークエンジニアのキャリアパス
- インフラエンジニア
- セキュリティエンジニア
- テクニカルサポートエンジニア
- プロジェクトマネージャー
- ITコンサル
ネットワークエンジニアのキャリアパスとしては、スキルを極めたスペシャリストになる道と、プロジェクト全体を管轄するジェネラリストになる道の2種類があります。
それぞれに求められるスキルや知識は異なるので、職種ごとに求められる能力や働き方を把握して、自分はどちらの道が向いているのか確認しておきましょう。将来のキャリアビジョンを面接で質問する企業もあります。
キャリア形成については以下の記事で解説しているので、参考にしてキャリアビジョンを考えてみてください。
キャリア形成とは? 4ステップでこの時代を生き抜く方法を考えよう
あなたがエンジニアに向いているか確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、エンジニアに向いているか確認できます。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
①インフラエンジニア
インフラエンジニアは、ネットワークやサーバー、OSなどのインフラシステムを担うエンジニアです。ネットワークに関する知識や技術が豊富なネットワークスペシャリストとの相性が良く、サーバーやOSの知見も蓄えられます。
ネットワークをメインで担当するネットワークエンジニアと比較すると担当する領域が多く、よりインプットをおこなう必要がありますが、インフラシステムのスペシャリストへの道を歩めます。
サーバー構築のスキルやOSの幅広い知識が求められるので、知識を蓄えて重宝される人材を目指しましょう。
インフラエンジニアは、柔軟性と適応力が求められます。常に変化する技術環境に適応し、柔軟に対応する必要があるからです。
また、予期せぬ問題や緊急事態に対して迅速かつ適切に対応する能力も求められます。
さらに他のチームと協力して業務をおこなうこともあるので、コミュニケーション能力も必要です。
インフラエンジニアの仕事について詳しく知りたい人は、以下の記事をチェックしてみてください。
インフラエンジニアを目指す学生必見! 仕事内容や魅力を解説
②セキュリティエンジニア
セキュリティ関連の情報に詳しいネットワークエンジニアは貴重な人材です。サイバー攻撃やウイルスへの対応の知識を身につけていくと、セキュリティエンジニアとしてキャリアの幅を広げられます。
ネットワークエンジニアとしての価値を高めながら、新しいキャリアを描けるルートなので、セキュリティエンジニアはネットワークエンジニアとの相性が良好です。
ただ、ネットワークエンジニアではあまり使用しないプログラミング言語を使用する機会が増えるため、新しく学ぶ必要があります。
③テクニカルサポート
テクニカルサポートは、特定の製品に精通したエンジニアです。製品の検証をおこなうネットワークやシステムを構築したり、ユーザーからの問い合わせに対応したりします。
より良い製品を開発するために必要な仮説検証を効果的に進めるにあたって必要なシステムなので、多くのメーカーで重要な役割を果たします。
大規模なネットワークの設計や開発を担当してきたネットワークエンジニアの経験は、テクニカルサポートでも十分に活用可能です。
また、運用や保守で顧客のトラブルを解決へと導いた際に、大きなやりがいを感じたネットワークエンジニアは、テクニカルサポートも向いているといえます。
④プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーは、プロジェクトを動かしたり、エンジニアを管理したりする仕事です。専門的な知識や技術を活かして貢献するエンジニアのようなスペシャリストとは異なり、プロジェクト全体を管理しているためゼネラリストと呼ばれています。
エンジニアと働き方は大きく異なり、現場で働く機会は減少。スケジュールの管理やリーダーとして仲間を引っ張ることの方が得意な人に向いています。
エンジニアとしての幅広いスキルはもちろん、時間やお金、エンジニアを管理するマネジメント力が求められます。
⑤ITコンサルタント
ITコンサルタントは、企業にITを導入したり、IT関連の問題を解決する仕事です。企業が抱えている課題をIT技術を活用して解決へと導くケースもあるため、IT領域の豊富な知識だけではなく、問題解決能力も求められます。
ITコンサルタントは、プロジェクトマネージャーを経験した後に任せられる企業が多いですが、コンサルティングファームに入社するのも選択肢の一つです。
ITコンサルティングファームの例
ITコンサルタントの仕事内容は、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。
ITコンサルタントは激務? 仕事内容・適性・就職方法を徹底解説
- ネットワークエンジニアに興味がありますが、今後のキャリアパスまでは考えられません……。
仕事の理解を通してキャリアパスを考えてみよう
キャリアパスを考える際には、仕事に対する理解が欠かせません。ネットワークエンジニアの仕事の内容や求められるスキル・特性はもちろん、関連性の高い他の職種についても調査してみてください。
会社員としてのキャリアパスには、現場の最前線で技術力とマネジメント力を活かして活躍する専門職と、組織全体を統括する管理職のどちらかを選択するのが一般的なので、自分がどちらを目指したいのかを仕事への価値観なども含めて考えてみてましょう。
ネットワークエンジニアのやりがい
ネットワークエンジニアのやりがい
- ネットワークの基盤づくりに貢献できる
- トラブルを解決した時に大きな達成感がある
- 豊富な種類の機器に触れられる
就活を続けていると「本当に内定をもらえるのか」という悩みを抱える人が多くいるでしょう。長期戦になる就活では、時期によってモチベーションの浮き沈みがあります。
就活のモチベーションを高く維持するために、ネットワークエンジニアのやりがいを把握しておくことは非常に効果的です。入社後に働く姿をイメージして、選考突破を目指しましょう。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
①ネットワークの基盤づくりに貢献できる
ネットワークの設計や構築には、ネットワークの構成や機器の操作方法、サーバー攻撃やウイルスに強いセキュリティ技術など、多岐にわたる技術や知識が求められます。
時間をかけて習得したノウハウを活用しながら、人々の生活を支えるネットワークの基盤づくりに貢献するのはネットワークエンジニアならではのやりがいです。
また、ネットワークはさまざまな要素が絡んでいるため、1年以上の期間をかけて構築するものも。携わった大規模なプロジェクトが完成した際は、大きな達成感を感じられます。
②トラブルを解決した時に大きな達成感がある
回線の不調や通信障害などへのトラブルに対応するネットワークエンジニア。トラブルの原因はさまざまな要素が絡んでおり、解決へと導くのは非常に困難です。
トラブルを解決へと導くためには、豊富な知識や技術が求められます。そのため、トラブルを解決した時には大きな達成感を得られます。
また、迅速に対応したり複雑な問題を解決したりすると顧客から感謝されることも多く、顧客からの「ありがとう」もやりがいの一つです。
③豊富な種類の機器に触れられる
ネットワークエンジニアを志望する人は、ハードウェアに魅力を感じている人もいるでしょう。ほかのエンジニアと比べると、業務でPCや周辺機器を扱う機会の多いネットワークエンジニアは、さまざまな機器に触れられます。
また、プロジェクトでは最新機器の組立や操作も担当可能です。機器が好きな人は業務を楽しみながら仕事を続けられます。
- 機器を触るのが好きですが、アピールとして弱い気がします。ハードウェアが好きというのは選考に活かせるのでしょうか。
ハードウェア好きはネットワークエンジニアの選考に活かせる
たしかに、ネットワークエンジニアを志望する学生は工学系で機械を触ることが好きな人が多いですよね。そのため、「機械に触ることが好き」という内容ではアピールにならないのではと不安になるでしょう。
しかし、機械を触ることが好きということも、選考でアピールできる強みです。
他のエンジニアと比べて物理的な機械を触る機会が多いことが特徴なので、他のエンジニアには当てはまらない志望動機をアピールできます。選考では、具体的なエピソードがあれば詳しく伝えて、高評価を得られるようにアピールしましょう。
アドバイザーコメント
伊沢 剛
プロフィールを見るネットワークエンジニアには多くのやりがいがある
ネットワークエンジニアは、システムの設計やトラブルシューティング、セキュリティの確保など、チャレンジングな業務に取り組むことができる仕事。そのため、問題解決能力や創造力を活かし、自身の能力を試すことが可能です。
また常に変化しているIT業界だからこそ、最新の技術やトレンドに触れることができます。
さらにネットワークエンジニアは、新しい技術やツールを常に学び、自己啓発する必要があります。このような継続的な学習により、自分自身のスキルや知識を向上させることができ、より高度な業務に取り組むことができるのです。
スキルや自信を得やすいメリットも
ネットワークエンジニアは、他の部門やチームと協力して業務をおこなうことも多く、業務を通してコミュニケーション能力やチームワークを向上させることができます。
ネットワークエンジニアは、大規模なプロジェクトを担当することがあります。そのようなプロジェクトに参加することにより、自身の業務経験を増やせるだけでなく、大規模なプロジェクトにかかわったという自信をつけることにもつながります。
事前に知っておきたい! ネットワークエンジニアの大変なところ
ネットワークエンジニアのやりがいを解説しましたが、もちろん良いところばかりではありません。事前に大変なところも把握しておく必要があります。入社後にギャップを感じて早期退職やモチベーション低下を防ぐためです。
ここではネットワークエンジニアの大変なところを説明するので、入社後に困らないために前もって確認しておきましょう。
仕事選びの際には、興味・関心、やりたい事だけで判断してしまうと、実際に就労した際に現実との差によって「リアリティショック」に苦しんでしまう恐れがあります。そのため、仕事のマイナス面についても調べておきましょう。
勤務時間が不規則になりやすい
ネットワークエンジニアのファーストキャリアとして多くの人が経験する運用・監視。24時間誰かが対応する必要があるため、夜勤がともないます。
そのため、勤務時間が不規則になりやすく、身体的に負担を感じる人もいます。
夜勤スタッフを固定して21:00〜翌6:00までを週5日担当する働き方や、日勤や夜勤が繰り返されるシフト制を採用している企業があります。
運用・監視がどのような働き方をしているかについては、企業説明会やOB・OG訪問で確認しておきましょう。
OB・OG訪問の方法については以下の記事で解説しているので、参考にして働き方をイメージするために役立ててください。
OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅
- 説明会やOB・OG訪問の態度も選考に影響を与えると聞きました。働き方や待遇を質問するのは良いのでしょうか?
必ずしもマイナスにはならないが聞き方には気を付けよう
就職先を選ぶ際には職場についての理解を深めることも必要なので、働き方や待遇面についての質問がそのままマイナスイメージになることはありません。
とはいえ、説明会やOB・OG訪問で待遇や働き方などの質問ばかりでは、印象が良くないでしょう。あくまでも、仕事内容や会社としての特徴など、会社選びの判断軸として上位にあるものの質問をしたうえで、それに付属した形で確認するようにしてください。
ただし、質問の聞き方で悪い印象を与える恐れがあるので、前置きとして「こういった質問で恐縮なのですが」などの言葉を添えることを忘れないようにしましょう。
突発的なトラブルへの対応が求められる
ネットワークエンジニアは、トラブルへの対応が非常に重要な仕事です。「通信速度が遅くなった」「回線が切れた」など、顧客のさまざまなトラブルに対応する必要があります。
とはいえ、電話で顧客の状態を正確に把握し、有効な解決策を提示するのは難しい場合もあります。問題が解決せず、顧客からクレームを受けるケースもあります。
ネットワークエンジニアの仕事はプレッシャーが伴います。システムの障害が発生した場合には、迅速かつ正確な対処が必要です。
またセキュリティ対策については、最新の脅威に対応する必要があり、常に継続的な取り組みが求められます。
ネットワークエンジニアに向いている人の5つの特徴
ネットワークエンジニアに向いている人の特徴
- 話を聞くのが得意な人
- 機器を触るのが好きな人
- 忍耐強く取り組める人
- 不規則な生活に不満を感じない人
- 新しい知識を積極的に吸収できる人
ネットワークエンジニアの選考を突破するには、情報学やITに関する豊富な知識や技術が必須と考えている人もいるでしょう。しかし、未経験者をネットワークエンジニアとして採用しているのも事実。
特別な経験や知識が無くても、向いている特徴がある人は選考を突破する確率が高まりますよ。そのため、ネットワークエンジニアに向いている人の特徴を把握し、自己PRや志望動機でアピールする必要があります。
ここからは、ネットワークエンジニアに向いている人の特徴を5つ解説するので、自分に当てはまるものがあるか確認しながら読んでください。
①話を聞くのが得意な人
ネットワークエンジニアはどの仕事でもコミュニケーション能力が必要です。特に傾聴力が求められます。
設計は顧客の要望を正確にヒアリングする必要があります。構築は設計チームと顧客の間に位置するので、両者の話を聞きながら作業を進めなければなりません。運用や保守はトラブルの相談が寄せられた際に、顧客の状況や悩みを詳しく聞く必要があります。
どの領域でも成果を出すために傾聴力が求められるため、話を聞くのが得意な人はネットワークエンジニアに向いています。
就活で傾聴力をアピールするなら、部活やアルバイト、ゼミ・研究などの協働をしたときに、相手の意見を引き出したエピソードがあると有効です。あなたが傾聴したことで新しい意見が引き出せたことを伝えられると、より高い評価が得られますよ。
選考通過率がグッと上がる!
就活対策で悩んだらプロンプト集がおすすめ!
✓チャットでできる!模擬面接プロンプト
✓自己PRで使える強み診断プロンプト
②機器を触るのが好きな人
ネットワークエンジニアは、PCやルーター、LANケーブルなどの機器を触りながら仕事を進めます。そのため、機器を触るのが好きな人に向いている仕事です。
配線を美しくしたり、設計通りに機器を配置したりする正確な作業も求められます。ハードウェアに魅力を感じており、こだわりを持って楽しく作業を進められる人は、ネットワークエンジニアに向いているといえるでしょう。
最新の機器を触る機会も多いため、仕事をしながら自分の知的好奇心も満たせます。
③忍耐強く取り組める人
忍耐強く取り組める人はネットワークエンジニアに向いています。なぜなら、ネットワークのプロジェクトは完成までに時間がかかったり、途中でトラブルが発生したりするからです。短期間での結果を求めず、長いスパンで作業を進めなければなりません。
また、顧客のトラブル対応もすぐに解決するものは少なく、話を聞きながら忍耐強く対応する必要があります。そのため、忍耐強さはネットワークエンジニアに必要な能力です。
厳しい部活動を耐え抜いた経験や、受験で失敗したものの浪人して志望校に合格した経験があるなど、忍耐力を発揮した経験がある人は積極的にアピールしましょう。
忍耐強さをアピールする方法は以下の記事で詳しく解説しています。
例文17選! 自己PRで企業が求める忍耐力をアピールするコツ
④不規則な生活に不満を感じない人
ネットワークエンジニアは24時間体制でシステムを管理し、トラブルに備えているため、不規則な生活を送りがちです。そのため、強いストレスを感じる人もいます。
生活に問題が起きると仕事どころではありません。夜勤や土日祝日に仕事をする不規則な生活を送っても不満を感じない人はネットワークエンジニアに向いています。
とはいえ、夜勤が自分に合っているかわからない人もいるでしょう。コンビニや派遣のアルバイトで夜勤を体験してみるのも一つの手です。
- ネットワークエンジニアとして働きたい気持ちが強いのですが、不規則な生活リズムが苦手です。別の職種にエントリーすべきなのでしょうか?
働きたい気持ちとマイナス面を天秤にかけて考えてみよう
自分がネットワークエンジニアとして働きたい理由を明確にしたうえで、不規則な生活リズムといったマイナス面をどうしても許容できないならば、他の職種を検討するのもいいでしょう。
しかし、働く以上はどの職種であっても一定のマイナス面があり、どうしてもその職種で活躍したいならば、マイナス面をある程度許容することも求められます。
また、実際に就職してみなければどれほど不規則な生活リズムになるかは判断できません。「なぜネットワークエンジニアがいいのか?」を深掘りすることから始め、不安点があるならば会社説明会などで確認をしてから判断するようにしてみてください。
⑤新しい知識を積極的に吸収できる人
ネットワークに関する知識や技術は、常に進化しています。知識や技術の吸収が遅れると最先端のネットワークを構築できません。そのため、常にアンテナを張って新しいノウハウを獲得し続ける必要があります。
とはいえ、ネットワークエンジニアは多くの知識を求められる仕事。近年はサイバー攻撃やウイルス感染に対応するセキュリティ分野ではいたちごっこが続いており、最新情報をインプットしておかないと迅速に対応できません。
とはいえ、資格の試験と並行して新しい情報を入手するのが大変という人もいるでしょう。さまざまな分野に興味を持って、新しい知識を積極的に吸収できる人はネットワークエンジニアに向いています。
アドバイザーコメント
伊沢 剛
プロフィールを見るネットワークエンジニアには幅広い能力が求められる
ネットワークエンジニアは複雑なネットワークを設計し、運用するため、論理的思考能力が求められることも多い仕事です。こうした仕事の中で解決策を見つけるためには、問題解決能力が必要となります。
またネットワークエンジニアは、細かな設定やプログラムの修正など、細かい作業が発生する仕事です。一度設定を誤ってしまうと、システム全体に影響を与えてしまうため、正確性も求められます。
さらにネットワークエンジニアは、他の部署やチームと協力して業務をおこなうことが多いため、コミュニケーション能力や協調性が必要です。問題が発生した際には、迅速に対応する必要があり、ストレス耐性が試されます。
スムーズな業務遂行のために自己・時間管理能力も必要
ネットワークエンジニアは、常に新しい技術や脅威に対応するため、継続的な学習が欠かせません。英語力や報告書の作成能力が必要となる場面もあります。
情報の重要性が高まっている現代においては、倫理観や責任感も必要とされます。さらに、自己管理能力や時間管理能力も重要です。ネットワークエンジニアは、プロジェクトの進行状況やトラブルの状況を適切に管理し、スムーズな業務をおこなうことが求められます。
これらの能力に当てはまる人が、ネットワークエンジニアに向いていると言えるでしょう。
積極的にアピールしたい! ネットワークエンジニアに求められる5つのスキル
ネットワークエンジニアに求められるスキル
- ネットワークの知識
- ネットワーク機器を取り扱うスキル
- セキュリティ対策に関する知識と技術
- クラウドに対する十分な理解
- 専門用語を使わずに説明する力
業務で豊富な知識やスキルが求められるネットワークエンジニアでは、大学時代に習得しておくと高く評価される項目があります。
入社後に勉強する項目なので、事前に習得して能力や熱意を積極的にアピールしましょう。開発や構築の上流の作業では、特に知識やスキルが必要になります。
①ネットワークの知識
ネットワークの知識はネットワークエンジニアとして必要です。設計や構築などネットワークを完成させる業務はもちろん、運用や保守でも欠かせません。WANやLAN、IPなどの専門用語の理解を深め、ネットワークの設定に活かせるようにしておきましょう。
また、ネットワークの知識が未熟だと顧客や部下に説明できません。業務が進まなくなるので、入社までに基本的な用語や知識を習得しておきましょう。
入社までに把握すべき専門用語
- WAN:遠く離れたエリアとつながったネットワークのことを指すWide Area Networkの略。
- LAN:限定されたエリアで接続できるネットワークのことを指すLocal Area Networkの略。
- プラグイン:Webブラウザなどに機能を追加して使いやすくするための拡張機能。
- アクセスポイント:無線でパソコンやスマートフォンなどの端末を家庭内のLANに接続するための装置。
- ルータ:異なるネットワークの間でデータを中継する役割を持つ装置。
②ネットワーク機器を取り扱うスキル
ルータやスイッチ、ブリッジの設定など、ネットワーク機器を触る機会が多くあります。そのため、ネットワークエンジニアにはネットワーク機器を取り扱うスキルが必要です。
「クラウド化にともなって機器を取り扱う業務はなくなるのでは」と考えている人もいるでしょう。しかし、すべての企業がクラウドサービスを利用するわけではありません。
自社のネットワークをそのまま利用する企業もあるので、機器やインフラシステムを扱うスキルも磨いておきましょう。
ネットワークの知識やスキルを勉強しておくと、ネットワークエンジニアの志望度が高いことが選考でアピールできます。
さまざまな種類があるエンジニアの中でネットワークに特化して勉強することで、入社後にも学習意欲高く学んでくれる印象にもつながります。
③セキュリティ対策に関する知識と技術
警視庁の「令和5年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢などについて 」によると、令和5年のサイバー犯罪の検挙件数は12,479件と、過去最多の記録を更新しました。セキュリティ対策はIT業界で特に重視されている項目の一つです。
不正アクセスやサイバー攻撃に対応するためには、ネットワーク構築時にセキュリティ対策を施しておく必要があります。そのためには、セキュリティ対策に関する知識と技術が欠かせません。
これからも増加する可能性があるサイバー犯罪に対抗するネットワークを構築するために、セキュリティ関連のノウハウを手に入れておきましょう。
④クラウドに対する十分な理解
クラウド化はネットワーク領域のトレンドです。外部のクラウドサービスに対する理解が乏しいと、ほかのネットワークエンジニアに差を付けられます。クラウドサーバーの設計・構築・運用に関するスキルも今の業務に付随して習得しておきましょう。
総務省の「令和5年度版企業におけるクラウドサービスの利用動向」によると、クラウドサービスの2021年の売上高は45兆621億円と、前年比28.6%上昇しました。今後もクラウドサービスの普及が見込まれるため、クラウドに対する理解を深めておく必要があります。
⑤専門用語を使わずに説明する力
ネットワークを導入したい企業や通信障害に困っている消費者など、ネットワークエンジニアの顧客はITに関する専門用語を理解していない人が多くいます。そのため、専門用語を使わずに説明する力が非常に重要です。
特に年配の消費者から相談を受けた場合、ITに関する理解が乏しい人も多いため、できるだけITに詳しくない人にもわかりやすい言葉で伝えなければなりません。
また、どうしても用語を使わないと先に進まない場合は、専門用語をわかりやすく解説する必要があります。
この他にも、ネットワークエンジニアは、ネットワークのトラブルシューティングに熟練している必要があります。
たとえば、ネットワークトラフィックの分析、ルーティングのトラブルシューティング、ネットワーク機器の障害対応などが挙げられます。
未経験からネットワークエンジニアを目指す方法
未経験からネットワークエンジニアを目指す方法
- ITに関する知識や資格を習得する
- ネットワークエンジニアを志望する理由を明確にする
- ネットワークエンジニアで活かせる強みをアピールする
- 派遣やインターンシップからステップアップする
ネットワークエンジニアの選考を受ける人の中には、「未経験でネットワークエンジニアを目指すのは厳しいか」と疑問を持っている人もいるでしょう。
専門的な知識を要するネットワークエンジニアですが、未経験でも選考を突破して内定をもらえます。とはいえ、がむしゃらにエントリーしたり、面接を受けたりすれば良いわけではありません。
ここからは、未経験からネットワークエンジニアを目指す方法を解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。
①ITに関する知識や資格を習得する
未経験からネットワークエンジニアを目指すには、ITに関する知識や資格を習得しましょう。完全な未経験でも採用している企業もありますが、学生時代に勉強を始めておくと熱意をアピールできます。
ネットワークエンジニアはソフトウェアのほかにハードウェアを扱う機会も多いため、ルータやスイッチなど機器の知識を獲得しておく必要があります。
また、入社後はさまざまな知識や技術を覚える必要があり、勉強に割ける時間は限られています。スムーズに業務になじめるよう、事前に資格を取得しておくことがおすすめです。おすすめの資格については記事後半で解説しています。
独学で勉強するのが難しい人は、エンジニアスクールで学ぶのも選択肢の一つです。おすすめのエンジニアスクールについては以下の記事で紹介しています。
おすすめのエンジニアスクール14選|失敗しない選び方の秘訣も紹介
②ネットワークエンジニアを志望する理由を明確にする
未経験でネットワークエンジニアを志望する場合、担当者は志望理由を非常に重視しています。ほかの業界や企業の内定をもらって内定を辞退されたり、入社後にギャップを感じて早期退職されたりすると困るからです。
「なぜネットワークエンジニアを志望するのか」を明確にして、担当者が納得する志望理由を作成しましょう。
「飲食店のオープンにアルバイトとして携わり、一から何かを作り上げることに大きな魅力を感じた」のように、過去のエピソードと紐づけて説明すると効果的です。
③ネットワークエンジニアで活かせる強みをアピールする
「入社後に活躍する姿がイメージできるか」は、未経験の学生が選考を突破するために非常に重要です。企業は利益を上げるために人材を採用しているからです。
そのため、ネットワークエンジニアに活かしにくい強みをアピールしても担当者には刺さりません。
「傾聴力」や「忍耐力」など、入社後にネットワークエンジニアとして企業に貢献しやすい強みをアピールしましょう。
そもそも自分の強みがわからない人は、こちらの記事を参考にして強みが何か考えてみてください。
強み一覧付き|自分の強みが必ず見つかる方法9選とアピール方法
④派遣やインターンシップからステップアップする
ネットワークエンジニアを派遣社員やアルバイトとして雇っている企業があります。業務を学びながら、スキルや知識を習得すれば正社員としての道も用意されています。
正社員と比較すると、未経験でも採用される可能性が高く、残業時間も短いため、ITに関する知識や資格を勉強をしながら業務を覚えたいという人におすすめです。
ただ、福利厚生が充実していなかったり、雇用が安定していなかったりするデメリットも。また、マネジメントを経験しないのでゼネラリストとしてのキャリアプランを描きにくくなっています。
キャリアプランや待遇を考えながら雇用形態を選ぶ必要があります。
インターンのメリットや参加方法はこちらの記事で詳しく解説しています。
インターンは就活に不可欠? 8のメリットと選び方を詳細解説
- 未経験からネットワークエンジニアとして働けるのか不安です。本当に未経験でも大丈夫なのでしょうか。
ネットワークエンジニアは未経験でも就職できる
ネットワークエンジニアについて詳しくなればなるほど、専門的な知識が必要なことがわかり、未経験から就職できるのか不安な学生も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、ネットワークエンジニアは未経験・知識なしでも就職することができますよ。
ネットワークエンジニアに限らず、エンジニアの人材不足に悩んでいる企業が多いです。特に、ネットワークエンジニアは志望する人が少ないため、未経験であっても採用する企業が多いという特徴があるのです。
もちろん、入社後に知識を学ぶ必要はありますが、就活をするときには経験がなくても就職することができますよ。
事前に取得しよう! ネットワークエンジニアに活かせる資格
ネットワークエンジニアに活かせる資格
- ネットワークスペシャリスト試験
- Cisco技術者認定
- 情報処理安全確保支援士試験
- LPIC
- ITパスポート
- 基本情報技術者試験
豊富な知識量が求められるネットワークエンジニア。保有する資格の種類によっては、かなり評価してもらえます。
ネットワークエンジニアに活かせる資格を解説します。大学生でも取得しやすい資格もあるので、事前に取得して担当者に熱意をアピールしましょう。
①ネットワークスペシャリスト試験
ネットワークスペシャリスト試験は、ネットワークに精通したプロフェッショナルであることを証明する資格です。ネットワークの構造や機器に関する詳しい知識が求められるネットワークエンジニアとして、働くうえで非常に役立ちます。
試験は4つに分かれており、すべてで60点以上を獲得すると合格です。
ネットワークエンジニアの試験
- 午前Ⅰ 9:30~10:20
- 午前Ⅱ 10:50~11:30
- 午後Ⅰ 12:30~14:00
- 午後Ⅱ 14:30~16:30
応用情報技術者試験や情報処理安全確保支援士試験に合格していると、2年間は午前Ⅰの試験が免除されます。
合格率は10%程度と難易度の高い資格ですが、未経験の人が独学でも合格できるレベルです。時間の確保しやすい大学生の間に取得しておくと周囲と差をつけられます。
ネットワークスペシャリスト試験の基本知識
- 主催団体:情報処理推進機構
- 資格種類:国家資格
- 試験形式:四肢択一式、記述式
- 試験日:4月(年1回)
- 受検費:7,500円
- 目安勉強時間:100時間(未経験の場合)
- 合格率:10%前後
②Cisco技術者認定
Cisco技術者認定は、ネットワークのスキルを証明する資格の総称です。入門レベルのエントリーから世界的に高く評価されるエキスパートまで幅広く設定されています。
CCT、CCNP、CCNA、CCIE、CCarなど5段階にわかれています。ネットワークエンジニアを志望する学生には、下から2番目のランクに該当するCCNPがおすすめです。CCNPを取得すると、ネットワークエンジニアの1年目〜3年目におこなう業務に必要なネットワークに関する体系的な知識を習得できます。
Cisco技術者認定は、どの試験もCBT方式で月曜日〜土曜日にかけて実施されています。ただ、試験によって料金や目安の勉強時間は異なります。
Cisco技術者認定の基本知識
- 主催団体:Ciscoシステムズ
- 資格種類:民間資格
- 試験形式:多肢選択式
- 試験日:随時(月曜日~土曜日)
- 受検費:42,900円(CCNAの場合)
- 目安勉強時間:200時間
- 合格率:20~30%
CCNAの詳細はこちらの記事で解説しているので、取得を検討している人は併せて参考にしましょう。
CCNAとはネットワーク技術者の資格! 内容と取得メリットを解説
③情報処理安全確保支援士試験
情報処理安全確保支援士試験は、情報セキュリティのプロフェッショナルであることを証明する資格です。サイバー攻撃やウイルスから貴重な情報を守るために重要な、情報セキュリティに関する豊富な知識を得られます。
サイバー攻撃は年々進化しており、早急な対策が必要です。セキュリティに関する知見を有していると、ネットワークエンジニアとして大きな強みになります。
情報処理安全確保支援士試験
- 午前Ⅰ 9:30~10:20
- 午前Ⅱ 10:50~11:30
- 午後 12:30~15:00
情報処理安全確保支援士試験の試験形式は、3つの試験でそれぞれ60点以上を目指す必要があります。ベースとなる基本情報技術者や応用情報技術者資格の勉強をする時間も考慮して、勉強時間は500時間に。すでに保有していれば、200時間が勉強時間の目安です。
情報処理安全確保支援士試験の基本知識
- 主催団体:情報処理推進機構
- 資格種類:国家資格
- 試験形式:多肢選択式、記述式
- 試験日:4月、10月(年2回)
- 受検費:7,500円
- 目安勉強時間:500時間
- 合格率:20%前後
④LPIC
LPICとは、Linux技術者認定試験の略称で、Linuxに関する知識や技術を有していることを証明する資格です。カナダに本部を置くLinux Professional Instituteによって運営されており、Linuxを扱える判断基準として国際的に認められています。
Linux
コンピューターのハードウェアを管理しているソフトウェアの一種。MacやWindowsなどと同じOSのこと。
多くの日本企業がLinuxを導入したり、インターネットサーバーとして使ったりしているため、資格を保有しているとネットワークエンジニアの業務に活かせます。
レベル1、レベル2、レベル3の順で難易度が高くなります。レベル1でもLinuxの基礎を十分に学べるので、まずはレベル1の取得を目指しましょう。
レベル1の目安勉強時間は100時間です。1日2時間勉強すると2カ月程度で取得を目指せます。レベル1の合格率は70%前後と、レベル2や3と比べると高くなっています。
LPICの基本知識
- 主催団体:Linux Professional Institute
- 資格種類:民間資格
- 試験形式:多肢選択式
- 試験日:好きなタイミング
- 受検費:15,000円
- 目安勉強時間:100時間(レベル1の場合)
- 合格率:30~40%(3つのレベルの平均)
⑤ITパスポート
ITパスポートは、ITに関連する知識がある証明をする資格です。IT関連の資格のなかでも最も難易度が低いと言われています。そのため、ネットワークエンジニアに必要な基本的な知識を身に付けられます。
また、CBT形式を採用しているため、好きなタイミングで受検可能です。勉強を着実に進めて、自信が持てたら受検を申し込んで取得を目指しましょう。試験実施日の3カ月前から前日まで予約可能です。
ITパスポートの基礎知識
- 主催団体:情報処理推進機構
- 資格種類:国家資格
- 試験形式:多肢選択式
- 試験日:希望日を選べる
- 受検費:7,500円
- 目安勉強時間:200時間
- 合格率:50%
ITパスポートを取得するメリットはこちらの記事でさらに詳しく解説しています。
ITパスポートで就職が有利に? 必要性や活用方法を徹底解説
⑥基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、ITに関する基本的な知識や技術を身に付けている証明になる資格で、エンジニアとして働くうえで不可欠です。ほかの資格の基礎になる内容なので、未経験からネットワークエンジニアを目指す人は、まずは基本情報技術者試験の合格を目指しましょう。
試験の形式はCBT方式を採用しているため、好きなタイミングで受検可能です。近くのテストセンターなどの会場を予約して受検します。
未経験の平均勉強時間は200時間なので、2時間の勉強を3カ月程度継続するイメージです。エンジニアとしてのベースになる資格なので、ITパスポートと並んで最初に取得しておくべき資格です。
基本情報技術者試験の基本知識
- 主催団体:情報処理推進機構
- 資格種類:国家資格
- 試験形式:多肢選択式
- 試験日:希望日を選べる
- 受検費:7,500円
- 目安勉強時間:200時間
- 合格率:25%
- ネットワークエンジニアになるなら、どの資格から目指すべきですか?
難易度の低い試験から順番に受検しよう
資格を取るときに大事なことは、簡単な資格から着実に合格していくことです。
日本であれば、国家資格である、情報処理技術者試験がおすすめです。ネットワーク分野であっても、まずはITパスポート試験から始めていくと良いでしょう。
最終的な目標はネットワークスペシャリストです。合格にたどり着くためには、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験の順に受検し、それら2つの合格後に受検するのがベストです。
応用情報技術者試験に合格すると次の試験から2回、ネットワークスペシャリスト試験の午前Ⅰという科目の試験が免除になるのも魅力と言えます。
ここまで紹介した以外にもITの資格はさまざまあります。以下の記事で詳しく解説しているので、ネットワークエンジニア以外のIT職種も検討している人は参考にしてください。
厳選15選|目指すべきIT資格の見つけ方から勉強方法まで徹底解説
IT分野にかかわらず、就職が有利になる資格を知りたい人は、こちらの記事がおすすめです。
就職に有利な資格33選|業界・状況別であなたに合った資格を解説
強み別! ネットワークエンジニアの志望動機例文5選
ほかの学生と差別化しにくい志望動機。未経験だと「何をアピールすべきかわからない」という人もいるでしょう。
ネットワークエンジニアに向いている特徴をアピールすれば、担当者の目を引く志望動機を作成できます。ここからは、ネットワークエンジニアの志望動機例文を5つ解説するので、ぜひ参考にして未経験からの内定獲得を目指しましょう。
ネットワークエンジニアに限らず、基本的な志望動機の考え方はこちらの記事を参考にしてください。
面接の志望動機の答え方を10例文で解説! 書類と同じ対策はNG
①話を聞くのが得意
話を聞くのが得意
私は「ITに関する悩みを解決して社会に貢献したい」という思いを持っており、ネットワークエンジニアを志望しています。
大学時代、携帯電話のトラブルで困っていた際に、貴社の担当の方がとても丁寧にサポートしてくださり、「私もこの方のように顧客に寄り添えるエンジニアになりたい」という思いを抱きました。
その後、飲食店のアルバイトでは顧客の話を聞くことに注力した結果、多くの顧客と良好な関係を築き、何度もご来店してくださる方が増えました。入社後はアルバイトで培った傾聴力を活かして、顧客の状況や悩みを抽出し解決へと導けるエンジニアになりたいです。
話を聞くことが得意で、それを活かした経験があることを伝えられている点がいいと思います。ただ、ネットワークエンジニアという職業でなければならないという理由が曖昧なので、その点はもう少し明確にしましょう。
②機器を触るのが好き
機器を触るのが好き
私はハードウェアに強い興味を持っており、機器を触るのが好きです。学生時代には、組立式のパソコンを購入したり、周辺機器の分解をしたりしていました。そのため、機器に関する知識は豊富に有しており、応用情報技術者試験の資格も保有しています。
サーバーやルーターなどの機器に触れることの多いネットワークエンジニアでは、学生時代に培った経験や知識を発揮できると考え志望しています。
入社後は、実機に触れることでさらなる知識を獲得し、ネットワークの構築や設計などの業務に活かしてまいります。
ネットワークエンジニアの仕事で活かせる経験がアピールできている好印象な志望動機です。より熱意をアピールするためには、業界や企業の強みを理解して、経営課題解決のために自分の経験を活かすことを伝えられると良いですね。
③忍耐強く取り組める
忍耐強く取り組める
私は「長期間にわたってプロジェクトに携わり、ネットワークの完成を目指す」という働き方に魅力を感じています。
大学時代の硬式野球部での活動で、10連敗を経験しました。チームがまとまらず、何度も衝突しましたが、キャプテンとしてチームに向き合い、練習方法を工夫したり、強い大学とオープン戦を組んだりして、勝利のために忍耐強く取り組みました。
その結果、リーグ戦で久しぶりの勝利を挙げた際にこれまでに感じたことのない喜びを感じました。この経験から忍耐強く我慢して挙げた成果の方がより大きな喜びを感じられるということを学び、完成までに長い期間を要するネットワークエンジニアを志望しています。
特に業界でも大きなプロジェクトを抱える貴社では、持ち前の忍耐強さを活かせると考えています。入社後はプロジェクトのメンバーと根気強く取り組み、成果を出したいです。
忍耐力やそれを培ったエピソードを添えられている点がいいと思います。プロジェクトでは忍耐力だけでなくポジティブ志向も求められるので、ただ耐えるだけでなく前向きに行動できる点も伝えられるとさらに良くなるでしょう。
④専門用語を使わずにわかりやすく説明できる
専門用語を使わずにわかりやすく説明できる
私は「上手な伝え方で顧客の問題を解決したい」という思いがあります。
塾講師のアルバイトで、小学生に数学の内容を教えていました。その際に意識していたのは、難しい用語を使用しないことです。その結果、レベルの高い内容を理解してもらえて、中学受験の合格に貢献できました。この経験から専門用語を使わずに相手にわかりやすく説明する大切さを学び、以降の授業でも継続しています。
顧客に対応するネットワークエンジニアという職種でも、長所を発揮できると考え志望しています。貴社に入社後は、顧客のトラブルに対応する際にわかりやすい言葉を使用し、解決に貢献してまいります。
ネットワークエンジニアとして、どのような顧客とかかわるのかを把握していることが伝わる好印象な志望動機です。
塾講師のアルバイト経験をさらに具体的に伝えると、入社後どのように活躍するかを採用担当者がイメージできるので、より好印象になりますよ。
⑤新しい知識を積極的に吸収できる
新しい知識を積極的に吸収できる
私は「常に最新の情報を収集して顧客のトラブル解決に貢献したい」という思いを持っています。
学生時代には、世界遺産検定2級やFP3級を取得し、知識によって人生が豊かになるのを何度も体感しました。現在はITパスポートの取得を目指しており、新しい知識を積極的に吸収する意欲の高さは私の強みです。
技術の進歩が著しいIT領域で活躍するネットワークエンジニアでは、知識への執着心が活かせると考えています。特に「顧客に寄り添ったサポート」を経営理念として掲げている貴社では、私の思いを達成できると考え志望しています。
入社後は新しい知識を積極的に吸収して顧客の悩みを解決し、貴社に貢献してまいります。
学習意欲の高さや積極性を伝えられている点がいいと思います。知識を習得するだけでは悩みの解決などはできないので、新しい資格を取得して問題を解決した経験を抽出し、その点をアピールするとさらに良いでしょう。
強みをアピールできる志望動機を作成してネットワークエンジニアの選考を突破しよう
ここまで解説したとおり、ネットワークエンジニアの業務内容や求められる力を把握しておけば、未経験でも選考を突破する可能性が高まります。また、入社後に役立つ資格を取得しておくと担当者に熱意が伝わります。
今回解説した方法を実践して、内定獲得を目指してくださいね。
アドバイザーコメント
隈本 稔
プロフィールを見るキャリアパスも含めた仕事のイメージを明確にすることが大切
サーバーのクラウド化が進む中で、サーバーエンジニアやセキュリティエンジニアと同様に、ネットワークエンジニアは欠かせない存在となっています。
ネットワークエンジニアは、システムエンジニアと違ってハードウェアについての知識も欠かせず、クライアントの環境によって対応内容も変わってくるため、実務経験によってスキルを磨いていくのが一般的です。
基本的には外部のクライアント企業のネットワーク構築やメンテナンスなどにかかわるため、コミュニケーション力やトラブル対応力などが求められます。
「なぜネットワークエンジニアとして働きたいのか?」をアピールしよう
ITエンジニアにはさまざまな種類があり、就職の際に選んだ職種によって入社後に必要とされるスキルや特性が変わります。そのため、仕事内容やかかわる業種はもちろん、将来的なキャリアパスについても事前に調べることが大切です。
「なぜネットワークエンジニアとして働きたいのか?」という理由をしっかりと伝えるのはもちろん、変化が激しいIT業界の中で、積極的に新しい技術について学んでいく姿勢も忘れないようにしましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/性格応用心理士1級
Minoru Kumamoto〇就職・転職サイト「職りんく」運営者。これまで300名以上のキャリア相談を受けた実績。応募書類や採用面接の対策支援をする他、自己分析の考え方セミナーを実施
プロフィール詳細ITストラテジスト/情報処理安全確保支援士
Takeshi Izawa◯専門学校で10年以上アルゴリズムやJava、Python、人工知能、IoT、情報セキュリティなどのIT分野の教育に従事。現在は研修講師やITコンサルタントを務める
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/なべけんブログ運営者
Ken Tanabe〇新卒で大手人材会社へ入社し、人材コーディネーターや採用、育成などを担当。その後独立し、現在はカウンセリングや個人メディアによる情報発信など幅広くキャリア支援に携わる
プロフィール詳細