この記事のまとめ
- SI業界には構造があり、それぞれ仕事内容や働き方が異なる
- SI業界の将来性を確認して理想のキャリアパスが描けるか見極めよう
- 自分がSI業界に向いているかどうか見極めることが重要
- 適職診断
たった3分であなたの受けない方がいい職業がわかる!
この記事を読んでいる人に
おすすめな診断ツール(無料)
近年、ITシステムやAI(人工知能)などの急激な発展によって、IT業界が注目されるようになりました。IT業界の中で、システムを構築して企業の悩みを解決するのがSI業界です。
しかし、「SI業界って何?」「仕事内容がわからない」「自分に向いているか知りたい」と、SI業界に関して疑問を持っている人もいるのではないでしょうか。
この記事ではキャリアアドバイザーの谷所さん、平井さん、硯里さんと一緒にSI業界の全体像や就活に役立つ情報を解説します。SI業界への就職に少しでも興味がある人は参考にしてください。
SI業界の構造を理解するのが重要! やりたいことができる企業に就職しよう
SI業界は一次請け、二次請け、三次請けのように、構造が分けられており、構造によって仕事内容や働き方、可能なキャリアパスなどが異なります。そのため、就職を検討している人はSI業界の構造を理解することが重要なのです。
まずは前半で仕事内容や企業の分類、将来性などSI業界の全体像をつかみましょう。そのうえで記事後半で解説するSI業界のやりがいや厳しさ、向いている人の特徴、就職が有利になるポイントなどを把握して、自分がSI業界に就職すべきかを見極めましょう。
最後まで読むことで、SI業界を網羅的に理解できるだけでなく、就活に役立つ情報も得られますよ。
あなたがSI業界に向いているか確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、SI業界に向いているか確認できます。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
そもそもSI業界とは? 基本を解説
SI業界の基本情報
- 業界構造
- 市場規模
- 事業内容
- 働き方
- 一般的なキャリアパス
SIとはシステムインテグレーションの略称で、ITを活用して社会に必要なシステムを構築し、企業の課題を解決することを表します。
具体的にはシステムの企画から設計・開発・運用・保守まで、システムに関するほとんどの業務を担います。なお、SI業界に属する企業は「SIer(エスアイアー)」と呼ばれています。
ここからは、SI業界の業界構造や市場規模、主な働き方などの基本情報を解説します。まずはSI業界の全体像をつかみましょう。
業界構造
冒頭でも触れましたが、SI業界には一次請けや二次請けという構造があります。一次請けのほとんどが大手SIerで、大手SIerが中堅SIerに依頼、さらに、中堅SIerが中小SIerに依頼するといった流れになっています。
下請けになるほど、開発やテスト、保守などの下流工程をメインに担当することになります。
それぞれ担当業務が違うゆえ、業務内容も異なるため、就職する際はその企業がどこの階層に属するのか、どのような業務内容なのかを把握することが大切です。
大手SIerが一次請けになることが多いのですが、中小企業のSIerが一次請けになるケースも増えてきています。技術力や独自性のほか、大手SIerと比較をして価格が割安のため、中小企業SIerが受注し、大手SIerが下請けになることもあります。
市場規模
総務省が発表した2021年情報通信業基本調査(2020年度実績)によると、SI業界が属する情報サービス業の売上高は右肩上がりになっています。
2016〜2020年の業界全体の売上高推移は以下のようになっています。
年代 | 売上高(兆円) |
---|---|
2016年 | 16.7 |
2017年 | 17.5 |
2018年 | 18.5 |
2019年 | 19.0 |
2020年 | 18.8 |
2019年から2020年にかけてのみ売上高が減少していますが、総じて売上高が上がっていることがわかります。
近年、企業のDX化が進み、システム開発の需要が高まってきています。また、新型コロナウイルス感染症の影響で、テレワークを導入する企業が増えたこともあり、今後もSI業界の市場規模は大きくなっていくことが予想されます。
事業内容
SI業界の主な事業内容は以下の4つがあります。
事業内容 | 具体的な内容 |
---|---|
企画 | 顧客の現状をリサーチ・分析し、必要になるシステムや方針、プロジェクトの進め方などを検討する |
要件定義 | 企画で検討した内容をシステムに落とし込む際に必要とされる機能や性能を定義する |
設計・開発 | 要件定義の内容をプログラマーがプログラムして、実際に使えるようにする |
運用・保守 | システムをリリースした後、担当者がスムーズに利用できるようにサポートしたり、不具合があれば改善したりする |
なお、企業によって上記のどの業務をおこなうかは異なります。また、すべてを担当することもあれば、一部だけを担当することもあります。
案件によってはシステム構築に使用するハードウェア・ソフトウェアの選定や発注、設置、システム導入時のユーザ教育などを含む場合があります。受注内容にこれらを含むことで、受注金額の上乗せが可能です。
働き方
SI業界の働き方は、客先常駐と受託開発の2つに分けられます。
客先常駐は、文字通り、顧客先に常駐して仕事をすることです。同じ会社の同僚とともに常駐することが多く、プロジェクトごとに働く場所が変わります。客先常駐は顧客先のオフィスや備品などを使用するため、情報漏洩のリスクを軽減するなどの観点から実施されます。
一方で、受託開発は顧客から依頼されたシステムを自社で開発することを指します。しかし客先常駐をする企業が多いため、受託開発を採用している企業は少ないというのが実情です。
一般的なキャリアパス
SI業界は、一般的に以下のような順序でキャリアパスを描く人が多いでしょう。
SI業界のキャリアパス
- プログラマー
- システムエンジニア
- プロジェクトリーダー
- プロジェクトマネージャー
- コンサルタント
各職種で働きながら、コミュニケーションスキルやプロジェクトマネジメントスキルなどを身に付け、発揮することでキャリアアップが実現します。
なお、SI業界はプログラマーからスタートすることがほとんどで、システムエンジニアなどのその他の職種から始めることは滅多にありません。SI業界の企業に入社した場合、まずはプログラマーから始まることは把握しておきましょう。
各職種について、名前は聞いたことがあっても詳細な仕事内容はイメージできていないという人も多いでしょう。それぞれの職種の実際の業務や向いている人などを知りたい人は、これらの記事も参考にしてみてくださいね
プログラマー
プログラマー志望は最初に読みたい! 仕事内容から適性まで完全網羅
システムエンジニア
システムエンジニアとは? 仕事内容から未経験の就職方法まで解説
ITコンサルタント
ITコンサルタントは激務? 仕事内容・適性・就職方法を徹底解説
- ITコンサルタントを志望しているのですが、SI業界で新卒でITコンサルタントに就くのは難しいでしょうか。
切り口を変えれば就職できる確率が上がることも
ITコンサルタントは、ITを切り口とした企業経営に関するコンサルティングをおこなう仕事であり、SIはクライアントの要望に応じて、情報システムの構築、開発、導入、運用、保守、管理まで請け負います。
大手SIerでは、IT戦略の立案を含めた業務を扱うことが多いので、ITコンサルタントが求められていますが、新卒の場合、ITエンジニアとして入社し、経験を積んでITコンサルタントになることが一般的でしょう。
ITコンサルタントを志望するならば、SI業界だけではなくコンサルティングファームへの就職も検討してみてはいかがでしょうか。
間違いに注意! SIとSEの違い
SIと類似した言葉にSEがあります。SIはシステムインテグレーションの略称であるのに対し、SEはシステムエンジニアの略称です。
SIは前述の通り、ITを活用して社会に必要なシステムを構築し、企業の課題を解決する業界を指します。一方で、SEはシステム開発を専門にする職種を指します。
このようにSIとSEはまったく異なる意味を持っているため、間違いには気を付けましょう。
SI業界の企業の分類
SI業界の企業の分類
- 外資系
- メーカー系
- ユーザー系
- 独立系
SI業界の企業には大きく分けて4つの分類があります。分類によって仕事内容や顧客先が異なるのです。
ここからはSI業界の各分類の特徴と主な企業を解説します。各企業の特徴を知らずに就職すると、「思っていたのと違った」となる可能性があるため、それぞれの特徴を理解しておきましょう。
あなたがSI業界に向いているか確認してください
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
外資系
外資系とは、世界各国を市場として活動する企業です。海外に本社があり、日本法人を設立した大手SIerであることがほとんどです。
外資系の主な仕事内容は、本社で開発されたシステムやソリューションなどの日本への展開、コンサルティング業務、システム開発などが挙げられます。
そして、主な顧客先は世界各国にグループ会社を展開するような大企業であることがほとんどです。
外資系SIerは海外の本社の意向による変化があります。事業環境に素早く対応したリストラクチャリングやM&Aなどは、国内企業よりも多くなると思われます。常に外部の労働市場を見すえたキャリア形成が求められます。
外資系の主な企業
外資系SIerの主な企業には以下があります。
外資系の主な企業には、ソフトウェア製品やソリューション、コンサルティングなどを提供する日本オラクルや、システムの企画・立案から、開発、リリース、メンテナンスまでをサポートするハイマックス、コンサルティングからITシステムの導入などあらゆる局面で企業をサポートするIBMなどがあります。
メーカー系
メーカー系とは、ハードウェアを製造している企業の情報システム部門が分社独立したことで設立した企業を指します。親会社が製造しているハードウェアと組み合わせたソリューションを提案したり、システムを開発したりします。
メーカー系で働くメリットは、親会社の福利厚生や社内制度などを受けられることです。親会社が大手企業であることがほとんどなので、充実した環境で働けるでしょう。
なお、働き方は客先常駐であることが多く、仕事場所はプロジェクトによって変わる可能性が高いので注意が必要です。
メーカー系SI企業に就職するメリットは、大手企業が親会社のため、経営が比較的安定しており、待遇や賃金も親会社との格差が少ない点です。
デメリットは、客先常住が多いため劣悪な環境になる可能性や、幹部職が親会社からの出向であれば、出世しにくいことでしょう。
メーカー系の主な企業
メーカー系SIerの主な企業はこちらです。
メーカー系の主な企業
メーカー系の主な企業には、日本の電機メーカーである日立製作所や、通信機器やパソコン、ITシステムなどを提供する富士通、情報通信サービスの提供や情報通信機器の製造・販売を手がけるNECなどがあります。
ユーザー系
ユーザー系は、金融や商社、製造などの大企業の情報システム部門が分社独立した企業のことです。そのため金融や貿易など、専門分野に強いのが特徴的です。強みを活かして、特定の業界・企業向けにソリューションを提案したりシステムを開発したりします。
メーカー系と同様に親会社が大手企業であるため、安定的に案件を引き受けられます。また、福利厚生や社内制度も整っていることが多いため、充実した環境で働くことも可能です。
顧客は特定の業界・企業に絞られるため、知識やスキルの幅を広げるのが難しいですが、専門性をより深めることができますよ。
ユーザー系SIerの中には、親会社やグループ会社以外からの案件を受託している企業もあります。この場合はさまざまな業界や企業の案件に、上流工程からかかわることができるでしょう。
ユーザー系の主な企業
ユーザー系SIerの主な企業はこちらです。
ユーザー系の主な企業には、携帯電話・スマートフォンのシステム基盤を構築・運用するNTTデータ、ITソリューションやコンサルティングなどを提供する野村総合研究所、金融機関や通信などの顧客向けにITインフラや業務系システム、データセンターの運用管理をする伊藤忠テクノソリューションズなどがあります。
独立系
独立系は、親会社やグループ会社を持たずに、完全独立してSI事業をおこなっている企業を指します。一般的に、ハードウェアメーカーや商社、金融、製造などの企業で働いていた社員が独立・起業してできることが多く、ベンチャー企業も多数あります。
独立系で働くことのメリットは、さまざまな案件を経験できることです。親会社やグループ会社があるSIerは、制限をかけられて経験できない分野もありますが、独立系は親会社やグループ会社がないため、独自の判断で案件を選定できるのです。
一方で、安定性や社内環境の充実さなどが欠けるといったデメリットもあります。また、人手不足によって激務になる可能性があることは把握しておきましょう。
独立系SI企業は、下請けの仕事が多く主に客先常駐ですが、プロジェクトに制限がないため自由な開発ができ、さまざまな業界の案件を経験できるといった特徴があります。将来独立を考えている人は、独立系SI経験が活かせるでしょう。
独立系の主な企業
独立系SIerの主な企業はこちらです。
独立系の主な企業には、PCやスマートフォンなどの機器を製造・販売する大塚商会、5Gやクラウドを活用したシステムを提供するエクシオグループ、クレジットカードの基幹システムを開発するTISなどがあります。
あなたがSI業界に向いているか確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、SI業界に向いているか確認できます。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
SI業界の現状
SI業界の現状
- IT業界全体の市場規模拡大によってSI業界も右肩上がり
- 多くの企業のDX導入によって需要が高まっている
- オフショア開発が進んでいる
- 慢性的な人材不足が続いている
SI業界への就職を検討するにあたって、現状や抱えている課題などを把握しておくことが大切です。現状を知らずに入社すると、イメージとのギャップが大きく、理想のキャリアが描けなくなる可能性があるからです。
ここからは、SI業界の現状を解説します。SI業界への理解をより深めるためにも確認しておきましょう。
IT業界全体の市場規模拡大によってSI業界も右肩上がり
SI業界はIT業界の一部であるため、IT業界全体の現状を確認することが大切です。
経済産業省の特定サービス産業動態統計調査によると、IT業界を示す「情報サービス業」の全体の売上高は以下のように年々拡大しています。
年代 | 売上高(兆円) |
---|---|
2015年 | 10.7 |
2016年 | 10.9 |
2017年 | 11.3 |
2018年 | 11.5 |
2019年 | 12 |
2020年 | 12.9 |
2021年 | 15.2 |
2022年 | 15.9 |
年々少しずつ売上高が上昇していましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で2021年以降大きく拡大しました。これまでIT化を進めていなかった企業もDX化を進めたことで、IT業界全体の売上高が拡大したのです。
多くの企業のDX導入によって需要が高まっている
DXとは
デジタルトランスフォーメーションの略称。IT技術を活用して、業務フローを改善したり、新たなビジネスモデルを創出したりすること
前述の通り、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって多くの企業がDX化を進めるようになりました。また、経済産業省もDX推進に注力していることから、SI業界の需要は高まっています。
一方で、IT人材不足や知識不足によってDX化を消極的に考える企業があることも事実です。また、DXを導入してもうまく使いこなせていない企業もあります。DX導入によってSI業界の需要は高まりつつありますが、まだ課題が残っているのが現状です。
オフショア開発が進んでいる
オフショア開発とは
システム開発などの業務を海外の企業または現地の法人に委託すること
オフショア開発の委託先は、中国やインド、ベトナム、フィリピンなどのアジア圏が多くなっています。これが進むことで開発にかかるコストを抑えることができますが、言語が異なるためミスコミュニケーションが発生したり、品質が担保できなかったりするという問題もあります。
そのため、オフショア開発をする企業で働くには語学力も求められます。今後さらにオフショア開発をする企業が増える可能性があるため、SI業界で就職する際、語学力が問われる可能性があることは把握しておきましょう。
慢性的な人材不足が続いている
SI業界を含むIT企業全体で慢性的な人材不足が続いています。SI業界はシステム開発など専門的な知識・スキルが必要な仕事がありますが、これらの知識・スキルを持つIT人材が不足しているため、業界全体でも人手不足となっているのです。
また、SI業界は企業によっても人気・不人気が分かれているのも事実です。親会社が大企業であることから福利厚生・社内制度などが整っているメーカー系やユーザー系の企業は人気が高く、就活の倍率も高くなります。一方で、独立系の企業は激務なイメージを持つ人が多く、人材が集まりにくいのです。
このような実態から慢性的な人材不足が続いており、SI業界に入社しても業務量が多かったり、残業を課されたりすることがあります。
- 慢性的な人材不足が続いているとのことですが、人手不足を解決するために現在実施されている対策や取り組みはありますか。
働き方改革やAIを取り入れた業務効率化が進んでいる最中
IT業界全体で慢性的な人材不足が続いている要因は、IT業界全体に共通する激務なブラック企業のイメージ、専門スキル・知識の習得が必須で育成に時間がかかる点からきていると考えられています。
これまでも働き方改革による労働条件の改善や、経済産業省主導による人材像の明確化による育成などがおこなわれてきましたが、近年注目したいのは、生成型AI(人工知能)の普及による業務効率化の可能性です。
すでに生成型AI(人工知能)による要件定義やプログラミングが可能になっており、これらを使いこなすことで今後もっとシステム開発の生産性向上が期待できますよ。
SI業界の今後の動向・将来性
SI業界の今後の動向・将来性
- DXの拡大によって今後も需要は高まり続ける
- 大規模なプロジェクトを任されるようになる
- 中小企業は生き残るための戦略を練り直す必要がある
- プラットフォームを自社開発する企業が増える
- 引き続き人材は不足し求人数は減少しない
就職を検討するにあたって、その業界・企業の将来性があるかどうかを見極めることも重要です。将来性が低い業界・企業に就職すると理想のキャリアパスを描けなかったり、入社後に後悔したりする可能性があるからです。
SI業界の今後の動向・将来性を見極めて、就職するべきかどうかの判断材料としましょう。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
DXの拡大によって今後も需要は高まり続ける
前述の通り、今後のDXの拡大によって、SI業界の需要がさらに高まることが予想されます。
そして、今後は官公庁や自治体などの政府系の機関、金融機関などの案件が毎年発注されると考えられます。このような大型プロジェクトはほかのIT企業では負担が大きく、SIerでなければ完了できないからです。
このように、一定期間需要が継続するため仕事に困ることはないと考えられるでしょう。
大規模なプロジェクトを任されるようになる
前述の官公庁や自治体などの政府系機関、金融機関などから案件が発注されるように、SI業界は今後さらに大規模なプロジェクトを任されるようになると見込まれています。
近年、マイナンバーカードが普及したり、デジタル庁が発足したりするなど、日本全体でデジタル化・IT化を進める動きが顕著に現れています。SI業界は日本の未来を変えるほどの大規模なプロジェクトを任される可能性が高いため、これまで以上に知識やスキルが求められるようになります。
「日本を変えるほどの大規模なプロジェクトにかかわりたい」「知識やスキルを身に付けて成長したい」と考えている人は、SI業界への就職が向いています。
官公庁や自治体がSIerに依頼する背景には、ノウハウやITエンジニアの人員確保、納期と費用と品質の確定が挙げられます。
まずSIerに依頼することでほかの自治体などで培ったノウハウを取り入れることが可能です。また開発フェーズで大量に必要となるITエンジニアの人員確保の悩みから解放されます。
さらに、開発にかかる期間や費用を見積りにくく予算が立てにくいため、SIerに依頼することで企画を進めやすくなります。
中小企業は生き残るための戦略を練り直す必要がある
大規模なプロジェクトを任されるようになっても、SI業界の構造自体が変わることはありません。大手企業が政府系機関や金融機関などから案件を受注し、下流工程を中小企業に依頼する流れでプロジェクトが進みます。
そのため下請けになるほど、下請けを依頼する過程で金額が安くなったり、納期が厳しくなったりするので、仕事量が増えても賃金が変わらない状況になり、人材が離れていくことが考えられるのです。
このような事態が続くと中小企業は生き残れないため、社員が充実した環境で働けるような戦略を練り直すことが重要になります。
プラットフォームを自社開発する企業が増える
SIerは基本的に依頼されたシステムを開発したり、ソリューションを提案したりするのが業務内容です。その中で近年、新たな収入源を確保するためにプラットフォームを自社開発する企業が増えており、その傾向は今後さらに強くなると予想されています。
特に下請けがメインの中小企業でこの取り組みが進んでおり、このような新たな戦略を打ち出して、良くない現状を打破しようとする企業が増えることが考えられます。
引き続き人材は不足し求人数は減少しない
前述にもある通り、SI業界は今後さらに大規模なプロジェクトが任されるようになり、これまで以上の知識やスキルが求められるようになります。つまり、人材・知識・スキルの需要がさらに高まるのです。
そうすると、求人数が減少することがないまま高い知識・スキルが求められるようになるため、引き続き人手が不足するという状況は変わることがないと考えられます。
このように、SI業界の企業に入社して活躍するためには、高いレベルの知識・スキルを身に付けることが必要であることがわかります。
アドバイザーコメント
硯里 宏幸
プロフィールを見るSI事業はシステム構築だけでは厳しくなる時代に
2010年頃に注目され始めたSaaSによりSIerはなくなるという予想がありましたが、相変わらず人手不足の状況が続いています。
今後はDX化により、企業が個別にITエンジニアを採用して開発を進めていく企業もありますが、すべての企業ができるとは考えにくいため、今後も自社開発が厳しい企業からの依頼は継続すると予想されます。
これからのSIerには提案力の高さが重要
一方で開発基盤やAI(人工知能)の発達により、システム構築の難易度は低下していくことが予想され、従来のようなシステム構築だけでは差別化できずSI事業の運営は厳しくなるでしょう。
そのため今後高まるDXのニーズに合わせて、業界知識や顧客事業への理解力・提案力が重要となってくるでしょう。
つまり単純なシステムはSaaSなどに置き換わり、事業や経営戦略の根幹部分において、提案力の高いSIerが活躍するようになると思われます。SIerの将来は、それぞれの企業が特化した特色のある業界になるでしょう。
SI業界の職種と仕事内容
SI業界の職種と仕事内容
- SE
- ITコンサルタント
- 営業
SI業界には大きく分けて3つの職種があります。ここからはそれぞれの職種の仕事内容を解説します。同じSI業界でも職種によって仕事内容が異なるため、違いを把握しましょう。
SE
SEは前述でも解説した通り、システムエンジニアの略称です。システムを開発するにあたって、顧客から要望をヒアリングし、その内容をもとに企画・設計・要件定義などを進めます。また、プロジェクト全体が円滑に進むようマネジメントするのもSEの業務内容です。
SEが実際に開発工程を担当するかは企業によって異なります。企業によっては、開発はプログラマーに任せ、SEはヒアリングから設計までを担当する場合もあるのです。
このように、SEはプログラミングスキルだけでなく、コミュニケーションスキルやマネジメントスキルも必要になる職種です。
SEとして働くことのメリットは、顧客へのヒアリングから設計、会社によっては開発、運用まで幅広く全体を担当し、顧客に感謝される場面が多くなることでしょう。
逆に言えば、習得すべきスキルや知識が多くて大変なことがデメリットといえるかもしれません。
ITコンサルタント
ITコンサルタントは、顧客が抱える課題をIT技術を活用して支援する仕事です。具体的な仕事内容は以下の3つです。
ITコンサルタントの仕事内容
- クライアントのヒアリング・分析
- 課題解決策の提案
- プロジェクトマネジメント
実際にシステムを開発することはほとんどありませんが、クライアントの課題や要望をヒアリング・分析し、その課題を解決するための方法を提案、実施します。
一部の企業では基礎的なプログラミングスキルが求められることもありますが、基本的にはITや顧客先の業界に関する専門的な知識、コミュニケーションスキル、論理的思考力などが必要とされます。
業務量が多く、激務と言われることもありますが、企業の経営課題を直接解決できるやりがいのある仕事です。
営業
SI業界の営業は、顧客に自社の技術力やソリューションを販売します。
具体的には、顧客の課題をヒアリングして、その課題に対して「自社は〇〇な技術力があるため課題を解決できる」や「我が社の〇〇を活用すれば課題が解決できる」のように、製品だけでなく、自社の技術力を営業することもあります。
営業は、ITに関する専門知識が求められます。自社の説明だけでなく他社との比較をしたり、ITシステムの説明をしたりする必要があるからです。
「自分が営業に向いているかどうかわからない」と不安がある人は、こちらの記事を参考にして、向き不向き、不向きな場合の違う道を確認しましょう。
営業に向いてない人の16の特徴|不向きな人におすすめの道も解説
SI業界で働くことのやりがい
SI業界で働くことのやりがい
- 大規模なプロジェクトにかかわれる
- ITの最新技術に触れられる
- ビジネス全般に必要なスキルを身に付けられる
- 独立・起業も可能
SI業界で楽しく働き続けるには、やりがいを感じられることが重要です。やりがいを感じられると、成長意欲が湧き、理想のキャリアパスが実現する可能性も高くなります。
SI業界への就職に少しでも興味がある人は、どんなやりがいがあるのか確認しましょう。
大規模なプロジェクトにかかわれる
特に一次請けのSIerは大規模なプロジェクトにかかわることが多くなります。そして前述の通り、今後は政府系機関や金融機関などから案件が発注されるようになると予想されるので、さらに規模の大きいプロジェクトに携われる可能性が高まります。
規模の大きいプロジェクトに携わった場合、自ら社会を支えている、顧客の役に立っているという実感を得られやすくなり、やりがいを感じられますよ。
ITの最新技術に触れられる
SI業界では、基本的に顧客から依頼を受けてシステムを開発したり、ソリューションを提案したりします。プロジェクトの内容は顧客によって異なるため、さまざまなIT技術に触れられる機会が多いのです。
客先常駐で多様な働き方を求められる場合もありますが、その分、自社開発会社では経験できないほどのITの最新技術に触れられます。このようにして身に付けた知識やスキルは将来のキャリアパスに活かせることもありますよ。
- SI業界に就職すると、具体的にどのようなITの最新技術に触れられるのでしょうか。
AI(人工知能)を用いた最新技術へ関与できる可能性がある
SI業界で働いていると世の中のトレンドに沿った開発に携わることが多々ありました。過去はクライアントサーバーシステム方式だったものがWeb化されたり、SaaSアプリケーションの立ち上げや開発がありました。
保守が可能であれば新技術も利用できます。最近ではAI(人工知能)を用いた開発もあるでしょう。特にマイクロソフトはビジネスサポートが付くため、出資先であるOpen AIのChatGPTの利用も進んでいくでしょう。
選考通過率がグッと上がる!
就活対策で悩んだらプロンプト集がおすすめ!
✓チャットでできる!模擬面接プロンプト
✓自己PRで使える強み診断プロンプト
ビジネス全般に必要なスキルを身に付けられる
SI業界の仕事はパソコンに向かって作業するだけではありません。顧客にヒアリングしたり、プロジェクトをマネジメントしたりなどの仕事もあります。
これらの仕事によって、コミュニケーションスキルやヒアリングスキル、プロジェクトマネジメントスキルなど、ビジネス全般に必要なスキルも身に付けられます。
SI業界で身に付けたビジネススキルはほかのSI業界の企業はもちろん、他業界の企業に転職する場合でも活かせます。「ビジネスパーソンとしても成長したい」と考えている人はSI業界への就職がおすすめです。
独立・起業も可能
SI業界で働くことで専門的な知識やスキル、汎用的なビジネススキルを身に付けられます。また、さまざまなプロジェクトを経験することで、知識やスキルの幅を広げることも可能です。
このような知識やスキル、経験を活かして独立・起業することも可能です。実際にSI業界出身の起業家も多くいます。
将来、IT技術を活用して独立・起業したいと考えている人は、まずはSI業界で経験を積むという選択肢もありますよ。
トータルでいえば、職業人として武器になる技術職としての力がつくことは大きなやりがいとえます。それを活かして同じIT業界でのキャリアアップが可能ですし、ほかのスキルとかけ合わせることで、IT業界以外でのDXにかかわるキャリア形成も考えられます。
SI業界で働くことの厳しさ
SI業界で働くことの厳しさ
- プログラミングスキルなどの開発スキルは身に付けられない
- 多重下請け構造によって企業間の業務内容・収入の差が大きい
- 仕事量が多く残業時間や休日出勤が多いことがある
- 年功序列の傾向が強く若い人は働きにくさを感じることがある
SI業界で働くことには、やりがいがある一方で厳しい一面もあります。
厳しさを知らずに入社すると「思っていたのと違う」と後悔する可能性があります。後悔を防ぐためにも、あらかじめSI業界の厳しさを理解しておきましょう。
プログラミングスキルなどの開発スキルは身に付けられない
上流工程を担当する企業に入社した場合、提案書の作成やプロジェクトのマネジメントなどが主な業務になり、自らプログラミングしてシステムを開発する機会が少なくなります。そうすると、システムを開発するスキルが身に付けられなくなるのです。
将来もシステムやソリューションの企画・設計など、上流工程の仕事を続けたい人にとっては問題ありませんが、システム開発をしたい人は遠回りとなってしまいます。
システム開発の分野でキャリアアップをしたいと考えている人は、プログラミングに専念できる環境を選ぶのがおすすめです。
多重下請け構造によって企業間の業務内容・収入の差が大きい
前述の通り、SI業界には構造があり、顧客から依頼を受ける一次請け、一次請けから依頼を受ける二次請けのように、多重下請け構造になっています。
このような構造があることから、同じSI業界でも企業によって業務内容や収入に大きな差が生まれています。たとえば、顧客から依頼された仕事をそのまま二次請けに依頼し、料金が安くなったり、納期が短くなったりすることもあるのです。
このように、下請けになるほど業務内容や収入が厳しくなる傾向があります。この事実を把握したうえで企業を選ぶことが大切です。
- 下請けの企業に就職した場合、そこから一次請けの企業に転職することは可能でしょうか。
技術経験のある人材を求めている企業であれば転職も可能
一次請けの企業では、クライアントと直接折衝し、プロジェクトのマネジメントが主な業務ですが、下請けの企業ではシステム設計やプログラミングが主な業務になります。
業務内容が異なるため厳しい面がありますが、技術経験がある人材が欲しいと考えている一次請けの企業であれば、技術力を強みとした転職は可能でしょう。
システムエンジニアの技術経験を活かして、プロジェクトのマネジメントをおこないたいなど、なぜ一次請けの企業に転職をしたいのか、理由を明確にして臨みましょう。
仕事量が多く残業時間や休日出勤が多いことがある
SI業界は、基本的には顧客から依頼された仕事をします。仕事量が多く、さらに急に仕様や納期の変更を求められることがあるため、残業や休日出勤が多いケースもあります。また、ITや顧客の業界に関する学習は欠かせないので、勉強の時間を確保する必要もあるのです。
このように、SI業界にはプライベートに使える時間が短いという厳しさがあります。また、体調管理も徹底しなければ、継続して働くことも難しくなります。
しかしその分、成長スピードは速いため、「まずは仕事をたくさんして、とにかく成長したい」と考えている人にはおすすめです。
メーカー系SIerやユーザー系SIerで、親企業やグループ企業向けの内部開発が中心の企業は、比較的スケジュールが緩やかなところがあります。それでも納期間近や稼働直後などは多忙になることが避けられません。
年功序列の傾向が強く若い人は働きにくさを感じることがある
SI業界の企業によっては、年功序列の傾向が強く残っている場合があります。年功序列体質がある場合、能力に関係なく勤続年数によって役職や年収が決まるため、若い人にとっては働きにくい環境となります。
年功序列には、働き続ければ役職がつき、年収が上がるというメリットがありますが、若いうちに経験を積み、素早く成長したいと考えている人は働きづらさを感じるでしょう。就職する前に先輩社員から聞いたりインターネットの口コミなどを見たりして、年功序列の体質があるかどうかを確認しましょう。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見るSI業界で働く注意点も押さえよう
上記のほかにSI業界で働く厳しさについて考えてみましょう。
クラウド化により需要が減少
クラウドサービスの台頭により、費用をかけてシステム開発をおこなうSIerではなく、クラウドを活用する方がコストを抑えられると考える企業が増えてきています。需要の減少に伴い業務内容を見直していく必要があり、DX需要への対応や旧システムの移行など、積極的に取り組んでいくことが求められます。
仕事のスピード感がない
一次請けの大きなプロジェクトは、多くの企業や部署がかかわっているため、決断や承認に時間がかかり、仕事のスピード感が落ちてしまうことがあります。スピード感を持って仕事がしたい人にとっては、厳しい環境といえるかもしれません。
新しい技術を導入できない
安全を優先しトラブルなどのリスクを抑えたいと考え、新しい技術の導入などに積極的ではないことがあります。新しい技術を導入した最先端の仕事がしたい人にとっては、厳しい環境になる可能性があります。
業務の範囲が狭い
SIerでは、一つのプロジェクトに対して、多くのエンジニアが分業して進めることが多いため、一人で対応する業務範囲が狭くなってしまいます。
SI業界で働くのが向いている人の特徴
SI業界で働くのが向いている人の特徴
- 物事を論理的に考えるのが得意
- コミュニケーション能力がある
- 学習し続けることに苦を感じない
- マネジメントするのが得意
SI業界で働くことには向き不向きがあり、SI業界が向いている人には4つの共通点があります。自分に当てはまるかどうかチェックしてみましょう。
物事を論理的に考えるのが得意
SI業界で活躍するには論理的思考力が必要になります。
論理的思考力とは
論点を整理して考える力。複雑なことをシンプルに整理して考える力ともいわれている
SI業界の特に上流工程では、顧客からのヒアリングを整理して、システムに落とし込む必要があります。そして、顧客は必ずしもITに詳しいわけではないため、顧客が発散的に出した意見・要望を整理することが求められるのです。
また、システムを納品した後も、システムが安定的に稼働しているか、不具合があればどこに原因があるかなどを調査・分析する必要があります。この調査・分析をする際も論理的思考力が求められます。
コミュニケーション能力がある
SI業界では、要望のヒアリングやシステムに関する説明など、顧客とやりとりする機会が多くあります。
顧客の要望をシステムに反映するには、丁寧にヒアリングすることが求められます。また、顧客は必ずしもIT分野に詳しいとは限らないため、システムに関してわかりやすく説明する必要があります。
このように、顧客から満足してもらうためにもコミュニケーション能力が必要なのです。論理的思考力と組み合わせて、複雑なことをわかりやすく伝える練習をすると、入社後にも活かせるコミュニケーション能力を身に付けられます。
顧客の要望を的確に把握したうえで、システムについてわかりやすく伝えられるコミュニケーション能力が求められます。特に専門知識がない顧客に対して、論理的にわかりやすく説明できるコミュニケーション能力は重要ですよ。
コミュニケーション能力がある人でも、上手くアピールできないと面接官には強みが伝わりにくくなってしまいます。コミュニケーション能力の自己PRを魅力的に伝えるためにも、この記事も確認しておきましょう。
例文12選| コミュニケーション能力の自己PRを3ステップで解説
学習し続けることに苦を感じない
IT業界は目まぐるしく変化しているため、その変化に付いていけなければ顧客への最善の提案ができなくなってしまいます。顧客が満足するシステムを開発したり、ソリューションを提案したりするためにも、ITに関する日々の学習は欠かせません。
また、同時に顧客やその業界に関する勉強も必要になります。顧客や業界に関する知識がなければ、見当違いの提案をしてしまう可能性があります。
しかし前述の通り、SI業界は残業や休日出勤があるほど業務量が多いのが特徴的です。そのような中で、学習し続けることに苦を感じる人は向いていないと考えられます。一方で、学習し続けることに苦を感じない人は、最前線で活躍できることが期待できます。
このように自身の学習意欲や向上心をアピールしたいと考えている人は、こちらの記事を参考にしてください。向上心があることのアピール方法や注意点などを知ることができますよ。
例文12選|向上心の自己PRでアピール必須の3要素と注意点 | PORTキャリア
マネジメントするのが得意
SI業界ではプロジェクトをマネジメントする機会が多くあります。たとえば、顧客からの依頼に対して、予算やアサインするメンバー、下請けを依頼する企業などを管理したり、プロジェクト全体の進捗を管理したりします。
マネジメントと聞くと難しいイメージを持つ学生も多いですが、高校や大学の活動で実行委員やリーダーを務めた人は、規模にかかわらずチームマネジメントの経験があるといえます。
その際に「自然と周りに指示を出すことができた」「特に苦労することなくチーム内の雰囲気を良い方向に持っていけた」という人は、仕事でも同様にチームマネジメントを円滑に進めることができる可能性が高いので、マネジメント業務の多いSI業界でも活躍できるでしょう。
アドバイザーコメント
平井 厚子
プロフィールを見るSI業界では論理的な思考力の高さや俯瞰力が活かせる
上記の内容を踏まえてSI業界に向いている人の特徴を考えてみましょう。
問題解決思考の得意な人
「問題」とは、「現状」と「理想(ありたい姿)」のギャップのことです。問題解決思考とは、問題を特定し、原因を把握して、解決策を立案することです。
顧客は日常の業務で困っている状況は説明できても、混乱する現状を整理して問題を特定し、原因を把握して解決策を考えるところまではなかなか手が回りません。
SIerは顧客の話を聞いて、原理原則と例外処理などを切り分けながら解決策をシステムとして定義します。このときに問題解決思考が求められるのです。
物事の全体を見られる人
大規模システムでは多くのサブシステム処理が合わさって、メインシステムを構成します。したがって開発体制もチームとサブチームに分かれており、それぞれのリーダを中心に開発業務を進めます。SIerはこれらの全体をマネジメントします。
マネジメントがうまくできないとサブシステム間の連携がとれず、システム障害が起きてしまいます。個々のサブシステムだけでなく、常に全体像をイメージしながらプロジェクトをマネジメントする必要があります。
SI業界への就職を有利にするためのポイント
SI業界への就職を有利にするためのポイント
- インターンやアルバイトでSI業界の実務経験を積んでおく
- プログラミングスキルを身につけてITに精通していることをアピールする
- 書籍を読んでSI業界を研究する
SI業界は将来性があり、専門的な知識やスキルが身に付けられるため、今後さらに就職難易度が高くなることが予想されます。
SI業界への就職を実現させるためにも、これから解説する就職が有利になるポイントを把握しておきましょう。
インターンやアルバイトでSI業界の実務経験を積んでおく
大学生のうちからSI業界の実務経験を積んでおくことで、SI業界への就職が有利になります。なぜなら、実務経験があることで入社後すぐに業務に取り掛かれるため、企業側は即戦力として採用したいと考えるからです。
SI業界の実務経験を積む具体的な方法には、インターンやアルバイトなどがあります。これらはSI業界に必要な知識・スキルが学べるだけでなく、ビジネススキルやマナーなども教えてもらうこともできます。
「どのようにしてインターンを選べば良いかわからない」と疑問を持っている人は、こちらの記事を参考にして、まずはインターンの全体像を把握しましょう。
インターンは就活に不可欠? 8のメリットと選び方を詳細解説
プログラミングスキルを身につけてITに精通していることをアピールする
SI業界は顧客の要望をヒアリングしたり、システムやソリューションを提案したり、企画・設計するのが主な仕事です。しかし、入社してすぐにこれらの仕事を任されることは少なく、最初は実際にプログラミングをして、システムを開発するケースが多くなっています。
そこで、大学生のうちにプログラミングスキルを身に付けておくことで、仕事に必要なスキルを身に付けていることはもちろん、ITに精通していることもアピールできます。
プログラミングスキルを身に付ける方法は、独学やスクール、教材などさまざまです。自分に合った方法を見つけて、プログラミングスキルを身に付けておきましょう。
おすすめのプログラミング学習方法は、パソコンに開発環境を構築し、実際にソースコードを書いてみることです。
環境構築やプログラミング方法はYouTubeなどでも勉強できます。作成したソースコードのデバッグ(エラーを修正すること)には、生成型AI(人工知能)を使うのも良いでしょう。
書籍を読んでSI業界を研究する
SI業界の理解を深めるには書籍を読むのがおすすめです。就活するにあたって業界の構造や特徴などを押さえておく必要がありますが、Web記事を読むだけでは表面上の情報しか得られないことがあります。
一方で、書籍にはより詳細の情報が記載されているため、自分ごとかのように話せるくらいまで業界の理解を深めることが可能です。
「SI業界への理解がまだ足りない気がする」と不安がある人は、SI業界に関する書籍を読んでみてくださいね。
SI業界研究におすすめの書籍
SI業界を研究するにあたっておすすめの書籍はこちらです。
【図解】コレ1枚でわかる最新ITトレンド | IT業界の具体的な仕事内容やプロジェクトの流れなどを図解を用いてわかりやすく解説している。SI業界に特化しているわけではないが、IT業界をより深くかつ幅広く理解できるようになる。 |
図解でスッキリ!SI(システム・インテグレータ)業界 知りたいことがスグわかる!! | SI業界の仕事の流れや、世の中のどのような場面でSI業界の仕事が役に立っているかなどを学べる。またSI業界の内情も記載されているため、就職を考えている人におすすめ。 |
世界一わかりやすい IT業界のしくみとながれ | IT業界の流れや仕組みを詳しく解説している。マンガ形式で解説しているため、読むのが苦手な人も楽しく学習することができる。 |
SI企業の進む道 業界歴40年のSEが現役世代に託すバトン | 大手SIerの顧問が執筆した書籍。SI企業の強みや弱み、今後の動向など、歴史から見えたSI業界の将来を詳しく解説している。 |
自身のSI業界への理解度や求める情報に応じて、自分に合った書籍を選んで理解度を深めましょう。
SI業界の理解を深めるにあたり、プログラミングスキルなどを身に付けて、SI業界に関する書籍で業界知識を理解し、インターンシップに参加するのがおすすめです。業界の知識を深めたうえで、OB・OG訪問をして疑問点などを解消すると良いでしょう。
SI業界の志望動機を考える際のポイント
SI業界の志望動機を考える際のポイント
- SI業界で働く目的・理由を明確にする
- SI業界でどんな仕事をしたいのかを伝える
- 「なぜその企業にエントリーしたのか」他企業との差別化ポイント明確にする
SI業界の採用試験の際、ほとんどの企業では志望動機を伝えることになりますが、考える際に押さえておくべきポイントがあります。これから解説するポイントを押さえることで、自分の想いがより伝わるようになりますよ。
SI業界で働く目的・理由を明確にする
「なぜSI業界で働きたいのか」「SI業界で働いてどんな目的を達成したいのか」など、SI業界で働く目的や理由を明確に伝えましょう。
ほとんどの面接官は志願者の目的・理由を最重要視します。なぜなら、自社の目的や企業理念と志願者の目的・理由が一致していれば、高いモチベーションで働いてもらえるからです。
知識やスキルは入社してからでも十分身に付けられます。しかし、目的や理由に違いがあると、同じ目標に向かって取り組むことが難しく、両者にとって良い結果とならないことが多いのです。自分なりのSI業界で働く目的・理由を明確にして、企業に確実に伝えるようにしましょう。
SI業界でどんな仕事をしたいのかを伝える
SI業界またはその企業でどんな仕事がしたいのかを言語化することによって、モチベーション・意欲の高さを伝えることができます。
しかし、新卒採用の場合、実際にSI業界で働いたことがなく、どんな仕事ができるかわからない人もいますよね。そのような人がやるべきことは、その企業のリサーチと自分の経験の掘り起こしです。
まずは面接を受ける企業の事業内容や仕事内容を入念にチェックしましょう。このチェックを怠ると、企業から「自社にあまり興味がないのかも」と判断される場合があります。それに加えて、過去の経験を掘り起こし、自分はどんなことをやっているときにやりがいや楽しさを感じるか思い出しましょう。
これらをして、面接を受ける企業の仕事とやりがい・楽しさを感じられることでマッチしている部分を探すのです。そうすることで、明確な理由付きでやりたい仕事を伝えられるため、「モチベーションや意欲が高い」と評価を得られる可能性が高くなります。
SI業界で自分がどんなことをやりたいのかわからないという人は、こちらの記事を参考にして、自分のやりたい仕事を見つけましょう。
やりたいことがわからない人必見! 隠れた本心を見つける思考・行動
「なぜその企業にエントリーしたのか」他企業との差別化ポイント明確にする
SI業界には多くの企業が存在します。その中で「なぜその企業にエントリーしたのか」、他企業との差別化ポイントを明確にして伝えましょう。
他企業との差別化ポイントを伝える際、給料の高さや規模の大きさなどの表面上の事実だけを伝えると「薄い」と判断される可能性があります。前述のSI業界で働くことの目的・理由や、やりたい仕事などと照らし合わせて、その企業でしかできないことを具体的に伝えるのが効果的です。
「なぜほかの企業ではなく、我が社なのですか? 」という質問をされる機会は多々あるため、面接を受ける企業と他企業の差別化ポイントは明確にしておきましょう。
- 他企業との差別化ポイントをリサーチする際のコツはありますか?
業界団体から調べるのがおすすめ
応募企業と同業他社との違いを知るには、まず業界と同業他社について知る必要があります。そのためには、業界団体を調べてみましょう。SIerなら「情報サービス産業協会」という団体があります。
このサイトには「会員名簿」のページがあるので、このページを参考に、応募先企業と競合する企業を調べて情報を集めましょう。
また「提言・意見」のページは、業界全体の問題意識などが把握できます。ほかの業界団体もぜひ調べてみてくださいね。
SI業界の志望動機の例文
志望動機は、前述の「SI業界の志望動機を考える際のポイント」を意識して、自分の言葉で伝えることが大切です。
とはいえ、どんなことを書けば良いかわからない人は、これから紹介する例文を参考にして志望動機を考えましょう。
外資系
例文
私が御社を志望する理由は、グローバル企業でありながら、日本の社会や企業の課題にも取り組んでいることに魅力を感じたからです。
私は大学入学時から「将来は世界中で使用されるシステムを開発したい」という想いがありました。しかし、世界を見る前に目の前の日本の問題を解決しなければいけないことも事実です。日本は先進国ながら、ほかの先進国と比較して発展が遅れているからです。
その中で、御社はグローバルで事業を展開しながらも日本でも事業を展開しており、私の両方の願いを叶えられるのではないかと思いました。
御社に入社後はシステム開発職を志望しております。大学で培ったプログラミングスキルに加えて、今後もさらにスキルアップして、御社と世の中に貢献できるよう努めてまいります。
日本がほかの先進国と比較をして、どういった点が遅れているのか、またグローバル企業でありながらどういった日本の社会や企業の課題への取り組みに魅力を感じたのか、やや漠然としているのでさらに具体的に伝えられると良いですね。
外資系
例文
私が御社を志望した理由は、世界中を顧客としてシステム・ソリューションを提供したいと考えているからです。
私は大学2年生のときにオーストラリアに留学しました。その際に感じたことは、ITにおいて、オーストラリアの方が発展している部分もあれば、日本の方が発展している部分もあることです。
日本で生活していると、「もっとここが便利になればいいのに」と考えることがあるかと思います。海外では日本で不便に感じることがITによって便利になっていることがある一方で、日本ではITによって便利になっていることが、海外では不便なままなこともあります。
留学中、世界中で各国の良い部分を共有できれば、世界はもっと良くなると思いました。それを実現するためにも御社で働くことが必要だと考えました。
御社に入社後、システム開発職を経て、セールス職に就きたいと考えております。世界中の顧客に御社の製品の魅力を伝え、少しでも世界が前進するよう努めてまいります。
経験から来る動機を使っているのはとても良いです。日本が優れている点、オーストラリアが優れている点を具体的に挙げると、あなたの目のつけどころがわかるので、より説得力が出ます。
メーカー系
例文
私が御社を志望した理由は、御社が開発する製品をさらに改良し、多くの人に利用してもらいたいと考えたからです。
私は大学のゼミの一環で、御社が開発・提供している「〇〇」を使用したことがあります。これまで数時間かかっていた作業が数分で終わり、驚いたことを今でも覚えています。
このシステムはもっと多くの人に利用されるべきだと考え、シェア率を調べたところ、東京都内では多くの企業・個人が使っていましたが、地方ではシェア率が低いことがわかりました。
地方でもっと利用されれば、より効率的に作業を進められるのにと感じ、より御社の製品を広めることに貢献したいと思いました。
御社に入社後はシステム開発職を志望しております。〇〇の改良や、より多くの人に利用してもらえるような新しいシステムの開発に従事し、御社と世の中に貢献したいと考えております。
おこないたい仕事を具体的に語っており、入社意欲を感じます。応募企業の製品を使用した感想だけでなく、エリアのシェア率を踏まえた見解を論理的に述べており評価ができますが、地方のシェア率が低い事情があるかもしれないので、謙虚な姿勢で伝えましょう。
メーカー系
例文
私が御社を志望する理由は、御社のプロダクトを通じて日本企業のDX推進に貢献したいと考えたからです。
私は昨年、コンサルティングファームでインターンをしておりました。セミナーの運営を任されており、最初はExcelを用いて参加者の管理などをおこなっていたのですが、非常に時間がかかりました。
これを社員の方に相談したところ、御社が提供する〇〇を導入することになりました。〇〇を導入してから、セミナー運営にかかる時間が10分の1にまで減少し、効率性が非常に上がったことを今でも覚えています。
私が以前抱えていたような悩みがある企業はまだ多いかと思います。御社に入社した際は営業職を志望しており、御社の画期的な製品をより多くの企業・個人に届けたいと考えております。
応募先の製品を使ったこと、そのときに感じたメリットについて述べられているのがとても良いです。「時間が10分の1になった」と数字で説明してるのも、とてもリアリティがありますね。
ユーザー系
例文
私が御社を志望した理由は、御社の事業の一つである金融ITソリューションを通じて、日本の金融業界を変えたいと考えたからです。
このように考えたのは銀行での出来事がきっかけです。ある年配の方が窓口で大きな声を張り上げていて、聞こえてきたのが「遅すぎる」や「手間が多すぎる」などの苦情でした。このような苦情を5回ほど見たことがあります。
苦情の内容が変わっていないということは金融業界だけで変えるのは難しいということだと思います。そこで御社の金融ITソリューションが必要だと思いました。
御社に入社後は営業職を志望しております。御社の金融ITソリューションをより多くの金融機関に導入していただき、日本のお金に関する課題を解決していきたいと考えております。
応募企業の製品の魅力について、銀行で経験した具体的な経験と関連させており、好感が持てる内容です。営業職を希望するのであれば、ITソリューションの営業職として、どういった強みを活かして貢献したいのかまで伝えるとさらに良いですね。
ユーザー系
例文
私が御社を志望した理由は、御社のITシステムを通じてより効率的な物流を実現したいと考えたからです。
私は大学時代に物流会社でアルバイトをしていました。近年は多くの企業が物流にITシステムを導入しているかと思いますが、正直まだ効率的とは思えませんでした。なぜなら、そのアルバイトをした会社では、結局最終的には目視でチェックしていたからです。
このような文化が残っていては、良いITシステムが提供されても日本の物流業界の効率性は上がらないと思いました。
その中で、御社が提供する物流ITシステムは現場のニーズを汲み取っており、実際に作業する人にとっても効率が良くなると実感できるシステムを提供していると思っています。ぜひ、御社のシステムをより多くの現場に導入したいと思いました。
御社に入社後は営業職を志望しております。日本中の物流会社の効率性を上げられるよう努めてまいります。
せっかく物流会社でアルバイトをしていた経験を使うのですから、応募先のシステムの良い点を具体的に述べてみましょう。特に「現場のニーズを汲み取っており」がどんな点を指すのか、明確にできると良いですね。
独立系
例文
私が御社を志望した理由は、さまざまな分野のシステム開発に携わりたいと考えたからです。
私は大学1年生からプログラミングを始め、個人的にさまざまな仕事に携わってきました。そこで感じたのは「特定の分野だけでなく、さまざまな分野のシステム開発に携わるのが楽しい」ということです。毎回まったく異なる案件に携わることは刺激的で、私自身のスキルアップにもなると実感しました。
御社は、業界にかかわらず多くの企業のシステム開発を手がけているかと思います。御社に入社後はシステム開発職を志望しており、さまざまな案件を通じて、オールラウンダーなエンジニアになり、御社の売上拡大に貢献したいと考えております。
応募企業の特徴を理解したうえで、やっていきたいことを具体的な理由を添えて伝えている点が評価できます。個人的に携わってきたさまざまな仕事について、可能であれば携わった案件を提示すると、よりインパクトを与えるでしょう。
SI業界の理解を深めて自分に合った企業・職種に就職しよう!
SI業界の企業はいくつかの分類があったり、業界構造があったりし、どこに属するかによって仕事内容や働き方などが大きく異なります。まずはSI業界の理解を深めることが大切です。
業界を理解したうえで自分に合った企業・職種を見つけ、しっかり対策して採用試験に臨みましょう。
アドバイザーコメント
硯里 宏幸
プロフィールを見る企業研究を通して自分に合ったSIerを見つけよう
SI業界にはさまざまなSIerがあり、自分に合わせたSIerを選ぶ必要があります。
一般的に大手SIerは一次請けのため裁量や利益が大きく、多くの経験と高い給与を得られやすい一方で、大きなストレスがかかりマネジメント中心の業務になります。また、メーカー系や外資系など分類によって案件の特徴や人事評価の違いも出てきます。
そのため、規模や分類などのSIerの特徴を把握したうえで企業選びをしましょう。
SI業界では学び続ける姿勢が欠かせない
SIにおける仕事内容も特徴的です。開発だけが仕事ではなく、営業やコンサルティング、プロジェクトマネジメント、運用サポートなど幅広い仕事があり、希望や適性に合わせてかかわることができます。
そのため、一つの職種を極めることもできますし、さまざまな職種を経験しながら自分に合った仕事を見つけることもできるでしょう。
一般的にはプログラマー、SE、プロジェクトマネージャー、営業、幹部社員という流れでキャリアアップしていき、飽きがこない仕事ですが、常に勉強が必要な仕事であるためSI業務を楽しめる人が向いているでしょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Atsuko Hirai〇ITメーカーで25年間人材育成に携わり、述べ1,000人と面談を実施。退職後は職業訓練校、就労支援施設などの勤務を経て、現在はフリーで就職・キャリア相談、研修講師などを務める
プロフィール詳細応用情報技術者/アスターリンク代表
Hiroyuki Suzuri◯大手SIerでシステムエンジニア、メガベンチャーでWebエンジニアを経験後、メディアの立ち上げや組織運営、事業運営を経験し独立。現在は転職やキャリア形成の情報を発信中
プロフィール詳細