就活の「10年後の自分」の答え方! 採用経験者のアドバイス付き

3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • キャリアコンサルタント/合同会社渡部俊和事務所代表

    Toshikazu Watanabe〇会社員時代は人事部。独立後は大学で就職支援を実施する他、企業アドバイザーも経験。採用・媒体・応募者の全ての立場で就職に携わり、3万人以上のコンサルティングの実績

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/産業カウンセラー

    Atsuko Hirai〇ITメーカーで25年間人材育成に携わり、述べ1,000人と面談を実施。退職後は職業訓練校、就労支援施設などの勤務を経て、現在はフリーで就職・キャリア相談、研修講師などを務める

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/Koyoriキャリアワールド代表取締役

    Chieko Kimura〇2度のアメリカ留学、20年以上の外資系IT企業勤務を経て、現在は留学生向け就職支援をおこなう。また、企業のキャリア支援や新入社員のクラウドコーチングなどにも幅広くたずさわる

    プロフィール詳細

この記事のまとめ

  • 企業が「10年後の自分」を聞く理由は4つある
  • 10年後の自分は3ステップで考えよう
  • 10年後の自分を答える際は4つの注意点に留意
  • この記事を読んでいる人におすすめ

  • 面接力診断ツール

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学生の中には、自分の将来像が考えられず、長期的なビジョンを問う質問に苦戦する人もいるでしょう。特に「10年後の自分はどうなっていると考えますか」という質問をされると、「そんなに未来のことは考えられない……」と悩むのではないでしょうか。

10年後の自分に関する質問は頻出ではないため、対策不足になる学生は多くいます。しかし、この質問にしっかり答えられないと企業側は長期的なミスマッチを懸念し、採用に至らないことが多くあります。そのため、しっかり対策をする必要があるのです。

記事では、キャリアアドバイザーの渡部さん、平井さん、木村さんとともに、10年後の自分を書類選考や面接で回答するコツを解説するので、参考にして、納得感のあるアピールをしましょう。

目次

10年後の自分を考える際は深い自己分析で将来像を描こう

なかなか10年後の自分をぱっとイメージできる人は少ないのではないでしょうか。「子育てをしたい」「家を買いたい」など、プライベートは考えられても、仕事上の将来像はすぐには思い付きませんよね。しかし、3つのステップで自己分析を深めれば、誰でも10年後の自分をイメージすることはできますよ。

記事では、まず企業が10年後の自分を聞く4つの意図を解説します。そもそも何を知りたくて10年後の自分を聞いているのか把握すれば、回答の方向性が見えてきますよ。

そのうえで、10年後の自分を考える自己分析法を解説します。この方法で考えれば、納得感がある内容を考えられ、面接でも自信を持って回答することができます。

「10年後の自分について」というイレギュラーな質問は、慣れていないと失敗してしまうリスクもあります。そこで、よくある失敗例を踏まえた注意点も解説するので、これらを踏まえて魅力的なアピールをしましょう。

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企業が10年後の自分を聞く4つの意図

企業が10年後の自分を聞く4つの意図

  • 自己分析の深さを測るため
  • キャリア形成が企業とマッチするかを見極めるため
  • 学習意欲の有無を把握するため
  • 企業でのビジョンを描けているかを確認するため

「10年後の自分はどうなっていると考えますか」「10年後にどうなりたいですか」という質問は、自分の将来の夢をただ言えば良いというわけではありません。企業はある意図で質問していて、それに沿って答えなければ評価の対象にはなりにくいのです。

ここからは、企業が10年後の自分について質問する4つの意図を解説します。少ないアピールの時間を無駄にしないためにも、企業の意図をつかみ回答の方向性を考えましょう。

①自己分析の深さを測るため

自己分析が深くできている人は、自分が進むべき方向性が見えています。たとえば、自己分析で発想力が強みだとわかった人は、発想力を活かせる企画や開発系の職種でプロフェッショナルを目指すなどの道が考えられます。また、マルチタスクが苦手だとわかった人は、複数の業務を同時にこなすことが求められる営業の仕事などは向かないといえます。

自己分析をおこなっていれば、将来どのような道に進み、反対にどのようなキャリアを避けるべきか見えてくるのです。

つまり、10年後の自分について聞くことで、自己分析をしっかりおこなっているのか、自分が働く環境について真剣に考えているのかがわかります

渡部 俊和

プロフィール

10年後の自分というのは大卒新卒ならば30代前半で、それほど先の話でもありません。仕事を覚えて部下ができる頃くらいに、当社でどうなっているかということが主旨なので、自己分析や志望動機の根拠として聞いている要素にもなっています。

②キャリア形成が企業とマッチするかを見極めるため

企業によって求める人材も築けるキャリアも異なります。

たとえば、ゼネラリストとして幅広いスキルを身に付ける人を求めるのか、スペシャリストとしてある分野に特化して活躍してほしいと考えるのか。

早期に自立し裁量権を持って働いてほしいのか、じっくり時間をかけて知識を身に付けてほしいのか。

このように、選べるキャリアもそのキャリアにたどり着くまでのスピードも、企業によって異なります。学生が希望するキャリア形成の方法が企業とミスマッチであれば、学生はその会社にいる意味を見出せず、やがて退職してしまうかもしれません。

10年後に目指す姿を聞けば、どのようなキャリアを希望しているのかがわかり、長期的なマッチ度を測ることができます入社後長く活躍してもらうためにも、10年後に目指す姿を聞いているのです。

キャリア形成は重要なのでしょうか?

平井 厚子

プロフィール

予測が難しい時代だからこそ自分の軸を持つために重要

重要ですね。現在は、変化が激しい世界情勢を表す「VUCA」の時代と言われるように、先の予測を立てにくい時代です。「だったら10年後なんて、わからないじゃないか」と思いますか。

キャリア形成とは、「自分はどんな生き方、働き方をしたいか」というイメージを持って仕事に取り組むことです。

これは自分の判断基準をもつということです。予測が難しい時代だからこそ、自分は何を大事にしていきたいのかを考え、決断・判断をしていくことが重要なのです。

③学習意欲の有無を把握するため

入社後の長期的な計画を聞くことで、成長意欲や学習意欲など前向きな気持ちがあるのかを把握しようとする企業もあります。

たとえば、「10年後も変わらない仕事をしていたい」という人は、学習意欲がなく、成長スピードが遅いのではないかという印象につながります。

人から教えてもらうのを待つのではなく、自分から知識を身に付けようとする学習意欲のある人は、成長スピードが速く、企業での活躍を期待できます。そのような人材を見極めるため、前向きな姿勢があるのか、10年後の将来像を通して把握しようとしているのです。

木村 千恵子

プロフィール

先行きがどうなるか見えない変化の激しい市場や顧客のニーズに応えるためには、常に新しいことを学び試行錯誤しながら仕事を進めていく姿勢が欠かせません。

そのため、入社志望の学生にしっかりした学習意欲があるかどうかは選考で非常に重視しています。

④企業でのビジョンを描けているかを確認するため

入社や仕事への熱意を測るために、深く企業研究できているかを見ようとする企業が多くあります。そして企業研究の深さを把握する一つの方法として、企業でのキャリアパスを聞くことがあります。

部署ごとの仕事内容や、それぞれの役職の役割を把握していなければ、将来どのようなキャリアを歩めるのかイメージできません。そこまで細かく企業研究ができているのかを把握するために、10年後の自分について聞くことがあるのです

アドバイザーコメント

計画性や目標から逆算して行動する力を見ている

面接官時代に私もこの質問をしていましたが、未来のことなので、決して正しい答えを求めていたわけではなく、途中で変わっても構わないと考えていました。

目標を定めて計画的な行動をとろうと意識できているかどうか、近い将来から逆算して今の行動を選択できるか、といった行動特性を見るのが質問の主旨です。

あらゆる仕事の基本は、Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)のサイクルを回す、つまり「PDCAサイクル」と言われていますが、計画(P)の前に目標(G:ゴール)がしっかり描けているかで、計画の精度も変わってきます。

将来を意識してもらう・育てるための質問ともいえる

10年後というのは手近な目標期間であり、一通り仕事を覚えて任せられるようになったり、大きなプロジェクトの節目になったりするなど、当面のゴールとも言える時期なので、その時点での理想の自分をしっかり描けているかを聞きたいと考えていました。

当時の役員からは「そんな答えのないことを聞いてどうする」といった批判を受けてもいましたが、この質問は採否基準にするというよりも、将来を意識させる質問、育てるための質問だと思っています。

今振り返ってみても、10年後をしっかりイメージできている人の方が、仕事の覚えも早く、入社後のモチベーションも持続しやすく、結果として活躍できていることが実感できます。

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10年後はキャリアの中間地点! ゴールから逆算して将来像を考えよう

10年後の自分を考える方法

10年後の自分はなかなかイメージできず、回答が思い浮かばない人も多いと思います。そこでここからは、10年後の自分を考える方法を3ステップで解説します。

新卒の皆さんにとって10年後は30代前半~30代半ばですよね。社会人人生を定年までと考えると、まだまださまざまな可能性が広がっている時期です。

その時期の姿を考えるためには、キャリアのゴールから逆算する方法がおすすめです。ここから具体的にやり方を解説するので、ぜひ参考にしてください。

①キャリアのゴールを見つけよう

どのような状態であれば満足して社会人人生を終えられるでしょうか。「年収〇〇万円以上になっていたい」「一つの分野のエキスパートになりたい」「世界中の人に認知される状態になりたい」など、まずは社会人人生で目指す最終的な姿をイメージしてみましょう。

ただし、社会人人生のゴールや目標をなかなか考えられない人もいると思います。そこでここからは、ゴールを考える方法を4つ解説していきます。

感覚的にも論理的にも納得感のある道を見つけ出し、ゴールを定めましょう

キャリア・アンカーから考える

アメリカの心理学者エドガー・シャインが提唱した、キャリア・アンカーという概念があります。人は8つのうちいずれかの価値観をもとにキャリアを選択しているという考え方です

キャリア・アンカーの8つの価値観

  1. 専門・職能別:自分の技能・専門性を高め活用できること
  2. 全般管理:管理職など組織の中で責任のある役割を担うこと
  3. 自立・独立:自分のやり方で仕事を進めていくこと
  4. 保障・安定:継続性と安全性があり、リスク回避できる状態のこと
  5. 独創性:クリエイティブであったり新規事業の創造ができるなど新しいことを生み出せること
  6. 奉仕・社会貢献:社会貢献や奉仕をすること
  7. 純粋な挑戦:難易度の高い問題に挑むこと
  8. ライフスタイル:個人的な欲求と家族・仕事とのバランスを調整すること

この中で自分の価値観に最もマッチするものを考えます。たとえば①の「専門・職能別の価値観」が自分にマッチする場合、「専門職として自分のスキルを高めていき、組織で唯一無二の存在になる」などがゴールと考えられますね。

平井 厚子

プロフィール

自分のキャリアアンカーを考えるときは、実際の経験からアンカーを導くようにしてください。

上の8つの価値観を読みながら、その価値観を満たす経験があったか、その時どんな気持ちだったか、など経験と結び付けながら考えてみましょう。

ikigaiチャートから考える

ikigaiチャートのフォーマット

日本の「生き甲斐」の概念が海外に広がり、自身の生き甲斐を探すための「ikigaiチャート」が海外から逆輸入されました。ikigaiチャートとは、好きなこと、得意なこと、社会から必要とされること、得たい報酬の共通点から、生き甲斐となる仕事を探すツールです

ikigaiチャートの各項目を考える例

  • 好きなこと:お笑いのネタを考える、何かのデザインをする、料理をする
  • 得意なこと:アイディアを生み出すこと
  • 社会が必要としていること:困難の解消、楽しみの創出、日常生活のサポートなど
  • 得たい報酬:30代までに年収500万円

たとえば上記のように各項目を考え、共通点のある将来像を考えます。上記の例で太字の内容を満たす将来像を考えると、たとえば「エンターテインメント業界の企画職のリーダーとして、人々に楽しみを与えられる立場になる」などが考えられます。

このように、各項目を満たす仕事が生き甲斐になり、充実感を感じつつ働くことができるのです。

さまざまな社会人から話を聞く

働いたことがない学生の皆さんは、社会人としての将来像を考えるのに限界を感じるかもしれません。そこで、実際に働く社会人から話を聞くこともおすすめです。

たとえば働いている親などに、どんな将来像を描いているか聞いてみましょう。「家族の笑顔を見られれば良い」「いずれ社会に大きなインパクトを残したい」などさまざまな回答が返ってくると思います。

実際に働いている人は、社会の厳しさや仕事の大変さを理解しているため、より現実的で納得感のある回答が返ってくる可能性が高いです

身近に社会人がいない場合は、大学のキャリアセンターを通してOB・OG訪問をしてみましょう。

OB・OG訪問のやり方は以下の記事で解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅

10年後の自分を考えるためにはどんな社会人に話を聞くのがおすすめですか?

木村 千恵子

プロフィール

まずは自分の10年後の年齢の人、次に3・5年後の年齢の人に聞いてみよう

まずは、現時点でちょうど自分の10年後の年齢の人に話を聞いてみましょう。

社会人になる直前にイメージした自分の10年後が、社会人になってからどのような影響を受けたのか。そしてどのように考えが変化していったのか。変わらないことは何なのか。それらを聞いてみてください。

さらに、自分の3年後、5年後の年齢に当たる人たちが、今の自分の年齢の時にそれぞれ自身の10年後をどのように捉えていたか、そしてそのことに対して今はどう考えているか、話を聞いてみるのもおすすめです。

できれば業界や業種が異なる人たちに話を聞いてみましょう。いろいろな視点や考え方を知り、視野が広がりますよ。

ロールモデルを見つける

身近な社会人でなくても、憧れを持つロールモデルを見つけるとゴールを定めやすくなります。身の回りの社会人のほか、映画やドラマの中の人でも問題ありません。

特に思い付かない人は、小さい頃好きだったキャラクターから考える方法がおすすめです。たとえば、悪に勇敢に立ち向かうヒーローを好んでいたのであれば、正義を貫き多くの人の役に立つ存在に潜在的に憧れている可能性があります。

本能的に惹かれる人やキャラクターを見つけて、その人がどのような特徴を持っているのか言語化し、自分が目指す社会人像を考えてみましょう

渡部 俊和

プロフィール

実績や能力よりも、いきいきと働いている幸せそうな人を探してください。

ロールモデルと言われるとスーパーマン、スーパーウーマンを探してしまう傾向がありますが、自分とかけ離れている人や、凄いけどああなりたくない、という人はモデルにはなりません。

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②ゴールに到達するために10年後どうなるべきか考えよう

社会人としてのゴールを考えたら、その姿に到達するために10年後あるべき姿を考えてみましょう。

たとえば会社の取締役など、組織の中で責任のある役割を担うことを目標とするのであれば、10年後には事業部やチーム単位でマネジメント経験を積んでおく必要があるなど、キャリアのゴールから逆算して考えてみるのです。

ゴールから10年後を逆算する例

  • ゴールの例①会社の取締役など、組織の中で責任のある役割を担う
    →10年後:事業部やチーム単位でマネジメント経験を積んでおく
  • ゴールの例②業界の中で替えが効かないスキルを持った人材になる
    →10年後:会社の中で替えが効かないスキルを持った人材になる
  • ゴールの例③心から好きと思える仕事に携わり続ける
    →10年後:枠にとらわれずさまざまなことに挑戦し心のアンテナを増やす

希望のキャリアを目指すための方法は会社によって異なるので、会社のホームページ(HP)を見たり、OB・OG訪問をして聞いてみるのがおすすめです。

特に企業の採用ページなどで社員のキャリアが紹介されていることがあるので、それを参考にどのようにすれば希望のキャリアに近づけるのか調べてみてくださいね

③企業の特徴とマッチするアピールを考えよう

どんなに良い内容を回答していても、企業の特徴とマッチしていなければ企業側は採用するメリットを感じられません。たとえば「10年後はスキルをつけて一人前になりたい」と考えていても、会社がもっと早いスピードでの成長を期待している場合、ミスマッチを感じられてしまうのです。

企業の特徴を踏まえ、それに合う表現を考えてみましょう。たとえば、10年後は組織の責任者になりたいと思うのであれば、10年後はどのような立ち位置でマネジメントをする人が多いのかリサーチし、それを踏まえて回答すれば企業とのマッチ度をアピールできます。企業の特徴は企業HPやOB・OG訪問などで調べましょう。

その会社で自分が希望するキャリアを描けるのかを確認するためにも、企業の特徴とマッチするアピールを考えましょう

企業研究の方法は以下の記事で解説しています。企業研究はノートにまとめると非常に便利なので、以下の記事の「企業研究ノート」の作り方を参考に整理してみてくださいね。
作り方例4選|企業研究ノートのまとめ方をイラスト付きで解説!

アドバイザーコメント

10年後の自分は2通りの方法で考えてみよう

本文で解説されている以外にも、10年後の自分は2つの方法で考えることができます。

①周りからどう見られたいか

まずは10年後に周りの人たちからどう見られたいか・どんな関係を築きたいかから考える方法です。

たとえば上司からは「仕事が確実で信頼できる」、先輩からは「わからないことを恥ずかしがらずに聞いてくれるので助かる」、後輩からは「いつも笑顔で、ピンチでも余裕があるように見える」などと言われたいとします。

そう言われるためには、普段仕事にどんな姿勢で取り組んでいるかを考えて、イメージを膨らませます。

②どんなキャリアやスキルを希望するか

やりたい仕事・関心がある仕事の内容とキャリアパスと必要な能力を調べ、それを10年後にはどこまで実現できているかを考える方法もあります。

10年後のビジョンは、入社して最初の仕事と一致していなくてもかまいません。「希望する仕事を担当できたとして、10年後にはこうなっていたい」をビジョンにすることもできます。

希望する仕事のキャリアパスや必要スキル、経験などを調べるにはjob tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))が便利です。

差別化する方法! 企業の特徴に合わせて10年後の自分を答えよう

繰り返しになりますが、会社の特徴にマッチするアピールをしなければ、採用するメリットを感じてもらうことが難しくなります。そこで、ここからは企業の特徴に合わせて10年後の自分を答える方法を解説します。

企業の形態は、成長スピードが早いベンチャー型と、じっくり時間をかけて成長する大企業型に大きく分けることができます。

それぞれの企業の特徴に合った10年後の自分の回答の考え方を解説するので、志望する会社の形態に合わせて参考にしてください。

成長スピードが早い企業の場合

ベンチャー企業などは、入社後早い段階で一人立ちを求める会社も多く、そのような会社では早期に一人前になり幅広く仕事をこなすことが求められます

また、決められたルールなどは少なく、仕事の進め方やキャリアも比較的自由なため、主体性が求められます。

そのような会社では、10年後はあらゆるスキルを身に付け、組織全体を引っ張る人材になることを期待されるケースが多くあります。成長スピードが早い企業を志望する場合は、以下の例文を参考に10年後の自分を考えてみましょう。

成長スピードが早い企業での10年後の自分の例

私が10年後に目指すのは、オールマイティに実力を付けて組織を引っ張る管理職です。

私は学生時代オーケストラサークルに所属していましたが、演奏スキルとリーダーシップから部員に慕われており、大学2年生から入部したにもかかわらず、3年生の頃には幹事長を任されました。

一つの面だけでなく、部員として求められるあらゆる要素を手に入れたうえで皆を引っ張ることにやりがいを感じ、社会人になってからもオールマイティに実力をつけ組織を牽引する存在になりたいと考えています。

スキル面や人柄など、多方面から慕われる存在になれるように、いろいろな仕事を経験し、多くの人とふれあい、10年後には組織を引っ張る人材になりたいです。

木村 千恵子

プロフィール

ベンチャー企業といってもいろいろで、創業から間もないベンチャー企業では、会社自体が10年後に存続しているかもわからないという状況も珍しくないでしょう。

そのような状況では、自らの希望や力量とはあまり関係なく、新規事業の責任者として組織をけん引する役割の将来像を求められるケースも珍しくないので、その点も踏まえて回答を作成しましょう。

じっくり時間をかけて成長する企業の場合

大企業や、スピード感を求めていない中小企業では、時間をかけて着実にスキルを身に付けていくことが求められます。特に大企業は、人数が多い分ベンチャー企業などに比べると出世のスピードが遅かったり、また一人ひとりに任される仕事は細かい単位であることが多く、裁量権が少ないケースが多くあります。

ベンチャー企業などは、10年後は組織のトップ層になる可能性もありますが、大手企業などは中間管理職として管理職やトップ層のサポート、若手の教育に携わりつつ、事業の中心となって働くことが多いです

ただし、もちろん企業によって実態は異なるので、企業HPやOB・OG訪問などでキャリアを把握してください。

じっくり時間をかけて成長する企業での10年後の自分の例

私が目指す10年後の自分の姿は、営業職のトップとなり組織の成長を支える存在になることです。

私は大学時代、カフェのアルバイトリーダーとして売り上げアップに貢献しました。私がリーダーに就任して半年後、カフェの売り上げは1.2倍に上がり、社員の方にも「〇〇さんにリーダーになってもらって店が活気づいた」と褒めていただきました。

この経験は、目標以上の成果を出す提案力や実行力があったからこそできたのではないかと考えています。

御社は「飛躍的な成長」を理念に掲げ、中期経営計画では3年間の売り上げ目標を1.7倍に設定されています。

その目標に貢献するため、10年後には営業部門のトップとして、提案力や実行力を活かして社員を牽引する存在になりたいです。具体的には、自身が好成績を出すだけでなく、後輩社員にもノウハウを提供し、チーム全体で成長できる組織作りをしていきたいです。

平井 厚子

プロフィール

今までの大企業はじっくり育てる考え方が主流だった一方、最近は2年目社員を管理職に登用した富士通のような会社もあることを押さえておきましょう。

応募先企業がどのような人事制度か、事前に調べておくと回答の方向性を定めやすくなります。

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将来の目標がない人はどうすれば良い? キャリアコンサルタントがアドバイス!

なかなか将来の目標が思いつかない人は、どのように10年後の自分を考えたら良いのでしょうか。

そこで、多くの人のキャリア相談に乗ってきたキャリアコンサルタントの渡部さんに、将来の目標がない人がどのように10年後の自分を考えたら良いのか聞いてみましょう。

なかなか将来が見通せないVUCAの時代、目標を設定できない人は多いと思うので、ぜひ参考にしてください。

アドバイザーコメント

根拠がなくてもOK! まず仮の目標を立ててみよう

目標がないのは別に悪いことではなく、仕事や社会をよく知らない段階では当たり前のことかもしれません。

そういう人は、まず「仮の目標」をなるべく具体的に立ててみましょう。未来のことには根拠はいらないので、妄想のようなもの、絵空事でかまいません。

目標がないということは、将来どうなるかわからない、どこに向かうかわからない、という状態で社会に出ていくことになります。

これは精神的にも不安定で、仕事を進めるうえでも「何のためなのか」を感じにくく、成長力や順応力が鈍ってしまいます。たとえ仮の目標であっても立てておくと、そこに至るまでにはどうすれば良いかを、私たちの脳は自動的に考えるのです。

目標を立てると疑問が湧き出て本当に取り組むべきことが見えてくる

たとえば「35歳までに3億円以上の予算を任せられるバイヤーになる」という仮の目標を立てたとします。

3億円以上の原価の商品部門はどれか、商品知識はあるか、交渉の知識や経験はあるか、どうすれば不足している知識や経験を得られるか、といった自分自身への問いがすぐにたくさん出てくるはずです。

それが現実的かどうか、もし現実的でないなら何が現実的か、というように考えていくと、仮の目標との対比の中に、本当に取り組むべきことが見えてきます。

将来の夢が決まらない人は、以下のQ&Aでも2人のキャリアコンサルタントがその悩みに詳しく回答しているので、併せてチェックしてくださいね。

面接前に要チェック! 10年後の自分の答え方3ステップ

面接前に要チェック! 10年後の自分の答え方3ステップ

  • 10年後どうなりたいかという結論
  • 結論の根拠となるエピソード
  • 入社後10年間の具体的なプラン

10年後の自分を考えたら、選考用に伝える内容を整理しましょう。どんなに良い内容を伝えても、わかりにくければ面接官には伝わらず、評価の対象にはなりにくいのです。

ここからは、10年後の自分をわかりやすく伝える構成を解説するので、これを基本に回答を組み立てましょう。

①10年後どうなりたいかという結論

ビジネスでは結論から述べることが基本とされています。結論から伝えなければ、聞き手側は話し手が何を言いたいのかがわからず、コミュニケーションがスムーズに取れないためです。そこで、まずは10年後どうなりたいかという結論を述べましょう。

結論の例

私は10年後、顧客からパートナーとして信頼を得られるような営業スタッフになりたいと考えています。

結論から述べることで、この後どのような展開が続くのか聞き手に想像させることができます。その分理解度も深まるので、まずは10年後どうなりたいかという結論から述べるようにしましょう。

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②結論の根拠となるエピソード

結論を聞いた面接官は、それが本当なのか、どのような理由でその姿を目指しているのかがわかりません。そこで、結論の根拠となるエピソードを述べましょう。

エピソードを通して、あなたの人柄を伝えることもできます。たとえばマネジメント職を目指す場合でも、「学生時代に培ったリーダーシップを活かしたいから」という人と「学生時代の経験から年収1000万円を目指したく、その年収を目指すのに最も早いルートだから」という人では、まったく異なる印象を持ちますよね。

10年後の自分の結論に至った理由を深掘りして、根拠となるエピソードを見つけましょう。上記の例であれば、「なぜマネジメントを目指したいのか」「なぜリーダーシップを活かしたいのか」などと深掘りしていくと、結論に結び付いたエピソードを見つけられます。

エピソードや根拠を伝えることで、10年後の自分のアピールに説得力が増すので、しっかりと考えましょう

結論の根拠となるエピソードの例

私は学生時代にラグビー部のキャプテンとなり、リーダーシップを培いました。

もともとリーダー経験はありませんでしたが、マネジメントに関する本を読んだり、部員一人ひとりとのコミュニケーションを綿密におこなったことで一体感のあるチームとなり、私が最上学年のときに全国優勝を果たすことができました。

この経験から、リーダーシップに自信を持ち、社会人になってもリーダーとして組織を牽引し、成果を残したいと感じました。

平井 厚子

プロフィール

10年後の自分のエピソードを考える際は、「応募先企業はどんな人を求めているか」を押さえておくことがポイントです。

そのうえで応募先企業で実現したい自分のビジョンを考え、「これをここでぜひ実現したい」という意思を伝えましょう。

③入社後10年間の具体的なプラン 

最後に、入社後の10年間の具体的なプランで締め、企業で活躍できる人材であることをアピールしましょう。

たとえば、「顧客からパートナーとして信頼を得られるような営業スタッフになりたい」と最初に述べた場合は、具体的にどのようにしてパートナーとして信頼を得て成果を出すのか述べます。

ここで具体的にアピールできると、仕事内容を理解したうえでしっかりと長期的な計画を立てていることが伝わり、入社後前向きに活躍してくれそうな印象を持ってもらえるのです

入社後10年間の具体的なプランの例

10年後は「即レス」と「相手の立場に立ったコミュニケーション」を心掛け、顧客にとっていつでも頼れる存在と認識してもらうようにします。

顧客の要望をしっかりと聞き、マッチ度の高いサービスを提供することで、信頼される営業スタッフになることを目指します。

具体的な回答にするには、企業や仕事内容の丹念な研究が欠かせません。自分が10年後どのような仕事をしているのか具体的なイメージが持てるようになるまで企業研究を徹底したうえで、回答を考えましょう。

企業研究はノートにまとめながらおこなうととても便利です。以下の記事で企業研究用のノートの作成方法を詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
作り方例4選|企業研究ノートのまとめ方をイラスト付きで解説!

木村 千恵子

プロフィール

10年後の具体的なプランをイメージしづらい場合は、その企業とは直接関係がなくても、特定のロールモデルを見つけてみましょう。

その人がたどった道や、これからたどるかもしれない道をイメージして可能性や選択肢を考えると、構成しやすくなるかもしれません。

マイナスな印象になりがち! 10年後の自分を答える際の注意点

マイナスな印象になりがち! 10年後の自分を答える際の注意点

  • あいまいなプランを回答をしない
  • 仕事と関係のない回答をしない
  • 離職を前提としない
  • 自分の利益ばかりを考えない

10年後の自分についての回答は、内容によっては自分勝手、熱意不足などのマイナスな印象を残してしまうことがあります。せっかく回答を考えたにもかかわらず、良くない印象を残してしまってはもったいないですよね。

そこでここからは、10年後の自分を答える際の4つの注意点を解説します。回答の方向性を誤らないように、ここで解説する内容を踏まえたうえで好印象を残せる回答を作りましょう。

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あいまいなプランを回答をしない

10年後というとイメージしにくい人も多いと思いますが、かといってあいまいなプランを回答してしまうと、計画性がない、熱意が低いなどの印象につながってしまうため、具体的に回答しましょう。

あいまいな回答の例

・とにかく頑張りたい
・昇進したい
・感謝されたい
・信頼されたい

具体的に回答するためには、5W1Hを意識することがポイントです

5W1Hとは

「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」の頭文字を取った言葉

たとえば「昇進したい」と思うのであれば、「どの部署で」「どのような仕事で」「何で成果を残して」「どのように昇進をしたいのか」を明確にしましょう。

10年後に活躍しているイメージを企業に持ってもらうためにも、働いているイメージが湧くように具体的に述べることが大切です。

仕事と関係のない回答をしない

採用活動で企業が知りたいのは、「入社後活躍できるか」「企業とマッチするか」といった視点です。面接の場で仕事と関係のない回答をしても、当然企業側は採用するメリットを感じられないため、プライベートの話は避けましょう。

仕事と関係のない10年後の自分の回答の例

・家を建てたい
・子育てをしたい
・世界一周したい
・留学したい

もしプライベートの回答しか思い浮かばないのであれば、その状態をかなえるためにキャリアをどう構築するのかを考えてみましょう。

たとえば子育てをしたいと考えるのであれば、「子育てに十分時間を割けるよう、10年後はスキルをしっかり身に付け効率的に働ける人材になりたい」などと考えられます。

キャリアに興味が湧かないので仕事の10年後は考えられません。

平井 厚子

プロフィール

まずは情報収集してその会社のキャリアを知ろう

10年後だと、あなたは何歳ですか?

応募先の会社でその年齢の社員がどんなポジションでどんな仕事をしているかの情報は持っていますか。

もし持っていなければ、情報収集から着手しましょう。それにはOB・OG訪問が最適です。

マイナビ・リクナビや会社HPの採用サイトには、先輩社員の紹介が掲載されていることも多いです。もしあれば、じっくり読んでみましょう。もし掲載がなければ、同業他社での掲載情報でも、まったくないよりはましです。

応募時点で完璧なキャリアビジョンをつくれなくてもかまいません。ですがその会社でキャリアを重ねていく自分がまったく想像できないのなら、その会社はミスマッチかもしれません。

10年後のキャリアビジョンの明確化を就活対策としてとらえるのではなく、自分の職業選択の大事な要素として捉え直してみてください。

離職を前提としない

正社員で入社する場合、基本的には終身雇用となり、企業側は長期的に働くことを見込んでいます。そのため、離職を前提とした回答をすると、企業の意向とミスマッチと判断され、採用されにくくなります。

1人の人材への採用コストや教育コストは多大であり、離職となることはできるだけ避けたい会社が多いため、離職をほのめかすような発言は控えましょう

離職を前提とした10年後の自分の回答の例

・スキルをつけて独立したい
・長年の夢だった業界に転職したい
・仕事で身に付けた語学力を活かして世界一周したい

ただし、入社数年後に独立することを前提としている企業もあります。OB・OG訪問などで実態を把握したうえでアピール内容を考えるのが無難です。

キャリアアップのための転職を見すえているなど、向上心を感じられても離職を前提とした回答は良くない印象ですか?

渡部 俊和

プロフィール

会社にメリットのないアピールは独りよがりで良くない印象になる

そのキャリアアップや向上心はあくまでもあなた個人のことですよね。離職する会社には何の関係もない話です。

転職した後でその企業に何かメリットを与えられる内容なら別ですが、あなたがその企業に何のメリットも関係性ももたらさないとしたら、そんな話を聞かされる担当者は良い迷惑ではないでしょうか?

ごくまれに、社員の独立・起業を促す社風の会社もありますが、そうした企業以外では、単なるわがままな人、非常識な人と捉えられてしまう可能性が高いと思います。

前向きな話なら何でも受け入れてもらえると考えたなら、企業に対してかなり甘えた考え方になってしまっているので、注意してください。

自分の利益ばかりを考えない

会社員は、基本的に会社が求める成果を出すことが求められます。そのため、自分の利益ばかりを考えている人は、会社が採用するメリットを感じられず、マイナスな評価になってしまうことがあります

自分の利益ばかりを考えた10年後の自分の回答の例

・育休を活用して長く働きたい
・1,000万円を稼ぎたい
・有名になりたいという自分の夢をかなえたい

たとえば「1,000万円を稼ぎたい」と思うなら、それが会社の利益になることも併せて伝えましょう。「1,000万円を稼ぐトップセールスになり、御社の〇〇(商品)の認知度を広げ、業界の中の存在感を高められるようになりたいです」などと伝えられれば、自分の利益ばかりを考えている印象は残りません。

アドバイザーコメント

会社の情報だけ述べる人が多いことに注意

10年後のビジョンを考えるには応募先の会社について調べて、情報を持っておくことが必須です。会社の方向や価値観と合わないビジョンを伝えても、採用担当者に響かないからです。

しかし、会社の情報ばかり気にすると落とし穴に陥ります。会社の情報を集めて整理し理解するのは良いのですが、自分のビジョンなのに会社の情報しか述べないのは良くありません。

10年後のありたい姿を想定し自分と企業の一致度を伝えよう

ビジョンはあくまでも自分の意思を伝えるものです。

自分のビジョンを実現するのに応募先の会社がとても魅力的で、ぜひここでがんばりたいとの気持ちを伝えたいあまり、会社の魅力や将来性ばかりを書いたり話したりしては、肝心のところが伝わりません。

まずは10年後のありたい姿、10年後に実現していたい状態を明らかにして、応募先の魅力や方向性との一致を述べるようにしましょう。

どう働きたいかは人それぞれだと思います。次の記事では働きたいを叶える方法について解説しています。ぜひ併せてチェックしてみてくださいね。
専門家に聞く「働きたい」の叶え方| 即効5ステップを実践しよう!

10年後の自分の答え方の例文5選

10年後の自分の答え方の例文5選

  • 新規事業の立ち上げにかかわりたい
  • 仕事と子育てを両立させたい
  • マネジメントをしたい
  • スペシャリストになりたい
  • ゼネラリストになりたい

ここまで10年後の自分の回答の考え方を解説しましたが、具体的にイメージできていない人もいると思います。そこでここからは、10年後の自分の答え方の例文5選を紹介します。

自分が考える10年後の像に近い回答例を探し、書類選考や面接の準備をしてくださいね。

①新規事業の立ち上げにかかわりたい

新規事業の立ち上げにかかわりたい場合の例文

私は10年後、御社の新規事業の立ち上げにかかわりたいと考えています。

御社では〇〇というサービスを提供しており、私自身も日々活用させていただいています。

しかし、御社の〇〇が拡大するにつれて、ユーザーにとって汎用性が高すぎて、むしろ使いづらいという不満が出てくる可能性があると感じています。

10年後にこの課題が残されているかはわかりませんが、もし残っていたとしたらこの課題を解決できるような新規事業を立ち上げたいと考えています。

10年後に新規事業の立ち上げにかかわるためにも、入社後はまずは御社のサービスとユーザーについて詳しく理解します。そして、ユーザーへのインタビューを重ねて、不満を明確にし、新規事業に役立てたいと考えています。

木村 千恵子

プロフィール

企業のサービスを活用しているユーザーとして、不満のポイントと解決したいことを具体的に挙げているのが良いと思います。

一方、新規事業の立ち上げをおこないたいという要望が本当に自分の希望としてアピールしたいことなのか、自分自身で納得しているのかが伝わりにくいので、まず自分の気持ちをしっかり確認してくださいね。

②仕事と子育てを両立させたい

仕事と子育てを両立させたい場合の例文

私は10年後、母親として子育てをしながら仕事を両立させたいと考えています。

私の母は3人の子どもを育てながらも楽しそうに仕事をしていました。「子育てをしながらの仕事は大変ではないのか」と質問をしたことがあるのですが、その際「母親の気持ちを知ると視野が広がる。新しい課題が見つかり、それを解決していくのが楽しい」と言われました。

この経験から、子育てをして母親の気持ちを知ることでより人の役に立てるのではないかと思い、10年後は仕事と子育てを両立させたいと考えるようになりました。

仕事と子育てを両立させるためにも、まずは仕事で結果を出し、人に任せられるようになりたいと考えています。そして子どもが生まれた後は、仕事にも子育てにも全力を尽くし、御社に貢献したいと思っています。

渡部 俊和

プロフィール

仕事を犠牲にすることなく両立したい、というスタンスを守っている点が良いところです。

実際やってみたら大変なこともあるかもしれないですが、会社としては「仕事をしてもらうための採用」です。その点を忘れずに前向きな内容でまとめられていて良いですね。

③マネジメントをしたい

マネジメントをしたい場合の例文

私は10年後、マネージャーとして社員のマネジメントをしたいと考えています。

私は部活動では部長、サークルではサークル長を務めてきました。最初はチームがまとまらず苦労することが多々ありましたが、あるときから「メンバーの才能を活かせるように役割を振り分けよう」と考えるようになりました。

そこから、メンバーがいきいきと活動するのがわかるようになり、私自身もうれしかったという経験があります。

御社に入社後、まずはプレイヤーとして結果を出すために、誰よりも顧客のもとに足を運びたいと考えています。

そして、プレイヤーとしての実力を付けた後にマネージャーになり、メンバーが才能を発揮できるようなマネジメントをしたいです。

平井 厚子

プロフィール

具体的な経験と結び付けられている点が良いと思います。

メンバーとしてメンバーシップを身に付けることで、マネージャーになったときも役立ちますね。そういう視点も盛り込むと、さらによくなります。

④スペシャリストになりたい

スペシャリストになりたい場合の例文

私は10年後、デザインのスペシャリストになりたいと考えています。

私は幼少期から絵を描くことが好きでしたが、デザイナーとして活動し始めてからまだ1年ほどしか経っていません。

このような状況で10年以上デザイナーとして活動している人と話し、作品を制作する様子も見させてもらったのですが、レベルの違いに圧倒されました。それと同時に「私もこうなりたい」と思いました。

スペシャリストになるには、まずはデザイナーとしての経験をたくさん積むことが大切だと思います。

経験を積む中で自分なりのやり方やこだわりを見つけていき、多くの人から愛されるデザインを制作できるようになりたいと考えています。

渡部 俊和

プロフィール

学び、成長することを志向する「熟達目標」はパフォーマンスを高めやすく、周囲への支援行動やエンゲージメントも高まりやすいと言われているので、良い印象だと思います。

パーソル総合研究所の人事評価制度と目標管理の実態調査を参考にしてください。

専門職の場合は特に、仕事の内容やスキルアップに焦点を当てた内容は高評価につながりやすいでしょう。

デザイナーを志望する人は、以下の記事でWebデザイナーの仕事内容を詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
Webデザイナーになるには? 仕事内容から将来性まで徹底解説

⑤ゼネラリストになりたい

ゼネラリストになりたい場合の例文

私は10年後、コンサルタントとしてさまざま業界や職種の知識を備えるゼネラリストになりたいと考えています。

私は大学2年生のときにコンサルティングファームでインターンをしたことがあります。

その際、さまざまな業界や職種の知識を持つシニアコンサルタントの仕事を見させていただいたのですが、備える知識量の多さから、顧客から圧倒的な信頼を得ていたことを覚えています。

インターン時代のシニアコンサルタントの方のようになるために、まずはさまざまな業界や職種の案件に入って経験を積みたいと思います。そのうえで、書籍を読んだり、顧客との対話を通じてさらに深い知識を付け、ゼネラリストを目指したいと考えています。

木村 千恵子

プロフィール

具体的なインターンの経験を通してゼネラリストを志望したことは自然でわかりやすいですが、ゼネラリストに惹かれる理由をスペシャリストとの比較例を交えて説明できるとさらに説得力が増すと思います。

コンサルタントを目指す人は、以下の記事でコンサル業界の志望動機の作り方を解説しているので、併せてチェックし選考に備えましょう。
例文12選|コンサルの志望動機で必須のアピール内容とNG例を解説

「10年後の自分」に類似する質問にも答えられるよう準備しておこう

キャリアプランを聞くために、「10年後の自分はどうなっていると思いますか」以外の聞き方をされる可能性もあります。

「10年後の自分」に類似する質問の例

  • キャリアプランを教えてください。
  • この仕事を通して目指す姿を教えてください。
  • 10年後、どのような立場にいると思いますか?

その際は、この記事で解説した10年後の自分の答え方をベースにしつつ、質問に合った形で結論を述べましょう。

たとえば、「キャリアプランを教えてください」という質問であれば、「私のキャリアプランは~」といった形で回答します。

どのような形で質問されても、長期的に活躍できる人材であることがわかるようにアピールしてくださいね。

以下の記事では営業職のキャリアプランの考え方についてまとめています。営業職を希望している人は参考にしてみてください。
営業職の6つのキャリアプランとは? なりたい将来像を想像してみよう

10年後の自分はキャリアのゴールから逆算して考え選考を突破しよう

10年後の自分の質問に備えるためには、いきなり10年後の姿を考えるのではなく、まず10年後はキャリアの中間地点ということを念頭に置きましょう。

最終的に目指すゴールを明確にし、それに到達するために10年後どうなりたいかを考えるのがベストです。

キャリア・アンカーを見たり、ikigaiチャートを使ったり、社会人に話を聞いたりして自分の中でゴールを見つけたうえで、その目的に到達するための10年後の姿を考えてみてくださいね。

アドバイザーコメント

変化するのは当たり前! 10年後の自分は本来悩む必要はない

10年後の自分というテーマで悩む人はおそらく非常に真面目な人なのだろうと思います。

これは質問の分類としては「未来質問」と言われるものですが、正解のない質問とも言えます。実際には10年後にどうなるかなど誰にもわかりません。仕事をしてみたら変わることだってあるでしょう。

10年後、本当に入社時点で答えた通りにならなければならないとしたら、予測通りの味気ない人生になると思いませんか?

人は経験を通じて変化し成長する生き物です。つまりこの質問は根拠もいらないし約束もいらない質問なのです。本当かウソかを気にする必要もありません。

そのことをまず理解してください。根拠も証明もいらない、理想や意欲を問われる自由な質問ですから、本来はそんなに悩む必要などないのです。

志望動機・自己PRなどと連動させつつ自由に将来像を描いてみよう

面接官がこの質問で聞きたいのは、人によって多少は異なるかもしれませんが、大まかに言えば意欲や理想、そこに向かう計画性や行動特性などです。

つまり志望動機と自己PRとも連動しているものなので、そこにヒントがあります。記事を参考に自由に将来像を描いてみてください。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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