向上心がないのはだめなこと? 仕事との向き合い方をパターン別で解説

3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • キャリアコンサルタント/公認心理師

    Ikuko Yoshino〇就職支援歴18年。若者就労支援NPOに勤務の後、独立。現在は行政の就職支援施設にて、学生/既卒/フリーター/ニート/ひきこもり/女性などを対象に相談やセミナー講師を担当

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/西雄一教育研究所代表

    Yuichi Nishi〇大学では就活に関するスキルを身に付けられる実践中心の授業を展開。また、講師として企業で新人や中堅社員に向けてコミュニケーション研修、キャリアコンサルティングをおこなっている

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/一般社団法人テツナグ代表理事

    Hiromi Wakabayashi〇女性や学生向けのキャリア講座、行政主催の就職フェアでのキャリア相談に従事。また、ライター経歴を活かし、各種サイトでキャリアについて考えている人に向けた記事を監修

    プロフィール詳細

この記事のまとめ

  • まずは「向上心がない=悪いこと」とは限らないことを理解しよう
  • 外的要因で向上心がない場合は自分で解決することが難しい
  • 向上心がないことを強みにできる仕事がある

仕事を始めて数年が経ち、上司から「向上心がない」と指摘されたり、自分でも「周りより頑張れていない」と感じたりする人もいるのではないでしょうか。

向上心の有無は個人の価値観や性格によって異なるため、一概に「向上心がない=悪いこと」とはいえません。しかし、仕事における向上心の低さが気になる場合は、まずその原因を理解し、自身に合った対処法を見つけることが重要です。

この記事では、キャリアアドバイザーの吉野さん、西さん、若林さんのアドバイスを交えつつ、向上心がないと感じる人が仕事と向き合う方法について解説します。向上心について悩んでいて、これからの働き方を見直したい人は、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

「向上心がない」と悩むときは原因を内的要因と外的要因に分解して考えよう

向上心がないと感じることは、誰でも抱える可能性がある悩みです。しかし、向上心がないという漠然とした悩みは、一つではなくさまざまな要因が複雑に絡み合って生じている可能性があります。

向上心を持つためには「なぜ成長や昇進への意欲が湧かないのか」という原因を、自身の考え方などによる内的要因と、環境などからの影響による外的要因に分けて考えることが大切です。

この記事では、向上心がないことを前向きにとらえて良い4つの理由や、向上心がないことが仕事に与える4つのデメリットを解説していきます。

まずは向上心がないことを多面的に理解して、向上心の有無を良し悪しで判断するのではなく、自分らしい働き方を見つけるヒントにしていきましょう。

記事の後半では、向上心が低い原因を内的要因と外的要因に分けて、それぞれの対処法を解説します。自身の状況を理解して適切な対処法を見つけることで、向上心がないこととどのように向き合えば良いのか考えていきましょう。

仕事の向上心だけでなく、モチベーション自体が湧かない人にはこちらの記事がおすすめです。原因を突き止める方法やモチベーションを高める4ステップを解説しています。

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「向上心がない=悪いこと」とは限らない! 前向きにとらえて良い4つの理由

「向上心がない=悪いこと」とは限らない! 前向きにとらえて良い4つの理由

  • 他人との競争を避けやすいから
  • 仕事のプレッシャーを受けづらいから
  • プライベートを充実させられるから
  • 現状に満足していれば幸せを感じられるから

向上心がないことは、必ずしもマイナスなこととは限りません。向上心が強すぎると心身に負担がかかったり、プライベートが充実しにくくなったりするケースもあるのです。

ここでは向上心がないことを前向きにとらえて良い4つの理由について解説します。これらの理由を理解して、自身の性格や価値観に合った働き方を見つけるための参考にしましょう。

①他人との競争を避けやすいから

向上心がないことで、周りの人との出世競争から生じる悩みや不安を感じづらくなります。そのため、他人との競争を意識せずに、自身に合ったペースで業務に取り組めます。

周囲を気にしすぎないことで、無理のない範囲で業務をこなしたり、自身の本来やるべき業務に集中できたりするメリットがあるのです。また向上心の有無にとらわれすぎないことで、必要以上な競争意識が生まれにくくなり、職場の人間関係を良好に保ちやすくなります。

これにより、他人と競争するのではなく、協力して仕事を進められる環境を作ることにつながります。

他者と競争をしないように振る舞うことで、社内評価が下がってしまうのではないかと心配です……。

他者との競争を避けることのメリットを考えよう

その気持ちは理解できます。しかし、他者と競争しないことで失うことよりも得られるもののほうが大きいかもしれません。

たとえば、競争しない代わりに、チームに貢献したり協力したりする姿勢を示しましょう。

そうすることで、社内から「自分のことよりもチームのことを優先して取り組んでくれている」という評価を得られ、周りからの信頼をさらに得ることができます。

また、上司や同僚には「今回の私の取り組み方はどうでしたか?」とアドバイスを求めましょう。そうすると「謙虚な姿勢があるな」「ある意味、向上心があるな」と評価されやすくなります。

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②仕事のプレッシャーを受けづらいから

向上心がない人は、必要以上に自身を追い込むケースが少ないため、無理のないペースで仕事に取り組める傾向があります。「今の状態で十分」「できる範囲でベストを尽くす」といった考え方ができると、過度なプレッシャーを感じにくいのです

向上心が少ない分、「もっと成果を出さなければ」「同期に負けてはいけない」といった必要以上のプレッシャーを感じることが少ないため、心にゆとりを持って仕事に取り組みやすくなります。

また、昇進や昇格にこだわりすぎなければ焦りを感じづらいため、自分のペースで仕事を進めやすくなるのです。

このように向上心がない人は、成長意欲の高い人よりも仕事のプレッシャーを受けづらいため、精神的な余裕を持って業務に取り組めるのが特徴です。日々の業務で過度なストレスを受けないことで心身の健康を保ちながら働きやすいことがメリットといえます。

③プライベートを充実させられるから

向上心がない人は、必要以上に仕事に時間を費やそうとしない傾向にあるため、趣味に没頭したり家族と過ごす時間を増やしたりして、プライベートが充実しやすくなります。

たとえば、平日の夜は早めに帰宅して料理を楽しんだり、休日は友人と過ごしたりして、プライベートの時間を自分らしく過ごせます。

また、仕事以外の時間を自分の好きなように使える分、終業後や休日はゆっくり休養を取ったりと、自分らしい過ごし方ができるのです

このように仕事とプライベートにメリハリをつけることは、日々の生活の質を高めることにつながります。適度に向上心がないことは、プライベートと仕事のバランスを重視して長期的に充実した人生を送るために必要な要素といえます。

吉野 郁子

プロフィール

プライベートと仕事の両立をするコツは「楽する工夫」を見つけることです。代表格は、WordやExcelのショートカットキー操作の習得が挙げられます。

小さなことかもしれませんが、こういった部分を効率化していくことで時間に余裕が生まれ、任された役割を果たしつつ、プライベートの時間を確保することができるのです。

④現状に満足していれば幸せを感じられるから

向上心が強い人は常に「もっと上を目指さなければ」「今の状況では満足できない」と考えがちです。一方で、向上心が強くない人は、今の職場の良さや日々の生活が充実していることから満足感を得やすい傾向があるのです。

たとえば、職場の人間関係が良好であることや、無理なく仕事をこなせていることに幸せを感じたり、日々の業務で得られる小さな達成感を大切にしたりできます

また、現状を維持することをポジティブにとらえられるため、無理に変化を求めず、安定した気持ちで過ごしやすくなるのがメリットです。このように向上心がないことで今の状態に満足できると、精神的な豊かさにもつながりやすくなります。

20代で現状に満足してしまっているのは、長期的なキャリアを見すえると悪いことですか? 

若林 宏美

プロフィール

現状の満足感は努力している証拠ととらえることもできる

私見になりますが、現状に満足できていることはキャリア的にも悪いこととは思いません。なぜなら、現状維持にもある程度モチベーションが必要になってくるからです。

現状に満足しているからといって、惰性で仕事をしていると現状をキープできない可能性もあります。つまり、現状に満足している人は、変化がないように見えても、維持するために努力しているとも受け取れます。

長期的なキャリアが心配になるかもしれませんが、自分のライフステージの変化によって、キャリアのとらえ方が変わる可能性もあるため、過度に心配しなくても問題ありません。

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向上心がないことが仕事に与える4つのデメリット

向上心がないことには、プライベートの充実やストレスの軽減といったメリットがある一方で、職場の評価や仕事に影響を与えるデメリットも存在します。

これらのデメリットを理解することで、向上心の有無にとらわれるのではなく、自分らしいバランスを見つけるための手がかりになります。ここでは、向上心がないことが仕事に与える4つのデメリットを解説します。

なおここで紹介するデメリットは、向上心の「ない・ある」という極端な状態を比較したものではありません。向上心が必要以上に低い状態が続くことで、起こりうる影響として参考にしてみてください。

①他人任せだと思われやすくなる

向上心がない人は、新しい仕事や難しい業務に積極的に挑戦しようとしない傾向があるため、「自ら手を挙げて仕事を引き受けない」「ほかの人に任せてしまう」といった印象を周囲に与えやすくなってしまいます。

積極性がないと、重要な案件の担当者を決める際に「この人には任せづらい」と判断され、やりがいを感じられる仕事を逃してしまうかもしれません

さらに、周囲から「この程度の仕事なら任せられる」と、単調な作業ばかりを任されるようになり、結果として仕事の幅が狭まってしまうケースも考えられます。

また、業務で困難な状況に直面したときには、自ら解決策を考えるのではなく、上司や先輩の指示を待ってしまうこともあるでしょう。このように他人任せな印象を持たれることは、職場の評価を下げる可能性があります。

②成長するスピードが遅くなる

向上心が少ない人は現場に満足してしまうことで、新しいスキルを習得したり、知識を得たりすることに消極的になりやすいといえます。その結果、同期や後輩と比べて成長のスピードが遅くなり、キャリアの選択肢が狭まってしまう可能性があるのです

たとえば、業界の動向や技術が変化したとき、最新の知識やスキルが不足していることで、希望の部署への異動がかなわないかもしれません。

このように、向上心が少ないことで成長のスピードが遅くなると、結果的に自身の市場価値を下げることにつながる可能性があります。

今の職場では問題なく働けていても、キャリアの転機が訪れたときに、自分の希望する選択ができなくなるリスクがあるのです。将来の選択肢を確保するためにも、最低限の成長は意識しておく必要があることを覚えておきましょう。

同期と比べて向上心が低いと感じています……。そもそも成長しなければならないのはなぜなのでしょうか?

吉野 郁子

プロフィール

給料や安定を求めたい人の場合は向上心や成長が必要

正社員として働くメリットの一つに、昇給があります。

給料が上がるのは、より難易度の高い仕事ができる・効率が上がる・任せられる業務が増える、などの実務遂行能力の向上があることを前提とします。

そのため、昇給のためには向上心を持って業務に取り組むことが求められます。

一方で、定型化業務が多い非正規労働の場合は、成長や向上のプレッシャーをかけられにくい分、賃金が向上しづらいデメリットがあります。

安定して雇われたい・ボーナスが欲しい・給料も上がってほしい、といった希望と、成長の努力はセットなのです。

あなたが受けない方がいい職業を確認しよう

就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。

そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

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③周囲からの信頼を得にくくなる

向上心がないと「この人に任せても期待以上の結果は出ないだろう」と周囲からの信頼や期待が持たれづらくなります。これは単に仕事の質だけでなく、新しいことへチャレンジするような積極性が見えにくいのが原因です。

そのため、重要な案件や新規プロジェクトの担当者を選ぶ際は、向上心の少なさが影響して声がかかりにくくなる可能性があります。このような状況が続くと、たとえ期待されることを望んでいなくても、職場での居心地が悪くなってしまう可能性があります

たとえば、重要な意思決定の場面で意見を求められなくなったり、仕事以外の話をするときでも「あの人はどうせ消極的だから」と声をかけてもらえなくなったりするかもしれません。

さらに、職場での人間関係が希薄になることで、業務上必要な情報が入ってこなくなったり、困ったときに相談しづらくなったりして、日々の仕事にも支障が出てくる可能性があります。

④昇格や転職といったキャリアの選択肢が狭まる

向上心がないことは、将来的に自分の意志とは関係なく、キャリアの選択肢を狭めてしまう可能性があります。

今は昇進や昇格に興味がなくても、将来的に「もう少し収入を増やしたい」「違う仕事にチャレンジしたい」と考えたときに、その選択ができなくなるかもしれません。

たとえば、数年後に生活環境が変わって収入アップを目指したくなったとき、これまでの実績や経験が足りないために昇格の機会を得られない可能性があります

また、今の仕事に飽きてきて転職を考えたときも「なぜスキルアップできなかったのか」「今後も現状維持のままなのではないか」と懸念を持たれ、希望する職場を選べなくなることも考えられます。

将来の生活やキャリアを安定させたいのであれば、特に若手社員のうちは、将来のためにできるだけ多くの選択肢を残しておくことが重要です。

若林 宏美

プロフィール

働いている人の中には「出世したくない」「現状維持で満足している」という人が一定数いて、決して珍しいことではありません。

しかし、将来的にやりたい部署に異動したい・転職したいとなった場合、不利になる可能性があると頭に入れておきましょう。

そもそも「会社で出世したくない」と感じる人には、こちらの記事がおすすめです。出世しない場合の働き方や、出世しないことに対する意見について解説しています。

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解決のヒントを探そう! 内的要因で向上心がないパターン3選

内的要因で向上心がないパターン3選

ここまで説明したように、向上心がないことには、メリットとデメリットの両方があります。向上心の高さは人それぞれで、必ずしも無理に高める必要はありません。

ただし、向上心の低さに問題を感じている人や、将来の選択肢を増やすために少しずつ改善したいと考えている人もいるのではないでしょうか。

ここでは内的要因で向上心がない3つのパターンを解説します。これらのパターンは互いに関連していることも多く、複数の要因が重なっているケースもあります。自分の状況に当てはまるものがないかチェックしてみましょう。

①具体的なキャリアの目標がない

具体的なキャリアの目標がないと、日々の仕事を頑張ることに意味を見いだせず、向上心がなくなる可能性があります。将来なりたい姿が描けていないため、日々の業務をこなすことに満足してしまい、成長していく意欲が生まれにくくなるのです

たとえば、「とりあえず今の仕事を続けよう」「今の年収で特に困っていない」といった漠然とした考えで過ごしているうちに、将来の選択肢を狭めてしまうかもしれません。

このように、将来のキャリアを具体的に思い描けないことで「何のために頑張るのか」「これから何を始めれば良いのか」という指針が見えづらくなり、結果として向上心を持てない状態に陥ってしまいやすくなるのです。

向上心が芽生えず、キャリアの目標がなにも浮かびません……。

目標は難しく考えすぎずスモールステップで良い

自分で目標を立てるのが難しい場合は、上司に面談を申し入れ、上司とともに目標設定をするのはどうでしょうか?

客観的に「何ができていて、何ができていないか」「どうすれば改善するか」などアドバイスをもらい、それをもとに「今週達成できそうな小さな目標」を設定して取り組んでみてください。

また、仕事の目標だけでなく、プライベートの目標を決めるのはどうでしょうか。

私の友人に、「毎月1回は芸人のライブを見に行くために、ライブの日は残業しない」という目標を立てて実行してる人がいます。プライベートが楽しいからこそ仕事も楽しくなってきているようです。

入社当時はキャリアの目標に向かって、向上心を持って働けていたと感じる人は、以下の記事でもう一度目標を設定してみましょう。キャリア形成をするための方法を4ステップで解説しています。

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②自己肯定感が低い

自己肯定感が低いと、「自分にはどうせできない」「失敗するかもしれない」といったネガティブな考えが生まれ、新しいことに挑戦しづらくなります。これは自身の仕事の能力にかかわる自信を失い、向上心が低下してしまっている状態です。

たとえば、難しい仕事を任されても「自分では無理だ」と最初から諦めてしまったり、社内の勉強会やプロジェクトへの参加を躊躇したりしてしまいます。また、自分の意見や提案に自信が持てず、周囲から消極的ととらえられるような態度になりやすいのです

このように自己肯定感の低さは新たなチャレンジを妨げ、結果として成長の機会を逃すことにつながります。

自身の自己肯定感が低いと感じる人は、こちらの記事でその原因を明確にしましょう。仕事に自信がない人が陥りやすい4つの心理とその背景を解説しています。

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③業務で新しいことに挑戦していない

業務で新しいことに挑戦せず現状に満足してしまうと、次第に変化を避けることにつながりやすくなります。

たとえば、過去の大きな失敗がトラウマとなっている場合、「また同じように失敗してしまうのではないか」という不安から、必要以上にチャレンジを避けてしまう傾向が強くなります。

「言われたことだけやっていれば大きなミスは避けられる」という考えを持っていると、指示された業務以外に自ら手を出しづらくなるのです

また業務改善のアイデアが浮かんでも「余計なことをして失敗したくない」と考えて現状維持を選んだり、新規プロジェクトの募集があっても「今の業務で手一杯」と避けたりしてしまいます。

このように新しいことを避け続けることで、結果として挑戦する意欲そのものを低下させていくのです。

業務で新しいことに挑戦するようなやる気が出ない人は、こちらの記事でその要因を見つけましょう。やる気が出ないときでも目の前の仕事をはかどらせる4つの方法を解説しています。

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小さな行動がコツ! 内的要因で向上心がないパターンの対処法

向上心がないことが内的要因によるものだった場合、それを改善するための方法を考えていく必要があります。

ただし、いきなり大きな目標を立てたり、無理な行動計画を考えたりすると、逆にモチベーションを下げてしまう可能性があるので、徐々に改善していくことが重要です。

ここでは内的要因で向上心がないパターンの対処法について解説していきます。自分のペースで無理なく実践できそうなものから、少しずつ試してみましょう。

現状を改善するために少しずつ行動してみる

内的要因で向上心がない問題を解決するには、一定以上の時間が必要なので、少しずつ行動することが大切です。

たとえば、「今週は1つだけ業務改善の提案をしてみる」「月1回は部署の勉強会に参加する」など、具体的で行動に移しやすい目標を設定してみましょう。

また普段の業務においても、いつもより早く出社して仕事の準備を進めたり、慣れている業務でもさらに効率化できる部分がないか考えたり、まずは小さな変化を起こすことを始めるのがおすすめです

現状を改善するために少しずつ行動して徐々に自身の状況に変化を起こし、無理のない範囲で継続していくことが、向上心を高めるための第一歩となります。

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小さな成功体験を積み重ねて自己肯定感を上げる

自身の自己肯定感が低いと感じている人は、まず自分の良いところや得意分野に目を向けて、小さな目標を達成することから始めてみましょう。

普段の仕事のなかで自信がある業務や、周りの人から感謝された場面を見つけて、それを記録していくことで自己肯定感が上がりやすくなります

たとえば、「丁寧な資料作りが評価された」「後輩からの質問に的確にアドバイスできた」など、日々の小さな成功体験をメモに書き留めていくのがおすすめです。

また、上司や同僚からもらった感謝の言葉や評価されたポイントもメモしておくと、自身の強みを実感しやすくなります。

自分の良い部分に着目してそれを可視化し、自己肯定感を高めて新しいことにチャレンジできるような向上心を少しずつ獲得していきましょう。

吉野 郁子

プロフィール

過去の失敗がトラウマになっている場合は、「やれば確実にできること」をやってみるのがコツです。掃除はその代表例です。部屋がきれいになると、自分に自信が湧いてきます。

大きな成功を求めすぎると、かえって焦りが生まれます。まずは、小さな達成を重ねて、自分を褒められるようになっていきましょう。

小さな成功体験を積み重ねて自己肯定感を上げたい人は、こちらの記事を参考にしましょう。仕事が楽しい人とそうでない人の違いや、仕事に楽しさを見出す方法を解説しています。

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仕事が楽しい人は実在する? 専門家が語るどんな仕事も楽しむコツ

「仕事が楽しい」なんて理解できないと思っている人のために、仕事に楽しさを見出す方法や考え方のポイントをキャリアコンサルタントとともに解説します。仕事における「楽しい」の意味を理解して、自ら楽しく働ける状況を作り出しましょう。

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プロに聞いた! 向上心がないことを個性として仕事に活かす方法

向上心がないことの内的要因やその対処法について理解しても「このままの自分では仕事が続けられないかもしれない」「向上心がないのは昔からの性格だからどうせ変えられないだろう」などと不安を感じている人もいるでしょう。

必要以上に向上心がないことを悪いことだととらえて、自己否定的な考えに陥ってしまう人もいるかもしれません。

そこで、多くの就業者を支援してきたキャリアアドバイザーの若林さんに、向上心がないことを個性として仕事に活かす方法を聞きました。向上心の低さを個性として受け入れ、それを活かした働き方を見つけるヒントとして参考にしてみましょう。

アドバイザーコメント

向上心のなさは自分らしい働き方を見つけるきっかけになる

まず知っておいていただきたいのは、向上心を必要以上に高めることがすべての人にとって最善とは限らないということです。

向上心が強い人が成功するイメージがあるかもしれませんが、穏やかで現状に満足しながら安定した生活を送る人もいます。向上心がないことは決して欠点ではなく、自分らしい働き方を見つけるための個性ととらえましょう。

得意や好きに注力することで無理なく力を発揮できる

もし今のあなたが不安を感じているなら、自分の得意なことや好きなことに目を向けてみてください。向上心がないと感じる人でも、好きな分野や得意な仕事では力を発揮しやすいものです。

たとえば、同じ業務を安定してこなすことが得意であれば、それは「安定性」という貴重なスキルです。仕事のなかでその特性を活かし、チームを支える役割を担うことができます。

このように、「向上心がない」という個性をネガティブにとらえるのではなく、別のポジティブな要素を見つけるのがポイントです。

向上心に縛られず、自分のペースで働きながらも、自分らしさや得意分野を活かして周囲に貢献できれば、それは十分価値ある働き方だと私は思います。

向上心がないことを強みにする! 他者貢献を重視したい人におすすめの仕事

向上心がない人のなかには、仕事をするうえで自身の成長やキャリアアップよりも、他者貢献を重視したいと考えている人もいるのではないでしょうか。業務を通じて困っている人や社会に貢献することにやりがいを感じる人は、以下の仕事がおすすめです。

他者貢献を重視したい人におすすめの仕事

  • 警備員
  • マンション管理人
  • 鉄道の駅員
  • 介護士
  • 保育士

これらの仕事に共通するのは「人々の生活や安全を支える」という社会的な役割があることです。競争や成果を追い求めるのではなく、一人ひとりに寄り添いながら、その人の生活や成長をサポートすることが重視されるのが特徴です。

たとえば、介護士は施設の利用者に真摯に向き合い、安定したケアを提供することが求められます。

また、警備員や駅員は日常の安全や快適さを守るために、困っている人に声をかけたり、トラブルを未然に防いだりするなど、人々の日常生活を支えるための気配りが必要です。

自身の昇進や成長にとらわれすぎないからこそ、周囲との競争意識が少なく、相手のペースに合わせて丁寧にサポートできます。このような特徴は、他者への思いやりや協調性が重視される仕事では、かけがえのない強みとなるのです。

向上心がないことをきっかけに、もっと自分に合った仕事を見つけたいと思った人は、こちらの記事をチェックしておきましょう。自分に合った仕事を探す際にやってはいけない仕事の選び方や、探し方の具体例を解説しています。

他者貢献を重視したい人は、以下の記事を参考に自身に合う仕事を探してみましょう。人の役に立つ仕事や、人を笑顔にする仕事について解説しています。

人の役に立つ仕事
人の役に立つ仕事45選|やりがいや社会貢献を実感しやすい仕事とは

人を笑顔にする仕事
人を笑顔にする仕事30選|5つの幸福タイプ別に適職を解説

他者貢献を重視する仕事に興味があるものの、キャリアチェンジによって収入が減ることに不安がある人は、転職前に再度「収入の見込み」を確認してみてください。

転職することで経済的に厳しくなりそうな場合は、まずは他者貢献の仕事を副業で始めてみるのも良いかもしれません。

精神的に満たされてくれば、人脈も増え、徐々に活躍できるチャンスも生まれます。

自分で解決することが難しい! 外的要因で向上心がないパターン4選

外的要因で向上心がないパターン4選

向上心がないことは、必ずしも自分自身の内面だけが原因ではありません。職場環境や組織文化、周囲の人からの影響など、外的な要因によって向上心が失われていくケースもあります。

これらの外的要因は、個人の努力だけでは改善が難しい場合が多いため、状況を正しく理解し、適切な対処方法を考えることが重要です。

ここでは、外的要因で向上心がない4つのパターンについて解説します。これらのパターンは複数が重なっているケースもあり、その場合はより抜本的な環境の変化を検討する必要があるかもしれません。

特に「職場の雰囲気が悪い」「成長の機会が少ないと感じる」など、環境に違和感を持っている人は、これらのパターンを参考に自身の状況を見つめ直してみてください。

若林 宏美

プロフィール

もともとは向上心を持っていたにもかかわらず、外的要因のせいで低くなってしまっていて、その現状に満足できないなら、内的要因よりも外的要因から先に向き合いましょう。

優先順位が付けられないときは、ノートなどに現状を書き出して整理してみるのがおすすめです。

①周りの人の仕事に対する意欲が低い

職場の同僚や上司の仕事への意欲が低いと、自然と自分の向上心も影響を受けてしまう可能性があります。

たとえば「この企画は通りづらい」「今までもそうだったから変える必要はない」といった否定的な発言が多い環境では、次第に新しいことへチャレンジする意欲が失われやすくなります。

また、周囲がこれまでのやり方を変えないことを好む傾向にある場合、新しいアイデアを提案しても「余計なことはしない方が良い」と却下されて、モチベーションを下げられてしまう経験を重ねやすくなるのです。

このような環境では、徐々に「自分だけ頑張っても仕方ない」という諦めの気持ちが芽生えてくるかもしれません。このように意欲的な人が少ない環境では、自身の向上心が打ち消されてしまう可能性が高いのです。

職場の雰囲気や人間関係が気になって本来の業務に集中できない人は、こちらの記事をチェックしておきましょう。職場の人間関係が原因で起こるさまざまな影響や、対処法を解説しています。

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②責任が生じることを避ける組織文化がある

失敗が許されないような雰囲気が強い組織では、社員が必要以上にリスクを避けようとする傾向が生まれます。新しいことに挑戦すれば責任が生じる可能性があるため、誰もが現状を維持することを選びやすい環境となってしまうのです

たとえば、業務改善の提案をしても「それで失敗したら誰が責任を取るの?」と言われたり、前例のない取り組みを提案すると「今のやり方で問題ないだろう」と却下されたりすることもあるでしょう。

このような組織文化のなかでは、次第に「与えられた仕事だけをこなす」という姿勢が身に付いてしまいます。このように、組織全体がリスク回避的な姿勢を持っている場合、個人の向上心も抑制されやすくなります。

③成長の機会が限られている職場である

職場に成長の機会が少ないと、自然と向上心も低下しやすくなります。

たとえば、研修制度が整っていなかったり、新しいプロジェクトがめったに立ち上がらなかったりするなど、スキルアップやキャリアアップの機会が乏しい環境では、向上心を維持するのが難しくなってしまいます。

特に業務範囲が限定的で単調な作業が多い場合、やりがいや成長の実感を得にくく、新しい知識やスキルを身に付けようという気持ちも薄れていきます

このように、職場環境に成長の機会が少ないことは、徐々に向上心を失っていく要因の一つとなってしまうのです。

職場で成長の機会が限られている場合は、業界に関連する書籍を読んだり、オンライン講座を受けたりすることで、刺激を得ることができます。

外部のセミナーなどに参加して、メンターを得ることも良いかもしれません。異業種交流会などに参加することも成長の機会の一つになります。

④上司から一方的に「向上心がない」と言われる

上司から「向上心がない」と指摘されることで自信を失い、向上心を失ってしまうケースがあります。

特に具体的な理由や改善のアドバイスがないまま一方的に指摘される場合、何をどう変えれば良いのかわからず、次第にモチベーションが下がりやすくなってしまうのです

たとえば、「君は向上心がない」「もっと積極的に行動したほうが良い」といった抽象的な指摘だけでは、具体的に何をすれば良いのかわからず、自己否定的な気持ちだけが強くなってしまいます。

このように建設的なアドバイスを伴わないような指摘は、向上心を失わせてしまう要因となるのです。

また、上司の期待と自分の価値観にギャップがある場合、そのプレッシャーによって本来の実力も発揮できなくなることもあるでしょう。このように、建設的なフィードバックをともなわない一方的な指摘は、向上心を失わせる原因となってしまいます。

向上心がないことを上司に指摘されましたが、どのように受け止め、返答すれば良いでしょうか? 

吉野 郁子

プロフィール

上司の言うことがすべてとは限らない

上司が必ずしもフィードバックが上手とは限りません。そんなときは、話しやすい先輩に相談してみてはいかがでしょうか。

「上司にこう言われたのですが、先輩ならどう返事をしますか?どのように行動しますか?」と聞いてみると、上司の意図を理解するためのヒントが得られるかもしれません。

また、具体的な行動のアイデアも一緒に考えてもらいましょう。社内に限らず、相談できる人とのつながりを活用するのも良い方法です。

職業人生を充実させるには、このように人脈を広げ、信頼関係を深めていくことが役立ちます。

現状が変わらないときは? 外的要因で向上心がないパターンの対処法

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  • 部署異動を打診してみる
  • 転職をしてかかわる人を変える
  • 別の職種へのキャリアチェンジを検討する

外的要因によって向上心が低下している場合、個人の努力だけでは状況を改善するのが難しいケースがあります。この場合は思い切って環境を変えることも、一つの選択肢として検討することが大切です。

ここでは、外的要因で向上心が低下している場合の3つの対処法を解説します。それぞれの選択肢にはメリット・デメリットがあるため、自分の状況や希望するキャリアに合わせて、慎重に検討していきましょう。

若林 宏美

プロフィール

部署異動や転職などは大きな決断のため、思い付きで行動するよりも慎重さが大切です。

本当に外的要因が原因なのか・内的要因に問題はないか、などを冷静に分析しながら、自分の価値観やスキルに合う選択肢を見つけてください。

部署異動を打診してみる

上司との相性が合わないことや、いまの部署の雰囲気が原因で向上心がない場合、部署異動をすることで解決できる可能性があります。

たとえば、「向上心がない」と一方的に指摘される、メンバーとのコミュニケーションが取りづらい、マネジメントスタイルが合わないなど、上司や同僚との関係に課題を感じる場合は、部署異動を視野に入れてみましょう。

部署異動をすることで毎日かかわるメンバーが変わるので、より向上心が高まりやすい環境で働けるようになる可能性があります

部署異動を検討する際、人事部門に相談してまずは異動自体可能なのか、また異動先の部署の候補はどこかなどを探ってみることがおすすめです。その際「新しい分野にチャレンジしたい」「別の部署で経験を積みたい」など、前向きな理由を伝えるのが重要です。

上司やメンバーの悪口を言うことを避け、自身の成長という観点で話をすることで、建設的な相談がしやすくなります。

吉野 郁子

プロフィール

不満に対してすぐに行動を起こすことが必ずしも良いとは限りません。時間が味方してくれることを期待して、少し待ってみるのも一つの方法です。

「待てば海路の日和あり」ということわざが示すように、人生には予期しない良いタイミングが訪れることもあります。

転職をしてかかわる人を変える

組織の文化や職場の雰囲気全体に違和感を感じる場合は、転職という選択肢も視野に入れてみましょう。

特に「責任ある仕事を任せてもらえない」「新しいことへの挑戦を阻まれる」など、組織全体の体質が自身と合わない場合は、転職して環境を変えることで向上心を取り戻せる可能性があるのです。

ただし、転職を考える際は、転職先で同じ状況に陥ってしまわないために、現在の状況を客観的に分析することが重要です

たとえば、「どのような環境であれば向上心を持って働けるか」「どんな企業文化を求めているか」など、自身が働きたい環境を具体的にイメージしながら転職を検討しましょう。

こちらのQ&Aでは、業務に深く打ち込んだことがない人の転職活動について解説しています。自己PRを考える際の参考にしてみてください。

より自分らしく働ける職場に移りたいと考えている人は、転職後に前向きな気持ちで、向上心を持って働ける環境で新たなスタートを切るためにこちらの記事をチェックしておきましょう。目的別のおすすめの転職タイミングや、準備期間を含めた理想の転職スケジュールを解説しています。

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別の職種へのキャリアチェンジを検討する

現在の職種自体に向上心が持てない場合は、キャリアチェンジという選択肢も考えられます。

たとえば「今の仕事には将来性を感じない」「自分の興味や適性が違う分野にあるかもしれない」と感じる場合は、思い切って職種を変更することで向上心が生まれるきっかけになる可能性があります

ただし、キャリアチェンジする場合は、給与が減る可能性や自身にその職種が合わないリスクがあるため、慎重に検討することが大切です。

まずは興味のある職種について徹底的にリサーチし、必要なスキルや資格、実際の業務内容などを詳しく調べましょう。可能であれば、その職種で働く人に話を聞いたり、副業やアルバイトで実際に経験してみたりすることもおすすめです。

キャリアチェンジは大きな決断となりますが、自分の適性や興味に合った職種に出会えれば、新たな向上心が芽生える可能性があります。

別の職種へのキャリアチェンジを検討している人は、以下の記事で自身に合う仕事を探してみましょう。自分に合った仕事の見つけ方や、内向型にピッタリな仕事、将来性のある仕事などをそれぞれ解説しています。

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失った向上心を取り戻すには? 事例とともにキャリアのプロがアドバイス

新卒1年目の頃といまの自身の状況を比べて、向上心を取り戻したいと考えている人もいるのではないでしょうか。また、向上心がない原因と対処法がわかっても、なかなか今の現状を変えるために行動できないと悩む人もいるかもしれません。

そこで以下では、キャリア支援のプロである西さんに、向上心を取り戻す方法について詳しく聞きました。今の現状と照らし合わせながら、自身なら何から始められるか考えながら読み進めましょう。

アドバイザーコメント

外的要因は向上心やモチベーションに悪影響を与える

私の友人に、「最近仕事に面白さを感じず、上司も嫌なタイプで、仕事はとりあえずしているが定時になればすぐに帰っている」と話す人がいました。その人が最近、「残業はしたくないが、チームでリーダーになって大きなプロジェクトに携わっている」と笑顔で言っていたのが印象的でした。

「なぜそんなにも変わったの?」と聞くと、「メンバーが入れ替わって何でも話せる雰囲気が出たから」ということです。この人の場合、向上心を取り戻したのは、外的環境の変化によるものでした。

行動の工夫や周囲への相談が向上心を取り戻す鍵

しかしよく聞いてみると、やはり「最初から何とかして頑張りたい」という強い気持ちがあったようです。

そして、小さなことでも一つひとつ丁寧に仕事をおこないながら、チームメンバーが気持ち良く働けるようにシステムを構築したりしているうちに、本社から評価されるようになり、リーダーとして抜擢されたとのことです。

また、うまくいかないときは友人に相談したり、本を読んだり、関連する動画を見たりして、新たな知識を手に入れ視野を広げていました。

このように小さな目標を設定して実行し、フィードバックを受け、知識を広げることが向上心を取り戻すことにつながったと私は考えています。

向上心がないと感じたら今後の働き方を見直すさせるきっかけにしよう

向上心がないことは、周囲からの評価が下がったり、キャリアが停滞したりマイナスな部分しかない状況のように感じるかもしれません。しかし、向上心がないことに自身で気付くことができたら、自分らしい働き方を見つめ直すきっかけになる可能性があります。

大切なのは、向上心の有無を良し悪しで判断するのではなく、自身に合った仕事との向き合い方を見つけることです。

記事では向上心がないことの内的要因と外的要因、またそれぞれの対処法について解説したので、自身の課題を解決するために参考にしてみてください。

また向上心がないことは一時的な問題である可能性もあるため、現状を改善するためにさまざまな行動を少しずつ続けていくことで、自分らしい働き方が見つかりやすくなります。無理のないペースで理想の働き方を模索していきましょう。

アドバイザーコメント

向上心がないと感じる停滞期は誰にでも起こりうるもの

成長には必ず「停滞期」が訪れます。筋トレや受験勉強でも、思うように成果が出ない時期があるものです。この停滞期を「プラトー現象」と呼びます。プラトーとは「台地」を意味します。

物事を続けていくなかで、常に右肩上がりの成長が続くわけではありません。「新入社員の頃に比べると、なんだかやる気が出ない」と感じるのも、成長の停滞期なのかもしれません。

向上心がないことに悩む過程がすでに成長につながっている

長い職業生活では、ぐずぐずと悩んでしまう時期もあるでしょう。しかし働いていると、たとえ向上心がなくても、頑張らざるを得ない状況に直面することがあります。そうしたとき、逃げずに忍耐強く向き合うことも立派な働き方です。

「大きな壁にぶつかったときに大切なことは、ただ一つ。壁の前でちゃんとウロウロしていること」(玄田有史『希望のつくり方』岩波新書、2010)という言葉もあります。

向上心がないと悩むことも、壁の前でウロウロする貴重な時間です。悩むことと向上していないことは別問題です。「継続は力なり」といわれるように、逃げずに向き合い続ければ、いずれ悩みの形も変わっていくでしょう。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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