この記事のまとめ
- 品質管理の志望動機に欠かせない基礎知識を押さえよう
- 品質管理の志望動機は4つの準備で簡単に差別化できる
- 7業界別に品質管理の志望動機例文を紹介
品質管理の志望動機を作ろうとしても、具体的な仕事内容のイメージが湧かなかったり、携わりたい理由をうまく書き出せなかったりして悩む人が多いのではないでしょうか。
品質管理という仕事は外から見えにくいため、就活時に志望動機をスラスラ作れる学生は少ないものです。しかしその分、品質管理ならではの仕事の特徴を押さえて効果的なアピールをすることで、周りの学生と差をつけることができます。
この記事ではキャリアコンサルタントの野村さん、小峰さん、木村さんのアドバイスを交えつつ、品質管理の選考で高評価を得る志望動機の作り方を解説します。最後に7例文も紹介するので、品質管理の選考を突破したい人はぜひ参考にしてください。
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品質管理の志望動機は役割を理解して意義を考えることが重要!
品質管理は製造業に欠かせない重要なポジションですが、営業職や研究開発職とは違って仕事の成果がはっきりとは見えにくい一面があります。加えて、何か製品に問題が見つかれば責任を問われることもあるように、厳しい面も持つ仕事です。
このように魅力ややりがいが一見つかみにくい仕事だからこそ、志望動機では品質管理として何をしたいかというビジョンが問われます。それを明確にしていくために、記事ではまず品質管理の業務やキャリアについて必須の知識を解説するので、役割を理解しましょう。
後半では、実際に志望動機を作成していくために効果的な4つの準備を解説します。コツを押さえることで、志望動機の内容が一気に深まりますよ。食品、製薬などの業界別に品質管理の志望動機例文も紹介するので、最後まで読んで魅力的な志望動機を作り、選考を通過しましょう。
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知らないと危険! まず押さえたい品質管理の基礎知識
知らないと危険! まず押さえたい品質管理の基礎知識
- 役割:商品にGOサインを出す製造業の砦
- 仕事内容:工程管理・品質検証・品質改善の3つ
- キャリア:技術系総合職として幅広いことが多い
品質管理の志望動機を作成する前に、まずは仕事内容やキャリアパスについて頭に入れて、全体像を理解しましょう。
品質管理に関する基礎知識がないと、志望動機でやりたいことが何も浮かばなかったり、見当はずれな志望動機になってしまったりするリスクがあります。不安な人は必ず目を通してくださいね。
役割:商品にGOサインを出す製造業の砦
そもそも品質管理とは何かというと、各社の品質方針をもとに商品の品質や安全性を管理して、少しでも問題が見つかればNGを出すという製造業における審査官のような役割のことです。
企画から製造、流通という商品が世に届くまでの全工程にかかわり、完成品だけでなく作業する現場の体制まで管理しています。またクレームや問題があれば課題の原因を見つけ、改善していくことも品質管理の役目です。
品質管理という存在があることで、メーカーは自信を持って商品を流通させることができ、消費者も安心して購入・利用することができるのです。
営業やマーケティング活動でどんなに製品の良さを訴えても、顧客を品質で裏切ってしまったら会社にとっては大損失です。
そのため品質管理という部署は、製品やサービスの品質レベルを厳しい目で見られる立場といえます。
そもそも製造業についてよく知らないという人は、こちらの記事で基礎知識を確認しておきましょう。アピールのコツや志望動機例文を解説しています。
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選考では志望動機の他に自己PRも求められます。以下の記事では製造業の自己PRについてまとめているので参考にしてみてください。
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仕事内容:工程管理・品質検証・品質改善の3つ
品質管理の役割がわかっても、具体的に日々どんなことをするのかイメージがつかないという人が多いかもしれません。
品質管理の仕事内容は大きく以下の3つに分けられます。工程管理で作業工程を正常に保ち、品質検証で製品の品質をチェックし、品質改善で不適合が出ないよう改善をしていくというサイクルです。
品質管理の基本的な仕事内容
- 工程管理
作業スタッフの教育、作業手順の均一化、設備の管理、正常な工程の維持 - 品質検証
製品品質の検査、作業工程の監視、製品管理の監視 - 品質改善
不適合の再発防止、不適合を未然に防ぐ改善
不適合とは
本来あるべき状態とは異なること。品質管理では「基準を満たしていない」という意味で使われる
ひたすら製品と向き合うようなイメージがあるかもしれませんが、上記からもわかるように、実際は作業現場や企画・開発段階など他部署にも踏み込んだ業務をする必要があり、一連の工程に責任を持って品質を保つ取り組みをしています。
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キャリア:技術系総合職として幅広いことが多い
品質管理の入社後のキャリアは企業によって異なりますが、新卒で正社員として就職する場合、品質管理だけを担うことはまれかもしれません。
多くの企業では「技術系総合職」などとして募集をかけ、その中の配属先の一つに品質管理があるというイメージです。その場合は志望動機で品質管理を志望しても、必ずしも品質管理に配属されるとは限らず、いずれ製造や開発などほかの技術職に異動する可能性もあることを認識しておきましょう。
不安な人は、志望企業の募集要項や採用ページをよく見て、キャリアパスを調べることをおすすめします。先輩社員のインタビューなどがあれば、品質管理のキャリアの参考になりますよ。
- 品質管理の配属希望なのですが、志望動機ではどう伝えるのが良いですか?
ほかの配属になる可能性もあることに理解を示しつつ具体的な理由を伝えよう
品質管理の仕事のどのような部分を知っていて、なぜ志望したいと思うようになったのか、できるだけ具体的なきっかけや理由を説明しましょう。
特別な理由である必要はありませんが、品質管理の仕事に対する熱意を伝えることはとても重要です。
一定の品質基準を満たさなければ製品やサービスを販売できないという意味で、品質管理はどの会社でも必要かつ重要な仕事ですが、会社の規模や体制によっては解説した通り「技術系総合職」などの職務範囲の一部になっていることもあります。
その点を理解していることを示しつつ、現時点では品質管理の仕事に一番興味を持っているということを、明確な理由とともに伝えると良いでしょう。
品質管理の求人はメーカーが多いため、文系の学生の中には「メーカーに就職できる?」と不安な人もいるかもしれません。こちらのQ&Aでキャリアコンサルタントが実情を解説しているので、併せて参考にしてみてください。
品質管理は、建設業界でも活躍できるかもしれませんね。次の記事は、建設業界の志望動機について解説しています。ぜひ併せて読んでみてくださいね。
建設業界の志望動機はどう書く? 差別化のコツや注意点を解説
志望動機で意識しよう! 品質管理で求められる3つの力とは
志望動機で意識しよう! 品質管理で求められる3つの力とは
- よく観察して小さなことも見逃さない「リスク管理力」
- 原因を分析して問題を解決していく「論理的思考力」
- 周囲と協力して仕事を進める「チームワーク力」
品質管理の仕事の全体像を把握できたら、いざ現場で働く際にはどのような力が求められるのかもチェックしておきましょう。
品質管理として活躍する人のイメージがつくことで仕事理解が深まるだけでなく、志望動機で自分の適性をアピールすることも可能です。
特に重要な3つの能力を解説するので、これまでの経験からアピールできる能力がないか考えながら目を通してくださいね。
①よく観察して小さなことも見逃さない「リスク管理力」
品質管理は製品の品質を守る生命線ともいえます。目に見える明らかな問題に気付くだけでなく、機械の音や製品のにおいなど、何気ないことをヒントにして異常を発見する力が必要です。
そのため普段から現場をよく観察し、小さなことも見逃さないという高い意識が求められます。このような徹底したリスク管理力を発揮した経験がある人は、志望動機で積極的にアピールしてみましょう。
上記のような「何気ないことをヒントにして異常を発見する」能力は、品質管理の指導者や専門家となる成長過程で磨かれます。
初期の品質データやプロセスの知識習得から、長い実務経験を通じた多くの成功・失敗を経て、新たな気づきや鋭い感性が磨かれるものです。5〜10年ほどは要すると考えましょう。
リスク管理を徹底する真面目さをアピールしたい場合は、こちらの記事もおすすめです。例文12選と、真面目さの自己PRでやりがちな注意点を解説しています。
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12例文|真面目さの自己PRでやりがちな3つの失敗パターンと対策
真面目さの自己PRはどの職種でも通じるアピールになりますが、企業によって求める真面目さが異なるため、それにマッチさせることが不可欠。記事では、キャリアコンサルタントと真面目さの自己PRを効果的に伝える方法を解説します。
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②原因を分析して問題を解決していく「論理的思考力」
品質管理は問題を見つけるだけでなく、その原因を突き止める役割も持ちます。
一つの製品に異常があれば、同じ製造工程で作られたほかの製品にも異常がある可能性があります。そのためどこで問題が発生しているのかを突き止め、原因を速やかに明らかにしなければなりません。
そこで必要になるのが、問題を正しく解決する論理的思考力です。企業によっては統計データを普段から扱うなど、数学的な思考も求められます。物事を順序立てて分析したり、論理的に問題を解決したりするのが得意な人は、志望動機でアピールするのが効果的です。
- 統計やデータ分析のスキルは必ず必要ですか? まったく経験がないので不安です……。
今焦るよりも経験を積んでから現場に則したスキルを磨いていこう
統計やデータ分析のスキルは必ずしも必要というものではないと思いますが、企業や業務内容によっては必要になることもあるかもしれません。
いずれにしても、品質とは数値データで定量的に評価することから始まります。
まずは業務経験を積み重ねながら、データを扱うスキルとして自分に何が必要なのかを見極めて、必要なスキルアップに挑戦していけると良いでしょう。
問題解決能力をアピールするコツはこちらの記事で詳しく解説しています。例文付きなのでぜひ併せて参考にしてみてください。
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③周囲と協力して仕事を進める「チームワーク力」
これまで解説したとおり、品質管理は他部署の業務にも頻繁にかかわっていきます。何かを依頼したり細かく指示したりすることが多いため、人によっては面倒な存在だと思われたり、対立したりすることもあるかもしれません。
そのため品質管理として働く人には、関係各所と良好な関係を築いて業務を進めるコミュニケーション能力が求められます。
言いにくいことも工夫してはっきり伝えたり、チームに指示を出してプロジェクトを進めたりといった経験がある人は、ぜひそのチームワーク力を志望動機にも書き加えてみましょう。スムーズになじめそうだと期待されるはずです。
チームワーク力の効果的なアピール方法はこちらの記事でも解説しています。例文8選付きなので併せて参考にしてみてください。
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コミュニケーション能力をアピールしたい場合は、こちらの記事も必見です。簡単に差別化するコツを例文付きで解説しています。
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アドバイザーコメント
野村 芳克
プロフィールを見る品質管理に求められる能力とその理由をあらためて振り返ろう
品質管理においては、リスク管理力、論理的思考力、チームワーク力の3つの要素が肝要です。
まずリスク管理力とは、将来的な品質問題を予測し、それらを未然に防ぐための対策を講じる能力を指します。たとえば食品製造業においては、原材料の品質保証のためにサプライヤーの信頼性を評価し、検査手順を明確に定めることが重要です。
一方の論理的思考力は、問題発生時に原因を分析し、効果的な解決策を見いだす能力を指します。仮に製品の不良率が上昇した場合、製造プロセス全体を細かく分析し、問題の根本原因を見極めることが不可欠です。
そしてチームワーク力は、ほかのチームメンバーと協力して目標を達成する能力です。品質管理者は、情報の適切な共有にとどまらず、リーダーシップを発揮してチーム全体を指導する役割を持ちます。
3つの能力に加えて常に学習して改善を目指す姿勢も重要!
これらに加えて、継続的な学習と改善への意欲も求められます。新しい技術や手法に対する積極的なアプローチは、品質管理プロセスの向上に直結するからです。
これらの要素を身に付けた品質管理者は、製品やサービスの品質向上に不可欠な存在となるでしょう。
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いざ作成する前に! 品質管理の志望動機が簡単に深まる4つの準備
ここまで読んで品質管理の基礎知識や求められる力を理解できたら、さっそく志望動機の作成に取り掛かりましょう。
品質管理の志望動機では何を伝えれば良いかわからないと悩む人が多いかと思いますが、実は少しの工夫で内容が深まり、企業に印象付けることが可能です。
ここではそのための準備を基本編・上級編に分けて4つ解説するので、ぜひ網羅して、確実に高評価を狙ってくださいね。
基本編:志望理由の軸を固める2つの準備
品質管理の志望動機を書く前に必ずやりたいこととして、2つの準備を解説します。この2ステップを踏まえると、志望動機に一本筋が通り、説得力のある内容になります。すぐにできる準備なので、順番に取り組んでいきましょう。
志望動機の軸を固める前に、そもそも就活の軸を定めることも重要です。自分の軸がよくわからないという人は、こちらの記事で簡単に整理できますよ。
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①志望企業の仕事の範囲やキャリアパスを把握する
同じ品質管理でも、業界や企業によって詳しい仕事内容やキャリアパスはさまざまに異なります。
その企業ならではの志望動機にすることで、より具体性が増して熱意が伝わる志望動機になるため、志望動機は使い回しをせず、必ず1社ごとによく調べてから作成しましょう。
品質管理の企業研究で理解したいポイント
- 日々の業務の流れ
- 身に付く専門知識や能力
- 5年後、10年後など将来のキャリアイメージ
上記は特に企業によって差が出るため、仕事理解を深めるために採用ページなどでしっかり把握することが大切です。
また公式ホームページ(HP)を見ると、企業によっては「品質・安全について」といったページを設けて、品質管理の取り組みを消費者に向けて紹介していることもあります。その企業の品質管理への姿勢がよくわかるため、ぜひチェックしてみてください。
品質管理の内容は、扱う製品や顧客の要求などによってさまざまです。
そのため品質管理として豊富な経験を積みたい場合は、さまざまな製品や顧客を扱っている企業か、という点で調べることが一つの手だと思います。
②品質管理と結びつく自分なりの経験を振り返る
志望企業の品質管理の特徴をよく理解できたら、なぜ自分がそれに携わりたいのか、志望理由を言語化していきましょう。
「やりがいがありそう」「社会に貢献できる」といったざっくりとした志望理由では、どの企業にも当てはまってしまい、企業は納得できません。そのため品質管理に興味を持ったきっかけや活かせる経験など、自分なりのストーリーを伝えることが大切です。
自分なりのストーリーを考えるヒント
- 品質管理のどこに惹かれたのか
- なぜ品質管理に向いていると思うのか
- 品質管理として何を実現したいのか
上記のように品質管理と自分自身の経験やスキル、価値観などを結びつけて、自分にしか語れない志望理由を掘り下げておきましょう。
- 品質管理は安定していそうというのが興味を持ったきっかけで、特に良いストーリーがないです……。
どんな安定を求めるのか・なぜ品質管理かなどもっと深掘りできる
安定していそうと思う背景にも、いろいろ考えや価値観があるのではないかと思います。
安定していそうな仕事はほかにもたくさんあり、品質管理よりも安定していそうな仕事も多数考えられるからです。その中でも品質管理を選んだ理由が、何かあるはず。
また安定という言葉にもいろいろな意味合いがあります。あなたの望む安定とはどういう定義なのか、これまでの経験や今後のイメージから膨らませつつ、言語化してみると良いでしょう。
同じく安定性を理由に品質管理に興味を持った人は、こちらのQ&Aも確認してみましょう。「志望動機で伝えるのはダメ?」という疑問にキャリアコンサルタントが回答しています。
品質管理は多くの人に影響する仕事のため、「社会貢献」を志望理由にしたい人もいるかもしれませんが、社会貢献の志望動機には注意すべき落とし穴があります。こちらの記事で確認してみてください。
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業界別5例文! 志望動機に「社会貢献」を効果的に盛り込むコツ
志望動機として社会貢献を打ち出して高評価を得るポイントをキャリアコンサルタントとともに解説します。やりたい仕事別の例文5選と注意点も解説するので、参考にして志望動機を作成し、選考突破につなげてください。
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上級編:品質管理の解像度を高める2つの準備
ここまで基本編の準備を解説しましたが、さらにほかの学生と差を付けたい人や、選考難易度の高い人気企業を志望している人に向けて、上級編のコツも紹介します。
これから解説する2つの準備まで実践することで、品質管理についてよく調べている本気度や覚悟が伝わり、志望動機でインパクトを与えることができます。30分~1時間ほどでできるので、ぜひ取り組みましょう。
①品質管理の現場でよく聞くキーワードを理解する
まず簡単にできることとして、品質管理の専門用語について調べることが挙げられます。品質管理の現場でよく使うキーワードを理解すれば、志望動機で知識をアピールできるだけでなく、働くイメージもより鮮明になりますよ。
以下の3つは特によく聞くワードなので、ただ暗記するのではなく、どのような場面で使うのかまで想像して理解するようにしましょう。
ISO
International Organization for Standardizationの略で、「国際標準化機構」を表す。
ISOが定めた規格をISO規格と呼び、国際間で取引をおこなうための世界的な基準として5万以上の種類があり、製造業でも盛んに用いられる
PDCAサイクル
「Plan:計画、Do:実行、Check:評価、Action:対策」の頭文字を取ったもの。
業務を継続的に改善していくためのフレームワークで、製造業では特に生産や品質などの管理業務で重視される
QC7つ道具
パレート図、特性要因図、グラフ、管理図、チェックシート、ヒストグラム、散布図の7つの分析手法の総称。
品質管理(Quality Control)においてデータを整理したり関係性を明らかにしたりするために使用される
ISO規格やPDCAサイクルのほかにも、品質管理を志望するなら以下のワードも調べておくと良いですよ。
・品質保証(品質の確保)
・リーン生産(無駄削減手法)
・品質管理システム(品質統合管理の体系)
・品質改善(品質向上手法)
・5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・躾の活動)
②品質管理にかかわる実際の事件などを調べる
志望動機で品質管理をやりたい理由を伝えられる人はいても、品質管理としての役割意識や使命感まで語れる人は少ないものです。
そこで、品質管理にまつわる過去の事件などを調べ、業界全体の課題やビジョンを分析してみましょう。品質管理が万全でないことで実際にどのような問題が起こるのか把握することは、製造業における品質管理の重要性や意義を考える大きなヒントになります。
品質管理にかかわる事件を調べるキーワード
- リコール
- 異物混入
- 産地偽装
- 食中毒
過去の反省を受けてなぜ自分が品質管理を担いたいのか、どのような品質管理を提供したいのかまで深掘りできると、志望動機に深みが増して熱意が伝わるはずです。ぜひ志望業界の品質管理の沿革や課題を調べてみてください。
- 品質管理を志望するなら知っていて当たり前というような、過去の重大事件は何がありますか?
過去だけでなく近年でも重大事件が発生しているので経緯まで調べておこう
ここ何年かはさまざまな業界で品質に関する不正問題が相次いでいて、誰もが知っているような有名企業でも問題が表面化しました。
日本の重要な産業の一つである自動車業界でも、2023年末にダイハツ工業の検査不正の問題が発表され、業界に大きな影響を与えました。
品質管理に関する最近の重大事件の一つとして、簡単な経緯を把握しておくと良いでしょう。
品質管理は、その仕事が会社組織の中の健全性まで問われる大きな問題に発展する可能性がある重要な部門です。それゆえ、その役割と責任を果たすための重圧から不正がおこなわれるといった事例があります。
この点を知っておくことは、品質管理の仕事を目指す者としてとても大切なことです。
4段構成ですっきりまとまる! 品質管理の志望動機の組み立て方
4段構成ですっきりまとまる! 品質管理の志望動機の組み立て方
- 品質管理を志望する理由を端的に示す
- 自身の経験から詳しい志望理由を説明する
- 品質管理の中でも志望企業を選んだ理由を伝える
- 活かせる力やマッチする点から意欲を伝えて締める
品質管理の志望動機を書くための準備ができたら、ここからは提出に向けて志望動機をまとめていきましょう。その際意識してほしいのが、文章の構成です。
構成を気にせずまとまりのない文章を書いてしまうと、せっかく伝えたいことがあっても企業に響かないという残念な結果になりかねません。ここでは志望動機で効果的な4段構成を解説するので、順番に整理して高評価を目指してくださいね。
志望動機の構成をより詳しく知りたい人はこちらの記事がおすすめです。志望動機の基本構成を丁寧に解説しています。
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志望動機はこの構成で決まり! 盛り込む6要素と伝える順番を解説
志望動機の構成は採用担当者に伝わりやすい型が決まっています。この記事では志望動機を聞く企業の意図を把握してから、志望動機を構成する要素と順番を解説していきます。キャリアコンサルタントによる解説と業界別の例文もあるので、参考にしながら自分の志望動機の構成を整えていきましょう。
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①品質管理を志望する理由を端的に示す
志望動機はまず、なぜ品質管理を志望するのかという結論から端的に伝えましょう。結論から示すことで採用担当者はその後の展開を想像しやすくなり、内容がスムーズに頭に入ってきます。
結論の例
私は口腔ケア製品をより身近なものとして多くの人に広めるために、安全性という観点から貢献したいと思い、貴社の品質管理を志望いたします。
長すぎると話をつかみにくいものの、たとえば「安全性を守る仕事がしたいから」だけでは抽象的すぎるため、上記のように品質管理の中でもどの業界の・何に携わりたいかを伝える程度がおすすめです。
結論から話を展開する手法はPREP法と呼ばれ、ビジネスコミュニケーションでは基本のスキルとされています。志望動機でも論理的な文章を心掛けましょう。
PREP法とは
結論(Point)、理由(Reason)、具体例(Example)、結論(Point)の順番で話を展開するフレームワーク。ビジネスシーンで説明や提案をおこなうときにわかりやすく伝える基本的な方法
志望動機は書き出しを工夫することでさらに差別化できます。こちらの記事でコツを解説しているので確認してみてください。
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例文8選|志望動機の書き出しで本気度を見せ差別化する方法
志望動機の書き出しは、志望動機全体を印象付ける大事な部分です。書き出しのコツは「本気度」を伝えること。書き出しの基本的な考え方や高評価を得るコツ、やりがちな失敗についてキャリアコンサルタントとともに解説します。そのまま使える便利なフォーマットも紹介しているので、参考にしてください。
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②自身の経験から詳しい志望理由を説明する
結論の次は、より具体的な志望理由を伝えます。冒頭で伝えた内容について詳細を説明するイメージで考えるとわかりやすく、採用担当者にも理解しやすくなります。
例の場合、結論部分だけでは「なぜ口腔ケア製品を広めたいのか」「なぜ品質管理なのか」がわからないため、それを裏付けるきっかけや原体験などを伝えましょう。
きっかけの例
私は身内が歯科医院で働いていて、口の健康の大切さをいつも言い聞かされていました。しかし友人や周囲の人に話を聞くたび、口腔ケア用品をきちんと使いこなせている人が少ないことに疑問を感じていました。
これは、口腔ケアは歯医者で指導される専門的なものと捉えている人が多いことが原因の一つだと感じます。
私は生きるうえで大事な口の健康を守るために、口腔ケアをより身近で使いやすいものとして捉え直してほしいという思いから、安全性を保証する品質管理の仕事に興味が湧きました。
この部分は準備段階で整理した、品質管理に結びつく自分なりの経験からまとめるとスムーズです。その際、例のように感情や考えなども交えると人柄がよく伝わり、差別化できるオリジナルの志望動機になりますよ。
志望動機がほかの応募者と似たような表面的な内容だったら、採用担当者は興味を持たないでしょう。
自分とはどういう人物で、なぜこの会社で働きたいのかということを明確に伝えるために、個人的なストーリーや原体験と、現在の自分との関係性を盛り込むことが重要です。
そうしてやっと、自分に興味を持ってもらえる可能性が出てくるのです。
③品質管理の中でも志望企業を選んだ理由を伝える
詳細な理由を書けたら、志望企業を選んだ理由も忘れずに盛り込みましょう。品質管理を志した理由がいくら明確でも、「なぜこの会社か」がわからないと、説得力に欠ける志望動機になってしまいます。
志望企業を選んだ理由の例
その中でも貴社は、多くの企業がパッケージや容量の検査から徐々に経験を積んでいく中、半年ほどで成分や微生物の検査まで任せてもらえると知り、品質管理のプロとしていち早く成長していけるところに魅力を感じました。
これまでの企業研究で気付いたことや特に惹かれた点から書き出すと、企業についてしっかり調べたこともアピールできます。
うまく思い浮かばない人は、以下の観点で志望企業についてあらためて整理してみてください。その中から特に自分の考えや希望とマッチするところを伝えると、その企業を選んだ理由が明確になります。
志望企業ならではの理由を考えるヒント
- 仕事内容・キャリア
- 商品の特徴
- 品質管理部門の規模
- 社風・人柄
- 説明会やインターンシップなどの印象
- 志望企業を選んだ理由は、品質管理と直接関係のない社風や人柄でも良いのでしょうか?
問題ないがそれが品質管理としてのキャリアにどう関係するかまで伝えよう
品質管理を志望する学生が、品質管理と直接関係のない社風や人柄について興味を持つのは十分理解できます。企業文化や人間関係は、仕事環境やモチベーションに大きな影響を与えるからです。
また品質管理者としては、チームとの協力や円滑なコミュニケーションが不可欠です。したがって、品質管理と直接関係のない社風や人柄にも関心を持つことは不適切ではありません。
ただし志望企業を選ぶ際には、品質管理という仕事に加えて、自身の価値観と合うか、職場環境に適合できそうかどうかも検討することが重要です。
結果として、品質管理に直接関係のない要素について関心を持っても問題ありませんが、それが志望する品質管理という職種やキャリア、仕事の満足度にどう影響するかを認識して表現することが大切ですね。
社風を志望理由にする場合はコツがあります。こちらの記事で注意点を解説しているのでチェックしておきましょう。
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「社風の志望動機」は注意が必要! 例文付きで受かるコツを伝授
安易に社風を志望動機にすると選考通過は難しくなります。社風を志望動機とするメリットを理解し、盛り込むべき内容を押さえて志望動機を作成しましょう。キャリアコンサルタント監修の例文も紹介するので参考にしてください。
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「人柄を志望動機にするのはあり?」と不安な人は、こちらのQ&Aも併せて参考にしてみましょう。キャリアコンサルタントが悩みに回答しています。
④活かせる力やマッチする点から意欲を伝えて締める
最後は品質管理として入社後にどう活躍したいのか、どう貢献したいのかなど自分の思いをまとめて締めましょう。
ただし、単に「頑張ります」と伝えるだけでは採用担当者もあなたがどう活躍できるのかイメージが湧きません。以下の例のように、これまでの経験から品質管理として活かせる知識や発揮できるスキルなどを示して、具体的なビジョンを伝えるよう意識してみてください。
結びの例
大学では化学を専攻したため、分析化学の知識も活かせるのではないかと思います。入社後は周囲と積極的にコミュニケーションを取って信頼関係を築き、チームだけでなく会社全体に貢献することで、貴社の製品を世の中に届ける助けができればと思います。
すぐに思い浮かばない人は、品質管理に求められる力として紹介したチームワーク力、論理的思考力、リスク管理力の3つから自分に当てはまるものを選び、志望企業でどう活かせるかを考えてみると簡単です。
「特にアピールできる強みがない……」と感じる人は、まだ自分の強みに気付いていないだけかもしれません。こちらの記事で今すぐ自分のアピールポイントを見つけましょう。
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就活で自分の強みを何て答えれば良いかわからない、そもそも自分の強みが浮かばない人に向けて、キャリアコンサルタントが自分の強みを見つける方法やアピールのコツを解説していきます。強みを伝える例文も紹介するので、参考にしてください。
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志望動機の締めくくりは悩んでしまいますよね。こちらの記事ではテンプレ付きで例文13選を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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志望動機は締めくくりが大変重要であり、全体の印象を左右します。志望動機の締めくくりの基本ルールをと伝えるべき内容を押さえましょう。この記事ではキャリアコンサルタントと、すぐに使える便利なテンプレートや例文も併せて解説するので、参考にして選考を突破しましょう。
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完成例
私は口腔ケア製品をより身近なものとして多くの人に広めるために、安全性という観点から貢献したいと思い、貴社の品質管理を志望いたします。
私は身内が歯科医院で働いていて、口の健康の大切さをいつも言い聞かされていました。しかし友人や周囲の人に話を聞くたび、口腔ケア用品をきちんと使いこなせている人が少ないことに疑問を感じていました。
これは、口腔ケアは歯医者で指導される専門的なものと捉えている人が多いことが原因の一つだと感じます。
私は生きるうえで大事な口の健康を守るために、口腔ケアをより身近で使いやすいものとして捉え直してほしいという思いから、安全性を保証する品質管理の仕事に興味が湧きました。
その中でも貴社は、多くの企業がパッケージや容量の検査から徐々に経験を積んでいく中、半年ほどで成分や微生物の検査まで任せてもらえると知り、品質管理のプロとしていち早く成長していけるところに魅力を感じました。
大学では化学を専攻したため、分析化学の知識も活かせるのではないかと思います。入社後は周囲と積極的にコミュニケーションを取って信頼関係を築き、チームだけでなく会社全体に貢献することで、貴社の製品を世の中に届ける助けができればと思います。
アドバイザーコメント
木村 千恵子
プロフィールを見る品質管理が社会や企業の中でどんな責任を負っているか理解しよう
品質管理の仕事をするということは、その会社の製品やサービスの品質に対して非常に重要な責任を持った立場に、一社会人として携わるということです。
品質管理部門がきちんと業界の基準に準拠した体制で品質管理に取り組んでいるかという面でも、責任重大です。
特に日本の製品やサービスは品質が優れていて、長く使うことができるという海外でのイメージがありますね。
そのような高品質の製品を市場に送り出すことができているのも、その陰にあるメーカーやサービス提供企業各社の品質管理部門の、日々の努力の賜物といえるでしょう。
その責務を担う真剣さを自分なりの経験から伝えることが大切
普段、一人の消費者として製品やサービスに触れているだけでは、品質管理の陰の努力はなかなか見えにくいものです。
志望動機でも、単に「〇〇製品の品質の素晴らしさに感動した」というだけでは本気度は伝わらないので注意しましょう。
本気度を示すためには、あなたが品質管理の仕事に興味を持ったきっかけや場面をわかりやすく伝えることが重要です。
さらに、なぜ真剣に品質管理に取り組みたいと考えるようになったのか、その経緯も熱意を持って丁寧に伝えてください。
ジャンル別のポイント付き! 7業界の品質管理の志望動機例文
ジャンル別のポイント付き! 7業界の品質管理の志望動機例文
- 食品系の品質管理のポイントと志望動機例文2選
- 日用品系の品質管理のポイントと志望動機例文2選
- 機械系の品質管理のポイントと志望動機例文3選
品質管理の志望動機の作り方を解説しましたが、まだうまくまとめられない人や、自分の文章に自信がない人もいるかもしれません。ここではそうした人に向けて、食品、医薬品、自動車など品質管理に多い7つの業界別に例文を紹介します。
例文に加えて分野ごとの品質管理のポイントも解説するので、自分が志望している業界をチェックして、表現の参考にしつつ魅力的な志望動機を完成させましょう。
品質管理に限らず、メーカーの志望動機のコツはこちらの記事で解説しています。16例文付きなので併せて参考にしてみてください。
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食品系の品質管理のポイントと志望動機例文2選
食品メーカーや飲料メーカーなど、食品系企業の品質管理で何より大事になるのが衛生管理です。直接口にするものを製造するため、消費者の命を守る意識が求められます。
またほかの品質管理と異なる点として、原材料にアレルギーがかかわる点も挙げられます。このように食の楽しみだけでなく、消費者の安全にまで目を向けることが大切です。
食品系の志望動機で意識したいこと
- 食料品を通して世の中にどんな影響を与えたいのか考える
- 食べる・飲むのが好きという消費者目線にとどまらない
例文①食品業界の志望動機
食品の品質管理の志望動機
私は品質管理という仕事を通して、安全でおいしいものを毎日食べられるという当たり前の幸せを守りたいと考えています。
私は両親が共働きで、高校生の頃から自分でお弁当を作っています。お弁当作りをするようになってから、安価で保存が利き、忙しいときでもすぐに食事が完成する冷凍食品の素晴らしさに気付きました。
しかしあるとき、冷凍肉の産地偽装のニュースを聞いて衝撃を受け、安心して食事ができるのは食品メーカーの品質管理という努力あってこそなのだと感じました。このような経緯から、安全な冷凍食品の提供に携わりたいという思いが強くなり、品質管理を志すようになりました。
貴社は私がずっと愛用している〇〇シリーズなど、お弁当向けの商品が充実しています。また物価が上がる中、コストの削減にも注力されていて、私が考える「毎日の安心な食事を提供する」という思いと合致すると感じました。
これまで長く料理をしてきた経験を活かして消費者目線に立ち続けることで、妥協しない品質管理を徹底し、貴社にもお客様にも貢献していきたいと思います。
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自分の経験から気付いた価値観を活かして、興味ややりたいことを述べている点が良いです。
ただ興味本意でやりたいといっても根拠が薄く動機が弱く感じるので、志望動機では自分の経験から得た価値観と結び付けるようにしましょう。
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例文②飲料業界の志望動機
飲料の品質管理の志望動機
私が品質管理を志望する理由は、安全で信頼性の高い製品を通じて消費者の健康と安心を守ることに情熱を感じているからです。
大学では食品化学を専攻し、飲料業界では不適切な原材料の使用や製造プロセスの欠陥が製品の質を低下させ、消費者に健康や安全上のリスクをもたらすことを身に染みて学びました。この経験から、品質管理が企業の信頼と責任を担う重要な役割であると考えています。
貴社はISO認証を取得し、高い品質基準に基づく製品を提供しているだけでなく、商品開発から物流・販売に至るまでの各サプライチェーンにおいて独自の品質ルールを設けて組織横断的に品質管理を徹底しています。
このような徹底した品質管理から、消費者の安全と信頼を守る使命感を感じ、非常に共感しました。
品質管理はメーカーにとって「頼みの綱」であり、その綱が切れると消費者に重大な影響を及ぼし、会社の信頼を失墜させると思います。その綱をより頑丈にすべく、チームと協力して品質向上に努め、消費者の信頼を築くことに情熱を持って取り組んでまいります。
飲料メーカーの志望動機では、競合他社との比較で、なぜこのメーカーを志望するのかについて説得力のある理由を伝えられるかが重要になります。
業界の中でのこの企業の立ち位置や将来の方向性についても、自分の言葉で語れるか、真剣度が問われると認識しておきましょう。
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日用品系の品質管理のポイントと志望動機例文2選
化粧品や医薬品など、日用品関連の品質管理を志望している人も多いでしょう。こうした業界では商品の規格や効能、成分表示などをルールに則って厳密に管理することが非常に重要です。
そのため品質管理では、安全性を徹底することはもちろん、法令を守る意識や定められた枠組みの中でできることを考えていく姿勢が求められます。
日用品系の志望動機で意識したいこと
- 誰に向けたどんな商品に携わりたいのかを明確にする
- 志望企業のコンセプトに沿ったビジョンを伝える
例文①化粧品・日用品業界の志望動機
化粧品・日用品の品質管理の志望動機
私が貴社の品質管理を志す理由は、持ち前の論理的思考力を活かし、安心して使える化粧品を世の中に提供したいという思いからです。
大学生になってからスキンケアを始めたのですが、ある化粧品でアレルギーを起こし、それから肌が荒れやすくなってしまいました。そこから肌に優しい製品を調べるようになり、貴社の化粧品を使い始めた際にその効果に感動しました。
ただ染みたり荒れたりしないだけでなく、肌が落ち着いて段々丈夫になっていくことを実感しました。それから貴社の製品を愛用するようになり、調べる中でその高品質の秘訣が厳格な品質管理部門にあることを知りました。
私は大学で統計学を学ぶだけでなく、ディベート部にも所属していたため、そこで培われた論理的思考力が品質管理の仕事に活かせるのではないかと考えています。
自身の経験から、御社の製品が肌トラブルを抱える人々にとっての救世主であり、その品質管理に従事することで、顧客の健やかな生活に貢献できると信じています。
入社後は、成分分析や品質評価にいち早く熟練し、肌トラブルの不安がなくなる製品の提供に貢献していきたいです。
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化粧品メーカーの志望動機では、製品の安全性への関心はもちろん、美容への情熱や製品の改善への意欲が重要です。
また自身の強みを活かして製品トラブルの原因究明や効果的な品質改善に貢献する姿勢や、業界トレンドや顧客ニーズに敏感であることも強調しましょう。
例文②医薬品業界の志望動機
医薬品の品質管理の志望動機
私が医薬品メーカーの品質管理を志望するのは、自身の経験からジェネリック医薬品の安全性と品質を確保し、患者の健康を守りたいという使命感があるからです。
私の父は心臓に持病があり、長年にわたりジェネリック医薬品を服用しています。ある日、父が不調を訴え、病院での検査の結果、医薬品の品質に問題がある可能性が発覚しました。
医師の治療で父は回復しましたが、この経験から医薬品の安全性が100%ではないことを思い知らされ、品質管理の重要性を認識しました。
貴社は、広告費を抑えることで業界の中でもダントツで品質管理部門に予算を割いていると説明会でお聞きし、ここでなら患者の命を守る製品を確実に提供できると思いました。
私は薬学部で薬学の知識を身に付けただけでなく、慎重さが強みであり、貴社の厳格なリスク管理体制においても力を発揮できるのではないかと考えています。
入社後は薬学の知識と過去の原体験を活かして、患者の命を守る使命感を持ち、リスクを最小限に抑えるための努力を惜しみません。安全で高品質な医薬品の提供に、力を尽くしてまいります。
医薬品の製造は健康や命に直接かかわる仕事なので、リスク管理・責任感・正確性など、人物面の適性が厳格に求められるという特徴があります。
そのため自分の特徴を踏まえて、その要求に合致していることを志望動機に盛り込んでいくことが大切です。
機械系の品質管理のポイントと志望動機例文3選
自動車メーカーやロボットメーカーといった機械系の製造現場では、大型機械や溶接機などを用いた危険な作業をする場面があります。
そのため完成した製品の品質だけでなく、作る工程から介入し、作業中の従業員の安全性まで管理するのが品質管理の重要な役割です。また部品や原材料のメーカーの場合は特に、納期を守る姿勢も求められることを認識しておきましょう。
機械系の志望動機で意識したいこと
- 業界の変化や進化にキャッチアップしていく学習意欲を伝える
- 「世の中を便利に」などどの企業にも当てはまる内容にしない
例文①自動車業界の志望動機
自動車の品質管理の志望動機
私が貴社の品質管理部門を志望する理由は、安全で信頼性の高い製品を提供することで、ユーザーが安心して運転できるドライブ空間を実現したいからです。
数年前、友人が交通事故に遭い、その際に乗っていた車のエアバッグが正常に作動しなかったことで頸椎を骨折する重傷を負いました。
その後は数カ月間の入院生活と手術、リハビリを余儀なくされ、それまでの日常生活が奪われる姿を目の当たりにしました。怒りとともにどうしたら誤作動をなくせるのか調べる中で、品質管理こそがその砦だと考えるようになりました。
貴社は世界トップクラスの技術力を誇るだけでなく、リコールの防止にも力を入れています。社内での相互監視・報告の徹底や、性能の検証動画を公開するなど、品質管理への責任感に感銘を受けました。
入社後は、友人のような不幸を一つでもなくすため、顧客の安全を最優先して業務に当たりたいと思います。また8年間続けてきたバレー部で培ったリーダーシップを発揮し、チームにも他部署にも頼られる存在を目指します。
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自動車部品メーカーの志望動機では、自動車産業への興味や技術への情熱、安全性や品質への関心をアピールすることが重要です。
リコールなどの業界トピックに関心を示し、製品の信頼性向上や安全性確保への貢献意欲を強調しましょう。
自動車業界の志望動機例文をさらに参考にしたい人は、こちらの記事がおすすめです。例文8選に加えてビジネスモデルやトレンドも解説しています。
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自動車業界の志望動機は、自動車業界でしか成し遂げられないことを明確に伝えることが重要です。この記事ではキャリアコンサルタントと一緒に、自動車業界で評価される志望動機の作り方を解説します。職種別の例文8選も参考にしてくださいね。
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選考でリーダーシップをアピールするなら、差別化するコツを押さえておきましょう。こちらの記事で例文とともに効果的な伝え方を解説しています。
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例文17選|自己PRでリーダーシップを最強の強みとして伝える方法
自己PRでリーダーシップをアピールする際の注意点や効果的な構成をキャリアコンサルタントとともに解説します。さらに、例文17選も紹介。仕事に活かせる強みとして、リーダーシップをアピールしましょう。
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例文②機械・ロボット業界の志望動機
機械・ロボットの品質管理の志望動機
私は大学で学んだ機械工学の知識と、PDCAサイクルを回して課題を解決する強みを活かしたいという思いから、貴社の品質管理を志望いたします。
所属している機械工学ゼミでは、自動車の電子制御ユニットの品質改善に積極的に取り組みました。特に問題の特定に注力し、何パターンもの検証を繰り返すことで部品の不良率を8%以上低下させる成果を達成しました。
また大学のロボット競技大会では、メンバーと協力してロボットの制御システムを開発し、中でもプログラムのテスト責任者を担いました。想定されるバグを漏れなくリストアップして一つずつ対応したことで、優勝という結果に貢献できたと考えています。
貴社は産業用ロボットに限らず、自動車・航空機・家電など、多岐にわたる品質管理を経験でき、大手メーカーとの協働のチャンスもある環境を魅力に感じます。またPDCAサイクルを重視し、持続的な品質改善に取り組む理念が自分とマッチすると思いました。
これまで培った工学の知識や、リスクに徹底的に備える周到さを活かして、貴社に貢献できれば幸いです。1日も早く即戦力となれるよう、入社後も勉強を続けてまいります。
ロボットメーカーの志望動機では、なぜほかの業界ではなくてロボットなのかという点について、自分の言葉でしっかりと明確な理由を語れるかが重要になります。
どれほどの熱意を持って志望しているか、ほかの業界ではなぜダメなのか、自分らしい理由を伝えましょう。
ソフトウェアの品質管理など、IT系の企業を受ける場合はこちらの記事もおすすめです。IT業界の志望動機のコツを例文付きで解説しています。
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IT業界の受かる志望動機の書き方|職種別の例文10選も紹介
IT業界は5業種に分かれ、それぞれに特化した志望動機の作成が必要です。キャリアコンサルタントが業種・職種別の例文を交えながら、IT業界の志望動機を解説。IT業界の知識を押さえて、受かる志望動機を作成し、選考を突破していきましょう。
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例文③化学・素材業界の志望動機
化学・素材の品質管理の志望動機
私が貴社を志望するのは、大学でのタイヤ素材に関する研究からエラストマー製品に関心があり、より高品質で環境に負荷のない製品開発に携わりたいと考えたからです。
大学で統計学を学び、QC7つ道具も習得した経験が、品質管理に興味を持つきっかけとなりました。
研究室では自動車のタイヤ製造プロセスの品質向上に取り組み、製造ライン上で発生する不良率を分析して問題点を明らかにしたことで、不良率を5%低減させることに成功しています。
貴社は石油化学事業のポートフォリオ改革を進め、エラストマー製品の品質管理に積極的に取り組んでいます。その姿勢に深く共感し、自らの経験と能力を活かしたいと考えました。
入社後は製造技術や品質管理の業務を通じて、新規製品の量産化技術の開発や、生産プロセスの改善に貢献したいと考えています。また環境配慮型の取り組みにも興味があるため、ゆくゆくは環境に配慮した製品開発にも参加したいと思います。
※AI志望動機作成ツール
選考通過率の高い志望動機をつくりたい人は「AI志望動機作成ツール」を活用しましょう!
化学メーカーの品質管理では、化学反応で作った製品を検査することがおもな業務になるため、分析機器を扱うスキルや取得したデータを分析する能力が重要になります。
したがって、手先が器用で機械を扱うことに向いているという強みや、データから評価を得たような経験をアピールしていくと良いでしょう。
化学系の中でも特に鉄鋼業界に興味がある人は、こちらの記事もおすすめです。業界の必須知識や就活のポイントを詳しく解説しています。
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就活で鉄鋼業界を視野に入れないのは損! 業界知識まで完全解説
鉄鋼業界のイメージはつかみにくいかもしれませんが、実は学生にとって魅力的な業界でもあります。この記事ではキャリアコンサルタントと一緒に、鉄鋼業界の仕事内容や魅力、就職するための対策を解説します。
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化学メーカーを志望している人はこちらのQ&Aも参考にしてみましょう。キャリアコンサルタントが化学メーカーのやりがいや仕事内容を解説しています。
品質管理の志望動機は経験から使命感を示して選考通過につなげよう!
品質管理の志望動機の作り方を解説しました。品質管理という仕事はやりがいが外には見えにくい仕事だからこそ、責任や業務内容をきちんと把握したうえで、自分なりの意欲を伝える必要があります。
記事で解説した4つの準備をもとに、品質管理の理解を深めて説得力のある志望動機を作成しましょう。
また7つの業界別に品質管理のポイントと例文も紹介しました。記事を参考に自分らしく魅力的な志望動機を作成し、選考で高評価を獲得してくださいね。
アドバイザーコメント
小峰 一朗
プロフィールを見る品質管理は企業が安心して製品を提供するために欠かせない存在
たとえば初めての料理を作ったとき、自分でも味見をすると思いますが、それを客に提供するとなると、それだけでは不安ですよね。誰かに味見をしてもらい、おいしいと言ってもらえて初めて、安心して料理を提供できるわけです。
品質管理の志望動機で悩ましいのは、あまり経験したり見たりすることのない仕事であるため、業務のイメージがしにくい点だと思いますが、このように想像してみるとイメージしやすいでしょう。
志望動機では品質管理への適性や活かせる力を伝えよう
製品であればなおさら、作られたものが設計通りに完成しているかどうかを第三者がチェックすることがとても重要になります。
その役割が「品質管理」であり、製品があるべき製造プロセスや基準と照らして問題ないかどうかを検査したり、分析したりすることが求められます。そうしてできあがった製品でこそ、顧客は安心して利用することができるのです。
したがって、企業活動において品質管理とはとても重要な役割を担っていて、選考ではその役割に必要な能力や価値観にマッチしていることが大切になります。
自分の適性や価値観をよく分析・理解し、品質管理の業務に活かすことができるかどうかをまずはよく考えましょう。その考えに基づいて志望動機を作っていくと良いと思います。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表
Yoshinori Nomura〇IT業界・人材サービス業界でキャリアコンサルタントの経験を積む。培ったノウハウをもとに、その後はNPO支援団体として一般企業人の転職相談・就活生への進路相談を担う
プロフィール詳細キャリアコンサルタント / システムエンジニア
Ichiro Komine〇大手電機メーカーでシステムエンジニアとして従事。若者の人生や成長にかかわりたいと思い、キャリアコンサルタントの資格取得。現在はコンサルティングや自己分析支援をおこなっている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/Koyoriキャリアワールド代表取締役
Chieko Kimura〇2度のアメリカ留学、20年以上の外資系IT企業勤務を経て、現在は留学生向け就職支援をおこなう。また、企業のキャリア支援や新入社員のクラウドコーチングなどにも幅広くたずさわる
プロフィール詳細