半導体業界とは? 現状や将来性・仕事内容で見る6つの働き方を解説

3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

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    Yukari Itaya〇未就学児から大学生、キャリア層まで多様な世代のキャリアを支援。大企業からベンチャー、起業・副業など、幅広いキャリアに対応。ユニークな生き方も提案するパーソナルコーチとして活躍

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  • キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表

    Yoshinori Nomura〇IT業界・人材サービス業界でキャリアコンサルタントの経験を積む。培ったノウハウをもとに、その後はNPO支援団体として一般企業人の転職相談・就活生への進路相談を担う

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    Minoru Kumamoto〇就職・転職サイト「職りんく」運営者。これまで300名以上のキャリア相談を受けた実績。応募書類や採用面接の対策支援をする他、自己分析の考え方セミナーを実施

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この記事のまとめ

  • 半導体業界への就職は実際に良いのか悪いのかを就活のプロが解説
  • 現状と将来性から半導体業界の実態を知ろう
  • 半導体業界の6つの仕事内容を知れば働き方のイメージが固まる

就活を進めるなかで、半導体業界という言葉を耳にするものの、具体的な仕事内容や将来性がイメージできないと悩む人もいるのではないでしょうか。ニュースやテレビで取り上げられることが多い半導体業界ですが、詳しく内容を知らないことで就活の選択肢に入れるかどうか判断に迷う人もいるはずです。

実は半導体業界は、スマートフォンやパソコンなど、身の回りのあらゆる製品にかかわり、今後さらなる成長が期待されている業界なのです。

この記事では、キャリアアドバイザーの板谷さん、野村さん、隈本さんのアドバイスを交えつつ、半導体業界の基礎知識から現状や将来性を解説します。また、具体的な仕事内容と活躍しやすい人の特徴まで説明するので、半導体業界を就活の選択肢として検討するかどうか迷っている人は参考にしてください。

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目次

半導体業界を知るには日常生活との関係性や技術・将来性まで調べよう

半導体業界を深く知るには、半導体が私たちの日常生活にどのような関係性があるか、技術や将来性など業界について隅々まで調べ上げるようにしましょう。調べ上げたことで理解が深まり、自身に合っていそうかも見えてくるので、就活の選択肢に入れるかどうかが判断しやすくなります。

この記事では、まず半導体の基礎知識と業界の現状や将来性を解説します。これらは前提知識の部分になり、記事後半がより理解しやすくなるので読み進めましょう。

次に、代表的な企業を紹介しながら半導体業界の分類や働き方を説明します。半導体業界の働き方の傾向から、自身の将来の働くイメージを具体的に固めていきましょう。

そして、記事後半で解説する、半導体業界のメリットとデメリット、活躍しやすい人の特徴を見れば、自身のキャリアビジョンに合っていそうかが判断しやすくなります。最後に、半導体業界を深く知る方法も解説するので、業界理解を深めながら就職を検討したい人はぜひ参考にしてください。

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まずは前提知識! 半導体の基本情報

半導体業界について理解を深めるには、まずは半導体とは何なのか、どのような製品を扱っているのかを理解していきましょう。半導体は、日常生活で必要な電化製品や自動車に使われていますが、目に見えない部分であるため役割や重要性が分かりにくい技術でもあります。

そこでこの章では、半導体の基本的な性質から日常生活での使われ方まで解説します。半導体の基礎知識を理解することで、記事後半の半導体業界の現状や将来性、仕事内容を理解しやすくなるため、前提知識として読み進めましょう。

半導体とは:導体と絶縁体の中間に位置する性質の物質

半導体とは、電気を通す導体と電気を通さない絶縁体の中間の性質を持つ物質です。シリコンやゲルマニウムなどを原料とし、通常の状態では電気を通しにくい性質を持っています。しかし、温度を上げたり不純物を加えたりといった特定の条件下において、電気を通す性質に変化するのです。

シリコンとは

ケイ素から作られる半導体材料で、地球上に豊富に存在し入手しやすい

ゲルマニウムとは

自然の鉱石や鉱物から取れる半導体の物質

たとえば、スマートフォンのなかに入っているCPU(中央演算装置)は、シリコンを加工して作られた半導体です。このCPUに電圧をかけることで、スマホのなかに電気が通り、演算処理がおこなわれ操作が可能になります。

このような性質により、電化製品や自動車機器、医療機器など電気を必要とする製品には欠かせない存在となっています。

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使われ方:日常生活で使う電化製品

身の回りにある電化製品には、ほぼすべてと言っていいほど半導体が使用されています。スマートフォンやパソコンはもちろんのこと、テレビやエアコンなど日常生活で使う電化製品には半導体が組み込まれているのです

特に近年では、より便利な生活にするための高性能な電化製品が増えていて、半導体の重要性も高まっています。

具体的には、最新の冷蔵庫では食材の鮮度を保つための温度管理が細かくおこなわれる機能が付いた製品があります。ほかにも、自動車では安全性を高めるため、ブレーキやハンドル操作を自動で補助する機能が搭載されたものがあり、これらの機能は半導体による精密な制御によって実現されているのです。

このように半導体は、日常生活に欠かせない存在となっていて、その技術は日々の暮らしの快適さと安全性を支える重要な役割を果たしています。

身近なものでは「LED(発光ダイオード)電球」も電気を流すと光を放つ半導体素子が、鉄道の安全運行を維持するために、ATCやCBTCなどの制御システムで使用されています。

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現状と将来性から見る半導体業界の実態

半導体の基礎知識を深めた後は、半導体業界の現状や将来性も把握していきましょう。

半導体業界は、市場規模の拡大や世界的な需要の高まりなど良い面もあれば、需要の高まりからくる人材不足など課題となる部分もあります。しかし、需要の高さから今後も成長が見込まれている業界の一つなのです。

ここからは、現状と将来性から半導体業界の実態を解説していきます。業界理解を深めながら、半導体業界を就活の選択肢に入れるかどうかも一緒に考えてみてください。

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現状①市場規模は拡大しアメリカやアジアがリードしている

半導体業界は、IoT化により市場規模が拡大し続けています。

Iotとは

インターネットを通じてアプリケーションや製品に通信する技術。Internet of Thingsの略称。

Iotは、ネットを通じて製品に通信する技術です。たとえば、スマートフォンから家の電化製品を操作し、エアコンを消したりテレビを付けたりできるのもその一つです。さらに、AI(人工知能)の普及により、半導体の需要が増え、市場規模はさらに拡大しています。

現在、この半導体市場をリードしているのが、アメリカとアジア諸国です。アメリカは半導体の設計技術で世界をリードし、政府からの支援により生産能力も強化されています。

一方、アジアでは中国や台湾、韓国などが高い製造技術を持ち、世界中の企業から製造を受託することで市場をリードしているのです。

しかし、日本企業も製造装置や部品、材料分野で高い技術力を持っているため、アメリカやアジアがリードしているとはいえ、半導体分野で活躍できる機会は広がっているといえます

半導体業界で上場している企業は、アメリカやアジアだけでなく日系企業にも存在しています。しかし、そもそも上場企業とは何を指すのか、また希望する企業が上場している企業か判断できない人は以下の記事も読んでみましょう。東証一部上場について解説していて理解が深まるので参考にしてください。

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野村 芳克

プロフィール

日本企業は製造装置や材料分野で高い技術力を持っていますが、今後も半導体業界の成長は、アメリカやアジアを中心としたグローバル市場が牽引すると考えられます。

特にAIや自動運転技術の進化により、需要拡大が見込まれるため、海外市場の動向把握が重要です。

現状②需要が増加し半導体と人材が不足している

現在、半導体の需要が伸びているにもかかわらず、半導体や人材が不足している状況が続いています。原因として下記の要因が例として挙げられます。

半導体と人材が不足している要因の例

  • リモートワークの広がりによるパソコンやタブレットの需要増加
  • 電気自動車の普及
  • AI(人工知能)を搭載した製品の増加

具体的には、新型コロナウイルスの影響により、リモートワークが増加しパソコンやタブレットが必要になりました。そうした製品にはすべて半導体が使われているため、需要と供給が追いついていないのが現状です。

この需要増加に対応するには、新しい工場を建設し、働く人材が必要になります。しかし、精密な製造装置を扱える技術者や製品設計ができるエンジニアの育成には時間がかかり人材不足につながっているのです

そのため、人材確保の目的で企業によっては新卒採用に力を入れ、若手人材の育成に積極的な業界ともいえます。

そもそも需要が高まり、将来性がある仕事とは何なのでしょうか。疑問に感じる人は以下の記事も読み進めて、長期的なキャリアが築ける仕事を把握しておきましょう。

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半導体業界で人材が不足しているということは就職もしやすいことにつながるのでしょうか。

板谷 侑香里

プロフィール

高いスキルが求められるため人材不足だから就職しやすいわけではない

半導体業界は需要に伴う慢性的な人材不足とはいえ、求められるスキルも高いため必ずしも就職しやすいことにつながっているわけではありません。

半導体業界で就職を有利に進めるには、技術職であれば半導体に関する基本的な知識やプログラミングスキルを持っておくことが有利です。技術職以外の場合には、海外のメーカーや顧客とのやりとりが多いので、英語力があると有利です。

いずれにしても、問題解決能力や継続的な学習意欲やチームで取り組むことのできるコミュニケーション能力のある人材が求められていると言えるでしょう。

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現状③技術革新により常に最新技術が求められる

半導体業界は、技術革新が早い業界です。そのため、常に最新の技術が求められていて、企業も技術開発に力を入れています。

まず、日常で使用する製品は時代とともに進化していて、スマートフォンやパソコンなど、電子機器は高性能化や多機能化が進み、より高度な技術が求められています

綺麗な写真を撮ったり、複雑なゲームをしたりできるようになるなど、スマートフォンが出始めた頃と比較すると大きく進化していて、消費者のニーズを満たすには最新技術を活用した製品開発が必要になっているのです。

また、製品の進化により世界中の企業が技術開発で競い合っていて、常に最新の技術を開発しなければ、競争に勝ち残ることができません。そのため、最新技術に興味があり、新しいことを学び続けたい人にとっては、やりがいのある業界といえます。

将来性①デジタル化の進展により成長が見込まれている

前述したように最新技術が求められている半導体業界は、今後さらにデジタル化が進んでいくと予測され、それに伴い業界の成長も期待されています。これはデジタル化に必要な機器やシステムには必ず半導体が使われているためです。

たとえば、リモートワークの増加によりオンライン会議が普及し、カメラやマイク機能を搭載したパソコンの需要が増加しています。また、紙の書類をデジタル化する動きも進んでいて、データを保存するためサーバー容量を確保するには、多くの半導体が必要になるのです。

このように、社会のデジタル化が進むことで半導体の需要は確実に増加しています。そのため、半導体業界は将来性が高いと言われ、若手エンジニアの活躍が期待される分野となっているのです。

半導体業界では若手エンジニアが求められているとはいえ、未経験からエンジニアになれるのか疑問に感じる人もいるのではないでしょうか。以下の記事では、未経験者がエンジニアになる方法や、おすすめのエンジニアスクールを紹介しているので、読み進めて参考にしましょう。

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将来性②AI(人工知能)の発達で市場規模はさらに拡大していく

AI(人工知能)の発達により、半導体業界の市場規模はさらなる拡大が見込まれています。これは、AIの機能を実現するために、大量の半導体が必要となるためです。

具体的には、スマートフォンの音声認識機能や電化製品の自動制御など、身近な製品にはAIが活用されています。スマホに話しかけると天気を教えてくれたり、エアコンが室温を自動で調整したりするのもAIの働きです。

このようなAI機能を搭載した製品は、今後さらに増えていくと予想されています。自動運転車や医療機器など、さまざまな分野でAIの活用が進むことで、半導体の需要も確実に増加していく可能性が高いのです。そのため、半導体業界は今後も成長が期待され、最新技術の開発に携われる魅力的な業界といえます。

今やAIの発達により、人の手を借りなくても良い仕事も出てきています。長期的に見て、AIに代わる仕事は何なのか、人間の手が必要で今後も残る仕事はなんなのかを把握しておくためにも以下の記事も読んでおきましょう。

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AIによってなくなる15の仕事|残る仕事の特徴と今できる安全策も

半導体業界の将来性は高く、生成AIや自動運転の進化などで需要は今後も拡大する可能性が高いです。しかし、地政学リスクや景気変動に影響を受けやすいため、業界動向を常にチェックすることが重要です。

就活のプロに聞く! 半導体業界への就職は実際どうなの?

ここまで、半導体とは何かを説明し、業界の現状や将来性を解説しました。しかし、学生のなかには「現状と将来性だけでは就職すべきか判断できない」や「実際のところ半導体業界に就職するのはおすすめなのか」と疑問に感じた人もいるのではないでしょうか

そこでキャリアコンサルタントの野村さんに、半導体業界への就職は実際どうなのかを聞いてみました。

就活のプロ目線で見た半導体業界は、就職におすすめなのか、就活するうえで何か意識しておいたことがあるのかを知り、就活の選択肢に半導体業界を入れるべきかどうか判断に役立てましょう。

アドバイザーコメント

細かい部分を観察する力や粘り強く問題を解決できる人におすすめの業界

半導体業界への就職を考える際、まず重要なのは業界全体の成長性と自身のキャリアプランとの適合性を理解することです。

この業界は、IoTやAI、自動運転技術の普及などによって市場規模が拡大し続けていて、将来的にも需要が高い分野といえます。そのため、技術革新やグローバル展開に興味がある人にとっては非常に魅力的なフィールドです。

半導体業界の特徴として、技術開発や製造プロセスなどにおいて、日々進化する最新技術への対応力が求められる点が挙げられます。特に研究開発職や製造現場では、細かなディテールに注目する観察力や、問題解決のために粘り強く取り組む姿勢が必要です。

また、グローバル展開が進んでいる業界のため、英語力や異文化理解力も活かせる場面が多いでしょう。

業界の変化が早くそれに対応できるかどうかで適性を見極めよう

一方で、この業界は、景気の変動や技術革新のスピードによって、業績が大きく左右されるため、柔軟に環境変化に対応できるかどうかも重要なポイントです。こうした特性を理解したうえで、自分の価値観や強みと照らし合わせながら、業界への適性を考えてみましょう。

代表的な企業も紹介! 分類ごとに見る半導体業界

半導体業界の流れと分類ごとの業務内容

半導体業界は、4つの異なる分野で構成されています。それぞれの分野でおこなう業務が異なるため、就活では自身に合った分野を見極めることが重要です。

この章では、半導体デバイスメーカーから半導体商社まで、4つの分野について代表的な企業も交えて解説します。

今後、半導体関連の企業への就職を考えた際、各企業がどの分類に該当するかも知っておくことで、企業研究がより効果的に進められます。自身の目指すキャリアに近い分野はあるのか、各企業の特徴や強みにも注目しながら、どの分野で活躍したいかを考えてみましょう。

半導体デバイスメーカー

半導体デバイスメーカーとは

半導体を製造する企業

スマートフォンやパソコン、自動車などに使用される半導体を製造する企業は、半導体デバイスメーカーに該当します。企画から設計、製造まで一貫しておこなう企業もあれば、設計に特化した企業や製造に特化した企業もあり、代表的な企業には以下が挙げられます。

半導体デバイスメーカーに該当する代表的な企業

半導体デバイスメーカーは、AI(人工知能)や自動運転技術の発展により、最先端技術の開発に携わる可能性の高い業界です。設計や開発、製造までさまざまな職種があり、自身の興味や適性に合わせた職種を選択しやすいといえます。

世界市場で競争する企業が多いため、グローバルな環境で働きたいと考えている学生におすすめの業界です。

板谷 侑香里

プロフィール

半導体と関わる働き方としては、半導体製造に必要な材料や装置を提供するメーカーや半導体製品の流通に携わる商社や営業としての働き方、半導体を活用して自社製品を開発する自動車メーカーやPCメーカーなど様々な働き方など様々な分野に及びます。

半導体材料メーカー

半導体材料メーカーとは

半導体の製造過程で必要となる材料を製造・販売する企業

半導体材料メーカーは、半導体の製造に必要不可欠な材料を提供する企業です。たとえば、半導体の基板となるシリコンウェハーや、製造工程で使用される特殊なガスや薬品などを製造していて、企業によって製造する材料が異なります。

半導体材料メーカーの代表的な企業には以下が挙げられます。

半導体材料メーカーに該当する代表的な企業

日本の半導体材料メーカーは、2023年の時点で世界シェアの約半分を占め、高品質な材料の供給で欠かせない存在となっています。そのため、海外の半導体メーカーとの取引も多く、グローバルに活躍できる可能性のある業界です。

また、研究開発に力を入れている企業も多く、研究開発職や製造技術職として最先端の材料開発に携わることも可能です。

半導体製造装置メーカー

半導体製造装置メーカーとは

半導体を製造するために必要な製造装置を開発・製造する企業

半導体の製造工程で使用する装置の設計や開発をおこない、装置として組み立てたり販売したりする企業は、半導体製造装置メーカーに該当します。半導体の基板であるシリコンウェハーに回路を描く装置や、品質を検査する装置など、製造している装置は企業によって異なり、代表的な企業には以下が挙げられます。

半導体製造装置メーカーに該当する代表的な企業

世界的に見たとき、半導体製造装置メーカーはアメリカがトップとなっていて約35%のシェア率となっています。しかし、日本の半導体メーカーも約31%と、アメリカに次ぐ2番目に高いシェア率を誇っているのです

また、働き方は製造装置を組み立てるだけでなく、設計や開発のように顧客の希望に沿った装置を開発することもあります。

ただし、製造装置の出来具合は半導体の性能を左右するため、半導体製造装置メーカーの設計や開発分野では高度な知識と技術力が求められる傾向です。そのため、学生時代に機械設計や精密工学などを学んで来た人であれば製造装置の設計に携わり、知識を活かしやすいといえます。

製造業といっても開発や設計、営業など働き方はさまざまです。すべての職種に同じ自己PRや志望動機ではほかの応募者との差別化が難しいので、以下の記事を読み製造業への対策に役立ててください。

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例文5選! 製造業の志望動機を魅力的に書く3ステップ

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製造業の自己PRは4つの視点が個性のヒントに! 職種別例文付き

半導体商社

半導体商社とは

半導体材料や部品、製造機械などを売買する仲介役の企業

半導体メーカーと電機メーカーをつなぐ重要な役割を担うのが、半導体商社です。単なる仲介だけでなく、製品の提案や技術支援もおこない、顧客の課題解決をサポートするなど業務は多岐に渡ります。

また、海外企業との取引も多いためグローバルなビジネスを展開するのも特徴です。半導体商社の代表的な企業には以下が挙げられます。

半導体商社は、技術と営業の両方の知識が求められる業界です。営業職が中心になる場合もあれば、開発のサポートをおこなったり、海外企業との取引をしたりなど幅広い業務で活躍可能です

入社後は、半導体の知識や技術だけでなくコミュニケーション能力や提案力など、営業として必要な強みも活かせる業界になっています。

半導体商社で働く場合、営業としてのスキルが一番求められるのでしょうか。ほかにも重要視されるスキルがあればお聞きしたいです。

論理的思考力・データ分析力・問題解決力が求められる

半導体商社の営業には、一般的な営業スキル以外にも、論理的思考力やデータ分析力、問題解決力、などが求められます。

(1)論理的思考力

半導体業界は関連テクノロジーの理解が不可欠であり、顧客の課題や要望を正しく理解し、適切な製品やソリューションを提案するには、論理的に考える力が不可欠です。

(2)データ分析力

半導体市場は変化が激しく、売上データや市場動向を分析し、状況に合わせた営業戦略を立てる力が必要です。どの製品をどの顧客にいつ提案すべきか、データをもとに判断できるスキルが重要です。

(3)問題解決力

半導体業界では、供給不足や納期遅れなどのトラブルが発生しやすく、柔軟に代替案を提示する力が求められます。臨機応変な対応力と粘り強く課題に向き合う姿勢が求められます。

働くイメージを固めよう! 半導体業界の6つの仕事内容

半導体業界の分野について理解を深めた後は、具体的な仕事内容も見ていきましょう。半導体業界には、設計や研究開発から製造、品質保証など大きく分けて6つの仕事内容があります。

この章では、それぞれの職種でどのような業務をおこなうかを解説しているため、自身のキャリアビジョンと照らし合わせてみて、理想とする働き方と合いそうかを判断してみましょう。また、各仕事内容の特徴を見比べながら、自身の強みや興味を活かせる仕事はどれかを考えてみてください。

①設計・研究開発:新しい半導体技術や製品を開発する

設計と研究開発は、日々最新技術を開発するために、研究に取り組んだり見つけた技術を形にするための設計に携わったりします。

たとえば、スマートフォンの処理速度を上げる必要があるのであれば、回路設計の見直しをし、性能向上のための研究をおこないます。

半導体業界では、常に技術革新が求められているため、設計と研究開発職では最新の技術情報を入手し、製品開発に活かす必要があるのです。そのため、最新のトレンドにアンテナを張り情報を集めながら、発想力がある人が求められます

また、設計した製品や新しい技術の研究開発はすぐに結果が出るものではありません。結果が出るまで、長い時間をかけて地道に業務に取り組める人が向いているといえます。

設計開発の仕事に興味がある人は、以下の記事も読んでみましょう。具体的な仕事内容から持っていると役立つスキルも解説しています。

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設計開発の仕事を目指すなら、必要なスキルや似ている仕事との違いを理解しておくと選考時にアピールしやすくなります。この記事では、設計開発の仕事内容や求められるスキルをキャリアコンサルタントと解説します。設計開発への理解を深め、自身の適性を見極めましょう。

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②営業:製品を販売する

どの半導体メーカーにも存在するのが、製品を販売する営業の職種です。企業によって扱う製品は異なりますが、顧客の課題解決のための提案やサポートをおこなう点は、ほかの営業職と変わりません。

具体的には、自動車メーカーが新製品の開発をする際、半導体企業の営業職は最適な半導体を提案したり、自社の半導体製品の使用方法についてアドバイスをおこなったりします。

また半導体業界の営業職は、自身が製造に携わることは少ないものの顧客に製品の説明をするため技術的な知識が必要です。製品の特徴や性能を理解し、それを顧客にわかりやすく伝えることが、売上げに直結するためです。

さらに、半導体業界は海外企業を相手にすることもあるため、英語を活用しながらグローバルに活躍したい人に向いている職種といえます。

営業職への就職を考えた際、どの業界にも存在する営業だからこそ、自己PRでは何をアピールすれば良いのか悩んでる人もいるはずです。以下の記事では、営業職の自己PR文を例文付きで解説していて参考になるので読み進めてみましょう。

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③資材調達:製造に必要な材料や部品を調達する

製造に必要な材料や部品調達をおこなう、資材調達の職種も半導体業界の仕事の一つです。企業によって調達するものは異なりますが、以下のような材料や部品の調達を担当します。

資材調達が仕入れる材料・部品の例

  • 半導体の材料となるシリコンウェハー
  • 製造工程で使用する部品や薬品
  • 製造装置を組み立てるための部材
  • その他の関連部材(梱包材など出荷にかかわるもの)

上記のように、半導体の材料となるシリコンウェハーだけでなく、製造装置を組み立てるための部材を仕入れることもあります。また、出来上がった製品を出荷するために必要な梱包材も資材調達が仕入れる可能性もあるのです。

資材調達では、これらの資材を最適なコストで調達する必要があり、価格交渉や納期調整などの業務も発生します。安定して部材を供給し続けるためにも、購入業者との価格の交渉力やコミュニケーション能力が必要になることは念頭に置いておきましょう。

野村 芳克

プロフィール

資材調達では、市場動向を的確に予測する分析力や、供給網の変化に迅速に対応する柔軟性が重要です。また、在庫リスクを管理する力や、代替案を考えられる創造性も求められます。これらのスキルが業績安定に直結します。

④製造現場:半導体の製造・組立てをおこなう

設計された製品や、資材調達で仕入れた部材を製品にするのが製造現場の仕事です。企業によって製造する製品は異なり、精密な作業もあれば大型の機械を組み立てる業務もあります。

具体的には、半導体の素材となるシリコンウェハーに微細な回路を形成する繊細な作業や、半導体を作るための製造装置を組み立てるような作業まで、さまざまな製造工程があります。ほかにも、製造現場が製造装置の管理やメンテナンスをおこなう企業もあるのです。

また、製造現場では安全管理を徹底しながら、決められた手順に従って正確に作業を進める必要があります。そのため、チームで協力しながら慎重に作業を進められる人が向いている職種です。製品が完成したときの達成感も得られるので、モノづくりで貢献していきたい人にはやりがいのある仕事といえます。

モノ作りの企業に興味がある人は、以下の記事も読んでみましょう。企業が求める人物像を解説しているだけでなく、志望動機を例文付きで紹介しているので参考になります。

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⑤品質保証・管理:品質確保のために製品検査や管理をおこなう

品質保証・管理は、製品の品質基準を設定し、その基準を満たしているか確認する検査をおこないます。

たとえば、完成した製品が出荷基準を満たしているかを確認する品質検査や、不良品が発生した際の原因究明、製造工程の改善提案などの業務を担当します。

もし、製品に不良があるとその後の工程に影響がでてしまい製品全体の故障につながるため、品質保証と管理は製品の信頼性に直結する重要な職種です。そのため、細かい部分まで目を配りながら、正確に業務を進められる人が向いているといえます。

品質管理を希望したとしても、具体的な仕事内容がイメージできずどのように志望動機を書けば良いのか悩む人もいるのではないでしょうか。以下の記事では、品質管理の基礎知識から志望動機の書き方まで載っているので参考にしましょう。

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リスク管理能力と継続的な改善思考も重要です。品質トラブルは企業の信頼を損なうため、潜在的なリスクを事前に特定し、未然に防ぐ意識が求められます。また、常に品質向上を目指し、根本原因を深掘りして再発防止を徹底する姿勢が不可欠です。

⑥評価検証: 新製品の評価検証をおこなう

設計・研究開発者が考案した新製品を、実際に使用できるかを判断するのが評価検証の仕事です。新製品の性能や安全性、信頼性をさまざまな角度から検証していきます。

具体的には、完成した製品が高温や低温などの環境下で正常に動作するかを確認したり、長時間使用しても問題が発生しないかを検証したりします。また、製品の不具合を発見した場合は、設計部門へフィードバックをおこない改善につなげるのも業務の一つです

評価検証では、製品の問題点を見つけ出し、より良い製品に仕上げていくことに魅力がある仕事です。細かい観察力と時間をかけて粘り強く検証作業に取り組める人に向いています。

野村 芳克

プロフィール

半導体業界では、設計・研究開発や評価検証が特に専門性を求められる職種です。設計・研究開発では回路設計や材料工学の知識が必要で、評価検証では分析力やデータ処理スキルが重要です。専門知識の継続的な学習が鍵となります。

半導体業界で働く2つのメリット

ここまで解説した半導体業界の将来性や仕事内容だけでは、実際に就職の選択肢に入れるかどうか、まだ悩んでいる人もいるのではないでしょうか。また、すでに半導体業界に興味を持ち、就活を始めようと考えている人もいるはずです。

そこで次は、半導体業界で働くメリットを見ていきましょう。半導体業界は、半導体の需要の多さによる市場規模の拡大や、グローバルに活躍できる機会の多さなど将来的に見たメリットがあります。

これらのメリットを自身のキャリアプランと照らし合わせてみて、半導体業界で働くイメージを固めていきましょう。

①市場規模は拡大し今後もなくなる心配がない

デジタル化の加速により市場規模は拡大しているので、半導体業界は今後も成長が見込まれ仕事がなくなりにくいといえます。

たとえば、スマートフォンは、高機能な機種が登場するたびに使用される半導体の数が増えていて、自動車も電気自動車化が進むことで必要な半導体の量が増加しています。また、電化製品でも、インターネットにつながる製品が増えたことで半導体の需要が広がっているのです

このように、半導体は私たちの生活にかかわる製品には必要になっているため、市場規模は安定的に拡大していくと考えられます。そのため、就活生にとって長期的なキャリア形成を視野に入れた際に、安心して仕事に打ち込みやすい業界といえます。

志望動機に「半導体業界は安定している」ということを理由に使いたい人もいるかもしれません。しかし、「安定しているから」という理由を実際に使用しても良いのか不安になる人もいるのではないでしょうか。そこで、志望動機に使用して問題ないのかキャリアコンサルタントに聞いているので、こちらのQ&Aを参考にしましょう。

②国内だけでなくグローバルに活躍できる

半導体業界は、アメリカやアジアを筆頭に、海外企業が半導体の開発や製造、販売にかかわっています。そのため、国内だけでなく海外企業相手に国際的な取引がおこなわれていて、グローバルに活躍できる機会が豊富な業界です。

具体的には、海外の顧客と技術的なやり取りをする仕事や、海外工場で生産管理をおこなう仕事など、グローバルに活躍できる場はさまざまです。また、海外出張や駐在の機会もあり、世界を舞台にしてキャリアを築きあげることも視野に入れられます

このように、半導体業界では世界中の企業や人々とかかわりながら働くことが可能です。そのため、グローバルに活躍したい人や、国際的な環境で経験を積みたい人に向いている業界といえます。

国内だけでなく、将来的にグローバルに活躍したいと考えている人のなかには「留学が有利に働くのでは?」考えている人もいるかもしれません。そこで、実際のところ留学は有利に働くのかをキャリアコンサルタントに聞いているので、こちらのQ&Aを参考にしましょう。

海外で働きたいと考えているのですが、半導体業界でグローバルに活躍していくには何が必要になるのでしょうか。

語学力・専門知識・異文化への適応力が求められる

半導体業界で海外でのキャリアを築くには、以下のスキルや考え方を意識した行動が求められます。

(1)英語+αの語学力

海外では英語力は必須ですが、技術英語や交渉に必要なビジネス英語の習得が必要です。また、赴任先や取引先の国によっては中国語・韓国語などの語学力が強みになります。

(2)半導体の専門知識・技術理解

海外では即戦力が求められるため、半導体の製造プロセスや市場動向などは最低限理解しておく必要があります。特にエンジニア職や営業職では、基礎知識だけでなくより専門的な技術知識が求められると考えておきましょう。

(3)異文化適応力・柔軟性

国によって働き方や意思決定のスピードが異なるため、現地の価値観や文化を理解し、柔軟に適応する力が必要です。特に、コミュニケーションのスタイルやビジネスマナーの違いなどを主体的に学ぶことが大切です。

事前に把握しておこう! 半導体業界の3つのデメリット

事前に把握しておこう! 半導体業界の3つのデメリット

  • 市場の変化を受けやすく業績の浮き沈みが激しい
  • 海外駐在や変則的な勤務で働くことがある
  • 残業や休日出勤が多い傾向にある

半導体業界で働くメリットを理解したうえで、デメリットについても把握しておく必要があります。就職活動では、業界の良い面だけ見るのではなく、デメリットのように働くうえで考慮すべき点も含めて判断することが就職後のミスマッチを防ぐために大切だからです。

この章では、半導体業界の市場環境の変化や働き方に関する3つのデメリットについて解説します。

ただし、解説するデメリットはすべての企業に該当するわけではありません。あくまでも、市場の影響を受けて業績が傾いたり、残業や休日出勤が発生したりする可能性があると理解しておきましょう。

市場の変化を受けやすく業績の浮き沈みが激しい

市場の変化により、業績が大きく変動しやすいのが半導体業界の特徴です。これは、景気の変動や為替の影響を受けやすく、また技術革新のスピードが速いのが理由に挙げられます。

たとえば、世界的な景気後退により電機メーカーの生産が減少すると半導体の需要が落ち込みます。ほかにも、半導体の新しい製品や技術が登場すると既存製品の価値が下がり、業績が落ちることがあるのです。

変化の激しい業界であるからこそ、就活の業界選択の段階で、このような市場変動のリスクを理解したうえで、自身のキャリアプランに合っているか判断するようにしましょう

板谷 侑香里

プロフィール

応募要項の雇用形態や待遇面の正社員の募集の割合や賞与の実績、勤続年数や離職率を見ることで安定しているかどうか判断できます。正社員が多く、賞与が具体的に記載され、勤続年数が長く、離職率が低い企業は安定しているといえます。

また、企業の財務状況から売上高、営業利益が数年単位で安定しているかどうかの検討に関しても判断基準として有効です。

海外駐在や変則的な勤務で働くことがある

半導体業界では、海外駐在や深夜勤務など、通常の勤務時間とは異なる働き方が求められることがあります。企業によっては、海外企業との取引があり、製造工程を24時間体制で管理する必要があるためです。

具体的には、海外工場を立ち上げることになった際、現地で働く外国人への技術サポートや、海外企業との共同開発プロジェクトなど、数カ月から数年単位で働くケースがあります。

また、工場のラインをフル稼働する企業では、深夜勤務が発生したり、4勤2休や3勤3休など変則的な勤務形態で働いたりする可能性があるのです

このように、半導体業界では海外で働くことや変則的な勤務で働く可能性があることは念頭に置いておきましょう。企業選びの際は、海外出張の可能性や勤務形態を確認して、自身に合った働き方ができそうかを考えて選んでみてください。

残業や休日出勤が多い傾向にある

半導体業界は、ほかの業界と比較して残業や休日出勤が多い傾向にあります。これは、24時間体制での製造ラインの管理や、トラブル発生時の緊急対応が必要となるためです。

たとえば、製造ラインでの不具合対応や、納期に間に合わせるための増産対応で残業が発生することがあります。また、設備のメンテナンスは生産への影響を最小限に抑えるため、休日に実施されることもあるのです。

もちろん、すべての半導体関連企業に該当することではありませんが、残業や休日出勤が発生する可能性があると理解はしておきましょう。自身の希望する働き方を実現するには、企業選びの段階で、各企業の労働時間や休日の取得状況を確認しておくのがおすすめです

このような半導体業界のデメリットを把握して、できるだけ残業が少ない会社で働きたいと考える人も多いのではないでしょうか。以下の記事では、残業の少ない企業の見極め方を解説していて参考になるため読み進めてみましょう。

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当てはまったら向いている! 半導体業界で活躍しやすい人の特徴

これまで紹介してきた、半導体業界の特徴を踏まえたうえで、どのような人が活躍しやすい業界なのかも確認していきましょう。自身の性格や強みと照らし合わせることで、半導体業界で働くことが向いているのかが判断しやすくなります。

ここからは、半導体業界で活躍しやすい5つの人物像を紹介します。グローバルな環境で働きたい人や、技術革新に興味がある人など、さまざまな特徴を挙げているので、自身の価値観や将来像と重なる部分があるかどうかを考えながら読み進めてみましょう。

国内だけでなく世界でも活躍したい人

半導体業界は、世界中の企業が開発や製造、販売にかかわっていて、国際的な取引が日常的におこなわれています。そのため、グローバルに活躍したい人には向いている業界の一つです。

たとえば、半導体企業の営業職では海外企業との商談や技術的な打ち合わせをする機会があり、技術職は海外企業との共同開発プロジェクトに参加することがあります。また、製造現場では海外工場での生産管理や技術指導など、さまざまな場面で世界を舞台に業務をおこなえる環境が整っているのです。

このように半導体業界では、多くの職種でグローバルなキャリアを築けるチャンスがあります。特に、異文化とのコミュニケーションを楽しみながら、グローバルな環境で成長したい人に向いている業界といえます。

将来的にグローバルに活躍したいとはいえ、そもそも海外に行ける仕事にはどのような職種があるのかイメージできない人もいるのではないでしょうか。以下の記事では、海外に行ける職種や業界を紹介しているので、就活の選択肢を広げるためにも読んでみましょう。

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半導体業界で働く場合、英語を話せることは武器になるのでしょうか。

野村 芳克

プロフィール

英語力は半導体業界で大きな武器になる

特に、海外進出している企業や本社が海外にある企業では、英語でのコミュニケーションが日常的に必要です。

たとえば、海外顧客との商談や技術的な打ち合わせ、海外工場での管理業務など、英語を活かせる場面が多くあります。

企業選びの際には、海外取引や駐在の有無、または募集要項に「英語スキル歓迎」や「グローバル展開」と記載のある企業を検討するのが良いでしょう。

英語力をアピールすることで、採用の際に差別化を図ることも可能です。また、英語に加え、文化理解や柔軟なコミュニケーションスキルも海外で活躍するために重要なポイントとなります。

新しい技術に興味がある人

常に新しい技術が求められる半導体業界は、最新技術に興味がある人には活躍しやすい業界です。最先端の技術に触れられる可能性が高く、学び続けることができる環境があるためです。

具体的には、研究開発職では最先端の技術を用いた製品開発に携わる可能性があり、製造技術者は新しい製造方法に挑戦できる機会があります。また品質管理の職種でも、新製品の性能評価や品質向上のために、最新の技術や知識を活用できることがあるのです。

上記のように、半導体業界ではさまざまな職種で新しい技術に触れる機会があります。技術の進歩に興味があり、新しいことを学び続けることに意欲的な人が活躍しやすい業界なのです

モノ作りが好きな人

半導体業界は、モノ作りの過程にかかわる機会が多い業界です。製品の企画から設計、製造、品質管理まで、さまざまな段階でモノ作りにかかわれるため、モノ作りが好きな人には向いているといえます。

半導体業界のモノ作りは、製品を組み立てることだけではありません。実際の業務では、設計段階で製品の性能を決めたり、製造工程で製品を作り上げたり、品質管理で製品の信頼性を確保したりと、あらゆる場面でモノ作りにかかわります

こうした一つひとつの工程が組み合わさることで、最終的に日常生活に欠かせないスマートフォンや電化製品の性能と品質の向上につながるのです。

人々の暮らしをより良くすることにもつながるため、モノ作りが好きな人は半導体業界が活躍しやすいといえます。

板谷 侑香里

プロフィール

半導体業界は、自動車、PC、スマートフォン、家電など幅広い分野で使われていて、今後もどんどん発展が期待される分野に携わることができます。

製造装置や材料開発などモノ作りを支える周辺領域など幅広い分野に携わることができるのも魅力ではないでしょうか。

変化に対応できる人

半導体業界は、市場環境や技術が日々変化するため、技術革新により最新技術を求められる業界です。そのため、新しい状況に柔軟に対応できる人が活躍しやすい業界といえます。

営業職を例に挙げると、市場の変化により競合他社が新技術を投入した場合、既存の顧客が突然製品の仕様変更を求めてくることがあります。こうしたとき、変化に対応できる人は顧客の要望を素早く理解し、社内の技術部門と連携しながら新しい提案に動くことができるのです

しかし、既存の提案にこだわり過ぎたり、変更に柔軟に対応できなかったりすると、顧客との関係性を損ね、商談を逃してしまうリスクがあります。

このように半導体業界は、市場の変化や技術革新により変化が起こりやすい業界なため、新しい環境や状況を受け止め、柔軟に対応できる人が活躍しやすい業界です。

人々の生活を支える仕事に就きたい人

半導体は、日常生活に欠かせないさまざまな製品に利用されているため人々の生活を支える仕事に就きたいと考えている人も、半導体業界に向いているといえます。

たとえば、スマートフォンやパソコン、電化製品や自動車など、身の回りにある電子機器のほとんどに半導体が使われています。スマートフォンで連絡を取り合ったり、電車で移動したりする際にも、半導体技術が役立っているのです。

半導体業界で働くことは、製品の開発や製造などを通じて日常生活に使用されている製品にかかわることができ、人々の暮らしを支えることにつながります。人々の生活を支える仕事に就きたいと考えている人は、半導体を通じて社会貢献することを視野に入れてみてください。

アドバイザーコメント

学び続ける姿勢・主体性がある人が活躍しやすい

半導体業界で長期的に活躍するためには、変化に対応できる柔軟性と新しい技術への探求心 が特に重要です。

半導体業界は技術革新のスピードが速く、数年ごとに新しい製造プロセスや用途が生まれるため、既存の知識や経験に固執せず、常に学び続ける姿勢が求められます。たとえば、AIや自動運転、5G、IoTなど、半導体が活用される分野は広がり続けていて、今後も変化は激しいでしょう。

また、主体的に動く姿勢も欠かせません。海外企業との取引が多い半導体業界では、異文化のなかで仕事をする機会も多く、現地の価値観やビジネスマナーを理解しながら調整を進める力が必要になります。そういった環境では、指示を待つのではなく、自ら学び、考えて行動できる人が求められます。

長期視点のキャリアも意識して技術の進化を追い続けることも大切

さらに、長期的な視点でキャリアを築く意識も重要です。半導体業界では短期的な成果を求められる場面があるものの、研究開発や生産技術、品質保証などの職種では、長いスパンで技術の進化を追い続け、対応していく必要があります。

そのため、困難な状況でも粘り強く取り組み、自分のスキルを継続的に磨く意欲が欠かせないでしょう。

就職を検討する人はチェック! 半導体業界をさらに深く知る方法

就職を検討する人はチェック! 半導体業界をさらに深く知る方法

  • 半導体関連の動画を視聴する
  • 半導体の展示会に参加してみる
  • 半導体業界で働く人から話を聞く

これまで解説した、半導体業界の全体像の情報で就活の選択肢に入れるか判断できた人もいるのではないでしょうか。また、半導体について理解がまだ追い付かず就職を検討できていない人もいるかもしれません。

そこで、より半導体の理解を深めるための3つの方法を紹介します。動画の視聴で手軽に始められることから、展示会や働いている人の話を聞きに行くなど足を運ぶ必要がある方法まで紹介しています。

どの方法も半導体の理解が深まるため、自身が実際に取り組めそうな方法から始めてみて、半導体について知識を取り入れ就活に役立てていきましょう。

半導体関連の動画を視聴する

半導体業界は専門用語が多く、業界の仕組みや働き方などを聞いたとしてもイメージがつきにくい人もいるかもしれません。より半導体を理解するためにも、以下のような半導体関連について配信されている動画を見て、具体的なイメージを掴んでみましょう。

動画名内容
ものづくり太郎チャンネル半導体だけでなくモノ作りについてを配信者独自の観点から解説
サンケン電気株式会社 Sanken Electric半導体が作られる過程を工場の映像と共に紹介
半導体業界ドットコムch半導体業界の株価やニュースなど半導体の全体像を配信
半導体について解説している動画

これらの動画では、半導体そのものの説明だけでなく、工場の映像を使ったモノ作りの過程の解説や、業界の市場予測など多方面から半導体について学べます。

今後、半導体企業の企業説明会やインターンシップに行く際は、事前に動画を見ておくことで業界用語の理解がしやすく、専門用語で説明されたときもイメージが掴みやすくなります。そのため、半導体業界のイメージをより固めたい人は、動画を見て勉強するのがおすすめです。

半導体の展示会に参加してみる

実際に半導体に触れながら理解を深めたい人は、半導体の展示会への参加がおすすめです。展示会では、最新の半導体製品や製造装置が展示されていて、実物を見ながら企業の担当者から直接説明を聞けるからです。

実際の半導体展示会の例

展示会では、半導体が実際にどのような製品に使われているのかを知ることができ、製造工程のモデルを見れば製造方法の理解が深まります。また、複数の企業が出展しているため各企業の特徴を比較できて、将来の理想とする働き方とマッチしているかなど企業分析の判断材料にもなります

さらに、企業の担当者と直接話すことで、業界の最新動向や求める人材像についても知れる可能性があるのです。就活の選択肢に半導体業界を入れるか悩んでいる人は、展示会に参加してみて、まずは半導体のイメージを固めることから始めるのもおすすめです。

板谷 侑香里

プロフィール

注目されている技術やトレンドを探ったり、競合企業などを見て回ることで比較することができます。また、ブースにいるスタッフの人に企業の強みや気になることを質問することで就職活動に役立てることができますよ。

半導体業界で働く人から話を聞く

半導体業界をより深く知るためには、実際に働いている人から半導体業界の生の声を聞いてみましょう。就職イベントや企業説明会、インターンシップなど現場で働く社員と接する機会があれば、積極的に参加してみてください。

特に大切なのは、ただ話を聞くだけでなく、自分から質問をすることであるため、以下のような質問内容を投げかけてみましょう。

半導体業界の人にすると良い質問内容

  • 入社を決めた理由
  • 現在の仕事内容のやりがいを感じる点
  • 必要なスキルや知識
  • 社内の雰囲気や働き方
  • キャリアビジョンについて

上記のように、すでに半導体業界で働く人の入社理由を聞くことで志望動機のヒントを得られたり、やりがいや仕事内容を聞くことで自分に合った職種を見つけられたりするかもしれません

また、キャリアビジョンについて質問すれば、入社後の将来像を描く参考にもなります。このように実際に働いている人から話を聞くことは、動画や展示会では分からない現場ならではの生の情報を得られるのです。

半導体業界に進むかどうかの判断だけでなく、その後の企業選びにも役立つ情報が得られるので、ぜひ積極的に話を聞いてみましょう。

半導体企業で働く人に必ず聞いておいた方が良い質問はあるのでしょうか。

野村 芳克

プロフィール

仕事のやりがいや大変な一面などを聞いて志望動機をより具体的にしよう

半導体企業で働く人に聞いておくべき質問は、仕事内容ややりがい、必要なスキル、キャリアパス、職場環境などです。

具体例として、現在の仕事内容や、仕事のやりがいと大変な点、求められるスキルや特性、キャリアパスの具体例、チームや職場の雰囲気などが挙げられます。

これらの質問を通じて得た情報をもとに、企業選びや志望動機をより具体的にし、自分に合った企業を見極めることが重要です。

半導体業界の特徴を理解し自身との適性を見極めて就活に臨もう

半導体業界は専門用語が多く、説明を聞いただけでは理解が追い付かず就活の選択肢として判断しにくいかもしれません。しかし、すべてを一気に把握しようとするのではなく、現状や将来性、業界の働き方など半導体業界ならではの特徴を一つひとつ理解していくことが大切です。

また、就活では業界の特徴だけでなく、自身が半導体業界で働くのに適しているかも把握しておきましょう。入社後に活躍できそうか、半導体業界に向いていそうかを判断できれば、就活中の自己PRや志望動機にも役立てられます。

半導体業界の特徴を理解しつつ、自身の適性を見極めて、半導体業界の内定をつかみ取りましょう。

アドバイザーコメント

半導体業界は我々の生活に欠かせない成長が期待される業界

半導体業界と聞いて、馴染みが無いように感じるかもしれないですが、毎日使っているスマートフォンを始め生成AIや自動車など様々な分野で用いられています。

また、家電などの分野で需要が伸びています。半導体製造装置や素材の分野で日本は世界的に大きなシェアを占めています。また、日本の半導体産業は政府も後押ししていて、全国各地で半導体工場の建設ラッシュが続いています。今後も成長し続けていく業界です。

半導体の分野は裾野が広く、理系、文系問わず活躍できます。低コストAIの出現により、株価に大きな影響が出るニュースがつい最近も起こりました。常に技術革新が進む半導体業界は業界全体の勢力図が大きく変化する可能性もあります。

実際に働く人の声を参考にしながら自分に合った企業を選ぼう

企業選択をおこなう際は、市場の影響を受けやすいかどうかということや、技術的な強みの有無、主力事業の割合が偏っていないかどうかを含めて検討することをおすすめします。

実際に展示会や企業のインターンなどに参加し、実際に働いている人の話を参考にしながら、自分にとって納得のいく企業を見つけてくださいね。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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