ものづくりの仕事に就きたいと考えているものの、いざ志望動機を作成しようとすると「身近な業界なはずなのに思いつかない」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
ものづくりに対する明確なきっかけや具体的なエピソードを準備せずに志望動機を作成すると、採用人事には企業とのマッチ度が伝わらず、希望の職業に就けない可能性があります。
また、エピソードを用意できてもものづくり業界で求められている人物像を知らずに作成を進めてしまうと、せっかくの魅力をアピールできずに選考に進めない状況に陥ってしまうかもしれません。求められる人物像を自分に照らし合わせ、共通する強みや特徴をアピールすることが成功への一歩につながるでしょう。
この記事では、キャリアアドバイザーの桑田さん、平井さん、上原さんとともにものづくり業界の志望動機の作成方法を詳しく解説します。ものづくり業界が気になっている、ものづくり業界への就職を目指したいという人は、最後まで読んでぜひ参考にしてくださいね。
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ものづくり業界の志望動機は「企業が求める人物像」を知ることがカギ!
ものづくり業界の志望動機でやってしまいがちなのが、「ものづくりに携わりたい」という抽象的な理由で作成し、企業に熱意や入社後の貢献度・活躍度を効果的にアピールできないことです。企業にアピールするには「企業が求める人物像」を把握することで、具体的で強みをアピールした志望動機を作成できますよ。
記事ではまず、ものづくり業界の仕事内容をそれぞれ紹介します。自分が目指す企業はどの分類に属するのかを理解して、全体像を押さえましょう。
そのうえで、企業が求める具体的な人物像を解説します。求められる人物像に自分の強みが当てはめられれば効果的にアピールできるので、どういった人材が必要とされているのか確認してみましょう。
記事後半では、志望動機を作成するうえで欠かせない業界研究のコツや志望動機作成の手順、把握しておくべき注意点も解説します。それぞれのポイントを押さえて作成することで効率的に、かつオリジナリティのある志望動機作成につながるでしょう。
そして、どうしても具体的な志望動機が思い浮かばないという人向けに、対処方法を解説しています。業種別・求められる人材別で志望動機の例文10選も紹介しているので、併せて参考にして自分らしさをアピールした志望動機を作成しましょう。
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まずはものづくり業界の仕事内容を把握しよう
ものづくり業界はその名の通り「ものづくり」をする業界ですが、ものを作るプロセスや目的などの違いにより、幅広い業種が存在しています。
志望動機を作成するうえで、希望の業種や職種を明確にしておくことで、採用人事に仕事に対する熱意やものづくり業界を志望する理由が伝わりやすくなります。今回はものづくり業界の主要な5種類の業種について解説するので、自分がやりたいことや志望企業がどの種類に属するのかを知って特徴を押さえ、志望動機の方向性を固めましょう。
業種 | 内容 | 仕事例 | 職種例 |
---|---|---|---|
製造系 | 材料・部品を加工して組み立て製品を製造する | ・自動車メーカー ・食品メーカー ・家電メーカー ・医療メーカー など | ・ライン製造 ・生産管理 ・品質管理 ・マーケティング ・営業 など |
建設系 | 住宅などの建物や道路・ダムなどのインフラを建設する | ・商業施設の建築 ・道路整備 ・河川工事 ・上下水道整備 ・電気、ガス設備の設置 など | ・施工 ・施工管理 ・安全管理 ・設計 など |
職人系 | 日用品や芸術品、食品などを特定の技術を身に付けて作る | ・伝統工芸 ・彫刻 ・陶芸 ・食品 など | ・パティシエ ・和菓子職人 ・家具職人 ・彫金士 ・漆職人 など |
クリエイティブ系 | サービスや商品の企画・デザインをする | ・空間設計 ・ファッションデザイン ・雑誌やWebサイトの記事執筆 ・ポスターやパンフレットのデザイン制作 など | ・企画 ・開発 ・設計 ・デザイナー ・ライター ・ゲームクリエイター など |
IT系 | WEBサービス・アプリやシステムの設計や開発をする | ・アプリケーションやソフトウェアの開発 ・コンピューター機器の製造 ・通信インフラの設置や運用 など | ・システムエンジニア ・プログラマー ・営業 ・ITコンサルタント など |
各業種で向いている人の特徴
ものづくり業界では主に5つの業種があることを説明しましたが、働き方や仕事内容、必要とされるスキルはそれぞれでまったく異なります。各業種で向いている人の特徴を紹介するので、志望動機でアピールできるポイントとして参考にしてみてくださいね。
製造系に向いている人の特徴
- コツコツと集中して作業することが得意な人
- 几帳面で丁寧に作業ができる人
- 単純作業が苦手でない人
建設系に向いている人の特徴
- マルチタスク管理が得意な人
- 社交的な人
- 体力に自信がある人
職人系に向いている人の特徴
- 集中して作業ができる人
- 自己研鑽ができる人
- 妥協せずに物事に取り組める人
クリエイティブ系に向いている人の特徴
- トレンドに敏感な人
- コミュニケーション力がある人
- 何事にも物怖じしない人
IT系に向いている人の特徴
- 論理的に物事を考えられる人
- 自主的に行動できる人
- 柔軟な発想ができる人
こちらの記事では、建設にかかわる仕事について紹介しています。ものづくり業界でも特に建設系に興味がある人はチェックしてみてください。
建設業界の全貌がわかる! 課題・動向から仕事内容まで徹底解説
企画職の仕事内容や向いている人の特徴をこちらの記事で解説しています。「新卒入社で企画職に就きたい!」と考えている人は参考にしてくださいね。
企画職の仕事や適性を徹底解剖! 新卒が企画職を狙うのはハード?
こちらのQ&Aでは、クリエイティブ系の仕事についてキャリアコンサルタントが回答しています。より詳しい仕事を知りたい人はチェックしてみてください。
こちらの記事では、幅広いITの仕事について詳しく解説しています。IT業界が気になっている人は、自分が興味がある分野はどの職種なのかを知るためにチェックしてみてくださいね。
ITの仕事って何があるの? 仕事の種類や働く魅力を詳しく解説!
- ものづくり業界の仕事に就きたいと思っているのですが、職種はまだ決められていません。入社後に職種を決めるのでは遅いですか?
自己理解と企業研究が不十分という印象を与えてしまうかも
職種が決められないということは、自分の適性が理解できていないということです。ものづくりの仕事は冷静な分析力・判断力・決断力が必要とされます。
また、職種を決めるうえでは企業が必要とする人物像についても理解が必要なので、自己理解と企業研究の両方が足りていないと判断されかねません。
自分に適した職種を決めたうえで自己アピールがしっかりできるよう準備しましょう。
企業が求める人物像を知って志望動機に活用しよう
企業が求める人物像は、業界の特徴や特色によってそれぞれ異なります。
もし企業が求める強みにマッチする特徴を持ち合わせていたとしても、必要とされている人物像を知らないまま志望動機を作成してしまえば、マッチする強みをアピールできずに次の選考につながらない結果になってしまう可能性があります。
ものづくり業界の企業が求める人材の特徴を知ることで自分の強みと照らし合わせられ、志望動機で効果的なアピールができます。自信を持って次の選考に挑めるように、必ず把握しておきましょう。
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発想力がある人
発想力がある人は、ものづくり業界で新たな商品を生み出す際に強みを発揮できます。ものづくり業界では既存の商品やサービスの改良だけでなく、新しい視点から製品を生み出す必要があるため、アイディアを出す力が求められているのです。
何かを作り出した経験があったり、自分の力でアイディアを出すことが得意であったりする人は、独自性を出した製品やサービスの提案・提供する場面で強みを活かせます。
そのため、材料や部品を加工して組み立てて新たな製品を製造する製造系や斬新なアイディアを生み出すクリエイティブ系の業種が向いているでしょう。
新しいものを創ろうと思うと、今までにないアイデアをひねり出そうとする人が多いですが、実は既存のアイデアの新たな組み合わせから生まれるともいわれています。0から1を生み出す力も重要ですが、今あるものを視点を変えてみる力も発想力です。
新しいことに挑戦できる人
物怖じせず新しいことに挑戦できる人はものづくり業界に向いているでしょう。ものづくり業界では、元々決められていることやルールに沿って仕事をするだけでなく、ゼロからものづくりをする必要もあります。そういった場面で挑戦力を活かせるのです。
詳しいマニュアルがなくても新しい環境に自ら飛び込んで挑戦できる人は、他社とは違ったことに挑戦するクリエイティブ系の業種が得意でしょう。
製造業では生産性の向上を狙うために、不良の低減や効率化など多くの具体的な目標が設定されます。今まで解決できていない新たな課題を解決しなければいけない場面は絶え間なく現れます。
こういった場面で挑戦力を発揮することができますよ。目標をクリアできた際には達成感が得られ、やりがいにもつながるでしょう。
向上心がある人
ものづくり業界は、競争が激しい業界内で生き残るために常に最新技術やトレンドを取り入れて商品を進化させています。そのため、業務に携わる人も常にスキルをアップデートしなければならないことがあります。
最新の技術やスキルで品質を保つためにも、自分と向き合ってスキルアップを図ろうとする向上心がある人材は大変重要とされているのです。
向上心がある人は、品質をより良いものにしていくためにどのようにスキルを向上させれば良いのかを常に考えて行動する仕事である製造系や職人系の業種が向いているでしょう。
ものづくりは常に新しい挑戦をすることの連続です。そこには人から命じられて動くのではなく、自らの中から湧き出る欲求、すなわち向上心によってスキルを上げていく人が必要です。向上心を持つ人はものづくりの素質に恵まれているといえるでしょう。
周りと協力して取り組める人
周囲の意見に耳を傾けながら協力して取り組める人も、ものづくり業界で活かせる特徴を持っています。
ものづくり業界のうち、たとえば設計職やシステムエンジニアなどはチームメンバーや顧客と連携・協力することで業務を完成形に近づけられる職種です。そのため、傾聴力がある人材が求められているのです。
周りの意見を取り入れながら連携して仕事ができる人は、たくさんの人とかかわりながら仕事を進める建設系や、顧客や依頼に対してチームで取り組むIT系の業種が得意でしょう。
大規模なシステム開発では、全体システムを分割してそれぞれのチームで分担して業務を進めます。チーム内はもちろんチーム同士でもコミュニケーションを密にする必要があるので、協調性のない人には難しいかもしれません。
柔軟性がある人
顧客のニーズに応えることで利益を出しているものづくり業界では、顧客ファーストで商品などを提供することを掲げている企業が多くあります。
そのため、状況に応じて最適な解決策を提案して、柔軟な対応ができることもものづくり業界では必要とされている能力なのです。マニュアル通りの対応ではなく、目の前の課題に対してベストな対応は何かを考えられる柔軟性のある人が求められています。
柔軟性がある人は、多角的な視野を持ち合わせて柔軟に対応する必要のあるIT系の仕事が向いているでしょう。
柔軟性を鍛えるには、考え方が過去の経験などに囚われて一つの見方に固まってしまわないことが重要です。ある考えを出すときに、ほかの見方はないだろうかと考える癖をつけると良いでしょう。また他人の意見を否定しないで聞く訓練も効果的です。
忍耐力に優れている人
ものづくり業界のうちのシステム開発や建築、商品の開発などの仕事は一日二日で終わらず、数カ月、物によっては数年かかることがあります。そのため、妥協せず継続的に仕事ができる忍耐力がある人が求められています。
忍耐力がある人は、長期的にコツコツとゴールに向かって仕事を進める建設系の仕事が得意でしょう。
たとえば、職人のように技術力を磨き続けて仕事の質を上げていく仕事や、品質保障のように地道な検査を重ねていく仕事にも忍耐力は必要です。目に見えた結果がなくても、着実に役立てることに喜びを見出せる人には向いています。
正確に作業ができる人
建設の仕事や製造系の仕事などの細かい作業をする仕事は、設計書の通りに正確に作業をしなければなりません。そのことから顧客に安定した品質を提供するためにも、多くの工程があっても正確に作業ができる人が求められています。
正確に作業することが得意な人は、効率性を大切とする製造系や顧客のニーズの通りに対応する必要のある建設系、細やかな作業をする職人系の仕事が向いているでしょう。
正確性はどんな仕事にも大事なことです。今後製造作業自体は自動化・ロボット化が進むと思われますが、機械に頼って品質を妥協することなく、正確性を追求しようとするマインドが求められます。
志望動機作成には業界研究が必須! キャリアコンサルタントがコツを解説
ものづくり業界で求められている人物像について説明しましたが、志望動機作成には業界研究も欠かせません。業界研究を怠った状態で選考に望むと、自分がイメージしていた働き方やビジョンとズレが生じてしまう可能性があります。
ここで、キャリアコンサルタントの上原さんから志望動機を作成するときのコツやポイント、注意点についてキャリアのプロの視点から解説してもらいます。自分の志望動機とプロの視点からのポイントを照らし合わせて足りない点を補うことで、完成度の高い志望動機を目指せますよ。
ものづくり業界ならではの業界研究の方法を理解して、隙のない志望動機を作成できるようにしましょう。
アドバイザーコメント
上原 正光
プロフィールを見る制作者視点で業界を見てみると見えてくる情報が増える
どの業界もそうですが、よくテレビCMで目にしたり世の中で目にしたりする企業が注目され人気が集中しがちです。
ものづくり業界には、思いもよらないものを作っていたり、ある製品を作るためにはなくてはならない素材を作っていたりする優良企業が多くあります。
そういった世界的に欠かすことのできないものを作っている企業でも、一般的にはよく知られていない企業が数多く存在しています。有名企業や一般的に人気のある企業、規模の大きな企業だけではなく、さまざまな業界企業に目を向けてみると思いも寄らない企業に出会えるかもしれません。
視野を広く持つことが大切
特に業界や業種を絞りはじめる初期段階では、勝手な思い込みや絞り込みを避けて、意識的に視野を広くして業界研究をしてみることが大切です。
大企業の場合は、関連企業や子会社が多くあります。グループ一括採用を実施している場合が多いので、実際に配属される際には目標としていた企業には入社できないこともあります。
どんな仕事がしたいのかを明確にして、それが実現できそうかどうかということで企業を見極める眼も持つことが後々後悔しないためには必要ですよ。
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ぜひ活用して、志望業界の選考を突破しましょう。
ものづくり業界の志望動機を作る4ステップ
ものづくりの志望動機4ステップ
志望動機の作成手順も理解することで、効率的に、論理的で魅力的な志望動機を作成することができます。一方思いついたことをそのまま志望動機にしようとすると、まとまりがなく一貫性が保たれていない文章になり、わかりづらい印象を与えてしまう可能性があるのです。
ここでは、作成手順を4つのステップに沿って解説します。伝わりやすい文章のコツを押さえて納得感のある志望動機作成を目指しましょう。
①なぜものづくり業界を志望するのかを端的に説明する
志望動機の最初に結論を述べておくことで、聞き手にエピソードの概要を把握させることができます。まずは冒頭でものづくり業界の志望動機を簡単に伝えましょう。
結論を始めに伝えないと、一番大切なポイントである企業を志望した動機が曖昧のまま人事は話を聞かなければならなくなり、志望動機の背景をイメージしづらくなってしまいます。
これからどういったことを話していくのかを始めに伝えることで、相手に伝わりやすい文章になるのです。
志望理由例
自分の強みである発想力を、斬新なアイディアやクリエイティブなアートに挑戦する環境で活かしたい
- ものづくり業界の志望動機でよくある志望理由ってなんでしょうか? あまりイメージが湧かないので教えてほしいです。
社会貢献度を含めた志望動機が多い
ものづくり業界に限らず、仕事の原点は「誰のどんな役に立ちたいか」「それがどんな社会貢献になるか」です。企業への貢献の延長線上に社会を意識して考えると、その仕事の持つ意義が見えてきます。
特にものづくり業界は、インフラを支えたり重要な生産物を製造し、社会活動を維持する役割を担う産業です。社会にどんな価値を提供したいかという観点で自分の特性を見つめ直してみると良いでしょう。
たとえば最近多発する自然災害が身近に起こり、それを防止したいとの思いを持っている人であれば、災害に強いインフラ整備、そのインフラを支える製品の素材開発、予知・警報システムや防災グッズの開発製造など、さまざまな場面で興味の持てる接点が見つかるはずです。
「社会貢献」を志望動機で盛り込みたい人はこちらの記事も参考にしてみてください。効果的に盛り込んで差別化するコツをまとめています。
業界別5例文! 志望動機に「社会貢献」を効果的に盛り込むコツ
②その業種を志望した理由を具体的なエピソードを用いて伝える
簡単に結論を述べたら、次に結論に至るきっかけとなるエピソードを具体的に説明します。志望動機の背景を詳しく伝えることで具体性が生まれ、説得力や信頼度がグッと上がりますよ。
しかし、エピソードを闇雲に選びざっくばらんに話すだけでは説得力や信頼度が上げられない可能性があります。年代ごとに印象に残っている出来事を書き出してみたり、友人や家族に自分の特徴を聞いてみたりすることで、自分の価値観や思考傾向・特徴を踏まえたエピソードを探し出すヒントが見つかるでしょう。
エピソード例
大学の授業で初めてプログラミングに触れ、自分の論理的思考力や問題解決力を活かせることに喜びと楽しさを感じた
ITメーカーで「どんなシステムでも原理的には0と1、電気のonとoffで実現していることがすごいと思った」との理由で技術者を志望した新人がいました。ほかの学生とは被らない感性を持っていて、社内で話題になりましたよ。
③志望企業を選んだ理由を自分の言葉で述べる
ものづくり業界のどの企業にも当てはまるような志望動機では、応募先の企業へ熱意が伝わらず、良い結果につながらない可能性があります。「うちでなくても通じる志望動機だな」といった印象を与えてしまわないように、応募先を選んだ理由を明確に伝えられるようにしましょう。
企業研究をする際は、下記の項目を参考に調査していくと企業の全貌と自分とのマッチ度が測れます。項目をそれぞれ丁寧に文字に起こして、企業研究を深めてみてくださいね。
企業研究の着眼ポイント例
- 事業内容
- 競合他社との違い・強み
- 経営理念・事業理念
- 今後の事業方針
- 社風、実際に会った社員の印象
- 福利厚生
- 求められている人材
応募先の志望理由例
環境への配慮や地域への貢献に焦点を当てた事業方針に魅力を感じた
- ものづくり業界を志望しているのですが、企業自体は給与や待遇を見て選びました。正直に伝えないほうが良いと思うのですが、どのように志望理由を伝えたら良いですか?
企業研究を深めて魅力的に感じるほかのポイントを探し出してみよう
志望先の企業が決まっているのであれば、どんな業種で何を作っているのかよく調べてみましょう。
その企業の製品やサービスで興味があることはありませんか。同業他社と比較して魅力的に感じる点は出てきませんか。
何の興味も持てなくて働く姿を思い描けないのであれば、会社説明会に出かけてみるとか、社員の方々と懇談してみましょう。興味や関心が持てれば、志望理由は浮かんできます。
それでも興味も関心も持てないのであれば、その企業は自分には合わないのだと思います。ほかの企業を探してみましょう。給与や待遇がよくても、自分が活き活きと働くことができなければ辛くなってくると思います。
企業研究をするときは「企業研究ノート」を作成すると調べたことを可視化でき、比較や見直しがしやすくなります。こちらの記事で企業研究ノートの詳しいまとめ方を解説しているので参考に作成してみてください。
作り方例4選|企業研究ノートのまとめ方をイラスト付きで解説!
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「この職種に就きたい!」と思っていても、なぜそうなのか学生時代に培ったスキル・経験を踏まえて伝えるのに苦戦する学生は多いです。
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ぜひ活用して、志望企業の選考を突破しましょう。
(IT業界の場合)
④入社後にどのように貢献したいかをアピールする
志望動機では志望度や入社意欲だけでなく、入社後のミスマッチを防ぐためや事業の今後の展望・繁栄につなげるための企業への貢献度も見られています。応募先の企業でどのように活躍したいか、あるいは活躍できるかも最後に伝えるようにしましょう。
先輩やOB・OGなど身近にいる社会人に話を聞いて、入社当時の目標やその後のキャリアパスを教えてもらうと、実務でどのように働きたいかのイメージができてくるでしょう。また、志望企業がやっていることの方向性や事業展望から考えてみると、企業がイメージするものと大きなズレのない入社後のビジョンが考えられますよ。
活躍イメージ例
自信の柔軟な発想力を活かして、新たなプロジェクトを企画する際に斬新な視点からアイディアを生み出して企業の成長に貢献したい
- 入社後に実際にものづくりに携わって自分が活躍しているイメージが湧きません……。
仕事の流れを細かく分解してみよう
まずは、応募先企業の事業を分解してみましょう。「インプット⇒変換プロセス⇒アウトプット」のつながりを追いかけることを意識してみてください。
身近な例として、お弁当屋さんの海苔弁当を考えてみましょう。「アウトプット=海苔弁当」、「変換プロセス=調理」になります。ではインプットは何でしょうか。米、白身フライ、海苔、鰹節、醤油、たくあん、弁当容器、ばれん、などですね。
お米の流れに関しては、米屋さんの業務を分解できます。
インプット:お米を仕入れる
変換プロセス:計量して袋詰め
アウトプット:お弁当屋さんに販売
その前の段階の業務は以下のように分解できます。
インプット:農家から農協が仕入れる
変換プロセス:大きな袋に詰める
アウトプット:お米屋さんに販売
農家の仕事もインプット⇒変換プロセス⇒アウトプットに分解できますし、白身フライや海苔などについても同様です。
このように事業を分解してみると、自分はどの工程にどんな役割でかかわりたいか、イメージできませんか。
ものづくり業界の志望動機作成で知っておくべき3つの注意点
ものづくり業界の志望動機作成で知っておくべき3つの注意点
志望動機作成をするうえで、注意点も併せて理解しておきましょう。構成やコツがわかっていても、注意点を知らずに志望動機を作成するとネガティブなポイントに採用人事が気が付き、せっかく作成した志望動機の魅力が半減してしまいます。
ここからは、気を付けるポイントや気を付けなければならない理由を解説していきます。ものづくり業界の志望動機作成時に陥りがちな注意点を把握して、最大限の魅力を活かした志望動機を完成させましょう。
①同業他社でも通用する理由は避ける
同業他社にも当てはまる志望動機で選考に挑むと、熱意が伝わらない可能性があるだけでなく、業界・企業分析が曖昧な状態で選考に来たという印象を与えかねません。企業のどこに魅力を感じたのか、共感したポイントはどこか、どこが自分とマッチすると思ったのかを言語化しておきましょう。
IT系企業のNG例
プログラミングの論理的な面に興味を持ち、新たなスキルを身に付けて挑戦することで成長していきたい
こちらの例文にある「新たなスキルを身に付けること」はどの企業でも通用します。志望企業のどういった点からスキルを身に付けたいのかなどの具体性を持たせると、より熱意が伝わりますよ。
IT系企業のOK例
貴社独自のAI技術に魅力を感じ、貴社での実際の業務や自己研鑽を通してスキルを向上させて、最新の技術を展開していきたい
この例文では、企業のどういった点に魅力を感じてどのように成長したいのかを具体的に示しています。企業への理解度が高いことが感じられる文章ですね。
加えて、重ねてになりますが企業研究も非常に大切です。冷静に企業への分析を重ね、他社とどういった違いがあるから志望しているのかも説明できるようにすると、明確な志望動機作成と併せて、自分とのマッチ度を正確に測ることにもつながりますよ。
同業他社と比較しながら企業研究を深めることで、志望先ならではの理由を含めた志望動機を作成できます。似ている企業でも企業ごとの特徴は必ずあり、他社との差は必ず見つかりますよ。
社員面談に参加する機会があれば「同業他社との違いは何だと思うか」を直接社員に質問してみると、生の感覚で答えてくれるので参考になります。
②「商品が好き」ということだけを理由にするのはNG
日常生活で使用した家電製品やWebサービスなどがきっかけで、ものづくり業界の企業に応募する人も少なくないでしょう。しかし、「商品が好き」ということだけをアピールしてしまうと、消費者ではなくいざ制作側になったときに何ができるかを伝えられず、不採用になってしまうかもしれません。
商品のどういったところに魅力を感じ、入社後にはどのようにしていきたいか、どのように制作に携わりたいかも併せてアピールすることを忘れないようにしましょう。
メーカー系企業のNG例
貴社の〇〇商品に魅力を感じ、商品の開発や制作に携わりたいと思った
あくまで前提である「商品が好き」であることしかこちらの例文ではアピールできていません。商品を提供することが好きということをアピールすることで、企業の事業自体に興味を持っていることを伝えられますよ。
メーカー系企業のOK例
貴社の〇〇商品が常に顧客の意見に耳を傾けて改良している点に感銘を受け、顧客ファーストの商品開発で貴社と社会に貢献したい
こちらの例文では、商品がどのように提供されているのかという点に着目しています。消費者ではなく、提供者側の視点からこだわりたいポイントを伝えられていますね。
③ものづくりに対する曖昧なイメージで志望動機を作成しない
消費者視点でものづくりの場面に接していると、実際の仕事の流れや業務内容を詳しく知ることはあまりないかもしれません。そのような状況のまま志望動機を作成すると、もし内定がもらえても想像していた内容と実際の仕事内容が異なることに入社後に気が付くことになってしまい、ギャップやミスマッチにつながる可能性があります。
業務内容や業界の特徴、キャリアビジョンなども明確にして、自分の理想とする働き方との認識の齟齬がないようにしましょう。
ソフトウェア企業のNG例
貴社でものづくりに携わり、製造や開発の経験を積んで成長していきたい
こちらの例文では、ものづくりのどのような工程で経験を積みたいのかが示せていないため、業界研究をしっかりできていないような印象を与えてしまいます。
ソフトウェア企業のOK例
品質向上や生産性を意識した業務で、製品の企画から開発・リリースまですべての工程を通じて経験を積んで自らの専門性を高めて、事業の発展に貢献したい
具体的にどんなことからスキルを高めて企業に携わりたいのかをこちらの例文では伝えられています。明確な工程が示されているため、わかりやすい文章になっていますね。
アドバイザーコメント
桒田 里絵
プロフィールを見る熱意を伝えることを心掛けよう
志望動機を作成するときは、やはりものづくりに対する熱意を伝えることが大切です。
ものづくりには地道に粘り強く製品に向き合う姿勢が必要です。その根源となるのは、
・良いものを作りたい
・自分達の作ったもので世の中を良くしたい
・人々の生活を支えたい
という熱意です。
「ほかのどこでもない御社で、どんな事業に参画し、未来にどんな価値を創り出していきたいのか」「そのために何をする覚悟があるのか」といったことに熱意を加えて語れるようにしておきましょう。
自分のエピソードを加えて具体性を持たせることも大切
ただし一人よがりなエピソードになってはいけません。「自分が学んできたことや力を入れてきたこと」と「志望先が必要とする人材像とマッチするポイント」を冷静に分析し、今後さらに身に付けるべきスキルや学ぶべきことも併せて伝えることが必要です。
また、企業に対する単なる親近感や憧れで終わらせてしまわずに、納得感のある現実的な理由も伝える必要があります。企業説明会やインターンシップ、社員の話が聴ける機会、ネットの情報などを駆使して企業をしっかり理解して、自己分析と企業研究を深めましょう。
志望動機が思いつかないときは自分を振り返ってみよう
求められる人物像や志望動機作成の手順・注意点を聞いても、具体的なエピソードや内容がどうしても思い浮かばないという人もいるかもしれません。そんな場合は自分を振り返って自己分析をしてみることで、ものづくり業界に興味を持つきっかけとなった場面や状況を思い出すことができ、ヒントを得られる場合があります。
自分を振り返る際のポイントや方法を解説するので、焦らず自分を見つめ直して、自分らしさを活かした志望動機が作成できるようにしましょう。
仕事内容に対して強みになる長所を探してみる
序盤で解説したとおり、ものづくり業界は業種や仕事内容によって活かせる特徴が異なります。志望企業が属する業種で強みになる長所や特徴を自分に当てはめて探してみることで、志望動機作成の一歩につながりますよ。
強みになる長所の例
- 製造系:最終チェックをする際に細部まで見逃さない正確さ
- 建設系:完成形に近づけるまでコツコツと取り組める根気強さ
- IT系:システム作成時に周囲の意見を聞いて取りまとめるコミュニケーション力
上記のように仕事内容を分解して、自分の強みや特徴が当てはまる部分と照らし合わせてみることで、具体的な状況や場面を説明しながらアピールできる志望動機になります。
長所から志望動機にする例
- 細部まで見逃さない自身の正確性を活かし、貴社の製品の品質性の担保に貢献したい
- 何事も最後までやり遂げる根気強さを活かし、新人でも新しいことに挑戦できる環境がある貴社でどんな課題に対しても真摯に向き合って解決策を導き出したい
- 常に周囲への意見に耳を傾けることを忘れずに、貴社の企業理念の一つである「顧客ファーストの思考」を常に持って全員が納得できる結論を導き出したい
- ものづくり業界の仕事で活かせる自分の強みがわかりません。
志望先企業の理解を深めてから自分の強みをマッチさせる方法もある
強みの発見というと自己分析から始めがちですが、私は仕事研究・応募先研究から入ることをおすすめしています。
応募先企業が求める人材像、その職種に必要なスキルや強みは把握できていますか。人物像が採用情報に明確に書かれていない場合は、その企業の事業を研究してどんな人材が必要かの仮説を立てる必要があります。職種研究はjobtagなどを活用しましょう。
人材像や必要なスキル・強みがわかったら、それにあった自分の強みを表すエピソードを探してみてください。自分一人だけでなく両親や友人、先輩などの客観的な視点ももらうことで、自分では気付けない強みを知ることができますよ。
長所が培われた理由・発揮した場面を考えてみる
自分の長所はどのようにして身に付いたのかも分析してみることで、入社後にどのような業務を通して強みを活かせるのかをアピールできます。過去を振り返ってみて、長所はどこで培われたのか、どのような場面で発揮してきたのか、具体的なエピソードを見つけてみましょう。
直近のエピソードが思いつかない場合は、子どもの頃や学生時代でも構いません。自己分析方法の一つである自分史を活用して長所や特徴を洗い出してみることで、納得のいくエピソードが見つかります。下記のフォーマットを活用して作成してみましょう。
「フォーマットを見てもよくわからない……」という人もいるかもしれません。こちらの記事で自分史の作成方法・活かし方を詳しく解説しているので参考にしてみてくださいね。
自分史を最大限就活に活かす方法とは? 記入例付きで作り方から解説
長所を培った背景の具体例
学校のプロジェクトでリーダーを担当した際、メンバーの意見の衝突や計画変更、リソース不足で進捗に大きな影響を与えた。落ち着いて対処し、メンバーと意見を共有して柔軟に対応して着実に最終目標に向けて進めることができた経験から、忍耐性と柔軟性を身に付けられた。
- 小さい頃にものづくりに携わった経験が多いのですが、志望動機のエピソードは幼少期のものでも大丈夫ですか?
自分の特徴がわかるエピソードであれば問題ない
自分自身の特徴や強み、価値観を表現できるエピソードであれば、幼少期のものでも問題ありません。
幼少期のどんな経験によってどのような思いが形成され、それが今まで長い間変わらず継続しているのか、幼少期に感じたことやエピソードが志望動機にどのようにつながっているのかを説明すると説得力のあるものになるでしょう。
今までの生活の中でのものづくりとの接点を思い返してみる
実際の生活の中で、ものづくりに触れあったことを思い返してみることでエピソードのきっかけになることがあります。私生活の中でどんなものづくりと接点があったのか、文字に起こしてみましょう。
良い製品を知って、製造過程に興味を持ったことがきっかけでも良いです。たとえば料理やDIYが好きな人は便利な調理器具、家電が志望動機の入口になり得るかもしれません。具体性のある前向きなエピソードを探してみてくださいね。
自分史で振り返る項目に、各年代にそれぞれ「ものづくりとの接点」に関する項目を追加して文章に書き出してみると、忘れていたことでも思い出せることがありますよ。
ものづくりとの接点の具体例
料理をすることは好きだが、食材の千切りなどの事前準備が面倒に感じていた。千切りが短時間でできる千切り器があることを知り、より料理の時間が楽しくなった。
「それでもどうしても志望動機が書けない……」と悩んでいる人もいるかもしれません。そんな場合は、こちらの記事で3ステップで志望動機を作成する方法を解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
「志望動機が書けない」から確実に卒業する3ステップ|例文付き
すでに自己分析が済んでいても、もう一度やってみることで就活の方向性が明確になり、志望動機作成につながることがあります。こちらの記事では自己分析のやり方を詳しく解説しているので、チェックしてみてくださいね。
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説
業種別と人材別! ものづくり業界の志望動機例文10選
業種や職種によって、働き方はそれぞれ異なります。希望する業種・職種に合わせて志望動機を作成しましょう。
ここでは、業種別・求められる人物像別にものづくり業界の志望動機例文を10個紹介します。自分の強みに近いものや興味のある業種を特に参考にして、効果的な志望動機の伝え方をつかんでくださいね。
製造系
細かい作業や製品を管理する製造系の職業では、「正確に作業ができる人」「向上心がある人」の強みをアピールした例文を紹介します。製造系への就職を目指す人は、志望動機例の具体的なエピソードやアピール方法を参考にしてみてくださいね。
正確に作業ができる人
自動車メーカーの志望動機
私の強みである正確さや組織目標への貢献意欲が活かせると考えているため、貴社を志望しています。
昔から工作や製作が好きで、大学のゼミでロボットコンテストに参加しました。精密なパーツを組み立てて完成させる過程で、品質と細部への注意が極めて重要であることを学びました。また、限られた期間の中で精度を保ちながら制作するためには個々の貢献意欲が重要であると痛感し、その経験からものづくり業界での仕事に強い興味を抱くようになりました。
貴社への入社を志望する理由は、技術革新が絶えずおこなわれている中で長年培われた信頼と優れた技術力を保っていることに魅力を感じ、自身のスキルを磨きながら組織の成長に貢献したいと考えたためです。
入社後は、自身の正確性や注意力を活かして品質を維持しつつ、製品の改善や生産効率の向上に努め、チームと協力しながら貴社の成長に寄与したいと考えています。
自動車業界に興味のある人は以下の記事を参考にしてください。志望動機の作り方を解説しています。
自動車業界に特化した志望動機が作れる5ステップ|職種別例文8選
向上心がある人
家電メーカーの志望動機
私はものづくりにおける効率向上や品質管理への情熱を持っているため、最新技術を取り入れながら顧客に最高品質の製品をお届けしたいと考え、貴社を志望します。
学生時代、製造工程における品質管理の授業や実習を通じて、正確かつ迅速な作業の重要性を学びました。また、貴社のインターンシップで製造現場に携わり、工程の効率向上や不良品の削減に向けた改善提案をおこない、一定の評価を受けたことからものづくりへのやりがいを感じられました。
貴社でお話を伺った際に「製造プロセスは製品の品質や信頼性に直結しているから工程を最適化することはそのまま顧客への価値提供につながる」と説明いただきました。私自身も特に家電製品は消費者の生活に深くかかわるため、品質や信頼性にこだわる必要性があると考えています。
入社後は貴社で常に技術の進化を追い求めながら、顧客に信頼できる製品を提供するために日々努力して参ります。
今後どんな企業人になっていきたいかをしっかり述べることも忘れずにしましょう。たとえば志望先の企業が展開しようとしている事業を取り上げ、企業の一員としてそのプロジェクトにどう貢献していきたいかといったことも加えると良いですよ。
製造業の志望動機はこちらの記事でも詳しく解説していますよ。志望動機を書く前に必要な準備やアクションについても紹介していますので、あわせて参考にしてみてくださいね。
例文5選! 製造業の志望動機を魅力的に書く3ステップ
品質管理に興味のある人は以下の記事もチェックしてください。品質管理の志望動機の作り方を詳しくまとめています。
例文7選|品質管理の志望動機がグッと光る! 作り方と4つのコツ
建設系
建設系の職業では、複数の工事を並行して監督・調整しながら全体の管理をすることもあります。ここでは「周りと協力して取り組める」「忍耐力に優れている」をアピールした志望動機例を紹介するのでぜひ参考にしてください。
周りと協力して取り組める人
設計職の志望動機
私の強みである「周りと協力して取り組める力」を活かせると考え、ものづくり業界を志望しています。
大学で参加した建築プロジェクトでは、異なる専門分野を持つメンバーが共同作業し、課題解決に臨むことが求められました。複雑な課題に対処する中で、チームメンバーそれぞれの意見を調合して、みんなが納得する結果を出すことが大きな成果を生み出すことにつながるのだと学びました。
貴社はチームワークを大切にし、さまざまなスキルを持つプロフェッショナル集団が協力してプロジェクトを成功に導いています。このようなプロフェッショナリズムと協力体制が、私が求める建設業界での働き方に非常にマッチしていると感じました。
入社後は、私の協働力を発揮してさまざまなスキルを持つ同僚と連携し、新しいアイディアや改善点を共有しながら安全で信頼性の高い建設プロジェクトの実現に貢献していきます。
忍耐力に優れている人
安全管理職の志望動機
厳しい状況下でもプロジェクトを成功に導くことが不可欠な建設業界で、私の強みである忍耐力が活かせると考え、貴社を志望します。
大学時代に経験した建設プロジェクトでは、天候の悪化や資材の高騰と不足といった予期せぬ課題や困難が発生し、思うようにプロジェクトを進められませんでした。その中で、持ち前の忍耐力を発揮してチームメンバーに常に声をかけて諦めずに取り組むことで問題を克服し、計画どおりに工程を進めることができました。
貴社は建設プロジェクトで最高水準の品質と安全性を実現するリーディングカンパニーであり、その高い技術力で厳しい要件を満たすプロジェクトを次々に成功させ、信頼を勝ち取っている点に非常に魅力を感じました。
入社後は、持ち前の忍耐力を活かしてプロジェクトが直面するいかなる難題にも同僚と協力し、困難をともに乗り越えることで信頼関係を築き、貴社の高い技術力を身に付けて新たな価値を生む建設プロジェクトの達成に尽力します。
建設の志望動機は「社会に役立つ仕事がしたい」といった理由が多いです。間違いではないですが、これでは差別化できません。建設業界に興味をもった具体的なきっかけ、応募先と他社との違いをどう見ているか、応募先で何をしたいかなど、自分らしさを盛り込みましょう。
建設業界の中でも、住宅メーカーや工務店など建築分野に興味がある人はこちらの記事がおすすめです。建設業界と建築業界の違いや、評価される志望動機のコツをまとめています。
例文8選|建築業界で評価される志望動機とは? 書き方のコツ
職人系
専門的なスキルが必要とされる職人系の仕事では、「正確に作業ができること」や「向上心があること」がアピールできます。それぞれの例文を紹介するので、職人系の仕事で自分の強みをアピールするために参考にしてください。
正確に作業ができる人
家具職人の志望動機
私の強みである正確性が製品の品質向上に貢献できると考えたため、貴社への入社を志望します。
学生時代、数学の授業でのプロジェクトでクラスメイトとともに測定と計算に基づいた建築モデルを製作する課題に取り組みました。私の担当はモデルの精密な寸法設定で、多少のずれは許容範囲内だと考えていましたが、いざモデルを組み立ててみるとその誤差が意外なほど影響を与えました。実際に、貴社のインターンでも家具制作には精密な寸法とデザインの一致が重要であり、正確な寸法や計算が製品の品質にどれほど大きな差を生むかを学びました。
貴社の家具は細部にまでこだわりが貫かれており、正確な作業が製品の美しさや機能性を支えていると実感しており、そのような環境は私の強みを活かす絶好の場であると確信しています。
貴社に入社後は私の持てる正確性や注意力を存分に発揮して、製品の製造プロセスにおいて細部に宿る品質をいっそう向上させ、顧客に満足いただける逸品を提供することに尽力したいと考えています。
どのような仕事をすることを想定し、自分の持つ正確性や注意力が具体的にどのように製造プロセスに反映できると考えているのか述べるとより良くなりますよ。逸品とはどのような製品で、それは顧客に対して何を訴えることができると思うのか、具体性を含めてみましょう。
向上心がある人
陶芸家の志望動機
私は伝統工芸に強い興味を抱いており、私の強みである向上心を伝統と革新が調和する製品開発に活かせると考え、貴社を志望しました。
高校時代、伝統的な工芸品の制作にかかわる機会がありましたが、古くから受け継がれてきた技術と現代のアートが融合する瞬間に、創造力と伝統の価値を同時に感じた体験を通じて、その業界に身を置きたいと考えるようになりました。
貴社の製品は伝統の価値観を守りつつも、積極的に新しいデザインや素材、制作方法を取り入れて現代の要求に応える新しさを感じさせることで、私のような若い世代の心に響きわたり、非常に魅力を感じました。
入社後は、常にスキルを向上させることを忘れずに新たな表現手法や市場の変化に敏感に対応し、伝統と革新が共存する製品を生み出すために、チーム一丸となって努力し成長していきたいです。
職人系の仕事に欠かせない資質は「新しい価値を持つ製品を生み出すための細部へのこだわり」や「品質を上げるため技術を向上し続ける強い意志と諦めずにやり抜く粘り強さ」などです。このような点を意識して入れるようにしてみてくださいね。
クリエイティブ系
クリエイティブ系の職業は、トレンドに敏感であることが求められていることが多くあります。その中で「新しいことに挑戦できる人」「発想力がある人」は大いにアピールできます。それぞれの例文を確認してアピールの参考にしてみてください。
新しいことに挑戦できる人
ゲームクリエイターの志望動機
私は新しいことに挑戦できる自分の強みを活かして貴社でのゲームクリエイターのキャリアを築きたいと考えています。
学生時代、異なるジャンルやプラットフォームのゲームを開発するプロジェクトに参加しました。さまざまなアートスタイルやプログラミング言語を学ぶ中で、挑戦が新たなアイディアを生み出す源泉であることを発見しました。
特に、貴社の新しい技術やアートスタイルの導入、未知の領域への進出など、その先進性に魅力を感じています。私はこのような環境で、自らの柔軟性と向上心を活かし、ゲーム開発のフロントランナーとして貢献していきたいと考えています。
入社後は、新しい技術やトレンドを取り入れつつチームと協力してクリエイティブなアイディアを具現化し、プレイヤーに驚きと感動を与えられるゲームを創り上げたいと思います。
ゲーム業界に興味のある人は以下の記事を参考にしてみてください。志望動機の書き方のコツをまとめています。
ゲーム業界の志望動機は「好き」だけではNG? 差別化のコツを解説
発想力がある人
グラフィックデザイナーの志望動機
私は自身の強みである発想力を、斬新なアイディアやクリエイティブなアートに挑戦する環境で活かしたいと思っているため、貴社への入社を志望します。
学生時代、学内でのデザインコンテストに参加しました。与えられたテーマに対してさまざまな視点から切り込んだことでほかの参加者と差別化した作品が評価され、最優秀作品賞を受賞することができました。この経験から、柔軟な発想力がデザインの幅を広げ、新たな可能性を生み出すと実感しました。
貴社の常に新しいデザインアプローチやトレンドを取り入れ、クリエイティブなアートに挑戦している姿勢に非常に魅力を感じています。このスタンスは私にとって夢のような環境であり、そこで経験を積むことが将来の成長につながると確信しています。
貴社の現場で実践的なスキルを身に付けて自身の発想力をさらに向上させたうえで、新しいアートを通じてユーザーに初体験を届けられる一翼を担いたいと考えています。
具体性に欠ける点を補強するとより良くなると思います。さまざまな視点とはどんな点か、どこが差別化された作品になったのか加えるようにしてみてください。また、どんな点を企業が挑戦している姿勢と感じとったのかも具体的に説明すると良いでしょう。
IT系
論理的思考力や学習力が評価されるIT系企業の多くでは、「周りと協力して取り組める人」「柔軟性がある人」が求められています。各例文の詳細を参考に、魅力的な志望動機を作成できるように確認してみてくださいね。
こちらの記事ではIT業界の志望動機を詳しく解説しています。IT業界への就職を目指している人はぜひこちらもチェックしておきましょう。
IT業界の受かる志望動機の書き方|職種別の例文10選も紹介
周りと協力して取り組める人
システムエンジニアの志望動機
私はITの分野において、自身の周囲と協力して業務を遂行する力を活かしてプロジェクトを成功に導きたいと考え、貴社を志望します。
大学のゼミで、最新のテクノロジーを活かしたアプリケーション開発をするプロジェクトに携わりました。その中で、プログラミング・デザイン・プロジェクトマネジメントなどさまざまなスキルを持つ仲間たちとの協力がなければ、プロジェクトを成功に導くことができないことを経験しました。
貴社のインターンシップでは、チームワークが強調され、異なる分野の専門家集団が一体となってプロジェクトに取り組んでいる雰囲気に感銘を受けました。この風土は私が求めている協働性とかなりマッチングしています。
入社後は、新しいアイディアや視点をもたらし、お互いに学び合いながら、チーム全体がより効果的に機能するような環境づくりに貢献したいと考えています。
システムエンジニアの志望動機の書き方は以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
例文8選|システムエンジニアの志望動機を新卒でも魅力的に作る方法
柔軟性がある人
プログラマーの志望動機
私はITの分野において柔軟性を武器に、迅速かつ効果的な問題解決に挑戦したいと考え、貴社を志望します。
大学時代のゼミ研究では、初めて触れる技術や新しいツールを用いて限られた期間でプロジェクトに取り組むことがありました。その中で、自分の知識をリセットすることで柔軟にスキルを身に付け、適応力を発揮することができました。この柔軟性が短期間で新しい知識を吸収し、臨機応変にプロジェクトに適用する力となっています。
貴社では、急速に変化するIT環境においても常に最新技術を取り入れて市場のニーズに迅速に対応しており、その柔軟で先進的なアプローチに共感しているため非常に魅力を感じています。
入社後は強みである柔軟性を駆使し、新しいテクノロジーや手法の導入、プロジェクトのスケジュール変更にも臨機応変に対応し、貴社のプロジェクトに付加価値を提供していくことで成長し、貴社へ貢献したいと考えています。
資格を保有していれば客観的にアピールをすることができます。IT系のエンジニアを目指すためには資格は必須ではないですが、基本情報技術者や応用情報技術者を取得しておくとアピール材料になりますよ。
エントリーシート(ES)に記載する志望動機は、企業に与える印象を大きく左右する情報です。こちらの記事ではESの志望動機の作成方法を詳しく解説しているので、ぜひ参考にしながら作成してみてください。
例文12選|受かる志望動機をエントリーシートに書く4つのステップ
面接で答える志望動機は、ESに記載した内容から深掘ったものにすることが求められます。こちらの記事で例文とともに答え方を解説しているので併せてチェックしておきましょう。
面接の志望動機の答え方を10例文で解説! 書類と同じ対策はNG
ものづくり業界で求められる人材の特徴を押さえた志望動機で選考突破しよう!
ものづくり業界の志望動機の書き方について解説しました。ものづくり業界の選考を突破するには、各業種で求められている人材に自分を当てはめて志望動機を作成することが大切になります。
この記事では、求められている人物像のみならず、論理的な文章にするための作成ステップや注意点も解説しました。例文を参考に強みをアピールして熱意が伝わる志望動機を作成して、ものづくり業界への選考突破を目指しましょう。
アドバイザーコメント
平井 厚子
プロフィールを見る時代の特徴を捉えた感性を大切に
かつて日本は「ものづくり大国」として経済成長を実現してきました。ものづくり企業の役員クラスには、企業の成長拡大時代に中核として活躍した人も少なくありません。
しかし今の日本のものづくり企業を取り巻く環境は、様変わりしています。「良いものを作れば売れた」時代から、「売れたものが良いもの」とされる時代になったともいえます。
皆さんは物心がついた頃から低経済成長時代を過ごしてきたと思います。皆さんの感性や当たり前に思っている感覚は、企業の舵取り世代とはだいぶ異なるのではないでしょうか。
加えて、デジタル・ネイティブと言われる世代でもありますね。良いものが売れるとは限らない中で、デジタル技術を使いこなしながら消費者として商品を選択してきた皆さんの感性を、ものづくり企業の志望動機にぜひ活かしてほしいと思います。
普段の生活の中でのちょっとした気付きもアピール材料になる
「こんなのがあったらいいのに」「もっとこんなことができないのかな」「この機能いらないよね」など今の時代の気づきを、応募先で実現したいこととして伝えてみてはどうでしょうか。
もちろん面接官は感性だけでは納得しません。データや論理も必要でしょう。それでもぜひ、今の時代感覚をものづくりに持ち込んでほしいと思っています。応援しています。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/キャリア・デベロップメント・アドバイザー
Rie Kuwata〇2018年にキャリアコンサルタントとして独立。企業対象の研修講師や各学校でのキャリアカウンセラーを経てハローワーク就職支援ナビゲーターを務め、年間約3,000名の相談を受けている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Atsuko Hirai〇ITメーカーで25年間人材育成に携わり、述べ1,000人と面談を実施。退職後は職業訓練校、就労支援施設などの勤務を経て、現在はフリーで就職・キャリア相談、研修講師などを務める
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Masamitsu Uehara〇会社員時代は人事部として3000人以上の学生と面談を実施。大学でも多くの学生のキャリア支援をおこなう。独立後は、就活生からシニア層までさまざまなキャリア相談に携わる
プロフィール詳細