この記事のまとめ
- 設計開発の仕事は「設計」と「開発」に分かれる
- 研究開発や生産技術との違いを理解して自分に合った仕事を選ぼう
- 設計開発で活躍できる人の共通点をキャリアのプロが解説
設計開発の仕事に興味があるものの、似ている仕事との違いや実際には何をする仕事なのかが明確にならず、自分に合った仕事なのか理解できない人もいるのではないでしょうか。
設計開発の仕事は、企業が販売する製品の設計図や製品の試作品を作る仕事です。設計開発の仕事を目指す場合は、仕事のやりがいや注意点を理解しておくと、ミスマッチが防げます。
この記事では、キャリアコンサルタントの野村さん、隈本さん、小峰さんと一緒に、設計開発の仕事内容や活躍できる人を解説します。設計開発への理解を深めて、自分との適性を見極めましょう。
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設計開発は企業の成長に欠かせない仕事! 必要な力を理解しよう
設計開発は企業が利益を出すための製品を開発する重要な仕事です。より良い製品が開発されなければ、企業は成長できません。
また、設計開発の仕事には、ほかに生産技術や設備保全など似た職業があります。似ている職業との違いを理解しておくと、自分の目指す仕事かが明確になるのです。
この記事では、はじめに設計開発の基本情報や混同しやすい職種を解説します。設計開発の仕事を深く理解して、やりたい仕事かを判断しましょう。
その後に、設計開発に必要なスキルや働くうえで得られるやりがいを解説します。就職する前に知っておくべき注意点を理解しておけば、入社後に合わなかったと後悔する確率を減らせます。
記事を最後まで読めば、理想のキャリアをかなえるために設計開発の仕事が自身に向いているかどうかや、実際の就活の進め方がわかりますよ。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
はじめに確認! 設計開発の基本情報
設計開発を目指すか明確にするには、仕事内容やどのような業界に存在する仕事なのか知識を付けましょう。設計開発の仕事は多岐にわたり、どの領域を担当するかによっても仕事内容が変わってくるのです。
ここからは、設計開発の基本情報を解説します。自分がやりたい仕事と相違がないかを確かめ、自分が目指したい仕事かどうかを良く考えましょう。
設計開発の仕事内容
設計開発の仕事は、おもに「設計」と「開発」の2つの領域にわかれます。企業によって、設計開発として一つの部署で仕事をおこなっている場合と、それぞれの部署にわかれているケースがあります。自身がやりたい仕事がはっきりしている場合は、希望する企業が部門をわけているかどうかを確認しておきましょう。
ここからは、設計開発の仕事を「設計」と「開発」にわけて解説します。具体的な設計開発の仕事を理解していきましょう。
新製品の「設計」
設計開発の「設計」は、企業がハードウェアやソフトウェアなどの製品を作る前段階で製品の設計図を作る仕事です。顧客に求められた製品をいきなり作り始めるのではなく、事前に設計図を作ることで、一定の品質を保った状態で製造できます。
たとえば、パソコンのモニターを作る設計図であれば、寸法や使用する素材の種類などが設計図に書かれています。設計図がない状況で作り始めてしまえば、大きさや使用する素材が変わってしまい、製品の仕上がりにバラつきが出てしまうのです。
企業が顧客から信頼を得るためには、常に一定の水準の製品作りが求められます。だからこそ、製品の品質を担保する役割を果たす設計図の存在は重要といえます。
設計の仕事は業界によって求められる知識や技術が異なります。たとえば、自動車業界では機械設計が重要視され、IT業界ではソフトウェア設計が主流です。自分が興味を持つ業界の特性を理解しておくことが大切です。
新製品の「開発」
設計開発の「開発」の仕事は、「設計」段階で作成された設計図をもとに試作品を製作します。設計図に記載された素材を使用し、正しい寸法で作ることで、一定の水準を満たす製品作りをかなえているのです。
製品に必要な部品を調達する方法も、開発の段階で考えます。実際に開発段階で試作品を作って問題ないことを確認してから、工場で製品化するかを判断します。
さらに、実際に作ってみてわかった問題があれば解決したり、コストを削減するために素材の変更を考えたりするのも、開発の仕事です。設計段階ではわからなかった問題を発見し、製品の質を担保することに役立ちます。
- 設計と開発を別々の部署でおこなっている場合と、一つの部署でおこなっている場合には、それぞれどのような特徴や違いがありますか?
扱う製品などによって設計開発のスタイルが異なる
設計と開発は、同一の部署でおこなうことが多いと思います。設計はデザインであり、開発は製作になりますが、開発段階では試行錯誤や設計変更も多々発生するので、設計と開発は同一部署であったほうがスムーズで効率が良くなるのです。
ただ、新規性や研究要素が強い製品を扱っている場合は、設計と開発を別々の部署でおこなうケースもあります。そのような場合は、デザインと製作を別々におこなっていくため、それぞれの専門性が高くなるという特徴があると思います。
逆に、同一の部署でおこなう場合は、製品を形にするまで一連のプロセスを経験できたり、幅広いスキルや技術が必要になったりするという特徴があると思います。
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就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
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設計開発職が活躍するおもな業界
設計開発職が活躍するおもな業界
- 電子・電気機器業界
- 自動車・輸送用機器業界
- IT・ソフトウェア業界
設計開発はものづくりに関係する仕事のため、おもにメーカーといわれる業界に多い職業です。業界によって携われる製品も異なるため、自身が設計開発として作りたいものを作れるかどうかも確認しておく必要があるのです。
ここからは、設計開発職が活躍する業界を3つ解説します。自分のスキルや携わりたい製品に合わせて、適した業界を選びましょう。
電子・電気機器業界
電子・電気機器業界は、携帯電話やネットワーク機器をはじめとしたデジタル家電を取り扱う業界です。なかでも携帯電話は年々進化を遂げていて、カメラが複数あったり、モニターが二画面だったりと、ユーザーが使いやすいよう改良を重ねられています。
設計開発が電子・電気機器業界でものづくりをする場合は、すでにある製品に代替え部品がないから作り替えるパターンや、顧客向けにカスタマイズするケースがあります。この場合は一からものづくりをするわけではなく、既存の製品をもとに新しい設計書を作るのです。
電気・電子機器業界は世の中の製品の入れ替わりが早いため、顧客の要望に合わせたタイムリーな設計や開発が求められます。スピード感のある業界のため、自身が考えた製品がリリースされたときの達成感を何度も得られるのがメリットです。
電子・電気機器業界の設計開発は、新製品の創出や技術革新の核となる重要な役割を担います。高性能化、省エネ、ユーザビリティの向上など、競争力のある製品を生み出し、業界の成長を支える要となる職業です。
自動車・輸送用機器業界
新しい自動車や輸送機器を作る場合は、製品を購入するターゲット顧客のニーズを定めたうえで商品企画を考えます。外装はデザイナーが考えますが、内部の構造やエンジンの設計を考えるのは設計開発の仕事です。
開発した製品はパーツごとに実験が繰り返され、燃費や操作性などユーザーに直接関係する部分の研究をおこないます。試作車を製作したら、製品化に向けてコースでのテストを繰り返すのです。
自動車は構造が複雑なため、一つの製品を考えるだけでも多くの時間を要します。ユーザーの手元に渡るまでに時間を要するものの、自動車・輸送用機器業界の設計開発になれば人々の生活インフラにかかわる大きな仕事ができるのです。
自動車・輸送用機器業界における設計開発は、とても重要な役割になります。人の命にかかわる製品でもあるため、その性能や耐久性、安全性などを担保するために、厳密な設計と精度の高い開発が求められるのです。
自動車業界を目指す場合はビジネスモデルやトレンドまで詳しく理解しておくと、選考が突破できる確率が高まります。下記の記事では、自動車業界に特化した志望動機の書き方も解説しているため、ぜひ参考にしてください。
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IT・ソフトウェア業界
IT・ソフトウェア業界では、Webシステムやアプリケーションなどの設計や開発をおこないます。ブラウザ上で操作するソフトウェアからテレビやエアコンなどの組み込みシステムまで幅広い業務があるため、自分の作りたいものに合わせた企業選びが重要です。
IT・ソフトウェア業界の設計開発の仕事は、顧客の求めるソフトウェアのヒアリングから始まります。納品後も運用に役立つ新しいシステムがあれば追加で作業をおこない、より良いシステムにしていくのです。
ソフトウェアの開発は目に見えないものを作るため、完成イメージの齟齬が起きないよう顧客の求めるニーズとの擦り合わせが欠かせません。万が一希望と違うものを作ってしまえば、作り直しになる可能性もあるからです。
IT・ソフトウェア業界の設計開発は、主に顧客の要件をヒアリングし、それに合致するシステムやアプリケーションを設計・開発します。
物理的な製品を作る業界とは異なり、ソフトウェアの開発が中心で、抽象的な要求を具体的な仕様に落とし込む力が求められます。
IT・ソフトウェア業界の設計開発を目指す場合は、あらかじめITの仕事への知識を付けておくと業界への理解が深いことを伝えられ、選考突破できる確率が高まります。下記の記事ではIT業界の仕事内容を詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
ITの仕事
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かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
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気になる設計開発職のキャリアや将来性は? 就職支援のプロが解説
設計開発職の概要が理解できたかと思いますが、就職時には仕事内容だけでなく、その先のキャリアや動向まで把握しておくことが重要です。将来の姿までイメージして、入社後のギャップや後悔を防ぎましょう。
ここではキャリアコンサルタントの小峰さんに、設計開発職のキャリアパスや将来性について聞いてみました。ぜひ参考にして理解を深めてくださいね。
アドバイザーコメント
小峰 一朗
プロフィールを見る設計開発職のキャリアパスは専門家から管理職までさまざま
設計開発職のキャリアパスについては、さまざまな選択肢が広がっています。大きく分類すると、設計開発の専門家としてのエキスパートの道、管理職や経営層といったマネジメントの道、ほかの職種へのキャリアチェンジの道、などが考えられます。
エキスパートの道については、設計や開発の技術的なスキル習得やさまざまな経験を積みながら、専門家として成長していくイメージです。将来的にはプロジェクトリーダーになったり、スキルや知識を教えていくような指導的な役割を担っていくこともあります。
人事・教育などへのキャリアチェンジを目指す人もいる
マネジメントの道については、設計開発の経験をある程度積んだのち、管理職を経験し、経営層へとキャリアアップしていくイメージになります。
また、キャリアチェンジの道については、設計開発の経験をベースに新たな適性や能力・価値観などの自己理解の深まりにより、ほかの職種に変わっていくイメージになります。
たとえば、人を支援することに価値を感じて人事や教育関連の部署に異動する人がいたり、現場でのものづくりに興味が芽生えて製造や生産管理の部署に変わっていくこともあります。
違いを正しく理解しよう! 設計開発と混同しやすい職種
設計開発と混同しやすい職種
- 研究開発
- 生産技術
- 設備保全
設計開発の仕事は企業が売り上げを作るために必要な製品作りを一からおこなう仕事です。しかし、企業でものづくりを担当する部門は細分化されており、それぞれの違いを理解しないまま目指してしまうと、「思った仕事ではなかった……」と早期退職につながる恐れがあります。
ここでは、設計開発と混同しやすい職種を3つ解説します。自分が目指したい職業に近しい仕事がどれかを理解し、目指す職種を良く考えてみましょう。
研究開発
研究開発は、設計開発に至る前の段階で、企業が販売する製品を作るための研究をおこなう仕事です。企業がすでに作っている製品をさらに研究し、改善できるポイントや新しい製品作りに役立てます。ほかにも、顧客が必要としている製品を考え、まったく新しい製品を考えることもあります。
一方で設計開発は、研究開発で得られた知見やノウハウをもとに、製品の設計や試作品の開発をおこなうのです。さらに、製品作りのための設計書を考え、製品のサイズや使用する材料を明確にします。
ただし、企業によっては研究開発と設計開発の部署をまとめている場合もあるため、入社する企業によっては両方の仕事を任せられることもあると理解しておきましょう。
研究開発の仕事は、設計開発とは異なるメリットやデメリットがあります。その点も理解しておくと、より自分に合った仕事を見つけられます。下記の記事では研究職について詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
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研究職ってどんな仕事? 狭き門を勝ち抜くための志望動機例も紹介!
研究職を志望する場合は、仕事内容や適性の理解が必須です。また研究職のメリットデメリットも押さえておきましょう。この記事では研究職に向いている人の特徴や研究職に就くコツをキャリアコンサルタントが解説します。志望動機例文も紹介するので参考にしてください。
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研究開発職は、理論や基礎技術の探求が主な業務であり、長期的な視野で新技術の創出に挑む仕事です。未知の問題に対する高い探究心や創造力が求められ、技術の先端を切り開くことに興味がある人に向いています。
生産技術
設計開発が工場で製品を作るための試作品を作るのに対し、生産技術は実際に工場で製品を作るためのラインを考えます。製品を効率良く安全に生産するために必要な設備を考え、ラインを設計や設置をしています。
また、実際に工場で生産を開始してみて、ラインの改良が可能であれば改善点を洗い出すのも生産技術の仕事です。より効率的に製品を製造できるように、常に改善点を考えます。
製品化までのプロセスとしては、設計開発が試作品を作り、生産技術は販売する製品を作るためのラインを考えるという流れです。生産技術は製品化にあたり効率化できる部分やコストを考える必要があるため、製品作りを支える役割になります。
下記の記事でさらに詳しい仕事内容や志望動機の書き方まで解説しているため、ここまでの解説で生産技術に興味を持った人はぜひ参考にしてください。
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生産技術職の志望動機例文5選|やりがいや他業種との違いも解説!
生産技術職の志望動機は、企業での重要性や役割を理解すると深みが増します。この記事では、生産技術職の志望動機を書く順番や似た業種との違いをキャリアコンサルタントと解説します。生産技術職の志望動機に悩む人は、ぜひ参考にしてください。
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あなたが受けない方がいい職業を確認しよう!
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
設備保全
設備保全は、設計開発が考えた製品を生産技術の作ったラインで製造する際、ラインが安定かつ安全に稼働しているかチェックする仕事です。
工場のラインには人がおこなう作業だけでなく、多くの機械が導入されています。工場で事故が起きれば生産ラインがストップするだけでなく。人的被害が出る恐れもあります。だからこそ、事故が起きないよう定期的な点検をおこなう設備保全は重要な存在です。
万が一工場でトラブルが起きた場合は、設備保全は早期に改善する必要があります。工場では毎日どの程度の製品を作るか定めていて、予定数を作れないと生産計画が崩れてしまうのです。
設備保全がいるからこそ、設計開発が考えた製品が無事に顧客の手に渡ります。
設計開発職は、製品の品質を作り込むことがとても重要な役割となります。研究開発したものを実際に作り始めるフェーズになるため、しっかりとした設計図や部品選定により品質を十分に確保する必要があります。
持っていると役立つ! 設計開発に必要なスキル
設計開発に必要なスキル
設計開発の仕事を目指すのであれば、選考時にアピールできるスキルを理解しておきましょう。設計開発は企業の成長に重要な役割となり、仕事が進まなければ製品ができあがらず売り上げを上げることができないのです。
ここからは、設計開発に必要なスキルを5つ解説します。現時点でスキルを持っていないのであれば、選考までに身に付けましょう。
新しい製品を考えるクリエイティブな思考力
設計開発は、市場に求められている商品を考え、ほかにない製品を開発しなければなりません。今世の中にある製品を真似でいるだけではほかの企業と差別化ができず企業は存続できなくなるため、他者にはないオリジナリティのある製品を考える必要があるのです。
新しい製品を作るには、既存の商品とは違う商品を思い浮かべられるクリエイティブな思考力が欠かせません。今ある製品をもとにするとしても、どの部分を改善するべきなのか考える必要があります。
クリエイティブな思考力を身に付けるためには、さまざまな事柄に興味を持つことが重要です。書籍を読んだり芸術に触れたりして自分の知識量を増やすことで、あらゆる視点からアイデアを生み出す能力が身に付きやすくなります。
- 新しいアイデアを考えるのが苦手なのですが、設計開発には向いていないのでしょうか?
今ある技術を改善することも立派な設計開発の仕事
新しいアイデアを考えるのが苦手だからといって、設計開発職に向いていないとは限りません。設計開発は、新しいアイデアだけでなく、既存の技術を活用して改善することも非常に重要です。
アイデアを形にする過程では、実現可能性の検討や細部の調整、問題解決能力が求められるため、論理的思考力や綿密な作業能力などが設計開発において貴重なスキルとなります。
また、アイデアはチームで共有し、他者との議論を通じて磨かれていくことが少なくありません。個人ですべてを完璧に考え出す必要はなく、大切なのは周りと協力してともに課題に取り組む姿勢です。
アイデアを実現するCADやプログラミングのスキル
思い浮かんだアイデアを製品として実現するには、CADやプログラミングを利用できるスキルが必要になります。
CADとは、建築業界や服飾業界でも利用される設計や製図を支援するソフトウェアの総称です。設計開発では、ハードウェアの設計をするときにCADを使います。
一方で、ソフトウェアの開発をするときはプログラミング技術が必要です。製品の設計図の内容をもとに、実際にプログラムを作成します。プログラミングにはさまざまな言語があり、どの言語が必要になるかは勤める業界により異なるため注意しましょう。
目指す業界が製造業であればCADのスキル、IT系であればプログラミングのスキルを身に付けておくと目指す職業に就きやすくなります。
設計開発として働く場合、CADツールではAutoCADやSolidWorksがよく使われます。プログラミング言語は、機械系ならC/C++、IT系ならJavaやPythonが役立つことが多いです。業界や職種に応じたスキルを磨くと良いでしょう。
顧客のニーズを理解するコミュニケーション能力
設計開発には、必要とされる製品を開発するために、顧客のニーズを理解するコミュニケーション能力も求められます。顧客のニーズを理解せずに設計をおこなえば、意図とまったく違うものを作ってしまい、完成するまで余計な時間がかかってしまいます。
コミュニケーション能力は設計段階だけでなく、開発段階でも必要です。社内や顧客とスムーズなやりとりをするためにも、コミュニケーション能力は欠かせません。ヒアリングによって相手のニーズを適切に引き出し、それを製品に落とし込む必要があるからです。
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受けない方がいい職業を診断しよう
就活で大切なのは、自分の職務適性を知ることです。「適職診断」では、あなたの性格や価値観を踏まえて、適性が高い職業・低い職業を診断します。
就職後のミスマッチを避けたい人は、適職診断で自分に合う職種・合わない職業を見つけましょう。
- 自分に合う職業がわからない人
- 入社後のミスマッチを避けたい人
- 自分の強みを活かせる職業を知りたい人
納期を守るスケジュール・タスク管理能力
新製品を作り出す仕事だからといって、新しいアイデアや納得いく製品ができるまで好きに時間を使えるわけではありません。設計開発の仕事にも納期があり、決められた期限までに顧客に納品することが求められます。
始めは余裕のあるスケジュールだと思って進めていても、作業が思うように進まず納得いかない仕上がりになれば、修正で納期に追われる可能性があるのです。納期を守れなければ会社の信頼を失ってしまい、次回以降の依頼が途切れる恐れもあります。
だからこそ、決められた納期で求められた品質の製品を納品するスケジュール・タスク管理能力は、設計開発にとって欠かせないスキルといえます。
グローバル対応に必須の英語力
勤めている企業がグローバル展開している場合は、設計開発職もビジネスシーンに役立つ英語力が求められます。海外の顧客のためにハードウェアやソフトウェアを開発する場合は、顧客の要望を英語で聞き取る必要があるからです。
会社によって求められるレベルは異なるものの、専門用語や最低限のやりとりをこなす能力は求められます。ビジネスの場面で求められる英語力は、TOEICで言うと600点です。さらに、ビジネスシーンで問題なく会話するためには、TOEIC700点程度の英語力が必要になります。
外資系企業とやりとりする会社を目指す場合は、英語力にも磨きをかけましょう。
設計開発では、最新技術の情報や資料が英語で提供されることがあり、一定の英語力が求められます。
また、企業によっては海外との協働や技術交流などもあるため、英語力は情報収集やコミュニケーションに役立ち、キャリアの幅を広げる鍵となります。
就活の場面で英語力を持っていると、選考でのプラスポイントになります。今は英語力に自信がない人でも、今から身に付けることは十分可能です。
就活での英語の重要性や求められるレベルについては、下記の記事を参考にしてみてください。
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英語力は就活への影響大! 求められるケースとレベルを徹底解説
就活において英語は強力な武器になります。英語が採用条件もしくはプラス評価になるケース、求められる英語力などについて現場のプロであるキャリアコンサルタントと解説します。より良いキャリアを選択するためのカギにしてください。
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また、外資系企業に勤める場合はより一層英語力が重視されます。下記の記事では外資系企業と日系企業の違いや選考対策も解説しているため、目を通しておくと安心です。
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外資系と日系の違いとは? 働く際のメリデメや早期の選考対策も紹介
日系企業とは異なる文化を持つといわれる外資系企業。給与の高さや独自の文化が特徴ですが、実際のところ外資系企業とはどんな企業なのでしょうか。記事では、キャリアコンサルタントが外資系企業の種類や就職するメリット、向いてる人の特徴を解説します。
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人気の理由はさまざま! 設計開発のやりがいや魅力
設計開発のやりがいや魅力
- 製品の設計に一から携われる
- チームで達成感を得られる
- 自身が開発した製品が人々の生活を豊かにする
- 平均年収が高い
設計開発の仕事は、決められたスケジュールのなかで高い品質の製品を作り上げる必要があるため大変だと感じる場面もあるかもしれません。しかし、その分企業にとっても重要度が高く、やりがいや魅力に溢れた職業と感じる人が多いのも事実です。
ここでは、設計開発として働くやりがいや魅力を4つ解説します。自分が魅力的に感じるかどうかを踏まえて考え、設計開発に対する適性を見極めましょう。
製品の設計に一から携われる
設計開発の仕事は、ソフトウェアやハードウェアにかかわらず、製品の設計段階から携われます。さらに、自分が一から製作に携わった製品が世に出て数多くの人の手に渡れば、人の役に立つ機会が増えモチベーションも高まります。
また、自分が考えた製品が形になっていく様子は、ものづくりが好きな人にとってたまらないやりがいになります。仕事にやりがいを感じられれば、日々の業務で難しい壁に直面しても製品を完成させるために努力できる可能性が高まるのです。
ものづくりにかかわる仕事でも一から携われる職業は限られているため、製品ができていく過程にやりがいを感じる人であれば設計開発として楽しく働けます。
チームで達成感を得られる
チームで一つのものを作った経験は、一人でものづくりをする経験とはまた違った経験を得られます。
設計開発の仕事は、設計から開発まですべての作業を一人でおこなうことは多くありません。ほとんどの場合は、部署内で協力し一つの製品を作り上げていきます。ほかにも、営業部や生産技術職など、設計開発の部署内とも力を合わせる場合もあるのです。
ときには、意見がぶつかってしまい解決までに時間がかかるときもあるかもしれません。しかし、製品が無事に完成し世に出れば達成感を感じやすいのが設計開発の特徴です。
- チームで一緒に仕事をするのに苦手意識があります……。設計開発になるのは難しいでしょうか?
個人の技術力を武器にしてチームに貢献しよう
チームでの仕事に苦手意識があっても、設計開発として活躍することは可能です。まず、自分の強みや専門性を活かし、チームに貢献する姿勢を持つことが大切です。
設計開発は個々の専門知識を集めて一つの製品を完成させる仕事なので、自分の役割を明確に理解し、その部分でチームに貢献することを心掛けましょう。
また、コミュニケーションスキルを徐々に磨く努力も重要です。チームの人の意見を聞いたり、報告・連絡・相談(ホウレンソウ)を徹底して注意することで、信頼関係が築けます。
最初は難しいと感じるかもしれませんが、経験を積むうちにチームでの仕事にも慣れていきます。自分の成長を信じ、少しずつ克服していく姿勢が求められます。
自身が開発した製品が人々の生活を豊かにする
設計開発はものづくりに一から携われる仕事であり、作ったものは人々の生活を豊かにします。たとえば、ロボット掃除機を開発すれば、人々は毎日掃除する手間から解放され、空いた時間を好きに使えるという形で価値を生み出せるのです。
このように、自分が作った製品が誰かの役に立てば、「作って良かった」「次も頑張ろう」と仕事に対して高いモチベーションを得られます。
製品は形の残るハードウェアから目に見えないソフトウェアまでさまざまですが、どの製品も他者の役に立つということは変わりません。そのため、どの業界に勤めたとしても、好きなものに携わりつつ人の役に立つ仕事ができます。
やりがいを感じながら仕事に取り組むことで、世の中だけでなく自分自身も豊かな気持ちで働けるようになります。仕事にやりがいを見つけるためにも、自分が楽しいと感じることを理解するところから始めましょう。
下記の記事では仕事でやりがいを見つける方法をステップ別に解説しているため、入社後の姿をイメージしながらチェックしてみてください。
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やりがいで働き方が変わる! 見つけ方を3ステップで解説
やりがいは働き方に大きな影響があります。記事ではキャリアコンサルタントと一緒に、やりがいが見つけられない原因と、見つけるための3ステップを解説しています。やりがいがどうしても見出せないときの対処法も紹介しているので参考にしてください。
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ESで悩んだら就活準備プロンプト集がおすすめ!
『就活準備をもっと効率よく進めたい...!』と思っていませんか?「就活準備プロンプト集」は、生成AIを活用して自己PRや志望動機をスムーズに作成できるサポートツールです。
簡単な入力でプロが使うような回答例が出せるため、悩まずに就活準備を進められます。生成AIを活用して効率良く就活準備を進めたい人におすすめです。
- 自己PR、ガクチカ、志望動機作成プロンプト
- チャットを使用した、模擬面接プロンプト
- 自己PRで使える強み診断プロンプト
平均年収が高い
厚生労働省が運営している職業情報提供サイトjobtagによると、設計開発職に含まれる機械設計技術者の年収は約612万円となっています。これは、国税庁の令和4年分民間給与実態統計調査で発表されている日本の平均年収458万円と比べると高めの傾向です。
一方で、同じく厚生労働省が運営している職業情報提供サイトjobtagによると、CADオペレーターの年収は約452万円となっています。同じ設計開発でも職種によって年収が大きく異なることがわかります。
設計開発の仕事は勤続年数が長くなるほど年収も高まる傾向があるため、長く勤めれば平均年収を上回る可能性もあるでしょう。
きついって本当? 設計開発職として働く注意点
ここまでで、設計開発はやりがいや魅力の多い職業であることを解説しました。一方で、設計開発の仕事をしたいのなら注意点も把握しておきましょう。
注意点を理解しないまま設計開発を目指してしまうと、無事に入社できたとしてもミスマッチを感じて早期退職してしまう恐れがあります。
ここからは、設計開発職として働く際の注意点を解説します。内容に目を通し、前述のやりがい・魅力とのバランスを考えてみましょう。
仕事の納期に追われる場合がある
設計開発の仕事は、顧客に製品を納品する日程が決まっており、期限までに顧客が納得する品質に仕上げなければいけません。納期が近付いても製品の質がともなっていなければ、残業が必要になる場合があります。
勤務時間が長引くにつれてプライベートの時間が減ってしまい、人によってはストレスを感じるかもしれません。長時間労働には体力が必要なため、設計開発として働く強い熱意や覚悟がないと、入社してから後悔する可能性があります。
設計開発の仕事は納品が済めばまた次の製品開発が始まるため、常に納期がついて回ります。設計開発は、状況によってはやや労働時間が長引く可能性があると理解しておきましょう。
- 部活動でスポーツをやっていたので体力には自信があります! 設計開発ではアピールポイントになりますか?
体力があることは設計開発の仕事で重要なポイントの一つ
体力に自信があることは、設計開発職でも大きなアピールポイントになります。特に、長時間の集中力が必要な作業や、プロジェクトの進行に伴う忙しい時期には、体力があることでパフォーマンスを維持しやすいといったメリットがあります。
応募書類や面接でアピールする際は、スポーツで培った持久力やメンタルの強さ、チームワークの経験が仕事にも役立つ点を具体的に説明しましょう。
注意点としては、体力があることだけでなく、それを設計開発の業務にどう活かせるかを明確に伝えることです。たとえば「困難なプロジェクトにおいて粘り強く取り組める」「疲れを感じずに集中できる」などといった点を強調すると良いでしょう。
製品にトラブルがあれば対応に追われる
無事に納期までに納品ができたとしても、いざ顧客側でテストしたときや製品が世に出てからトラブルが起きれば、原因解明のために対応に追われる可能性があります。一度世に出たものであればなるべく早く解決しなければ、より多くの人の手に渡りトラブルが大きくなる可能性もあるのです。
また、トラブルが起きた場合は、原因を解析した資料の作成が求められる場合もあります。ただトラブルの解決方法が分かれば良いわけではないため、顧客に納得してもらえるよう問題点と改善点をまとめた資料を作る能力も求められます。
製品のトラブルは、必ずしも落ち着いた時期に起きるとは限りません。場合によっては、ほかの製品を開発しながら、同時並行でトラブル解明の時間を作る必要が出てきます。
他部門との連携を密にする必要がある
設計開発の仕事は部署内で完結するものではないため、自部署内や他部署との連携は欠かせません。設計開発が仕事をするには顧客にヒアリングをおこなったり、納期管理をしたりする営業の存在が欠かせないからです。
ほかにも、製品化までの流れをスムーズに進めるためには研究開発や生産技術の人とも、満足いくクオリティに仕上げるためのコミュニケーションが必要になります。
自分一人では製品を作ることができないからこそ、他部署と連携して仕事を進めることが大切です。連携時にトラブルが起きないよう、普段からかかわりを持ち、お互いを理解しておく必要があります。
自分の作りたいものが作れるわけではない
設計開発はものづくりに携われる仕事ですが、自分が作りたいものを自由に作れるわけではありません。あくまで顧客や市場が求めている製品を分析し、ユーザーに喜ばれるものを作らなければいけないのです。
設計開発に入社できたからといって、自分が作りたい製品を作れると思っていると、思うように仕事ができず不満を感じる可能性があります。働くうえで不満があると、モチベーションを維持するのも難しいのではないでしょうか。
設計開発の仕事は企業が利益を得るために必要な製品を作ることという点を理解しておかないと、仕事内容のミスマッチに悩んでしまう可能性が高まります。
自分の作りたいものを提案することはとても良いことです。ただ、そのときの状況やタイミングによってすべてが採用されるわけではないということを理解しつつ、中長期的に継続した提案をおこなっていくことがとても大切です。
つまらないと感じる人もいる
設計開発の仕事はオフィス内でおこなう場合がほとんどであり、納得できる設計図や製品ができるまでトライアンドエラーを繰り返す必要があります。簡単に納得いく製品ができないからこそ、すぐには達成感を得られず仕事自体をつまらないと感じてしまう可能性もあるのです。
設計開発の仕事は一日で結果が出るものではないため、やりがいや達成感が毎日得られるわけではありません。一つの仕事をコツコツ続けるのがつらいと感じる人だと、設計開発自体が向いていない場合もあります。設計開発の仕事がつまらないと感じる人の場合は、そもそも向き不向きを考えた方が良い場合もあるのです。
一つひとつの作業に興味を持ち楽しみながらできる人でないと、設計開発の仕事を楽しく感じない可能性があると認識しておきましょう。
アドバイザーコメント
隈本 稔
プロフィールを見る技術力で世の中に貢献できるのが設計開発の魅力
設計開発はアイデアを形にし、実際に製品を世に送り出す達成感が非常に大きい職業です。自分のかかわった製品が市場に出回り、人々の生活の豊かさに貢献できるのは、設計開発ならではの喜びです。
また、技術革新の最前線で働くことができ、常に新しい知識やスキルを習得する機会があるため、成長意欲が高い人には非常に充実感を得られる環境でもあります。
時にはハードワークが求められることもある
一方、大変な面もあります。設計開発では、納期や品質に対するプレッシャーが常にあります。特に、顧客の要求が変わったり、技術的な問題が生じたりした場合、柔軟かつ迅速に対応する必要があり、ストレスを感じることも少なくありません。
また、細部にわたる精度や信頼性が求められるため、集中力や忍耐力が必要です。さらに、プロジェクトの進行状況によっては、長時間の作業や休日出勤などが求められることもあります。
設計開発は、研究職と違って現実的な問題解決が求められる職種です。挑戦的な環境で自身のスキルを磨き、成果を実感したいならば、非常に魅力的なキャリアパスとなるでしょう。ただし、自身の適性や働き方のバランスも考慮しながら、長期的な視野でキャリアを考えることが大切です。
自分に合うか見極めよう! 設計開発が向いている人の特徴
設計開発が向いている人の特徴
- ものづくりが好き
- 問題点を深掘りできる
- コツコツとした作業が好き
- 常に探究心を持って自発的に学べる
設計開発の魅力ややりがい、注意点を理解したうえで、実際に目指してみたいと考える人もいるのではないでしょうか。自分に適性があるか理解しておけば、設計開発として活躍できるかが明確になります。
この章では設計開発に向いている人の特徴を4つ解説します。自分に設計開発職の適性があるかを見極め、希望職種に選ぶか決めましょう。
ものづくりが好き
設計開発に向いている人は、なんといってもものづくりが好きな人です。設計開発は製作する製品の設計段階から携われるため、自分が考えた製品を世に送り出すことができます。
ものづくりに携われる仕事は数多くありますが、設計段階を任せられる仕事は限られます。一から作り上げた製品が人の役に立つ設計開発は、ものづくりが好きな人にとって大きなやりがいとなるでしょう。
また設計開発の仕事は、一つのものが完成するまでにさまざまな技術や知識を利用するため、仕事をしながら新しい知識も身に付けられます。ものづくりに対する知的好奇心が旺盛な人であれば、楽しみながら設計開発の仕事ができるでしょう。
ハンドメイドやDIYなどの趣味で培った細部へのこだわりや問題解決力、試行錯誤の能力も、設計開発で強みになります。未経験でもこうした経験を活かすことで、設計開発に挑戦する際のアピールポイントとして役立つでしょう。
問題点を深掘りできる
設計開発職として働く場合は、世の中に今までなかった製品を考えることも多いです。新しい製品を作り上げるには、今まで実現できなかった理由や実現するためには何を努力したら良いか深掘りして考える必要があります。
また、一度完成した製品でも、トラブルが起きれば問題点を洗い出し原因を突き止める必要があるのです。問題が起きた理由を明確にした後も、解決に向けた対応を求められます。
このように、ものづくりが好きという気持ちだけでなく、さまざまな視点から物事を見て深掘りできる人に、設計開発は向いています。
問題解決能力は、大学でのゼミ活動や卒業研究のテーマ、アルバイトやサークルで発生する問題の解決など、直面した課題に対する答えや対応策の仮説を立て、実証するための検証を繰り返すことで磨けます。
問題解決能力を鍛える方法がわからない人は、下記の記事でも詳しく解説しています。手順別に解説しているため、実際におこなってみましょう。
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コツコツとした作業が好き
設計開発の仕事は、基本的にはオフィスでの設計作業や製品化に向けた開発作業が主となり、営業やサービス業のように体を動かしておこなうものではありません。設計した仕様通りに製品が動くよう、コツコツとした作業を求められます。
設計開発の仕事は一つの製品に時間をかけて進めていくため、一日のなかで大きな変化は少ないです。そのため人によっては、毎日机に向かっておこなう作業は代わり映えがなく、ストレスを感じる場合もあります。
コツコツとした作業を進めることを楽しく感じる人であれば、設計開発の仕事に向いています。
- 設計開発では一つの製品にどれくらいの時間をかけるのでしょうか?
既存製品か新規製品かによって設計開発の期間には差がある
設計開発で一つの製品に時間にかかる時間は製品により大きく異なりますが、短い場合だと2〜3カ月、長い場合だと2〜3年かけて設計開発をおこなうこともあります。
短いものは、既存の製品を改良したり、後継機種を開発するようなケースですね。長いものは、新規で開発する製品であったり、複雑で大きなシステムを開発するようなケースとなります。
常に探究心を持って自発的に学べる
世の中にある製品をより良くしたり、今までなかった製品を作り上げたりするには、知的好奇心が欠かせません。設計開発として働くならさまざまな物事に興味を持てなければ、顧客の問題を適切にが解決できず、仕事に行き詰まることが多くなる可能性があります。
物事に探究心を持つには、仕事以外のプライベートでも興味を持って行動することが必要です。「何となく」でおこなっていた行動も、深掘りして考えればさらに便利な製品が生み出せるかもしれません。
このように、設計開発の仕事をうまくいくためのヒントは生活のなかに数多くあります。自発的に物事を調べて学べる人であれば、製品化に必要な知識も身に付き、結果を出しやすくなります。
キャリアのプロが解説! 設計開発で活躍できる人の共通点とは?
ここまでで、設計開発の仕事内容や向いている人の特徴などを解説しました。しかし、実際自分が働いたときに活躍できるかがわからず、実際に目指すかどうかを決断するのはまだ抵抗がある人もいるかと思います。
そこでここからは、キャリアコンサルタントの野村さんに設計開発に就職して活躍できる人の共通点を解説してもらいます。共通点に当てはまらない場合はどのように努力すれば良いかも解説するため、ぜひ参考にしてください。
アドバイザーコメント
野村 芳克
プロフィールを見る設計開発で活躍できる人の4つの特徴を押さえよう
設計開発で活躍できる人には、次の4つの共通点があります。
問題解決能力
設計開発では、製品に問題が発生したときや新しい製品を作る際に、迅速に原因を突き止めて解決する力が求められます。
現場作業への適応力
長期間にわたり、一つの製品に対して細かい作業を続けることが多いです。そのため、日々の作業に耐えられる集中力と忍耐力が必要です。
探究心と自発的な学習
常に新しい技術や情報を学ぶ姿勢が重要です。業界の最新情報を追ったり、関連する技術書を読んだりすることで、役立つ知識を得ることができます。
チームでの協力能力
設計開発はチームで進めるため、部門間の協力とコミュニケーションが不可欠です。円滑な連携を図り、問題解決に向けて協力できる力が求められます。
上記のスキルは仕事をこなすなかで自然に身に付くもの
これらのスキルが不足していると感じても、職場での努力や学びを通じて必ず身に付けられます。問題解決能力や現場作業への適応力は、実践を通じて鍛えられ、探究心やチーム協力も、積極的な学びとコミュニケーションの継続で自然に習得できます。
自分の成長を信じて挑戦し続ければ、確実にスキルを向上させることができるでしょう。
納得いくキャリアを築くために! 設計開発を目指す3つのステップ
設計開発を目指す3つのステップ
- 自己分析:設計開発職に就きたい理由を明確にする
- 企業分析:自身に合った企業を見つける
- 選考:設計開発職に活かせるエピソードをアピールする
設計開発の仕事は調べても情報が少なく、どのように目指せば希望する仕事ができ、望む企業に勤められるのか不安を感じる人もいるのではないでしょうか。そういった場合は自己分析や企業分析をおこなえばより深く自分のことを理解でき、目指す職業に就ける可能性が高まるのです。
ここからは、設計開発を目指すステップを3つに分けて解説します。今自分がおこなうべき行動を明確にして、設計開発を目指しましょう。
①自己分析:設計開発職に就きたい理由を明確にする
設計開発を目指すときは、自分がなぜこの職業に就きたいかを明確にしておくと、設計開発を目指す理由が理解できます。自分が設計開発の仕事を目指そうと思ったのには、何か理由があるはずだからです。
漠然と「設計開発」になりたいという気持ちだけだと、ほかの仕事を比べるときに適性がわからず、どの仕事を目指すべきか悩んでしまうかもしれません。自分が将来どうなりたいかをしっかり見定めるためにも、「やりたいこと」や「どんな働き方をしたいか」を明確にしましょう。
設計開発の仕事をしたい理由を説得力を持って伝えるには、自己分析が大切です。興味を持った理由に対して「なぜ」を深掘りしていけば、目指す理由が明確になり志望動機や自己PRに深みが出てきます。
自己分析のやり方は下記の記事でも解説しているため、まずは実施してみましょう。
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設計開発職に就きたい理由を伝える際、だれでも言えるような内容だとありきたりで浅く感じるかもしれませんね。
たとえば「興味があるからです」「ものづくりが好きだからです」といった表面的な理由だけのケースです。「なぜ興味をもったのか?」「なぜ好きなのか?」といった深掘りがあると良いですね。
②企業分析:自身に合った企業を見つける
自己分析を通して企業を目指す理由を明確にしたら、次に選考を受ける企業を絞り込むため、企業分析をおこないましょう。企業のコーポレートサイトに書かれた情報をもとに会社の待遇や企業理念を深掘りしておこなうことで、自分の希望に合っている企業なのか理解しやすくなります。
企業分析をおこない複数の企業を比較すれば、それぞれの企業の特徴が理解でき、自分の希望する企業が見つけやすくなるのです。
人によって収入や福利厚生など、勤める企業に求める待遇は変わってきます。企業分析前だと漠然と「気になる」と思っていた企業も、分析を深めると理想と異なる可能性もあります。
企業分析は適切におこなわないと企業の情報が明確にならないため、以下の記事で正しいやり方を身に付けておきましょう。
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③選考:設計開発職に活かせるエピソードをアピールする
選考時は、自己PRや志望動機に設計開発に活かせるエピソードを盛り込みましょう。一からものづくりをした経験や、完成までに試行錯誤して形にした経験は、設計開発の仕事に就いても役立つものです。
そのエピソードを選考時にアピールできれば、入社してからもその経験は再現性が高いと考えられ、企業に即戦力になると思ってもらえる可能性が高まります。
さらに、入社後はどのような人材になりたいかをエピソードに関係する形で伝えれば、入社後に再現性の高い経験と思われる可能性が高まります。
- 設計開発に活かせるエピソードは、具体的にどのような内容が良いですか?
設計開発職の就活に効果的な3つのエピソードを参考にしよう
設計開発に活かせるエピソードとして、次の3つが特に効果的です。これらのエピソードを活用して、入社後も即戦力としての自信をアピールしましょう。
ものづくりの経験
一から製品を作り上げた経験や、試行錯誤を経て完成させたプロジェクトは効果的です。手作りのプロダクトや、学生時代の研究成果などが具体例として有効です。
問題解決の実績
問題や課題に直面し、それをどのように解決したかを示すエピソードも有効です。トラブルシューティングや改善活動の経験は、設計開発で役立つスキルを証明できます。
チームでの協力
チームで協力して成果を上げた経験も有効なアピールポイントです。チームメンバーとの調整やコミュニケーション能力を示すエピソードは、設計開発チームでの適応力を評価される要素となります。
ものづくりや製造業を志望する場合は、志望動機や自己PRの書き方を理解しておくと採用担当者に刺さる内容が作成できます。下記の記事ではそれぞれの書き方を詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
ものづくり関係の志望動機
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製造業の志望動機例文
例文5選! 製造業の志望動機を魅力的に書く3ステップ
製造業の自己PR
製造業の自己PRは4つの視点が個性のヒントに! 職種別例文付き
設計開発職に興味がある人におすすめのQ&Aも併せてチェック!
設計開発への理解を深めても、実際の仕事内容や仕事に役立つ経験がないと、自分に適性があるのか不安になる場合も多いかもしれません。
そこでこの章では、PORTキャリアに寄せられたQ&Aから設計開発に役立つ内容を6つ紹介します。キャリアコンサルタントのアドバイスを参考にして、自分に設計開発の適性があるのか見極めましょう。
設計開発職として活躍したい理由を自己分析して選考突破を目指そう
設計開発の仕事は、企業が利益を生み出すために欠かせない製品作りに一から携われる職業です。企業によっては設計と開発の部門を分けている場合もあるため、自分がやりたい仕事を明確にしておくとミスマッチが防げます。
また、設計開発を目指すか悩むときは、仕事内容にやりがいや魅力を感じるのか考えましょう。自分の気持ちと向き合うことで、納得いくキャリアを築きやすくなります。
また、設計開発職を目指す場合は、「なぜ設計開発がやりたいのか」を明確にしておくと、採用担当者に思いが伝わりやすくなります。自分が設計開発として活躍する未来を想像して、自信を持って選考に臨みましょう。
アドバイザーコメント
小峰 一朗
プロフィールを見る設計開発はものづくりの重要な部分を担う仕事の一つ
設計開発とは、主に製品の設計図や実際の製品を作る仕事であり、ものづくりの中心となる仕事であり、メーカーの根幹をなす仕事でもあります。
設計開発がどのような仕事か気になっている人は、ものづくりのプロセス全体(企画・研究開発・設計開発・品質保証・保守保全など)をイメージしたうえで、設計開発という仕事の位置付けや必要となるスキル、自分の適性なども踏まえて検討していくと良いと思います。
設計開発を目指すなら思いや熱意を言語化しておこう
また、設計開発を目指そうとしている人は、どのような経緯や理由で設計開発に興味を持ったのかといった観点で仕事に対する理解を深めましょう。
これまでの経験を棚卸しすることで自分の能力や適性を分析し、設計開発という仕事において自分が担いたい役割や仕事に対する価値観などについても言語化しておくと良いと思います。
なお、自身の興味、能力、適性、役割、価値観を明確に言語化し理解しておくことは、今後のキャリアビジョンやキャリアパスを考えていくうえで非常に重要な視点になるので、今からしっかり深掘りしておくことをおすすめします。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表
Yoshinori Nomura〇IT業界・人材サービス業界でキャリアコンサルタントの経験を積む。培ったノウハウをもとに、その後はNPO支援団体として一般企業人の転職相談・就活生への進路相談を担う
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/性格応用心理士1級
Minoru Kumamoto〇就職・転職サイト「職りんく」運営者。これまで300名以上のキャリア相談を受けた実績。応募書類や採用面接の対策支援をする他、自己分析の考え方セミナーを実施
プロフィール詳細キャリアコンサルタント / システムエンジニア
Ichiro Komine〇大手電機メーカーでシステムエンジニアとして従事。若者の人生や成長にかかわりたいと思い、キャリアコンサルタントの資格取得。現在はコンサルティングや自己分析支援をおこなっている
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