この記事のまとめ
- 1分間の自己PRはわかりやすさと惹きつける力が不可欠
- 6ステップで印象に残る1分間の自己PRを作成できる
- 1分間の自己PR例文12選を紹介
- ChatGPT 自己PR作成ツール
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面接で必ずと言っていいほど聞かれる自己PR。中には「1分間で自己PRをしてください」と時間を指定されるケースもあります。そこで「1分にまとめる方法がわからない」「どうすれば1分で話せるんだろう」と、時間制限に悩む就活生もいるでしょう。
特に指定がない場合でも、基本的に自己PRの目安は1分間です。つまり、1分の自己PRをマスターすればあらゆる面接に活かすことができます。
この記事では、キャリアアドバイザーの早川さん、山田さん、富岡さんのアドバイスを交えつつ、1分間の自己PRをマスターするための方法を解説します。1分間の自己PRに悩んでいる人はぜひ参考にしてみてくださいね。
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1分間の自己PRはわかりやすさと短時間で魅了する力が不可欠
1分間の自己PRでよくある失敗としては、時間の制約に意識が向いて必要な情報を伝えきれないというもの。その結果わかりづらくなってしまったり、魅力を伝え切れず悔しい結果に終わることがあります。
記事では、まずは1分間の自己PRで企業が見るポイントを解説。それを踏まえ、伝えるべき情報や、内容作成のコツを解説します。内容を作成できたら、それを確実に1分で伝えられる効果的な練習法も紹介していきますよ。
さらに1分間の自己PRの例文13選を紹介するので、具体的な内容を考える際に確認してみましょう。
1分で作成する前に自己PRの基本を押さえておきたい人は、こちらの記事を参考にしましょう。基本的な自己PRの作り方や対策を解説しています。
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面接の自己PRは独自性のあるエピソードが求められます。キャリアコンサルタントが自己PRで盛り込むべき内容や作成方法を例文と解説。記事を参考に独自性のある自己PRを作成し、他の学生と差別化して面接を突破しましょう。
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こちらのQ&Aでは20秒の自己PRについてキャリアコンサルタントが回答しています。併せて参考にしてみてください。
1分間の自己PRで企業が見ているポイント
1分間の自己PRで企業が見ている点を理解できれば、効率的に対策することができます。
ここでは、企業が見ているポイントを解説します。時間が短い中で、企業が求めるものに過不足なく応えることが、通過率を上げる秘訣です。企業の目線に合わせて準備の方向性を定めていきましょう。
①短時間でわかりやすく伝える能力があるか
まず企業は、1分間という短い時間でも情報を整理し、わかりやすく伝えられるかを見ています。
長い時間をかけてわかりやすく説明できる人は多いです。しかし、短い時間の中でわかりやすく説明するには努力や工夫が必要になります。情報の取捨選択と伝え方の難易度が上がるためです。
社会人は、限られた時間での説明を求められるケースがほとんどです。一緒に仕事をしやすいかという点でも、わかりやすく伝える能力があるか見ていますよ。
面接官は社会人としてのコミュニケーション能力を見るために「短時間でわかりやすく伝える能力があるか」を確認しています。先輩・上司への伝達、顧客へのプレゼンテーションなどさまざまな場面でこの能力が問われるからです。
②短時間で惹きつける魅力があるか
1分間という短い時間の中で伝えられることは限られています。限られた情報で惹きつけられる人かということも企業は見ていますよ。
特に営業職などでは、短時間で惹きつけられなければその後顧客から関心を持ってもらいにくく、成果を出すことが難しくなってしまうでしょう。
上記のような顧客と対峙する職種などは、入社後に活躍できるかという視点で、短時間で惹きつける力があるかを確認されていますよ。
山田 英樹
プロフィール具体的には、初対面であっても相手に警戒心を抱かせない表情、声量、態度を状況に応じて調整していけるか、また、内容面として相手の興味関心がある内容を予測して話しているかが見られています。
1分間でわかりやすくまとめるための4つの鉄則
まず、企業が見ているポイントの1つ目である「わかりやすくまとめられるか」について、実際にどのように自己PRを作成すれば良いのか確認していきましょう。
「まとめる」ということは、必要な情報を取捨選択しつなぎ合わせるということです。ここからはその具体的な方法を解説します。
情報の取捨選択や見せ方に失敗すると、1分間の中で挽回することは難しいため、しっかりチェックしていきましょう。
①文字数を300~400字程度にする
1分間で伝えられる文字数の目安は300〜400字程度です。そのため自己PRを作成する際はその文字数に収まるような情報の見せ方や取捨選択を心掛けましょう。
具体的にどのように文字数を調整すれば良いのか、膨らませる・削るべき箇所などは後述するので参考にしてくださいね。
400字の自己PRの作り方はこちらの記事で詳しく解説しています。併せて確認してくださいね。
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②PREP法を用いる
1分間で自己PRを伝える時は、「〇〇が強みである」といった結論から伝えるようにしましょう。
結論以外の部分から話し出すと、面接官は最も知りたい情報を知る前に多くの情報を聞かされることとなります。しかし、ゴールが見えていない状態で話を聞くと、理解に時間がかかってしまうのです。
まずは結論を話し、面接官が最も知りたいと思っている答えを伝えるようにしましょう。PREP法に則った具体的な構成方法は後述するので参考にしてくださいね。
PREP法は話の全体像をイメージしやすく、企業に好まれやすい伝え方です。この順番があべこべだと「何が言いたいのかわからない」という印象を受けます。
また、Pの結論だけを繰り返して終える人がいますが、理由や具体例がないと「本当の話なのか」と信用を持つことができません。PREP法に則って伝えることを意識しましょう。
③1つのエピソードに絞る
自己PRではできるだけ多くのことを伝えたくなりますよね。しかし1分間で伝えられることは限られています。そのためエピソードが増えれば増えるほどかいつまんで説明する形になり、結局何がアピールポイントなのかがわかりにくくなってしまいます。
したがって、1分間の自己PRでは最も伝えたいエピソードを1つに絞るようにしましょう。
具体的な絞り方は後述するので、参考にしてくださいね。
面接官は何十人、何百人という数の学生を面接しています。ほぼ全員が自己PRについて話すため、全ての内容を記憶することはできません。1分間で1つのエピソードであれば覚えやすく、学生の特徴を掴みやすいのです。
④成果は数字を用いて端的に伝える
自己PRの目的は、入社後に活躍できる人材であることをアピールすることです。1分間の自己PRは、その短い時間の中でどれだけ具体的に活躍イメージを持ってもらえるかが重要になります。
具体的な活躍イメージを持ってもらうためには、強みによって成し遂げられた成果を、数字を用いて説明すると効果的ですよ。
成果を数字で表せないものであれば、他者からの評価など、できるだけ客観的なものを用いるようにしてくださいね。そうすることで、入社後活躍できることを説得力をもってアピールできます。
山田 英樹
プロフィール1分間という短い時間で自己PRをアピールするには、内容に説得力を持たせることが重要になります。内容に説得力を持たせるには、数字を用いて、客観的で具体的な裏付けのある話だということをアピールすると効果的ですよ。
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自己PRはESや面接でよく聞かれる質問の一つ。
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1分間で惹きつけるための4つの鉄則
1分間の自己PRでは、「短時間で惹きつけられる魅力があるか」についても見られています。つまり、1分間で関心を持たせ、かつ他の就活生よりも素晴らしいと認められる必要があります。
ここでは、惹きつけるための具体的な鉄則を解説していきます。すぐに実践できるものが多いため、頭に入れて早めにマスターできるようにしておきましょう。
①表情・視線・しぐさに気を付ける
メラビアンの法則によると、コミュニケーションにおいて最も重視されるのは視覚情報と言われています。
メラビアンの法則
人がコミュニケーションを取る際、言葉や表情、態度が矛盾していると、印象に影響する割合は言語情報が7%、聴覚情報が38%、視覚情報が55%であるとする心理学の法則
そのため、面接、そして自己PRという短い時間で惹きつけるには視覚情報を意識することが大切です。視覚情報を左右するのは表情・視線・しぐさが挙げられます。
具体的には、以下を意識してコミュニケーションをとるようにしましょう。
最低限やっておきたい表情・視線・しぐさの対策
- 面接官の目、もしくは眉間を見る
- 口角を上げる
- 目をしっかりと開く
さらに印象を良くしたい人におすすめの対策
- 眉毛を少し上げる
- 身振り手振りをつける
面接官の中には、1分間という短時間では話している内容そのものよりも、話している際に受ける印象で評価を決めるという人もいます。内容を見ているとしても、1分間で話せる内容には大きな差が出にくいため、特に視覚情報はしっかりと意識しましょう。
猫背だと自信がなさそうに映ってしまうので胸を張るよう心掛けてください。
また、話す時に癖で体を揺らす人がいます。面接官は気になってしまうので、身振り手振りを上手く使いながら、揺れずに話す練習をしてください。
②声のトーン・早さ・大きさに気を付ける
メラビアンの法則によれば、視覚情報の次に重視されるのは聴覚情報であるとされています。聴覚情報をつかさどるのは声のトーン・早さ・大きさなどが挙げられます。
具体的には以下に留意して伝えるようにしましょう。
最低限やっておきたい声のトーン・早さ・大きさの対策
- 通常より少し大きめの声で話す
- 通常よりゆっくりとした早さで話す
- 通常より明るいトーンで話す
さらに印象を良くしたい人におすすめの対策
- 強調したい部分で声を強める
- 強調したい部分の前に少し間を空けて緩急を付ける
内容に差がつきにくい1分間の自己PRでは、視覚情報と同程度聴覚情報も大きな影響を与えるということであり、面接時は上記の点を意識しておくようにしてくださいね。
上記の項目の中でも特に重要なのは、ゆっくりと話すということです。
ゆっくり話すことによって気持ちに余裕が生まれ、次に何を話すのかを思い出すことができるだけでなく、自信があるような印象を相手にもたらすことができるのです。
③アピールポイントを端的に伝えて印象を残す
視覚や聴覚情報は練習すれば誰でもできるようになることから、選考の後半のフェーズや人気企業ではそれらによる印象の差別化は難しくなります。
そのため、1分間の自己PRでは内容面でも差別化し惹きつけることが大切です。ポイントとしては、自身の強みを端的に伝えることです。
「私の強みは課題解決力です」といったように、できるだけ短く、わかりやすい言葉で伝えるようにしましょう。そうすることで、「あの人は課題解決力のある人だったな」と思い出してもらいやすくなります。
キャッチフレーズを用いると効果的
印象に残すには、キャッチフレーズを用いるとより効果的になります。アピールポイントのみを伝えると、どうしても他の就活生と重複してしまう可能性があるためです。
具体的には以下のようなキャッチフレーズを用いて、個性を伝えられるようにしてみてくださいね。
キャッチフレーズを用いて伝える例
- 私の強みは「〇〇サークルのウォルトディズニー」と呼ばれるほどの発想力です。
- 私の強みは「どんな謎も解明できる」分析力です。
- なかなかキャッチフレーズが思い浮かびません。どうやって考えれば良いですか?
山田 英樹
プロフィールターゲットと伝えたいことを明確にすると考えやすい
キャッチフレーズでまず第一に考えるべきことは、「誰に、何を効果的に伝えるキャッチフレーズを作りたいのか」ということです。
ターゲットとなる人がどういう人かをまず明確にして「その人にとって効果的に伝わるものかどうか」という視点で考えてみてください。その人の年齢層や属性によって、伝わりやすい内容は変わってくるはずです。
次に内容として、何を一番伝えたいのかを明確にしてください。自分の強みの中でもどのように伝えたいかは、志望する企業に合わせて考えてみましょう。
たとえば発想力を示すキャッチフレーズとしても、個人として考案するアイデアに焦点をあてるのなら「ウォルトディズニーと言われる発想力」となるでしょうし、組織を構築して事業を推進していく場面での発想力であれば「松下幸之助と言われる発想力」などと考えると良いですよ。
キャッチフレーズの作り方は、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。就活で印象づけるテクニックなのでぜひ参考にしてください。
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キャッチフレーズとは? 就活を制するインパクト抜群の武器の作り方
キャッチフレーズとは? 定義や具体的な効果を解説。さらに、就活におけるキャッチフレーズとは? 有効性や2つの作成方法をキャリアコンサルタントとともに解説します。
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④企業とのマッチ度をアピールする
内容面で印象付けるには、企業と自身がいかにマッチしているかを伝えることも大切です。
皆さんは、共通点が多い初対面の人が強く印象に残った経験はないでしょうか。自己PRも同様であり、「自社にぴったりだ」と思わせられると強く印象付けることができます。
マッチ度をアピールするには、企業研究をしっかりとおこなって特徴を掴み、自身との共通点を伝えることが大切です。業界共通ではなく、その企業独自の特徴であればあるほど強く印象に残ることができますよ。具体的な方法は後述するので参考にしてくださいね。
アドバイザーコメント
富岡 順子
プロフィールを見る面接官の「期待を超える」ことが印象に残る秘訣
普段生活していて、印象に残ったものにはどんな特徴、共通点がありますか。人は自分の想像、期待を超えるものに出会ったときは感動し、強く記憶に残ると言われています。反対に期待を下回った時は不満を感じ、クレームにつながってしまいます。
面接ではクレームが起きることはありませんが、印象を残したいのであれば
面接官の期待(想定)を超えていくような仕掛けを考えてみてください。過去にはスケッチブックを用いた自己PRプレゼンをおこなった人もいます。
感情やこだわりでオリジナリティを出すと印象的になる
自己PRのエピソードでよく用いられるのはアルバイト、インターン、部活・サークル活動、ゼミでの経験です。これら以外の経験であれば珍しさから印象に残る可能性は高まります。
しかし、経験が珍しいからといって、内容で自分の強みをアピールできていなければ意味がないので注意してください。
よく用いられるエピソードはダメなのかというと、そうではありません。面接官に「またか」と思われないように、状況を具体的、論理的に説明しつつ、なぜそのように行動しようと思ったのかという感情の部分や、こだわりを盛り込んでオリジナリティを出すと印象に残すことができますよ。
ここまで1分間の自己PRで惹きつける鉄則を解説しましたが自己PR動画でも共通して部分があります。以下の記事では自己PR動画について詳しくまとめているので参考にしてみてください。
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わかりやすいかつ惹きつけられる1分間の自己PR作成ステップ
では、具体的にはどのようにすれば「わかりやすく、かつ惹きつけられる」1分間の自己PRができるのか説明していきます。
特に、レベルの高い選考や選考の後半のフェーズでは、表情や話し方では差がつきにくく、いかに内容面で他の就活生と引けを取らず、差別化ができるかがポイントとなります。
ここで紹介する方法で自己PRを1分間にまとめ、他の就活生に差をつけられるようにしてくださいね。
①企業が求めている人物像を調べる
まずは企業が求めている人物像をしっかりと調べるようにしましょう。自己PRは企業で活躍できる人材であることをアピールする場です。企業の情報をしっかり把握しなければそのアピールはできません。
具体的には以下の方法で企業情報を見ておくと良いですよ。難易度の低い方法から実践することで、スムーズに人物像を理解できるためおすすめです。
事業内容と仕事内容は詳しく調べましょう。企業理念も大切ですが、短くまとめられている分ほとんどの学生が触れてきます。事業や仕事については調べる時間と手間がかかる分、理解度が深まると他の学生との差別化ができます。
②人柄や強みをアピールできるエピソードを探す
次に、強みを発揮した学生時代のエピソードを思いつく限り洗い出しましょう。最初から良いエピソードを選ぼうとすると、思考にブレーキがかかり、結果良いエピソードが思い出せなくなってしまうことがあります。
最初は細かいことを気にせず多くの案を出し、その中から絞るようにしましょう。これは、ビジネスでも活用されている思考法です。
具体的には以下の方法で、強みを発揮したエピソードがないか探してみましょう。
強みを発揮したエピソードの探し方
- 自分史を作る
- モチベーショングラフを作る
- 友人・家族に聞いてみる
- 学校の成績表を見てみる
強みや長所を探す方法はこちらの記事で詳しく解説しているので参考にしてください。長所短所の対策をまとめています。
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山田 英樹
プロフィールエピソードを振り返る際には、その時の自分の気持ちや印象についても思い出してみてください。
客観的には「普通」に思える出来事であっても、強く印象に残っている出来事があれば、自分にとって重要なことであり、人柄が出ているケースが多いです。
③求める人物像と関連付けられるエピソードを選ぶ
複数洗い出したエピソードの中から、企業の特徴とマッチするエピソードを1つ選びましょう。自己PRは企業で活躍できる人材であることをアピールする場であり、企業の特徴を正確に踏まえて選ぶ必要があります。
具体的には以下の特徴と照らし合わせて、マッチするものを選んでみてくださいね。
企業の特徴の具体例
- 企業理念
- 展開している事業内容
- 仕事内容
ここで1つに絞れない場合は、さらに以下の観点でエピソードを絞ると良いですよ。
さらにエピソードを絞る方法
- 一番時間を使ったことを選ぶ
- 思い入れ強く取り組んだことを選ぶ
- 苦労して取り組んだことを選ぶ
- 役職についた経験を選ぶ
自分で選ぶことが難しい場合は、就職エージェントや大学のキャリアセンターといった就活のプロや、企業のOB・OGに相談してみましょう。そうすることで、面接官に刺さりやすいエピソードを確実に選択できるようになりますよ。
特に、大変だったこと、壁があったけど努力や工夫で乗り越えてきた、という要素が入っているエピソードはアピールできる強みがたくさん含まれていることが多いですよ。
④エピソードからアピールポイントを見つける
エピソードを選択できたら、発揮している強みを一言で言い表せるアピールポイントを見つけましょう。アピールポイントが自己PRの結論部分であり、面接官が最も聞きたい情報となります。
1分間の自己PRは伝えられる情報が限られており、内容面で差別化しにくいことから、結論部分で印象付けることが大変重要です。
よくある失敗として、エピソードとアピールポイントが合っていない、もしくはもっと良い表現があるのにありきたりなものを伝えているケースがあります。印象に残る重要な部分であるため、他の言葉で言い換えられないか検討してみてくださいね。
面接官があなたのことを「テニスサークルのキャプテンだった人」「カナダに留学していた人」など端的に覚えられる内容にすることが望ましいです。わかりにくい説明を続けると、結局どんな人だったのか覚えられないので注意して下さい。
⑤PREP法を意識して組み立てる
ここまでできたら、「結論ー理由ー具体例ー結論」の順番で伝えるPREP法を意識して組み立ててみましょう。
1分間の自己PRは、情報をわかりやすくまとめることが重要であると説明しました。わかりやすくまとめるには、文章の組み立て方が最も大きな鍵を握ります。
具体的には、以下で紹介する順番で伝えられるようにすると、面接官に理解されやすくなります。ここまで整理した情報の見せ方を確認してみてくださいね。
①どのようなアピールポイントがあるか
まず、どのようなアピールポイントがあるかを伝えます。ここがPREP法の結論に当たる部分です。
「私は協調性に強みがあります」「私のアピールポイントは積極性です」など、端的に伝えるようにしましょう。
自己PRの書き出しで工夫をしたい人や周りと差別化したい人はこちらの記事も参考にしてくださいね。
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②アピールポイントを根拠づけるエピソードは何か
次に、アピールポイントを根拠づけるエピソードを述べます。エピソードは以下の構成で述べましょう。そうすることで、強みを発揮した過程をわかりやすく伝えることができますよ。
エピソードの構成
- どのような課題があったのか
- 課題を乗り越えるために何が必要だと考えたのか
- どう乗り越えたのか
山田 英樹
プロフィールエピソードにおいてもPREP法を意識して、まずは概要と結論を述べて端的に要点を伝えること、次に具体例なども交えて話し、具体的なイメージを相手と共有することに気を付けると、面接官の頭に入りやすい内容となります。
③企業にどう貢献できるか
最後に、企業にどう貢献できるかで締めます。企業と自身のマッチ度を伝える部分です。企業の特徴を踏まえて自身のアピールポイントをどう活かせるのか伝えるようにしましょう。
「このようなアピールポイントは御社が現在注力されているデジタル事業に活かせるのではないかと考えています」「このアピールポイントを活かして、顧客第一を掲げる御社に貢献できるのではないかと感じています」といった形で伝えられると良いですね。
⑥300~400字程度に字数を調整する
全体を構成したら、最後は1分間に伝えられる字数である300~400字程度に調整しましょう。特にエピソードの部分が長くなってしまう就活生が多いので注意してください。
具体的には以下のポイントを踏まえて字数を調整してくださいね。
人柄を伝える内容以外は簡潔にする
字数を調整するポイントとして、人柄を伝える内容以外は簡潔にすると良いです。
就職みらい研究所の就職白書2023によると、採用基準で最も重視しているのは就活生の人柄となっています。そのため、人柄については省略せずに伝えるようにしましょう。
成果を出すまでのプロセスで人柄が出ます。そのため、「強みを活かしてどう課題を乗り越えたのか」はしっかりと伝えるようにすると良いですね。
反対に、エピソードの前提や成果の部分は簡潔にしましょう。
いきなり400字の話を考えようとすると難しく感じるかもしれません。初めは付箋にキーワードを書き出し、骨組みを作成したあと、詳しい説明を加えていくと字数の調整がききます。一番伝えたいところはどこなのかを意識し、足し引きしてください。
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これで完璧! 1分間の自己PR練習4ステップ
自己PRの内容が完成したら、練習して1分間で伝えることに慣れましょう。練習を重ねることで自信が生まれ、あなたの魅力が面接官に伝わりやすくなります。
以下で説明するのは、まず1分間で話せるようになり、そのうえで自己PRを魅力的にする練習方法です。
段階を踏んで確実に1分間の自己PRをマスターできるようにしておきましょう。
1日に何十人、何百人の面接をする面接官の立場で言えば、1分というのは集中力を持って話が聞ける理想的な長さです。学生側も1分あれば重要な情報を盛り込むことができます。
そのため、たとえ時間を指定されていなくても、1分間で練習することは大切ですよ。
①時間を測って1分で話す練習をする
最初に時間を計測し1分で話す練習をします。普段時間を意識して話す機会は少ないですよね。時間感覚を身に付けるために練習を繰り返しましょう。
以下は、まずは自然体のスピードで時間を測り、そこから軌道修正していく方法です。最初に自分の癖を把握することができるため、「自分はこうなりがちだから気を付けよう」とポイントを踏まえた練習ができますよ。
1分間で話す練習法
- タイマーを見ながら自己PRを話す
- 1分間に収まるように文字数を調整する
- 1分間で話せるようになるまでタイマーで計測、文字数調整を繰り返す
- タイマーを見ずに時間を測り1分間で話せるか確認する
山田 英樹
プロフィール1分間で話す内容について、パートを分けて把握しながら練習すると、より早く1分間で話せるようになります。たとえば、①概要と結論パート、②具体例も入れて共感を得るためのパート、と分けて構成を頭の中で整理しておくなどが考えられますね。
②動画を見て話し方のイメージを掴む
1分間で話せるようになったら、今度は印象を良くするための練習をしていきます。短時間で惹きつけるためには、視覚や聴覚から良い印象を持たせることが大切です。
自己PRの見本となる動画を探し、話しているイメージを持つようにしましょう。そうすることで目標が定まるため、効率的に練習をすることができますよ。
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③録画もしくは人に見てもらって練習する
イメージを持ったら、実際に録画をする、もしくは人に見てもらって練習をするようにしましょう。面接本番と同様の環境を整えて練習するとより効果的です。
録画をする際は、面接本番の面接官の視界を再現するため、全身が映るようにすると良いですよ。本番がWEB面接なのであれば、上半身が写るようにしましょう。
視覚的、聴覚的な情報や、内容がどう聞こえるのかチェックするための録画になります。そのため、見え方や聞こえ方に問題がないか確認してから録画を開始してくださいね。
④改善点を見つけて練習を繰り返す
録画が完了したら、もしくは面接官役に見てもらったら、改善点をピックアップしましょう。改善点をできるだけ多く見つけ出すことでより良い印象を残すことができるようになりますよ。
具体的には以下の点をチェックすると、わかりやすさや惹きつける力の向上につながります。
視覚情報のチェックポイント
- 眉毛を少し上げられているか
- 目をしっかりと開けているか
- 口角が上がっているか
- 目線は面接官の方を見れているか
- 身振り手振りをつけられているか
- 貧乏ゆすりなどの癖がないか
視覚情報のチェックポイント
- 明るいトーンで話せているか
- ゆっくりとした早さで話せているか
- 聞き取りやすい声量で話せているか
内容のチェックポイント
- 初めて聞く人も理解できる内容か
- 印象に残る内容か
- 1分間の自己PRをマスターするには、目安として練習をどれくらい繰り返せばよいのでしょうか。
不安や苦手意識がなくなるまで繰り返そう
目安の回数があるわけではなく、自分自身が不安や苦手を感じなくなるまで繰り返すことが大切です。
1日ですぐにマスターできるものではないので、毎日15〜30分くらい確保しながらステップアップしていけるといいですね。
項目を載せたチェックシートを作成し、「今週はここをマスターするぞ」と目標を持って取り組むと漏れがなくなり、全てクリアできた時は自信につながります。
マスターした後も面接の予定が入ったら企業に合わせた練習が必要になるので、隙間時間も活用しながら対策をおこなっていきましょう。
アドバイザーコメント
早川 峻
プロフィールを見る他人に聞いてもらうことが最も有効な練習法
1分間の自己PRをマスターするためには、家族や友人、社会人の先輩に頼んでチェックしてもらうことも有効な練習方法です。時間を測ったり動画を撮影することでとにかく1分間で話すことはできますが、その内容自体が良いかどうかは他人に聞いてもらうのが一番です。
相手が聞き取りやすい声の大きさか、トーンはどうか、スピードは、そもそも内容はどうなのか、など率直なフィードバックをもらえると良いですね。
特に「ゆっくり話せているか」に着目しよう
なお、面接本番になると緊張から早口になることが予想されます。そのため、ゆっく話す練習を事前にしっかりとおこなってください。
ゆっくり話しをすることは相手が聞き取りやすくなるだけでなく、自分の気持ちに余裕が出る分次に話す内容を思い出すことができたり、自信があるように相手に見せる効果もあります。
最後になりますが、練習をする時はなるべく本番に近いシチュエーションでおこないましょう。椅子に座って話すこともそうですし、場合によってはリクルートスーツを着るのも良いです。なるべく実戦に近づけることで本番の緊張が和らぎますよ。
1分間の自己PRの例文12選
ここからは、1分間の自己PRの例文を紹介していきます。実際に何を盛り込めば良いのか参考にしてくださいね。
部活動①
まずは部活動の経験を自己PRする例です。部活動経験は、企業で必要とされる、集団で高い目標に向かう経験をアピールできます。
ここで紹介するのは体育会系の部活動のエピソードを用いた1分間の自己PRです。体育会系は「タフさ」を求められるイメージを持つ人が多いでしょう。それを逆手に取り、頭脳を使った強みをアピールできると印象に残りやすくなります。
部活動の1分間の自己PR例文①
私の強みは大学の野球部で発揮した分析力です。
全国大会に出場することを目的としていましたが、練習試合でなかなか成果を出せず、課題に感じていました。そこで、コロナ禍で練習に使える場所が限られ、練習場所が狭くなったにもかかわらず、練習内容を変更していないことに問題があるのではないかと分析しました。
そこで練習場所の狭さを活かし、以下の練習方法に変更しました。
①バッティングはグラウンドではなくバックネットに向かっておこなう
②グラウンドの使い方として、バッティング練習をする場所を決めてから、余ったスペースをピッチング練習の場所とする
①により、バッターはバックネットの線を利用してコントロール力を磨けるようになり、
②により、バッターにぶつからないようにする緊張感とコントロール力が付くようになりました。
結果、部員全員のコントロール力が格段に上がり、「絶対にミスをしない〇〇大学野球部」との名声を得るほどになり、最終的に全国大会に出場することができました。
御社は社会課題の分析と解決を企業理念にしており、私の分析力を活かせるのではないかと考えております。(416字)
山田 英樹
プロフィールこの例文では、具体的に問題を把握し、解決策を考え、効果的に問題を解決した経験がイメージしやすく書かれています。
一点追加するとすれば、解決策を考えるにあたって、部員の間で話し合い、協力した経験もあったはずです。その点も触れれば、より良くなると思いますよ。
自己PRで部活経験をアピールするコツについては、こちらの記事を参考にしてください。高評価を得るコツをまとめています。
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部活の自己PRで高評価を得る必勝法|15例文を役職・部活別で紹介
部活動経験は有効なアピールになる題材の一つ。部活動経験の自己PR方法をキャリアコンサルタントが解説します。役職や部活別で例文15選も紹介するので、参考にしながら企業の目を引く自己PRをつくりましょう。
記事を読む
部活動②
次に文化系の部活動の例です。文化系の部活動も体育会系と同様に高い成果を出したり多大な努力を必要とされますよね。
文化系の部活動はマイナーなものも多く面接官にイメージされにくいことがあります。そのため、エピソードは状況の説明を丁寧にできると良いですね。
部活動の1分間の自己PR例文②
私の強みは全体のモチベーションを引き出すリーダーシップです。
100名の吹奏楽部で学生指揮者を担当していました。毎年本番まで1年の練習期間があることから、全体的なモチベーションが低くなっていることを課題に感じていました。
そこで、前回の練習の成果と今回の練習の成果を比較することでモチベーションを保つことができるのではないかと考え、練習の最後に録音することにしました。そして毎日部員全員で前日との聴き比べを実施しました。また、緊張感を出すためパートごとの録音もおこないました。
その結果、成果を実感できやりがいにつながったことと、緊張感を持てたことから全体のモチベーションが上がり、練習日以外も個人練習をする人が全体の1割から6割に増えました。また演奏会当日はアンケートに「過去最高の演奏でした」との回答をいただきました。
御社は若手のうちからリーダーとして活躍できる土俵があると伺っており、全体のモチベーションを引き出すリーダーシップで貢献できるのではないかと感じています。(434字)
数字を効果的に使えているので、聞いていて状況が具体的にイメージできます。
また「リーダーシップ」を強みにする人は多いのですが、リーダーにもいろいろなタイプがあります。今回は「モチベーションを引き出す」と説明していてわかりやすく、内容も説得力のあるものとなっていますね。
サークル活動①
次にサークル活動の1分間の自己PRです。サークル活動はモチベーションの差異が生まれやすく、また目に見える成果を生み出しにくい環境にあります。
そのため、サークル活動においてメンバーのモチベーションを上げたり高い成果を出したことがあれば、そこで発揮した強みは1分間の自己PRの中で強い印象として残りますよ。
サークル活動の1分間の自己PR例文①
私の強みは行動力です。
私は学園祭実行委員サークルに加入しており、その中でアナウンス部隊に所属していました。そこで、学園祭のメインイベントであるバンド演奏ステージの司会進行をおこなっておりました。
毎年盛り上がりすぎてしまい、司会進行が無視されタイムマネジメントが困難になっていることを課題に感じていました。
そこで私は、観客に司会進行もステージメンバーの一員として歓迎されることが必要だと考え、バンド演奏の一部に「実行委員コラボ企画」として簡単な楽器で参加することを提案し、実行することになりました。
その結果、司会進行も観客にとって舞台上に立つメンバーの1人として認知され、注目されるようになり、タイムマネジメントをしやすくなりました。
このように思い切った行動力を活かすことで、「何事も挑戦をする」ことをモットーに掲げている御社で活躍させていただけるのではないかと考えています。(387字)
行動したことで成果につながった良いエピソードですね。ただ、行動力以上にアイデアの良さが引き立ってしまっている印象です。
たとえば楽器を演奏するためにどれだけ練習をしたのか、などもう少し行動力を表す内容を盛り込めるとより良いですね。
サークル活動②
サークル活動では、学生時代にしかできないことを経験できる機会が多いですよね。以下の例文のような経験は面白みがあり、印象に残りやすいと言えます。ただ、企業で再現できる強みをアピールするように注意してくださいね。
サークル活動の1分間の自己PR例文②
私の強みはプロデュースする力です。
私は大学のミスコンテストを運営するサークルに所属しており、コンテスト出場者を有名にし、支持を集め、大会を盛り上げる必要がありました。
そこでそれぞれを有名にするには、一人ひとりの個性や良さを引き出すこと、SNSの活用法が重要だと考え、以下の方法を実施しました。
①週に2回1時間各出場者とオンラインミーティングをし、雑談の中から人柄を見出す
②人柄をもとにミスコンテストの既存のイメージにとらわれない表現をSNSでおこなう
その結果過去と比較し1.7倍の投票率となり、またコンテスト出場者は今後芸能界でレギュラー番組への出場を決めるまでに有名になりました。
顧客に合った企業をマッチさせる御社の人材サービスでは、私の人柄を見出しアピールできるプロデュース力を活かせるのではないかと考えています。(359字)
山田 英樹
プロフィール最初に結論(概要)を書いて、その後に具体的なイメージが持てる経験談が書かれていて、わかりやすい構成になっています。
「雑談の中から人柄を見出す」時の工夫が具体的に書かれていると、さらに良くなりますよ。
ゼミ活動①
ゼミ活動は、学生の本業である学業を専門的におこなった経験として、専門性や学習意欲のアピールにつながります。
中には、ゼミ活動で志望企業に関連する研究をした人もいますよね。そういった活動を通して熱意をアピールし、1分間でも印象付けることができますよ。
ゼミ活動の1分間の自己PR例文①
私の強みは真の結果を突き止めることができる行動力です。
私はマスコミ業界を志望していたことから、マスメディア研究のゼミに参加しておりました。そこで、情報はどのように伝えられるべきかの研究をおこなっていました。
リアルなマスメディアを通してしか知りえないこともあると考えたことから、大手ネットニュース社の〇〇に交渉し、自分たちでニュースを発信させてほしい旨を交渉しました。
そこで承諾していただき、「1つのニュースを2つの伝え方で報道する」「どのような印象を持ったかSNSでアンケートを取る」ことを実践しました。
その結果情報を発信する際は背景を丁寧に説明すること、誤解を生まない端的な表現にすることが重要だと学びました。
このように行動力を持って自分なりの正解を見付けだせる力は、御社が大切にされている「百聞は一見に如かず」のモットーの下で活かせるのではないかと考えています。(382字)
興味深い研究をおこなってきたことが伝わりますね。
ただ、ゼミの活動として書かれているので、あなた個人の行動力として評価されない可能性があります。チームの中でどのような役割を担っていたか、どんな行動力を発揮したのか具体的な説明があるといいですね。
ゼミ活動②
ゼミ活動は知的好奇心がモチベーションになって参加する人もいますよね。そのようなモチベーションを伝えることも大切です。入社後どのような場面で活躍できそうか、1分という短時間でも具体的にイメージしてもらえるためです。
ゼミ活動の1分間の自己PR例文②
私の強みは探求心です。
経営学のゼミで探求心を発揮しました。
各地域の大学が参加するプレゼン大会があり、優勝を目指しました。優勝するには、経営学の前提知識を深めることだと考えました。そこで、経営学に関する本を1か月で20冊読みました。
また更に知識を深めるため、ゼミの教授と、参加しているゼミ以外の経営学の教授の授業に特別に参加させていただきました。
その結果経営学に関する知識が深いプレゼンをおこなうことができ、教授からは「院生より高いレベルでの良い発表だった」と言ってもらうことができました。
このような探求心は、常に新しくかつ深い知識を得ることが求められる御社の企画職にて活かせるのではないかと考えています。(302字)
1ヶ月で20冊の本を読むという、具体的な数字を使いながら成果を生み出したエピソードになっています。企画職の仕事にこのエピソードをチョイスすることもピッタリで、高評価を得られるでしょう。
アルバイト①
アルバイト経験は実際に仕事をおこなった経験であり、入社後にどのような活躍ができるか、企業側がイメージしやすいエピソードです。そのため、企業とのマッチ度をアピールしやすい題材とも言えます。
アルバイトの1分間の自己PR例文①
私の強みはカフェのアルバイトで培った、ニーズ察知能力です。
私の店舗はファッションブランドのオフィスビルにあり、コンビニエンスストアにはさまれている影響で売上が伸び悩んでいました。
そこで、コンビニと差別化するための工夫を考えたところ、「ファッションブランドで働く人はおしゃれな人が多い=持ち物のデザインを気にするのではないか」と考えました。
そして「美術品並みに映えるカップ」を目指し、デザイナーの知り合いにカップのデザインを考えていただきました。またカップのデザインを複数用意し、その日のファッションや気分に合ったデザインのものを選んでもらえるようにしました。
その結果「遊び心もあり癒される存在」と顧客から満足の声をいただき、かつ売上を3か月で1.6倍に伸ばすことができました。
このようなニーズ察知能力は、常日頃から顧客のニーズを察知し食品業界のトップを走る御社で活かせるのではないかと感じています。(399字)
山田 英樹
プロフィール例文では、アルバイト先の周囲の環境から、潜在的顧客のニーズを察知し、集客のために具体的な方法を考えて成功した経験がわかりやすく書かれています。アルバイト経験は仕事に直結するアピールの宝庫であるというのが、よくわかりますね。
アルバイト②
アルバイト経験は不特定多数の顧客と向き合う機会が多いですよね。そのような顧客と接したり、管理した経験があれば、仕事に活きる経験をこなしたアピールになりますよ。
アルバイトの1分間の自己PR例文②
私の強みは水族館スタッフのアルバイトで培った課題解決能力です。
私は〇〇水族館でアシカの餌やりを担当していましたが、餌やりの時間で顧客が我先にと水槽の周りに並んでしまい、特に幼い子どもが見えにくい状況があることに課題を感じていました。
そこで顧客が見たいアシカを操れる立場だからこそ、それを利用して顧客を統率することができるのではないかと感じました。
そして水族館の社員に餌やりタイムを2時間に1回から1時間半に1回に変更すること、えさやり職員を2人に増やしエリアの端と端で餌をやることを提案したところ、受け入れてもらいました。この取り組みの結果、混雑は避けられ、来客の満足度も上げることができました。
このように課題になっていることの原因を突き止め解決する力は、「社会の課題を解決する」ことをモットーにされている御社で活かせるのではないかと感じています。(368字)
子どもの目線に立ち、感じた課題をどのように解決するか行動してきたプロセスは「社会課題の解決」をモットーとする会社の求める人物像ともマッチし、好印象です。来客の満足度に加えて、子どもたちの課題が解決されたことにも触れられると一貫性が出ますよ。
アルバイト経験を使った自己PRをする際はこちらの記事も参考にしてください。印象を残すコツをまとめています。
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アルバイト経験の自己PRは、かなり効果的です。入社後の活躍イメージを伝えやすくなります。アルバイト経験の自己PRの構成や、作成時の注意点などをキャリアコンサルタントが解説します。例文10選も紹介するので、アルバイト経験を魅力的に伝え、内定を掴みましょう。
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留学経験①
留学経験は、言語の壁や文化の違いにより、戸惑ったり辛い思いをした人も多いのではないでしょうか。そのような壁を乗り越えた経験は、その分印象に残りやすく、1分間の自己PRに適しています。
ただし、留学で言語力を得ることは当然のことなので言語力そのものをアピールすることは控えましょう。言語力を培うためにどんな力を発揮したのか、または言語力を活かしてどんな力を発揮したのか伝えられると良いですね。
留学経験の1分間の自己PR例文①
私の強みは協調性です。
1年間のカナダでの留学で、各国から来ている留学生と共同の寮生活をおこなっていました。そこで考え方や文化の違いにより喧嘩が起こるようになり、それぞれがストレスを抱える生活が3か月続きました。
そこで私は寮生全員がストレスを解消する必要があると考え、解消法を調べたところ、感情を文字に起こすことが効果的であることを知りました。そして英語力向上を兼ねて交換日記をすることを提案すると、寮生は気持ちを落ち着かせることができ、結果喧嘩は発生しにくくなりました。
また、最後の英語力テストでは私の寮のメンバー全員が優秀な成績を取ったとして表彰されました。
このような、集団を高められるような協調性を発揮することができます。OB・OG訪問で、御社は協調性を重視されるということを伺い、強みを活かして活躍できるのではないかと考えています。(368字)
英語力向上も兼ねた交換日記を継続した結果、最後のテストで良い成績を残し、困難な状況も乗り越えられることを伝えられていますね。
「協調性」をアピールするのであれば、もっと他の留学生と協力したエピソードなどがあると良いですよ。
協調性はどの企業でも活かせる強みですが、アピールの仕方を誤ると「受け身」「優柔不断」と受け取られることも。こちらの記事を参考にして、効果的にアピールする方法を習得してください。
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協調性はどの企業でも必要とされる特徴のため、うまく自己PRで伝えられれば高評価をもらえます。企業が求める人物像にリンクした方向性やほかの就活生と差別化されたエピソードを盛り込み、的確にアピールする方法をキャリアコンサルタントとともに解説します。
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留学経験②
留学は、環境を変えたうえで新しい知識を積み重ねることになります。そのような状況は人によっては大きなストレスがかかるものですよね。それを乗り越えられる強みは、特に変化を求められる業界で大きなアピールになりますよ。
留学経験の1分間の自己PR例文②
私の強みは適応力です。
私は1年間中国に留学していましたが、反日感情を抱く人が多く最初は馴染めませんでした。そこで環境に適応する方法を考えたところ、①常に笑顔を絶やさないこと②相手を尊重すること③相手に尊敬されること、ができていれば適応できるのではないかと感じました。
そこで、コミュニケーションの際は常に笑顔で、かつ相手の良いところを毎日1つ見つけそれを褒めること、そして中国語習得のために授業外で毎朝3時間勉強するようにしました。
すると授業でのプレゼンなどを聞いたクラスメイトから、「最初は何も話せなかったのに短期間で流ちょうに話せるようになっていてすごい」と声をかけてもらい、次第に何気ない会話もするようになりました。
また、「話していると明るい気分になれる」と言われ会話にいれてもらえるようになり、最終的にはムードメーカーのような存在として扱われていました。このように、尊敬できるかつ親しみやすい相手として認知してもらえ、適応することができました。
このように私はどのような環境でも適応する努力ができ、部署やプロジェクト間の変化が多い御社でも活躍させていただけるのではないかと感じています。(327字)
山田 英樹
プロフィール例文では、逆境の中で自分で考え、努力して成功した経験が具体的に語られています。このような、これまでに無い逆境の中で壁を乗り越えた経験は、面接で強いアピールになりますよ。
適応力に自信がある人は、こちらの記事も参考にしてください。適応力のアピール方法を解説しています。
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長期インターン①
長期インターンは、アルバイト経験と同様、仕事に向き合っている際の人柄を伝えられます。そのため、1分間という短い時間の中でも入社後の活躍イメージを持ってもらいやすい題材です。
長期インターンの1分間の自己PR例文①
私の強みは信頼関係を築ける力です。
自動車販売企業の長期インターンシップに参加し、営業を担当していました。初めての業務は前任のインターン生が起こした顧客とのトラブルの解決となりました。
そこで問題になっていたのは、①常日頃から連絡が遅かったこと②前任者が伝える商品情報に誤りがあったことでした。それは前任者がマルチタスクを余儀なくされていたことや、商品の仕組みが複雑であることから発生していたものだと感じました。
そこで常に速いレスポンスを心がけること、商品知識を自分なりにノートにまとめ、すべて口に出して説明できるようになるまで覚えることを心掛けました。
すると顧客との信頼関係が回復し、インターン生の中で1位である400万円の売上を達成することができました。また、社員からは社員にならないかとのお声がけまでいただきました。
このような信頼関係を築ける力は、顧客との関係維持のために高いスキルを持つ社員が多くいらっしゃる御社で活かせるのではないかと感じています。(427字)
信頼関係を築く力があることをエピソードで証明するのはなかなか難しいのですが、前任者のトラブルとの対比を使い、自動車販売の売り上げという数字で説得力を持たせています。
社員からの声かけもうまく取り入れており、客観的な評価を得ていることが上手にアピールできています。
長期インターン②
長期インターンのエピソードもアルバイトと同じように、仕事に向き合う姿勢を伝えられるため効果的です。主体的に仕事に取り組んだり、組織を動かした経験があれば「企業でも活躍できそうだな」と1分間でも印象に残ることができますよ。
長期インターンの1分間の自己PR例文②
私の強みは組織を向上させられる力です。
私はITネットワークサービスの企業で長期インターンをしており、そこでカスタマーサービスセンターで顧客のクレームを受ける部署で働いていました。
そこで、顧客からのクレームには傾向があることに気づき、これは根本的に何かを解決することで業務の効率化をすることができるのではないかと気づきました。
まず注文やクレームの共通点を洗い出したところ、ネットワークサービスの導入方法がわからないという内容が多いことに気づきました。そこで営業担当者にこれを連携し、営業時に丁寧に説明をおこなってもらえばこの声が減るのではないかと気づきました。
そして営業担当者によくある声をまとめたものと、重点的に説明してほしいことを伝えたところ、クレーム数は5割削減され、かつ「説明が丁寧」「わかりやすくなった」との声が上がり、社内の営業成績も上がりました。
このように、俯瞰的に組織を見て向上させられる力は、若手から裁量を任せていただける御社で活かせるのではないかと考えています。(439字)
クレームの傾向を見出し、営業部門との連携をおこなってクレーム数を半減させたエピソードは非常に良いですね。
「組織を向上させられる力」という表現はかなり壮大な印象を受けるため、「周りに働きかける力」など言い方を変えるとより良いですよ
わかりやすさと短時間で魅力を伝える力で1分間の自己PRをマスターしよう
1分間の自己PRは、わかりやすく伝えることと惹きつけることの両立が必要とされています。1分間で伝えられる内容は限られているため、伝え方や関心を惹くことができそうなポイントに目を付け、余すことなく魅力を伝えられるようにしましょう。
時間を指定されない場合も1分間でアピールすることが高評価につながることも多く、マスターできれば汎用性が高い力を付けられるため、面接の通過率を格段に上げることができますよ。
1分間でしっかりと面接官を惹きつけられるようにしっかりと準備・練習していきましょう。
アドバイザーコメント
山田 英樹
プロフィールを見る1分間の自己PRは内容や表現方法が問われる就活の集大成
1分間で自己PRをするということは、就活の集大成が試される機会と言っても過言ではありません。
まずアピール内容を考えるために、自分の強みを正確に理解している必要があります。次に、効果的にアピールするために、アピールする対象(企業や担当者)を正確に理解しておく必要があります。
さらに、強みとアピール対象を把握して内容を作成した後も、短時間で受け入れてもらいやすい話し方、態度で、内容も概要を端的に述べたうえで、面接官の共感を得られるように表現方法を磨いておく必要があります。
1分間の自己PRができればどんな面接にも応用できる
1分間の自己PRに悩む就活生の皆さんにお伝えしたいのは、まず悩むのは当然だということ、そのうえで、1分間の自己PRができるようになれば、どんな面接にも対応できる力がつくということです。本気で取り組んで、大きく成長していく皆さんを応援しています。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/留学カウンセラー
Shun Hayakawa〇大手就活メディアの営業を経て、現在は留学支援をおこなうアナザーストーリーの代表取締役を務める。キャリアコンサルタントとして学生の強みの発見から選考対策など幅広く支援
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/弁護士
Hideki Yamada〇弁護士兼キャリアコンサルタント。一般社団法人日本キャリア法務協会の理事長を務め、日本キャリア教育学会,法と教育学会会員に所属。企業の研修講師を担当。キャリア面談にも携わる
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Junko Tomioka〇南箕輪村のキャリア教育推進コーディネーターに就任後、独立。現在は地方中高生やベトナム人留学生の就活支援、企業内キャリアコンサル、地方就職のサポートをおこなう
プロフィール詳細