就活で初めて自己PR動画の提出を求められたら、「何を話せば良いのかわからない」「どうやって撮影すれば良いんだろう」と悩む学生が大半です。撮影した経験はあるものの、いまいち良い動画が撮れずに苦手意識を持つ学生もいるのではないでしょうか。
さらに「1分」と時間を制限されたら、時間が余ったり、オーバーしてしまうなどの悩みも出てくるでしょう。ただ、1分の自己PR動画は、しっかり準備をすれば一気にクオリティを高めることが可能です。
この記事では、キャリアアドバイザーの谷所さん、若林さん、古田さんのアドバイスを交えつつ、1分の自己PR動画の撮影に必要なノウハウを徹底解説します。これから自己PR動画を撮影しようとしている学生は、ぜひ参考にしてくださいね。
本選考や秋インターンの自己PR作成に最適!
1分の自己PR動画は伝わりやすさを意識して撮影しよう
面接の場合、アピールが伝わりづらくても、面接官が「それってどういうこと?」と質問を重ねることで意思疎通がとれる場合がありますが、自己PR動画ではそれができません。よって、どんな担当者が見ても伝わるかどうか意識しながら作成することが重要です。
とはいえ、どうすれば伝わりやすくなるのかわからない人もいますよね。そこで記事ではまず、伝わりやすい自己PR動画の例を紹介します。動画を見て、自己PR動画の話し方や回答文のイメージをつかみましょう。
記事ではさらに、伝わりやすい動画にするために必要な準備を詳細に解説。1分ちょうどにまとめるコツも伝授します。ぜひ最後まで読んで、ハイクオリティな自己PR動画を作成しましょう。
自己PR動画の他に録画面接を導入している企業もあります。以下の記事では録画面接についてまとめているので録画面接の手順が知りたい人は参考にしてみてください。
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録画面接は録画した面接動画を企業に送る選考方法で、コツを理解することで成功に近付きます。この記事では、録画面接を成功させる準備から頻出質問の答え方まで、キャリアコンサルタントとともに解説します。録画面接を突破したい人はぜひ参考にしてください。
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作成ツールなら選考通過の高い「1分」の自己PRができます!
・強みや経験別に作れる
・1回で3パターン作れる
1分の自己PR動画例
まずは、自己PR動画のOK例を見てみましょう。「どんな動画にすれば良いのかわからない」という人は、こちらの例を視聴してイメージをつかんでくださいね。
アピールしたい内容が簡潔に述べられていてわかりやすく、話し方も好印象です。フリップを使った工夫に惹きつけられた人もいるのではないでしょうか。
ただ、上記の動画はあくまで一例です。フリップを使うのが必ずしも高評価につながるわけではなく、ほかにも効果的な工夫の仕方はさまざまあります。
動画をそのまま真似するのではなく、あくまでイメージをつかむ材料として、あなたの魅力がもっとも伝わる方法をこの記事を読んで見つけましょう。
フリップを使っているので全体的にわかりやすく、大切な部分はカメラに目を向けているのが好印象ですね。
人によってPRする内容は違うので、動画はあくまでも参考程度にして、自分らしさを重視した方が受け手の印象に残る動画が撮影できますよ。
1分の自己PR例を読みたい人は、こちらの記事で例文12選を紹介しているので参考にしてください。
例文12選|1分の自己PRで魅力を伝え切る必勝法
就活のプロに聞く! 1分の自己PR動画で企業が重視しているポイント
自己PR動画の準備を始めるにあたって、まず企業が動画の何を重視しているのかを把握しましょう。重視しているポイントがわかれば、何に気を付けながら撮影に取り掛かれば良いのかがわかります。
ここでは、キャリアコンサルタントの古田さんに、1分の自己PR動画で企業が重視しているポイントを解説してもらいましょう。
アドバイザーコメント
古田 文子
プロフィールを見る自己PR動画で企業が知りたいポイントは3つ
ポイントの1つ目は人柄や魅力です。書類だけでは伝わらない応募者の人柄を知りたいと思っています。
たとえば、どんなに素晴らしい経験や資格を持っていても、動画で話す様子が小声で滑舌が悪く聞き取りにくいと、良い印象は持てないでしょう。採用担当者は、応募者が持つ人柄や雰囲気、魅力などを動画を通して知りたいと考えているのです。
動画の出来栄えから熱意が測られることも
2つ目は志望度です。文字だけでは伝わりにくい志望度も、動画で一生懸命に話す姿を見ると、意欲や熱意として受け取れます。選ぶ言葉や話し方、声のトーンや表情、椅子に座っているのに前のめりに熱弁する応募者を見て、感動する採用担当者もいるほどです。
3つ目は動画の作成スキルです。業界によっては動画制作が仕事になる企業もあります。作成スキルがどれほどのものかを知る良い機会になるため、構成や撮影場所、照明、画角や音声など、動画の仕上がりにも注視しています。
動画制作に携わる業界でなくとも、身だしなみや動画の見やすさは評価の対象です。最後まで気を抜かずに撮影しましょう。
1分の自己PR動画は3ステップの準備をして撮影しよう
では、ここからは自己PR動画の準備について順を追って解説していきます。準備は大きく3段階に分かれます。いずれも伝わりやすい動画にするためには欠かせない準備です。
各ステップでやるべきことを一つひとつクリアしたうえで、本番の撮影に臨みましょう。
文章を作るのが苦手な人にオススメの自己PR作成方法!
自己PRはESや面接でよく聞かれる質問の一つ。
しかし、「自己PRが全然思いつかない......」「自己PRを考える時間がない......」対策が思うように進んでいない人も多いのではないでしょうか?
そこで活用してほしいのが、「Chat GPT 自己PR作成ツール」です。簡単な質問に答えるだけで、Chat GPTが選考で活用できる自己PRを自動で作成します。
自己PRが思いつかない人や、忙しくて自己PRを考える時間がない人は、まずはツールを使ってみることをおすすめします!
1分の自己PR動画の準備①台本を作成しよう
1分の自己PR動画の準備①台本を作成しよう
- アピール内容を決める
- 300〜400字程度に回答をまとめる
- 声に出して読んでみて違和感がある部分は修正する
動画となるとつい見栄えに意識が向かいがちですが、企業の担当者はあなたが話す内容にもしっかりと耳を傾けています。アピールの内容が説得力に欠けたり、魅力を感じられなければ、どんなに話し方やフリップの使い方を工夫しても、担当者には響かないでしょう。
台本作りは、自己PR動画の方向性を決めるうえでも重要な意味合いを持ちます。以下で解説する内容を参考に、自分の伝えたいことを1分以内に的確に伝えきれる台本を作成してくださいね。
①アピール内容を決める
そもそも就活における自己PRとは、採用担当者に「この人なら自社で活躍しそう」「社風とマッチしているな」と思ってもらうために、自分の魅力をアピールすることです。どんな自分の特性や強みを伝えれば、企業が自分を評価するか考えましょう。
ただ初めて自己PRを作成する人の中には、自分の特性や強みを正確に自覚できていない人もいるかもしれません。この場合は、自己分析が効果的です。自己分析で自分の過去と徹底的に向き合うと、気付いていなかった強みを見出せます。
また、アピール内容を決める際は、求める人物像も意識しましょう。求める人物像は、企業にとって必要な人物の採用基準を明文化したものです。自己分析で複数の強みが見出せた場合は、求める人物像に沿うものを選ぶようにしましょう。
以上の点を踏まえて、動画内でどのようなことをアピールするか決めて、次の準備に進んでくださいね。
自己分析の手順を知りたい人には、こちらの記事がおすすめです。
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説
「アピールしたいことがない……」「自己PRが思い浮かばない」という人もいますよね。こちらの記事の自己PRを見つける方法を参考にして、アピール内容を探してみてください。
自己PRがない人必見! 就活必勝の題材の見つけ方を例文付きで解説
自己PRの強みがわからず悩んでいる人もいると思います。以下の記事では大学生におすすめな自己PRの強みとわかりやすく伝える方法をまとめています。
例文10選|大学生におすすめな自己PRの強み一覧と基本構成を紹介
②300〜400字程度に回答をまとめる
アピール内容が決まったら、下記の構成を参考にして文章を組み立てると、企業が知りたい基本的な情報や、アピールしたいことが効果的に伝わります。
1分間の自己PR動画の構成
- 氏名・大学名・学部名・学科名
- アピールしたい内容や伝えたい人柄
- 具体的なエピソード
- 仕事への再現性
1分間で伝えられる文字数の目安は300〜400字程度です。そのため、アピール内容を決めたら、300〜400字程度の回答にまとめる必要があります。
1分間で伝えきれなかったり、逆に時間を余らせてしまうことがないよう、盛り込む内容の適切な取捨選択を心掛けましょう。
自己PRで重要なのは、あなたの人柄が伝わることです。エピソードの前提や成果はなるべく簡潔にし、成果を出すまでにとった行動や考えたことに文字数を割くようにしましょう。
文字数を調整するコツは、こちらの記事の中で詳しく解説しています。
例文20選|400字の自己PRで人事の心をつかむ戦略
自己PRの構成についてさらに詳しく知りたい人や、エピソードをどのように説明すれば良いのかわからない人には、以下の記事がおすすめです。
自己PRの構成作成ガイド|PREP・STAR法を使う作成法を伝授
- 1分の自己PR動画では、何を話せば良いのでしょうか。面接で話すような自己PRと同じですか?
面接の自己PRと基本的に同じ! アピールポイントを1つに絞ろう
1分間の自己PR動画は、基本的に面接やエントリーシート(ES)に記載した自己PRと同じ内容で構いません。ただ、1分という制約があるので、必ず時間内でアピールを完結させる必要があります。
そのため、アピールポイントを複数挙げるのではなく、1つに絞って伝えるようにしましょう。
話す順序としては、まず挨拶と自己紹介をおこない、意欲的に取り組んできた経験と関連させた強みを自己PRとして述べます。次に強みの裏付けとなるエピソードと強みをどう活かしていきたいかを述べて、最後に挨拶をして締めましょう。
③声に出して読んでみて違和感がある部分は修正する
台本作りの時点で話しやすい文章に整えておくと、撮影がスムーズにできます。回答を300~400字程度にまとめたら、何度か声に出して読んでみてください。
そうすると、言いにくいところやつっかえてしまうところなど、違和感がある部分が見つかるでしょう。なるべく1文を短くしたり、平易な言葉に言い換えると読みやすくなる場合があり、聞き手にとっても理解しやすい文章になります。
また、回答の内容に本当は納得できていないために、すらすらと読めないこともあります。回答に違和感があるときは、本当にそのアピールが適切なのかも考えてみましょう。
違和感のある部分を修正し、全体を通して読みやすい文章になったら台本の完成です。
台本を作るときは、起承転結や内容も大切ですが「言葉遣い」にも気を付けましょう。「い抜き言葉」や「ら抜き言葉」は耳障りの良い言葉ではありません。正しい日本語を使用するのは、ビジネス面でもとても大切です。
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1分の自己PR動画の準備②撮影環境を用意しよう
1分の自己PR動画の準備②撮影環境を用意しよう
- 撮影場所を決める
- 必要な撮影器具を用意する
- 時計やタイマーを自分から見える位置に置く
- 構図を調整する
自己PR動画を初めて作成することになった際、真っ先に「どうやって撮影すれば良いのだろう」という疑問を持った人が多いのではないでしょうか。自分が話す動画を自分で撮影する経験はなかなかないうえに、就活のような大事な機会であれば戸惑うのも当然です。
動画の画質や画角、背景、明るさなど、撮影環境によって印象はかなり変わります。ただ、特別手間のかかる準備をする必要はありません。
動画撮影をしたことがない人でも、ここで解説する手順に沿えば、自己PR動画の撮影にふさわしい環境を整えられるので、安心して準備に取り掛かってくださいね。
①撮影場所を決める
撮影場所は直前で決めるのではなく、あらかじめ余裕を持って決めておきましょう。撮影場所によっては、器具を用意する必要があるからです。
また、「ここで撮影できそう」と思っていた場所が、実際に動画を回してみると、画面に不要なものが入り込んだり、雑音がしてしまって場所を変えなければならない可能性もあります。
撮影場所は基本的に自宅がおすすめです。時間に縛られず、リラックスして撮影ができます。ただ、集合住宅やアパートでは周辺の騒音が気になる場合もあるでしょう。その際は、防音設備が整っているカラオケやネットカフェなら、周囲の音を気にせず撮影できます。
自宅だとしても、自宅のどの部屋でどこを背景にして撮影するかまであらかじめ決めてくださいね。以下の条件を基準に決めると、当日スムーズに撮影できます。
撮影環境の条件:背景
- 画面に不要なものが映りこまない
- 白かベージュなど明るい無地の壁が望ましい
撮影環境の条件:周辺環境
- 雑音がしない
- オンデマンドの場合は安定した通信環境がある
撮影環境の条件:照明
- 被写体が影や逆光によって暗く映らない
- 暗くなる場合は照明器具を用いて明るくできる
自宅のリビングを撮影場所に選ぶ際は、背景が綺麗だとしてもソファに座るのは避けましょう。椅子に座る場合はスツールがおすすめです。背もたれと肘掛けがないため、背筋が伸びて美しい姿勢で撮影することができます。
②必要な撮影器具を用意する
まずは、言うまでもなく動画を撮れるカメラが必須です。スマートフォンで撮影しようと考えている人が多いですよね。実際ほとんどのスマホは高画質な動画を撮影できるので問題ありません。普段ビデオ機能をあまり使わない人は、念のため問題なく撮影できるか確認しておきましょう。
また、撮影場所によっては、カメラ以外にも撮影器具が必要になるケースもあります。たとえば、スマホを立てかける場所がないときは、三脚やブックスタンドが必要です。手に持ちながらの撮影は手振れで画面が安定しないため、おすすめできません。
肌の色を明るく見せたり、表情をよく見せたい場合は、自撮り用ライトが有効です。ワンコインで購入できる安価な商品もあるため、所持していない人は一度家電量販店や通販サイトをチェックしてみると良いかもしれません。
自己PR動画の撮影に必要な器具
- 必ず必要なもの
ビデオカメラ(スマホ) - 場合によっては必要なもの
三脚
ブックスタンド
照明器具(自撮り用ライト)
スマホで撮影するときは、指定がなければスマホの向きは横向きがおすすめです。自分の顔と同じ高さに三脚などで固定して、視線が下がらないようにスマホのカメラを見ながら撮影をおこなってください。
自己PRが思いつかない人は、ChatGPTを活用して自己PRを完成させよう
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作った自己PRは選考で活用できるものになっているので、ぜひ活用して採用される自己PRを完成させましょう。
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③時計やタイマーを自分から見える位置に置く
内カメラで撮影すると、録画時間から経過した時間表示が見れるため、1分に間に合うペースで話せているかどうかを確認しながら撮影ができます。
ただ、カメラの位置が少し遠いと、時間表示がはっきりと見えない人もいるでしょう。またスマホの場合、内カメラは外カメラに比べると画質が悪くなってしまう場合が多く、外カメラの方が高画質な動画が撮影できます。
カメラで時間の確認ができない場合は、時計をカメラの横や後ろに置いて、話しながら確認できるようにしておきましょう。パソコンやタブレット、予備のスマホを持っている人は、インターネットにあるタイマーやストップウォッチの活用もおすすめです。
④構図を調整する
必要な器具が用意できたら、実際にビデオカメラに自分を写してみましょう。カメラを置く位置、自分が立つもしくは座る位置を決めます。構図は印象に大きく影響します。
撮影をするうえでおすすめの構図は、バストショットとミディアムショットです。
バストショット
胸のあたりから頭の先まで映る構図。上半身の動きがわかりやすく、表情が非常によく見える
ミディアムショット
腰あたりまでが映るような構図。上半身がすべて映るため、身振りや手振りが見えやすい。また、小道具などを使う場合も、顔が隠れない十分なスペースを確保できる
表情をよく見せたい場合はバストショット、身振り手振りや小道具を取り入れたい場合はミディアムショットが適切です。自分のアピール内容に合わせて適切な構図になるように調整してください。
自己PR動画はどうしても緊張してしまいますよね。自然な表情で撮影できればどちらの構図でも良いのですが、緊張を少しでも悟られない構図として個人的にミディアムショットがおすすめです。
全身の撮影は、体の動きで自信のなさや落ち着きのなさが出てしまいがちなので、特別な場合以外あまりおすすめしません。
1分の自己PR動画の準備③繰り返し練習しよう
1分の自己PR動画の準備③繰り返し練習しよう
- 身だしなみを整える
- 明るい声のトーンでハキハキ話す
- 自然な笑顔をキープする
- 背筋を伸ばす
撮影環境が準備できても、カンペを棒読みする動画であれば熱意は伝わりません。繰り返しカメラの前で練習してブラッシュアップさせることで、誰が見ても良い印象の動画になります。
ここで解説する手順に沿って繰り返し練習をしたうえで、本番の撮影をおこなってくださいね。
①身だしなみを整える
動画だからといって油断は禁物です。面接と同じような、隙がなく清潔感がある身だしなみを意識しましょう。
たとえば、服の汚れやしわ、髪の毛の乱れは動画でも見えてしまいます。画面に映る部分は特に注意してください。画面に映らない部分にも気を配ることで、適度な緊張感を持って撮影に取り組めます。
本番撮影時の服装は、指定がなければリクルートスーツで問題ありません。どんな構図であれ、表情がはっきり見えるように、前髪を分ける、髪が長い場合は結ぶなどして、髪型は整えましょう。
- 自己PR動画でもスーツを着た方が良いのでしょうか。私服だと印象悪いですか?
指定がなければ社員の服装と揃えよう
面接と違い、自己PR動画は必ずスーツと決まっているわけではありません。業界にもよりますが、個性やセンスを見せるためにオシャレをした方が良いこともあります。
指定がない場合や何を着るか迷ったら、通常の面接と同じようにスーツで撮影する方が無難ですが、清潔感があればオフィスカジュアルでも悪い印象は持たれないでしょう。
ただし、普段からスーツを着ることが多い業界や職種の場合は、オフィスカジュアルは避け、スーツを着るべきだと思います。
また、画角に入らないからといって、下半身を普段着にするのはやめましょう。何かの拍子に映り込んだ場合、評価に影響する可能性があります。
②明るい声のトーンでハキハキ話す
話し方は、声のトーンと活舌が重要です。明るい声のトーンでハキハキと話せば、動画を見る相手も聞き取りやすく、話の内容がするすると頭に入ってきます。
活舌が悪くハキハキと話せない人は、口の動きが小さすぎるか、もしくは早口すぎるのかもしれません。まずはいつもより大きめに口を動かして、ゆっくりと話してみましょう。
「1分以内に話し切らなければ」と思うと、どうしても早口になって声のトーンが無意識に暗くなりがちです。明るい声のトーンとハキハキした話し方を定着させられるまで、繰り返し練習してください。
③自然な笑顔をキープする
画面越しの場合、対面よりも表情が暗く見えてしまうことがあります。自分では笑顔を作っているつもりでも、相手にはこわばっているように見えれば、暗い人物だという印象を残してしまいかねません。
企業の担当者は自己PR動画を見ながら、あなたの入社後をイメージします。自然な笑顔で話せている人は、親しみやすさを感じさせ、社内外問わず信頼を獲得していく様子が想像できます。よって表情はとても重要です。練習の時点から表情にも意識を向け、自然な笑顔をキープできるようにしましょう。
また目線の位置も重要です。視線がさまよったり、下を向くと自信がないように見えます。動画を見た担当者と目が合うように、目線はカメラに固定した状態をキープしてください。
④背筋を伸ばす
自分は姿勢を正しているつもりでも、猫背になっていたり、左右の肩が床と並行になっていない場合があります。姿勢が悪いと、「自信がなさそう」「だらしがないのかな」と思う面接官もいます。
背筋をピンと伸ばすことを意識して、さらに鏡や内カメラでどう見えるかも確かめながら、正しい姿勢をキープできるように練習しましょう。
正しい姿勢の条件:立っている場合
- 横から見たときに耳からかかとがまっすぐになっている
- 肩の真上に頭がくる
- 肩の力を抜く
正しい姿勢の条件:座っている場合
- 椅子に深く腰かけている
- 背もたれにもたれかかっていない
- 骨盤を立てている
- 肩を丸めていない
- 暗記できる気がしないのでカンペを読みながら撮影しても良いですか?
保険としてカメラの下に貼っておくのはOK
「カンペを読みながら撮影する」というよりは、保険としてカンペを使用するのはOKです。
カンペがあるからといって、セリフをすべてを読み上げると、感情が伝わりづらく面白味のない自己PR動画になってしまいます。
カンペは手元に置くと、視線が下にいってしまい暗い印象になるので、カメラの下に貼っておきましょう。
こちらのQ&Aでは、Web面接にカンペを持ち込んでも良いのかについてキャリアコンサルタントが見解を述べています。自己PR動画と原理原則は同じなので併せてチェックしましょう。
アドバイザーコメント
樋口 智香子
プロフィールを見る自己PR動画の印象は「目線」で大きく変わる
動画での自己PRで好印象を残すためには「目線」を意識してください。
カメラと目の高さが同じ位置になるようにするのがベストです。この位置がずれると、思わぬイメージダウンにつながることがあります。
カメラの位置が低いと上から見下ろすような目線になり、威圧感を与えてしまいます。高いと下から見上げることになり、いわゆる「上目遣い」という、疑っているような、媚びているような印象を与えてしまいます。
カメラの近くに人の顔を書いた紙を貼っておこう
カメラを見て話すのが苦手という人もいますよね。この場合、おすすめの方法が「人の顔を絵に書いてカメラの近くに貼っておく」というやり方です。
直径2cm程度のピースマークのような顔を紙に書いて、カメラのすぐ上にセロテープで貼っておくと良いですよ。相手の目を見て話すように、その顔に向かって話すと、話しやすくなります。これは、実際に私が動画撮影のときに実践している方法なので、ぜひ試してみてください。
そのほか、以下のことも意識してください。
話し方:口を大きく動かし、聞き取りやすい声で話す
表情:口角を上げ、にこやかな表情を心掛ける
姿勢:背筋を伸ばす
準備が整えられたらリラックスして1分の自己PR動画を撮影しよう
企業に提出する自己PR動画は、複数回録画して見比べたうえで、もっとも良い動画を送付しましょう。見比べてそれぞれの良い部分を意識して再撮影をすれば、さらに良い動画にできます。
送付する動画を決める際は、第三者にも意見をもらうことをおすすめします。自分の感覚だけで選ぼうとすると客観的に見ることができず、他者からしてみると印象の良くない動画を選んでしまうケースもあります。第三者の意見も参考にしながら、もっともアピールが伝わりやすい動画を選んでくださいね。
中には、オンデマンド形式で再撮影ができないケースもあります。その場合は練習のようにリラックスした状態で臨みましょう。噛んだりつっかえたりしても大丈夫と思えば、肩の力が抜けるのではないでしょうか。大切なのは、自分の魅力を企業に伝えきることです。
さらに万全な対策をしたうえで本番の撮影に臨みたい人は、こちらの記事も併せてチェックしましょう。撮影時の注意点や周囲と差別化するコツについて、詳しく解説しています。
動画選考でライバルと差をつける工夫を伝授|注意点や練習法も解説
- 繰り返し練習してもすらすら話せません……。噛んだりつっかえたら減点されてしまいますよね?
伝えるべきことを伝えきれていれば噛んでも大丈夫
自己PR動画は、学生の人柄や入社意欲を見極めているので、噛んだからといって減点する企業はまずありません。
一方、カンペを読んでいると思われると、評価が下がってしまうことがあります。大切なことは、応募企業で活かせる魅力をしっかり伝えることです。
事前に話す内容を整理して練習することは大切ですが、噛んだりつっかえたりすることを気にせず、伝えるべきことを伝えようという気持ちで臨むと良いでしょう。
自己PR動画が1分にまとまらないときの対処法
自己PR動画が1分にまとまらないときの対処法
- アナウンサーの話すスピードを参考にする
- 言葉のひげを使わないようにする
- 10秒で50文字程度話せるように区切って練習する
1分と時間を指定された以上、必ず1分にまとめる必要があります。1分間で話せる文字数は300~400字程度と説明しました。この字数の台本を作成していれば、大幅に越えたり、余らせることはないはずです。
どうしても1分にまとまらない場合は、字数ではなく話し方に問題がある可能性が高いです。以下の対処法を実践して、1分間に自己PRをまとめましょう。
- 1分以内と指定されている場合、短くなる分には問題ないですよね。40秒くらいで終わっても良いでしょうか?
話し方を改善して50秒程度にするのがおすすめ
1分を超えてしまうよりは短く終わる方が良いでしょう。40秒くらいで終わっても問題はありません。
しかし、考えようによっては、せっかく1分間という時間をもらっているのに、短く終わってしまうのはもったいないと感じてしまいます。時間いっぱい自分の魅力を伝えた方が良いかもしれませんね。
もちろん無理に引き伸ばす必要はありませんが、どうしても話すことがないという場合は、ゆっくりはっきりと、視聴している採用担当者が聞き取りやすいように話し、50秒程度になるよう何度か撮影してみましょう。
対処法①アナウンサーの話すスピードを参考にする
話すスピードが早すぎたり遅すぎる場合、テレビや動画サイトでニュース原稿を読み上げるアナウンサーの話し方をお手本にして自分の話し方を見直しましょう。
アナウンサーのスピードに合わせることで、適切なスピードがわかってくるはずです。
アナウンサーの話し方はスピードだけでなく、間の取り方やハキハキとした話し方も参考になります。アナウンサーをお手本として練習してみましょう。
対処法②言葉のひげを使わないようにする
言葉のひげとは、「えー」「あのー」など、話している内容そのものには関係なく無意識に使ってしまう口癖のことです。自己PR動画の中で、無意識に言葉のひげを使っている人もいるかもしれません。
1分をオーバーする人は、言葉のひげをなくすことでその分時間を短縮できます。言葉のひげは、無駄な時間を作ってしまうだけでなく、相手に聞き苦しく感じさせてしまう場合があります。
口癖になっている人は、使わないように意識したうえで撮影しましょう。
言葉のひげは、面接のような緊張する場だとさらに使ってしまう人がいます。以下のQ&Aでは、面接の評価への影響をキャリアアドバイザーが解説しています。
対処法③10秒で50文字程度話せるように区切って練習する
台本は300~400字程度にまとめられているのに、どうしても1分にまとまらない場合は、時間を区切って練習してみましょう。原稿を6分割して10秒ごとに区切って話してみるのです。
10秒でどこまで読めば良いのかわかれば、スピードを調整しながら読めるはずです。適切なスピードがつかめたら、徐々に20秒、30秒と、文字数とともに読む部分を増やして、最終的に1分間、適切なスピードをキープできるようにしましょう。
自分の話し方の癖を直していくことは、ビジネスでも役立ちます。たとえば、早口だと聞き取りにくいだけでなく、話している内容に自信がないと思われてしまうことがあります。
また、「えー」「あのー」など言葉のひげが多い人は、本人が気付いていなくても相手に不快感を与えます。
1分の自己PR動画をさらに良くする工夫
1分の自己PR動画をさらに良くする工夫
- フリップを使う
- 小道具を使う
- 身振り手振りを取り入れる
動画選考は、面接や書類よりも応募者が工夫を凝らしやすい選考方法です。周りとは少し違う工夫をすることで、動画を見た担当者の記憶に残りやすくなり、有利に働く場合もあります。
ここでは、1分の自己PR動画をさらに良くする方法を解説します。「周りと差別化したい」「自分ならではの工夫をしたい」人は、ぜひ参考にしてくださいね。
①フリップを使う
記事の序盤で紹介した動画例でもフリップボードを使用しています。スケッチブックなどにあらかじめアピールポイントを書き込んでおいて、見せながら話を進めることで話の内容をわかりやすくしたり、強調することができます。
たとえば、自分の名前、アピールポイント、エピソードの流れをフリップにすることで効果的に伝わります。
採用担当者によって受け取り方は違いますが、フリップの使用を奇をてらうアピールだと受け取られてはマイナス効果です。使用する場合はあくまでも補助的な道具として、口頭でしっかりと伝えるようにしましょう。
②小道具を使う
エピソードと関連した小道具を持ち出すのも効果的です。たとえば、苦労して資格を取得した話をするなら、使った教材や資格証明書を出しながら話すと説得力が増します。
部活動での取り組みをエピソードにする場合も、大会の表彰状やメダルがあると過去の成果を表現できます。話の流れに合わせて取り出しても良いですが、後ろに飾っておいて自然と目に入るようにするのもおすすめです。
自己PR動画で使用すると効果的な小道具
- 表彰状
- メダル
- 資格証明書
- 教材
- 写真
ライバルたちに差をつけたいと考えるのは良いですが、あまり派手なパフォーマンスはマイナス評価になる可能性があります。小道具を使用する場合は、謙虚な姿勢を見せながら、さりげなく映すくらいがおすすめです。
③身振り手振りを取り入れる
やり過ぎはNGですが、適度に身振り手振りをおこなうことで、臨場感を出せたり、一生懸命に伝えようとする熱意が表せます。
1分間という長さは、ただ口頭で話を聞いているだけでは長く感じてしまう担当者もいるかもしれません。身振り手振りを使えば、動画に動きが生まれ、聞き手の集中力を維持することにもつながるでしょう。
自己PR動画の中では、エピソードの中で規模の大きさを示したり、仕事への再現性を強調するために手を動かすのが効果的です。それ以外のときは膝のうえに置いたまま手を動かさないようにし、メリハリを付けるとさらに効果が高まります。
身振り手振りの適切な使い方はこちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひチェックしてください。
面接は身振り手振りを適切に使って制す! 好印象を残すコツを解説
人事経験者に聞く! 自己PR動画の提出を求める企業が増えている背景
序盤の選考といえば、ESや適性検査が主流です。動画を提出するように求められて、少し驚いた人もいるのではないでしょうか。
しかし動画選考は珍しいともいえないほど広まりつつあります。企業はなぜ動画選考を実施するのでしょうか。企業側の背景を知れば、動画で自分の魅力を伝えきる重要性が見えてきます。
ここでは、人事経験者のキャリアコンサルタントの谷所さんに、自己PR動画の提出を求める企業が増えている背景を解説してもらいます。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る自己PR動画はマッチした人材を取りこぼさないための採用方法
企業側には、自己PR動画の提出を求めることで、多くの応募者を適切に選別したいという意図があります。
多くの応募がある企業は、対面面接の時間や場所などの制約があるため、書類選考で応募者を絞り込んでいました。しかし、書類だけで応募者の人柄や能力を見極めるのには限界があります。
自己PR動画を活用することで、話し方や雰囲気から自社の求めている人材に近いか確認でき、話している内容や表情から自社への志望意欲を見極められます。
効率性も良いため今後ますます増える見込み
動画選考には、時間や場所の制約がないので、採用担当者だけでなくたとえば配属部署の社員も評価に参加できるといったメリットもあります。
自己PR動画が、書類選考だけでは判断できない学生の人柄や入社意欲を効率的に確認できる採用方法だと考える企業は、今後ますます増えていくでしょう。
1分の自己PR動画で自分の魅力を伝えきって面接につなげよう
1分の自己PR動画は、面接序盤でおこなわれることが多い選考方法です。ここを突破できなければ、どんなに行きたい企業だとしても面接にすら進めません。
だからこそ、後悔のないよう万全の準備をしたうえで撮影することが大事です。記事で解説した3ステップに沿って万全の準備をしてください。
書類や面接以上に個性を発揮しやすい動画は、やってみると案外楽しいかもしれません。どうすれば自分の魅力が伝えきれるのか、記事を参考にしつつ、試行錯誤して自己PR動画を完成させてくださいね。
アドバイザーコメント
若林 宏美
プロフィールを見る自己PR動画を撮影する前に3つのポイントをチェックして臨もう
自己PR動画は、カメラの前で自分をアピールするという慣れないことをするので、緊張してしまいますよね。
しかし、面接は一発勝負な部分がありますが、自己PR動画は自分が納得するまで何度も撮り直しができます。つまり良いものができれば、面接以上に自分をアピールできる道具にもなるわけです。
最後に、本文では詳しく触れられなかった服装や身だしなみについて3つのポイントを紹介します。
①髪の毛は整っているか
髪の毛が伸びているならカットして、清潔感を演出しましょう。髪型が整っているだけで、全体的に明るい印象になります。
自分でヘアセットができない人は、美容室でカットとセットをしてもらった後に撮影すると良いですよ。明るすぎる髪色なら、カラーで明るさを抑えましょう。
②服装は基本的にリクルートスーツで
服装は基本的にはリクルートスーツが無難です。会社によっては私服を指定されることもあります。その際は、業種によりますが、奇抜すぎる服は避けた方が良いでしょう。ただ、ファッション業界など服装が重視される業界ではこの限りではありません。
③メイクは就活にふさわしいものを
動画の場合、薄すぎるメイクはすっぴんのように見えてしまいます。あえて全部を濃くする必要はありませんが、ピンクベージュのリップやピンク系のチークなど、自分にとって血色よく、明るいイメージになるメイクを心掛けましょう。
みなさんの個性が発揮される自己PR動画が撮影できますように!
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/一般社団法人テツナグ代表理事
Hiromi Wakabayashi〇女性や学生向けのキャリア講座、行政主催の就職フェアでのキャリア相談に従事。また、ライター経歴を活かし、各種サイトでキャリアについて考えている人に向けた記事を監修
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/上級心理カウンセラー
Fumiko Furuta〇キャリアに関する記事の執筆・監修や、転職フェアの講演、キャリア相談、企業や学校でのセミナー講師など幅広く活動。キャリア教育に関心があり、学童クラブの支援員も務める
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