【就活生向け】押さえておくべき建築業界用語49選! 業界経験者による解説付き

業界経験のある専門家がこの記事を監修しました
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若林 宏美
キャリアコンサルタント/一般社団法人テツナグ代表理事
Hiromi Wakabayashi〇女性や学生向けのキャリア講座、行政主催の就職フェアでのキャリア相談に従事。また、ライター経歴を活かし、各種サイトでキャリアについて考えている人に向けた記事を監修

建築業界には、伝統的な大工用語から最新のデジタル技術用語、さらには現場特有の隠語まで、独特な用語が数多く存在します。

これらの言葉を正しく理解することで、スムーズな業務遂行やミス防止、そして何より志望企業への熱意を示すことにつながるのです。

この記事では、業界経験者の若林さんとともに、建築業界用語49選を解説していきます。基本的なものを網羅しているので、ここにある用語はぜひ覚えましょう。

まずは、記事前半で建築用語特有の成り立ちや特徴をつかみ、後半の用語集で業界の解像度を一気に高めてみてください。

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用語を暗記する前にチェックしよう! 建築業界用語の特徴

建築業界用語の特徴

  • 伝統的な大工用語由来の言葉が残る(例:納まり、墨出し、養生)
  • 西洋からの技術用語がある(例:アール、ピロティ、ラーメン構造)
  • 略語やアルファベットがある(例:BIM、QCDSE)
  • 隠語や言い換え語がある(例:打設、段取り、ばらし)
建築用語は専門的で難しそうなのですが、どう覚えれば良いですか?

キャリアコンサルタント/一般社団法人テツナグ代表理事

若林 宏美

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使用場面をイメージしよう! 用語と現場を結び付けるのが鍵

建築用語はカタカナや専門用語が多く、「難しそう……」と感じる人もいると思います。

しかし、この記事で紹介している用語は、実際の建築現場や打ち合わせで何度も使われる言葉です。そのため、一つずつ意味を理解していくことで、建築の世界がより身近に感じられるようになりますよ。

最初から完璧に覚えようとせず、「こういう場面で使うんだな」とイメージしながら学ぶようにしましょう。

ぜひ、用語の意味だけでなく、実際の建物や現場を思い浮かべながらチャレンジしてみてくださいね。

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建築業界用語49選|若林さんによる解説付き!

ここからは、建築業界で必ず押さえておきたい用語49選を若林さんによる解説付きで紹介します。辞書的な意味だけではなく、実際に現場でどのように使うかを想定しながらチェックして、就活や実務ですぐに役立つ知識として身に付けましょう。

用語対策をこれから始める人は、まず「用語を暗記する前にチェックしよう! 建築業界用語の特徴」に目を通してから、個別の単語を確認していくのがおすすめです。

あ行

足場(あしば)

解説
建築現場の高所における作業を、安全かつ効率的におこなうため設置される仮設の構造物のこと。鋼管などの部材を組み合わせて構築され、工事完了後には解体・撤去される。工事に欠かせない要素の一つであり、枠組足場や単管足場など、現場の状況に応じた種類が選択される。作業員の通路や資材置き場としての役割も持ち、建物の品質を維持するうえできわめて重要な存在。安全管理の観点から、法令にもとづいた適切な設置と点検が求められる。

若林 宏美

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建築業界では、足場を組み立てる専門の会社が存在しており、足場屋と呼ばれることもあります。

建築業界は工事内容により作業が細分化されているのが特徴です。型枠大工、鉄筋工、左官、電気工事、設備工事など、多くの職種が連携しながら一つの建物を完成させていきます

建築業界を目指すなら、どういった職種があるか、どのような流れで建築物ができあがるかを知っておくことも大切です。全体を知ることで、業界用語の理解もさらに深まります。

RC造(あーるしーぞう)

解説
「Reinforced Concrete」の略称であり、「鉄筋コンクリート造」とも呼ばれる。これは、鉄筋とコンクリートを組み合わせた構造で、双方の長所を活かしているのが特徴である。引張力に強い鉄筋と圧縮力に強いコンクリートの長所を一体化させ、高い耐久性や耐火性を実現する。中高層のマンションや公共施設などで、SRC造と並んで最もよく用いられる工法の一つである。設計の自由度が高い反面、自重が重いため、強固な地盤や基礎が求められる。熱を蓄えやすい性質を持つため、快適な住環境を維持するうえで断熱対策が重要となる。

若林 宏美

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建築業界は、似た用語が多いです。RC造と似たワードではSRC造やPC造があります。

SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)は、鉄骨の周囲を鉄筋コンクリートで覆った構造で、強度が高く、高層マンションや大型ビルで多く採用されます。

一方、PC造は工場で製造したコンクリート部材を現場で組み立てる工法です。

一般住宅ではRC造や木造が主流で、SRC造はコスト面から戸建住宅ではあまり使われません。

安全管理(あんぜんかんり)

解説
建設現場において、労働者の生命や身体の安全を確保し、労働災害を未然に防ぐための取り組みのこと。労働安全衛生法などの法令にもとづき、作業環境の点検や安全教育を継続しておこなう。現場監督や安全管理者が中心となり、KY(危険予知)活動やヒヤリハットの共有を実施する。事故の発生は工期の遅延や企業の信頼失墜に直結するため、最も優先されるべき項目の一つである。一人ひとりの意識付けが、事故のない現場環境の維持につながる。

意匠図(いしょうず)

解説
建物の外観や間取り、仕上げなどを表した図面のことで意匠設計者が作成をおこなう。建築物の全体像を視覚的に伝えるためのものであり、平面図、立面図、断面図などがこの中に含まれる。建物の美しさや使い勝手を左右する重要な役割を持ち、構造図や設備図と整合性を図りながら設計を進めていく必要がある。確認申請や施工の際にも、基本的な指針として用いられる、最も中心的な図面の一つである。

若林 宏美

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建築業界においてよく聞かれる用語です。建物の「見た目」を決める図面と思われがちですが、実際には建物全体の計画の基礎となる重要な図面です。

たとえば窓の位置一つを決めるだけでも、採光や通風だけでなく、構造の強度や設備配管との調整が必要になります。

そのため設計者はデザイン性だけでなく、法規や施工性、コスト面まで含めて検討を重ねながら図面を作成していくのです。

住宅会社や設計事務所によって図面表現や設計思想にも違いがあります。会社説明会やインターンシップで図面を見る際には「なぜこの間取りになっているのか」を意識すると、建築への理解がより深まりやすいですよ。

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請負契約(うけおいけいやく)

解説
当事者の一方が仕事の完成を約束し、注文者がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを約束する契約のこと。建設業界における、最も一般的かつ重要な契約形態の一つ。委任契約とは異なり、単に作業を進める過程ではなく、完成物の引き渡しが義務となる。工事内容や工期、代金の支払い時期などのほかに、契約不適合責任の範囲を明確に定める必要がある。トラブルを避けるため、建設業法にもとづき、必ず書面によって契約をおこなうこととされている。

SRC造(えすあーるしーぞう)

解説
「Steel Reinforced Concrete」の略称であり、「鉄骨鉄筋コンクリート造」とも呼ばれる。これは、鉄筋コンクリートの中に鉄骨を内蔵させた構造である。鉄骨造の持つ強度と、鉄筋コンクリート造の持つ耐火性や耐久性を兼ね備える。きわめて高い耐震性を発揮するため、大規模な高層ビルなどで、おもに採用される。柱の断面を細くできる利点がある一方で、施工工程が複雑になるため、コストは高くなる傾向にある。安全性を追求する建築において、最も信頼される工法の一つ。

S造(えすぞう)

解説
S造(Steel Construction)は、建物の骨組みに鋼材を用いる構造のこと。鉄骨造ともいわれ、おもに厚さ6mm以上の鋼材を使う重量鉄骨と、それ未満の軽量鉄骨の2つに分けられる。RC造に比べて建物自重を軽くできるため構造への負担が少なく、長いスパンを飛ばしやすいことから、大空間を持つ店舗や倉庫などで最もよく採用される工法の一つ。鋼材の持つ粘りによって優れた耐震性を発揮する一方、熱に弱いという弱点もある。そのため、耐火被覆を施すことで安全性を高める工夫が必要となる。

納まり(おさまり)

解説
建築における、異なる部材や材料が接合する部分の状態をいう。単に見た目の美しさのみならず、防水性や施工のしやすさといった機能面をすべて含めて評価される。良い納まりを実現するためには、設計段階で細かな取り合いを検討しておくことが欠かせない。現場の職人の技能や部材の寸法精度にも左右される。建物の品質を決定付ける最も重要な要素の一つであり、この良しあしが全体の完成度を大きく左右するといえる。

か行

外構工事(がいこうこうじ)

解説
建物の本体以外における、敷地内の外部空間を整える工事の総称。門扉やフェンス、カーポート、植栽、コンクリート打設などが含まれる。エクステリア工事ともいわれ、建物の外観を美しく引き立てるだけでなく、防犯やプライバシー確保の面でも重要な役割を持つ。排水計画や動線の確保を適切におこなうことで、生活の利便性が向上する。建物が完成に近づく最終段階で実施されることが多く、住まいの第一印象を決定付ける最も大きな要素の一つ。

若林 宏美

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エクステリアは、「ついで」というイメージを持たれがちですが、実は建物の印象を左右します。そのため建物本体とは別に、エクステリア専門の会社もあり、植栽やアプローチ、照明計画まで細かく施工するのが特徴です。

また、住宅会社によって外構への考え方は大きく異なります。最低限の駐車場やポストなどだけを施工する会社もあれば、建物とのバランスを考えながら、植栽や素材感までトータルで提案する会社もあります。

「外観にもこだわりたい」「街並みになじむ家にしたい」と考えるなら、外構提案に力を入れている会社かどうかを見るのも、会社選びのポイントの一つです。

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仮設工事(かせつこうじ)

解説
建築物の完成後には撤去される、工事中にのみ必要となる設備や施設を設ける工事の総称。足場、仮囲い、仮設トイレ、現場事務所の設置などがこれにあたる。建物そのものには残らないが、安全かつ効率的に作業を進めるうえで欠かせない要素の一つである。直接工事を支える「直接仮設」と、運営に必要な「共通仮設」に分けられる。適切な計画を立てることは、工期の短縮や近隣環境への配慮につながる。現場全体の質を左右する重要な取り組みである。

基礎(きそ)

解説
建物の荷重を地盤に伝える下部構造のこと。建物の安全性や耐久性を支えるうえで、最も重要な部分の一つである。地盤の強度や建物の規模にもとづき、ベタ基礎や布基礎、杭基礎などが使い分けられる。土台と接合し、地震や風などの外力を地面に逃がす役割を持つ。適切な設計や施工がおこなわれないと、不同沈下などの重大なトラブルにつながる。完成後には見えなくなるが、建物の寿命を左右する土台としてきわめて重要な存在である。

若林 宏美

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周辺用語とセットで覚えておきましょう。特に、以下の言葉は現場や社内でよく使われています。

地盤調査
建物を建てる前に、地盤の強さや性質を確認する調査。

地盤改良
地盤が弱い場合に、杭やセメントなどで補強をおこなう工事。

土留め
掘削した土が崩れないよう支えるための仮設工事。

配筋
基礎コンクリートの内部に入る鉄筋を組み立てる作業。

防湿シート
地面から上がる湿気を防ぐために敷くシート。

こうした関連用語を知っておくと、施工事例や現場見学の内容も理解しやすくなります。HP(ホームページ)などを確認する際に「その会社がどんな想いで施工しているか」を判断する一助としましょう。

基本設計(きほんせっけい)

解説
建築主の要望を具体的な形にする最初の段階のこと。建物の配置や平面、立面などの構成を定め、主要な仕上げや設備の概要を決定する。この段階で作成される図面や書類にもとづき、概算の工事費を算出することが多い。実施設計の前段階としてきわめて重要であり、全体の予算やスケジュールの骨組みとなる。施主と合意形成を図るうえで、最も意思疎通が求められるプロセスの一つである。

QCDSE(きゅーしーでぃーえすいー)

解説
QCDSEは、建設工事の施工管理における最も重要な5つの管理項目を指す。品質(Quality)、原価(Cost)、工期(Delivery)、安全(Safety)、環境(Environment)の頭文字を並べたものである。製造業におけるQCDに、現場作業の安全と周辺環境への配慮を加えた業界特有の概念といえる。さらに、これら5つの要素は互いに密接に関係しており、すべてを高い水準で両立させることが、より良い施工を実現するための基本となる。

杭基礎(くいきそ)

解説
杭基礎は、地表面に近い地盤が軟弱なとき、建物の重量を深い位置にある強固な支持層へ伝えるために用いられる基礎形式の一つである。地盤に杭を打ち込む、あるいは掘削し鉄筋カゴなどを用いてコンクリートを流し込むことで築造する。支持層の固い地盤による先端支持力と、杭の側面と土との間に生じる摩擦力の両面から構造物を支える仕組みである。支持層が深い都市部の高層建築物や大規模施設における、建物の沈下を防ぎ安全性を確保するために不可欠な技術といえる。

躯体(くたい)

解説
躯体とは、建物の自重や地震、風などの外力に耐えるための骨組みとなる構造体のことである。基礎、柱、梁、壁、床などがこれに該当し、人間でいう骨格にあたる。主要な材料により、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨造(S造)、木造などに分類される。仕上げ材や設備機器を除いた建物の根幹を成す部分であり、その強度が建物の寿命や安全性に直結するため、施工管理において最も重視される要素の一つといえる。

建築面積(けんちくめんせき)

解説
建築面積とは、建物を真上から見たときの水平投影面積のことである。一般的に、外壁や柱の中心線によって囲まれた部分の面積を指す。この数値は、敷地面積に対する建物の割合を示す建ぺい率を算出するうえで、最も重要な根拠の一つとなる。ただし、軒や庇などが1m以上突き出している場合は、その先端から1m後退した線までの部分を算入するなど、法令にもとづいた厳密な計算が必要である。

工区(こうく)

解説
工区とは、大規模な建設工事において、施工管理を効率化するために全体を分割した作業範囲のことである。敷地が広大な道路や高層建築物などの現場で、進捗や責任の所在を明確にするために設定される。一つの工事を複数の範囲に分けることで、異なる専門業者が並行して作業を進めることが可能となる。作業の効率化、工期短縮、資源の効率的な投入を目的としており、管理上の区分として定められる単位の一つといえる。

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工事監理(こうじかんり)

解説
工事監理とは、建築士が設計図書と実際の工事を照合し、設計通りに施工されているかを確認する業務である。建築基準法にもとづき、建築士に義務付けられている重要な役割となる。施工者がおこなう現場の施工管理とは異なり、発注者の代理人として中立な立場から品質をチェックする。手抜き工事を防ぎ、建物の安全性を担保するために欠かせない工程の一つであり、不備があれば施工者に指示を出し、是正を求めることもある。

構造図(こうぞうず)

解説
構造図とは、建物の骨組みの作り方を示す設計図のことである。柱、梁、壁、床、基礎などの部材の配置や寸法、材質が詳しく記載されている。たとえば、鉄筋コンクリート造であれば鉄筋の太さや本数、鉄骨造であれば鋼材の種類や接合方法などが示される。意匠図にもとづき、構造計算によって安全性が確認された数値を形にしたものであり、現場の職人が躯体を正しく組み立てるために最も重要な図面の一つといえる。

工程管理(こうていかんり)

解説
工程管理とは、現場監督や施工管理担当者などが定められた工期内に建物を完成させるため、各作業の順序や日程を計画し、進捗を調整する業務のことである。バーチャートやネットワーク工程表などを用いて常に現場の状況を正確に把握し、遅れが生じないよう管理をおこなう。もし遅延が発生したときには、人員の配置転換や作業手順の見直しによって速やかに調整をおこなう。円滑な施工を実現するために最も重要な役割の一つであり、原価や品質にも大きな影響を与えるものといえる。

工程表(こうていひょう)

解説
建設工事における、作業の種類や順序、および必要な期間を時系列でまとめた計画図のことである。全体像を把握する全体工程表のほか、月間や週間などの細部を管理するものが使い分けられる。バーチャートやガントチャート、ネットワーク式など、目的に応じた形式がある。適切な工程管理をおこなうことで、工期の遵守や品質の確保、さらに人員の手配などを円滑に進めるための、現場運営における最も重要な指針の一つである。

さ行

在来工法(ざいらいこうほう)

解説
日本で古くから発達してきた木造建築の工法の一つ。正式には木造軸組工法という。基礎の上に土台を据え、柱や梁といった軸組みで建物を支える構造である。設計の自由度が高く、増改築をおこなうときも柔軟に対応できるほか、ほかの工法より費用が抑えられることが多いため、日本の住宅建築において最も普及している。近年は接合金物の使用や、耐震性能を向上させるための工夫が至る所になされている。

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サブコン

解説
サブコンはサブコントラクターの略称で、ゼネコンなどの元請け業者から、特定の専門工事を直接請け負う専門工事業者のことである。おもに電気、空調、給排水衛生設備などの設備工事を担う企業を指す。建築現場における施工管理の実務を支える、きわめて重要な存在の一つである。元請けと連携し、高度な専門技術を提供することで建築物を完成させていく。現場運営を円滑に進めるうえで欠かせないパートナーといえる。

仕上げ工程(しあげこうてい)

解説
建物の骨組みとなる構造体が完成した後に、内外装の装飾や保護をおこなう一連の作業を指す。塗装や左官、タイル、建具工事などが含まれる。建物の外観や、利用者が直接目にする内部空間の質を決定づけるきわめて重要な段階の一つである。防水や断熱といった機能面の確保も担うため、その良否が建物の寿命にも影響する。この工程を経て、建物は実用性と美しさを備えた完成の状態へと近づいていく。

CM(しーえむ)

解説
コンストラクション・マネジメントの略称である。発注者の代行者であるCMr(コンストラクション・マネジャー)が、専門的な知見にもとづき、設計から施工に至るまで予算や品質、工程を管理する手法を指す。不透明になりやすい建設コストの適正化や、複雑なプロジェクトを円滑に進めるために導入される。すべてを一括で請け負う従来の方式とは異なり、発注者の利益を最大限に守る役割を担う、現代の建設業界において注目される仕組みの一つである。

JV(じぇいぶい)

解説
ジョイント・ベンチャーの略称で、日本語では建設工事共同企業体という。複数の建設会社が、一つの工事を請け負うために一時的に結成する組織のことである。単独の企業では引き受けることが難しい大規模なプロジェクトにおいて、資金力や技術力を結集し、リスクを分散させるために結成される。おもに公共工事などで活用される手法であり、各社の出資比率や役割分担にもとづき運営をおこなう。業界における協力体制を象徴する仕組みの一つといえる。

下請け(したうけ)

解説
下請けとは、発注者から直接工事を請け負った元請け業者から、その業務の全部または一部をさらに引き受けることである。建設業界は、多層下請け構造という重層的な仕組みによって成り立っている。おもに専門的な技能を持つ業者が各工程を分担しておこなう。現場を円滑に回すうえで欠かせない存在であるが、責任の所在を明確にすることや適正な契約を結ぶことが、品質を維持するための最も大切な条件の一つといえる。

実施設計(じっしせっけい)

解説
基本設計にもとづき、実際の工事をおこなうために必要な詳細な図面や仕様書を作成することである。意匠、構造、設備などの情報をすべて盛り込み、正確な見積もりの算出や現場作業の指針とする。この段階で、細かな寸法や具体的な材料の指定まで厳密に定められる。建物の安全性や品質を左右する最も重要なプロセスの一つであり、確認申請などの手続きにも用いられる。完成した図面は、施工者との契約における重要な根拠となる。

墨出し(すみだし)

解説
墨出しとは、設計図にもとづいて、柱や壁などの位置を工事現場の床や壁に記す作業のことである。かつては墨つぼと糸を用いていたが、現代ではレーザー墨出し器などもよく使われる。この作業で引かれた基準線は、そのあとのすべての工程において重要な指標となる。精度の高い施工をかなえるための最も基本的な工程の一つであり、現場が動き出すときに欠かせない、きわめて重要な役割を担う。

施工図(せこうず)

解説
設計者が作成した設計図にもとづき施工業者が実際に工事をおこなうため、より具体的かつ詳細に描いた図面のこと。設計図には描ききれない細かい寸法や、部材が重なり合うところの収まりなどを明確にする役割を持つ。現場の職人が作業をおこなううえでの直接的な指示書となるため、精度の高い施工をかなえるために欠かせない。工作図など種類はさまざまであり、品質管理を徹底するうえで最も重要な書類の一つである。

た行

耐力壁(たいりょくへき)

解説
建物にかかる地震や風などの水平荷重(横からの力)に対抗するための壁のこと。建築基準法にもとづき、地震時の揺れや強風に耐えるよう設計される。筋かいを入れたものや、構造用合板を規定の釘で打ち付けたものなどがある。建物の安全性を確保するうえで最も重要な構造部材の一つであり、バランス良く配置されることで倒壊を防ぐ役割を果たす。この壁は安易に撤去してはならず、リフォームなどで撤去・変更する際には、構造への影響を構造図などで十分に確認する必要がある。

打設(だせつ)

解説
コンクリートを型枠の中に流し込む作業のこと。建築物や工作物の骨組みを造るうえで、重要な工程の一つといえる。生コンクリートを隙間なく行き渡らせるため、バイブレーターなどで振動を与えながらおこなう。品質を保つため、気温や湿度に配慮し、途中で途切れることのないよう計画的に進める必要がある。打設が不十分だとジャンカなどの欠陥につながるため、きわめて高い専門技術が求められる現場の山場である。

段取り(だんどり)

解説
段取りとは、作業を円滑に進めるための準備や計画のことである。建築現場では「段取り八分」といわれるほど重要視される。具体的には資材の手配や人員の配置、作業手順の確認などが含まれる。これをおろそかにすると、工程の遅延や事故につながる恐れがある。全体の流れを把握し、先を見据えて動く能力が求められる。効率的な施工を叶えるための最も基本的な要素の一つであり、現場監督や職人の技能が試される所でもある。

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な行

内装制限(ないそうせいげん)

解説
建築基準法にもとづき、火災時の延焼を遅らせて避難の時間を確保するために、壁や天井の仕上げ材料を制限する規定のこと。不燃材料、準不燃材料、難燃材料などの区分がある。特殊建築物や一定の規模を超える建物、あるいは火気を使用する調理場などが対象となる。安全な空間を造るうえで、最も注意すべき法規制の一つである。設計をおこなうときは、対象となる範囲や基準を正しくとらえることが求められる。

若林 宏美

プロフィール

内装制限」に似たワードが「準防火地域」です。内装制限が屋内についての規定であるのに対し、準防火地域は屋内の延焼の予防はもちろん、壁・窓・屋根など外部への延焼を防ぐための資材の制限があります。

2つを組み合わせて施工しなければならない場合も多く、この2つの言葉には密接な関係があります。ただし、内容が違うため混同しないように気を付けましょう。

2項道路(にこうどうろ)

解説
建築基準法第42条第2項にもとづき、幅員が4m未満であっても特定行政庁の指定を受けている場合は、建築基準法上の道路とみなされる。一般にみなし道路ともいわれる。この道路に接する敷地で建物を建てるときは、道路の中心線から2m後退するセットバックをおこなう必要がある。将来的に4mの幅員を確保することを目的とした規定。安全な避難経路や通行を確保するうえで欠かせない、都市計画における最も重要な制限の一つ。

若林 宏美

プロフィール

比較的、古くから住宅が建ち並ぶ地域で広く見られる制度です。

道路幅が4m未満でも、建築基準法上の道路として扱うことで建て替えを可能にしています

また、道路部分の土地を道路中心線を境に近隣住宅同士で半分ずつ所有しているケースも意外と多いのが特徴です。そのため、セットバック部分は私有地でありながら、将来的な道路空間として扱われます。

ただし、近年の分譲地では、あらかじめ4m以上の道路幅が確保されていることが一般的です。

延床面積(のべゆかめんせき)

解説
建物の各階の床面積をすべて合計した面積のこと。延べ面積ともいわれる。建築基準法において容積率の制限を遵守しているかを判定するベースとなる最も重要な数値である。吹き抜けやバルコニー、あるいは駐車場などは、一定の条件を満たすことで算入されない場合がある。建物の規模や資産価値、さらに税金の計算の基礎となるため、設計の段階から正確にとらえる必要がある。

若林 宏美

プロフィール

延べ面積と建築面積は混同されやすいため、違いを整理して覚えておきましょう。延べ面積は「各階の床面積を合計した面積」、建築面積は「建物を真上から見たときの面積」を指します。

たとえば、2階建て住宅の場合、1階50㎡・2階50㎡なら、延べ面積は100㎡、建築面積は50㎡です。

建ぺい率は建築面積、容積率は延べ面積が基準になります。それぞれどの法規制に関係するかもセットで理解しておきましょう。

は行

ばらし

解説
建設現場において、一度組み立てた型枠や足場などを解体する作業を指す。特に多いのが、打設したコンクリートが一定の強度に達したときにおこなう型枠の取り外しである。バラシのタイミングを誤ると、建物の品質や安全性を損なう恐れがあるため、きわめて慎重な判断が求められる。効率的な施工を進めるうえで欠かせない工程の一つであり、安全管理を徹底しながら作業を進めていく必要がある。

若林 宏美

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このワードは、どちらかというと建設現場でよく使われる用語です。

そのため、建築士や住宅メーカーなどでは、「解体」や「脱型(だっけい)」といった表現が使われることもあります

特にコンクリート工事では「脱型」という言葉が用いられるケースもあるため、建築業界を目指すなら併せて覚えておきましょう。どちらも押さえることで、現場や図面、打ち合わせでの理解が進みます。

日影規制(ひかげきせい)

解説
建築基準法にもとづき建物が周囲に落とす日影の時間を制限することで、近隣の住宅の採光を確保するための規定である。1年で最も影が長くなる冬至の日を基準とし、午前8時から午後4時までの間に、周囲の敷地に一定時間以上の影を落とさないよう計画しなければならない。住宅系などの用途地域ごとに厳しい制限が定められている。良好な住環境を守るための最も重要なルールの一つであり、設計の初期段階で入念なシミュレーションをおこなう必要がある。

若林 宏美

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今回のワードと併せて覚えておきたいのが「斜線制限」です。

斜線制限とは、道路や隣地の日当たり・圧迫感を守るため、建物の高さや形状を制限するルールのことを指します。代表的なものが道路斜線・隣地斜線・北側斜線です。

特に住宅が密集する都市部では、日影規制と斜線制限を同時に検討しながら設計を進めるケースが多く、建物の形状や間取りに影響します。

建築業界には意味の似たワードが多いため、それぞれの意味をしっかりと押さえておきましょう。

BIM(びむ)

解説
ビルディング・インフォメーション・モデリングの略称。コンピュータ内に作成した建物の三次元モデルに、部材の名称やコスト、仕上げなどの属性情報を統合する仕組みである。従来の二次元的なCADと異なり、設計から施工、さらに維持管理に至るまで、建物のライフサイクルすべてにおいて情報を一元管理できる。図面の整合性を保ち、部材同士の干渉をあらかじめ把握することで、手戻りを防ぐ効果がある。建設業界のDXを推進するうえで最も重要な技術の一つ。

品質管理(ひんしつかんり)

解説
品質管理とは、設計図書や仕様書にもとづく品質を確保するために、工事の各段階で適切な確認をおこなうことである。施工精度を保ち、建物の耐久性や安全性を守るうえで欠かせない。写真撮影や検査結果の記録などによって、不可視の部分も含めて適切に施工されたことを証明する。近年では、タブレット端末やクラウド、AI技術などを活用した品質管理も進んでおり、作業の効率化が図られている。現場管理における4つの重要管理項目(工程、原価、品質、安全)の一つであり、発注者の信頼に応えるための最も基盤となる取り組みである。

VE(ぶいいー)

解説
バリュー・エンジニアリングの略称である。建築物の機能とコストのバランスを分析し、価値の向上を図る手法である。単なるコスト削減とは異なり、必要な機能を維持したうえで、より安価な材料や工法を検討することをいう。設計や施工の段階において、発注者の利益を最大化するために実施される。専門的な知見にもとづき、品質を落とさずに無駄を省くための取り組みであり、現代の建築プロジェクトにおいて欠かせない考え方の一つといえる。

ベタ基礎(べたきそ)

解説
建物の底面すべてを鉄筋コンクリートの床板で覆う形式の基礎のことである。建物の重さを点や線ではなく、面で分散して支えるため、不同沈下を防ぐ効果が高い。さらに、地面からの湿気やシロアリの侵入を遮断できるという利点もある。軟弱な地盤においても安定した支持力を得やすいため、現在の木造住宅において最も一般的に採用されている形式の一つである。品質の安定を図るうえで欠かせない、現代建築の基盤を支える重要な技術といえる。

ま行

免震構造(めんしんこうぞう)

解説
建物と基礎の間に積層ゴムなどの免震装置を設置し、地盤の揺れを建物に直接伝えないようにした構造のこと。地震エネルギーを吸収するダンパーを併用することで、建物自体の揺れを大幅に低減できる。家具の転倒や設備への被害を防ぎ、災害時でも建物の機能を維持しやすい。高層ビルや病院など、高い安全性と継続性が求められる建築物をはじめ、一般住宅においても採用が広がっている耐震技術の一つ。

元請け(もとうけ)

解説
発注者から直接工事を請け負う業者のこと。おもにゼネコンなどがこの役割を担う。工事全体の責任を持ち、工程管理や品質管理、安全管理を一括しておこなう。現場で実作業をおこなう下請け業者をまとめ、プロジェクトを円滑に進めるための最も重要な立場の一つである。発注者と直接契約を結ぶ主体として、建物の完成と引き渡しに至るすべてのプロセスに全責任を負う。

や行

養生(ようじょう)

解説
建築工事の過程において、仕上げ済みの箇所や既存部材が傷ついたり汚れたりしないようシートやテープなどで保護することを指す。また、コンクリートの打設後に所定の強度を発現させるため、適切な温度や湿度に保つ管理も養生という。
前者は表面保護の役割を持ち、後者は化学反応を正常に進めるために不可欠な工程の一つである。工事全体の品質を保つうえで、きわめて重要な役割を担う作業といえる。養生の丁寧さは、現場の品質管理意識を表す要素の一つともなる。

容積率(ようせきりつ)

解説
敷地面積に対する建築物の延べ面積の割合をいう。都市計画によって用途地域ごとに制限値が定められており、この数値は適切な土地利用や居住環境の維持、人口密度の調整を目的とする。算出の基礎となる延べ面積には、一定の条件を満たす地階や共同住宅の共用部分など、不算入となる特例も存在する。また、前面道路の幅員による制限も受けるため、設計を進めるうえで最も重要な法規制の一つといえる。

用途地域(ようとちいき)

解説
用途地域とは、都市計画法において、用途によって地域を住居系・商業系・工業系に区分し、そこからさらに13種類に分けたものである。用途地域によって、建築物の用途や建ぺい率、容積率、高さなどを制限することで、混在による不利益を防ぎ、効率的で良好な市街地を形成するうえで有効である。土地の性格を決定づける最も基本的な枠組みの一つであり、建築計画を立てるうえでは、その土地がどの地域に属するかを真っ先に確認する必要がある。

ら行

ラーメン構造(こうぞう)

解説
柱と梁を剛接合することで、強固に一体化した枠を形成する骨組形式をいう。ドイツ語で「枠」という意味を持ち、近代建築における最も一般的な構造形式の一つといえる耐力壁や筋交いを用いる必要がないため、大きな開口部や自由な間取りを実現できる点が最大の利点である。その一方で、地震などの力に耐えるために柱や梁が太くなりやすく、室内に凹凸が出ることがある。おもに鉄筋コンクリート造や鉄骨造に採用されている。

リスクアセスメント

解説
工事現場における労働災害を未然に防ぐため、潜んでいる危険性や有害性を特定し、その大きさを評価したうえで、対策の優先順位を決める手法をいう。作業のなかで「危ない」という気づきを共有し、リスクを除去または低減するための具体的な措置を講じる一連の取り組みである。施工計画の段階であらかじめ実施することで、重大な事故を回避できる。安全衛生管理体制を確立するうえで、最も基本的な工程の一つといえる。

建築業界用語をマスターするときのポイント

アドバイザーのリアル・アドバイス!覚えるコツは建築の世界に触れること! 視覚的な情報も役立つ

キャリアコンサルタント/一般社団法人テツナグ代表理事

若林 宏美

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用語を覚えるコツは何事も「暗記だけ」で終わらせないことです。たとえばRC造や耐力壁なども、実際の建物や現場写真と結び付けることで、一気に理解しやすくなります

最近は、一級建築士試験向けのYouTubeでも、建築用語や施工の流れをわかりやすく解説している動画が多く、ライトに勉強したい人にはおすすめです。

ただし、YouTubeは誰でも発信できるため、情報が古かったり誤っているケースもあります。必ずテキストや建築基準法、複数の情報源でダブルチェックする意識を持ちましょう。

現場に出向く対策が効果的! 自分に合った方法で身に付けよう

また、気になる建設会社や住宅会社のHPを見るだけでも勉強になります。施工事例や「当社の強み」を読むと、実際にどんな工法や構造が使われているかが自然と頭に入ってきます。

より本格的に理解を深めたいなら、インターンや会社説明会に参加してみましょう。現場で実際に使われている言葉を聞けるため、理解が深まるだけでなく記憶に残りやすくなります。

また、一般的に使われている用語も地域によって別の言い方をしていることもあるのです。そうした小さな違いがおもしろく、学習意欲を高めることにもつながります。

まずは「建築の世界にたくさん触れること」が、学ぶ近道です! ピンときた方法からぜひ試してみてくださいね。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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