自分の強みを活かせる仕事として、「人の話を聞く仕事」に興味を持ったことがある人も多いのではないでしょうか。
人の話を聞く力がある人は「聞き上手」ともいわれ、さまざまな業界・業種で活かせる強みである一方、それに特化した仕事といわれると具体的には思い浮かばない人も多いでしょう。
この記事ではキャリアアドバイザーの永田さん、古田さん、遠藤さんと一緒に、人の話を聞く仕事の職種例とそのやりがい、必要なスキルなどを解説します。
記事を読んで自分の理想とする仕事とその仕事に就くために必要なスキルを理解して、理想のキャリアに一歩近付きましょう。
人の話を聞く仕事は「どんな話を聞くのか」を知ることで解像度が上がる
人の話を聞く仕事はとても範囲が広く、自分がどのような仕事を理想としているのかを明確にしないと、ミスマッチが起こりやすい仕事といえます。そのため、仕事例をたくさん知って視野を広げる前に、自分がどのような人のサポートをしたいのか、どのような話を聞きたいのかを言語化することが大切なのです。
記事では、まず人の話を聞く仕事を4つのタイプに分類します。そこから一番自分のイメージに近い人の話を聞く仕事は何かを選んでみてください。そのうえで職種例を知ることで、自分がかかわりたい人にアプローチできる仕事について理解を深めることができます。
そして後半では、人の話を聞く仕事のやりがいや必要なスキル、注意点を解説していきます。資格が必要な仕事もいくつかあるので、すぐに挑戦できるのか準備が必要なのかを確認しましょう。
併せて人の話を聞く仕事に就くための方法も紹介しているので、自分の強みを活かして「人の話を聞いて周りの人を助けながら働きたい」と考えている人はぜひ最後まで読んでみてくださいね。
誰の何をサポートしたい? 人の話を聞く仕事の4つのタイプ
一口に人の話を聞く仕事といっても、どのような人の、どのような話を聞くのかによって、仕事の内容は大きく変わります。ここがずれるとミスマッチにつながってしまうので、まずは誰の何をサポートしたいのかを明確にしましょう。
ここでは人の話を聞く仕事を4つのタイプに分類しています。どれが自分のイメージしている「人の話を聞く仕事」なのかを確認してみてください。
具体的な仕事を知る前に自己理解や自己分析をして、やりたいことの軸を明確にしておくことは、その後の職種選択のしやすさにもかかわります。
また、間違った選択をして顧客に迷惑をかけてしまうことも避けられるためとても重要といえます。
①困っている人の小さな疑問を解消する仕事
人の話を聞く仕事というと、誰かの悩みを聞いて一緒に解決策を考える仕事を想定する人が多いかもしれませんが、日常のふとした疑問や「道に迷った」というレベルの小さな悩み事を解決する仕事も人の話を聞く仕事の一つです。
このタイプは、話の内容も端的で悩みも浅いケースが多いので、たくさんの人の悩みや疑問を解決できるという魅力があります。一つひとつの疑問や悩みは小さくても、一日に数十名、数百名の人の話を聞いて解決できるというのがこのタイプの仕事の特徴です。
②困っている人/会社の課題を解決する仕事
何かで困っている人には、悩みの種が明確なパターンと悩みの原因がわからないことで困っているパターンがあります。
前者に対しては、先ほど紹介した「困っている人の小さな疑問を解消する仕事」でカバーできますが、後者に対してはそれでは不十分です。ただ相手が自覚している悩みや不安を聞くだけでは根本解決にならない可能性が高いので、深く状況や考えを聞く必要があるのです。
このような困っている人の悩みを深掘りして解決策を考える仕事には、コンサルタントや営業職などが含まれます。誰かの悩みを聞くだけでなく、そこから状況が好転するようなアドバイスをするまで担うのがこの仕事の特徴です。
個人の簡単な疑問だけでなく、会社全体の課題解決に携わる場合もあるので、社会への影響が大きい仕事といえます。
③悩んでいる人の不安に寄り添う仕事
人の話を聞く仕事をイメージしたときに、カウンセラー系の仕事を想定する人も多いでしょう。カウンセラーも困っている人の悩みを聞いて解決する仕事ですが、②のタイプとの大きな違いはアドバイスや解決策が求められていない場合もある点です。
カウンセリングをお願いする人の中には、「悩みはわからないがただ今の状況を聞いてほしい」「誰にも相談できないからとりあえず誰かを頼りたい」という考えの人もいます。解決策を提示することがむしろ余計になることもあるので、より深く相手の悩みを理解し、何を求めているのかを察する能力が必要になります。
高い技術や専門的な知識が必須な仕事ですが、その分相談者が悩みや不安と上手く付き合えるようなサポートができた際は喜びも大きいですよ。
④主軸となるサービスの延長として人の話を聞く仕事
メインの業務は別だとしても、仕事の中で人の話を聞くことが必須な仕事もあります。たとえば、販売職や接客業などが当てはまります。
このタイプの仕事は、職種によって小さな疑問を解決する場合も深い悩みに寄り添う場合もあります。メインの業務ではなくても、人の話を聞いて一緒に考えるという部分は共通するのです。
またアルバイトから始められる仕事もあるので、人の話を聞く仕事に興味があっても自分に向いているのかわからない、まだ自信がないという人には特におすすめです。さまざまな価値観や世代の人の話を聞く体験をしてみたい人は、まずこのタイプの仕事から挑戦してみるのも一つの手です。
- どんな人の話を聞くのも面白そうなのですが、どうやって絞ったら良いでしょうか?
迷ったら自分の強みと仕事の特徴を照らし合わせよう
うまく仕事を絞れないときは、自分の特性が活かせそうな職種はどれかを基準に判断すると良いと思います。
たとえば、心理カウンセラーという仕事と営業職では、お客様となる人の問題を解決する点では同じですが、その意図はまったく異なります。
カウンセリングでは抱えている問題を解消するための方法の一つが話を聞くことですが、営業ではサービスを購入してもらうためにユーザーの話を聞くということになります。
その話を聞いている段階でのかかわりがそれぞれ違うので、自分ならどの仕事の「話を聞いている瞬間が合っていそうか」を想像して決めてみてください。
人の話を聞く仕事20選! タイプ別で仕事内容を解説
人の話を聞く仕事の4分類への理解が深まったことで、自分がどんな人の話を聞きたいかが少しずつイメージできてきたのではないでしょうか。
ここからはその4つのタイプ別で具体的な仕事を紹介していきます。どのような業務なのか、どのような人とかかわることが多いのかなどを理解して、仕事への解像度を上げていきましょう。
困っている人の小さな疑問を解消する仕事2選
小さな疑問や質問を解決する仕事は職種例を挙げたらキリがないですが、今回は業務のほとんどの時間を人の話を聞くことに割いている職種を2種類紹介します。
この仕事は、ほかのタイプの仕事に比べて、より多くの人とかかわれるという特徴があります。一人の深い悩みに寄り添いたいというより、解決しやすく感謝にも直結しやすい仕事の方が向いていそうという人はこのタイプの仕事がおすすめです。
①窓口受付
銀行や郵便局などに設けられている窓口受付は、顧客の小さな疑問や不安を解決する仕事として広く知られています。
この仕事のメリットは、基本的に対面で顧客に対応するため相手の疑問が解決した瞬間を見届けられるという点です。自分の対応によって一人でも多くの人の疑問を解決できていると実感しやすいので、日々の業務のモチベーションも保ちやすいでしょう。
しかし対面だからこそ、クレーム対応のストレスも大きくなるデメリットがあります。理不尽なクレームを言われることもあるかもしれないので、自分のストレス耐性も考慮してみてくださいね。
対面で窓口対応がある仕事例
- 銀行窓口
- 郵便局窓口
- ハローワーク
- 医療事務
②カスタマーサポート
カスタマーサポートも窓口業務の一環です。窓口受付は対面が基本ですが、カスタマーサポートは電話やメール、チャットなどで対応するのが一般的です。
顧客からの問い合わせの内容は幅広く、サービス・商品の使い方に関する小さな質問から、商品を購入するかどうかの相談、サービスに対する不満などが含まれます。相談の場合は相手の状況までヒアリングする必要がありますが、基本的には相手の疑問に対して適切に回答することが仕事です。
カスタマーサポートは対面の窓口よりも顧客が気軽に相談できるので、より多くの人の疑問を解消できます。一方で相手の顔が見えないので、役に立っている実感が小さくなってしまう可能性もあります。
マニュアルに沿うことも大切ですが、その範囲内で顧客にどのような価値を提供できるのかを意識して取り組むと、やりがいにもつながるでしょう。
カスタマーサポートの中でも、スマートフォンやパソコンなどのハードウェアやソフトウェアの問い合わせに対応する仕事を「テクニカルサポート」と呼びます。IT系の分野のカスタマーサポートに興味がある人は、こちらで詳しく解説しています。
テクニカルサポートの仕事とは? 魅力から厳しい一面まで実態を解説
- 相手の顔が見えないとどうしても作業のように感じてしまいそうです……。
相手の声や言葉遣いに注目すれば表情も見えてくる
相手の顔が見えない、耳からの情報だけが頼りという場合こそ、単なる聞き取り作業ではなく、「聞く力」を最大限発揮する場面です。
表情から相手の様子がわからない分、声のトーンや話し方から気持ちや状況を推測し、どのような言葉を使っているのか、何を言いたいのか耳をすませて聞いてみてください。
相手の声の様子が「ほっとした」「問題が解決した」という明るい様子に変化するのが感じられるまでじっくり対応すれば、相手の役に立てたという実感も得られると思いますよ。
困っている人/会社の課題を解決する仕事6選
困っている人/会社の課題を解決する仕事6選
困っている人や会社の課題を解決する仕事には、特に業界に縛られない職種が多く分類されています。業界や専門分野によって仕事内容も大きく変わるので、気になる職種が見つかったら、どの業界でその仕事にかかわりたいかも考えてみてくださいね。
①営業職
一般的な営業職のイメージは「自社商品の魅力を語る仕事」や「商品を買ってもらうために交渉する仕事」などが多いかもしれませんが、実は人の話を聞く能力がとても重要な職種です。
営業として商品やサービスを買ってもらうためには、顧客の悩みや課題をヒアリングして、その解決策として商品・サービスを打ち出す必要があります。そのため営業として成果を上げるためには、まず相手の話を聞くことが求められるのです。
営業には法人営業と個人営業、また顧客の種類によってもさまざまな種類がありますが、どの営業でも、顧客の悩みを細かく聞いて、自社商品こそ一番合っているということを示さないと契約にはつながりません。話を聞いたうえで論理的に説明するスキルも必要といえますね。
営業職のおもな種類
- 法人営業(BtoB営業)
会社に対して商品やサービスを営業する仕事。担当者に決裁権がない場合もあるので、何度も営業をかけなければならないケースもあるが、一件当たりの金額は大きい - 個人営業(BtoC営業)
消費者に直接商品やサービスを営業する仕事。一件当たりの金額は法人相手より小さいが、その場で購入を決めてくれる場合もあるため、短期間で多くの人にアプローチができる
法人営業についてどのような仕事なのか詳しく知りたい人は、こちらの記事で解説しています。
BtoB営業ってどんな仕事? 魅力から大変な部分までまるごと解説
営業職を目指したいなら志望動機にはこだわりましょう。営業の種類によるアピールポイントの違いなどを解説しています。
例文18選|営業職の志望動機で採用担当者を惹きつけるコツ
かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
②コンサルタント
企業が抱える課題や悩みに対して、適切なアドバイスや支援をする仕事をコンサルタントと呼びます。コンサルタントは専門分野によって、「経営コンサルタント」「人事コンサルタント」と分類されるので、自分がどの領域の課題を解決したいかを明確にする必要があります。
コンサルタントは専門分野の経験や知識はもちろん、論理的思考力や分析力が求められる仕事です。相手の課題や悩みを聞いたうえで、その課題の根本を分析し、実現可能な解決策を提示しなければならないのです。
人の話を聞く仕事の中でも、企業や業界単位などの規模の大きな課題を解決できるので、影響力の大きい仕事をしたい人にはおすすめですよ。
コンサルタントの種類
- 経営コンサルタント
- ITコンサルタント
- 人事コンサルタント
- 広報コンサルタント
ITコンサルタントに興味がある人は、目指す前にどのような仕事内容なのか詳しく知っておきましょう。魅力と大変なところの両面から解説しています。
ITコンサルタントは激務? 仕事内容から就職方法まで徹底解説
コンサルタントになるためには、深く企業研究をしたうえで志望動機を作成する必要があります。採用担当に響く志望動機の作り方を確認しましょう。
例文12選|コンサルの志望動機で必須のアピール内容とNG例を解説
- 人の話を聞くことは得意でも、自分から話すことが苦手な人はコンサルタントとして活躍できないでしょうか?
顧客のタイプによっては話すことが苦手でも活躍できる
顧客の中には、話すうちに自分で課題に気付いて自己解決する人もいます。そのようなタイプの場合、自分の話す量が顧客を上回るとむしろ萎縮してしまうことがあります。相手のタイプを見極めつつ、信頼を得るためには傾聴を心がけましょう。
しかしそのような人ばかりではないため、アドバイスがほしいと思って来ている顧客の場合は、話が苦手だと会話が続かなくなる可能性があります。
もし今アイデアを出すことが苦手な場合でも、会話のキャッチボールは勉強や練習で克服できる可能性もあります。苦手なものを克服することで顧客の信頼も得られると思うので、活躍も期待できるでしょう。
③ファイナンシャル・プランナー(FP)
ファイナンシャル・プランナーとは
貯蓄の仕方や保険、投資についてなど、顧客の総合的な資産設計について提案し、その実行を支援する仕事
ファイナンシャル・プランナーの仕事のメインは、顧客の資産形成のサポートです。資産形成を適切におこなうためには、顧客の現状の資産や今後の目標を聞き出すことが重要になります。
自身の貯蓄額や資産運用の状況はかなりプライベートな内容であり、失敗した場合の損失も大きいので、特に慎重になる人が多くいます。そのため相手に信頼してもらえるように、専門的な立場から的確なアドバイスができることを示すことがポイントです。
ファイナンシャル・プランナーは資格がいくつかあるので、信頼性を担保するためにもぜひ検討してみてください。
ファイナンシャル・プランナーにおすすめの資格
④システムエンジニア(SE)
IT業界の成長とともに広く知られるようになったシステムエンジニア(SE)も、実は人の話を聞く仕事の一つです。
システムエンジニアとは
ITシステムの開発や設計を担当する仕事。担当する範囲によって、企画・設計・実装・保守と呼ばれる
SEというと、一般的にはパソコンに向かって個人で作業をしているイメージが強いかもしれません。しかし新たにシステムを開発する際には、何の目的で作るのか、どのような仕様にしてほしいのかなど、顧客の要望を聞いてシステムに取り入れるという工程が必須です。
実際にコードを書くなどの実務レベルでは個人作業でも、その上流の工程には人の話を聞く場面が多くあります。そのため専門技術を活かしつつ人の話を聞く仕事をしたい人は、SEの上流工程の仕事がおすすめですよ。
SEのおもなの種類
- ネットワークエンジニア
- データベースエンジニア
- インフラ エンジニア
それぞれのエンジニアの具体的な仕事内容や魅力については、以下の記事で解説しています。
システムエンジニア
システムエンジニアとは? 仕事内容から未経験の就職方法まで解説
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアの仕事がすべてわかる! 未経験の就職方法も
データベースエンジニア
データベースエンジニアになるには? 仕事内容や向いている人の特徴を解説
インフラエンジニア
インフラエンジニアを目指す学生必見! 仕事内容や魅力を解説
SEに加えて、Webデザイナーの仕事などもコミュニケーションが必要な場面はかなり多く、人の話を聞くことに長けている必要があるでしょう。
クライアントの目的は何なのか、しっかりとお客様から要望をヒアリングできる傾聴力が重要とされる仕事といえます。
⑤マーケティング・リサーチャー
マーケティングにかかわる仕事も、人の話を聞く場面がたくさんあります。そもそもマーケティングとは「顧客のニーズを満たすためのあらゆる活動」なので、ニーズを把握するためにも必然的に話を聞くことが多くなるのです。
特にマーケティング・リサーチャーは、顧客のニーズを調査・分析したうえで、そのニーズを満たすための適切な行動を提案する仕事です。人の話を聞く仕事の中でも、話の中の潜在的なニーズを理解することが重要になるのでより読解力が求められます。
マーケティング職について詳しく業務を知りたい人はこの記事がおすすめです。マーケティング職の種類から仕事内容、やりがいなどを事前に確認しておきましょう。
マーケティング職に就くには? 仕事内容から対策まで徹底解説
⑥キャリアアドバイザー
キャリアアドバイザーはその名の通り、キャリアに関するアドバイスをする仕事です。似た仕事にキャリアコンサルタントがありますが、両者は資格の有無で名称が異なります。
キャリアコンサルタントは「キャリアコンサルタント試験」に合格した人しか名乗ることができない一方で、キャリアアドバイザーは資格や経験がなくても挑戦することができます。そのため、人の話を聞く仕事として挑戦するならキャリアアドバイザーから始めるのがおすすめですよ。
就職や転職など、キャリア形成は人生に大きく影響する出来事です。その分、相談者も深く悩んでいたり迷っていたりするので、解決のサポートができれば大きなやりがいにつながるでしょう。
「キャリア=人生」なので、キャリアコンサルタントとして就活以外の相談に乗ることも多くあります。
実際にこの仕事に従事する中では、人生の岐路で迷ったり悩んだりしている人の話を聞いて、相手が気持ちを整理できたり望ましい方向性を見つけられたりするお手伝いができることにやりがいを感じますね。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
悩んでいる人の不安に寄り添う仕事7選
悩んでいる人の不安に寄り添う仕事7選
人の話を聞く仕事の中でも、もっとも深い悩みに寄り添うことができるのがこのタイプ。資格や専門的な知識が必須な職種も多いので、どのような知識が必要なのか事前に確認しておきましょう。
①心理カウンセラー
心理カウンセラーとは
心理学や臨床心理学の知識を活かしてカウンセリングをおこなうことで、心や対人関係に悩みを持っている人への支援をする仕事
人の話を聞く仕事を目指す人の中には、心理カウンセラーの人にお世話になった経験から憧れを持ったという人もいるでしょう。
心理カウンセラーは働く場所によって、「スクールカウンセラー」や「産業カウンセラー」などと呼ばれます。仕事の本質は変わりませんが、働く場所によって相談者の悩みは大きく変わるため、どのような人をサポートしたいかによって目指すカウンセラーの種類を絞っていきましょう。
心理カウンセラーになるために資格は必要ではありませんが、相手に信頼してもらうためにも資格の取得がおすすめです。心理カウンセラーに関する資格はさまざまなので、難易度の低いものから一度挑戦してみても良いかもしれませんね。
心理カウンセラーにおすすめの資格
また心理カウンセラーより踏み込んだ知識を要する職種は、資格が必須な場合もあります。資格が必須な人の話を聞く仕事については「人の深い悩みに寄り添う仕事には資格が必要な場合が多い」の章で紹介しています。
- 資格を持っていなくても心理カウンセラーとして採用してもらえるのでしょうか?
採用されることもあるが実際は資格がないと厳しい
心理カウンセラーに必須の資格はなく、無資格でも名乗ることができる仕事のため、心理カウンセラーの資格を持っていなくても採用されることはあります。
国家資格の「公認心理師」は名称独占ですが、業務独占ではないため、心理療法の知識やカウンセリング技術を身に付ければ、誰でもカウンセリング業務をおこなうことは可能なのです。
ただし、「年間◯名のカウンセリング経験がある」「大学で心理学を専攻していた」など、説得力がある経歴がないと実際には難しいでしょう。
また、資格を持っていることが知識の証明になるため、経験のみの場合は何かしらの資格を取得することをおすすめします。
②産業カウンセラー
産業カウンセラーとは
企業で個別カウンセリングやメンタルヘルス研修などをおこなう仕事
産業カウンセラーは、企業で働く心理カウンセラーです。働く人たちが抱える悩みをカウンセリングを通して聞いて、自分の力で解決できるようなサポートをします。
職場で発生する悩みやストレスはさまざまですが、その一つひとつを解決し続けるだけではキリがありません。そのため、そのストレスやトラブルの根源はどこにあるのかを相談の中から探り、トラブルが再度起こらないように予防をするのも仕事の一つです。
産業カウンセラーになるために資格は必須ではありませんが、「産業カウンセラー試験」という資格試験があるので、産業カウンセラーとして必要な知識を付けたい人は取得を目指すのがおすすめです。
③ソーシャルワーカー(社会福祉士)
ソーシャルワーカー(社会福祉士)とは
福祉に関する専門知識を活かして、社会生活に困難や支障のある人の相談に乗ったり、社会的支援をおこなう仕事
心理カウンセラーとよく混同される仕事に、ソーシャルワーカー(社会福祉士)がありますが、両者の違いはサポートの軸です。
心理カウンセラーは相談者の心のサポートを軸として話を聞きます。受けたストレスやトラウマなどに寄り添い、上手く付き合っていく手伝いをするイメージです。一方で社会福祉士の軸は、相談者の生活のサポートです。相談者の悩みの背景にある外部要因などを分析して、さまざまな制度やサービスを活用しつつその問題の解決を目指すのです。
そのため、社会福祉士は相談者の内面だけでなく、自立した生活や環境の整備までを担えるのが特徴です。内面の問題だけでは解決できないような家庭の事情や貧困の問題などの解決までサポートをしたい人は、社会福祉士がぴったりだといえます。
社会福祉士になるためには、「社会福祉士」という国家資格を取得する必要があります。受験資格もあるので、もし取得を目指すなら、まずは受験資格を満たすための準備から始めましょう。
心理カウンセラーがおこなう心へのサポートは、話を聞くことでメンタルヘルスへのケアを促すことに対して、社会福祉士の自立サポートは相談者と物理的にかかわり、援助をしていくことになります。その中に心へのサポートが含まれるイメージです。
しかし、心へのサポートの場合も危機介入が必要な場面であれば関係各所へ連携を取りながら進めていく場合もあるので、完全に切り離せるわけではないと覚えておきましょう。
④メンタルトレーナー
メンタルトレーナーとは
目標達成やパフォーマンス向上のために、精神面のトレーニングを指導する仕事
メンタルトレーナーは、もともとアスリートの世界で広く知られている職業で、アスリートが大会の本番で最大限パフォーマンスできるような心のサポートをする仕事です。しかし今では範囲が広がり、アスリートの世界だけでなくアーティストや教職員、経営者や会社員などにもメンタルトレーナーがトレーニングを指導するようになっています。
メンタルトレーニングの内容は相談者の心理的問題がどこにあるのかによって変わるので、問題の根本は何なのか、何が悩みの原因なのかをしっかり聞くことが重要になります。
メンタルトレーナーになるために資格は必須ではありませんが、いくつかメンタルトレーニングに特化した資格があるので、もし興味がある場合は調べてみましょう。
メンタルトレーナーにおすすめの資格
⑤電話相談員
電話相談員とは
電話相談を匿名で受けて、悩みを聞くことで心の支えとなる仕事
電話相談員とは名前の通り電話で相談を受ける仕事を指しますが、ここでは「いのちの電話」などで知られる自殺防止活動にかかわる相談員のことを表します。
この活動では、年中無休24時間態勢で悩んでいる人からの電話を匿名で受けて悩みを聞くことになります。活動内容からもわかるように、ほかの仕事に比べてもより深く悩んでいる人の話を聞くことになるでしょう。
かなり慎重に悩みを聞く必要があるので、相談員になるためには約1年半の専用の研修を受けたうえで認定をもらわなければいけないケースもあります。また研修を受ける前に書類選考がある場合もあるので、なぜ相談員をやりたいのかを明確に答えられるようにしておくことが重要です。
この仕事は深く悩んでいる人の相手をするので、少しでも前向きになってくれれば大きなやりがいになりますが、対応を間違えてもっと悪い方向に進んでしまった場合の責任も大きくなります。人の命にかかわるというプレッシャーに耐えられるかどうかも考慮して、目指すかを検討してみてください。
このような活動は「いのちの電話」以外にもいくつかの団体があります。
電話相談の活動団体例
- いのちの電話(一般社団法人 日本いのちの電話連盟)
- #いのちSOS(特定非営利活動法人 自殺対策支援センターライフリンク)
- よりそいホットライン(一般社団法人 社会的包摂サポートセンター)
- こころの健康相談統一ダイヤル
もし興味がある人は、厚生労働省の「電話相談」のページを見てみてくださいね。
相談の電話をかけてくる人は深い悩みを抱えています。聞き手として共感しすぎると自分もつらくなってしまうし、仕事だからと割り切りすぎては相談者に寄り添えません。
人の助けになれればやりがいも大きい分、高度なスキルが求められる仕事です。
⑥シニアピアカウンセラー
シニアピアカウンセラーとは
高齢者に特化した心理カウンセラー。高齢者の日常的な悩みや普段の生活について聞く仕事
心理カウンセラーの中でも、高齢者の話を聞くことに特化した仕事をシニアピアカウンセラーと呼びます。高齢者施設や一般家庭に訪問をして、日常生活の悩みや不安を聞くことがメインの仕事です。
高齢者の中には、さまざまな事情で孤独に暮らしている人もいます。そのためシニアピアカウンセラーが日常の話をゆっくりと聞いて、その話に共感することで、高齢者が感じる寂しさを軽減することにつながります。寂しさや孤独を解消することで、心が癒されたり元気が出たりなど、高齢者にとって良い影響があるのです。
シニアピアカウンセラーになるためには、専用の資格講座を受ける必要があります。介護とはまた違った角度で高齢者をサポートしてみたいと考えている人にはおすすめの仕事です。
⑦児童指導員
児童指導員とは
児童養護施設などで子どもたちの育成、生活指導などをおこなう仕事
困っている人の中でも、子どもに対して何か支援をしたい人は、児童指導員という仕事もあります。具体的には、児童養護施設などで、子どもに対して日常生活の支援や社会ルールの習得サポート、学習や遊びなどの支援や指導をおこないます。
児童養護施設にいる子どもたちは、保護者がいなかったり虐待を受けていたりと、さまざまなバックグラウンドを持っています。話を聞き出すのはもちろん、どのように共感するのか、どのように対応するのかが大切なので、専門的な知識や経験が必要です。
たとえどのような環境で育った子どもであっても、健全に成長して自立できるようになるためにサポートすることが児童指導員の仕事です。相手の今後の人生に大きくかかわるので、責任感もやりがいも大きな仕事といえます。
- 児童指導員とスクールカウンセラーは何が違うのでしょうか?
必要となる資格や専門知識、働く場所が異なる
児童指導員は、障害者施設や児童養護施設などで生活指導などのサポートの役割をおこないます。社会福祉士や精神保健福祉士の資格を保有している場合は、児童指導員の任用資格を得ることができます。
一方でスクールカウンセラーは小学校から高校に配置されており、心の悩みを抱える児童とその保護者、教員などへのメンタルケアをおこなう役割のことです。おもに臨床心理士や公認心理士の資格を保持している人が就くことが多い仕事です。
このように必要な資格と働く場所、悩みの内容など、子どもとかかわるという点以外は、かなり異なる仕事といえます。
学校で児童たちから悩みごとなどを聞き保健活動をする養護教諭という仕事があります。以下の記事では養護教諭の仕事内容や志望動機の書き方をまとめているので参考にしてみてください。
理由別6例文|養護教諭の志望動機が誰でも書ける6ステップ!
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主軸となるサービスの延長として人の話を聞く仕事5選
主軸となるサービスの延長として人の話を聞く仕事5選
ここまでは話を聞くことをメインの業務としている仕事を紹介しましたが、ここからは少し毛色が変わり、仕事の中で人の話を聞く場面が多い仕事を紹介します。
アルバイトから始められる仕事もあるので、まずは少し人の話を聞く仕事を体験してみたいという人におすすめです。
①記者/インタビューライター
新聞や雑誌、Web上のメディアの記者やインタビューライターは、記事を書くことがメインの業務ですが、その記事を書くために人の話を聞く必要があります。
記事のジャンルや掲載する媒体によっても異なりますが、聞いた話を情景として描けるように鮮明に書くパターンや聞いた話を編集してより魅力的に書くパターンなど、話の聞き方だけでなく、聞いたうえでどのように付加価値を付けるのかも変わってきます。
記者やライターは人の話を聞く力だけでは成り立たない仕事ですが、人の話を聞くことが文章を書くことの土台となっているのです。
記者やライターになるには、出版社に就職するのが一般的です。出版社に就職するための準備はこの記事を読みながら進めていきましょう。
出版社への就職を叶える5つの必須準備|トレンドや選考対策も解説
②バーテンダー
バーテンダーは、バーなどのカウンター席が設置された酒場で、カクテルなどを提供して顧客をもてなすことを仕事としている人のことを指します。
バーテンダーのメイン業務となるのは、アルコールを顧客に提供することです。しかし提供のために相手の好みや今の気分などを聞いて、その状況に合った飲み物を提供するのもバーテンダーの技術なので、人の話を聞くことが必須となるのです。
また、バーテンダーとの会話を楽しみにバーに通っている人も一定数います。そのため、カウンセラーほどしっかり相談にのるわけではないとしても、人の話を聞いてアドバイスをする場面は多いといえます。
③占い師
人の運勢や将来について占うことができる占い師も、人の話を聞く仕事に分類されます。占い自体は相手の話を聞く必要はないですが、占いを始める前に相談者が何に悩み、どのようなことを占ってほしいのかをヒアリングする必要があります。
このカウンセリングの段階で、占いの結果をどのように伝えるのかも変わってくるので、話を聞いて相手の状況を感じ取る読解力が必須な職種なのです。
占い師は副業としても活動できるので、占いを趣味にしている人は、まずは副業から始めてみても良いかもしれませんね。
④販売職
アパレル業界や小売業界などの販売職も、メインの業務は商品・サービスを販売することですが、顧客に商品を提案する過程で相手の話を聞くことが必須になります。
特にアパレル業界の販売職がイメージしやすいでしょう。店舗スタッフは顧客に対して、どのような洋服を探しているのか、予算はどれくらいなのかなどを聞いて、顧客の要望に沿った商品を提案します。話を聞く段階で顧客のニーズをしっかり捉えないと購入にもつながらないので、話をどれだけ引き出せるかが商品の売り上げにもかかわるのです。
販売職は未経験でも始めやすいので、人の話を聞いて提案する経験をしてみたいという人にはおすすめですよ。
販売職の仕事は上記のような接客がメインですが、ほかにも重要な業務がたくさんあります。仕事内容の詳細や志望動機のポイントはこの記事で解説しています。
販売職の仕事内容や魅力を徹底解剖! 就職するために必要な対策とは
販売職の志望動機は差別化が重要です。こちらの記事では11例文とよくあるミスを解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
販売職の志望動機例11選|差別化できる書き方とよくあるミスを解説
⑤通訳
通訳は、人の話を聞くというより話すことがメインなイメージを持っている人も多いかもしれませんが、相手の話す内容をくみ取って別の言語で伝えるという点では人の話を聞く仕事といえます。
ほかの仕事に比べて、人の悩みや不安に寄り添うという場面は少なくなりますが、言語を超えて中立的な立場でコミュニケーションが取れるのは通訳だけの特徴です。人の話を聞く仕事の中でもグローバルな働き方ができるので、英語やその他外国語を武器に働きたいという人におすすめです。
英語力に自信があってもどのようにアピールすべきか迷っている人は、この記事で効果的なアピール方法を確認しましょう。新卒向けの記事ですが、共通する部分も多いですよ。
英語力は就活への影響大! 求められるケースとレベルを徹底解説
上記のほかにも、理容師もお客様と1時間ほど定期的に接するという特性を活かして「ゲートキーパーの役割を担う宣言」をしています。
ゲートキーパーとは、簡単に言うと自殺防止対策です。このように接客は広義にいうとカウンセリングともいえますね。
ただ話を聞くだけではない! 人の話を聞く仕事に必須な3つのスキル
人の話を聞く仕事に必須な3つのスキル
- 相手に話させるスキル
- 悩みや不安に共感するスキル
- 課題に対して提案するスキル
人の話を聞く仕事の具体的な職種について紹介しましたが、どんな職種もただ話を聞くだけでは成り立たない仕事ばかりです。
では、話を聞く力に加えてどのようなスキルが必要なのでしょうか。ここでは人の話を聞く仕事に必須な3つのスキルを紹介します。
相手に話させるスキル
人の話を聞くためには、まず相手に悩みや不安を話してもらわなければなりません。そのため、相手に気持ちよく話してもらう、安心して悩みを相談してもらうスキルが必須です。
具体的には傾聴力や質問力などが挙げられますが、小手先のスキルだけでなく安心感や信頼感も大切になります。特に安心感などは意識をしてできるものではなく、相手に興味を持って真剣に話を聞こうとする姿勢からにじみ出るものです。無理に安心感を出そうとすると空回りする可能性が高くなるので注意してくださいね。
相手に話させるスキルを習得するためには、まずは自分が相談したくなる人の特徴を考えて、その人と比較して自分が持っていないスキルを洗い出してみましょう。すぐに習得できるものではない場合もあるので、相手の話し方や話の聞き方を真似するところから始めてみてくださいね。
相手に話させるスキルの具体例
- 傾聴力
- 質問力
- 安心感
- 信頼性
人の話を聞くことは好きでも、自分が傾聴力を持っているのかわからない人は、以下の記事を読んで傾聴力を持つ人の特徴を確認してみましょう。
14例文|傾聴力の自己PR作成に欠かせない必勝3ステップ
悩みや不安に共感するスキル
誰かに勇気を出して相談した際、まったく共感してもらえなかったらどう感じるでしょうか。おそらく悩みを相談する気をなくすうえに、解決策を提示されても納得いかないと感じる人が多いでしょう。
人の話を聞く仕事は、相手の話に共感をして、一緒に悩みを解決していこうという姿勢が重要です。悩みに共感することで、「自分の弱い部分を見せても肯定してくれる」と感じてもらえ、自覚していない悩みや不安も自然と言葉にしてくれることもあります。
人の話を聞く仕事は、相手が話そうと思っていない部分まで聞けるとより解決につながるので、共感や気配りは特に意識しましょう。
悩みや不安に共感するスキルの具体例
- 共感力
- 読解力
- 相手の立場に立って考える力
- 気配り力
相手の立場に立って考える力について、具体的にどのようなものなのかわからない人も多いでしょう。以下の記事ではどのような点で仕事に役立つのかを理解できるうえに、効果的にアピールする方法も紹介しています。
例文5選! 相手の立場に立って考える力を魅力的に伝える3ステップ
気配り力は、伝え方を工夫をしないと自称しているだけと思われがちな強みです。そう思われないためにどのような工夫をすべきなのかはこの記事で解説しています。
自己PRの「気配り」は一工夫が必要! 効果的にアピールする秘訣
- 人の話に共感しようとすると、なぜかわざとらしくなってしまいます。
言葉で表現しない共感方法もたくさんある
共感は、「わかります」「私もそう思います」という言葉を使わなくても伝えられます。相手の話をしっかり聞いて、理解したということを伝えてあげれば自然と伝わるので安心してください。
そのため、まずは相手の目を見て話を聞きながらうなずき、「なるほど」「そうなんですね」とあいづちを打ってみましょう。
次に相手の気持ちを表す言葉を拾い、「それは大変でしたね」「嬉しいですよね」「不安に感じますね」と繰り返してあげると、より共感していることを伝えることができますよ。
課題に対して提案するスキル
人の話を聞く仕事は、ただ話を聞くだけではなく、話を聞いたうえでどうするかが大切です。仕事によっては、話を聞いたうえで課題への解決策やアドバイスを求められることもあるので、提案力や論理的思考力も必要なスキルといえます。
特に営業職やコンサルタントはこの提案スキルが重要視されます。もちろん相手の話に共感することは大切ですが、プラスアルファで世の中のトレンドを分析したり、柔軟に相手の要望を組み込んだりするスキルも必要なのです。
課題に対して提案するスキルの具体例
- 提案力
- 論理的思考力
- 分析力
- 交渉力
- 柔軟性
提案や交渉の際に必須な柔軟性は、アピールの仕方を間違えるとむしろマイナスな印象になる可能性もあります。どのように伝えるべきか、この記事で確認しましょう。
13例文|柔軟性の自己PRで理解必須の注意点と伝え方のコツ
アドバイザーコメント
古田 文子
プロフィールを見る相手に気付きを与えることが人の話を聞く仕事では重要
私がキャリアコンサルタントとして相談を受ける際に意識しているのは、相手に気付きを与える会話をすることです。
傾聴はもちろん大切ですが、共感・肯定してほしいだけでなく、課題に対して解決の糸口になるような進展を望む相手にとっては話を聞いてもらうだけでは物足りず、ラポール形成や次回のカウンセリングにつながらなくなることもあるからです。
加えて気付きを与える会話もなくアドバイスし始めると、相談者はカウンセラーに依存してしまい、自立できなくなります。あくまで自分で解決できるようにサポートをする仕事なので、ここも注意が必要なポイントといえます。
自分で決断ができるようなサポートが大切
また、私は占い師のように将来を予測できるわけではありませんし、私のアドバイス通りにすることが最善とも限りません。最終的には相談者自身が判断・決断しなければなりません。
そのため、相手の話の中からキーワードを拾って、繰り返し語りかけます。たとえば「◯◯するべきだと思うけどなかなか……」という話があれば、「本当に◯◯すべきだと思いますか?」と聞き返し、自分自身と向き合って自分で気付ける会話になるよう意識しています。
人の深い悩みに寄り添う仕事には資格が必要な場合が多い
人の話を聞く仕事は、必要なスキルはあっても資格は不要な仕事がほとんどです。特に営業職やコンサルタントは未経験で知識がなかったとしてもはじめることができます。
しかし、人の深い悩みやトラウマなどに寄り添い、専門的な立場として解決に導く仕事は資格が必要な場合が多くなります。
また就職する際に必須ではなくても、資格は専門的な知識を持っているという証明になります。相手に安心感や信頼性を感じさせるというメリットになるので、もし人の話を聞く専門家として活躍していきたいと考えているなら、初級の資格からでも挑戦してみると仕事の幅が広がるかもしれませんよ。
職種 | 資格例 | 資格概要 |
---|---|---|
公認心理師 | 公認心理師資格 | 「公認心理師法」に基づく、心理職の国家資格。 心理に関する初めての国家資格で、心理的に問題を抱えた人に対して心理学の専門知識に基づいたアドバイスをおこなえることを証明する |
臨床心理士 | 臨床心理士資格 | 民間資格。臨床心理学に基づく知識や技術を活用して、人間の心理的な問題にアプローチする「心の専門家」であることを示す |
社会福祉士 | 社会福祉士資格 | 「社会福祉士および介護福祉士法」に基づく国家資格。 福祉に関する相談やサポートについての高度な専門知識・技術を持っていることを証明する |
キャリアコンサルタント | キャリアコンサルタント資格 | 国家資格。登録制の名称独占資格とされていて、守秘義務・信用失墜行為の禁止義務が課される。キャリアコンサルティングをおこなう専門家であることを示す |
名称独占資格とは
特定の資格を持っている人だけが、その名称を名乗ることができる資格。紛らわしい名前を名乗ることも禁止とされている。
栄養士、保育士、保健師、作業療法士などがその対象として含まれる
国家資格キャリアコンサルタントは社会的にまだ認知度の低い資格ですし、業務独占資格ではないため、個人的には現状さほど大きなメリットを感じることはありません。
とはいえ、相談者からすると心理職としての専門性が担保され安心してもらえるので、その点に関しては国家資格を保有していることのメリットを享受できていると感じます。
人の話を聞く仕事の3つのやりがい
人の話を聞く仕事は、ほかのサービス業よりも悩みや不安を解消する点で異なるので、やりがいも少し異なります。
ここでは人の話を聞く仕事だからこそ得られるやりがいを3つ紹介します。やりがいは仕事のモチベーションに直結するので、すでに興味がある人もあらためてここで確認しましょう。
①人の役に立っている実感を得やすい
人の話を聞く仕事は、人の悩みや不安に寄り添って解決する仕事なので、ほかのサービス業や接客業と比べて、人の役に立っているという実感を得やすいという特徴があります。
たとえば心理カウンセラーなら、今まで誰にも話せなかったような悩みを自分がかかわることで解決できたという実感を得られます。人の話を聞くことをメインにした仕事だからこそ、相手の人生にかかわるような出来事に触れることができるのです。
ただ「相手の喜んだ顔が見える」というだけでなく、それ以上に相手の人生のサポートができるというのは大きなやりがいにつながるでしょう。
正直、人の話を聞く仕事は小さいことの積み重ねで気が遠くなることもありますが、カウンセリングを始めたときは暗い顔だった相談者が、カウンセリングが終わる頃に笑顔になった時、この仕事をしていて本当に良かったと心から感じますね。
人の話を聞く仕事のように、人の役に立った実感を得やすい仕事を知りたい人は、この記事も確認してみてくださいね。
人の役に立つ仕事45選|やりがいや社会貢献を実感しやすい仕事とは
②新しい価値観を知って視野が広がる
仕事を通してさまざまなバックグラウンドを持った人の話を聞くことで、自分の知らない価値観や考え方を知ることができることも人の話を聞く仕事のメリットの一つです。
普段の生活では、価値観の近い人や育ってきた環境が似通った人とかかわることが多くなるのが普通なので、価値観を広げる経験をすることは少ないですよね。しかし、人の話を聞く仕事に就くことで、自分が今まで出会ったことのないような人の話をたくさん聞き、視野を広げることができるのです。
同じ出来事に対しても価値観が違えば違う捉え方になるので、一つの物事に対しても多角的な視点で考えられるようになります。仕事を通して自身を成長させられるのはやりがいの一つといえますね。
私自身、卒業後に民間企業就職の道しか考えていませんでしたが、大学生の進路相談をしていると、就職以外にも起業や職人などさまざまな選択肢を考えています。
相談に答えるために情報収集すると、興味深い仕事や生き方に出会えて、価値観の幅が広がります。
③どんな仕事にも応用できる対話スキルを身に付けられる
人の話を聞く仕事は「人の話を聞くこと」をメインとしていますが、些細なコミュニケーションなども含めたらどんな仕事にも人の話を聞く場面は存在するのです。
たとえば、どんな職種でも同僚や上司の意見を聞いて仕事の改善案を出す場面があったり、部下から仕事の相談を受ける場面があったりするかもしれません。このときも、人の話を聞く仕事で得たスキルがあれば、相手の求めている答えを読み取ることができるのです。
人の話を聞く仕事自体にも大きなやりがいはありますが、もしほかの仕事にも挑戦してみたいと思った際にも、どんな業界・業種でも応用できるコミュニケーションスキルが得られるというメリットがあります。
人の話を聞く仕事を目指すなら「受動ストレス」のリスクも考慮しよう
人の話を聞く仕事には説明しきれないほどのやりがいがありますが、どんな仕事も良い点ばかりではありません。特に注意をしたいのが「受動ストレス」のリスクです。
受動ストレスとは
相手が持つストレスやネガティブな感情に触れることで、自分も同じくストレスを感じたりネガティブな感情に陥ること
誰かのつらい経験やストレスを感じた出来事を聞いた際に、共感しすぎて自分まで暗い気持ちになった経験がある人も多いのではないでしょうか。人の話を聞く仕事に就くと、悩みを聞くことが日常になるので、この受動ストレスを今までより感じやすくなるのです。
受動ストレスを回避するためには、相手に共感しつつもあくまで顧客として明確に線引きすることが大切です。これがブレてしまうと、一人の顧客に入れ込んで仕事が回らなくなる危険性もあるので、共感をしすぎないことも意識してくださいね。
アドバイザーコメント
永田 修也
プロフィールを見る気分が落ち込んだら一人で抱えず適切な相手に頼ろう
受動ストレスはしっかりトレーニングすることで回避できるようになると思います。私がおすすめする方法としては「事例検討」を仲間とおこなうことです。
自分だけでずっと抱え込んでしまうと相談者との関係性に線引きができなかったり、いつまでもその問題を考え続けて抜け出せなくなってしまうことがあるので、第三者の視点で意見交換をしながら気持ちを切り替えていくのが良いと思います。
自分よりも先輩の経験者からスーパービジョン(カウンセラーのカウンセリング)を受けることも方法の一つですね。
深く共感して戻れなくなった場合は仕事を休むことも大切
とはいえ、人の悩みに深く入り過ぎてしまったり、すぐに共感して同じように涙を流したり落ち込んでしまって元の状態に戻れない、あるいは精神的に病んだ状態に陥ってしまうような場合は、少し危険なので無理してカウンセリングや悩みを扱う仕事をしないほうが良いのではないかと思います。
しっかりと自分の特性を理解し、どのような職種が自分に合っているのか、きちんと判断して決めていきましょう。
仕事を変えなくても可能? 人の話を聞く仕事に携わる方法
人の話を聞く仕事に携わる方法
- 今の職場で人の話を聞く立場になる
- 副業で人の話を聞く仕事に従事する
- 人の話を聞く職種に転職する
専門的な職種であれば今の仕事から転職をする必要がありますが、「人の話を聞く仕事に携わってみたい」「自分に向いているのか確かめたい」という場合は違った方法もあります。
転職活動を本格化させる前に、一度どのような選択肢があるのか確認してみてください。
今の職場で人の話を聞く立場になる
前述の通り、どんな仕事でも人の話を聞いて業務を進める場面はあります。特にメンバーをマネジメントする立場になると、メンバーの状況を確認したり相談を受けたりなど、人の話を聞く業務の割合が自然と増えていきます。
今の職場環境や業務内容に大きな不満がなく、試しに人の話を聞く仕事を経験してみたいという人は、マネジメント層への昇進を目指すことで人の話を聞く仕事に携われる可能性もあります。
しかしマネジメント職で聞く話は、業務や職場の人間関係の悩みなどがメインとなり、内容が限られてしまいます。また割合が増えるとはいえ、ほかの責任のある仕事も同時に増えるのは事実なので、メリット・デメリットも考慮してしっかり検討してみてください。
メリット
・人の話を聞く仕事の割合が増える
・自分が話を聞くことで部下の成長を促せる
注意点
・仕事に対する責任が大きくなる
・人の話を聞く仕事以外の業務も多い
マネジメント職の役割の一つに、部下の指導育成があります。
たとえば、部下と面談をして今後のキャリアビジョンを聞き、上司としてのアドバイスをおこない、部下の成長を実感することは人の話を聞く仕事としてのやりがいの一つといえます。
副業で人の話を聞く仕事に従事する
人の話を聞く仕事には副業が可能な職種もあります。
たとえば心理カウンセラーであれば、福祉施設などに属さなくても、フリーランスとして自分で集客してカウンセリングをすることも可能です。そのほかにも個人でできる仕事はあるので、転職は少しハードルが高いという人は副業から始めてみる方法もおすすめです。
しかし副業は始めやすい反面、安定した収入を稼ぐことは難しいというデメリットがあります。特に資格を持っていない場合、個人で集客をしようとしても人が集まらず、結局仕事がないという状況にもなりかねません。
副業で挑戦する場合は、専門知識の証明として資格を取得して、信頼感を持ってもらえるようなアピールをすることを心掛けるようにしてくださいね。
心理カウンセラーを名乗ることは誰でもできるので開業のハードルは低いといえます。
とはいえ集客できるかどうかはまた別問題なので、誰のどんな悩みを解決できるのかをきちんと明確にしてマーケティングすることが大切ですね。
人の話を聞く職種に転職する
今の職場では自分の理想とする「人の話を聞く仕事」に携われないという人は、転職も視野に入れましょう。転職をする際の仕事の探し方は大きく分けて2つあるので、それぞれ紹介します。
仕事の探し方①求人サイトで検索する
一つ目は求人サイトで志望する職種を検索し、掲載されている求人に応募する方法です。一番スタンダードな方法で、隙間時間にも検索できるので、どのような求人があるのかだけでも事前に調べておくと良いでしょう。
求人に応募する際は、必須資格の有無を必ず確認してください。資格が必要であれば、勉強時間や試験の日程、いつまでに取得したいかなどを調べて、転職までの道筋を具体的に描いてみるのがおすすめです。目標がないと勉強のメリハリがなくなり、転職の時期もどんどん後ろ倒しになってしまう可能性もあるので注意してください。
また求人サイトで見るだけでは、職場の雰囲気やリアルな業務についてはわからないときもありますよね。もし詳しく知りたい場合は、ホームページや各種SNSなども参考にしてみると良いでしょう。
仕事の探し方②就職エージェントを利用する
自分で調べる方法以外にも、就職エージェントを利用して、自分が求める職場を紹介してもらう方法もあります。
就職エージェントは、価値観や適性から自分に合った仕事を紹介してくれる人材サービスです。誰の何をサポートしたいかが明確に決まっているなら、やりたいことを最大限かなえられる職場を一緒に探してくれるので、自分では見つけられなかった企業にも出会える可能性があります。
まだ明確にやりたいことが決まっていない場合でも、対話の中で自分の求める条件を整理してくれるので、目指す職種も明確になるかもしれません。一人で考えてもわからず不安な人は、ぜひ一度就職エージェントを利用してみてくださいね。
おすすめの就職エージェント
人の話を聞く仕事は自分がサポートしたい人にかかわれる職種を選ぼう!
コミュニケーションにおいては「話す力」が重視されやすく、「聞く力」に焦点があたることは少ないかもしれませんが、そのスキルを最大限に活かせる「人の話を聞く仕事」は、実はたくさんあります。
仕事の範囲が広いからこそ、人の話を聞く仕事を選ぶ際は、どんな話を聞きたいのか、誰をサポートしたいのかを明確にすることが重要です。その軸を持ったうえで具体的な仕事を知ることで、自分に合った仕事を見つけることができますよ。
「誰かの話を聞いてサポートしたい」「自分が助けてもらったように誰かを助けたい」という気持ちがある人は、ぜひこの仕事に挑戦してみてくださいね。
アドバイザーコメント
遠藤 美穂子
プロフィールを見るあなたが聞きたい「人の話」をもう一段階深掘りすることで適職が見えてくる
「私の強みは傾聴力です」「人の相談をよく受けるのでそういう仕事がしてみたいです」「相手の悩みに寄り添う仕事がしたいです」という皆さん、ぜひその言葉をもう一歩掘り下げてみてください。
たとえば傾聴力を活かしたいのであれば、ひたすら黙って受け止めるのか、アドバイスまでおこなうべきなのかは仕事によって異なります。詳細まで掘り下げることで、自分に合う仕事が見えてきますよ。
イメージだけでなく必須スキルと実務の大変さも知ろう
人の相談を受けたり、悩みに寄り添ったりするのを仕事にするということは、相手は仲の良い友人や部活の後輩に限りません。相手の状況や気持ちをその場で想像し、理解する力が必要になります。
また、「相談してきたら聞いてあげる」というスタンスではなく、こちらから働きかけて悩みや問題の本質を引き出す必要があります。場合によっては、話の流れでクレームを受けたりすることもあるということも心に留めておいてください。
人は話すことで考えが整理されたり心が軽くなったりするので、その様子が直接わかる仕事は魅力がたくさんあります。
ぜひ「人の話を聞く仕事」というキーワードから、誰の何の話を聞いてその後にどのように役に立てるのか、またやりがいや大変なことは何かということをよく調べて、やりがいの持てそうな仕事を選んでみてください。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/メンタル心理カウンセラー
Syuya Nagata〇自動車部品、アパレル、福祉企業勤務を経て、キャリアコンサルタントとして開業。YouTubeやブログでのカウンセリングや、自殺防止パトロール、元受刑者の就労支援活動をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/上級心理カウンセラー
Fumiko Furuta〇キャリアに関する記事の執筆・監修や、転職フェアの講演、キャリア相談、企業や学校でのセミナー講師など幅広く活動。キャリア教育に関心があり、学童クラブの支援員も務める
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Mihoko Endo〇メガバンクで法人営業や新人研修講師、採用面接に携わる。現在は「その人らしさを引き出すカウンセリング」をモットーに、大学での就活支援、社会人向けキャリア開発研修をおこなう
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