この記事のまとめ
- 立ち仕事の具体的な職種28選と仕事内容を紹介
- メリット・デメリットの両面を考慮して立ち仕事に就こう
- 立ち仕事に就くことを目指すなら押さえておくべき就活対策を解説
- 適職診断
たった3分であなたの受けない方がいい職業がわかる!
この記事を読んでいる人に
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世の中にはさまざまな仕事がありますが、立ち仕事が多い職種もあります。立ち仕事は、文字通り業務時間内は座ることなく、立っているか動いていることがほとんどです。身体面で負担がかかるため、人により向き不向きがある仕事だといえます。
立ち仕事をしている人や立ち仕事に就こうと思っている人は、メリットやデメリットを含めて特徴を理解したうえで、網羅的に把握しておくことで後悔のない職業選択ができると考えられます。
この記事では、キャリアアドバイザーの加藤さん、古田さん、冨永さんのアドバイスを交えつつ、立ち仕事の職種やメリット・デメリット、選考でアピールできるポイントについて解説します。簡単にできるケア方法も紹介するので、立ち仕事を長く続けたい人は参考にしてみてください。
立ち仕事には隠れたメリット・デメリットがあるため仕事研究が不可欠
立ち仕事は立ちっぱなしの状態でおこなうため、身体への負担を懸念する人も多いと思いますが、実はあまり知られていないメリットもあります。一方隠れたデメリットもあり、立ち仕事に就くことを検討している人は網羅的な仕事研究が欠かせません。
この記事では、まず立ち仕事にはどのような職種があり、どんな業務をするのかについて解説します。そのうえで、立ち仕事におけるメリットやデメリットを解説するので、実際に立ち仕事で働くイメージをつかむことができますよ。
選考でアピールできるポイントも解説するので、これから立ち仕事を目指す人は必見です。
さらに、立ち仕事を長く続けるためには身体のケアも欠かせません。最後に簡単にできる身体のストレッチによるケア方法も紹介するので、無理なく立ち仕事を継続するためにも、ぜひ参考にしてみてください。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
立ち仕事とはどんな仕事? まずは概要を理解しよう
立ち仕事とは、一般的に「業務の大半を立っておこなう仕事」のことです。身近な例を挙げると、接客業や看護師、介護士、保育士、作業員などの職種があります。人と直接かかわることが多く、接客の要素を含んでいます。
立ち仕事は、座り仕事と違って、体力や筋力を必要とする仕事です。適度な緊張感を保てるため、作業効率が上がるメリットもあります。
ただし一口に立ち仕事といっても、さまざまな職種があるため、それぞれの特徴や大変な点を理解することが大切です。次の章では、おもな立ち仕事の職種について、系統別に解説していきます。
立ち仕事の職種28選を7タイプ別に紹介! どんな仕事があるのか把握しよう
立ち仕事の職種を7タイプ別に紹介! どんな仕事があるのか把握しよう
立ち仕事と一口にいっても、さまざまな業界において多くの職種があります。
ここでは立ち仕事の職種を7つの分野別に紹介するので、まずは立ち仕事にはどのような職種があるのかチェックし、それぞれの仕事の特徴を把握しましょう。
①医療系の立ち仕事
医療系の立ち仕事には以下のようなものが挙げられます。
医療系の立ち仕事の例
- 看護師
- 助産師
- 診療放射線技師
- 外科医
- 理学療法士
- 作業療法士
- 介護士
看護師や助産師、外科医などの医療現場の仕事は立ち仕事が多く、病気やけがの介助が必要な患者の対応、診察や治療、リハビリテーションなど、施設内を歩き回ることが多く、業務内容も多岐にわたります。
ナースコールや急患対応が続けば、休憩する間もないため、疲労がたまりやすいでしょう。人の命を預かるため、業務中は常に緊張状態にあります。精神的にもハードなので、身体面とメンタル面のどちらの強さも必要な仕事です。
また介護も、夜勤や身体的な介護など、業務量が多く、基本的に一日中身体を動かす仕事です。重労働かつ、人手不足により一人当たりの業務量が多くなる傾向があります。高齢者の移動や介助を安全にするためにも、体力をつけるだけでなく、正しい介護技術や腰痛予防法を押さえておくことが大切です。
医療や福祉系はほかの職種の立ち仕事とは違い、食事や着替え・排泄・入浴・移動など、日常生活を送るうえで必要な行為の手助けもおこないます。
介助が必要なタイミングが事前にわからない行為もあり、時間帯も不規則となるので体力が必要な仕事です。
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②教育系の立ち仕事
教育系の立ち仕事としては、以下の職種が挙げられます。
教育系の立ち仕事の例
- 保育士
- 幼稚園教諭
- 教師
- 塾講師
保育士や幼稚園教諭、教師などは、子どもの教育にかかわる仕事です。子どもたちと一緒に遊んだり、運動を教えたり、教室で授業をしたりするため、立っておこなう業務が多くなります。
小さな子どもを相手にする保育士や幼稚園教諭は、子どもを抱っこしたり、面倒を見るために中腰やしゃがみ姿勢になったりするため、足腰への負担が大きいです。
教師の場合、メインの仕事は授業ですが、クラス運営や授業の準備、部活動指導、進路指導など、業務内容は多岐にわたります。学校活動において主体的に動く場面が多く、一日中忙しく歩き回ることもあるでしょう。
塾講師は学習塾で生徒の指導をおこなう仕事です。生徒の前で授業をおこなうのがメインの仕事で、立った状態での業務が多くなります。
かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断
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③公務員職種の立ち仕事
公務員職種の立ち仕事には、以下の職種が挙げられます。
公務員職種の立ち仕事の例
- 警察官
- 消防士
公務員の中でも消防士や警察官はどちらも体力のいる仕事です。
消防士のおもな仕事は、消火活動、救急活動、救助活動の3つに分けられます。
急病人やけが人が発生した際、救急要請を受けて現場に急行し、病院に搬送するのがおもな仕事の一つです。そのほかにも、救助活動では火災や災害で逃げ遅れた人、建物の下敷きになった人を救助するため、単に立ち仕事であるだけでなく肉体的にハードな仕事といえます。
警察官は、安全な社会を維持するために、さまざまな形で私たちの生活を守る仕事です。交番や駐在所を拠点に、施設外に立って警戒にあたる「立ち番」や「パトロール」、110番への対応をします。
管轄内で事故や事件があれば現場に駆けつけて、救助活動や現場保存、犯人確保などの初動捜査に携わるため、仕事中は立って動き回ることが多いでしょう。
以下の記事で警察官の選考対策を解説しているので併せて確認してください。
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④サービス系の立ち仕事
サービス系の立ち仕事としては、以下のような職種が挙げられます。
サービス系の立ち仕事の例
- 小売店のアパレル販売員
- 飲食店店員
- 家事代行サービス
- 美容師
- ホテルスタッフ
アパレルや飲食店などの接客業は、立ったままの時間が長い仕事です。接客業とは、直接顧客と接する仕事のことで、アパレルや飲食、小売、美容、ホテルなど、さまざまな業界に分けられます。
「座っている店員はやる気がなさそうに見える」というイメージや、「顧客は立って迎えるべき」といった風潮があることから、サービス系の仕事は基本的に立っておこなうことが多いです。
特に美容師や販売員など、顧客が目の前にいることが多い職種は、常に顧客に見られていることを意識して、背筋を伸ばし、立ち姿勢に気を配る必要があります。
サービス系は制服があることも多いため、企業や店舗によってはオシャレな服装で業務ができ、モチベーションを維持しやすい部分はメリットですが、化粧品や美容室代など身だしなみの費用がかかる点はデメリットかもしれませんね。
サービス系の就活対策の方法は以下の記事で詳しく解説しているので、併せて確認してください。
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⑤作業員系の立ち仕事
作業員系の立ち仕事としては、次のような職種が挙げられます。
作業員系の立ち仕事の例
- 工場作業員
- 土木作業員
- 建築作業員
- 配送ドライバー
- 清掃員
工場などの作業員は、同じ場所で同じ動作を続けるなど、立ったままの時間が長い傾向にある仕事です。作業スペースによっては、休憩時間までは座れないことも少なくありません。
作業自体に体力を使う場合や、危険が伴う作業の場合は、緊張感などの心の負担もあり、安全に仕事ができるよう配慮することが求められます。
建設現場や道路整備といった工事現場で働く仕事は、重量のあるものを運び、砂利や縁石の設置、人力での穴掘り作業、コンクリートの攪拌作業などもおこなうため、体力や筋力がなければ務まりません。
配送ドライバーは、さまざま場所へ荷物を届ける仕事です。運搬以外にも、荷物を仕分ける作業や、トラックに積み込む作業もあるため、体力が必要です。
清掃作業員は、日常生活で排出されるゴミの回収をはじめ、道路や歩道の清掃など、町の衛生と美観を守る仕事です。重いゴミを持ち上げたり、収集所ごとに素早くゴミを収集したりするため、体力が問われます。
- 左官など建築現場で働く女性が増えていると聞いたのですが、本当に女性の体力でもできますか?
技術の発展や労働力不足などの現状により女性のニーズも増えている
近年かなりのスピードで職種による男女差はなくなってきていて、男性が多い職場、女性中心の職場など傾向としては存在しますが、偏りは穏やかになりつつあります。
とはいえ、体力的な面で男性と女性を同等に見るということは難しいでしょう。
建設・建築現場なども同様ですが、機械化、DX(デジタルトランスフォーメーション)化、AI(人工知能)化の進歩により大幅に改善されています。女性でも体力を使わずに大型機械を操作できるようになってきているのです。
また機械化できない現場の場合でも、将来の労働力不足に備えて受け入れる側の考え方や社風に変化が見られています。左官など「職人」の世界でも多様な働き方が広がってきていて、さらに働きやすくなることが期待できるでしょう。
作業員系の立ち仕事の志望動機の作り方は以下の記事で詳しく解説しているので、併せて確認してください。
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清掃員
清掃業の志望動機の書き方|3つのアピールポイントと例文を紹介
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
⑥第一次産業系の立ち仕事
第一次産業系の立ち仕事としては、以下のような職種が挙げられます。
第一次産業の立ち仕事の例
- 農業従事者
- 林業従事者
- 漁業従事者
第一次産業とは、「農業」「林業」「漁業」といった、私たちの生活に欠かせない産業のことです。
一般的な農作業には、土作り、苗植え、日々の手入れ、収穫、出荷などがあります。収穫や運搬、出荷などは力仕事で、腰や関節への負担が大きい作業です。
林業の仕事は木を伐採するだけでなく、木を育てて加工するまでのすべての工程を含みます。森林の維持管理をしながら、樹木を伐採して木材資源を生産する仕事です。
森に入り、足もとの悪い中での作業となるため、危険度が高く体力や筋力が必要になります。また仕事中のけがや事故により、関節を痛めるケースが多く、腰のケガは業務に大きくかかわります。
漁業に携わる人の大半が漁師で、海産物を捕獲して出荷するのが仕事です。夜が明ける前に出港し、遠く離れた海の上で長い間船に乗ることもあります。漁師の仕事は、おもに海の上でおこなわれるため、冬は寒く、夏は暑いです。そのため、単に立ち仕事である以上に、体力は必須の仕事だといえます。
農業の志望動機の書き方は以下の記事で詳しく解説しているので、併せて確認してください。
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農業の志望動機で熱意を伝える方法|就活のプロが例文付きで解説
農業の志望動機は、応募先の仕事内容を把握し、他社との違いを理解するのが大切です。この記事では、農業の志望動機の書き方や例文をキャリアコンサルタントとともに解説します。面接官の心に響く志望動機を作り、選考突破につなげましょう。
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⑦その他の立ち仕事
これまで説明した以外にも、次のような仕事も身体を動かす仕事です。
その他の立ち仕事の例
- 外回りの営業
- 探偵
外回り営業は、顧客となる会社を訪問して商談や打ち合わせをおこなう仕事です。訪問先への営業は、日程の調整から先方との挨拶、経費の精算、運転など、時間的にも体力的にも消耗します。
外回りの営業は顧客を訪問する仕事です。ただ、その中でも既存顧客を相手にするルート営業は、外回りとデスクワークの両方をおこなうため、ずっと机に向かう仕事が苦手な人には適しているかもしれません。
探偵は立ち仕事としてイメージしにくいかもしれませんが、対象者の動向を追ったり、監視したりなど、実はハードな面もあります。たとえば、走る対象者を全力疾走で追いかける、自転車に乗った対象者を走って尾行する、炎天下で長時間張り込みをするといったケースもあるようです。
このように立ち仕事は、人並み以上の体力や忍耐力が必要とされる職種が多いといえます。
- 体力のある人とない人、それぞれどんな仕事がおすすめですか?
仕事の特性と自分の体力を照らし合わせて合った仕事を見つけよう
体力に自信がある人におすすめの立ち仕事は、介護士や保育士、消防士や警察官・農業関係などの、医療や福祉系・公務員職種や第一次産業の仕事だと思います。
人の介助をしたり、災難から守ったり、私たちの生活に欠かせない商材に関わる仕事など、私たちが生きていく上で必要な尊い仕事でもあるため、やりがいもひとしおでしょう。
また、体力に自信がない人におすすめの立ち仕事は、営業職などのデスクワークもある仕事です。
人と話すことが好きな人は、飲食やアパレル美容、ホテル・受付などのサービス系の立ち仕事、黙々と仕事をしたい人なら作業員の仕事が良いと思います。
ルート営業が辛いのではないかと不安になる人は、以下のQ&Aでルート営業が辛いのかどうかをキャリアコンサルタントが解説しているので、併せて確認してください。
実は身体に良いことも多い! 立ち仕事のメリット
実は身体に良いことも多い! 立ち仕事のメリット
- 仕事自体が運動になる
- 眠気を感じにくい
- 休憩と仕事のメリハリがつく
- 職種によっては自分のペースで働きやすい
ここまで紹介した立ち仕事の特徴を読んで、きつそうだと感じた人も多いかもしれませんが、実は座り仕事に比べて、健康面で良いことも多いです。
単に立ち仕事がきつそうだからといって諦めるのではなく、メリットも把握したうえで検討しましょう。メリットがわかるとモチベーションも上がるかもしれません。
ここでは、立ち仕事の4つのメリットについて解説します。
仕事自体が運動になる
立ち仕事は、仕事をしながら身体を適度に動かすことができるため、運動不足になりにくいという特徴があります。
健康的な身体を維持するためにも、足腰の強化は不可欠な要素であり、仕事をすることで自然と運動になるのは大きなメリットだといえるでしょう。
学術的には運動強度を「メッツ」という単位で表しますが、安静時を1メッツとした場合、座っている状態で1.5メッツ以下、立って会話をしている状態では1.8メッツ、一般的なスピードで歩行している状態は3メッツとされています。
動いている状態では安静時と比較して運動強度が高いため、カロリー消費量も大きいです。このように立ち仕事は業務をこなしているだけで体力アップや運動効果が図れるため、健康への良い影響が期待できるでしょう。
- 立ち仕事と座り仕事で健康面の差はどれくらいありますか?
立ち仕事座り仕事それぞれで健康面の負担がある
立ち仕事には立ち仕事特有のリスクがあり、それは座り仕事も同様です。そのため、健康面においてどれくらいの差があるかは単純に言い切れるものではありません。
立ち仕事と座り仕事のどちらにも腰痛や膝痛、肩こりなどになる人が存在するように、立ち仕事と座り仕事のリスクの感じ方には個人差があります。
座り仕事の人でも、休日にジムで走ったりプールで泳いだりなどして運動不足を解消している人もいれば、立ち仕事で身体を動かしていても過度な飲酒などをして病気になる人もいるでしょう。
このように、どの体勢で仕事をしているかというよりは、健康をどう維持するか、個人の意識に差があるのだと思います。
眠気を感じにくい
身体を動かす機会が少ないデスクワークでは、集中力が散漫になったり、眠くなったりして生産性が落ちがちです。特に寝不足で作業をする際は、眠気に勝てず、業務に打ち込めないこともあるでしょう。
一方で立ち仕事は、デスクワークよりも眠気を感じにくいというメリットがあります。立った状態で適度に身体を動かしながら作業をするため、交感神経が優位になり、集中力や緊張感が保たれやすくなるからです。
眠気を感じたとしても、業務に取り組んでいるうちにだんだん眠気も覚めていくという人が多いでしょう。実際、立って仕事をする方が脳も活性化されやすく、業務に集中して取り組むことができるようです。業務に没頭することで、時間の経過も早く感じ、効率良く仕事を進められるというメリットもあります。
休憩と仕事のメリハリがつく
立ち仕事は、作業中は立って業務に取り組み、休憩時間が来たらゆっくり座って身体を休めるなど、オンオフをはっきり分けて仕事ができるのもメリットです。メリハリがつくことで、集中力を維持しやすく、作業効率もアップすると考えられます。
実際に、工場の業務のほとんどが立ち仕事である理由は、効率的に作業をおこなうためという側面が大きいとされています。
一方で、ほとんど動かない座り仕事は、集中力を維持しにくいです。「勉強や仕事の合間に同じ席で休憩を取っても、いまいちリフレッシュできない」というような経験がある人も多いのではないでしょうか。
猫背や崩れた姿勢ではなく、背筋を伸ばした立ち姿勢で業務に取り組めば、より集中力や持続力が高まるでしょう。
立ち仕事は業務中の動作と休憩中の動作に大きな差があるため、オンオフの切り替えがしやすく、気分を切り替えて次の業務に取り掛かることができます。
また同じ姿勢を続ける座り仕事とは違い、動き回ることで眠気を感じにくく、効率を維持しやすい点もメリットの一つです。
職種によっては自分のペースで働きやすい
一般的なデスクワークでは、上司や同僚が周囲の席にいることが多いため、人によっては常に見られているようで窮屈に感じるかもしれません。
その点、施設や店舗内をあちこち動き回る立ち仕事や、外回り営業や配送ドライバーのような1人で外に出る立ち仕事は、自分のペースで働きやすいでしょう。
働く場所が固定されていないため、自分でスケジュールを組んだり、仕事量を調節したりできるため、比較的自由度が高いといえます。そのため自分で仕事の進め方を自由に決めたいという主体性や積極性のある人は、立ち仕事を選べば充実感を得られるかもしれません。
リスクも考慮しよう! 立ち仕事のデメリット
リスクも考慮しよう! 立ち仕事のデメリット
- 身体的に負担がかかる
- 慣れるまでは疲れやすい
- 体調が悪いときに仕事効率が下がる
- 加齢や体調不良により働けなくなるリスクがある
- キャリアアップしにくい傾向にある
立ち仕事を選ぶなら、メリットだけでなく、リスクも考慮する必要があります。立ち仕事は座り仕事よりも、身体への負担が大きいです。身体の健康状態が仕事のパフォーマンスにも影響するため、日頃の体調管理が大切になります。
就職後に「思うように仕事ができない」とギャップを感じるのを防ぐためにも、立ち仕事をするうえでのリスクもしっかり押さえておきましょう。ここでは、立ち仕事のおもなデメリットを5つ解説します。
身体的に負担がかかる
立ち仕事は身体的な負担が大きいため、心身が健康でなければ務まりません。
特に疲れを感じやすいのが、首や腰、足です。首は頭を支えているため、下を向くなど同じ姿勢が続くと疲れがたまる原因になります。ひどくなると痛みだけでなく、肩凝りやしびれを起こすこともあるでしょう。
無理な体勢により上半身を支える腰への疲労度が増せば、腰痛を引き起こす可能性もあります。
また長時間同じ姿勢で立っていることで、足の筋肉が硬くなり、血行不良やむくみを起こしやすくなります。できるだけ負担がかからない姿勢を意識することが大切です。
立ち仕事を安定して継続するためには、負担がかかった部位の疲れを取るセルフケアが欠かせません。
1番多く聞く悩みは足のむくみで、特にふくらはぎが張ってしまうことに悩んでいる人は多くいます。血行不良の影響で足のむくみが取れにくくなるのです。
そうした人たちのなかには、湯船につかって足を温める・着圧ソックスを利用するなどして、足をいたわり、毎日の疲れを残さないよう工夫している人も多くいます。
慣れるまでは疲れやすい
立ち仕事は体力を消耗するため、体力に自信のない人は慣れるまでは疲れやすく、大変さを感じるかもしれません。
丸1日立ちっぱなしの仕事をすれば、多くの人は疲労感を感じるでしょう。慣れない動きで筋肉に疲労物質がたまり、だるさなどの不快感、むくみや冷えを生じさせる要因にもなります。
立ち仕事がつらいと感じたとしても、慣れてくれば、必要な筋肉がついてきたり、動作のコツがわかってきたりして、疲れを感じにくくなるはずです。個人差はありますが、仕事に慣れるまでは2~3カ月は様子を見るようにしましょう。
また仕事を始めたての頃は、立ちっぱなしの業務に加えて新しい環境にも順応しなければならないため、精神面の疲れも取れるように、十分な休息時間を確保することが大切です。
- 立ち仕事を始めてしばらく経ちますが、どうしても慣れないです……。
疲れやストレスを持ち越さないための方法を考えてみよう
立ち仕事で一番懸念されるのは脚(足)への負担や体力面かと思います。一方で、どのような仕事も慣れるまでは気苦労や疲れはあるのではないでしょうか。
脚の疲れは個人差はあるものの、1、2週間で慣れてきます。それ以外の作業もいずれ慣れてくるでしょう。身体が順応したり、作業を覚えたりすれば精神的な負担も徐々に減少していくと思います。
逆に1日中座った姿勢は腰に負担があり、1時間に1度は立ち上がった方が良いといわれています。
このように、どのような仕事も良い面とそうでない面があるため、いかに疲れを残さないかを考えると良いでしょう。その日の疲れをその日のうちに取るには、十分な睡眠や入浴など生活の基盤を作ることが大切です。
体調が悪いときに仕事効率が下がる
立ち仕事はエネルギーを使うため、体調が悪いと思うように作業をこなせず、仕事の効率が下がってしまいます。座り仕事であれば多少の無理も利きますが、立ち仕事ではそうはいきません。
体調の良し悪しが仕事に大きく影響するため、日常的な体調管理は必須です。体調を崩しやすい人、虚弱体質な人には不向きな仕事だといえるでしょう。
また体調が悪ければ、業務効率に支障が出るだけでなく、思わぬミスや事故を招く恐れもあります。普段から自分の身体の状態を把握したうえで、オーバーワークにならないように仕事量を調整するなど、自己管理をすることが大切です。
立ち仕事は、体調が整った状態で日々の業務に当たることが求められると認識しましょう。
加齢や体調不良により働けなくなるリスクがある
身体を動かす立ち仕事は、身体が資本の仕事であるため、加齢や体調不良により働けなくなる可能性があります。特に病気やけがをしてしまうと、軽症であれば業務をしながら治療ができますが、骨折などの大けがや入院が必要な病気であれば、治るまでは仕事を休まざるを得ません。
また飲食店や小売業、福祉介護や医療などにかかわるサービス業は、基本的に立ちっぱなしで動作が多い仕事のため、足腰を痛めると仕事に支障が出て、仕事を続けるのが難しくなるでしょう。
デスクワークの場合は、仕事への復帰も早く、加齢によって働けなくなるリスクも低いため、長期的に仕事を続けるという面では立ち仕事の方がハードルが高いといえます。
立ち仕事とデスクワークを続けられる年齢に差はありません。続けられるかどうかは個人差によるところが大きいです。元気な人は60代後半でも警備員などの立ち仕事をしていて、職種による定年の違いはないといえます。
キャリアアップしにくい傾向にある
仕事を検討するうえで、将来性も大切な要素の一つです。
立ち仕事はサービス業などの個人の売り上げがわかりにくい仕事や、工場の作業員などのマニュアルや指示通りに作業するルーティンワークになりがちな仕事に多いです。そのような職種の場合、自分のスキルアップや成果を明確な数値や客観的な指標で表しにくいため、評価されないケースも少なくありません。
そのため、立ち仕事は比較的キャリアアップしにくい傾向にあります。キャリアアップを目指すなら、スキルや経験を活かしてどのようにしていきたいのか明確にし、目的意識を持って業務に取り組むことが大切です。決まった仕事だけをやり続けるようになれば、キャリアアップの道はさらに遠のいてしまうと考えられます。
- 立ち仕事で長期的なキャリアを築くにはどうすれば良いですか?
顧客に喜ばれる行動や働き方は何かを考えよう
立ち仕事でも長期的なキャリアを築くことはできます。
新人のときは、基盤を作るためにマニュアルや指示に従うことはもちろん、目の前の顧客を喜ばせるために何ができるかを常に考えることが大切です。
ほかにも、直接顧客が見えない業種の場合は、顧客が喜んでくれるための行動とは何かなどを考えてみましょう。
このように柔軟な考え方を持って仕事に取り組むことで、あなたは会社にとってなくてはならない存在となり、立ち仕事でも長期的なキャリアを築くことができます。
就職支援のプロが解説! 立ち仕事の選考でアピールできるポイント
ここまで立ち仕事のメリットだけでなく、デメリットについて解説してきましたが、実際の立ち仕事の面接で何をアピールすべきかわからない人もいるでしょう。
立ち仕事で最も重視される「体力」をアピールしただけでは、面接官には仕事に対する意欲が伝わらない可能性があります。より具体的なポイントに絞って、立ち仕事への意欲や適性を伝えることが大切です。
そうはいっても、なかなかアピールする材料がない場合もあるでしょう。そこで就職支援のプロである古田さんに、立ち仕事の選考で有効なアピールポイントを聞きました。どのようにアピールしたら良いのかわからない人は参考にしてみてください。
アドバイザーコメント
古田 文子
プロフィールを見る体力面はアピールになり得るがそれだけが重視されるわけではない
立ち仕事の選考でアピールできるポイントがあるとすれば、「体力には自信がある」あるいは「腰痛や膝痛が出ても、パフォーマンスを維持する自己管理ができる」というようなことくらいでしょう。
伝える際は、学生時代にしていたスポーツ経験などを交えた具体的なエピソードがあれば、面接官にもイメージしやすいですね。
体力ばかりをアピールするのではなく志望動機や自己PRなどの対策も重要
企業や職種にもよりますが、立ち仕事が理由の特別な選考基準はあまりありません。強いて言えば、腰痛などの持病の有無、体力や自己管理能力の有無を質問することはありますが、ないよりはあった方が良いという程度でしょう。
注意が必要なのは、立ち仕事だからと体力面ばかりアピールされても、肝心な志望動機や意欲が感じられなければ不採用になる可能性もゼロではないというところです。
工事現場などの体力重視の仕事ならともかく、立ち仕事だからといって体力面だけを見て選考しているわけではないことは覚えておいてください。
立ち仕事に不安がある人は? 疲れにくくなる7つのコツを知ろう
立ち仕事に不安がある人は? 疲れにくくなる7つのコツを知ろう
ここまで立ち仕事のデメリットや大変なところを読んで、「興味はあるけど自分にできるか不安……」と感じている人もいるかもしません。
実際、疲労が蓄積することで体調を崩してしまう人もいますが、同じように立ち仕事をしていても、あまり疲労感を感じない人もいます。立ち仕事で疲労を感じにくくするためには、効果的なケア方法をあらかじめ把握しておくことが重要です。
ここからは、立ち仕事で疲労を感じにくくするコツを7選紹介するので、ぜひ実践してみましょう。
①正しい姿勢を意識する
同じ姿勢でいることが多い立ち仕事では、正しい姿勢を意識することが大切です。猫背や反り腰などの姿勢が悪い状態のまま仕事をし続けると、身体のバランスが崩れて、身体の一部に無理な負担がかかってしまいます。
正しい姿勢とは、地面に対して垂直にまっすぐ立つことです。顎と骨盤が足の真上に来るよう意識し、首から肩、肩から腰までのラインが一直線になるようにしましょう。胸を張るのではなく、肩の力を抜き、肩甲骨を少し寄せるようなイメージを意識することで、まっすぐしたきれいな姿勢を維持できます。
普段崩れた姿勢で過ごしている人が正しい姿勢を取ろうとすると、一時的に疲れを感じることがあるかもしれません。しかし、正しい姿勢を取ることで、身体への負担を分散できるため、長時間の立ち仕事でも疲労を感じにくくなります。
②着圧タイツを履く
長時間の立ち仕事の後の「足がだるくて疲れが取れない」「足がパンパンにむくんで靴がきつい」といった足のトラブルの多くは、むくみが原因です。
足のむくみを解消したい場合は、着圧タイツを履くことをおすすめします。着圧タイツは、ウエストから太もも、ふくらはぎ、足首にかけて、ほどよい圧力をかけることで、血行を促進し、水分や老廃物の排出を助けてくれます。結果的にむくみの改善効果が期待できるでしょう。
仕事中に着用することで、むくみや疲れがたまりにくくなり、足のすっきり感を得られます。履くだけで効果が得られるため、取り入れやすいアイテムです。
③作業靴を見直す
立ち仕事で疲れをためないようにするには、どんな靴を履くかも重要な要素です。作業に不向きな靴やサイズが合わない靴を履いていると、足の痛みを引き起こすだけでなく、姿勢のゆがみが生じることにもつながります。足の形やサイズにフィットした靴を選びましょう。
またクッション性のある靴を履いたり中敷きを敷いたりすれば、床の固さによる着地の衝撃を抑えられ、足腰の負担を軽減できます。加えて、通気性が良く蒸れにくい靴や、靴底がしっかりとして滑りにくい靴もおすすめです。
靴だけでなく、靴下も見直すべきポイントになります。5本指ソックスは、素足に近い感覚で履けるため、地面をしっかり踏み込むことができて、安定感が高まるアイテムです。足関節機能やバランス能力アップに即時効果があるとされています。踏ん張る場面が多い力仕事や、転倒のリスクがある立ち仕事の人は併せて活用してみましょう。
私が1日中立ちっぱなしの仕事で工夫していたことは脚のケアですね。
ふくらはぎのマッサージや、寝る前に足を上げバタバタして血流を心臓に戻す、足の指を広げるために入浴中に指のマッサージをするなどを心掛けていました。
④仕事の合間にストレッチをする
ずっと立ちっぱなしで同じ姿勢が続くと、常に一定の箇所に負荷がかかり、むくみや痛みを引き起こしやすくなります。そのため仕事中にこまめにストレッチをするのが効果的です。
仕事の合間や休憩時間を使って、屈伸をしたり、身体を伸ばしたりするストレッチを取り入れてみてください。筋肉のコリをほぐすことで、慢性的な疲労感の蓄積や不調を緩和することができます。
気分もリフレッシュできて仕事への集中力がアップするため、生産性の向上にもつながります。後ほど詳しく解説しますが、簡単にできるストレッチを知っておき、習慣化するのがポイントです。立ち仕事を健康的に長く続けるためには、こまめなストレッチで身体を緩めることを実践しましょう。
➄入浴後のマッサージや半身浴をする
ゆっくり湯船に浸かる半身浴は、身体の芯まで温まって血行が良くなるだけでなく、疲労回復やストレス解消につながります。じっくり温まってたっぷり汗をかくと、身体の老廃物も排出されやすいです。好きな入浴剤を使ったり、好きな音楽を聴いたりして、リラックスできる環境を整えてみてください。
また、入浴後のマッサージも効果的です。入浴後は身体が温まり、皮膚や筋肉もやわらかくなっているため、血流やリンパも流れやすく、深い部分までほぐすことができるとされています。心身がリラックスしているため、効果も実感しやすいようです。日常の習慣として取り入れることで、疲労をためずに、集中して仕事に取り組むことができるでしょう。
⑥足を高くして寝る
長時間の立ち仕事で足のむくみがひどい場合は、足を心臓の位置よりも高くして寝ることで、症状を緩和できるとされています。重力により足や下半身の滞った血液やリンパ液を心臓に戻すことで、老廃物の排出やむくみの解消につながるためです。
クッションやタオルを使用して、ふくらはぎから優しく持ち上げ、枕の高さと同程度で、心地良いと感じる適度な高さにしましょう。ただし足首だけを上げたり、高くしすぎたりすると膝や腰を痛める可能性があるため、注意してください。無理な姿勢は眠りが浅くなる要因になります。
横向きに寝るときは、足と上半身を直線にするように心掛けると良いでしょう。
⑦定期的に専門家のメンテナンスを受ける
深刻な痛みや症状の慢性化により、ストレッチやケアなどで改善できない場合は、専門家のメンテナンスを受けるのも一つの手です。毎日こまめにストレッチをおこなっていたとしても、思うような効果や回復が見られない場合もあります。
姿勢の悪化や柔軟性の低下は、身体の癖や習慣がもとになっていて、なかなか意識的に修正できるものではありません。早期解決を望むのであれば、専門家に相談するのがおすすめです。
マッサージや施術を受ければ、疲れや不調を改善できるだけでなく、立ち仕事をするうえでの日常的なアドバイスももらえます。身体の癖や習慣を踏まえた、専門的な知識が得られることで、健康的に仕事に取り組むためのヒントがつかめるかもしれません。
疲れをため込んでしまい、仕事に支障が出てしまわないように、定期的に身体のメンテナンスを受けるようにしましょう。
疲れをため込むと、だるさや倦怠感などにつながり精神的にも悪影響です。毎日、気持ち良く過ごすためにも身体をいたわることを忘れないでくださいね。
立ち仕事で長く働くために! 意識すべき3つの部位とケア方法
立ち仕事で長く働くために! 意識すべき3つの部位とケア方法
- 血流に影響する足のストレッチ
- 痛めると慢性化しやすい腰のストレッチ
- 頭を支える首のストレッチ
最後に、立ち仕事で長く働くための具体的な身体のケア方法もチェックしておきましょう。長時間同じ姿勢でいると身体には大きな負担がかかってしまいますが、ストレッチをして身体を動かすことで、筋肉のこりをほぐすことが可能です。
ここでは特に負担がかかりやすい足、腰、首の3つの部位に合わせたストレッチを紹介します。ぜひ実践して、立ち仕事で十分な力を発揮できるようにしましょう。
血流に影響する足のストレッチ
長時間の立ち仕事をしていると、足の疲れを感じやすいです。足の負担が大きくなると、下半身の血流が悪くなり、疲労がたまります。それにより、体全体の調子が悪くなることもあるため、負担を軽減することが大切です。
足の疲れを取るなら、大きな筋肉である太ももやふくらはぎを伸ばすストレッチがおすすめです。足のストレッチは、以下の手順でおこないましょう。
足のストレッチ
- 立って姿勢を伸ばした状態から片足のつま先を上げる(かかとは地面につけた状態)
- 上半身を前屈させて、 片方の手で上げたつま先を触る
- その姿勢のまま10秒キープする
一連の動作を左右交互に3回ずつ繰り返します。ふくらはぎと太ももをしっかり伸ばすことで、足への血流が改善されて疲労を抑えることができるでしょう。
身体を冷やさないためにも、仕事中は温かい飲み物を飲むと良いでしょう。外で仕事をしているわけではない限り、エアコンが効いている部屋は夏でも身体が冷えます。血行が悪くなるのを防ぐためにもおすすめのケアですよ。
痛めると慢性化しやすい腰のストレッチ
立ちっぱなしの姿勢が続くと、上半身を支える腰への負担が大きいです。腰への負担が蓄積されれば、腰痛を引き起こすため、予防と早期改善がポイントになります。
腰に疲れを感じたときは、腰を反らせたり、ひねったり、前かがみになったりなどのストレッチが効果的です。腰や背中の筋肉をほぐし、血流が改善されることで、身体もすっきりします。腰のストレッチは、以下の手順でおこないましょう。
腰のストレッチ
- 足を肩幅に開いて立ち、姿勢を伸ばす
- 足の向きはそのままで、腰をひねって真後ろを見る
- ②の姿勢を10秒キープする
- ゆっくりと元に戻す
- ②~④の動作を左右交互に3回ずつ繰り返す
立ったままできる手軽にできるストレッチなので、ぜひ取り入れてみてください。ただし、痛みがひどかったりしびれがある場合は、無理に動かさずに医師の診察を受けるようにしましょう。
頭を支える首のストレッチ
立ち仕事で長時間首を下に傾けた姿勢でいると、頭を支える首への負荷が大きくなります。首に負担がかかり続けると、首から肩にかけての痛みやしびれが出ることもあるため、仕事の合間に、意識的に首周りの筋肉を伸ばすストレッチをおこなってみてください。
首のストレッチは、以下の手順です。
首のストレッチ
- 姿勢良く立った状態で真上を見る
- 首をゆっくり回す(1周4秒くらい)
- ゆっくり3周ほどしたら、今度は反対回しに3周する
立ったままできる簡単なストレッチです。あまり早く回すと首を痛めることがあるため、ゆっくりと回すことを意識してください。これだけで、首や肩回りのだるさ、疲労をかなり軽減することが可能です。
立ち仕事に就くなら身体のケアを大事にして継続的に働こう
立ち仕事にはさまざまな職種がありますが、仕事をしながら健康的に働けるのがメリットです。自然に身体を動かすことができるため、運動不足になりにくいでしょう。
一方で、長時間立ちっぱなしになるため、身体的な負荷がかかりやすいといったデメリットもあります。両面を理解したうえで、自分の体力と価値観に合った仕事を考えてみてください。
立ち仕事は身体が資本であるため、仕事に集中するためにも身体のケアをしっかりおこない、自己管理を意識して長く活躍しましょう。
アドバイザーコメント
冨永 実希
プロフィールを見る立ち仕事はケアを怠らなければ健康にも良い仕事
私は立ち仕事から座り仕事になった途端、腰や姿勢に不調をきたしました。一見きつそうでも身体にとっては「座る<立つ<動く」の順に身体に良いと実感しました。穏やかながら運動にもなっています。一方で、脚・足への負担は否めません。
まず第一に足に合った靴選びをおすすめします。作業内容により靴の形状はさまざまですが、外反母趾や内反小趾を防ぐために、足幅、足先にフィットした靴を選びましょう。
湯船に浸かるなど日常生活のなかで疲れをため込まない工夫をしよう
次に立っていることにより下がった血流を心臓に戻すため、マッサージは必須です。
シャワーだけで済ませず、バスタブに浸かり、血流を良くし、ふくらはぎから心臓に向けてマッサージをしましょう。寝る前に足を上げバタバタしたり、自転車こぎをするのも有効です。
少し面倒に思う人もいるかもしれませんが、これらをおこなうことで、脚のむくみが取れ、スッキリ引き締まります。
座り仕事も足を下げているため、むくみますが痛みを感じないのでむくんだまま放置されがちです。脚が疲れる→ケアを欠かさない→結果的に立ち仕事の方が美脚を作ることができます。どのような仕事も一長一短、慣れていくとさほど問題にはならないでしょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Yoshiko Kato〇人材会社で約15年間、18,000人以上のキャリア相談を受けてきた。独立後は企業や大学、個人と契約し、キャリア構築の支援をおこなう。キャリアコンサルタント歴は20年以上
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/上級心理カウンセラー
Fumiko Furuta〇キャリアに関する記事の執筆・監修や、転職フェアの講演、キャリア相談、企業や学校でのセミナー講師など幅広く活動。キャリア教育に関心があり、学童クラブの支援員も務める
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/fc-styling代表
Mitsuki Tominaga〇ファッション業界にてスーパーバイザーや採用、お客様相談員を経て独立。大学生の就職支援や高校生向けキャリア講座、中途採用の転職支援事業など幅広い世代の就労支援に従事
プロフィール詳細