化粧品会社への就職術! 成功への手順と入社後の活躍法も解説

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  • キャリアコンサルタント/産業カウンセラー

    Yoshiko Kato〇人材会社で約15年間、18,000人以上のキャリア相談を受けてきた。独立後は企業や大学、個人と契約し、キャリア構築の支援をおこなう。キャリアコンサルタント歴は20年以上

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  • キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表

    Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう

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  • キャリアコンサルタント/2級キャリア技能士

    Misako Sugihara〇石川県金沢市を拠点に15年にわたり就職支援に携わる。2年前からは転職支援も手掛けている

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人々の美容や健康に深くかかわる化粧品会社。キラキラしたイメージから憧れる人も多い業界ですが、就職を成功させ、入社後も活躍するためには業界への正しい理解が必要不可欠です。

何となくのイメージだけで就活を進めてしまっては化粧品会社の選考で好印象が残せず、仮に入社できてもミスマッチを起こしてしまいかねません。

この記事ではキャリアコンサルタントの杉原さん、谷所さん、加藤さんとともに、化粧品会社への就活対策法と、知っておくべき化粧品業界の特徴や入社後の活躍のポイントまで徹底解説します。

ここでのアドバイスを参考に、ほかのライバルと差を付けられる正しい知識を習得して、化粧品会社への就職成功を目指しましょう。

目次

華やかなだけじゃない! 化粧品会社の就職は正しい業界知識がカギ

化粧品会社はその人気やイメージから就活倍率も高いため、しっかりと準備と理解を深めて情報戦を制することが就職成功のカギを握ります。

そこでこの記事ではまず、化粧品会社で就活を進めるうえでの重要な3ステップについて解説します。業務内容や業界の動向など正しい知識を深めて働くイメージを膨らませましょう。

次は化粧品会社の基礎知識だけではなく、プラスαで知っておきたいポイントや志望動機、面接の頻出質問などを解説していくので、実際の選考対策に活かしてくださいね。

化粧品会社に就職できたとしても、どのような力が活きるのかを理解しておかなければ活躍できません。そこで最後は化粧品会社での活躍に必須のPR力を鍛えるコツについて説明するため、一段階上のステップに進めるよう併せてチェックしてみてください。

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化粧品会社に就職するには? 合格率を上げる3つの就活ステップ

化粧品はさまざまな用途や種類が存在し、企業数も多いため、正しい基礎知識と業界への理解なしに就活を進めることは、効率的に就活を進められないことに加え、入社後のミスマッチにもつながりかねないため危険です。

やみくもに選考を受ける前に、これから解説する3つの就活ステップで化粧品会社と業界全体の必須の知識を習得しましょう。

①ミスマッチを防ぐ! 化粧品業界の仕事をイメージしよう

化粧品は、皆さんが商品を手に取るまでにさまざまな人がかかわっています。化粧品そのものに魅力を感じて化粧品会社を目指すのはもちろん良いことですが、会社としてどんな仕事が存在しているのか理解しておくことが大切です。

それぞれの仕事をきちんと把握しないままでは、化粧品会社の全体像がつかめず、入社後に任された仕事内容が想像と違っているなどのミスマッチにつながります

まずは化粧品会社の主な職種についての理解を深め、就活前に働くイメージを具体的にしておきましょう。

営業職

営業職はドラッグストアや百貨店、その他美容商品を扱う店舗などに自社商品を提案する仕事です。

主な業務内容は、百貨店のバイヤーやドラッグストアの責任者と交渉し、売り場の新規獲得や今ある売り場のチェックなどをおこないます。

また、エステサロンや美容室などでも、その店舗の課題解決のために商品を提案するなど自社商品のシェアを広げるための営業活動もおこないます

営業職に求められること

  • 商品知識だけではない化粧品に関する法律などの知識
  • 売り場環境を良くするための状況判断力
  • 取引先の課題解決や売上への貢献
  • 商品の魅力を伝えて売り場獲得につなげるPR力とコミュニケーション能力

杉原 美佐子

プロフィール

化粧品は愛用品があると簡単には変えてもらえません。どんなによい製品であってもです。

また使ってみて初めて良さがわかるので、いかに人の目を引き手に取ってもらえるか、そのための売り場を獲得できるかが重要です。重要な役割を担う売り場獲得で自分の営業力を試せるというやりがいのある仕事です。

営業職は扱う商材や業界によって営業手法や取引先が異なるため、志望動機でそれぞれの営業職に応じた対策が必要です。下記では営業職での志望動機の書き方をキャリアコンサルタントが解説しているため、ぜひ参考にしてみてくださいね。
例文18選|営業職の志望動機で採用担当者を惹きつけるコツ

サロンを志望している人は以下の記事をチェックしてください。サロンの志望動機の書き方のコツを詳しくまとめています。
例文付き! サロンの志望動機の鍵となる成長意欲を伝えるコツを解説

企画職

企画職は新しい化粧品の企画・立案に加え、広告戦略や販売戦略をおこなう仕事です。化粧品は次々と新商品が発売され、市場の競争が激しいため、そこでどのように売上をたてるかを考える企画・マーケティング部門は化粧品会社でも重要な役割を担っています

主な業務内容は、市場やトレンドのリサーチ、企画の出稿、販売戦略に合わせて細かい業務が多くあります。ただ企画や戦略を立てて終わりではなく、その戦略から店舗環境のサポートや広告活動なども含まれるため、同じ部署内でも多くの人との協力が必要不可欠です。

企画職に求められること

  • 周囲の人と一つの化粧品を作り上げていくための協調性
  • 常に業界トレンドに敏感に反応できる情報収集能力
  • ターゲットのニーズに応えられる企画力
  • 新商品を社内外にプレゼンするためPR力
企画職は具体的に何をするのでしょうか?

谷所 健一郎

プロフィール

商品の試作から販売店との打ち合わせなど多くの業務に携わる

企画職の仕事では、トレンドや流行を調査したうえで新商品の企画や戦略をおこないます。その後は、新商品の方向性やブランドの位置付けまで決めていき、開発・研究職やマーケティング部門と連携して開発と試作をかさね、商品を形にしていくのです。

そして商品が完成したら販売戦略を決めていきます。それ以降も、社内外の生産ラインの調整から販売店舗との打ち合わせなど、商品が販売に至るまでの一連の業務に携わることになるでしょう。

化粧品業界に限らず、新卒で企画職に就職するのはハードルが高いです。そこで下記の記事では、新卒から企画職を目指すときのポイントについてキャリアコンサルタントが解説しているためぜひ参考にしてみてください。
企画職の仕事や適性を徹底解剖! 新卒が企画職を狙うのはハード?

開発・研究職

化粧品の製造に携わるのは開発・研究職です。新商品のコンセプトや売り込むターゲットなどの戦略を決めるのは企画職であるマーケティング部門ですが、開発・研究職は発売が決定した商品の機能や成分などを開発していく仕事です。

化粧品の原料を調合していくつもの試作品から製品を作ったり、安全性や機能面などの品質を高める研究を進めたりすることが主な業務内容となります

開発・研究職に求められること

  • 化粧品の成分や調合などに必要な専門的な知識
  • 安全性が高く安心して使える商品を作るという責任感
  • 最先端の技術や研究成果を取り入れるための情報収集力
  • 研究の成果を最大限に活かすためのチームワーク

杉原 美佐子

プロフィール

必須資格はありませんが、性質上、薬品や皮膚(人体)の知識が必要です。学部で言えば、薬学、化学、生物などです。植物由来の製品もあるので農業にも関係します。加えて、研究にはデータ分析力も求められるでしょう。

研究職は、業界問わずその専門性の高さから新卒での就職も狭き門であるため、きちんとした業務理解と就活対策が大切です。下記では、研究職の高い就活ハードルを乗り越えるための対策法や志望動機例について解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
研究職ってどんな仕事? 狭き門を勝ち抜くための志望動機例も紹介!

化粧品業界の研究職に進みたいと考えている人は理系学部で学んでいる人も多いでしょう。下記では理系の強みを最大限に活かせる就活対策について解説しているため、あわせてチェックしてみましょう。
理系のおすすめ就職先11選 | 進路選びから就活対策まで完全網羅

販売職

販売職はいわゆる美容部員と呼ばれ、店舗で自社商品を顧客に提案し売上につなげています。ドラッグストアなどの小売店でも商品を試すことはできますが、美容部員は店舗で顧客とコミュニケーションをとることでよりニーズに沿った商品を提案できます。

主な業務は顧客への提案・接客による化粧品販売ですが、その過程で実際に顧客の肌に触れて化粧品を使用するタッチアップなどもおこないます。近年では美容部員がブランドの顔となり、公式アカウントの動画配信などで化粧品を紹介するなどオンライン上での活躍の場も広がっています

販売職に求められること

  • 顧客の悩みやニーズを引き出すためのヒアリング力
  • 化粧品の魅力や顧客への最善の提案をするためのPR力
  • 顧客に化粧品の良さを体感してもらうためのタッチアップの技術
  • 美容部員同士で良好な関係を築くための協調性

販売職は顧客と密にかかわるため、業務内容や求められる資質にも注意して対策が必要です。下記の記事ではキャリアコンサルタントと共に販売職の特徴や就活対策を解説しているため、志望職種を定めた後の就活対策にぜひ役立ててくださいね。
販売職の仕事内容や魅力を徹底解剖! 就職するために必要な対策とは

化粧品にかかわる仕事を志望していてドラッグストアへの就職を考えている人も思います。以下の記事ではドラッグストアの志望動機の書き方を例文と共に解説しているので参考にしてみてください。
例文5選|ドラッグストアの志望動機に深みを持たせて合格する方法

②就活スタート前に! 化粧品業界の動向を知ろう

化粧品会社に限らず、各業界の選考では「今後業界や企業をどうしていきたいか」という質問への回答を必要とされることもあるでしょう。そのため、業務内容や基礎知識だけでなく化粧品業界の動向についても詳しく知っておく必要があります

ここからは化粧品会社での就活をスタートさせる前に知っておきたい業界の動向について解説するため、これからの化粧品業界に求められることや課題などをイメージできるようにしていきましょう。

業界のDX化

2020年の新型コロナウイルス感染症の蔓延により市場売上が低下した化粧品業界ですが、そこでの影響に合わせて化粧品業界もDX化が推進されています。

DX

デジタルトランスフォーメーションの略。デジタル化によってさまざまな環境に変化をもたらすこと。

コロナ禍の影響により店舗でのタッチアップやテスターの使用が制限されたり、消費者の外出が減ったりしたことが原因で、店頭販売以外での集客・販売に力を入れる企業が増えました

たとえば、大手化粧品メーカーである資生堂のOmise+ではビデオ通話を活用したWebカウンセリングや、自分で肌を撮影して質問に答えることでできる肌分析機能など、昨今の生活スタイルの多様化に合わせたサービスを展開しています。

また、日本最大級のコスメ・化粧品・美容の総合情報サイトである@cosmeでは「TRY at HOME」という店頭に行かなくても化粧品が試せるサービスをおこなっており、実際に化粧品を製造している化粧品会社に限らず、さまざまな化粧品媒体でのDX化は加速しています。

SNSマーケティングの増加

化粧品業界は、化粧品を取り扱う企業数の多さはもちろんですが、数え切れないほどのブランドがひしめき合っています。その中で他社との競争に勝つための戦略のカギとなるのがSNSマーケティングです。

化粧品はブランド数が多いからこそ、そのブランドの個性や世界観をいかに多くの人に認知してもらえるかが重要になるため、その情報発信の場としてSNSが活用されています

近年ではインフルエンサーとのSNSマーケティングも増加しています。TikTokやYouTube、Instagramなどさまざま媒体でインフルエンサーと化粧品メーカーとのコラボ企画が展開され、化粧品会社においてSNSマーケティングは重要な役割を担っています。

この記事を読んでいる人の中にはマーケティング職に就きたいと考えている人の多いのではないでしょうか。以下の記事では新卒からマーケティング職に就職するための

アドバイザーコメント

化粧品の分野や価格、用途によるニーズの違いを理解しよう

化粧品は、デパートの高級感あふれる化粧品と、ドラッグストアの普段遣いの化粧品で住み分けができています。そこに国内メーカーと海外メーカーが参入しています。

用途では基礎化粧品とメイク商品に分かれます。ターゲットも年齢別でニーズの異なりが顕著です。

化粧品の特徴は、「高くても売れる」こと。消費者は、価格が高い方に信頼を寄せ、商品を選ぶ傾向があります。また、日本の化粧品は品質も良いためアジアの国々を中心に大人気です。このように、業界動向だけではなく使用用途や分野によるニーズの変化も理解しておきましょう。

徹底したマーケティングやコンサルティングが求められる

化粧品にはトレンドがあり、トレンドを追いかけて各メーカーが同じような機能の化粧品を出しています。ホワイトニングやアンチエイジングなどの商品が昨今多く出回っていることが良い例です。しかし、効果を感じるのは人それぞれ、好みも違うので、大ヒット商品を作り出すのは非常に難しいでしょう。

化粧品業界で勝ち抜くには、徹底したマーケティングが欠かせません。年代別のニーズ、価格帯、海外動向、社会状況、最新の研究結果を考慮して、次のトレンドを考えます。データ分析、フレームワークを駆使して戦略を立案するなど、コンサルティング能力が必要です。

化粧品会社への就職を考える人の中にはマーケティング職に就きたい人も多いのではないでしょうか。以下の記事では新卒でマーケティング職に就くための方法や具体的な仕事内容などを徹底解説しているため、ぜひ参考にしてみてくださいね。
新卒でマーケティング職に就くには? 仕事内容から対策まで徹底解説

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③企業理解の要! 各化粧品会社のコンセプトを知ろう

化粧品やブランドの多さと同様に化粧品会社も数多く存在しているため、企業は「なぜ数ある化粧品会社の中でわが社を志望するのか」を重要視しています

それぞれの企業が持つビジョンや特徴をしっかり理解できていなければ、選考を受ける企業とそのほか企業との比較ができないため、「他社ではなく御社を志望する理由」を明確にできません。

ここからは、主要な化粧品会社の2021年12月の決算をもとに、2021年の業界売上が1,000億円を超えた4社をピックアップして特徴を解説していきます。

ぜひ参考にして、志望する化粧品会社の企業研究に役立ててくださいね。

企業コンセプトを研究するうえで気を付けるポイントはなんですか?

谷所 健一郎

プロフィール

応募企業だけでなく同業他社との違いまで押さえよう

企業理念、ビジョン、行動理念、社風などは、化粧品会社により異なるので、応募企業だけでなく同業他社との違いも押さえておくべきでしょう。また売れ筋商品のブランドコンセプトや顧客のターゲット層の研究もおこなうべきです。

今後国内の顧客が減少する中で、海外戦略が重要になりますが、ダイバーシティの捉え方やどの国をターゲットにしているかなども調べておくといいですね。

資生堂

資生堂

  • 従業員数 33,414名(2022年12月31日現在)
  • 設立年 1927年(昭和2年)
  • 連結売上高 10,674億円(2022年)

1872年の創業から150年続く国内最大手企業で、世界的に見ても売上が上位にランクインしたことのある大企業です。

代表的なブランドにはクレ・ド・ポーボーテやSHISEIDOなどの百貨店ブランドから、ELIXIRなどドラッグストアでの展開がメインとなっているブランドまで多岐にわたります。

特に、企業ホームページのブランド戦略では資生堂が定める化粧品の4つの区分のうち、高価格帯化粧品であるプレステージ領域のブランドを企業の強みとして掲げています。

また、化粧品だけにとどまらず、「レストラン事業」「教育・保育事業」などさまざまな分野に事業を拡大しており、今も成長し続けている企業といえます

花王

花王

  • 従業員数 35,411名(2022年12月31日現在)
  • 設立年 1940年(昭和15年)
  • 連結売上高 2,513億円(2022年)

花王も1887年創業という長い歴史を持ち、当時は高級石鹸から事業を拡大させていった生活化粧品での高いシェアを誇る大企業です。

石鹼の製造販売から成長した企業ということもあり、生活洗剤や衛生用品などのブランドが幅広く展開されていますが、化粧品でもKANEBOやest、KATEなど多くのブランドを抱えています

花王の公式HPのブランドの中では「365日、人と暮らしに寄り添う」をブランド全体の理念として掲げ、豊かな暮らしと自然との共生を実現していくとあります。日常的な生活に必要不可欠な商品を多く扱う企業だからこそ、安全性や環境への配慮に着目しているといえます。

コーセー

コーセー

  • 従業員数 13,179名(2022年12月31日現在 嘱託・パートを含む)
  • 創業年 1946年(昭和21年)
  • 連結売上高 2,891億円(2022年)

コーセーは創業当時から化粧品事業一本で成長を遂げてきた大手企業で、高価格帯ではコスメデコルテやアルビオン、セルフケア化粧品としては雪肌精などのブランドが有名です。

また、コーセーは化粧品事業に特化した経営をおこなっているため化粧品研究を強みとしている企業でもあります。企業HPの研究の強みではコーセーがおこなってきた独自の研究内容について書かれています。

中でも化粧品への安定化が難しいとされてきたリポソームの研究では製剤化を達成し、主要ブランドであるコスメデコルテの美容液にも配合されている、企業を代表する研究といえるでしょう

ポーラ・オルビスホールディングス

ポーラ・オルビスホールディングス

  • 従業員数 221名 (2022年12月31日現在)
  • 設立年 2006年(平成18年)
  • 連結売上高 1,663億円(2022年)

ポーラ・オルビスHDは企業名の通り、主要ブランドであるPOLAとオルビスのブランド運営をメインにおこなっている企業で、企業HPのグループの全体像を見てもこの2つのブランドが売上の84%を占めていることがわかります

POLAでは高価格帯化粧品ブランドとしての独自の価値として、エステから販売サービスを一貫しておこなう路面店の運営に力を入れています。

セルフケアの分野で有名なオルビスは、通信販売を強みとして運営に力を入れているブランドです。企業HPのオルビスのブランド再構築によると、オルビスは2015~2020年の6年連続でJCSI(日本顧客満足度指数)通信販売業界自社ブランド型というランキングで1位を獲得しています。

それぞれのブランドの強みや販売経路が確立されているからこそ、その2つの特性の異なるブランド運営によって成功している企業といえるでしょう。

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「この業界に就きたい!」と思っていても、なぜそうなのか相手により伝わるように説明できないと悩む学生は多いです。

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ぜひ活用して、志望業界の選考を突破しましょう。

ライバルと差をつけるなら商品情報も見に行こう

企業のHPを見て理念や価値観を研究することも大切ですが、実際に化粧品会社が提供している商品の理解を深めることは、より企業からの印象も高まり、ほかの学生と差がつくポイントです。

ここでは商品情報の研究のポイントをキャリアアドバイザーの谷所さんに具体的に解説してもらうため、ぜひ参考にしてみましょう。

アドバイザーコメント

4つのポイントを押さえた商品研究で企業をさらに深掘りしよう

選考企業をさらに深掘りするための商品情報の集め方や研究のポイントは4つあります。

①商品を使用してみる
選考企業の商品について、できれば使用してみることがおすすめです。HPやカタログではわからない使用感を体験することで、より具体的な感想やアピールができるようになります。「当社の商品を使用したことがありますか?」と問われたとき「ありません」という回答ではなく、商品の魅力を語れるようにしましょう。

②店舗を訪問する
店舗を訪問することで、商品を確認できるだけでなく、美容部員がどういった接客販売をおこなっているか、どういった陳列方法なのか、どういった顧客層なのかなど、商品に関連するそのほかの情報も得ることができます。

③インターンに参加をする
インターンに参加することで、商品開発や販売戦略など、商品に関するさまざまな情報を得ることができますので、インターンに参加しましょう。

④OB・OGから情報を得る
OBやOGから、HPなどに公開されていない商品情報について、教えてもらえる可能性があります。商品研究をおこなったうえで、商品の疑問点などについて質問をしてみるのもいいですね。

商品情報の研究のポイントは、商品の特徴だけではなく、他社商品との違い、顧客の年齢層、販売方法、企業のなかの位置付けなど総合的に研究するといいでしょう。

この記事を読んでいる人の中にはインターンへの参加を検討している人も多いでしょう。以下の記事ではインターンに参加するメリットや選び方のポイントについて詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてみてくださいね。
インターンは就活に不可欠? 8のメリットと選び方を詳細解説

OB・OG訪問についてもっと詳しく知りたいという人は以下の記事もおすすめです。以下では、就活のプロであるキャリアコンサルタントがOB・OG訪問の手順について解説しているため、参考にして、就活を有利に進めてください。
OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅

化粧品会社に就職したい人の中には店舗見学のやり方がわからず悩んでいる人もいるのではないでしょうか。以下のQ&Aでは店舗見学をおこなう際のポイントをキャリアコンサルタントが解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。

化粧品会社の注意点! キラキラしたイメージとは違う一面とは

化粧品会社の就活の注意点

化粧品会社はその化粧品の見た目や美容にかかわる点などから華やかでキラキラしたイメージを持たれがちです。

たしかに煌びやかな部分もありますが、化粧品業界に限らず、どんな仕事も楽しいことばかりではありません。化粧品会社の大変さやデメリットをきちんと理解しないまま業界に飛び込んでも、想像と違う経験がストレスとなり、充実して仕事をおこなうことが難しくなるでしょう。

そこで化粧品会社でデメリットとなり得る一面をキャリアアドバイザーとともに解説します。華やかな一面とは違う視点から化粧品会社について考え、働くイメージをより現実的にしていきましょう。

美容関係のに興味のある人は以下の記事を参考にしてください。仕事の種類や求められるスキルを詳しくまとめています。
美容関係の仕事12選! ベストな仕事の見つけ方や必要な素質も解説

商品の安全性への責任が大きい

化粧品は、肌や髪を美しく育むという目的で使用されます。直接的に人の肌や髪に触れるため、高い安全性が求められます

製造する過程ではさまざまな安全性のテストをクリアする必要があり、商品が完成してからも衛生面に配慮した保存や提供をしなければなりません。

安全性を損なう商品で顧客に健康面での影響が出てしまった場合、その商品やブランドはもちろん、会社全体の信用を大きく損なってしまいます。化粧品を扱う仕事では安全性への責任が特に大きいことを理解しておきましょう。

クレームや指摘などへの対応が大変

化粧品会社は、その業界の競争の激しさから各ブランドや企業のイメージ戦略がとても重要です。イメージは商品の広告によって上げることができますが、顧客への対応もブランドや企業の信用やイメージを大きく左右します。

そのため、商品やスタッフへのクレームや指摘、意見などにも迅速で誠実な対応が必要不可欠です。

ときには顧客から厳しい意見をもらったり、きつい態度をとられたりして大変な思いをするかもしれませんが、それでもブランドや企業を成長させるための顧客からの生の声として真摯に受け止めなければなりません

実際にクレームがきたらどんな対応が必要なのですか?

加藤 賀子

プロフィール

反論はせず相手の価値観や意見に真摯に向き合おう

まずはお客様の意見や要望に対して、真摯に耳を傾けることが重要です。人によって価値観や捉え方も違うのと同じで、クレームだと感じる内容も人によってさまざまです。

たとえば、こちら側に非がないと感じることに対してクレームを頂くかもしれません。

そのようなときも反論はせず、まずは相手の意見や要望に素直に耳を傾けて聞きましょう。

「火のないところに煙はたたず」と言いますが、たとえこちら側に非がない内容だとしても、対応のちょっとした行き違いで不快感を与えていたかもしれません。クレームを煙たがるのではなく、組織や自分の成長を後押しする意見と捉えて対応しましょう。

まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください

就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。

そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

ブランドの予算によって売上が左右される

各化粧品会社やブランドは、多くの人に認知され、その商品を良いと思ってもらえなければ売上を伸ばすことができないため、認知拡大のための広告に多額の費用がかかります。

また、今のトレンドやニーズに合わせた魅力的な商品にするには、その性能や品質も大切な要素であるため、研究費や原材料費にも多くのコストを割く必要があるのです。

そのため、事前に決定する予算の金額によっては、広告や開発に使える金額も大きく変わってきます。予算が多ければそれだけ多くの売上が期待できますが、予算状況が厳しければ、販売戦略上でできることもかなり限られてしまうというデメリットがあります

志望動機にも活かせる! 化粧品会社で働くやりがい

デメリットや大変なことも多い化粧品会社ですが、悪い面ばかりに目を向けてしまっては働く際のモチベーションも上がらず、選考でも志望理由を魅力的には伝えられません。

そこでここでは、志望動機としても活かせる化粧品会社のやりがいについて詳しく説明します。プラスのイメージをさらに膨らませ、化粧品会社での就職意欲を高めていきましょう。

化粧品や美容への知識が深まる

化粧品にはさまざまな用途や種類が存在しているため、多種多様な化粧品の性能を理解することはとても重要かつ大変な部分でもありますが、それはメリットにもなり得ます。

化粧品会社で働くことで得た、化粧品や肌のメカニズム、美容への知識は、日常生活でもその知識を活かすことができます。

美容の知識で自分自身を美しく保てたり、自分が化粧品を選ぶときには商品や成分の知識を役立てられたりといったメリットがあります

多くの人とかかわれる

化粧品業界に存在するさまざまな職種からもわかる通り、化粧品一つを見ても、そこには多くの人の力によって企画・製造・販売が成り立っています

そのため、化粧品会社で就職すれば必然的にどの職種でも多くの人とかかわることができるため、いろいろな経験や価値観を得ることができます。

営業職であれば社内だけでなく売り場やバイヤーなどの外部の人とのかかわりも多く、企画・開発・研究職はそれぞれの部署の人と協力して一つの化粧品を作っていきます。

美容部員のような販売職は、実際に化粧品を使用する顧客と一番かかわる機会も多いため、直接的に化粧品を使った感想などをもらえることも多いでしょう。

ワークライフバランスが安定している

化粧品は特に女性の消費者が多いことから、それを扱う化粧品会社も女性社員が多い傾向があります。

そのため、ワークライフバランスが安定している企業も多く、社員の産休育休制度が充実していたり、出産・育児休暇以外の有休制度なども整っていたりする企業が多いでしょう

また、新型コロナウイルス感染症の影響が落ち着いてきた今でも、業務効率化の一環として本社勤務でのリモートワークを継続して取り入れている企業もあります。リモートワークが難しい店舗勤務の販売職でも休みの融通が利かせやすい企業もあるため、有意義に仕事に取り組むことができます。

アドバイザーコメント

化粧品情報の先取りだけでなく身だしなみも気を付けられるようになる

化粧品会社に勤めたい人は、コスメマニアやメイク好きの人が多いですよね。当然、新商品や流行りのメイクをいち早くゲットできることは、大満足できるメリットでしょう。

美容部員ともなれば、ただ「売るだけ」というより、良い化粧品を大事なお客様にもぜひ使ってほしいといった気持ちで接客しているように感じます。

美容部員でなくても化粧品会社勤めとなると、身なりには気を使います。髪もきちんと整え、ネイルや服装にも気を配るでしょう。歩く姿勢も美しくありたいですね。なにせ「美」を作り出すのが化粧品会社に共通するミッションですから。

身だしなみに毎日気を配れることは「自分磨き」につながる

身なりを整えるって面倒で時間がかかります。ノーメークで髪ボサボサはとても楽ですしこれが休日スタイルの人もいるでしょう。

化粧品という業界の職業柄とはいえ、メイク・ヘア・ネイル・服装・姿勢まで毎日整えることはとても大変ですが、これは自分磨きになるのです。

「化粧品会社勤務」の看板は、身だしなみだけでなく、人目を意識して言葉遣いや振る舞いまで美しくさせます。いつも笑顔を意識し、ネガティブ発言はNG。前向きな思考で周囲を明るくできれば本当の「美しい人」のできあがりです。

キャリアアドバイザーに聞く! 化粧品会社に向いている人・向いていない人

化粧品会社についてわかってきた後は自分自身と化粧品会社の特性を照らし合わせてみて、自分が化粧品会社でどんなことができるのか、どんな強みが活かせるのかをイメージしていきましょう。

ここからはキャリアアドバイザーの加藤さんに化粧品会社に向いている人と向いていない人について解説してもらいます。ぜひ参考にして、皆さん自身の化粧品会社で輝けるポイントを探してみてくださいね。

化粧品会社に向いている人の特徴

化粧品業界に限らず、多くの人で形成される企業は、それぞれの人が共通する目的や熱意、適性を持って働いています。では華やかなイメージのある化粧品業界で働くにはどんな人が良いのか、キャリアアドバイザーの加藤さんの解説を参考にして、自分の適性と照らし合わせてみましょう。

アドバイザーコメント

化粧品業界は全ての職種において「現場を知る」ことが求められる

全ての職種にいえる化粧品会社が向いている人の条件は、「美容(化粧品)に興味がある(大好き)」ということです。

化粧品会社によって配属の方針は異なりますが、開発・研修職以外の職種は、販売職もしくは営業職のような”現場・市場を実際に知る”職務からスタートすることが多いです。

なぜ販売職や営業職の現場からスタートするかというと、現場を知らないと顧客がどんなものを好み・求めているのか、などの生の声がわからず、新商品の企画・広報やプロモーションなどに活かせないことが多いからです。

情報収集と常に学び続ける意欲が求められる

販売職・営業職ともに、人と接する仕事なので「対人力」「対応力」「提案力」などの資質が活かせるでしょう。

また、開発・研究職に関しては、理系(農学部、理学部、薬学部、工学部など)の学部・学歴を持っているということが必須の応募条件になりますが、「探求心」「好奇心」「分析力」などの資質を活かせるでしょう。

化粧品の研究・開発だけではなく、特許や法令などを扱うこともあるため、生物学・物理学・情報学や法律などさまざまな分野の知識や技術が必要になってきます。

これらのどの職種においても、情報収集や幅広く学び続ける意欲が大切です。

薬学部の学びを活かせる就職先は、薬剤師や化粧品会社以外にもさまざまにあります。こちらの記事で就職先11選をまとめているので併せて参考にしてみましょう。
薬学部ならではの就職先11選! 就活を成功させるマスト準備も解説

工学部に所属している人は以下の記事も参考にしてみてください。活躍できる職業や業界について詳しく解説しています。
工学部の就職先10選|学科別の活躍しやすい職種や就活のポイントも

化粧品会社に向いていない人の特徴

次は、化粧品業界の求められる人物像と合わない人はどんな人なのかを解説してもらいます。

向いていない人の資質を持って化粧品業界で働くとどうなるのか、また、化粧品会社を志望しているけど向いていないと感じたときはどうすれば良いのか、加藤さんのアドバイスをもとに化粧品会社で必要な資質について改めて考えてみましょう。

アドバイザーコメント

美容への興味や意欲のアンテナを張ろうとしない人は活躍が難しい

反対に全ての職種に対していえる化粧品会社が向いていない人の条件は、「美容(化粧品)に興味・関心がない」ということです。

自身が化粧などをしないとしても「商材(化粧品)を通して、人が綺麗になることにかかわりたい」など、何かしら扱う商材・商品に興味・関心がないと、仕事をするうえでのモチベーションも保ちにくいでしょう。

また、多方面にアンテナを張ることをしようという意欲も湧きにくいので、良い提案やアイデアなども生まれにくくなります。よって、仕事をするのが苦痛になってくるでしょう。

どんな仕事でも、自分がかかわる会社の商品やサービスに興味・関心を持っている事が重要です。

「なんとなく」ではなく自分のキャリアをイメージして対策しよう

「人から合っていると勧められたから」「なんとなくかっこ良さそうだから」などの理由で、関心や興味がないのに応募をするのは、あなたの今後のキャリアにも大きな影響を与えることになるので避けましょう。

化粧品会社に向いていないということではありませんが、販売職で働きたいけど人と接するのが苦手、ということであれば、①緊張するけど、先ずは自分から挨拶(声をかける)してみる ②人と話をするのが上手な人の話し方や接し方を真似してみる など、苦手部分を改善できるように努力してみましょう。

ES作成前の人必見! 化粧品会社の志望動機例文3選

ここまでの解説をもとに化粧品会社へのイメージが具体化されたら、今度はそれらの情報を踏まえて志望動機としてアウトプットしていきましょう。

化粧品会社の志望動機の例文とそれに対するキャリアアドバイザーの評価を読んで、ぜひ志望動機作成の参考にしてみてくださいね。

重要な就活対策の一つである志望動機についてもっと知りたい人は以下の記事もおすすめです。各選考段階での志望動機において人事を惹き付けるポイントをキャリアコンサルタントが解説しています。

エントリーシートでの志望動機について
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例文①自分の経験から書く場合

例文①自分の経験から書く場合

私が化粧品業界を志望したきっかけは、御社の化粧品を初めて使用したときの経験にあります。私はもともと肌が荒れやすかったのですが、化粧品やその使い方にも詳しくありませんでした。

高校生で初めて御社のコスメカウンターに行き、そこで購入した化粧品の使用感に感動し、自分でコスメ日記を付けるほど化粧品の魅力にはまりました。その経験から自分の中の化粧品の可能性が広がったことで、化粧品の研究職を中心に就活をしています。

御社がこれまでおこなってきた美の可能性の創造は、私が経験したような小さな可能性を追求することで作りあげられるものであり、それを創業当時から今まで続けていることこそが御社の強みだと感じました。

私の強みは、好きという気持ちや探究心を極められる忍耐力や集中力であるため、御社が考える「ビューティーの未来の可能性」に寄与できると考えています。

谷所 健一郎

プロフィール

化粧品の使用経験を具体的に述べるだけでなく、経験から得たことを応募企業の強みに結び付けている点が評価できます。研究職を希望するならば、忍耐力や集中力だけでなく、理系の専門分野の研究が活かせることなどを盛り込むといいでしょう。

例文②企業やブランドのコンセプトから書く場合

例文②企業やブランドのコンセプトから書く場合

私が御社を志望する理由は、御社のブランドの一つである〇〇の「ストレスに寄り添い肌を健やかにする」というコンセプトにとても感銘を受けたためです。

先日御社の説明会に参加した際に、人事の△△さんから〇〇の歴史についてお話いただきました。今でこそストレス社会という言葉も生まれ、ストレス緩和を謳う商品は多いですが、御社の〇〇は20年以上も前からストレスと肌トラブルの関係に着目していることに驚きました。

私はこれからの化粧品業界は、さらにいろいろな変化への対応が求められ、それによって人が受けるストレスや肌への影響も大きくなると考えます。

そのため私は、御社のブランドの強みである、ストレスに寄り添った商品展開や考え方をもっと広めていきたいと思い、御社を志望しています。

入社できた暁には、持ち前の明るさとコミュニケーション能力を活かして、顧客一人ひとりのプラスの一面である美しさだけでなく、ストレスや肌悩みにまで寄り添える行動でブランドコンセプトを体現していく所存です。

杉原 美佐子

プロフィール

ブランドコンセプトに感銘を受けた理由がわかり、良いと思います。ただ、入社後の行動が少々抽象的です。「ストレスや肌悩みにまで寄り添える行動」とはどうすることなのか、具体例があると説得力が出ると思います。

例文③入社後のやりたいことから書く場合

例文③入社後のやりたいことから書く場合

私はいつか、自分が持つコンプレックスを解消できるようなブランドを立ち上げたいと考え化粧品業界を志望しました。

私はイエローベースであまり明るい肌色ではないため、周囲の色白な友人を見てはコンプレックスを感じています。

そういった感情からイエローベースの人向けのブランドと位置づけられるブランドは少ないのでは? と考え、いつか自分と同じ悩みを持つ人のためにブランドを作りたいと思うようになりました。

御社は、多様性をただ認めるだけでなく、共感してかけあわせることでイノベーションを創造していくことを、創業当時から受け継ぎ今も実行し続けています。

私もその理念の実行者として、目の前の一人ひとりのコンプレックスに共感できるような人材を目指し、ゆくゆくはより多くの人の潜在的なニーズを叶えられるブランドを作っていきたいと考え御社を志望いたしました。

加藤 賀子

プロフィール

1段落目の、自身のコンプレックスと志望理由を兼ね合わせる視点を持っている部分はとても良いです。

ただ、日本人はイエローベースが多い人種であり、日本人の肌色に合うブランド展開をしている企業も多いので、「しっかり研究しているのかな?」と思われてしまうかもしれません。なぜイエローベース向けのブランドが少ないと感じるのかを明確にしましょう。

面接対策に役立つ! 化粧品会社の頻出質問4選

化粧品会社の頻出質問4選

  • 今後のキャリアプランを教えてください。
  • お気に入りの化粧品とその理由を教えてください。
  • 弊社の商品を使ってみた感想を聞かせてください。
  • 自分を色にたとえると何色ですか? 理由も教えてください。

化粧品会社は就職倍率がとても高いため、しっかりと面接対策をしておかなければ、選考突破が難しくなるでしょう。また、化粧品会社は各社の競争の激しさから、常にブランドや企業を他社と比較し差別化できるポイントを見つけられるかが大切です。

そのため、化粧品会社に入社する人材、つまりは学生にもほかの人とは違った個性を差別化できることが求められます。ここからは化粧品会社での頻出する面接の質問とその意図やポイントを解説するので、チェックして面接対策に活かしてくださいね。

ここまで記事を読んだ人の中には面接対策についても気になる人が多いのではないでしょうか。以下の記事では合格率をアップさせる面接のコツについてキャリアコンサルタントが解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
面接のコツ|通過率を飛躍的に上げる初心者必見の対策を解説

①今後のキャリアプランを教えてください。

この質問は似たような表現で聞かれることも多いですが、基本的には入社後自分がどうなっていきたいのかを問われています。

類似する質問の例

  • これから○○職で働くうえでどうなっていきたいですか。
  • 御社でどんなことがしたいですか。

質問の意図としては2つあり、1つは「職種や業務の全体像が把握できているかを見るため」、もう1つは「将来のなりたい姿から仕事に対する熱意やモチベーション、自社とのマッチ度を測るため」です

化粧品会社に限らずどんな企業でも「企業が成長すること」は大きなメリットであり目的の1つであるため、社員一人ひとりの成長やそれに対する意欲も重要視されています。

自分の将来的なキャリアをイメージできなければ、企業全体への理解度を疑われるのはもちろんですが、自分自身の成長にもつながりにくく、企業からは「成長意欲がない」といったマイナスなイメージを与えかねません。

入社後に自分自身がどうなっていきたいのかのイメージを膨らませ、この質問への回答には詰まらないように対策しておきましょう。

回答例

御社に入社できた際のキャリアプランとして、まずはいち早く業務を習得できるように研修の復習を欠かさずおこない、1年目で10名のリピート顧客の獲得を目指したいです。

そして3年目では持ち前の面倒見の良さを活かして新人育成にも力を入れたいと考えます。5年後には店舗を任せてもらえるような人材になりたいので売上や顧客数といった数字の獲得にも貪欲に取り組みたいと思っております。

谷所 健一郎

プロフィール

面接官は、キャリアプランの回答から仕事の姿勢や成長意欲に加えて、自社についての理解度を見極めるために質問をしています。求める人材と異なる場合や、実現が難しければ、立派なキャリアプランでも自社では合わないと考えることがあります。

面接でのキャリアプランの答え方についてもっと例文を見てみたいという人は以下の記事も合わせてチェックしてみてください。多くの就活生をサポートしてきたキャリアコンサルタントがキャリアプランの魅力的な答え方について解説しています!
例文14選|面接で聞かれるキャリアプランを効果的に伝えるコツ4選

②お気に入りの化粧品とその理由を教えてください。

ここでの「お気に入りの化粧品」は選考を受けている企業の中から指定しなければならない場合と、他社の化粧品でも構わない場合とがあります。

また、理由の伝え方に関してもプレゼン方式になる場合があるため、事前にこの質問への対策が必要です。

企業はこの質問で、化粧品への興味の度合いやPR力を見ています。その化粧品の強みや独自性を自分で見出し、かつ魅力的に伝えられるかどうかがポイントとなります

日常的に化粧品を使用する際にはなぜその化粧品を選んだのか、その化粧品の強みは何なのかを考える癖をつけてみると良いでしょう。

回答例

私のお気に入りの化粧品は○○の美容液です。その理由は2つあります。1つ目は見た目の可愛さで使うときにいつも気分が上がるためで、2つ目は使用したときのテクスチャーや香りが好きだからです。

この2つ以外にさらにこの化粧品を好きになったきっかけがあり、それは御社の説明会での企画部の○○さんのお話でした。この化粧品に込められた「肌と心のスイッチを入れる」という使う人を応援するようなコンセプトがとても好きになりました。

御社に入社できた暁には、私がこの美容液で応援されたような気持ちになった経験と同じように、使う人を元気にできる商品を企画していきたいと思っています。

③弊社の商品を使ってみた感想を聞かせてください。

化粧品会社にとって自社商品の使用者からの直接的な感想はとても有益な情報となります。そのためこの質問では、純粋に感想を聞いている場合が多いです。

しかし、まったく使用したことがない状態で選考に挑めば企業に対する誠意や入社意欲を疑われてしまうため、事前に選考を受ける企業の化粧品は使ったり、テスターやサンプルで試しておきましょう。

商品の感想で企業に印象を残すためには、企業がその化粧品で伝えたいメッセージやコンセプト、強みについて理解できていることが重要です。使用した化粧品のコンセプトや強みを分析して、そこから感じた気持ちを正直に伝えてみましょう。

回答例

私が使用した御社の商品は新宿店で購入した○○のフィックスミストです。ちょうど私が応援しているアーティストのライブを控えていたため、しっかりしたメイクの後に御社のフィックスミストを使用してみました。

ライブではかなり汗だくになりましたが、眉が消えることもなくアーティストのイメージカラーを取り入れたアイメイクでもラメ落ちがなく綺麗にキープできていて驚きました。

商品の大きさもポーチに入るサイズで外出先のメイク直しでも使えることも良いと思った点です。御社のその他の商品もいくつか試してみましたが、改めて御社の商品は日常のいろいろな場面にマッチした汎用性の高いものが多いと感じました。

④自分を色にたとえると何色ですか? 理由も教えてください。

選考では学生の自己分析力の高さも重要視されます。化粧品会社で働くうえで、自社商品の強みや独自性を魅力的に伝える力は必要不可欠なスキルです。

自分の個性を理解し、それを的確に伝える力は、自社商品の特性をアピールする力と同じであるため、この質問で企業は学生が自分自身をどのように捉えているのかを見ています

この質問への対策は、しっかりと自己分析をおこない、そこから見えてきた自分の特性を色にたとえていきましょう。その色に対して抱く印象と自分の個性を照らし合わせることで客観的に自分を理解するきっかけにもなります。

回答例

自分自身のことを色に例えるなら青です。この色は私の性格や人柄の部分からイメージしました。

私は感情表現が豊かな人柄で、性格も素直だと人からよく言われます。自分自身でも人や物事に対して真っ直ぐ向き合い誠実な行動ができることが強みだと考えています。

私は青は、爽やかさや涼しい印象のほかに誠実や真っ直ぐなイメージもあると考えており、そのイメージが自身の特徴とマッチしているためこの色を選びました。

加藤 賀子

プロフィール

赤は力・情熱・自信というように、色にはそれぞれ意味があります。このような色の知識を兼ね揃えているかを確認するための意図があるでしょう。

色の意味を知っていると、お客様の「元気にみせたい」などの言葉から、色の意味を絡めて説明し、商品の提案につなげることができるからです。

面接対策のまえに自己分析が完了していない人は要注意です。まだ自己分析に自信が持てない人は以下の記事をチェックしてみてください。自己分析の完全版として就活のプロであるキャリアコンサルタントがやり方を徹底解説しています。
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説

化粧品会社入社後に活躍するにはPR力を鍛えよう

化粧品が売れるためには、数多くの競合他社との競争に勝たねばならず、それには自社の化粧品の魅力を最大限にアピールするためのPR力が欠かせません。

これは広告や宣伝をおこなう企画職だけにとどまらず、バイヤーや顧客に商品をアピールする営業職や販売職、化粧品そのものの強みを形にする開発職でも同じようにPR力が求められます。

そこで最後は、化粧品会社入社後にどんな職種でも活かせるPR力を鍛えるポイントについて解説します。就職して終わりではなく、化粧品会社で有意義に働くための参考にしてみてくださいね。

具体的にどんな時にPR力が求められるのですか?

杉原 美佐子

プロフィール

PR力は営業や販売に加えマネジメントや情報発信でも必要な力

「これはとても良い商品です」では説得力はないです。何がどう良いのかといった情報が不足しています。伝える力は営業・販売時に必要なのはもちろん、マネジメントのスキルとしても必要です。

PRは情報発信です。情報を発信する人のところには、別の情報を持って多くの人が集まります。そして情報が多いと分析結果が異なり、取るべき戦略は変わります。「ヒト・モノ・カネ・情報」といわれるように、情報は経営資源の一つです。

会社にはさまざまなプロジェクトがあり、正解解がない問題が多々あります。それに対しチームで知恵を絞って解決にあたります。伝えるべきことを伝えないと物事は動きません。

問題解決時にもPR力は必要です。

①PRしたいものを分析する

相手に対して化粧品の魅力をきちんと伝えるには、自分が伝える相手よりもその化粧品について詳しくなければいけません。そのためPR力を高める最初のステップとしては、PRする対象を分析することが重要です。

たとえば、ある化粧水をPRするのであれば、成分や機能だけでなく見た目のパッケージデザインや香り、つけたときの感触などあらゆる角度から観察し、特徴や長所、短所などまで見つけてみましょう。

客観的に分析した内容を改めて自分の中にインプットすることで、これまで気づけなかったポイントや魅力に気づけ、さらに理解が深まります

②相手の潜在的なニーズを考える

自分の中にPRしたいものを落とし込めたら、今度は伝える相手について分析していきましょう。相手の潜在的なニーズに対して、どんな解決策が必要なのかを考えます。

PRするものを化粧水にたとえるなら、伝える相手はそれを使用する顧客となります。まずは顧客の人物像や価値観を予想していきます。

顧客の情報から見えてきた悩みや美容への価値観に対して、PRする商品である化粧水がどんなふうに貢献できるのか、化粧水の持つ特徴や強みから判断していきましょう。

その化粧水を使うことで顧客がどうなれるのか、PRする対象から得られる未来の状態もイメージすることが大切です

どうすればPRする相手から考えや価値観を引き出せば良いのですか? ポイントを教えてください。

加藤 賀子

プロフィール

勝手に予想せずに相手が大切にしていることを聞いてみよう

相手が何を大切にしているかを聞くことで、相手の価値観や考えを引き出すことができます。

こちら側が勝手に顧客の印象などを見て、人物像や価値観を予想するのでなく、訊く(尋ねて聞く)ことで、顧客自身の価値観や考えを言葉で表してくれるでしょう。

③必要な情報を整理して伝える

PRしたいものと、伝える相手について分析できたら、最後は伝えるときに必要な情報を取捨選択していきましょう。

たとえばある化粧水を顧客にアピールする場合、化粧水の機能性や使い心地を求める顧客に対し、化粧水のブランドの歴史やコンセプトから話し始めては響きません。

自分がPRする商品を分析する際に得たたくさんの情報も、すべて伝えるのではなく相手にとって魅力的に見える情報だけを選び、伝える順番も整理することが大切です

化粧品会社の特徴を正しく理解して納得できる内定をつかみ取ろう

化粧品会社は業界の競争の激しさから、常に商品や販売戦略がアップグレードされているため、就活においても最新の情報や業界の動向への理解度の高さが必要不可欠です。

化粧品そのものに対する安全性への責任感や、多くのスキルが求められるため、何となくのイメージや誤った理解のままで就活を進めてしまっては入社後のミスマッチにつながります。

化粧品会社の就職に必要なステップを踏みながら正しく理解を深め、自分に合った企業への内定を勝ち取ってくださいね。

アドバイザーコメント

化粧品業界を深掘りしたうえで自分は何がやりたいのかを考えよう

華やかな化粧品業界のイメージだけで応募しても、就職は上手くいきません。化粧品業界の仕事内容、業界の動向、応募企業の特徴を理解したうえで就活をおこなうことが大切です。

化粧品業界の仕事を理解したうえで、何がやりたいか考えてみましょう。営業職は、ドラッグストア、百貨店や美容商品を扱う店舗に自社商品を提案する仕事です。国内だけでなく海外市場の営業職もあります。

企画職は、新しい化粧品の企画・立案や広告、販売戦略をおこないます。開発・研究職は、商品の機能や成分などを開発していく仕事で、通常理系の学歴が必要です。

正しいステップで対策して就職成功を目指そう

化粧品業界は、店頭販売だけでなくWebカウンセリングやWebの肌分析サービスなどDX化が進んでいますし、SNSマーケティングも増加しているなど、業界の動向も理解しておく必要があります。

さらに化粧品会社のコンセプトを理解したうえで、その企業だからこそ入社したい理由を考えてみましょう。

面接では「なぜ化粧品業界なのか?」「なぜ応募企業なのか?」「当社の商品の魅力は?」「当社で何をやりたいか?」などを質問をされる可能性が高いでしょう。

正しいステップで業界研究や企業研究をおこない、業界・企業を志望する理由や商品の魅力、応募企業への意欲などをアピールし、「化粧品会社への就職成功」を目指してください。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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