この記事のまとめ
- まずはコンサルティングの仕事の基礎知識を理解しよう
- コンサルティングの仕事内容はファームによって業務範囲や分野が異なる
- コンサルティングの仕事では特に高いレベルの論理的思考能力が必要
コンサルティングの仕事に興味があっても、仕事内容を具体的にイメージできない人も多いのではないでしょうか。コンサルティングの仕事には、総合系やIT系などさまざまな種類があり、それぞれの業務内容や求められるスキルが異なります。
そのため、自身に合ったコンサルティングの分野を見つけて、必要な準備をすることでコンサルタントとしてのキャリアを進めやすくなるのです。
この記事では、キャリアアドバイザーの吉田さん、野村さん、古田さんのアドバイスを交えつつ、コンサルティングの仕事内容や種類、向いている人の特徴について詳しく解説します。新卒でコンサルティングの仕事に就きたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
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コンサルティングの仕事は幅広い! 自分のやりたい業務を見定めよう
コンサルティングの仕事に就くためには、コンサルティングファームの種類やそれぞれの業務内容を理解したうえで、自分がやりたい仕事を見定める必要があります。
コンサルティングの仕事は、企業や分野によって必要なスキルが異なるため、自身の強みや目指したいキャリアの方向性と、企業が求める人物像をなるべく近づけることが重要です。
この記事ではコンサルティングファームの種類や、コンサルティングの仕事に必要なスキルを詳しく解説します。まずはコンサルティングの基礎を押さえて、志望する分野を明確にしていきましょう。
また新卒でコンサルタントを目指すうえで、企業から評価されやすい強みについても解説します。自身の適性や経験のなかから、アピールすべきポイントを見極めることで選考を有利に進めやすくなります。
記事の後半ではコンサルティングの仕事が向いている人の特徴や、新卒でコンサルティングの仕事に就くための3つのコツを紹介します。適切な選考対策をおこなって、内定獲得を目指しましょう。
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まずはここから! コンサルティングとは
コンサルティングとは、企業の経営課題を明らかにし、課題を解決するための提案やアドバイスをする仕事です。たとえば、業績が伸び悩んでいる企業に「なぜ売上が下がっているのか」を分析して、「どのようにすれば業績を回復できるか」の解決策を提案します。
しかし、コンサルタントの役割は提案だけに留まりません。解決策を提案した後、その実行を支援し、成果を出すまでサポートすることも多くあります。
企業によって経営課題は異なるため、経営戦略の立案や業務改善、組織改革など幅広い分野で、クライアントを支援するのがコンサルティングの仕事の特徴です。
企業がコンサルティングを依頼する理由は、社内で解決が困難な課題や専門知識が必要な状況に直面するためです。
たとえば、従業員の長時間労働が慢性化している企業は、コンサルタントを通じて業務プロセスの可視化や効率化、さらには自動化ツールの導入を検討することで、労働環境の改善を目指します。
コンサルタントは、外部視点から最適な解決策を提案することで、企業の課題解決を支援します。
コンサルティング業界の仕組み
コンサルティングファーム
コンサルティングをおもな事業内容としておこなっている企業。
コンサルティング業界は、主にコンサルティングファーム、クライアント企業、協力会社の3つで構成されています。たとえば、食品メーカーが「新商品の開発戦略を立てたい」と考えた場合を見てみましょう。
この食品メーカー(クライアント企業)はコンサルティングファームに依頼をします。コンサルタントが市場調査をおこないながら、ライアント企業の経営課題やニーズに合わせてカスタマイズした新商品のコンセプトや販売戦略を提案します。
さらに、コンサルティングファームは、必要に応じて市場調査を専門の調査会社に依頼したり、パッケージデザインを広告代理店に発注することもあります。
このように、コンサルティング業界はコンサルティングファームを中心に、さまざまな企業が連携しながらクライアント企業に価値を提供する仕組みになっているのです。
コンサルティングの仕事に就くことを検討する前には、業界研究をして仕事の理解を深めることが重要です。業界研究の効果的な進め方は、以下の記事で解説しています。
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コンサルティング業界の動向
コンサルティング業界は、経済の動向やテクノロジーの進化を背景に、日々変化を続けています。業界の現状と将来性を理解することは、自身のキャリアプランを具体的に描くために非常に重要です。
ここでは、コンサルティング業界の現状における課題と将来性について解説します。コンサルティングファームを選ぶ際は、これらの動向を踏まえて、長期的なキャリア形成の視点から企業研究を進めていきましょう。
現状と課題
DX
デジタルトランスフォーメーションの略。デジタル技術を用いて業務フローの改善したり、老朽化したシステムや企業風土から変革したりすること。
コンサルティング業界における重要なトレンドの1つとして、政府主導のDX推進に伴うIT系コンサルティングファームのニーズの増加が挙げられます。
2018年に経済産業省が発表したDXレポートでは、企業が抱える古いシステムの問題を指摘しました。多くの企業では、長年使い続けてきたシステムが複雑化し、新しいデジタル技術を導入しにくい状態になっていたのです。
そのため、経済産業省は企業に対し、2025年までにこれらのシステムを刷新し、DXを推進するよう呼びかけました。
しかし、2020年に発表されたDXレポート2によれば、9割以上の企業がDXにまったく取り組めていないレベル、もしくは散発的な実施に留まっているレベルと記載されています。つまり、IT系コンサルティングファームがサポートすべきDX関連は依然として多く存在しているにもかかわらず、その実現に向けた進捗は限定的だといえるのです。
現在、コンサルティング業界ではデジタルトランスフォーメーション(DX)とサステナビリティ関連が重要なトレンドです。特にDXは、企業の業務効率化や新たな価値創出のために各業界で求められています。
さらに、経済の変動に迅速に対応する柔軟な戦略立案や事業再構築への需要が高まっていることも見逃せないポイントです。
将来性
2023年におこなわれたコダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社の調査によると、日本国内のコンサルティング市場規模は、2022年時点での1兆8,281億円から、2023年には2兆29億円まで上がりました。ただし、2030年は2兆680億円と市場規模の伸びが緩やかになる予測がされています。
市場規模が上昇したのは、DXやデジタル関連戦略に関するコンサルティング需要が増していることがおもな理由です。IT系コンサルティングファームやFAS系コンサルティングファームにおいては、今後も一定の需要があることが予想されています。しかし、コンサルティング業界全体では、市場規模の成長がマイナスになる可能性があります。
この傾向は2022年の日本国内のコンサルティング市場の売上高からも読み取れます。以下の分野では、前年の売上高成長率を下回った分野もあります。
2022年の日本国内コンサルティング市場の売上高成長率が下回った領域
- 総合系:−8.4%
- 戦略系:−14.4%
- 業務・ビジネス系:−2.2%
- シンクタンク系:−32.1%
- 中小企業向け:−21.4%
コンサルティング業界の将来性は、新卒で就職するうえで特に重視するべきポイントの一つなので、どのような分野のコンサルティングに関わっていくかを慎重に選ぶことが重要です。
コンサルティング市場全体が完全に縮小するとは考えにくいです。
依然として需要が高い分野もあり変動する可能性はありますが、新たな課題や技術の進化に対応するための専門知識が求められるため、完全に消滅することはないでしょう。
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働くイメージをしよう! コンサルティングのおもな仕事内容

コンサルティングの仕事は、企業に助言をしたり、戦略を提案したりするだけではなく、幅広く体系的に進められています。
コンサルティングの仕事の具体的な流れを理解することで、自身が深く関わりたい業務を明確にしやすくなるため、それぞれの業務内容を把握しておくことが大切です。ここではコンサルティングの仕事内容を解説します。
志望するコンサルティングファームを選ぶために、自身はどのような仕事内容に興味があるのかを意識しながら読み進めていきましょう。
①ヒアリングによる課題の把握
コンサルティングの仕事は、クライアント企業が抱える課題を把握することから始まります。社長や事業部長などの経営層と面談をおこない、「なぜ業績が伸び悩んでいるのか」「どのように組織変革をしたいのか」など経営課題を明確にしていきます。
ヒアリングでは表面的な課題だけではなく、その背景にある本質的な問題を見極めることが重要です。たとえば、売上が減っているという課題がある場合、以下のような要因が隠れている可能性があります。
売上が減っている要因
- 商品やサービス開発力が低い
- 業務効率が悪い
- 社員のモチベーション低下
コンサルティングの仕事では、必要に応じて現場社員からもヒアリングをおこない、実務レベルの課題も把握します。経営層と現場の認識のギャップを見極めることが、効果的な戦略を導き出す可能性もあるのです。
②情報収集・調査・分析
続いて、ヒアリングで把握した課題をもとに、さらに具体的な問題点を明らかにするため、さまざまなデータを収集・調査・分析します。まず社内データの分析では、売上や利益などの財務情報のほか、人事評価制度、業務フロー、顧客データなど幅広い情報を調査します。
またクライアント企業の位置付けを明らかにするために、業界の動向や競合企業の分析もおこない、外部環境を把握することも重要です。
情報の分析では、ExcelやBIツールなどを駆使して、データを可視化し、課題解決につながる点を導き出します。
BIツール
企業が持つ膨大なデータを収集、分析のうえ、わかりやすいグラフやレポートにして経営判断に活用するためのツール。BIはBusiness Intelligenceの略称。
たとえば、売上データと顧客の年齢の相関を分析して最も収益性の高い顧客層を特定したり、業務プロセスの各工程にかかる時間を測定して非効率な部分を洗い出したりするなどです。
こうしたプロセスを通じて、クライアント企業の課題を具体的かつ定量的に把握し、解決策の根拠を強固なものにしていきます。
コンサルティングの仕事は、クライアントとの会議ももちろんありますが、実際には会議の準備や課題解決のための情報収集、調査・分析に多くの時間を費やす必要があります。
大手コンサルティング会社に勤めている友人がいますが、クライアントとの会議は週に1回程度でそれ以外は在宅やオフィスでずっとリサーチ業務をおこなっているそうです。
企業によってどのようなスケジュールで仕事をするのかは、事前に調べてイメージしておきましょう。
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就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
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③戦略の立案・実行
次に収集したデータと分析結果をもとに、クライアント企業の課題を解決するための具体的な戦略を策定していきます。戦略は企業の抱える課題によってさまざまです。
ここでは、コンサルタントが携わることの多い6つの代表的な戦略について解説します。それぞれの戦略がどのような課題に対して有効なのか、具体例を交えながら見ていきましょう
業務効率化
業務効率化の戦略は、人件費の上昇や人材不足、競争激化による収益性の低下など、企業の生産性に関する課題を解決するために有効です。
RPA
人の手でおこなっていた一連の作業を自動化できるソフトウェアロボットのこと。Robotic Process Automationの略。
たとえば、経理部門での請求書処理に多くの時間がかかっている企業に対して、RPAを導入して自動化を進めることで、作業時間を大幅に削減できます。また、営業部門では、顧客データの入力や報告書作成などの定型業務をAI(人工知能)で効率化し、商談や提案活動により多くの時間を割けるようにするなどの戦略が考えられます。
業務効率化をすることで、単なる作業時間の削減だけではなく、空いた時間を企業の成長のためのほかの活動に充てられるようになるのです。
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受けない方がいい職業を診断しよう
就活で大切なのは、自分の職務適性を知ることです。「適職診断」では、あなたの性格や価値観を踏まえて、適性が高い職業・低い職業を診断します。
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人事制度の見直し
人事制度を見直すことは、社員のモチベーションアップや定着率の向上、新たな人材の採用などに効果的です。たとえば、年功序列型の評価制度から、個人の能力や成果を重視する成果主義に移行することが挙げられます。
この制度変更によって実力や努力が評価に直結するようになるため、社員一人ひとりが自身の目標に向かって積極的にチャレンジする風土が生まれやすくなります。
また職種や専門性に応じた報酬体系の整備や副業を許可することなど、多様な働き方を支援することも、人事制度の見直しとしておこなう戦略の一つです。
人事制度の見直しによって働き方が改善され、社内の雰囲気が良くなることで、新しい人材が採用しやすくなることも期待されます。
マーケティング戦略の刷新
マーケティング戦略を刷新することは、売上低迷や新規顧客の獲得難、ブランド力の低下といった課題に対して効果的です。たとえば、顧客データの分析に基づいて最も収益性の高い顧客層を特定し、その層に向けた商品開発や販促戦略を展開し、売上アップを狙います。
また、従来のTV広告やチラシ中心のプロモーションから、SNSやウェブ広告を活用したデジタル戦略に変えていくことで、若年層の新規顧客獲得を図ることもできます。
さらに新たな顧客層の開拓以外にも、デジタルマーケティングを活用することによって、戦略の効果測定や改善が容易になり、より効率的な販促活動がしやすくなるのです。
新規事業開発
新規事業開発は、既存事業の成長鈍化や市場環境の変化に対応するために重要な戦略です。たとえば、自社の強みを活かした新商品の開発や異業種への参入、デジタルサービスの立ち上げなどが挙げられます。
これらの戦略を実行する際は、市場調査や競合分析をもとに、事業コンセプトの策定から収益モデルの設計まで、計画を立てる必要があります。
新規事業を開発することで、新たな収益源を確保し、将来的なリスクの分散につながります。また新しい事業にチャレンジすることで社員の意欲が高まり、会社全体の雰囲気が活性化することにも期待できます。
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組織変革
組織変革は、部門間の連携不足や意思決定の遅さ、社員の成長機会の不足といった組織の課題を解決するために有効な戦略です。たとえば、各部門が独立して仕事を進める従来の体制から、部門の垣根を越えて協力できる体制へと変更することで、従来よりも意思決定が早くしやすい組織体制を築けます。
また、商品の仕入れや販促企画など、これまで部長クラスが決定していた判断を現場の担当者に任せることで、顧客ニーズにより素早く対応できるようになる可能性もあるのです。
組織変革をすることで、社員一人ひとりが自分の意見を出しやすくなり、新しいアイデアが生まれやすい環境が整います。さらに、若手社員にも重要な仕事を任せられるようになるため、社員の成長スピードが上がりやすくなることも期待できます。
財務戦略の見直し
財務戦略の見直しは、資金の使い方や調達方法に関する課題を解決するために効果的な戦略です。たとえば、工場や設備への投資判断を見直したり、余っている資金を新規事業に振り分けたりすることで、限られた資金をより効率的に活用できます。
また、仕入れ先との取引条件の見直しや在庫管理の改善により、運転資金の削減を図ることも可能です。財務戦略を見直すことで企業の経営基盤を安定させることができれば、新しいビジネスにチャレンジしやすくなります。
また、無駄な支出を減らすことで利益率が向上し、その分を社員の給与や福利厚生の充実に回せるようになることもメリットです。さらに、財務体質が改善されることで、銀行からの評価も上がり、必要な時により良い条件で資金を借りられるようになることも考えられます。
④フォローアップ
フォローアップは、提案した戦略が効果的に実行され、期待した成果が出ているかを確認し、必要に応じて軌道修正する重要な段階です。たとえば、業務効率化の戦略を導入した後、実際の作業時間がどれだけ削減されたかを測定したり、新しい評価制度の導入後に社員の満足度調査をおこなったりします。
また、月次での進捗会議を通じて、現場で起きている新たな課題をいち早く把握し、解決策を提案することも重要です。フォローアップをおこなうことで、戦略の効果を最大限に引き出しやすくなるだけではなく、新たな課題や改善点も見えてきます。
クライアント企業の社員と密接にコミュニケーションを取ることで、提案内容の現場への定着も進みやすくなり、より確実な成果につなげられます。
- コンサルティングの仕事で最優先となるミッションは何でしょうか? 事業範囲や施策が多すぎてよくわかりません……。
クライアントの課題解決と価値創造がミッション
コンサルティングの最優先ミッションは、クライアントの課題を解決し、価値を創造することです。具体的には、クライアントが抱える問題を特定し、現状分析を行ったうえで、解決策を提案することが含まれます。
また、クライアントにとっての付加価値を提供することも重要です。業務効率の向上、コスト削減、売上拡大、新規市場の開拓などがあります。
また、短期的な改善だけでなく、長期的な戦略立案やその実行支援も重要な役割です。
ミッションは多岐にわたりますが、どの施策を優先するかはクライアントのニーズや現状に応じて柔軟に対応することが求められるでしょう。
外資系と日系で異なる! コンサルティングの仕事の進め方
外資系と日系のコンサルティング会社では、仕事の進め方に違いがあります。これらの違いを理解することで、自身の価値観や働き方に合った企業を見つけやすくなるため、就活が始まる前に特徴を把握しておくことが重要です。
ここでは、外資系と日系それぞれのコンサルティング会社における仕事の進め方について解説します。文化や価値観の違いが仕事の進め方にどのように影響するのかを理解して、自身が働きたい環境のイメージを膨らませましょう。
外資系コンサルティング会社の場合
外資系コンサルティング会社では、経営戦略や新規事業開発など、企業の重要な意思決定にかかわる提案がコンサルティングの中心です。プロジェクトは基本的に3〜6カ月の短期集中型で、複数の案件を掛け持ちすることはなく、クライアント一社に集中して仕事を進めていきます。
チーム構成は若手の人材が中心となっていて、20代後半から30代前半のコンサルタントがプロジェクトの中核を担うことも多くあります。プロジェクト開始時に掲げられた課題を解決すると解散となるため、日系コンサルティング会社のように長期的に一社を支援していくケースは稀です。
なお外資系コンサルティング会社では、プロジェクトの期間が短く、納期が厳格であるため、夜遅くまでの残業や休日出勤が発生するケースがあります。また、海外のチームと協働することも多く、英語力が必須なのでグローバルな環境で活躍したい人に向いています。
- 外資系コンサルティング会社は日系よりも激務と聞いたことがあります……。実際のところはどうなのでしょうか?
外資系コンサルは忙しさの中に成長のチャンスがある
外資系コンサルティング会社は、短期間で結果を出すプロジェクトが多く、スピードと成果が強く求められるため、日系と比べて忙しさが増す傾向があります。
たとえば、3〜6カ月で目に見える成果を出すことが期待され、一つのクライアントに専念する集中型の仕事が主流です。そのため、厳しい納期を守るために夜間や週末の業務が発生するケースもあります。
しかし、短期間で高度な経験を積むことができ、キャリアの成長においてもメリットが大きいといえます。働き方を考える際には、自分のキャリアプランや生活スタイルと照らし合わせることが重要です。
外資系コンサルティング会社への就職を検討している人は、こちらの記事で外資系企業に関する理解を深めましょう。外資系と日系企業の違いや、外資系が厳しいといわれる理由について解説しています。
外資系と日系企業の違い
外資系と日系の違いとは? 働く際のメリデメや早期の選考対策も紹介
外資系やめとけといわれる理由
外資系やめとけといわれる理由7選|向いている人の特徴も徹底解説
日系コンサルティング会社の場合
日系コンサルティング会社では、戦略立案から実行支援まで、長期的な視点でクライアント企業をサポートします。プロジェクトは半年から1年以上と長期になることが多く、立ち上げ当初の課題を解決したとしても、外資系コンサルティング会社のようにそのまま解散になることは少ない傾向があります。
チーム構成は経験豊富なベテランを中心とし、若手は徐々に実務経験を積みながら成長していくのが一般的です。これにより、長期的なスキルアップが期待できる環境が整っています。
コンサルティング内容は、日本企業特有の文化や慣習を理解したうえで戦略を立案し、実行段階でも継続的にサポートをすることで、確実に成果を出すことが重視される傾向があります。
さらに外資系コンサルティング会社とは異なり、契約を締結した顧客のところへ定期的に訪問して経営相談に応じることも重要な役割の一つです。そのため、一人のコンサルタントが複数のクライアントを担当するケースも多くあります。
- 日系と外資系のコンサルティング会社では、新卒入社1年目に任せてもらえる仕事内容に違いはありますか?
日系は基礎重視・外資系は即戦力重視であることが多い
日系と外資系のコンサルティング会社では、新卒入社1年目で任せてもらえる仕事内容に若干の違いがあります。
もちろん、個社別によっても変わってきますが、日系では比較的丁寧に研修や育成を進める傾向があり、新卒1年目は基礎的な業務が中心になります。
一方、外資系では早い段階で戦力となることが期待され、より広範な業務やクライアント対応が任されます。
どちらが良いかは、自分自身が求める成長スピードや仕事・ライフスタイルによります。しっかりと自己分析を行い、自分にマッチした会社を選びましょう。
それぞれの特徴を理解しよう! コンサルティングファームの種類
それぞれの特徴を理解しよう! コンサルティングファームの種類
コンサルティングファームは、提供するコンサルティングの内容によってさまざまな種類があります。自分が興味のある分野や活かしたいスキルに合わせて、志望するファームを選ぶことで、やりがいのある仕事に出会える可能性が高まります。
ここでは、コンサルティングファームを9つの種類に分けて、それぞれの特徴を詳しく解説します。各ファームのおもな業務内容や特徴を理解して、自分に合ったファームを見つける際の参考にしましょう。
総合系コンサルティングファーム
総合系コンサルティングファームは、特定の領域に限らず、幅広い分野のコンサルティングをおこなっています。クライアント企業の業界は多岐にわたり、業務効率化や組織人事の改変、財務、ITなど幅広いソリューションを提供できるのが強みです。
さらに、多くの総合系コンサルティングファームがグローバルに展開しており、海外案件や国際的なプロジェクトに携わる機会が豊富です。世界中の先進事例や最新トレンドに触れながら、グローバルな視点でビジネスを学べることも大きな特徴といえます。代表的な総合系コンサルティングファームは、以下のとおりです。
代表的な総合系コンサルティングファーム
総合系コンサルティングファームのプロジェクトは、数百億円規模の予算が投じられる大型案件が多いことが特徴です。戦略の立案から実行、フォローアップまでトータルでサービスを提供するため、1,000人以上が関わる大規模プロジェクトになることもあります。
総合系コンサルティングファームは、大規模案件に携わりたい人や、語学力を活かしたコンサルティングをしたい人におすすめです。
総合系コンサルティングファームで活躍しやすい人は、多様な課題に柔軟に対応できる人です。
幅広い業界や分野に関わるため、新しい知識を素早く吸収し、異なる業界のニーズを理解できる知的好奇心とチームで協力しながら問題解決に取り組むコミュニケーション力も重要です。
監査法人系コンサルティングファーム
監査法人
企業が適正な会計処理をおこなっていることを証明することを目的とした法人。
監査法人系コンサルティングファームは、Big4と呼ばれる国際的に知名度が高い監査法人を母体とする総合系コンサルティングファームです。旧会計系ファームと呼ばれることもあります。
監査法人系コンサルティングファームは、国内だけで数千人規模の社員を抱えている大手企業であり、総合系コンサルティングファームの一つとして幅広い分野のプロジェクトを手掛けています。案件の規模も非常に大きく、数百億円規模のプロジェクトに携わることもあります。
世界中にグループ企業があるため、海外のクライアント企業を担当するチャンスもあります。ただし、規模が大きいことから部署化によって分野ごとの分業が進んでいるため、近年では社員一人ひとりが1つの領域を極めていく傾向が強い可能性があります。
また日本国内では大手金融機関やIT企業など、各業界トップのクライアント企業を抱えているため、大規模な案件に携わりたい人にぴったりです。
戦略系コンサルティングファーム
戦略系コンサルティングファームは、企業が抱える課題を明確にして、それを解決するための戦略の立案、実行をおもにおこないます。代表的な戦略系コンサルティングファームは、以下のとおりです。
代表的な戦略系コンサルティングファーム
数ある課題の解決戦略のなかでも、特に事業戦略のコンサルティングが戦略系コンサルティングファームの強みです。戦略系コンサルティングファームは、おもにクライアントの経営課題に対する上流工程の支援を担うため、案件に携わるコンサルタントが数名程度と少数に抑えられています。
戦略系コンサルティングファームは、経営課題にかかわる依頼が多いため、プロジェクトの予算は高額になりやすい傾向があります。さらに、案件に携わるコンサルタントには高いレベルの知識とスキルが求められるため、報酬も高い水準にあります。
IT系コンサルティングファーム
IT系コンサルティングファームは、企業の課題をITを駆使して解決します。企業の財務や人事、生産管理など幅広い分野において、システムを導入して業務効率化を図ったり、その運用をサポートしたりします。
近年では企業がおこなうほとんどの業務において、何らかのIT機器やシステムが活用されているため、事業にともなうすべての業務がコンサルティングの対象となる可能性があります。
代表的なIT系コンサルティングファームは、以下のとおりです。
代表的なIT系コンサルティングファーム
IT系コンサルティングファームは、幅広い分野の課題を解決できるのが特徴ですが、そのなかでもファームによって得意な領域があります。たとえば、金融や在庫管理システム、AI活用など各社の強みはさまざまです。
そのため、自身が特に携わりたいITコンサルティングの分野に合わせて志望するファームを見極めることが大切です。ファームの強みや実績を理解し、自分のキャリアビジョンと照らし合わせて選びましょう。
IT系コンサルティングファームに興味がある人は、こちらの記事をチェックして理解を深めましょう。ITコンサルタントのプロジェクト例や、向いている人の特徴などを解説しています。
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組織・人事系コンサルティングファーム
組織・人事系コンサルティングファームは、組織や人事などの企業内部で働く人々にかかわるコンサルティングをおこないます。代表的な組織・人事系コンサルティングファームは以下のとおりです。
代表的な組織・人事系コンサルティングファーム
組織・人事系コンサルティングファームは、おもに各種制度、教育・研修、採用の3つがコンサルティングの領域となっています。たとえば、福利厚生を充実させるために、新しい退職金制度を導入したり、若手社員の育成を強化するために新しい評価制度を導入したりします。
組織・人事系コンサルティングファームの特徴として、クライアント企業の内部に深く関与する点が挙げられます。具体的には、人事担当から現場社員、経営者層まで幅広い人とかかわる機会があるのが特徴です。
そのため、組織・人事系コンサルティングファームは、企業内部の組織体制や人事、採用に関するコンサルティングに興味がある人におすすめです。またどのような業界でも組織・人事に関する課題は発生する可能性があるため、幅広い業界に関わりたい人に向いています。
FAS系コンサルティングファーム
FAS
企業の財務に関するアドバイスを提供する仕事の領域。Financial Advisory Servicesの略。
M&A
企業がほかの企業を買収したり、2つの企業が1つに合併したりすること。
FAS系コンサルティングファームは、おもに企業がM&Aをする際の財務にかかわるコンサルティングをおこないます。具体的にはM&Aにともなう企業の価値・資産の評価をおこなったり、資金調達のアドバイスをしたりします。代表的なFAS系コンサルティングファームは、以下のとおりです。
代表的なFAS系コンサルティングファーム
近年のFAS系コンサルティングファームは、M&Aの事前準備からその後の戦略の立案・実行までサポートするケースも増えています。これにより、M&Aをプロジェクトの切り口として戦略コンサルティングに携わっていくようにサービスの範囲を拡大する傾向があります。
また日本では少子高齢化による中小企業の後継者不足により、国内のM&A市場は拡大し続けています。このような背景から、FAS系コンサルティングファームへの需要は今後も増加する見込みです。
さらに近年では、海外企業がかかわるM&Aも増えているため、英語力を活かしてグローバルな案件に携わるチャンスもあります。
シンクタンク系コンサルティングファーム
シンクタンク
政治や経済、社会などのさまざな分野に関する調査・研究をおこなう研究機関。
シンクタンク系コンサルティングファームは、おもに経済や社会問題に関する調査をして、それを基に経営戦略の立案・実行などをおこないます。
シンクタンクは銀行や証券会社を母体とする企業が多く、経営の安定性が大きな強みです。おもなシンクタンク系コンサルティングファームは、以下のとおりです。
代表的なシンクタンク系コンサルティングファーム
シンクタンクの成り立ちとして、母体となる企業の調査部が独立してできているケースが多いため、調査とシステム構築において豊富なノウハウを持っています。そのため、シンクタンク系コンサルティングファームの仕事は、特定の分野に関する調査やデータの収集・分析が多く、取り扱う分野が限定的になりやすいのが特徴です。
しかし、近年のシンクタンク系コンサルティングファームは、調査後の戦略実行として、ITや組織人事に関するコンサルティングなど、幅広いサービスを展開するケースが増えています。
そのため、深い分析と実践的な解決策の両方に携わりたい人や、データに基づいた戦略立案に興味がある人におすすめです。
経営系コンサルティングファーム
経営系コンサルティングファームは、日本国内の中小企業向けにコンサルティングをおこないます。企業が抱える課題に対して、短期間で効果が期待できるコンサルティングを継続的におこなうのが特徴です。おもな経営系コンサルティングファームは、以下のとおりです。
代表的な経営系コンサルティングファーム
経営系コンサルティングファームでの仕事は、ほかのコンサルティングファームよりも小規模なプロジェクトが多くなります。取り掛かるべき課題に必要な工数が少ないため、複数のプロジェクトを同時に対応していくのも特徴です。
経営系コンサルティングファームは中小企業がおもなクライアント企業となるため、大手コンサルティングファームよりも新人のうちから、企業の経営層とかかわるチャンスがあります。
業界特化系コンサルティングファーム
業界特化系コンサルティングファームは、医療や建設、物流など特定の業界に特化したコンサルティングをおこないます。企業の課題が複雑化し、業界固有の専門知識がより重要になってきたことで「専門性の高いコンサルタントに相談したい」というニーズが増えています。
業界特化系コンサルティングファームは、このようにニーズに応えられるのが強みです。おもな業界特化系コンサルティングファームは、以下のとおりです。
業界特化系コンサルティングファームは、ほとんどが大手コンサルティングファームでの経験を持つベテランコンサルタントたちによって設立されています。
少数精鋭で運営されることが多く、業界特有の規制や商習慣、最新トレンドに精通したプロフェッショナルとして、大手ファームのプロジェクトにスポットで参画することもあります。
業界特化系コンサルティングファームは、特定の業界の専門性を極めたい人や、ひとつの分野に関する知見やスキルを活かしてコンサルタントを目指したい人におすすめです。
- どの種類のコンサルティングファームにするか悩んでしまいます。おすすめの選択方法があれば教えてください。
専門性・働き方・成長機会を基準に選ぶのがおすすめ
絞り込むポイントがいくつかあります。
まずは専門分野です。一人ひとり興味がある分野や得意分野などがあるので、持っているスキルがどのファームなら活かせそうかを考えることから始めましょう。
次に企業文化と働き方です。ワークライフバランスを保てるか、企業の価値観やミッションが自分の考え方と合っているかどうか、働く環境が合っているかも確認しましょう。
次は成長機会についてです。そのファームが提供する研修や教育の機会を調べてみましょう。昇進のスピードやキャリアの進展など、キャリアパスについての情報も集めましょう。
これらのポイントを基に、自分にとって最適なファームを絞り込んでみましょう。
やりがいは? コンサルティングの仕事の魅力
やりがいは? コンサルティングの仕事の魅力
- 優秀な人たちと働ける
- 業界問わず活かせるスキルが身につく
- 仕事内容が幅広いのでさまざまな経験を積める
- 平均年収が高い
コンサルティングの仕事では、クライアント企業の成長や変革に直接的にかかわることができます。一方で、高度な専門性と長時間労働が求められることもあるため、魅力を正しく理解したうえで、キャリア選択を検討することが重要です。
ここでは、コンサルティングの仕事の4つの魅力について詳しく解説します。これらの特徴を理解することで、自身がコンサルタントに向いているか、また将来のキャリアプランとして魅力的かどうかを判断する材料にしましょう。
優秀な人たちと働ける
コンサルティングファームには、難関大学出身者や大手企業での実務経験が豊富な人材が集まっています。新卒採用での競争率も高く、論理的思考力やコミュニケーション能力に長けた人材が選抜されやすいのが特徴です。
このような環境で働くことで、日々の業務や議論を通じて、優れた思考法や問題解決のアプローチを学べます。たとえば、経験豊富なコンサルタントの分析手法や提案資料の作り方、クライアントとの折衝術など、実践的なスキルを間近で学べるのです。
さらに、同期入社の仲間たちとも切磋琢磨しながら成長できる環境も魅力の一つです。お互いの成功事例や失敗から学び合える機会も豊富であり、チームとして協力しながら課題に取り組む中で、視野を広げ、スキルを向上させることができます。
このように優秀な人材に囲まれた環境で働けることは、自身の成長を加速させ、より高い目標を目指すための刺激となるでしょう。
業界問わず活かせるスキルが身につく
コンサルティングの仕事を通じて身につくスキルは、どの業界でも求められる汎用性が高いものが多いのが特徴です。たとえば、課題を分析する力や解決策を論理的に組み立てる力、相手を納得させるプレゼンテーション力など、ビジネスの基礎となるスキルを実践的に習得できます。
また、さまざまなプロジェクトに携わることで、業界や商材特有の知識や最新トレンドも吸収できます。製造業の生産性向上、小売業の営業戦略立案、IT企業のシステム導入など、幅広い経験を通じて、ビジネスの全体像を理解する力も養えるのです。
仕事内容が幅広いのでさまざまな経験を積める
コンサルティングの仕事は、企業の経営課題を解決するために、戦略立案から実行支援まで幅広い業務に携わります。たとえば、ある日は製造業の工場改革プロジェクトで現場の業務改善を提案し、別の日は小売企業の新規出店戦略を立案するなど、プロジェクトごとにまったく異なる経験を積める可能性があります。
また、一つのプロジェクトに集中して参画する場合でも、役割は多岐にわたります。経営層へのヒアリング、データ分析による課題の特定、解決策の立案、提案資料の作成など、さまざまな業務を経験できます。
このように、コンサルティングの仕事では業界や企業規模を問わず、多様な経営課題の解決に携われるチャンスがあります。幅広い視野と実践的な問題解決能力が身につき、ビジネスパーソンとしての総合力を高められることが魅力です。
平均年収が高い
OpenWorkによると、コンサルタントの平均年収は804万円で、年齢別の平均年収は以下のとおりです。
年齢 | 年収 |
25歳 | 536.5万円 |
30歳 | 719万円 |
35歳 | 884.2万円 |
40歳 | 1015.7万円 |
45歳 | 1110.8万円 |
50歳 | 1179.5万円 |
55歳 | 1241.2万円 |
全年齢の平均 | 804万円 |
国税庁の令和4年分民間給与実態統計調査によると、日本の給与所得者の平均年収は458万円です。一方で、コンサルタントの平均年収は804万円なのでかなり高い水準であるといえます。
また、コンサルタントの25歳時点での平均年収は536.5万円なので、入社数年目から日本国内の給与所得者の平均年収を超えやすくなります。そのため、20代から高い年収を実現したい人に、コンサルティングの仕事は魅力的な選択肢となります。
コンサルティングファームの役職
コンサルティングファームの役職は、おもに以下の4つに分けられます。なおそれぞれの役職名は、ファームによって呼び方が異なるため、参考程度にとらえておきましょう。
パートナー(プリンシパル、ディレクター) | ・クライアント企業の共同経営者として意思決定に関与・プロジェクト全体の最終責任者・人材採用・教育・評価の統括・顧客開拓やオフィスマネジメントまでおこなう |
シニアマネジャー(マネジャー、プロジェクトリーダー) | ・個別プロジェクトの責任者・顧客との関係構築・人材育成や採用活動への参画・知的財産の開発 |
コンサルタント(アソシエイト、シニアアナリスト) | ・プロジェクトの中核メンバー・情報収集・分析・提言の実施・MBA採用者や昇格者が中心 |
ジュニアコンサルタント(アナリスト) | ・上位者の指導のもと実務を担当・データ収集や分析作業・新卒入社者が中心 |
コンサルティングファームにおける評価は、プロジェクト単位でおこなわれます。評価にはプロジェクトの責任者であるシニアマネジャーや、プロジェクトに参加したほかのメンバーの意見も反映されるのが特徴です。
さらに日本国内の一般企業とは異なり、コンサルティングファームの役職は、低い評価が続くと降格となる可能性があります。そのため、役職を維持したり昇進したりするためには、すべてのプロジェクトで高い評価を出し続ける必要があるのです。
コンサルティングの仕事に求められる7つのスキル
コンサルティングの仕事に求められる7つのスキル
コンサルティングの仕事には、クライアント企業の複雑な課題を解決に導くために、さまざまなスキルが求められます。仕事に求められるスキルを理解しておくことで、選考の場で自身をうまくアピールする際や、入社後に成果を上げるための鍵となります。
ここでは、コンサルタントに求められる7つの代表的なスキルについて解説します。それぞれのスキルがなぜ必要とされ、実際の業務でどのように活かされているのかを見ていきましょう。
①論理的思考力
コンサルティングの仕事では、クライアント企業に対して単なる提案ではなく、確かな根拠に基づいた解決策を示す必要があります。そのため、データや事実に基づいて物事を整理し、筋道立てて考える論理的思考力が不可欠です。
たとえば「売上が低迷している」という課題に対して、市場環境、競合状況、自社の強み弱みなど、さまざまな要因を漏れなく分析します。そして、それらの要因の相関関係を明確にすることで本質的な課題を特定し、その課題に対する解決策を論理的に組み立てていきます。
また戦略を考えた筋道を、誰もが理解できる形でわかりやすく説明することも求められます。「なぜその結論に至ったのか」を筋道立ててクライアント企業に説明するためにも、論理的思考力が必要です。
論理的思考力は、課題を解決するだけでなく、クライアントの信頼を得るための説得力を伴う提案を行ううえでも欠かせないスキルです。
コンサルティングの仕事は、特に論理的思考力が求められる職業として知られています。その理由は、クライアントが直面する課題を的確に分析し、最適な解決策を提示することがコンサルタントの主な役割であるためです。
そのため、選考でもケース面接などで、課題解決までの論理的なプロセスをチェックされます。
②タイムマネジメント能力
コンサルティングの仕事では、プロジェクトに厳格な納期が設定されています。コンサルティングファームによっては、複数のプロジェクトを同時に進めていくケースもあるため、プロジェクトの優先順位付けと効率的な時間配分を徹底することが求められます。
たとえば、午前中はクライアントA社との打ち合わせ、午後はB社の提案資料作成、夕方にはC社の分析結果の確認など、1日の中でもさまざまなタスクが発生することがあるのです。
また自身の役職によっては、プロジェクト全体の進捗管理もおこないます。ほかのメンバーの作業の進捗を把握して、あらかじめスケジュールを調整するような先回りをした対策が求められることもあるでしょう。
タイムマネジメント能力は、限られた時間の中で高いパフォーマンスを発揮するための基本スキルであり、コンサルティング業務を成功させるために欠かせない要素です。
コンサルティングの仕事を効率的に進めるために時間管理能力を身に着けたい人は、以下の記事をチェックしておきましょう。仕事ができる人の特徴として、意思決定のスピードが早い点や計画立てて仕事をすることについて、詳しく解説しています。
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③リサーチ・分析力
コンサルティングの仕事では、クライアント企業に提案をする内容が客観的なデータや事実に基づいている必要があります。そのため、問題解決に必要な情報を効率的に収集し、その情報から重要なポイントを読み取るためのリサーチ・分析力が欠かせません。
クライアントに提案する前の情報収集として業界動向を調べる際は、公的な情報やクライアント企業の社内データの分析、現場へのヒアリング調査なども実施します。さらに、収集した大量のデータから、課題解決につながる重要な事実を見出し、説得力のある分析結果としてまとめ上げる力が必要です。
たとえば、小売企業の売上分析では、商品別や店舗別の売上データ、来店客数、客単価などを多角的に分析し、その結果から、業績向上につながる具体的な施策を導き出します。
このようなデータや事実に基づいた説得力のある提案をおこなうために、リサーチ・分析力はコンサルタントに求められる重要なスキルの一つといえます。
④コミュニケーション力
コンサルティングの仕事では、クライアント企業のさまざまな立場の人と協力しながら課題を解決していきます。そのため、相手の立場や心情を理解し、適切なコミュニケーションを取ることが不可欠です。
たとえば、クライアント企業の経営層には経営戦略の観点から簡潔に要点を伝え、現場責任者には具体的な実行計画について詳しく説明をおこなうなど、相手に応じて伝え方を変える必要があります。
コンサルティングで求められるコミュニケーション力として特に重要なのは、「物事を正しく伝える」スキルです。どんなに優れた解決策でも、相手に理解してもらえなければ意味がありません。
プレゼンテーション力や交渉力も含め、相手を納得させる総合的なコミュニケーション能力が求められます。
コンサルタントは複雑なデータや分析結果をクライアントに伝える機会がありますが、自分がわかるように話しても相手には理解してもらえないことがあります。いかにわかりやすく伝えるかが能力が大切である理由でしょう。
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⑤英語力
近年のビジネス環境のグローバル化により、コンサルタントには高い英語力が求められます。特に海外のクライアント企業にコンサルティングする場合、英語を使った打ち合わせや、英語での資料作成が日常的な業務となります。具体的には、以下のような場面で英語力が必要とされます。
コンサルティングの仕事で英語力が必要な場面
- 海外市場調査や先進事例の分析のために英語の文献やレポートを読み解く
- 日本企業がグローバル展開を目指すうえでの海外の取引先との会議
- 英語でのプレゼンテーション
- 英語でのメールのやり取りや電話会議
- グローバルチームとの協働プロジェクトでの意見交換
- 海外拠点への出張時の現地スタッフとの打ち合わせ
コンサルティングの仕事で重視される英語力は、実践的な英語力です。リーディング、ライティング、スピーキングなど、ビジネスで必要なすべての面で高い英語力が必要とされます。
コンサルティングの仕事ではクライアントとの会話が多い一方で、資料作成や調査での「読み書きの英語力」も不可欠です。
特に外資系では、海外の資料やレポートを英語で読み込んだり、提案書を英語で作成したりする機会が頻繁にあります。
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⑥体力・精神力
コンサルティングの仕事は、クライアント企業の働き方や都合に合わせて働く必要があるため、体力や精神力が求められます。
たとえば、クライアント企業に対して、提案資料を作ったとしても、その資料をほかのクライアント企業にそのまま使えることはほとんどありません。活用できるとしても、直接使えるのは資料の限られた部分だけになったり、別のクライアント企業用に編集したりする必要があるため、業務量が増えやすくなっています。
また成果物がそのままクライアント企業に受け入れられるとは限りません。資料に誤りがあったり、担当者が納得しなかったりすると、緊急で修正する必要があり、夜遅くまで残業が増える可能性もあります。
特にクライアントが海外の企業である場合、現地の時間帯に合わせて打ち合わせをするため、早朝や深夜の会議が定期的におこなわれることもあります。
このように、クライアントの要望に柔軟に対応しながら質の高い成果物を提供し続けるためには、心身ともに充実した状態を維持する体力と精神力が必要です。
特に厳しいのは「Big Four」(デロイト、PwC、EY、KPMG)。これらは、高いプレッシャーと厳しい労働環境で知られています。
プロジェクトごとに時間や責任が異なるため、柔軟なスケジュール管理が求められます。
⑦ヒアリング能力
クライアント企業の課題を見つけ出すために、コンサルティングの仕事にはヒアリング能力が必須です。表面的な問題の背後にある本質的な課題を把握するためには、相手の発言を注意深く聞き、適切な質問を投げかける力が求められます。
たとえば「中途採用がうまくいかない」という相談を受けた際、単に応募数や離職率の確認だけではなく、「どんな人材を求めているのか」「なぜその職種が必要になったのか」「どのような育成体制があるのか」など、掘り下げた質問を重ねていきます。
また、経営層と人事部で異なる意見を持っている可能性もあるため、さまざまな立場の人からヒアリングし、全体像を把握する必要があるのです。
ヒアリング能力は、単に質問するだけではありません。相手が話しやすい雰囲気を作り出すために、うなずきやあいづちを適切に入れるといったコミュニケーションスキルも必要です。これにより、相手の本音や潜在的な課題を引き出しやすくなります。
適性はある? コンサルティングの仕事が向いている人の3つの特徴
適性はある? コンサルティングの仕事が向いている人の3つの特徴
- 知的好奇心が旺盛な人
- 相手の目線に立って物事を考えられる人
- 責任感がある人
コンサルティングの仕事は、専門的なスキルや経験がないと難しいように見えますが、学生時代に培った知識や考え方も活かせます。サークル活動でのリーダーシップやゼミでの研究、アルバイトでの経験など、普段の活動で身につけているスキルがそのままコンサルタントの仕事に活きる可能性もあるのです。
ここでは、コンサルタントに向いている人の3つの特徴について解説します。これらの特徴と自身の性格や経験を照らし合わせることで、自身の強みを再発見しましょう。
コンサルティングの仕事に向いている人の特徴を見る前に、自身の特徴や性格を理解することは重要です。以下の記事を参考に自己分析をおこなってから、自身がコンサルティングの仕事に向いているか判断しましょう。
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①知的好奇心が旺盛な人
コンサルティングの仕事では、企業が抱えるさまざまな課題に向き合います。そのため、新しい分野への興味関心が強く、学ぶことへの意欲が高い人がぴったりです。
「なぜこの業界は伸びているのか」「この商品はどうすれば売れるのか」といった疑問を持ち、自ら調べて答えを見つけることが好きな人は、コンサルティングの現場で力を発揮しやすいでしょう。
たとえば、企業の戦略立案をするためには、業界や競合他社の詳細な調査が必要になります。さらに、海外の先進事例なども参考にしながら、クライアント企業に最適な解決策を提案することもあります。このように知識を吸収して実践に活かせる人は、やりがいを感じながらコンサルティングの仕事に取り組みやすいといえます。
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②相手の目線に立って物事を考えられる人
コンサルティングの仕事では、クライアント企業の立場に寄り添い、最善の解決策を提案する必要があります。そのため、相手の気持ちを理解したうえで、冷静に物事を考えられる人が向いています。
「この会社が本当に困っていることは何か」「現場の社員はどんな課題を感じているのか」といったさまざまな視点で課題を考えられる人は、クライアントの立場に寄り添いながら効果的な提案ができるでしょう。
たとえば、新しい制度を導入する際、相手の目線に立って物事を考えられれば、経営層から現場の社員までさまざまな立場の人の意見を理解し、全員が納得できる提案をしやすくなります。
相手の考えや状況を理解したうえで、最適な解決策を導き出せる人は、よりクライアント企業との信頼関係を築きながらプロジェクトを進められるでしょう。
③責任感がある人
コンサルティングを受けるクライアント企業は、経営課題の解決というとても重要な仕事をコンサルタントに託します。数億円、数十億円規模のプロジェクトとなることもあり、コンサルタントの提案や助言が企業の未来を左右することもあるのです。
このような状況で成果を出すには、強い責任感が欠かせません。たとえ困難な局面に直面しても、投げ出すことなく最後まで結果を追求する姿勢や、自分が考えた提案に自信と確信を持って取り組める人が、コンサルタントとして成長しやすいといえます。
さらに、プロジェクトでは若手であってもチームの重要な一員として、責任ある仕事を任されます。学生時代にサークルのリーダーやアルバイトのシフトリーダーなど、責任のある立場を経験したことがある人は、その経験を活かすことが可能です。
数億円規模の案件で意思決定することは、プレッシャーに感じることもあるでしょう。
しかし、逆にとらえると責任感が強いとも言えます。コンサルは通常、チームやクライアントとの議論の中で仕事が進むので一人で抱える必要はありません。周囲の人と協力しながら案件を成功に導いていく姿勢が大切です。
就活のプロに聞く! 新卒・未経験でコンサルティングの仕事に就く難易度
コンサルティングの仕事に向いている人について解説してきましたが、「新卒で本当にコンサルティングの仕事に就けるのか」「未経験でも挑戦できるのか」と不安に感じている人も多いのではないでしょうか。
また、新卒で目指す場合、どのような準備や対策をすれば内定に近づけるのか、具体的なイメージが掴めない人もいるかもしれません。
そこでここでは、コンサルティングファームへの就職に詳しいキャリアアドバイザーに、新卒・未経験でコンサルタントを目指す際の難易度について聞きました。
内定獲得への道のりに不安を感じている人は、実際の選考過程や求められる準備について理解を深め、効果的な対策を立てるために、目を通しておきましょう。
アドバイザーコメント
野村 芳克
プロフィールを見るコンサルティングの仕事は新卒採用でのハードルが高い
新卒でコンサルタントになるのは非常に難易度が高いです。コンサルティング業界は人気が高く、企業側も高い論理的思考力や分析力、コミュニケーション力など即戦力になるスキルを求められます。
特に外資系コンサルティングファームではケース面接やフェルミ推定など、独自の選考方法があるため事前準備が欠かせません。
情報収集×行動で選考に向けて準備しておこう
就職に向けた準備としては、まず「インターンシップへの参加」が最も有効です。実際のコンサルティング業務に触れることで、仕事の理解が深まり、適性を確認できます。
さらに、インターン参加者は本選考でも有利なことが多いため、志望ファームのインターン情報を積極的にチェックするとよいでしょう。また、コンサルティングの基礎を理解するために「ビジネスケースの練習」も必要です。
ケース面接に備えて、論理的な思考のフレームワークやビジネスモデルの知識にも慣れておきましょう。
最後に、英語力も重要です。外資系ではTOEICや英語での会話・文書作成力を評価する場合が多いため、早期から英語学習に取り組み、TOEICのスコアを700点以上目指すことをお勧めします。
新卒でコンサルティングの仕事に就くための3つのコツ
新卒でコンサルティングの仕事に就くための3つのコツ
- 需要が高い分野のコンサルティングファームを選ぶ
- インターンシップに参加して仕事内容を理解する
- コンサルティングの仕事で活かせる資格を取る
コンサルティングの仕事に就くためには、一般的な就活対策に加えて、コンサルティング業界ならではの準備が必要です。しかし、何から始めれば良いのか分からず、まだ対策できていない人も多いのではないでしょうか。
ここでは、新卒でコンサルティングの仕事に就くための3つのコツについて解説します。それぞれのコツはなぜ重要なのか、自身だったらどのように取り組めば良いのかを意識しながら、具体的に見ていきましょう。
こちらのQ&Aでは、コンサルティングの仕事に就くための就活の進め方について、キャリアコンサルタントが解説しています。選考を受ける前に就活のプロの解説をチェックしておきましょう。
①需要が高い分野のコンサルティングファームを選ぶ
コンサルティングファームは得意分野によってそれぞれ特徴があり、社会情勢によって需要が変化します。近年、特に注目を集めているのはDXやAI活用などのデジタル領域、サステナビリティ関連、業務効率化などの分野です。
これらの領域に強みを持つコンサルティングファームは需要が高く、それに応えるための人材を積極的に取り入れる傾向があるため、積極的に新卒採用をおこなっている可能性があります。
たとえば、IT系コンサルティングファームでは、企業のDX支援の需要増加により、理系文系問わず幅広い採用をおこなっている傾向があります。
また、経営コンサルティングファームでも、業務効率化やコスト削減のプロジェクトが増加していて、若手の新戦力を求めています。このように、成長分野のファームを狙うことで、新卒での入社チャンスが広がります。
②インターンシップに参加して仕事内容を理解する
コンサルティングの仕事は具体的な業務内容が見えにくいため、就職のミスマッチを防ぐためにも、インターンシップへの参加をおすすめします。
多くのコンサルティングファームでは、実際のプロジェクトを模したケーススタディや、現役コンサルタントと協働する機会を提供しています。これらの経験を通じて、仕事の進め方や求められるスキルを理解しやすくなります。
また、インターンは選考対策としても有効です。企業の文化や価値観を理解できるだけではなく、実際に働くコンサルタントに直接質問できる貴重な機会となります。
たとえば、「どのようなスキルや考え方を持った人が求められているのか」「どのようなアプローチで業務を遂行しているのか」など、書籍やWebサイトだけでは得られない実践的な知識を学べるのです。
さらに、インターンシップ参加者に対して選考上の優遇措置を設けるコンサルティングファームもあるので、本選考を有利に進めるためにも参加を検討しましょう。
インターンに参加するためには選考に通る必要があります。
応募書類だけでなくケース面接のような難易度が高い選考があるため、コンサルティングファームのインターンを希望する場合はそれらに備える必要があります。ケース面接は何度も練習しておきましょう。
コンサルティングファームのインターンに参加したい人は、こちらの記事を参考にインターンの選考に向けて準備を進めましょう。インターンの選考に向けた自己PRの作り方やエントリーシートの書き方を解説しています。
インターンの自己PRの作り方
例文18選|インターンシップ選考を勝ち抜く自己PRは5ステップで完成!
インターンのエントリーシートの書き方
インターンシップのエントリーシートの書き方|通過率を上げる秘策
③コンサルティングの仕事で活かせる資格を取る
コンサルティングの仕事で活かせる資格
- MBA
- ITストラテジスト試験
- TOEIC
コンサルティング業界で就職活動する際は、自身がコンサルティングの仕事に活かせるスキルを持っていることを具体的にアピールすることが必要です。その際、関連資格を持っていることで、自身の能力や仕事への意欲をアピールしやすくなります。
ここでは、コンサルティングの仕事で活かせる代表的な資格について、それぞれの特徴や活用方法を解説します。
これらの資格は、単に選考を有利にするだけではなく、入社後の実務でも役立つ知識やスキルを身につけることにつながるので、自身が目指す分野に合わせて、挑戦する資格を選んでいきましょう。
MBA
MBA
Master of Business Administrationの略。日本語では経営学修士と呼ばれ、経営学の大学院課程を修了すると授与される
MBAは、人事組織やマーケティング、戦略、会計・財務などの幅広い経営に関する実践的な知識を身につけられるため、コンサルティングの仕事に直接役立ちます。
また経営の知見を一定以上有していることを証明できるので、就職活動やその後のキャリアにも活かすことが可能です。
MBAを取得する過程では、さまざまな業界のケーススタディを通じて、実践的な課題解決能力を養います。受講生同士でチームを組んで、テーマとして掲げられた業界に属する企業の戦略を構築するグループワークもあるので、企業が抱える課題をあらゆる角度から解決するための能力が身につきます。
そのため、コンサルティングファームに入社した後は、未経験の業界のプロジェクトにアサインされやすくなり、キャリアアップの機会を得る可能性も高まります。。
MBAというと海外のビジネススクールで取得するイメージが強いかもしれませんが、国内のMBAプログラムを提供している大学院でも取得できます。
ただし、国内・海外どちらの場合でも、取得には1年半〜2年ほどかかることが一般的なので、長期的に計画する必要があることを覚えておきましょう。
ITストラテジスト試験
ITストラテジスト試験
ITを活用した事業戦略の策定から実行までを担えることを証明する国家資格。
ITストラテジスト試験は、幅広いコンサルティングファームの仕事で役立つ資格の一つです。試験では経営者の視点で戦略を立案する方法や、プロジェクトを実行するための知識が問われます。
また、IT業界のトレンドであるDXやAIなどにかかわる問題が論述式で出題されるため、合格することでITコンサルティングに関する実践的なスキルがあることも証明できます。
近年ではITコンサルティングの需要が高く、どのような業界でもITを駆使した戦略を提案する可能性があるため、ITストラテジストは幅広いコンサルティングファームで役立てられます。
TOEIC
TOEICとは
日常生活やビジネスで必要な英語力を測る世界共通のテスト。
コンサルティングファームへの就職活動では、TOEICで高いスコアを取得しておくのがおすすめです。外資系コンサルティングファームでは、TOEIC700点以上のスコアを書類選考の応募条件としているケースもあります。
また日系コンサルティングファームにおいても、海外のクライアント企業が多い場合、TOEICの高いスコアが書類選考の応募条件として設けられていることもあります。
そのため、新卒でコンサルティングファームへの就職を目指すなら、就活が始まる前に700点以上のスコアを取得するために、早い段階でTOEIC対策を始めることがおすすめです。
700点以上のスコアを獲得できれば、選考でのアピールポイントになるだけではなく、将来的なキャリアの選択肢も広がります。
事前にチェック! 新卒でコンサルティングの仕事に応募する際の注意点
コンサルティングは、企業の重要な経営課題に携わる仕事なので、コンサルティングファームはより優秀な人材を獲得するために、独自の採用方法をとっています。
これらの特徴を理解せずに選考に臨むと、せっかくのチャンスを逃してしまう可能性があるため、就活前に注意点を把握しておくことが重要です。
ここでは、新卒でコンサルタントを目指す際の2つの注意点について解説します。一般的な企業とは異なる特徴を理解することで、より効果的な就活対策をしやすくなります。これらの点を踏まえて、早めの準備と的確な対策を心がけましょう。
コンサルティングの仕事は新卒募集が少ない
コンサルティングファームでは、即戦力になる人材が求められるため、一般企業よりも採用人数が少ない傾向にあります。大手のコンサルティングファームであったとしても数十人程度限られることが一般的です。中小規模のコンサルティングファームでは、さらに募集人数が少なくなり、新卒採用枠は非常に狭き門です。
またコンサルティングファームは、給与水準が高いことや外資系企業が多く、学生の間で非常に人気が高い業界です。その結果、競争率が高く、優秀な学生同士での厳しい選考が繰り広げられるのが特徴です。
募集人数の少なさと業界の人気が相まって、新卒でコンサルティングファームに入社することは難易度が高いといえます。そのため、選考を突破するためには業界研究やスキル習得など、入念な準備が求められます。
コンサルティングファームの選考を受ける前に、こちらの記事を参考にコンサルティングの志望動機を作りましょう。コンサルの志望動機の例文や、コンサル業界の志望動機でアピールしたい要素を解説しています。
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例文12選|コンサルの志望動機で必須のアピール内容とNG例を解説
コンサル業界は志望する学生が多いため、周囲と差別化できる志望動機を作れるかがポイントです。この記事では、まずコンサル業界の魅力を解説。そのうえで、それを盛り込んだ志望動機を作成する方法を説明します。ほかにもアピールすべき要素や避けたい点など、キャリアコンサルタントとともに解説するので、参考にして周囲と差別化しましょう。
記事を読む

選考方法が独特なケースが多い
コンサルティングファームの選考では、一般的な企業とは異なる独特の選考方法が用いられることが多くあります。特に実施されやすいのはケース面接とフェルミ推定です。
ケース面接
その場で出された架空の企業や事業の課題に対する解決策を考え、論理的に説明する面接方式。
フェルミ推定
実際に調査することが難しい数量を最低限の知識と論理的思考力を使って推定する手法。
たとえば、ケース面接は「ある飲食チェーンの売上が減少している原因を分析し、対策を提案してください」といった課題が客単価や店舗の所在地などの架空の情報とともに出され、解決策を短時間で答える必要があります。
フェルミ推定は「東京都内のコンビニの数は何店舗か」や「日本にあるカフェの数はいくつか」といった問題が出題され、それを短い時間で考えその場で回答します。
さらに、グループディスカッションでもビジネスケースを用いた討論がおこなわれることがあります。このような特殊な選考に対応するには、普段からビジネスに関するニュースをチェックしたり、企業の課題について考える習慣をつけたりすることが効果的です。
ケース面接やフェルミ推定の対策には、まず「フレームワーク思考」の習得が重要です。基本的なビジネスモデルや分析フレームを学び、ケース問題集による実践的な学習をしましょう。
また、フェルミ推定では「分解して考える力」が求められ、身近なテーマでの数量を推定する練習を重ねると効果的です。
コンサルティングの仕事を正しく理解したうえでキャリアの方向性を決めよう!
コンサルティングの仕事は、企業の課題解決に直接携わりながら、実践的なビジネススキルを磨ける職業です。一方で、高度な専門性と責任も求められるため、自身の興味や目指したい方向性を十分に考慮したうえで、キャリアを検討することが大切です。
この記事では、コンサルタントの具体的な仕事内容や必要なスキル、新卒での就職に向けた準備のポイントを解説しました。これらの情報を参考に、自身がどのような分野で、どんなコンサルタントとして活躍したいのか、具体的なイメージを描いてみてください。
最終的には、どのような課題解決に携わり、どんなコンサルタントを目指したいのかという軸を決めることが重要です。自己分析とコンサルティングファームの研究を十分におこない、自分の目指す方向性に合った仕事を選択しましょう。
アドバイザーコメント
吉田 隼人
プロフィールを見るクライアントの未来を切り開くコンサルティング業界に挑戦しよう
コンサルティング業界は、企業や組織の理想の未来を形作るサポートを担う重要な職業です。クライアントの課題に向き合い、解決策を提案し、実現へと導くプロセスは、決して簡単ではありませんが、その分大きなやりがいを感じられる仕事でもあります。
コンサルティング業界で求められるのは、専門知識ももちろん大切ですが、それ以上に課題を解決したいという熱意や、多様な視点を取りいれ多くの人を巻き込むコミュニケーション力です。文系理系に関係なく、意欲さえあれば活躍できるチャンスは誰にでも開かれています。
正しい準備でコンサルティング企業からの内定をつかもう
私がこれまで就活のサポートをしてきた学生も、しっかりと事前の対策をすればBIG4や日系大手のコンサルから内定を獲得することができます。上記で記されている通り、コンサルは事前準備がとても大切な仕事です。
就活でも、同じように正しい事前準備をすればコンサル就活はうまくいきます。実際、多くの内定者が「コンサルは正しく対策すれば内定を取りやすい業界です」と口をそろえて言います。
まずは、業界研究や企業説明会、インターンなどを通じて実際の仕事を知り、自分の可能性を広げるきっかけをつかんでください。応援しています!
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/就活塾「我究館」講師
Hayato Yoshida〇東証一部上場の人材会社で入社2年半で支店長に抜擢。これまで3,000名以上のキャリアを支援。現在はベストセラー書籍「絶対内定」シリーズを監修する我究館でコーチとして従事
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表
Yoshinori Nomura〇IT業界・人材サービス業界でキャリアコンサルタントの経験を積む。培ったノウハウをもとに、その後はNPO支援団体として一般企業人の転職相談・就活生への進路相談を担う
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/上級心理カウンセラー
Fumiko Furuta〇キャリアに関する記事の執筆・監修や、転職フェアの講演、キャリア相談、企業や学校でのセミナー講師など幅広く活動。キャリア教育に関心があり、学童クラブの支援員も務める
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