圧迫面接とは? どんな圧力も切り抜ける予防・対処法18選を解説

4名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • キャリアコンサルタント/ブルーバード合同会社代表取締役

    Junichi Suzuki〇1982年宮城県⽣まれ。⼤学卒業後、上場企業の営業・管理部⾨を経験し、家業を継ぐ。2017年にブルーバードを設⽴し、企業の経営支援などを展開する

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  • キャリアコンサルタント/Koyoriキャリアワールド代表取締役

    Chieko Kimura〇2度のアメリカ留学、20年以上の外資系IT企業勤務を経て、現在は留学生向け就職支援をおこなう。また、企業のキャリア支援や新入社員のクラウドコーチングなどにも幅広くたずさわる

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  • キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士

    Masamitsu Uehara〇会社員時代は人事部として3000人以上の学生と面談を実施。大学でも多くの学生のキャリア支援をおこなう。独立後は、就活生からシニア層までさまざまなキャリア相談に携わる

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  • 社労士/社会保険労務士法人エンジン代表

    Atsushi Nagashima〇新卒で大手飲料販売会社へ入社。転職し人材紹介業の傍ら社労士の資格を取得。社労士法人の勤務を経て、2017年に永島社労士事務所(現・社会保険労務士法人エンジン)を開業

    プロフィール詳細

この記事のまとめ

  • 圧迫面接の特徴を把握すれば気を楽に受けることができる
  • 圧迫面接を予防する方法・本番で対処する方法を徹底解説
  • 圧迫面接でやってしまいがちな対応に注意が必要

近年は減少傾向にあるものの、いまだ実施する企業もある圧迫面接。「そもそも圧迫面接って何だろう」「上手く対応できるのかな」と疑問や不安に思う学生は多いでしょう。

圧迫面接は、簡潔に言えば学生に圧力をかける面接です。圧迫面接と知らずに受けたり、対策をせずに臨んだりすると、萎縮してしまい力を発揮できず、トラウマになってしまう可能性があります。そのため、実態や対策法を頭に入れて臨むことが大切です。

この記事では、たとえ圧迫面接を受けても実力を発揮できるよう、それらを解説していきます。キャリアアドバイザーの鈴木さん、木村さん、上原さん、社会保険労務士の永島さんとともに説明するので、理解して圧迫面接を切り抜けましょう。

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目次

圧迫面接は予防法と対処法がわかれば怖くない!

圧迫面接を受けた学生にありがちなのは、面接官の意図を理解せず、萎縮したり感情的になったりするというもの。圧迫面接を上手に切り抜けるには、面接官が見ている観点を理解し、それをふまえた対策をすることが大切です

この記事では、まず圧迫面接の特徴や企業の目的を解説します。どのようなことが起こりうるのかを知ることで、心構えができます。

そのうえで対策方法として、事前におこなう「予防方法」と現場での「対処方法」に分けて解説します。ここで解説する対策をすることで、圧迫面接になることを回避できたり、本番でも実力を発揮し切り抜けられるようになります。

また、圧迫面接を受けると精神的にダメージを受ける人が多いです。そこで思わずやってしまうことのある失敗例もあります。対策と注意点を併せてチェックし、選考を突破しましょう。

圧迫面接に限らず、質問など就活の面接全般対策したい人はこちらの記事を参考にしてください。押さえるべきポイントをまとめています。

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そもそも圧迫面接とは?

そもそも圧迫面接とはどのようなものなのでしょうか。まず圧迫面接の定義をしっかり理解しなければ、面接中に「これは圧迫面接ではないか」と心構えをすることができず、対応方法がわからなくなってしまいます。

まずは圧迫面接の定義を確認し、それを踏まえて具体的なケースや対策方法を把握していきましょう。

学生を萎縮させるような質問をしたり態度をとる面接

圧迫面接とは、面接官が意図的に答えにくい質問をしたり、高圧的な態度を取ったりするものです

たとえば、面接官が学生の発言を否定し続けたり、無視をしたり、怒鳴ったりと、学生に必要以上に圧力をかける面接を言います。

このような面接手法は、企業側に以下のリスクが発生します。そのため、現在は圧迫面接をおこなう企業が減っている傾向にあります。

企業が圧迫面接をするリスク

  • 学生から、精神的苦痛を受けたことによる損害賠償請求訴訟を起こされる可能性がある
  • 圧迫面接をするような企業への入社を控える可能性がある
  • 企業のイメージが下がる可能性がある

アドバイザーコメント

「圧迫面接」は就活生側の認識によるものが多い

圧迫面接には、企業側に明確な狙いがあってなされるケースと、企業側に意図はないが就活生側が圧迫面接だと捉えてしまうケースがあります。

前に説明があった通り、現在は圧迫面接をおこなう企業は減少しています。それでも圧迫面接がなくならない背景としては、やはり就活生側の認識によるものが大きいでしょう。

もしかしたら、発言を見直すべきところがあるのかもしれません。また、面接官が普段から人当たりが良くない人という可能性もあります。

いろいろな要因が考えられます。何が起きているのか、人物観察をするくらいのつもりで臨むと良いでしょう。

こちらのQ&Aでは面接官の態度が悪かったときの対応についてキャリアコンサルタントが回答しています。併せて参考にしてみてください。

まずは圧迫面接をする企業の4つの目的を知ろう

圧迫面接をする企業の4つの目的

  • ストレス耐性を確認したい
  • 本音を知りたい
  • 話しにくい状況でのコミュニケーション力を見たい
  • 臨機応変な対応力があるか知りたい

仮に「圧迫面接ではないか」と感じられた場合も、実は意図的に圧迫しているものではないことが多いです。

木村 千恵子

プロフィール

面接は、受ける側だけでなく、面接をする側の面接官にも一定のスキルと経験が必要とされるため、経験の浅い面接官やスキル不足の面接官の場合、意図せずに圧迫面接となってしまったり、実はそうではないのに圧迫面接を受けたと誤解するケースも少なくありません。

しかし中には、目的を持って圧迫面接をするところもあります。その場合、企業は圧迫面接を通して何を見たいのか、企業の目的を把握することが大切です。

圧迫面接の対策をする前のファーストステップとして、まずは企業の目的を確認していきましょう。

①ストレス耐性を確認したい

圧迫面接でストレスへの耐性を測ることで、「入社後もストレスの多い業務に耐えられるか測りたい」と考える企業があります。ストレスが多い仕事の特徴として、業務量が多かったり、苦情に対応する必要があったりなど、体力的・精神的に負担が大きいことが挙げられます

具体的には、以下のような業界はそのような負担が大きく、忍耐力を試すために圧迫面接をする可能性があります。

ストレス耐性を見られることが多い業界の例

  • 製造業界
  • 情報通信業界
  • サービス業界
  • 介護業界

鈴木 洵市

プロフィール

営業という職種については、圧迫面接になる可能性があります。営業はたくさんの人々と触れ合って仕事を推進していくものです。そのため、多種多様な個性の人と向き合っていけるかどうかについて試されることがあるのです。

②本音を知りたい

圧力をかけることで、学生から本音が出るのではないかと考える企業もあります。面接の回答は、ある程度準備することが可能です。ただ、準備してきた回答を聞いても意味がないと考える企業は、圧力をかけて本音を引き出したいと考えている可能性があります

木村 千恵子

プロフィール

面接では、学生は自分を良く見せようとする意識が働くため、本音を言わずに正解を回答しようとします。そのため、企業は面接の中で学生の本音を探る方法の一つとして、圧力をかけて感情を揺さぶり本音を引き出そうとする場合があります。

③話しにくい状況でのコミュニケーション力を見たい

圧力をかけられると「何を言ってもきつく当たられるのではないか」と考え、思考が停止したり、萎縮してしまって普段通り会話ができないこともありますよね。

しかし、営業職やサービス業界などでは、圧力をかけられてもなおコミュニケーションを必要とされる場合があります。そのような企業では、圧迫面接を通して、その力があるかを見ている可能性があります。

上原 正光

プロフィール

話しにくい状況でも取材が必要であったりする、マスコミ業界においてもこの力を確かめられる可能性があります。

④臨機応変な対応力があるか知りたい

圧迫面接は、面接官が学生を困らせる質問や態度を取るものと解説しました。そのような状況で切り返せる臨機応変な対応力があるかを見ている可能性もあります。

仕事は必ずしも計画通りに進むものではなく、かかわる他部署や上司の様子を確認してからおこなう必要があります。特に変化が激しい業界や、一人ひとりの裁量権が大きい企業などでは柔軟に仕事を進める力があるかを見るため、圧迫面接になる可能性もあります

鈴木 洵市

プロフィール

通信系の営業については、臨機応変な対応力を試すケースがあると聞いています。特に顧客のニーズに合わせて柔軟に対応することが求められるからだと推測ができます。

アドバイザーコメント

ビジネスに不可欠な「ストレス耐性」を見ようとしていることが多い

意図的な圧迫面接の主な目的は、ストレス耐性を見抜くためです。

ストレス耐性は、どんな職種においても重要です。顧客対応が必要となる営業職はもちろん、社内での人間関係や困難な状況をいかに打破できるか、ビジネスにおいては不可欠な能力といえます。

面接官が意図せず圧迫していたり学生が過剰に反応しているケースもある

そして面接官によっては、決して故意にではなく、学生自身をよく知りたいがあまりに積極的に質問しすぎて、無意識的に圧迫面接をおこなってしまっていることがあることも事実です。

さらに、面接官自身の顔つきから、表情が怖かったり、睨まれたと感じることもあります。顔つきの雰囲気から「圧迫面接」だと学生が捉えてしまっている場合もあります。

圧迫面接自体に対して意図があるものなのか、面接官自身の問題なのか、自然に会社の体質が現れたものなのかはよく観察し見極める必要があります。

こちらのQ&Aでは公務員の圧迫面接についてキャリアコンサルタントが回答しています。併せて参考にしてみてください。

知っていれば楽になる! 圧迫面接の特徴を捉えておこう

圧迫面接の3つの特徴

  • 答えに対し「なぜ?」を何度も繰り返す 
  • 学生に否定的な発言をする
  • 萎縮させる態度を取る

圧迫面接にはいくつか特徴があります。萎縮しがちな圧迫面接ですが、具体的な特徴を知っておくことが大切です。特徴を把握しておくと、本番も「これは圧迫面接だな」と客観的に捉えて、ある程度落ち着いて対応できますよ。

圧迫面接の種類と、それぞれ言われがちな面接官からの発言を解説するので、これを読んで心構えをしておきましょう。

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①答えに対し質問や「なぜ?」を何度も繰り返す

圧迫面接の特徴の1つに、質問にどんなに答えても理由や根拠を聞かれたり、発言を促されたり、繰り返し質問されるということがあります。

圧迫面接で聞かれる質問の例

  • なぜですか?
  • どういう観点からそう思うのですか?
  • 具体的な事例はありますか?
  • あなたの発言の根拠はありますか?
  • どのように成果を発揮したのですか?
  • それで? だからなに? つまり何を言いたいのですか?
  • 第一志望ではない理由は?

これは意図して圧力をかけているケースもありますが、そうでないことが多いです。たとえば学生が曖昧であったり具体的なことが伝わらない回答をしていると、質問を繰り返される可能性があります

もしくは質問の答えに対し「なぜ?」を繰り返されることもあります。これは、「学生の根底の価値観を知りたい」という思いから、深掘りしようとしていることが多いです。

または、面接官がうまく質問できていないという可能性もあります。「誰の影響ですか?」「どのようにして思いついたのですか?」などと具体的に質問すべきところを、うまく質問できず、単に「なぜ?」を繰り返してしまうというケースです。

木村 千恵子

プロフィール

「なぜ?」を繰り返すような面接官の質問は、意図的におこなわれる場合は、学生が本当に本人の考えで答えたものか、あらかじめ準備してきた表面的な「正解」を言っているだけなのかを見極めているということも考えられます。

②学生に否定的な発言をする

学生が回答したことや経歴に対して否定をするような発言をすることもあります。具体的には以下のようなものです。

否定的な発言の例

  • 当社には向いてないんじゃないですか?
  • その考えは当社で通用しないと思います。
  • あなたが当社にもたらすメリットはありますか?
  • 当社の仕事はきついから、あなたは辞めた方が良いのではないでしょうか?
  • あなたの考えには共感できません。
  • その長所はあって当たり前のものではないでしょうか?
  • それが強みとは思えません。自意識過剰ではないでしょうか?
  • 大学で学んだことは当社では活かせません。
  • なぜ、わざわざそんなことに取り組んだのですか?
  • サークルとアルバイトだけで他に何もしなかったのですか?
  • その志望理由なら第一志望ではないのではないでしょうか?

これは意図して切り返し方を見ているケースもあれば、面接官の価値観に合わないことから、強い口調でこのような質問をしていることもあります

鈴木 洵市

プロフィール

否定的な発言をする理由として、否定的な発言を一度受け入れることができるかを見ているケースもあります。

③萎縮させる態度を取る

返答などではなく、態度で圧力をかけるケースもあります。学生の回答に対し、不機嫌そうな態度で応じるものです。具体的には以下の例があります。

萎縮させる態度を取る例

  • 肘をついて聞く
  • 首をかしげる
  • 怒ったように質問をする
  • 学生の返答に難しい顔をする
  • 無関心な返答をする

これは、意図して話しづらい雰囲気を作っている場合のほか、面接官が意図せずこの態度になっていることもあります。たとえば他の業務で疲弊していたり、普段から怖い顔つきになっていたり、声量を調整できず怒っているように聞こえるケースです。

上原 正光

プロフィール

面接で萎縮させる態度を取る企業では、日頃からこのような態度の顧客や、社内の人たちに対応する必要がある現場が待ち構えている可能性があります。

圧迫面接の基本的な予防法と対処法

圧迫面接の基本的な予防法と対処法

  • 予防法①圧迫面接を受けているイメージトレーニングをする
  • 対処法①面接官の事情を想定する
  • 対処法②笑顔で堂々と回答する
  • 対処法③面接官の指摘を受け入れたうえで回答する
  • 対処法④回答の方向性をすり合わせる

圧迫面接の具体的なイメージを理解し、「このような状況で回答するのは難しそうだな」と感じた人も多いのではないでしょうか。しかし、ある対策をすることで、圧迫面接を切り抜けることができますよ。

また、面接官が意図していなくても圧迫面接になることがあると解説しましたが、そのようなケースでは、事前準備により圧迫面接を避けられる可能性もあります。

ここからは、圧迫面接のケースを踏まえてできる対策を予防法・対処法に分けて解説します。面接を無事に終えられるよう、しっかりチェックしていきましょう。

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予防法①圧迫面接を受けているイメージトレーニングをする

イメージトレーニングをすることで、未経験のことであっても「経験した」と脳が錯覚すると言われています。たとえば面接の経験が少ない人も、面接を受けている様子をイメージすることで、実際に経験したような気持ちになり、面接本番は緊張しにくいと言われているのです。

圧迫面接についても、イメージトレーニングをすることで慣れる可能性があります。そして本番でもうまく切り抜けられるようになるでしょう。

木村 千恵子

プロフィール

圧迫面接をイメージすること自体少し辛いかと思います。

少しでも精神的な負担をかけずイメージするために、単に圧迫面接の場面をイメージするのではなく、動じずに冷静かつ朗らかに対応できている笑顔の自分をイメージすると良いでしょう。

対処法①面接官の事情を想定する

もし本番で圧迫面接を受けたら、「面接官にもそうせざるを得ない事情があるのだな」と捉えるようにしましょう。面接官の事情を汲むことで冷静になり、ダメージを受けにくくなる傾向にあります。

「忙しくて感情をコントロールする余裕がないのかもしれない」「上司に同じような態度で接せられているのかもしれない」「この担当者にとっては普通の受け答えなのかもしれない」など、事情を想像することで気持ちに余裕が生まれますよ。

上原 正光

プロフィール

「私のことを知りたいという思いから根掘り葉掘り質問し、圧迫面接のようになっているのかもしれない」と考えることも有効です。

対処法②笑顔で堂々と回答する

圧迫されると、つい暗い気持ちになってしまいますよね。そこで笑顔を作ることで、自然と落ち込みを抑えることができます。一般的に、笑顔になることで脳が「笑っている」と錯覚し気分がほぐれると言われています。

まずは「口角を上げる」と意識すると、笑顔を作りやすくなります。そして姿勢を意識し堂々とした様子で回答することで、「つらい環境でも明るく前向きに振る舞える」「入社後も忍耐力やコミュニケーション力を発揮できそう」という印象につながります。

また面接官が意図せず圧力をかけていた場合は、面接官自身が緊張していたり、感情が入りすぎていたりすると考えられます。学生が笑顔であると、面接官の気持ちも穏やかになり、雰囲気が和らぐかもしれません。

鈴木 洵市

プロフィール

特に意図的に圧力をかけている場合は、あなたが笑顔で堂々と回答する様子を見て、「学生を受容しよう」というマインドに変わるケースが多いと考えられます。

対処法③面接官の指摘を受け入れたうえで回答する

圧迫面接を通して、企業は臨機応変な対応力を見ようとしていると解説しました。ただ萎縮したり反抗心を持ったりするのではなく、面接官の指摘を受け入れるように心掛けると、前向きさや素直さのアピールにもなります。 

特に、面接官が意図せず圧迫している場合は、面接官が疑問に思ったことを、ただきつい口調で指摘していたり、態度に出しているだけという可能性があります。たとえば、「その長所は社会人として当たり前だよね」と言われたケースなどです。

まずはアドバイスとして受け入れて、何を答えるべきか考える時間をもらい、面接官の質問の意図に応える回答を心掛けましょう。たとえば「たしかにご指摘の通りです。申し訳ございませんが、回答をしっかりと考え直したいので、少々お時間をいただけないでしょうか」などと伝えると良いでしょう。

対処法④回答の方向性をすり合わせる

圧迫面接では、なぜこのような高圧的な態度を取られているのか、原因がわからないことがほとんどです。意図的に圧力をかけていない場合は、回答内容に何か問題があった可能性があります。

たとえば無視をされたり質問を繰り返されたりする場合、「ご質問の回答になっていますでしょうか」などと聞きましょう。そこで、回答の方向性を面接官とすり合わせます。

そして、たとえば面接官が黙るなど、肯定的な反応をしない場合は、「申し訳ございませんが、回答をしっかり考え直したいので、もう一度ご質問内容をお伺いしても良いでしょうか」などと聞いて、質問を正確に理解し方向性を捉えて回答しましょう。

回答の方向性をすり合わせようとして「自分で考えてください」などさらに圧迫される可能性はありますか? ある場合どうしたら良いでしょうか?

木村 千恵子

プロフィール

さらに圧迫される可能性は低いが、されたら笑顔で対応しよう

回答の方向性をすり合わせようとしているのにさらに圧迫されるケースは稀だと思いますが、その場合は、慌てずに笑顔で指示に従い、その場でできるベストを尽くしましょう。

面接の場で面接官の意図を計りかねた場合は、冷静な対応を続けていくことで面接官の様子に変化が見られるかどうかを試してみてください。

逆切れのような感情に任せた対応だけは避けるようにしましょう。

さらに詳しく! 圧迫面接のタイプ別予防法と対処法

ここまでは基本的な圧迫面接の予防法と対処法を解説しましたが、より確実に切り抜けるには、圧迫面接のタイプを理解し、それぞれに特化した対策をすることが大切です。

繰り返しになりますが、圧迫面接は、面接官が意図せず圧力をかけてしまっているケースも多いです。その場合、対策を徹底すれば、必要以上に萎縮することもなくなりますよ。

どんなケースにも対応できるように、対策法をしっかりチェックして圧迫面接を乗り切りましょう。

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答えに対し質問や「なぜ?」を何度も繰り返される場合

質問や「なぜ?」を何度も繰り返される場合の予防法と対処法

  • 予防法①5W1Hを意識して回答する
  • 予防法②あらかじめ深掘りして根底の価値観を見つけておく
  • 予防法③質問の意図を確認する
  • 対処法②回答に矛盾がないか確認する

まずは、以下のように何度も質問責めされる圧迫面接の対策です。

繰り返される質問の例

  • なぜですか?
  • どういう観点から?
  • 具体的な事例はありますか?
  • あなたの発言の根拠はありますか?
  • どのように成果を発揮したのですか?
  • それで? だからなに? つまり何を言いたいのですか?
  • 第一志望ではない理由は?

繰り返しになりますが、これは学生が具体的な回答をしていなかったり、もしくは面接官の質問の仕方が良くないだけという可能性があります。この場合、面接官の意図を汲んで、明瞭な回答をすることが大切です。

具体的な対策は以下を確認してくださいね。

上原 正光

プロフィール

今までの自分の説明では、不十分でわかりにくい面があるとも考えることができます。

自分のことに興味を持ってもらえ、深いところまで何度も質問してくれているんだと考え、わかりやすくより具体的に説明し、自分をわかってもらえるように話をしてみてください。

予防法①5W1Hを意識して回答する

「なぜ?」と何度も繰り返される圧迫面接の予防法

5W1H

「When:いつ」「Where:どこで」「Who:だれが」「What:何を」「Why:なぜ」「How:どのように」の英単語の頭文字を取った、情報の要素

学生が具体的な回答をできていないと、面接官はぼんやりとしか理解することができません。面接官はより学生を理解しようと、質問を何度も重ね、その結果圧力をかけるような形になる可能性があります

たとえば、「学生時代最も力を入れたこと」の回答の仕方を見てみましょう。

学生時代最も力を入れたことの例

1.「飲食店のアルバイトで売り上げを伸ばしました」
2.「ハンバーガーショップのアルバイトで、アルバイトリーダーとしての責任感から、メニューの提示方法の変更を提案したことで、売り上げを15%伸ばしました」

この場合後者の方が、状況や人柄のイメージが鮮明になりますよね。後者は、5W1Hを意識した伝え方になります。

具体的に情報を把握することで、面接官は企業での活躍イメージを持とうとしています。そのため、具体性が見えないと質問を重ねる可能性があるのです。5W1Hを意識して情報を具体化して回答すると、矢継ぎ早に質問されることを避けられる可能性があります。

予防法②あらかじめ深掘りして根底の価値観を見つけておく

もう1点面接官が質問を繰り返す理由として、「根底にある人柄が見えないから」「本心がわからないから」というものが考えられます。

たとえば志望動機を聞かれた際に「顧客第一を企業理念に掲げる御社に共感し志望します」と伝えたとして、なぜ共感しているのか、根底にある価値観を理解しないと、面接官は深く納得することはできません。結果何度も質問を重ねることがあります。

それを防ぐには、あらかじめ自分の回答に対し「なぜ?」を繰り返して深掘りし、根底の価値観を見つけてみましょう。そうすることでより説得力のあるアピールができ、深掘りを何度も繰り返される可能性が低くなります。

たとえば以下の通り根底にある価値観を見つけ、アピールにつなげましょう。

深掘りして根底の価値観を見つける方法

顧客第一を企業理念に掲げる御社に共感し志望する

→なぜか
ハンバーガーショップのアルバイト経験で顧客の目線を意識したメニューの提示方法を提案したところ売り上げがアップしやりがいを感じたから

→なぜやりがいを感じたのか
自分の発想が受け入れられて形になったことがうれしかったから

→発想力を活かせることがやりがいにつながりモチベーションになる

予防法③回答に矛盾がないか確認する

過去の回答と矛盾し、学生の本心が見えない、もしくは自己分析不足を感じられたときに面接官が質問責めをする可能性もあります。特に矛盾が発生しやすいのは、強み・弱みや長所・短所です。

たとえば強みを「慎重である」と伝え、弱みを「楽観的である」と伝えると、「慎重な人は不安要素がたくさん思いつくイメージだけど楽観的とはどういうことだろう」と、矛盾を感じ人柄を把握しにくくなります。

鈴木 洵市

プロフィール

矛盾が発生するケースとして、たとえば「学生時代最も力を入れたこと」でアピールした強みと自己PRで伝えた強みが矛盾しているといったことが挙げられます。自己分析が不足し整理ができていない場合に起こりやすいです。

回答に矛盾がないか、あらかじめ確認しておきましょう。 

短所・長所の矛盾を確認するためには、短所を長所に言い換えて一貫性を持たせることがおすすめです。言い換え方は以下の記事で確認してみましょう。

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対処法①質問の意図を確認する

質問責めをされるということは、面接官が聞きたいこととずれている回答をしている可能性があります。そのため、質問の意図と合っているか、面接官に確認をしましょう。

何度も質問を繰り返されるようであれば、その質問に回答した後で「ご質問の意図と合っていますでしょうか?」などと聞きましょう。「〇〇という点が合っていない」との指摘を受けたら、「理解不足で申し訳ございません」などと伝えてから回答し直すようにしましょう。

また、再度質問の意図に沿わない回答をしないように、注意深く対応しましょう。すぐに回答できなさそうであれば、「申し訳ございませんが回答をまとめたく、少々お時間をいただいてもよろしいでしょうか」などと断りを入れて、考える時間を確保することも大切です。

アドバイザーコメント

一つひとつの質問に、焦らず冷静に答えよう

「なぜ?」の繰り返しや矢継ぎ早の質問に対しては、本当のところ何らかの目的に沿って意図的におこなっているのか、その面接官の個人的な面接スキルや経験の乏しさからなのかに関係なく、いったん落ち着いて、ゆっくり一つひとつの「なぜ」に答えるという姿勢を持って冷静に対応するのがおすすめです。

面接官が回答を急かして圧力をかけてきても、そのペースに飲まれて早く答えることを繰り返すと、その場のテンションが余計に上がってしまい、冷静な回答ができなくなるからです。

質問を繰り返す顧客や取引先に対応していると考えよう

入社後は、さまざまなタイプの人とコミュニケーションを取ることになります。それにより、圧迫面接を通して、自分と波長の合わないやっかいな相手に対しても、適切な対応ができるかを見ていることがあると説明しました。

特に 顧客や取引先の中には、ずっと質問を繰り返す人もいて、それをイメージして質問を繰り返している可能性もあります。

入社後そのような顧客に対応するというイメージを持って、この圧迫面接に対応すると、面接官の対応にも冷静に対処できるかと思います。

面接の不安を解消! 本番前に面接力を測って弱点を発見しよう

不安を抱えたまま面接本番に臨むと、面接官に好印象を残せず、内定が遠のいてしまう可能性があります。

そんなときこそ「面接力診断」を受けましょう。

簡単な質問に答えるだけで自分の弱点がわかり、改善方法も提案してもらえます。ぜひ活用して面接を突破してください。

こんな人に「面接力診断」はおすすめ
  • 近く面接本番を控えている人
  • 自分の面接の改善点を知りたい人
  • 過去の面接で力を発揮しきれなかった人

否定的な発言をされる場合

否定的な発言をされる場合の予防法と対処法

  • 予防法①事前に回答内容を第三者の社会人に確認してもらう
  • 対処法①面接官が意見を主張したいだけなのだと考える
  • 対処法②質問をポジティブに変換する
  • 対処法②面接官の発言を受け入れ前向きな回答をする

以下のような否定的な発言をされるケースは、学生の準備不足による場合と、面接官の価値観に合っていない場合が考えられます。意図的に圧力を掛けている際は、切り返し方を見ています。その場合は説得力のある理由と併せて回答することが大切です。

否定的な発言の例

  • 当社には向いてないのでは?
  • その考えは当社で通用しないのでは?
  • あなたが当社にもたらすメリットはありますか?
  • 当社の仕事はきついから、あなたは辞めた方が良いのでは?
  • あなたの考えには共感できません。
  • その長所はあって当たり前のものではないでしょうか?
  • それが強みとは思えません。自意識過剰ではないでしょうか?
  • 大学で学んだことは当社では活かせません。
  • なぜ、わざわざそんなことに取り組んだのですか?
  • サークルとアルバイトだけで他に何もしなかったのですか?
  • その志望理由なら第一志望ではないのではないでしょうか?

発言を否定されると、人格を否定されたような感覚になり落ち込んだり、反発心を抱いたりする可能性があります。しかし、そうなると冷静な回答ができなくなるため、落ち着いて以下の対策をおこなうようにしましょう。

鈴木 洵市

プロフィール

否定的な発言をされ続けると、非常に思い空気感になります。しかし焦らずに、準備してきたことを淡々とこなすようにしましょう。

予防法①事前に回答内容を第三者の社会人に確認してもらう

面接官に否定される場合、もっと説得力のある回答が必要な可能性が高いです。たとえば他社でも使い回せる志望動機や自己PRを伝えていたり、ビジネスでは活かせない強みをアピールしていたりと、不十分な回答になっている可能性があります。

それを避けるために、事前に第三者に回答を確認してもらうことが大切です。

特に、OB・OG訪問や就職エージェント、大学のキャリアセンターで見てもらうことが効果的です。企業目線で必要なアピール方法をアドバイスしてくれる可能性が高いですよ。

時間がない人は、親やサークルのOB・OGなど、身近な社会人に確認してもらいましょう。「面接で回答する内容として不足していないか」という観点で見てもらいましょう。

対処法①面接官が意見を主張したいだけなのだと考える

第三者の社会人に回答を確認してもらったら、「回答としてはおかしくない」という自信を持ちましょう。そのうえで面接官が否定してくるのであれば、単に面接官が「意見を主張したい」という気持ちが強いという可能性があります。

「ただ論破したいだけなのかも」「価値観を押し付けたいだけなのかも」などと考え、いったん受け入れるようにしましょう

また、面接官の意見を肯定しつつ自身の意見を伝えるようにしましょう。たとえば以下のように伝えてみてくださいね。

「たしかにご指摘の通り〇〇と考えます。ただ〇〇の点を考えると、このように言えるのではないかと感じました」といったように、論理的に説得力のある説明をするよう意識することで、面接官に納得してもらえるかもしれません。

対処法②質問をポジティブに変換する

面接官が、面接官としての質問の方法をわきまえていないことで、言葉を選ばずきつい口調で質問をしている可能性があります。その場合、頭の中で他の言葉に言い換えてみましょう。ポジティブな言葉に変えることを意識すると良いです。

否定的な発言をポジティブな内容に変換する例

その長所はあって当たり前のものではないでしょうか?
→他にもっと良い長所があるのではないでしょうか?

それが強みとは思えません。自意識過剰ではないでしょうか?
→他社の評価も交えた客観的な強みを聞きたいです。

なぜ、わざわざそんなことに取り組んだのですか?
→物事に取り組む際の考え方を知りたいです。

その志望理由なら第一志望ではないのではないでしょうか?
→熱意を感じられれば選考を通過してほしいと考えています。

否定的な発言をそのまま受け入れると、自信を失ってしまいます。自信のなさが伝わると発言の説得力が弱くなるため、なるべくポジティブに変換すると良いですね

対処法③面接官の発言を受け入れ前向きな回答をする

面接官の指摘を一度受け入れ、そのうえで自分なりの考えを持って前向きに回答することも効果的です。そうすることで「圧力のかかる環境でも明るく仕事に向き合える」という印象につながる可能性がありますよ

高圧的な発言に対して前向きな回答をする例

<例①>
面接官:長所は優しさと聞きましたが、優しさはビジネスに活かせないのではないですか?

→回答例:
ご指摘の通り、確かに直接利益を生み出すことはできないかもしれません。しかし、優しさを持って人に接することで、社内で良好な人間関係を築けたり、顧客から人柄を好かれる可能性があります。

特に顧客対応においては効果的だと感じています。なぜならOB・OG訪問にて、「何を買うかより誰から買うか」が大事と伺ったためです。

優しさを持つ人間を嫌う人はいないのではないかと考えます。自身の優しさを活かして良好な関係を築くことで、結果的にビジネスに活かせるのではないかと考えます。

<例②>
面接官:当社の仕事はきついから、あなたは辞めた方が良いのでは?

→回答例:
たしかに御社の仕事が体力的にも精神的にもハードであることは承知しています。しかしできるだけ早く戦力になりたいという考えから、成長スピードを上げるにはハードな環境に身を置くことが不可欠と考えており、問題ありません。

上原 正光

プロフィール

面接官の意見を否定せずに、まずは受け止めることが重要です。どんな発言がなされても「おっしゃる意見もあると思います」とまずは受け止めましょう。そのうえで「私は」こう思うと自分を主語にした意見や考えを述べるようにしましょう。

アドバイザーコメント

否定的な発言を受けることをイメージしておくと余裕が生まれる

まず「面接官からは否定的な発言があるかもしれない」という前提で心の準備をしておくことが大切です。

そのような発言が何らかの意図に沿ってのことかそうでないかは、実際の面接の場にいてもはっきりとはわからないケースが多いですが、いずれにせよ、冷静に対処するためには、もし否定的な発言があったらこう対応しようというシミュレーションをおこなっておくことが良いでしょう。

そうすることによって、気持ちにも余裕が生まれ、不測の事態にも冷静に対応することができます。

冷静に対処するために、面接前に深呼吸しておこう

そうは言っても、面接の緊張感の中でそのような冷静な対応をすることは実際には簡単ではないと思います。

そんなときのために、深呼吸を繰り返して、心を静め無心になることをお勧めします。面接に行く直前に、目を閉じて30秒から1分で良いので、深呼吸を繰り返し瞑想をおこない、心を落ち着けて面接に向かってください。

面接官の指摘を受けて開き直ったり投げやりになったりせず、前向きな回答につなげるように意識しましょう。

萎縮させる態度を取られる場合

萎縮させる態度を取られる場合の予防法と対処法

  • 予防法①誰もがすぐ理解できるよう回答内容を準備する
  • 対処法①「いつも通り」を意識して淡々と回答する
  • 対処法②質問の意図に沿った回答をしていたか確認する

以下のような萎縮させる態度を取られた場合は、話しづらい環境でもコミュニケーション能力を発揮できるのかを見られている可能性があります。

意図的に圧力をかけられていないのであれば、面接官が学生の話を理解できなかったり共感できなかったりした場合などに、感情や表情をコントロールできずこのような態度を取っている可能性が高いです。この場合は、自分の回答の問題点を確認し、あとはいつも通り振る舞うことが大切です。

面接官の萎縮させる態度の例

  • 肘をついて聞く
  • 首をかしげる
  • 怒ったように質問をする
  • 学生の返答に難しい顔をする
  • 無関心な返答をする

たとえば営業職では、顧客に寄り添いつつも、すべての顧客の意見を優先できるわけではありません。たとえ圧力をかけられても、企業の立場を守りつつ交渉することが求められます。そのような力あることを示せるように、対策していきましょう。

鈴木 洵市

プロフィール

萎縮する態度をとられた場合は、この面接官は常日頃、この面接手法をおこなっており、自分だけが圧迫面接をうけているわけではなく、学生全員が同様の状況であると考えると良いですよ。

予防法①誰もがすぐ理解できるよう回答内容を準備する

わかりづらい回答をしてしまうと、聞く側の面接官はストレスを抱え、苛立ってしまう可能性があります。その結果圧迫面接になってしまうことがあるため、そうならないよう、「誰が聞いてもすぐ理解できる」回答を準備することが大切です

そのためには、友達や家族など、就活のプロではない第三者に聞いてもらい、すぐ理解できるかを確認することが効果的です。就活の前提知識がない人でも理解できるのであれば、わかりやすい内容になっているといえます。

面接は一部の準備だけでは失敗してしまいます。自分が面接の準備を徹底できているかどうかはこちらの記事を読んで確認してみましょう。

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対処法①「いつも通り」を意識して淡々と回答する

威圧的な態度を取られる場合、話しづらい環境でもコミュニケーションができるかを見られている可能性があると解説しました。そのため、できるだけ萎縮せずいつも通り回答することが大切です

とはいえ圧力をかけられると萎縮してしまいます……。恐怖を感じた時もいつも通り対応するコツを教えてほしいです。

木村 千恵子

プロフィール

口角を意図的に上げて「大丈夫」と言い聞かせよう

誰でも圧力をかけられれば自然と委縮してしまいますよね。そんなときは、意識的にリラックス状態を作り出す努力をしましょう。

具体的には、口角を意図的に上げて笑顔を作るのです。緊張すると表情筋も固くなりがちです。意図的に口角を上げて笑顔を作ることで表情を和らげて、「私は大丈夫!」と心の中で自分自身に声をかけて、落ち着きを取り戻しましょう。

また、あらかじめ圧力をかけられることを想定しておくと、「ああ、来たな、でも大丈夫。冷静に対応しよう」と考えることができますよ。

不安そうにしていたり、回答のペースを崩してしまうと、さらに面接官を苛立たせてしまい、悪循環が発生する可能性があります。ゆったり構え、「伝えたいことを伝える」という意識で淡々と回答するようにしましょう。

対処法②質問の意図に沿った回答をしていたか確認する

威圧的な態度を取られた場合も、質問の意図に沿った回答をしていたかを確認することも大切です。「恐れ入りますが、ご質問の意図に合っておりましたでしょうか」などと確認しましょう。

そこで指摘があるようであれば受け入れて、回答を見直してくださいね。

特に指摘がなければ意図的に高圧的な態度を取っている可能性が高いため、いつも通り回答するように心掛けましょう。

アドバイザーコメント

萎縮させる態度は普段のその人の姿だと考えよう

萎縮させる態度を取る面接官は、その多くは無意識にやっている可能性があります。

もし萎縮させる態度をとられた場合は、その面接官をよく観察しましょう。この会社にはこういう人がいるんだな、こういった行為が普通におこなわれているんだな、と人物観察をすることです。決して怖がって萎縮する必要はありません。

面接は会社と学生の両方にとって対等な場です。企業を選ぶ判断材料の1つとして、ゆったりと構えて観察するようにしましょう。

萎縮させてくる相手に丁寧な対応をする修行と考えることも効果的

ただ、萎縮させる態度の中には、無視したり怒鳴ったりなど、耐えきれないものもありますよね。

そのようなことをされ辛いときは、修行だと思ってしばらくの時間が過ぎ去るのを待ちましょう。面接は時間が来れば終了します。

それまでは、自分の力を絞り出して、丁寧な対応をする修行の場だと心掛けましょう。

圧迫面接で悔しい思いをした人はこちらのQ&Aを参考にしてみてください。キャリアコンサルタントが対処法を回答しています。

これだけは避けよう! 圧迫面接の3つの注意点

圧迫面接の3つの注意点

  • 感情的に対応しない
  • 萎縮して無言にならない
  • 無理をして回答しようとしない

圧迫面接には、ついやってしまいがちな注意点があります。

圧迫面接を受けると、自分を否定されたような悲しい気持ちになったり、面接官に反抗したい気持ちを抱いたりと、感情を揺さぶられる人が多いです。それをあらわにしてしまい、結果面接に失敗してしまうケースがあります。

具体的なケースや対策を解説するので、チェックしておき、圧迫面接でも実力を発揮できるようにしましょう。

①感情的に対応しない

圧力をかけられると泣いてしまったり、反抗的な発言をしたり、面接中に部屋を出てしまうといった学生がいます。そのような感情的な態度をとると、ストレス耐性がないといったマイナスな印象を残してしまう可能性が高いです

特に顧客と対峙する営業職などでは、顧客の威圧的な態度に対応して感情的に対応してしまうとトラブルになってしまいます。そのような懸念のある人材を採用したいとは思えないですよね。

面接官のスキルが不足している、もしくは忍耐力を試されているのだと考えて、感情を抑えて落ち着いて対応するようにしましょう。

つい泣いてしまった場合挽回する方法はありますか?

鈴木 洵市

プロフィール

泣いてしまってもその後冷静に対応できれば挽回も可能

万が一泣いてしまった場合でも挽回することはできます。

特に圧迫面接自体を面接官が意識的におこなっている場合は、あなたが次にどのような対応をするかを観察する視点で見ていることから、あなたが冷静になってから改めて自分の準備してきたことを伝えれば良いです。

その場合は、落ち着きを取り戻すため、泣いてしまった時に、「少し時間をいただけないでしょうか」というように冷静さを取り戻す時間を確保するようにしてください。

②萎縮して無言にならない

回答する意欲を失ったり、頭が真っ白になり無言になってしまう学生もいます。仮に無言になってしまうと、考えているのか無視しているのかがわかりません。そこで面接官を刺激し、さらに高圧的な態度を取られてしまう可能性があります。

どうしても言葉を発しにくければ、「考えを整理したいため少しお時間をいただいてもよろしいでしょうか」と伝えておくようにしましょう

③無理をして回答しようとしない

できるだけいつも通り回答しようとしても、どうしても萎縮し、思うように言葉が出てこないこともあるでしょう。面接という不慣れな環境では、誰しも緊張しています。そのうえで圧力をかけられることとなるので、萎縮しないことを意識するのはかなり難しいです。

普段通り回答することが難しそうな場合は、無理をして回答することは控え、考える時間をもらってから落ち着くまで待ちましょう

精神的に回復する状態まで待ち、頭の中で回答を整理してから言葉を発するようにしてくださいね。

アドバイザーコメント

圧迫面接と決めつけるのではなく自分自身を見直すことも大切

学生が、自分の習得してきた技術を自信を持って説明したところ、面接官にとっては「たいした内容ではない」と感じられることがあります。

その際、学生にとっては自信のあるエピソードに対し、面接官から思うような反応を得られない可能性があります。

そこで学生が「馬鹿にされた」「見下された」といった感情を持ち、圧迫面接だと捉える場合があるのです。

このような場合、そもそも圧迫面接とは言えない普通の応答である可能性があります。そこで、不機嫌な反応をしてしまうという失敗例が多いのですが、そうではなく自分自身の至らなさや不勉強を認めて素直な対応を心掛けることが賢明です。

感情的に対応することは避けよう

また、面接官の意見と対立することで、意見が交錯し大激論大会になってしまうこともあります。本来の面接の目的を見失い、進行をコントロールできなくなってしまった例です。両者が熱くなりすぎるとこのようなことが生じます。

また、深い質問のあげく自分自身の深層心理を突かれてしまい、それを面接官が受け止めてくれて、就活相談が始まってしまうということもあります。そのような場合は採用になる可能性は低くなってしまいます。

もし圧迫面接で精神的なストレスを抱えたら?

ここまで圧迫面接を切り抜ける対応方法を解説しましたが、どうしても辛い、きついと感じた場合は無理をする必要はありません。人によって抱えられるストレスの度量は異なります。そのため、全員が圧迫面接を無理に耐える必要はないのです。

精神的なストレスを抱えたら無理をせず地域のハローワークや大学のキャリアセンターに相談しましょう。

アドバイザーコメント

ひどい圧迫面接に耐えられない場合は無理せず退室しよう

企業側が圧迫面接を意図的に行う場合、理由として考えられることは、学生のストレス耐性を測ることだと思われます。

企業側は決して学生のことを責めているわけでも意地悪でやっているわけではなく、ちゃんとした理由があってやっているのだと割り切ってしまえばある程度その場のストレスは緩和されるのではないでしょうか。

ただし罵声を浴びせられたり、著しく人権を侵害されたと感じたのであれば無理にその場に留まる必要はありません。

圧迫面接をする企業には入社後も苦労することがある

学生の立場からすれば前もって入念に調べてその会社で働きたいと思っているからこそ面接に来ており、これくらい耐えねばと思って我慢してしまうかもしれません。

しかし仮にその場を乗り切り内定をもらえたとしても、そういった社風はその企業に根付いてしまっていて入社後も嫌な思いをしてしまう可能性は高いと思われます。

ただでさえ緊張している場面でなかなか判断するのは難しいかもしれませんが自身の将来の幸せを第一に考え、今回は縁がなかったと割り切りできるだけ早くその場を離れる勇気も必要だと思います。

つらい思いをしたとき以外にも、就活の相談ができる人やサービスは多くあります。14個の相談先や相談方法について、こちらの記事で解説しているので、併せてチェックしてくださいね。

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選考の辞退を伝えても良い

圧迫面接でストレスを感じたら、選考の辞退を伝えても問題ありません。圧迫面接に耐えられなければ、入社後も社風や仕事内容などでミスマッチを起こす可能性は高いです。そのため、無理せず選考を辞退することも大切です。

たとえ内定を持っていなかったとしても焦る必要はありません。長期的な目線で「自分が幸せになるかどうか」を考えて判断してくださいね。

木村 千恵子

プロフィール

実際に面接で圧迫されて精神的に辛い思いをした場合は、いったん冷静になる時間を取ったうえで、その後の選考プロセスを乗り切る自信を持てないときは、辞退することも前向きな選択の一つですよ。

ただ、選考の辞退は「面接後に伝えること」がマナーとされています。そのため、面接中に辞退を伝えると、さらに強い口調で責められたりする可能性があります。面接が終わるまでは辛抱し、終わってからメールや電話などで辞退する旨を伝えるようにしましょう

面接中にどうしても耐えられないと感じたら、途中で選考辞退を伝えたり退出したりしても良いのでしょうか?

上原 正光

プロフィール

どうしても辛ければ途中で辞退し相談しよう

面接とは、会社が学生を理解し、学生が会社を理解する場です。面接でおこなわれていることは、入社してからも普通におこなわれていることでしょう。

入社後も、このような態度の顧客や、社内の人たちに、毎日対応する必要があると考えましょう。

そのような状況で働きたくないと思えば、選考を辞退した方が良いです。面接中にどうしても耐えきれないような対応をされた場合は面接を辞退し、その場を終結させましょう。

また、その日のうちに大学のキャリアセンターに報告相談をしてください。電話で即刻連絡することです。面接をおこなう者に対しては、人権に対して最大の配慮をする義務があります。

さまざまなハラスメントは大きな問題です。キャリアセンターに相談のうえ、公的な機関に相談することもできます。無理をする必要はありません。

選考後に1人で抱え込まずに周囲に相談する

圧迫面接では、学生を責めるような口調で攻撃することがあります。そのため、学生は自責の念に駆られてしまうことが多いです。

面接官が正しい内容を言っているからこそ、傷ついてしまうということもあるでしょう。しかし、社会経験の違いから、学生が間違ってしまうことがあるのは当たり前なのです

ただ、1人で抱えているとどうしても自信をなくし、その後の面接に影響が出る可能性があります。そうならないように、あったことを周囲に相談してみましょう。

永島 篤史

プロフィール

相談窓口として各都道府県のハローワークに新卒応援ハローワークというものが設置されています。大学卒業見込みの人から、卒業後おおむね3年以内の人であれば利用できます。

無料で専門の相談員に個別で相談できますので是非活用してみてください。初回は予約不要ですよ。

圧迫面接を受けて就活がつらいと感じたら、こちらの記事を参考にしてくださいね。辛さを軽減させることができます。

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予防法と対処法を理解して圧迫面接を切り抜け内定を得よう

このように、圧迫面接は予防、もしくはその場で対処する方法があり、それらをおこなうことで切り抜けることができます。

面接というのは相互のコミュニケーションの場です。しかし、圧迫面接ではどうしても、圧力をかけている企業の方が、立場が上にいるように感じられてしまいます。そこで萎縮し実力を発揮できない学生が多いです。

まずは対等の立場になるよう、予防法と対処法を駆使してコミュニケーションすると、切り抜けることができます。そこで最大限に魅力をアピールし選考を突破しましょう。

アドバイザーコメント

イメージトレーニングをして耐性を養って臨もう

圧迫面接は今後減っていく傾向にはありますが、完全に避けては通れないため、就活生の皆さんには、個別に対策を講じて心に余裕を持って面接に臨んでほしいと思います。

本記事で解説してきたように、圧迫面接といってもいろいろなケースがあり、また面接官との相性が悪ければ圧迫感を感じるかもしれません。

面接官の態度や言葉に対して過剰に反応しないよう、イメージトレーニングをすることである程度の耐性を養うことも可能です。

自分に「大丈夫」と言い聞かせられるよう周到に準備しよう

また、面接官の圧迫感のある質問に対しても、事前にある程度予測して回答のパターンを用意しておくことも可能です。

圧迫面接に対して自分なりの準備をしておくことで、「しっかり準備したから大丈夫」と自分に言い聞かせて勇気づけることもできます。

もし圧迫面接に遭遇してしまっても、慌てずに笑顔とポジティブな対応をすれば、冷静に対処することができますよ。

自分がこれまで準備してきたことに自信を持って、圧迫面接もしっかり乗り越えて今後の就職活動を納得のいく形で進めてほしいと思います。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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