ブライダル業界の実態に迫る! 仕事の内容や7つのトピックを解説

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この記事にコメントしたアドバイザー

  • 木村 千恵子

    Koyori キャリアワールド代表 保有資格:国家資格キャリアコンサルタント(登録番号16050754)/キャリア・デベロップメント・アドバイザー SNS:X(旧Twitter)/Facebook

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  • 加藤 賀子

    ウーマンパワー・プロジェクト代表 保有資格:国家資格キャリアコンサルタント(登録番号17022743)/訓練対応キャリアコンサルタント(修了者番号2013033496)/産業カウンセラー(登録番号22003867)/両立支援コーディネーター(登録番号00210826357)/第二種衛生管理者(免許証番号60004127162) SNS:Instagram/Facebook/アメーバブログ    

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  • 杉原 美佐子

    RECURRENT SERVICE代表 保有資格:キャリアコンサルタント(登録番号16156074) / 2級キャリアコンサルティング技能士(登録番号18S17401339)

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就職先として、ブライダル業界を検討している学生は少なくないはず。とはいえ、日常生活であまりかかわらない業界なので、どういう業界なのか、就職したらどういう仕事をするのか、明確なイメージが持ちづらいのではないでしょうか。

先入観やイメージだけで判断せず、業界の実態をしっかりと勉強して理解しましょう。業界理解を深めることで、ブライダル業界が本当に自分に合っているのかがわかり、さらに選考でのアピールにもつなげられます。

この記事では、キャリアアドバイザーの木村さん、加藤さん、杉原さんのアドバイスを交えつつ、ブライダル業界の実態を徹底解説します。ブライダル業界を志望している人、ブライダル業界に興味がある人は、ぜひ記事の最後までチェックしてくださいね。

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魅力的な仕事だからこそ! ブライダル業界をビジネスとして分析しよう

ブライダルの仕事は、結婚式という顧客の一生の思い出に残る大切なイベントに携わります。結婚式ほど顧客にとって幸せを感じられる機会はそうなく、そんな幸せな空間に立ち会える魅力的でやりがいのある仕事といえます。

一方、ブライダル業界に就職するのであれば、業界を冷静に分析する視点も重要です。事業がどのような仕組みで成立しているのか、業界の中でどのような変化が起こっているのか、さまざまな角度から業界への理解を深めることで、就職後のギャップを少なくできます。

記事ではまず、ブライダル業界の構造、仕事の種類とそれぞれの魅力や大変さについて解説。結婚式について押さえておくべき基礎知識も説明します。

そして、業界のトピック7選を解説。ブライダル業界を志望している人の中には、特に業界の将来性が気になる人が多いでしょう。複数の重大トピックから、業界のこれからを予想します。

記事の最後では、ブライダル業界の選考を勝ち抜くコツを伝授します。ブライダル業界への理解を深めて、ぜひ就活に活かしてくださいね。

ブライダル業界はコロナ禍で大変だったと思いますが、今現在はどうなっているのでしょうか?

加藤 賀子

プロフィール

披露宴や挙式を挙げるカップルが増え業績は回復傾向

ブライダル業界にとって新型コロナウイルス感染症の影響は大きく、挙式や披露宴のキャンセルが増加し、ここ数年は大変な状況でした。しかし現在は落ち着き、婚姻数も増え、披露宴や挙式数も回復している状態です。

「親近者に対して感謝を披露する場がほしい」「人生の大事なライフイベントでもある挙式・披露宴をおこないたい」というカップルはコロナ禍を経ても多く存在しているといえるでしょう。

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まずは大枠を捉えよう! ブライダル業界の構造

ブライダル業界の構造

ブライダル業界といえば、結婚式に直接携わる仕事をイメージしやすいですが、結婚式場の紹介や海外挙式の手配をおこなう会社も含まれます。

ここではブライダル業界の各社が、どのような商品やサービスを創造して、どのような流れで顧客に価値を提供しているのかを見ていきましょう。

メディア・式場紹介

結婚式をしようとしている人たちにとって、数ある式場の中から予算や雰囲気が合う式場を見つけるのは簡単ではありません。そこで、さまざまな結婚式場の情報をわかりやすくまとめた結婚情報誌や結婚情報サイトといった媒体を運営する企業が存在します。

また、希望の予算やスタイルを直接ヒアリングし、その内容をもとに式場やプランに関する提案をおこなう相談カウンターもあります。

これらの媒体やカウンターを運営する企業は、結婚式場が集客をアップさせるために、自社サービスを用いた広告を提案し、契約が成立すると式場に掲載料を払ってもらい、情報誌やサイトに掲載します

結婚式場の紹介にかかわる媒体・企業

木村 千恵子

プロフィール

結婚情報誌や相談カウンターは、結婚イベントのナビゲーターといえる存在です。

結婚は誰にとっても人生における一大イベントで、大きな費用をかけておこなうため、予算と理想のバランスをとるために業界知識を持ったナビゲーターが必要なのです。

手配

「海外で結婚式を挙げたい」という需要も一定数ありますが、海外挙式となると、実際に式場を回ったり、現地のスタッフと打ち合わせることが難しいため、手配会社を間に挟んでおこなうのが一般的です。

手配会社では、海外挙式のプランを複数用意していて、顧客の希望をヒアリングしながら適したプランを提案します。そして、現地の会社に代わって販売までおこない、手数料を受け取ります。

海外に限らず、沖縄や京都などの国内のリゾート地で式を挙げたい場合も、手配会社を介することがあります。また、手配会社では、ハネムーンと結婚式とのセットプランも販売しています。

加藤 賀子

プロフィール

日本国内のみならず、海外情報も含めた結婚式を顧客に提案できることは手配会社のやりがいでしょう。一方、現地の進捗状況などを直接見ながら進めることができないため、現場担当者との連携が大変な部分です。

海外挙式の手配事業は主に、旅行会社がおこなっています。旅行会社の仕事内容や就職する方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
旅行業界の全貌が丸わかり! 課題・動向・選考対策のコツまで解説

旅行会社の志望動機の書き方については以下の記事を参考にしてください。
旅行会社に刺さる志望動機の書き方|大手志望者も必見の秘策を解説

結婚式場

結婚式場とは、披露宴や挙式をおこなう施設のことを指し、具体的には、ホテル・専門式場・ゲストハウスなどが挙げられます。結婚式をおこないたいカップルは、自分たちの好みや予算に合う式場を選び、式場のスタッフと結婚式の内容について打ち合わせをします。

結婚式をおこなうには、ドレスやタキシードといった婚礼衣裳、会場を装飾するためのお花が欠かせません。婚礼衣裳については自社ブランドを展開している式場もありますが、外部の花屋やドレスサロンと提携しているケースがほとんどです。

結婚式場の関連事業

  • 婚礼衣裳(ドレス・タキシード)
  • フラワー(ブーケ・会場の装花)
  • 美容(ヘアメイク・エステ)
  • 結婚式関連アイテム(引き出物・テーブルクロス)
  • 飲食(料理・ウェディングケーキ)

結婚式場でおこなわれるサービスの内容については、この後詳細に解説します。

プロデュース会社

結婚式場を自社で持たず、提携する会場を借りる形で結婚式の企画・運営をおこなう会社もあります。こういった会社をプロデュース会社といい、どんな式場が自分たちに合うのかわからなかったり、式場選びの相談から結婚式当日の運営まで一貫したサポートを受けたい人たちを顧客として獲得しています

プロデュース会社は自社で会場を持たないため、新郎新婦に対して幅広い式場の選択肢からプランの提案が可能です。要望に適した会場を紹介し、合意が取れれば、会場側と打ち合わせをしたり、スタッフや外部の業者の手配もおこないます。

結婚式場とプロデュース会社はどう違うのでしょうか?

杉原 美佐子

プロフィール

目的は同じでも仕事の段取りや求められるスキルが異なる

結婚式場は、式場がありウェディングプランナーをはじめとしてサービス・衣裳・シェフなど必要なスタッフがそろっています。挙式会場はイコール結婚式場と捉えてください。

一方、水族館や遊園地などで結婚式を挙げる場合は、プロデュース会社の出番です。プロデュース会社はこうした結婚式の企画運営をおこないます。その際、必要に応じてほかの会社に委託したり、協力会社に依頼したりします。

「結婚式を挙げる」という仕事の目的は同じでも、仕事の流れや必要なスキルは違います。

式場の場合は、自社で賄えるのでスタッフ同士のコミュニケーションはとりやすいのですが、プロデュース会社はさまざまな手配をしなければならないので、折衝能力が強く求められます。

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ブライダル業界に関する基礎知識

ブライダル業界に関する基礎知識

  • 結婚式の種類
  • 結婚式場の仕事の種類・魅力や大変さ
  • 結婚式の大手運営企業

結婚式場のアルバイト経験がある学生を除いて、結婚式がどのような段取りでおこなわれていて、運営のためにどんな種類の仕事があるのかなど、なかなか知る機会がありませんよね。そのため、ブライダル業界への理解を深めるなら、基礎からしっかりと押さえることが大切です。

基礎知識を身に付けておくことで、ブライダル企業の説明会やインターンに参加したときの理解度がぐっと高まりますよ。

ブライダル業界を志望していますが、結婚式に参加したことがないと不利になるでしょうか?

木村 千恵子

プロフィール

不利になるとは限らない! 関連業界のアルバイトやインターン経験も役に立つ

結婚式への参加経験がなくても、業界研究や企業研究はできます。また、ブライダル業界に関係するさまざまな業者でのアルバイトやインターン経験も役に立つでしょう。

たとえば、ケータリング、生花、造花、フォーマル服、美容、ギフト、旅行など、結婚式に関係する業者は多くあります。

ブライダルにかかわるサービス業種について幅広く理解しておくことは、この業界での活躍を目指すうえで非常に意味のあることになるでしょう。

結婚式の種類

結婚式は、挙式と披露宴から成り立ちます。

挙式披露宴
結婚を誓いあう儀式自分たちが結婚したことを大切な人やお世話になった人にお披露目する宴
結婚式の種類

挙式の後に披露宴をおこなう流れが一般的ですが、挙式のみもしくは披露宴のみの結婚式のスタイルも珍しくありません。さらに会場や挙式のスタイルによっても、まったく違った雰囲気の結婚式になります。

企業ごとに得意としているスタイルがあるため、結婚式場やプロデュース会社で働きたい人は、「どのスタイルの結婚式を顧客に提案したいか」「どんな雰囲気の結婚式の運営に携わりたいのか」を明確にすると、企業選びの軸が定まりますよ

式場の種類

結婚式場には、以下のようなスタイルがあります。それぞれ詳しく見てみましょう。

専門式場

結婚式に特化した施設。衣裳やフラワー、引出物などを扱う提携先が豊富で、ゲスト向けの設備も充実している傾向があります。チャペルや披露宴会場が複数あるため、1日に複数の結婚式がおこなわれます。

ホテル

宿泊・披露宴会場・レストランなどの複合施設。ホテルスタッフによる質の高いサービスが特徴で、格式高い結婚式を挙げたい人たちから選ばれやすいといえます。

ゲストハウス

結婚式のために建てられた一軒家。お城のような外観や、ヨーロッパの邸宅風なデザインなどゲストハウスごとのコンセプトがあり、非日常感を味わいつつ、アットホームで、比較的自由度の高い結婚式がおこなえます。

レストラン

食事の提供が本業のレストランを貸し切って披露宴をおこなうスタイルもあり、専門式場やホテル、ゲストハウスよりも費用を抑えられます。費用を抑えたい人だけでなく、料理にこだわりたい人やアットホームな雰囲気を重視するカップルからも人気のスタイルです。

式場の主な種類を挙げましたが、結婚式を挙げられる場所は上記の4つに限りません。たとえば、キャンプ場やテーマパーク、古民家、自宅など、自分たちの好きな場所や思い出の場所で結婚式をしたいという人もいます。このような希望を実現させるプロデュース会社も増えてきています。

挙式の種類

挙式には、大きく分けて教会式、人前式、神前式、仏前式の4種類があります。

教会式人前式神前式仏前式
会場教会チャペルホールチャペル神社神殿寺院
進行役カトリック:神父
プロテスタント:牧師
司会者神官僧侶
誓う相手神様(キリスト)参列者神様仏様ご先祖様
衣裳洋装洋装和装和装
挙式の種類

専門式場やホテルは、チャペルが併設されていて、教会式をおこなえるようになっているケースが多くあります。ゼクシィ結婚トレンド調査 2022によると、実施された挙式の中では教会式がもっとも多く、全体の49.2%でした。

一方、数年前から和婚のブームが続いていて、神殿のあるホテルや結婚式場が増えています。アットホームな挙式をしたい人たちからは、宗教的・儀礼的な決まりがない人前式が人気です。

杉原 美佐子

プロフィール

結婚式は古くから重要な儀式とされ、しきたりやそこに込められた意味があります。形だけまねするのではなく、本来の意味を踏まえたうえで、本人たちの希望を最大限に叶えてあげるのがプロの仕事でしょう。

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結婚式場の仕事の種類・魅力や大変さ

結婚式の本番までの流れと各工程に携わる仕事

結婚式がおこなわれるにはさまざまな準備が必要で、当日も多くのスタッフがそれぞれの役割をこなします。ブライダル業界への就職を目指すのであれば、結婚式に携わる仕事の種類や、それぞれが担う役割を理解する必要があります。

また、ここでは各仕事の魅力や大変さも解説するので、就きたい職種が決まっていない人は自分がどの仕事に向いていそうか見極める判断材料にしてくださいね。

ウェディングプランナー

結婚式場やプロデュース会社に正社員として就職した場合、ウェディングプランナーとしてキャリアをスタートするケースが多くあります。ウェディングプランナーの仕事は、「一貫制」と「分業制」があり、就職した企業がどちらを採用しているかによって、業務内容が大きく異なります。

ウェディングプランナーには主に、新規顧客への営業、式の内容を決める打ち合わせ、当日の統括の3つの仕事が任されますが、担当した顧客にかかわる全業務を一人のプランナーが担う制度が一貫性、それぞれの業務をプランナーが分担する制度が分業制です

ウェディングプランナーの仕事内容

  • 新規顧客への営業業務
    会場見学やブライダルフェアに訪れた新規顧客に自社のプランを提案する
  • 式の内容を決める打ち合わせ
    会場の装飾や演出について、新郎新婦の希望をヒアリングしながら決める。スケジュールの調整や必要なスタッフ・外部の業者の手配もおこなう
  • 当日の統括
    計画通りに式が進められるように、全体に気を配りながら式の運営を統括する

ウェディングプランナーの仕事の魅力

・約半年~1年という長期間をかけて新郎新婦と信頼関係を築ける
・結婚式が無事成功したときには直接感謝の言葉をもらえる
・営業活動を通してコミュニケーション力を高められる
・新郎新婦の要望に応じてオリジナルの演出を考えて提案することもあり、クリエイティブな仕事ができる
・ほかの業界よりも女性の管理職の割合が高い

ウェディングプランナーの仕事の大変さ

・日中は打ち合わせに追われ手配業務などのデスクワークを夜におこなうしかなく、長時間労働になりやすい
・結婚式の費用が高額なため、些細なミスが大きなトラブルになりやすく、常に緊張感を持って準備を進めなければならない
・顧客からのクレームの窓口となって対応しなければならない
・成約数や客単価の目標が設定されているケースが多く、プレッシャーに感じることもある

ウェディングプランナーは激務と聞きますが本当ですか?

加藤 賀子

プロフィール

労働環境はかなり改善されつつある

一昔前は、プライベートは後回しで業務中心で働くという職場が多く存在しましたが、最近は顧客により良いサービスを提供するためにも、従業員のワークライフバランスを大切にする企業が増えていると感じます。

ただ、一貫制の場合はおこなう業務が多岐であったり、繁忙期の場合は業務が多忙になることも起こりやすいでしょう。

以下のQ&Aでは、ウェディングプランナーのやりがいについてキャリアコンサルタントが解説しています。

ドレスコーディネーター

新郎新婦の衣裳選びをサポートし、当日の着付けを手伝う仕事です。働き方が大きく2つに分けられ、ホテルや専門式場に併設しているドレスサロンで、その会場で式を挙げる人たちを担当するケースと、ドレスショップに勤務して提携先の式場の顧客や直接店舗を訪れる顧客を担当するケースがあります。

新郎新婦の希望を聞き出すヒアリング力や、スタイル、雰囲気に似合う衣裳を提案するセンスの良さ、またトレンドを押さえておく情報収集力も必要とされます

ドレスコーディネーターの仕事の魅力

・新郎新婦にとって一生記憶に残るような大切な衣裳を一緒に選べる
・新郎新婦が一緒に選んだ衣裳を着て参列者の笑顔に囲まれる幸せな瞬間に立ち会える
・ドレスやアクセサリーに囲まれて働ける
・衣裳選びのサポートを通してヒアリング力を磨ける

ドレスコーディネーターの仕事の大変さ

・ドレスは一着でもかなり重く、美容室まで持ち運んだり、使用後クリーニングに出したりと、力作業が多い
・一人あたりにかかる試着時間がおよそ2~3時間と長時間で、その間試着のサポートやドレスの持ち運びとかなりの体力を消費する
・衣裳合わせは土日祝日を希望する顧客が多いため、その間は休みがとりにくい

新卒でもドレスコーディネーターになれる可能性はあるでしょうか?

杉原 美佐子

プロフィール

可能性はあるが狭き門であるために激戦になる

ドレスコーディネーターに憧れを抱き、希望する人は多いと予想されます。もちろん、新卒でもドレスコーディネーターになれる可能性は大いにあります。

ただし、採用数は若干名がほとんどなので狭き門です。また、衣裳店が多くないこと、式場の場合必ず配属されるとは限らないことを考えると、ドレスコーディネーターとして就職しようとするとかなりの激戦になるのは間違いないです。

この激戦を勝ち抜くには、専門知識があり即戦力として働けるとアピールすることが必要です。

ほかにも、ドレスを着るのはあくまでも花嫁なので、その花嫁のために働ける縁の下の力持ち的資質も必要ですね。一見華やかな職業に見えますが、実は裏方作業です。

ブライダルヘアメイクアーティスト

結婚式で新郎新婦のヘアアレンジやメイクアップを担当するプロフェッショナルです。国家資格である美容師免許が必要で、取得したうえで結婚式場に就職すれば専属スタッフとして働くことになります。

そのほか、美容院やヘアメイク事務所に在籍しているヘアメイクアーティストも、結婚式場や新郎新婦本人からの依頼を受けてブライダルヘアメイクを施すことがあります。

ブライダルヘアメイクアーティストは事前に新郎新婦から希望をヒアリングし、当日のヘアスタイルやメイクを決めます。会場の雰囲気やドレスのデザインに合うスタイルを提案するのも仕事です

そのまま本番を迎えるケースもありますが、リハーサルや前撮りをおこなう場合は当日と同じヘアメイクを施して、感想を聞きながら調整します。当日は、早朝から出勤してヘアメイクに取り掛かります。

ブライダルヘアメイクアーティストの仕事の魅力

・ヘアメイクにより新郎新婦をより輝かせることができる
・施したヘアメイクに満足してもらえた場合は直接感謝の言葉を言ってもらえる
・高度なヘアセットやメイクを施すため、美容師としてのスキルを高めやすい

ブライダルヘアメイクアーティストの仕事の大変さ

・結婚式当日はミスが許されずやり直しがきかないため、プレッシャーが大きい
・結婚式に合わせて早朝から出勤しなければならないことが多い
・結婚式は土日祝におこなわれることが多いため、基本的に平日しか休めない

式場によっても異なりますが、ヘアメイクアーティストがアテンダーを担当することもあります。

ブライダルフラワーコーディネーター

結婚式場と提携しているフラワーショップに勤めるか、結婚式場に就職してフラワー部門の配属になった場合、ブライダルフラワーコーディネーターとして結婚式の装花を担当します。

主に会場の装花やブーケの制作を担当し、新婦のヘア飾りをデザインすることも。最初にウエディングプランナーとの打ち合わせで式全体のコンセプトや雰囲気を把握し、新郎新婦との打ち合わせで具体的なデザインを決めていきます

結婚式当日は会場へ花々を運び込み、セッティングをおこないます。

ブライダルフラワーコーディネーターの仕事の魅力

・自分が手掛けたコーディネートによって一気に会場が華やかになるのを実感できる
・会場の装飾やブーケのデザインなど、クリエイティブな仕事ができる
・花に関する知識に加えて、空間デザインや色彩に関する知識も仕事を通して身に付けられる

ブライダルフラワーコーディネーターの仕事の大変さ

・式場によっては一日で複数の結婚式がおこなわれることも多く、その度にフラワーの搬入・設置・解体をしなければならず、相当の体力が必要
・花は繊細なため水やりの頻度や温度に気を配らなければならない
・注意していても、思うように開花しなかったり、しおれるてしまうケースも起こり得る

木村 千恵子

プロフィール

結婚式でのお花の飾りつけは、ブライダルシーンの雰囲気を大きく左右する重要な要素の一つです。

顧客の要望や会場の特徴を的確に捉え、会場のフラワーアレンジメントのデザイン全体をコーディネートするデザインセンスが問われるため、フラワーコーディネーターの役割は重要です。

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ブライダルアテンダー

ブライダルアテンダーは、介添人もしくはアテンドとも呼ばれます。結婚式当日、新郎新婦の一番近い位置に常に待機して、身の回りのケアやサポートをする仕事です。結婚式場にアテンダーとして就職するか、プランナーやヘアメイクアーティストになって兼任するケースもあります。

担当する結婚式の当日までにプランナーと式の流れや内容を確認し、当日はスケジュールに沿って進められるように新郎新婦を誘導します。具体的には、披露宴の中で席を立つタイミングを伝えたり、移動の際は新婦が歩きやすいようにドレスの裾を持つなどの対応があります。スムーズに式を進めるうえで欠かせない存在です。

ブライダルアテンダーの仕事の魅力

・新郎新婦にとって一生の思い出に残るような大切な瞬間に間近で立ち会える
・式が無事成功した後には、新郎新婦やゲストから直接感謝を伝えられる
・結婚式という格式が高い場面にふさわしいマナーや言葉遣いが身に付けられる

ブライダルアテンダーの仕事の大変さ

・新郎新婦にとっては初めての結婚式でわからないことだらけの中、どれだけスムーズに進められるかはアテンダーの腕にかかっている
・結婚式は新郎新婦にとって思い入れのあるイベントで、ミスのない完璧な仕事が求められるため、プレッシャーが大きい
・結婚式は土日祝におこなわれることが多いため、基本的に平日しか休めない

音響スタッフ

披露宴の中で各シーンごとに音楽を流したり、司会やスピーチのマイクの音量を調整するなど、結婚式の音響全般を管理します。特に披露宴では、常に音楽が流れていて、マイクを使用するシーンも多くあります。また、余興で楽器演奏や歌唱をする場合も、音量と音質の管理は音響スタッフの仕事です。

結婚式の音響は式場のスタッフが担当するケースもありますが、音響スタッフとしてのスキルを極めたいのであれば、式場と提携している音響会社に就職した方が理想のキャリアを叶えられる可能性が高いです。

音響スタッフの仕事の魅力

・音響によって結婚式の各シーンの雰囲気をコントロールできる
・新郎新婦や親族にとって一生の思い出になるような空間づくりに大きく貢献できる
・新郎新婦の好みによって扱う楽曲は異なるため、さまざまなジャンルの曲に触れられ、トレンドも押さえられる

音響スタッフの仕事の大変さ

・式中に流す音楽は新郎新婦がこだわって選ぶケースも多く、流す楽曲とタイミングを間違えるなどのミスはあってはならない
・曲の雰囲気だけでなく歌詞にも気を付けて選曲をしなければならない
・結婚式は土日祝におこなわれることが多いため、基本的に平日しか休めない

照明スタッフ

会場全体の照明を調整したり、新郎新婦が入場する際やケーキカット、スピーチの際のスポットライトを操作して、シーンに適した雰囲気を作り出します

また、結婚式の様子は写真や映像として残されますが、鮮明な記録を残すためにも照明スタッフが適切な照明を用意しておかなければなりません。

照明スタッフは音響スタッフと同様、結婚式場のスタッフが担当することがありますが、提携している照明会社のプロに任されることも多いです。照明スタッフとしてキャリアを積みたいのであれば、結婚式場と提携している照明会社への就職を目指すと良いでしょう。

照明スタッフの仕事の魅力

・照明によって結婚式の各シーンの雰囲気をコントロールできる
・新郎新婦や親族にとって一生の思い出になるような空間づくりに大きく貢献できる
・会場の装飾や新郎新婦の衣裳を照明によって美しく引き立たせられる

照明スタッフの仕事の大変さ

・スポットを当てるタイミングが少しでもズレるとミスが目立ちやすい
・会場によって照明の機材が異なるが、完璧に使いこなさなければならない
・結婚式は土日祝におこなわれることが多いため、基本的に平日しか休めない

バンケットスタッフ

料理や飲み物を適切なタイミングで運んだり、ドリンクの注文に応じたり空いたお皿を下げるなど、ゲストをもてなす仕事です。結婚式は新郎新婦にとってもゲストにとっても特別なイベントのため、一般の飲食店よりもより高いサービスや対応スキルが求められます。

バンケットスタッフとしてアルバイトを雇用する式場も多くありますが、一方で一流のホテルとなると、高いサービススキルを身に付けた専門職のスタッフがいます。プロフェッショナルを目指すのであれば、格式が高いホテルを中心にチェックすることをおすすめします。

バンケットスタッフの仕事の魅力

・結婚式という感動的で幸せな空間で仕事ができる
・ゲストから直接感謝される機会が多い
・ほかの接客業よりも高いサービススキルが身に付けられる

バンケットスタッフの仕事の大変さ

・式の終了時刻を厳守するためにも、一人ひとりがタイムスケジュール通りに動く必要がある
・式の最中クレームやトラブルが発生しても、式の雰囲気を壊さないように穏便に収めなければならない

アドバイザーコメント

ブライダル業界でのキャリアパスを描いてみよう

結婚式場に就職した場合のキャリアパスは、それぞれ異なります。

サービススタッフから始める会社もあれば、最初からウェディングプランナーとして仕事をする場合、一通り業務を経験したうえで配属先を決める場合など、実にさまざまです。

しかし、最終的には支配人という役職に就くのは、どの結婚式場でも同じです。

自分の望むキャリアが実現できる式場や職種を選ぶことが重要

どこの会社も配属については、本人の希望にできるだけ沿うようにしています。就職する前に自分はどのようなキャリアパスを描きたいのか事前に考えておく必要があり、それを実現できそうな会社を選びましょう。

自分のキャリアは自分で作る時代です。会社が用意してくれたキャリアパスではなく、将来設計をきちんと考え、自分自身のキャリアパスを選びましょう。

結婚式の大手運営企業

企業名創業年従業員数資本金特徴
テイクアンドギヴ・ニーズ1998年10月1,352名(単体)
1,605名(グループ全体)
1億円一軒家貸切のハウスウェディング事業からスタートし、業界最大手となる。プランナーが一顧客を一貫して担当する。
エスクリ2003年6月831名(グループ全体)5,000万円多様な施設スタイルで事業を拡大中。外部の業者への委託をなくし、自社でのワンストップサービス体制を目指す。
ベストブライダル2014年2月2,298名(グループ全体)1億円ツカダ・グローバルホールディングの傘下。迎賓館や邸宅風の専門式場を複数持つ。
ワタベウェディング1964年10月497名(単体)
1,714名(グループ全体)
1億円1970年代からハワイへ進出。リゾートウェディング実績No.1企業となる。国内71拠点・海外23拠点の幅広いネットワークが強み。
アニヴェルセル1986年6月357名(正社員数)1億円AOKIホールディングスのグループ会社。ゲストハウスウェディングを確立させ、全国で展開。プロポーズ事業、ジュエリー事業にも注力している。
ディアーズ・ブレイン2001年6月掲載なし5,000万円その土地の特性や文化、周辺環境を考慮して、地域から求められるゲストハウスを目指す。初めての来館から式当日まで一貫して一人のプロデューサーが担当する。
アイ・ケイ・ケイ2020年11月706名5,000万円九州地方を基盤として全国でゲストハウススタイルの結婚式場を展開。2017年にインドネシアに進出し、現地人向けの挙式・披露宴のサービスを提供している
ノバレーゼ2000年11月1,917名(パート・アルバイトを含む)1億円リゾート型、モダンな都市型ゲストハウス、歴史的に価値のある建造物の再生会場、滞在型のウエディングトラベルの4つのスタイルを全国で展開している。
アルカンシエル1983年6月183名(正社員)5,860万円「感謝を、式のまんなかに。」をコンセプトに、自然体でいられるナチュラルな雰囲気の会場運営を強みとしている。
東京會舘1922年11月掲載なし37億円2022年に100周年を迎えた。丸の内にある本館のほか、一ツ橋にも挙式がおこなえる式場があり、チャペルと神殿も設置されている。
結婚式の大手運営企業(2024年1月時点公式サイト掲載情報より)

ブライダル業界の「今」と「これから」がわかる! トピック7選

ブライダル業界に進むのであれば、今業界で何が起きているのかをしっかりと把握し、これから起こり得ることを予想しましょう。選考で自己PRや志望動機の題材にできたり、就職後に業務の中で活かせる可能性もあります。

ここで解説するトピック7選を押さえることで、今何が起こっているのかがわかり、業界の今後を予想する糧とできますよ。

①婚姻数の減少

婚姻数の変化

厚生労働省が発表している人口動態調査によると、ピーク時の2000年には79万8138件だった婚姻数は、2022年の調査では50万4930組と、大幅な減少傾向にあります。婚姻数の減少は、ブライダル業界にとっては顧客の減少につながる重大な問題です。

実際、2000年代に入ってから順調に成長を遂げてきたブライダル業界は、現在マーケットの縮小が顕著となっている状況です

ブライダル業界はいつがピークだったんですか?

木村 千恵子

プロフィール

ブライダル業界は2000年頃をピークに現在まで縮小傾向が続いている

ブライダル業界は婚姻数と直接的な相関関係にある業界であることから、2000年頃をピークと考えるのが自然でしょう。

少子高齢化が進むにつれて晩婚化も進み、結婚というイベントに対して人々の経済的な感覚の変化が生じてきました。

また、近年は新型コロナウイルス感染症を経験し、結婚というイベントに対する人々の価値観が変化しつつあります。これも、ブライダル市場の縮小傾向に影響を与えていると考えられます。

②「ナシ婚」層の増加

ウェディングイベント実施状況

ナシ婚とは

入籍したカップルが挙式や披露宴をおこなわないこと

リクルートブライダル総研による結婚総合意識調査2022によると、披露宴や食事会、写真撮影などもおこなわないナシ婚の割合は24.3%でした。コロナ禍と比べると減っているものの、結婚式の実施率が今後大きく増える見込みは低いといわれています。

従来は、入籍したら周囲への感謝を示す目的や結婚の儀式としての意味合いからも結婚式を挙げるのが当たり前だと考える人が多くいました。

しかし、現在は多様な価値観を受け入れる風潮へと変化しつつあるため、「注目を浴びるのが嫌だから結婚式をしたくない」「旅行や新婚生活の準備など2人の時間にお金を使いたい」などの考えから結婚式を挙げない選択がしやすくなっているのです

そのほか、「経済的な余裕がない」「授かり婚で準備の負担が大きい」など、不本意にナシ婚を選択する人もいます。

加藤 賀子

プロフィール

ナシ婚を選択した人たちの背景を理解したうえで、ブライダル業界として何ができるかを考え、視野を広げていくことが大切です。

③結婚式を挙げる目的の変化

披露宴・ウエディングパーティーを実施した理由

リクルートブライダル総研による結婚トレンド調査2023によると、披露宴・ウエディングパーティーを実施した理由では、例年親族や友人に感謝の気持ちを伝えたり喜ばせる目的が高い割合になっています。注目するべきは、唯一増加傾向が続いている「自分たちが楽しむため」です。

結婚式を通して得たこと

併せて結婚式を通して得たことについても見てみましょう。「自分自身やこれまでの人生が好きになったと思う」「結婚式を通して、列席者から二人が応援されていると感じた」がいずれも年々増加しています。

結婚式をおこなう新郎新婦の考えは、周囲の人たちを思うだけでなく自分たちの気持ちもより重視するようになりつつあります。このような意識の変化を察知しながら、プランの企画や提案につなげることが重要です。

④結婚式のカジュアル化

結婚式は披露宴と挙式から成り立つと解説しましたが、このどちらにも該当しない1.5次会というスタイルを選ぶカップルが増えています。1.5次会とは、披露宴ほどの格式はとらず二次会よりは改まったパーティーのことで、式場やレストランでおこなわれます。

「結婚式の費用をおさえたい」「形式的な披露宴はしたくない」といった人が増えているため、1.5次会が注目されていると考えられます。

このように従来とは異なるカジュアルなスタイルの結婚式をしたいという需要に、ブライダル業界は応えていくことになるでしょう

⑤フォトウエディングのブーム

フォトウエディングとは

結婚式や披露宴はおこなわず、ドレスや和装を着て写真撮影をすること。別撮りや前撮り、後撮りは結婚式を前提としているため異なる

「なるべく費用をかけずに思い出に残ることがしたい」「結婚式を挙げたいわけでないけどウェディングドレスは着てみたい」という人たちにとって、フォトウェディングは最適なスタイルです。結婚式を挙げるよりも安くてお手軽で、非日常感を味わいながらも二人らしい世界を表現して写真として残すことができます

「妊娠していて結婚式の準備は難しい」「再婚だからお披露目は控えたい」などの事情がある人にも適したスタイルです。

フォトウエディングはフォトスタジオや写真専門業者に依頼するケースが大半ですが、フォトウエディング専用のプランを用意する結婚式場も増えてきています。

⑥多様なセクシュアリティを前提とした方針へのシフト

従来は、結婚式は入籍した夫婦がおこなうものという認識があり、結婚式のプランもその認識を前提として企画されていました。日本では依然として同性結婚は法律的に認められていませんが、ブライダル業界では多くの企業が多様なセクシュアリティを前提とした方針へとシフトしています

具体的には、各社で定期的にLGBT研修がおこなわれていたり、式場検索サイトでLGBTウェルカムな式場が一覧で見れたり、LGBTならではのプランを用意している式場もあります。

同性カップルの中には法的な結婚が認められていないからこそ、結婚式という特別なイベントを大事に思う人たちも多くいます。ブライダル業界で働く人たちは、そのような想いに寄り添い、二人にとっての最高の結婚式を一緒に追究していきます。

杉原 美佐子

プロフィール

相手がどんな背景を持つ人たちであっても、「この人に大事な結婚式を任せたい」といった信頼を得るには、「きちんと感」が重要であることは変わりません。

ビジネスマナーは相手を不快にさせないためのもので、特に言葉遣いはぜひ身に付けてほしいです。尊敬語・謙譲語・丁寧語が使いこなせるようになりましょう。

⑦ユニークな結婚式プランの誕生

1.5次会やフォトウエディングなど、従来はなかった結婚式のスタイルを紹介してきましたが、「結婚式はカップルでおこなうもの」という概念も覆す新しいプランが誕生しています

その一つがソロウエディングです。ウェディングドレスや和装姿による写真撮影が目的で、一人で撮影するか、相手役のモデルさんに一緒に写ってもらうプランもあります。

また、「推し」との撮影を可能にしているソロウエディングのオプションもあります。ここでいう「推し」とは、特別に好きなアニメや漫画、ゲームのキャラクターのことです。推しのぬいぐるみやパネルなどのグッズを持ち込んで、自分の晴れ姿と一緒に撮影するプランがあるのです。

このように、多様なニーズに合わせたユニークなプランが続々と誕生しています。

キャリアコンサルタントが解説! ブライダル業界の将来

ここまでブライダル業界の構造やトピックを解説してきましたが、「結局これから業界がどうなるのかわからない」という人が多いでしょう。そこでここでは、キャリアコンサルタントの加藤さんから、ブライダル業界の将来について見解を述べてもらいます。

ブライダル業界のこれからを推測するために、ぜひ参考にしてくださいね。

アドバイザーコメント

ブライダル業界の今後の取り組みが社会課題を解決へと導く可能性が高い

社会的な視点からしても婚姻数の減少は重大な問題で、ブライダル業界にとっては顧客を失うという意味でさらに重大な課題といえます。

よって、ブライダル業界が率先して「結婚に対する前向きな意識を促す取り組み」をおこなうことが重要だと感じます。

日本の社会課題の一つに少子化もあります。ブライダル業界の取り組みが、強いては少子化という社会課題を解決する糸口にもなり、業界の業績や成長にもつながる施策となるでしょう。

鍵は多様な人々が生きやすい世の中を業界としてどう描くか

変化はすでに起きてきていると考えますが、各個人の価値観に応じたサービスを提供していくことが主になっていくと考えます。

たとえば、同性カップルの中にも子どもを育てたい人たちがいます。同性カップルが子供を育てられるように後押しするサービスなども、今後業界として出てくるかも知れません。

現在のサービスの仕方に捉われず、その時々の世情に合わせて柔軟に変化していくべき業界だと感じます。

ブライダル業界で働くには? 選考突破の秘訣

ブライダル業界で働くには? 選考突破の秘訣

  • 自己PR:ブライダルの仕事に活かせる強みをアピールする
  • 志望動機:ほかのサービスではなくブライダルを選ぶ理由を明確にする
  • 身だしなみ:企業が求めている「見た目」を汲み取る

ブライダル業界は決して門が狭いわけではありませんが、しっかりと業界理解を深めたうえで効果的なアピールができなければ就活は難航してしまうでしょう。業界大手や人気の式場への就職を目指すならなおさらです。

そのため、ここでは選考を突破する秘訣について解説します。ブライダル業界の選考で特に重点的に取り組んでほしいのが、自己PR、志望動機、身だしなみの3つの要素です。それぞれどのように気を付ければ良いのかを解説するので、しっかりと押さえてくださいね。

木村 千恵子

プロフィール

ブライダル業界は元々人気の業界で、毎年倍率は高く難易度も高めの傾向です。また、コロナ禍の影響で新卒の募集人数を減らす企業もあるため、さらに倍率が上がる傾向も見られます。

ブライダル業界を志望する学生は、しっかりと対策をおこないましょう。

自己PR:ブライダルの仕事に活かせる強みをアピールする

この記事でもブライダル業界の仕事内容について紹介してきましたが、仕事内容がイメージできればどのようなスキルや特性が活かせるのかイメージできるはずです。

たとえば、プランナーの場合は新規顧客への提案業務もおこなうため、提案力やプレゼン力が活かせます。また、顧客の不安や懸念を察知して適宜フォローするなどの気遣いができる人材は活躍できる可能性が高いと考えられます。

そのほか、ブライダル業界において活かしやすい強みとして以下が挙げられます。

ブライダルの仕事に活かしやすい強み

  • コミュニケーション力
  • 臨機応変な対応力
  • チームワーク力
  • 縁の下の力持ち

仕事に活かせる強みをアピールすることで、企業にとってあなたを採用するメリットが明確になり、選考突破に近づきます

加藤 賀子

プロフィール

自己PRには、業界で活かせる趣味や特技を絡ませて書くと周りと差を付けるのに有効です。

たとえば、バンケットスタッフ希望でヌン活が趣味であれば、「ホテルやカフェでアフタヌーンティーを楽しみながら、ユーザーが喜ぶサービスを学びました。学んだことを活かして、お客様の大切な日が参列者と共に最高の日になるように努めます」というような自己アピールができます。

ブライダルの仕事で活かせる強みとして紹介したものをテーマに自己PRを作成したい場合、以下の記事で注意点やコツ、例文を紹介しているのでぜひチェックしてください。

コミュニケーション力
例文12選|コミュニケーション能力の自己PRを3ステップで解説

臨機応変な対応力
例文8選|「臨機応変に対応する力」の自己PRを作る4ステップ

チームワーク力
例文8選|自己PRでチームワーク力の高さを効果的に伝える方法

縁の下の力持ち
縁の下の力持ちとは? 魅力が伝わる自己PRのコツと例文15選

志望動機:ほかのサービスではなくブライダルを選ぶ理由を明確にする

「人を笑顔にする仕事がしたいから」「直接感謝される点に魅力を感じたから」などほかのサービス業にもいえる内容では、熱意が伝わりません。ブライダルの仕事でなければならない理由を明確にしたうえで志望動機に盛り込みましょう。

ほかのサービス業と比較したうえでのブライダル業界ならではの特徴は、たとえば一組の顧客と接する期間が長いことや多くのスタッフとのチームワークが必要とされる点などが挙げられます。

このように、ほかの業界と比較してブライダル業界の特徴を整理し、自分がどこに魅力を感じているのか分析しましょう。ブライダルの仕事は一定のストレス耐性が求められる決して楽ではない仕事で、乗り越えるには強い意志が必要です。

志望動機がほかのサービス業にもいえるような内容だった場合、壁にぶつかったときに乗り越えられるほどの意志が感じられず、すぐにほかのサービス業へ乗り換えてしまうと懸念されかねません。ブライダルを選ぶ理由を明確にして、説得力のある志望動機にしましょう。

杉原 美佐子

プロフィール

志望動機には、ブライダル業界を発展させようとする熱意が必要です。生涯未婚率の上昇や少子化の進行は、業界を苦境に立たせています。

こうした社会問題からアプローチしたり、ペットの結婚式を考えたり、どのように発展させたいのかを語ると良いですね。

ブライダル業界の志望動機の書き方は以下の記事を参考にしてみてください。
例文8選|ブライダル業界の選考を制す志望動機を作成する方法

ブライダル業界ならではの特徴を見つけるために、こちらの記事の各業界に関する解説を参考にして、ブライダル業界と比較してみましょう。
業界とは?業種・職種・業態との違いを図で解説!

志望動機のコツについて知りたい人や例文を参考にしたい人には、こちらの記事がおすすめです。
面接の志望動機の答え方を10例文で解説! 書類と同じ対策はNG

身だしなみ:企業が求めている「見た目」を汲み取る

身だしなみに関する方針は企業によってさまざまですが、ブライダル業界では、統一感を求められる可能性が高いことは留意しておきましょう。スタッフに制服を支給している式場やプロデュース会社が多くありますが、これは社員の服装をフォーマルな衣裳で統一することで式場としての格式の高さを演出するためです。

式場によっては高級感のある雰囲気づくりを重視しているところも多くあります。制服を着ていても、スタッフの一人が髪型が乱れていたり着崩したりしていれば、雰囲気が崩れてしまいます。

そのため、選考の時点から身だしなみには一層注意を払うことをおすすめします。社風や社員の身だしなみをチェックして、どのような見た目にすれば式場がつくりたい雰囲気に合うのかを汲み取って取り入れるようにしましょう

ブライダル業界の選考で服装自由と書いてありました。どのような格好で行くのが正解でしょうか。

加藤 賀子

プロフィール

自分が就きたい仕事にはどんな服装が適切かを考えよう

その人の「人となり」を知るうえでも、あえて選考の服装を自由にしている企業は増えてきました。

自分を演出する私服で挑み個性を出すのも良いですが、ここは「自分がその会社で受けたい職務に就き、お客様をもてなす」と考えたときに、着用するであろう服装・髪型・メイク・装飾品を意識した格好で行くのが良いでしょう。

以下のQ&Aでは、就活生が知っておくと役立つ身だしなみのポイントについて解説しているので、面接や説明会を控えている人はぜひチェックしてください。

ブライダル業界の全貌を踏まえて自分がどう活躍できるかイメージしよう

ブライダル業界では、結婚式を成功させるために、多くのスタッフが準備や当日の運営に携わっています。ブライダル業界で働きたいと言っても、それだけさまざまな選択肢があるのです。

自分の強みや価値観を改めて理解して、ブライダル業界でどう活躍できるのかを明確にしましょう。そうすることで、キャリアを選択できるだけでなく、選考の自己アピールにも活かせますよ。

アドバイザーコメント

ブライダル業界で働くには大切なイベントの準備を預かる責任感が必要

結婚式は人生最大のイベントといっても過言ではないほどの感動を演出できる場であるため、その舞台を演出するブライダル業界への憧れを抱く学生も多いことと思います。

ただ、結婚式を「やって良かった」と、新郎新婦に120%満足してもらえることをひたすら目指してあらゆる準備を周到におこなわなければならないため、ブライダル業界で働く人々のプレッシャーは相当なものです。

幅広い選択肢の中から自分に合ったブライダルとのかかわり方を見つけよう

ブライダル業界にかかわる業者は数多くあります。結婚式場や披露宴会場などの直接的にかかわる業種だけがブライダル業界ではありません。

倍率が高いブライダル企業だけでなく、ブライダル産業を下支えしている企業も視野に入れて、就職活動の範囲を広げることも検討してみると良いでしょう。

そうすることで、これまで視野に入っていなかった自分に合う仕事と出会えるかもしれません。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了
全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-220824001-02942)
国家資格キャリアコンサルタント

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