担当者に響く例文つき! 医療事務の自己PRを成功に導く書き方ガイド

3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表

    Yoshinori Nomura〇IT業界・人材サービス業界でキャリアコンサルタントの経験を積む。培ったノウハウをもとに、その後はNPO支援団体として一般企業人の転職相談・就活生への進路相談を担う

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  • キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士

    Mihoko Endo〇メガバンクで法人営業や新人研修講師、採用面接に携わる。現在は「その人らしさを引き出すカウンセリング」をモットーに、大学での就活支援、社会人向けキャリア開発研修をおこなう

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/産業カウンセラー

    Yoshiko Kato〇人材会社で約15年間、18,000人以上のキャリア相談を受けてきた。独立後は企業や大学、個人と契約し、キャリア構築の支援をおこなう。キャリアコンサルタント歴は20年以上

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この記事のまとめ

  • 医療事務の自己PRは「医療事務に活かせる強み」を意識して作ろう
  • 医療事務で求められる強みはおもに7つ
  • 医療事務の自己PR例文4選をタイプ別に紹介

医療事務は事務職のなかでも専門性が高く、医療現場に貢献できるやりがいのある仕事ですが、その分自己PRの作成難易度も上がります。

医療現場の採用担当者に刺さる自己PRを作るためには、医療事務の仕事内容の理解を深め、それにフォーカスした強みをアピールすることが重要です。

この記事では、キャリアアドバイザーの野村さん、遠藤さん、加藤さんのアドバイスを交えつつ、医療事務の仕事内容や自己PRの作成方法を解説します。医療事務を目指す人は、ぜひ参考にしてくださいね。

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目次

医療事務の自己PRは「医療事務に活かせる強み」を意識しよう

そもそも自己PRは対象の職種で自分の強みを活かして貢献できることをアピールする目的があります。特に医療事務は一般的な事務と比べても業務が多岐にわたり、専門性の高い職種です。

そのため、「医療事務に活かせる強み」を意識して作成することが選考突破の鍵になります。とはいえ、どんな能力が医療事務に活かせるかわからない人もいるでしょう。

そこで、この記事ではまず医療事務の仕事内容や勤務場所を紹介するので、自分が働く姿を想像して、どんな能力が活かせそうか想像してみてください。

後半では、医療事務の自己PRの作成方法を解説します。強みごとの例文も紹介しているので、最後までチェックして医療事務ならではの自己PRを作成して、高評価を獲得してくださいね。

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 (リーダーシップが強みの場合) 
私はリーダーシップを発揮できる人材です。学生時代にサークル長として運営に携わった際に、リーダーシップを養うことができました。サークル長を務めていたフットボールサークルでは、練習場所や時間が取れないことや、連携を取り切れていないことが問題でした。そこで、大学生側に掛け合い週に2回の練習場所を確保し、時間を決め活動するようにメンバーに声掛けを行いました。さらに週末明けに今週の活動の詳細をメンバーに配信することで連携強化に努めた結果、サークル加入率を前年度の3倍まで伸ばすことができました。問題にしっかりと焦点を当て、迅速に対応していき、周りを良い意味で巻き込んでいくリーダーシップを御社でも活かしていきたいと考えております。

事務と医療事務の違いは? キャリアコンサルタントに聞く自己PRの差別化ポイント

医療事務は事務職とはいっても、仕事内容は一般的な事務職と大きく異なり、専門的な書類や情報を扱います。そのため、選考を通過するためには事務職の自己PR対策をすれば良いというわけではありません。

そこで、ここでは多くの自己PRの添削をしてきたキャリアアドバイザーの加藤さんに、一般事務と医療事務の自己PRの差別化ポイントについて質問しました。

差別化ポイントをしっかりチェックして、意識しながら自己PRを作成しましょう。

アドバイザーコメント

医療事務ならではの業務内容にフォーカスしてみよう

医療事務では、医療にかかわる専門的な業務が発生します。たとえば、窓口での受付や会計業務・診療明細書を作るレセプト業務や、カルテの入力や診断書の作成などのクラーク業務がおもな仕事になります。

診療報酬の支払いも各人によって変わってくるため「業務遂行の効率性」や「事務処理能力」「数字が得意」などの自己PRは活かせるでしょう。

また、保険料などが改定されると医療費の計算にも影響してくるので、「勉強熱心」な強みも活かせます。

医療事務として働く自分を想像しながら活かせる強みを考えよう

一般的な一般事務と違い、接客業務も発生しますし、窓口に来られる方は何かしら病院のお世話になりたい方でもあるので「思いやりを持ったコミュニケーション」も活かせるスキルです。

このように具体的に現場で働いている自分をイメージし、活かせる強みやスキルを書くことを意識してみましょう。

自己PRを書くなら理解しておこう! 医療事務の仕事内容

自己PRを書くなら理解しておこう! 医療事務の仕事内容

  • 受付・会計などの窓口業務
  • クラーク業務
  • レセプト業務

評価されやすい医療事務の自己PRは、強みが医療事務の仕事とマッチしていることが重要です。そのため、まず最初の段階として医療事務の仕事内容について理解しておきましょう。

仕事内容について理解すれば、「私のコミュニケーション能力を活かして、患者様に信頼される医療事務を目指したいです」のように仕事内容に絡めたアピールができます。

以下では、医療事務の3つの仕事内容について解説するので、入念に確認してくださいね。

①受付・会計などの窓口業務

医療事務のおもな仕事は受付・会計などの窓口業務です。クリニックや総合病院に行った際、まずやり取りするので、内容を想像できる人も多いのではないでしょうか。

病院やクリニックの窓口業務では、保険証の確認や診察券の発行、カルテの作成、問診票の記入依頼、会計をおこないます

患者がスムーズに診察を受けられるのは、医療事務の人たちの働きがあってこそです。

医療事務の窓口業務ならではで求められるスキルはありますか?

遠藤 美穂子

プロフィール

医療事務の窓口業務は患者に寄り添った対応が求められる

医療事務の勤務場所である病院やクリニックは、心身の不調を抱えた方やその付き添いの方が来る場所です。また、保険証の確認や受付時の症状確認など、不調を抱える患者さんにとっておっくうな手続きをおこなう場面があります。

そこで必要なスキルは、正確な事務手続きの知識のほかに、患者さんの様子や状況に合わせた対応力、丁寧にわかりやすく説明する力などがあります。

②クラーク業務

クラーク業務は大規模な医療機関に配置されていることが多く、医師の指示のもと、文書作成や医師の事務作業のサポートをおこないます。

大規模な医療機関では患者やスタッフが多く、膨大な事務作業が発生します。そのなかで、クラークはそれぞれが円滑に連携を図るための重要な役割を担っています

クラーク業務は病院内の外来に配置される「外来クラーク」と入院病棟に配置される「病棟クラーク」の2種類があります。

外来クラークは患者の受付や案内、書類やデータの管理、医療文書作成の補助などがおもな業務です。

一方、病棟クラークは入退院手続きや診療記録の整理、面会者の受付対応と案内など入院患者に関する業務をおこないます。

③レセプト業務

レセプト業務は、医療費を計算し、保険者や健康保険組合に診察報酬を請求する業務です。レセプトとは、医療機関が公的医療保険の運営者に提出する診療報酬明細書を指します。

なお、レセプトはレセプトを作成するシステムやソフトウェアであるレセプトコンピューター(レセコン)で管理されます。

日本には国民皆保険制度が導入されており、保険加入者は最大で3割の医療費を負担するだけで良く、残りは保険者や健康保険組合が負担することになっています。

そのため、医療機関は患者に対する請求だけではなく、残りの金額を別途保険者に請求しなければなりません。

レセプト業務は医療機関の運営を支える役割があるため、非常に重要な業務といえます。また、医療事務のなかでも特に専門性が高くなっています。流れは以下の通りです。

レセプト業務の流れ

  1. レセプトコンピューターに情報を入力する
  2. レセプトを作成する
  3. 医師が確認、修正作業をおこなう
  4. 審査支払機関に提出する

レセプト業務でミスがあると病院の売り上げが少なくなってしまったり、入金が遅くなってしまったりするため正確性が求められます。

野村 芳克

プロフィール

新卒でもレセプト業務に携わることは可能ですが、まずは受付や会計、カルテ整理などの窓口業務からスタートし、基本的な医療事務の流れを理解した後に、医療費計算やレセプト入力といった業務を段階的に任されるケースが多い傾向です。

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 (リーダーシップが強みの場合) 
私はリーダーシップを発揮できる人材です。学生時代にサークル長として運営に携わった際に、リーダーシップを養うことができました。サークル長を務めていたフットボールサークルでは、練習場所や時間が取れないことや、連携を取り切れていないことが問題でした。そこで、大学生側に掛け合い週に2回の練習場所を確保し、時間を決め活動するようにメンバーに声掛けを行いました。さらに週末明けに今週の活動の詳細をメンバーに配信することで連携強化に努めた結果、サークル加入率を前年度の3倍まで伸ばすことができました。問題にしっかりと焦点を当て、迅速に対応していき、周りを良い意味で巻き込んでいくリーダーシップを御社でも活かしていきたいと考えております。

勤務場所に合わせるのも重要! 医療事務の活躍の場

自己PRは勤務場所に合わせよう!医療事務の活躍の場

勤務場所に合わせるのも重要! 医療事務の活躍の場

医療事務といっても、仕事内容や環境は勤務する施設によって大きく変わります。そのため、施設ごとにどんな仕事をするのか理解しておかないと、的外れな自己PRを作成してしまう可能性があるので注意しましょう。

また、施設ごとの違いを理解しておくことで自分の適性がわかり、就職後のミスマッチを防ぐことができます。ここからはおもな4種類の医療機関の特徴についてそれぞれ解説します。

総合病院

総合病院とは、病床数100床以上で、内科、外科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科といった主要な診療科を有する病院のことです。患者の数が多いので、それに対応するため医療事務の人数も多くなっています。

また、総合病院の医療事務は病棟や診療科ごとに担当が分かれていたり、窓口業務・クラーク業務・レセプト業務と持ち場が分かれていたりと分業化されています。

入院や手術などの算定もおこなうため仕事の難易度は高いですが、より専門性を身に付けられるのがメリットです

また、教育体制が充実している、人数が多く休みが取りやすいといったメリットもあります。

遠藤 美穂子

プロフィール

自分の希望通りの配属になるとは限らない場合もあるので、自己PRでは「これしかできない/やりたくない」という印象を与えない方が良いと思います。ただ、例として自分の強みをこんな場面で活かせると具体的に伝えるのはOKです。

クリニック

同じ診療施設でも、総合病院とクリニック(診療所)は規模や仕事内容が大きく異なるので、ミスマッチを防ぐために事前に違いを理解しておきましょう。

クリニックは病床数19床以下の医療機関を指します。なお、20床以上は一般病院と定義されています。

クリニックは診療科が少なく医師も1人であることもありますが、軽い症状の患者を診る「かかりつけ医」として地域の医療を支える重要な機関です。

クリニックで勤務すると医療事務全般の仕事内容を網羅できることや、患者一人ひとりにじっくりと向き合えるなどのメリットがあります

加藤 賀子

プロフィール

クリニックでは受付業務・レセプト業務・クラーク業務を一貫して一人でおこなうこともあります。そのため、処理能力の早さや正確性をアピールしたり、地域の皆さんが通院しやすいコミュニケーションや心遣いをアピールするように意識しましょう。

健診センター

健診センターは診療機関ではなく、病気の早期発見や健康維持を目的として検査をおこなう機関です。健診センターの事務は予約対応や受付、案内、保険証の確認といった窓口業務、結果の発送業務などがおもな仕事です。

また、健診センターから離れた施設や事業所で検査がおこなわれる場合は、健診車で巡回し、検査のサポートをすることもあります。

総合病院やクリニックの医療事務との違いは、保険適用の有無です。総合病院やクリニックでは全国一律で診療報酬点数に従って請求をおこないます。一方、健康診断は保険適用外のため、健診センターが定めたコースによって金額が変わります。

健診センターは毎日多くの健診者が訪れるため、丁寧かつスピード感のある接客が求められます。また、ルーティンワークを苦にしない人に向いています。

調剤薬局

調剤薬局は、医療機関で発行された医師の処方箋に基づいて薬剤を調剤して患者に提供する施設です。調剤薬局の事務は、薬剤師が調剤業務に専念できるようサポートする役割を担います。

具体的には受付や会計などの患者対応、レセプトの作成、薬剤の管理や発注、検品業務などをおこないます。

調剤薬局は薬を扱うため、正確性が非常に重要です。また、患者が安心して薬を服用できるよう、丁寧なコミュニケーションが求められます。

調剤薬局の医療事務は高齢化社会により需要が増えているため将来性が高いこと、薬の基礎知識が身に付くことなどが魅力です

テンプレを活用すれば受かる自己PR文が作れます

自己PRのネタを決めても、それを裏付けるエピソードに悩む学生は多いです。しかし、特別なエピソードがなくても受かる自己PRを作ることはできます。

そこで紹介したいのが「自己PR作成ツール」です。自己PR作成ツールなら、簡単な質問に答えるだけで誰であっても、分かりやすいテンプレであなたの強みが完璧に伝わる自己PRが完成します。

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私はリーダーシップを発揮できる人材です。学生時代にサークル長として運営に携わった際に、リーダーシップを養うことができました。サークル長を務めていたフットボールサークルでは、練習場所や時間が取れないことや、連携を取り切れていないことが問題でした。そこで、大学生側に掛け合い週に2回の練習場所を確保し、時間を決め活動するようにメンバーに声掛けを行いました。さらに週末明けに今週の活動の詳細をメンバーに配信することで連携強化に努めた結果、サークル加入率を前年度の3倍まで伸ばすことができました。問題にしっかりと焦点を当て、迅速に対応していき、周りを良い意味で巻き込んでいくリーダーシップを御社でも活かしていきたいと考えております。

働くイメージをしてみよう! 医療事務の1日のスケジュール

医療事務について理解を深め、より説得力のある自己PRを作るためには、働くイメージを明確にするのが欠かせません。よりイメージしやすくするために、1日のスケジュールについて知っておきましょう。

大きな病院と小規模なクリニックでは働き方が違うので、下記を参考に理解を深めてくださいね。

大きな病院の1日のスケジュール

大きな病院に勤務する医療事務の1日のスケジュール例は次の通りです。

8:00~早番出勤早番業務開始
カルテチェックなどをおこなう
8:30~9:00通常出勤・開院準備通常出勤のスタッフの業務開始
患者の問診や案内などをおこなう
9:00~12:00午前診療各担当の診療補助業務へ
12:00~診療補助業務午前診療終了後は、診療補助業務をおこないつつ交代で休憩
12:30~13:00午後診療受付開始カルテチェックや問診、案内をおこなう
13:00~17:00午後診療各担当の診療補助業務へ
17:00~17:30診療終了片付け、翌日準備をして業務終了
大きな病院に勤務する医療事務の1日のスケジュール

総合病院は必要な準備が多く、当番制で出勤する施設もあります

また患者数も多いので、時間通りに診察が終わらないことも珍しくありません。そのため、スタッフは業務をこなしつつ交代で休憩を取るのが特徴です。

クリニックの1日のスケジュール

クリニックの1日のおもなスケジュール例は以下の通りです。

8:30~9:00出勤、開院準備清掃、予約の確認などをおこなう
9:00~12:00午前診療予約、受付、案内、会計などの窓口業務
12:00~14:00休憩昼休憩、午後診療の準備
14:00~18:00午後診療予約、受付、案内、会計などの窓口業務
18:00~18:30診療終了清掃、売り上げの集計、翌日の準備をして業務終了
クリニックに勤務する医療事務の1日のスケジュール

クリニックは施設ごとに勤務時間が異なりますが、医療事務の仕事内容にあまり違いはありません。医療事務はおもに窓口業務やクリニックの運営サポートをおこないます

クリニックによっては午前診療の終了から午後診療の開始までの時間が長いこともありますが、スタッフはそのすべての時間休憩しているわけではなく、適宜休憩も取りながら午前診療の時間内に終了しなかった患者の案内や午後診療の準備などをおこなっています。

総合病院とクリニックのどちらも受けるのですが、自己PRは書き分けた方が良いですか?

野村 芳克

プロフィール

医療事務の役割が異なるので応募先の特徴に合わせて書き分けよう

総合病院とクリニックでは規模や役割が異なるため、自己PRはそれぞれに合わせて書き分けることをおすすめします。総合病院は規模が大きく、業務も分業化されているため、自己PRにはチームでの協調性や正確な対応、専門性の高いスキルのアピールが有効です。

反対にクリニックでは、幅広い業務を少人数でおこなうため、柔軟な対応力や患者に親身に寄り添う接遇力が求められます。両者に共通する基本的なスキルを保ちつつ、各医療機関の特徴に応じて自己PRを調整することで、採用担当者により適した好印象を与えられるでしょう。

アピールの参考にしよう! 医療事務で求められる7つの強み

医療事務の自己PRでは、医療事務で求められる能力を盛り込んでアピールすることが重要です。自分の魅力を最大限伝えられるように、まずは医療事務で求められる7つの強みについて知っておきましょう。

以下でそれぞれの強みがどのような場面で発揮できるのか詳しく解説するので、アピールの参考にしてくださいね。

パソコンスキル

医療事務は事務作業において電子カルテの入力やレセプトの作成があるため、パソコンスキルは必須といえます。特に、Microsoft ExcelやMicrosoft Wordのスキルは基礎知識だけでも頭に入れておかなければなりません。

また、タイピングスピードも仕事のスピードに大きな影響があるので、これらのスキルに自信がある人は自己PRでアピールしましょう。

就活でアピールできる資格には以下のようなものがあります。

就活でアピールできる資格

  • MOS(Microsoft Office Specialist)
  • ITパスポート
  • 基本情報技術者

MOS(Microsoft Office Specialist)はMicrosoft ExcelやMicrosoft Wordなどのマイクロソフトオフィス製品、ITパスポートはITに関する基礎知識、基本情報技術者はITの基礎知識・技能をそれぞれ証明できます。

医療事務の自己PRでパソコンスキルをアピールするなら、どんなものが印象に残りやすいですか?

遠藤 美穂子

プロフィール

基本的なパソコンスキルだけでなくスキルを学ぶ姿勢も重要

医療事務は端末操作が不可欠ですから、ExcelやWord、タイピングなどのパソコンスキルはぜひアピールしましょう。

それに加えて病院やクリニックごとに導入している医療会計システムの操作について、研修中に教わりながら慣れていくといった受け身の姿勢ではなく、自発的にマニュアルを読み込んで使いこなせるようになるまでの早さや、ミスなく入力できるきっちりした仕事ぶりなどをアピールすると好印象を得られます。

明るさ・親しみやすさ

医療事務はクリニックや病院の窓口を担当するため、患者と最初に接触することになります。いわば病院の「顔」でもあるため、明るさや親しみやすさが重要です

もし、体調が悪くて病院に行っているのに寄り添ってもらえなかったり、嫌な態度を取られたりすると、その病院には行きたくなくなりますよね。

患者に満足してもらい、リピート客になってもらうためには、医師の診察だけでなく医療事務の接客にも大きな影響があることを覚えておきましょう。

清潔感がある

面接における身だしなみのマナー

そもそも就活の面接では清潔感があると第一印象が良くなりますが、特に医療現場で働くことになる医療事務は、清潔感を厳しく見られることになります。

医療現場は清潔であることが大前提です。清潔感のない人が働く病院には行きたくありませんよね。

清潔感そのものを面接でアピールするのは難しいかもしれませんが、医療事務の面接に行く際は服装だけでなく髪の毛や爪など細部の身だしなみを整えることを意識して臨みましょう。

コミュニケーション能力

医療事務のおもな業務は受付や会計などの接客業務です。そのため、コミュニケーション能力は必須といっても過言ではありません。

また、医療現場ではミスが許されないことも多々あるため、患者だけでなく医師やほかのスタッフとのコミュニケーションも重要です。

特に総合病院のように大規模な医療施設では、毎日たくさんのスタッフや患者と接するため、より高いコミュニケーション能力が求められます

コミュニケーション能力の自己PRについては、以下の記事でも解説しているので、アピールしたい人はぜひ参考にしてみてくださいね。

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仕事の精度とスピード

医療事務は審査支払機関にレセプトを提出することで、診療報酬を受け取っています。もしレセプトに不備や誤りがあると、「レセプト返戻」や「レセプト査定」になります。

「レセプト返戻」はレセプトが差し戻されることです。不備を修正することで再請求できますが、支払いは1カ月以上遅れることになります。

一方、「レセプト査定」は支払機関がレセプトを不適切と判断することです。レセプト査定になると、減点したうえでの支払いか、あるいは請求自体を認めない判断が下されます。そのため、レセプト作成において正確性は非常に重要です。

また、レセプトの提出には期限があるため、作成スピードも求められます。クリニックなどの窓口業務がある場合は、窓口業務と並行して作成をおこなわなければなりません。

たとえば、履歴書やESの応募書類に誤字脱字のようなミスがあった場合、「レセプトの作成を任せられない」と思われてしまう恐れもあるため、仕事の精度は選考中も見られている意識で臨みましょう

野村 芳克

プロフィール

医療事務では精度とスピードが重要な資質とされます。特にレセプト業務や窓口対応では、ミスのない正確な処理と迅速な対応が求められるため、アピールできれば採用担当者に対して信頼感と好印象を与えるでしょう。

責任感が強い

医療事務はレセプト作成や患者カルテの作成など、ミスが許されない業務が多々あります。そのため、責任感を持って仕事に取り組める人が求められます。

特に医療現場は命にかかわる仕事です。医療事務は直接患者を診察するわけではありませんが、命にかかわる仕事をしているという、強い責任感を持てる人が向いています

自己PRでアピールするのは有効なので、責任感に自信のある人は積極的に盛り込みましょう。

責任感について自己PRする場合は、以下の記事も参考にしつつ、採用担当者に響く内容に仕上げましょう。

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臨機応変に対応する能力

医療の現場では、患者の容態変化や緊急の対応が求められる場面が多くあります。このような状況で迅速かつ柔軟に対応するためには、臨機応変に優先順位を見極める力や冷静な判断力が求められます。

また、状況に応じた案内をおこない、患者や患者の関係者の不安を軽減することも必要になるでしょう。

臨機応変に対応できる医療事務スタッフは患者やスタッフから信頼され、よりスムーズな運営に貢献できます

臨機応変に対応できることをアピールしたい人は、以下の記事で作成方法について説明しているので、併せて確認してみてください。

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責任感や臨機応変さをアピールしたいのですが、周りと被らないでしょうか?

加藤 賀子

プロフィール

どのような場面で責任感や臨機応変さを発揮できるかは人それぞれ

どのような責任感があるのか。どのように臨機応変に対応できるのか。人によってそれぞれ違うので、心配しすぎる必要はありません。

ただ、具体的なエピソードを書かずに責任感と臨機応変さをアピールしてもあなたの良さが伝わらず、周りとの違いもわからないため注意しましょう。

具体的な内容と併せて大切にしている思いなどを書くと、説得力が上がってなお良いでしょう。

医療事務の自己PRを考える3つのポイント

医療事務の自己PRを考える3つのポイント

  • 志望先の理念を調べて求められる人物像を理解する
  • 志望先の診療科目を理解する
  • 活かせる強みや資格を棚卸しする

医療事務の仕事内容や求められる強みについて理解したら、自己PRを考えていきましょう。医療事務の自己PRを考える際に重要となるのは、以下で解説する3つのポイントです。

採用担当者に好印象が残せる自己PRを仕上げるために、一つずつ確認してくださいね。

志望先の理念を調べて求められる人物像を理解する

志望先にマッチする自己PRを作成するうえでもっとも重要となるのは、企業研究を入念におこなうことです。理念は病院やクリニックの公式ホームページ(HP)に記載してあるので、応募前に必ずチェックしておきましょう。

医療機関によって特色は異なり、たとえば「患者様第一」や「地域貢献」を掲げている機関もあります。

必ずしも理念と自分の自己PRがマッチしている必要はありませんが、自分にいくつか強みがあるのであれば、よりマッチする強みを選んで自己PRを作成するほうが、面接官の印象にも残りやすく有利です

企業分析のやり方については、以下の記事で詳しく解説しています。

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志望先の診療科目を理解する

志望先の診療科目については必ず理解しておきましょう。診療科目は自己PRだけでなく、面接のなかのさまざまなところで話題になります

もし診療科目を誤って認識していると、仕事への理解の低さが露呈してしまい、マイナスイメージにつながりかねません。

総合病院であれば覚えるのは大変かもしれませんが、クリニックは診療科目が少ないので必ず覚えてから面接に臨んでください。

診療科目を理解しているのは医療事務にとっても当然のことであり、患者に対して案内することになるので、入社した後でも役に立つでしょう。

遠藤 美穂子

プロフィール

診療科目によって、来院される方の症状や状態が異なります。たとえば小児科と消化器内科では、患者さんの年齢も違えば緊急事態の起こりやすさも違います。応募先に応じて自分の強みをどう活かせるかを伝えましょう。

活かせる強みや資格を棚卸しする

自己PRは自分の魅力を最大限にアピールする場なので、アピールできる強みや資格は漏らさず盛り込む必要があります。そのためには、活かせる強みや資格を徹底的に棚卸ししましょう。

棚卸しは、以下の方法で進めると効率的です。

棚卸しの順番

  1. 経験をリストアップする
  2. 具体的なエピソードを掘り下げる
  3. 第三者の評価を参考にする

まずは学生時代の学校行事やアルバイト、インターンシップ、ボランティア活動など、これまでの経験をすべてリストアップしましょう。

続いて、その経験を掘り下げて自分が「なぜ」「どのように」成功したのかを分析することで、強みの具体的な裏付けができます

もしもアピールできる強みが見つからない場合は第三者の評価を参考にすると、自分では気づかなかった強みを発見できるかもしれません。

棚卸しについては、以下の記事で具体的な方法やテンプレを説明しています。

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基本の構成! 医療事務の自己PRを書く4ステップ

基本の構成! 医療事務の自己PRを書く4ステップ

  • 自分の強み
  • 根拠となるエピソード
  • 成果や学んだこと
  • 志望先の医療施設にどう貢献できるか

医療事務の自己PRで自分のアピールしたい強みが決まったら、実際に自己PRを考えましょう。説得力を高めて面接官に印象を残す自己PRを作成するためには、適切な構成に沿って内容を考えるのが効率的です。

ここからは医療事務の自己PRを書く4ステップについてそれぞれ紹介するので、参考にしながら作成してみてくださいね。

①自分の強み

まずは結論である自分の強みについてを一言で簡潔に述べましょう。結論以外から話し始めると、採用担当者は応募者が何をアピールしたいのか理解できません。

自己PRを作成する際は、PREP(プレップ)法を意識するのが効果的です。PREP法はPoint(結論)、Reason(理由)、Example(具体例)、Point(結論)からなる構成で、論理的に物事を伝える際に使われます

就活においては自己PRだけでなく志望動機や面接の受け答えでも使えるので、必ず覚えておいてくださいね。

なお、医療事務の志望動機については以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ併せて確認してください。

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自己PRの書き出しについて悩んでいるなら、以下の記事で説明しているコツも参考にしてくださいね。

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また、自己PRに使える「PREP法」や「STAR法」については、以下の記事で解説しているので、併せて確認して論理的なアピールができるようになりましょう。

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②根拠となるエピソード

結論を簡潔に述べたら、続いて根拠となるエピソードを具体的に話しましょう。結論だけでは説得力がありませんが、ここでエピソードを述べることにより、採用担当者は応募者の強みに納得感を持って評価できます。

たとえば、人に寄り添うコミュニケーション能力があるという強みをテーマにするなら、それを介護施設のボランティアで発揮したエピソードがあると、採用担当者も想像しやすくなるでしょう。

根拠となるエピソードを話す際に心掛けたいのは、「誰にでも理解できるようにわかりやすく話す」ということです

採用担当者はあなたの行動を実際に見てきたわけではないため、重要な部分を省略したり、専門用語を多用したりするとエピソードに共感しにくくなるので注意してください。

加藤 賀子

プロフィール

エピソード部分は、自分の思いや価値観を伝える重要な部分でもあります。
具体的な行動内容だけでなく、どうしてその行動を起こそうと思ったかという気持ちの部分まで伝えるようにしていきましょう。

③成果や学んだこと

エピソードはただ述べるだけでなく、成果や学んだことを併せてアピールしましょう。エピソードだけでは、ただの体験談になってしまいます。

ここで成果や学んだことをアピールすることで、あなたが成功や失敗を分析し、学び成長できる人材だということを証明できます。企業が求めているのはただ経験を経験で終わらせず、成長につなげられる人材です

また経験から学ぶことや感じることは、人によってそれぞれ違います。そのため、応募者の人柄や適性を見るためにも、採用担当者が最も知りたいのはこの部分です。

たとえば、「介護施設での経験から個人の尊厳を尊重することを学んだ」のように述べると、高い意識を持って取り組んだことが伝わります。

採用担当者が知りたいのは、成果の大きさや規模ではありません。これらの内容を意識したうえで、自分の強みが最大限アピールできる内容にしてくださいね。

野村 芳克

プロフィール

エピソードの具体性は重要であり、さらに、「問題解決力が身に付いた」、「効率的な業務改善を考えるようになった」といった学びや成果を示せば、今後も積極的に学び、職場に貢献できる人材と評価されやすく好印象となります。

④志望先の医療施設にどう貢献できるか

最後に、自分の強みや学んだことを活かして志望先の医療施設にどう貢献できるか示しましょう。ここで改めて自分の魅力を述べることで、採用担当者は応募者が採用後に活躍するイメージを持てます

この際に注意したいのが、アピールする強みと医療事務の親和性です。たとえば、いくら創造性の高さがあっても、医療現場で創造性を発揮する機会はあまりなさそうですよね。

医療事務ならたとえば前述したような「責任感」や「正確性」など、業務で発揮できる機会が多いものを選んでアピールするのがおすすめです。

自己PRをきれいに締めて良い印象を残したい人は、以下の記事で必須の要素について解説しているので、チェックしておきましょう。

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完成前に確認しよう! 医療事務の自己PRの注意点

医療事務の自己PRを作成する際は、特に注意しておきたいポイントが2つあります。注意点を守らなければ、志望度が低く見られてしまったり、強みを効果的にアピールできなかったりして失敗につながる恐れがあります。

自己PRを作成する前だけでなく、作成後にもう一度本章を見返してポイントを押さえているかチェックしてくださいね。

競合他社と被る内容にしない

「医療事務はどこも似たような仕事内容だから自己PRを使い回せる」と考えている人もいるかもしれませんが、自己PRは志望先に合わせてその都度作り直しましょう。

競合他社と被る自己PRだと、「それってうちの院でなくても良いよね」と思われ、志望度が低いと判断される可能性があります。そのため、志望先の医療機関が求める人物像や理念を理解して、そこにマッチする強みを強調しましょう。

ただし、すべてを作り直す必要はなく、エピソードや強みなどの部分は内容に合わせて流用しても問題ありません。

遠藤 美穂子

プロフィール

業務内容はどの病院でも大きな違いはありませんが、スタッフの雰囲気や大事にしている考え方は病院ごとに違います。他院との違いをあえて言わずとも、その場になじんで一緒に働くことをイメージしながら、自分が役に立てることをアピールしましょう。

抽象的な強みにしない

自己PRの説得力を上げて自身を魅力ある人物と評価してもらうためには、具体的な魅力を述べましょう。

たとえば、ただ「思いやりがある人間です」と述べただけでは、採用担当者はその人にどんな思いやりがあるのか、どの場面で発揮できるのかが想像できません。

ここで「周囲に気を配って相手が求める対応を意識できる」のように具体的に述べ、エピソードを盛り込むことで、説得力や想像しやすさを大幅に上げられます

事務の自己PRはどの人も似そうな気がするのですが、ほかの応募者と差別化するにはどうしたらいいのでしょうか?

野村 芳克

プロフィール

エピソードの具体性や成果で差別化しよう

事務の自己PRは確かに似通いがちですが、差別化のためにはエピソードの具体性や成果に焦点を当てましょう。たとえば、「患者対応で感謝の言葉をいただいた経験」や「業務効率化のために工夫した経験」を盛り込むことで、ほかの応募者との差別化が図れます。

また、医療事務特有のスキルや知識(例:レセプト処理の正確さ、患者対応力)をアピールポイントに加えることで、応募先の求める資質により近づけることが可能です。具体的な成果や工夫を示すことで、採用担当者に自分ならではの価値が伝わりやすくなります。

就活のプロに聞いた! 採用担当者に刺さる医療事務の自己PRとは

医療事務は仕事内容や求められる人物像が一般的な事務と異なるため、医療事務ならではの自己PRを作成することが重要です。

とはいえ、自己PRを作ってみても「これが採用担当者に良く思ってもらえるのだろうか」と心配になる人もいるでしょう。

そこでここからは、多くの就活生の自己PRの添削をしてきたキャリアアドバイザーの遠藤さんに、採用担当者に刺さる自己PRの特徴について質問しました。自身の自己PRが採用担当者からどう見られるのか想像しながら確認してくださいね。

アドバイザーコメント

医療事務の仕事の特性に合ったアピールを意識しよう

医療事務は医師や看護師のように直接医療行為をおこなうわけではないものの、患者さんの命や健康にかかわる仕事なので、仕事にまじめに取り組んでくれる人を求めています。総じて正確でスピーディーな事務処理能力は必要です。

受付であれば、病院やクリニックで患者さんと初めに接するスタッフとして、つらい症状や不安な気持ちを受け止め和らげてくれる存在でありつつ、接遇やコミュニケーション力だけでなく、小さな変化に気付く力や観察力、いざというときの対応力も求められます。

レセプト業務は診療報酬請求にかかわる仕事で、データ処理においても診断内容と病名を都度確認するような注意深さも必要です。医療事務資格を取得したいといった学ぶ姿勢があると前向きな印象になります。

自分が働く姿を想像して自分ならではの強みが活かせるか考えよう

とはいえ、応募者全員が同じ強みをアピールしても採用担当者の印象に残りません。これまでに紹介した強みのほかに、自分ならではの特徴はありませんか。たとえば気持ちよく動けるための仕組みづくりが得意とか、規律を守れる、少ないスタッフで多くの患者さんに対応するために主体的にやることを探すなど、働く場面でどのように考え行動できるかを具体的に伝えてみてください。

作成のイメージを持とう! 医療事務の自己PR例文4選

作成のイメージを持とう! 医療事務の自己PR例文4選

  • コミュニケーション能力をアピールする例文
  • パソコンスキルをアピールする例文
  • 責任感をアピールする例文
  • 対応力の高さをアピールする例文

ここまで医療事務の仕事内容や自己PRの作成ポイントについて解説してきましたが、「医療事務ならではの自己PRになっているかわからない」「これで応募する自信がない」という人もいるでしょう。

そこで、以下では医療事務の自己PRの例文を強みごとにそれぞれ紹介するので、悩んでいる人はぜひ参考にしながら完成させてくださいね。

①コミュニケーション能力をアピールする例文

コミュニケーション能力をアピールする例文

私の強みはコミュニケーション能力です。人と話すことが好きで、大学時代は老人ホームで共有スペースの清掃やベッドメイキングなど、スタッフの補助のボランティアをしてコミュニケーション能力を磨きました。

老人ホームの入所者は、見ず知らずの人に不安や警戒心を抱いている人も多く、丁寧なコミュニケーションを常に意識してきました。

たとえば、ある入所者の方は普段は穏やかに話されるのに、その日は少し言葉数が少なく、表情も曇っているように感じました。そこで、「お疲れですか?」とお声がけしたところ、実はご家族の健康について不安を感じていると話していただきました。

私は、不安を与え過ぎず、できるだけ解消できるように健康の話や自分の家族の話などをして寄り添うように努めた結果、その入居者の方と信頼関係を築くことができました。

この経験から、私は会話のなかで相手の小さな表情の変化から、気持ちの動きや体調を読み取るコミュニケーション能力が身に付いたと自負しています。

貴社の薬局では、地域の高齢の方が多いと聞いています。薬局での医療事務の仕事においても、患者様は不安な気持ちや緊張を感じていることが多いと思うので、老人ホームでの経験を活かし、患者様にしっかりと向き合って安心していただけるような対応を心掛けたいと思います。

ボランティアを題材にした自己紹介については、本記事以外でも例文を紹介しているので、作り方のポイントと併せて参考にしてみてくださいね。

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加藤 賀子

プロフィール

コミュニケーション能力には、情報伝達力、傾聴力、協調性などがありますが、すべて必要な要素になるので、どの能力をアピールするかは応募先に合わせて調整しましょう。

大勢で働く総合病院では情報伝達力や協調性が特に必要になってきますし、地域密着のクリニックであれば傾聴力が活かせたりと、自分が希望する勤務場所によっても変わってくるでしょう。

②パソコンスキルをアピールする例文

パソコンスキルをアピールする例文

私の強みはパソコンスキルです。

もともとはあまりパソコンが得意ではありませんでしたが、アルバイトで2年間勤務していた居酒屋で、シフト管理や顧客の情報を整理する業務を受け持ち、パソコンスキルを磨きました。

たとえば、店舗の忙しい時期には、スタッフのシフト管理が複雑になり、手作業での管理ができないことも多くありました。その際、私はパソコンを使って勤務時間を一覧で管理できる表を作成し、効率化を図りました。

この工夫により管理業務が大幅にスムーズになり、ほかのスタッフからも業務がやりやすくなったと感謝されました。その結果、パソコンへの苦手意識がなくなっただけでなく、さらなるスキル向上にも興味が湧き、MOSを取得しました。

御社の病院は患者数が多く、医療事務の仕事においても、電子カルテや患者様の情報管理などの、パソコンスキルが重要であると認識しているので、正確にかつ迅速な入力作業で貢献したいと考えています。

加えて、Excelでの関数を使ったデータ分析などもできるため、業務の効率化にも積極的に取り組んでいきたいと思います。

アルバイトの自己PRを作成するポイントはこちらの記事で解説しているので、作成する際の参考にしてみてください。

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野村 芳克

プロフィール

私が面接官なら、この自己PRを受けて「シフト管理表の具体的な工夫や関数の活用方法」や「ほかの業務でパソコンスキルを活かした経験」を深掘り質問し、スキルの応用力や問題解決能力を確認したり、「MOS取得で得た具体的なスキルや活用例」を聞き、医療事務での実践力を評価したりします。

③責任感をアピールする例文

責任感をアピールする例文

私は、どんな小さな仕事にも責任感を持って取り組むことを大切にしています。

大学時代には地域福祉をテーマとした15人のゼミの研究リーダーを務め、地域住民の生活向上に関するプロジェクトの進行管理やメンバーとの調整役を担当しました。

このプロジェクトでは、地域の高齢者が抱く日常生活での課題を調査し、それを解決するための提案をおこなうことが目標でした。しかし、限られた予算のなかで必要な機材や資料を確保することが難しく、計画していた内容の一部を縮小する選択を迫られました。

そこで私は、メンバーと一緒に冷静に解決策を検討しました。 まず、調査日程の再調整や優先順位をつけたタスク管理をおこない、効率化によるコスト削減を提案しました。また、ゼミの教授と相談し、地元の企業に協賛を依頼することで一部の費用をまかなうことができました。

この経験から、困難に直面した際も冷静に解決策を考え、チームで協力しながら責任感を持って業務を進めることの大切さを学びました。

貴施設では業務の種類が多いため、さまざまな課題に直面すると思いますが、責任感を持って一つひとつの業務に誠実に向き合い、患者様やスタッフから信頼される人材になりたいと考えています。

ゼミについての自己PRを書くなら、こちらの記事で採用担当者の印象に残る書き方について解説しているので、書く際の参考にしてみてくださいね。

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遠藤 美穂子

プロフィール

リーダー経験がなくても、チームで動くために自分の役割を全うした経験があれば責任感のアピールができます。やるべきことを自ら見つけ、甘えたり諦めたりすることなくやり遂げられたことがあればぜひ伝えてみましょう。

④対応力の高さをアピールする例文

対応力の高さをアピールする例文

私の強みは、予期せぬ状況でも柔軟に考え冷静に行動する対応力です。

大学時代はカフェでアルバイトをしており、急な慌ただしさや注文の変更にも数多く直面しました。あるとき、予想外の注文数の多さから、材料の在庫が切れてしまうという事態が発生しました。

その際、私はすぐにほかのスタッフと分担し、在庫状況を確認しながら、顧客にメニューの変更を提案しました。その結果、顧客から「丁寧な対応で納得できました」とお声がけいただいたことが、自分にとって大きな自信につながりました。

この経験を経て学んだことは、まず落ち着いて情報を整理することです。貴クリニックの仕事でも、患者様やスタッフからの急な要望や変更があるかと思いますが、その際も柔軟な対応力を活かして冷静かつ適切に対応し、安心感を与えられる人物になりたいと考えています。

加藤 賀子

プロフィール

ほかのスタッフと協力して、在庫状況を確認しながらメニュー変更の提案をしたという解決行動が評価できますね。

予期せぬ出来事に遭遇した際に、自分一人で対処をするのではなく、クラスの仲間やサークルのメンバーなどのチームで対応できる力は自己PRでのアピールにも大いに活かせるはずです。

志望先に合わせた医療事務の自己PRを書いてマッチ度をアピールしよう!

医療事務の仕事内容や自己PRの作成方法について理解できたでしょうか。事務とはいっても、医療事務は医療現場で働くことになるため、求められる能力が異なります。

そのため、自己PRは志望先に合わせて活かせる強みを盛り込むことが重要です。仕事内容について深く理解したことがわかる自己PRができれば、採用担当者に好印象を残せる可能性が高まります。

ぜひこの記事で紹介した作成ポイントを参考にして、魅力的な自己PRに仕上げてくださいね。

アドバイザーコメント

医療事務の特徴に合ったスキルを強調して資質を印象づけよう

医療事務は一般事務と異なり、患者との接触やレセプト作成などの医療特有の業務が求められます。そのため、自己PRでは一般事務以上に正確性、迅速な対応力、そして患者に寄り添う姿勢が重視されます。

一般事務ではデータ管理や効率性が重要視されますが、医療事務ではこれに加えて、患者や医療スタッフと円滑にコミュニケーションを取り、温かく信頼される対応が大切です。

採用担当者の印象に残る自己PRのポイントとしては、医療現場で発揮できる具体的なエピソードを盛り込み、責任感や正確な処理能力を示すことが有効です。さらに、患者対応の経験や、医療特有の事務スキルへの関心を強調することで、あなたが医療の現場で活躍できる資質を印象付けることができます。

医療事務という難しい仕事でも過去の経験が活かせる場面は多い

医療事務を目指す皆さん、緊張もあると思いますが、あなたがこれまで培ってきた経験や努力は、きっと現場でも力になるはずです。医療事務は患者さんの安心や信頼を支える大切な仕事です。あなたの誠実さや熱意がしっかりと伝わるよう、今までの経験に自信を持って臨んでください。応援しています!

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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