就活が怖い人へ|2ステップで第一歩に欠かせない安心感を得よう

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  • キャリアコンサルタント/公認心理師

    Ikuko Yoshino〇就職支援歴18年。若者就労支援NPOに勤務の後、独立。現在は行政の就職支援施設にて、学生/既卒/フリーター/ニート/ひきこもり/女性などを対象に相談やセミナー講師を担当

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  • キャリアコンサルタント/一般社団法人テツナグ代表理事

    Hiromi Wakabayashi〇女性や学生向けのキャリア講座、行政主催の就職フェアでのキャリア相談に従事。また、ライター経歴を活かし、各種サイトでキャリアについて考えている人に向けた記事を監修

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  • キャリアコンサルタント/西雄一教育研究所代表

    Yuichi Nishi〇大学では就活に関するスキルを身に付けられる実践中心の授業を展開。また、講師として企業で新人や中堅社員に向けてコミュニケーション研修、キャリアコンサルティングをおこなっている

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この記事のまとめ

就活に対して怖さを感じる学生は少なくありません。就活は社会人としてのスタートの切り方を決定する大きな出来事です。ほとんどの学生にとって就活は初めての体験であり、就活の正解も、就活の結果が将来にどれほど影響するのかもわからないなかで大きな決断をしなくてはならないとなると、怖さを感じるのも自然なことです。

しかし、就活を怖がるあまり行動を取れないでいると、怖さはますますふくらんでいき、心身へのストレスにつながります。とはいえ怖さを抱えたまま就活を進めるのも心身への負荷が大きいです。そのような状態ではベストを尽くすのも難しいですよね。やはり、怖さを解消したうえで就活に臨むことが欠かせません。

この記事では、キャリアアドバイザーの吉野さん、若林さん、西さんとともに、就活が怖いという気持ちとの向き合い方、就活への恐怖心の克服法を解説します。記事の内容を参考に、前向きな気持ちで就活に取り組むコツをつかみましょう。

目次

就活が怖いのは実態が見えないから! 不安を解消して第一歩を踏み出そう

何かを怖いと思う原因の一つとして、正体がわからないことが挙げられます。たとえば、見たことのない食べ物を口にしたり、真っ暗な部屋に足を踏み入れたり、知らない人に話しかけたりするのは、怖さや緊張をともないますよね。

就活も同様です。就活を経験したことのない学生が怖さを感じるのは珍しくありません。ましてや就活の結果が社会人としてのスタートに直結すると考えれば、プレッシャーもひとしおです。しかし、考えを転換すれば、実態さえわかれば就活に漠然とした恐怖を感じることはなくなり、プレッシャーに対処するための方法も見えてくるはずです。

恐怖心や不安が漠然としていると、対処法の見当がつかないために怖さが増してしまいます。そのため記事の前半では、「就活が怖い」と感じる心理や、就活への恐怖心が引き起こすデメリットを説明します。自分の気持ちを言語化することが克服の糸口です。

糸口が見つかったら、実際に就活への怖さを克服するための方法に焦点を当てていきます。現在感じている怖さや不安を取り除きつつ、就活の実態や選考通過率を高めるコツを知っていくことで、就活を前向きにとらえることが可能になります。ぜひ記事の最後まで目を通して、就活を進めるための第一歩を踏み出してくださいね。

面接が上手くいかないときは、面接回答集を活用してください

面接で聞かれる質問に答えられるか不安ですよね。ただ、何を質問されるか分からず対策しようにも出来ない人は多いはず。

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就活は必要以上に怖がらなくて良い! イメージにまどわされないことが大切

前提として、就活は学生と企業のマッチングであって、怖いものではありません。しかし、特に就活を始めようとする段階でインターネットで情報を収集していると、「このレベルでないと内定はもらえない」「就活に失敗したら悲惨な目に遭う」などと学生の不安を煽るような文言を目にすることがあるかと思います。

また、SNSや周囲の人から「面接でこんな嫌な思いをした」「こんなに頑張っても内定がもらえない」「企業選びを間違えたせいで苦しんでいる」といった声を聞くと、就活が恐ろしいものに感じられるでしょう。

就活は学生にとって社会人生活の始まりを決定する大きな出来事なので、合否や入社後のことが気になるのは当然です。とはいえ怖さや不安を抱えたままでは本来のパフォーマンスが発揮できず、満足のいく結果を得られないかもしれません。就活に怖さを感じるのであれば、怖さを取り除くための建設的な行動を取ることが大切です。

この記事を参考に、就活を必要以上に怖がらずに済むよう、就活への適切な向き合い方を見つけましょう。

吉野 郁子

プロフィール

何の準備もせずに面接に行ったら、それは怖いですよね。つまり大切なのは準備なのです。試験前に試験勉強をするように、就活もコツコツと準備・対策をおこなうことが大切です。

スモールステップを踏みながら、将来への準備を進めていきましょう。

就活への怖さから、就活をやめることを視野に入れている人もいるかもしれません。企業に就職せずに生活する人ももちろんいますが、入社先を選ぶのと同じように、自身の将来をしっかりと考えたうえで選択すべきことです。以下の記事を参考に、自分に合った道を選びましょう。

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就活しないと決断する前に要チェック|歩める道とやるべきことを解説

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ニートになりたい人必見! 必要な準備や知っておくべきリスクを解説

まずは不安を明確にしよう! 就活が怖いと感じる8つの心理

まずは、就活のどこに怖さを感じているのかを明確にするところからスタートしましょう。就活は多くのステップを含んでいるので、どのステップにハードルを感じているのかによって対処法は変わってきます。重点的に備えるべきポイントを見つけるためにも、自分の抱える怖さがどのようなものなのかを明らかにする必要があります。

この記事では就活に怖さを感じる学生の心理を8パターン紹介するので、自分の抱えている不安がどれに一番近いのかを考えていってください。

①不合格の結果を突き付けられたくない

志望度の高い企業や、内定を確信していた企業から不合格を告げられたらショックですよね。そうでなくとも、好きで不合格になる人はいないでしょう。特に新卒就活では自分の人柄やこれまでの経験をアピールするので、その結果として不採用になると、自分の存在や半生を否定されたように感じることもあるかもしれません。

しかし、就活ではどうしても合格・不合格のどちらかの結果が出ます。各企業は新入社員を無限に受け入れられるわけではないからです。また、合否の基準は企業によって異なり、企業風土や既存社員との相性も加味されるので、就活の合否は決して学生の人格や能力に優劣をつけるものではないことを理解しましょう

若林 宏美

プロフィール

働きたい業種が決まっている人は、複数企業で同じ業種の選考を受けることも多いでしょう。それでも社風や既存社員との相性などによって合否が変わることは多々あります。

選考の合否はあなたの能力や人柄を否定するものではないので、不合格になっても重くとらえ過ぎずに「もっと活躍できる会社がある」と前向きに就活に取り組んでくださいね。

②どの企業にも受からないかもしれない

昨今は「全落ち」「ない内定」「NNT」といった言葉が浸透したことで、どれだけ就活を頑張っても一つも内定を獲得できない状況が想像しやすくなりました。あるいは、まったく内定をもらえなかった学生のSNSを見て、自分と重ねてしまう人もいるかもしれません。

しかし、内定を獲得できるかどうかが個人の価値を決定するわけではありません。加えて、しっかりと対策をおこない、かつ極端な選り好みをしなければ、就職は可能です。基本的に現代日本は少子高齢化社会であり、若い働き手の需要は高いからです。

内定をもらえない将来を想像してしまう人は、志望業界・志望企業の倍率が高いといった不安要素に目を向けている可能性があります。ポジティブにとらえれば対策が不足しているポイントの目安がついているということなので、不安要素を放置せずに準備を万全にして、内定獲得を目指していきましょう

どの企業からも内定をもらえない将来を想像してしまう学生は、以下の記事を参考に、まずはどこかの企業から内定を一つ以上獲得することを目指して不安を取り除いていきましょう。

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就活で全落ちする学生の特徴と挽回方法|今からできる秘策を紹介

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NNTは使い方に注意が必要な就活用語!? 用語の意味を詳しく解説

あなたが受けない方がいい職業を確認してください

就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。

そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

③意欲的な人と自分を比較してしまい自信を失っている

現在は就活の早期化が進み、早い人は大学1年生のうちからインターンなどに参加して就活準備を進めています。就活が本格化する3年生の3月より前に内定を獲得している学生も珍しくありません。

早くから就活に取り組んでいた学生は、そうでない学生に比べて就活に慣れているので、自分をより魅力的に見せるためのテクニックを習得している可能性が高いです。その前提を知らないまま経験値の高い学生の話を聞いていると、相手がとても優秀で魅力的な人材であり、反対に自分は劣っていると感じてしまうこともあるかもしれません。

しかし見方を変えれば、意欲的な学生の持つスキルや経験は自分もこれから身に付けることが可能ということです。過度に焦ったり落ち込んだりする必要はありません。優秀だと思った学生のノウハウを吸収し、自身の魅力を引き立たせるためにはどんな工夫ができるかを考えていきましょう。

優秀な同級生が早々に内定を獲得していて、こうはなれないと思いました。

基本的なマナーや準備ができている人ほど高評価を得やすい

私は大学で就活関連の授業を担当した経験がありますが、やはり就活への意欲が高い学生は内定を獲得しやすい傾向にあります。

意欲が高い学生は早期から大学主催の就活セミナーなどに参加し、自分が目指す業界や企業のことを調べています。また、面接対策の取り組みも早いため、就活に対する準備を整えられているのです。

ただ、意欲が高くても行動が伴わない学生は、口だけになってしまいます。就活だけでなく、普段から挨拶・感謝・目標設定・整理整頓など、当たり前のことにしっかりと取り組んでいる学生が企業から評価されているのだと感じています。

こちらの記事では就活を順調に進めるためのノウハウを解説しているので、就活の始め方がわからない、就活に自信がないといった人はぜひ参考にしてください。

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④面接官に何をいわれるか予想できない

就活を進めることでぶつかる壁を想像して、就活が怖いと感じるようになってしまった人もいるでしょう。「面接官の質問にうまく答えられないかもしれない」「面接官に『そんなことではダメだ』と叱責されたらどうしよう」などと、面接官に対して過度な緊張を感じるのがその一例です。

面接官は学生を評価する立場なので、学生が面接官に緊張を抱くのも無理はありません。とはいえ、面接官は「学生を不合格にしよう」という気持ちで面接をおこなっているわけではありません。面接官はあくまでも企業の代表として、目の前の学生が自社に入社したらどのように活躍してくれそうかを知ろうとしています

面接は学生と面接官が争ったり、どちらかが一方的に話をしたりする場ではなく、相互理解を深めるための場です。面接官の質問は学生を理解するためのものなので、面接官の立場よりも面接官とのコミュニケーションに意識を向けることが大切です。

吉野 郁子

プロフィール

面接に強い学生は、年長者と話す経験が多い傾向にあるといわれます。多くの人に出会うなかで、感じの悪い人もいれば良い人もいるということが経験でき、割り切れるようになれるのでしょう。

態度のきつい面接官を想像してしまう人もいるかもしれませんが、感じの悪い大人はどこにでもいるのだと割り切る意識を持ってください。

面接で面接官から強いプレッシャーを受けた場合、その面接はもしかしたら圧迫面接だったかもしれません。そういった種類の面接があることを知り、企業の狙いを把握すると、自分を過度に責めることはなくなります。以下の記事を参考に、過去の面接が圧迫面接だったのかどうか確かめてみましょう。

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⑤面接で自分のことを話すのが緊張する

新卒就活では、自分の性格や過去の体験などについてプレゼンすることが多いです。しかし面接というオフィシャルな場で、初対面の面接官を相手に、自分のプライベートに紐づくエピソードを話す行為自体に抵抗を感じる人も中にはいるかもしれません。

就活で話す内容はプライベートそのままである必要はありません。就活で求められているのは、企業が「この学生はどんな社会人になるだろう」と具体的にイメージするための情報です。嘘はつくべきではありませんが、プライベートを明かすこととイコールではありません。

オフィシャルな場にいるときの自分とプライベートな場にいる自分を区別して話す練習をして、自分のすべてを明かさなければいけないといった考え方を取り払いましょう

⑥周囲の期待に見合う企業に受かる自信がない

これまでに優れた成績・実績を挙げてきた人は、家族や友人などの周囲の人から「あなたは優秀だから有名な企業に入るのでしょう」と就活の結果にも期待されることもあるかもしれません。しかしこれまでの解説のとおり、就活は試験やスポーツのように数値で応募者をランク付けするものではないので、学生時代の成績が良ければ第一志望の企業に入れるというわけではありません

また、就活では本人の熱意や意欲も重視されます。企業は自社で長く意欲的に働いてくれそうな学生を求めているからです。よって、もし自分の希望を押し殺して周囲の期待に応えようとしているのであれば、就活は難航する可能性があります。学生本人にとっても積極的に働ける環境を選ぶことは重要です。

自分なりの軸を持って就活を進めることは内定獲得にも欠かせません。周囲の声ではなく、自分の意思や目的を第一に考えて就活を進めましょう。

家族に大企業への入社を強く勧められるのですが、期待に応える自信がないです……。

若林 宏美

プロフィール

自分が築きたいキャリアを伝えて家族とよく話し合おう

家族がどういった意図で大企業を勧めているのかがわからないので、一般論であることを念頭に置いてください。

私が相談を受けた学生の中にも、同じように「大企業や老舗企業でないと入社してはだめ」と親から言われている人がいました。詳しく聞いてみると親は「中小企業はいつ潰れるかわからない」という心配からそのように意見していたのでした。

親世代には、終身雇用の価値観を持つ人や、大企業というネームバリューに安心感を求める人もいます。そうした価値観を否定はしません。

ただ、実際に就活をしている自分が違う考えを持つのであれば、しっかりと自分の意見を伝えて、将来的にどのようにキャリアを築きたいのか、膝を突き合わせて話してみてはどうでしょうか。

自己分析をするなら自己分析ツールが一番おすすめ!

自分の弱みはわかっていても、強みは思いつかないものですよね。「それ、強みって言えないよ」と思われたくない人も多いはず。

そんな時は「自己分析ツール」を活用しましょう。このツールを使えば簡単な質問に答えていくだけで、あなたの強み・弱みが簡単にわかります。

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⑦社会に出ること自体に恐怖心がある

就活が怖いと感じている人の中には、就活そのものではなく、就活の先にある社会人としての将来に不安を抱いている人もいるでしょう。

学生と社会人では求められるものが大きく異なります。社会人になったら、一週間のうち40時間を労働に費やし、組織人としての責任を背負い、年齢もバックグラウンドも異なる人と一緒に仕事をしなくてはなりません。学生にとって、社会人になることは重大な転換点です。

社会人としてやっていく自信がなかったり、社会人としての自分をまったく想像できなかったりすると、社会に出ることそのものが怖いと感じることもありえます。しかし新卒入社の場合、入社直後からいきなり成果を出すよう求められることは基本的にありません。新入社員として研修を受け、経験を積みながら成長していくものです。

新入社員へのフォローが手厚い企業への応募も検討しつつ、社会人になることに対するハードルが極端に上がってしまっていないかを一度確認しましょう。

働く自分を想像できない人は、身近な社会人にインタビューするのが良いかもしれませんね。

私は大学の授業のカリキュラムの一環として、社会人へインタビューをする課題を出します。そうすると、社会人と学生の違いが明確になり、学生たちの意識が変わります。

⑧就活に失敗したら今後の人生も終わってしまう気がする

就活は社会人としてのスタートを切る場所を決める重要な機会です。社会人としての第一歩を決定づけるともいえます。そのため、新卒で入社した企業での学び・経験がその後のキャリアを方向づけることも可能性としてはあります。

ただし、現在は転職という選択肢も一般的になっているため、もし新卒として入社した企業が合わなかったり、ほかにやりたい仕事が見つかったりした場合には、新しい環境へ身を移すことも難しくありません

新卒で入社した企業がどのような環境であれ、その後の社会人としてのキャリアがそこですべて決まってしまうわけではありません。無論、なるべく自分が活力を持って働ける企業へ就職することを目指すべきですが、キャリアは仕切り直しが可能なので、考え込むことで行動が鈍くなってしまうよりは、一度内定獲得に向けて動き出すほうが良いです。

吉野 郁子

プロフィール

最初は合わないと思った企業に入社しても成長できる可能性は十分あり、就職先が決まらないまま卒業してもその後からでも働き先は見つけられます。つまり、新卒時の就活の結果そのものは、長期的に考えれば大きな違いは生みません。

目先の損得にとらわれて視野が狭くなると、かえって考えが行き詰まってしまいますよ。

就活が人生のすべてではありません。たとえ就活につまずいたとしても、行動次第でいかようにも自分の可能性は広げられます。ついネガティブな未来を考えてしまうという人は、こちらの記事を参考に、就活へのハードルを下げてみるのもおすすめです。

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就労支援のプロが見た! 就活が怖いまま時間が経ってしまった学生の後悔

就活を初めて経験する学生が、就活を怖いと感じてしまうのは仕方のないことです。しかし、恐怖心を抱えたまま本格的に就活に取り組むことは難しいです。就活を進められたとしても、選考過程で消極的な気持ちが伝わってしまい、なかなか内定が獲得できない可能性もあります

とはいえ、仮定の話が続いても漠然とした不安がふくらんでいくばかりで、何をするべきかが見えてきづらいですよね。そこで今回はキャリアコンサルタントとして多くの学生の就労支援を手掛けてきた若林さんに、恐怖心が就活に悪影響を及ぼした実例について聞いてきました。若林さんの意見を参考に、恐怖心を解消したうえで就活に臨む重要性を確認しましょう。

アドバイザーコメント

自分に合ったやり方で怖さを和らげつつ後悔のない就活をしよう

就活が怖いと感じる理由はいろいろありますが、「本当に働きたい業界があるが、自分なんかが雇ってもらえるわけがない」という消極的な考え方が悪影響を及ぼすこともあります。

とある学生は、やりたい仕事があったものの、自分に自信がなく、その業種以外の全く関係のない業界を受け続けていました。その背景には「本当にやりたい仕事で雇ってもらえなかったら立ち直れない」という恐怖心があったのです。

そんな状態で就活を続けていたため、なかなか内定が出ず、その学生は私に相談をしに来ました。

私が「どうして受けてもいないのに、落ちることばかり考えるの?」と聞くと、「自分なんかが受かるわけない」と言います。「このまま希望業種を受けずに、別業種で働いた場合、本当に後悔しないの?」と聞いてみると、学生は「落ちたショックより、ダメージは少ないと思う」と言いました。

自分に合った就活の進め方を見つけるとポジティブに就活に臨める

いろいろと話し合った結果、別業種も受けながら希望業種も受けることになり、希望業種の選考が進むにつれ、表情も明るくなり、思考もポジティブになっていきました。希望業種の就活を積極的におこなえるようになった結果、満足のいく就職ができたのです。

まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください

就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。

そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
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就活を怖がっていると状況は悪化!? 就活への不安を解消すべき4つの理由

就活を怖がっていると状況は悪化!? 就活への不安を解消すべき4つの理由

  • 周囲の学生との差が開くと精神的な負担になる
  • 時間が経つほど採用を締め切る企業が増えて選択肢が減る
  • 減ってきた採用枠を就活経験者と取り合うことになる
  • 過度な緊張や自信のなさは面接官に不安視されやすい

就活が怖いと感じてしまうこと自体は仕方のない部分もあります。しかし、就活を怖がったままでいると、恐怖心や不安が解消されないだけでなく、就活そのものも進めづらくなってしまう可能性があることは知っておきましょう。

就活を怖いという気持ちに対処しないリスクを理解し、就活への不安を解消することの重要性を確認しましょう。

①周囲の学生との差が開くと精神的な負担になる

2025年卒の学生の内々定率の推移

まず、就活を怖がっていると、就活そのものに積極的になれません。しかし就活の早期化が進んでいる現在、たとえ1カ月の遅れでも焦りを感じさせるのに十分な期間です。

就職みらい研究所の就職プロセス調査(2025年卒)「2024年7月1日時点内定状況」によると、2025年卒の学生の内々定率は、6月の時点で82.4%に上ります。一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)は2025(令和7)年度卒業・修了予定者などの就職・採用活動に関する要請などについてにて、採用を6月以降に始めるよう各企業に求めていますが、実際は6月時点で8割以上の学生が内々定を獲得しているのです

このように同級生が次々と内々定を獲得して就活を終わらせていくのを見ると、自分との差を感じてしまい、焦ったり自信を喪失したりする恐れがあります。

②時間が経つほど採用を締め切る企業が増えて選択肢が減る

上述のように企業が続々と内々定を出しているということは、学生を集め終えた企業は採用活動を終わらせてしまいます。学生からの人気・評判が高い企業ほど早く採用を締め切ってしまうので、自分が行きたいと思った企業を見つけても、そのときすでに企業は採用を終わらせていた、という場面も想定できます

就活は早く始めれば良いというわけではありませんが、ようやく行動に移せたにもかかわらず思うように就活を進められないという状態は、フラストレーションが溜まるでしょう。

③減ってきた採用枠を就活経験者と取り合うことになる

学生が採用されれば、当然企業が持つ採用枠は減っていきます。その枠を取り合う相手の多くは、これまで就活を続けてきた学生だと想定されます。早期に内々定を獲得した学生が、より自分に合った企業とのマッチングを目指して就活を続けている可能性も高いです。

すでに内々定を獲得しているという成功体験や安心感を持っている学生には余裕があり、その余裕は選考での落ち着きにつながります。そうでなくとも、自分より多くの企業の選考を受けてきた学生は、自分の長所を効果的にアピールするテクニックを持っているものです。

こういった学生と自分を比較してしまうと、ますます就活に対して怖いという気持ちがふくらんでいくかもしれません。

企業がいつ頃まで採用活動を継続しているのかはこちらの記事で詳しく解説しています。就活自体のスケジュールを把握すると、動き出すべきタイミングがわかるだけでなく、遅れや不調が発生した場合のリカバリーの計画も立てやすくなります。

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就活がいつまで続くのか不安な人は、まず就活の終了時期を押さえましょう。この記事では一般的な就活スケジュールを紹介します。また納得して就活を終わらせるために実施すべき対策をキャリアコンサルタントが解説しますので参考にしてください。

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④過度な緊張や自信のなさは面接官に不安視されやすい

企業は採用活動を通じてこれから一緒に仕事をする人材を探しているので、学生が就活を怖がる態度や、それにともなう自分自身への自信のなさを見せると、面接官も「この学生は本当に自社で長く働いてくれるだろうか?」「ほかの社員と協力して仕事をこなせるだろうか?」と不安になっていまいます。

面接官に不安を持たれると採用からも遠ざかってしまうため、就活での不調が続き、さらに就活に対する恐怖心が増してしまう悪循環に陥ってしまう可能性があります

面接ではさまざまな角度から質問を受けるので、不安を抱えたまま臨むと、どこかでその気持ちが漏れてしまうかもしれません。そうならないためには、就活に対する恐怖心を解消するための抜本的な取り組みが必要になります。

就活への怖さを解消できないままだと、今後就活以外のさまざまなことに対しても「怖い」という意識が働き、前に踏み出せなくなるかもしれません。

「怖い」という思いは相手に「自信のなさ」として映ります。何が怖いのかを明確にして書き出してみてください。そして、その対処法を考えていきましょう。

あなたが受けない方がいい職業を確認しよう!

職業選択においてやりたいことはもちろん、なかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうため適職への理解が重要です。

そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業と低い職業を診断できます。

まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみよう!

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・時間をかけずに自己分析をしたい人

「怖くて動けない」に終止符を打とう! 就活の怖さを乗り越える2ステップ

「怖くて動けない」に終止符を打とう! 就活の怖さを乗り越える2ステップ

  • 就活が怖いと感じる根本的な原因を突き止めよう
  • 原因から自分に合った克服法を見つけよう

前章・前々章で、就活を怖がったままでいるとさまざまなデメリットが生じることが把握できたかと思います。しかし、デメリットがあるからといってすぐに気持ちを切り替えて行動を起こせるというわけではありませんよね。

ここからは、就活が怖いという気持ちを乗り越えるための方法を2ステップで解説します。就活に抱いている気持ちと向き合い、どうすれば状況を改善するための行動を取れるのかを考えていきましょう。

①就活が怖いと感じる根本的な原因を突き止めよう

就活が怖いと感じる根本的な原因を突き止める方法

  1. 原因が自分の中のイメージにある場合
  2. 原因が過去の体験にある場合

就活が怖いと感じる8つの心理で、就活への不安を言語化しました。言葉にすることで不安が具体的になり、不安が生まれる背景も考えやすくなったのではないでしょうか。

ここからは背景をさらに突き詰めて、就活が怖いと感じる根本的な原因を見つけていきます。克服法を考えるには原因を明らかにすることが欠かせないので、じっくりと自分に向き合って就活への怖さの正体を突き止めましょう

原因が自分の中のイメージにある場合

就活を経験したことのない人は、インターネットなどで入手できる情報から就活の進め方や面接の場について想像をふくらませるでしょう。しかし、それらの情報は玉石混交です。根拠や出典がわからない情報や一個人の見解を信じきってしまうのはリスクがあるので、本来は取捨選択しなくてはなりません。

集めた情報を整理できないのは、自分にとって必要なものが何かを判断する軸がないからかもしれません。自分なりの軸がない状態では、他者の意見に振り回されてしまうので、自信を失ってしまう可能性があります。

自分に自信がない人は「自分のような人間が就活で良い結果を得られるはずがない」「社会人になってもうまくやっていけないに決まっている」といった考えにとらわれやすいです。就活が苛烈な競争に思えたり、社会人生活が極端にハードなものに感じられたりする人は、一度自分の考えに明確な根拠があるかを確かめてみましょう

また、「ホワイト企業に入社しないと幸せになれない」などと自分で就活に高いハードルを設定している人も、自信を喪失しやすいです。理想を追求することは大切ですが、理想が現在の自分の目標と一致しているかの見直しも必要です。

若林 宏美

プロフィール

誰しもが一度は「有名な会社で、人間関係も良好なホワイト企業で働きたい」と思うことでしょう。しかしそんな夢のような企業はなかなかありません。

働く自分が想像できず、理想ばかりが膨らんでしまうのであれば、ネットだけでなく周囲の生の声を聞いてみてください。

原因が過去の体験にある場合

第三者の意見ではなく、自分自身の体験がきっかけで就活を怖いと感じるようになった学生もいるでしょう。志望度の高い企業から不採用になったことが忘れられなかったり、面接でうまく話せなかったことが心の傷になっていたり、面接官が自分の話にあいづち一つ打ってくれなかったりといった体験を持っている人は、「もう同じ状況に立たされたくない」と思っているかもしれません。

しかし、就活を体験したことがあるのはアドバンテージになります。過去の体験のうち、自分の感情ではなく事実だけに目を向けることができれば、改善策を見つけることができます

たとえば面接でうまく話せなかった人は、実は質問に回答するまでにじっくりと考えを巡らせたいタイプなのかもしれません。自分のタイプがわかれば「少し考えたいので、お時間をいただいても良いですか」と断りを入れて落ち着いて回答を用意することで、面接で緊張し過ぎることはなくなるでしょう。

過去の体験をつらい失敗ととらえている人もいるかもしれませんが、自分の弱点がすでに判明していると見ることもできます。とらえ方を変えて前向きな行動につなげていきましょう。

冷たい反応の面接官が忘れられず、トラウマになっています……。

吉野 郁子

プロフィール

認知療法で過去の出来事のとらえ方を変えていこう

心理療法の一つに「認知療法」があります。これは、「出来事」「自分の受け止め方」「感情」を整理して考え、心の健康を取り戻す方法です。

たとえば、「面接官の態度が冷たかった」という出来事に対して、「自分がダメだったからだ」「面接官が大人げないからだ」「入社しないほうが良い会社だとわかって良かった」など、さまざまな受け止め方があります。

「自分がダメだ」と感じたとしても、「これを機に面接練習をたくさんしよう」「もう就活を辞めよう」「くよくよしない自分に成長しよう」など、その後の行動には多くの選択肢があります。

トラウマになっている過去の出来事をどう受け止め、どのような行動につなげていきたいと考えているかを整理してみてください。出来事は選べないですが、とらえ方は自分で変えることができますよ。

就活が順調に進んでいないことに対して怖さや不安を感じている人は、こちらの記事を参考にしてみてください。就活がうまくいかないときは落ち着いて原因を突き止め、対処法を見つけることが一番の近道です。

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就活に焦ることは、チャンスを逃してしまったりと悪循環に陥りやすいです。焦った時に意識したい考え方や心構えをキャリアコンサルタントが解説します。うまくいかなくても焦らないことは大切ですが、行動を変えないことはNG。正しい行動をとって、焦らず就活に臨みましょう。

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就活は焦る必要まったくなし! 内定にぐっと近づく5つの考え方

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就活準備で悩んだら就活準備プロンプト集がおすすめ!

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②原因から自分に合った克服法を見つけよう

原因から自分に合った克服法を見つける方法

  1. ネガティブな先入観を断ち切る方法
  2. 過去をポジティブにとらえ直す方法

ここまでで、就活が怖いと感じる根本的な原因が明確になりました。次は、原因にもとづいて、恐怖心を乗り越えるための方法を探していきます。

先入観を断ち切る方向、過去をとらえ直す方向の2種類のアプローチを紹介するので、自分に合った方法で就活が怖いという気持ちを克服しましょう

ネガティブな先入観を断ち切る方法

ネガティブな先入観を断ち切る方法の例

  • 集めた情報は鵜呑みにせず参考程度に考える
  • 「自分が何を知りたいのか」をはっきりさせてから情報を集める
  • 複数の情報を総合的にとらえて自分なりの意見を持つ

先入観とは、あるものについて実際に知る前に抱くイメージのことです。自分の考えに自信が持てない人は、自分の判断を疑ってしまうため、イメージにまどわされやすいと考えられます。就活に絞っていえば、事前に情報収集をすること自体は良いのですが、集めた情報をそのまま信じてしまうのはリスキーです。準備の方向性を間違えてしまったり、極端な先入観を持ったりする原因になりかねないので、周囲の情報はあくまでも参考程度にとどめましょう。

しかし、集めた情報がどれも信用できないのも困りますよね。自分にとって有益な情報がどれなのかを判別できない人は、情報が多過ぎるあまりに目的を見失っている可能性があります。まずは自分が何に悩んでいるのかを明確にしましょう。たとえば「不合格になるのが怖い」と感じている人は、怖さに焦点を当てるのではなく「不合格にならないためのポイント」を調べるべきです。

集めた情報の結論がばらばらな場合は、情報一つひとつではなく、全体をとらえることを意識してください。志望企業の社員の声を調べていて、意見にまとまりがなかった場合は、「この企業は部署や職種によって満足度や組織への印象が異なるのか」と理解するといった具合です。

根付いたイメージを一気に払拭することは難しいですが、自分の迷いや不安に着実に向き合い、自分なりの判断軸を持つことができれば、他者の影響ではなく自分なりの考えでもって就活をとらえることができます。

自信が持てない人は、小さなことでもかまわないので、過去の成功例を思い出してみてください。ほめられたことや、自分一人でできたことなどです。「自転車に乗ることができた」など些細なことでかまいません。

それらを書き出してみることで自信が湧いてきて、就活に臨めるようになりますよ。

過去をポジティブにとらえ直す方法

過去をポジティブにとらえ直す方法の例

  • 最初から就活に慣れている学生はいないと理解する
  • 前回よりも良い結果を獲得することを目標にする
  • 学生をないがしろにする面接官は少ないことを念頭に置く

過去に就活で自分が失敗したと感じている人は、「人前で失敗したことが恥ずかしい」「どうしてもっとうまくできなかったのか」と自らを責め続けているかもしれません。しかし、自分を責めることでは状況は改善しません。就活での失敗は不慣れによるものだったと割り切って、次の機会で前よりも良い結果を出すことに注力しましょう。

面接官の反応や言葉に恐怖を感じたことのある人は、そういった面接官ばかりではないことを実感するために、ほかの面接を経験することをおすすめします。いきなり面接に挑むのが怖い場合は、面接の手前にカジュアル面談を設けている企業に応募して、社員と話すことに慣れるのも手です

現在、国内の企業は少子高齢化の影響で人手不足の傾向にあり、学生からの評判が下がるような行動をあえて取る面接官はほとんどいません。SNSなどで情報も簡単に広がってしまうので、学生に失礼な態度を取って企業イメージを自ら貶めることは稀です。

いずれにせよ、過去に不採用になった企業の選考を新卒就活の中で再び受けることはないはずです。国内で新卒採用をおこなっている企業はたくさんあるので、過去不採用になった一社とは縁がなかったと割り切り、以前よりも良い結果をつかむことを目標にして行動していきましょう。

吉野 郁子

プロフィール

自分の感情に気付く方法の一つに「スケーリング」があります。

以前失敗した面接に点数をつけると何点か? 最近の面接に点数をつけると何点か? 次の面接では何点を目指したいか? といったように、数字にして変化を確認していくことで、うまくいったことや成長した点にも目を向けられるようになります。

カジュアル面談についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、興味がある人はぜひ目を通してください。

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気持ちを切り替えられないときは? 就活の怖さを和らげる心得をプロが解説

就活を怖がっていると就活が難航する恐れがあるため、恐怖心を克服していく必要がありますが、気持ちをすんなりと切り替えられる人は多くはありません。特に就職はその後のキャリアにも影響を持つ大きな決断なので、慎重にならざるを得ないと感じる人もいるでしょう。

しかし、繰り返しになりますが、就活では自社で意欲的に働いてくれそうな学生が求められます。選考で就活や将来への不安を面接官に察知されると、「この学生は自社でいきいきと働く将来を想像していなさそうだ、自社への志望度は低いのかもしれない」と不採用の判断をくだされてしまうかもしれません。

そこで今回、気持ちがうまく切り替えられないときに就活の怖さを和らげるにはどういった心構えをすると良いか、キャリアアドバイザーの西さんに話を聞きました。

アドバイザーコメント

ポジティブな気持ちで面接に臨むためのコツを掴もう

就活へのネガティブなイメージを乗り越えるための効果的なコツが3つあります。

①イメージトレーニング

面接当日の朝、自分の身だしなみをチェックし、鏡の前で笑顔を作ります。口角を上げることで、心も身体も元気になるのです。電車に乗る前や選考会場に入る前など、短い時間でも笑顔を意識して作りましょう。

さらにこれからの面接についても、ニコニコしている面接官や、自分がハキハキ話している様子、面接後に良い連絡が来て家族と喜ぶシーンなどを思い描くことで、ポジティブな気持ちを持つことができます。

②面接官の立場で考える

面接官はあなたに興味を持ち、入社後に企業で活躍してくれることを期待しています。そのため、面接で高評価を得るには、企業のホームページ(HP)で「求める人物像」を確認し、自分がどのように貢献できるかを考えたり、周囲の人から評価を受けたりすることが重要です。

面接官がどのような人物を求めているのかを考え、自己分析を深めましょう。

③リフレーミング

たとえば「失敗」という言葉を「今後に期待」や「ほかに適した企業がある」といったポジティブな表現に変えてみましょう。自分の性質についても「消極的」は「慎重に物事を判断する」といったように、言葉を入れ替える練習をすることで、心の持ちようが変わります。

就活が不安という気持ちへの対処法はこちらの記事でも詳しく解説しているので、併せて参考にしてみてください。考えや気の持ちようを変えるのは簡単ではないですが、怖さや不安を抱えたまま就活に臨んだことで結果に納得できないほうがつらいですよね。自分に合った考え方を探し、突破口を見つけましょう。

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  • 慎重さを活かして自己理解を深める
  • ESや面接で聞かれやすい質問に備える
  • 模擬面接で面接官とのやり取りに慣れる

ここまで、就活が怖いという気持ちを取り除くための方法を解説してきました。この章からは、実際に就活を進めるために必要な準備について説明します。

適切な就活対策を進めれば就活の実態を理解することができるので、就活を必要以上に怖がることはなくなります。準備を万全に整えて、不安のない状態で就活に臨みましょう。

①慎重さを活かして自己理解を深める

就活を怖いと感じる人は、事前に収集した情報や過去の失敗を重く受け止め、就活そのものに慎重になっている傾向にあります。しかしそれは悪いだけのことではなく、むしろ就活の基礎となる自己分析では、その慎重さが光ります。

自己分析とは、文字通り自分自身を分析することです。新卒採用をおこなう企業は、社会人経験のない学生を採用するにあたって、学生の熱意や伸びしろに注目しています。よって学生は、自分が志望企業で長く活躍できる可能性を秘めた人材であることをさまざまな角度からアピールしなくてはなりません。そのアピール材料を探す作業こそが自己分析です。

不合格になることに不安を感じている人や、ほかの学生と自分を比較して落ち込んでいる人は、自己分析を丁寧に進めてください。自分の強みや、強みを発揮できる環境を自己分析によって明らかにして、自信を持って選考に臨めるようになりましょう

自己分析のやり方はこちらの記事で解説しています。自己分析の7つの手法に加え、分析結果を就活で活かす方法も詳細に解説しているので、ぜひ参考にしてください。

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②ESや面接で聞かれやすい質問に備える

面接が怖い人や、書類選考で不採用になることを不安に感じる人は、選考対策に重点を置きましょう。

書類選考は学生が最も多く経験する選考フェーズであり、応募企業の多くから提出を求められるため、一社一社のためにそれほど時間をかけられないと感じる学生も多いでしょう。しかし、企業にとっても書類選考は最も多くの学生の情報を見なくてはならないフェーズなので、多くの応募者のなかから選ばれるには、ESでいかに熱意を伝えられるかがきわめて重要になります。そのためESは丁寧に練り上げる必要があるのです。

ESが評価されて選考が進むと、次に面接が待ち受けています。面接ではESと一貫性のある回答をすることが前提になります。ただし、どのような切り口で質問されるかはわからないので、その場での対応に自信がない人は頻出質問を参考にして事前に回答を用意しておくことをおすすめします

特に「面接官の質問にうまく答えられなかったらどうしよう」といった不安を抱えている人は、より多くの頻出質問を見て、どのような聞かれ方をしてもESとの一貫性がある答えを返せるよう準備しておきましょう。

若林 宏美

プロフィール

面接で緊張のあまり、質問の内容や意図がわからなくなってしまうこともありますよね。

そんなときは、的の外れた回答をするよりは、もう一度質問を聞き返したり、正直にわからないと答えても問題ないので安心してください。

こちらの記事ではESの書き方を基礎から徹底的に解説しています。項目ごとのコツや例文、通過率を上げるポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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こちらでは面接で聞かれることの多い質問を110例紹介しています。回答例はもちろん、想定外の質問を受けた場合の対処法も解説しているので、面接の前に目を通して準備を整えましょう。

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③模擬面接で面接官とのやり取りに慣れる

面接での質問について対策ができたら、実践に移りましょう。いきなり志望企業の面接に臨むと緊張してしまい、本来の実力を発揮できない可能性があるので、模擬面接で面接に慣れていくことをおすすめします。

模擬面接のやり方はいくつかありますが、面接官とのコミュニケーションに慣れるのであれば、就活に詳しい第三者に面接官役を依頼するのが良いです。大学のキャリアセンターの相談員や、民間の就職エージェントは面接官に近い目線で模擬面接をおこなってくれるだけでなく、内定獲得に向けてフィードバックもしてくれます。

なお、模擬面接を依頼する際には事前に予約や日程調整が必要になるので、その日のうちに実施できるわけではないことは留意しましょう。また、模擬面接を依頼する際は「今度食品メーカーの面接を受けるので、その企業の面接を想定してほしい」と面接の方向性を具体的に示すと、面接内のやり取りがより本番に近付きます

模擬面接も、練習だからと気を抜かず、それまでの準備や対策を発揮することを意識して臨みましょう。

模擬面接に役立つ記事を以下にて紹介します。模擬面接のコツや面接対策の基礎を理解することで、模擬面接の効果を最大化させることができるので、参考にしてみてください。

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もう就活は怖くない! 書類選考と面接の通過率を上げるコツをプロが解説

就活を知らないことで不安がふくらんでいる人も、過去に就活で失敗した経験から怖さを拭えないでいる人も、大切なのは就活の不安要素を払拭して行動を積み重ねることです。ただし、就活を進めて不採用が続くことで怖さがよみがえってしまっては逆効果ですよね。

前章では就活の基礎を固める方法を解説しましたが、それはマイナスになっていた気持ちをフラットに戻すための取り組みです。気持ちをプラスへ引き上げるための技も知ることができれば、就活へのネガティブな印象をさらに薄めることができます

そこで今回は、書類選考と面接のそれぞれで通過率をアップさせるための秘訣をキャリアコンサルタントの吉野さんに聞いてみました。吉野さんはキャリアコンサルタントとして学生から社会人までの幅広い世代の就労支援をおこなっています。キャリアのプロのアドバイスを活かした就活で内定獲得をめざしましょう。

アドバイザーコメント

練習のPDCAサイクルを回して自分の就活に自信を持とう

書類選考を通過するには第三者から添削を受けるのが良いでしょう。面接は練習を重ねることが大切です。そして、添削や練習は一度だけで終わらせるのではなく、次のようなプロセスで繰り返しおこないましょう。

まず、準備をして数社に応募し、通過率を確認します。次に、反省や改善をおこない、その後また企業へ応募します。実際の選考を練習にするのです。このように改善を重ねることを「PDCAサイクルを回す」と言い、結果として行動の質が向上します。さらに、準備や練習に費やした「量」は、自分の自信につながります。

不採用は誰もが経験することなので気持ちの切り替えも重要

また、書類選考や面接の通過率は、応募倍率に大きく左右されます。就職みらい研究所の就職白書2024によると、24卒の学生の平均エントリー数は12.71社で、平均内定数は2.61社でした。つまり、1社の内定を獲得するためには、平均で6社の応募が必要という計算になります。

不採用は選考の過程で必ず経験するものなので、努力を重ねた後は、たとえ不採用になっても「自分が悪いわけではない」と心を切り替えて次に臨むことも大切です。

選考のコツについては以下の記事でも詳しく解説しています。これらを参考に、選考通過率を高めて就活への自信につなげましょう。

書類選考
書類選考で落ちる6つの理由|通過率が格段に上がる5つの基本を解説

面接
面接のコツ|通過率を飛躍的に上げる初心者必見の対策を解説

就活に怖さを感じる人は多い! この機にQ&Aで就活にまつわる不安を解消しよう

ここまで、就活の怖さを克服するための対策を網羅的に解説してきましたが、怖さを完全に払拭できたとはまだ感じない人もいるかと思います。そういった人は、自分と同じように就活に悩む人の実際の声を聞くことで「就活が怖いのは自分だけではないんだ」「ほかの人も自分と同じところで就活に不安を感じる」と、安心感を得られるかもしれません

以下のQ&Aでは就活のさまざまな面に対してネガティブな気持ちを抱いている人からの質問と、それに対するキャリアアドバイザーの回答を掲載しています。自分と似た気持ちや悩みを抱えている人がどのようなアドバイスを受けているのかを参考に、就活にまつわる不安を解消していきましょう。

就活が怖い人ほど行動量が重要! 万全の準備で心を落ち着かせて内定を目指そう

就活は社会人としてのスタートを決める重要なイベントなので、強い緊張を感じたり、将来への漠然とした不安を抱える人も多いです。しかし、怖いからと足を止めているとプレッシャーはどんどん膨れ上がってしまいます。内定に向けた細かなステップを設定して、段階的に行動を取っていきましょう。

就活が怖いと感じることは決して悪いことではありません。むしろ、怖いと思う原因を突き止め、怖いと感じなくなるまでしっかりと準備することができれば、隙のない就活対策が可能です。

怖さを解消するための行動を積み重ね、落ち着いて就活に臨み、選考突破を目指していきましょう。

アドバイザーコメント

怖さを一人で抱え込まずに自分なりのペースで就活と向き合おう

就活は、ほとんどの学生にとって未知の経験なので、どうしても不安になったり、怖いと感じたりすることもあると思います。それは多くの学生が抱えている感情なので、怖いと感じている自分に対して落ち込んだりする必要はありません。

以前私に相談しに来た学生は、「それぞれの企業で、どういう受け答えをしたら良いのかがわからないから、面接がとにかく不安だ」と言っていました。たしかに、業界、業種、企業によって聞かれる質問も変わるので、「想定していない質問が来たらどうしよう……」と不安になる気持ちもわかります。

就活対策だけで解消できない怖さは周囲の力を借りて乗り越えよう

面接に関してはある程度対策をすれば怖さは和らぐと思いますが、「そもそも働くのが不安」「自分は社会に出てうまくやっていけるだろうか」といった明確な答えを出せないことへ怖さは、就活対策では払拭でき人もいます。

「まだまだ子どもの自分が、社会人になれるのかな」と話す学生もいますが、今社会で働いている人も、最初は同じ不安や怖さを抱えていました。不安や怖さの大きさは人それぞれですが、自分一人で抱え込むよりも、誰かに相談したり、インターンなどで実際に働くことを経験するなど、自分なりの方法を見つけて就活に向き合ってくださいね。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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